TOP > 国内特許検索 > アルコール酸化触媒及びそれを用いたアルコール酸化方法 > 明細書

明細書 :アルコール酸化触媒及びそれを用いたアルコール酸化方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6067700号 (P6067700)
登録日 平成29年1月6日(2017.1.6)
発行日 平成29年1月25日(2017.1.25)
発明の名称または考案の名称 アルコール酸化触媒及びそれを用いたアルコール酸化方法
国際特許分類 B01J  31/02        (2006.01)
C07C  49/407       (2006.01)
C07C  45/39        (2006.01)
C07C  47/575       (2006.01)
C07C  45/38        (2006.01)
C07C  49/437       (2006.01)
C07C  49/657       (2006.01)
C07C  49/76        (2006.01)
C07C  49/04        (2006.01)
C07C  47/228       (2006.01)
C07C  47/232       (2006.01)
C07C  49/753       (2006.01)
C07C 271/24        (2006.01)
C07C 269/06        (2006.01)
C07D 493/20        (2006.01)
C07D 493/04        (2006.01)
C07D 473/34        (2006.01)
C07D 491/22        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI B01J 31/02 102Z
B01J 31/02 103Z
C07C 49/407 ZAB
C07C 45/39
C07C 47/575
C07C 45/38
C07C 49/437
C07C 49/657
C07C 49/76 A
C07C 49/04 A
C07C 47/228
C07C 47/232
C07C 49/753 B
C07C 271/24
C07C 269/06
C07D 493/20
C07D 493/04 101Z
C07D 473/34 311
C07D 491/22
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 6
全頁数 33
出願番号 特願2014-521528 (P2014-521528)
出願日 平成25年6月21日(2013.6.21)
国際出願番号 PCT/JP2013/067136
国際公開番号 WO2013/191287
国際公開日 平成25年12月27日(2013.12.27)
優先権出願番号 2012140571
優先日 平成24年6月22日(2012.6.22)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成28年3月24日(2016.3.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
発明者または考案者 【氏名】岩淵 好治
【氏名】澁谷 正俊
【氏名】長澤 翔太
個別代理人の代理人 【識別番号】110001047、【氏名又は名称】特許業務法人セントクレスト国際特許事務所
審査官 【審査官】森坂 英昭
参考文献・文献 特開平06-161023(JP,A)
国際公開第2008/117871(WO,A1)
M. SHIBUYA et al.,Highly Efficient, Organocatalytic Aerobic Alcohol Oxidation,J. Am. Chem. Soc.,Vol. 133, Pages 6497-6500 (2011)
調査した分野 B01J 21/00 - 38/74
C07C 45/38
C07C 45/39
C07C 47/228
C07C 47/232
C07C 47/575
C07C 49/04
C07C 49/407
C07C 49/437
C07C 49/657
C07C 49/753
C07C 49/76
C07C 269/06
C07C 271/24
C07D 473/34
C07D 491/22
C07D 493/04
C07D 493/20
C07B 61/00
特許請求の範囲 【請求項1】
アルコールを酸化せしめるアルコール酸化触媒であって、
下記一般式(1):
【化1】
JP0006067700B2_000032t.gif
[式(1)中、Rは水素原子又はアルキル基を示し、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~5のアルキル基、及び置換基を有していてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基からなる群から選択されるいずれか1種を示し、Xはヘテロ原子を含む基(ただし、次式:-NO-で表わされる基を除く)を示す。]
で表わされる多環式N-オキシル化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を含有するアルコール酸化触媒。
【請求項2】
前記一般式(1)中のXが、酸素原子及び下記一般式(2):
-NY- ・・・(2)
[式(2)中、Yはスルホニル基を含む基又はアシル基を示す。]
で表わされる基からなる群から選択されるいずれか1種である請求項1に記載のアルコール酸化触媒。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアルコール酸化触媒及び共酸化剤の存在下でアルコールを酸化せしめるアルコール酸化方法。
【請求項4】
前記共酸化剤が酸素である請求項3に記載のアルコール酸化方法。
【請求項5】
前記アルコールが第1級アルコール又は第2級アルコールである請求項3又は4に記載のアルコール酸化方法。
【請求項6】
前記多環式N-オキシル化合物及び/又はその誘導体の添加量が前記アルコールにおける全ヒドロキシ基100モルに対して0.001~150モルである請求項3~5のうちのいずれか一項に記載のアルコール酸化方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコール酸化触媒及びそれを用いたアルコール酸化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルコールをカルボニル化合物へ酸化せしめるアルコール酸化反応は、医薬、農薬、香料、化成品等の高付加価値化合物を有機合成する際に用いられる最も基本的な反応の1つであり、これまでに様々な手法が開発されてきている。しかしながら、従来の手法においては、高温に加熱する必要があったり、毒性や爆発性を有する酸化剤を使用する必要があったり、重金属等の廃棄物が大量に生じたりするといった、安全性や環境負荷の面からの問題を抱えていた。
【0003】
このような問題を背景として、近年では、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシル(2,2,6,6-tetramethylpiperidine 1-oxyl、以下「TEMPO」という。)が、毒性の高い危険な試薬を使うことなく、種々の共酸化剤を用いて0度から室温という極めて温和な条件下においてアルコールを酸化せしめることができるという観点から、大量スケールにおいてもアルコールの酸化を実施可能な触媒として注目を集めている。
【0004】
前記共酸化剤としては、例えば、工業プロセスでも利用される安価かつ環境調和性に優れた次亜塩素酸ナトリウム水溶液(Pier Lucio Anelliら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、1987年、52巻、12号、p.2559-2562(非特許文献1))、二重結合や電子豊富な芳香環を有するアルコールにも適用可能な広い官能基共存性を有するヨードベンゼンジアセテート(PhI(OAc))(Antonella De Micoら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、1997年、62巻、20号、p.6974-6977(非特許文献2))を始め、多くの酸化剤が利用できることが報告されている。
【0005】
さらに、最近、本発明者らは、アザアダマンタン骨格を有するN-オキシル(ニトロキシルラジカル)化合物(2-azaadamantane N-oxyl(以下「AZADO」という)、及び、1-methyl-2-azaadamantane N-oxyl(以下「1-Me-AZADO」という。))、アザビシクロ[3.3.1]ノナン骨格を有するN-オキシル化合物(9-azabicyclo[3.3.1]nonane N-oxyl、以下「ABNO]という。)、ノルアザアダマンタン骨格を有するN-オキシル化合物(9-norazaadamantane N-oxyl、以下「Nor-AZADO」という。)といった多環式N-オキシル化合物が、TEMPOに比較して高いアルコール酸化触媒活性を有すること、及び、TEMPOでは酸化が進行しない嵩高い第2級アルコールの酸化も速やかに進行させることが可能であることを報告している(澁谷正俊ら、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー、2006年、128巻、26号、p.8412-8413(非特許文献3)、澁谷正俊ら、ケミカル・コミュニケーションズ、2009年、13号、p.1739-1741(非特許文献4)、澁谷正俊ら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、2009年、74巻、12号、p.4619-4622(非特許文献5)、澁谷正俊ら、シンセシス、2011年、21号、p.3418-3425(非特許文献6)、林政樹ら、ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブリテン、2011年、59巻、12号、p.1570-1573(非特許文献7)、国際公開第2006/001387号パンフレット(特許文献1)、特開2009-114143号公報(特許文献2)、特開2008-212853号公報(特許文献3)、国際公開第2012/008228号パンフレット(特許文献4))。
【0006】
なお、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー、1974年、96:21巻、p.6559-6568(非特許文献8)においては、アザアダマンタン骨格にニトロキシルラジカルが2つ導入された化合物が記載されているが、同文献には、この化合物をアルコール酸化触媒として用いることについて何ら記載されていない。
【0007】
また、アルコールの酸化反応に一般に使用される様々な酸化剤の中でも、酸素(分子状酸素)は、操作性・安全性・経済性に優れるのみならず、副生物として水のみを生成する酸化システムの構築が可能であることから、化学工業における環境保全の必要性が叫ばれている昨今において最も理想的な酸化剤であると位置づけられている。しかしながら、近年、TEMPOを触媒としたアルコールの空気酸化反応が数多く検討されているものの、その触媒活性は未だ十分なものではなく、第2級アルコールの酸化反応を速やかに進行させることも未だ困難であるという問題を有していた。
【0008】
これに対して、本発明者らは、AZADOの5位にフッ素原子を導入したN-オキシル化合物(5-fluoro-2-azaadamantane N-oxyl、以下「5-F-AZADO」という。)を触媒とした反応条件を報告している(澁谷正俊ら、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー、2011年、133巻、17号、p.6497-6500(非特許文献9)、国際公開第2009/145323号パンフレット(特許文献5))。この条件によれば、酸素を酸化剤とし、常温・常圧という温和な空気酸化条件においても、第2級アルコールや高度に官能基化されたアルコールを速やかに酸化せしめることが可能である。
【0009】
しかしながら、5-F-AZADOはフッ素原子が導入された化合物であるため、製造工程が煩雑であり、特に、アザアダマンタン骨格にフッ素原子を導入する工程においては、重金属を用いるC-H酸化反応や低温条件において高価なフッ素剤を用いる反応を実施することが必要であり、触媒の大量供給を指向した合成経路による製造が困難であるという問題を有していた。
【先行技術文献】
【0010】

【特許文献1】国際公開第2006/001387号パンフレット
【特許文献2】特開2009-114143号公報
【特許文献3】特開2008-212853号公報
【特許文献4】国際公開第2012/008228号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2009/145323号パンフレット
【0011】

【非特許文献1】Pier Lucio Anelliら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、1987年、52巻、12号、p.2559-2562
【非特許文献2】Antonella De Micoら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、1997年、62巻、20号、p.6974-6977
【非特許文献3】澁谷正俊ら、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー、2006年、128巻、26号、p.8412-8413
【非特許文献4】澁谷正俊ら、ケミカル・コミュニケーションズ、2009年、13号、p.1739-1741
【非特許文献5】澁谷正俊ら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、2009年、74巻、12号、p.4619-4622
【非特許文献6】澁谷正俊ら、シンセシス、2011年、21号、p.3418-3425
【非特許文献7】林政樹ら、ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブリテン、2011年、59巻、12号、p.1570-1573
【非特許文献8】Rassatら、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー、1974年、96:21巻、p.6559-6568
【非特許文献9】澁谷正俊ら、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー、2011年、133巻、17号、p.6497-6500
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、第2級アルコールの酸化においても、空気酸化においても、十分に高い触媒活性を発揮することができ、かつ、製造が容易なアルコール酸化触媒及びそれを用いたアルコール酸化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、アザアダマンタン骨格の2位の位置にニトロキシルラジカル基(-NO-)を有し、かつ、同アザアダマンタン骨格の6位の位置のメチレン炭素がヘテロ原子に置換されたヘテロ多環式N-オキシル化合物をアルコール酸化触媒として用いることにより、酸素を酸化剤とする空気酸化であっても、基質が嵩高い第2級アルコールであっても、十分に高いアルコール酸化触媒活性が発揮されることを見出した。
【0014】
さらに、本発明者らは、このようなヘテロ多環式N-オキシル化合物は、5-F-AZADOのようにフッ素原子を置換基として導入する必要がないため、煩雑な工程を経なくとも容易に製造することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、本発明のアルコール酸化触媒は、
アルコールを酸化せしめるアルコール酸化触媒であって、
下記一般式(1):
【0016】
【化1】
JP0006067700B2_000002t.gif

【0017】
[式(1)中、Rは水素原子又はアルキル基を示し、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~5のアルキル基、及び置換基を有していてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基からなる群から選択されるいずれか1種を示し、Xはヘテロ原子を含む基(ただし、次式:-NO-で表わされる基を除く)を示す。]
で表わされる多環式N-オキシル化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とするものである。
【0018】
さらに、本発明のアルコール酸化触媒としては、前記一般式(1)中のXが酸素原子及び下記一般式(2):
-NY- ・・・(2)
[式(2)中、Yはスルホニル基を含む基又はアシル基を示す。]
で表わされる基からなる群から選択されるいずれか1種であることが好ましい。
【0019】
本発明のアルコール酸化方法は、前記本発明のアルコール酸化触媒及び共酸化剤の存在下でアルコールを酸化せしめることを特徴とするものであり、前記共酸化剤としては、酸素であることがより好ましい。
【0020】
また、本発明のアルコール酸化方法においては、前記アルコールが第1級アルコール又は第2級アルコールであることが好ましく、前記多環式N-オキシル化合物の添加量が前記アルコールにおける全ヒドロキシ基100モルに対して0.001~150モルであることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第2級アルコールの酸化においても、空気酸化においても、十分に高い触媒活性を発揮することができ、かつ、製造が容易なアルコール酸化触媒及びそれを用いたアルコール酸化方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。

【0023】
先ず、本発明のアルコール酸化触媒について説明する。本発明のアルコール酸化触媒は、アルコールを酸化せしめるアルコール酸化触媒であって、
下記一般式(1):

【0024】
【化2】
JP0006067700B2_000003t.gif

【0025】
[式(1)中、Rは水素原子又はアルキル基を示し、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~5のアルキル基、及び置換基を有していてもよい炭素数6~10のアリール基からなる群から選択されるいずれか1種を示し、Xはヘテロ原子を含む基(ただし、次式:-NO-で表わされる基を除く)を示す。]
で表わされる多環式N-オキシル化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を含有するものである。

【0026】
[多環式N-オキシル化合物]
本発明に係る多環式N-オキシル化合物は前記一般式(1)で表わされる化合物である。前記一般式(1)中、Rは水素原子又はアルキル基を示す。前記アルキル基としては、炭素数1~5のアルキル基が好ましく、このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基が挙げられる。これらの中でも、Rとしては、より活性が高くまた合成が容易であるという観点から、水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。

【0027】
前記一般式(1)中、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~5のアルキル基、及び置換基を有していてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基からなる群から選択されるいずれか1種を示す。前記炭素数1~5のアルキル基としては、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基が挙げられる。また、炭素数6~10の芳香族炭化水素基としては、芳香環を含む基が挙げられ、例えば、フェニル基、トリル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチル基が挙げられる。さらに、前記置換基としては、水酸基(-OH)、アジ基(-N)、アセチレン基(-C)が挙げられる。これらの中でも、Rとしては、より活性が高くまた合成が容易であるという観点からは、水素原子又は炭素数1~5の直鎖状アルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。また、本発明のアルコール酸化触媒に固相への連結能や水溶性を付与することが可能な官能基を導入することができるという観点からは、Rとしては、炭素数1~5の直鎖状アルキル基又は該直鎖状アルキル基の末端が前記置換基で置換された基であることが好ましく、このような直鎖状アルキル基としてはn-ブチル基がより好ましい。

【0028】
前記一般式(1)中、Xはヘテロ原子を含む基を示す。前記ヘテロ原子としては、酸素原子(O)、窒素原子(N)、硫黄原子(S)、リン原子(P)等が挙げられる。このようなヘテロ原子がアザアダマンタン骨格の6位の位置に組み込まれることにより、本発明の多環式N-オキシル化合物を触媒として用いると優れたアルコール酸化触媒活性が発揮される。ただし、Xとしては、次式:-NO-で表わされる基を除く。本発明においては、本発明に係る多環式N-オキシル化合物がこのような-NO-で表わされる基(以下、ニトロキシルラジカル基という)をアザアダマンタン骨格の2位と6位の位置に2つ有さなくとも、第2級アルコールの酸化においても、空気酸化においても、十分に高い触媒活性を発揮することができる。

【0029】
このようなXとしては、硫黄原子やリン原子では酸化を受けやすいのに対して、酸化を受けにくい傾向にあるという観点から、酸素原子及び下記一般式(2):
-NY- ・・・(2)
で表わされる基からなる群から選択されるいずれか1種であることが好ましい。前記一般式(2)中、Yはスルホニル基を含む基又はアシル基を示す。前記スルホニル基(-SO-)を含む基としては、トシル基、メシル基が挙げられ、前記アシル基としては、ベンゾイル基、ピバロイル基、アセチル基が挙げられる。これらの中でも、Xとしては、合成の際の反応条件下において安定性に優れる傾向にあるという観点から、酸素原子、上記一般式(2)中のYがトシル基である基(トシルアミド基)が好ましい。

【0030】
また、本発明に係る多環式N-オキシル化合物としては、第2級アルコールの酸化においても、空気酸化においても、より高い触媒活性を発揮することができ、かつ、製造がより容易であるという観点から、前記式(1)中のR及びRが水素原子でありXが酸素原子である6-オキサ-2-アザアダマンタンN-オキシル(6-oxa-2-azaadamantane N-oxyl、以下場合により「Oxa-AZADO」という。)、前記式(1)中のR及びRが水素原子でありXがトシルアミド基であるN-トシル-2,6-ジアザアダマンタンN’-オキシル(N-tosyl-2,6-diazaadamantane N’-oxyl、以下場合により「N-Ts-AZADO」という。)、前記式(1)中のRが水素原子でありRがアルキル基でありXが酸素原子である7-アルキル-6-オキサ-2-アザアダマンタンN-オキシル(7-Alkyl-6-oxa-2-azaadamantane N-oxyl、以下場合により「7-Alkyl-Oxa-AZADO」という。)が好ましい。

【0031】
このような多環式N-オキシル化合物は、5-F-AZADOのようにフッ素原子を置換基として導入する必要がないため、煩雑な工程を経なくとも容易に製造することが可能である。このような多環式N-オキシル化合物を製造するための方法としては、より容易にかつ確実に本発明の多環式N-オキシル化合物を得られるという観点から、
下記一般式(3):

【0032】
【化3】
JP0006067700B2_000004t.gif

【0033】
[式(3)中、Rは前記一般式(1)中のRと同義であり、Zは、水素原子、ベンジルオキシカルボニル基、アルキル基、ベンジル基、スルホニル基を含む基、及びアシル基からなる群から選択されるいずれか1種を示す。]
で表わされるアザビシクロ[3.3.1]ノナン化合物を、ヘテロ原子を含む基で環化することにより下記一般式(4):

【0034】
【化4】
JP0006067700B2_000005t.gif

【0035】
[式(4)中、R、R及びXは、それぞれ独立に、前記一般式(1)中のR、R及びXと同義であり、Zは、前記一般式(3)中のZと同義である。]
で表わされる多環式化合物を得る工程と、
前記多環式化合物を酸化することにより前記一般式(1)で表わされる多環式N-オキシル化合物を得る工程とを含む方法が好ましい。

【0036】
前記一般式(3)中、Rは前記一般式(1)中のRと同義である。また、前記一般式(3)中、Zは水素原子、ベンジルオキシカルボニル基、アルキル基、ベンジル基、スルホニル基を含む基、及びアシル基からなる群から選択されるいずれか1種を示す。前記スルホニル基(-SO-)を含む基としては、トシル基、メシル基が挙げられ、前記アシル基としては、ベンゾイル基、ピバロイル基、アセチル基が挙げられる。また、前記アルキル基としては、炭素数1~5のアルキル基が挙げられる。これらの中でも、環化反応の際に副反応がおこりにくく、分解されにくい傾向にあるという観点から、トシル基が好ましい。

【0037】
このような前記一般式(3)で表わされるアザビシクロ[3.3.1]ノナン化合物は、例えば、次の反応工程に示すように、アセトンジカルボン酸、グルタルアルデヒドもしくは対応するδ-ケトアルデヒド及びアンモニア水を原料として縮合反応を行う(反応工程中a)ことにより得られたビシクロ体のアミノ基中の水素原子を、NaCO、NaOH、トリエチルアミン等の存在下、Zのハロゲン化塩(例えばZCl、ZBr、ZI)や無水物(Z-O-Z)等を用いてZに置換する(反応工程中b)ことにより得ることができる。

【0038】
【化5】
JP0006067700B2_000006t.gif

【0039】
前記アザビシクロ[3.3.1]ノナン化合物をヘテロ原子を含む基で環化することにより、前記一般式(4)で表わされる多環式化合物を得る方法としては特に制限されないが、前記一般式(4)で表わされる多環式化合物のうち、例えば、Xが酸素原子でありRが水素原子である多環式化合物を得る場合には、先ず、前記アザビシクロ[3.3.1]ノナン化合物のカルボニル基を水素化アルミニウムリチウム等の水素化アルミニウムアルカリ金属、ニッケル、白金、銅等の存在下、室温(25℃程度)においてヒドロキシ基に還元し、次いで、ヨウ素を添加して前記ヒドロキシ基の水素原子をヨウ素化させた後、ヨードベンゼンジアセテート(PhI(OAc))、酢酸鉛(Pb(OAc))等の酸化剤の存在下においてラジカル的に脱ヨウ素化させて分子内縮合させる方法が挙げられる。前記分子内縮合の方法としては、例えば、100~500Wの白熱電球を用いて0℃程度の氷冷下から25℃程度の室温下において光照射を行いながら撹拌する方法が挙げられる。この反応工程の好適な一例を下記に示す。

【0040】
【化6】
JP0006067700B2_000007t.gif

【0041】
また、前記一般式(4)で表わされる多環式化合物のうち、例えば、Xが上記一般式(2)で表わされる基でありRが水素原子である多環式化合物を得る場合には、例えば、先ず、60℃で4~10時間、ピリジンの存在下で前記アザビシクロ[3.3.1]ノナン化合物のカルボニル基をヒドロキシアミン(NHOH・HCl、NHOH、NHOH・HSO、NHOH・CHCOOH、NHOH・HPO等)と反応させてオキシム基とし、次いで、氷冷下(0℃程度)で2~3時間、水素化ホウ素ナトリウム、酸化モリブデン等の存在下で前記オキシム基を還元してアミノ基とした後に前記アミノ基中の水素原子の一部をY(式(2)中のY)のハロゲン化塩(例えばYCl、YBr、YI)等を用いてYに置換し、次いで、ヨウ素を添加して前記アミノ基中の残りの水素原子をヨウ素化させた後、ヨードベンゼンジアセテート(PhI(OAc))、酢酸鉛(Pb(OAc))等の酸化剤の存在下においてラジカル的に脱ヨウ素化させて分子内縮合させる方法が挙げられる。前記分子内縮合の方法としては、前述のとおりである。この反応工程の好適な一例を下記に示す。

【0042】
【化7】
JP0006067700B2_000008t.gif

【0043】
また、前記一般式(4)で表わされる多環式化合物のうち、例えば、Xが酸素原子であり、Rがアルキル基である多環式化合物を得る場合には、先ず、前記アザビシクロ[3.3.1]ノナン化合物のカルボニル基を、アルキルリチウムやアルキルマグネシウム等のグリニャール試薬(例えばn-ブチルLi)、及び必要に応じてCeCl等の添加剤の存在下、好ましくは温度-78~-40℃の範囲内においてヒドロキシ基及びアルキル基(例えばn-ブチル基)に還元し、次いで、ヨウ素を添加して前記ヒドロキシ基の水素原子をヨウ素化させた後、ヨードベンゼンジアセテート(PhI(OAc))、酢酸鉛(Pb(OAc))等の酸化剤の存在下においてラジカル的に脱ヨウ素化させて分子内縮合させる方法が挙げられる。前記分子内縮合の方法としては、前述のとおりである。この反応工程の好適な一例を下記に示す。

【0044】
【化8】
JP0006067700B2_000009t.gif

【0045】
なお、前記一般式(4)で表わされる多環式化合物のうち、例えば、Xが酸素原子であり、Rが置換基を有するアルキル基である多環式化合物を得る場合には、前記グリニャール試薬として、例えば、次式:BrMg-R-OTHP(式中、Rは炭素数1~5のアルキレン基、炭素数6~10の2価の芳香族炭化水素基からなる群から選択されるいずれか1種を示し、OTHPはテトラヒドロピラニル基で保護されたヒドロキシ基を示す。Rとしては、例えば、ブチレン基及び-C-C-で表される基等が挙げられる。)で表されるようなグリニャール試薬を用い、分子内縮合させた後に脱保護することによって、ヒドロキシ基を置換基として有するアルキル基を導入することができる。さらに、得られたヒドロキシ基を置換することにより、アジ基(-N)やアセチレン基(-C)を置換基として有するアルキル基を導入することができる。また、前記ヒドロキシ基をアジ基(-N)やアセチレン基(-C)に置換する方法としては、適宜公知の方法を採用することができる。

【0046】
このようにして得られた多環式化合物中のアミノ基(上記反応工程中、次式:-NZ-で表わされるアミノ基)を酸化させてニトロキシルラジカル基とすることにより前記式(1)で表わされる本発明の多環式N-オキシル化合物を得ることができる。

【0047】
このような酸化方法としては、例えば、前記多環式化合物の有機溶媒(例えばアセトニトリル)溶液に尿素-過酸化水素付加物、タングステン酸ナトリウム2水和物(NaWO・2HO)、NaOCl等の酸化剤を加えて25℃程度の室温下で3~4時間撹拌する方法や、酸素やオゾン等の活性酸素を含む気体を前記溶液に吹き込む方法が挙げられる。

【0048】
また、前記本発明に係る多環式N-オキシル化合物の製造方法において、上記のようにアミノ基を酸化させると、例えば、上記反応工程中、次式:-NY-で表わされるアミノ基も一部酸化されるため、反応生成物中には、前記一般式(1)で表わされる多環式化合物のうち、Xが上記一般式(2)で表わされる基である本発明に係る多環式化合物と、前記Xがニトロキシルラジカル基であり、分子内にニトロキシルラジカル基を2つ有する多環式化合物とをこのように容易に得ることができる。なお、このような反応生成物をカラムクロマトグラフィー等により分離することにより本発明に係る多環式N-オキシル化合物を得ることができる。

【0049】
以上、本発明に係る多環式N-オキシル化合物の製造方法の好適な実施形態を例に挙げて説明したが、本発明の多環式N-オキシル化合物の製造方法はこれに限定されるものではなく、例えば、反応の条件は用いる原料や反応系に応じて適宜調整することができ、また、必要に応じて、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等の公知の分離精製手段を用いて単離精製する工程等をさらに含んでいてもよい。

【0050】
さらに、必要に応じて適宜溶媒を用いてもよく、このような溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない公知の溶媒を用いることができ、例えば、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、エステル類、エーテル類、脂肪族ハロゲン炭化水素類、アルコール類、アミド類、有機酸類、水等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、前記溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ギ酸、酢酸、ヘキサメチルホスホリックアミド、ジメチルイミダゾリジノン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、N-メチルピペリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、塩化メチレン、ジオキサン、トルエン、ベンゼン、キシレン、へキサン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘプタン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、塩化メチレン、及びこれらの混合物が好ましい。

【0051】
本発明のアルコール酸化触媒としては、前記多環式N-オキシル化合物及び/又はその誘導体を含有するものである。前記多環式N-オキシル化合物としては、1種が単独で含有されていても2種以上が組み合わされて含有されていてもよい。

【0052】
また、前記多環式N-オキシル化合物の誘導体としては、前記式(1)で表わされる多環式N-オキシル化合物の水和物、前記式(1)で表わされる多環式N-オキシル化合物中のニトロキシルラジカル基に水素原子が結合してヒドロキシルアミノ基(次式:-NOH-で表わされる基)となったヒドロキシルアミン化合物、前記ニトロキシルラジカル基がオキソアンモニウム基(次式:=N=Oで表わされる基)となったオキソアンモニウムカチオン及びその塩が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。

【0053】
前記塩としては、低毒性のものが好ましく、例えば、ハロゲン原子の陰イオン(例えば、Cl、Br、I)等との塩;塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩等の無機酸塩及び有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アンモニウム塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、アニリン塩、ピリジン塩、ピペリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩等の窒素原子含有塩が挙げられる。

【0054】
本発明のアルコール酸化触媒としては、前記多環式N-オキシル化合物及び/又はその誘導体を触媒としての有効量含有していればよく、本発明の効果を阻害しない範囲内において、前記多環式N-オキシル化合物及び/又はその誘導体の合成に用いた試薬由来の不純物、精製により生じる不純物等をさらに含有していてもよい。

【0055】
次いで、本発明のアルコール酸化触媒を用いたアルコール酸化方法について説明する。本発明のアルコール酸化方法において、基質となるアルコールは下記一般式(5)で表わされる第1級アルコールであっても下記一般式(6)で表わされる第2級アルコールであってもよい。

【0056】
【化9】
JP0006067700B2_000010t.gif

【0057】
前記一般式(5)~(6)中、R、R、Rは、それぞれ独立に、酸化反応に悪影響を及ぼさない置換基を示し、例えば、置換されてもよい直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基、置換されてもよい環状アルキル基、置換されてもよい芳香族基、及び置換されてもよい複素環基が挙げられる。また、本発明のアルコール酸化方法に係るアルコールとしては、前記一般式(5)及び(6)で表わされる構造単位を同一分子内に複数有する多価アルコールであってもよいが、アルコール酸化反応がより十分に進行するという観点から、ヒドロキシ基を1つ有するモノアルコールであることが好ましい。

【0058】
前記「置換されてもよい直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基」におけるアルキル基としては、例えば、炭素数1~16のアルキル基が挙げられ、これらの中でも、炭素数が1~8のアルキル基が好ましい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、2-メチルブチル基、ネオペンチル基、1-エチルプロピル基、n-へキシル基、イソへキシル基、4-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1-メチルペンチル基、3,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、ヘプチル基、1-メチルへキシル基、2-メチルへキシル基、3-メチルへキシル基、4-メチルへキシル基、2-メチルヘプチル基、3-メチルヘプチル基、4-メチルヘプチル基、5-メチルヘプチル基、6-メチルヘプチル基、1-プロピルペンチル基、2-エチルへキシル基、及び5,5-ジメチルへキシル基が挙げられる。

【0059】
前記アルキル基の置換基としては、酸化反応に影響を及ぼさない限り特に制限はされず、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1~6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;ビニル基、アリル基等の炭素数2~6のアルケニル基;エチニル基、プロパルギル基等の炭素数2~6のアルキニル基;ヒドロキシ基;置換されていてもよいアミノ基;置換されていてもよいスルホニル基;シアノ基;ニトロソ基;置換されていてもよいアミジノ基;カルボキシ基;炭素数2~7のアルコキシカルボニル基;置換されていてもよいカルバモイル基;芳香族基;芳香族複素環基;アシル基(置換されていてもよいアルキルカルボニル基、置換されていてもよいアリールカルボニル基)が挙げられる。

【0060】
前記「置換されていてもよい環状アルキル基」における環状アルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペプチル基等の炭素数3~7のシクロアルキル基が挙げられる。また、前記環状アルキル基の置換基としては、上記の「置換されていてもよいアルキル基」における置換基と同様のものを挙げることができる。

【0061】
前記「置換されていてもよい芳香族基」における芳香族基としては、例えば、単環式若しくは縮合多環式の芳香族炭素環基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、フェナントリル基、アセナフチレニル基等の炭素数が2~14のアリール基が挙げられる。

【0062】
前記「置換されていてもよい複素環基」における複素環としては、5員環の単環式であっても、6員環の単環式であっても、6-5又は6-6の縮合環形式でありかつ複素原子として酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群から選択される1~3の複素原子を有する芳香族複素環であってもよい。このような複素環基としては、具体的には、フリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、1,2,3-オキサジアジゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,3,4-オキサジアゾリル基、フラザニル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、テトラゾニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基等の単環式芳香族複素環基;ベンゾフラニル基、イソベンゾオキサリル基、1,2-ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾピラニル基、1,2-ベンゾイソチアゾリル基、1H-ベンゾトリアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリニル基、キナゾリル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、プリニル基、ブテリジニル基、カルバゾリニル基、α-カルボリニル基、β-カルボリニル基、γ-カルボリニル基、アクリジニル基、フェノキサジニル基、フェノチアジニル基、フェナジニル基、フェノキサチイニル基、チアントレニル基、フェナトリジニル基、フェナトロリニル基、インドリジニル基、ピロロ[1,2-b]ピリダジニル基、ピラゾロ[1,5-a]ピリジル基、イミダソ[1,2-a]ピリジル基、イミダゾ[1,5-a]ピリジル基、イミダゾ[1,2-b]ピリダジニル基、イミダゾ[1,2-a]ピリミジニル基、1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピリジル基、1,2,4-トリアゾロ[4,3-b]ピリダジニル基等の8~12員の縮合多環式芳香族複素環基等が挙げられる。また、前記芳香族基及び前記複素環基の置換基としては、上記の「置換されていてもよいアルキル基」における置換基と同様のものを挙げることができる。

【0063】
本発明のアルコール酸化方法としては、反応基質である前記アルコールを含有する混合物中に本発明のアルコール酸化触媒を添加するものであっても、本発明のアルコール酸化触媒を含有する溶媒中に前記アルコールを添加するものであってもよい。

【0064】
前記アルコール酸化触媒と前記アルコールとの混合比としては、前記アルコール酸化触媒中に含まれる前記多環式N-オキシル化合物及び/又はその誘導体の添加量が前記アルコールにおける全ヒドロキシ基100モルに対して0.001~150モルであることが好ましく、0.01~50モルであることがより好ましい。前記多環式N-オキシル化合物及び/又はその誘導体の添加量が前記下限未満である場合には、反応が進行しない、反応速度が低下する、あるいは反応が途中で停止するといった傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、反応速度を制御することが困難となる傾向にある。また、本発明においては、前記多環式N-オキシル化合物及び/又はその誘導体の前記添加量が前記アルコールにおける全ヒドロキシ基100モルに対して0.01~5.0モルと少量であっても十分な活性を得ることが可能である。

【0065】
本発明のアルコール酸化方法としては、前記アルコール酸化触媒と共に、共酸化剤の存在下において前記アルコールを酸化せしめることが好ましい。本発明において、共酸化剤とは、本発明のアルコール酸化触媒への酸化能の供給源であって、本発明に係る多環式N-オキシル化合物中のニトロキシルラジカル基をオキソアンモニウム基に酸化できるものを指す。

【0066】
このような共酸化剤としては、例えば、TEMPOを使用する酸化反応で一般に利用されているものから適宜選択することができ、特に制限はされず、過酸素酸、過酸化水素、次亜ハロゲン酸及びその塩、過ハロゲン酸及びその塩、過硫酸塩、ハロゲン化物、N-ブロモコハク酸イミド等のハロゲン化剤、トリハロゲン化イソシアヌル酸類、ジアセトキシヨードアレン類、酸素、及びこれらの混合物等が挙げられる。これらの中でも、前記共酸化剤としては、過酢酸、m-クロロ過安息香酸、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸リチウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸リチウム、次亜臭素酸カリウム、次亜臭素酸カルシウム、過硫酸水素ナトリウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸、トリクロロイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸、N-ブロモコハク酸イミド、N-クロロコハク酸イミド、塩素、臭素、ヨウ素、ジアセトキシヨードベンゼン、酸素が好ましい。

【0067】
また、本発明のアルコール酸化触媒は、温和な条件の空気酸化であっても前記アルコールに対して、十分に高い触媒活性を発揮することができ、操作性・安全性・経済性に優れるのみならず、副生物として水のみを生成する酸化システムの構築が可能であるという観点からは、前記共酸化剤の中でも、酸素が特に好ましい。なお、このような酸素としては、空気(通常は酸素濃度18~21体積%)の状態で供給されてもよい。

【0068】
前記共酸化剤の添加量としては、前記共酸化剤の種類に依存するため一概には言えないが、例えば、前記共酸化剤が酸素である場合には、前記アルコールにおける全ヒドロキシ基100モルに対して酸素分子が100モル以上であることが好ましい。前記共酸化剤の添加量が前記下限未満である場合には、反応が進行しない、反応速度が低下する、あるいは反応が途中で停止するといった傾向にある。

【0069】
さらに、例えば、前記共酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを用いる場合には、反応をさらに促進させることを目的として、アルカリ金属のハロゲン化物等の他の共酸化剤や、四級アンモニウム塩等の添加剤をさらに組み合わせて用いることが好ましい。このように次亜塩素酸ナトリウムと組み合わせて用いるものとしては、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、及びこれらの混合物が好ましい。また、これらの添加量としては、前記次亜塩素酸ナトリウム100モルに対して10モル以下であることが好ましい。

【0070】
さらに、例えば、前記共酸化剤として酸素を用いる場合においても、反応をさらに促進させることを目的として、塩化銅、塩化鉄等の他の共酸化剤や、添加剤をさらに組み合わせて用いることが好ましい。前記添加剤としては、TEMPOを使用する空気酸化反応で一般に利用されているものから適宜選択することができる。このように酸素と組み合わせて用いるものとしては、例えば、亜硝酸塩、亜硝酸エステル等の亜硝酸化合物;無機酸;酢酸、蟻酸、プロピオン酸等のカルボン酸類;臭素;銅、鉄、ルテニウム等の遷移金属、及びこれらの混合物が挙げられ、中でも、反応効率がより向上し、活性がより高くなる傾向にあるという観点から、亜硝酸ナトリウム及び酢酸の混合物、亜硝酸ナトリウム及び臭素の混合物、亜硝酸ナトリウム及び塩化鉄の混合物、塩化銅、tert-ブチルナイトライトが好ましい。また、これらの添加量としては、例えば、亜硝酸ナトリウム及び酢酸の混合物を用いる場合には、前記酸素分子100モルに対して混合物の全モル数で180モル以下であることが好ましい。

【0071】
さらに、本発明のアルコール酸化方法においては、本発明の効果を阻害しない範囲内において、公知の溶媒を適宜用いてもよい。このような溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチル等のエステル類;スルホラン;水が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。

【0072】
また、前記溶媒としては、反応効率がより向上する傾向にあるという観点から、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ニトリル類、ハロゲン化炭化水素類、エステル類、水、及びこれらの混合物が好ましく、ジクロロメタン、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、水、及びこれらの混合溶液がより好ましく、ジクロロメタン、アセトニトリル、ジクロロメタン-水混合溶液、アセトニトリル-水混合溶液、トルエン-水混合溶液、酢酸エチル-水混合溶液がさらに好ましい。

【0073】
また、本発明のアルコール酸化方法においては、本発明の効果を阻害しない範囲内において、緩衝剤をさらに添加してもよい。このような緩衝剤としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の重炭酸塩、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のリン酸塩、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酢酸塩等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記緩衝剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸塩が好ましい。これらの緩衝剤を添加する場合、その添加量としては、前記アルコール酸化触媒に含まれる多環式N-オキシル化合物及び/又はその誘導体100モルに対して500モル以下であることが好ましい。

【0074】
本発明のアルコール酸化方法における反応温度としては、前記アルコール及び用いる前記共酸化剤の種類に依存するため一概には言えないが、通常、-80~120℃であり、0~40℃であることが好ましい。また、反応時間としても、前記反応温度に依存するため一概には言えないが、通常、2~8時間である。さらに、反応圧力は特に制限されず、通常、10~3.4×10Paである。

【0075】
また、例えば、前記共酸化剤が酸素である場合には、反応温度としては0~40℃であることが好ましく、反応時間としては2~8時間であることが好ましい。本発明のアルコール酸化方法においては、酸素を酸化剤として、このような温和な条件下であっても十分に高い触媒活性を発揮することができる。

【0076】
このような本発明のアルコール酸化方法により、前記アルコールを酸化せしめることができる。また、酸化して得られた反応生成物は、反応終了後に抽出、再結晶、及びカラムクロマトグラフィー等の単離操作によって単離することができる。
【実施例】
【0077】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0078】
各実施例比較例において得られた化合物は、核磁気共鳴分析法(NMR:H-NMR、13C-NMR)、赤外線吸収分析法(IR)、質量分析法(MS)、高分解能質量分析法(電子イオン化)(HRMS(EI))、元素分析法(Anal.)により分析した。なお、H-NMRにおける多重度は、s=singlet(一重線)、d=doublet(二重線)、t=triplet(三重線)、q=quintet(四重線)、m=multiplet(多重線)、dd=double doublet(ダブルダブレット)、br s=broad singlet(ブロードシングレット)を示す。また、Jは結合定数を示す。なお、各NMRにおいては、CDClを溶媒として用いた。
【実施例】
【0079】
(実施例1)
<6-オキサ-2-アザアダマンタンN-オキシル(6-oxa-2-azaadamantane N-oxyl、Oxa-AZADO)の合成>
(1-1)9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オンの合成
【実施例】
【0080】
【化10】
JP0006067700B2_000011t.gif
【実施例】
【0081】
前記式に示す反応経路のとおり、9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オンを合成した。すなわち、先ず、アセトンジカルボン酸(8.0g、54.8mmol)の水(200mL)溶液に28%アンモニア水溶液(19mL、274mmol)を氷冷下15分以上かけてゆっくり滴下した。ここに、50%グルタルアルデヒド水溶液(10mL、55.3mmol)をゆっくり(4~5秒に一滴)滴下した後、室温(25℃、以下同じ。)において24時間攪拌した。攪拌後の反応液を凍結乾燥にて乾燥させ、オレンジ色の粗結晶を得た。得られた粗結晶は精製することなく次の反応に用いた。
【実施例】
【0082】
得られた粗結晶(全量)のジクロロメタン(31mL)及び水(62mL)混合溶液に、室温下、炭酸ナトリウム(19.0g、178mmol)を加えた後、氷冷下においてp-トルエンスルホニルクロリド(TsCl(Ts:トシル基)、12.5g、65.8mmol)のジクロロメタン溶液(31mL)をゆっくりと加え、室温下4時間攪拌した。攪拌後の反応液を水(200mL)で薄めて有機層を分離した後、酢酸エチルで水層を抽出して除き、有機層をさらに飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下において溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オン(5.8g、収率36%)を白色結晶として得た。
【実施例】
【0083】
以下に得られた9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オンについてのH-NMR、13C-NMR、IR、MS、HRMS(EI)の結果を示す。
【実施例】
【0084】
H-NMR(400MHz):δ7.78(d,J=8.0Hz,2H)、7.31(d,J=8.0Hz,2H)、4.50(s,2H)、2.71(dd,J=17.2,6.8Hz,2H)、2.43(s,3H)、2.35(d,J=16.8Hz,2H)、1.79-1.46(m,6H).
13C-NMR(100MHz):δ207.9、143.6、137.8、129.8、126.9、49.6、45.4、30.4、21.5、15.8.
IR(neat[cm-1]):1707、1351、1161、1090.
MS[m/z〕:293(M)、138(100%).
HRMS(EI):Calcd. for C1519NOS:293.1086,found:.293.1068。
【実施例】
【0085】
(1-2)9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オールの合成
【実施例】
【0086】
【化11】
JP0006067700B2_000012t.gif
【実施例】
【0087】
前記式に示す反応経路のとおり、9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オールを合成した。すなわち、先ず、リチウムアルミニウムヒドリド(194mg、5.12mmol)のテトラヒドロフラン溶液(THF、18mL)に、氷冷下、上記(1-1)で得られた9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オン(1.00g、3.41mmol)のテトラヒドロフラン溶液(7mL)をカニュレーションでゆっくりと加えた。次いで、これを室温で3時間攪拌した後、酢酸エチル及び水を順次ゆっくりと加えて反応を停止させた。次いで、ここに飽和ロッシェル塩水溶液を加えて室温で30分間攪拌し、酢酸エチルで水層を抽出して除き、有機層をさらに飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下において濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オール(719mg、収率71%)を白色結晶として得た。
【実施例】
【0088】
以下に得られた9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オールについてのH-NMR、13C-NMR、IR、MS、HRMS(EI)の結果を示す。
【実施例】
【0089】
H-NMR(400MHz):δ7.70(d,J=8.0Hz,2H)、7.27(d,J=7.6Hz,2H)、4.25(d,J=10.4Hz,2H)、3.72(m,1H)、2.42(s,3H)、2.36(m,2H)、2.13(qt,J=13.6,4.8Hz,1H)、1.62-1.31(m,8H).
13C-NMR(100MHz):δ142.8、138.9、129.6、126.7、63.6、47.1、34.6、30.3、21.4、13.7.
IR(neat[cm-1]):3510、1335、1312、1162.
MS[m/z]:295(M)、140(100%).
HRMS(EI):Calcd. for C1521NOS:295.1242,found:295.1233。
【実施例】
【0090】
(1-3)N-トシル-6-オキサ-2-アザアダマンタンの合成
【実施例】
【0091】
【化12】
JP0006067700B2_000013t.gif
【実施例】
【0092】
前記式に示す反応経路のとおり、N-トシル-6-オキサ-2-アザアダマンタンを合成した。すなわち、先ず、上記(1-2)で得られた9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オール(560mg、1.90mmol)のシクロヘキサン(14mL)溶液に、室温下、ヨウ素(723mg、2.85mmol)及びヨードベンゼンジアセテート(PhI(OAc)、950mg、2.95mmol)を加えた。次いで、この反応液を氷冷し、100V-100Wの白熱電球を用いて、反応容器から5~10cmの位置より光照射を行いつつ1時間攪拌した。次いで、反応液に飽和重曹水及び20%チオ硫酸ナトリウムを順次加え、酢酸エチルで水層を抽出して除き、有機層をさらに飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下において濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、N-トシル-6-オキサ-2-アザアダマンタン(389mg、1.33mmol、収率70%)の白色結晶、及び、9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オン(47mg、0.160mmol、収率8.5%)の白色結晶を得た。
【実施例】
【0093】
以下に得られたN-トシル-6-オキサ-2-アザアダマンタンについてのH-NMR、13C-NMR、IR、MS、HRMS(EI)の結果を示す。
【実施例】
【0094】
H-NMR(400MHz):δ7.74(d,J=8.4Hz,2H)、7.29(d,J=8.4Hz,2H)、4.30(s,2H)、4.10(s,2H)、2.42(s,3H)、1.98(d,J=12.4Hz,4H)、1.75(d,J=12.8Hz,2H).
13C-NMR(100MHz):δ143.2、138.3、129.7、127.0、66.3、47.2、33.9、21.5.
IR(neat[cm-1]):1345、1165.
MS[m/z]:293(M)、293(100%).
HRMS(EI):Calcd. for C1519NOS:293.1086,found:293.1083。
【実施例】
【0095】
(1-4)6-オキサ-2-アザアダマンタンN-オキシル(Oxa-AZADO)の合成
【実施例】
【0096】
【化13】
JP0006067700B2_000014t.gif
【実施例】
【0097】
前記式に示す反応経路のとおり、6-オキサ-2-アザアダマンタンN-オキシル(Oxa-AZADO)を合成した。すなわち、先ず、上記(1-3)で得られたN-トシル-6-オキサ-2-アザアダマンタン(200mg、0.682mmol)のトルエン溶液(1.5mL)に、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(シグマアルドリッチ社製「Red-Al」、70%トルエン溶液、0.95mL、3.41mmol)を氷冷下ゆっくりと加え、その後1.5時間加熱還流した。加熱還流後の反応液を室温まで冷却後、ジエチルエーテルで希釈し、ここに氷冷下、注意深く水を加え、セライト濾過を行った。得られたろ液に10%塩酸を加えて水層のpHを1にした後、ジエチルエーテルで洗浄した。次いで、前記水層に10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12にした後、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を炭酸カリウムで乾燥させて減圧下において濃縮した。得られた6-オキサ-2-アザアダマンタンをアセトニトリル(MeCN)溶液(3.4mL)とした後、タングステン酸ナトリウム2水和物(112mg、0.341mmol)を加え、室温下、20分間撹拌した。次いで、さらに尿素・過酸化水素(過酸化尿素又はUHP(urea hydrogen peroxide)、256mg、2.73mmol)を加え、室温下2時間撹拌した。攪拌後の反応液に飽和重曹水を加え、クロロホルムを用いて抽出した有機層を炭酸カリウムで乾燥させ、減圧下において濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、6-オキサ-2-アザアダマンタンN-オキシル(Oxa-AZADO)(52mg、0.337mmol、収率50%)を黄色結晶として得た。
【実施例】
【0098】
以下に得られたOxa-AZADOのIR、MS、HRMS(EI)、Anal.の結果を示す。得られたOxa-AZADOをそのまま触媒として活性評価を行った。
【実施例】
【0099】
IR(neat[cm-1]):1442、1338、1284、1057.
MS[m/z〕:154(M)、154(100%).
HRMS(EI):Calcd. for C12NO:154.0868,found:154.0858.
Anal.:Calcd. for C12NO:C, 62.32;H, 7.84;N, 9.08,found:C, 62.14;H, 7.83;N, 8.96。
【実施例】
【0100】
(実施例2)
<N-トシル-2,6-ジアザアダマンタンN’-オキシル(N-tosyl-2,6-diazaadamantane N’-oxyl、N-Ts-AZADO)の合成>
(2-1)9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オンオキシムの合成
【実施例】
【0101】
【化14】
JP0006067700B2_000015t.gif
【実施例】
【0102】
前記式に示す反応経路のとおり、9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オンオキシムを合成した。すなわち、先ず、上記(1-1)と同様にして得られた9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オン(15.0g、51.2mmol)のエタノール(EtOH)溶液(85mL)に、室温下、ピリジン(17mL、205mmol)及び塩化ヒドロキシルアンモニウム(11.0g、154mmol)を加えた後、この反応液を60℃で10時間攪拌した。次いで、室温まで冷却後、飽和重曹水を加え、減圧下においてエタノールを留去した後の残渣から酢酸エチルで水層を抽出して除き、有機層をさらに飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下において濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オンオキシム(15.5g、50.3mmol、収率98%)を白色結晶として得た。
【実施例】
【0103】
以下に得られた9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オンオキシムについてのH-NMR、13C-NMR、IR、MS、HRMS(EI)の結果を示す。
【実施例】
【0104】
H-NMR(400MHz):δ9.16(br s,1H)、7.75(d,J=8.4Hz,2H)、7.27(d,J=7.6Hz,2H)、4.32(br s,2H)、3.14(d,J=16.0Hz,1H)、2.58(dd,J=15.2,5.6Hz,1H)、2.41(s,3H)、2.35(d,J=15.6Hz,1H)、2.21(dd,J=16.2,6.4Hz,1H)、1.78-1.46(m,6H).
13C-NMR(100MHz):δ157.1、143.2、138.2、129.7、126.9、48.7、47.9、35.1、30.8、29.9、28.5、21.4、16.3.
IR(neat[cm-1]):3242、1350、1162.
MS[m/z]:308(M)、291(100%).
HRMS(EI):Calcd. for C1520S:308.1195,found:308.1183。
【実施例】
【0105】
(2-2)N-(9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノン-3-イル)トシルアミドの合成
【実施例】
【0106】
【化15】
JP0006067700B2_000016t.gif
【実施例】
【0107】
前記式に示す反応経路のとおり、N-(9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノン-3-イル)トシルアミドを合成した。すなわち、先ず、上記(2-1)で得られた9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オンオキシム(1.00g、3.25mmol)のメタノール(MeOH)溶液(16mL)に三酸化モリブデン(VI)(792mg、4.88mmol)を加えて室温下で30分間攪拌した後、氷冷下で水素化ホウ素ナトリウム(369mg、9.75mmol)を少量ずつ加え、そのまま氷冷下において攪拌した。次いで、薄層クロマトグラフィーを用いて原料である9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オンオキシムの消失を確認した後、氷冷下、p-トルエンスルホニルクロリド(3.11g、16.3mmol)を加え、さらに一時間攪拌を続けた。攪拌後の反応液をセライトろ過した後、減圧下において溶媒を留去し、残渣を水及び酢酸エチルで薄め、酢酸エチルで水層を抽出して除き、有機層をさらに飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下において濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、N-(9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノン-3-イル)トシルアミド(1.18g、2.63mmol、収率81%)を白色結晶として得た。
【実施例】
【0108】
以下に得られたN-(9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノン-3-イル)トシルアミドについてのH-NMR、13C-NMR、IR、MS、HRMS(EI)の結果を示す。
【実施例】
【0109】
H-NMR(400MHz):δ7.67(d,J=8.4Hz,2H)、7.64(d,J=8.0Hz,2H)、7.29(d,J=8.4Hz,2H)、7.28(d,J=7.6Hz,2H)、4.39(d,J=8.4Hz,1H)、4.19(br s,1H)、4.16(br s,1H)、3.04(double quintet,J=18.0,6.8Hz,1H)、2.44(s,6H)、2.15(td,J=10.2,6.0Hz,2H)、1.82(m,1H)、1.51-1.42(m,3H)、1.30(dd,J=16.4,2.4Hz,2H)、1.15(m,2H).
13C-NMR(100MHz):δ143.3、143.0、138.6、137.9、129.7、129.6、126.8、126.6、46.9、45.9、32.7、30.3、21.5、14.1.
IR(neat[cm-1]):3279、1331、1162.
MS[m/z〕:448(M)、293(100%).
HRMS(EI):Calcd. for C2228:448.1490, found:448.1494。
【実施例】
【0110】
(2-3)N,N’-ジトシル-2,6-ジアザアダマンタンの合成
【実施例】
【0111】
【化16】
JP0006067700B2_000017t.gif
【実施例】
【0112】
前記式に示す反応経路のとおり、N,N’-ジトシル-2,6-ジアザアダマンタンを合成した。すなわち、先ず、上記(2-2)で得られたN-(9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノン-3-イル)トシルアミド(5.50g、12.3mmol)の1,2-ジクロロエタン(82mL)溶液に、室温下、ヨウ素(1.56g、6.14mmol)及びヨードベンゼンジアセテート(7.89g、24.5mmol)を加えた。次いで、この反応液をシリンジポンプを用いて0.3mL/minの流速でマイクロリアクターへ通しつつ、100V-100Wの白熱電球を用いて、マイクロリアクターから20~30cmの位置より光照射を行った。次いで、反応液に飽和重曹水及び20%チオ硫酸ナトリウムを順次加え、クロロホルムで抽出した有機層を飽和食塩水で洗浄し,硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下において濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン-メタノール混合溶媒(1:1)を用いて再結晶させ、N,N’-ジトシル-2,6-ジアザアダマンタン(3.85g、8.62mmol、収率70%)を無色針状結晶として得た。さらに、再結晶後の母液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、N,N’-ジトシル-2,6-ジアザアダマンタン(1.22g)を黄色のアモルファスとして得た。
【実施例】
【0113】
以下に得られたN,N’-ジトシル-2,6-ジアザアダマンタンについてのH-NMR、13C-NMR、IR、MS、HRMS(EI)の結果を示す。
【実施例】
【0114】
H-NMR(400MHz):δ7.69(d,J=8.4Hz,4H)、7.27(d,J=8.4Hz,4H)、4.20(s,4H)、2.41(s,6H)、1.74(m,8H).
13C-NMR(100MHz):δ143.4、138.0、129.8、126.9、47.0、33.0、21.5.
IR(neat[cm-1]):1341、1166.
MS[m/z〕:446(M)、446(100%).
HRMS(EI):Calcd. for C2226:446.1334,found:446.1320。
【実施例】
【0115】
(2-4)N-トシル-2,6-ジアザアダマンタンN’-オキシル(N-Ts-AZADO)の合成
【実施例】
【0116】
【化17】
JP0006067700B2_000018t.gif
【実施例】
【0117】
前記式に示す反応経路のとおり、N-トシル-2,6-ジアザアダマンタンN’-オキシル(N-Ts-AZADO)を合成した。すなわち、先ず、上記(2-3)で得られたN,N’-ジトシル-2,6-ジアザアダマンタン(2.00g、4.48mmol)のトルエン溶液(10.0mL)に、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(シグマアルドリッチ社製「Red-Al」、70%トルエン溶液、10.0mL、35.9mmol)を氷冷下ゆっくりと加え、その後1時間加熱還流した。加熱還流後の反応液を室温まで冷却後、ジエチルエーテルで希釈し、ここに氷冷下、注意深く水を加え、セライト濾過を行った。得られたろ液に10%塩酸を加えて水層のpHを1にした後、ジエチルエーテルで洗浄した。次いで、前記水層に10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12にした後、塩化ナトリウムを飽和するまで加え、室温下で30分間攪拌した。次いで、クロロホルムで抽出した有機層を炭酸カリウムで乾燥させ、減圧下において濃縮した。得られた粗収物をアセトニトリル溶液(22mL)とした後、タングステン酸ナトリウム2水和物(739mg、2.24mmol)を加え、室温下、30分間撹拌した。次いで、さらに尿素・過酸化水素(過酸化尿素又はUHP)(3.36g、35.8mmol)を加え、室温下4時間撹拌した。次いで、再び尿素・過酸化水素(842mg、8.96mmol)を加え、さらに1.5時間攪拌した。攪拌後の反応液に飽和重曹水を加え、クロロホルムを用いて抽出した有機層を炭酸カリウムで乾燥させ、減圧下において濃縮した。得られた残渣をアミンシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーで精製し、N-トシル-2,6-ジアザアダマンタンN’-オキシル(N-Ts-AZADO)(223mg、0.726mmol、収率16%)の乳白色結晶、及び、2,6-ジアザアダマンタンN,N’-ジオキシル(DiAZADO)(79mg、0.470mmol、収率10%)の黄色結晶を得た。
【実施例】
【0118】
以下に得られたN-Ts-AZADOのIR、MS、HRMS(EI)、Anal.の結果を示す。得られたN-Ts-AZADOをそのまま触媒として活性評価を行った。
【実施例】
【0119】
IR(neat[cm-1]):1343、1161、686.
MS[m/z]:307(M,100%).
HRMS(EI):Calcd. for C1519S:307.1116、found:307.1098.
Anal.:Calcd. for C1519S:C, 58.61;H, 6.23;N, 9.11,found:C, 58.61;H, 6.23;N, 8.91。
【実施例】
【0120】
(参考例1)
<2,6-ジアザアダマンタンN,N’-ジオキシル(2,6-diazaadamantane N,N’-dioxyl、DiAZADO)の合成>
【実施例】
【0121】
【化18】
JP0006067700B2_000019t.gif
【実施例】
【0122】
前記式に示す反応経路のとおり、2,6-ジアザアダマンタン-N,N’-ジオキシル(DiAZADO)を合成した。すなわち、先ず、上記(2-3)で得られたN,N’-ジトシル-2,6-ジアザアダマンタン(1.00g、2.24mmol)のトルエン溶液(5.0mL)に、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(シグマアルドリッチ社製「Red-Al」、70%トルエン溶液、6.2mL、22.4mmol)を氷冷下ゆっくりと加え、その後18時間加熱還流した。加熱還流後の反応液を室温まで冷却後、ジエチルエーテルで希釈し、ここに氷冷下、注意深く水を加え、セライト濾過を行った。得られたろ液に10%塩酸を加えて水層のpHを1にした後、ジエチルエーテルで洗浄した。次いで、前記水層に10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12にした後、塩化ナトリウムを飽和するまで加え、室温下で30分間攪拌した。次いで、クロロホルムで抽出した有機層を炭酸カリウムで乾燥させ、減圧下において濃縮した。得られた粗収物をアセトニトリル溶液(11mL)とした後、タングステン酸ナトリウム2水和物(369mg、1.12mmol)を加え、室温下、30分間撹拌した。次いで、さらに尿素・過酸化水素(過酸化尿素又はUHP)(1.69g、17.9mmol)を加え、室温下2時間撹拌した。次いで、再び尿素・過酸化水素(422mg、4.48mmol)を加え、さらに1時間攪拌した。攪拌後の反応液に飽和重曹水を加え、クロロホルムを用いて抽出した有機層を炭酸カリウムで乾燥させ、減圧下において濃縮した。得られた残渣をクロロホルムで再結晶させ、2,6-ジアザアダマンタン-N,N’-ジオキシル(146mg、0.869mmol)(DiAZADO)の薄黄色針状結晶を得た。再結晶後の母液をアミンシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーで精製し、DiAZADO(19mg、0.113mmol)の黄色結晶を得た(総収率44%)。
【実施例】
【0123】
以下に得られたDiAZADOのIR、MS、HRMS(EI)、Anal.の結果を示す。得られたDiAZADOをそのまま触媒として活性評価を行った。
【実施例】
【0124】
IR(neat[cm-1]):1423、1143.
MS[m/z]:168(M,100%).
HRMS(EI):Calcd. for C12:168.0899、found:168.0891.
Anal.:Calcd. for C12:C, 57.13;H, 7.19;N, 16.66,found:C, 56.86;H, 7.13;N, 16.52。
【実施例】
【0125】
(実施例3)
<7-ノルマルブチル-6-オキサ-2-アザアダマンタンN-オキシル(7-n-Butyl-6-oxa-2-azaadamantane N-oxyl、7-Bu-Oxa-AZADO)の合成>
(3-1)9-トシル-3-ノルマルブチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オールの合成
【実施例】
【0126】
【化19】
JP0006067700B2_000020t.gif
【実施例】
【0127】
前記式に示す反応経路のとおり、9-トシル-3-ノルマルブチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オールを合成した。すなわち、先ず、塩化セリウム(III)七水和物(209mg、0.561mmol)を入れた2頸ナスフラスコにセプタムを取り付け、減圧下熱して乾燥させ,灰色の塩化セリウム(III)無水物を得た。これを室温まで冷却した後、氷冷下、テトラヒドロフラン(1.4mL)をシリンジで加え、室温で1時間攪拌した。その後、これを-78℃まで冷却し、ここにノルマルブチルリチウム(1.56Mヘキサン溶液、327μL、0.510mmol)をシリンジでゆっくりと加え、そのままの温度で30分攪拌した。次いで、上記(1-1)と同様にして得られた9-トシル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オン(50mg、0.170mmol)のテトラヒドロフラン溶液(2.0mL)をシリンジを用いてゆっくりと加え、そのまま-78℃で2.5時間攪拌した。続いて、反応液にゆっくりと飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応をクエンチし、酢酸エチルで水層を抽出して除き、有機層をさらに飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下において濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、9-トシル-3-ノルマルブチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オール(55mg、0.157mmol、収率93%)の白色結晶を得た。
【実施例】
【0128】
以下に得られた9-トシル-3-ノルマルブチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オールについてのH-NMR、13C-NMR、MS、HRMS(EI)の結果を示す。
【実施例】
【0129】
H-NMR(400MHz):δ7.73(d,J=7.6Hz,2H)、7.27(d,J=7.6Hz,2H)、4.15(s,2H)、2.67(m,1H)、2.41(s,3H)、1.97(dd,J=7.6、14.6Hz、2H)、1.72(sept,J=6.8Hz,2H)、1.55(s、1H)、1.51(s、1H)1.23(m、8H)、0.87(m、3H).
13C-NMR(100MHz):δ142.7、138.9、129.5、126.9、67.8、47.9、47.4、47.1、40.8、40.6、29.0、28.9、24.7、22.9、21.4、15.1,13.9 IR(neat[cm-1]):3502、1317、1168.
MS[m/z]:351(M)、294(100%).
HRMS(EI):Calcd. for C1929NOS:351.1868,found:351.1890。
【実施例】
【0130】
(3-2)N-トシル-7-ノルマルブチル-6-オキサ-2-アザアダマンタンの合成
【実施例】
【0131】
【化20】
JP0006067700B2_000021t.gif
【実施例】
【0132】
前記式に示す反応経路のとおり、N-トシル-7-ノルマルブチル-6-オキサ-2-アザアダマンタンを合成した。すなわち、先ず、上記(3-1)で得られた9-トシル-3-ノルマルブチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オール(36.0mg、0.103mmol)のシクロヘキサン(0.64mL)溶液に、室温下、ヨウ素(39.3mg、0.155mmol)及びヨードベンゼンジアセテート(PhI(OAc)、53.1mg、0.165mmol)を加えた。次いで、この反応液を水冷し、100V-100Wの白熱電球を用いて、反応容器から5~10cmの位置より光照射を行いつつ40分攪拌した。次いで、反応液に飽和重曹水及び20%チオ硫酸ナトリウムを順次加え、酢酸エチルで水層を抽出して除き、有機層をさらに飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下において濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、N-トシル-7-ノルマルブチル-6-オキサ-2-アザアダマンタン(26.1mg、0.0749mmol、収率73%)の無色油状物を得た。
【実施例】
【0133】
以下に得られたN-トシル-7-ノルマルブチル-6-オキサ-2-アザアダマンタンについてのH-NMR、13C-NMR、IR、MS、HRMS(EI)の結果を示す。
【実施例】
【0134】
H-NMR(400MHz):δ7.74(d,J=8.4Hz,2H)、7.29(d,J=8.0Hz,2H)、4.33(s,2H)、4.13(s、1H)、2.42(s,3H)、1.83(m、2H)、1.64(s、6H)、1.34-1.17(m、6H)、0.87(t、J=7.2Hz、3H).
13C-NMR(100MHz):δ143.2、138.3、129.7、127.0、70.7、66,9、47.8、41.8、37.8、33.4、24.3、23.1、21.5、14.0.
IR(neat[cm-1]):1348、1157.
MS[m/z]:349(M)、349(100%).
HRMS(EI):Calcd. for C1927NOS:349.1712,found:349.1706。
【実施例】
【0135】
(3-3)7-ノルマルブチル-6-オキサ-2-アザアダマンタンN-オキシル(7-Bu-Oxa-AZADO)の合成
【実施例】
【0136】
【化21】
JP0006067700B2_000022t.gif
【実施例】
【0137】
前記式に示す反応経路のとおり、7-ノルマルブチル-6-オキサ-2-アザアダマンタンN-オキシル(7-Bu-Oxa-AZADO)を合成した。すなわち、先ず、上記(3-2)で得られたN-トシル-7-ノルマルブチル-6-オキサ-2-アザアダマンタン(102mg、0.291mmol)のトルエン溶液(0.61mL)に、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(シグマアルドリッチ社製「Red-Al」、70%トルエン溶液、0.41mL、1.46mmol)を氷冷下ゆっくりと加え、その後0.75時間加熱還流した。加熱還流後の反応液を室温まで冷却後、さらに水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(シグマアルドリッチ社製「Red-Al」、70%トルエン溶液、0.41mL、1.46mmol)をゆっくりと加え、その後1.25時間加熱還流した。加熱還流後の反応液を室温まで冷却後、ジエチルエーテルで希釈し、ここに氷冷下、注意深く水を加え、セライト濾過を行った。得られたろ液に10%塩酸を加えて水層のpHを1にした後、ジエチルエーテルで洗浄した。次いで、前記水層に10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12にした後、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を炭酸カリウムで乾燥させて減圧下において濃縮した。得られた7-ノルマルブチル-6-オキサ-2-アザアダマンタンをアセトニトリル(MeCN)溶液(1.5mL)とした後、タングステン酸ナトリウム2水和物(48.2mg、0.146mmol)を加え、室温下、30分間撹拌した。次いで、さらに尿素・過酸化水素(過酸化尿素又はUHP、109mg、1.16mmol)を加え、室温下3時間撹拌した。さらに尿素・過酸化水素(59.0mg、0.580mmol)を加え,室温下2時間撹拌した。以降2時間ごとに尿素・過酸化水素(59.0mg、0.580mmol)を加え、撹拌する操作を2回行った。攪拌後の反応液に飽和重曹水を加え、クロロホルムを用いて抽出した有機層を炭酸カリウムで乾燥させ、減圧下において濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、7-ノルマルブチル-6-オキサ-2-アザアダマンタン N-オキシル(7-Bu-Oxa-AZADO)(23mg、0.109mmol、収率37%)を黄色結晶として得た。
【実施例】
【0138】
以下に得られた7-Bu-Oxa-AZADOのIR、MS、HRMS(EI)、Anal.の結果を示す。得られた7-Bu-Oxa-AZADOをそのまま触媒として活性評価を行った。
【実施例】
【0139】
IR(neat[cm-1]):2949、1334.
MS[m/z]:210(M)、210(100%).
HRMS(EI):Calcd. for C1220NO:210.1494,found:210.1496.
Anal.:Calcd. for C1220NO:C, 68.54;H, 9.59;N, 6.66,found:C, 68.62;H, 9.66;N, 6.63。
【実施例】
【0140】
(比較例1)
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシル(TEMPO)を触媒として活性評価を行った。
【実施例】
【0141】
(比較例2)
2-アザアダマンタンN-オキシル(AZADO)を触媒として活性評価を行った。なお、AZADOは、国際公開第2009/066735号パンフレットに記載の方法に従って製造した。
【実施例】
【0142】
(比較例3)
1-メチル-2-アザアダマンタンN-オキシル(1-Me-AZADO)を触媒として活性評価を行った。なお、1-Me-AZADOは、国際公開第2006/001387号パンフレットに記載の方法に従って製造した。
【実施例】
【0143】
(比較例4)
9-ノルアザアダマンタンN-オキシル(Nor-AZADO)を触媒として活性評価を行った。なお、Nor-AZADOは、国際公開第2012/008228号パンフレットに記載の方法に従って製造した。
【実施例】
【0144】
(比較例5)
5-フルオロ-2-アザアダマンタンN-オキシル、(5-F-AZADO)を触媒として活性評価を行った。なお、5-F-AZADOは、国際公開第2009/145323号パンフレットに記載の方法に従って製造した。
【実施例】
【0145】
<活性評価1>
【実施例】
【0146】
【化22】
JP0006067700B2_000023t.gif
【実施例】
【0147】
先ず、前記式に示す反応経路のとおり、l-メントールを基質として酸化反応を行った。すなわち、l-メントール(184mg、1.18mmol)の酢酸(AcOH、1M)溶液に、実施例1~2、参考例1、及び比較例1~5において得られた触媒が基質100モルに対して1モルとなるように、亜硝酸ナトリウムが基質100モルに対して10モルとなるように、それぞれ添加し、室温において、表1に示す反応時間、空気(酸素濃度20体積%、以下同じ)雰囲気(balloon)で反応させた。
【実施例】
【0148】
次いで、反応後の反応液を5μlとり、アセトン1mlで希釈したものをサンプルとし、このサンプルについてガスクロマトグラフィー(カラム:HP-5(30×0.32mm(i.d);Agilent technologies社製)、機器:Agilent 7890 GC system、製造社:Agilent technologies、水素炎イオン検出器(FID):270℃、インジェクション:250℃、キャリアーガス:ヘリウム、キャリアーガス速度:25mL/min、カラム温度:70℃ (2分間)、昇温条件:20℃/minで210℃まで昇温後210℃で1分間)を用いて得られたピークから残存基質エリア面積(残存基質量)、生成したケトン及び/又はアルデヒドのエリア面積(生成物量)を求め、変換率を次式:
変換率(%)=(生成物量/(残存基質量+生成物量))×100
により算出した。結果を反応時間と共に表1に示す。
【実施例】
【0149】
【表1】
JP0006067700B2_000024t.gif
【実施例】
【0150】
また、実施例1、3において得られた触媒について、前記l-メントールの酢酸溶液としてl-メントール(150mg、0.961mmol)の酢酸溶液を用い、反応時間をそれぞれ表2に示す時間としたこと以外は上記と同様にして活性評価を行い、変換率を算出した。得られた結果を反応時間と共に表2に示す。
【実施例】
【0151】
【表2】
JP0006067700B2_000025t.gif
【実施例】
【0152】
表1に示した結果から明らかなように、嵩高いl-メントールを基質とした空気雰囲気下において、TEMPO(比較例1)を触媒として用いた場合には反応が全く進行せず、1-Me-AZADO(比較例3)を触媒として用いた場合でも反応が非常に遅いことが確認された。また、AZADO(比較例2)、Nor-AZADO(比較例4)を触媒として用いた場合には、変換率はある程度高い値を示すものの、反応の明らかな減速が確認された。他方、本発明の触媒(Oxa-AZADO(実施例1)、N-Ts-AZADO(実施例2))を触媒として用いた場合には、反応の失速がほとんど起こらずに酸化反応が進行し、5-F-AZADO(比較例5)やDiAZADO(参考例1)と同程度の十分に高い触媒活性が発揮されることが確認された。さらに、表2に示した結果から明らかなように、アザザダマンタン骨格の7位の位置にアルキル基を有する本発明の触媒(7-Bu-Oxa-AZADO(実施例3))を用いた場合においても、アルキル基を有さない触媒(Oxa-AZADO(実施例1))を用いた場合と同様の反応の変換率及び反応時間であり、7位の位置のアルキル基が触媒活性に大きな影響を及ぼさないことが確認された。また、これにより、7位の位置のアルキル基の末端にヒドロキシ基、アジ基(-N)及びアセチレン基(-C)等の、アルコール酸化触媒に更なる機能性を付与することが可能な基を導入することが可能であることが確認された。
【実施例】
【0153】
<活性評価2>
【実施例】
【0154】
【化23】
JP0006067700B2_000026t.gif
【実施例】
【0155】
先ず、前記式に示す反応経路のとおり、フルクトースから誘導した糖アルコールを基質として酸化反応を行った。すなわち、l-メントールに代えて前記糖アルコール(200mg、0.796mmol)を用い、反応時間、並びに、各実施例、参考例及び比較例において得られた触媒の基質100モルに対するモル数を、それぞれ表3に示す時間及びモル数としたこと以外は上記活性評価1と同様にして反応させた。
【実施例】
【0156】
次いで、薄層クロマトグラフィーを用いて反応が完結又は停止したことを確認した後、反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和重曹水及び20%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下において濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、生成物であるケトンを得た。得られたケトンのモル数(生成物量)及び反応に用いた基質のモル数(初期基質量)から、収率を次式:
収率(%)=(生成物量/初期基質量)×100
により算出した。結果を反応時間及び触媒量とあわせて表3に示す。
【実施例】
【0157】
【表3】
JP0006067700B2_000027t.gif
【実施例】
【0158】
表3に示した結果から明らかなように、本発明の触媒(Oxa-AZADO(実施例1)、N-Ts-AZADO(実施例2))は、5-F-AZADO(比較例5)やDiAZADO(参考例1)と同様に、触媒量を減じても反応を十分に進行させることが可能であることが確認された。
【実施例】
【0159】
<活性評価3>
【実施例】
【0160】
【化24】
JP0006067700B2_000028t.gif
【実施例】
【0161】
前記式に示す反応経路のとおり、アルコールの酸化反応を行った。すなわち、l-メントールに代えて表4に示すアルコール(0.961mmol)をそれぞれ基質として用い、反応時間をそれぞれ表4に示す時間としたこと以外は上記活性評価2と同様にして収率(%)を求めた。結果を各基質の構造及び反応時間とあわせて表4に示す。
【実施例】
【0162】
但し、表4中、aは触媒量が基質100モルに対して3モルとなるように添加したことを示し、bは触媒量が基質100モルに対して5モルとなるように添加したことを示し、cは1M酢酸に代えて0.4M酢酸を用いたことを示し、dは1M酢酸に代えて基質に対して2モル当量の酢酸と1Mアセトニトリルとの混合溶液を用いたことを示す。なお、表4中、Meはメチル基を示し、Phはフェニル基を示し、Bzはベンゾイル基を示し、Cbzはベンジルオキシカルボニル基を示し、TBSはt-ブチルジメチルシリル基を示す。
【実施例】
【0163】
【表4】
JP0006067700B2_000029t.gif
【実施例】
【0164】
表4に示した結果から明らかなように、本発明の触媒(Oxa-AZADO(実施例1)、N-Ts-AZADO(実施例2))は、5-F-AZADO(比較例5)やDiAZADO(参考例1)と同様に、ベンジルアルコール(No.1)や単純な脂肪族アルコール(No.2~7)のみならず、ヘテロ原子を有するアルコール(No.8~9)や糖アルコール(No.10~11)、核酸誘導体(No.12)、αアミノ酸由来のアミノアルコール(No.13)等の幅広いアルコールを基質として酸化せしめることができることが確認された。
【実施例】
【0165】
<活性評価4>
【実施例】
【0166】
【化25】
JP0006067700B2_000030t.gif
【実施例】
【0167】
先ず、前記式に示す反応経路のとおり、p-メトキシベンジルアルコールの酸化反応を行った。すなわち、p-メトキシベンジルアルコール(181mg、1.31mmol)の酢酸溶液(1.3mL)に、実施例1において得られた触媒(2.02mg、0.0131mmol)、及び、亜硝酸ナトリウム(9.04mg、0.131mmol)を添加し、室温において、空気雰囲気(balloon)で3時間撹拌した。次いで、反応後の反応液をジエチルエーテルで希釈し、飽和重曹水及び20%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えた後、ジエチルエーテルを用いて抽出した有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下において溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、p-メトキシベンズアルデヒド(169mg、1.24mmol、収率93%)を得た。
【実施例】
【0168】
以下に得られたp-メトキシベンズアルデヒドについてのH-NMR、13C-NMR、IR、MS、HRMS(EI)の結果を示す。
【実施例】
【0169】
H-NMR(400MHz):δ9.89(s,1H)、7.84(d,J=8.4Hz,2H)、7.01(d,J=8.4Hz,2H)、3.89(s,3H).
13C-NMR(100MHz):δ190.7、164.6、131.9、129.9、114.2、55.5.
IR(neat[cm-1]);1683.
MS[m/z〕:136(M)、135(100%).
HRMS(EI):Calcd. for C:136.0524,found:136.0518。
【実施例】
【0170】
<活性評価5>
【実施例】
【0171】
【化26】
JP0006067700B2_000031t.gif
【実施例】
【0172】
先ず、前記式に示す反応経路のとおり、N-Cbz-l-プロリノール(Cbz:ベンジルオキシカルボニル基)の酸化反応を行った。すなわち、N-Cbz-l-プロリノール(>99%ee(エナンチオマー過剰率)、115mg、488μmol)のアセトニトリル溶液(488μL)に、酢酸(56μL、976μmol)、実施例2において得られた触媒(1.50mg、4.88μmol)、及び、亜硝酸ナトリウム(3.40mg、48.8μmol)を添加し、室温において、空気雰囲気(balloon)で4時間撹拌した。次いで、反応後の反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和重曹水及び20%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチルを用いて抽出した有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下において溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、N-Cbz-l-プロリナール(>99%ee(エナンチオマー過剰率)、84mg、360μmol、収率74%)を得た。なお、エナンチオマー過剰率はキラルHPLCを用いて決定した(CHIRALPAC AD-H(Daicel chemical industries社製)、イソプロパノール:ヘキサン=5:95、流速:0.5mL/min)。
【実施例】
【0173】
以下に得られたN-Cbz-l-プロリナールについてのH-NMR、13C-NMR、IR、MS、HRMS(EI)の結果を示す。
【実施例】
【0174】
H-NMR(400MHz):δ9.59(s,0.5H)、9.49(s,0.5H)、7.38-7.31(5H,m)、5.17(AB-q,J=12,0Hz,2H)、4.30(0.5H,br-t,J=5.6Hz)、4.02(0.5H,br-t,J=5.6Hz)、2.16-1.81(m,5H).
13C-NMR(100MHz):δ200.0、128.5、128.1、128.0、67.3、65.2、64.9、47.3、46.7、27.8、26.6、24.5、23.7.
IR(neat[cm-1]):2882、1734、1699、1415、1356.
MS[m/z]:204([M-CHO])、91(100%).
HRMS(EI):Calcd. C1214NO:204.1025,found:204.1033。
【産業上の利用可能性】
【0175】
以上説明したように、本発明によれば、第2級アルコールの酸化においても、空気酸化においても、十分に高い触媒活性を発揮することができ、かつ、製造が容易な新規のアルコール酸化触媒及びそれを用いたアルコール酸化方法を提供することが可能となる。したがって、本発明は、医薬品、医薬品原料、農薬、化粧品、有機材料等の高付加価値有機化合物を環境調和的に合成する手段であるアルコールの触媒的空気酸化反応に適用することができ、非常に有用である。