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明細書 :移動可能なカプセル装置及びその制御方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成28年7月7日(2016.7.7)
発明の名称または考案の名称 移動可能なカプセル装置及びその制御方法
国際特許分類 A61B   1/00        (2006.01)
FI A61B 1/00 320B
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 23
出願番号 特願2014-525867 (P2014-525867)
国際出願番号 PCT/JP2013/069536
国際公開番号 WO2014/014062
国際出願日 平成25年7月18日(2013.7.18)
国際公開日 平成26年1月23日(2014.1.23)
優先権出願番号 2012161209
優先日 平成24年7月20日(2012.7.20)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LT , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US , UZ , VC
発明者または考案者 【氏名】伊藤 高廣
【氏名】村上 直
出願人 【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100090697、【弁理士】、【氏名又は名称】中前 富士男
審査請求 未請求
テーマコード 4C161
Fターム 4C161AA01
4C161AA04
4C161CC06
4C161DD07
4C161FF15
4C161FF16
4C161GG28
要約 長尺のカプセル本体11に、長さ方向に移動可能に設けられた永久磁石13と、永久磁石13を駆動するコイルとを設け、コイルに交流を流し永久磁石13の前後動振動を行って全体に推進力を発生させる移動可能なカプセル装置10において、コイルは永久磁石13の周りを囲む形で前後に設けられた第1、第2のコイル部15、16を有して構成され、かつ、第1、第2のコイル部15、16に流す交流の周波数を、永久磁石13の前後動振動によって発生するカプセル装置10の共振周波数に一致させる。これにより、小型かつコンパクトでしかも効率のよい自走できる移動可能なカプセル装置10及びその制御方法を提供できる。
特許請求の範囲 【請求項1】
長尺のカプセル本体に、該カプセル本体に対して長さ方向に移動可能に設けられた永久磁石と、該永久磁石を駆動するコイルとを設け、該コイルに交流発生手段から交流を流し前記永久磁石の前後動振動を行って全体に推進力を発生させる移動可能なカプセル装置において、
前記コイルは前記永久磁石の周りを囲む形で前後に設けられた第1、第2のコイル部を有し、かつ、前記第1、第2のコイル部に流す交流の周波数を、前記永久磁石の前後動振動によって発生する該カプセル装置の共振周波数に一致させることを特徴とする移動可能なカプセル装置。
【請求項2】
請求項1記載の移動可能なカプセル装置において、前記第1、第2のコイル部は内部を前記永久磁石が僅少の隙間を有して移動可能な筒体に巻回され、前記筒体の両側にはストッパーが設けられ、前記永久磁石は前記ストッパーに衝突しながら振動していることを特徴とする移動可能なカプセル装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の移動可能なカプセル装置において、前記交流発生手段によって発生する交流は、正負対称な交流に更に直流を加えたものからなり、前記第1、第2のコイル部と前記永久磁石によって発生する加振力を一方向に増強し、前記直流の極性によって該カプセル装置の進行方向を決めていることを特徴とする移動可能なカプセル装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1記載の移動可能なカプセル装置において、前記第1、第2のコイル部に流す交流は、実際に前記第1、第2のコイル部に交流を流して、その電流値が最小となる値に基づいて決定されていることを特徴とする移動可能なカプセル装置。
【請求項5】
長尺のカプセル本体に、該カプセル本体に対して長さ方向に磁極の向きを合わせて配置された永久磁石と、該永久磁石に隙間を有して巻回され、交流発生手段から交流の電力供給を受けるコイルとを有する移動可能なカプセル装置において、
前記永久磁石は少なくとも2つの棒状磁石がその同一極を向かい合わせて配置され、前記交流の周波数を、前記コイルの前後動振動の共振周波数と一致させたことを特徴とする移動可能なカプセル装置。
【請求項6】
請求項5記載の移動可能なカプセル装置において、前記コイルに流す交流は、実際に前記コイルに交流を流して、その電流値が最小となる値に基づいて決定されていることを特徴とする移動可能なカプセル装置。
【請求項7】
請求項5又は6記載の移動可能なカプセル装置において、前記コイルは前記棒状磁石に対してスライド移動可能な筒体に巻回されていることを特徴とする移動可能なカプセル装置。
【請求項8】
請求項7記載の移動可能なカプセル装置においては、前記コイルは前記筒体に離れて配置された第1、第2のコイル部を有することを特徴とする移動可能なカプセル装置。
【請求項9】
請求項5~8のいずれか1記載の移動可能なカプセル装置において、前記交流発生手段によって発生する交流は、正負対称な交流に更に直流を加えたものからなり、前記コイルと前記永久磁石によって発生する加振力を一方向に増強し、前記直流の極性によって該カプセル装置の進行方向を決めていることを特徴とする移動可能なカプセル装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1記載の移動可能なカプセル装置において、前記カプセル本体には外部制御装置との連携を行う無線機が設けられていることを特徴とする移動可能なカプセル装置。
【請求項11】
請求項10記載の移動可能なカプセル装置において、前記無線機のアンテナとして前記コイルが使用されていることを特徴とことを特徴とする移動可能なカプセル装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1記載の移動可能なカプセル装置において、前記カプセル本体には、照明付きのマイクロカメラ、処置を行う機器、投薬機構、及び姿勢検知センサーのいずれか1又は2以上を備えていることを特徴とする移動可能なカプセル装置
【請求項13】
長尺のカプセル本体に、該カプセル本体に対して長さ方向に移動可能な永久磁石と、該永久磁石を駆動するコイルとを設け、該コイルに交流を流し前記永久磁石の前後動振動を行って全体に推進力を発生させる移動可能なカプセル装置の制御方法であって、
前記コイルに流す交流の周波数と、前記永久磁石の前後動振動の共振周波数を一致させ、かつ前記交流に直流を重畳して前記カプセル本体の移動方向を決めることを特徴とする移動可能なカプセル装置の制御方法。
【請求項14】
請求項13記載の移動可能なカプセル装置の制御方法において、前記コイルを前記永久磁石の前後にそれぞれ配置された第1、第2のコイル部に分割し、かつ前記第1、第2のコイル部は前記永久磁石が隙間を有して内部を摺動移動可能な筒体に巻かれて、該筒体に対して前記永久磁石を前後動振動させることを特徴とする移動可能なカプセル装置の制御方法。
【請求項15】
長尺のカプセル本体に、該カプセル本体に対して長さ方向に磁極の向きを合わせて永久磁石を固定配置し、該永久磁石に隙間を有してコイルを巻回し、該コイルに交流を流して前記コイルの前後動振動を行って、全体に推進力を発生させる移動可能なカプセル装置の制御方法において、
前記永久磁石は少なくとも2つの棒状磁石がその同一極を向かい合わせて配置され、前記コイルに流す交流の周波数を前記コイルの前後動振動の共振周波数に一致させ、かつ前記交流に直流を重畳して前記カプセル本体の移動方向を決めることを特徴とする移動可能なカプセル装置の制御方法。
【請求項16】
請求項13~15のいずれか1記載の移動可能なカプセル装置の制御方法において、前記カプセル本体内に、照明付きのマイクロカメラ、処置を行う機器、投薬機構、及び姿勢検知センサーのいずれか1又は2以上を備え、前記コイルをアンテナとして使用する無線機及びこれに接続される制御部によって制御されることを特徴とする移動可能なカプセル装置の制御方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、消化器系の検査を行う場合に使用され、カメラ等を内蔵し、自力で移動するカプセル装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、医療現場における消化管等の検査において、狭い場所での内部観察や微小作業を目的としたマイクロカプセルが、例えば、特許文献1~3等において提案されている。
【0003】
特許文献1記載の医療用カプセルは、圧電素子を用いて慣性体を振動させ、カプセル本体が受ける生体との摩擦力によってカプセルを進行させるものであった。
また、特許文献2記載の自動走行カプセル装置には、形状記憶合金(SMA)ワイヤに通電と非通電を繰り返してカプセルを進行させることと、コイルと永久磁石を用いて前進及び後退の振動源を発生し、カプセルを進行させることが開示されている。
そして、特許文献3の走行カプセルには、カプセル内に永久磁石とコイルを入れ、コイルに交流電流を流してピストン運動をさせることが記載されている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開平4-176443号公報
【特許文献2】特開平5-212093号公報
【特許文献3】特開2006-280638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の技術においては、圧電素子を用いて慣性体を振動させているが、比較的その振動数は大きくかつ力が小さいので、前進力が小さく、より速くカプセルを自走させるには限界がある。勿論、大型化すれば自走力は大きくなるが小型のカプセルに収納できない。
特許文献2記載の技術において、形状記憶合金を用いる場合はその駆動力は比較的小さく、更に効率も悪いという問題がある。また、特許文献2においてコイルと永久磁石の吸引及び反発を利用して振動させることは、比較的大きな振幅を得ることができるが、コイルは一つであるので効率的ではない。
【0006】
更に、特許文献3記載の技術においても、対向配置された永久磁石とコイルが用いられているが、永久磁石がコイルに対して遠くに配置された場合は、永久磁石とコイルとの間の引力又は斥力が小さくなって、効率が下がるという問題がある。
更に、特許文献2及び特許文献3記載のコイルと永久磁石を用いる振動メカニズムには共振現象についての記載はない。
【0007】
本発明者らは、円筒状の外殻部にコイルを配置し、交流電流を流すことで可動子である永久磁石を往復運動させ、可動子の移動による慣性力や外壁に衝突する際に発生する衝撃力を利用して、一定方向に進行するカプセル装置を鋭意研究し本発明を完成した。
そして、筒状のコイルの中に永久磁石を配置し、永久磁石をカプセル本体に固定してコイルに交流を流すとコイルが振動し、その反動によってカプセル本体が振動することも確認した。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、小型かつコンパクトでしかも効率のよい自走できる移動可能なカプセル装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的に沿う第1の発明に係る移動可能なカプセル装置は、長尺のカプセル本体に、該カプセル本体に対して長さ方向に移動可能に設けられた永久磁石と、該永久磁石を駆動するコイルとを設け、該コイルに交流発生手段から交流を流し前記永久磁石の前後動振動を行って全体に推進力を発生させる移動可能なカプセル装置において、
前記コイルは前記永久磁石の周りを囲む形で前後に設けられた第1、第2のコイル部を有し、かつ、前記第1、第2のコイル部に流す交流の周波数を、前記永久磁石の前後動振動によって発生する該カプセル装置の共振周波数に一致させる。
【0010】
ここで、交流の周波数はカプセル本体(又は永久磁石)の共振周波数の±10%の範囲であっても本発明は適用される(以下の発明においても同じ)。
【0011】
第1の発明に係る移動可能なカプセル装置において、前記第1、第2のコイル部は内部を前記永久磁石が僅少の隙間を有して移動可能な筒体(通常、ボビンと称される)に巻回され、前記筒体の両側にはストッパーが設けられ、前記永久磁石は前記ストッパーに衝突しながら振動しているのが好ましい。なお、筒体は非磁性物質であるのが好ましいが、導体(例えば、アルミニウム)、絶縁体のいずれであってもよい(以下の発明においても同じ)。
【0012】
第1の発明に係る移動可能なカプセル装置において、前記交流発生手段によって発生する交流は、正負対称な交流に更に直流を加えたものからなり、前記第1、第2のコイル部と前記永久磁石によって発生する加振力を一方向に増強し、前記直流の極性によって該カプセル装置の進行方向を決めるのが好ましい。
【0013】
第1の発明に係る移動可能なカプセル装置において、前記第1、第2のコイル部に流す交流は、実際に前記第1、第2のコイル部に交流を流して、その電流値が最小となる値に基づいて決定するのが好ましい。これによって共振周波数を求めるのが技術的に容易である。
【0014】
第2の発明に係る移動可能なカプセル装置は、長尺のカプセル本体に、該カプセル本体に対して長さ方向に磁極の向きを合わせて配置された永久磁石と、該永久磁石に隙間を有して巻回され、交流発生手段から交流の電力供給を受けるコイルとを有する移動可能なカプセル装置において、
前記永久磁石は少なくとも2つの棒状磁石がその同一極を向かい合わせて配置され、前記交流の周波数を、スライド移動可能に配置された前記コイル(又は同じ振動数となるカプセル本体)の前後動振動の共振周波数と一致させた。
【0015】
第2の発明に係る移動可能なカプセル装置において、前記コイルに流す交流は、実際に前記コイルに交流を流して、その電流値が最小となる値に基づいて決定されるのが好ましい。
【0016】
第2の発明に係る移動可能なカプセル装置において、前記コイルは前記棒状磁石に対してスライド移動可能な筒体に巻回されているのが好ましい。
【0017】
第2の発明に係る移動可能なカプセル装置において、前記コイルは前記筒体に離れて配置された第1、第2のコイル部を有することもある。
【0018】
第2の発明に係る移動可能なカプセル装置において、前記交流発生手段によって発生する交流は、正負対称な交流に更に直流を加えたものからなり、前記コイルと前記永久磁石によって発生する加振力を一方向に増強し、前記直流の極性によって該カプセル装置の進行方向を決めるのがよい。
【0019】
第1、第2の発明に係る移動可能なカプセル装置において、前記カプセル本体には外部制御装置との連携を行う無線機が設けられているのが好ましい。そして、前記無線機のアンテナとして前記コイルが使用されているのが好ましい。
【0020】
第1、第2の発明に係る移動可能なカプセル装置において、前記カプセル本体には、照明付きのマイクロカメラ、処置を行う機器、投薬機構、及び姿勢検知センサーのいずれか1又は2以上を備えているのが好ましい。
【0021】
第3の発明に係る移動可能なカプセル装置の制御方法は、長尺のカプセル本体に、該カプセル本体に対して長さ方向に移動可能な永久磁石と、該永久磁石を駆動するコイルとを設け、該コイルに交流を流し前記永久磁石の前後動振動を行って全体に推進力を発生させる移動可能なカプセル装置の制御方法であって、
前記コイルに流す交流の周波数と、前記永久磁石の前後動振動の共振周波数を一致させ、かつ前記交流に直流を重畳して前記カプセル本体の移動方向を決める。
【0022】
第3の発明に係る移動可能なカプセル装置の制御方法において、前記コイルを前記永久磁石の前後にそれぞれ配置された第1、第2のコイル部に分割し、かつ前記第1、第2のコイル部は前記永久磁石が隙間を有して内部を摺動移動(スライド移動)可能な筒体に巻かれて、該筒体に対して前記永久磁石を前後動振動させるのが好ましい。
【0023】
第4の発明に係る移動可能なカプセル装置の制御方法は、長尺のカプセル本体に、該カプセル本体に対して長さ方向に磁極の向きを合わせて永久磁石を固定配置し、該永久磁石に隙間を有してコイルを巻回し、該コイルに交流を流して前記コイルの前後動振動を行って、全体に推進力を発生させる移動可能なカプセル装置の制御方法において、
前記永久磁石は少なくとも2つの棒状磁石がその同一極を向かい合わせて配置され、前記コイルに流す交流の周波数を前記コイルの前後動振動の共振周波数に一致させ、かつ前記交流に直流を重畳して前記カプセル本体の移動方向を決める。
【0024】
第3、第4の発明に係る移動可能なカプセル装置の制御方法において、前記カプセル本体内に、照明付きのマイクロカメラ、処置を行う機器、投薬機構、及び姿勢検知センサーのいずれか1又は2以上を備え、前記コイルをアンテナとして使用する無線機及びこれに接続される制御部によって制御されるのがよい。
【発明の効果】
【0025】
第1、第2の発明に係る移動可能なカプセル装置、及び第3、第4の発明に係る移動可能なカプセル装置の制御方法においては、コイルに流す交流の周波数と、永久磁石又はコイルの前後動振動によって発生するカプセルの共振周波数とを一致させているので、流れる電流が減少すると共に、減少した電流で最大振幅の振動(ピストン運動)を得ることができる。従って、より少ない電力でカプセル装置の移動が可能となる。
【0026】
特に、永久磁石を駆動するコイルを、永久磁石の前後に配置された第1、第2のコイル部に分割することによって、コイルに引力と斥力を発生させ、より効率的に低い電力で永久磁石又はコイルの振動を行うことができる。
更に、カプセル本体の長さ方向に渡って連続してコイルを巻く場合に比較して巻数を減少させて、発熱によるカプセル装置の温度上昇を防止することができる。
【0027】
そして、コイルに流す交流に直流を重畳させると、一方側の加振力を他方側より強くすることができ、カプセル装置の一方向運動を加速することができる。この場合、回路は交流(矩形波も含む)を発生させる回路と直流を発生させる回路の組み合わせによって構成できるので、回路の簡略化にもなる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施例に係る移動可能なカプセル装置の要部断面図である。
【図2】同移動可能なカプセル装置の動作を示す説明図である。
【図3】(A)~(C)はコイルに加える電圧の形成方法を示す説明図である。
【図4】アクチュエータ(コイル)の表面温度の変化を示すグラフである。
【図5】同移動可能なカプセル装置の電磁力と距離との関係を示すグラフである。
【図6】同移動可能なカプセル装置を更に発展させて実用化したカプセル装置の断面図である。
【図7】(A)、(B)は本発明の第2の実施例に係る移動可能なカプセル装置の要部断面図、(C)は同斜視図である。
【図8】同移動可能なカプセル装置の電気回路のブロック図である。
【図9】同移動可能なカプセル装置の動作フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
続いて、添付した図面を参照しながら、本発明を具体化した実施例について説明する。
図1に示すように、本発明の第1の実施例に係る移動可能なカプセル装置(以下、単に「カプセル装置」という)10は、断面円形で全長が断面の径より大きい長尺のカプセル本体11と、カプセル本体11に筒体12を介して設けられカプセル本体11に対して長さ方向に移動可能な可動子となる棒状の永久磁石13と、筒体12からなるボビンの両側(前後)に巻回されて、永久磁石13の周りを囲む形で設けられて、永久磁石13を駆動する第1、第2のコイル部15、16(コイルの一例)とを有している。以下、これらについて説明する。

【0030】
永久磁石13としては、例えば直径Dが2.5~5mm程度(この実施例においては3mmを使用)、長さLが7~15mm(この実施例においては10mmを使用)のネオジウム磁石を使用しているが、強力な永久磁石であれば、他の材質のものを使用できる。なお、第1、第2のコイル部15、16の隙間Wは、好ましくは約10~20mm程度である。

【0031】
第1、第2のコイル部15、16は、例えば、直径が0.05mmの導線を内径がD+0.1mmの筒体12(外径は例えば、D+1.1mm)にそれぞれ幅が2~4mm程度で50回ずつ巻いて構成される。第1、第2のコイル部15、16の隙間Wを永久磁石13の全長Lの0.8~1.2倍程度としている。なお、筒体12の内径と永久磁石13との間には径方向に合計して0.1mmの隙間が形成されているので、永久磁石13は筒体12内を抵抗なく移動できる。

【0032】
この実施例では筒体12はアルミ製のパイプからなって、その両側には弾性部材(例えば、ゴム、プラスチック)又は金属からなるストッパー17、18が、(例えば、接着剤を介して)設けられ、内部に僅少の隙間を有して永久磁石13が所定距離(この実施例では約8mm)移動できる空間が形成されている。なお、以下に説明する実験に際しては、第1、第2のコイル部15、16が巻かれたボビン(筒体12)ごとカプセル本体11に入れて全体が外径約10mm、長さが約21mmのカプセル装置(単に、「振動モータ」と称することもある)10を使用した。実際に本発明を適用する製品においては、これらの寸法に限定されるものではなく、直径及び全長は用途に応じて変えることができる。また、カプセル本体11の端部は、半球状、レンズ形等、用途に応じて変えることが可能である。

【0033】
実験においては、交流発生手段の一例として低周波発振器とアンプを用いた。低周波発振器(マルチファンクションジェネレータ)として株式会社エヌエフ回路設計ブロック製の「WF19739」を用い、波形を増幅するアンプとしては、株式会社高砂製作所の「BWA25-1」を用いた。これらは実験において、第1、第2のコイル部15、16に流す交流の周波数及び出力電圧を自由に変えることができるためのものである。

【0034】
この振動モータを進行させるためには、第1、第2のコイル部15、16からなるコイルに、以上に説明したマルチファンクションジェネレータ及びアンプを用いて発生させた交流電力を供給し、第1、第2のコイル部15、16によって発生する電磁力によって内部の可動子(永久磁石13)を前後動振動させることになる。

【0035】
この動作を図2を用いて説明する。静止状態の外殻(永久磁石13を除いた部分をいう)をM、永久磁石13をm1、m2で表わし、第1、第2のコイル15、16に一方向の電流を流すと、m1で示す永久磁石13がx1方向に移動し、外殻がx2方向にお互いに引き合うように移動する(ステップS1)。

【0036】
そして、P1のところで、永久磁石13が外郭(実際はストッパー17)に衝突するが、永久磁石13の方が保有するエネルギーが大きいので、更に全体がx1の方向に引きずられて移動する(ステップS2)。
次に、P2の位置で第1、第2のコイル15、16に流れる電流の方向が切り替わる。これによって、永久磁石13はx2の方向に移動し、P3の位置で他方側のストッパー18(即ち、外殻)に衝突する(ステップS3)。なお、図2に示すステップS3、S4の永久磁石13は位置をm1からずらしてm2として表している。

【0037】
そして、この後、永久磁石13の保有するエネルギーの方が大きいので、永久磁石13と外殻はそのまま引きずられて元位置又はその近くまで移動する(ステップS4)。
以上に挙げた4つの動作を繰り返すことで、ストッパー17、18、筒体12及びカプセル本体11を含む外殻に、可動子の慣性反力(即ち、コイルに発生する力)によって、可動子の移動方向とは逆方向に移動する力が発生すること、及び可動子がストッパー17、18に衝突して大きな衝撃力を発生し、これらの力が加わって、振動モータ(即ち、カプセル装置10)は移動を行うことになる。toは振動の1周期を示す。

【0038】
このカプセル装置10においては、可動子の移動に関してコイルに外部から交流信号を与えると、可動子及びカプセル本体11を前後に繰り返し移動させることはできるが、可動子が同じ速度で前後運動を行うと、前後に同じ慣性反力や衝撃力が加わり、このカプセル装置10はその場で振動するだけで前又は後ろに移動することはできない。そこで、入力する交流信号のデューティ比(即ち、+側電流と-側電流の比)を変えることによって、コイルが作る磁界を変化させ、振動モータ内部の可動子の移動速度を一方向と他方向とで変化させる。これによって、振動モータ、即ち、このカプセル装置10を一方向に推進力を発生させて、前又は後ろ方向に移動可能とすることができる。

【0039】
このような交流信号の生成方法としては、以上の説明した低周波発振器とアンプから発生した交流電流に直流バイアスを加えることによって簡単に得ることができる。振動モータの試験を行う場合は、この方法を用いて、容易に交流の周波数、出力電圧、バイアス電圧等の設定を行ったが、実機にあっては、周波数や出力電圧は変える必要がないので、図3(A)に示すように、所定周波数f、波高値hの正負対称な矩形波交流を作り、これに図3(B)に示すように直流(電圧b)を重畳して、図3(C)に示すように、一方向に電流量が多い交流(波高値h+b、h-b)を形成することができる。この場合の交流発生手段は、デジタル信号を用いて容易に形成できる。ここで、直流の極性(即ち、+-の方向)を変えることによって、このカプセル装置10の進行方向が決まる。

【0040】
なお、第1、第2のコイル部15、16は直列に接続されているので、永久磁石13に対して一方向に他方向より強い力(加振力)を発揮し、結局は、カプセル装置10の移動をより速くすることができる。この場合、中央位置にある永久磁石13の両端位置に第1、第2のコイル部15、16の対向する内側端位置が配置されるのが好ましい。

【0041】
次に、第1、第2のコイル部15、16のそれぞれの巻数を変えた場合の、コイルの温度上昇を調べた結果を図4に示す。
測定には非接触温度計を使用し、第1、第2のコイル部15、16の巻き数を150回巻×2と50回巻×2の試験用のカプセル装置を用いた。測定は、このカプセル装置に入力できる最大電力0.5[A]、3.3[V]で行った。+3.3[V]、-3.3[V]を40[Hz]で切り替え、アクチュエータ(コイル)の表面温度が均衡するまでの5分間の測定を行った。

【0042】
測定時の気温は18[℃]であった。図4に示すように、150回巻×2(300回巻)の場合は5分後に63.3[℃]に到達し、50回巻×2(100回巻)の場合は5分後に44.6[℃]に到達した。ゆえに本発明では安全性を考え、温度上昇の小さい50回巻×2(100回巻)のコイルが最適であった。

【0043】
続いて、このカプセル装置10の移動速度について検討した。以上のステップS1~S4の工程を経て振動する振動モータ(カプセル装置10)の移動速度Sは以下の式(1)によって算出することができる。ここで、a:振動モータの外郭の変位と永久磁石の変位との和、f1:ステップS1、S2での電磁力、f2:ステップS3、S4での電磁力、T:可動子がステップS1からステップS4までの動作が行われているパルス波形1周期分の時間、n:Mo/mを示す。ここで、mは永久磁石の質量、Moはカプセル装置の全体からmを引いた質量を示す。

【0044】
【数1】
JP2014014062A1_000003t.gif

【0045】
しかしながら、上記式(1)によって移動速度Sは、交流電流の周波数は一定であることの条件で算出されており、周波数が変われば挙動は変化する。実験では、周波数を数Hzから100Hz程度まで変化させて振動モータの走行を観察すると、最も速く移動できる周波数が存在することが確認できた。通常、バネと質量から構成される機械系では、固有振動数が存在し、共振時に最も振幅が大きくなる。

【0046】
振動モータの電磁力の特性を図5に示すが、第1、第2のコイル部15、16に流す電流(直流)を変えて、第1、第2のコイル部15、16の中心と、永久磁石13の中心との距離(mm)と電磁力(N)の関係を示す。距離と電磁力との関係は比例するので、結局は電磁力/距離をバネ定数Kと近似できる。そこで、バネ定数の大きさとして、図5の1.5Vのグラフで、4mmの距離に対して0.04(N)という変化率とし、可動子質量20×0-4(0.2g)を用いて、単振動の固有振動数fを式(2)より求めると、35.6Hzとなり、実験によって求めた最適周波数(即ち、共振周波数)と一致する。但し、K:ばね定数、m:可動子質量を示す。

【0047】
【数2】
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【0048】
なお、この共振周波数は、第1、第2のコイル部15、16に交流を流して、可動子を振動させた場合、第1、第2のコイル部15、16を通過する電流が最小となることから容易に検知できる。

【0049】
なお、可動子が振動で往復する距離R(ストローク)が長いと、コイルに流す電流を増加させても、振動周波数が高い場合には、ストッパー17、18(即ち、外殻の壁)に達せず、衝突しないで往復運動を繰り返し、走行速度が遅くなることがある。そこで、ストッパー17、18にまで可動子が達するまでの限界の周波数を求め、それ以上の周波数で可動子を振動させないようにする。ストロークをR、周波数をfとすると、限界周波数は(f/2RM)で求まり、ストロークRを代入すると、限界周波数が456Hzとなる。従って、35.6Hzでは、可動子がストッパー17、18に達することが分かり、実験でも確認できた。

【0050】
図6は装置全体を更に具体化したカプセル装置24を示すが、カプセル本体32の内部には、永久磁石13と第1、第2のコイル部15、16を有するアクチュエータ25、電池(電源)26、照明付きのマイクロカメラ28、図示しない処置を行う機器(例えば、細胞採取)、投薬機構、姿勢検知センサー29、これらの制御装置30及び外部制御装置との連携を行う無線機31とを有している。なお、照明付きのマイクロカメラ28、処置を行う機器、投薬機構、姿勢検知センサー29は周知の構造であるので、詳しい説明を省略する。

【0051】
次に、図7(A)、(B)、(C)、図8、図9を参照しながら、本発明の第2の実施例に係る移動可能なカプセル装置(以下、単に「カプセル装置」という)35について説明する。前述したカプセル装置10においては、永久磁石13が振動しコイル(第1、第2のコイル部15、16)が固定であるが、このカプセル装置35においては、永久磁石39、40が固定でその周囲に配置されたコイル42が振動する。カプセル本体の内部に配置された振動体の反動によってカプセル本体が一方向に移動すること、及び振動に共振現象を使用することは共通している。

【0052】
図7(A)、(B)に示すように、カプセル装置35は長尺のカプセル本体36と、カプセル本体36内に支持部材37、38を介して配置された円柱状の永久磁石39、40と、永久磁石39、40を中心としてその外側に摺動移動可能に配置された筒体の一例であるボビン41と、ボビン41に均等巻きされたコイル42とを有する。ここで、永久磁石39、40はカプセル本体36の軸心にあって、カプセル本体36の長さ方向に磁極の向きを合わせて配置されている。

【0053】
カプセル本体36の直径は4~10mm、長さは端端間で12~20mm程度であるのが好ましい。カプセル本体36の材質は人体、特に内臓に対して無害な材料、例えば、プラスチック(アクリル、ポリカーボネイト、ポリプロピレン等)、金属(アルミニウム、チタン等)であるのが好ましい。カプセル本体36は円筒部36aとその両側にねじ取付けされる半球状の蓋部36b、36cを有している。

【0054】
支持部材37、38は直径βが例えば4~8mm程度の円板状のプラスチックからなって、カプセル本体36の円筒部36aの内側に固定されている。永久磁石39、40の合計長さαは、例えば10~15mm程度である。
カプセル本体36の軸心でかつ前後方向中央位置に配置されている永久磁石39、40は同一寸法の2本のネオジウム磁石からなる棒状磁石を、同一の極性(N極又はS極)を向かい合わせて配置されている。この実施例においては、同一極性の永久磁石39、40の端部を向かい合わせて接着剤によって接合し、一本化している。

【0055】
ボビン41は、非磁性材料(例えば、プラスチック、アルミニュウム)からなって、円筒部44とその両側に配置されたフランジ45、46とを有し、円筒部44の内径は永久磁石39、40の直径より大きくなっているが、フランジ45、46の中央孔47a、47bは永久磁石39、40の外径より僅少の範囲(例えば、0.05~0.2mm)程度大きくなって、ボビン41はその両側を永久磁石39、40によって仮支持された状態で永久磁石39、40に対して前後にスライド移動可能となっている。

【0056】
ボビン41には前後方向に対称にコイル42が巻かれ、コイル42の両端部はボビン41の端部に固定され、両端部の銅線が余裕を持って(例えば、カール部を有して)、カプセル本体36の内側に固定された制御部48に接続されている。なお、コイル42には細いエナメル線が使用され、その巻き数は50~100回程度であり、単層巻きでも複層巻きでもよい。コイル42は両側に巻線端部となるカール部を有して、カプセル本体36の中間部に配置されているが、両側に弾性部材を設けるか、又は磁気吸着体をボビンの中央に設けることによって、コイル42の位置を決めることができる。

【0057】
カプセル本体36の一方側には、照明付きのマイクロカメラ50が、その両側には処置を行う機器(例えば、カッター、細胞採取器)51と投薬機構52が設けられ、カプセル本体36の他方側には電池53の収納部54が設けられている。
図7(A)~(C)、図8に示すように、制御部48は、板状の基板48a、48bに設けられ、RAM、ROMを備えたMPU55と、マイクロカメラ50に接続される画像送信回路56と、マイクロカメラ50の照明用LED57と、第1、第2の出力部59、60とを備えている。

【0058】
また、カプセル本体36には姿勢検知センサー61が設けられ、カプセル本体36の向きと、軸心に対する回転角度を検知し検知された信号を、画像送信回路56に送って、画像信号と共に、外部に送っている。これによって、マイクロカメラ50の撮影方向、円周方向の角度を外部から認識できる。
なお、この姿勢検知センサー61はこの発明において、必須の要件ではなく、身体内部にあるカプセル装置35(10においても同じ)の向きは外部に配置されたセンサー、例えば、超音波センサー、電波センサー、X線装置によって検知できる。

【0059】
また、基板48a、48bには制御部48とは別に(同一であってもよい)、無線信号受信回路(無線機の一例)61aが設けられ、外部にある無線信号送信装置(即ち、外部制御装置、又はコントローラ)64から無線による信号を受信し、制御部48を作動できるようになっている。なお、無線信号受信回路61aのアンテナとして、コイル42が使用されている。ここで、画像送信回路56には独立したアンテナ62が設けられているが、このコイル42を使用してもよい。なお、無線信号受信回路61aは無線信号によって制御部48に連結されている。

【0060】
第1の出力部59は、投薬機構52を作動させるためのアンプで、MPU55からの信号を増幅して、投薬機構52をオン(開)又はオフ(閉)させている。
第2の出力部60は、図3(A)に示すように、MPU55から得た交流信号に、図3(B)に示すように直流バイアスを重畳して、図3(C)に示すように、デューティ比(プラス側の信号とマイナス側の信号の比率)の異なる出力を得ている。これによって、コイル42の信号を一方向に偏らせ、カプセル装置35の進行方向を決めている。デューティ比は、例えば1.1~1.4程度が好ましい。カプセル装置35の前進と後退の切り換えは、重畳する直流バイパスの方向を変えることによって行う。なお、MPU55と第2の出力部60が交流発生手段として動作する。

【0061】
コイル42に交流を流すと、永久磁石39、40は固定であるので、通常のスピーカと同様、コイル42が永久磁石39、40に沿って前後動振動する。共振周波数は、周波数を変えてコイル42に交流を流した電流の最小値によって決定される。MPU55を操作して発信周波数を変えることもできるが、予め実験を行い、コイル42の前後動振動の共振周波数を測定し、その周波数に合わせてMPU55から第2の出力部60に信号を送るのがよい。第2の出力部60は内部にアンプを有し、MPU55からの微弱信号を所定の大きさに増幅する。
この実施例では、ディーティ比の調整は重ね合わせる直流の電流(又は、電圧)を制御して行ったが、波形のオンとオフの時間差を変えて行うこともできる

【0062】
図9には、カプセル装置35の動作フローを示すが、外部の無線信号送信装置64からの電波をアンテナとして作動するコイル42で受信し、無線信号受信回路61aに送り、デジタル信号化して、制御部48に送る。制御部48では無線信号に含まれるコマンドを識別する(ステップS1)。このコマンドには、「前進」、「後退」、「投薬」、「カメラ」があり、「前進」の場合は第2の出力部60から正方向に直流が重畳された交流電流がコイル42に流れ、カプセル装置35は前進する。「後退」の場合は直流電流が負方向に重畳された交流をコイル42に流すことになる。

【0063】
「投薬」のコマンドを受けた場合には、第1の出力部59に信号を与えて、投薬機構52を作動させる。また、「カメラ」のコマンドを受けた場合、照明用LED57をオンにしマイクロカメラ50を作動させる。マイクロカメラ50からの受信信号は画像送信回路56、アンテナ62を介して外部に出力される。外部では図示しない画像受信装置を有し、マイクロカメラ50で撮像された画像が逐次記録され、かつ出力される(以上、ステップS2~S5)。以上の動作は指定時間で終了し、スタートに戻って無線信号を待ち受ける(ステップS6)。

【0064】
なお、カプセル装置35の移動速度については、カプセル装置10と同様に推定できる。本発明は本発明の要旨を変更しない範囲で自由にその構成を変更できる。
例えば、第1の実施例に係るカプセル装置10においては、筒体に対して第1、第2のコイル部を対称に配置したが、一方のコイル部を後方又は前方にずらして配置することもできる。また、場合によっては、第1、第2のコイル部を並列に接続することも、第1、第2のコイル部の巻数を変えることもできる。また、前記した実施例においては、具体的数字を用いて説明したが、本発明の要旨を変更しない範囲で変えることもできる。

【0065】
第2の実施例に係るカプセル装置35においては、2つ永久磁石を使用したが、1つ、又は3つ以上の永久磁石を使用することもでき、更に複数の永久磁石の長さを同一にすることもできるし、変えることもできる。また、第2の実施例に係るカプセル装置35においては、コイル42は一つであったが、前後方向に離れて2分割して、第1、第2のコイル部とすることもできる。

【0066】
なお、第1、第2の実施例においては、カプセル本体の内部は大気圧と同じであるが、減圧することもでき、これによって、より永久磁石又はコイルの動きがよくなる。
また、第1の実施例に係るカプセル装置10の一部を第2の実施例に係るカプセル装置35に適用する場合、第2の実施例に係るカプセル装置35の一部を第1の実施例に係るカプセル装置10に使用する場合も本発明は適用される。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明に係るカプセル装置を用いて、消化管内を走行し、検査、治療に用いる消化管内走行カプセルができる。また、自然に流す場合に比較して、カプセル装置が自力移動ができるので、消化管内を傷つけずに走行し、目的の観察治療場所へ短時間で達することができる。また、無線で外部と連絡を取りながら、消化管内の診断を行うための細胞採取にも活用できる。
【符号の説明】
【0068】
10:移動可能なカプセル装置、11:カプセル本体、12:筒体、13:永久磁石、15:第1のコイル部、16:第2のコイル部、17、18:ストッパー、24:カプセル装置、25:アクチュエータ、26:電池、28:マイクロカメラ、29:姿勢検知センサー、30:制御装置、31:無線機、32:カプセル本体、35:移動可能なカプセル装置、36:カプセル本体、36a:円筒部、36b、36c:蓋部、37、38:支持部材、39、40:永久磁石、41:ボビン、42:コイル、44:円筒部、45、46:フランジ、47a、47b:中央孔、48:制御部、48a、48b:基板、50:マイクロカメラ、51:処置を行う機器、52:投薬機構、53:電池、54:収納部、55:MPU、56:画像送信回路、57:照明用LED、59:第1の出力部、60:第2の出力部、61:姿勢検知センサー、61a:無線信号受信回路、62:アンテナ、64:無線信号送信装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
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【図9】
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