TOP > 国内特許検索 > 撮影装置、及び、撮影方法 > 明細書

明細書 :撮影装置、及び、撮影方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-142217 (P2017-142217A)
公開日 平成29年8月17日(2017.8.17)
発明の名称または考案の名称 撮影装置、及び、撮影方法
国際特許分類 G01N  23/04        (2006.01)
G01N  23/18        (2006.01)
FI G01N 23/04 320
G01N 23/04
G01N 23/18
請求項の数または発明の数 10
出願形態 OL
全頁数 23
出願番号 特願2016-025306 (P2016-025306)
出願日 平成28年2月12日(2016.2.12)
発明者または考案者 【氏名】西川 幸宏
出願人 【識別番号】504255685
【氏名又は名称】国立大学法人京都工芸繊維大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000338、【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
審査請求 未請求
テーマコード 2G001
Fターム 2G001AA01
2G001AA10
2G001BA11
2G001CA01
2G001DA06
2G001DA08
2G001DA09
2G001GA06
2G001GA08
2G001HA07
2G001HA08
2G001HA13
2G001HA14
2G001JA09
2G001JA12
2G001JA15
2G001KA03
2G001LA20
2G001MA10
2G001PA11
要約 【課題】高品質な再構成像を次々と得る。
【解決手段】撮像装置(1)の移動部(20)は、光源(3)と第1検出部(13)との間を通過する際の光源(3)に対する被写体(7)の姿勢(P1)と、光源(4)と第2検出部(14)との間を通過する際の光源(4)に対する被写体(7)の姿勢(P2)とを異ならせる姿勢変更部(23)を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
放射線を出射する一又は複数の光源を有する光源部と、
上記光源部から出射された放射線をそれぞれ電気変換して検出する第1及び第2検出部と、
上記光源部と、上記第1及び第2検出部との間を通過するよう被写体を相対的に平行移動させる移動部とを備え、
上記移動部は、上記光源部と上記第1検出部との間を通過する際の上記光源部に対する上記被写体の姿勢と、上記光源部と上記第2検出部との間を通過する際の上記光源部に対する上記被写体の姿勢とを異ならせる姿勢変更部を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
上記移動部は、
上記被写体を、第1進行方向へ移動させることで上記光源部と上記第1検出部との間を通過させる第1移動部と、
上記被写体を、第2進行方向へ移動させることで上記光源部と上記第2検出部との間を通過させる第2移動部とを有し、
平面視したとき、上記第1進行方向と上記第2進行方向とは異なっていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
上記移動部は、
上記被写体を、第1進行方向へ移動させることで上記光源部と上記第1検出部との間を通過させる第1移動部と、
上記被写体を、上記第1進行方向と同じ第2進行方向へ移動させることで上記光源部と上記第2検出部との間を通過させる第2移動部とを有し、
平面視したとき、上記第1進行方向と上記第2進行方向とは同じ方向であり、
上記姿勢変更部は、上記第1移動部が上記第1進行方向へ移動させた上記被写体の姿勢を異なる姿勢へ変更し、当該被写体を、上記第2移動部に上記2進行方向へ移動させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
上記光源部は、上記複数の光源である第1光源及び第2光源を有し、
上記第1移動部は、上記被写体を、上記第1光源と上記第1検出部との間を上記第1進行方向へ移動させ、
上記第2移動部は、上記被写体を、上記第2光源と上記第2検出部との間を上記第2進行方向へ移動させることを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項5】
上記第1進行方向と、上記第2進行方向とのうち、少なくとも一方は傾斜していることを特徴とする請求項2~4の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
上記第1検出部と、上記第2検出部とのうち、少なくとも一方は、点状または線状の複数の検出器が並んで配置されて構成されている、又は、一つの面状の受光部を有する構成であることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
上記光源部が有する上記光源の上記放射線の放射角度を2θ度、上記姿勢変更部が上記被写体の姿勢を異ならせる回数をN回とすると、1≦N<(180/2θ)であることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
さらに、上記第1検出部及び上記第2検出部が検出した放射線の強度データを取得し、当該強度データから上記被写体の断層像を得る演算部を備えていることを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
上記演算部は、上記強度データから上記被写体の断層像を得る際に用いる再構成方法としてSACT法を用いることを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
一又は複数の光源を有する光源部から放射線を出射するステップと、
上記光源部から出射された放射線をそれぞれ第1及び第2検出部により検出するステップと、
上記光源部と、上記第1及び第2検出部との間を通過するよう被写体を相対的に平行移動させる移動ステップとを含み、
上記移動ステップは、上記光源部と上記第1検出部との間を通過する際の上記被写体の上記光源部に対する姿勢と、上記光源部と上記第2検出部との間を通過する際の上記光源部に対する姿勢とを異ならせる姿勢変更ステップを含むことを特徴とする撮像方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は放射線を用いた撮影装置、及び、撮影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2において、X線光源と検出器との間を被写体が平行移動によって通過することで、被写体の内部を可視化する技術が提案されている。
【0003】
特許文献1、2では、ともに被写体の平行移動中に撮影した透視像を並び替えて、計算機トモグラフィー(CT:Computed Tomography)に適するデータ列に変換し、CTの標準的な再構成法であるFiltered Back-projection(FBP)法を適用して、被写体内部の画像(再構成像)を得ている。
【0004】
特許文献1、2は基本的に同じ内容である。特許文献1、2は、ともに明細書の中に記載された、透視像のデータを変換するための重要な式が同じである。なお、本明細書では、特許文献1、2に記載されたような透視像撮影方法を平行移動撮影と呼ぶことにする。
【0005】
近年、工業製品の製造工程では、製品がベルトコンベヤー等で運ばれ、次々に処理が施されるFactory Automation(FA)がしばしば使われる。平行移動撮影はFAとの相性が良いため、FA組み込み型のCT型検査装置ということで、技術価値が高い。
【0006】
また、特許文献3には、再構成法として、角度制限アーティファクトのない再構成像を得る技術が提案されている。特許文献3では、SA(Simulated Annealing)法をCTに適用させた再構成法が提案されている。なお、以下の説明では、特許文献3に記載された再構成法をSACTと称する場合がある。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】特開2006‐071472号公報(2006年3月16日公開)
【特許文献2】特開2007‐139764号公報(2007年6月7日公開)
【特許文献3】特許第5190825号(2013年2月8日登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
平行移動撮影では、X線光源の広がり角を利用して、CTに必要な、被写体回転に相当する透視像を得る。
【0009】
CTでは、鮮明な画像を得るために原理的に180度方位からの透視像が必要であるが、現実の光源の広がり角度はせいぜい120度程度であるため、透視像の角度範囲が制限される。角度が制限された透視像からの再構成では、画質の劣化がみられる。
【0010】
特許文献1、2ともに同じ特徴を有する画質劣化が報告されている。この画質劣化は、透視像の角度制限に由来するので、角度制限アーティファクトと呼ばれる。
【0011】
このように、特許文献1、2に記載された技術では、画質が劣化した再構成像しか得ることができなかった。
【0012】
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高品質な再構成像を次々と得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明の撮像装置は、放射線を出射する一又は複数の光源を有する光源部と、上記光源部から出射された放射線をそれぞれ電気変換して検出する第1及び第2検出部と、上記光源部と、上記第1及び第2検出部との間を通過するよう被写体を相対的に平行移動させる移動部とを備え、上記移動部は、上記光源部と上記第1検出部との間を通過する際の上記光源部に対する上記被写体の姿勢と、上記光源部と上記第2検出部との間を通過する際の上記光源部に対する上記被写体の姿勢とを異ならせる姿勢変更部を有することを特徴とする。
【0014】
上記構成によると、上記移動部は、上記光源部と、上記第1及び第2検出部との間を通過するよう被写体を相対的に平行移動させる。これにより、被写体を回転移動させる場合と比べて、大掛かりな駆動機構を備える必要がなく、装置の製造コストを下げることができる。また、上記移動部が、上記光源部と、上記第1及び第2検出部との間を通過するよう被写体を相対的に平行移動間に、上記第1及び第2検出部は、上記光源部から出射された放射線をそれぞれ検出することで、平行移動する被写体の透視像を得る。このように、上記第1及び第2検出部は、素早く被写体の透視像を得ることができるため、複数の被写体を次々と撮影(以下、「次々撮影」と称する場合がある)することができる。
【0015】
さらに、上記構成によると、上記移動部は、上記光源部と上記第1検出部との間を通過する際の上記光源部に対する上記被写体の姿勢と、上記光源部と上記第2検出部との間を通過する際の上記光源部に対する上記被写体の姿勢とを異ならせる姿勢変更部を有する。このため、上記第1検出部と、上記第2検出部とで、被写体を異なる角度から撮影した複数の透視像を得ることができる。そして、被写体を異なる角度から撮影した複数の透視像に基づいて再構成像を得ることで、アーティファクトが抑制された高品質な再構成像を得ることができる。
【0016】
このように、上記構成によると、高品質な再構成像を次々と得ることができる。
【0017】
また、上記移動部は、上記被写体を、第1進行方向へ移動させることで上記光源部と上記第1検出部との間を通過させる第1移動部と、上記被写体を、第2進行方向へ移動させることで上記光源部と上記第2検出部との間を通過させる第2移動部とを有し、平面視したとき、上記第1進行方向と上記第2進行方向とは異なっていてもよい。
【0018】
上記構成により、上記姿勢変更部は、上記光源部と上記第1検出部との間を通過する際の上記光源部に対する上記被写体の姿勢と、上記光源部と上記第2検出部との間を通過する際の上記光源部に対する上記被写体の姿勢とを異ならせることができる。これにより、アーティファクトが抑制された高品質な再構成像を得ることができる。
【0019】
加えて、第1進行方向と第2進行方向とが同じとなるように、第1移動部及び第2移動部を配置する場合と比べて、第1移動部及び第2移動部の長さのうち、第1移動部の一方の端部から第2移動部の他方の端部までの長さを短くすることができる。これにより、第1移動部の一方の端部から第2移動部の他方の端部までの長さが短い設置スペースにも、第1移動部及び第2移動部を設置することができる。
【0020】
また、上記移動部は、上記被写体を、第1進行方向へ移動させることで上記光源部と上記第1検出部との間を通過させる第1移動部と、上記被写体を、上記第1進行方向と同じ第2進行方向へ移動させることで上記光源部と上記第2検出部との間を通過させる第2移動部とを有し、平面視したとき、上記第1進行方向と上記第2進行方向とは同じ方向であり、上記姿勢変更部は、上記第1移動部が上記第1進行方向へ移動させた上記被写体の姿勢を異なる姿勢へ変更し、当該被写体を、上記第2移動部に上記2進行方向へ移動させてもよい。
【0021】
上記構成により、上記姿勢変更部は、上記光源部と上記第1検出部との間を通過する際の上記光源部に対する上記被写体の姿勢と、上記光源部と上記第2検出部との間を通過する際の上記光源部に対する上記被写体の姿勢とを異ならせることができる。これにより、アーティファクトが抑制された高品質な再構成像を得ることができる。
【0022】
加えて、第1進行方向と第2進行方向とが異なるように、第1移動部及び第2移動部を配置する場合と比べて、第1移動部及び第2移動部の長さのうち、第1移動部の一方の端部から第2移動部の他方の端部までの直線に直角に交わる方向の長さを短くすることができる。これにより、第1移動部及び第2移動部の長さのうち、第1移動部の一方の端部から第2移動部の他方の端部までの直線に直角に交わる方向の長さが短い設置スペースにも、第1移動部及び第2移動部を設置することができる。
【0023】
また、上記光源部は、上記複数の光源である第1光源及び第2光源を有し、上記第1移動部は、上記被写体を、上記第1光源と上記第1検出部との間を上記第1進行方向へ移動させ、上記第2移動部は、上記被写体を、上記第2光源と上記第2検出部との間を上記第2進行方向へ移動させてもよい。
【0024】
上記構成によると、上記第1進行方向へ移動する上記被写体に対しては上記第1光源が放射線を出射し、上記第2進行方向へ移動する上記被写体に対しては上記第2光源が放射線を出射することで、上記第1検出部及び第2検出部にて、異なる角度から被写体を撮影することができる。このため、上記第1検出部及び第2検出部にて、異なる角度から被写体を撮影するために、光源を移動させる必要がない。このため、光源を移動させるための駆動機構を省略することができるため、装置の製造コストを低減することができる。
【0025】
また、上記第1進行方向と、上記第2進行方向とのうち、少なくとも一方は傾斜していてもよい。これにより、再構成像において、例えば、コーンビームアーティファクト等、特定のアーティファクトが含まれることを抑制することができる。
【0026】
また、上記第1検出部と、上記第2検出部とのうち、少なくとも一方は、点状または線状の複数の検出器が並んで配置されて構成されていてもよい。これにより、面積が大きい面状の検出器を配置する場合と比べて装置を安価に得ることができる。
【0027】
又は、上記第1検出部と、上記第2検出部とのうち、少なくとも一方は、一つの面状の受光部を有する構成であってもよい。これにより、複数の検出器を並んで配置する場合と比べて、高精細な被写体の透視像を得ることができる。このため、より高品質の再構成像を得ることができる。
【0028】
また、上記光源部が有する上記光源の上記放射線の放射角度を2θ度、上記姿勢変更部が上記被写体の姿勢を異ならせる回数をN回とすると、1≦N<(180/2θ)であってもよい。上記構成により、上記被写体の180°の方向からまんべんなく上記被写体を撮影することができる。これにより、アーティファクトが抑制された高品質な再構成像を得ることができる。
【0029】
また、さらに、上記第1検出部及び上記第2検出部が検出した放射線の強度データを取得し、当該強度データから上記被写体の断層像を得る演算部を備えていてもよい。上記構成により、上記演算部は、上記第1検出部及び上記第2検出部から得た透視像に基づいて、再構成を実行し、再構成像を得る。このようにして、アーティファクトが抑制された高品質な再構成像を得ることができる。
【0030】
また、上記演算部は、上記強度データから上記被写体の断層像を得る際に用いる再構成方法としてSACT法を用いてもよい。上記構成により、上記第1検出部及び上記第2検出部が得た透視像から、特に角度制限アーティファクトのない再構成像を得ることができる。
【0031】
上記の課題を解決するために、本発明の撮像方法は、一又は複数の光源を有する光源部から放射線を出射するステップと、上記光源部から出射された放射線をそれぞれ電変換する第1及び第2検出部により検出するステップと、上記光源部と、上記第1及び第2検出部との間を通過するよう被写体を相対的に平行移動させる移動ステップとを含み、上記移動ステップは、上記光源部と上記第1検出部との間を通過する際の上記被写体の上記光源部に対する姿勢と、上記光源部と上記第2検出部との間を通過する際の上記光源部に対する姿勢とを異ならせる姿勢変更ステップを含むことを特徴とする。上記構成によると、高品質な再構成像を次々と得ることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明は、高品質な再構成像を次々と得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態1に係る撮像装置1の構成を表す図である。
【図2】図1に示す撮像装置の概略構成を表す斜視図である。
【図3】(a)本発明の実施例に用いた被写体を表す図であり、(b)は(a)の被写体を1回の平行移動撮影したデータを用いて一般的なCT法により再構成した図であり、(c)は(a)に示す被写体を異なる角度から2回平行移動撮影をしたデータから再構成した図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る撮影装置にて被写体を撮影して得られた透視像である。
【図5】(a)は四角形の被写体を本発明の実施形態1に係る撮影装置にて撮影している様子を表す図であり、(b)は四角形の被写体を光源の放射角度に合せて傾けて上記撮影装置にて撮影している様子を表す図である。
【図6】(a)は、本発明の実施形態2に係る撮影装置の概略構成を表す図であり、(b)は(a)の撮影装置の比較例に係る撮影装置の概略構成を表す図である。
【図7】本発明の実施例2に係る実験結果を示す図である。
【図8】本発明の実施形態3に係る撮影装置の概略構成を表す図である。
【図9】本発明の実施形態4に係る撮影装置の概略構成を表す図である。
【図10】本発明の実施形態5に係る撮影装置の構成を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。

【0035】
(撮像装置1の構成)
図1は、本発明の実施形態1に係る撮像装置1の構成を表す図である。図2は、撮影装置1の概略構成を表す斜視図である。図1は、本実施形態1に係る撮影装置1の典型的なレイアウトを示している。また、図1は、被写体7の平行移動経路がよくわかるように、撮影装置1を上から見た図面となっている。

【0036】
図2は、撮影装置1のうち、特に、放射線を出射する光源部2(光源3・4)、被写体7、被写体7の平行移動経路を3次元で模式的に示している。横型の撮影装置1に対し、複数のラインセンサ13a・14aが縦に置かれている。

【0037】
撮影装置1は、被写体7を平行に直進移動させつつ、被写体7を撮影することで、被写体7の透視像及び再構成像を得る装置である。特に撮影装置1は、被写体7の進行方向を複数回変更し、撮影毎に被写体7の撮影時に使用する光源3・4に対する姿勢(向き)を変更して被写体7を撮影する。

【0038】
撮像装置1は、光源部2と、第1検出部13と、第2検出部14と、移動部20と、演算部30とを有する。

【0039】
光源部2は、所定の放射角度をもつ放射線を出射する複数の光源3・4を有する。本実施形態において、光源3・4が出射する放射線はX線であるものとする。なお、光源3・4は、X線に換えて、中性子線、ガンマ線など他の放射線を出射する光源であってもよい。光源3と、光源4とは、X線の出射方向が90°異なるように配置されている。本実施形態では、光源3と光源4とは、放射角度は90°となるようX線3a・4aを出射する光源であるものとする。なお、光源3と光源4とのX線3a・4aの放射角度は90°に限定されるものではなく、例えば、30°・60°・120°等、他の角度であってもよい。

【0040】
光源3・4は、共に、移動する被写体7の一方の面(表面)と他方の面(裏面)とのうち、一方の面側に固定して設置されている。これにより、光源3・4から出射されたX線3a・4aは共に被写体7の一方の面(表面)から被写体7の内部を通り、他方の面(裏面を)を経て第1検出部13と第2検出部14とにそれぞれ入射する。

【0041】
第1検出部13は、光源3から出射されたX線3aを電気変換することで検出する検出器である。第1検出部13は、光源3の出射面と対向配置されている。第2検出部14は、光源4から出射されたX線4aを電気変換することで検出する検出器である。第2検出部14は、光源4の出射面と対向配置されている。

【0042】
第1検出部13及び第2検出部14は、平行移動する被写体7を透過したX線3a・4aを受光することで被写体7の透視像を得る。そして、第1検出部13及び第2検出部14は、当該透視像に対応する電気データをそれぞれ演算部30へ出力する。

【0043】
第1検出部13及び第2検出部14は、ある程度の距離を平行移動する被写体7の透視像が得られる2次元の受光部を有する2次元検出器であってもよいし、又は、複数の検出器が直線状に並んで配置されることで、ある程度の距離を平行移動する被写体7の透視像が得られる線状の検出器であるラインセンサであってもよい。第1検出部13と第2検出部14とのうち一方を2次元検出器とし、他方をラインセンサとしてもよい。

【0044】
2次元検出器は、高精細な透視像を得ることができるため、より高品質の再構成像を得ることができる。ただし、2次元検出器の場合には大面積を要するためラインセンサよりも高価である。一方、ラインセンサは、2次元検出器よりも得られるデータ量が少なく2次元検出器と比べると高精細な透視像を得ることはできないものの安価であるため、工業製品を製造ライン上で検査する検査器として好適である。

【0045】
本実施形態では、第1検出部13及び第2検出部14は、それぞれ、複数の検出器13a・14aがそれぞれ直線状に並んで配置されたラインセンサであるものとする。なお、第1検出部13及び第2検出部14は、点状に複数の検出器が並んで配置された構成であってもよい。

【0046】
図2に示すように、ラインセンサを構成する検出器13a・14aは、それぞれ、延伸方向が床面に対し垂直となる方向である。このため、図1において検出器13a・14aは、それぞれ上から見ているので、小さな正方形で描かれている。

【0047】
移動部20は、載置された被写体7をほぼ直線状に複数回あるいは連続的に平行移動させる。移動部20は、例えば、ベルトコンベアなどの移動装置により構成することができる。移動部20は、第1移動部21と、第2移動部22と、被写体7の絶対的姿勢はそのままで移動方向だけを変更する姿勢変更部23とを有する。第1移動部21と、第2移動部22とは、姿勢変更部23を介して接続されており、本実施形態では第1移動部21と第2移動部22の成す角度が90°となっている。なお、第1移動部21と、第2移動部22とが成す角度は90°以外の角度であってもよい。

【0048】
第1移動部21は、光源3と第1検出部13との間に配置されている。第1移動部21は、載置された被写体7を進行方向S1の方向へ直線状に平行移動する。

【0049】
第2移動部22は、光源4と第2検出部14との間に配置されている。第2移動部22は、姿勢変換部23から移動させてきた被写体7を第2進行方向S2へ直線状に平行移動する。第2進行方向S2は、第1進行方向S1と90°異なっている。

【0050】
姿勢変更部23は、第1移動部21における第1移動部21が被写体7を移動させる進行方向S1側に、第1移動部21と隣接して配置されている。姿勢変更部23は、光源3と第1検出部13との間を通過する際の光源3に対する被写体7の姿勢(すなわち、光源3から見た被写体7の向き)と、光源4と第2検出部14との間を通過する際の光源4に対する被写体7の姿勢(すなわち、光源4から見た被写体7の向き)とを異ならせる。本明細書では、光源と被写体との姿勢が変わるという意味で姿勢変更部と呼ぶ。通常のベルトコンベアでは、被写体は回転してしまい光源と被写体との姿勢が同じになるので姿勢変更部23が必要になる。

【0051】
移動部20は、例えば、第2移動部22と姿勢変更部23とが一体として構成されているベルトコンベアのうち、姿勢変更部23の横側に、第1移動部21の進行方向S1の前方側の端部が接続されることで、構成することができる。

【0052】
移動部20は、光源部2が有する光源3・4のX線3a・4aの放射角度を2θ度、姿勢変更部23が被写体7の姿勢を異ならせる回数を整数(自然数)回Nとすると、1≦N<(180/2θ)だけ、被写体7の姿勢を異ならせている。本実施形態では、姿勢変更部23は、光源3・4のX線3a・4aの放射角度が90度であるため、被写体7の姿勢を姿勢P1からP2へ変更する回数は1≦N<(180/2θ)=2かつNが整数、すなわちN=1であるので、1回だけ姿勢を変更している。例えば、光源の放射角度を61度とすれば、1≦N≦<2.95となり被写体7の姿勢を異ならせる回数を1回または2回とすることができる。回数を選択する時には、光源の放射角度と(姿勢変更の回数N+1)をかけた値が180度に近い方を選べばよい。このように、1≦N<(180/2θ)を満たすN回だけ、姿勢変更部23が被写体7の姿勢を異ならせることで、アーティファクトの低減効果を得ることができる。

【0053】
演算部30は、第1検出部13及び第2検出部14それぞれから、被写体7の透視像に対応した電気データを取得すると、当該透視像から再構成像を、演算により生成する。

【0054】
演算部30が透視像から再構成をする方法としては、標準的なCTの再構成法であるFiltered Back-projection、特許文献3に記載されたSACTなどを挙げることができ、さらに、ART、SART、SIRT、ILST、ML-EMなどを用いてもよい。

【0055】
撮影装置1は、姿勢変更部23を介して、被写体7を平行移動撮影するための平行移動撮影部R1・R2が接続された構成であると表現することもできる。

【0056】
平行移動撮影部R1は、一対の光源3及び第1検出部13と、第1移動部21とを有する。平行移動撮影部R2は、一対の光源4及び第2検出部14と、第2移動部22とを有する。そして、姿勢変更部23は、平行移動撮影部R1・R2毎に、光源3・4に対する被写体7の姿勢を異ならせる。

【0057】
平行移動撮影部R1・R2としては、特許文献1・2に記載された平行移動撮影装置を用いてもよい。この場合、平行移動撮影装置として、特許文献1・2のどちらに記載された平行移動撮影装置を用いても構わない。但し、特許文献1の発明者は本願に係る発明者と同一であり、現時点において、本発明の発明者は、特許文献1で提案された技術範囲を想定している。したがって、平行移動撮影部R1・R2として、特許文献1に記載された平行移動撮影装置を利用することが好ましい。さらに、撮影装置1は、センサの位置に応じた遮蔽体を設置する技術、被写体・検出器を固定し、光源を移動する平行移動撮影など、特許文献1に記載された技術を利用してもよい。

【0058】
(撮影装置1の動作)
光源3は、図示しない光源制御部からX線出力指示があると、第1検出部13に向けて、一例として放射角度90のX線3aを出射する。また、光源4は、図示しない光源制御部からX線出力指示があると、第2検出部14に向けて、一例として放射角度90のX線4aを出射する。

【0059】
作業者又は作業ロボットにより、被写体7が第1移動部21に載置されると、第1移動部21は、被写体7を、第1進行方向S1へ平行移動させることで、光源3から出射されたX線3aの放射領域内を通過させる。X線3aの放射領域内を通過している間、第1検出器13は、被写体7の透視像を撮影する。そして、第1移動部21は、そのまま被写体7を第1進行方向S1へ平行移動させることで、姿勢変更部23へ搬出する。

【0060】
ここで、第1移動部21が第1進行方向S1へ被写体7を平行移動させている間、第1移動部21は、被写体7を、光源3と第1検出部13との間を通過するときに一部の面7aが光源3の出射面と対向するような姿勢P1に保持する。これにより、光源3から被写体7を見たとき、主として一部の面7aが見える。

【0061】
次に、姿勢変更部23は、第1移動部21が進行方向S1の方向に移動させた被写体7を受けとると、進行方向S1から90°方向転換させて進行方向S2の方向に被写体7を移動させ、第2移動部22へ搬出する。

【0062】
ここで、姿勢変更部23は、被写体7の進行方向を、第1進行方向S1から第2進行方向S2へ変更するにも関わらず、被写体7の絶対的姿勢は変更しないことで、第2進行方向S2に対する被写体7の姿勢を姿勢P2へ変更する。

【0063】
換言すると、後工程で被写体7が通る光源4と第2検出部14と間を通過するときに面7aとは異なる面7bが光源4の出射面と対向するような姿勢P2に変更する。そして、姿勢変更部23は被写体7aを第2移動部22へ搬出する。

【0064】
次に、第2移動部22は、被写体7を、第2進行方向S2へ平行移動させることで、光源4から出射されたX線4aの放射領域内を通過させる。X線4aの放射領域内を通過している間、第2検出部14は、被写体7の透視像を撮影する。そして、第2移動部22は、そのまま被写体7を第2進行方向S2へ平行移動させることで、撮像装置1外へ搬出する。

【0065】
ここで、第2移動部22が第2進行方向S2へ被写体7を平行移動させている間、第2移動部22は、被写体7を、光源4と第2検出部14との間を通過するときに一部の面7aとは異なる他の一部の面7bが光源4の出射面と対向するような姿勢P2に保持する。これにより、光源4から被写体7を見たとき、主として面7aとは異なる面7bが見える。

【0066】
このため、平行移動撮影部R1と、平行移動撮影部R2とでは、被写体7を異なる方向から撮影することになる。

【0067】
そして、第1検出部13及び第2検出部14は、異なる方向から撮影された被写体の透視像に対応する電気データを演算部30へそれぞれ出力する。

【0068】
演算部30は、第1検出部13と第2検出部14とから取得した、異なる方向から撮影された被写体7の透視像に対応する電気データから1つの再構成像を得る。

【0069】
(実施例1)
次に、本発明の実施例1について説明する。実施例1として、図1及び図2に示した撮影装置1を用いた。

【0070】
実施例1に係る撮影装置1において、平行移動撮影部R1・R2は、平行移動撮影装置(特許文献1、2に相当)と同等の機能を有する撮影ユニットを用いた。

【0071】
平行移動撮影部R1・R2とで被写体7を平行移動させる、第1進行方向S1と第2進行方向S2とで向きが90°変更されている。また、それに伴い、被写体7の平行移動経路(第1移動部21・第2移動部22)が姿勢変更部23を介して90°折れ曲がっている。

【0072】
第1移動部21において、図1の紙面左側から被写体7は移動し、平行移動撮影部R1内にて被写体7を第1進行方向S1へ移動させることで被写体7の平行移動撮影を行った。平行移動撮影部R1での平行移動撮影が終わったのち、姿勢変更部23にて被写体7の進行方向を第2進行方向S2へ変え、引き続き、平行移動撮影部R2内にて被写体7を第2進行方向S2へ移動させることで被写体7の平行移動撮影を行った。

【0073】
ここで、姿勢変更部23での被写体7の進行方向の折れ曲がりの際に、被写体7の進行方向を変更するが、移動部20を平面視したときの被写体7の絶対的姿勢(向き)を変えないということが重要なポイントとなっている。これによって、平行移動撮影部R1での平行移動撮影における光源3に対する被写体7の姿勢と、平行移動撮影部R2での平行移動撮影における光源4に対する被写体7の姿勢は異なり、その結果、被写体7における透視像の角度範囲が異なることになる。このため、平行移動撮影部R1の平行移動撮影では得られない角度の透視像が、平行移動撮影部R2の平行移動撮影では得られる。

【0074】
第1検出部13及び第2検出部14としては、特許文献1・2に示された2次元検出器を用いてもよいが、本実施例1では、FAでよく用いられる線状のラインセンサを用いている。ラインセンサは1次元のセンサアレイであるが、被写体7が各検出器13a・14aの延伸方向に対し垂直に横切ることで、被写体7の像(本実施例1の場合はX線透視像)を得ることができる。その時の透視像は、光源3(光源4)とラインセンサである第1検出部13(第2検出部14)を結ぶ方向の透視像となる。

【0075】
本実施例1では、第1検出部13として12本の検出器13aを直線状に並べたラインセンサを用いた。同様に、第2検出部14として12本の検出器14aを直線状に並べたラインセンサを用いた。

【0076】
光源3・4としては、X線3a・4aの広がり角度が技術的に無理のない90度となる光源を用いた。

【0077】
このような本実施例1に係る撮影装置1によると、(i)平行移動撮影部R1での平行移動撮影で、90/12=7.5度刻みの角度の透視像が12枚得られることなり、90度の角度範囲をカバーする。つづいて(ii)平行移動撮影部R2での平行移動撮影では、残りの90度の範囲を同様に撮影し、全部で180度にわたって24枚の透視像が得られる。

【0078】
もちろん、ラインセンサを構成する検出器の数が多ければ多いほど、再構成される被写体7内部の画像の質が向上する。

【0079】
図3の(a)は実施例に用いた被写体を表す図である。図3の(a)では、実施例に用いた被写体7における表面の画像を表している。本実施例1では簡単のために、被写体7を2次元に示した画像を示している。

【0080】
図4は被写体7を撮影装置1にて撮影して得られた透視像である。図4の横軸は、平行移動撮影部R1及び平行移動撮影部R2それぞれに被写体7が入ってからの被写体7の移動量に対応する。図4の縦軸は、第1検出部13及び第2検出部14それぞれにおける検出器13a・14aの位置(番号)に対応している。

【0081】
図4において、(i)上半分である透視像A1は平行移動撮影部R1にて得られた透視像であり、(ii)下半分である透視像A2は平行移動撮影部R2にて得られた透視像である。

【0082】
図4を撮影した撮影装置1のレイアウトは図1に示す撮影装置1と同じで、光源の広がり90度の平行移動撮影を2回行っている。ラインセンサ数は合計で24である。

【0083】
図3の(b)は、光源の広がり90度の1回の平行移動撮影データ(図4の上半分である透視像A1)だけを用いて、一般的なCT法で再構成した画像である。図3の(b)を撮影した検出器はラインセンサであり、検出器の個数は12個である。

【0084】
本実施例1では透視像のデータがかなり少ないので、図3の(b)に示すように、像質がかなり悪い。本来であれば丸い部分がアーモンド形になっているが、これが典型的な角度制限アーティファクトの特徴である。なお、特許文献2の図7(b)にも同じ特徴(角度制限アーティファクト)が確認できる。

【0085】
一方、本実施例1に係る撮影装置1によると、図4の上下半分の透視像データの両方が測定される。このため、図4に示した透視像A1・A2の両方を含めて再構成した結果を図3の(c)に示している。

【0086】
図3の(c)に示すように、依然として透視像のデータが少ないことにより像質が悪いが、丸い部分がアーモンド形ではなく、丸く、正しく再構成されていることがわかる。

【0087】
このように、撮影装置1によると、角度制限アーティファクトが大幅に軽減されることで高品質な再構成像を得ることができることがわかる。

【0088】
さらに、図4を、透視像A1・A2の両方を含め、特許文献3に開示された、いわゆるSACT法により再構成した結果を再構成した結果を図3の(d)に示す。

【0089】
図3の(d)に示すように、SACT法を用いて再構成することで、図3の(c)に示した再構成像よりもさらに、アーティファクトが大幅に軽減された高品質な再構成像を得ることができることがわかる。

【0090】
撮影装置1を工業製品へ応用することを考えた場合、被写体7はかなり大きくなることも想定される。このため、第1検出部13及び第2検出部14が2次元のイメージセンサだと、センサのサイズが巨大になる。これは高コストになり、現実に実現することは困難である。

【0091】
そのため、本実施例1では、第1検出部13及び第2検出部14としてラインセンサを用いている。第1検出部13及び第2検出部14としてラインセンサを用いた場合には透視像の数が、せいぜい数十に制限される。標準的なCTの再構成法であるFiltered Back-projection法を適用するには、数が不十分である。そのため、本実施例1では、再構成法として特許文献3の方法(SACT)を用いている。同様の効果が期待できる手法として、ART、SART、SIRT、ILST、ML-EMなどが知られている。これらは、Iterative再構成法として分類される手法であり、いずれの方法も、撮影装置1にて用いる再構成法として適している。

【0092】
上述のように、本実施例1のポイントは、(1)2回以上の平行移動撮影を行う点、(2)その際に、光源3と被写体7との角度関係と光源4と被写体7との角度関係とを変更する、ということである。

【0093】
図1に示した撮影装置1では、被写体7の平行移動経路が姿勢変更部23にて折れ曲がっているが、光源3に対する被写体7の角度と、光源4に対する被写体7の角度と、を変更すればよいので、被写体7の進行方向は同じで、被写体7を回転させることで被写体7の角度を変えることでも同じ効果が得られる。なお、この構成については、後述の実施形態5にて説明する。

【0094】
(撮影装置1による主な利点)
以上のように、撮影装置1において、第1移動部21は、光源3と第1検出部13との間を通過するよう被写体7を相対的に平行移動させる。また、第2移動部22は、光源4と第2検出部14との間を通過するよう被写体7を相対的に平行移動させる。これにより、被写体7を回転移動させる場合と比べて、大掛かりな駆動機構を備える必要がなく、装置の製造コストを下げることができる。そして、被写体7の移動の精度を上げることが容易なので簡単に鮮明な画像を得ることができる。

【0095】
また、第1移動部21が、光源3と第1検出部13との間を通過するよう被写体7を相対的に平行移動させている間に、第1検出部13は、光源3から出射されたX線3aを検出することで、平行移動する被写体7の透視像を得る。そして、第2移動部22が、光源4と第2検出部14との間を通過するよう被写体7を相対的に平行移動させている間に、第2検出部14は、光源4から出射されたX線4aを検出することで、平行移動する被写体7の透視像を得る。

【0096】
このように、第1検出部13及び第2検出部14は、素早く被写体7の透視像を得ることができるため、複数の被写体を「次々撮影」することができる。

【0097】
さらに、撮影装置1において姿勢変更部23は、光源3と第1検出部13との間を通過する際の光源3に対する被写体7の姿勢P1と、光源4と第2検出部14との間を通過する際の光源4に対する被写体7の姿勢P2とを異ならせる。このため、第1検出部13と、第2検出部14とで、被写体7を異なる角度から撮影した複数の透視像を得ることができる。そして、被写体7を異なる角度から撮影した複数の透視像に基づいて再構成像を得ることで、アーティファクトが抑制された高品質な再構成像を得ることができる。

【0098】
このように、撮影装置1によると、高品質な再構成像を次々と得ることができる。

【0099】
また、移動部20を平面視したとき、第1移動部21が被写体7を移動させる第1進行方向S1と、第2移動部22が被写体7を移動させる第2進行方向S2とは異なっている。換言すると、第1移動部21の延伸方向と、第2移動部22の延伸方向とは異なっており、姿勢変更部23によって、第1移動部21と第2移動部22とは折れ曲がっている形状である。

【0100】
これにより、第1進行方向と第2進行方向とが同じとなるように、第1移動部21及び第2移動部22を配置する場合と比べて、第1移動部21及び第2移動部22の長さのうち、第1移動部21の一方の端部(姿勢変更部23と接続されている端部とは逆側の端部)から第2移動部の他方の端部(姿勢変更部23と接続されている端部とは逆側の端部)までの長さを短くすることができる。これにより、第1移動部の一方の端部から第2移動部の他方の端部までの長さが短い設置スペースにも、移動部20を設置することができる。

【0101】
また、撮影装置1は、一つの光源のみを有する構成ではなく、平行移動撮影部R1にて撮影するための光源3と、平行移動撮影部R2にて撮影するための光源4とを備えている。このため、第1進行方向S1へ移動する被写体7に対しては光源3がX線3aを出射し、第1進行方向S1とは異なる第2進行方向S2へ移動する被写体7に対しては光源4がX線4aを出射することで、第1検出部13及び第2検出部14にて、異なる角度から被写体7を撮影することができる。これにより、第1検出部13及び第2検出部14にて、異なる角度から被写体7を撮影するために、光源を移動させる必要がない。このため、光源を移動させるための駆動機構を省略することができるため、装置の製造コストを低減することができる。

【0102】
また、本実施形態では、光源部2が有する光源3・4のX線3a・4aの放射角度が90度であるため、姿勢変更部23が被写体7の姿勢を異ならせる回数Nは、1≦N<(180/90)=2なので、1回である。そのため、姿勢変更部23は被写体7を、姿勢P1から姿勢P2へ一回だけ変更している。これにより、被写体7の180°の方向からまんべんなく被写体7を撮影することができる。これにより、アーティファクトが抑制された高品質な再構成像を得ることができる。

【0103】
(被写体の撮影の効率化)
図5の(a)は四角形の被写体7Aを撮影装置1にて撮影している様子を表す図であり、(b)は四角形の被写体7Aを光源の放射角度に合せて傾けて撮影装置1にて撮影している様子を表す図である。

【0104】
上述のように、撮影装置1による顕著な効果として、「次々撮影」が可能である点が挙げられる。すなわち、先行する被写体7の平行移動撮影が終わらないうちに、次の被写体7の撮影を開始できるという点である。

【0105】
先行する被写体と透視像が重ならないためには、図5の(a)に示されたような幾何学的配置が要求される。すなわち、光源3の広がりの最大角度(放射角度)を2θ(広がりが90度(=2θ)の時はθは45度)とし、四角形の被写体7Aの範囲を高さDの正方形として、D tanθだけ被写体7Aの間隔をあけると良いことが一目瞭然である。θが45度だと、tanθは1なので、Dだけ間隔を空けることになる。被写体7A中心の間隔に直すと、2Dになる。

【0106】
撮影装置1にて「次々撮影」を行う場合、さらに、被写体7A間の間隔を狭くすることができる。

【0107】
図5の(b)に示すように、撮影装置1にて平行移動撮影を2回行う場合、光源3・4の広がりは、90度あれば十分なので、θ=45度を考えれば十分である。

【0108】
その時、被写体7Aの領域が正方形の場合には、被写体7A領域を45度傾ければ、被写体7Aの間隔を限界まで詰めることができる。その時の被写体7Aの中心の間隔はDの√2倍であるので、およそ1.4Dである。被写体領域を傾けない場合に比べて、約0.7倍に被写体7Aの撮影間隔を短縮することができる。

【0109】
被写体領域が一般の場合は、平行移動撮影における光線の一番外側(光源3(光源4)と第1検出部13(第2検出部14)とを結ぶ直線)に注目し、その光線の両側に被写体領域が接する距離が通常の最小距離となる。被写体領域が円形の場合は、図5の(b)のような最適化は必要なくなり、被写体領域の直径をDとすると、D/cosθとなる。

【0110】
「次々撮影」の際の被写体7Aの間隔は、撮影装置1に基づく装置の処理能力に直結する。FAのように被写体が連続的に供給される「次々撮影」時の被写体1個当たりの撮影時間は、被写体の1個の露光時間より、ずっと少なくなる。「次々撮影」は、撮影装置1による技術が、CTに基づく従来の内部構造可視化技術と決定的に異なる特徴である。

【0111】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、以下のように図6~図7に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。

【0112】
実施形態1では、光源3・4から出射されるX線3a・4aの広がりが90度だったので、姿勢変更部23にて90度の折れ曲がることで平行移動撮影部R1・R2にて2回の平行移動撮影を行った。

【0113】
しかし、光源3・4から出射されるX線3a・4aの広がりが90度に満たなくても、アーティファクト低減の効果が得られる。

【0114】
図6の(a)は、本発明の実施形態2に係る撮影装置1の概略構成を表す図であり、(b)は(a)の撮影装置1の比較例に係る撮影装置100の概略構成を表す図である。

【0115】
図6の(a)に示す撮影装置1が、図1及び図2に示した撮影装置1と異なる点は、光源3・4が出射するX線3a・4aの放射角度が異なることである。図6の(a)に示す撮影装置1の他の構成は、図1及び図2に示した撮影装置1と同様である。

【0116】
図6の(a)に示す撮影装置1において、光源3が出射するX線3a放射角度2θ1、光源4が出射するX線4a放射角度2θ2、第1移動部21と第2移動部22とが成す角度α1とすると、本実施形態2に係る撮影装置1においては、2θ1=2θ2=60度、α1=90度であるものとする。

【0117】
図6の(b)に示す撮影装置100は、被写体7を平行移動させる移動部は折れ曲がっておらず一本の直線状である。また、撮影装置100が備えている光源は、光源102の一つだけである。光源102は、放射角度2θ100であるX線を出射する。2θ100=120度であるものとする。

【0118】
つまり、本実施形態2に係る撮影装置1は、2θ1+2θ2=θ100の関係となる光源3・4を有している。

【0119】
本実施形態2に係る撮影装置1によると光源3・4はそれぞれ60度の放射角度を有するため、被写体7における、60+60=120度の範囲の透視像が得られる。

【0120】
しかしながら、被写体7の移動経路の折れ曲がり(第1移動部21と第2移動部22とが成す角度α1)が90度なので、実際に得られるデータは、60度+ギャップ30度+60度という変則的な角度範囲になる。角度制限アーティファクトが現れるものの、その現れ方は、図6の(b)に示した撮影装置100のような、光源間のギャップなしの放射角度120度よりもかなり少なくなる。

【0121】
このように撮影装置1によると、複数の光源3・4の放射角度の合計(2θ1+2θ2)の放射角度2θ100を有する単一の光源102を有する撮影装置100と比べて、マイルドな再構成像を得ることができる。すなわち、高品質な再構成像を得ることができる。

【0122】
(実施例2)
実施形態2の内容を検証した結果を示す図が図7である。

【0123】
図7の(a)に示す画像は、回転角度範囲を120度に制限した通常の回転型CT撮影データを特許文献3の方法で再構成した画像を示す図である。図7の(a)は、動作的には光源の放射角度が60度、姿勢変更回数Nが1、姿勢変更角度が60度の画像に相当する。つまり、X線データ間にギャップなしの放射角度が60度+60度である2個の光源による撮影による得た再構成像に対応する。

【0124】
図7の(b)は光源の放射角度60度、姿勢変更角度90度、姿勢変更回数Nが1の平行移動撮影で、すなわち、実施形態1の光源の放射角度を変えて、N=1の場合の透視像データを特許文献3の方法(SACT)を用いて再構成した画像を示す図である。つまり、図7の(b)は放射角度60度+ギャップ30度+放射角度60度となるよう2個の光源による撮影により得た再構成像に対応する。図7の(b)に示す再構成像は、光源の放射角度が60度の平行移動撮影を90度折れ曲がりで2回撮影して得た。

【0125】
図7の(a)(b)共に、利用できる光線の範囲の合計はともに120度であるが、図7の(b)に示す再構成像では、角度制限アーティファクトが少なくなっている。

【0126】
光源の広がり角度が90度以上の場合、透視像の角度範囲を重複できるようになる。一般的なCTでは透視像に重複があるとアーティファクトを生じる場合があるが、特許文献3の方法(SACT)では問題にならないし、本発明は光源の広がり角度に関して限定を設けるものではない。

【0127】
つまり、一般的なCTとは異なり、撮影装置1における光源3・4それぞれから出射されるX線3a・4aは出射領域が重複していてもよい。この点からも、撮影装置1は、一般的なCTと比べて、取扱いがし易く、簡易な装置構成とすることができる。

【0128】
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。

【0129】
図8は本発明の実施形態3に係る撮影装置の概略構成を表す図であり、(a)は移動経路が2回折れ曲がっている撮影装置1Aの概略構成を表す図であり、(b)は移動経路が3回折れ曲がっている撮影装置1Bの概略構成を表す図である。

【0130】
被写体7の移動経路の折れ曲がりは2回以上でもよい。

【0131】
図8の(a)に示す撮影装置1Aは、移動経路が2回折れ曲がる構成を有する撮影装置である。

【0132】
撮影装置1Aは、図1に示した撮影装置1が備えていた光源部2及び移動部20を、光源部2A及び移動部20Aに変更した構成である。撮影装置1Aの他の構成は撮影装置1と同様である。

【0133】
光源部2Aは、X線等の放射線を出射する光源3・4・5を備えている。光源3・4・5のX線等の放射線の放射角度をそれぞれ2θ1・2θ2・2θ3とすると、2θ1=2θ2=2θ3=60度であるものとする。

【0134】
移動部20Aは、第1移動部21、第2移動部22、姿勢変更部23に加えて、さらに、第3移動部24及び姿勢変更部25を備えている。

【0135】
第3移動部24は姿勢変更部25を介して第2移動部22と接続されている。第3移動部24は、第2移動部22及び姿勢変更部25を介して搬出されてきた被写体7を、姿勢変更部25が配置されている側とは逆側の端部へ平行移動する。姿勢変更部25の機能は姿勢変更部23と同様である。

【0136】
第1移動部21と第2移動部22とが成す角度をα1、第2移動部22と第3移動部24とが成す角度をα2とすると、α1=α2=60度である。

【0137】
光源3・4・5それぞれのX線等の放射線の放射角度2θ1・2θ2・2θ3と、平行移動の折れ曲がり角度であるα1及びα2との関係は、2θ1=2θ2=2θ3=α1=α2である。

【0138】
このように、撮影装置1Aは、光源3・4・5のX線3a・4a・5aの放射角度が60度であるため、姿勢変更部23・25によって被写体7の姿勢を異ならせる回数Nは、1≦N<(180/60)=3から1~2回であり、光源の放射角度60度と(N+1)の積が180度に近いという条件からN=2回である。これにより、被写体7の180°の方向からまんべんなく被写体7を撮影することができる。これにより、アーティファクトが抑制された高品質な再構成像を得ることができる。

【0139】
図8の(b)に示す撮影装置1Bは、移動経路が3回折れ曲がる構成を有する撮影装置である。

【0140】
撮影装置1Bは、図8の(a)に示した撮影装置1Aが備えていた光源部2A及び移動部20Aを、光源部2B及び移動部20Bに変更した構成である。撮影装置1Bの他の構成は撮影装置1Aと同様である。

【0141】
光源部2Bは、X線等の放射線を出射する光源3・4・5・6を備えている。光源3・4・5・6のX線等の放射線の放射角度をそれぞれ2θ1・2θ2・2θ3・2θ4とすると、2θ1=2θ2=2θ3=45度であるものとする。

【0142】
移動部20Bは、第1移動部21、第2移動部22、姿勢変更部23、第3移動部24、及び姿勢変更部25に加え、さらに、第4移動部26、及び、姿勢変更部27を備えている。

【0143】
第4移動部26は姿勢変更部27を介して第3移動部24と接続されている。第4移動部26は、第3移動部24及び姿勢変更部27を介して搬出されてきた被写体7を、姿勢変更部27が配置されている側とは逆側の端部へ平行移動する。姿勢変更部27の機能は姿勢変更部23・25と同様である。

【0144】
第1移動部21と第2移動部22とが成す角度をα1、第2移動部22と第3移動部24とが成す角度をα2、第3移動部24と第4移動部26とが成す角度をα3とすると、α1=α2=α3=45度である。

【0145】
光源3・4・5・6それぞれのX線等の放射線の放射角度2θ1・2θ2・2θ3・2θ4と、平行移動の折れ曲がり角度であるα1、α2、及びα3との関係は、2θ1=2θ2=2θ3=2θ4=α1=α2=α3である。

【0146】
このように、撮影装置1Bは、光源3・4・5・6のX線3a・4a・5a・6aの放射角度が45度であるため、姿勢変更部23・25・27によって被写体7の姿勢を異ならせる回数Nは、1≦N<(180/45)=4からN=1~3であり、光源の放射角度45度と(N+1)の積が180度に近いという条件からN=3回である。これにより、被写体7の180°の方向からまんべんなく被写体7を撮影することができる。これにより、アーティファクトが抑制された高品質な再構成像を得ることができる。

【0147】
以上のように、N回(Nは自然数)の折れ曲がりだと、平行移動撮影はN+1回になる。全部で180度をカバーすればよいので、1回の折れ曲がりの角度は、180/(N+1)度が良い。

【0148】
N=1の時は、90度の折れ曲がりの2回撮影で、実施形態1の撮影装置1に相当する。

【0149】
N=2の時は、60度の折れ曲がりの3回撮影(撮影装置1Aに相当)、N=3の時は、45度の折れ曲がりの4回撮影(撮影装置1Bに相当)となる。実用的に価値があるのは、せいぜいN=3までだと、現時点では考えられる。

【0150】
図7の(c)は光源の広がり60度の平行移動撮影で、N=2の場合の透視像データを特許文献3の方法で再構成した画像を示す図である。図7の(c)は、N=2の場合(光源の広がりが60度の平行移動撮影を60度折れ曲がり2回の計3回撮影)の実験結果を示す。図7の(c)に示すように、図3の(d)と同様、ほぼ完全な再構成像が得られている。

【0151】
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4について、図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1~3にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。

【0152】
図9は、本発明の実施形態4に係る撮影装置1Cの概略構成を表す図である。

【0153】
図1に示した撮影装置1は、第1進行方向S1及び第2進行方向S2が水平であった。これに対し、図9に示す撮影装置1Cは、被写体7の進行方向が、移動するにつれて下方に下がるような傾斜している点で撮影装置1(図1参照)と相違する。

【0154】
撮影装置1Cは、撮影装置1の第1移動部21を、両端部のうち姿勢変更部23と接続されている端部の方が下方に傾斜している第1移動部21Cへ変更した構成である。撮影装置1Cは、さらに、撮影装置1の第2移動部22を、両端部のうち姿勢変更部23と接続されている端部とは反対側の端部の方が上方に傾斜した構成としてもよい。撮影装置1Cの他の構成は撮影装置1と同様である。

【0155】
第1移動部21Cは、被写体7が移動するにつれて次第に下方に下がるように平行移動する第1進行方向S11の方向へ、被写体7を平行移動させる。

【0156】
ここで、光源3・4の放射角度の広がりは、平行移動方向に垂直、すなわち、図1において紙面の奥行方向、にも存在する。その方向の光源3・4の広がりは、透視像の再構成時にコーンビームアーティファクトを生じる。

【0157】
そこで、コーンビームアーティファクトが顕著な場合には、被写体7の平行移動経路を傾斜させることが好ましい。例えば、図1に示した撮影装置1において、平行移動撮影部R1での平行移動撮影時おいては紙面に対して奥に向かう方向(図1の紙面奥行方向、図9に示す第1進行方向S11に示す方向)に、平行移動撮影部R2での平行移動撮影においては紙面に対して手前に向かう方向に、それぞれ被写体7の平行移動経路を傾斜させる。

【0158】
傾斜の程度は、被写体7を通過する光線の範囲程度が望ましい。例えば、被写体7を通過する光線が手前15度、奥15度なら、15度程度の傾斜をつける。被写体7の高さ(図1の紙面奥行方向)が非対称の場合には手前奥の平均が目安になる。

【0159】
このように、平行移動撮影部R1での撮影と、平行移動撮影部R2での撮影で、被写体7の進行方向の傾斜を逆にすると、効果的にコーンビームアーティファクトを軽減することができる。なお、平行移動経路の傾斜によってコーンビームアーティファクトが軽減する理由は、学術的に解明されるべきものである。

【0160】
〔実施形態5〕
本発明の実施形態5について、図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1~4にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。

【0161】
図10は、本発明の実施形態5に係る撮影装置1Dの構成を表す図である。撮影装置1Dは、被写体7の進行方向は折れ曲がっておらず、平行移動撮影部R1と平行移動撮影部R2との間で被写体7が回転する点で、撮影装置1(図1参照)と相違する。

【0162】
撮影装置1Dは、撮影装置1が備えていた移動部20に換えて移動部20Dを備えている。移動部20Dは、直線状に連続して並んで配置されている、第1移動部21Dと、姿勢変更部23Dと、第2移動部22Dとを有する。

【0163】
撮影装置1Dは、平行移動撮影部R11と、姿勢変更部23Dと、平行移動撮影部R12とが直線状に並んで配置されている。

【0164】
平行移動撮影部R11は、一対の光源3及び第1検出部13と、第1移動部21Dとを有する。平行移動撮影部R12は、一対の光源4及び第2検出部14と、第2移動部22Dとを有する。

【0165】
姿勢変更部23は、平行移動撮影部R11・R12毎に、光源3・4に対する被写体7の姿勢を異ならせる。具体的には、姿勢変更部23は、被写体7の進行方向を変更せず、被写体7を回転させる。姿勢変更部23Dは、例えば、回転機構を備える装置により構成することができる。

【0166】
作業者又は作業ロボットにより、被写体7が第1移動部21Dに載置されると、第1移動部21Dは、被写体7を、進行方向(第1進行方向・第2進行方向)S13へ平行移動させることで、光源3から出射されたX線3aの放射領域内を通過させる。X線3aの放射領域内を通過している間、第1検出器13は、被写体7の透視像を撮影する。そして、第1移動部21Dは、そのまま被写体7を進行方向S13へ平行移動させることで、姿勢変更部23Dへ搬出する。

【0167】
ここで、第1移動部21Dが進行方向S13へ被写体7を平行移動させている間、第1移動部21Dは、被写体7を、光源3と第1検出部13との間を通過するときに一部の面7aが光源3の出射面と対向するような姿勢P1に保持する。これにより、光源3から被写体7を見たとき、主として一部の面7aが見える。

【0168】
次に、姿勢変更部23Dは、第1移動部21Dが進行方向S13の方向に移動させた被写体7を受けとると、被写体7の進行方向を進行方向S13のまま保持し、かつ、平面視したときの被写体7の向きを90°回転させて、第2移動部22Dへ搬出する。

【0169】
換言すると、姿勢変更部23Dは、後工程で被写体7が通る光源4と第2検出部14と間を通過するときに面7aとは異なる面7cが光源4の出射面と対向するような姿勢P3に変更する。そして、姿勢変更部23Dは被写体7を第2移動部22Dへ搬出する。

【0170】
次に、第2移動部22Dは、被写体7を、進行方向S13へ平行移動させることで、光源4から出射されたX線4aの放射領域内を通過させる。X線4aの放射領域内を通過している間、第2検出部14は、被写体7の透視像を撮影する。そして、第2移動部22Dは、そのまま被写体7を進行方向S13へ平行移動させることで、撮像装置1D外へ搬出する。

【0171】
ここで、第2移動部22Dが進行方向S13へ被写体7を平行移動させている間、第2移動部22Dは、被写体7を、光源4と第2検出部14との間を通過するときに一部の面7aとは異なる他の一部の面7cが光源4の出射面と対向するような姿勢P3に保持する。これにより、光源4から被写体7を見たとき、主として面7aとは異なる面7bが見える。

【0172】
このため、平行移動撮影部R11と、平行移動撮影部R12とでは、被写体7を異なる方向から撮影することになる。

【0173】
そして、第1検出部13及び第2検出部14は、異なる方向から撮影された被写体7の透視像に対応する電気データを演算部30へそれぞれ出力する。

【0174】
演算部30は、第1検出部13と第2検出部14とから取得した、異なる方向から撮影された被写体7の透視像に対応する電気データから1つの再構成像を得る。

【0175】
このように、撮影装置1Dにおいて、移動部20Dは、被写体7を、進行方向S13へ移動させることで光源3と第1検出部13との間を通過させる第1移動部21Dと、被写体7を、第1移動部21Dが移動させた進行方向と同じ進行方向S13へ移動させることで光源4と第2検出部14との間を通過させる第2移動部22Dとを有している。

【0176】
そして姿勢変更部23Dは、第1移動部21Dが進行方向S13へ移動させた被写体7の姿勢P1を、被写体7を回転させることで異なる姿勢P3へ変更し、姿勢P3の被写体7を、第2移動部22Dに進行方向S13へ移動させる。

【0177】
上記構成により、姿勢変更部23Dは、光源3と第1検出部13との間を通過する際の光源3部に対する被写体7の姿勢P1と、光源4と第2検出部14との間を通過する際の光源4に対する被写体7の姿勢P3とを異ならせることができる。これにより、アーティファクトが抑制された高品質な再構成像を得ることができる。

【0178】
加えて、第1進行方向と第2進行方向とが異なるように、第1移動部及び第2移動部を配置する場合と比べて、第1移動部21D及び第2移動部22Dの長さのうち、第1移動部21Dの一方の端部(姿勢変更部23Dと接続されている端部とは逆側の端部)から第2移動部の他方の端部(姿勢変更部23Dと接続されている端部とは逆側の端部)までの直線に直角に交わる方向の長さ(移動部20Dのうち、長手方向に垂直に交わる短手方向の長さ)を短くすることができる。これにより、第1移動部21D及び第2移動部22Dの長さのうち、第1移動部21Dの一方の端部から第2移動部22Dの他方の端部までの直線に直角に交わる方向の長さ(移動部20Dのうち、長手方向に垂直に交わる短手方向の長さ)が短い設置スペースにも、移動部20Dを設置することができる。

【0179】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0180】
1、1A~1D 撮影装置
7、7A 被写体
2、2A、2B 光源部
3~6 光源
3a~6a X線(放射線)
21・21C・21D 第1移動部
13 第1検出器
14 第2検出部
13a・14a 検出器
14、22、22D 第2移動部
14 第2検出部
20・20A・20B・20D 移動部
23 姿勢変換部
23・23D・25・27 姿勢変更部
24 第3移動部
26 第4移動部
30 演算部
P1・P2・P3 姿勢
R1・R2・R11・R12 平行移動撮影部
S1 第1進行方向
S2 第2進行方向
S13 進行方向(第1進行方向、第2進行方向)
α1 角度
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9