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明細書 :サイトメガロウイルスの薬剤耐性変異の検出方法および薬剤耐性変異遺伝子の同定方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成28年7月7日(2016.7.7)
発明の名称または考案の名称 サイトメガロウイルスの薬剤耐性変異の検出方法および薬剤耐性変異遺伝子の同定方法
国際特許分類 C12Q   1/68        (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
FI C12Q 1/68 ZNAA
C12N 15/00 A
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 15
出願番号 特願2014-525878 (P2014-525878)
国際出願番号 PCT/JP2013/069598
国際公開番号 WO2014/014077
国際出願日 平成25年7月19日(2013.7.19)
国際公開日 平成26年1月23日(2014.1.23)
優先権出願番号 2012161040
優先日 平成24年7月20日(2012.7.20)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LT , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US , UZ , VC
発明者または考案者 【氏名】大黒 徹
【氏名】白木 公康
出願人 【識別番号】305060567
【氏名又は名称】国立大学法人富山大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100114074、【弁理士】、【氏名又は名称】大谷 嘉一
審査請求 未請求
テーマコード 4B024
4B063
Fターム 4B024AA11
4B024AA14
4B024CA09
4B024HA12
4B063QA01
4B063QA18
4B063QQ43
4B063QR32
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS34
4B063QX02
要約 【課題】薬剤耐性サイトメガロウィルスを検出するために、UL97遺伝子および/またはUL54遺伝子の変異を迅速に検出するために使用する新規なプラーマーセットを提供する。
【解決手段】新規なプライマーセットは、UL97遺伝子の薬剤耐性に関わる変異が報告されている後半の領域と、UL54遺伝子領域の92%以上に相当する領域の解析を可能とした。
【選択図】 図1
特許請求の範囲 【請求項1】
サイトメガロウイルスの薬剤耐性変異の検出方法であって、
サイトメガロウイルスのUL97遺伝子の変異を検出するための下記プラーマーセット(A)と、サイトメガロウイルスのUL54遺伝子の変異を検出するためのプライマーセット(B)またはプライマーセット(C)のうち、いずれか1つとを組み合わせで用いる検出方法。
<プライマーセット(A)>
プライマー1:5’-tgcccaaagaggacgatttt-3’ (配列番号1)
プライマー2:5’-gtagtccaaactcgagacgc-3’ (配列番号2)
<プライマーセット(B)>
プライマー3:5’-acggtcagacggggttgatcaagca-3’(配列番号3)
プライマー4:5’-agcacgttggttacagccttgagaacct-3’(配列番号4)
<プラーマーセット(C)>
プライマー5:5’-tcattgccagcgtgggcgaactagtg-3’(配列番号5)
プライマー4:5’-agcacgttggttacagccttgagaacct-3’(配列番号4)
【請求項2】
サイトメガロウイルスの薬剤耐性変異が、サイトメガロウイルスのUL97遺伝子産物の400番目のアミノ酸以降の変異およびサイトメガロウイルスのUL54遺伝子産物のアミノ変異である請求項1記載の検出方法。
【請求項3】
検出方法がPCRを利用する方法であって、サイトメガロウイルスのUL54の変異を検出するPCRが、ステップダウンPCRである請求項1または2記載の検出方法。
【請求項4】
サイトメガロウイルスの薬剤耐性変異の同定方法であって、以下の工程を含む同定方法。
(1)工程1:サイトメガロウイルスのUL97遺伝子の後半領域の約1.3kbpを以下のプライマーセット(A)でPCR法により増幅して塩基配列を解析し、アミノ酸変異の有無を調べる工程、
<プライマーセット(A)>
プライマー1:5’-tgcccaaagaggacgatttt-3’ (配列番号1)
プライマー2:5’-gtagtccaaactcgagacgc-3’ (配列番号2)
(2)工程2:サイトメガロウイルスのUL54遺伝子のほぼ全域の約3.4kbpを以下のプライマーセット(B)またはプライマーセット(C)でPCR法により増幅して塩基配列を解析し、アミノ酸変異の有無を調べる工程とを有する。
<プライマーセット(B)>
プライマー3:5’-acggtcagacggggttgatcaagca-3’(配列番号3)
プライマー4:5’-agcacgttggttacagccttgagaacct-3’(配列番号4)
<プラーマーセット(C)>
プライマー5:5’-tcattgccagcgtgggcgaactagtg-3’(配列番号5)
プライマー4:5’-agcacgttggttacagccttgagaacct-3’(配列番号4)
【請求項5】
前記工程2におけるPCR法が、ステップダウンPCRである請求項4記載の同定方法。
【請求項6】
サイトメガロウイルスの薬剤耐性変異の検出または同定に用いる以下のプライマーセット(A)と、プライマーセット(B)又は(C)のうち、いずれか1つの組合せからなるプラーマーセット。
<プライマーセット(A)>
プライマー1:5’-tgcccaaagaggacgatttt-3’ (配列番号1)
プライマー2:5’-gtagtccaaactcgagacgc-3’ (配列番号2)
<プライマーセット(B)>
プライマー3:5’-acggtcagacggggttgatcaagca-3’(配列番号3)
プライマー4:5’-agcacgttggttacagccttgagaacct-3’(配列番号4)
<プラーマーセット(C)>
プライマー5:5’-tcattgccagcgtgggcgaactagtg-3’(配列番号5)
プライマー4:5’-agcacgttggttacagccttgagaacct-3’(配列番号4)
【請求項7】
サイトメガロウイルスのUL97遺伝子変異の検出または同定に用いる以下のプラーマーセット(A)。
プライマー1:5’-tgcccaaagaggacgatttt-3’ (配列番号1)
プライマー2:5’-gtagtccaaactcgagacgc-3’ (配列番号2)
【請求項8】
サイトメガロウイルスのUL54遺伝子変異の検出または同定に用いる以下のプラーマーセット(B)。
プライマー3:5’-acggtcagacggggttgatcaagca-3’(配列番号3)
プライマー4:5’-agcacgttggttacagccttgagaacct-3’(配列番号4)
【請求項9】
サイトメガロウイルスのUL54遺伝子変異の検出または同定に用いる以下のプラーマーセット(C)。
プライマー5:5’-tcattgccagcgtgggcgaactagtg-3’(配列番号5)
プライマー4:5’-agcacgttggttacagccttgagaacct-3’(配列番号4)
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、サイトメガロウイルスの薬剤耐性変異の迅速な検出方法およびサイトメガロウイルスの薬剤耐性変異遺伝子の同定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サイトメガロウイルスは、ヘルペスウイルス科に属する2本鎖DNAウイルスであり、幼児期に不顕性感染し、一生涯にわたり潜伏感染する。
サイトメガロウイルス(CMV)による感染は、人類の最大の感染症であり、米国では出生時期のCMV感染による難聴や精神発育遅延など恒久的な医療補助が必要とされる患者は5000人程とされる。
また、移植や医療の高度化、HIV感染等による免疫不全時に、CMVは肺炎、網膜炎、消化管潰瘍等の疾病を引き起こす。
その治療に、ガンシクロビル、フォスカビル、シドフォビル等の抗CMV薬が使用されるが、臓器移植患者における長期の予防投与などにより、耐性ウイルスの出現が問題となっている。
CMVの薬剤耐性は、上記の治療薬の作用機序に関わる遺伝子の変異により生じる。
例えば、ガンシルビルは、CMVのDNAポリメラーゼを阻害するために、CMVのUL97遺伝子にコードされるリン酸転移酵素で一リン酸化されることが活性型になる要件である。
そのため、CMVのガンシクロビル耐性株は、UL97遺伝子に変異を持つか、またはDNAポリメラーゼをコードするUL54遺伝子に変異を持つことが知られている(非特許文献1)。
【0003】

【非特許文献1】日本臨床, Vol.65増刊号2, 476-479 (2007)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
患者から分離されたCMVの薬剤感受性を調べるため、UL97遺伝子とUL54遺伝子の塩基配列の決定が必要である。
しかしながら、従来の方法では、患者から分離された試料より得られるDNA量が少ないため、直接PCRでそれらの遺伝子のORF全領域を増幅することはその困難であった。
すなわち、これまでは患者のリンパ球を分離し、培養細胞に重層し、ウイルスが増殖するのを待ち、ウイルス粒子を超遠心で濃縮し、ゲノムDNAを精製し、PCRを行っていた。
この方法では、最終的に塩基配列を決定するまでに2ヶ月弱の時間を要していため、臨床現場へのフィードバックまでに大幅に時間がかかっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、ウイルスを増殖させる時間を省き、薬剤感受性に関係する塩基配列を短時間で決定する方法の開発を試みた。
その結果、これまでに報告されていないプライマーのセットを考案し、薬剤耐性遺伝子UL97とUL54の遺伝子を増幅できる条件を決定した。
そして、両遺伝子の塩基配列を決定し、薬剤耐性遺伝子とが同定した。
さらに、その遺伝子と、ウイルス分離を行ったウイルスの遺伝子との配列は同一であり、この方法の有用性も確認した。
以下に本発明を詳細に説明する。
【0006】
(1)UL97遺伝子の変異
CMVのUL97遺伝子産物(707アミノ酸、2124塩基)は、蛋白質リン酸化活性を有する酵素で、ガンシクロビルなどの抗CMV薬をリン酸化し、活性型へと誘導することが知られている。
すなわち、ガンシクロビルに耐性を獲得したCMVの多くはUL97遺伝子に変異を持つことが、これまで種々の耐性CMVの遺伝子解析からも報告されている。
また、これらの研究からガンシクロビル耐性に関わるUL97遺伝子の変異は、全長で707アミノ酸の内、400番目のアミノ酸以降の後半に集中している。
そこで、新たに下記のプライマーセット(A)を設計した。
【0007】
<プラーマーセット(A)>
・プライマー1(UL97 forward primer)
5’-tgcccaaagaggacgatttt-3’ (配列番号1)
【0008】
・プライマー2(UL97 reverse primer)
5’-gtagtccaaactcgagacgc-3’ (配列番号2)
【0009】
(2)UL54遺伝子の変異
UL54遺伝子産物は、DNA合成酵素の活性を担っており、これまでの研究によりガンシクロビル、シドフォビルに対する耐性、フォスカビルに対する耐性に関わる変異箇所が報告されてきている。
そこで、新たに下記のプライマーセット(B),(C)を設計した。
【0010】
<プラーマーセット(B)>
・プライマー3(UL54 forward primer 1)
5’-acggtcagacggggttgatcaagca-3’ (配列番号3)
【0011】
・プライマー4(UL54 reverse primer 1)
5’-agcacgttggttacagccttgagaacct-3’ (配列番号4)
【0012】
<プラーマーセット(C)>
・プライマー5(UL54 forward primer 2)
5’-tcattgccagcgtgggcgaactagtg-3’(配列番号5)
・プライマー4(UL54 reverse primer 1)
【0013】
本発明の方法は、以下の手順で行えばよい。
(1)患者の尿や血液から分離したリンパ球からDNAを抽出する。
(2)抽出したDNAをPCRする際、以下の操作を行う。
a)PCR反応のサイクル数を増やす。
b)遺伝子変異領域に絞って増幅を行い、その増幅距離を短くする。
上記の手順で実施することにより、少ないDNA量から効率よく必要な塩基配列を決定することができる。
【0014】
患者の尿や血液からリンパ球の分離および分離したリンパ球からのDNAの抽出は、公知の方法を用いればよい。
【0015】
PCR反応のサイクル数を増やすとは、例えば、PCR反応を30回以上、好ましくは、35回~50回行うことである。
【0016】
微量のDNAサンプルから増幅するためには、例えば、プライマーセットを2種類組み合わせたNested PCR法がよく用いられている。
しかし、PCR反応を2度行う必要があり、PCR反応終了後に希釈や一度目のPCRに使ったプライマーを除去するなど手技が複雑になり所用時間もかかる。
本発明方法では、最初は厳しい条件でPCR反応を行い、少しずつアニーリングの温度条件を緩和していくことで、非特異反応を軽減し、目的の遺伝子の高率な増幅を行う。
具体的には、ステップダウンPCRでアニーリングの温度を68~70℃から1サイクルごとに1℃ずつ下げながら約10サイクル増幅を行う。
【0017】
遺伝子変異領域に絞って増幅とは、UL97遺伝子の変異として既に報告された遺伝子変異領域のことである。
具体的には、全長で707アミノ酸の内、400番目のアミノ酸以降の後半である。
この領域の変異を検出するためには、上記のプラーマーセット(A)(プラーマー1およびプライマー2)でUL97遺伝子の後半の遺伝子領域(約1.3kbp)を、PCR法により増幅して塩基配列を解析し、さらにアミノ酸変異の有無を検討すればよい。
塩基配列の解析およびアミノ酸変異の検討は公知の方法で行えばよい。
【0018】
UL54遺伝子の変異を検出するには、上記のプラーマーセット(B)または(C)(プラーマー3~5)でUL54遺伝子のほぼ全領域に相当する約3.4kbp(53番目から1200番目のアミノ酸をコードする領域)をPCR法で増幅して塩基配列を解析し、アミノ酸変異の有無を検討すればよい。
塩基配列の解析およびアミノ酸変異の検討は公知の方法で行えばよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明方法および本発明のプライマーは、UL97遺伝子の薬剤耐性に関わる変異が報告されている後半の領域と、UL54遺伝子領域の92%以上に相当する領域の解析を可能とした。
これにより、サイトメガロウイルス全ての薬剤耐性変異株を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】UL97のPCRの結果を示す写真である。UL97の既報の薬剤耐性に関与するアミノ酸変異が多いC末より300のアミノ酸をコードする領域に対するPCR。矢印で示した場所に約1.3kbpの増幅が認められる。
【図2】UL54のPCRの結果を示す写真である。UL54のATGから155bp、509bp離れた領域から、3602bp離れた領域までのPCR。なお、CMVのUL54のCDSは3729bpである。
【図3】UL54のアミノ酸比較である。分離株1では、355番目のバリンからアラニンに、688番目のアラニンからバリンへの変異がある。なお、3157および3301は、乳児の尿からの分離株、HAN13は、気管支肺胞洗浄からの分離株である。

【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施例で説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0022】
(1)患者の血液・尿から分離したリンパ球からDNAの抽出
患者の血液は凝固させないように、EDTAを加えた状態のものを使用した。
患者血液をリン酸緩衝生理食塩液(phosphate-buffered saline; PBS)で2倍に希釈し、密度勾配遠心用担体(Ficoll)を3mL加えた15mLチューブに静かに重層し、低速(1,500rpm 30分)遠心分離を行う。
リンパ球は赤血球と血清の境界面に集積するので、静かにこれを抜き取る。
サイトメガロウイルスのゲノムDNAの抽出には、キアゲン(Qiagen)社のQIA Blood DNA extraction mini kit、もしくはロシュ(Roche)社のHigh Pure Viral NucleicAcid Kitを使用した。
患者の全血より分離した血漿、末梢血リンパ球200μL、もしくは尿200μLに溶解buffer AL (Qiagen)、またはBinding Buffer (Roche)を加え常法により抽出を行った。
【0023】
(2a)抽出したDNAのPCR(その1)
サイトメガロウイルスのリン酸化酵素をコードしているUL97およびDNA合成酵素をコードしているUL54遺伝子領域をPCRで増幅する。
<反応液の作成>
5μM Primer Forward:2μL
5μM Primer Reverse:2μL
10×KOD FX neo buffer:5μL
2mM dNTP:5μL
KOD FX neo DNA polymerase:0.5μL
Template DNA:5μL
dw:30.5μL
Total:50μL
【0024】
<反応条件(UL97)>
96℃、5min
96℃、30sec
58℃、15sec(30 cycle繰り返す。)
72℃、1min30min
72℃、7min
4℃、∞
【0025】
<反応条件(UL54)ステップダウンPCR>
94℃、2min
98℃、10 sec
70℃、30 sec [10 cycle 繰り返す。(1cycleごとに1℃/ずつアニーリングの温度を下げる。)]
68℃、5min
98℃、10 sec
60℃、30 sec (45 cycle 繰り返す。)
68℃、5min
【0026】
(2b)抽出したDNAのPCR(その2)
サイトメガロウイルスのリン酸化酵素をコードしているUL97およびDNA合成酵素をコードしているUL54遺伝子領域をPCRで増幅する。
<反応液の作成>
5μM Primer Forward:2μL
5μM Primer Reverse:2μL
2×KOD FX neo buffer:25μL
2mM dNTP:5μL
KOD FX neo DNA polymerase:1μL
Template DNA:5μL
dw:10μL
Total:50μL
【0027】
<反応条件(UL97)>
96℃、5min
96℃、30sec
58℃、15sec(30 cycle繰り返す。)
72℃、1min30min
72℃、7min
4℃、∞
【0028】
<反応条件(UL54)ステップダウンPCR>
94℃、2min
98℃、10 sec
68℃、30 sec [10 cycle 繰り返す。(1cycleごとに1℃/ずつアニーリングの温度を下げる。)]
68℃、5min
98℃、10 sec
58℃、30 sec (45 cycle 繰り返す。)
68℃、5min
【0029】
アガロースゲル電気泳動で目的のサイズのバンドが増幅されているかを確認する。
複数のバンドが見られる場合は、アガロースゲル電気泳動後、切り出し精製をおこなう。
1本バンドの場合はPCR反応後の反応液からclean up kitを用いてプライマーを除去する。
図1にUL97のPCRの結果の写真例を示し、図2にUL54のPCRの結果の写真例を示す。
【0030】
(3)塩基配列の解析
<シークエンス反応液の調製>
ABI 5×buffer:3.5μL
ABI Big Dye Terminator V3.1:1μL
Dw:12.5μL
Template DNA:2μL
Primer:1μL
【0031】
<シークエンス反応のプログラム>
96℃、1min
96℃、10sec
50℃、5sec(28 cycle繰り返す。)
60℃、4min
4℃、∞
【0032】
エタノール沈殿により過剰な蛍光物質を除去する。
上記反応液:20μL
99.5%エタノール:70μL
62.5mM EDTA:10μL
Total:100μL
【0033】
ボルテックスミキサーでよく撹拌し、室温15分放置
12,000rpm×15min 遠心
上清を完全に抜き取る。
70%エタノール100μLを加える。
12,000rpm×10min 遠心
上清を完全に抜き取る。
乾燥(10~15分放置)
95℃ヒートブロックかサーマルサイクラーを準備
Hi-Di Formamide 15μLを各チューブに入れる。
【0034】
95℃、2min
氷中で5min以上冷やす。
シークエンス用プレートに気泡ができないようにサンプルを移す。
セプタをかぶせる。
シークエンス解析 ABI (Applied Biosystems)3130 DNA sequencerにて塩基配列の決定。
【0035】
(4)アミノ酸変異の検討
上記実験結果から塩基配列をGENETYX 遺伝子解析ソフトによりこれまで報告されているサイトメガロウイルスのUL97,UL54遺伝子と相同性の比較検討を行った。
また、得られた塩基配列からアミノ酸配列に変換し、アミノ酸置換の有無を検討した。
アミノ酸配列に変異が認められた場合は、これまで報告されているガンシクロビルまたはフォスカビル耐性に関わる変異箇所と比較し、変異箇所が既報告と同一の場合には薬剤耐性に関わる変異とみなした。
図3にUL54のアミノ酸比較例を示す。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、UL97遺伝子の薬剤耐性に関わる変異が報告されている後半の領域と、UL54遺伝子領域の92%以上に相当する領域の解析を可能とした。
本発明は、薬剤の耐性を獲得したサイトメガロウイルスの迅速な検出に有用である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2