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明細書 :信号処理装置及び送信装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-076777 (P2016-076777A)
公開日 平成28年5月12日(2016.5.12)
発明の名称または考案の名称 信号処理装置及び送信装置
国際特許分類 H04L  27/18        (2006.01)
H03M   3/02        (2006.01)
H04B   1/04        (2006.01)
H04L  27/20        (2006.01)
FI H04L 27/18 C
H03M 3/02
H04B 1/04 F
H04L 27/20 A
請求項の数または発明の数 12
出願形態 OL
全頁数 18
出願番号 特願2014-204904 (P2014-204904)
出願日 平成26年10月3日(2014.10.3)
発明者または考案者 【氏名】楳田 洋太郎
【氏名】野田 昴志
【氏名】染谷 和
【氏名】飯倉 祥晴
出願人 【識別番号】000125370
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100079049、【弁理士】、【氏名又は名称】中島 淳
【識別番号】100084995、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 和詳
【識別番号】100099025、【弁理士】、【氏名又は名称】福田 浩志
審査請求 未請求
テーマコード 5J064
5K004
5K060
Fターム 5J064AA04
5J064BA03
5J064BC16
5K004FE02
5K004FE05
5K004FE10
5K060CC04
5K060CC11
5K060EE01
5K060EE04
5K060EE05
5K060HH01
5K060HH06
5K060HH11
5K060HH14
5K060HH21
5K060JJ21
要約 【課題】ΔΣ変調されて得られたユニポーラ信号をRF信号に変換する回路の規模を小さくすることができる信号処理装置及び送信装置を提供する。
【解決手段】送信装置10は、ベースバンド信号がΔΣ変調器102,104によりΔΣ変調されて得られたユニポーラ信号をCOS波、-SIN波、及びSIN波に従って第3論理パルスに変調する論理回路12と、論理回路12により変調されて得られた第3論理パルスに対応するバースト状信号を生成する電力増幅器14と、電力増幅器14により生成されたバースト状信号から、バースト状信号の基本周波数特性を示すRF信号を抽出して出力する狭帯域BPF114と、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
ベースバンド信号がΔΣ変調器によりΔΣ変調されて得られたユニポーラ信号を特定の搬送波に従って間欠信号に変調する変調部と、
前記変調部により変調されて得られた前記間欠信号に対応するバースト状信号を生成する生成部と、
前記生成部により生成された前記バースト状信号から、前記バースト状信号の基本周波数特性を示すRF信号を抽出して出力する出力部と、
を含む信号処理装置。
【請求項2】
前記ΔΣ変調器は、入力された前記ベースバンド信号をΔΣ変調して3値以上の奇数値で量子化し、量子化結果である正極性ユニポーラ信号及び負極性ユニポーラ信号を前記ユニポーラ信号として出力する請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項3】
前記変調部は、前記ΔΣ変調器から前記正極性ユニポーラ信号が入力された場合、前記搬送波に従って前記正極性ユニポーラ信号に対応する第1間欠信号を生成し、生成した第1間欠信号を出力し、前記ΔΣ変調器から前記負極性ユニポーラ信号が入力された場合、前記搬送波に従って前記負極性ユニポーラ信号に対応する第2間欠信号を生成し、生成した第2間欠信号を出力し、
前記生成部は、前記変調部により前記第1間欠信号が出力された場合、前記第1間欠信号に対応する第1バースト状信号を生成し、前記変調部により前記第2間欠信号が出力された場合、前記第2間欠信号に対応する第2バースト状信号を生成し、
前記出力部は、前記生成部により前記第1バースト状信号が生成された場合、前記第1バースト状信号から、前記第1バースト状信号の基本周波数特性を示す信号を前記RF信号として抽出して出力し、前記生成部により前記第2バースト状信号が生成された場合、前記第2バースト状信号から、前記第2バースト状信号の基本周波数特性を示す信号を前記RF信号として抽出して出力する請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項4】
前記搬送波は、前記第1間欠信号及び前記第2間欠信号の一方を他方の逆相信号にする搬送波である請求項3に記載の信号処理装置。
【請求項5】
前記変調部は、前記搬送波が入力された論理回路であって、前記ΔΣ変調器から前記正極性ユニポーラ信号が入力される第1入力端子、前記ΔΣ変調器から前記負極性ユニポーラ信号が入力される第2入力端子、並びに、前記第1間欠信号及び前記第2間欠信号を出力する出力端子を有する論理回路である請求項3又は請求項4に記載の信号処理装置。
【請求項6】
前記搬送波は、前記ユニポーラ信号と同期し、かつ、変化タイミングが前記ユニポーラ信号の変化タイミングと一致するパルスであり、
前記論理回路は、前記第1入力端子に入力された前記正極性ユニポーラ信号、及び前記第2入力端子に入力された前記負極性ユニポーラ信号を前記パルスに従って変調することで前記第1間欠信号及び前記第2間欠信号を生成し、生成した前記第1間欠信号及び前記第2間欠信号を出力する請求項5に記載の信号処理装置。
【請求項7】
前記論理回路は、前記第1入力端子及び前記第2入力端子を有すると共に前記パルスが入力されるセレクタを含む論理回路である請求項6に記載の信号処理装置。
【請求項8】
前記ベースバンド信号は、同相成分信号及び直交成分信号に分類され、
前記ΔΣ変調器は、前記同相成分信号をΔΣ変調する第1変調器、及び前記直交成分信号をΔΣ変調する第2変調器を有し、
前記変調部は、前記搬送波が入力された論理回路であって、前記第1変調器から前記正極性ユニポーラ信号が入力される第1入力端子、前記第1変調器から前記負極性ユニポーラ信号が入力される第2入力端子、前記第2変調器から前記正極性ユニポーラ信号が入力される第3入力端子、前記第2変調器から前記負極性ユニポーラ信号が入力される第4入力端子、並びに、前記第1間欠信号及び前記第2間欠信号を前記生成部に出力する出力端子を有する論理回路である請求項3又は請求項4に記載の信号処理装置。
【請求項9】
前記搬送波は、一方が他方に対して位相が90度ずれており、かつ、一方が前記ユニポーラ信号と同期し、かつ、一方の変化タイミングが前記ユニポーラ信号の変化タイミングと一致する一対のパルスであり、
前記論理回路は、前記第1入力端子に入力された前記正極性ユニポーラ信号、及び前記第2入力端子に入力された前記負極性ユニポーラ信号を前記一対のパルスのうちの一方に従って変調することで前記第1間欠信号及び前記第2間欠信号を生成し、生成した前記第1間欠信号及び前記第2間欠信号を前記出力端子により予め定められたタイミングで出力し、前記第3入力端子に入力された前記正極性ユニポーラ信号、及び前記第4入力端子に入力された前記負極性ユニポーラ信号を前記一対のパルスのうちの他方に従って変調することで前記第1間欠信号及び前記第2間欠信号を生成し、生成した前記第1間欠信号及び前記第2間欠信号を前記予め定められたタイミングで出力する請求項8に記載の信号処理装置。
【請求項10】
前記論理回路は、前記第1入力端子及び前記第2入力端子を有すると共に前記一対のパルスのうちの一方が入力される同相成分側セレクタと、前記第3入力端子及び前記第4入力端子を有すると共に前記一対のパルスのうちの他方が入力される直交成分側セレクタと、前記出力端子を有する出力段セレクタと、を含む論理回路である請求項9に記載の信号処理装置。
【請求項11】
前記変調部と前記生成部は異なるチップで別体化されている請求項1から請求項10の何れか1項に記載の信号処理装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11の何れか1項に記載の信号処理装置と、
前記信号処理装置に含まれる出力部により出力されたRF信号が入力されるシングルエンド入力型のアンテナと、
を含む送信装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、信号処理装置及び送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
QM-EPWM(Quadrature-Modulation Envelope Pulse-Width Modulation)方式による無線通信用送信装置では、ベースバンド信号が3値ΔΣ変調器により3値ΔΣ変調される。この結果、3値ΔΣ変調器により“1”、“0”及び“-1”の3値で量子化されたユニポーラ信号が出力される。
【0003】
具体的には、ベースバンド信号は、同相成分信号と直交成分信号とに分類され、同相成分信号及び直交成分信号の各々が個別の3値ΔΣ変調器により3値ΔΣ変調される。
【0004】
同相成分信号は、一方の3値ΔΣ変調器により3値ΔΣ変調され、量子化されることにより“1”及び“0”を示す正極性ユニポーラ信号と“-1”及び“0”を示す負極性ユニポーラ信号とに変換される。また、直交成分信号は、他方の3値ΔΣ変調器により3値ΔΣ変調され、量子化されることにより正極性ユニポーラ信号と負極性ユニポーラ信号とに変換される。
【0005】
このようにして得られたユニポーラ信号は、2つの電力増幅器の各々によってバースト状のアナログ信号に変換される。そして、これらのアナログ信号が合成器によって合成されることで合成信号が生成され、生成された合成信号から、合成信号の基本周波数特性を示すRF(Radio Frequency)信号が抽出される。RF信号は、送信用アンテナに出力される。
【先行技術文献】
【0006】

【非特許文献1】R. Hezar, et al., “A 23dBm fully digital transmitter using ΣΔ and pulse-width modulation for LTE and WLAN applications in 45nm CMOS,” 2014 IEEE Radio Frequency Integrated Circuits Symposium, p. 217, June 2014.
【非特許文献2】Y. Wang, “A class-S RF amplifier architecture with envelope delta-sigma modulation,” 2002 IEEE Radio and Wireless Conference (RAWCON 2002), p. 177.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ユニポーラ信号をRF信号に変換する回路には、負出力に対応した複数のセレクタ(例えば、マルチプレクサ)、2つの電力増幅器、及び合成器が含まれるため、回路規模が大きくなってしまう、という問題点があった。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、ベースバンド信号がΔΣ変調されて得られたユニポーラ信号をRF信号に変換する回路の規模を小さくすることができる信号処理装置及び送信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の信号処理装置は、ベースバンド信号がΔΣ変調器によりΔΣ変調されて得られたユニポーラ信号を特定の搬送波に従って間欠信号に変調する変調部と、前記変調部により変調されて得られた前記間欠信号に対応するバースト状信号を生成する生成部と、前記生成部により生成された前記バースト状信号から、前記バースト状信号の基本周波数特性を示すRF信号を抽出して出力する出力部と、を含む。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項12に記載の送信装置は、請求項1から請求項11の何れか1項に記載の信号処理装置と、前記信号処理装置に含まれる出力部により出力されたRF信号が入力されるシングルエンド入力型のアンテナと、を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ベースバンド信号がΔΣ変調されて得られたユニポーラ信号をRF信号に変換する回路の規模を小さくすることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係る送信装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係る送信装置の各ノードの出力及び狭帯域BPFの出力の一例を示すタイムチャートである。
【図3】比較例に係る送信装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
【図4】比較例に係る送信装置の各ノードの出力及び狭帯域BPFの出力の一例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[比較例]
以下、本発明に係る実施形態の説明に先立ち、本発明の比較例を説明する。なお、以下では、説明の便宜上、ベースバンド信号が同相成分信号及び直交位相成分(直交成分信号)に分類されていることを前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、同相成分を“I-ch”(Iチャネル)とも称し、直交成分を“Q-ch”(Qチャネル)とも称する。ここで、「同相」とは、位相基準と同じ位相を意味し、「直交(位相)」とは、位相基準に対し直交した位相(+90度又は-90度)を意味する。

【0014】
一例として図3に示すように、本比較例に係る送信装置100は、3値ΔΣ変調器102,104、論理回路106、第1電力増幅器108、第2電力増幅器110、合成器112、狭帯域バンドパスフィルタ(BPF)114、及び送信用アンテナ116を含む。

【0015】
3値ΔΣ変調器102は、I-ch入力端子102A、正出力端子102B、及び負出力端子102Cを有する。I-ch入力端子102Aには同相成分信号が入力され、3値ΔΣ変調器102は、同相成分信号をΔΣ変調し、“1”、“0”、及び“-1”の3値で量子化したユニポーラ信号を出力する。ユニポーラ信号は、“0”及び“1”を示す正極性ユニポーラ信号と“0”及び“-1”を示す負極性ユニポーラ信号とに分類される。

【0016】
正出力端子102Bは、ノードAに接続されており、負出力端子102Cは、ノードBに接続されている。3値ΔΣ変調器102は、正出力端子102Bを介してノードAに正極性ユニポーラ信号を出力し、負出力端子102Cを介してノードBに負極性ユニポーラ信号を出力する。

【0017】
3値ΔΣ変調器104は、Q-ch入力端子104A、正出力端子104B、及び負出力端子104Cを有する。Q-ch入力端子104Aには直交成分信号が入力され、3値ΔΣ変調器104は、直交成分信号をΔΣ変調し、3値で量子化したユニポーラ信号として正極性ユニポーラ信号及び負極性ユニポーラ信号を出力する。

【0018】
正出力端子104Bは、ノードAに接続されており、負出力端子104Cは、ノードBに接続されている。3値ΔΣ変調器104は、正出力端子104Bを介してノードAに正極性ユニポーラ信号を出力し、負出力端子104Cを介してノードBに負極性ユニポーラ信号を出力する。

【0019】
論理回路106は、第1マルチプレクサ120、第2マルチプレクサ122、第3マルチプレクサ124、第4マルチプレクサ126、第5マルチプレクサ128、及び第6マルチプレクサ130を含む。また、論理回路106は、COS波生成器132、-SIN波生成器134、及びSIN波生成器136を含む。

【0020】
COS波生成器132は、出力端子132A,132Bを有しており、規定周波数fのCOS波(以下、「COS波」と称する)を生成し、生成したCOS波を出力端子132A,132Bの各々を介して出力する。ここで、COS波とは、“1”と“0”とに遷移するCOS形状の矩形波であるCOSユニポーラパルスを指す。なお、COSユニポーラパルスの“1”は、COSバイポーラパルスの“1”に相当し、COSユニポーラパルスの“0”は、COSバイポーラパルスの“-1”に相当する。

【0021】
-SIN波生成器134は、出力端子134A,134Bを有しており、規定周波数fの-SIN波(以下、「-SIN波」と称する)を生成し、生成した-SIN波を出力端子134A,134Bの各々を介して出力する。ここで、-SIN波とは、“1”と“0”とに遷移する-SIN形状の矩形波である-SINユニポーラパルスを指す。なお、-SIN矩形波の“1”は、-SINバイポーラパルスの“1”に相当し、-SINユニポーラパルスの“0”は、-SINバイポーラパルスの“-1”に相当する。

【0022】
SIN波生成器136は、出力端子136A,136Bを有しており、規定周波数f/2のSIN波(以下、「SIN波」と称する)を生成し、生成したSIN波を出力端子136A,136Bの各々を介して出力する。ここで、SIN波とは、“1”と“0”とに遷移するSIN形状の矩形波であるSINユニポーラパルスを指す。SIN波は、I-chとQ-chとの切り替えに用いられる切り替え波である。すなわち、SIN波は、I-Chの出力とQ-chの出力とを予め定められたタイミングで切り替えるために用いられる信号である。SIN波が“1”を示している場合、I-chが選択され、SIN波が“0”を示している場合、Q-chが選択される。なお、SINユニポーラパルスの“1”は、SINバイポーラパルスの“1”に相当し、SINユニポーラパルスの“0”は、SINバイポーラパルスの“-1”に相当する。

【0023】
第1マルチプレクサ120は、入力端子120A,120B,120C及び出力端子120Dを有する。入力端子120AはノードAに接続されている。入力端子120BはノードBに接続されている。入力端子120CはノードCを介してCOS波生成器132の出力端子132Aに接続されている。従って、第1マルチプレクサ120には、3値ΔΣ変調器102から正極性ユニポーラ信号及び負極性ユニポーラ信号が入力され、COS波生成器132からCOS波が入力される。

【0024】
第2マルチプレクサ122は、入力端子122A,122B,122C及び出力端子122Dを有する。入力端子122AはノードAに接続されている。入力端子122BはノードBに接続されている。入力端子122CはノードCを介してCOS波生成器132の出力端子132Bに接続されている。従って、第2マルチプレクサ122には、3値ΔΣ変調器102から正極性ユニポーラ信号及び負極性ユニポーラ信号が入力され、COS波生成器132からCOS波が入力される。

【0025】
第1マルチプレクサ120及び第2マルチプレクサ122の各々は、I-chについて、正極性ユニポーラ信号とCOS波との排他的論理和の反転、及び負極性ユニポーラ信号とCOS波との排他的論理和を示す第1論理パルスを生成し、生成した第1論理パルスを出力する。

【0026】
第3マルチプレクサ124は、入力端子124A,124B,124C及び出力端子124Dを有する。入力端子124AはノードAに接続されている。入力端子124BはノードBに接続されている。入力端子124CはノードDを介して-SIN波生成器134の出力端子134Aに接続されている。従って、第3マルチプレクサ124には、3値ΔΣ変調器104から正極性ユニポーラ信号及び負極性ユニポーラ信号が入力され、-SIN波生成器134から-SIN波が入力される。

【0027】
第4マルチプレクサ126は、入力端子126A,126B,126C及び出力端子126Dを有する。入力端子126AはノードAに接続されている。入力端子126BはノードBに接続されている。入力端子126CはノードDを介して-SIN波生成器134の出力端子134Bに接続されている。従って、第4マルチプレクサ126には、3値ΔΣ変調器104から正極性ユニポーラ信号及び負極性ユニポーラ信号が入力され、-SIN波生成器134から-SIN波が入力される。

【0028】
第3マルチプレクサ124及び第4マルチプレクサ126の各々は、Q-chについて、正極性ユニポーラ信号と-SIN波との排他的論理和の反転、及び負極性ユニポーラ信号と-SIN波との排他的論理和を示す第2論理パルスを生成し、生成した第2論理パルスを出力する。

【0029】
第5マルチプレクサ128は、入力端子128A,128B,128C及び出力端子128Dを有する。入力端子128Aは第1マルチプレクサ120の出力端子120Dに接続されている。入力端子128Bは第3マルチプレクサ124の出力端子124Dに接続されている。入力端子128CはノードEを介してSIN波生成器136の出力端子136Aに接続されている。出力端子128DはノードFに接続されている。

【0030】
第5マルチプレクサ128には、第1マルチプレクサ120から第1論理パルスが入力され、第3マルチプレクサ124から第2論理パルスが入力され、SIN波生成器136からSIN波が入力される。

【0031】
第5マルチプレクサ128は、SIN波に従って、正極性ユニポーラ信号に対応する第1論理パルスに相当するパルス、及び正極性ユニポーラ信号に対応する第2論理パルスに相当するパルスを第3論理パルスとしてノードFに出力する。正極性ユニポーラ信号に対応する第1論理パルスに相当するパルスの第3論理パルスとしての出力、及び正極性ユニポーラ信号に対応する第2論理パルスに相当するパルスの第3論理パルスとしての出力は、SIN波によって切り替えられる。

【0032】
また、第5マルチプレクサ128は、SIN波に従って、負極性ユニポーラ信号に対応する第1論理パルスに相当するパルス、及び負極性ユニポーラ信号に対応する第2論理パルスに相当するパルスを第3論理パルスとしてノードFに出力する。負極性ユニポーラ信号に対応する第1論理パルスに相当するパルスの第3論理パルスとしての出力、及び負極性ユニポーラ信号に対応する第2論理パルスに相当するパルスの第3論理パルスとしての出力は、SIN波によって切り替えられる。

【0033】
第6マルチプレクサ130は、入力端子130A,130B,130C及び出力端子130Dを有する。入力端子130Aは第2マルチプレクサ122の出力端子122Dに接続されている。入力端子130Bは第4マルチプレクサ126の出力端子126Dに接続されている。入力端子130CはノードEを介してSIN波生成器136の出力端子136Bに接続されている。出力端子130DはノードGに接続されている。

【0034】
第6マルチプレクサ130には、第2マルチプレクサ122から第1論理パルスが入力され、第4マルチプレクサ126から第2論理パルスが入力され、SIN波生成器136からSIN波が入力される。

【0035】
第6マルチプレクサ130は、SIN波に従って、正極性ユニポーラ信号に対応する第1論理パルスの反転値を示すパルス、及び正極性ユニポーラ信号に対応する第2論理パルスの反転値を示すパルスを第4論理パルスとしてノードGに出力する。正極性ユニポーラ信号に対応する第1論理パルスの反転値を示すパルスの出力、及び正極性ユニポーラ信号に対応する第2論理パルスの反転値を示すパルスの出力は、SIN波によって切り替えられる。

【0036】
また、第6マルチプレクサ130は、SIN波に従って、負極性ユニポーラ信号に対応する第1論理パルスの反転値を示すパルス、及び負極性ユニポーラ信号に対応する第2論理パルスの反転値を示すパルスを第4論理パルスとしてノードGに出力する。負極性ユニポーラ信号に対応する第1論理パルスの反転値を示すパルスの第4論理パルスとしての出力、及び負極性ユニポーラ信号に対応する第2論理パルスの反転値を示すパルスの第4論理パルスとしての出力は、SIN波によって切り替えられる。

【0037】
第1電力増幅器108は、入力端子108A及び出力端子108Bを有する。第2電力増幅器110は、入力端子110A及び出力端子110Bを有する。合成器112は、入力端子112A,112B及び出力端子112Cを有する。狭帯域BPF114は、入力端子114A及び出力端子114Bを有する。狭帯域BPF114の出力端子114Bは、シングルエンド入力型の送信用アンテナ116に接続されている。

【0038】
第1電力増幅器108において、入力端子108Aは、ノードFを介して第5マルチプレクサ128の出力端子128Dに接続されている。出力端子108Bは、ノードHを介して合成器112の入力端子112Aに接続されている。

【0039】
第1電力増幅器108には、第5マルチプレクサ128から第3論理パルスが入力される。第1電力増幅器108には、広帯域BPF(図示省略)が搭載されており、広帯域BPF特性により、第3論理パルスに含まれる直流成分及び低周波成分は“0”となる。第1電力増幅器108は、入力された第3論理パルスに対応するバースト状の信号であるバースト状信号を生成し、生成したバースト状信号を出力端子108Bを介して合成器112に出力する。

【0040】
第2電力増幅器110において、入力端子110Aは、ノードGを介して第6マルチプレクサ130の出力端子130Dに接続されている。出力端子110Bは、ノードIを介して合成器112の入力端子112Bに接続されている。

【0041】
第2電力増幅器110には、第6マルチプレクサ130から第4論理パルスが入力される。第2電力増幅器110には、広帯域BPF(図示省略)が搭載されており、広帯域BPF特性により、第4論理パルスに含まれる直流成分及び低周波成分は“0”となる。第2電力増幅器110は、入力された第4論理パルスに対応するバースト状の信号であるバースト状信号を生成し、生成したバースト状信号を出力端子110Bを介して合成器112に出力する。

【0042】
合成器112の出力端子112Cは、ノードJを介して狭帯域BPF114の入力端子114Aに接続されている。合成器112は、第1電力増幅器108から入力されたバースト状信号と第2電力増幅器110から入力されたバースト状信号とを合成し、合成して得た合成信号を狭帯域BPF114に出力する。

【0043】
狭帯域BPF114は、合成器112から入力された合成信号から余分な周波数成分を除くことにより、搬送波(ここでは、一例としてCOS波及び-SIN波)の基本周波数近傍の周波数成分のみを有するRF信号(振幅・位相変調されたRF信号)を抽出し、抽出したRF信号を送信用アンテナ116に出力する。なお、以下では、説明の便宜上、「搬送波の基本周波数近傍の周波数成分のみを有するRF信号」を「基本周波数特性を有するRF信号」と称する。

【0044】
ここで、基本周波数近傍とは、基本周波数に比べて十分狭い周波数範囲を意味する。また、基本周波数近傍が意味する範囲は、変調方式の選択や具体的な信号伝送の帯域幅の設計によって異なる。例えば、通常のディジタル無線伝送であれば、RF信号は、搬送波の基本周波数(f)の両側にベースバンド信号の最大周波数(f)分の周波数だけ広がった周波数(すなわち、f-f~f+f)の範囲に収まるので、この周波数範囲が基本周波数近傍を意味する。更に、この中で周波数帯域を狭くする場合(例えば、単側波帯方式(SSB:single side band)の場合、f-f~f+fの高い側半分(f~f+f)又は低い側半分(f-f~f)が基本周波数近傍を意味する。

【0045】
次に、送信装置100の作用について図4に示すタイムチャートを参照しながら説明する。なお、以下では、説明の便宜上、第1電力増幅器108及び第2電力増幅器110の各々が反転増幅器の場合について説明する。また、以下では、説明の便宜上、I-chの出力とQ-chの出力とが交互に行われる場合、すなわち、ノードA及びノードAに交互にユニポーラ信号が出力され、ノードB及びノードBに交互にユニポーラ信号が出力される場合について説明する。また、以下では、説明の便宜上、ノードA及びノードAの各々に対して出力される正極性ユニポーラ信号により示される論理値が“1”⇒“0”⇒“0”⇒“0”の順に遷移する場合を例に挙げて説明する。また、以下では、説明の便宜上、ノードB及びノードBの各々に対して出力される負極性ユニポーラ信号により示される論理値が“0”⇒“0”⇒“1”(=“-1”)⇒“0”の順に遷移する場合を例に挙げて説明する。

【0046】
正極性ユニポーラ信号がノードAに出力されると、正極性ユニポーラ信号とCOS波との排他的論理和の反転を示す第1論理パルスが第1マルチプレクサ120及び第2マルチプレクサ122の各々により出力される。また、正極性ユニポーラ信号がノードAに出力されると、正極性ユニポーラ信号と-SIN波との排他的論理和の反転を示す第2論理パルスが第3マルチプレクサ124及び第4マルチプレクサ126の各々により出力される。

【0047】
例えば、図4に示すように、“1”を示す正極性ユニポーラ信号がノードAに出力されると、“1”を示す正極性ユニポーラ信号とCOS波との排他的論理和の反転を示すCOSユニポーラパルスが第1論理パルスとして出力される。また、例えば、図4に示すように、“1”を示す正極性ユニポーラ信号がノードAに出力されると、“1”を示す正極性ユニポーラ信号と-SIN波との排他的論理和の反転を示す-SINユニポーラパルスが第2論理パルスとして出力される。

【0048】
負極性ユニポーラ信号がノードBに出力されると、負極性ユニポーラ信号とCOS波との排他的論理和を示す第1論理パルスが第1マルチプレクサ120及び第2マルチプレクサ122の各々により出力される。また、負極性ユニポーラ信号がノードBに出力されると、負極性ユニポーラ信号と-SIN波との排他的論理和を示す第2論理パルスが第3マルチプレクサ124及び第4マルチプレクサ126の各々により出力される。

【0049】
例えば、図4に示すように、“1”を示す負極性ユニポーラ信号(負極性の“1”を示すユニポーラ信号)がノードBに出力されると、“1”を示す負極性ユニポーラ信号とCOS波との排他的論理和を示す-COSユニポーラパルスが第1論理パルスとして出力される。また、“1”を示す負極性ユニポーラ信号がノードBに出力されると、“1”を示す負極性ユニポーラ信号と-SIN波との排他的論理和を示すSINユニポーラパルスが第2論理パルスとして出力される。

【0050】
第5マルチプレクサ128では、第1論理パルスに相当するパルスと第2論理パルスに相当するパルスとが第3論理パルスとしてSIN波に従って予め定められたタイミングで出力される。すなわち、第5マルチプレクサ128では、第1論理パルスが入力されると、SIN波に従って、第1論理パルスに相当するパルスが第3論理パルスとしてノードFに出力される。また、第5マルチプレクサ128では、第2論理パルスが入力されると、SIN波に従って、第2論理パルスに相当するパルスが第3論理パルスとしてノードFに出力される。

【0051】
例えば、図4に示すように、第5マルチプレクサ128にCOSユニポーラパルスが第1論理パルスとして入力されると、第5マルチプレクサ128では、SIN波に従って、COSユニポーラパルスが第3論理パルスとしてノードFに出力される。また、第5マルチプレクサ128に-COSユニポーラパルスが第1論理パルスとして入力されると、SIN波に従って、-COSユニポーラパルスが第3論理パルスとしてノードFに出力される。また、第5マルチプレクサ128に-SINユニポーラパルスが第2論理パルスとして入力されると、SIN波に従って、-SINユニポーラパルスが第3論理パルスとしてノードFに出力される。更に、第5マルチプレクサ128にSINユニポーラパルスが第2論理パルスとして入力されると、SIN波に従って、SINユニポーラパルスが第3論理パルスとしてノードFに出力される。

【0052】
第6マルチプレクサ130では、第1論理パルスの反転値を示すパルスと第2論理パルスの反転値を示すパルスとが第4論理パルスとしてSIN波に従って予め定められたタイミングで出力される。すなわち、第6マルチプレクサ130では、第1論理パルスが入力されると、SIN波に従って、第1論理パルスの反転値を示すパルスが第4論理パルスとしてノードGに出力される。また、第6マルチプレクサ130では、第2論理パルスが入力されると、SIN波に従って、第2論理パルスの反転値を示すパルスが第4論理パルスとしてノードGに出力される。

【0053】
例えば、図4に示すように、第6マルチプレクサ130では、COSユニポーラパルスが第1論理パルスとして入力されると、SIN波に従って、COSユニポーラパルスの反転値を示すCOS~ユニポーラパルスが第4論理パルスとしてノードGに出力される。また、第6マルチプレクサ130では、-COSユニポーラパルスが第1論理パルスとして入力されると、SIN波に従って、-COSユニポーラパルスの反転値を示す-COS~ユニポーラパルスが第4論理パルスとしてノードGに出力される。また、第6マルチプレクサ130では、-SINユニポーラパルスが第2論理パルスとして入力されると、SIN波に従って、-SINユニポーラパルスの反転値を示す-SIN~ユニポーラパルスが第4論理パルスとしてノードGに出力される。更に、第6マルチプレクサ130では、SINユニポーラパルスが第2論理パルスとして入力されると、SIN波に従って、SINユニポーラパルスの反転値を示すSIN~ユニポーラパルスが第4論理パルスとしてノードGに出力される。

【0054】
第1電力増幅器108では、第3論理パルスが入力されると、一例として図4に示すように、第3論理パルスに対応するバースト状信号がノードHに出力される。

【0055】
第2電力増幅器110では、第4論理パルスが入力されると、一例として図4に示すように、第4論理パルスに対応するバースト状信号がノードIに出力される。

【0056】
合成器112では、第1電力増幅器108から入力されたバースト状信号と第2電力増幅器110から入力されたバースト状信号とが合成され、合成されて得られた合成信号がノードJに出力される。

【0057】
狭帯域BPF114では、合成信号が入力されると、一例として図4に示すように、合成信号の基本周波数特性を示すRF信号が抽出され、抽出されたRF信号が送信用アンテナ116に出力される。

【0058】
[実施形態]
次に本発明に係る実施形態の一例を詳細に説明する。なお、以下では、上記比較例と異なる点を主に説明する。また、上記比較例で説明した構成要素と重複する構成要素については、比較例で説明した構成要素と同一の符号を付し、その説明を省略する。

【0059】
一例として図1に示すように、送信装置10は、本発明に係る第1変調器の一例である3値ΔΣ変調器102、本発明に係る第2変調器の一例である3値ΔΣ変調器104、及び本発明に係る変調部の一例である論理回路12を含む。また、送信装置10は、本発明に係る生成部の一例である電力増幅器14、本発明に係る出力部の一例である狭帯域BPF114、及び送信用アンテナ116を含む。送信装置10では、論理回路12と電力増幅器14とが異なるチップで別体化されている。

【0060】
送信装置10は、図3に示す送信装置100に比べ、論理回路106に代えて論理回路12を有する点と、第2電力増幅器110及び合成器112を有しない点と、第1電力増幅器108に代えて電力増幅器14を有する点とが異なる。

【0061】
論理回路12は、図3に示す論理回路106に比べ、第2マルチプレクサ122、第4マルチプレクサ126、及び第6マルチプレクサ130を有しない点が異なる。

【0062】
なお、第1マルチプレクサ120は、本発明に係る同相成分側セレクタの一例であり、入力端子120Aは、本発明に係る第1入力端子の一例であり、入力端子120Bは、本発明に係る第2入力端子の一例である。また、第3マルチプレクサ124は、本発明に係る直交成分側セレクタの一例であり、入力端子124Aは、本発明に係る第3入力端子の一例であり、入力端子124Bは、本発明に係る第4入力端子の一例である。更に、第5マルチプレクサ128は、本発明に係る出力段セレクタの一例であり、出力端子128Dは、本発明に係る出力端子の一例である。

【0063】
第5マルチプレクサ128では、正極性ユニポーラ信号に対応する第1論理パルスに相当するパルス、及び正極性ユニポーラ信号に対応する第2論理パルスに相当するパルスが第3論理パルスとしてノードFに出力される。ここで、正極性ユニポーラ信号に対応する第1論理パルスに相当するパルス、及び正極性ユニポーラ信号に対応する第2論理パルスに相当するパルスは、本発明に係る第1間欠信号の一例である。

【0064】
なお、以下では、説明の便宜上、正極性ユニポーラ信号に対応する第1論理パルスに相当するパルスである第3論理パルス、及び正極性ユニポーラ信号に対応する第2論理パルスに相当するパルスである第3論理パルスを「正極性論理パルス」と称する。

【0065】
第5マルチプレクサ128では、負極性ユニポーラ信号に対応する第1論理パルスに相当するパルス、及び負極性ユニポーラ信号に対応する第2論理パルスに相当するパルスが第3論理パルスとしてノードFに出力される。ここで、負極性ユニポーラ信号に対応する第1論理パルスに相当するパルス、及び負極性ユニポーラ信号に対応する第2論理パルスに相当するパルスは、本発明に係る第2間欠信号の一例である。

【0066】
なお、以下では、説明の便宜上、負極性ユニポーラ信号に対応する第1論理パルスに相当するパルスである第3論理パルス、及び負極性ユニポーラ信号に対応する第2論理パルスに相当するパルスである第3論理パルスを「負極性論理パルス」と称する。

【0067】
COS波生成器132は、本発明に係る搬送波の一例であるCOS波を生成して出力する。-SIN波生成器134は、本発明に係る搬送波の一例である-SIN波を生成して出力する。なお、COS波及び-SIN波は、本発明に係る一対のパルスの一例である。

【0068】
電力増幅器14は、入力端子14A及び出力端子14Bを有する。入力端子14AはノードFに接続されており、出力端子14BはノードHに接続されている。なお、本実施形態では、送信装置10の出力電力を送信装置100と同一にしようとすると、電力増幅器14の出力電力は、図3に示す第1電力増幅器108の飽和出力電力よりも高い必要があるが、これに限らず、電力増幅器14の飽和出力電力と図3に示す第1電力増幅器108の飽和出力電力とが同一であってもよい。この場合、第1電力増幅器108を電力増幅器14としてそのまま用いることで、結果として送信装置10の出力電力は送信装置100よりも小さくなる。

【0069】
電力増幅器14は、第5マルチプレクサ128から正極性論理パルスが入力された場合、正極性論理パルスに対応するバースト状の信号である第1バースト状信号を生成し、生成した第1バースト状信号をノードHに出力する。また、電力増幅器14は、第5マルチプレクサ128から負極性論理パルスが入力された場合、負極性論理パルスに対応するバースト状の信号である第2バースト状信号を生成し、生成した第2バースト状信号をノードHに出力する。

【0070】
狭帯域BPF114の入力端子114AはノードHに接続されている。狭帯域BPF114は、電力増幅器14から入力された第1バースト状信号及び第2バースト状信号から、第1バースト状信号の基本周波数特性及び第2バースト状信号の基本周波数特性を示すRF信号を抽出し、抽出したRF信号を送信用アンテナ116に出力する。

【0071】
次に、送信装置10の作用について図2に示すタイムチャートを参照しながら説明する。なお、以下では、説明の便宜上、電力増幅器14が反転増幅器の場合について説明する。また、以下では、説明の便宜上、I-chの出力とQ-chの出力とが交互に行われる場合、すなわち、ノードA及びノードAに交互にユニポーラ信号が出力され、ノードB及びノードBに交互にユニポーラ信号が出力される場合について説明する。また、以下では、説明の便宜上、ノードA及びノードAの各々に対して出力される正極性ユニポーラ信号により示される論理値が“1”⇒“0”⇒“0”⇒“0”の順に遷移する場合を例に挙げて説明する。また、以下では、説明の便宜上、ノードB及びノードBの各々に対して出力される負極性ユニポーラ信号により示される論理値が“0”⇒“0”⇒“1”(=“-1”)⇒“0”の順に遷移する場合を例に挙げて説明する。

【0072】
正極性ユニポーラ信号がノードAに出力されると、正極性ユニポーラ信号とCOS波との排他的論理和の反転を示す第1論理パルスが第1マルチプレクサ120により出力される。また、正極性ユニポーラ信号がノードAに出力されると、正極性ユニポーラ信号と-SIN波との排他的論理和の反転を示す第2論理パルスが第3マルチプレクサ124により出力される。

【0073】
例えば、図2に示すように、“1”を示す正極性ユニポーラ信号がノードAに出力されると、第1マルチプレクサ120では、“1”を示す正極性ユニポーラ信号とCOS波との排他的論理和の反転を示すCOSユニポーラパルスが第1論理パルスとして出力される。また、例えば、図2に示すように、“1”を示す正極性ユニポーラ信号がノードAに出力されると、第3マルチプレクサ124では、“1”を示す正極性ユニポーラ信号と-SIN波との排他的論理和の反転を示す-SINユニポーラパルスが第2論理パルスとして出力される。

【0074】
負極性ユニポーラ信号がノードBに出力されると、負極性ユニポーラ信号とCOS波との排他的論理和を示す第1論理パルスが第1マルチプレクサ120により出力される。また、負極性ユニポーラ信号がノードBに出力されると、負極性ユニポーラ信号と-SIN波との排他的論理和を示す第2論理パルスが第3マルチプレクサ124により出力される。

【0075】
例えば、図2に示すように、“1”を示す負極性ユニポーラ信号がノードBに出力されると、第1マルチプレクサ120では、“1”を示す負極性ユニポーラ信号とCOS波との排他的論理和を示す-COSユニポーラパルスが第1論理パルスとして出力される。また、“1”を示す負極性ユニポーラ信号がノードBに出力されると、第3マルチプレクサ124では、“1”を示す負極性ユニポーラ信号と-SIN波との排他的論理和を示すSINユニポーラパルスが第2論理パルスとして出力される。

【0076】
第5マルチプレクサ128では、第1論理パルスが入力されると、SIN波に従って、第1論理パルスに相当するパルスが第3論理パルスとしてノードFに出力される。また、第5マルチプレクサ128では、第2論理パルスが入力されると、SIN波に従って、第2論理パルスに相当するパルスが第3論理パルスとしてノードFに出力される。

【0077】
例えば、図2に示すように、第5マルチプレクサ128にCOSユニポーラパルスが第1論理パルスとして入力されると、第5マルチプレクサ128では、SIN波に従って、COSユニポーラパルスが第3論理パルスとしてノードFに出力される。また、第5マルチプレクサ128に-COSユニポーラパルスが第1論理パルスとして入力されると、SIN波に従って、-COSユニポーラパルス(COSユニポーラパルスの逆相信号)が第3論理パルスとしてノードFに出力される。また、第5マルチプレクサ128に-SINユニポーラパルスが第2論理パルスとして入力されると、SIN波に従って、-SINユニポーラパルスが第3論理パルスとしてノードFに出力される。更に、第5マルチプレクサ128にSINユニポーラパルスが第2論理パルスとして入力されると、SIN波に従って、SINユニポーラパルス(-SINユニポーラパルスの逆相信号)が第3論理パルスとしてノードFに出力される。

【0078】
電力増幅器14では、第3論理パルスが入力されると、第3論理パルスに対応するバースト状信号がノードHに出力される。例えば、図2に示すように、電力増幅器14に正極性論理パルスが入力されると、電力増幅器14では、正極性論理パルスに対応する第1バースト状信号がノードHに出力される。また、例えば、図2に示すように、電力増幅器14に負極性論理パルスが入力されると、電力増幅器14では、負極性論理パルスに対応する第2バースト状信号がノードHに出力される。

【0079】
狭帯域BPF114では、第1バースト状信号が入力されると、一例として図2に示すように、第1バースト状信号から、第1バースト状信号の基本周波数特性を示す信号がRF信号として抽出され、抽出されたRF信号が送信用アンテナ116に出力される。また、狭帯域BPF114では、第2バースト状信号が入力されると、一例として図2に示すように、第2バースト状信号から、第2バースト状信号の基本周波数特性を示す信号がRF信号として抽出され、抽出されたRF信号が送信用アンテナ116に出力される。このように、本実施形態に係る送信装置10では、合成器112(図3参照)を介することなく得られたバースト状信号からRF信号が直接抽出されて出力される。

【0080】
図2及び図4に示すように、送信装置10で狭帯域BPF114により抽出されたRF信号は、比較例の送信装置100で狭帯域BPF114により抽出されたRF信号と同一である。これは、図3に示すノードJに出力された合成信号に含まれる基本周波数特性と図1に示すノードHに出力された第1バースト状信号の基本周波数特性及び第2バースト状信号の基本周波数特性とが同一であることに起因する。

【0081】
比較例の送信装置100では、RF信号を得るために、合成信号を生成する必要がある。合成信号を生成するためには、第2マルチプレクサ122、第4マルチプレクサ124、第6マルチプレクサ130、第2電力増幅器110、及び合成器112を要する。これに対し、本実施形態に係る送信装置10では、RF信号を得るために、合成信号を生成する必要がないため、第2マルチプレクサ122、第4マルチプレクサ124、第6マルチプレクサ130、第2電力増幅器110、及び合成器112を要しない。すなわち、本実施形態に係る送信装置10では、図4に示すノードG、ノードI、及びノードJの各出力は不要となる。よって、送信装置10は、送信装置100に比べ、ユニポーラ信号をRF信号に変換する回路の規模を小さくすることができる。

【0082】
また、送信装置10では、論理回路12に正極性ユニポーラ信号が入力された場合、論理回路12により正極性論理パルスが生成され、論理回路12に負極性ユニポーラ信号が入力された場合、論理回路12により負極性論理パルスが生成される。また、正極性論理パルスが生成されると、電力増幅器14により正極性論理パルスに対応する第1バースト状信号が生成され、負極性論理パルスが生成されると、電力増幅器14により負極性論理パルスに対応する第2バースト状信号が生成される。そして、第1バースト状信号が生成されると、狭帯域BPF114により第1バースト状信号から、第1バースト状信号の基本周波数特性を示す信号がRF信号として抽出されて出力される。また、第2バースト状信号が生成されると、狭帯域BPF114により第2バースト状信号から、第2バースト状信号の基本周波数特性を示す信号がRF信号として抽出されて出力される。これにより、送信装置10は、送信装置100に比べ、簡易な構成で、正極性ユニポーラ信号及び負極性ユニポーラ信号をRF信号に変換することができる。

【0083】
また、送信装置10では、論理回路12が、第1マルチプレクサ120、第3マルチプレクサ124、及び第5マルチプレクサ128を有する論理回路とされている。これにより、送信装置10は、送信装置100に比べ、簡易な構成で、正極性ユニポーラ信号及び負極性ユニポーラ信号をRF信号に変換することができる。

【0084】
また、送信装置10では、論理回路12と電力増幅器14とが異なるチップで別体化されている。これにより、送信装置10は、論理回路12と電力増幅器14とが一体化されている場合に比べ、論理回路14と電力増幅器14との各々を最適の製造プロセスで作製することにより送信装置10全体の性能を高めることができる。なお、論理回路12と電力増幅回路14とが同一のチップで一体化されている場合には、製造及びメンテナンス作業を簡便に行うことができる。

【0085】
更に、送信装置10では、I-chの正極性論理パルス及びI-chの負極性論理パルスの一方が他方の逆相信号であり、Q-chの正極性論理パルス及びQ-chの負極性論理パルスの一方が他方の逆相信号である。これにより、送信装置10は、正極性論理パルス及び負極性論理パルスの一方が他方の逆相信号でない場合に比べ、I-ch及びQ-chの各々についての第3論理パルスを簡易に生成することができる。

【0086】
なお、上記実施形態では、電力増幅器14が反転増幅器の場合について説明したが、電力増幅器14は非反転増幅器であってもよい。この場合、電力増幅器14の出力における正負の極性が反転する。

【0087】
また、上記実施形態では、I-ch及びQ-chに対応する論理回路12を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、I-chのみに対応した論理回路、又は、Q-chのみに対応した論理回路であってもよい。

【0088】
ここで、I-chのみに対応した論理回路は、例えば、論理回路12から3値ΔΣ変調器104、第3マルチプレクサ124、第5マルチプレクサ128、及び-SIN波生成器134を除いた論理回路であればよい。また、搬送波としては、SIN波(例えば、上記実施形態で説明した-SIN波の論理反転の信号)又は-SIN波を用いることが好ましい。この場合、第1マルチプレクサ120が本発明に係るセレクタとして機能し、入力端子120Aが本発明に係る第1入力端子として機能し、入力端子120Bが本発明に係る第2入力端子として機能し、出力端子128Dが本発明に係る出力端子として機能する。

【0089】
また、Q-chのみに対応した論理回路は、例えば、論理回路12から3値ΔΣ変調器102、第1マルチプレクサ120、第5マルチプレクサ128、及びCOS波生成器134を除いた論理回路であればよい。また、搬送波としては、SIN波(上記実施形態で説明した-SIN波の論理反転の信号)又は-SIN波を用いることが好ましい。この場合、第3マルチプレクサ124が本発明に係るセレクタとして機能し、入力端子124Aが本発明に係る第1入力端子として機能し、入力端子124Bが本発明に係る第2入力端子として機能し、出力端子128Dが本発明に係る出力端子として機能する。

【0090】
なお、大容量伝送を行うのであれば、上記実施形態で説明したように、互いに90度位相のずれた搬送波(上述した例では、COS波及び-SIN波)を用いて伝送すればよいが、小容量伝送で足りるのであれば、I-chのみ又はQ-chのみに対応した論理回路を採用すればよい。

【0091】
また、上記実施形態では、ベースバンド信号が3値ΔΣ変調される場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ベースバンド信号がΔΣ変調され、5値以上の奇数値(“0”を含み、かつ、“0”を中心とした奇数値)で量子化されるようにしてもよい。5値の一例としては、“2”、“1”、“0”、“-1”、及び“-2”が挙げられる。

【0092】
また、上記実施形態では、本発明に係る搬送波の一例として、I-chの搬送波であるCOS波、及びQ-chの搬送波である-SIN波を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。I-ch及びI-chの搬送波に必要な条件は、例えば、互いに90度位相がずれており、かつ、I-ch及びQ-chの搬送波が3値ΔΣ変調器104により出力されるユニポーラ信号(例えば、正極性ユニポーラ信号及び負極性ユニポーラ信号)と同期し、かつ、I-ch及びQ-chの搬送波のエッジ(変化タイミング(例えば、“0”及び“1”の一方から他方へ遷移するタイミング))がユニポーラ信号のエッジ(例えば、正極性ユニポーラ信号のエッジ及び負極性ユニポーラ信号のエッジ)と一致している、との条件である。従って、I-chの搬送波及びQ-chの搬送波としては、上述した(COS,-SIN)の組み合わせを含めて、(±COS,±SIN)及び(±SIN,±COS)の計8通り(共に複合は任意)の組み合わせが可能である。

【0093】
また、上記実施形態では、I-chの出力とQ-chの出力とを切り替える信号(切り替え波)として、変化タイミングがユニポーラ信号の変化タイミング(例えば、正極性ユニポーラ信号の変化タイミング及び負極性ユニポーラ信号の変化タイミング)と一致する-SIN波を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。切り替え波は、例えば、変化タイミングがユニポーラ信号の変化タイミングと一致するSIN波(例えば、上記実施形態で説明した-SIN波の論理反転の信号)であってもよい。すなわち、切り替え波の周期は、搬送波周期の1/4倍(周波数では基本周波数の2倍に相当)を単位としてその整数倍であれば良く、切り替え波の周波数は、上記実施形態で説明した搬送波周波数の1/2倍を含めて、高い方は2倍以下の整数倍(1又は2倍)、低い方は1/n(nは正の整数)であれば良い。
【符号の説明】
【0094】
10 送信装置
12 論理回路
14 電力増幅器
102,104 3値ΔΣ変調器
114 狭帯域BPF
116 送信用アンテナ
120 第1マルチプレクサ
124 第3マルチプレクサ
128 第5マルチプレクサ
120A,120B,124A,124B 入力端子
128D 出力端子
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3