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明細書 :医療情報表示システム、サーバー及びプログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-136296 (P2016-136296A)
公開日 平成28年7月28日(2016.7.28)
発明の名称または考案の名称 医療情報表示システム、サーバー及びプログラム
国際特許分類 G06Q  50/22        (2012.01)
FI G06Q 50/22 100
請求項の数または発明の数 15
出願形態 OL
全頁数 19
出願番号 特願2015-010865 (P2015-010865)
出願日 平成27年1月23日(2015.1.23)
発明者または考案者 【氏名】小山 裕司
【氏名】松本 省二
【氏名】吉良 潤一
出願人 【識別番号】305027401
【氏名又は名称】公立大学法人首都大学東京
【識別番号】504145342
【氏名又は名称】国立大学法人九州大学
【識別番号】515021781
【氏名又は名称】一般財団法人平成紫川会
個別代理人の代理人 【識別番号】100150876、【弁理士】、【氏名又は名称】松山 裕一郎
審査請求 未請求
テーマコード 5L099
Fターム 5L099AA01
要約 【課題】 高度急性期患者の各種検査等が行われる場合にも、各医療スタッフや検査部門間で、処置状況を共有することができる医療情報表示システムを提供すること。
【解決手段】 本発明の医療情報表示システムは、情報端末とサーバーで構成され、情報端末が院内ネットワークを介してサーバーに接続されている。情報端末は、入力部と端末通信制御部と各処置タスクに対応した画像表示領域が個々に規定され、全ての処置タスクに対応する全画像表示領域が1つの表示画面内に配置され、端末通信制御部で受信された配信データに基づく処置の進行状況を表す画面を表示する表示部とを備え、サーバーは、表示部に表示される画面に対応した初期画面情報を記憶した記憶部と、処置状況に応じて対応する画像表示領域の画像表示が変化するように当該画像表示領域の表示情報を設定する表示情報設定部と、表示情報をもとに配信データを生成する配信データ生成部とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
複数の情報端末が所定のネットワークを介してサーバーと接続され、各情報端末に入力されたデータを該サーバーで処理して配信データを作成し、該配信データに基づく処置の進行状況を該情報端末に共通に表示する医療情報表示システムであって、
前記情報端末は、
患者に対して所定の処置を施す処置タスクの処置状況を入力する入力部と、
前記処置タスクの処置状況を前記サーバーに送信すると共に、前記サーバーから配信される前記配信データを受信する端末通信制御部と、
前記各処置タスクに対応した画像表示領域が個々に規定されており、全ての前記処置タスクに対応する全画像表示領域が1つの表示画面内に配置された画面であって、前記端末通信制御部で受信された前記配信データに基づく処置の進行状況を表す画面を表示する表示部とを備え、
前記サーバーは、
前記表示部に表示される前記画面に対応して、前記画像表示領域が個々に規定されており、全画像表示領域が1つの表示画面内に配置された初期画面情報を記憶した記憶部と、
前記情報端末から送信される前記処置タスクの処置状況に応じて、対応する前記画像表示領域の画像表示が変化するように、当該画像表示領域の表示情報を設定する表示情報設定部と、
前記表示情報をもとに、前記配信データを生成する配信データ生成部と、
前記処置状況を受信すると共に、前記配信データを、前記ネットワークを介して各情報端末に配信する通信制御部とを備える医療情報表示システム。
【請求項2】
前記表示情報設定部は、対応する前記画像表示領域の領域表示色が、認識された前記処置タスクの処置状況に応じて変化するように、前記表示情報を設定することを特徴とする請求項1に記載の医療情報表示システム。
【請求項3】
前記表示情報設定部は、1つの前記処置タスクが終了したことを認識した場合には、その次段となる前記処置タスクの前記画像表示領域に対して、所定の前記表示情報を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の医療情報表示システム。
【請求項4】
前記初期画面情報は、前記処置タスクに対応した前記画像表示領域とは別の領域に、時間の経過情報を表示する時間経過表示領域をさらに備えており、
前記表示情報設定部は、全ての前記処置タスクが終了する目標時間までの残存時間又は経過時間のうち、少なくとも一方を常時表示させるように、前記時間経過表示領域の表示情報を設定することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の医療情報表示システム。
【請求項5】
前記記憶部は、一部の前記処置タスクに対応した画像表示領域のみが規定された個別初期画面情報をさらに備えており、
前記配信データ生成部では、前記表示情報設定部で設定される前記表示情報のうち、前記一部の処置タスクにおける表示情報をもとに、特定の前記情報端末に配信する個別配信データを生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の医療情報表示システム。

【請求項6】
複数の情報端末が所定のネットワークを介して接続されるサーバーであって、
前記情報端末は、患者に施す各処置タスクに対応した画像表示領域が個々に規定されており、全ての前記処置タスクに対応する全画像表示領域が1つの表示画面内に配置された画面であって、前記端末通信制御部で受信された前記配信データに基づく処置の進行状況を表す画面を表示する表示部を有し、
前記サーバーは、
前記各処置タスクに対応した画像表示領域が各処置タスクに対応して個々に規定されており、全ての前記画像表示領域が1つの表示画面内に配置されるように予め設定された初期画面情報を記憶した記憶部と、
前記情報端末から送信される前記処置タスクの処置状況に応じて、対応する前記画像表示領域の表示画像が変化するように、当該画像表示領域に表示する画像、文字、及びそれらの色に関する表示情報を設定する表示情報設定部と、
前記表示情報をもとに配信データを生成する配信データ生成部と、
前記処置タスクの処置状況を受信すると共に、前記配信データを前記ネットワークに配信する通信制御部とを備え、
生成した前記配信データを前記各情報端末に対して共通に表示させることを特徴とするサーバー。
【請求項7】
前記表示情報設定部は、対応する前記画像表示領域を表す画像の領域表示色が、認識された前記処置タスクの処置状況に応じて変化するように、前記表示情報を設定することを特徴とする請求項6に記載のサーバー。
【請求項8】
前記表示情報設定部は、1つの前記処置タスクが終了したことを認識した場合には、その次段となる前記処置タスクの前記画像表示領域に対して、所定の前記表示情報を設定することを特徴とする請求項6又は7に記載のサーバー。
【請求項9】
前記初期画面情報は、前記処置タスクに対応した前記画像表示領域とは別の領域に、時間の経過情報を表示する時間経過表示領域をさらに備えており、
前記表示情報設定部は、全ての前記処置タスクが終了する目標時間までの残存時間又は経過時間のうち、少なくとも一方を常時表示させるように、前記時間経過表示領域の表示情報を設定することを特徴とする請求項6~8のいずれかに記載のサーバー。
【請求項10】
前記記憶部は、一部の前記処置タスクに対応した画像表示領域のみが規定された個別初期画面情報をさらに備えており、
前記配信データ生成部では、前記表示情報設定部で設定される前記表示情報のうち、前記一部の処置タスクにおける表示情報をもとに、特定の前記情報端末に配信する個別配信データを生成することを特徴とする請求項6又は7に記載のサーバー。
【請求項11】
複数の情報端末が所定のネットワークを介して接続されるサーバーとして構成するコンピュータに所定のステップを実行させるプログラムであって、
前記情報端末は、患者に施す各処置タスクに対応した画像表示領域が個々に規定されており、全ての前記処置タスクに対応する全画像表示領域が1つの表示画面内に配置された画面であって、前記端末通信制御部で受信された前記配信データに基づく処置の進行状況を表す画面を表示する表示部を有し、
前記コンピュータは、前記各処置タスクに対応した画像表示領域が各処置タスクに対応して個々に規定されており、全ての処置タスク前記画像表示領域が1つの表示画面内に配置されるように予め設定された初期画面情報を記憶した記憶部を備え、
前記情報端末から送信される前記処置タスクの処置状況を受信するステップと、
受信した前記処置タスクの処置状況に応じて、対応する前記画像表示領域の表示画像が変化するように、当該画像表示領域に表示する画像、文字、及びそれらの色に関する表示情報を設定するステップと、
前記表示情報をもとに配信データを生成するステップと、
前記配信データを前記ネットワークに配信するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項12】
前記表示情報を設定するステップでは、対応する前記画像表示領域を表す画像の領域表示色が、認識された前記処置タスクの処置状況に応じて変化するように、前記表示情報を設定することを特徴とする請求項11記載のプログラム。
【請求項13】
前記表示情報を設定するステップでは、1つの前記処置タスクが終了したことを認識した場合には、その次段となる前記処置タスクの前記画像表示領域に対して、所定の前記表示情報を設定することを特徴とする請求項11又は12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記初期画面情報は、前記処置タスクに対応した前記画像表示領域とは別の領域に、時間の経過情報を表示する時間経過表示領域をさらに備えており、
前記表示情報を設定するステップでは、全ての前記処置タスクが終了する目標時間までの残存時間又は経過時間のうち、少なくとも一方を常時表示させるように、前記時間経過表示領域の表示情報を設定することを特徴とする請求項11~13のいずれかに記載のプログラム。
【請求項15】
前記記憶部は、一部の前記処置タスクに対応した画像表示領域のみが規定された個別初期画面情報をさらに備えており、
前記配信データを生成するステップでは、前記表示情報を設定するステップで設定される前記表示情報のうち、前記一部の処置タスクにおける表示情報をもとに、特定の前記情報端末に配信する個別配信データを生成することを特徴とする請求項11又は12に記載のプログラム。


発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバーと複数の情報端末が所定のネットワークを介して接続される医療情報表示システム、サーバー及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療関係の分野においても、ネットワークを介した医療情報を表示するシステムが提案されている。
例えば特許文献1には、カルテ管理サーバーにアクセスすることで、救急車の車内や搬送予定先の医療機関もこの患者のカルテ情報を参照できる医療情報システムが開示されている。また特許文献2には、臨床情報や診断・治療の決定補助など用いる、複数の対話的表示領域を備えた臨床管理・意思決定システムが開示されており、病院内の情報システムに接続された固定或いはリモートデバイスからアクセス可能であり、医師の判断を支援するシステムとなっている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2002-73807号公報
【0004】

【特許文献2】特許第5238507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、救急医療の分野、例えば、超急性期脳梗塞に対するrt-PA(血栓溶解薬)静注療法は早期に行うほど効果が高いことが証明され、脳卒中発症に気付くための啓蒙活動や救急体制の整備が行われている。また、脳卒中患者を受け入れる病院では、病院到着からrt-PA静注療法の開始までの時間(Door to Needle Time : DNT)を短縮することが期待されている。各国のガイドラインでは1時間以内にすることが目標とされているが、多くの病院で実現が難しい状況にある。rt-PA静注療法を行うためには、脳卒中関連学会が作成した必須検討項目をすべて行う必要があることが定められているが、この検討項目は多職種・多部門が共同で行う必要がある。具体的には、病歴・服薬履歴の確認、バイタルサイン測定、採血検査、頭部CT検査・頭部MRI検査、家族や本人に病状を説明し治療の承諾を得るなどの様々な性質の異なる数多くの処置(タスク、作業)を多職種・多部門の複数のスタッフが共同して進めていく必要がある。また、これらの処理を行ってもrt-PA静注療法が無効であったり、そもそもrt-PA静注療法が適応外の症例も多く存在し、それらの場合には迅速にrt-PA静注療法以外の最適な治療法を選択し、遂行していく必要があるため、迅速にrt-PA治療を行うべきか否かの判断を行うことも必要である。
【0006】
脳卒中患者に対するrt-PA静注療法の適応判断以外にも、実際の医療現場では、緊急患者に対する各種の緊急検査等は、複数の検査部門において、予定検査の間に割り込む形で行われているが、様々な問題が生じている。具体的には、各CT検査、MRI検査、血管撮影検査等の画像検査部門では患者がいつ頃到着するかの目安がわからないため、緊急患者がすぐに到着することを想定して、予定検査を中断して待機していても、その前の処理タスクに時間がかかり、待機状態が続き、通常の予定業務に支障が生じた場合や、逆に緊急患者の到着にはまだ時間があると判断して通常の予定検査を開始した直後に、緊急患者が想定よりも早く到着した場合には、すぐに検査を開始できない場合がある。また、血液検査では看護師が採血をし、何らかの手段で血液検査室に採血検体を運び、血液検査技師がそれを受け取り、検査をし、結果を報告し、医師が結果を確認する必要がある。これらの各段階の進捗状態を、相互に離れた場所で、スタッフがリアルタイムに確認することは難しく、各種のケアレスミス、時間のロスの原因となっている。
【0007】
このように実際の医療現場では、誰がどの処置を行おうとしているのか、どの検査項目がまだ残っているのか、自らが担当する検査部門にあと何分後に患者が到着するのかなど、実際の進捗状況を複数の医療スタッフ間で正確に共有することが極めて困難な状況であった。このため、救急患者が病院に搬送された後、医療スタッフがすみやかに必要な検査・診察等を行い、適切な治療を施行するためのプロセスの障害ともなっていた。これは、1分1秒が重要な意味を持つ緊急医療の現場では緊急の課題である。
要するに、従来提案されている医療関連システムは、医者の判断を支援するか、又は、所定の情報を閲覧しやすくするものであり、未だ医療現場における各処置部門をつないで総合的に患者に対する対応を効率化するシステムは提供されておらず、そのようなシステムを備えた装置の開発が要望されているのが現状である。
【0008】
本発明はこのような課題を解決すべく成されたものであり、その目的は、高度急性期患者の各種検査等が行われる場合にも、関係する各医療スタッフや各種の検査部門間で、各処置の処置状況を共有することができる医療情報表示システム、サーバー及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解消するべく鋭意検討した結果、視覚的に医療従事者に患者の対する処置がどの段階まで進んでいるかを認識させるのが効果的であることを知見し、さらに操作性や視認性の向上について検討した結果本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の各発明を提供するものである。
1.複数の情報端末が所定のネットワークを介してサーバーと接続され、各情報端末に入力されたデータを該サーバーで処理して配信データを作成し、該配信データに基づく処置の進行状況を該情報端末に共通に表示する医療情報表示システムであって、
前記情報端末は、
患者に対して所定の処置を施す処置タスクの処置状況を入力する入力部と、
前記処置タスクの処置状況を前記サーバーに送信すると共に、前記サーバーから配信される前記配信データを受信する端末通信制御部と、
前記各処置タスクに対応した画像表示領域が個々に規定されており、全ての前記処置タスクに対応する全画像表示領域が1つの表示画面内に配置された画面であって、前記端末通信制御部で受信された前記配信データに基づく処置の進行状況を表す画面を表示する表示部とを備え、
前記サーバーは、
前記表示部に表示される前記画面に対応して、前記画像表示領域が個々に規定されており、全画像表示領域が1つの表示画面内に配置された初期画面情報を記憶した記憶部と、
前記情報端末から送信される前記処置タスクの処置状況に応じて、対応する前記画像表示領域の画像表示が変化するように、当該画像表示領域の表示情報を設定する表示情報設定部と、
前記表示情報をもとに、前記配信データを生成する配信データ生成部と、
前記処置状況を受信すると共に、前記配信データを、前記ネットワークを介して各情報端末に配信する通信制御部とを備える医療情報表示システム。
2.前記表示情報設定部は、対応する前記画像表示領域の領域表示色が、認識された前記処置タスクの処置状況に応じて変化するように、前記表示情報を設定することを特徴とする1に記載の医療情報表示システム。
3.前記表示情報設定部は、1つの前記処置タスクが終了したことを認識した場合には、その次段となる前記処置タスクの前記画像表示領域に対して、所定の前記表示情報を設定することを特徴とする1又は2に記載の医療情報表示システム。
4.前記初期画面情報は、前記処置タスクに対応した前記画像表示領域とは別の領域に、時間の経過情報を表示する時間経過表示領域をさらに備えており、
前記表示情報設定部は、全ての前記処置タスクが終了する目標時間までの残存時間又は経過時間のうち、少なくとも一方を常時表示させるように、前記時間経過表示領域の表示情報を設定することを特徴とする1~3のいずれかに記載の医療情報表示システム。
5.前記記憶部は、一部の前記処置タスクに対応した画像表示領域のみが規定された個別初期画面情報をさらに備えており、
前記配信データ生成部では、前記表示情報設定部で設定される前記表示情報のうち、前記一部の処置タスクにおける表示情報をもとに、特定の前記情報端末に配信する個別配信データを生成することを特徴とする1又は2に記載の医療情報表示システム。
6.複数の情報端末が所定のネットワークを介して接続されるサーバーであって、
前記情報端末は、患者に施す各処置タスクに対応した画像表示領域が個々に規定されており、全ての前記処置タスクに対応する全画像表示領域が1つの表示画面内に配置された画面であって、前記端末通信制御部で受信された前記配信データに基づく処置の進行状況を表す画面を表示する表示部を有し、
前記サーバーは、
前記各処置タスクに対応した画像表示領域が各処置タスクに対応して個々に規定されており、全ての前記画像表示領域が1つの表示画面内に配置されるように予め設定された初期画面情報を記憶した記憶部と、
前記情報端末から送信される前記処置タスクの処置状況に応じて、対応する前記画像表示領域の表示画像が変化するように、当該画像表示領域に表示する画像、文字、及びそれらの色に関する表示情報を設定する表示情報設定部と、
前記表示情報をもとに配信データを生成する配信データ生成部と、
前記処置タスクの処置状況を受信すると共に、前記配信データを前記ネットワークに配信する通信制御部とを備え、
生成した前記配信データを前記各情報端末に対して共通に表示させることを特徴とするサーバー。
7.前記表示情報設定部は、対応する前記画像表示領域を表す画像の領域表示色が、認識された前記処置タスクの処置状況に応じて変化するように、前記表示情報を設定することを特徴とする6に記載のサーバー。
8.前記表示情報設定部は、1つの前記処置タスクが終了したことを認識した場合には、その次段となる前記処置タスクの前記画像表示領域に対して、所定の前記表示情報を設定することを特徴とする6又は7に記載のサーバー。
9.前記初期画面情報は、前記処置タスクに対応した前記画像表示領域とは別の領域に、時間の経過情報を表示する時間経過表示領域をさらに備えており、
前記表示情報設定部は、全ての前記処置タスクが終了する目標時間までの残存時間又は経過時間のうち、少なくとも一方を常時表示させるように、前記時間経過表示領域の表示情報を設定することを特徴とする6~8のいずれかに記載のサーバー。
10.前記記憶部は、一部の前記処置タスクに対応した画像表示領域のみが規定された個別初期画面情報をさらに備えており、
前記配信データ生成部では、前記表示情報設定部で設定される前記表示情報のうち、前記一部の処置タスクにおける表示情報をもとに、特定の前記情報端末に配信する個別配信データを生成することを特徴とする6又は7に記載のサーバー。
11.複数の情報端末が所定のネットワークを介して接続されるサーバーとして構成するコンピュータに所定のステップを実行させるプログラムであって、
前記情報端末は、患者に施す各処置タスクに対応した画像表示領域が個々に規定されており、全ての前記処置タスクに対応する全画像表示領域が1つの表示画面内に配置された画面であって、前記端末通信制御部で受信された前記配信データに基づく処置の進行状況を表す画面を表示する表示部を有し、
前記コンピュータは、前記各処置タスクに対応した画像表示領域が各処置タスクに対応して個々に規定されており、全ての処置タスク前記画像表示領域が1つの表示画面内に配置されるように予め設定された初期画面情報を記憶した記憶部を備え、
前記情報端末から送信される前記処置タスクの処置状況を受信するステップと、
受信した前記処置タスクの処置状況に応じて、対応する前記画像表示領域の表示画像が変化するように、当該画像表示領域に表示する画像、文字、及びそれらの色に関する表示情報を設定するステップと、
前記表示情報をもとに配信データを生成するステップと、
前記配信データを前記ネットワークに配信するステップと、
を実行させるプログラム。
12.前記表示情報を設定するステップでは、対応する前記画像表示領域を表す画像の領域表示色が、認識された前記処置タスクの処置状況に応じて変化するように、前記表示情報を設定することを特徴とする11記載のプログラム。
13.前記表示情報を設定するステップでは、1つの前記処置タスクが終了したことを認識した場合には、その次段となる前記処置タスクの前記画像表示領域に対して、所定の前記表示情報を設定することを特徴とする11又は12に記載のプログラム。
14.前記初期画面情報は、前記処置タスクに対応した前記画像表示領域とは別の領域に、時間の経過情報を表示する時間経過表示領域をさらに備えており、
前記表示情報を設定するステップでは、全ての前記処置タスクが終了する目標時間までの残存時間又は経過時間のうち、少なくとも一方を常時表示させるように、前記時間経過表示領域の表示情報を設定することを特徴とする11~13のいずれかに記載のプログラム。
15.前記記憶部は、一部の前記処置タスクに対応した画像表示領域のみが規定された個別初期画面情報をさらに備えており、
前記配信データを生成するステップでは、前記表示情報を設定するステップで設定される前記表示情報のうち、前記一部の処置タスクにおける表示情報をもとに、特定の前記情報端末に配信する個別配信データを生成することを特徴とする11又は12に記載のプログラム。
【0010】
<作用>
請求項1にかかる医療情報表示システムでは、各情報端末から処置タスクの処置状況を送信する。サーバーの記憶部には、各処置タスクの進捗などを示す処置状況を全体的にまとめて視覚的に表示するための初期画面情報等が記憶されており、初期画面情報には各処置タスクに対応した画像表示領域が区分けされている。表示情報設定部では、受信した処置タスクの処置状況に応じて画像表示が変化するように、該当する画像表示領域に対する表示情報を設定する。配信データ生成部では、例えば、初期画面情報と表示情報とをもとに配信データを生成し、通信制御部によってネットワークを介して各情報端末に対して配信される。なお、情報端末は各処置室などに固定的に配設されたコンピュータ等の端末以外にも、当該処置タスクの担当者が携帯するスマートフォンやタブレット等の携帯情報端末などであっても良い。
【0011】
請求項6にかかるサーバーでは、各処置タスクの処置状況を全体的にまとめて視覚的に表示するための初期画面情報等が記憶部に記憶されており、各処置タスクに対応した画像表示領域が区分けされている。表示情報設定部では、受信した処置タスクの処置状況に応じて画像表示が変化するように、該当する画像表示領域に対する表示情報を設定する。配信データ生成部では、例えば、初期画面情報と表示情報とをもとに配信データを生成し、通信制御部によってネットワークを介して各情報端末に対して配信される。
請求項11にかかるプログラムでは、前記情報端末から送信される前記処置タスクの処置状況を受信し、受信した情報に基づいて前記画像表示領域の表示画像を状況に応じた画像に変化させるべく、画像表示領域に表示する画像、文字、及びそれらの色に関する表示情報を設定し、かかる表示情報に基づいて、情報達末からの送信があるまでの直前の画面に表示されている情報から現在の状況に対応した画面とするように画面を変更させる情報を具備する配信データを生成し、各情報端末に配信する、一連の動作をサーバーに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1にかかる医療情報表示システムは、ネットワーク上の情報端末から処置タスクの処置状況をサーバーに送信し、サーバーの表示情報設定部では、受信した処置タスクの処置状況に応じて画像表示が変化するように、該当する画像表示領域に対する表示情報を設定し、記憶部の初期画面情報と表示情報とをもとに配信データ生成部において配信データを生成し、通信制御部から配信される配信データに基づく処置の進行状況を、各情報端末で表示するシステム構成を採用した。
【0013】
これにより、情報端末の表示部には、全ての処置タスクの処置の進行状況が視覚的に一覧表示されるため、高度急性期患者の各種検査等が、複数の検査部門で行われる場合にも、関係する各医療スタッフや各検査部門間で、各処置タスクの状況を視覚的に共有することが可能となる。従って、例えば進捗が遅れている処置タスクが生じた場合にも、その事実が明確化され、且つ各医療スタッフで共有することができるため、当該処置タスクに人材を集中させることも可能となり、DNTの短縮化にも充分に寄与することが可能となる。
【0014】
請求項6にかかるサーバーによれば、表示情報設定部において、受信した処置タスクの処置状況に応じて画像表示が変化するように、該当する画像表示領域に対する表示情報を設定し、記憶部の初期画面情報と表示情報とをもとに配信データ生成部において配信データを生成し、通信制御部を介して配信する構成を採用した。
【0015】
これにより、当該サーバーに対してネットワークを介して接続された各情報端末側では、全ての処置タスクの処置の進行状況が視覚的に一覧表示させることが可能となる。従って、高度急性期患者の各種検査等が、複数の検査部門で行われる場合にも、関係する各医療スタッフや各検査部門間で、各処置タスクの処置の進行状況を視覚的に共有することが可能となるので、例えば進捗が遅れている処置タスクが生じた場合にも、その事実が明確化され、且つ各医療スタッフで共有することができるため、当該処置タスクに人材を集中させることも可能となり、DNTの短縮化にも充分に寄与することができる。
【0016】
請求項11にかかるプログラムによれば、処置タスクの処置状況を把握し、把握した処置状況に応じて、情報端末における前記画像表示領域の表示画像における画像、文字、及びそれらの色をそれぞれ状況に応じた表示に変化させることができる。
これにより、複数の情報端末において絶えずリアルタイムに状況を把握することができ、しかも単に文字が表示されるだけではなく、画像や色を含めて非常に視認しやすい形で各医療スタッフによる情報の共有化をはかることができる。
また、本発明の医療情報表示システム、サーバー及びプログラムによれば、様々なタスクを処理するために要した時間を、その処理段階ごとに記録することも可能である。このように時間を記録し、さらにその時間を直接又は残り時間として表示することで、従来は表面にでることのなかった様々なタスクにおける迅速な処理を妨げている無駄の「見える化」が図られる。それに対して介入することで、脳卒中発症から治療遂行までの様々なタスク処理をより効率的に「改善」していくためのツールとすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】情報端末の内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】サーバーの内部構成を概略的に示すブロック図である
【図3】初期画面情報の構成を示す図である。
【図4】(a)は画像表示領域内における各情報の配置構成を示す図、(b)は時間経過表示領域内における各情報の配置構成を示す図である。
【図5】ダッシュボードの平常時の表示状態を示す図である。
【図6】図6は画像表示領域の表示色の設定態様を示す図であり、(a)は初期状態、(b)は処理待ち状態、(c)は処理開始状態、(d)は正常終了状態、(e)は問題ありの状態をそれぞれ示す。
【図7】緊急外来の処置タスクにおける入力画面を示す図である。
【図8】各処置タスクの入力画面の処理事項欄に表示される処理事項をまとめて示す図表である。
【図9】サーバーで行われる制御処理を示すフローチャートである。
【図10】サーバーで行われる制御処理を示すフローチャートである。
【図11】ダッシュボードの表示状態を示す図である。
【図12】ダッシュボードの表示状態を示す図である。
【図13】各処置タスクの進行順と時間経過との関係を図示した説明図である。
【符号の説明】
【0018】
1~8:表示エリア、100:情報端末、110:表示部、120:入力部、記憶部:130、通信部:140、150:制御部、152:表示制御部、154:通信制御部(端末通信制御部)、200:サーバー、210:記憶部、220:通信部、230:制御部、232:表示情報設定部、234:配信データ生成部、236:通信制御部、300:ダッシュボード、310、320,330,340,350,360:画像表示領域、400:初期画面情報。

【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
本実施形態にかかる医療情報表示システムは、情報端末100とサーバー200で構成され(図1及び2参照)、患者に対して処置を施す処置タスクに応じて情報端末100がそれぞれ配置されており、病院内の有線LANや無線LANなどの院内ネットワークを介してサーバー200に接続されている。

【0020】
〔情報端末〕
図1に情報端末100の内部構成を概略的に示す。情報端末100は、表示部110、入力部120、記憶部130、通信部140及び制御部150を備える。
表示部110は情報端末の液晶画面や単体の液晶ディスプレイなどの表示デバイスであり、入力部120はキーボート、マウス、或いはタッチパネルに対する入力操作情報を取得する検出処理なども含まれる。すなわち入力部がタッチパネル形式の表示部材である場合には表示部と入力部とは同一の部材により構成されることになる。このように入力部と表示部とを同一部材により構成してもよい。記憶部130は、不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、情報端末100の動作制御に必要となる各種プログラムや、情報端末を識別するID情報などが記憶されており、各種データを記憶することができる。通信部140はネットワークを介してサーバー200と送受信を行う通信モジュールである。
制御部150は、中央処理演算装置(CPU)等からなり、情報端末100の全ての動作制御を実施し、各種プログラムを実行することにより、表示部110の表示制御を実施する表示制御部152、通信部140の送受信制御を実施する通信制御部(端末通信制御部)154などを論理的に構成する。

【0021】
なお、情報端末100は、例えばタッチパネル式のタブレット型情報端末、スマートフォンやPDAなどの携帯情報端末、ノート型パソコンのほか、デスクトップ型パソコン本体、キーボート、マウス及びモニターで構成しても良い。また、このモニターとして、壁掛けの大型デジタルサイネージを用いて作業を行う多数の医療スタッフに対して掲示しても良い。

【0022】
〔サーバー〕
図2にサーバー200の内部構成を概略的に示す。サーバー200は記憶部210、通信部220及び制御部230を備えるいわゆるコンピュータにより構成されている。ここで「コンピュータは一つの装置として記憶部、通信部及び制御部が備わっている必要はなく、記憶部、通信部及び制御部を有する多数の装置が集合したものや、記憶部、通信部及び制御部がそれぞれ別の装置として存在しそれらを組み合わせたもの、又はこれらを任意に組み合わせたものであってもよい。
記憶部210は、不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、サーバー200の動作制御に必要となる各種プログラムや、後述する初期画面情報400(図3参照)が記憶されている。通信部220はネットワークを介して各情報端末100と送受信を行う通信モジュールである。なお、サーバー200においても図示しない入力部や表示部を備えても良い。

【0023】
制御部230は、中央処理演算装置(CPU)等からなり、サーバー200の全ての動作制御を実施し、各種プログラムを実行することで、初期画面情報400に対する表示情報を設定する表示情報設定部232、ネットワークに配信する配信データを生成する配信データ生成部234、通信部220の送受信制御を実施する通信制御部236などを論理的に構成する。

【0024】
(初期画面情報)
ここでサーバー200における記憶部210が記憶している初期画面情報400について説明する。図3に、初期画面情報400の一例を示す。この初期画面情報400は、表示部に表示される画面に対応して、各処置タスクに対応した画像表示領域が個々に規定されており、全ての処置タスクに対応する画像表示領域が1つの表示画面内に配置されたものであり。各情報端末100のプラウザ画面に、ダッシュボード300と呼ばれる、各種情報を集約させた画面を表示させるためのデータソースとなる画像データである。

【0025】
この初期画面情報400は、患者が超急性期脳梗塞の場合に、rt-PA静注療法を行うためのチェックリスト作成の処置タスクに関するものである。初期画面情報400は、ダッシュボード300上に、各処置タスクに対応した画像表示領域310~360が個々に規定されて、それぞれが個別初期画面情報を形成している。図示の例では、各画像表示領域310~360はそれぞれが6角形の表示エリアを形成しており、6つの画像表示領域310~360が環状に配列されたデザインとなっている。また、これら環状に配列された6つの画像表示領域310~360とは別の領域となる、中央部の表示エリアは、時間の経過情報を表示する時間経過表示領域370(処置全体を統括できる情報)となっており、全ての処置タスクとなる画像表示領域310~360と時間経過表示領域370とが、1つの表示画面内に表示されるように配置されている。また、この初期画面情報400には、現在の時刻、現在ログインしているユーザのユーザ名及び高度急性期患者に対するスクランブル対応が開始された時刻情報などを示す表示領域380(処置全体を統括できる情報)や、各処置タスクの更新情報が表示される表示領域390(処置全体を統括できる情報)なども設けられており、これらを含めて1つの画面内に表示されるように配置されている。そしてこの初期画面情報に基づき、サーバーにおいて生成された表示情報を加味して変化させた画面が表示部に表示される。

【0026】
1つの画像表示領域310内における各情報の配置構成を、図4(a)を参照して説明すると、最上段から順に、表示エリア1には当該処置タスクの番号とタスク名称、表示エリア2には担当職名、表示エリア3には担当者名、表示エリア4には処置タスクの進捗状況、表示エリア5には処置にかかる想定時間と実績時間がそれぞれ表示される。なお、画像表示領域310を代表的に示したが、各画像表示領域310~360では同じ配置構成となっている。また、時間経過表示領域370内における情報の配置構成を、図4(b)を参照して説明すると、最上段から順に、表示エリア6にはDNTの目標時間、表示エリア7には目標時間までの残り時間、表示エリア8には病院到着からの経過時間がそれぞれ表示される。なお、本実施形態では、最も注意を払うべき目標DNTまでの残り時間を、表示エリア7として、他の表示に比べて大きく、かつ、中央に表示されるように配置設計されている。なお、タブレット型の情報端末では、表示部10と入力部20とは同一部材(タッチパネル式ディスプレイ)に設けられている。

【0027】
(操作及び医療情報表示処理方法)
(情報端末における操作及び処理方法)
ここで、タッチパネル式ディスプレイを備えるタブレット型情報端末を例に、情報端末100側の表示、操作等について説明する。情報端末100の表示部110では、まず、この医療情報表示システムに接続するためのログイン画面(図示せず)が表示される。ログイン処理後のダッシュボード画面を図5に示す。図5の例では、高度急性期患者に対するスクランブル処置が実行されていない平常時の状態であり、ダッシュボード300上には情報が掲示されてない状態である。

【0028】
これに対し、高度急性期患者を受け入れたスクランブルの際には、初期操作をする担当者は、ダッシュボード300の画面上で新規開始アイコン382をタッチする。これによりダッシュボード300の画面が、先に図3で示した画面表示に切り替わる。
図3に示すように、初期状態として、「1.緊急外来」と「2.採血」を示す画像表示領域310、320が黄色に表示されており、その他の画像表示領域330~360が灰色で表示されている。本実施形態にかかる医療情報表示システムでは、各処置タスクの処置の進行状況を色分け表示することとしており、この態様を図6の(a)~(e)に示す。
(a)は画像表示領域が灰色で表示され、初期状態を示しており、(b)はこの処置タスクが直後に開始される処理待ちの状態であることを黄色で示し、(c)はこの処置タスクが開始されたことを青色で示している。また、(d)はこの処置タスクが正常に終了したことを緑色で表示し、(e)はこの処置タスクに何らかの問題が生じていることを赤色で示している。
次の操作として、例えば「1.緊急外来」を例にすると、図3で「処理待ち」の状態から実際に処置タスクが開始された場合、ダッシュボード300の画像表示領域310を担当者がタッチ操作すると、情報端末100の表示部110の画面表示が図7に示す「1.緊急外来」の入力画面301に切り替わる。この入力画面301には、処置タスク「1.緊急外来」が為すべき処理事項が表示された処理事項掲載領域302や、画面上に表示されるキーボードなどを用いて担当者が入力できる連絡事項入力領域303の他、「開始」、「終了」、「問題あり」、「更新」、「処理待ち」など、この処置タスクの進捗状況を含む処置情報を入力する操作アイコン304が配列されている。
なお、処置情報とは、当該処置タスクがどのような状況になっているのかを直接的、間接的に示す情報を全て含む趣旨であり、処置の進捗状況以外にも、問題が発生している場合や、スタッフの対応人数が不足している状況など、他の医療スタッフに伝達したい情報であれば、特に限定するものではなく、どのような情報を表示させるのかについては、実際の医療現場において適宜設定すればよい。

【0029】
ダッシュボード300上で、各処置タスクに対応した画像表示領域310~360をタッチした場合には、いずれの処置タスクにおいても図7に代表的に示す入力画面301が表示される。なお、連絡事項入力領域303及び操作アイコン304の配列は各処置タスクで共通するが、各処置タスクで為すべき処理事項が処置タスク毎にそれぞれ細かく規定されている。各処置タスクの入力画面301の処理事項掲載領域302に掲載される各処理事項を図8にまとめて示しておく。

【0030】
(サーバーにおける処理方法)
上述の情報端末100における操作を受けて、サーバー200において表示情報を設定し、さらに配信データを生成することにより、各情報端末における医療情報表示を制御する(表示制御処理)。
以下、サーバー200で実行する医療情報表示システムの表示制御処理について、rt-PA静注療法を行うためのチェックリスト作成の処置タスクを例に説明する。
まず、rt-PA静注療法が適応される可能性があると判断される患者の搬送依頼があった時点で、救急外来看護師、血液検査担当技師、放射線技師或いは神経放射線医師、専門病棟看護師、担当専門医師等に、待機要請を発行する。待機要請は電子メール等で伝達され、要請受理の確認手続きをもって待機要請処理が完了する。未完の担当者には再度の要請を電話等で発行する。

【0031】
このようなスクランブルの際に、初期操作をする担当者は、情報端末100を操作して、所定の入力画面から医療情報表示システムにログインする。この操作を受けたサーバー200では、先に図5に示したダッシュボード300の初期画面データを、当該情報端末100に対して配信する。これを受信した情報端末100の表示部110では、図5で示したダッシュボード300が表示される。この後、担当者が新規開始アイコン382をタッチ操作すると、この情報がサーバー200に送信される。

【0032】
サーバー200では、この新規開始アイコン382の入力操作が受信されると、図9のフローチャートで示す処理が実行される。
まず、S10で、先に図3に示した初期画面情報400を読み込み、続くS12では、「1.緊急外来」と「2.採血」に対する画像表示領域310、320の表示色を黄色とする等の処置情報からなる表示情報を設定する。
続くS14では、初期画面情報400に含まれる時間経過表示領域370の表示制御を開始する。この表示制御はスクランブルの終了操作が検出されるまで継続される。
続くS16では、これらをもとに配信データが生成され、その結果が通信制御部236に出力され、配信制御が実行される。
これにより、この時点で医療情報表示システムに接続されている各情報端末100の表示部110には、図3に示すダッシュボード300の画面が表示され、「1.緊急外来」と「2.採血」の両処置タスクが現在待機状態であることが黄色で表示される。このため、処置タスク全体の進捗状況が1つの表示画面で視覚的に容易に把握でき、全体の処置タスクのうち、各処置タスクがどのような進捗状況なのかが、情報端末100を介して関係者全員が明瞭に共有することができる。

【0033】
・処置状況を受信するステップ
次に、例えば待機状態の「採血」が、実際に処置を開始する場合には、この処置タスクの担当者が、情報端末100に画面表示されたダッシュボード300の「採血」の画像表示領域320をタッチ操作する。この入力操作がサーバー200に送信され、サーバー200では「2.採血」に対応する入力画面(図7参照)が、当該情報端末100に対して送信される。すると情報端末100の画面表示がこの入力画面に切り替わり、担当者は「開始」を示す操作アイコン304をタッチして入力操作を行う。
この入力操作はネット回線を介してサーバーへと伝達され、サーバーにおいてこの「開始」という処置タスクの処理状況を受信する。

【0034】
・表示情報を設定するステップ
この入力情報がサーバー200で受信されると、図10のフローチャートで示す処理が実行される。
まずS20では、「採血」の入力画面における入力操作であって、その入力操作が「開始」を示す操作アイコン304によるものであることから、「採血」の処置タスクが「開始」されたことを特定する。
続くS22では終了の操作アイコン304による操作だったかを判断し、ここでは「no」であるのでS24に進む。
S24では「採血」の処置状態が「開始」であるので、画像表示領域320の表示色を青色(図6(c)参照)に設定し、これを表示情報として設定し、記憶部に記録する。具体的には、S26では、直前の各画像表示領域310~360の表示色が記憶部210に記憶されている(初期画面情報)ため、この情報を読み込んで、S24で設定した画像表示領域320の表示色を更新して記憶する。
・配信データを生成するステップ
S28では、ダッシュボード300の表示基準となっている初期画面情報400とS24で設定した表示情報とをもとに配信データを生成する。
・配信するステップ
そして生成された配信データは通信制御部236に出力され、各情報端末に同時に送信される。なお、情報端末で配信を受け取るか否かは任意に設定することも可能であるが、システムの性質上一旦ログインした場合には前処置タスクの終了までサーバーからの配信は自動に受け付けるように通常は設定される。
これにより、今回の処理フローが終了する。この処理により、表示情報設定部232は、採血に対応する画像表示領域の領域表示色が、認識された処置タスクの処置状況である「開始」に応じて青色に変化するように、表示情報を設定している。このような処理を経て配信データが各情報端末100に配信されると、各情報端末100の表示部110には、図11に示すように、採血の処置タスクの画像表示領域320の表示色が青色に表示されたダッシュボート300が表示される。

【0035】
さらに採血の処置が進み、予定の処理項目を全て終了した場合には、この処置タスクの担当者が、情報端末100に画面表示されたダッシュボード300の「採血」の画像表示領域320をタッチ操作すると、この入力操作がサーバー200に送信され、サーバー200では「2.採血」に対応する入力画面(図7参照)が、当該情報端末100に対して送信される。すると情報端末100の画面表示がこの入力画面に切り替わり、担当者は「終了」を示す操作アイコン304をタッチして入力操作を行う。
この入力情報がサーバー200で受信されると、再び図10の処理が起動し、S20に続くS22では終了操作であるため、「yes」と判断されてS30に進み、全ての処置タスクが終了したのかが判断される。ここでは「no」と判断されてS32に進み、現在の処置タスクに対して表示情報が設定されると共に、次段の処置タスクに対しても表示情報が設定される。表示情報設定部は、「2.採血」の処置タスクが終了したことを認識し、その次段の処置タスクとして、「3.採血検査」が指定されているため、現在の処置タスクとなる「採血」の画像表示領域320に対しては正常終了を示す緑色(図6(d)参照)に表示情報を設定すると共に、次段の処置タスクとなる「採血検査」の画像表示領域330の表示色を「処理待ち」を示す黄色に設定する。この後、S24~S28が同様に実行され、情報端末100で表示されるダッシュボード300には、図12に示すように、「1.緊急外来」が黄色、「2.採血」が緑色、「3.血液検査」が黄色の表示色でそれぞれ表示される。このように各情報端末には、処置の進行状況が文字と色とで表示され、しかも複数の情報端末のそれぞれに同時に同じ情報が表示される。そのため各処置担当者が確実に現状を把握することができる。
また、特に図示しないが、表示情報設定部232は、全ての処置タスクが終了する目標時間までの残存時間又は経過時間の両方を常時表示させるように、時間経過表示領域の表示情報を設定し、これを配信する。そのため、ダッシュボード300の時間経過表示領域370には、目標時間、経過時間、残存時間が表示される。

【0036】
このような処理を繰り返し、全ての処置タスクが正常に終了した場合には、図10のS30において「yes」と判断されてS34に進み、所定の終了処理を実行してこのルーチンを終了する。所定の終了処理とは、例えば、所定の時間、画像表示領域310~360が全て緑色で表示された状態をネットワーク上に配信した後、図5に示したように、ダッシュボード300上にスクランブル処置が実行されていない平常時の状態を表示し、或いは、各種の入力情報、更新情報などを記憶部210に記憶する。また、ダッシュボード300の中央部の時間経過表示領域370の表示制御を終了させるなどの処理が含まれる。
また、配信データ生成部234では、表示情報設定部232で設定される表示情報のうち、一部の処置タスクにおける表示情報と、個別初期画面情報とをもとに、特定の情報端末に配信する個別配信データを生成することも可能である。
本実施形態で示した医療情報表示システムを採用することにより、図13に示す各処置タスクのシーケンスの現状を輪切りにして、視覚的・効果的に表示することができる。
本実施形態について説明したように、本発明の医療情報表示システムは、一連の医療における処置を処置の要素ごとに区分けし、区分けされた処置タスクごとに1つの画像表示領域として表示部に表示させる。また、表示部にはこの画像表示領域をすべての処置タスクを一つの画面に表示することで処置全体を一目で把握できるようにしている。さらに処置全体を統括できる情報も同一画面上に表示される。
そして、これらの情報を確認しつつ所定の処置の進行又は所定の処置の準備状況(処置状況)を入力すると、サーバーの表示情報設定部で入力された処置状況を処理して画像表示領域の画像、文字、及びそれらの色を変動させると共に処置全体を統括できる情報(すべてをもって表示情報)を設定する。
そして、初期状態から起動した際には、配信データ生成部でこの表示情報と初期画面情報とを基に配信データを生成し、各情報端末に配信する。これにより初期画面情報に表示情報が加味され、現状における処置タスクの進行状況を反映した現在画面が表示部110上に表示されることになる。以下、この現在画面を形成する情報を、現在画面情報をいう。この現在画面情報は記憶部に記憶され、初期画面情報に代わって前記表示情報とこの現在画面情報(現在画面情報Aという)とを用いて配信データが生成され、現在画面情報は、この配信データを現在画面情報1に当てはめて形成される最新の現在画面情報Bに更新される。このように画面情報は、順次更新され、更新された画面情報と表示場譲渡に基づいて配信データが生成される。 本発明においては、サーバーにおける記憶部には、処置の種類(脳疾患か否か等)を確認して適した処理プログラムを選定して、選定された処理プログラムに従って上述の図9に示す処理を行うように処理プログラムが記録されている。また、各処置タスクにおける処置の進行段階ごとに処置時間(閾値)があらかじめ設定されており、かかる処置時間を超えた場合には、赤色になるように処理プログラムが組まれている。なお、色は任意であり種々の色を採用可能である。また、色の変化では表示方式の変化、例えば点滅するようにする、などを採用することも可能である。
上述の閾値として設定できる要素としては、以下の各要素が挙げられる。
(A)病院到着からの時間(図3の370で表示した部分の表示)
(B)各処理タスクの処理時間(図3の310~370で表示した部分の表示)
(C)各処理タスクステップの開始時間(図3の310~370で表示した部分の表示)、各処理タスクの関連から開始できる段階だが、所定時間経過しても開始されないときは点滅等で警告を発する。例えば、図12の状態で、330で表示される部分が所定時間経過しても開始状態を示す青色に変化しない場合等である。
(D)スタンバイ依頼に対してスタンバイOKの返事が所定時間経過しても無い場合。
(E)関係者にスクランブルの連絡をしても、所定時間システムへのログインがない場合。
これらの他以下のように設定することもできる。
1) Onset-to-Arrival Tim: 発症から来院までの時間(市民啓蒙や救急体制の指標)
2) Onset-to-Needle Time: 発症からrt-PA投与までの時間
3) Door-to-Stroke Team Notification Time: 来院から脳卒中専門医への連絡時間
4) Door-to-Stroke Team Bedside Time: 来院から脳卒中専門医が診察を開始するまでの時間
5) Door-to-CT/MRI Time: 来院後CT/MRI撮影までの時間
6) Door-to-CBC Time: 来院から血液検査(血小板等)結果が出るまでの時間
7) Door-to-PTT Time: 来院から凝固系採血結果が出るまでの時間
8) Door-to-Grion puncture Time: 来院から穿刺までの時間(血管内治療を行う場合)
9) Door-to-Reperfusion Time: 来院から血流再開までの時間(血管内治療を行う場合)
10) Onset-to-Reperfusion Time: 発症から血流再開までの時間

【0037】
〔プログラム〕
本発明のプログラムは、上述のシステムを行うためのプログラムであって、主として前記サーバーを所望の動作をさせるように設定されたものであり、前記サーバーを構成するコンピュータに前記の処置状況を受信するステップと、表示情報を設定するステップと、配信データを生成するステップと、配信するステップと、を実行させる。このように作用させるものであれば、プログラムコードや言語は特に制限されず任意の言語で構成することができる。

【0038】
なお、本発明は上述の実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、本実施形態では初期画面情報400に6角形の画像表示領域を6つ、環状に配設する例を示したが、画像表示領域の形状や個数(処置タスクの表示数)、配置形態も図示の例に限定するものではなく、適宜変更可能である。また初期画面情報400を患者の症状等に応じて複数種を準備しておき、搬送される患者の症状等に応じて、適宜選択的に用いることもできる。

【0039】
サーバー200から配信する配信情報として、医療情報表示システムのネットワークに接続した全ての情報端末100に対して同一の配信データを送信する場合を例示したが、このほかにも、特定の情報端末に対し、特定の配信データのみを個別に送信する構成を採用することも可能である。例えば、特定の処置タスクに配置された情報端末100に、その処置タスクに関する情報のみ、或いはその処置タスクとその前段の処置タスクの2つの情報を配信する場合には、画像表示領域が1つ或いは2つ形成された初期画面情報に対して、該当する処置タスクの表示情報を設定して配信すればよい。

【0040】
さらに、処置タスクの進捗状況など示す、画像表示領域の表示情報として、表示色を変化させる場合を説明したが、この例に限定するものではなく、例えば、各処置タスクの進捗を棒グラフの長さで表示するなどでも良い。また、処理待ちの時間が長すぎる場合、処置の想定時間を超えた場合或いは人数不足等で未スタンバイの場合などの状況では、アラートを表示させることもでき、この場合、該当する処置タスクの画像表示領域を明滅・点滅表示させ、或いはアラーム音を発しても良い。目視以外にも進捗等を把握できるように音声案内を併用することも可能である。また、処置タスクの進捗等を入力する入力機器としても、単色毎に別体のスイッチとして構成し、腕や脚など身体の一部を用いて、このスイッチを押すなどの入力手法を採用しても良い。
本実施形態では、時間経過表示領域370には、目標時間までの残り時間と病院到着からの経過時間を表示させる例を示したが、すくなくとも一方を常時表示させることが望ましい。また、時間経過表示領域370として背景を白色の表示色で示し、残り時間を黒色の数字で表示する状態を例示したが、目標時間に対する残り時間が少なくなった場合には、背景色や数字色を変化させ、あるいは点滅させるなど、表示状態を変化させてもよい。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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