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明細書 :血流プロファイルの測定方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-131836 (P2016-131836A)
公開日 平成28年7月25日(2016.7.25)
発明の名称または考案の名称 血流プロファイルの測定方法
国際特許分類 A61B   5/055       (2006.01)
FI A61B 5/05 380
A61B 5/05 382
請求項の数または発明の数 9
出願形態 OL
全頁数 15
出願番号 特願2015-010439 (P2015-010439)
出願日 平成27年1月22日(2015.1.22)
発明者または考案者 【氏名】竹原 康雄
【氏名】杉山 将隆
出願人 【識別番号】504300181
【氏名又は名称】国立大学法人浜松医科大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100106909、【弁理士】、【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100094400、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 三義
【識別番号】100086379、【弁理士】、【氏名又は名称】高柴 忠夫
【識別番号】100149548、【弁理士】、【氏名又は名称】松沼 泰史
審査請求 未請求
テーマコード 4C096
Fターム 4C096AA08
4C096AA10
4C096AB50
4C096BA18
4C096BA38
4C096DC35
4C096DC38
4C096DD07
要約 【課題】3D cine PC MRにより取得されたデータに基づいて、血管の血流プロファイルをより正確に測定するための方法及び当該方法を実施する血流量測定装置を提供する。
【解決手段】血流プロファイルの測定方法は、(1)3D cine PC MRのマグニチュード画像から、3次元の血管構造を描出する血管画像を構築する工程と、(2)3D cine PC MRの位相画像から、前記血管画像中の血管内の各座標における血流ベクトルを計測する工程と、(3)前記血流ベクトルに基づいて、前記血管画像中の血管壁の境界座標におけるAWSS又はOSIを計測する工程と、(4)前記血管画像中の血管壁のうち、AWSSが所定の第1の閾値以上である、又はOSIが所定の第2の閾値以下である境界座標のみからなる測定断面を抽出する工程と、(5)前記測定断面における血流プロファイルを測定する工程と、を有する。
【選択図】図3
特許請求の範囲 【請求項1】
(1) 3次元シネ位相コントラスト磁気共鳴法により取得されたマグニチュード画像から、3次元の血管構造を描出する血管画像を構築する工程と、
(2) 3次元シネ位相コントラスト磁気共鳴法により取得された位相画像から、前記血管画像中の血管内の各座標における血流ベクトルを計測する工程と、
(3) 前記血流ベクトルに基づいて、前記血管画像中の血管壁の境界座標における時間平均壁面剪断応力又は振動剪断インデックスを測定する工程と、
(4) 前記血管画像中の血管壁のうち、時間平均壁面剪断応力が所定の第1の閾値以上である、又は振動剪断インデックスが所定の第2の閾値以下である境界座標のみからなる測定断面を抽出する工程と、
(5) 前記測定断面における血流プロファイルを測定する工程と、
を有する、血流プロファイルの測定方法。
【請求項2】
前記工程(4)において、間平均壁面剪断応力が前記第1の閾値以上であり、かつ振動剪断インデックスが前記第2の閾値以下である境界座標のみからなる測定断面を抽出する、請求項1に記載の血流プロファイルの測定方法。
【請求項3】
前記工程(4)において、複数の測定断面を抽出し、
抽出された複数の測定断面から任意に選択された1つについて、前記工程(5)を行う、請求項1又は2に記載の血流プロファイルの測定方法。
【請求項4】
前記血管画像が、前記マグニチュード画像から、最大強度投影法によって3次元の血管構造が再構築されたものである、請求項1~3のいずれか一項に記載の血流プロファイルの測定方法。
【請求項5】
前記第1の閾値が、0.2~0.8Paの範囲内の数値である、請求項1~4のいずれか一項に記載の血流プロファイルの測定方法。
【請求項6】
前記第2の閾値が、0.2~0.4の範囲内の数値である、請求項1~5のいずれか一項に記載の血流プロファイルの測定方法。
【請求項7】
さらに、前記工程(5)において測定された血流プロファイルに基づいて、前記測定断面における血流量を測定する、請求項1~6のいずれか一項に記載の血流プロファイルの測定方法。
【請求項8】
前記測定断面における血流量が、前記測定断面における1心拍当たりの血流量である、請求項7に記載の血流プロファイルの測定方法。
【請求項9】
3次元シネ位相コントラスト磁気共鳴法により取得されたマグニチュード画像及び位相画像を取得するデータ取得部と、
前記データ取得部において取得したマグニチュード画像及び位相画像、時間平均壁面剪断応力の計測値について設定された第1の閾値、並びに、振動剪断インデックスの計測値について設定された第2の閾値を格納する記憶部と、
前記記憶部に格納されたマグニチュード画像、位相画像、第1の閾値、及び第2の閾値に基づき、血流プロファイル及び血流量を測定する制御部と、
血流プロファイル及び血流量を測定した測定断面、血流プロファイル、並びに血流量を表示する表示部とを備え、
前記制御部が、
前記記憶部のマグニチュード画像から、3次元の血管構造を描出する血管画像を構築する血管画像構築部と、
前記記憶部の位相画像と前記血管画像構築部により構築された血管画像から、前記血管画像中の血管内の各座標における血流ベクトルを計測する血流ベクトル計測部と、
前記血流ベクトル計測部により得られた血流ベクトルと前記血管画像構築部により構築された血管画像から、前記血管画像中の血管壁の境界座標における時間平均壁面剪断応力及び振動剪断インデックスを計測するAWSS/OSI計測部と、
前記血管画像中の血管壁のうち、時間平均壁面剪断応力が前記記憶部に格納されている第1の閾値以上である、又は振動剪断インデックスが前記記憶部に格納されている第2の閾値以下である境界座標のみからなる測定断面を抽出する測定断面抽出部と、
前記測定断面抽出部により抽出された測定断面における血流プロファイル及び血流量を測定する血流量測定部とを含む、血流量測定装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元シネ位相コントラスト磁気共鳴法(3D cine PC MR)により取得されたデータに基づいて、血管の血流プロファイル(血管断面における血流速度の時間的プロファイル)をより正確に測定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非侵襲的に臓器の血流量を知ることは、臨床的に大きな意義があり、超音波ドプラ法、核医学のトレーサーを用いた計測法、MRI(Magnetic Resonanse Imaging)によるシネ位相コントラスト法等の様々な方法で試みられている。シネ位相コントラスト磁気共鳴法は、双極傾斜磁場中で流速によって誘発されるMR信号の位相シフトを利用して流れている血液と静止組織を識別することにより画像化する位相コントラスト法において、撮像のタイミングを心電図同期し、心周期の各時点において撮像する方法である。当該方法には、2次元断面での計測を行う2次元シネ位相コントラスト磁気共鳴法と、3次元の血流ベクトルを測定する3次元シネ位相コントラスト法がある。
【0003】
これらの計測方法のうち、超音波ドプラ法では、血流の流速を計測可能であるが、客観性に乏しく、観測者によって再現性がやや悪いという問題点がある。また、核医学による方法は、放射性トレーサーの静脈注射が必要であること、患者や検査施行者に電離放射線被曝を伴うこと等の問題がある。2次元シネ位相コントラスト法では、至適な測定断面を検査開始前から知ることはできないため、測定血管上に盲目的に多数の断面の設定を行う必要がある。これらの制約のため、これらの方法による臓器血管血流量測定の普及が妨げられている。
【0004】
3次元シネ位相コントラスト法によって測定されたデータと血流解析アプリケーションにより、解析目的の血管領域内の血液の流速及び流量の定量や、流線、血管壁の剪断応力等の解析が可能である。3次元シネ位相コントラスト法では、2次元シネ位相コントラスト法とは異なり、データ収集後に任意の測定断面を設定できるため、より正確な血流量をレトロスペクティブに測定することができる。さらに、空間分解能が高く、複雑な血管走行の描出に優れるという利点もある(例えば、非特許文献1参照。)。一方で、3次元シネ位相コントラスト法は、撮像時間が長いため、血管内に生ずる乱流の影響を受けやすいという問題がある。このため、例えば選択した測定断面によっては、乱流の影響により測定流量が大きく変動し、測定結果が不正確となるという問題がある(例えば、非特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【0005】

【非特許文献1】Markl,et al.,‘Time-Resolved Three-Dimensional Phase-Contrast MRI’,JOURNAL OF MAGNETIC RESONANCE IMAGING,2003,vol.17,p.499-506.
【非特許文献2】Ishikawa,et al.,‘Hemodynamic assessment in a child with renovascular hypertension using time-resolved three-dimensional cine phase-contrast MRI.’,JOURNAL OF MAGNETIC RESONANCE IMAGING,2014 Feb 24,DOI: 10.1002/jmri.24522
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、3D cine PC MRにより取得されたデータに基づいて、血管の血流プロファイルをより正確に測定するための方法、及び当該方法を実施する血流量測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の血流プロファイルの測定方法及び血流量測定装置を提供するものである。
[1] (1) 3次元シネ位相コントラスト磁気共鳴法により取得されたマグニチュード画像から、3次元の血管構造を描出する血管画像を構築する工程と、
(2) 3次元シネ位相コントラスト磁気共鳴法により取得された位相画像から、前記血管画像中の血管内の各座標における血流ベクトルを計測する工程と、
(3) 前記血流ベクトルに基づいて、前記血管画像中の血管壁の境界座標における時間平均壁面剪断応力又は振動剪断インデックスを測定する工程と、
(4) 前記血管画像中の血管壁のうち、時間平均壁面剪断応力が所定の第1の閾値以上である、又は振動剪断インデックスが所定の第2の閾値以下である境界座標のみからなる測定断面を抽出する工程と、
(5) 前記測定断面における血流プロファイルを測定する工程と、
を有する、血流プロファイルの測定方法。
[2] 前記工程(4)において、間平均壁面剪断応力が前記第1の閾値以上であり、かつ振動剪断インデックスが前記第2の閾値以下である境界座標のみからなる測定断面を抽出する、前記[1]の血流プロファイルの測定方法。
[3] 前記工程(4)において、複数の測定断面を抽出し、
抽出された複数の測定断面から任意に選択された1つについて、前記工程(5)を行う、前記[1]又は[2]の血流プロファイルの測定方法。
[4] 前記血管画像が、前記マグニチュード画像から、最大強度投影法によって3次元の血管構造が再構築されたものである、前記[1]~[3]のいずれかの血流プロファイルの測定方法。
[5] 前記第1の閾値が、0.2~0.8Paの範囲内の数値である、前記[1]~[4]のいずれかの血流プロファイルの測定方法。
[6] 前記第2の閾値が、0.2~0.4の範囲内の数値である、前記[1]~[5]のいずれかの血流プロファイルの測定方法。
[7] さらに、前記工程(5)において測定された血流プロファイルに基づいて、前記測定断面における血流量を測定する、前記[1]~[6]のいずれかの血流プロファイルの測定方法。
[8] 前記測定断面における血流量が、前記測定断面における1心拍当たりの血流量である、前記[7]の血流プロファイルの測定方法。
[9] 3次元シネ位相コントラスト磁気共鳴法により取得されたマグニチュード画像及び位相画像を取得するデータ取得部と、
前記データ取得部において取得したマグニチュード画像及び位相画像、時間平均壁面剪断応力の計測値について設定された第1の閾値、並びに、振動剪断インデックスの計測値について設定された第2の閾値を格納する記憶部と、
前記記憶部に格納されたマグニチュード画像、位相画像、第1の閾値、及び第2の閾値に基づき、血流プロファイル及び血流量を測定する制御部と、
血流プロファイル及び血流量を測定した測定断面、血流プロファイル、並びに血流量を表示する表示部とを備え、
前記制御部が、
前記記憶部のマグニチュード画像から、3次元の血管構造を描出する血管画像を構築する血管画像構築部と、
前記記憶部の位相画像と前記血管画像構築部により構築された血管画像から、前記血管画像中の血管内の各座標における血流ベクトルを計測する血流ベクトル計測部と、
前記血流ベクトル計測部により得られた血流ベクトルと前記血管画像構築部により構築された血管画像から、前記血管画像中の血管壁の境界座標における時間平均壁面剪断応力及び振動剪断インデックスを計測するAWSS/OSI計測部と、
前記血管画像中の血管壁のうち、時間平均壁面剪断応力が前記記憶部に格納されている第1の閾値以上である、又は振動剪断インデックスが前記記憶部に格納されている第2の閾値以下である境界座標のみからなる測定断面を抽出する測定断面抽出部と、
前記測定断面抽出部により抽出された測定断面における血流プロファイル及び血流量を測定する血流量測定部とを含む、血流量測定装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る血流プロファイルの測定方法及び血流量測定装置により、3D cine PC MRにより取得されたマグニチュード画像及び位相画像のデータに基づいて、より正確に血流プロファイル及び血流量を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る血流量測定装置の構成の一態様を示す図である。
【図2】本発明に係る血流量測定装置が有する制御部の機能構成を示す図である。
【図3】本発明に係る血流量測定装置が有する制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】実施例1において、血管表面にOSIの計測値を濃淡表示した血管画像である。
【図5】実施例1において、血管表面にAWSSの計測値を濃淡表示した血管画像である。
【図6】実施例1において、測定断面A~Dにおける流速カーブ(縦軸:平均流速(cm/秒)、横軸:時間(秒))を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
位相コントラスト磁気共鳴法は、MRIの撮像を、撮影断面に傾斜磁場をかけて行う方法であり、プロトンの歳差運動の位相差から水分子の運動速度の分布を推定できる。3次元位相コントラスト磁気共鳴法では、位相コントラスト磁気共鳴法を3次元的に撮像する方法であり、具体的には、XYZ軸方向に双極傾斜磁場をかけて位相差を信号の差として計測する。このため、XYZ軸方向の位相データから取得された位相画像の各ピクセルは、当該ピクセルにおける血流の方向と血流速度の大きさのデータを有している。一方で、3次元位相コントラスト磁気共鳴法により取得されたマグニチュード画像(信号強度によって血管等が描出される形態画像)を積層することにより、血管形状を3次元的に描出した血管画像が得られる。そこで、位相画像を積層したものを、さらにマグニチュード画像から得られた血管画像と重ね合わせることにより、血流の速度分布の情報(血管内の任意の空間的位置における血流ベクトル(血液の流れの方向と速さ))が得られる。

【0011】
血流量は、心臓の拍動により、1心拍内に流量と流速が周期的に変化する。このため、特に、血流を求める血管が大動脈や分配動脈である場合には、1心拍当たりの血流量を求めることが好ましい。3D cine PC MRは、3次元位相コントラスト磁気共鳴法を、心電図の心周期に沿って経時的に連続して撮像する方法であり、撮像範囲内の全ての時空間の速度ベクトル(血流ベクトル)を計測できる。3D cine PC MRは、1心拍の各心時相における3次元的な血流情報が得られるため、4D flow MRとも呼ばれる。

【0012】
目的血管の血流プロファイル及び血流量は血流ベクトルの情報から測定することができるが、目的血管に渦流等の乱流が生じている場合には、測定流量が大きく変動し、測定結果が不正確となる。このため、より正確な血流プロファイル及び血流量を測定するためには、測定断面を、目的血管のうち乱流が生じていない領域に設定することが好ましい。

【0013】
例えば、1心拍の各心時相における血管内の各空間座標(各ピクセル)における血流ベクトルの情報から、血流の流線画像を血管画像と重ね合わせ、直接目視することによって、目的血管のうち、乱流が生じておらず、層流が生じている部分に測定断面を設定することができる。しかしながら、測定断面を目視によって設定する場合には、細かい乱流は見落とし易く、測定者による差も大きくなるおそれがある。

【0014】
本発明に係る血流プロファイルの測定方法は、3D cine PC MRにより取得されたデータに基づいて目的血管の血流プロファイルを測定する方法であって、血流プロファイルを測定するための血管断面を、目的血管のうち、時間平均壁面剪断応力(time-averaged wall shear stress:AWSS)が低すぎない、又は振動剪断インデックス(oscillating shear index:OSI)が高すぎない領域に設定する方法である。乱流が生じている血管では、AWSSが低く、OSIが高い傾向にある。このため、血流プロファイルを測定する血管の測定断面を、AWSSが低い領域やOSIが高い領域を避けて設定することにより、乱流の影響が少なく、血流プロファイルが安定している部分で血流量を測定できるため、より正確な血流量が測定できる。

【0015】
なお、本発明に係る血流プロファイルの測定方法では、3D cine PC MRにより取得されたデータに基づいて血流プロファイル及び血流量を測定するが、CFD(Computational Fluid Dynamics)解析において流路をシミュレーションする場合にも、血流プロファイル及び血流量の測定断面を、血管壁のうちAWSSが低い領域やOSIが高い領域を避けて設定することにより、より正確な血流量が測定できる。

【0016】
すなわち、本発明に係る血流プロファイルの測定方法は、下記の工程(1)~(5)を有することを特徴とする。
(1) 3D cine PC MRにより取得されたマグニチュード画像から、3次元の血管構造を描出する血管画像を構築する工程と、
(2) 3D cine PC MRにより取得された位相画像から、前記血管画像中の血管内の各座標における血流ベクトルを計測する工程と、
(3) 前記血流ベクトルに基づいて、前記血管画像中の血管壁の境界座標におけるAWSS又はOSIを計測する工程と、
(4) 前記血管画像中の血管壁のうち、AWSSが所定の第1の閾値以上である、又はOSIが所定の第2の閾値以下である境界座標のみからなる測定断面を抽出する工程と、
(5) 前記測定断面における血流プロファイルを測定する工程。

【0017】
工程(1)で用いられるマグニチュード画像及び工程(2)で用いられる位相画像を取得するための3D cine PC MRは、双極傾斜磁場をかけることが可能であり、かつ予め設定されたシークエンスに従い経時的に撮像可能なMRIシステムを用いて、血流プロファイルを測定する目的の血管が撮像範囲に含まれるようにして常法により実施することができる。このようなMRIシステムとしては、例えば、「Signa Advantage Exite 1.5T」、「Signa HDxt 3.0T」、「Discovery MR750 3.0T」、「Discovery MR750w 3.0T」(GEHC社製)、「MAGNETOM Verio 3T」(SIEMENS社製)、「Ingenia 3.0T」、「Ingenia 1.5T」、「Achieva 1.5T」(Philips Electronics社製)等が挙げられる。3D cine PC MRによる撮像を行う前に、予め、2次元シネ位相コントラスト磁気共鳴法を行い、VENC(velocity encoding)を決定しておくことが好ましい。

【0018】
工程(1)で用いられるマグニチュード画像は、造影剤を使用せずに撮像されたものであってもよく、造影剤を使用して撮像されたものであってもよい。造影剤としては、ガドリニウム又はその誘導体が挙げられる。

【0019】
また、マグニチュード画像からの3次元の血管構造を描出する血管画像の構築は、各種MIP(maximum intensity projection:最大値投影法)等の血管画像の構築に使用されている画像処理方法を利用して行うことができる。構築された血管画像中の血管壁の境界座標は、例えば、閾値法、領域拡張法等の画像のセグメンテーション処理に使用されている各種画像解析方法により決定することができる。

【0020】
工程(2)で用いられる位相画像は、XYZ軸方向にそれぞれ双極傾斜磁場をかけて撮像された位相画像であることが好ましい。各方向の双極傾斜磁場の位相画像を重ね合わせ、さらに工程(1)で得られた血管画像と重ね合わせることにより、血管内の各空間座標における血流ベクトルが計測される。血流ベクトルは、例えば、X軸方向成分、Y軸方向成分、及びZ軸方向成分として表される。求められた血流ベクトルは、phase velocity mapping等の血流速度分布解析に使用されている画像処理方法を利用して可視化することができる。

【0021】
次いで、工程(3)として、工程(2)で求められた血流ベクトルと、工程(1)で求められた血管画像に基づき、血管壁の境界座標におけるAWSS又はOSIを計測する。AWSS及びOSIは、血流解析処理システム「GT Flow」(GyroTool社製)等の一般的に用いられる血流解析アプリケーションにより算出することができる。

【0022】
半径rの血管内を粘度μの血液が流れているとき、血管壁に近い血液は粘性によって引きずられて血流が中央に比べて遅くなる。そのため、血流の速度分布は流れの軸からの半径方向の距離r方向に速度勾配を生ずる。壁面剪断応力(WSS)は、血液の流速uと血管の半径rから下記式(1)で表され、AWSSは下記式(2)、OSIは下記式(3)で求められる。

【0023】
【数1】
JP2016131836A_000003t.gif

【0024】
工程(3)の後、工程(4)として、前記血管画像中の血管壁のうち、AWSSが第1の閾値以上である、又はOSIが第2の閾値以下である境界座標のみからなる測定断面を抽出する。測定断面は、目的血管に対して垂直に設定される。抽出される測定断面は、目的血管に対して1つのみであってもよく、2以上であってもよい。

【0025】
第1の閾値は、AWSSの計測値について設定されたものであり、AWSSの計測値は、乱流が生じている領域とそれ以外の層流領域とを区別するための境界値である。第2の閾値は、OSIの計測値について設定されたものであり、OSIの計測値を、乱流が生じている領域とそれ以外の領域とを区別するための境界値である。本発明においては、より乱流の影響の小さい測定断面を抽出できることから、AWSSが第1の閾値以上であり、かつOSIが第2の閾値以下である境界座標のみからなる測定断面を抽出することが好ましい。

【0026】
第1の閾値及び第2の閾値は、解析に用いたマグニチュード画像や位相画像の撮像条件、血流プロファイルを測定する目的血管の種類や生体における部位、当該目的血管を有する動物の種類や病態等を考慮して適宜設定することができる。例えば、血管が分岐している部分や大きく屈曲している部分では乱流が生じ易い傾向にあることから、第1の閾値及び第2の閾値は、それぞれ、血管の分岐部や屈曲部が除かれるように設定することができる。また、血流の流線解析から乱流が生じている部位が除かれるように、経験に基づいて決定することもできる。例えば、第1の閾値としては、例えば、0.2~0.8Paの範囲内の数値とすることができ、0.2~0.4Paの範囲内の数値とすることが好ましい。また、第2の閾値としては、例えば、0.4以下の数値とすることができ、0.1~0.4の範囲内の数値とすることが好ましく、0.1~0.3の範囲内の数値とすることがより好ましい。

【0027】
第1の閾値及び第2の閾値は、工程(4)の前に設定されていればよく、工程(3)を実施する前に予め設定されていてもよく、工程(3)で得られたAWSS又はOSIの計測値に基づいて設定してもよい。例えば、構成された血管画像中の全ての血管壁におけるOSIの計測値の第1四分位値(計測値を小さい順に並べて25%目の値)や第2四分位値(計測値を小さい順に並べて50%目の値、中央値)を第2の閾値とすることができる。同様に、構成された血管画像中の全ての血管壁におけるAWSSの計測値の第1四分位値や第2四分位値を第2の閾値とすることができる。

【0028】
例えば、血管画像中の血管表面を、OSIの計測値又はAWSSの計測値により色分けし、血管表面の色を指標として、測定断面を抽出してもよい。例えば、血管画像中の血管表面を、OSIの計測値が大きいほど色が濃くなるようにOSIの計測値の大小に応じて濃淡で色分けしたOSI濃淡画像を作成することにより、OSIの計測値を可視化できる。測定断面は、OSI濃淡画像中の目的血管のうち、OSIが第2の閾値以下である淡色領域に設定する。また、血管画像中の血管表面を、OSIの計測値が第2の閾値以下の領域を白色に、第2の閾値超の領域を白色以外の色に、それぞれ色分けする2値化処理によって2色画像を作成した場合には、血管壁が白色の領域から測定断面を抽出する。AWSSについても同様に、AWSSの計測値の大小に応じて色分けした画像に基づいて測定断面を抽出することができる。

【0029】
最後に工程(5)として、工程(4)において抽出された測定断面における血流プロファイルを測定する。血流プロファイルは、測定断面における各心時相における血流速度に基づいて測定する。血流速度は、当該測定断面中の各ピクセルにおける血流ベクトルの当該測定断面に垂直方向(すなわち、血管と並行な方向)の成分の大きさの総和である。

【0030】
工程(5)において測定された血流プロファイルに基づいて、前記測定断面における血流量を測定することができる。本発明においては、測定断面における1心拍当たりの血流量、又は1心拍当たりの血流量を1心拍の時間で除した血流量を測定する。具体的には、血流プロファイル曲線の曲線下面積(area under the curve:AUC)を、1心拍当たりの血流量とする。測定断面における、当該測定断面に垂直方向の平均血流速度と当該測定断面の面積の積として求めてもよい。なお、測定断面における血流プロファイル及び1心拍当たりの血流量等は、「GT Flow」(GyroTool社製)等の一般的に用いられる血流解析アプリケーションにより計測することができる。

【0031】
前記工程(4)において、複数の測定断面を抽出した場合には、抽出された全ての測定断面について血流プロファイルを測定してもよく、抽出された複数の測定断面から任意に選択された1つについて血流プロファイルを測定してもよい。複数の測定断面から血流プロファイルを測定する1の測定断面の選抜は、OSIの計測値やAWSSの計測値に基づいて行ってもよく、血管形状等のその他の指標に基づいて行ってもよい。例えば、測定断面を構成する血管壁の境界座標のOSIの最大値が最も小さい測定断面を、血流プロファイルを測定する測定断面として選抜することができる。また、比較的細い血管や、湾曲部、分岐部では乱流が生じ易いことから、血流プロファイルを測定する1の測定断面は、これらの部分以外から抽出された測定断面の中から選抜されることが好ましい。例えば、分枝する前の本幹にあり、湾曲部ではなく、分岐部からある程度の助走距離のある部分にある測定断面を、血流プロファイルを測定する測定断面として選抜することができる。

【0032】
本発明に係る血流プロファイルの測定方法は、3D cine PC MRにより取得されたマグニチュード画像及び位相画像を取得するデータ取得部と、前記データ取得部において取得したマグニチュード画像及び位相画像、第1の閾値、及び第2の閾値を格納する記憶部と、前記記憶部に格納されたマグニチュード画像、位相画像、第1の閾値、及び第2の閾値に基づき、血流プロファイル及び血流量を測定する制御部と、血流プロファイル及び血流量を測定した測定断面、血流プロファイル、並びに血流量を表示する表示部とを備える血流量測定装置を用いても実施することができる。当該血流量測定装置の一態様を図1に示す。図1に示すように、血流量測定装置1は、制御部2、データ取得部3、記憶部4、及び表示部5を備える。

【0033】
制御部2は、CPU等の演算手段を備え、血流量測定装置1を制御する処理部であり、記憶部4に格納されたプログラムに従って動作する。制御部2は、データ取得部3により取得した3D cine PC MRのデータに基づき、目的血管から血流プロファイル及び血流量を測定するための測定断面を抽出して血流プロファイル及び血流量を測定し、測定された結果を表示部5に示す。

【0034】
データ取得部3は、3D cine PC MRにより取得されたマグニチュード画像及び位相画像を取得する処理部である。データ取得部3からは、その他にも、心電図データを取得することもできる。データ取得部3により取得されたデータは、制御部2の制御により記憶部4に格納される。データ取得部3は、3D cine PC MRが実施可能なMRI装置に直接接続されていてもよい。

【0035】
記憶部4は、データ取得部3において取得したマグニチュード画像及び位相画像、前記第1の閾値、並びに前記第2の閾値を格納する処理部である。第1の閾値及び第2の閾値は、予め設定された値が、入力されて記憶部4に格納されてもよく、制御部2による演算の結果から設定されたものが、記憶部4に格納されてもよい。制御部2により生成された画像データや、制御部2による演算結果等も格納される。記憶部4は、磁気ハードディスクや半導体記憶デバイス等の不揮発性記憶デバイスを用いて構成されており、制御部2のワークメモリとしても動作する。

【0036】
表示部5は、記憶部4に格納されている画像データや、制御部2による演算結果等の各種情報を表示する処理部である。表示部5は、液晶表示パネル、有機EL表示パネル等の表示デバイスを用いて構成されている。

【0037】
図2は、制御部2の機能構成を示す図である。制御部2は、血管画像構築部21と、血流ベクトル計測部22と、AWSS/OSI計測部23と、測定断面抽出部24と、血流量測定部25とを含む。図3は、3D cine PC MRにより取得されたマグニチュード画像及び位相画像が、データ取得部3を介して記憶部4に格納された後、血流プロファイル及び血流量を測定するまでの制御部2の処理手順を示すフローチャートである。図3中のステップS1~S5(本発明に係る血流プロファイルの測定方法の工程(1)~(5))はそれぞれ制御部2が実施する動作である。

【0038】
まず、血管画像構築部21が、記憶部4からマグニチュード画像を読み出し、このマグニチュード画像から、3次元の血管構造を描出する血管画像を構築する(ステップS1)。構築された血管画像については、血管壁の境界座標も決定する。血管壁の境界座標は、例えば、閾値法、領域拡張法等の画像のセグメンテーション処理に使用されている各種画像解析方法により決定することができる。構築された血管画像と血管壁の境界座標は、使用したマグニチュード画像と関連づけて記憶部4に格納される。次いで、血流ベクトル計測部22により、記憶部4から位相画像と血管画像構築部21により構築された血管画像を読み出し、血管画像中の血管内の各座標における血流ベクトルを計測する(ステップS2)。計測された各座標における血流ベクトルは、使用した血管画像と関連づけて記憶部4に格納される。

【0039】
次に、AWSS/OSI計測部23が、血流ベクトル計測部22により得られた各座標の血流ベクトルと血管画像構築部21により構築された血管画像から、血管画像中の血管壁の境界座標におけるAWSS及びOSIを計測する(ステップS3)。AWSS/OSI計測部23によるAWSS及びOSIの計測は、例えば、AWSS及びOSIの計測に従来から用いられている血流解析アプリケーションと同様に行うことができる。計測された各境界座標におけるAWSS及びOSIは、使用した血管画像及び血流ベクトルと関連づけて記憶部4に格納される。

【0040】
続いて、測定断面抽出部24が、記憶部4から血管画像と、各血管壁の境界座標におけるAWSSの計測値及び第1の閾値、又はOSIの計測値と及び第2の閾値とを読み出し、血管画像中の血管壁のうち、AWSSの計測値が第1の閾値以上である、又はOSIの計測値が第2の閾値以下である境界座標のみからなる測定断面を抽出する(ステップS4)。抽出される測定断面は、1つのみでもよく、2以上であってもよい。抽出された測定断面は、使用した血管画像と、AWSSの計測値及び/又はOSIの計測値と関連づけて記憶部4に格納される。

【0041】
第1の閾値及び第2の閾値を、予め設定せず、ステップS3において得られたAWSS及びOSIの測定値から設定する場合には、制御部2は、さらに閾値設定部を有し、ステップS3の後、ステップS4の前に、閾値設定部は、AWSSの計測値又はOSIの計測値に基づき、第1の閾値又は第2の閾値を設定する(図示せず。)。例えば、閾値設定部が、ステップS3において計測された全てのOSI計測値の第1四分位値や第2四分位値を算出し、これを第2の閾値として設定することができる。同様に、閾値設定部が、ステップS3において計測された全てのAWSS計測値の第1四分位値や第2四分位値を算出し、これを第1の閾値として設定することができる。

【0042】
ステップS4において抽出された測定断面は、制御部2の制御により、血管画像と共に表示部5に表示させることができる。当該血管画像の血管壁表面は、OSI又はAWSSの計測値により色分けして表示することが好ましい。例えば、OSI計測値の最小値から最大値までをN等分割し、各分割に対してそれぞれ異なる色を割り当てて表示すること(例えば、計測値の大小による濃淡表示)により、測定断面のOSIが第2の閾値以下であることを表示できる。

【0043】
ステップS4の後、血流量測定部25が、測定断面抽出部24により抽出された測定断面における血流プロファイル及び血流量を測定する(ステップS5)。具体的には、測定断面における各心時相における血流速度に基づいて血流プロファイルを作成し、血流プロファイル曲線の曲線下面積を1心拍当たりの血流量とする。血流量測定部25による測定断面における血流プロファイル及び血流量の測定は、例えば、目的血管に設定された血管断面における血流プロファイル及び血流量の測定に従来から用いられている血流解析アプリケーションと同様に行うことができる。

【0044】
ステップS4において複数の測定断面を抽出した場合には、抽出された全ての測定断面について血流プロファイル及び血流量を測定してもよく、抽出された測定断面から選抜された1の測定断面についてのみ血流量等を測定してもよい。複数の測定断面から血流プロファイル及び血流量を測定する1の測定断面の選抜は、ステップ3で得られたOSIの計測値やAWSSの計測値に基づいて行ってもよく、その他の指標に従って選抜してもよい。例えば、測定断面を構成する血管壁の境界座標のOSIの最大値が最も小さい測定断面を選抜して、血流プロファイル及び血流量を測定することができる。測定された血流プロファイル及び血流量は、使用した血管画像と測定断面と関連づけて記憶部4に格納される。

【0045】
血流量測定部25により求められた目的血管の血流量は、制御部2の制御により、表示部5に表示される。縦軸を血流速度、横軸を時間(心時相)とする血流プロファイル曲線も、測定された血流量と共に表示してもよい。その他、測定された血流プロファイル及び血流量は、ステップ4で抽出された測定断面と共に表示することもできる。
【実施例】
【0046】
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0047】
[実施例1]
ヒト被検者(健常な29歳男性)の腹部動脈を3D cine PC MRにより撮像し、得られたデータから血流プロファイル及び血流量を測定した。
3D cine PC MRは、「Discovery MR750 3.0T」(GEHC社製)を用いて撮像した。撮像条件は下記の通りとした。
【実施例】
【0048】
TR (ms)/TE (ms)/FA (degree)/NEX :7.0-7.1/3.3-3.4/8/1,
field of view (cm) :32,
matrix : 256×256,
slice thickness (mm) : 1.25,
locs/slab : 8,
phases : 19,
projection : 10000,
velocity encoding (VENC) (cm/s) : 100-200,
撮像時間 (min) : 10.
【実施例】
【0049】
3D cine PC MRにより得られたマグニチュード画像をMIP処理し、得られたMIP画像に対して領域拡張法を行って血管壁の境界座標を決定することにより、3次元の血管構造を再構築した。
次いで、血流解析処理システム「GT Flow」(GyroTool社製)により、得られた血管モデルの画像(血管画像)及び3D cine PC MRにより得られた位相画像データを解析し、血管画像中の血管壁の境界座標におけるAWSS及びOSIを計測した。
【実施例】
【0050】
血管画像に、血管表面にOSIの計測値を、値が大きいほど色が濃くなるように濃淡表示した血管画像を図4に、同じく血管表面にAWSSの計測値を、値が大きいほど色が濃くなるように濃淡表示した血管画像を図5に、それぞれ示す。図4に示すように、血管が分岐している箇所や屈曲している箇所は色が濃く、OSIの測定値がより大きかった。また、図5に示すように、血管が分岐している箇所や屈曲している箇所は色が比較的薄く、AWSSの測定値が比較的小さかった。
【実施例】
【0051】
この血管画像中の血管のうち、上下に走っている腹部動脈から分岐している血管を目的血管とし、この目的血管の4箇所に血流プロファイル及び血流量を測定するための測定断面を設定し、近位部から順に測定断面A~D(図4及び5中、A~D)とした。各測定断面の血管壁の境界座標におけるOSIの最大値とAWSSの最小値を表1に示す。OSIは、遠位側の測定断面ほど、値が低くなっていた。
【実施例】
【0052】
【表1】
JP2016131836A_000004t.gif
【実施例】
【0053】
全ての測定断面について、「GT Flow」により平均流速(s/秒)を測定し、縦軸を平均流速、横軸を時間(秒)とする血流プロファイル曲線(流速カーブ)を作成した。各測定断面の流速カーブを図6に示す。この結果、測定断面Aの流速カーブでは0.833秒において、測定断面Bの流速カーブでは0.722秒において、血流速度が0s/秒付近にまで低下してしまっており、かなり強い乱流が生じていることが示唆された。測定断面Cの流速カーブでは血流速度の過度の低下は観察されなかったが、測定断面Dの流速カーブに比べて、ピーク時の流速が遅くなっていた。すなわち、OSI最大値が最も小さく、かつAWSS最小値が最も大きかった測定断面Dの流速カーブが、最も正常のパターンに近く、当該断面の血流量を測定することにより、測定断面A~Cにおける血流量を測定するよりもより正確な血流量が測定できることがわかった。実際に、流線解析を行ったところ、測定断面A及びBでは強い乱流が観察されたが、測定断面Dには乱流は観察されなかった(図示せず。)。なお、この流速カーブのAUCに測定断面の面積を求めることにより、測定断面Dにおける1心拍当たりの血流量が算出できる。
【符号の説明】
【0054】
1…血流量測定装置、2…制御部、3…データ取得部、4…記憶部、5…表示部、21…血管画像構築部、22…血流ベクトル計測部、23…AWSS/OSI計測部、24…測定断面抽出部、25…血流量測定部。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図6】
3
【図4】
4
【図5】
5