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明細書 :チタン材の接合方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-140884 (P2016-140884A)
公開日 平成28年8月8日(2016.8.8)
発明の名称または考案の名称 チタン材の接合方法
国際特許分類 B23K  20/00        (2006.01)
FI B23K 20/00 310H
請求項の数または発明の数 3
出願形態 OL
全頁数 8
出願番号 特願2015-018287 (P2015-018287)
出願日 平成27年2月2日(2015.2.2)
発明者または考案者 【氏名】小山 真司
出願人 【識別番号】504145364
【氏名又は名称】国立大学法人群馬大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000925、【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 4E167
Fターム 4E167AA06
4E167BA05
4E167BA09
4E167CA03
4E167CB03
要約 【課題】比較的低温で接合が可能であり、接合時の変形を抑制することができるチタン材の接合方法を提供する。
【解決手段】アルミニウムシートの表面にアルミニウムの有機酸塩被膜が形成されたシート21を、接合面に介在させて、複数のチタン材1、2を接合する工程を有して、チタン材の接合を行う。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
アルミニウムシートの表面にアルミニウムの有機酸塩被膜が形成されたシートを、接合面に介在させて、複数のチタン材を接合する工程を有する
チタン材の接合方法。
【請求項2】
前記アルミニウムシートを、アルカリ溶液中に浸漬する、或いは、アルカリを含む蒸気に曝露することによりアルカリ処理する工程と、
アルカリ処理を行った前記アルミニウムシートを、有機酸溶液中で煮沸する、或いは、有機酸を含む蒸気に曝露することにより、前記アルミニウムシートの表面にアルミニウムの有機酸塩被膜を形成して、前記シートを作製する工程を、さらに有する請求項1に記載のチタン材の接合方法。
【請求項3】
有機酸として、ギ酸、酢酸、クエン酸のいずれかを使用する、請求項1又は請求項2に記載のチタン材の接合方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のチタン材を接合する、チタン材の接合方法に係わる。
【背景技術】
【0002】
チタン材同士を接合する方法としては、従来、ろう付け、レーザ溶接、固相拡散接合が提案されている。
【0003】
ろう付けによる接合では、ろう材を溶融させて接合するため(600~1000℃)、位置決め精度に問題があり、適用範囲にも制限がある。また、ろう付けには、フッ化物を含有するフラックスが用いられており、フラックス残渣による腐食の問題や、フラックスが人体に有害である問題があるため、撤廃が望まれている。
【0004】
レーザ溶接による接合では、溶接熱により溶接部の近傍が軟化し、ミクロ割れが発生する。また、接合部のクリアランスにより、ミクロ割れや腐食が問題となっている。
さらに、チタンは活性金属であるため、容易に酸素、窒素、水素等と反応し、溶接部が脆化するといった問題点がある。
【0005】
チタンを大気中に曝すと、接合阻害因子である強固な自然酸化皮膜が形成される。
そのため、固相拡散接合において強度の高い接合部を得るには、接合圧力及び接合温度を上昇させることで酸化皮膜を機械的に破壊しなくてはならず、おのずと接合時の変形量が増加してしまう問題点がある。
【0006】
また、金属材料の接合面を有機酸から成る酸化膜除去液で処理してから、固相拡散接合を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】特開2006-334652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、チタン等においては、特許文献1のように表面を有機酸で処理しただけで固相拡散接合を行うと、十分な接合強度が得られない。
【0009】
上述した問題の解決のために、本発明においては、比較的低温で接合が可能であり、接合時の変形を抑制することができるチタン材の接合方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のチタン材の接合方法は、アルミニウムシートの表面にアルミニウムの有機酸塩被膜が形成されたシートを、接合面に介在させて、複数のチタン材を接合する工程を有する。
【0011】
上記本発明のチタン材の接合方法において、アルミニウムシートを、アルカリ溶液中に浸漬する、或いは、アルカリを含む蒸気に曝露することによりアルカリ処理する工程と、アルカリ処理を行ったアルミニウムシートを、有機酸溶液中で煮沸する、或いは、有機酸を含む蒸気に曝露することにより、アルミニウムシートの表面にアルミニウムの有機酸塩被膜を形成して、シートを作製する工程を、さらに有する構成とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
上述の本発明によれば、従来よりも低い接合温度で、高い接合強度を得ることができる。
これにより、接合温度を低くして、加熱に必要なエネルギーを低減し、接合時の変形量を低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態のチタン材の接合方法の手順のフローチャートである。
【図2】実験1における接合状態を示す斜視図である。
【図3】アルミニウムシートの厚さを0.5mmとした場合の、ギ酸処理、酢酸処理、有機酸処理なし、の各場合における接合温度と引張強さの関係を示す図である。
【図4】アルミニウムシートの厚さを1.0mmとした場合の、ギ酸処理、酢酸処理、有機酸処理なし、の各場合における接合温度と引張強さの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)について説明する。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.本発明の概要
2.実施の形態
3.実施例

【0015】
<1.本発明の概要>
まず、本発明の概要について説明する。
本発明のチタン材の接合方法は、複数のチタン材を接合する方法である。
そして、本発明では、アルミニウムシートの表面にアルミニウムの有機酸塩被膜が形成されたシートを、接合面に介在させて、複数のチタン材を接合する工程を有する。

【0016】
本発明において、さらに、アルミニウムシートを、アルカリ溶液中に浸漬する、或いは、アルカリを含む蒸気に曝露することによりアルカリ処理する工程と、アルカリ処理を行ったアルミニウムシートを、有機酸溶液中で煮沸する、或いは、有機酸を含む蒸気に曝露することにより、アルミニウムシートの表面にアルミニウムの有機酸塩被膜を形成して、シートを作製する工程を有する構成、とすることができる。
これにより、アルカリ処理工程によってアルミニウムシートの表面の酸化物皮膜を除去及び水酸化アルミニウムを形成して、有機酸によってアルミニウムシートの表面に、アルミニウムの有機酸塩被膜を形成することができる。

【0017】
なお、本発明では、アルミニウムシートの表面にアルミニウムの有機酸塩被膜が形成されたシートを使用することから、別途作製しておいたシートを使用することや、他人が製造したシートを譲り受けて使用することも可能である。それらの場合には、上述した、アルミニウムシートをアルカリ処理する工程と、アルミニウムシートの表面にアルミニウムの有機酸塩被膜を形成してシートを作製する工程は省略される。

【0018】
接合する複数のチタン材は、チタン又はチタン合金の範囲内であれば、同一材料であっても、異なる材料であってもよい。このうち、異なる材料の組合せとしては、例えば、純金属と合金、チタン以外の構成元素が異なる合金同士、合金組成が異なる合金同士、等が挙げられる。

【0019】
本発明において、アルカリ処理工程のアルカリ溶液やアルカリを含む蒸気には、各種のアルカリを使用することが可能である。
例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムを使用することができる。そして、これらのアルカリの水溶液や、アルカリを含む水蒸気を使用することができる。
アルミニウムシートを、アルカリ水溶液に浸漬する場合には、より好ましくは、アルカリ水溶液を煮沸する。アルカリ水溶液を煮沸することにより、金属部材の表面の酸化皮膜の除去及び水酸化アルミニウムの形成を効率良く行うことができる。

【0020】
本発明において、有機酸としては、各種の有機酸を使用することができる。
例えば、ギ酸、酢酸、クエン酸から選ばれる1種以上を使用することができる。

【0021】
本発明では、複数のチタン材(チタン又はチタン合金)の接合面に、アルミニウムシートの表面にアルミニウムの有機酸塩被膜が形成されたシートを介在させることにより、接合強度を増大させることができる。
このようにして高い接合強度を得ることができるため、従来よりも低い温度で高い接合強度を得ることが可能になる。

【0022】
シートの表面に形成されている、アルミニウムの有機酸塩被膜(ギ酸アルミニウム等の被膜)は、加熱及び加圧してチタン材を接合する工程において、熱分解反応を生じて、シートのアルミニウム及びチタン材のチタンの原子面が露出するので密着性が向上し、チタン材とシートの金属的接触領域を増加させて、高い接合強度を得ることができる。

【0023】
上述したように、本発明によれば、従来よりも低い温度で、十分に高い接合強度が得られるので、低温での接合が可能になる。
そして、温度と同様の観点から、接合の際の圧力を低くしても、十分に高い接合強度を得ることが可能になる。
これにより、低圧力での接合が可能になり、接合の際の変形量を低減することができるので、接合の位置精度を向上することができる。接合の位置精度が向上することにより、高い位置精度を保つことができ、溶接では困難であった複雑な形状のチタン材の接合も可能になる。
また、低温かつ低圧力で接合が可能になるため、接合装置の構成を簡略化することや、加熱に必要なエネルギーを低減して、エネルギー効率を向上することができる。例えば、消費電力や加熱用の燃料、接合に要する時間等を低減することが可能になる。

【0024】
さらに、本発明によれば、アルミニウムの有機酸塩被膜が形成されたシートを接合面に介在させるので、接合する複数のチタン材に有機酸塩被膜を形成するよりも、シートに有機酸塩被膜を容易に形成することができる。
これにより、複雑な形状を有するチタン材や大型のチタン材であっても、高い位置精度での接合が可能となる。

【0025】
そして、本発明によれば、従来の固相接合では困難とされていたチタン同士の接合が可能になるため、高いリサイクル性を確保できる。
さらに、チタンは高強度・高耐食性であるにもかかわらず、強固な酸化皮膜の形成によって接合が困難であったために、チタンの使用が敬遠されていたが、本発明の接合方法により、各種構造用部材との接合が可能となる。

【0026】
<2.実施の形態>
本発明の一実施の形態のチタン材の接合方法の手順のフローチャートを、図1に示す。
図1に示すように、まず、ステップS11において、アルミニウムシートを、アルカリ溶液中に浸漬、或いは、アルカリを含む蒸気に曝露する。
これにより、アルミニウムシートの表面の酸化物皮膜が除去され水酸化アルミニウムが形成される。
なお、アルミニウムシートを、アルカリ水溶液に浸漬する場合には、より好ましくは、アルカリ水溶液を煮沸する。アルカリ水溶液を煮沸することにより、金属部材の表面の酸化皮膜の除去及び水酸化アルミニウムの形成を効率良く行うことができる。

【0027】
次に、ステップS12において、アルミニウムシートを、有機酸溶液中で煮沸、或いは、有機酸を含む蒸気に曝露する。
これにより、アルミニウムシートの表面に、有機酸塩被膜が形成される。

【0028】
有機酸としては、低温で熱分解するアルミニウム金属塩を生成する物から選択することができ、ギ酸、酢酸、クエン酸や、その他の有機酸を使用することができる。溶媒としては、水や各種の極性溶媒を使用することが可能である。

【0029】
次に、ステップS13において、アルミニウムシートの表面に有機酸塩被膜が形成されたシートを、接合面に介在させて、2つのチタン材を、加熱及び加圧して接合する。
これにより、表面汚染層が除去、或いは、有機酸塩に置換された状態で、加熱及び加圧するので、有機酸塩は熱分解反応を生じて分解されることから、チタン材の金属原子の原子面が露出し、接合強度を増大させることができる。高い接合強度が得られるので、従来よりも低い温度及び低い変形量で高い接合強度を得ることが可能になる。
即ち、アルミニウムシートを使用せずにチタン材同士を直接接合した従来の接合方法、もしくは、表面に有機酸塩被膜が形成されていないアルミニウムシートを用いた接合方法と比較して、接合の際の加熱の温度及び加圧力を低くすることが可能になる。

【0030】
チタン材としては、チタン、チタン合金を使用することができる。
そして、2つの金属部材には、同じ材料も、チタン又はチタン合金のうちの互いに異なる材料も、使用することが可能である。

【0031】
本実施の形態において、ステップS11の工程では、アルカリとして、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムを使用することができる。そして、これらのアルカリの水溶液や、アルカリを含む水蒸気を使用することができる。
これらのアルカリを使用することにより、アルミニウムシートの表面の酸化物皮膜を除去して水酸化アルミニウムを形成することができる。
また、ステップS11の工程の後、次のステップS12の工程の前に、必要に応じて、アルミニウムシートを洗浄する工程や、アルミニウムシートを乾燥する工程を行ってもよい。

【0032】
本実施の形態において、ステップS12の工程では、有機酸として、例えば、ギ酸、酢酸、クエン酸を使用することができる。
これらの有機酸を使用することにより、アルミニウムシートの表面にアルミニウムの有機酸塩被膜を形成することができる。
また、その後、必要に応じて、アルミニウムシートを純水やアルコール等で洗浄する工程や、アルミニウムシートを乾燥する工程を行ってもよい。

【0033】
上述の本実施の形態によれば、アルミニウムシートを、アルカリ溶液中に浸漬、或いは、アルカリを含む蒸気に曝露することにより、アルミニウムシートの表面の酸化物皮膜が除去され水酸化アルミニウムが形成される。
続いて、アルミニウムシートを、有機酸溶液中で煮沸、或いは、有機酸を含む蒸気に曝露することにより、アルミニウムシートの表面に有機酸塩被膜を形成することができる。
さらに、アルミニウムシートの表面に有機酸塩被膜が形成されたシートを、接合面に介在させて、2つのチタン材を、加熱及び加圧して接合することにより、有機酸塩は熱分解反応を生じて分解されることから、チタン材の金属原子の原子面が露出し、接合強度を増大させることができる。
これにより、高い接合強度が得られるので、低い温度で高い接合強度を得ることができ、シートを使用しない従来の場合や、有機酸によるアルミニウムシートの処理工程を行わない場合と比較して、接合の際の加熱の温度を低くすることが可能になる。即ち、低温で固相状態での接合が可能になる。
そして、接合の際の圧力を低くしても十分に高い接合強度を得ることができ、低圧力で固相状態での接合が可能になることから、接合の際の変形量を低減することができるので、接合の位置精度を向上することができる。接合の位置精度が向上することにより、高い位置精度を保つことができ、溶接では困難であった複雑な形状のチタン材の接合も可能になる。
また、低温かつ低圧力で接合が可能になるため、エネルギー効率を向上することができる。例えば、消費電力や加熱用の燃料、接合に要する時間等を低減することが可能になる。

【0034】
なお、別途作製しておいたシートを使用する場合や、他人が製造したシートを譲り受けて使用する場合には、図1のフローチャートのステップS11及びステップS12は省略される。

【0035】
<3.実施例>
次に、実際に、本発明によってチタン材の接合を行い、特性を調べた。

【0036】
(実験1)有機酸処理の有無、及び、接合温度と引張強さの関係
接合する2つのチタン材として、それぞれ純チタンからなる、横15mm×縦12mm×高さ5mmの板状のチタン材と、直径が10mmで高さが15mmの円柱状のチタン材を、用意した。
そして、各チタン材の接合面を、#4000番のエメリー紙を用いて仕上げを行った。

【0037】
アルミニウムシートとして、それぞれ純アルミニウムからなる、縦12mm×横12mm×厚さ0.5mmのシートと、縦12mm×横12mm×厚さ1.0mmのシートを、それぞれ用意した。

【0038】
以下の作製方法により、ギ酸処理、酢酸処理、有機酸処理なし、の試料をそれぞれ作製した。

【0039】
(ギ酸処理)
アルミニウムシートのギ酸処理を行った試料を作製した。
まず、アルミニウムシートを、沸騰させた10%水酸化ナトリウム水溶液中で60秒間煮沸した後、メタノール中で10秒間洗浄した。
次に、アルミニウムシートを、沸騰させたギ酸中で30秒間煮沸した。
その後、純水中で10秒間洗浄して、アルミニウムシートをギ酸処理したシートを得た。

【0040】
次に、図2に斜視図を示すように、シート21を接合面の間に介在させて、板状のチタン材1と円柱状のチタン材2を、加熱及び加圧することにより、接合した。
そして、窒素雰囲気中で、接合圧力は12MPa、接合時間を15分で一定として、接合温度は440~500℃の範囲内の所定の温度で保持して接合を行い、継手を作製した。

【0041】
(酢酸処理)
アルミニウムシートの酢酸処理を行った試料を作製した。
まず、アルミニウムシートを、沸騰させた10%水酸化ナトリウム水溶液中で60秒間煮沸した後、メタノール中で10秒間洗浄した。
次に、アルミニウムシートを、沸騰させた酢酸中で90秒間煮沸した。
その後、純水中で10秒間洗浄して、アルミニウムシートを酢酸処理したシートを得た。

【0042】
次に、図2に斜視図を示すように、シート21を接合面の間に介在させて、板状のチタン材1と円柱状のチタン材2を、加熱及び加圧することにより、接合した。
そして、窒素雰囲気中で、接合圧力は12MPa、接合時間を15分で一定として、接合温度は440~500℃の範囲内の所定の温度で保持して接合を行い、継手を作製した。

【0043】
(有機酸処理なし)
比較対照として、アルミニウムシートの有機酸処理を行わない試料を作製した。
シート21として有機酸処理を行っていないアルミニウムシートを使用して、図2に斜視図を示すように、シート21を接合面の間に介在させて、板状のチタン材1と円柱状のチタン材2を、加熱及び加圧することにより、接合した。
そして、窒素雰囲気中で、接合圧力は12MPa、接合時間を15分で一定として、接合温度は440~500℃の範囲内の所定の温度で保持して接合を行い、継手を作製した。

【0044】
(引張試験)
さらに、2個の金属部材の接合により得られた継手の一方の金属部材に把持治具を取り付けて、引張試験を行った。
引張試験機は、INSTRON社製5567を使用した。

【0045】
ギ酸処理、酢酸処理、有機酸処理なしの、それぞれの場合における、接合温度と引張強さとの関係を比較して、図3及び図4に示す。図3は、アルミニウムシートの厚さを0.5mmとしたときの結果を示し、図4は、アルミニウムシートの厚さを1.0mmとしたときの結果を示す。

【0046】
図3より、シートの厚さを0.5mmとしたときには、有機酸処理を施すことで、有機酸処理を施さなかった場合と比較して、約10倍の引張強さを有する継手が得られることがわかる。図4より、シートの厚さを1.0mmとしたときには、有機酸処理を施すことで、有機酸処理を施さなかった場合と比較して、約12倍の引張強さを有する継手が得られることがわかる。
従って、有機酸処理を施すことにより、有機酸処理を施さなかった場合と比較して、引張強さを向上することができ、より低い温度でチタン材を接合できる。

【0047】
(シートなし)
さらに、比較対照として、シートを使用せず、チタン材同士を固相接合して継手を作製した。接合の条件は、シートを使用した場合と同様とした。即ち、窒素雰囲気中で、接合圧力は12MPa、接合時間を15分で一定として、接合温度は所定の温度で保持して接合を行い、継手を作製した。
しかし、作製した継手の引張試験を試みたところ、どの接合温度域で接合した試料も、引張試験機に取り付ける前に破断した。
従って、チタン同士を直接固相接合することは、困難であるとわかった。
【符号の説明】
【0048】
1 板状のチタン材、2 円柱状のチタン材、21 シート
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3