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明細書 :データ送信システム及び方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-158040 (P2016-158040A)
公開日 平成28年9月1日(2016.9.1)
発明の名称または考案の名称 データ送信システム及び方法
国際特許分類 H04W  28/14        (2009.01)
H04L  12/861       (2013.01)
H04L  12/725       (2013.01)
H04W   4/04        (2009.01)
H04W  84/00        (2009.01)
FI H04W 28/14
H04L 12/861
H04L 12/725
H04W 4/04 130
H04W 84/00 110
請求項の数または発明の数 17
出願形態 OL
全頁数 21
出願番号 特願2015-033305 (P2015-033305)
出願日 平成27年2月23日(2015.2.23)
発明者または考案者 【氏名】甲藤 二郎
【氏名】佐藤 拓朗
【氏名】津田 俊隆
【氏名】亀山 渉
【氏名】金井 謙治
出願人 【識別番号】899000068
【氏名又は名称】学校法人早稲田大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100073184、【弁理士】、【氏名又は名称】柳田 征史
【識別番号】100090468、【弁理士】、【氏名又は名称】佐久間 剛
審査請求 未請求
テーマコード 5K030
5K067
Fターム 5K030GA01
5K030HA08
5K030HB28
5K030HC09
5K030HD03
5K030JA11
5K030JL01
5K030JT03
5K030LB08
5K030LC10
5K030LE16
5K030MB04
5K030MC08
5K067AA28
5K067AA33
5K067BB05
5K067BB21
5K067DD11
5K067DD45
5K067DD57
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067EE16
5K067FF16
5K067GG01
5K067HH22
5K067HH23
5K067JJ12
5K067KK15
要約 【課題】データ送信システム及び方法において、移動体の移動スケジュール、各部の通信速度、及び送信データ量に応じたデータオフロードを実施する。
【解決手段】移動体搭載装置15は、ユーザ端末装置20から送信されたデータを受信する。中継点設置装置16は、移動体が中継点に到達したときに、移動体搭載装置15からデータを受信する。中継点設置装置16は、受信したデータをデータサーバに転送する。データ転送決定装置17は、移動体搭載装置15と中継点設置装置16との間の通信速度、及び中継点設置装置16とデータサーバ13との間の通信速度と、ユーザ端末装置20から移動体搭載装置15に送信されたデータのデータ量と、移動体のスケジュールに関する情報とに基づいて、中継点において移動体搭載装置15から中継点設置装置16に送信されるデータのデータ量を決定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
ユーザが使用するユーザ端末装置からデータサーバにデータを送信するデータ送信システムであって、
複数の中継点間をあらかじめ定められたスケジュールに従って移動する移動体移動体に搭載され、前記ユーザ端末装置から送信されたデータを受信してデータ記憶部に記憶するデータ受信部と、前記データ記憶部からデータを読み出して送信するデータ送信部とを含む移動体搭載装置と、
前記中継点に設置され、前記移動体が前記中継点に到達したときに前記データ送信部から送信されたデータを受信するデータ取得部と、該データ取得部が受信したデータを前記データサーバに転送するデータ転送部とを含む中継点設置装置と、
前記データ送信部と前記データ取得部との間の通信速度、及び前記データ転送部と前記データサーバとの間の通信速度と、前記ユーザ端末装置から前記データ受信部に送信されたデータのデータ量と、前記移動体のスケジュールに関する情報とに基づいて、前記中継点において前記データ送信部から前記データ取得部に送信されるデータのデータ量を決定する転送データ量決定装置とを備えたことを特徴とするデータ送信システム。
【請求項2】
前記データ受信部は、前記ユーザ端末が前記データサーバとの間の通信に利用する無線通信ネットワークの通信品質が所定の品質よりも低いときに、前記ユーザ端末装置からデータを受信する請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項3】
前記データ送信部と前記データ取得部との間の通信速度、及び前記データ転送部と前記データサーバとの間の通信速度の少なくとも1つを計測する通信速度計測装置を更に有する請求項1又は2に記載のデータ送信システム。
【請求項4】
kを自然数として、ある中継点kにおける前記移動体の停止時間をΔt、前記移動体が中継点kに到達する時刻をt、中継点kにおける前記データ送信部から前記データ取得へのデータ送信時間をΔs、中継点kにおいて前記データ転送部から前記データサーバへ送信されるデータのデータ量をB、中継点kにおいて前記データ送信部から前記データ取得部に送信されるデータのデータ量をC、前記移動体が中継点kに到達したときに前記データ記憶部が記憶しているデータのデータ量をO、中継点kにおける前記データ受信部のデータ受信量をU、中継点kにおける前記データ転送部と前記データサーバとの間の通信速度をb、中継点kにおける前記データ送信部と前記データ取得部との間の通信速度をcとしたとき、下記の関係式、
Ok+1 =max (Ok - Ck + Uk, 0)
Ck =ck×Δsk ≦ck×Δtk
Bk ≦bk×(tk+1 -tk)
が満たされる請求項1から3何れか1項に記載のデータ送信システム。
【請求項5】
中継点kにおいて前記データ記憶部に記憶されたデータのユーザ数をMとし、mを1以上M以下の整数として中継点kにおける前記データ受信部のユーザmのデータ受信量をum,kとし、中継点kにおいて前記データ送信部から前記データ取得部に送信されるユーザmのデータ量をvm,kとして、下記関係式、
vm,k =min((Ck/Mk), um,k)
が満たされる請求項4に記載のデータ送信システム。
【請求項6】
中継点kにおいて前記データ記憶部に記憶されたデータのユーザ数をMとし、mを1以上M以下の整数として中継点kにおける前記データ受信部のユーザmのデータ受信量をum,kとし、中継点kにおいて前記データ送信部から前記データ取得部に送信されるユーザmのデータ量をvm,kとして、下記関係式、
vm,k =min((um,k/Uk)×Ck, um,k)
が満たされる請求項4に記載のデータ送信システム。
【請求項7】
Δsk≦(bk/ck)×(tk+1-tk)、
が更に満たされる請求項4から6何れか1項に記載のデータ送信システム。
【請求項8】
前記データに優先度が設定されており、前記データ送信部は、優先度が高いデータを優先的に前記データ記憶部から読み出してデータ取得部に送信する請求項1から7何れか1項に記載のデータ送信システム。
【請求項9】
前記優先度はデータ種別に応じて設定される請求項8に記載のデータ送信システム。
【請求項10】
前記移動体搭載装置が、前記データ記憶部が記憶しているデータのリストを送信するリスト送信部を更に含み、かつ、前記中継点設置装置が、前記移動体が前記中継点に到達したときに、前記リスト送信部から送信されたリストを受信するリスト受信部を更に含み、
前記データ取得部は、前記リスト受信部が受信したリストを参照し、前記データ受信部から受信するデータを、前記転送データ量決定装置が決定したデータ量の範囲内で選択する請求項1から9何れか1項に記載のデータ送信システム。
【請求項11】
前記データ取得部は、前記データ送信部に対して選択したデータの送信を要求するデータ取得要求を送信し、かつ、前記データ送信部は、前記データ取得要求を受信すると、該データ取得要求で指定されたデータを送信する請求項10に記載のデータ送信システム。
【請求項12】
前記転送データ量決定装置が前記中継点に配置される請求項10又は11に記載のデータ送信システム。
【請求項13】
前記転送データ量決定装置は前記データ送信部から前記データ取得部へのデータ送信を実施する1以上の中継点、及び該1以上の中継点のそれぞれにおいて前記データ送信部から前記データ取得部に送信されるデータのデータ量を決定し、前記データ送信部に対し、どの中継点においてどれだけのデータ量のデータを送信するかを指示する請求項1から9何れか1項に記載のデータ送信システム。
【請求項14】
前記転送データ量決定装置は、前記ユーザ端末装置が前記データサーバとの間の通信に利用する無線通信ネットワークとは異なるネットワークを通じて、前記データ部に対して前記指示を送信する請求項13に記載のデータ送信システム。
【請求項15】
前記転送データ量決定装置は、前記決定したデータ量を理論値とし、該理論値に1以下の重みを乗じたデータ量を前記中継点におけるデータ量として決定する請求項1から14何れか1項に記載のデータ送信システム。
【請求項16】
前記転送データ量決定装置は、前記中継点において前記データ送信部から前記データ取得部に送信されたデータのデータ量の実測値、及び前記データ転送部から前記データサーバへ送信されたデータのデータ量の実測値の少なくとも一方の履歴を記憶し、前記理論値と前記実測値の履歴とに基づいて前記重みを更新する請求項15に記載のデータ送信システム。
【請求項17】
ユーザが使用するユーザ端末装置からデータサーバにデータを送信するデータ送信システムの作動方法であって、
複数の中継点間をあらかじめ定められたスケジュールに従って移動する移動体移動体に搭載された移動体搭載装置が、前記ユーザ端末装置から送信されたデータを受信してデータ記憶部に記憶するステップと、
前記移動体搭載装置が、前記移動体が前記中継点に到達したときに、前記データ記憶部からデータを読み出して送信するステップと、
前記中継点に設置された中継点設置装置が、前記送信されたデータを受信するステップと、
前記中継点設置装置が、受信したデータを前記データサーバに転送するステップとを有し、
前記移動体搭載装置と前記中継点設置装置との間の前記データの通信速度、及び前記中継点設置装置と前記データサーバとの間の前記データの通信速度と、前記ユーザ端末装置から前記移動体搭載装置に送信されたデータのデータ量と、前記移動体のスケジュールに関する情報とに基づいて、前記中継点において前記移動体搭載装置から前記中継点設置装置に送信されるデータのデータ量が決定されることを特徴とするデータ送信方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、データ送信システム及び方法に関し、更に詳しくは、ユーザが使用するユーザ端末装置からデータをデータサーバに送信するデータ送信システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、インターネットを流れるトラヒックの多くは、ウェブトラヒックやP2Pトラヒックなどコンテンツ流通に関連するトラヒックである。一方で、インターネットの基本通信モデルは、「どこと」通信するかに重きを置いたロケーションオリエンテッド通信モデルに基づいて設計されている。コンテンツ流通という観点で見れば、ユーザはコンテンツそのものに関心があり、どこからコンテンツが得られるかという点には関心がない。すなわち、ユーザはコンテンツオリエンテッド通信モデルによるコンテンツを期待している。
【0003】
これまでに、アプリケーション層でコンテンツオリエンテッドな通信サービスをサポートする様々な取り組みがなされてきた。しかしながら、そのような通信サービスを支える情報転送基盤(ネットワーク)は依然としてロケーションオリエンテッドなアーキテクチャに基づいており、上下階層の乖離が生じていた。近年、この乖離がもたらす問題点を解決する手法として、送受信されるデータを中心としたネットワークであるコンテンツオリエンテッドネットワークの研究が活発に進められている。
【0004】
コンテンツオリエンテッドネットワークの一種として、CCN(Content centric network)又はICN(Information Centric Network)が知られている(例えば特許文献1を参照)。例えばCCNでは、ユーザは、コンテンツ名を含むインタレストをCCNに送信する。CCNは、コンテンツ名に基づいてインタレストをルーティングし、要求されたコンテンツを保有するネットワークノードを発見し、そのネットワークノードからユーザにコンテンツを転送する。
【0005】
CCNでは、CCNルータが、ユーザが送信したインタレスト及びユーザに転送するコンテンツを中継する。その際、CCNルータはコンテンツをキャッシュする。CCNルータは、他のユーザから同じコンテンツに対する要求があったときは、キャッシュからコンテンツを取得してユーザに転送する。ユーザは近くのCCNルータからコンテンツを取得できるため、ネットワークのトラヒック量を削減することができる。
【0006】
CCNに関連し、非特許文献1に、交通機関を活用したコンテンツ配信が記載されている。非特許文献1には、鉄道を利用したコンテンツの先回り配信が記載されている。加えて、携帯電話通信網が輻輳しており、ユーザがデータサーバと携帯電話通信網を用いて通信できないときに、列車がユーザのトラヒックを収容し、移動先の駅において収容したトラヒックをデータサーバに送信するデータオフローディングが記載されている。オフローディングを行うことで、例えば災害発生時など、ユーザ端末装置が使用する携帯電話通信網の通信速度が著しく低下したときでも、ユーザのデータをデータサーバに送信することができる。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】特開2013-179482号公報
【0008】

【非特許文献1】「交通機関を活用したコンテンツ配信システム」、佐藤拓朗ら、電子情報通信学会総合大会、B-6-88、2014年3月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来、データオフロードは、自宅ではLTE(Long Term Evolution)や3Gなどの携帯電話通信網につながずWi-Fiにトラヒックを逃がすことや、駅や繁華街などでは携帯電話通信網につながずに公衆無線LANにトラヒックを逃がすことで実現されていた。これに対し、前述の非特許文献1に記載のデータオフローディングは、移動するという交通機関の特性を利用し、輻輳状態にある駅で収容したトラヒックを、非輻輳状態の駅からデータサーバに送信することができる利点がある。
【0010】
しかしながら、非特許文献1には、単に輻輳状態にあるときに列車がユーザのトラヒックを収容することが記載されるだけで、オフロードするトラヒック(データ)の量は考慮されていない。このため、例えば列車内の装置と駅に設置した装置との間の通信速度が遅いときや、列車の停車時間が短いときなどは、列車内の装置に収容したデータを駅に設置された装置に送信しきれないことがあり、データオフロードに失敗することがある。また、送りきれないのにデータ送信を試みることで、ローカルな輻輳を発生させることもある。その場合、ユーザのデータ送信が完了せず、ユーザはストレスを感じる。また、オフロードできないことで通信事業者の評判が下がることにもつながる。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑み、移動体の移動スケジュール、各部の通信速度、及び送信データ量に応じたデータオフロードを実施できるデータ送信システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明は、ユーザが使用するユーザ端末装置からデータサーバにデータを送信するデータ送信システムであって、複数の中継点間をあらかじめ定められたスケジュールに従って移動する移動体移動体に搭載され、前記ユーザ端末装置から送信されたデータを受信してデータ記憶部に記憶するデータ受信部と、前記データ記憶部からデータを読み出して送信するデータ送信部とを含む移動体搭載装置と、前記中継点に設置され、前記移動体が前記中継点に到達したときに前記データ送信部から送信されたデータを受信するデータ取得部と、該データ取得部が受信したデータを前記データサーバに転送するデータ転送部とを含む中継点設置装置と、前記データ送信部と前記データ取得部との間の通信速度、及び前記データ転送部と前記データサーバとの間の通信速度と、前記ユーザ端末装置から前記データ受信部に送信されたデータのデータ量と、前記移動体のスケジュールに関する情報とに基づいて、前記中継点において前記データ送信部から前記データ取得部に送信されるデータのデータ量を決定する転送データ量決定装置とを備えたことを特徴とするデータ送信システムを提供する。
【0013】
本発明のデータ送信システムでは、前記データ受信部は、前記ユーザ端末が前記データサーバとの間の通信に利用する無線通信ネットワークの通信品質が所定の品質よりも低いときに、前記ユーザ端末装置からデータを受信することが好ましい。
【0014】
本発明のデータ送信システムは、前記データ送信部と前記データ取得部との間の通信速度、及び前記データ転送部と前記データサーバとの間の通信速度の少なくとも1つを計測する通信速度計測装置を更に有することが好ましい。
【0015】
本発明のデータ送信システムでは、kを自然数として、ある中継点kにおける前記移動体の停止時間をΔt、前記移動体が中継点kに到達する時刻をt、中継点kにおける前記データ送信部から前記データ取得へのデータ送信時間をΔs、中継点kにおいて前記データ転送部から前記データサーバへ送信されるデータのデータ量をB、中継点kにおいて前記データ送信部から前記データ取得部に送信されるデータのデータ量をC、前記移動体が中継点kに到達したときに前記データ記憶部が記憶しているデータのデータ量をO、中継点kにおける前記データ受信部のデータ受信量をU、中継点kにおける前記データ転送部と前記データサーバとの間の通信速度をb、中継点kにおける前記データ送信部と前記データ取得部との間の通信速度をcとしたとき、下記の関係式、
Ok+1 =max (Ok - Ck + Uk, 0)
Ck =ck×Δsk ≦ck×Δtk
Bk ≦bk×(tk+1 -tk)
が満たされることが好ましい。
【0016】
本発明のデータ送信システムでは、中継点kにおいて前記データ記憶部に記憶されたデータのユーザ数をMとし、mを1以上M以下の整数として中継点kにおける前記データ受信部のユーザmのデータ受信量をum,kとし、中継点kにおいて前記データ送信部から前記データ取得部に送信されるユーザmのデータ量をvm,kとして、下記関係式、
vm,k =min((Ck/Mk), um,k)
が満たされることが更に好ましい。
【0017】
あるいは、中継点kにおいて前記データ記憶部に記憶されたデータのユーザ数をMとし、mを1以上M以下の整数として中継点kにおける前記データ受信部のユーザmのデータ受信量をum,kとし、中継点kにおいて前記データ送信部から前記データ取得部に送信されるユーザmのデータ量をvm,kとして、下記関係式、
vm,k =min((um,k/Uk)×Ck, um,k)
が満たされることも好ましい。
【0018】
本発明のデータ送信システムでは、Δsk≦(bk/ck)×(tk+1-tk)が更に満たされることも好ましい。
【0019】
本発明のデータ送信システムでは、前記データに優先度が設定されており、前記データ送信部は、優先度が高いデータを優先的に前記データ記憶部から読み出してデータ取得部に送信することが好ましい。前記優先度はデータ種別に応じて設定されていてもよい。
【0020】
本発明のデータ送信システムでは、前記移動体搭載装置が、前記データ記憶部が記憶しているデータのリストを送信するリスト送信部を更に含み、かつ、前記中継点設置装置が、前記移動体が前記中継点に到達したときに、前記リスト送信部から送信されたリストを受信するリスト受信部を更に含む構成を採用できる。その場合、前記データ取得部は、前記リスト受信部が受信したリストを参照し、前記データ受信部から受信するデータを、前記転送データ量決定装置が決定したデータ量の範囲内で選択することが好ましい。
【0021】
上記において、前記データ取得部は、前記データ送信部に対して選択したデータの送信を要求するデータ取得要求を送信し、かつ、前記データ送信部は、前記データ取得要求を受信すると、該データ取得要求で指定されたデータを送信することしてもよい。
【0022】
前記転送データ量決定装置は前記中継点に配置されていてもよい。
【0023】
本発明のデータ送信システムでは、前記転送データ量決定装置は前記データ送信部から前記データ取得部へのデータ送信を実施する1以上の中継点、及び該1以上の中継点のそれぞれにおいて前記データ送信部から前記データ取得部に送信されるデータのデータ量を決定し、前記データ送信部に対し、どの中継点においてどれだけのデータ量のデータを送信するかを指示することが好ましい。
【0024】
本発明のデータ送信システムにおいて、前記転送データ量決定装置は、前記ユーザ端末装置が前記データサーバとの間の通信に利用する無線通信ネットワークとは異なるネットワークを通じて、前記データ部に対して前記指示を送信してもよい。
【0025】
本発明のデータ送信システムにおいて、前記転送データ量決定装置は、前記決定したデータ量を理論値とし、該理論値に1以下の重みを乗じたデータ量を前記中継点におけるデータ量として決定してもよい。
【0026】
本発明のデータ送信システムにおいて、前記転送データ量決定装置は、前記中継点において前記データ送信部から前記データ取得部に送信されたデータのデータ量の実測値、及び前記データ転送部から前記データサーバへ送信されたデータのデータ量の実測値の少なくとも一方の履歴を記憶し、前記理論値と前記実測値の履歴とに基づいて前記重みを更新してもよい。
【0027】
本発明は、また、ユーザが使用するユーザ端末装置からデータサーバにデータを送信するデータ送信システムの作動方法であって、複数の中継点間をあらかじめ定められたスケジュールに従って移動する移動体移動体に搭載された移動体搭載装置が、前記ユーザ端末装置から送信されたデータを受信してデータ記憶部に記憶するステップと、前記移動体搭載装置が、前記移動体が前記中継点に到達したときに、前記データ記憶部からデータを読み出して送信するステップと、前記中継点に設置された中継点設置装置が、前記送信されたデータを受信するステップと、前記中継点設置装置が、受信したデータを前記データサーバに転送するステップとを有し、前記移動体搭載装置と前記中継点設置装置との間の前記データの通信速度、及び前記中継点設置装置と前記データサーバとの間の前記データの通信速度と、前記ユーザ端末装置から前記移動体搭載装置に送信されたデータのデータ量と、前記移動体のスケジュールに関する情報とに基づいて、前記中継点において前記移動体搭載装置から前記中継点設置装置に送信されるデータのデータ量が決定されることを特徴とするデータ送信方法を提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明のデータ送信システム及び方法では、ユーザ端末装置から移動体搭載装置に送信されたデータは、中継点において中継点設置装置に送信され、中継点設置装置からデータサーバへと転送される。本発明では、特に、移動体搭載装置と中継点設置装置との間のデータ通信速度、及び中継点設置装置とデータサーバとの間のデータ通信速度と、ユーザ端末装置から移動体搭載装置に送信されたデータのデータ量と、移動体搭載装置を搭載する移動体のスケジュールに関する情報とに基づいて、前記中継点において前記移動体搭載装置から前記中継点設置装置に送信されるデータのデータ量が決定される。データ量及び通信速度を考慮して、中継点において中継点設置装置へ送信されるデータのデータ量が決定されることで、データ量と通信速度に応じたフレキシブルなデータオフロードを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態に係るデータ送信システムを示すブロック図。
【図2】移動体搭載装置を示すブロック図。
【図3】中継点設置装置を示すブロック図。
【図4】データ転送決定装置を示すブロック図。
【図5】配信スケジュールの決定で用いられる各種パラメータを示す図。
【図6】複数の中継点と配信スケジュールの決定で用いられる各種パラメータとを示す図。
【図7】動作手順を示すフローチャート。
【図8】データ送信システムの動作手順を示すシーケンス図。
【図9】本発明の第2実施形態に係るデータ転送システムで用いられる移動体搭載装置と中継点設置装置とを示すブロック図。
【図10】第2実施形態に係るデータ送信システムの動作手順を示すフローチャート。
【図11】第2実施形態に係るデータ送信システムの動作手順を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るデータ送信システムを示すブロック図である。データ送信システム(データオフローディングシステム)は、データサーバ13、移動体搭載装置15、中継点設置装置16、通信速度計測装置14、及びデータ転送決定装置17を備える。ユーザ端末装置20は、図示しない携帯電話通信網(セルラー網)を介して、データサーバ13との間でデータの送受信をすることができる。本実施形態のデータ送信システムは、ユーザ端末装置20からデータサーバ13に送信されるデータをオフロードする。

【0031】
移動体搭載装置15は、複数の中継点の間をあらかじめ定められたスケジュールに従って移動する移動体、例えば列車やバス、航空機などの車両(車体)に搭載される。移動体搭載装置15は、例えば移動体に乗車しているユーザのユーザ端末装置20と無線通信を行う。ユーザ端末装置20と移動体搭載装置15との間の通信には、例えばWiFiなどの無線通信手段を用いることができる。移動体搭載装置15は、ユーザ端末装置20から送信されたデータを受信する。ユーザ端末装置20は、例えば携帯電話機やタブレット端末装置などである。

【0032】
中継点設置装置16は、移動体の経路に沿った複数の中継点のうちの少なくとも一部に設置される。移動体搭載装置15は、移動体が中継点に到達したときに、中継点設置装置16との間で例えば無線通信を行う。移動体搭載装置15と中継点設置装置16との間の通信には、例えばミリ波通信手段などの高速な近距離通信手段を用いることができる。移動体搭載装置15は、ユーザ端末装置20から受信したデータを、中継点設置装置16に送信する。以下では、主に移動体として鉄道の列車を考え、中継点として列車の停車駅を考える。

【0033】
通信速度計測装置14は、データ送信システムの各部におけるデータの通信速度を計測する。通信速度計測装置14の機能は、プロセッサが所定の機能を提供するプログラムにしたがって動作することで実現可能である。あるいは、通信速度計測装置14の機能のうちの少なくとも一部がLSIなどの半導体装置によって実現されていてもよい。

【0034】
通信速度計測装置14は、ユーザ端末装置20と移動体搭載装置15との間の通信速度、移動体搭載装置15と中継点設置装置16との間の通信速度、及び中継点設置装置16とデータサーバ13との間の通信速度のうちの少なくとも1つを計測する。これら通信速度のうち、最も変動しやすいのは、中継点設置装置16とデータサーバ13との間の通信速度であると考えられるため、通信速度計測装置14は、少なくとも中継点設置装置16とデータサーバ13との間の通信速度を計測することが好ましい。

【0035】
データ転送決定装置17は、データ送信システムの各部の通信速度と、移動体搭載装置15がユーザ端末装置20から受信したデータのデータ量と、移動体のスケジュール情報とに基づいて、どの駅においてどれだけの量のデータを移動体搭載装置15から中継点設置装置16へ送信するかを示す配信スケジュールを決定する。データ転送決定装置17は、特に、移動体搭載装置15と中継点設置装置16との間の通信速度及び中継点設置装置16とデータサーバ13との間の通信速度と、移動体搭載装置15がユーザ端末装置20から受信したデータのデータ量と、移動体のスケジュール情報とに基づいて、配信スケジュールを決定する。

【0036】
データ転送決定装置17は、配信スケジュールの決定に際して、通信速度計測装置14が計測した通信速度を用いる。データ転送決定装置17は、移動体搭載装置15がユーザ端末装置20から受信したデータのデータ量に変化があったときは、配信スケジュール情報を動的に更新する。また、通信速度計測装置14が計測した通信速度、及び/又は列車のスケジュール情報が変化したときも、配信スケジュールを動的に更新する。なお、通信速度の変動が少ない部分については、通信速度計測装置14が計測した通信速度に代えて、あらかじめ設定された値(固定値)を用いてもよい。

【0037】
図2は、移動体搭載装置15を示すブロック図である。移動体搭載装置15は、データ受信部51、データ記憶部52、データ送信部53、及び通信品質監視部54を有する。移動体搭載装置15内の各部の機能は、プロセッサが所定の機能を提供するプログラムにしたがって動作することで実現可能である。あるいは、移動体搭載装置15内の各部の機能のうちの少なくとも一部がLSIなどの半導体装置によって実現されていてもよい。

【0038】
データ受信部51は、ユーザ端末装置20からデータを受信する。データ受信部51は、例えば動画、写真、又は音声などのデータを受信する。データ受信部51は、受信したデータをデータ記憶部52に記憶する。データ記憶部52は、半導体記憶装置、ハードディスク装置、又は光ディスク装置などの記憶装置である。データ受信部51は、受信したデータのデータ量をデータ転送決定装置17に通知する。移動体搭載装置15とデータ転送決定装置17との間の通信には、例えば携帯電話通信網や同軸漏洩ケーブルなどが用いられる。データ受信部51は、ユーザが乗車している列車番号などの列車識別情報や列車の現在位置情報などをデータ転送決定装置17に通知してもよい。

【0039】
データ送信部53は、データ記憶部52からデータを読み出し、読み出したデータを中継点設置装置16に送信する。データ送信部53は、移動体搭載装置15を搭載する列車が駅に到着したときに、その駅に設置された中継点設置装置16にデータ記憶部52から読み出したデータを送信する。データ送信部53は、データ転送決定装置17にて決定された配信スケジュールに従って、データ記憶部52からデータを読み出す。データ送信部53は、例えば列車が駅に停車している間に中継点設置装置16にデータ送信を行う。

【0040】
データ記憶部52に記憶されたデータには、優先度が設定されていてもよい。優先度は、例えば時間要求の厳しいアプリケーションほど高く設定される。データ送信部53は、データ記憶部52に複数のデータが記憶されているときは、優先度が高いデータを優先的に読み出すことが好ましい。優先度の情報は、データに含まれていてもよい。あるいは、優先度は、データ種別(ファイルタイプ)に応じて設定されていてもよい。例えば、動画>音声>写真の順で優先度が設定される。

【0041】
通信品質監視部54は、ユーザ端末装置20の通信品質を監視する。通信品質監視部54は、例えばユーザ端末装置20が使用する携帯電話通信網におけるデータ転送速度を監視し、データ転送速度が所定の速度よりも遅いか否かを判定する。データ転送速度が所定の速度よりも遅いときは、携帯電話通信網が輻輳状態にあると判定する。データ転送速度を監視するのに代えて、携帯電話通信網の応答時間を監視してもよい。その場合、通信品質監視部54は、応答時間が所定の時間よりも長い場合に、携帯電話通信網が輻輳状態にあると判定してもよい。

【0042】
携帯電話通信網が輻輳状態にあると、ユーザ端末装置20は、携帯電話通信網を介してデータサーバ13にデータを送信することができなくなる。データ受信部51は、通信品質監視部54が輻輳状態にあると判定したときに、ユーザ端末装置20のデータを受け付けることとしてもよい。その場合、列車は、輻輳状態にある駅又は駅間にて、ユーザのデータを移動体搭載装置15のデータ記憶部52に収容することになる。通信品質監視部54は、移動体搭載装置15に設けられている必要はなく、他の装置にあってもよい。例えば、ユーザ端末装置20が通信品質監視部54を備える構成であってもよい。あるいは、通信速度計測装置14が通信品質監視部54を備える構成でもよい。

【0043】
図3は、中継点設置装置16を示すブロック図である。中継点設置装置16は、データ取得部61、データ記憶部62、及びデータ転送部63を有する。中継点設置装置16内の各部の機能は、プロセッサが所定の機能を提供するプログラムにしたがって動作することで実現可能である。あるいは、中継点設置装置16内の各部の機能のうちの少なくとも一部がLSIなどの半導体装置によって実現されていてもよい。

【0044】
データ取得部61は、移動体搭載装置15から送信されたデータを受信する。データ取得部61は、例えば列車が中継点設置装置16が設置された駅に停車しているときに、移動体搭載装置15から送信されたデータを受信する。データ取得部61は、受信したデータをデータ記憶部62に記憶する。データ記憶部62は、半導体記憶装置、ハードディスク装置、又は光ディスク装置などの記憶装置である。データ転送部63は、データ記憶部62からデータを読み出し、データサーバ13にデータを送信する。

【0045】
図4は、データ転送決定装置17を示すブロック図である。データ転送決定装置17は、通信速度収集部71、スケジュール情報記憶部72、及び転送データ決定部73を有する。データ転送決定装置17内の各部の機能は、プロセッサが所定の機能を提供するプログラムにしたがって動作することで実現可能である。あるいは、データ転送決定装置17内の各部の機能のうちの少なくとも一部がLSIなどの半導体装置によって実現されていてもよい。

【0046】
通信速度収集部71は、通信速度計測装置14が計測した通信速度を収集する。通信速度計測装置14は複数あってもよく、通信速度収集部71は、複数の通信速度計測装置14から各部の通信速度を収集してもよい。通信速度計測装置14は、1つの独立した装置である必要はなく、例えばデータサーバ13、移動体搭載装置15、中継点設置装置16、及びユーザ端末装置20に含まれていてもよい。例えば、通信速度収集部71は、移動体搭載装置15又はユーザ端末装置20に含まれる通信速度計測装置14から、ユーザ端末装置20と移動体搭載装置15との間の通信速度を収集してもよい。通信速度収集部71は、移動体搭載装置15又は中継点設置装置16に含まれる通信速度計測装置14から、移動体搭載装置15と中継点設置装置16との間の通信速度を収集してもよい。通信速度収集部71は、データサーバ13又は中継点設置装置16に含まれる通信速度計測装置14から、中継点設置装置16とデータサーバ13との間の通信速度を収集してもよい。

【0047】
スケジュール情報記憶部72は、移動体のスケジュール情報を記憶する。スケジュール情報記憶部72は、例えば半導体記憶装置や、ハードディスク装置、又は光ディスク装置などの記憶装置である。スケジュール情報は、移動体である列車が駅に到着する時刻、及び駅を発車する時刻を含む。スケジュール情報記憶部72は、データ転送決定装置17から参照可能であればよく、その内部に存在している必要はない。スケジュール情報記憶部72が、移動体の移動スケジュールを管理するスケジュール情報管理サーバに存在してもよく、その場合、データ転送決定装置17は、スケジュール情報管理サーバからネットワーク11などを介してスケジュール情報を取得してもよい。

【0048】
転送データ決定部73は、通信速度収集部71から各部の通信速度を取得し、スケジュール情報記憶部72から移動体のスケジュール情報を取得する。また、転送データ決定部73は、移動体搭載装置15から、移動体搭載装置15がユーザ端末装置20から受信したデータのデータ量を受信する。転送データ決定部73は、各部の通信速度と、移動体搭載装置15がユーザ端末装置20から受信したデータのデータ量と、移動体のスケジュール情報とに基づいて、移動体搭載装置15が受信したデータのデータサーバ13に対する配信スケジュールを決定する。つまり、どの駅においてどれだけのデータ量のデータを移動体搭載装置15から中継点設置装置16へ送信するのかを決定する。

【0049】
なお、転送データ決定部73は、上記で決定したデータ量を理論値とし、その理論値に0より大きくかつ1以下の重みを乗じたデータ量を、中継点におけるデータ量として決定してもよい。実際にデータ送信を行うときの通信速度や列車の停車時間などは、配信スケジュール決定時に想定したものよりも短くなることもある。その場合、データを送信しきれない場合も出てくる。データ量に余裕を持たせ、理論値よりも少ないデータ量を決定することで、通信速度や列車の停車時間の予期せぬ変動にも対応できる。

【0050】
また、データ転送決定装置17は、中継点において移動体搭載装置15から中継点設置装置16へ送信されたデータのデータ量の実測値、及び中継点設置装置16からデータサーバ13へ送信されたデータのデータ量の実測値の少なくとも一方の履歴を記憶してもよい。転送データ決定部73は、上記の理論値に乗じる重みを、上記の理論値と実測値の履歴とに基づいて更新してもよい。例えば理論値に比べて実績値が低いときは、重みの値を下げ、理論値に比べて実績値が高いときは重みの値を上げるように、重みを更新してもよい。この場合、実際の通信環境を反映させた配信スケジュールを決定できる。

【0051】
以下、データ転送決定装置17における配信スケジュールの決定について詳細に説明する。図5は、配信スケジュールの決定で用いられる各種パラメータを示す図である。kを自然数として、ある駅(中継点)kにおける列車の停車時間をΔt、列車が駅kに到達する時刻をtとする。駅kに設置された中継点設置装置16とデータサーバ13との間の通信速度をbとし、中継点設置装置16からデータサーバ13へ送信されるデータのデータ量をBとする。

【0052】
移動体搭載装置15が駅kにおいて(または駅kを出発してから駅k+1に到達するまでに)、ユーザ端末装置20から受信して記憶するデータのデータ量をUとし、駅kにおいて移動体搭載装置15が記憶しているデータのユーザ数をMとする。駅kにおける移動体搭載装置15から中継点設置装置へのデータ送信時間をΔsとし、駅kにおける移動体搭載装置15と中継点設置装置16との間の通信速度をcとし、駅kにおいて移動体搭載装置15から中継点設置装置へ送信されるデータのデータ量をCとする。ここで、駅k+1は、駅kの次に移動体搭載装置15から中継点設置装置16にデータ送信を行う駅を表す。

【0053】
図6は、複数の中継点と配信スケジュールの決定で用いられる各種パラメータとを示す図である。列車が駅kに到達したときに移動体搭載装置15のデータ記憶部52が記憶しているデータのデータ量をOとする。移動体搭載装置15は、例えば駅1(到着時刻t)から駅2(到着時刻t)の間に、データ量Uだけユーザ端末装置20からデータを受信する。同様に、駅2から駅3の間に、データ量Uだけユーザ端末装置20からデータを受信する。駅1ではデータ量Cだけ、駅2ではデータ量Cだけ、移動体搭載装置15から中継点設置装置16へデータを送信する。列車が駅2に到達したときに移動体搭載装置15のデータ記憶部52(図2を参照)が記憶しているデータのデータ量Oは、O= O-C1+U1で表される。ただし、負の値はないので最小値は0である。駅2に設置された中継点設置装置16は、受信したデータ量Cのデータを、通信速度bでデータサーバ13に送信する。

【0054】
駅kにおけるデータ量Uは、ユーザmのデータ量をum,kとすれば、下記式、
【数1】
JP2016158040A_000003t.gif
で表される。列車が駅k+1に到達したときに移動体搭載装置15のデータ記憶部52が記憶しているデータのデータ量Oは、Ok+1 =max(Ok-Ck+U, 0)で表される。ここで、max(A,B)は、AとBのうちの値が大きい方を返す関数である。

【0055】
列車が駅kを出発して次の駅k+1に到着するまでの間に、駅kの中継点設置装置16からデータサーバ13へ送信することができる最大データ量は、bk×(tk+1 -tk)で表される。駅kにおいて中継点設置装置16からデータサーバ13へ送信されるデータのデータ量Bは、Bk≦bk×(tk+1 -tk)の関係式を満たすことが好ましい。また、駅kにおいて、移動体搭載装置15から中継点設置装置16へ送信することができる最大データ量は、列車の停車時間Δtを用いてck×ΔTkで表すことができる。駅kにおいて移動体搭載装置15から中継点設置装置16へ送信されるデータのデータ量Cは、Ck=ck×Δsk≦ck×ΔTkの関係を満たすことが好ましい。

【0056】
上記関係式に従って、各駅において移動体搭載装置15から中継点設置装置16へ送信され、更に中継点設置装置16からデータサーバ13へ送信されるデータのデータ量が配信スケジューリング値として見積もられる。まとめれば、データ転送決定装置17は、下記関係式が満たされる条件で、各駅において移動体搭載装置15から中継点設置装置16へ送信されるデータのデータ量を決定する。
Ok+1 =max (Ok - Ck + Uk, 0)
Ck =ck×Δsk ≦ck×Δtk
Bk ≦bk×(tk+1 -tk)
上記パラメータのうち、bとc、特にbは動的に変化するため、通信速度計測装置14を用いて計測された速度を用いることが好ましい。

【0057】
ここで、駅kの中継点設置装置16から送信された全てのデータがデータサーバ13に届く前に、駅k+1の中継点設置装置16から送信されたデータがデータサーバ13に届くと、データの時間的な連続性が損なわれ、データ(パケット)の並び替えなどの処理が必要になる。これを回避するには、C≦Bが成立する必要があり、これは、駅kにおける移動体搭載装置15から中継点設置装置16へのデータ転送時間Δsを、Δsk≦(bk/ck)×(tk+1-tk)かつΔSk≦Δtkを満たすように制御することで実現できる。

【0058】
また、移動体搭載装置15のデータ記憶部52(図2を参照)の記憶容量は有限であり、その最大容量をBuffertrainとすると、データ記憶部52が記憶するデータのデータ量は、Ok≦buffertrainを満たす必要がある。データ受信部51は、駅k(または駅kから駅k+1に至る区間)でユーザ端末装置20から受信するデータのデータ量Uを、Uk≦buffertrain-Ok+Ckを満たすように制限し、それを超えるデータを棄却することが好ましい。

【0059】
ユーザが複数いる場合、ユーザ端末装置20から受信したデータをデータサーバ13に送信する上で、各ユーザに対する公平性の確保は一つの指標である。公平性を確保する方式には、各駅において移動体搭載装置15から中継点設置装置16へ送信するデータのデータ量を、各ユーザのデータ量に関わりなく各ユーザに均等に割り当てる方式と、各ユーザのデータ量に比例して重み付け割当する方式とが考えられる。均等に割り当てる場合は、移動体搭載装置15から駅kの中継点設置装置16へ送信されるユーザmのデータ量をvm,kとして、vm,k =min((Ck/Mk), um,k)が満たされる条件で各ユーザのデータを送信すればよい。データ量に重み付け割当てする場合は、vm,k =min((um,k/Uk)×Ck, um,k)が満たされる条件で各ユーザのデータを送信すればよい。ここで、min(A,B)は、AとBのうち値が小さい方を返す関数である。

【0060】
続いて、動作手順を説明する。図7は、動作手順を示すフローチャートである。移動体搭載装置15の通信品質監視部54(図2を参照)は、ユーザ端末装置20が利用する携帯電話通信網の通信品質が所定の品質よりも低いか否かを判断する(ステップA1)。携帯電話通信網の通信品質が高いときは、データオフロードは必要なく、ユーザ端末装置20は携帯電話通信網を通じてデータをデータサーバ13に送信する(ステップA2)。

【0061】
ステップA1で通信品質が低いと判断されたとき、データ受信部51は、例えば列車に乗車しているユーザが使用するユーザ端末装置20からデータを受信する(ステップA3)。データ受信部51は、通信可能であれば、列車外のユーザが使用するユーザ端末装置20からデータを受信してもよい。データ受信部51は、通常は列車内のユーザのユーザ端末装置20からデータを受信し、災害などの非常時に限って、列車外のユーザのユーザ端末装置20からもデータを受信することとしてもよい。

【0062】
データ受信部51は、受信したデータをデータ記憶部52に記憶する。また、受信したデータの名前(データ名)、及びデータ量を、データ転送決定装置17に携帯電話通信網や同軸漏洩ケーブルなどを通じて通知する。

【0063】
通信速度計測装置14は、随時、データ送信システムの各部の通信速度を計測している。あるいは、移動体搭載装置15がユーザ端末装置20からデータを受信したことを契機として、通信速度の計測を開始してもよい。通信速度計測装置14が計測した通信速度の情報は、データ転送決定装置17の通信速度収集部71(図4を参照)によって収集される。

【0064】
データ転送決定装置17の転送データ決定部73は、通信速度収集部71が収集した各部の通信速度、スケジュール情報記憶部72から取得したスケジュール情報、及び移動体搭載装置15から受信した通知に含まれるデータ量に基づいて、移動体搭載装置15から中継点設置装置16へデータ送信を行う駅、及びその駅において送信されるデータのデータ量を決定する(ステップA4)。転送データ決定部73は、決定した内容、つまりどの駅においてどれだけデータ送信を行うかを携帯電話通信網や同軸漏洩ケーブルなどを通じて移動体搭載装置15に通知する。

【0065】
列車が移動し、列車がデータ送信を行う駅に到達すると、移動体搭載装置15のデータ送信部53は、ステップA4で決定されたデータ量のデータをデータ記憶部52から読み出し、中継点設置装置16に送信する(ステップA5)。中継点設置装置16のデータ取得部61(図3を参照)は、データ送信部53からデータを受信する。ステップAで決定された内容を中継点設置装置16に送信し、データ取得部61が受信するデータを指定するようにしてもよい。

【0066】
データ取得部61は、受信したデータをデータ記憶部62に一時的に記憶する。データ転送部63は、データ記憶部62からデータを読み出し、読み出したデータをネットワーク11を通じてデータサーバ13へ送信(転送)する(ステップA6)。データ転送部63は、データ取得部61がデータの受信を完了する前に、データサーバ13への送信を開始してもよい。

【0067】
移動体搭載装置15のデータ記憶部52にデータが残っているときは、ステップA5とステップA6とを繰り返し実行し、各駅において、ステップA4で決定されたデータ量のデータを移動体搭載装置15から中継点設置装置16へ送信し、更に中継点設置装置16からデータサーバ13へ転送する。ユーザ端末装置20は、携帯電話通信網が輻輳状態にあるときは、随時、移動体搭載装置15へデータを送信する。移動体搭載装置15が新たにユーザ端末装置20からデータを受信したとき、データ転送決定装置17は配信スケジュールを動的に更新する。また、通信速度が変化したときも、配信スケジュールを動的に更新する。通信速度の変化に不感帯を設け、通信速度の変化がしきい値以上の時に配信スケジュールの更新を行ってもよい。

【0068】
図8は、データ送信システムの動作手順を示すシーケンス図である。ユーザ端末装置20は、移動体搭載装置15に、データサーバ13に送信したいデータを送信する(ステップS11)。移動体搭載装置15は、データ転送決定装置17にデータ名及びデータ量を通知して、どの駅でどれだけの量のデータを中継点設置装置16へ送信すればよいかを問い合わせる(ステップS12)。

【0069】
データ転送決定装置17は、移動体搭載装置15が受信したデータのデータ量と、データ送信システムの各部の通信速度と、列車のスケジュール情報とに基づいて、どの駅でどれだけの量のデータを移動体搭載装置15から中継点設置装置16へ送信するかを決定する。データ転送決定装置17は、決定した内容を含む応答を移動体搭載装置15へ送信する(ステップS13)。

【0070】
移動体搭載装置15は、列車が駅1に到着すると(ステップS14)、中継点設置装置16にデータを送信する(ステップS15)。このとき送信されるデータのデータ量は、移動体搭載装置15と駅1の中継点設置装置16との間の通信速度と停車時間との積と同じかそれよりも少ない。駅1の中継点設置装置16は、データサーバ13へ移動体搭載装置15から受信したデータを転送する(ステップS16)。このとき転送されるデータのデータ量は、駅1の中継点設置装置16とデータサーバ13との間の通信速度と駅1から駅2までの移動時間との積と同じかそれよりも少ない。

【0071】
移動体搭載装置15は、列車が駅1を出発して駅2に到着すると(ステップS17)、中継点設置装置16にデータを送信する(ステップS18)。駅2の中継点設置装置16は、データサーバ13へ移動体搭載装置15から受信したデータを転送する(ステップS19)。以降同様に、移動体搭載装置15は、列車が駅2を出発して駅3に到着すると(ステップS20)、中継点設置装置16にデータを送信する(ステップS21)。駅3の中継点設置装置16は、データサーバ13へ移動体搭載装置15から受信したデータを転送する(ステップS22)。

【0072】
本実施形態では、データ転送決定装置17は、移動体搭載装置15がユーザ端末装置20から受信したデータのデータ量と、移動体のスケジュール情報と、データ送信システムの各部の通信速度とに基づいて、データサーバ13に対するデータの配信スケジュールを決定する。特に、データ量及び通信速度を考慮して配信スケジュールを決定することで、データ量と通信速度に応じたフレキシブルなデータオフロードを実現できる。例えば、1つの中継点で移動体搭載装置15から中継点設置装置16へデータを送信しきれないときに、複数の中継点の中継点設置装置16にデータを分割送信する配信スケジュールを決定することができ、データオフロードに失敗する確率を下げることができる。

【0073】
データ転送決定装置17は、データ量、移動体の移動スケジュール、及び通信速度の少なくとも1つが変化したときに、配信スケジュールを動的に更新することもできる。その場合、更新後の配信スケジュールに従って移動体搭載装置15から中継点設置装置16へデータを送信することで、データをデータサーバ13に送信することができる。通信速度計測装置14を用い、各部の通信速度を計測することで、ネットワーク特製の動的な変化に対応した配信スケジュールを生成することができる。

【0074】
続いて、本発明の第2実施形態を説明する。図9は、本発明の第2実施形態に係るデータ転送システムで用いられる移動体搭載装置15aと中継点設置装置16aとを示すブロック図である。移動体搭載装置15a及び中継点設置装置16aは、列車サーバとしてもキャッシュ、及び駅サーバとしてもキャッシュを想定していることから、CCN(Content centric network)、ICN(Information Centric Network)、又はNDN(Named Data Networking)との親和性が高い。本実施形態では、それらを通信アーキテクチャとして採用する。本実施形態では、移動体搭載装置15a及び中継点設置装置16aは、それぞれCCNのノードの1つを構成する。詳細な説明は省略するが、ユーザ端末装置20は、CCNに対してコンテンツ取得要求を送信し、CCNからコンテンツデータを受信することができる。

【0075】
図9を参照すると、移動体搭載装置15aは、図2に示す第1実施形態に係るデータ送信システムで用いられる移動体搭載装置15の構成に加えて、リスト送信部55を有する。中継点設置装置16aは、図3に示す第1実施形態に係るデータ送信システムで用いられる中継点設置装置16の構成に加えて、リスト受信部64を有する。リスト送信部55は、データ記憶部52に記憶されたデータのリスト(コンテンツリスト)を生成する。コンテンツリストは、例えばデータ名、ユーザ名、データサイズ、及びタイムスタンプを含む。リスト送信部55は、移動体が中継点に到達したときに、生成したコンテンツリストを中継点設置装置16aに送信する。この送信は、データ送信部53によるデータ送信に先立って行われる。

【0076】
中継点設置装置16aのリスト受信部64は、移動体搭載装置15aから送信されたコンテンツリストを受信する。データ取得部61は、リスト受信部64からコンテンツリストを取得し、コンテンツリストに含まれるデータの中から、取得するデータを決定(選択)する。このデータの選択は、データ転送決定装置17の転送データ決定部73(図4を参照)における配信スケジュールと同様でよい。データ取得部61は、その内部にデータ転送決定装置17を含む構成であってもよい。

【0077】
データ取得部61は、例えば、自装置が設置された中継点における移動体搭載装置15aと中継点設置装置16aとの間の通信速度及び中継点設置装置16aとデータサーバ13との間の通信速度と、コンテンツリストに含まれるデータのデータ量と、移動体のスケジュール情報、特に当該中継点における移動体の停車時間とに基づいて、移動体搭載装置15aから取得するデータの総データ量を決定し、その総データ量の範囲内で、コンテンツリストに含まれるデータのうちのどのデータを取得するのかを決定する。データ取得部61が取得するデータを決定するのに変えて、どのデータを取得するのかを外部のデータ転送決定装置17に問い合わせることとしてもよい。データ転送決定装置17は、複数の各中継点に設置されていてもよい。

【0078】
データ取得部61は、取得するデータを移動体搭載装置15aのデータ送信部53に通知し、データ送信部53からデータを取得する。例えばデータ取得部61は、データ送信部53に対して取得するデータのデータ名を含むコンテンツ取得要求(インタレストパケット)をデータ送信部53に送信する。データ送信部53は、コンテンツ取得要求を受信すると、その要求に含まれるデータ名のデータをデータ記憶部52から読み出し、読み出したデータを、コンテンツ取得要求に対する応答としてデータ取得部61に送信する。送信されたデータは、データ記憶部52から削除される。

【0079】
次いで、動作手順を説明する。図10は、第2実施形態に係るデータ送信システムの動作手順を示すフローチャートである。リスト送信部55は、データ記憶部52に記憶されたデータのリスト(コンテンツリスト)を生成する(ステップB1)。コンテンツリストの生成は、移動体が中継点を出発した後、次の中継点に到達するまでの間の任意のタイミングで行われる。リスト送信部55は、例えばデータ記憶部52の記憶内容が変化したタイミングでコンテンツリストを生成してもよい。例えば、データ受信部51が新たにユーザ端末装置20からデータを受信してデータ記憶部52に記憶すると、コンテンツリストの生成(更新)を行うこととしてもよい。また、前の中継点においてデータ送信部53が送信したデータがデータ記憶部52から削除されると、コンテンツリストの更新を行うこととしてもよい。

【0080】
移動体が中継点に到達すると(ステップB2)、リスト送信部55は、ステップB1で生成したコンテンツリストを中継点設置装置16aに送信する(ステップB3)。例えば移動体が中継点に到達すると、中継点設置装置16aのリスト受信部64はリスト送信部55に対してリスト送信を指示する。リスト送信部55は、その指示に応答してコンテンツリストを送信する。コンテンツリストの生成は、リスト受信部64が送信した指示を受信した後に行ってもよい。中継点設置装置16aは、コンテンツリストを参照することで、移動体搭載装置15aがどのようなデータをどれだけユーザ端末装置20から収容したかを知ることができる。なお、リスト送信部55は、データ記憶部52に記憶されたデータがないときには、空のコンテンツリストを送信すればよい。

【0081】
データ取得部61は、リスト受信部64が受信したコンテンツリストを参照して、どのデータを移動体搭載装置15aから受信するかを決定する(ステップB4)。このステップは、自装置が設置された中継点において、どのデータを移動体搭載装置15aから中継点設置装置16aへと送信するのかを決定すればよい点を除けば、転送データ決定部73が実施する配信スケジュールの決定(図7のステップA3)と同様である。別の言い方をすれば、ステップB4の受信データの決定は、1つの中継点における配信スケジュールの決定と等価である。データ取得部61は、1つのデータを複数の分割データに分割し、分割データの単位で移動体搭載装置15aから受信するデータを決定してもよい。

【0082】
データ取得部61は、移動体搭載装置15aに、ステップB4で決定したデータの送信を要求する(ステップB5)。データ送信部53は、要求されたデータをデータ記憶部52から読み出し、読み出したデータをデータ取得部61へ送信する(ステップB6)。データ取得部61は、データ送信部53から受信したデータをデータ記憶部62へ記憶する。データ記憶部62に記憶されたデータは、データ転送部63により、データサーバ13へデータ送信される。

【0083】
図11は、本実施形態に係るデータ送信システムの動作手順を示すシーケンス図である。ユーザ端末装置20は、移動体搭載装置15に、データサーバ13に送信したいデータを送信する(ステップS31)。リスト送信部55は、データ記憶部52に記憶されたデータのリスト(コンテンツリスト)を更新する(ステップS32)。列車が駅1に到着すると(ステップS33)、停車駅1の中継点設置装置16aは、移動体搭載装置15aに対してユーザから収容したデータを問い合わせる。この問い合わせは、リスト受信部64が、移動体搭載装置15aに対してコンテンツリストの送信を要求することで実施される。リスト送信部55は、停車駅1の中継点設置装置16aへコンテンツリストを送信する(ステップS34)。リスト受信部64は、コンテンツリストを受信する。

【0084】
データ取得部61は、リスト受信部64が受信したコンテンツリストに含まれるデータのうち、どのデータを停車駅1の中継点設置装置16aが受信するのかを決定する(ステップS35)。データ取得部61は、例えば、コンテンツリストに含まれるデータのデータ量と、移動体搭載装置15aと停車駅1の中継点設置装置16aとの間の通信速度及び停車駅1の中継点設置装置16aとデータサーバ13との間の通信速度と、停車駅1における停車時間とに基づいて、停車駅1においてどれだけの量のデータを中継点設置装置16aが移動体搭載装置15aから受信するのかを決定する。

【0085】
データ取得部61は、ステップS35で決定したデータの送信を移動体搭載装置15aに要求する(ステップS36)。移動体搭載装置15aのデータ送信部53は、要求されたデータをデータ記憶部52から読み出してデータ取得部61に送信する(ステップS37)。データ転送部63は、データ取得部61が取得したデータをデータサーバ13に送信する(ステップS38)。データ送信部53によって読み出されたデータは、データ記憶部52から削除される。リスト送信部55は、コンテンツリストを更新する(ステップS39)。

【0086】
なお、通常のCCNは、プル型のコンテンツ配信を行うことはできるが、プッシュ側のコンテンツ配信には対応していない。ユーザ端末装置20から移動体搭載装置15aへのデータ送信、及び/又は中継点設置装置16aからデータサーバ13へのデータ転送においては、データ送信元の装置から特別な識別子を含むインタレストをデータ送信先の送信に送信し、その特別な識別子を含むインタレストを受信したデータ送信先の装置が、インタレスを発生させることで、送信元の装置からデータ取得することとしてもよい。ユーザ端末装置20から移動体搭載装置15aへのデータ送信、及び/又は中継点設置装置16aからデータサーバ13へのデータ転送には、CCNとは異なる通信アーキテクチャを用いてもよい。

【0087】
列車が駅2に到着すると(ステップS40)、停車駅2の中継点設置装置16aのリスト受信部64は、移動体搭載装置15aに対してコンテンツリストの送信を要求する。リスト送信部55は、停車駅2の中継点設置装置16aへコンテンツリストを送信する(ステップS41)。リスト受信部64は、コンテンツリストを受信する。

【0088】
データ取得部61は、リスト受信部64が受信したコンテンツリストに含まれるデータのうち、どのデータを停車駅2の中継点設置装置16aが受信するのかを決定する(ステップS42)。データ取得部61は、例えば、コンテンツリストに含まれるデータのデータ量と、移動体搭載装置15aと停車駅2の中継点設置装置16aとの間の通信速度及び停車駅2の中継点設置装置16aとデータサーバ13との間の通信速度と、停車駅2における停車時間とに基づいて、停車駅2においてどれだけの量のデータを中継点設置装置16aが移動体搭載装置15aから受信するのかを決定する。

【0089】
データ取得部61は、ステップS42で決定したデータの送信を移動体搭載装置15aに要求する(ステップS43)。移動体搭載装置15aのデータ送信部53は、要求されたデータをデータ記憶部52から読み出してデータ取得部61に送信する(ステップS44)。データ転送部63は、データ取得部61が取得したデータをデータサーバ13に送信する(ステップS45)。以後、コンテンツリストの更新を繰り返しながら、各停車駅においてコンテンツリストの送信、受信データの決定、決定したデータの取得要求の送信、データの送信、データサーバへのデータの転送を実施する。

【0090】
本実施形態では、中継点設置装置16aがコンテンツリストを取得し、そのコンテンツリストに含まれるデータのうち、どのデータを当該中継点設置装置16aが設置された中継点で受信するのかを決定する。このような構成とする場合、各中継点において、その中継点でどのデータを受信するのかを決定することができる。CCNの通信アーキテクチャを利用することで、ユーザ端末装置20に対するコンテンツ配信を効率的に実施することができる。データ量及び通信速度を考慮して移動体搭載装置15aから中継点設置装置16aへの送信データの決定(配信スケジュールの決定)を行う点は、第1実施形態と同様である。

【0091】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明のデータ送信システム及び方法は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
11:ネットワーク
13:データサーバ
14:通信速度計測装置
15:移動体搭載装置
16:中継点設置装置
17:転送データ決定装置
20:ユーザ端末装置
51:データ受信部
52:データ記憶部
53:データ送信部
54:通信品質監視部
55:リスト送信部
61:データ取得部
62:データ記憶部
63:データ転送部
64:リスト受信部
71:通信速度収集部
72:スケジュール情報記憶部
73:転送データ決定部
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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