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明細書 :偏波変換器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-158168 (P2016-158168A)
公開日 平成28年9月1日(2016.9.1)
発明の名称または考案の名称 偏波変換器
国際特許分類 H01Q  15/24        (2006.01)
FI H01Q 15/24
請求項の数または発明の数 2
出願形態 OL
全頁数 24
出願番号 特願2015-035651 (P2015-035651)
出願日 平成27年2月25日(2015.2.25)
発明者または考案者 【氏名】鈴木 健仁
出願人 【識別番号】504203572
【氏名又は名称】国立大学法人茨城大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100102635、【弁理士】、【氏名又は名称】浅見 保男
【識別番号】100197022、【弁理士】、【氏名又は名称】谷水 浩一
審査請求 未請求
テーマコード 5J020
Fターム 5J020AA08
5J020BD03
5J020BD04
5J020DA05
5J020DA07
要約 【課題】 各部の寸法を実用の範囲の寸法とした、従来は実現されていなかったテラヘルツ波帯で動作する偏波変換器を提供すること。
【解決手段】 偏波変換器1は、厚さdの誘電体基板12の一面に長さがlの第1ワイヤー10aが、x方向に間隔sで、y方向に間隔gで配列されて形成され、誘電体基板12の他面に長さがlの第2ワイヤー11aが、x方向に間隔sで、y方向に間隔gで配列されて形成されている。誘電体基板の厚さdが約50μm、第1ワイヤーおよび第2ワイヤーの長さlが設計周波数帯域においてほぼ共振する長さとされ、間隔sが約45μm~約120μm、間隔gが約95μm~約120μmとされている。
【選択図】 図2
特許請求の範囲 【請求項1】
x-y平面に置かれた厚さdの誘電体基板と、
長さがlの細長い矩形状の第1ワイヤーが、前記誘電体基板の一面に配列された第1ワイヤーアレーと、
長さがlの細長い矩形状の第2ワイヤーが、前記誘電体基板の前記一面と対面する他面に配列された第2ワイヤーアレーとを備え、
前記誘電体基板の厚さdが約50μm、前記第1ワイヤーおよび前記第2ワイヤーの長さlが設計周波数帯域においてほぼ共振する長さとされ、前記第1ワイヤーアレーおよび前記第2ワイヤーアレーにおいて、前記第1ワイヤーおよび前記第2ワイヤーが約45μm~約120μmの間隔でx方向に配列され、約95μm~約120μmの間隔でy方向に配列されて、テラヘルツ波帯において直線偏波と円偏波との間で偏波変換を行えることを特徴とする偏波変換器。
【請求項2】
前記第1ワイヤーおよび前記第2ワイヤーの長さlが約80μm~約310μm、その幅wが約50μm~約70μmとされて、約0.3THz~約1.0THzにおいて、直線偏波と円偏波との間で偏波変換を行えることを特徴とする請求項1に記載の偏波変換器。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、テラヘルツ波帯において直線偏波と円偏波との間で偏波変換することができる偏波変換器に関する。
【背景技術】
【0002】
偏波を変換する偏波変換器を用いるとアンテナ設計の自由度を向上することができ、偏波変換器で円偏波を直線偏波に変換することが多く行われている。例えば、ラジアルラインスロットアンテナ(RLSA)は、BS受信等に用いられる高効率な円偏波平面アンテナである。このRLSAを直線偏波が用いられている放送や移動通信のアンテナとして用いるためには、放射素子の設計を見直して直線偏波を送受信できるアンテナとする必要がある。逆に、パッチアンテナやワイヤアンテナにおいては、直線線偏波は容易に得られるが、円偏波を生成するには、90°の位相差を持つ直交する2つの直線偏波を発生させる構成を追加する必要がある。
そこで、偏波変換器を使用することにより、円偏波アンテナを直線偏波のアンテナとしたり、直線偏波のアンテナを円偏波のアンテナとして用いることができるようになる。例えば、既存の円偏波RLSAに偏波変換器を装着すると、RLSAから放射された円偏波が偏波変換器で直線偏波に変換されて、直線偏波が放射されるようになる。また、パッチアンテナやワイヤアンテナに偏波変換器を装着すると、パッチアンテナやワイヤアンテナにから放射された直線偏波が偏波変換器で円偏波に変換されて、円偏波が放射されるようになる。
【0003】
従来の偏波変換板100の構成を示す斜視図を図50(a)に、偏波変換板100を構成する単位セル101の構成を示す斜視図を図50(b)に示す。
この図50(a)に示す偏波変換板100は、一面にダイポール列111が形成された誘電体フィルム110aと、一面にダイポール列112が形成された誘電体フィルム110bとを所定間隔を置いて対面するよう配置し、誘電体フィルム110a,110bの間に誘電体を挿入する。ダイポール列111は、図50(b)に示す細長い矩形の金属ストリップからなるダイポール111aが、一定周期で誘電体フィルム110a上に縦横に並べられて形成されることにより構成され、ダイポール列112も同様に、細長い矩形の金属ストリップからなるダイポール112aが、一定周期で誘電体フィルム110b上に縦横に並べられて形成されることにより構成されている。図50(b)に示す単位セル101は、偏波変換板100の構成単位であり、一面に1つのダイポール111aが形成された小さな面積の誘電体フィルム110aと、一面に1つのダイポール112aが形成された小さな面積の誘電体フィルム110bとを対面して配置し、その間に誘電体を挿入して構成されている。この単位セル101を縦横に並べることで、図50(a)に示す偏波変換板100が構成される。すなわち、長さl,幅wのダイポール111a(112a)がx,y方向に周期dx,dyでxy平面上に無限アレー配置されて構成されたダイポール列111(112)を備える偏波変換板100が構成される。
【0004】
偏波変換板100における円偏波を直線偏波へ変換する原理を説明すると、偏波変換板100に対してほぼ垂直方向(z方向)から円偏波が入射したとすると、円偏波は、ダイポール列111,112に平行な成分と、ダイポール列111,112に垂直な成分との直交する2つの直線偏波成分に分けることができる。偏波変換板100における1層目の誘電体フィルム110aに形成されているダイポール列111の各ダイポール111aに誘起される誘起電流は、ダイポール111aに平行な偏波を誘電体フィルム110aの下面と上面の両側に対称に放射する。また、2層目の誘電体フィルム110bに形成されているダイポール列112の各ダイポール112aに誘起される誘起電流も、ダイポール112aに平行な偏波を誘電体フィルム110bの下面と上面の両側に対称に放射する。そして、ダイポール列111から上方への放射の位相に対して、ダイポール列112から上方への放射の位相を180°異なるように、誘電体フィルム110aと誘電体フィルム110bとの間隔を設定する。これにより、上方への放射波は相殺されて無反射となる。そして、下方への放射波は入射波の同じ成分に重畳され、その位相に変化を与える。一方、ダイポール111a,112aに垂直な偏波成分は90°の位相差を有して入射するが、ダイポール列111,112にほとんど電流を誘起しないため、反射や散乱をされることなく通過する。ダイポール111a,112aに平行な偏波の透過位相と、垂直な偏波の透過位相とが90°ずれるよう設計することにより、入射された直交する2つの直線偏波成分の位相差が相殺され、両成分は同相となる。従って、透過波はダイポール111a,112aに約45°傾いた直線偏波に変換されることになる。
【0005】
図50(b)に示す単位セル101において、誘電体フィルム110a,110bの厚さを50μm、比誘電率εrを3.0とし、誘電体フィルム110aと誘電体フィルム110bとの間に挿入した誘電体の厚さdを2.0mm、比誘電率εrを1.2とした際に、単位セル101のx方向周期dxを2.8mm、y方向周期dyを10.2mmとし、ダイポール111a(112a)の長さlを8.1mm、幅wを1.0mmの寸法とすると、図50(a)に示す偏波変換板100では、11.7GHz~12.0GHzにおいて透過損失0.2dB以下、交差偏波識別度28dB以上の偏波変換特性が得られることが予測できる。
【先行技術文献】
【0006】

【非特許文献1】電子情報通信学会論文誌 B-II Vol. J 79-B-II No. 8 PP.459-468 1996年8月 内田浩光外3名著 「周期ダイポールアレーから成る2層構造偏波変換板と平面アンテナへの応用」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の偏波変換板100は、薄くすることができると共にコストも安価であるが、その適用周波数は十数GHzのマイクロ波帯である。この偏波変換板100の適用周波数をテラヘルツ波帯(0.1~10THz)とするには、原理的には適用周波数に対応してスケールダウンすれば良い。例えば、適用周波数を0.4THzとする場合は、上記した各寸法を約1/60とする規格化を行うことになる。しかしながら、各部の寸法が実用の範囲の寸法から外れるようになってしまい、実現することが困難になるという問題点があった。
本発明は、各部の寸法を実用の範囲の寸法とした、従来は実現されていなかったテラヘルツ波帯で動作する偏波変換器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、x-y平面に置かれた厚さdの誘電体基板と、長さがlの細長い矩形状の第1ワイヤーが、前記誘電体基板の一面に配列された第1ワイヤーアレーと、長さがlの細長い矩形状の第2ワイヤーが、前記誘電体基板の前記一面と対面する他面に配列された第2ワイヤーアレーとを備え、前記誘電体基板の厚さdが約50μm、前記第1ワイヤーおよび前記第2ワイヤーの長さlが設計周波数帯域においてほぼ共振する長さとされ、前記第1ワイヤーアレーおよび前記第2ワイヤーアレーにおいて、前記第1ワイヤーおよび前記第2ワイヤーが約45μm~約120μmの間隔でx方向に配列され、約95μm~約120μmの間隔でy方向に配列されて、テラヘルツ波帯において直線偏波と円偏波との間で偏波変換を行えることを最も主要な特徴としている。
また、請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記第1ワイヤーおよび前記第2ワイヤーの長さlが約80μm~約310μm、その幅wが約50μm~約70μmとされて、約0.3THz~約1.0THzにおいて、直線偏波と円偏波との間で偏波変換を行えることを主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1,2にかかる発明によれば、従来は実現されていなかったテラヘルツ波帯で動作する偏波変換器の各部の寸法を、実用の範囲の寸法とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例の偏波変換器の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セルの構成を示す斜視図、第1の設計周波数における寸法の例を示す図表である。
【図3】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第1の設計周波数)における、楕円率と回転角の周波数特性を示す図である。
【図4】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第1の設計周波数)における、透過電力の周波数特性を示す図である。
【図5】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第1の設計周波数)における、楕円率と回転角の他の周波数特性を示す図である。
【図6】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第1の設計周波数)における、透過電力の他の周波数特性を示す図である。
【図7】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第1の設計周波数)における、長さlと間隔sに対する楕円率の等高線図である。
【図8】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第1の設計周波数)における、長さlと間隔sに対する透過電力の等高線図である。
【図9】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第1の設計周波数)における、幅wと間隔gに対する楕円率の等高線図である。
【図10】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第1の設計周波数)における、幅wと間隔gに対する透過電力の等高線図である。
【図11】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セルの第2の設計周波数における寸法の例を示す図表である。
【図12】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第2の設計周波数)における、楕円率と回転角の周波数特性を示す図である。
【図13】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第2の設計周波数)における、透過電力の周波数特性を示す図である。
【図14】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第2の設計周波数)における、楕円率と回転角の他の周波数特性を示す図である。
【図15】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第2の設計周波数)における、透過電力の他の周波数特性を示す図である。
【図16】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第2の設計周波数)における、長さlと間隔sに対する楕円率の等高線図である。
【図17】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第2の設計周波数)における、長さlと間隔sに対する透過電力の等高線図である。
【図18】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第2の設計周波数)における、幅wと間隔gに対する楕円率の等高線図である。
【図19】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第2の設計周波数)における、幅wと間隔gに対する透過電力の等高線図である。
【図20】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セルの第3の設計周波数における寸法の例を示す図表である。
【図21】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第3の設計周波数)における、楕円率と回転角の周波数特性を示す図である。
【図22】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第3の設計周波数)における、透過電力の周波数特性を示す図である。
【図23】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第3の設計周波数)における、長さlと間隔sに対する楕円率の等高線図である。
【図24】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第3の設計周波数)における、長さlと間隔sに対する透過電力の等高線図である。
【図25】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セルの第4の設計周波数における寸法の例を示す図表である。
【図26】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第4の設計周波数)における、楕円率と回転角の周波数特性を示す図である。
【図27】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第4の設計周波数)における、透過電力の周波数特性を示す図である。
【図28】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第4の設計周波数)における、長さlと間隔sに対する楕円率の等高線図である。
【図29】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第4の設計周波数)における、長さlと間隔sに対する透過電力の等高線図である。
【図30】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セルの第5の設計周波数における寸法の例を示す図表である。
【図31】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第5の設計周波数)における、楕円率と回転角の周波数特性を示す図である。
【図32】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第5の設計周波数)における、透過電力の周波数特性を示す図である。
【図33】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第5の設計周波数)における、長さlと間隔sに対する楕円率の等高線図である。
【図34】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第5の設計周波数)における、長さlと間隔sに対する透過電力の等高線図である。
【図35】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セルの第6の設計周波数における寸法の例を示す図表である。
【図36】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第6の設計周波数)における、楕円率と回転角の周波数特性を示す図である。
【図37】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第6の設計周波数)における、透過電力の周波数特性を示す図である。
【図38】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第6の設計周波数)における、長さlと間隔sに対する楕円率の等高線図である。
【図39】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第6の設計周波数)における、長さlと間隔sに対する透過電力の等高線図である。
【図40】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セルの第7の設計周波数における寸法の例を示す図表である。
【図41】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第7の設計周波数)における、楕円率と回転角の周波数特性を示す図である。
【図42】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第7の設計周波数)における、透過電力の周波数特性を示す図である。
【図43】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第7の設計周波数)における、長さlと間隔sに対する楕円率の等高線図である。
【図44】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第7の設計周波数)における、長さlと間隔sに対する透過電力の等高線図である。
【図45】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セルの第8の設計周波数における寸法の例を示す図表である。
【図46】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第8の設計周波数)における、楕円率と回転角の周波数特性を示す図である。
【図47】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第8の設計周波数)における、透過電力の周波数特性を示す図である。
【図48】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第8の設計周波数)における、長さlと間隔sに対する楕円率の等高線図である。
【図49】本発明にかかる偏波変換器を構成する単位セル(第8の設計周波数)における、長さlと間隔sに対する透過電力の等高線図である。
【図50】従来の偏波変換板の構成を示す斜視図、その単位セルの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施例の偏波変換器1の構成を示す斜視図を図1に、本発明の実施例の偏波変換器1の1周期分の構成である単位セル2の構成を示す斜視図を図2に、単位セル2の寸法の一例を図2(b)に示す。
これらの図に示す本発明の実施例にかかる偏波変換器1はテラヘルツ波帯において動作する。この偏波変換器1は、図1に示すようにx-y平面に置かれた矩形の厚さdの誘電体基板12の表面に、細長い矩形状の金属ストリップからなる第1ワイヤー10aが、y方向に間隔gで中心軸を合わせて一定間隔で多数本配設されると共に、x方向に間隔sで互いに平行に一定間隔で多数本配設されて第1ワイヤーアレー10が形成されている。また、厚さdの誘電体基板12の裏面に、細長い矩形状の金属ストリップからなる第2ワイヤー11aが、y方向に一定間隔で中心軸を合わせて配設されると共に、x方向に互いに平行に多数本配設されて第2ワイヤーアレー11が形成されている。この場合、第2ワイヤー11aは第1ワイヤー10aに重なるように形成されている。

【0012】
上記した構成の本発明にかかる偏波変換器1は、図2(a)に示す単位セル2を縦横に多数配列した構造と等価となる。そこで、図2(a)に示す単位セル2を説明すると、誘電体基板12の表面のほぼ中央に、幅がwで長さlで厚さtの第1ワイヤー10aが形成され、誘電体基板12の裏面のほぼ中央に、幅がwで長さlで厚さtの第2ワイヤー11aが第1ワイヤー10aに重なるように形成されて構成されている。誘電体基板12は、幅が(w+s)、長さが(l+g)で単位化され、厚さdとされている。これにより、第1ワイヤー10aと第2ワイヤー10bの長辺と、誘電体基板12の長辺との間隔は約s/2、第1ワイヤー10aと第2ワイヤー10bの短辺と、誘電体基板12の短辺との間隔は約g/2となる。第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aとは、誘電体基板12上に厚さtで形成した金属膜を、エッチング加工すること等により形成することができる。本発明にかかる偏波変換器1は、上記説明した単位セル2がx方向に周期(w+s)で配置されると共に、y方向に周期(l+g)で配置されることにより等価的に構成されている。なお、第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aを形成する金属材料としては、金、銀、銅、アルミニウム等の抵抗損の少ない金属材料が用いられる。また、誘電体基板12は、例えばシクロオレフィンポリマーフィルムとされ、低損失の誘電体フィルムを用いるのが好適とされる。

【0013】
第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aの長軸がy方向になるように、単位セル2をx-y平面に配置し、その周囲を図2(a)に示すように周期境界壁14で囲み、y方向から約45°回転した方向に偏波されたテラヘルツ波帯の直線偏波を入射させる。直線偏波は、単位セル2の下面から入射され、その電界成分Eがy方向から約45°回転した方向となり、その磁界成分Hがx方向から約45°回転した方向となって、進行方向kはz方向となる。約45°回転して入射された直線偏波は、第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aの長軸に平行な第1成分と、第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aの長軸に直交する第2成分との互いに直交する2つの直線偏波成分に分けることができる。単位セル2における誘電体基板12の表面に形成されている第1ワイヤー10aに第1成分により誘起される誘起電流は、第1ワイヤー10aの長軸(y方向)に平行な直線偏波を誘電体基板12の下面と上面の両側に対称に放射する。また、誘電体基板12の裏面に形成されている第2ワイヤー11aに第1成分により誘起される誘起電流も、第2ワイヤー11aの長軸に平行な直線偏波を誘電体基板12の下面と上面の両側に対称に放射する。そして、第1ワイヤー10aから下方への放射の位相に対して、第2ワイヤー11aから下方への放射の位相を180°異なるように、第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aとの間隔d(誘電体基板12の厚さ)を設定する。これにより、z方向から入射する入射源方向への放射波は相殺されて無反射となる。そして、第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aとからの上方への放射波はほぼ同相とされて重畳されると共に、その位相が回転するようになる。一方、第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aの長軸に直交する(x方向)第2成分は、第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aにほとんど電流を誘起しないため、反射や散乱をされることなく通過する。第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aの長軸に平行な偏波の透過位相と、直交する偏波の透過位相とが90°ずれるよう設計することにより、入射された約45°回転した方向の直線偏波は位相差が約90°とされた直交する2つの直線偏波成分となり、両成分により円偏波が生成されるようになる。従って、単位セル2を縦横に多数配列した構造の本発明にかかる偏波変換器1は、直線偏波を円偏波に変換する偏波変換器として機能する。なお、本発明にかかる偏波変換器1は可逆性であることから、円偏波を偏波変換器1に入射すると直線偏波に変換されて出射されるようになる。

【0014】
単位セル2の寸法の一例を図2(b)に示す。この場合、単位セル2で構成される本発明にかかる偏波変換器1の設計周波数を第1の設計周波数である0.4THzとしている。単位セル2において、第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aの幅wは約50μm、長さlは約225μm、厚さtは約0.5μm、間隔sは約90μmで間隔gは約95μmとされて第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aがx方向に配置される周期は約140μm、y方向に配置される周期は約320μm、誘電体基板12の厚さdは約50μmとされる。なお、誘電体基板12の比誘電率εrは約2.341としている。本発明にかかる偏波変換器1においては、単位セル2の各部の寸法を調整することにより、0.4THzのテラヘルツ波帯において実用の範囲の寸法とすることができるようになった。また、第1ワイヤー10aおよび第2ワイヤー11aの長さlは、設計周波数帯域においてほぼ共振する長さ(電気長)とされている。

【0015】
本発明にかかる偏波変換器1を構成している図2(a)に示す単位セル2の楕円率および透過電力に関連するパラメータの解析結果を図3ないし図10に示す。なお、解析においては、単位セル2の寸法を図2(b)に示す設計周波数を0.4THzとした寸法とすると共に、図2(a)に示すように出射される透過波を検出するプローブ13を、単位セル2の面から約1.0mm離隔して配置している。また、解析結果における楕円率は、プローブ13で検出した円偏波の楕円率であり、回転角はプローブ13で検出した前述した第2成分に対する第1成分の回転角度であり、透過電力はプローブ13で検出した出射される透過波の電力である。
図3は、設計周波数を0.4THzとした単位セル2の楕円率(Ellipticity)と回転角(Rotation angle)の0~0.8THzの周波数特性を示す図である。図3を参照すると、楕円率(Ellipticity)は、緩やかに低下していき約0.3THzで約-0.25となるが、約0.3THzを超えると急激に低下して約0.4THzにおいて約-0.95に達し、約0.4THzを超えると急激に上昇して約0.42THzにおいて約0となり、その後は0~約0.2の間で変化する。回転角(Rotation angle)は、約0.35THzまでは約+35°から約+45°の範囲で変化しているが、約0.35THzを超えると急激に変化して約0.4THzにおいて約+90°に達した後、反転して約-70°となる。その後、急激に上昇して約0.5THzにおいて約+15°となり、その後は+10°~+15°の範囲で変化する。

【0016】
図4は、設計周波数を0.4THzとした単位セル2の透過電力(Transmission power)の0~0.8THzの周波数特性を示す図である。図4を参照すると、透過電力[%]は、約100%から低下して約0.3THzにおいて約75%となり、約0.3THzを超えると急に上昇して約0.4THzにおいて約91.3%に達し、約0.4THzを超えると急激に下降して約0.42THzにおいて約41%となり、その後は約41%~約42%の間で変化する。
このように、単位セル2は、設計周波数0.4THzにおいて良好な偏波変換特性が得られることが分かる。

【0017】
図5は、設計周波数を0.4THzとした単位セル2の楕円率(Ellipticity)と回転角(Rotation angle)の0~2.0THzの周波数特性を示す図である。図5を参照すると、楕円率(Ellipticity)は、周波数が高くなるにつれて上昇下降を繰り返しているが、設計周波数の0.4THzの前後において良好な楕円率を呈している。また、回転角(Rotation angle)も、周波数が高くなるにつれて上昇下降を繰り返しているが、設計周波数の0.4THzの前後において良好な回転角を呈している。
図6は、設計周波数を0.4THzとした単位セル2の透過電力(Transmission power)の0~2.0THzの周波数特性を示す図である。図6を参照すると、透過電力[%]は、周波数が高くなるにつれて上昇下降を繰り返しているが、設計周波数の0.4THzの前後において良好な透過電力が得られている。
このように、単位セル2は、設計周波数0.4THzにおいて良好な偏波変換特性が得られることが分かる。

【0018】
図7は、設計周波数を0.4THzとした単位セル2における、横軸を間隔sとし縦軸を長さlとした楕円率(Ellipticity)の等高線図である。図7を参照すると、間隔sが50μmで長さlが約212μmの点と、間隔sが100μmで長さlが約223μmの点とを結ぶ線と、間隔sが50μmで長さlが約219μmの点と、間隔sが100μmで長さlが約226μmの点とを結ぶ線との間の範囲で約0.75以上の楕円率が得られており、間隔sが約90μm、長さlが約225μmの×マークにおいて約-0.95の楕円率が得られている。
図8は、設計周波数を0.4THzとした単位セル2における、横軸を間隔sとし縦軸を長さlとした透過電力(Transmission power)の等高線図である。図8を参照すると、間隔sが50μmで長さlが約207μmの点と、間隔sが100μmで長さlが約216μmの点とを結ぶ線と、間隔sが50μmで長さlが約215μmの点と、間隔sが100μmで長さlが約226μmの点とを結ぶ線との間の範囲で約90%以上の透過電力が得られており、間隔sが約90μm、長さlが約225μmの×マークにおいて約91.3%の透過電力が得られている。

【0019】
図9は、設計周波数を0.4THzとした単位セル2における、横軸を幅wとし縦軸を間隔gとした楕円率(Ellipticity)の等高線図である。図9を参照すると、幅wが39μmで間隔gが約60μmの点と、幅wが55μmで間隔gが85μmの点とを結ぶ線と、幅wが35μmで間隔gが約72μmの点と、幅wが47μmで間隔gが100μmの点とを結ぶ線との間の範囲で約0.9以上の楕円率が得られており、幅wが50μmで間隔gが95μmの×マークにおいて約-0.95の楕円率が得られている。
図10は、設計周波数を0.4THzとした単位セル2における、横軸を幅wとし縦軸を間隔gとした透過電力(Transmission power)の等高線図である。図10を参照すると、幅wが約47μmで間隔gが約60μmの点と、幅wが約54μmで間隔gが約100μmの点とを結ぶ線より幅wが小さくされる範囲であって、間隔gが約60μm~約100μmの範囲で約90%以上の透過電力が得られており、幅wが50μmで間隔gが95μmの×マークにおいて約91.3%の透過電力が得られている。

【0020】
単位セル2で構成される本発明にかかる偏波変換器1の設計周波数を第2の設計周波数である0.3THzとした時の、単位セル2の寸法の例を図11に示す。単位セル2のこの寸法では、第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aの幅wは約70μm、長さlは約310μm、厚さtは約0.5μm、間隔sは約120μmで間隔gは約120μmとされて第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aがx方向に配置される周期は約190μm、y方向に配置される周期は約430μm、誘電体基板12の厚さdは約50μmとされる。なお、誘電体基板12の比誘電率は約2.341としている。本発明にかかる偏波変換器1においては、単位セル2の各部の寸法を調整することにより、0.3THzのテラヘルツ波帯においても実用の範囲の寸法とすることができるようになった。また、第1ワイヤー10aおよび第2ワイヤー11aの長さlは、設計周波数帯域においてほぼ共振する長さとされている。

【0021】
単位セル2の寸法を図11に示す設計周波数を0.3THzとした寸法とした時の、本発明にかかる偏波変換器1を構成している図2(a)に示す単位セル2の楕円率および透過電力に関連するパラメータの解析結果を図12ないし図19に示す。なお、解析においては、図2(a)に示すように出射される透過波を検出するプローブ13を、単位セル2の面から約1.0mm離隔して配置している。また、解析結果における楕円率は、プローブ13で検出した円偏波の楕円率であり、回転角はプローブ13で検出した前述した第2成分に対する第1成分の回転角度であり、透過電力はプローブ13で検出した出射される透過波の電力である。
図12は、設計周波数を0.3THzとした単位セル2の楕円率(Ellipticity)と回転角(Rotation angle)の0~0.6THzの周波数特性を示す図である。図12を参照すると、楕円率(Ellipticity)は、緩やかに低下していき約0.25THzで約-0.3となるが、約0.25THzを超えると急激に低下して約0.3THzにおいて約-0.95に達し、約0.3THzを超えると急激に上昇して約0.31THzにおいて約0となり、その後は0~約0.1の間で変化する。回転角(Rotation angle)は、約0.25THzまでは約+40°から約+45°の範囲で変化していたが、約0.25THzを超えると急激に変化して約0.3THzにおいて約+60°に達した後、反転して約-70°となる。その後、急激に上昇して約0.35THzにおいて約+15°となり、その後は+5°~+15°の範囲で変化する。

【0022】
図13は、設計周波数を0.3THzとした単位セル2の透過電力(Transmission power)の0~0.6THzの周波数特性を示す図である。図13を参照すると、透過電力[%]は、約100%から低下して約0.25THzにおいて約75%となり、約0.25THzを超えると急に上昇して約0.3THzにおいて約94.1%に達し、約0.3THzを超えると急激に下降して約0.32THzにおいて約43%となり、その後は約40%~約50%の間で変化する。
このように、単位セル2は、設計周波数0.3THzにおいて良好な偏波変換特性が得られることが分かる。

【0023】
図14は、設計周波数を0.3THzとした単位セル2の楕円率(Ellipticity)と回転角(Rotation angle)の0~2.0THzの周波数特性を示す図である。図14を参照すると、楕円率(Ellipticity)は、周波数が高くなるにつれて上昇下降を繰り返しているが、設計周波数の0.3THzの前後において良好な楕円率を呈している。また、回転角(Rotation angle)も、周波数が高くなるにつれて上昇下降を繰り返しているが、設計周波数の0.3THzの前後において良好な回転角を呈している。
図15は、設計周波数を0.3THzとした単位セル2の透過電力(Transmission power)の0~2.0THzの周波数特性を示す図である。図15を参照すると、透過電力[%]は、周波数が高くなるにつれて上昇下降を繰り返しているが、設計周波数の0.3THzの前後において良好な透過電力が得られている。
このように、単位セル2は、設計周波数0.3THzにおいて良好な偏波変換特性が得られることが分かる。

【0024】
図16は、設計周波数を0.3THzとした単位セル2における、横軸を間隔sとし縦軸を長さlとした楕円率(Ellipticity)の等高線図である。間隔sは、x方向に周期(w+s)で配列する単位セル2における周期(w+s)に対する第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aの幅wの大きさを示すパラメータである。図16を参照すると、間隔sが100μmで長さlが約305μmの点と、間隔sが150μmで長さlが約308μmの点とを結ぶ線と、間隔sが100μmで長さlが約311μmの点と、間隔sが150μmで長さlが約312μmの点とを結ぶ線との間の範囲で約0.75以上の楕円率が得られており、間隔sが約120μm、長さlが約310μmの×マークにおいて約-0.95の楕円率が得られている。
図17は、設計周波数を0.3THzとした単位セル2における、横軸を間隔sとし縦軸を長さlとした透過電力(Transmission power)の等高線図である。図17を参照すると、間隔sが100μmで長さlが約297μmの点と、間隔sが150μmで長さlが約302μmの点とを結ぶ線と、間隔sが100μmで長さlが約309μmの点と、間隔sが150μmで長さlが約311μmの点とを結ぶ線との間の範囲で約90%以上の透過電力が得られており、間隔sが約120μm、長さlが約310μmの×マークにおいて約94.1%の透過電力が得られている。

【0025】
図18は、設計周波数を0.3THzとした単位セル2における、横軸を幅wとし縦軸を間隔gとした楕円率(Ellipticity)の等高線図である。図18を参照すると、幅wが57μmで間隔gが約100μmの点と、幅wが69μmで間隔gが150μmの点とを結ぶ線と、幅wが70μmで間隔gが約100μmの点と、幅wが85μmで間隔gが150μmの点とを結ぶ線との間の範囲で約0.9以上の楕円率が得られており、幅wが70μmで間隔gが120μmの×マークにおいて約-0.95の楕円率が得られている。
図19は、設計周波数を0.3THzとした単位セル2における、横軸を幅wとし縦軸を間隔gとした透過電力(Transmission power)の等高線図である。図19を参照すると、幅wが約78μmで間隔gが約100μmの点と、幅wが約81μmで間隔gが約150μmの点とを結ぶ線より幅wが小さくされる範囲であって、間隔gが約100μm~約150μmの範囲で約90%以上の透過電力が得られており、幅wが70μmで間隔gが120μmの×マークにおいて約94.1%の透過電力が得られている。

【0026】
単位セル2で構成される本発明にかかる偏波変換器1の設計周波数を第3の設計周波数である0.5THzとした時の、単位セル2の寸法の例を図20に示す。単位セル2のこの寸法では、第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aの幅wは約70μm、長さlは約170μm、厚さtは約0.5μm、間隔sは約50μmで間隔gは約120μmとされて第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aがx方向に配置される周期は約120μm、y方向に配置される周期は約290μm、誘電体基板12の厚さdは約50μmとされる。なお、誘電体基板12の比誘電率は約2.341としている。本発明にかかる偏波変換器1においては、単位セル2の各部の寸法を調整することにより、0.5THzのテラヘルツ波帯においても実用の範囲の寸法とすることができるようになった。また、第1ワイヤー10aおよび第2ワイヤー11aの長さlは、設計周波数帯域においてほぼ共振する長さとされている。

【0027】
単位セル2の寸法を図20に示す設計周波数を0.5THzとした寸法とした時の、本発明にかかる偏波変換器1を構成している図2(a)に示す単位セル2の楕円率および透過電力に関連するパラメータの解析結果を図21ないし図24に示す。なお、解析においては、図2(a)に示すように出射される透過波を検出するプローブ13を、単位セル2の面から約1.0mm離隔して配置している。また、解析結果における楕円率は、プローブ13で検出した円偏波の楕円率であり、回転角はプローブ13で検出した前述した第2成分に対する第1成分の回転角度であり、透過電力はプローブ13で検出した出射される透過波の電力である。
図21は、設計周波数を0.5THzとした単位セル2の楕円率(Ellipticity)と回転角(Rotation angle)の0.1~0.8THzの周波数特性を示す図である。図21を参照すると、楕円率(Ellipticity)は、緩やかに低下していき約0.4THzで約-0.25となるが、約0.4THzを超えると急激に低下して約0.5THzにおいて約-0.98に達し、約0.5THzを超えると急激に上昇して約0.59THzにおいて約0となり、その後は0~約0.1の間で変化する。回転角(Rotation angle)は、約0.4THzまでは約+40°から約+45°の範囲で変化していたが、約0.4THzを超えると急激に変化して約0.5THzにおいて約+90°に達した後、反転して約-60°となる。その後、急激に上昇して約0.6THzにおいて約0°となり、その後は緩やかに約+15°まで上昇する。

【0028】
図22は、設計周波数を0.5THzとした単位セル2の透過電力(Transmission power)の0.1~0.8THzの周波数特性を示す図である。図22を参照すると、透過電力[%]は、約95%から低下して約0.37THzにおいて約75%となり、約0.37THzを超えると急に上昇して約0.5THzにおいて約82%に達し、約0.5THzを超えると急激に下降して約0.56THzにおいて約40%となり、その後は約40%~約45%の間で変化する。
このように、単位セル2は、設計周波数0.5THzにおいて良好な偏波変換特性が得られることが分かる。

【0029】
図23は、設計周波数を0.5THzとした単位セル2における、横軸を間隔sとし縦軸を長さlとした楕円率(Ellipticity)の等高線図である。図23を参照すると、間隔sが10μmで長さlが約155μmの点と、間隔sが100μmで長さlが約170μmの点とを結ぶ線と、間隔sが10μmで長さlが約170μmの点と、間隔sが100μmで長さlが約185μmの点とを結ぶ線との間の範囲で約0.6以上の楕円率が得られており、間隔sが約50μm、長さlが約170μmの×マークにおいて約-0.98の楕円率が得られている。
図24は、設計周波数を0.5THzとした単位セル2における、横軸を間隔sとし縦軸を長さlとした透過電力(Transmission power)の等高線図である。図24を参照すると、間隔sが10μmで長さlが約140μmの点と、間隔sが100μmで長さlが約154μmの点とを結ぶ線より長さlが短くされる範囲であって、間隔sが約20μm~約100μmの範囲で約75%以上の透過電力が得られており、間隔sが約50μm、長さlが約170μmの×マークにおいて約82.0%の透過電力が得られている。

【0030】
単位セル2で構成される本発明にかかる偏波変換器1の設計周波数を第4の設計周波数である0.6THzとした時の、単位セル2の寸法の例を図25に示す。単位セル2のこの寸法では、第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aの幅wは約70μm、長さlは約140μm、厚さtは約0.5μm、間隔sは約55μmで間隔gは約120μmとされて第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aがx方向に配置される周期は約125μm、y方向に配置される周期は約260μm、誘電体基板12の厚さdは約50μmとされる。なお、誘電体基板12の比誘電率は約2.341としている。本発明にかかる偏波変換器1においては、単位セル2の各部の寸法を調整することにより、0.6THzのテラヘルツ波帯においても実用の範囲の寸法とすることができるようになった。また、第1ワイヤー10aおよび第2ワイヤー11aの長さlは、設計周波数帯域においてほぼ共振する長さとされている。

【0031】
単位セル2の寸法を図25に示す設計周波数を0.6THzとした寸法とした時の、本発明にかかる偏波変換器1を構成している図2(a)に示す単位セル2の楕円率および透過電力に関連するパラメータの解析結果を図26ないし図29に示す。なお、解析においては、図2(a)に示すように出射される透過波を検出するプローブ13を、単位セル2の面から約1.0mm離隔して配置している。また、解析結果における楕円率は、プローブ13で検出した円偏波の楕円率であり、回転角はプローブ13で検出した前述した第2成分に対する第1成分の回転角度であり、透過電力はプローブ13で検出した出射される透過波の電力である。
図26は、設計周波数を0.6THzとした単位セル2の楕円率(Ellipticity)と回転角(Rotation angle)の0.1~0.8THzの周波数特性を示す図である。図26を参照すると、楕円率(Ellipticity)は、緩やかに低下していき約0.5THzで約-0.25となるが、約0.5THzを超えると急激に低下して約0.6THzにおいて約-0.94に達し、約0.6THzを超えると急激に上昇して約0.69THzにおいて約0となり、その後は0~約0.2の間で変化する。回転角(Rotation angle)は、約0.5THzまでは約+40°から約+45°の範囲で変化していたが、約0.5THzを超えると上昇して約0.6THzにおいて約+55°に達した後、反転して約-20°となる。その後、上昇して約0.8THzにおいて約+15°となる。

【0032】
図27は、設計周波数を0.6THzとした単位セル2の透過電力(Transmission power)の0.1~0.8THzの周波数特性を示す図である。図27を参照すると、透過電力[%]は、約97%から低下して約0.4THzにおいて約78%となり、約0.4THzを超えると上昇して約0.6THzにおいて約78.2%に達し、約0.6THzを超えると急激に下降して約0.68THzにおいて約40%となり、その後は約40%~約43%の間で変化する。
このように、単位セル2は、設計周波数0.6THzにおいて良好な偏波変換特性が得られることが分かる。

【0033】
図28は、設計周波数を0.6THzとした単位セル2における、横軸を間隔sとし縦軸を長さlとした楕円率(Ellipticity)の等高線図である。図28を参照すると、間隔sが52μmで長さlが約140μmの点をほぼ中心として、間隔sが約40μm~約72μmで長さlが約135μm~約143μmの範囲で約0.75以上の楕円率が得られており、間隔sが約55μm、長さlが約140μmの×マークにおいて約-0.94の楕円率が得られている。
図29は、設計周波数を0.6THzとした単位セル2における、横軸を間隔sとし縦軸を長さlとした透過電力(Transmission power)の等高線図である。図29を参照すると、間隔sが10μmで長さlが約129μmの点と、間隔sが100μmで長さlが約145μmの点とを結ぶ線より長さlが短くされる範囲であって、間隔sが約10μm~約95μmの範囲で約75%以上の透過電力が得られており、間隔sが約55μm、長さlが約140μmの×マークにおいて約78.2%の透過電力が得られている。

【0034】
単位セル2で構成される本発明にかかる偏波変換器1の設計周波数を第5の設計周波数である0.7THzとした時の、単位セル2の寸法の例を図30に示す。単位セル2のこの寸法では、第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aの幅wは約70μm、長さlは約120μm、厚さtは約0.5μm、間隔sは約70μmで間隔gは約120μmとされて第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aがx方向に配置される周期は約140μm、y方向に配置される周期は約240μm、誘電体基板12の厚さdは約50μmとされる。なお、誘電体基板12の比誘電率は約2.341としている。本発明にかかる偏波変換器1においては、単位セル2の各部の寸法を調整することにより、0.7THzのテラヘルツ波帯においても実用の範囲の寸法とすることができるようになった。また、第1ワイヤー10aおよび第2ワイヤー11aの長さlは、設計周波数帯域においてほぼ共振する長さとされている。

【0035】
単位セル2の寸法を図30に示す設計周波数を0.7THzとした寸法とした時の、本発明にかかる偏波変換器1を構成している図2(a)に示す単位セル2の楕円率および透過電力に関連するパラメータの解析結果を図31ないし図34に示す。なお、解析においては、図2(a)に示すように出射される透過波を検出するプローブ13を、単位セル2の面から約1.0mm離隔して配置している。また、解析結果における楕円率は、プローブ13で検出した円偏波の楕円率であり、回転角はプローブ13で検出した前述した第2成分に対する第1成分の回転角度であり、透過電力はプローブ13で検出した出射される透過波の電力である。
図31は、設計周波数を0.7THzとした単位セル2の楕円率(Ellipticity)と回転角(Rotation angle)の0.3~1.0THzの周波数特性を示す図である。図31を参照すると、楕円率(Ellipticity)は、緩やかに低下していき約0.6THzで約-0.26となるが、約0.6THzを超えると急激に低下して約0.7THzにおいて約-0.90に達し、約0.7THzを超えると急激に上昇して約0.79THzにおいて約0となり、その後は0~約0.3の間で変化する。回転角(Rotation angle)は、約0.6THzまでは約+42°から約+45°の範囲で変化していたが、約0.6THzを超えると上昇して約0.7THzにおいて約+50°に達した後、反転して約-15°となる。その後、上昇して約1.0THzにおいて約+15°となる。

【0036】
図32は、設計周波数を0.7THzとした単位セル2の透過電力(Transmission power)の0.3~1.0THzの周波数特性を示す図である。図32を参照すると、透過電力[%]は、約86%から低下して約0.5THzにおいて約78%となり、約0.5THzを超えると上昇して約0.7THzにおいて約74.4%に達し、約0.7THzを超えると急激に下降して約0.78THzにおいて約41%となり、その後は約41%~約46%の間で変化する。
このように、単位セル2は、設計周波数0.7THzにおいて良好な偏波変換特性が得られることが分かる。

【0037】
図33は、設計周波数を0.7THzとした単位セル2における、横軸を間隔sとし縦軸を長さlとした楕円率(Ellipticity)の等高線図である。図33を参照すると、間隔sが75μmで長さlが約120μmの点をほぼ中心として、間隔sが約52μm~約96μmで長さlが約115μm~約125μmの範囲で約0.8以上の楕円率が得られており、間隔sが約70μm、長さlが約120μmの×マークにおいて約-0.90の楕円率が得られている。
図34は、設計周波数を0.7THzとした単位セル2における、横軸を間隔sとし縦軸を長さlとした透過電力(Transmission power)の等高線図である。図34を参照すると、間隔sが10μmで長さlが約107μmの点と、間隔sが100μmで長さlが約120μmの点とを結ぶ線より長さlが短くされる範囲であって、間隔sが約10μm~約100μmの範囲で約75%以上の透過電力が得られており、間隔sが約70μm、長さlが約120μmの×マークにおいて約74.4%の透過電力が得られている。

【0038】
単位セル2で構成される本発明にかかる偏波変換器1の設計周波数を第6の設計周波数である0.8THzとした時の、単位セル2の寸法の例を図35に示す。単位セル2のこの寸法では、第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aの幅wは約70μm、長さlは約100μm、厚さtは約0.5μm、間隔sは約45μmで間隔gは約120μmとされて第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aがx方向に配置される周期は約115μm、y方向に配置される周期は約220μm、誘電体基板12の厚さdは約50μmとされる。なお、誘電体基板12の比誘電率は約2.341としている。本発明にかかる偏波変換器1においては、単位セル2の各部の寸法を調整することにより、0.8THzのテラヘルツ波帯においても実用の範囲の寸法とすることができるようになった。また、第1ワイヤー10aおよび第2ワイヤー11aの長さlは、設計周波数帯域においてほぼ共振する長さとされている。

【0039】
単位セル2の寸法を図35に示す設計周波数を0.8THzとした寸法とした時の、本発明にかかる偏波変換器1を構成している図2(a)に示す単位セル2の楕円率および透過電力に関連するパラメータの解析結果を図36ないし図39に示す。なお、解析においては、図2(a)に示すように出射される透過波を検出するプローブ13を、単位セル2の面から約1.0mm離隔して配置している。また、解析結果における楕円率は、プローブ13で検出した円偏波の楕円率であり、回転角はプローブ13で検出した前述した第2成分に対する第1成分の回転角度であり、透過電力はプローブ13で検出した出射される透過波の電力である。
図36は、設計周波数を0.8THzとした単位セル2の楕円率(Ellipticity)と回転角(Rotation angle)の0.3~1.0THzの周波数特性を示す図である。図36を参照すると、楕円率(Ellipticity)は、緩やかに低下していき約0.7THzで約-0.26となるが、約0.7THzを超えると急激に低下して約0.8THzにおいて約-0.78に達し、約0.8THzを超えると急激に上昇して約0.94THzにおいて約0となり、その後は0~約0.2の間で変化する。回転角(Rotation angle)は、約0.7THzまでは約+43°から約+45°の範囲で変化していたが、約0.7THzを超えると若干上昇して約0.75THzにおいて約+50°に達した後、反転して約0.85THzにおいて約-10°となる。その後、上昇して約1.0THzにおいて約+5°となる。

【0040】
図37は、設計周波数を0.8THzとした単位セル2の透過電力(Transmission power)の0.3~1.0THzの周波数特性を示す図である。図37を参照すると、透過電力[%]は、約86%から低下して約0.53THzにおいて約78%となり、約0.53THzを超えると上昇して約0.75THzにおいて約90%に達し、約0.75THzを超えると下降して約0.8THzにおいて約71.2%となり、その後は急激に下降して約0.91THzにおいて約42%となる。1.0THzに向かって約42%から約49%に上昇する。
このように、単位セル2は、設計周波数0.8THzにおいて良好な偏波変換特性が得られることが分かる。

【0041】
図38は、設計周波数を0.8THzとした単位セル2における、横軸を間隔sとし縦軸を長さlとした楕円率(Ellipticity)の等高線図である。図38を参照すると、間隔sが45μmで長さlが約100μmの点をほぼ中心として、間隔sが約20μm~約80μmで長さlが約95μm~約105μmの範囲で約0.6以上の楕円率が得られており、間隔sが約45μm、長さlが約100μmの×マークにおいて約-0.78の楕円率が得られている。
図39は、設計周波数を0.8THzとした単位セル2における、横軸を間隔sとし縦軸を長さlとした透過電力(Transmission power)の等高線図である。図39を参照すると、間隔sが10μmで長さlが約93μmの点と、間隔sが100μmで長さlが約103μmの点とを結ぶ線より長さlが短くされる範囲であって、間隔sが約10μm~約100μmの範囲で約75%以上の透過電力が得られており、間隔sが約45μm、長さlが約100μmの×マークにおいて約71.2%の透過電力が得られている。

【0042】
単位セル2で構成される本発明にかかる偏波変換器1の設計周波数を第7の設計周波数である0.9THzとした時の、単位セル2の寸法の例を図40に示す。単位セル2のこの寸法では、第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aの幅wは約70μm、長さlは約90μm、厚さtは約0.5μm、間隔sは約75μmで間隔gは約120μmとされて第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aがx方向に配置される周期は約145μm、y方向に配置される周期は約210μm、誘電体基板12の厚さdは約50μmとされる。なお、誘電体基板12の比誘電率は約2.341としている。本発明にかかる偏波変換器1においては、単位セル2の各部の寸法を調整することにより、0.9THzのテラヘルツ波帯においても実用の範囲の寸法とすることができるようになった。また、第1ワイヤー10aおよび第2ワイヤー11aの長さlは、設計周波数帯域においてほぼ共振する長さとされている。

【0043】
単位セル2の寸法を図40に示す設計周波数を0.9THzとした寸法とした時の、本発明にかかる偏波変換器1を構成している図2(a)に示す単位セル2の楕円率および透過電力に関連するパラメータの解析結果を図41ないし図44に示す。なお、解析においては、図2(a)に示すように出射される透過波を検出するプローブ13を、単位セル2の面から約1.0mm離隔して配置している。また、解析結果における楕円率は、プローブ13で検出した円偏波の楕円率であり、回転角はプローブ13で検出した前述した第2成分に対する第1成分の回転角度であり、透過電力はプローブ13で検出した出射される透過波の電力である。
図41は、設計周波数を0.9THzとした単位セル2の楕円率(Ellipticity)と回転角(Rotation angle)の0.5~1.2THzの周波数特性を示す図である。図41を参照すると、楕円率(Ellipticity)は、緩やかに低下していき約0.8THzで約-0.3となるが、約0.8THzを超えると急激に低下して約0.9THzにおいて約-0.73に達し、約0.9THzを超えると急激に上昇して約1.0THzにおいて約0となり、その後は0~約+0.25の間で変化する。回転角(Rotation angle)は、約0.7THzまでは約+43°から約+45°の範囲で変化していたが、約0.7THzを超えると若干上昇して約0.82THzにおいて約+48°に達した後、反転して約0.95THzにおいて約-5°となる。その後、上昇して約1.2THzにおいて約+10°となる。

【0044】
図42は、設計周波数を0.9THzとした単位セル2の透過電力(Transmission power)の0.5~1.2THzの周波数特性を示す図である。図42を参照すると、透過電力[%]は、約81%から若干変化して約0.7THzにおいて約82%となり、約0.7THzを超えると上昇して約0.83THzにおいて約90%に達し、約0.83THzを超えると急速に下降して約1.0THzにおいて約48%となる。1.2THzに向かって約48%から約57%に上昇する。
このように、単位セル2は、設計周波数0.9THzにおいて良好な偏波変換特性が得られることが分かる。

【0045】
図43は、設計周波数を0.9THzとした単位セル2における、横軸を間隔sとし縦軸を長さlとした楕円率(Ellipticity)の等高線図である。図43を参照すると、間隔sが75μmで長さlが約90μmの点をほぼ中心として、間隔sが約40μm~約100μmで長さlが約85μm~約95μmの範囲で約0.6以上の楕円率が得られており、間隔sが約75μm、長さlが約90μmの×マークにおいて約-0.73の楕円率が得られている。なお、ハッチングを施した範囲ではWood's anomaly現象(入射光の波長、あるいは入射角のわずかな変化に対し、場が劇的に変化する現象)が起きているため、その範囲の特性は正確ではない。
図44は、設計周波数を0.9THzとした単位セル2における、横軸を間隔sとし縦軸を長さlとした透過電力(Transmission power)の等高線図である。図44を参照すると、間隔sが10μmで長さlが約89μmの点と、間隔sが100μmで長さlが約95μmの点とを結ぶ線より長さlが短くなる範囲であって、間隔sが約10μm~約100μmの範囲で約60%以上の透過電力が得られており、間隔sが約75μm、長さlが約90μmの×マークにおいて約71.8%の透過電力が得られている。なお、ハッチングを施した範囲ではWood's anomaly現象が起きているため、その範囲の特性は正確ではない。

【0046】
単位セル2で構成される本発明にかかる偏波変換器1の設計周波数を第8の設計周波数である1.0THzとした時の、単位セル2の寸法の例を図45に示す。単位セル2のこの寸法では、第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aの幅wは約70μm、長さlは約80μm、厚さtは約0.5μm、間隔sは約90μmで間隔gは約120μmとされて第1ワイヤー10aと第2ワイヤー11aがx方向に配置される周期は約160μm、y方向に配置される周期は約200μm、誘電体基板12の厚さdは約50μmとされる。なお、誘電体基板12の比誘電率は約2.341としている。本発明にかかる偏波変換器1においては、単位セル2の各部の寸法を調整することにより、1.0THzのテラヘルツ波帯においても実用の範囲の寸法とすることができるようになった。また、第1ワイヤー10aおよび第2ワイヤー11aの長さlは、設計周波数帯域においてほぼ共振する長さとされている。

【0047】
単位セル2の寸法を図45に示す設計周波数を1.0THzとした寸法とした時の、本発明にかかる偏波変換器1を構成している図2(a)に示す単位セル2の楕円率および透過電力に関連するパラメータの解析結果を図46ないし図49に示す。なお、解析においては、図2(a)に示すように出射される透過波を検出するプローブ13を、単位セル2の面から約1.0mm離隔して配置している。また、解析結果における楕円率は、プローブ13で検出した円偏波の楕円率であり、回転角はプローブ13で検出した前述した第2成分に対する第1成分の回転角度であり、透過電力はプローブ13で検出した出射される透過波の電力である。
図46は、設計周波数を1.0THzとした単位セル2の楕円率(Ellipticity)と回転角(Rotation angle)の0.5~1.2THzの周波数特性を示す図である。図46を参照すると、楕円率(Ellipticity)は、緩やかに低下していき約0.8THzで約-0.3となるが、約0.8THzを超えると急速に低下して約1.0THzにおいて約-0.66に達し、約0.9THzを超えると急激に上昇して約1.12THzにおいて約0となり、その後は0~約+0.24の間で変化する。回転角(Rotation angle)は、約0.8THzまでは約+43°から約+45°の範囲で変化していたが、約0.8THzを超えると若干上昇して約0.9THzにおいて約+45°に達した後、反転して約1.06THzにおいて約-5°となる。その後、上昇して約1.2THzにおいて約+5°となる。

【0048】
図47は、設計周波数を1.0THzとした単位セル2の透過電力(Transmission power)の0.5~1.2THzの周波数特性を示す図である。図47を参照すると、透過電力[%]は、約82%から若干低下して約0.75THzにおいて約80%となり、約0.75THzを超えると上昇して約0.91THzにおいて約92%に達し、約0.91THzを超えると急速に下降して約1.1THzにおいて約48%となる。1.2THzに向かって約48%から約52%に上昇する。
このように、単位セル2は、設計周波数1.0THzにおいて良好な偏波変換特性が得られることが分かる。

【0049】
図48は、設計周波数を1.0THzとした単位セル2における、横軸を間隔sとし縦軸を長さlとした楕円率(Ellipticity)の等高線図である。図48を参照すると、間隔sが10μmで長さlが約78μmの点と、間隔sが100μmで長さlが約80μmの点とを結ぶ線より長さlが短くされる範囲であって、間隔sが約10μm~約100μmの範囲で約60%以上の楕円率が得られており、間隔sが約90μm、長さlが約80μmの×マークにおいて約-0.66の楕円率が得られている。なお、ハッチングを施した範囲ではWood's anomaly現象が起きているため、その範囲の特性は正確ではない。
図49は、設計周波数を1.0THzとした単位セル2における、横軸を間隔sとし縦軸を長さlとした透過電力(Transmission power)の等高線図である。図49を参照すると、間隔sが90μmで長さlが約80μmの点をほぼ中心として、間隔sが約70μm~約100μmで長さlが約78μm~約83μmの範囲で約0.6以上の透過電力が得られており、間隔sが約90μm、長さlが約80μmの×マークにおいて約72.2%の透過電力が得られている。なお、ハッチングを施した範囲ではWood's anomaly現象が起きているため、その範囲の特性は正確ではない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の偏波変換器において、第1ワイヤーおよび第2ワイヤーの長さ、単位セルを配列する周期の寸法を調整することにより、第1ワイヤーおよび第2ワイヤーからの放射波の振幅を制御して、楕円率および透過電力が良好になるようにしている。ただし、第1ワイヤーおよび第2ワイヤーの長さは設計周波数帯域においてほぼ共振する長さとするのが原則とされている。この場合、誘電体基板の比誘電率による波長短縮率を考慮する。なお、本発明の偏波変換器では、各部の寸法が実用の範囲の寸法とされているが、従来は実現されていなかったテラヘルツ波帯で動作する偏波変換器を実現している。
また、上記の説明では本発明の偏波変換器は直線偏波を円偏波に変換する偏波変換器として説明した。この場合、直線偏波は、第1ワイヤーおよび第2ワイヤーの長軸に対して約45°回転(傾斜)して入射させることで、本発明にかかる偏波変換器が直線偏波を円偏波に効率的に変換できるようになる。また、本発明にかかる偏波変換器に円偏波を入射すると、第1ワイヤーおよび第2ワイヤーの長軸に対して約45°回転(傾斜)した直線偏波を出射するようになる。すなわち、本発明にかかる偏波変換器は、円偏波を直線偏波に変換する偏波変換器としても機能する。
【符号の説明】
【0051】
1 偏波変換器
2 単位セル
10 第1ワイヤーアレー
10a 第1ワイヤー
11 第2ワイヤーアレー
11a 第2ワイヤー
12 誘電体基板
13 プローブ
14 周期境界壁
100 偏波変換板
101 単位セル
110a,110b 誘電体フィルム
111,112 ダイポール列
111a,112a ダイポール
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17
【図19】
18
【図20】
19
【図21】
20
【図22】
21
【図23】
22
【図24】
23
【図25】
24
【図26】
25
【図27】
26
【図28】
27
【図29】
28
【図30】
29
【図31】
30
【図32】
31
【図33】
32
【図34】
33
【図35】
34
【図36】
35
【図37】
36
【図38】
37
【図39】
38
【図40】
39
【図41】
40
【図42】
41
【図43】
42
【図44】
43
【図45】
44
【図46】
45
【図47】
46
【図48】
47
【図49】
48
【図50】
49