TOP > 国内特許検索 > ネットワークチップ、ネットワークモジュール、ネットワーク機器及びネットワークシステム > 明細書

明細書 :ネットワークチップ、ネットワークモジュール、ネットワーク機器及びネットワークシステム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-135501 (P2017-135501A)
公開日 平成29年8月3日(2017.8.3)
発明の名称または考案の名称 ネットワークチップ、ネットワークモジュール、ネットワーク機器及びネットワークシステム
国際特許分類 H04L   7/00        (2006.01)
G06F  13/00        (2006.01)
FI H04L 7/00 990
G06F 13/00 351C
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 12
出願番号 特願2016-012451 (P2016-012451)
出願日 平成28年1月26日(2016.1.26)
発明者または考案者 【氏名】山口 景士
【氏名】森田 賢史
【氏名】カイルニサ ビンティ アハマド デニー
【氏名】長尾 勇平
【氏名】黒崎 正行
【氏名】尾知 博
出願人 【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
【識別番号】505461865
【氏名又は名称】株式会社レイドリクス
個別代理人の代理人 【識別番号】100090697、【弁理士】、【氏名又は名称】中前 富士男
【識別番号】100176142、【弁理士】、【氏名又は名称】清井 洋平
【識別番号】100127155、【弁理士】、【氏名又は名称】来田 義弘
審査請求 未請求
テーマコード 5B089
5K047
Fターム 5B089GA04
5B089HA11
5B089HB10
5B089KA07
5B089KB11
5K047AA15
5K047AA18
要約 【課題】時刻同期のために通信するフレーム数を低減するネットワークチップ並びにそれを具備するネットワークモジュール、ネットワーク機器及びネットワークシステムを提供する。
【解決手段】通信用デバイス11に接続され、通信用デバイスを介して外部とフレームをやり取りして時刻同期を行うネットワークチップ10であって、Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージを1つのフレームに格納して通信用デバイス11に与える。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
通信用デバイスに接続され、該通信用デバイスを介して外部とフレームをやり取りして時刻同期を行うネットワークチップであって、
Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージを1つの前記フレームに格納して前記通信用デバイスに与えることを特徴とするネットワークチップ。
【請求項2】
通信用デバイスに接続され、該通信用デバイスを介して外部とフレームをやり取りして時刻同期を行うネットワークチップであって、
Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージが格納された1つの前記フレームを前記通信用デバイスから取得することを特徴とするネットワークチップ。
【請求項3】
外部とフレームをやり取りして時刻同期を行うネットワークモジュールであって、
Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージを1つの前記フレームに格納するネットワークチップと、前記Syncメッセージ及び前記Delay_Responseメッセージが格納された前記フレームを前記ネットワークチップから得て外部に送信する通信用デバイスとを備えることを特徴とするネットワークモジュール。
【請求項4】
外部とフレームをやり取りして時刻同期を行うネットワークモジュールであって、
Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージが格納された1つの前記フレームを受信する通信用デバイスと、前記Syncメッセージ及び前記Delay_Responseメッセージが格納された前記フレームを前記通信用デバイスから取得するネットワークチップとを備えることを特徴とするネットワークモジュール。
【請求項5】
外部とフレームをやり取りして時刻同期を行うネットワーク機器であって、
Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージを1つの前記フレームに格納するネットワークチップと、前記Syncメッセージ及び前記Delay_Responseメッセージが格納された前記フレームを前記ネットワークチップから得て外部に送信する通信用デバイスと、前記ネットワークチップに接続されたCPUとを備えることを特徴とするネットワーク機器。
【請求項6】
外部とフレームをやり取りして時刻同期を行うネットワーク機器であって、
Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージが格納された1つの前記フレームを受信する通信用デバイスと、前記Syncメッセージ及び前記Delay_Responseメッセージが格納された前記フレームを前記通信用デバイスから取得するネットワークチップと、前記ネットワークチップに接続されたCPUとを備えることを特徴とするネットワーク機器。
【請求項7】
マスター機器及びスレーブ機器間でフレームを送受信して時刻同期を行うネットワークシステムであって、
前記マスター機器は、Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージを1つの前記フレームに格納する第1のネットワークチップと、前記Syncメッセージ及び前記Delay_Responseメッセージが格納された前記フレームを前記第1のネットワークチップから得て外部に発信する第1の通信用デバイスと、前記第1のネットワークチップに接続された第1のCPUとを備え、
前記スレーブ機器は、前記Syncメッセージ及び前記Delay_Responseメッセージが格納された前記フレームを受信する第2の通信用デバイスと、前記Syncメッセージ及び前記Delay_Responseメッセージが格納された前記フレームを前記第2の通信用デバイスから取得する第2のネットワークチップと、前記第2のネットワークチップに接続された第2のCPUとを備えることを特徴とするネットワークシステム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻同期を行うためのネットワークチップ及びネットワークモジュール、並びに、時刻同期を行うネットワーク機器及びネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信の無線化が多くの分野で進められている。ネットワーク機器の一例である産業用ロボットの同期通信に用いられる産業用イーサネット(登録商標)では、産業用ロボットの設置の自由度の大きさや、産業用ロボットのシステム全体の設置に要するコストが安価になることから、通信の無線化が望まれている。
同期通信において重要となるネットワーク機器の時刻同期は、ネットワーク機器に通信エラーが生じても問題ない程度の高精度な発信器を導入して行うことが可能であるが、その方法では、発信器を専用のハードウェアによってアナログ補正する必要があり、更に、導入コストが高くなる。
【0003】
この点、通信によるネットワーク機器の時刻同期は、導入コストが安価であり、アナログ補正は不要である。通信による時刻同期の規格として、図6(A)、(B)に示すように、4つのフレーム60a~60dの通信あるいは3つのフレーム61a~61cの通信によって時刻を補正するIEEE1588 PTP(Precision Time Protocol)が存在し、IEEE1588 PTP(以下、単に「IEEE1588」とも言う)をベースとした時刻同期の具体例が、例えば、特許文献1に開示されている。
IEEE1588では、ダウンリンク及びアップリンクの片道伝送遅延が算出され、時刻の補正がなされる。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2012-90260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、IEEE1588を基礎とする時刻同期においては、ネットワーク機器間での通信を要するため、通信負荷の低減化が課題となっていた。そして、通信負荷の低減には、通信するフレーム数を少なくすることが有効である。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、時刻同期のために通信するフレーム数を低減するネットワークチップ、並びに、それを具備するネットワークモジュール、ネットワーク機器及びネットワークシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う第1の発明に係るネットワークチップは、通信用デバイスに接続され、該通信用デバイスを介して外部とフレームをやり取りして時刻同期を行うネットワークチップであって、Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージを1つの前記フレームに格納して前記通信用デバイスに与える。
【0007】
前記目的に沿う第2の発明に係るネットワークチップは、通信用デバイスに接続され、該通信用デバイスを介して外部とフレームをやり取りして時刻同期を行うネットワークチップであって、Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージが格納された1つの前記フレームを前記通信用デバイスから取得する。
【0008】
前記目的に沿う第3の発明に係るネットワークモジュールは、外部とフレームをやり取りして時刻同期を行うネットワークモジュールであって、Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージを1つの前記フレームに格納するネットワークチップと、前記Syncメッセージ及び前記Delay_Responseメッセージが格納された前記フレームを前記ネットワークチップから得て外部に送信する通信用デバイスとを備える。
【0009】
前記目的に沿う第4の発明に係るネットワークモジュールは、外部とフレームをやり取りして時刻同期を行うネットワークモジュールであって、Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージが格納された1つの前記フレームを受信する通信用デバイスと、前記Syncメッセージ及び前記Delay_Responseメッセージが格納された前記フレームを前記通信用デバイスから取得するネットワークチップとを備える。
【0010】
前記目的に沿う第5の発明に係るネットワーク機器は、外部とフレームをやり取りして時刻同期を行うネットワーク機器であって、Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージを1つの前記フレームに格納するネットワークチップと、前記Syncメッセージ及び前記Delay_Responseメッセージが格納された前記フレームを前記ネットワークチップから得て外部に送信する通信用デバイスと、前記ネットワークチップに接続されたCPUとを備える。
【0011】
前記目的に沿う第6の発明に係るネットワーク機器は、外部とフレームをやり取りして時刻同期を行うネットワーク機器であって、Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージが格納された1つの前記フレームを受信する通信用デバイスと、前記Syncメッセージ及び前記Delay_Responseメッセージが格納された前記フレームを前記通信用デバイスから取得するネットワークチップと、前記ネットワークチップに接続されたCPUとを備える。
【0012】
前記目的に沿う第7の発明に係るネットワークシステムは、マスター機器及びスレーブ機器間でフレームを送受信して時刻同期を行うネットワークシステムであって、前記マスター機器は、Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージを1つの前記フレームに格納する第1のネットワークチップと、前記Syncメッセージ及び前記Delay_Responseメッセージが格納された前記フレームを前記第1のネットワークチップから得て外部に発信する第1の通信用デバイスと、前記第1のネットワークチップに接続された第1のCPUとを備え、前記スレーブ機器は、前記Syncメッセージ及び前記Delay_Responseメッセージが格納された前記フレームを受信する第2の通信用デバイスと、前記Syncメッセージ及び前記Delay_Responseメッセージが格納された前記フレームを前記第2の通信用デバイスから取得する第2のネットワークチップと、前記第2のネットワークチップに接続された第2のCPUとを備える。
【発明の効果】
【0013】
前記目的に沿う第1の発明に係るネットワークチップは、Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージを1つのフレームに格納して通信用デバイスに与え、前記目的に沿う第2の発明に係るネットワークチップは、Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージが格納されたフレームを通信用デバイスから取得するので、第1、第2の発明に係るネットワークチップを組み合わせて用いることで、時刻同期のために通信するフレーム数を低減可能である。
【0014】
また、前記目的に沿う第3の発明に係るネットワークモジュール及び前記目的に沿う第5の発明に係るネットワーク機器は、第1の発明に係るネットワークチップを備え、前記目的に沿う第4の発明に係るネットワークモジュール及び前記目的に沿う第6の発明に係るネットワーク機器は、第2の発明に係るネットワークチップを備えるので、第3、第4の発明に係るネットワークモジュールを組み合わせて用いること、もしくは、第5、第6の発明に係るネットワーク機器を組み合わせて用いることで、時刻同期のために通信するフレーム数を低減可能である。
そして、前記目的に沿う第7の発明に係るネットワークシステムは、マスター機器が第1の発明に係るネットワークチップを備え、スレーブ機器が第2の発明に係るネットワークチップを備えるので、時刻同期のために通信するフレーム数を低減可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムを構成するネットワーク機器の説明図である。
【図2】従来例及び同ネットワークシステムを用いた時刻同期通信の説明図である。
【図3】(A)、(B)、(C)はそれぞれ、フレーム、Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージの構造を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムの説明図である。
【図5】従来例及び本発明の第2の実施の形態に係るネットワークシステムを用いた時刻同期通信の説明図である。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ、従来例に係る時刻同期通信方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1、図2、図3(A)、(B)、(C)、図4に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステム23は、フレーム33、34、45を送受信して時刻同期を行うスレーブ機器(Slave)としてのネットワーク機器17及びマスター機器(Master)としてのネットワーク機器18を有している。
以下、詳細に説明する。

【0017】
図1に示すように、ネットワーク機器17は、中央処理装置であるCPU15(第2のCPUの一例)、記憶デバイス16及びCPU15に接続されたネットワークモジュール20を有している。ネットワーク機器17は産業用ロボットであり、CPU15に接続された複数の駆動部19を備え、各駆動部19は、CPU15から送信される指令信号に従って駆動する。

【0018】
ネットワークモジュール20は、通信用デバイス11(第2の通信用デバイスの一例)と、通信用デバイス11に接続され、通信用デバイス11を介して外部とフレーム33、34、45をやり取りして時刻同期を行うネットワークチップ10(第2のネットワークチップの一例)を有している。
通信用デバイス11は、無線通信用のアンテナ21とアンテナ21及びネットワークチップ10に接続されたRF部22を具備している。

【0019】
CPU15に接続されたネットワークチップ10は、ベースバンド信号(デジタル信号)の生成及び取得が可能で、フィルタリングによってベースバンド信号のアナログ信号への変換及びアナログ信号のベースバンド信号への変換を行うことができる。
RF部22は、アナログ信号をネットワークチップ10から与えられ、アナログ信号を無線通信が可能な周波数帯に変調する。変調されたアナログ信号は、アンテナ21を介して、外部に発信される。RF部22は、アンテナ21を介して、アナログ信号を外部から受信でき、受信したアナログ信号を、ネットワークチップ10がベースバンド信号に変換可能なアナログ信号に変調して、ネットワークチップ10に与える。

【0020】
ネットワーク機器18は、図4に示すように、複数のネットワーク機器17と無線通信可能なアクセスポイントであり、駆動部を有さないが、CPU(第1のCPU)、記憶デバイス、ネットワークモジュールを具備している。ネットワーク機器18が具備しているネットワークモジュールは、ネットワークモジュール20と同じ構造を有し、CPUに接続されたネットワークチップ(第1のネットワークチップの一例)、RF部及びアンテナ、即ち、通信用デバイス(第1の通信用デバイスの一例)を備えている。本実施の形態において、ネットワーク機器18のネットワークチップは、ネットワークチップ10と同じものである。

【0021】
そして、主として、ネットワーク機器18及び複数のネットワーク機器17によって、ネットワークシステム23が構成されている。
各ネットワーク機器17は、各ネットワーク機器17が有する図示しないクロック(時計)の時刻を、ネットワーク機器18が有する図示しないクロック(時計)の時刻に同期させる。
以下、従来の時刻同期通信及び本実施の形態に係るネットワークシステム23を用いた時刻同期通信について説明する。

【0022】
従来の方法においては、図2に従来例1として示すように、ネットワーク機器24(マスター機器)からネットワーク機器25(スレーブ機器)にSyncメッセージを含むフレーム26及びFollow_upメッセージを含むフレーム27が送信される。
フレーム26を送信した時のネットワーク機器24のクロックの時刻をt0、ネットワーク機器25がフレーム26を受信した時のネットワーク機器25のクロックの時刻をt1とすると、Follow_upメッセージには時刻t0の情報が含まれている。ネットワーク機器25は、フレーム26、27を受信することによって、フレーム26を時刻t1に得たこと及びフレーム26を送信した時のネットワーク機器24のクロックの時刻が時刻t0であったことを検出し、時刻t0及び時刻t1の情報を記憶する。

【0023】
次に、ネットワーク機器25からネットワーク機器24に、Delay_Reqメッセージを含むフレーム28が送られ、フレーム28を受信したネットワーク機器24は、ネットワーク機器25にDelay_Resメッセージを含んだフレーム29を送信する。
フレーム28を送信した時のネットワーク機器25のクロックの時刻をt2、ネットワーク機器24がフレーム28を受信した時のネットワーク機器24のクロックの時刻をt3とすると、Delay_Resメッセージには時刻t3の情報が含まれている。ネットワーク機器25は、フレーム28を送信した時の時刻t2を記憶し、フレーム29を受信することによって、ネットワーク機器24がフレーム28を受信した時刻t3の情報を検出し、記憶する。

【0024】
そして、ネットワーク機器25は、t0、t1、t2、t3の情報を基に、伝送遅延及びオフセットを以下の式1、式2でそれぞれ算出し、算出した伝送遅延及びオフセットを基に、ネットワーク機器25のクロックの時刻を調整し、ネットワーク機器24のクロックの時刻と同期させる。
伝送遅延={(t1-t0)+(t3-t2)}/2 ・・・(式1)
オフセット={(t1-t0)-(t3-t2)}/2 ・・・(式2)

【0025】
これに対し、本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステム23を用いた時刻同期通信では、図2に第1の実施の形態として示すように、ネットワーク機器18からネットワーク機器17に、図3(A)、(B)にSync messageとして示すSyncメッセージ(シンクメッセージ)31及び図3(A)、(C)にDelay_Response messageとして示すDelay_Responseメッセージ(ディレイリスポンスメッセージ)32を格納したフレーム33が送信され、次いで、ネットワーク機器18からネットワーク機器17にFollow_upメッセージ(フォローアップメッセージ)を格納したフレーム34が送信される。

【0026】
フレーム33は、ネットワーク機器18において、ネットワークチップによって生成され、通信用デバイスに与えられ、通信用デバイスから発信される。そして、ネットワーク機器17は、通信用デバイス11がフレーム33を受信し、ネットワークチップ10が通信用デバイス11からフレーム33を取得する。
フレーム33は、図3(A)に示すように、Syncメッセージ31及びDelay_Responseメッセージ32によって構成されるPTP message部35に加え、VHT Preamble部36や、MACHeader部37等を具備している。よって、ネットワーク機器18のネットワークチップは、Syncメッセージ31及びDelay_Responseメッセージ32を1つのフレーム33に格納することとなる。

【0027】
Syncメッセージ31は、図3(B)に示すように、4ビットのmessageType領域38、4ビットの空き(Reserved)領域39及び8ビットのsequenceId領域40を有している。
Delay_Responseメッセージ32は、図3(C)に示すように、4ビットの
messageType領域41、4ビットの空き(Reserved)領域42、8ビットのsequenceId領域43及び64ビットのdelayReceiptTimestamp領域44を有している。
messageType領域38、41は、メッセージの種類を定義する領域であり、sequenceId領域40、43は時刻同期のための通信のシーケンス(ルーチン)が何番目のシーケンスであるかを定義する領域である。
但し、Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージは、上述したフォーマットに限定されないことは言うまでもない。

【0028】
フレーム33を送信した時のネットワーク機器18のクロックの時刻をt0、ネットワーク機器17がフレーム33を受信した時のネットワーク機器17のクロックの時刻をt1とすると、フレーム34が具備するFollow_upメッセージには時刻t0の情報が含まれている。ネットワーク機器17は、フレーム33、34を受信することによって、フレーム33を時刻t1に得たこと及びフレーム33を送信した時のネットワーク機器18のクロックの時刻が時刻t0であったことを検出し、時刻t0及び時刻t1の情報を記憶する。

【0029】
次に、ネットワーク機器17からネットワーク機器18に、Delay_Reqメッセージ(ディレイリクエストメッセージ)を含むフレーム45が送られ、フレーム45を受信したネットワーク機器18は、Syncメッセージ31及びDelay_Responseメッセージ32を格納したフレーム33をネットワーク機器17に送信する。ネットワーク機器17に送信されたフレーム33は、アンテナ21及びRF部22を経由し変調された後、ネットワークチップ10に与えられる。

【0030】
即ち、ネットワーク機器17において、通信用デバイス11は、Syncメッセージ31及びDelay_Responseメッセージ32が格納された1つのフレーム33を受信し、ネットワークチップ10は、フレーム33を通信用デバイス11から取得することとなる。また、ネットワーク機器18において、ネットワークチップは、Syncメッセージ31及びDelay_Responseメッセージ32を1つのフレーム33に格納し、通信用デバイスは、そのフレーム33をネットワークチップから得て外部(ネットワーク機器17)に送信することとなる。
フレーム45を送信した時のネットワーク機器17のクロックの時刻をt2、ネットワーク機器18がフレーム45を受信した時のネットワーク機器18のクロックの時刻をt3とすると、フレーム33に格納されているDelay_Responseメッセージ32のdelayReceiptTimestamp領域44には時刻t3の情報が含まれている。

【0031】
従って、delayReceiptTimestamp領域44は、ネットワーク機器18がフレーム45を受信した時のネットワーク機器18のクロックの時刻情報が書き込まれる領域である。
ネットワーク機器17は、フレーム45を送信した時の時刻t2を記憶し、フレーム33を受信することによって、ネットワーク機器18がフレーム45を受信した時のネットワーク機器18のクロックの時刻t3の情報を検出し、記憶する。

【0032】
そして、ネットワーク機器17は、t0、t1、t2、t3の情報を基に、伝送遅延及びオフセットを上述した式1、式2でそれぞれ算出し、算出した伝送遅延及びオフセットを基に、ネットワーク機器17のクロックの時刻を調整し、ネットワーク機器18のクロックの時刻と同期させる。なお、伝送遅延及びオフセットを算出する式は、式1、式2に限定されない。
従って、ネットワークモジュール20及びネットワーク機器17(ネットワーク機器18及びそのネットワークモジュールも同様)は、外部とフレーム33、34、45をやり取りして時刻同期を行うものと言える。

【0033】
ネットワーク機器18からネットワーク機器17へのフレーム33の送信によって、N番目のシーケンスにおける時刻t3の情報がネットワーク機器17に提供され、更に、N+1番目のシーケンスの開始がネットワーク機器17に伝達される。よって、N番目のシーケンス及びN+1番目のシーケンスは、フレーム33が送信される部分で重なっており、本実施の第1の実施の形態に係るネットワークシステム23を用いた時刻同期通信は、従来の時刻同期通信に比べて、時刻同期のために通信されるフレーム数が少ない。

【0034】
また、従来の時刻同期通信には、図5に従来例2として示すように、Follow_upメッセージを含むフレームの送信を行わないものがある。この方法では、シーケンスの最初にネットワーク機器46(マスター機器)からネットワーク機器47(スレーブ機器)に送られるフレーム48にSyncメッセージとネットワーク機器46がフレーム48を送信した時のネットワーク機器46のクロックの時刻t0の情報とが含まれている。

【0035】
このため、ネットワーク機器47は、フレーム48を受信することによって、時刻t0の情報を取得し、時刻t0の情報を、フレーム48を受信した時のネットワーク機器47のクロックの時刻t1の情報と共に記憶する。
その後、ネットワーク機器46、47間で、Delay_Reqメッセージを含むフレーム49とDelay_Resメッセージを含むフレーム50を送受信し、ネットワーク機器47が、t0、t1、t2、t3の情報を基に、伝送遅延及びオフセットを算出し、ネットワーク機器47のクロックの時刻を、ネットワーク機器46のクロックの時刻に同期させる点は、図2に従来例1として示した例と同様である。

【0036】
本発明に係る時刻同期通信は、図5に第2の実施の形態として示すように、図5に従来例2として示したものに対応するものである。
本発明の第2の実施の形態に係るネットワークシステムを用いた時刻同期通信は、図5に示すように、マスター機器(Master)であるネットワーク機器51とスレーブ機器(Slave)であるネットワーク機器52間で行われるものである。
ネットワーク機器51及びネットワーク機器52にはそれぞれ、CPU、アンテナ21と1と同じ設計のアンテナ、RF部22と同じ設計のRF部及びRF部に接続されたネットワークチップが設けられている。

【0037】
まず、ネットワーク機器51からネットワーク機器52に、Syncメッセージ(シンクメッセージ)及びDelay_Responseメッセージ(ディレイリスポンスメッセージ)を格納した1つのフレーム53が送信される。フレーム53には、フレーム53を送信した時のネットワーク機器51のクロックの時刻t0の情報も格納されており、ネットワーク機器52は、フレーム53の受信によって、時刻t0の情報を取得し、時刻t0の情報を、フレーム53を受信した時のネットワーク機器52のクロックの時刻t1の情報と共に記憶する。

【0038】
フレーム53を受信したネットワーク機器52は、Delay_Reqメッセージを含むフレーム54をネットワーク機器51に送信すると共に、フレーム54を送信した時のネットワーク機器52のクロックの時刻t2の情報を記憶する。そして、フレーム54を受信したネットワーク機器51は、ネットワーク機器52に対し、Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージ(ディレイリクエストメッセージ)を格納したフレーム53を送信する。

【0039】
フレーム53は、Syncメッセージに時刻t0の情報を含み、Delay_Responseメッセージに、ネットワーク機器51がフレーム54を受信した時のネットワーク機器51のクロックの時刻t3の情報を含んでいる。
そのため、ネットワーク機器52は、フレーム53を受信することによって、時刻t0の情報及び時刻t3の情報を取得し、取得した時刻t0の情報及び時刻t3の情報を記憶する。そして、ネットワーク機器52は、t0、t1、t2、t3の情報を基に、伝送遅延及びオフセットを算出し、ネットワーク機器52のクロックの時刻を、ネットワーク機器51のクロックの時刻に同期させる。

【0040】
ネットワーク機器51によるフレーム53の送信によって、N番目のシーケンスにおける時刻t3の情報がネットワーク機器52に提供され、更に、N+1番目のシーケンスの開始が時刻t0の情報と共にネットワーク機器52に伝達される。よって、N番目のシーケンス及びN+1番目のシーケンスは、フレーム53が送信される部分で重なっている。従って、本発明の第2の実施の形態に係るネットワークシステムを用いた時刻同期通信は、従来の時刻同期通信に比べて、時刻同期のために通信されるフレーム数が少ない。

【0041】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、マスター機器に設けられるネットワークチップは、Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージを1つのフレームに格納できるが、Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージが格納されたフレームを取得する機能を有していなくてもよい。そして、スレーブ機器に設けられるネットワークチップは、Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージが格納されたフレームを取得できるが、Syncメッセージ及びDelay_Responseメッセージを1つのフレームに格納できないものであってもよい。
【符号の説明】
【0042】
10:ネットワークチップ、11:通信用デバイス、15:CPU、16:記憶デバイス、17、18:ネットワーク機器、19:駆動部、20:ネットワークモジュール、21:アンテナ、22:RF部、23:ネットワークシステム、24、25:ネットワーク機器、26~29:フレーム、31:Syncメッセージ、32:Delay_Responseメッセージ、33、34:フレーム、35:PTP message部、36:VHT Preamble部、37:MACHeader部、38:messageType領域、39:空き領域、40:sequenceId領域、41:messageType領域、42:空き領域、43:sequenceId領域、44:delayReceiptTimestamp領域、45:フレーム、46、47:ネットワーク機器、48、49、50:フレーム、51、52:ネットワーク機器、53、54:フレーム
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5