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明細書 :光学活性ビナフチル化合物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-166170 (P2016-166170A)
公開日 平成28年9月15日(2016.9.15)
発明の名称または考案の名称 光学活性ビナフチル化合物
国際特許分類 C07F   9/40        (2006.01)
C07F   9/655       (2006.01)
FI C07F 9/40 CSPB
C07F 9/655
請求項の数または発明の数 1
出願形態 OL
全頁数 16
出願番号 特願2016-009267 (P2016-009267)
出願日 平成28年1月20日(2016.1.20)
新規性喪失の例外の表示 申請有り
優先権出願番号 2015045369
優先日 平成27年3月7日(2015.3.7)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】村井 利昭
出願人 【識別番号】304019399
【氏名又は名称】国立大学法人岐阜大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100147038、【弁理士】、【氏名又は名称】神谷 英昭
審査請求 未請求
テーマコード 4H050
Fターム 4H050AA01
4H050AB40
4H050AC40
要約 【課題】これまでに提示されたビナフチル系化合物のいずれの化学構造とも異なる新規化合物であって、酸性度が異なる官能基を有する二塩基酸とすることにより、不斉合成用触媒として有用な光学活性ビナフチル化合物を提供。
【解決手段】式(1)で表される光学活性ビナフチル化合物。
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[R、置換/非置換のC1-12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基又は芳香族複素環;R及びRは各々独立にH、置換/非置換のC1-12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基又は芳香族複素環;EはO又はS]
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(1)
【化1】
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[式中Rは、C1-12の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、アリール基、ヘテロ芳香族基から選択される基(但し、前記各基はさらに、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-3のアルキル、C1-3のアルコキシ、ハロゲン置換のC1-3のアルキルから選択される一種以上の置換基で置換されていてもよい。)を示し、
、Rは同一または異なって、水素、C1-12の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、アリール基、ヘテロ芳香族基から選択される基(但し、前記各基はさらに、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-3のアルキル、C1-3のアルコキシ、ハロゲン置換のC1-3のアルキルから選択される一種以上の置換基で置換されていてもよい。)を示し、
Eは、酸素又は硫黄原子を示す。]
で表される光学活性ビナフチル化合物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、不斉合成用触媒として有用な光学活性ビナフチル化合物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不斉合成反応としては、オレフィンの不斉水素化反応、不斉ヒドロシリル化反応、不斉アルキル化反応などが知られており、これらの反応には触媒能を有する遷移金属錯体が用いられている。なかでもルテニウム、ロジウム、パラジウム等の遷移金属錯体に光学活性な三級ホスフィン化合物を配位した錯体は、不斉合成反応の触媒として優れた性質を有し、野依良治氏らの開発した、BINAP(2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル; (2,2'-bis(diphenylphosphino)-1,1'-binaphthyl)は、不斉合成において広く利用されている重要な不斉配位子である。
【0003】
BINAPはその構造中に不斉中心原子を持たないが、ナフチル基が2個単結合で繋がれた1,1'-ビナフチル構造に由来した軸不斉を有する。2個のナフチル基のπ平面は剛直なので、ジフェニルホスフィノ基とペリ位の水素の立体障害が、ナフチル基間の単結合の回転を制限するためである。遷移金属を配位するBINAP錯体(例えば、Rh-BINAPやRu-BINAP)の特徴は、基質を選ばず多様なオレフィン類を高い不斉収率で水素化することにある。こうして高い比率で、キラルな関係にある一方のみを作りだすことができるようになった。
【0004】
ところで、グリシンを除くα-アミノ酸は光学活性体であり、アミノ酸を構成分子とするタンパク質の合成や、光学異性体の存在する医薬化合物の合成に際しては、両鏡像体間での生理活性が大きく異なるため、一方の光学活性体のみを選択的に効率良く合成することは、現在においてもなお極めて重要である。
【0005】
不斉合成反応に有用な化合物として、例えば、医・農薬を初めとする、種々のファインケミカル化合物の重要な中間体であり、又、有機合成における不斉配位子として有用な、光学活性2,2’-ビナフトール誘導体の製造方法(特許文献1)に関するものや、ビナフトール混合物に光学活性アミノ酸を反応させてビナフトール誘導体混合物を合成し、有機溶媒との溶解度差を利用して光学分割したのち再度加水分解して、光学活性2,2’-ビナフトールを製造する方法(特許文献2)、3,3’-ジメチル-1,1’-ビナフチル-2,2’-ジアミン等のビナフチルジアミンの製造方法(特許文献3)、光学分割試薬として有効な2-メトキシ-6-ブロモ-1,1’-ビナフタレン-2’-スルフィン酸、1,1’-ビナフタレン-2,2’-ジスルフィン酸等のビナフチル化合物に関する公報(特許文献4)、(R)-1,1’-ビナフチル-2,2’-ジオールのO-チオカルバモイル化、次いでマイクロ波照射下でのNewman-Kwart転位によるS-チオカルバモイルへの変換、チオールへの還元、酸素(10気圧/KOH条件でのスルホン酸塩への酸化、カリウム塩のプロトン交換を経て、(R)1,1’-ビナフチル-2,2’-ジスルホン酸を合成する方法(非特許文献1)などがある。
【0006】
これらは、いずれも軸不斉のビナフチル系化合物を合成する方法に係わるものであり、安価に入手可能な(R)-または(S)-1,1’-ビナフチル-2,2’-ジオールから比較的容易に合成可能で、所望の反応生成物の立体配置に合わせて使い分けることができるようになっている。ただし、これらの化合物は一塩基酸であるか、または二塩基酸であっても両者が同一の酸性度を有する官能基であった。
【0007】
前記のような従来技術により得られたビナフチル系化合物を触媒反応に利用した例として、例えば、2,2’-ジヒドロキシ-1,1’ビナフチルとランタンアルコキシドとアルカリ金属化合物との反応生成物を不斉合成触媒として用いて、α-アミノホスホン酸誘導体を製造する方法(特許文献5)、ビナフトール-リン酸塩誘導体の存在下、共役エノン類にアルキルオキシアミン類を反応させて、光学活性β-アルキルオキシアミノケトンを製造する方法(特許文献6)、N-フェニル-3-オキソブタン酸アミドをBINAPにより不斉還元して、光学活性なN-フェニル-3-ヒドロキシブタン酸アミドを製造する方法(特許文献7)などが提示されている。
【0008】
これらの提案は、医薬・農薬などの原料(中間体)として有用な化合物を、高い立体選択性をもって製造することが可能であることを示すものである。
【先行技術文献】
【0009】

【特許文献1】特開2002-80415号公報
【特許文献2】特開2005-29538号公報
【特許文献3】特開2001-261689号公報
【特許文献4】特開2005-132816号公報
【特許文献5】特開2005-28363号公報
【特許文献6】特開2004-99469号公報
【特許文献7】特開2009-161441号公報
【0010】

【非特許文献1】M. Hatano, T. Maki, K. Moriyama, M. Arinobe, K. Ishihara, J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 16858.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、これまでに提示されたビナフチル系化合物のいずれの化学構造とも異なる新規化合物であって、酸性度が異なる官能基を有する二塩基酸とすることにより、不斉合成用触媒として有用な光学活性ビナフチル化合物を提供し、該化合物の簡易な製造方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明に係る化合物は、一般式(1)
【0013】
【化1】
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[式中Rは、C1-12の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、アリール基、ヘテロ芳香族基から選択される基(但し、前記各基はさらに、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-3のアルキル、C1-3のアルコキシ、ハロゲン置換のC1-3のアルキルから選択される一種以上の置換基で置換されていてもよい。)を示し、R、Rは同一または異なって、水素、C1-12の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、アリール基、ヘテロ芳香族基から選択される基(但し、前記各基はさらに、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-3のアルキル、C1-3のアルコキシ、ハロゲン置換のC1-3のアルキルから選択される一種以上の置換基で置換されていてもよい。)を示し、Eは酸素又は硫黄原子を示す。]で表されることを特徴とする光学活性ビナフチル化合物に係わるものである。
【0014】
前記一般式(1)で示されるビナフチル化合物は、水酸基と、リン酸基又はチオホスホン酸基という異なる酸性度の基を同一分子内に有し、二つのナフチル基を繋ぐ単結合を軸とする軸不斉を有する。また、有機基(R)の選択によって、本発明の光学活性ビナフチル化合物のリン原子に様々な置換基(例えば、一級、二級、三級脂肪族置換基、芳香族置換基等)を導入することが可能である。
【0015】
さらに置換基RやRを種々組合せることで有機触媒として用いた場合の条件最適化の幅が拡がり、合成反応の収率や速度、得られる鏡像体過剰率(ee%)の向上が見込まれる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の光学活性ビナフチル化合物は、酸性度の異なる基を同一分子内に有する新規な化合物である。一般的に、触媒におけるブレンステッドの酸性の強さは触媒活性を特徴づける大きな要因となりえる。従って本発明の化合物は、これまでに提案されているいずれのビナフチル化合物とも異なる特徴を有する触媒反応を期待することができる。
【0017】
また、リン原子への置換基(R)や、R、Rを簡易な製造方法によって様々に組み合わせることができるので、得られるビナフチル化合物を触媒とする反応の適用範囲、反応効率の向上、条件最適化の幅を格段に拡げる可能性を有している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一般式(1)におけるEを酸素とする光学活性ビナフチル化合物は、例えば以下の反応式(a)に従って化合物(5)を合成し、さらにこれを反応式(b)により加水分解して製造することができる。

【0019】
【化2】
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【0020】
【化3】
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【0021】
前記反応式中、Rは、C1-12の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、アリール基、ヘテロ芳香族基から選択される基(但し、前記各基はさらに、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-3のアルキル、C1-3のアルコキシ、ハロゲン置換のC1-3のアルキルから選択される一種以上の置換基で置換されていてもよい。)を示し、
、Rは同一または異なって、水素、C1-12の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、アリール基、ヘテロ芳香族基から選択される基(但し、前記各基はさらに、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-3のアルキル、C1-3のアルコキシ、ハロゲン置換のC1-3のアルキルから選択される一種以上の置換基で置換されていてもよい。)を示す。
また、グリニャール試薬(RMgX)のXはハロゲンを、TEAはトリエチルアミンを、HCAはヘキサクロロアセトンを、DCMはジクロロメタンを示す。

【0022】
前記反応式(a)は、文献(K. Maddali, U. Arigala, S. Bitragunta, S. Cirangur, N. Chamarthi, Chin. J. Chem., 2009, 27, 408-412 )に開示されている合成方法である。

【0023】
具体的には、式(2)のジヒドロキシビナフチル化合物をトリエチルアミンと共に不活性ガス(例えば窒素)雰囲気下で、溶媒(例えばトルエン)中に溶解する。これに三臭化リンを溶媒に溶解した溶液を撹拌しながら滴下する。さらに1時間程度室温にて反応させて、式(3)の化合物を得る。反応時に生成する臭化水素は、トリエチルアミンやピリジンなどを共存させてこれを除去することが好ましい。リン酸エステルが分解されることを防止し、反応効率向上のためである。反応液は窒素雰囲気下でろ過する。

【0024】
原料となる式(2)のジヒドロキシビナフチル化合物として、例えば(R)-または(S)-1,1’-ビナフチル-2,2’-ジオールは、比較的安価に入手可能な化合物であり、所望の反応生成物の立体配置に合わせて選択することができる。

【0025】
次いで、低温に保ちつつ、グリニャール試薬(RMgX)を式(3)の化合物と混合する。混合後に室温まで温度を上げて、1時間~数時間反応させてリンに置換基Rを導入する。得られた式(4)の化合物に触媒量のヘキサクロロアセトン(ジクロロメタン溶媒)とともに過酸化水素(酢酸溶媒)を0~5℃の温度下で加え、反応液を室温まで上げて、2時間程撹拌しつつ反応させ、リン原子を酸化する。有機(ジクロロメタン)層を分離して、溶媒除去後にアルコール中にて再結晶して式(5)の化合物を得る。ここまでの反応工程の詳細は前記文献に詳述されている。

【0026】
次に反応式(b)に従って、式(5)の化合物を適当な溶媒(例えば、1,4ジオキサンなど)に溶解させ、10~80℃の温度にて5分~3時間程度、水酸化ナトリウム水溶液などで加水分解した後、中和し、エーテル等の溶媒を使用して反応生成物を抽出する。こうして式(6)で示す本発明の光学活性ビナフチル化合物が得られる。

【0027】
一方、本発明の一般式(1)におけるEを硫黄とする光学活性ビナフチル化合物は以下の反応により合成される。反応式(c)に示す様に、前記反応式(a)に記載の式(4)の化合物をテトラヒロドロフラン(THF)に溶解して、粉末硫黄(2当量)を加え、室温で30分程度撹拌する。シリカゲルクロマトグラフィー等を利用して精製し、式(7)の化合物を得る。これを再びTHF等の適当な溶媒に溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液などで加水分解した後、中和し、エーテル等の溶媒を使用して反応生成物を抽出する。こうして式(8)で示す本発明の光学活性ビナフチル化合物が得られる。

【0028】
【化4】
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【0029】
本発明の光学活性ビナフチル化合物は、リン酸基又はチオホスホン酸基と、水酸基という酸性度の異なる基を同一分子内に有する新規な化合物である。一般に、触媒におけるブレンステッドの酸性の強さは触媒活性を特徴づける大きな要因となりうるので、従来提案されているいずれのビナフチル化合物とも異なる特徴を有する触媒反応を期待することができる。またリン酸基は置換基Rを導入しても酸性官能基(OH)を残し、ホスホリル酸素(P=O)が塩基性部位となって水素結合のアクセプターとして機能する。これら複数の水素結合部位は、触媒反応において基質の配向制御に有効であると考えられる。

【0030】
さらにRには様々な置換基を容易に導入することが可能であり、触媒設計の幅が格段に向上する。また置換基Rにフェニル基などを導入することで、不斉合成の反応場における立体的及び電子的効果を種々にコントロールすることもできる。

【0031】
前記の通り、本発明の光学活性ビナフチル化合物は従来の合成反応を利用して多くの誘導体を簡単に製造することができる。
以下には、具体的な化合物を合成したときの実施例について記載する。

【0032】
(実施例1)
下記の反応式(A)に従って、式(5-1)で示す化合物を合成した。

【0033】
【化5】
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【0034】
(S)-1,1’-ビナフチル-2,2’-ジオール(1.5g,0.05mol)をトリエチルアミン(1.01g,0.01mol)と共に窒素雰囲気下で、トルエン(25mL)中に溶解した。これに三臭化リン(1.35g,0.005mol)をトルエン(10mL)に溶解した溶液を、冷却(0℃)しつつ、20分間かけて撹拌しながら滴下した。さらに1時間程度室温(20℃)にて反応させた。

【0035】
次いで、低温(15℃)に保ちつつ、窒素雰囲気下でグリニャール試薬を3倍当量混合した。混合後に室温(20℃)まで温度を上げて、90分間反応させリンに置換基を導入した。反応液を5℃まで冷却しながら、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加してグリニャール試薬を失活させ、酢酸エチルにより溶媒抽出した。この溶液を飽和塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、溶媒を留去した。

【0036】
得られた化合物をジクロロメタン(30mL)に溶解し、ヘキサクロロアセトンを触媒量(3滴)と、30%過酸化水素水(0.2mL)を、0~5℃に保ちつつ滴下した。反応液を室温(20℃)まで上げて、2時間程撹拌しつつ反応させ、リン原子を酸化した。ジクロロメタン層を分離して、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、溶媒除去後に2プロパノール中にて再結晶して式(5-1)の化合物を得た。

【0037】
式(5-1)で示す化合物の1H-核磁気共鳴スペクトルおよび13C-核磁気共鳴スペクトルは、日本電子製JNMα-400型式を用い、重水素化クロロホルム中、25℃で、1H-核磁気共鳴スペクトルは積算回数8回、13C-核磁気共鳴スペクトルは積算回数100-200回で測定した。その結果は次に示す通りである。また、融点、IRやMSのデータについても合わせて下記に示す。

【0038】
(S)-4-Methylbinaphtho[2,1-d:1',2'-f][1,3,2]dioxaphosphepine-4-oxide(式5-1)
mp; 244-247℃; IR (KBr); 3467, 3064, 1507, 1278, 1229, 1073, 966, 901, 860, 766 cm-1; 1H NMR (CDCl3):δ1.72 (d, J = 17.5 Hz, 3H, CH3), 7.26-7.34 (m, 3H, Ar), 7.38-7.51 (m, 4H, Ar), 7.58 (dd, J = 9.0 Hz, J = 1.4 Hz,1H, Ar), 7.93-7.97 (m, 2H, Ar), 8.01-8.04 (m, 2H, Ar); 13C NMR (CDCl3): δ9.4 (d, Jc-p = 139.0 Hz, CH3), 120.0, 121.1, 121.9, 122.1, 125.8, 125.9, 126.8, 127.0, 127.3, 128.5, 128.6, 131.4, 131.7, 131.9, 132.4, 132.6, 145.9, 146.0, 147.3, 147.4 (Ar); 31P NMR (CDCl3): δ41.1 (s); MS (EI) m/z 346 (M+); HRMS Calcd for C21H15O3P: 346.0759, Found: 346.0739.

【0039】
次に、式(5-1)の化合物を、以下の反応式(B)に従って加水分解して、本発明の光学活性ビナフチル化合物を合成した。

【0040】
【化6】
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【0041】
式(5-1)化合物(353mg,1.0mmol)に1,4-ジオキサン(5.0mL)、1MNaOH水溶液(2.5mL)を加え、室温(20℃)で10分撹拌した後、反応溶液に1NHCl水溶液をpH=1になるまで加えた。その反応溶液を、ジエチルエーテルを用いて溶媒抽出した。溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下で溶媒を留去することで、式(1-1)の化合物を白色固体(379mg,100%)として得た。各種データは以下の通りである。

【0042】
(S)-2'-Hydroxy-[1,1'-binaphthalen]-2-yl-hydrogen-methylphosphonate(式1-1)
IR (KBr); 3282, 3058, 2961, 2922, 2854, 1621, 1593, 1506, 1433, 993, 816, 749 cm-1; 1H NMR (CDCl3): δ1.72 (d, J = 17.5 Hz, 3H, CH3), 5.63 (br, 2H, OH), 6.85 (d,J =8.3 Hz, 1H, Ar), 7.06 (m, 1H, Ar), 7.16-7.28 (m, 4H, Ar), 7.38-7.43 (m, 2H, Ar), 7.68(d, J = 8.8 Hz, 1H, Ar), 7.73-7.80 (m, 3H, Ar); 13C NMR (CDCl3): δ 11.6 (d, 1JC-P = 149.3 Hz, CH3), 115.1, 118.7, 121.1, 122.3, 123.6, 124.8, 126.0, 126.7, 127.5, 128.1, 128.3, 129.1, 130.4, 130.7, 131.6, 133.6, 133.8, 147.1, 147.2, 151.8 (Ar); 31P NMR (CDCl3): δ33.2 (s);MS (EI) m/z 364 (M+); HRMS Calcd for C21H17O4P: 364.0864, Found:364.0840.

【0043】
(実施例2~9)
実施例1と同様にして、反応式(a)および反応式(b)に従って、下記構造式の各化合物を得た。但し、式(1-3)で示す化合物の場合には、反応式(b)の加水分解温度を80℃とし、反応時間は150分間である。

【0044】
【化7】
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【0045】
【化8】
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【0046】
各化合物についての核磁気共鳴スペクトル等の計測結果を以下に示す。

【0047】
(S)-2'-Hydroxy-[1,1'-binaphthalen]-2-yl-hydrogen-(tetrahydro-2H-pyran-3-yl)phosphonate(式1-2)について
IR (KBr); 3282, 3058, 2920, 2853, 1621, 1594, 1506, 1254, 1213, 1073, 992, 815,749 cm-1; 1H NMR (CDCl3): δ0.67-0.79 (m, 1H, CHCH2CH2), 1.14-1.20 (m, 2H, CHCH2CH2), 1.33 (br, 1H, CH), 1.55-1.66 (m, 1H, CHCH2CH2), 2.68 (dt, J = 10.8 Hz, J = 2.2 Hz,1H, CHCH2OCH2), 2.75-2.81 (m, 1H, CHCH2OCH2), 3.31 (br d, J= 10.8 Hz, 1H, CHCH2OCH2), 3.60 (br d, J = 10.3 Hz, 1H, CHCH2OCH2), 6.97 (d, J = 8.5 Hz, 1H, Ar), 7.15-7.19(m, 1H, Ar), 7.27 (d, J = 9.0 Hz, 1H, Ar), 7.28, (d, J = 8.1 Hz, 1H, Ar), 7.31-7.38 (m, 3H, Ar), 7.45-7.49 (m, 1H, Ar), 7.53 (d, J = 9.0 Hz, 1H, Ar), 7.75 (d, J = 9.0 Hz, 1H, Ar),7.81-7.84 (m, 1H, Ar), 7.87 (d, J = 8.5 Hz, 1H, Ar), 7.88 (br, 2H, OH); 13C NMR(CDCl3):δ21.9 (d, 2JC-P = 3.8 Hz, CHCH2CH2), 25.0 (d, 3JC-P = 13.1 Hz, CHCH2CH2), 34.9 (1JC-P =142.8 Hz, CH), 66.0 (CHCH2OCH2), 67.7 (CHCH2OCH2), 114.8, 118.7, 120.7, 122.3, 123.7,124.7, 125.9, 126.0, 126.8, 127.6, 128.1, 128.3, 129.1, 130.3, 130.6, 131.6, 133.7, 146.5, 146.6, 151.8 (Ar); 31P NMR (CDCl3): δ30.4 (s); MS(EI) m/z 434 (M+); HRMS Calcd for C25H23O5PSe: 434.1283, Found: 428.1302.

【0048】
(S)-2'-Hydroxy-[1,1'-binaphthalen]-2-yl-hydrogen-(tert-butyl)phosphonate(式1-3)について
IR (KBr); 3337, 3056,2967, 2908, 2869, 1621, 1595, 1506, 1477, 1462, 1217, 990, 867, 815, 748 cm-1; 1H NMR (CDCl3): δ0.68(d, J = 17.6 Hz, 9H, C(CH3)3), 6.91 (d, J= 8.5 Hz, 1H, Ar), 7.08-7.12 (m, 1H, Ar), 7.14 (br, 2H, OH), 7.26 (d, J = 8.1 Hz, 2H, Ar), 7.31 (d, J =9.0 Hz, 1H,Ar), 7.37 (m, 1H, Ar), 7.49 (m, 1H, Ar), 7.58 (dd, J = 9.4 Hz, J = 7.2 Hz, 2H, Ar), 7.79 (d, J = 9.4 Hz, 1H, Ar), 7.80 (d, J = 8.1 Hz, 1H, Ar), 7.85 (d, J = 9.0 Hz, 1H, Ar); 13CNMR (CDCl3): δ23.5 (C(CH3)3), 30.7 (d, 1JC-P = 142.8 Hz, C(CH3)3), 115.4, 118.9, 120.5,122.2, 123.5, 124.8, 125.9, 126.5, 127.5, 127.9, 128.3, 129.2, 130.1, 130.5, 131.5, 133.8, 133.9, 146.8, 146.9, 151.8 (Ar); 31P NMR (CDCl3): δ40.4 (s); MS (EI) m/z 406 (M+); HRMS Calcd for C24H23O4P: 406.1334, Found: 406.1336.

【0049】
(S)-2'-Hydroxy-[1,1'-binaphthalen]-2-yl hydrogen p-tolylphosphonate(式1-4)について
IR (KBr); 3323, 3058, 2958, 2920, 2856, 1621, 1596, 1506, 1211, 1131, 992, 812, 749 cm-1; 1H NMR (CDCl3): δ2.25(s, 3H, CH3), 4.91 (br, 2H, OH), 6.82-6.85(m, 2H, Ar), 6.88-6.94 (m, 3H, Ar), 7.06-7.10 (m, 1H, Ar), 7.22-7.27 (m, 3H, Ar), 7.30-7.34 (m, 1H, Ar), 7.59-7.69 (m, 2H, Ar), 7.79 (d, J = 8.1 Hz, 1H, Ar), 7.80 (d, J = 9.0 Hz,1H Ar), 7.82 (d, J = 9.0 Hz, 1H, Ar), 8.86 (d, J = 8.1 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (CDCl3): δ21.9 (PhCH3), 120.6, 121.1, 121.4, 121.8, 122.0, 122.5, 125.8, 126.8, 127.1, 127.4, 128.6, 129.2, 129.4, 130.8, 131.4, 131.6, 132.0, 132.5, 132.6, 144.5, 145.9, 146.0, 147.7, 147.8 (Ar); 31P NMR (CDCl3): δ 20.6 (s); MS (EI) m/z 440 (M+);HRMS Calcd for C27H21O4P: 440.1177, Found: 440.1165.

【0050】
(S)-2'-Hydroxy-[1,1'-binaphthalen]-2-yl hydrogen (2-methoxyphenyl)phosphonate(式1-5)について
IR (KBr); 3282, 3058, 2961, 2854, 1593, 1481, 1432, 1281, 1255, 1216, 993, 868, 816, 751 cm-1; 1H NMR (CDCl3): δ3.34 (s, 3H, CH3), 6.49 (br, 2H, OH), 6.55-6.61 (m, 2H, Ar), 6.94 (d, J = 8.1 Hz, 1H, Ar), 6.98-7.04 (m, 1H, Ar),7.08-7.12 (m, 2H, Ar), 7.17-7.23 (m, 2H, Ar), 7.28 (m, 1H, Ar), 7.34 (d, J = 8.1 Hz, 1H,Ar), 7.43-7.47 (m, 1H, Ar), 7.66 (d, J = 9.0 Hz, 1H, Ar), 7.67-7.75 (m, 3H, Ar), 7.84 (d, J = 8.1 Hz, 1H, Ar); 13C NMR (CDCl3): δ55.4 (OCH3), 110.8, 114.6, 115.4, 116.7, 118.9,120.0, 121.5, 122.3, 125.0, 125.9, 126.5, 127.3, 127.8, 128.2, 129.0, 129.9, 130.5, 131.5, 133.5, 133.9, 134.3, 147.6, 151.9, 161.1 (Ar); 31P NMR (CDCl3): δ18.9 (s); MS (EI) m/z 456 (M+); HRMS Calcd for C27H21O5P: 456.1127, Found: 456.1103.

【0051】
(S)-2'-Hydroxy-[1,1'-binaphthalen]-2-yl hydrogen (4-methoxyphenyl)phosphonate(式1-6)について
IR (KBr); 3298, 3058, 2962,2913, 2854, 1599, 1506, 1220, 1135, 991, 816, 750 cm-1; 1H NMR (CDCl3): δ3.69 (s, 3H,CH3), 6.47 (dd, J = 8.3 Hz, J = 2.9 Hz, 2H, Ar), 6.88-6.91 (m, 2H, Ar), 6.93 (d, J = 8.3 Hz,1H, Ar), 7.06-7.10 (m, 1H, Ar), 7.20-7.33 (m, 4H, Ar), 7.42-7.46 (m, 1H, Ar), 7.60 (d, J= 9.3 Hz, 1H, Ar), 7.67 (d, J = 8.8 Hz, 1H, Ar), 7.78-7.80 (m, 2H, Ar), 7.81 (d, J = 8.8 Hz,1H, Ar), 8.01 (br, 2H, OH) ; 13C NMR (CDCl3): δ55.3 (OCH3), 113.5, 115.1, 117.2, 118.8,119.3, 121.1, 122.2, 123.5, 124.9, 125.9, 126.6, 127.4, 127.8, 128.3, 129.1, 130.1, 130.7, 131.6, 133.1, 133.8, 147.2, 147.3, 151.8, 162.8 (Ar); 31P NMR (CDCl3): δ20.1 (s); MS (EI) m/z 456 (M+); HRMS Calcd for C27H21O5P: 456.1127, Found: 456.1130.

【0052】
(S)-2'-Hydroxy-[1,1'-binaphthalen]-2-yl-hydrogen-naphthalen-1-ylphosphonate(式1-7)について
IR (KBr); 3372, 3057, 2962, 2916, 2855, 1701, 1620, 1593, 1507, 1210, 1146, 1072, 1001, 814, 773 cm-1; 1H NMR (CDCl3): δ6.87 (d, J = 8.3 Hz, 1H, Ar), 6.90 (d, J = 9.3 Hz, 1H, Ar), 6.96-7.02 (m, 2H, Ar), 7.05-7.10 (m, 1H, Ar), 7.15 (d, J = 7.8 Hz, 1H, Ar), 7.19 (d, J = 7.8 Hz, 1H, Ar), 7.26-7.36 (m, 3H, Ar), 7.41-7.44 (m, 1H, Ar), 7.55 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.57-7.60 (m, 2H, Ar), 7.63-7.66 (m, 2H, Ar), 7.69 (d, J =8.8 Hz, 1H, Ar), 7.75 (d, J = 8.3 Hz, 1H, Ar), 7.79, (d, J = 8.3 Hz, 1H, Ar), 8.00 (br, 2H, OH); 13C NMR (CDCl3): δ114.7, 118.2, 121.9, 122.4, 122.7, 123.3, 124.1, 124.7, 125.8,126.0, 121.4, 126.5, 127.3, 127.9, 128.3, 128.5, 128.8, 130.0, 130.6, 131.6, 131.9, 133.1, 133.2, 133.3, 133.6, 133.7, 133.8, 147.5, 147.6, 151.7 (Ar); 31P NMR (CDCl3): δ19.5 (s); MS(EI) m/z 476 (M+); HRMS Calcd for C30H21O4P: 476.1177, Found: 476.1168.

【0053】
(S)-2'-Hydroxy-[1,1'-binaphthalen]-2-yl hydrogen naphthalen-2-ylphosphonate(式1-8)について
IR (KBr); 3388, 3056, 2961, 2917, 2854, 1621, 1593, 1505, 1218, 1072, 992, 815, 746 cm-1; 1H NMR (CDCl3): δ 6.80 (br, 2H, OH), 6.93 (d, J = 8.5 Hz, 1H, Ar), 6.99-7.07 (m, 2H, Ar), 7.15 (d, J = 9.0 Hz, 1H, Ar), 7.18-7.21 (m, 1H, Ar), 7.25 (d, J = 8.1 Hz, 1H, Ar), 7.28-7.32 (m, 1H, Ar), 7.40-7.45 (m, 3H, Ar), 7.49-7.53(m, 1H, Ar), 7.56 (d, J = 8.5 Hz, 1H, Ar), 7.60-7.69 (m, 5H, Ar), 7.22 (d, J = 8.1 Hz, 2H, Ar); 13C NMR (CDCl3): δ115.0, 118.6, 121.0, 122.3, 123.5, 124.8, 125.5, 125.6, 125.9, 126.6, 127.4, 127.7, 127.8, 127.9, 128.0, 128.3, 129.1, 130.2, 130.8, 131.6, 131.8, 132.0, 133.2, 133.3, 133.7, 133.8, 134.9, 147.15, 147.24, 151.8 (Ar); 31P NMR (CDCl3): δ19.3 (s);MS (EI) m/z 476 (M+); HRMS Calcd for C30H21O4P: 476.1177, Found: 476.1179.

【0054】
(S)-2'-Hydroxy-[1,1'-binaphthalen]-2-yl hydrogen phenanthren-9-ylphosphonate(式1-9)について
IR (KBr); 3327, 3058, 2959, 2913, 2854, 1620, 1506, 1347, 1215, 1119, 995, 869, 814, 748 cm-1; 1H NMR (CDCl3): δ 6.65 (br, 2H, OH), 6.81 (d, J = 8.8 Hz, 2H, Ar), 6.87-6.90 (m, 1H, Ar), 6.97-7.00 (m, 1H, Ar), 7.08-7.13 (m, 2H, Ar), 6.83 (dd, J = 6.8 Hz, J = 1.5 Hz, 1H, Ar), 7.35-7.39 (m, 2H, Ar), 7.41 (d, J = 7.8 Hz, 1H, Ar) 7.46-7.49 (m, 3H, Ar), 7.55 (d, J = 8.8Hz, 1H, Ar), 7.62 (d, J = 8.3 Hz, 1H, Ar), 7.65-7.71 (m, 2H, Ar), 7.80 (d, J = 8.3 Hz, 1H, Ar), 7.94 (d, J = 19.5 Hz, 1H), 8.49 (d, J = 7.8 Hz, 1H, Ar), 8.52 (d, J = 8.3 Hz, 1H,Ar); 13CNMR (CDCl3): δ114.4, 118.0, 121.8, 122.3, 122.4, 122.5, 123.2, 123.7, 124.5, 125.4, 125.9, 26.3, 126.7, 127.2, 127.6, 128.2, 128.4, 128.6, 128.9, 129.1, 129.2, 129.4, 129.6, 1230.0, 130.1, 130.6, 131.6, 133.5, 133.7, 136.4, 138.0, 147.5, 147.6, 151.6 (Ar); 31P NMR (CDCl3): δ19.2 (s); MS (EI) m/z 526 (M+); HRMS Calcd for C34H23O4P: 526.1334, Found:526.1335.

【0055】
(実施例10)
式(1-2)で示す本発明の光学活性ビナフチル化合物を触媒(10mol%)として、トルエンを溶媒として用い、室温下24時間の下記アミナ-ル合成反応を行った。

【0056】
【化9】
JP2016166170A_000010t.gif

【0057】
前記アミナ-ル反応における生成物の収率は40%、鏡像体過剰率は45%eeで良好な不斉合成反応が行われることが示された。参考までに、化合物式(1-2)の代わりに、化合物式(1-3)を触媒として用いると16%eeとなり、置換基Rを種々選択することによって反応の最適化が図れることが判る。

【0058】
(実施例11)
反応式(c)に従って、本発明の化合物を合成した。具体的には、10mL丸底フラスコにチオホスホン酸エステル(183mg,0.50mmol)、THF(1.0mL)、NaOH(97mg,2.4mmol)を入れ、混合液を室温で一時間撹拌した。その後、1N塩酸をpHが1になるまで加え、それをエーテルで三回抽出した。集めた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した後に濃縮した。残渣をシリカゲル(展開溶媒:アセトン、水 1:1)で精製し、式(1-10)で示す化合物を、無色透明の固体として得た(208mg、ジアステレオマー比=88:12)。

【0059】
【化10】
JP2016166170A_000011t.gif

【0060】
核磁気共鳴スペクトル等の計測結果を以下に示す。
mp; 111-113℃;IR (KBr); 3282, 3058, 2961, 2922, 2854, 1621, 1593, 1506, 1433, 993, 816, 749 cm-11H NMR (CDCl3):δ 1.72(d, J = 17.5 Hz, 3H, CH3), 5.63 (br, 2H, OH), 6.85 (d, J =8.3 Hz, 1H, Ar), 7.06 (m, 1H, Ar), 7.16-7.28 (m, 4H, Ar), 7.38-7.43 (m, 2H, Ar), 7.68 (d, J = 8.8 Hz, 1H, Ar), 7.73-7.80 (m, 3H, Ar);13C NMR (CDCl3):δ 11.6 (d, 1JC-P = 149.3 Hz, CH3), 115.1, 118.7, 121.1, 122.3, 123.6, 124.8, 126.0, 126.7, 127.5, 128.1, 128.3, 129.1, 130.4, 130.7, 131.6, 133.6, 133.8, 147.1, 147.2, 151.8 (Ar);31P NMR (CDCl3):δ 91.2 (s, major), 92.1 (s, minor);MS (EI) m/z 364 (M+);HRMS Calcd for C21H17O3PS:380.0636, Found:380.0622.

【0061】
(実施例12)
実施例11と同様にして、下記式で示す化合物を合成した。但し、室温での撹拌時間は96時間とした。式(1-11)で示す化合物は、収率78%で、無色透明の固体として得られた(173mg、ジアステレオマー比=97:3)。

【0062】
【化11】
JP2016166170A_000012t.gif

【0063】
式(1-11)で示す化合物の核磁気共鳴スペクトル等の計測結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3):δ 0.75-0.88 (m, 5H), 1.41-1.49 (m, 6H), 6.27 (br, 2H, OH), 7,11 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.23-7.35 (m, 5H, Ar), 7.45-7.51 (m, 1H, Ar), 7.79-7.84 (m, 2 H, Ar), 7.88 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 8.6 Hz, 1H);13C NMR (CDCl3):δ 25.2, 25.2, 25.5, 25.9 (d, 2JC-P = 18.0 Hz, CHCH2CH2), 43.5 (d, 1JC-P = 106.8 Hz, CHCH2CH2), 115.0, 117.9, 121.8, 122.2, 123.8, 125.3, 125.8, 125.9, 126.8, 127.4, 127.9, 128.4, 129.3, 130.3, 130.4, 131.5, 133.7, 148.1, 148.2, 151.3;31P NMR (CDCl3):δ 96.7 (s, major), 98.4 (s, minor)

【0064】
(実施例13)
実施例11と同様にして、下記式で示す化合物を合成した。但し、室温での撹拌時間は24時間とした。式(1-12)で示す化合物は、収率95%で、無色透明の固体として得られた(219mg、ジアステレオマー比=88:12)。

【0065】
【化12】
JP2016166170A_000013t.gif

【0066】
式(1-12)で示す化合物の核磁気共鳴スペクトル等の計測結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3):δ 0.36-0.62 (m, 2H), 0.80-0.91 (m,3H), 1.11-1.60 (m, 8H), 5.79 (br, 2H, OH), 7.00 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.09-7.10 (m, 1H, Ar), 7.14-7.29 (m, 5H, Ar), 7.36-7.40 (m, 1H, Ar), 7.64-7.66 (m, 1H, Ar), 7.75 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.80-7.87 (m, 2H, Ar);13C NMR (CDCl3):δ 25.8 (CH2CH2CH2), 32.7 (d, 4JC-P = 3.6 Hz, CHCH2CH2), 33.9 (d, 3JC-P = 10.8, CHCH2CH2), 34.1 (d, 2JC-P = 10.8, CHCH2CH2), 43.1 (d, 1JC-P = 105.6 Hz, CH2CHCH2), 115.2, 118.0, 122.0, 122.2, 123.8, 125.3, 125.8, 126.0, 126.9, 127.4, 128.0, 128.4, 129.3, 130.4, 131.6, 133.7, 148.1, 148.2, 151.1, 151.7;31P NMR (CDCl3):δ 93.8 (s, major), 95.1 (s, minor).

【0067】
(実施例14)
実施例11と同様にして、下記式で示す化合物を合成した。但し、室温での撹拌時間は54時間とした。式(1-13)で示す化合物は、収率72%で、無色透明の固体として得られた(173mg、ジアステレオマー比=79:21)。

【0068】
【化13】
JP2016166170A_000014t.gif

【0069】
式(1-13)で示す化合物の核磁気共鳴スペクトル等の計測結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO):δ 4.42 (br, 2H, OH), 6.92 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7,10 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.11-7.16 (m, 2H,Ar), 7.19-7.23 (m, 1H, Ar), 7.25-7.29 (m, 2H, Ar), 7.39-7.43 (m, 1H, Ar), 7.49-7.57 (m, 2H, Ar), 7.60-7.63 (m, 1H, Ar), 7.65-7.96 (m, 2H, Ar), 7.81-7.88 (m, 3H, Ar), 7.94-7.97 (m, 2H, Ar), 8.02 (d, J = 9.0 Hz, 1H);13C NMR (DMSO):δ 114.8, 119.0, 121.1, 124.2, 124.9, 125.4, 125.9, 126.1, 126.7, 127.0, 127.3, 127.8, 127.9, 128.0, 128.4, 128.5, 128.9, 129.2, 129.8, 130.9, 131.1, 131.8, 132.0, 132.9, 134.0, 134.2, 134.4, 147.9, 148.0, 153.6;31P NMR (CDCl3):δ 80.0 (s, major), 80.4 (s, minor)

【0070】
(実施例15)
実施例10と同様に、式(1-11)で示す化合物を触媒として使用してアミナール合成反応を行った。収率は95%、鏡像体過剰率は41%eeで良好な不斉合成反応が行われることが示された。

【0071】
(実施例16)
実施例10と同様に、式(1-12)で示す化合物を触媒として使用した。ただし、-20℃で反応時間は85時間とした。その結果、収率は75%、鏡像体過剰率は74%eeで良好な不斉合成反応が行われることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上説明したように、本発明の光学活性ビナフチル化合物は、有機触媒、ルイス酸金属への配位子、さらにはラセミ体の一方の鏡像異性体の識別などにも利用可能である。