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明細書 :カーボンニュートラルな携帯型点火装置および点火システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-161273 (P2016-161273A)
公開日 平成28年9月5日(2016.9.5)
発明の名称または考案の名称 カーボンニュートラルな携帯型点火装置および点火システム
国際特許分類 F23D  14/28        (2006.01)
F17C  13/00        (2006.01)
FI F23D 14/28 A
F17C 13/00 302Z
F23D 14/28 C
請求項の数または発明の数 11
出願形態 OL
全頁数 9
出願番号 特願2015-043698 (P2015-043698)
出願日 平成27年3月5日(2015.3.5)
発明者または考案者 【氏名】多田 千佳
【氏名】山家 智之
【氏名】白石 泰之
【氏名】圓山 重直
出願人 【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000796、【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 3E172
Fターム 3E172AA02
3E172AA05
3E172AB04
3E172BA01
3E172BA10
3E172BB03
3E172BB10
3E172BB12
3E172BB17
3E172BC04
3E172BC05
3E172BC08
3E172BD10
3E172DA90
3E172EA02
3E172EA12
3E172EB02
3E172EB10
3E172KA03
3E172KA11
要約 【課題】カーボンニュートラルで地域にバイオエネルギー資産を残すオリンピックトーチシステムを提供する。
【解決手段】バイオトーチ装置1は、有機廃棄物から生成されたバイオメタンガスを収容するための燃料バッグ10と、トーチ部20と、燃料バッグ10とトーチ部20とを接続すると共に燃料バッグ10からトーチ部20へ燃料気体を供給するための供給管30とを備えることを特徴とする。従って、環境負荷ゼロまたは低負荷なバイオトーチ装置1が提供される。このバイオトーチ装置1は聖火リレーのトーチとして使用でき、その場合、バイオトーチ装置1に燃料気体を供給するための地域のバイオエネルギープラントは、点火以外の目的にもバイオエネルギー資産として有効活用することができる。
【選択図】 図2
特許請求の範囲 【請求項1】
燃料気体を収容するための燃料容器と、トーチ部と、前記燃料容器と前記トーチ部とを接続すると共に前記燃料容器から前記トーチ部へ前記燃料気体を供給するための供給管とを備えることを特徴とする携帯型点火装置。
【請求項2】
前記燃料容器が収縮可能なバッグを備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯型点火装置。
【請求項3】
前記収縮可能なバッグの周囲にバッグ収縮機構が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の携帯型点火装置。
【請求項4】
前記バッグ収縮機構が形状記憶合金、板バネ、またはそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項3に記載の携帯型点火装置。
【請求項5】
燃料気体を収容するための燃料容器と、燃料容器からの燃料気体が供給されるトーチ部とを備え、高圧ボンベが前記燃料容器と前記トーチ部とを兼ねていることを特徴とする携帯型点火装置。
【請求項6】
前記燃料気体がメタンを含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の携帯型点火装置。
【請求項7】
前記燃料容器から前記トーチ部への前記燃料気体の供給を促進するポンプをさらに備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の携帯型点火装置。
【請求項8】
前記トーチ部が、炎を呈色させるための炎色反応部を有することを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の携帯型点火装置。
【請求項9】
前記炎色反応部が、炎を青、黄、黒、緑および赤のうちの少なくとも一つの色に呈色させることを特徴とする請求項8に記載の携帯型点火装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の携帯型点火装置と、前記携帯型点火装置の燃料容器に収容される燃料気体を生成する1つ又は複数のバイオエネルギープラントとを備えた点火システム。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか一項に記載の携帯型点火装置に、1つ又は複数のバイオエネルギープラントにおいて燃料気体を供給することからなる、点火リレー方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンニュートラルな携帯型点火装置および点火システムに関し、より詳細には、オリンピックの聖火リレーなどに用いるカーボンニュートラルなトーチ型の点火装置および点火システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、聖火トーチの燃料としては、固形燃料、プロパンガス、及びLPガスなどの化石燃料が用いられてきた。固形燃料や化石燃料は、温室効果ガスや二酸化炭素の発生などにより地球温暖化をもたらし、環境的に問題が大きいことが広く知られている。このような技術は、例えば特許文献1,2に開示されている。特許文献1には、固形燃料の聖火の構造図が記載されている。特許文献2には、無臭性灯油を原料とする固形着火剤を紙カップに入れた聖火行事用の固形燃料が記載されている。

【特許文献1】登録実用新案第3055303号
【特許文献2】実用新案公開平7-12460
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1,2を初めとする従来の技術では、温室効果ガスや二酸化炭素の発生を認め、カーボンネガティブで、環境破壊に直結するという欠点がある。
【0004】
本発明の目的は、カーボンニュートラルで環境に優しい携帯型点火装置および点火システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、地域に設置されたバイオエネルギープラントから生じた燃料気体を利用すれば環境負荷ゼロまたは低負荷で携帯型点火装置を作動できることを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は以下の通りである。
[1]燃料気体を収容するための燃料容器と、トーチ部と、前記燃料容器と前記トーチ部とを接続すると共に前記燃料容器から前記トーチ部へ前記燃料気体を供給するための供給管とを備えることを特徴とする携帯型点火装置。
[2]前記燃料容器が収縮可能なバッグを備えることを特徴とする項1に記載の携帯型点火装置。
[3]前記収縮可能なバッグの周囲にバッグ収縮機構が設けられていることを特徴とする項2に記載の携帯型点火装置。
[4]前記バッグ収縮機構が形状記憶合金、板バネ、またはそれらの組み合わせであることを特徴とする項3に記載の携帯型点火装置。
[5]燃料気体を収容するための燃料容器と、燃料容器からの燃料気体が供給されるトーチ部とを備え、高圧ボンベが前記燃料容器と前記トーチ部とを兼ねていることを特徴とする携帯型点火装置。
[6]前記燃料気体がメタンを含むことを特徴とする項1~5のいずれか一項に記載の携帯型点火装置。
[7]前記燃料容器から前記トーチ部への前記燃料気体の供給を促進するポンプをさらに備えることを特徴とする項1~4のいずれか一項に記載の携帯型点火装置。
[8]前記トーチ部が、炎を呈色させるための炎色反応部を有することを特徴とする項1~7のいずれか一項に記載の携帯型点火装置。
[9]前記炎色反応部が、炎を青、黄、黒、緑および赤のうちの少なくとも一つの色に呈色させることを特徴とする項8に記載の携帯型点火装置。
[10]項1~9のいずれか一項に記載の携帯型点火装置と、前記携帯型点火装置の燃料容器に収容される燃料気体を生成する1つ又は複数のバイオエネルギープラントとを備えた点火システム。
[11]項1~9のいずれか一項に記載の携帯型点火装置に、1つ又は複数のバイオエネルギープラントにおいて燃料気体を供給することからなる、点火リレー方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、携帯型点火装置および点火システムの燃料として地域のバイオエネルギープラントから生じた燃料気体を利用するため、化石燃料を用いる場合に比べて環境に優しく、温暖化をもたらさないか、または温暖化につながりにくい。
【0007】
さらには、携帯型点火装置および点火システムの燃料をすべて地域の有機廃棄物から生成することもできるため、大気中の二酸化炭素総量の増減に影響を与えず、カーボンニュートラルで環境負荷ゼロとすることもできる。
【0008】
また、バイオエネルギープラントは携帯型点火装置の点火以外の目的でも使用できるため、聖火リレーが行われる地域・地域にゴミ処理施設とバイオエネルギー資産を残すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態のバイオトーチ装置をランナーが使用している状態を示す略図。
【図2】図1のバイオトーチ装置の略図。
【図3】(a)~(c)ランナーが走行している最中の燃料バッグの状態の変化を示す略図。
【図4】バイオエネルギープラントの例を示す略図。
【図5】聖火リレーとバイオエネルギープラントの配置の関係を示す略図。
【図6】別のバッグ収縮機構を示す略図。
【図7】本発明の第2実施形態のバイオトーチ装置の略図。
【図8】小型ポンプを示す略断面図。
【図9】五大陸の色に合わせた、五色の炎色反応を実現するための点火部の例を示す略図。

【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明をオリンピックの聖火リレーのためのバイオトーチ装置に具現化した第1実施形態及び当該バイオトーチ装置と共に使用されるバイオトーチ装置について図1~5を参照しながら説明する。
【0011】
図1には、携帯型点火装置としての本発明の第1実施形態のバイオトーチ装置1をランナー2が使用している状態が示されている。なお本明細書において「携帯型」とは、人が携帯し移動可能であることを指す。
【0012】
バイオトーチ装置1は、燃料気体を収容する燃料容器としての燃料バッグ10と、トーチ部20と、燃料バッグ10とトーチ部20とを接続すると共に燃料バッグ10からトーチ部20へ燃料気体を供給するための供給管30とを備えており、トーチ部20は、燃料バッグ10からの燃料気体が供給されるよう燃料バッグ10と連通している。燃料気体は、後でより詳しく説明するが、生ごみなどの有機廃棄物から生成された、メタン含有バイオガスを含む。
【0013】
燃料バッグ10に収容されるバイオガスの体積は特に限定されないが、例えば 60~240Lであり、通常5~30分間、好ましくは10~20分間、より好ましくは15分前後、持続的にバイオトーチ装置1を点火することができる。
【0014】
ランナー2は外部カバーとしてのバッグパック11を背負っており、燃料バッグ10はバッグパック11の中に収容されている。バッグパック11は任意の材料から構成されてもよいが、好ましくはプラスチック、より好ましくは再生プラスチックや生分解性プラスチックなどから構成される。バッグパック11の表面にはオリンピック公式スポンサーのロゴなど、任意のデザインが施されてもよい。
【0015】
図2は図1のバイオトーチ装置1の詳細を示す略図である。燃料バッグ10は本実施形態ではアルミ製の収縮可能なバッグであり、バイオガスを内部に閉じ込めることが可能である。燃料バッグ10の周囲には、バッグ収縮機構としての形状記憶合金12が設けられている。形状記憶合金12は電源装置14と電気接続されており、電源装置14により形状記憶合金12に電圧を与えると、形状記憶合金12は燃料バッグ10に向かって付勢され、燃料バッグ10は形状記憶合金12により周囲から締め付けられ、収縮する。燃料バッグ10はバイオガスの出入口16を備えており、燃料バッグ10が収縮することによりバイオガスは供給管30へ送られる。供給管30は、金属、プラスチック、またはそれらの複合材料などの任意の材料から構成されてもよいが、好ましくはランナーの走行を妨げないようプラスチックを含む可撓性の材料から構成される。供給管30の途中には調節弁32が設けられ、調節弁32を開くとバイオガスはトーチ部20へと送られる。トーチ部20は、長尺管状の本体部21と、供給管30の端部に接続する基端部22と、先端部23とを備えており、トーチ部20へ送られたガスは、本体部21を通過して先端部23における点火部24で着火し、炎26が生じる。バイオトーチ装置1,50への着火は、外部からのマッチ、またはライター等の器具により行うことが可能である。点火部24には炎26を呈色させるための炎色反応部25が設けられている。この炎色反応部25には、炎色反応を起こす溶液が含浸される石綿または石英などの炎色反応を促す素材を備えているか、図示しない噴霧装置から炎色反応を生じさせる溶液が提供され、炎26を色々な色で表すことが可能となる。炎色反応を生じさせる金属は周知であり、例えばリチウム、ナトリウム 、カリウム、コバルト、ルビジウム、セシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、モリブデン、銅、ホウ素ガリウム、インジウム、タリウム、スズ、鉛、リン、ヒ素、アンチモンなどの金属またはかかる金属を含む溶液を用いることができる。
【0016】
図3(a)~(c)は、ランナーが走行している最中の燃料バッグ10の状態の変化を示す。時間が経つにつれ、燃料バッグ10の周囲に巻き付けた形状記憶合金12が収縮し、それに伴い燃料バッグ10が収縮して、バイオガスがトーチ部20へ連続的に供給され、灯火すなわちトーチ部20の炎26を長時間維持することができる。また、燃料バッグ10が走行中に収縮するため、ランナーにとっても走行時の抵抗が減り快適である。
【0017】
次に、燃料バッグ10に収容されるバイオガスを生成するためのバイオエネルギープラントについて説明する。図4を参照すると、バイオエネルギープラント40は、温泉廃湯処理タンク41と、メタン発酵タンク42と、消化液タンク43と、脱硫塔44と、バイオガス貯留バルーン45と、ガス昇圧機46とを備えている。メタン発酵タンク42は温泉廃湯処理タンク41から回収した温泉廃湯からの廃熱が供給され、メタン発酵タンク42に投入された生活生ゴミ、糞尿、植物廃棄物、下水汚泥などの有機廃棄物がメタン発酵タンク42にて発酵される。メタン発酵タンク42から排出された消化液は消化液タンク43にて分離され、メタン発酵タンク42における有機廃棄物の発酵により発生したバイオガスは脱硫塔44に移動し、バイオガスに含まれる硫化水素が脱硫塔44にて分離される。次に脱硫処理されたバイオガスはバイオガス貯留バルーン45に貯留され、最終的にガス昇圧機46からメタンを含むバイオガスが取り出される。つまり、図2の燃料バッグ10にメタンを含むバイオガスを充填する際には、燃料バッグ10を供給管30から取り外し、ガス昇圧機46から取り出したバイオガスを、燃料バッグ10の出入口16を介して燃料バッグ10に充填する。さらに、燃料バッグ10の出入口16にキャップ、シール、クリップ等の封止部材を施すことにより、バイオトーチ装置1を使用するまでは、燃料バッグ10を単独で保管することが可能である。
【0018】
図4に示したバイオエネルギープラント40は、長さ8m×幅2m×高さ3m程度と小型で、地域の温泉エネルギーなどを応用した地域環境に優しいエネルギー供給システムである。また、化石燃料ではなく、生活生ゴミなどの有機廃棄物をエネルギー供給源に使っているので、植物が種から成長するとき、光合成により大気中の二酸化炭素の炭素原子を取り込んで有機化合物を作り、植物のからだを作る自然サイクルシステムを応用している。そのため植物を燃やして二酸化炭素を発生させても、空気中に排出される二酸化炭素の中の炭素原子はもともと空気中に存在した炭素原子を植物が取り込んだものであるため、大気中の二酸化炭素総量の増減には影響を与えない。つまり、植物由来燃料・原料の燃焼・分解に伴って排出される二酸化炭素の量を基準(排出量)にし、元となる植物が成長過程で吸収した二酸化炭素の量(吸収量)がそれと同じ量となるカーボンニュートラルなシステムである。従って、バイオトーチ装置1と、バイオエネルギープラント40からなるトーチシステムの稼働の環境負荷はゼロである。
【0019】
オリンピックの聖火が走った地域には、ゴミ処理施設を備えたバイオエネルギープラント40を残していくことになり、地域のエネルギー供給に有効であり、大会の前にも後にも、バイオエネルギー資産として地域のカーボンニュートラルな発電事業に貢献する。
【0020】
しかも、聖火リレーの点火エネルギーの供給にバイオエネルギープラント40を使用することで、エネルギー配送費用が無料となり、経済的である。
【0021】
図5は北京オリンピックの聖火リレーの地図であるが、図4のバイオエネルギープラント40を日本国内、世界各地において、聖火の走る場所に設置することで、バイオトーチ装置1による環境に優しい聖火リレーを実現することができる。また、聖火の走る場所にエコエネルギープラントを設置することで、エコエネルギーに関する啓蒙、教育機関としての役割を果たすこともできる。
【0022】
ここまで、本発明を第1実施形態を例にとって説明してきたが、本発明はこれに限られず、以下のような種々の変形が可能である。
・燃料バッグ10は、図1~3では一個のみを示したが、複数個を用いてもよい。複数のバッグ10を用いる場合、通常、燃料バッグ10の収縮する方向に重ねて並ぶように配置する。
・図1のバッグパック11は省略してもよい。
・図2ではバッグ収縮機構として形状記憶合金12が燃料バッグ10の周囲には、設けられていたが、形状記憶合金12とは別に、あるいは形状記憶合金12と組み合わせて別のバッグ収縮機構を設けてもよい。例えば図6に示すように、バッグ収縮機構として、一対の板状部材の一側が接続されてなる板ばね18を設け、板ばね18の間に燃料バッグ10を挟み、形状記憶合金12を一対の板状部材の他側に架け渡し、電源装置14により形状記憶合金12に電圧を与えることにより、形状記憶合金12を収縮させ、板ばね18を閉じる方向に移動させ、燃料バッグ10を収縮させてもよい。さらに別の実施形態では、形状記憶合金12を省略し、板ばね18の付勢力により燃料バッグ10を収縮させてもよい。
・バイオトーチ装置1,50にバイオガスを供給するバイオガス発生装置としては、バイオエネルギープラント40に限らず、バイオガスを発生させる任意の公知のバイオエネルギープラントを用いてもよい。
・バイオトーチ装置は、第1実施形態に示したバイオトーチ装置1以外の構成であってもよい。例えば、図7は本発明の第2実施形態のバイオトーチ装置50であるが、この実施形態ではバイオガスは燃料容器としての高圧ボンベ52に収容される。高圧ボンベ52は圧縮されたバイオガスを収容可能な金属、プラスチック、およびそれらの複合材料などの任意の材料から構成されるが、携帯して移動が可能であるように、小型かつ軽量であることが好ましく、例えばアルミチューブまたはチタンチューブなどの金属材料にカーボンファーバーのような高分子繊維を巻きつけたものから構成される。かかる小型で軽量な高圧ボンベ52に、例えば約200~300気圧に圧縮された高圧バイオガスを収容する。調節弁54は高圧ボンベ52に接続し、高圧ボンベ52からのバイオガスの出入りを可能なように開閉可能である。使用時には調節弁54を開き、点火部56を点火すると、定常の圧力で、点火部56に高圧バイオガスによるエネルギー供給を行い、聖火の炎26を維持することができる。持続時間は通常5~30分間、好ましくは10~20分間、より好ましくは15分前後である。なお、本実施形態では、高圧ボンベ52、調節弁54及び点火部56がトーチ部を構成し、高圧ボンベ52が燃料容器とトーチ部とを兼ね備えており、ランナーは高圧ボンベ52を把持して走行することが可能である。
・燃料バッグ10の収縮を促進するために、図8に示すように、燃料バッグ10からトーチ部20へのバイオガスの供給を促進するポンプ60をさらに備えてもよい。ポンプ60は、例えば遠心ポンプ、軸流ポンプ、斜流ポンプなどの非容積型ターボポンプシステムからなる。ポンプ60は通常、供給管30の途中に設けられ、図示しないアクチュエータで作動させることによりバイオガスを燃料バッグ10からトーチ部20へ移送する。
・上記の第1実施形態では、炎色反応部25を一つ設けたが、炎色反応部25は省略してもよい。代わりに、複数の炎色反応部を設けてもよい。例えば、図9には五大陸の色に合わせた、五色の炎色反応を実現するための点火部62が示されるが、点火部62は5つの炎色反応部63,64,65,66,67を備えている。炎色反応部63,64,65,66,67は、例えば石綿または石英などの炎色反応を促す素材を備えている。炎色反応部63には、青色の炎色反応を起こす溶液が同素材に含浸されるかまたは添加され、炎色反応部64には、黒色の炎色反応を起こす溶液が同素材に含浸されるかまたは添加され、炎色反応部65には、赤色の炎色反応を起こす溶液が同素材に含浸されるかまたは添加され、炎色反応部66には、黄色の炎色反応を起こす溶液が同素材に含浸されるかまたは添加され、炎色反応部67には、緑色の炎色反応を起こす溶液が同素材に含浸されるかまたは添加される。そうすると、五色の炎色反応により、トーチの点火部62の炎が、五大陸の色に合わせた青、黄、黒、緑および赤色の炎で表現される。炎色反応部63,64,65,66,67における青、黄、黒、緑および赤色の炎は別のタイミングで生成されてもよい。青、黄、黒、緑、赤色の、五輪の五大陸の色に合わせて、炎色反応を自在にコントロールし、交代で五大陸の炎の発色をコントロールすることができる。炎色反応を生じさせる金属は周知であり、第1実施形態の炎色反応部25の説明で上述した通りである。
・本発明は、携帯型点火装置1,50を初めとする本発明の携帯型点火装置に、バイオエネルギープラント40を初めとする1つ又は複数のバイオエネルギープラントにおいて燃料気体を供給することからなる、点火リレー方法も包含する。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の携帯型点火装置および点火システムは、点火燃料として地域のバイオエネルギープラントから生じたバイオガスを利用して、聖火リレーなどに利用することができる。このような点火装置および点火システムは、化石燃料を用いる場合に比べて環境に優しく、温暖化をもたらさないか、または温暖化につながりにくい。
【0024】
また、バイオエネルギープラントは携帯型点火装置の点火以外に、ゴミ処理施設とバイオエネルギー供給施設としても利用することができ、カーボンニュートラルな発展性が大きなシステムであるといえる。
【符号の説明】
【0025】
1,50…携帯型点火装置としてのバイオトーチ装置、10…燃料容器としての燃料バッグ、12…バッグ収縮機構としての形状記憶合金、18…バッグ収縮機構としての板ばね、20…トーチ部、25,63,64,65,66,67…炎色反応部、30…供給管、40…バイオエネルギープラント、52・・・燃料容器及びトーチ部としての高圧ボンベ、60…ポンプ。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8