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明細書 :配管内スケール監視システム、および配管内スケール監視方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-166781 (P2016-166781A)
公開日 平成28年9月15日(2016.9.15)
発明の名称または考案の名称 配管内スケール監視システム、および配管内スケール監視方法
国際特許分類 G01N  25/18        (2006.01)
G01N  25/72        (2006.01)
FI G01N 25/18 C
G01N 25/72 D
請求項の数または発明の数 6
出願形態 OL
全頁数 10
出願番号 特願2015-046294 (P2015-046294)
出願日 平成27年3月9日(2015.3.9)
発明者または考案者 【氏名】盛 田 元 彰
【氏名】波津久 達 也
出願人 【識別番号】504196300
【氏名又は名称】国立大学法人東京海洋大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100117787、【弁理士】、【氏名又は名称】勝沼 宏仁
【識別番号】100082991、【弁理士】、【氏名又は名称】佐藤 泰和
【識別番号】100103263、【弁理士】、【氏名又は名称】川崎 康
【識別番号】100107582、【弁理士】、【氏名又は名称】関根 毅
【識別番号】100152205、【弁理士】、【氏名又は名称】吉田 昌司
審査請求 未請求
テーマコード 2G040
Fターム 2G040AA08
2G040AB08
2G040BA15
2G040BA28
2G040CA01
2G040CA12
2G040CA23
2G040DA02
2G040DA05
2G040DA13
2G040DA15
2G040EA08
2G040HA03
2G040HA08
2G040HA14
要約 【課題】配管の内壁に付着したスケールの形状を推定する。
【解決手段】熱流体が流れる配管の内壁に付着するスケールを監視する配管内スケール監視システム1であって、前記配管の外側の表面温度を測定し、前記配管の周方向の温度分布である実測温度分布を生成する表面温度測定部2と、前記配管の周方向の表面温度分布と、前記スケールの外周方向の付着パターンを示すスケール付着パターンとを対応付けて記憶するデータベース11と、前記データベース11の中から、前記実測温度分布にマッチングする表面温度分布を検索し、前記検索された表面温度分布に対応付けられたスケール付着パターンを前記スケールの形状として推定するスケール形状推定部3と を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
熱流体が流れる配管の内壁に付着するスケールを監視する配管内スケール監視システムであって、
前記配管の外側の表面温度を測定し、前記配管の周方向の温度分布である実測温度分布を生成する表面温度測定部と、
前記配管の周方向の表面温度分布と、前記スケールの外周方向の付着パターンを示すスケール付着パターンとを対応付けて記憶する第1のデータベースと、
前記第1のデータベースの中から、前記実測温度分布にマッチングする表面温度分布を検索し、前記検索された表面温度分布に対応付けられたスケール付着パターンを前記スケールの形状として推定するスケール形状推定部と、
を備えることを特徴とする配管内スケール監視システム。
【請求項2】
前記推定されたスケールの形状が所定の形状である場合に、メンテナンス信号を送出する信号送出部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の配管内スケール監視システム。
【請求項3】
前記配管の周方向の表面温度分布と、前記スケールの周方向の厚さ分布であるスケール厚さ分布とを対応付けて記憶する第2のデータベースと、
前記第2のデータベースの中から、前記実測温度分布にマッチングする表面温度分布を検索し、前記検索された表面温度分布に対応付けられた前記スケール厚さ分布に基づいて前記スケールの厚さを推定するスケール厚さ推定部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の配管内スケール監視システム。
【請求項4】
前記スケールの厚さが所定値以上である場合に、メンテナンス信号を送出する信号送出部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の配管内スケール監視システム。
【請求項5】
熱流体が流れる配管の内壁に付着するスケールを監視する配管内スケール監視方法であって、
前記配管の外側の表面温度を測定し、前記配管の周方向の温度分布である実測温度分布を生成するステップと、
前記配管の周方向の表面温度分布と、前記スケールの外周方向の付着パターンを示すスケール付着パターンとを対応付けて記憶する第1のデータベースの中から、前記実測温度分布にマッチングする表面温度分布を検索し、前記検索された表面温度分布に対応付けられたスケール付着パターンを前記スケールの形状として推定するステップと、
を備えることを特徴とする配管内スケール監視方法。
【請求項6】
前記配管の周方向の表面温度分布と、前記スケールの周方向の厚さ分布であるスケール厚さ分布とを対応付けて記憶する第2のデータベースの中から、前記実測温度分布にマッチングする表面温度分布を検索し、前記検索された表面温度分布に対応付けられた前記スケール厚さ分布に基づいて前記スケールの厚さを推定するステップをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の配管内スケール監視方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、配管内スケール監視システム、および配管内スケール監視方法に関し、より詳しくは、温水等の熱流体が流れる配管の内壁に付着するスケールを監視する配管内スケール監視システム、および配管内スケール監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発電所に冷却水(海水等)を導くための配管や、温泉水を所定の場所に導くための配管等の内壁にスケールが付着することが知られている。このスケールは、流体中のカルシウムやシリカ等が配管の内壁に析出して生成する金属酸化物である。
【0003】
配管内のスケールは、流体の種類や流量等に応じて、同じ場所であっても様々な形状に成長し得る。図6(A)~図6(D)は、配管内に付着した実際のスケールを示している。図6(A)の場合、スケールは配管の内壁に均等な厚さに成長しているが、図6(B)の場合は、配管の内壁の上側部分に厚く成長している。また、図6(C)や図6(D)のように、より複雑で不均一な形状に成長する場合もある。なお、図6(C)の写真は、非特許文献1から引用したものである。
【0004】
スケールが成長するに伴って配管内の流路が狭くなるため、配管のメンテナンスを行ってスケールを除去する必要がある。スケールの除去は、スケールを薬剤で溶かしたり、削り取ったり、叩き割る等の方法により行われる。いずれの方法を採るにせよ、メンテナンス中は配管に流体を流すことができず、発電所の場合は運転を停止しなければならない。また、スケールの硬度は経時変化し、ある程度付着した後は密度を増していくため、除去することが困難となる。よって、配管内のスケールの付着状況を把握し、適切なタイミングでメンテナンスを行う必要がある。
【0005】
特許文献1には、配管を開口することなしに、配管内のスケール付着状態を判定するための検査方法が記載されている。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2011-209033号公報
【0007】

【非特許文献1】平成25年度低炭素地域づくり集中支援モデル事業委託業務 報告書(小浜温泉未利用温排水による温泉発電事業化実証事業)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の検査方法は、配管の表面温度を赤外線サーモグラフィで計測し、上下方向の温度差に基づいてスケールの状態を推定するものであり、流体が配管の上側内面に接触していない等のスケール形状に対する制約がある。このため、様々な形状に成長し得るスケールに対して形状を把握することができないという課題がある。
【0009】
そこで、本発明は、配管の内壁に付着したスケールの形状を推定することができる配管内スケール監視システム、および配管内スケール監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る配管内スケール監視システムは、
熱流体が流れる配管の内壁に付着するスケールを監視する配管内スケール監視システムであって、
前記配管の外側の表面温度を測定し、前記配管の周方向の温度分布である実測温度分布を生成する表面温度測定部と、
前記配管の周方向の表面温度分布と、前記スケールの外周方向の付着パターンを示すスケール付着パターンとを対応付けて記憶する第1のデータベースと、
前記第1のデータベースの中から、前記実測温度分布にマッチングする表面温度分布を検索し、前記検索された表面温度分布に対応付けられたスケール付着パターンを前記スケールの形状として推定するスケール形状推定部と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
前記配管内スケール監視システムにおいて、
前記推定されたスケールの形状が所定の形状である場合に、メンテナンス信号を送出する信号送出部をさらに備えてもよい。
【0012】
前記配管内スケール監視システムにおいて、
前記配管の周方向の表面温度分布と、前記スケールの周方向の厚さ分布であるスケール厚さ分布とを対応付けて記憶する第2のデータベースと、
前記第2のデータベースの中から、前記実測温度分布にマッチングする表面温度分布を検索し、前記検索された表面温度分布に対応付けられた前記スケール厚さ分布に基づいて前記スケールの厚さを推定するスケール厚さ推定部と、
をさらに備えてもよい。
【0013】
前記配管内スケール監視システムにおいて、
前記スケールの厚さが所定値以上である場合に、メンテナンス信号を送出する信号送出部をさらに備えてもよい。
【0014】
本発明に係る配管内スケール監視方法は、
熱流体が流れる配管の内壁に付着するスケールを監視する配管内スケール監視方法であって、
前記配管の外側の表面温度を測定し、前記配管の周方向の温度分布である実測温度分布を生成するステップと、
前記配管の周方向の表面温度分布と、前記スケールの外周方向の付着パターンを示すスケール付着パターンとを対応付けて記憶する第1のデータベースの中から、前記実測温度分布にマッチングする表面温度分布を検索し、前記検索された表面温度分布に対応付けられたスケール付着パターンを前記スケールの形状として推定するステップと、
を備えることを特徴とする。
【0015】
また、前記配管内スケール監視方法において、
前記配管の周方向の表面温度分布と、前記スケールの周方向の厚さ分布であるスケール厚さ分布とを対応付けて記憶する第2のデータベースの中から、前記実測温度分布にマッチングする表面温度分布を検索し、前記検索された表面温度分布に対応付けられた前記スケール厚さ分布に基づいて前記スケールの厚さを推定するステップをさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、配管の周方向の温度分布である実測温度分布に基づいて、表面温度分布とスケール付着パターンとを対応付けて記憶する第1のデータベースを探索することにより、配管の内壁に付着したスケールの形状を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る配管内スケール監視システム1の概略的な構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る配管内スケール監視システム1のデータベース11の例を示す図である。
【図3】配管内のスケールの形状を推定する方法を説明するための図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る配管内スケール監視システム1Aの概略的な構成図である。
【図5】第2の実施形態に係る配管内スケール監視システム1Aのデータベース12の例を示す図である。
【図6】配管内に付着した実際のスケールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。

【0019】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る配管内スケール監視システム1について、図1を参照して説明する。この配管内スケール監視システム1は、温水等の熱流体が流れる配管の内壁に付着するスケールを監視するためのシステムである。

【0020】
第1の実施形態に係る配管内スケール監視システム1は、図1に示すように、データベース11と、表面温度測定部2と、スケール形状推定部3と、信号送出部4とを備えている。

【0021】
データベース11は、配管の周方向の表面温度分布と、スケールの外周方向の付着パターンを示すスケール付着パターンとを対応付けて記憶するデータベースである。このデータベース11は、計算機シミュレーションにより作成されてもよいし、あるいは、予め蓄積された実測値により作成されてもよい。

【0022】
図2は、データベース11の例を示している。このデータベース11には、配管の周方向の表面温度分布の形状が格納されている。ここで、外周位置O,A,B,Cはそれぞれ、配管の頂部からの角度θが0°、90°、180°、270°の位置である(図5においても同様である)。また、データベース11には、スケール付着パターンとして、配管内に付着したスケールの形状に関する情報が格納されている。

【0023】
データ番号1(No.1)は、スケールが均等な厚さで配管の内壁に付着し、配管の中央に略円形の空隙(流路)Sが形成されている場合を示している。この場合、表面温度は外周位置に対してほぼ一定であり、表面温度分布はほぼ水平な直線形状となる。

【0024】
データ番号2(No.2)は、スケールが配管の左側に厚く付着し、配管の右側に略円形の空隙Sが形成されている場合を示している。この場合、表面温度は空隙Sに最も近い外周位置Aにおいて最も高く、表面温度分布は単峰性の形状となる。

【0025】
データ番号3(No.3)は、配管の中央領域に略円形の空隙Sが2つ水平方向に連なって形成されている場合を示している。この場合、表面温度は外周位置AおよびCにおいて極大値をとり、外周位置OおよびBにおいて極小値をとる。表面温度分布は双峰性の形状となる。

【0026】
データ番号4(No.4)は、配管の中央領域に略三角形の空隙Sが形成されている場合を示している。この場合、表面温度は、空隙Sの頂点に近い位置、即ち、外周位置O、外周位置AとBの間、および外周位置BとCの間において極大値をとる。一方、外周位置B、外周位置OとAの間、および外周位置OとCの間において表面温度は極小値をとる。表面温度分布は3つのピークを有する形状となる。

【0027】
表面温度測定部2は、温度計を有し、配管の外側の表面温度を測定する。温度計が接触式温度計の場合、表面温度測定部2は、温度計を配管の外周に沿って移動させつつ、複数の外周位置で配管の表面温度を測定する。あるいは、複数の外周位置に温度計をそれぞれ配置して、配管の外側の表面温度を測定してもよい。この場合、複数の温度計は、例えば、上下左右(θ=0°、90°、180°、270°)の4カ所に配置される。

【0028】
なお、温度計は、接触式温度計に限らない。例えば、温度計は、一本の温度センサで複数点の温度測定を行うことが可能なファイバー式温度計や、物体から放射される電磁波に基づいて当該物体の温度を測定する放射温度計でもよい。これらの温度計の場合、温度計を移動させることなく、複数の外周位置における配管の表面温度を測定することが可能である。

【0029】
表面温度測定部2は、温度計による測定結果に基づいて、配管の周方向の温度分布(以下、単に「実測温度分布」ともいう。)を生成する。

【0030】
スケール形状推定部3は、前述のデータベース11の中から、表面温度測定部2により生成された実測温度分布にマッチングする表面温度分布を検索する。より詳しくは、スケール形状推定部3は、実測温度分布に形状が最もマッチングする表面温度分布を検索する。例えば、実測温度分布が図3に示すような双峰性の形状の場合、データベース11のデータ番号3が検索される。そして、スケール形状推定部3は、検索された表面温度分布に対応付けられたスケール付着パターンを配管の内壁に付着したスケールの形状として推定する。

【0031】
信号送出部4は、スケール形状推定部3により推定されたスケール形状が所定の形状である場合に、メンテナンス信号を送出する。例えば、信号送出部4は、推定されたスケール形状が不均一な形状(図2のデータ番号2~4)の場合に、メンテナンス信号を送出する。このメンテナンス信号は、パソコンのディスプレイ等に所定のメッセージ(「配管のメンテナンスが必要です」等)を表示させる。

【0032】
上記のように、第1の実施形態に係る配管内スケール監視システム1によれば、配管内部を直接観察することなく、配管の周方向の表面温度分布に基づいて、配管の内壁に付着したスケールの複雑な形状を推定することができる。これにより、配管のメンテナンスの要否を判断することができる。また、第1の実施形態によれば、表面温度を測定する配管長手方向の位置に応じて、スケールの局所的な形状を推定することができる。

【0033】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る配管内スケール監視システム1Aについて、図4を参照して説明する。第2の実施形態と第1の実施形態との相違点の一つは、配管内に付着したスケールの形状だけでなく、スケールの厚さも推定する点である。以下、相違点を中心に第2の実施形態について説明する。

【0034】
第2の実施形態に係る配管内スケール監視システム1Aは、図4に示すように、データベース11と、データベース12と、表面温度測定部2と、スケール形状推定部3と、信号送出部4と、スケール厚さ推定部5とを備えている。このうち、データベース11、表面温度測定部2およびスケール形状推定部3については、第1の実施形態と同様であるため、詳しい説明は省略する。

【0035】
データベース12は、配管の周方向の表面温度分布と、スケールの周方向の厚さ分布であるスケール厚さ分布とを対応付けて記憶するデータベースである。このデータベース12は、計算機シミュレーションにより作成されてもよいし、あるいは、予め蓄積された実測値により作成されてもよい。

【0036】
図5は、データベース12の例を示している。図5は、計算機シミュレーション(伝熱・流動シミュレーション)によって求められたものであるが、表面温度とスケール厚さの値は省略している。データ番号1(No.1)は、配管の中心から外周位置O側に偏心した円形の空隙(流路)が配管内に形成された場合を示している。データ番号2(No.2)は、上辺・下辺が水平な正四角形の空隙が配管内に形成された場合を示している。データ番号3(No.3)は、下辺が水平な正三角形の空隙が配管内に形成された場合を示している。

【0037】
データベース12には、配管の周方向の表面温度分布として、図5に示すように、表面温度と、外周位置との関係を表すグラフが3つ(No.1~3)格納されている。各表面温度分布は、所定の流体温度および外界の気温(外気温)における分布を示している(例えば、流体温度:100℃、外気温:20℃)。データベース12には、同じ形状の表面温度分布に対して、流体温度と外気温をパラメータとして複数の表面温度分布が記憶されている。例えば、データベース12には、図5に示すデータ番号1の表面温度分布を上下に平行移動させた表面温度分布も記憶されている。

【0038】
また、データベース12には、スケール厚さ分布として、図5に示すように、配管内に付着したスケールの厚さと、外周位置との関係を表すグラフが格納されている。このデータベース12には、流体温度と外気温をパラメータとした複数の表面温度分布の各々に対応付けられたスケール厚さ分布のデータが格納されている。

【0039】
スケール厚さ推定部5は、データベース12の中から、実測温度分布にマッチングする表面温度分布を検索する。より詳しくは、スケール厚さ推定部5は、熱流体の温度および外気温をキーにして、データベース12の中から、実測温度分布に形状および表面温度値が最もマッチングする表面温度分布を検索する。例えば、熱流体の温度および外気温に近い表面温度分布を抽出し、その中から、実測温度分布に形状および表面温度値が最もマッチングする表面温度分布を検索する。

【0040】
そして、スケール厚さ推定部5は、検索された表面温度分布に対応付けられたスケール厚さ分布に基づいてスケールの厚さを推定する。より詳しくは、スケール厚さ推定部5は、検索された表面温度分布に対応付けられたスケール厚さ分布を参照して、配管内に付着したスケールの厚さの値を取得する。

【0041】
なお、検索された表面温度分布の表面温度値が実測温度分布の表面温度値と大きく異なる場合には、両者の差に基づいてスケール厚さ値を補間等の公知の手法により適宜補正してもよい。

【0042】
信号送出部4は、スケール厚さ推定部5により推定されたスケールの厚さが所定値以上である場合に、メンテナンス信号を送出する。このメンテナンス信号は、パソコンのディスプレイ等に所定のメッセージ(「配管のメンテナンスが必要です」等)を表示させる。

【0043】
上記のように、第2の実施形態に係る配管内スケール監視システム1Aによれば、第1の実施形態と同様に、配管内部を直接観察することなく、配管の周方向の表面温度分布に基づいて、配管の内壁に付着したスケールの複雑な形状を推定することができる。さらに、第2の実施形態によれば、配管内に付着したスケールの厚さを推定することができる。これにより、配管のメンテナンスの要否をより適切に判断することができる。

【0044】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0045】
1,1A 配管内スケール監視システム
2 表面温度測定部
3 スケール形状推定部
4 信号送出部
5 スケール厚さ推定部
11,12 データベース
S 空隙
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5