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明細書 :板状バイオシリカの製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-179961 (P2016-179961A)
公開日 平成28年10月13日(2016.10.13)
発明の名称または考案の名称 板状バイオシリカの製造方法
国際特許分類 C07K  14/405       (2006.01)
C07K  14/765       (2006.01)
C07K  16/14        (2006.01)
FI C07K 14/405 ZNA
C07K 14/765
C07K 16/14
請求項の数または発明の数 9
出願形態 OL
全頁数 19
出願番号 特願2015-061592 (P2015-061592)
出願日 平成27年3月24日(2015.3.24)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第2項適用申請有り (1)開催日 2014年9月25日~2014年9月27日 集会名、開催場所 第52回日本生物物理学会年会(BSJ2014)札幌コンベンションセンター(北海道札幌市白石区東札幌6条1丁目1-1)
発明者または考案者 【氏名】松田 祐介
【氏名】村上 慶如
出願人 【識別番号】503092180
【氏名又は名称】学校法人関西学院
個別代理人の代理人 【識別番号】110000796、【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 4H045
Fターム 4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA50
4H045CA30
4H045EA50
4H045FA74
4H045GA30
要約 【課題】粒子状及び繊維状以外の形状(特に板状)のバイオシリカを、より簡便且つ効率的に製造できる方法を提供すること。
【解決手段】溶媒の存在下、バイオシリカ形成能を有するペプチドを、該ペプチドを認識する抗体及び/又はアルブミン、並びにケイ酸原と共存させる工程を有することを特徴とする、板状バイオシリカの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
溶媒の存在下、バイオシリカ形成能を有するペプチドを、該ペプチドを認識する抗体及び/又はアルブミン、並びにケイ酸原と共存させる工程を有することを特徴とする、板状バイオシリカの製造方法。
【請求項2】
前記アルブミンが血清アルブミンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工程において前記抗体及び前記アルブミンが共存する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記工程における前記アルブミンの濃度が200μM以上である、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記ペプチドが、塩基性アミノ酸が3アミノ酸残基毎に配置されてなる配列を有し、かつαへリックス形成能を有するアミノ酸配列を含むペプチド、シラフィン、及びプロタミンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
ケイ酸原が、ケイ酸、ケイ酸のアルカリ金属塩、ケイ酸のアルカリ土類金属塩、及びアルコキシシランからなる群より選択される少なくとも1種のケイ素含有化合物である、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
バイオシリカ形成能を有するペプチド、及び該ペプチドを認識する抗体を含有する、板状バイオシリカ。
【請求項8】
請求項1~6のいずれかに記載の方法によって得られる、板状バイオシリカ。
【請求項9】
厚さが0.5~5μmである、請求項7又は8に記載の板状バイオシリカ。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、板状シリカの製造方法、及び板状バイオシリカに関する。
【背景技術】
【0002】
様々なシリカ(二酸化ケイ素(SiO2)を主成分とする構造物)が生物によって産出されることが知られており、これらのシリカは「バイオシリカ(bio-silica)」とも呼ばれる。バイオシリカを産生する生物の代表例として、珪藻が挙げられる。珪藻はケイ酸質の被殻を有する。
【0003】
1999年以降Kroegerらにより、海洋性珪藻Cylindrotheca fusiformisの細胞壁をフッ素酸で溶かした溶液から、4kDa~8kDaのポリペプチドSilaffin-1A1,Silaffin-1A2,Silaffin-1Bが単離されている。これら珪藻被殻から単離されたポリペプチド(総称して「シラフィン」と呼ばれる)は、in vitroにおいて、ケイ酸原の存在下、迅速にケイ酸の重合体粒子(バイオシリカ)を形成することが知られている。
【0004】
これまでに、これらシラフィンまたはそのキメラ蛋白を使用してシリカを製造する方法がいくつか報告されている(特許文献1、非特許文献1~5)。また、シラフィン以外にも、プロタミンや、塩基性アミノ酸が繰り返し配置されているペプチドがバイオシリカ形成能を有することも報告されている(特許文献2、3)。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2006-197825号公報
【特許文献2】WO2011/049201号
【特許文献3】特開2011-219453号公報
【0006】

【非特許文献1】Marner WD et al, Biomacromol., (2008), vol. 9, No.1, p.1-5
【非特許文献2】M.B. Dickerson et al., J Nanoscience Nanotechnology, (2005),vol. 5, No.1, p.63-67
【非特許文献3】Rajesh R. Naik et al., Chem. Commun., 2004, 7; (15), p.1684-85
【非特許文献4】日本植物生理学会年会 要旨集、vol.49, p.357, 2008年
【非特許文献5】日本農芸化学会大会講演要旨集、vol.2007, p.18, 2007年
【非特許文献6】Nils Kroeger, Rainer Deutzmann, Manfred Sumper (1999) Polycationic Peptides from Diatom Biosilica That Direct Silica Nanosphere Formation. Science, 286:1129-1132.
【非特許文献7】Nils Kroeger, Rainer Deutzmann, Manfred Sumper (2001) Silica-precipitating Peptides from Diatoms: The Chemical Structure of Silaffin-1A from Cylindrotheca fusiformis. J. Biol. Chem., 276:26066-26070.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
バイオシリカは、種々の産業利用が期待されている。例えば、バイオシリカを酵素などの生体高分子の固定化用担体としたバイオリアクターやバイオセンサー、さらにはマイクロフィルター、シリカナノファイバー等の幅広い用途へ利用するための開発が進められている。このような観点から、種々の形状のバイオシリカの開発、さらには種々の形状のバイオシリカをより簡便且つ効率的に製造する技術の開発が求められている。
【0008】
しかしながら、シラフィン等によって形成されるバイオシリカの形状は、通常は球状であり、それ以外の形状としては繊維状が報告されているに留まっている(特許文献1~3、非特許文献6、7)。
【0009】
そこで、本発明は、粒子状及び繊維状以外の形状(特に板状)のバイオシリカを、より簡便且つ効率的に製造できる方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、シラフィン等のバイオシリカ形成能を有するペプチドに加えて、該ペプチドの認識抗体及び/又はアルブミンの存在下でケイ酸原を反応させることにより、板状バイオシリカを製造できることを見出した。この知見に基づいてさらに検討を重ねることにより本発明が完成した。
【0011】
即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
【0012】
項1.溶媒の存在下、バイオシリカ形成能を有するペプチドを、該ペプチドを認識する抗体及び/又はアルブミン、並びにケイ酸原と共存させる工程を有することを特徴とする、板状バイオシリカの製造方法。
【0013】
項2.前記アルブミンが血清アルブミンである、項1に記載の方法。
【0014】
項3.前記工程において前記抗体及び前記アルブミンが共存する、項1又は2に記載の方法。
【0015】
項4.前記工程における前記アルブミンの濃度が200μM以上である、項1~3のいずれかに記載の方法。
【0016】
項5.前記ペプチドが、塩基性アミノ酸が3アミノ酸残基毎に配置されてなる配列を有し、かつαへリックス形成能を有するアミノ酸配列を含むペプチド、シラフィン、及びプロタミンからなる群より選択される少なくとも1種である、項1~4のいずれかに記載の方法。
【0017】
項6.ケイ酸原が、ケイ酸、ケイ酸のアルカリ金属塩、ケイ酸のアルカリ土類金属塩、及びアルコキシシランからなる群より選択される少なくとも1種のケイ素含有化合物である、項1~5のいずれかに記載の方法。
【0018】
項7.バイオシリカ形成能を有するペプチド、及び該ペプチドを認識する抗体を含有する、板状バイオシリカ。
【0019】
項8.項1~6のいずれかに記載の方法によって得られる、板状バイオシリカ。
【0020】
項9.厚さが0.5~5μmである、項7又は8に記載の板状バイオシリカ。
【発明の効果】
【0021】
本発明の製造方法により、シラフィン等のバイオシリカ形成能を有するペプチドを用いて、板状バイオシリカを簡便且つ効率的に製造することができる。より具体的には、本発明の製造方法によれば、各成分を接触させる(例えば混合する)という簡便な工程によって、板状バイオシリカを極めて短時間(通常、5分以内)で製造することが可能である。
【0022】
得られた板状バイオシリカは、表面積の広さや多孔性を利用して、触媒担体、タンパク質の吸着材、ろ過助剤等に用いることができる。また、絶縁性を利用して、電子材料等の絶縁膜として用いることや、各種用途のフィラーとして用いること等、その他多様な用途に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】海洋性珪藻Cylindrotheca fusiformis由来シラフィン-1の全アミノ酸配列、および組換えシラフィン等を説明する図である。
【図2】試験例1で製造された板状バイオシリカ(実施例1及び4)のSEM観察像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
1.板状バイオシリカの製造方法
本発明は、溶媒の存在下、バイオシリカ形成能を有するペプチドを、該ペプチドを認識する抗体及び/又はアルブミン、並びにケイ酸原と共存させる工程を有することを特徴とする、板状バイオシリカの製造方法(本明細書において、「本発明の製造方法」と示すこともある)に関する。以下、これについて説明する。

【0025】
1-1.バイオシリカ形成能を有するペプチド
一般に「バイオシリカ」とは、(i) 自然界で生物が生成するシリカ、及び(ii) in vitroで、生物由来のタンパク質、ポリペプチド、若しくはペプチド、又はそれらの改変体がケイ酸原の存在下に生成するシリカをいう。本発明では、バイオシリカ形成能を有するペプチドがケイ酸原を原料として生成(製造)するバイオシリカを対象とする。

【0026】
ここでシリカとは、二酸化ケイ素(SiO2)を主成分とする構造物の総称である。

【0027】
本発明において、「バイオシリカ形成能を有する」とは、水などの液体溶媒中で、後述するいずれかのケイ酸原と共存状態におくことでバイオシリカを形成することができる能力を有することをいう。

【0028】
バイオシリカ形成能を有するペプチドは、塩基性アミノ酸に富み、pHが中性の場合に正電荷を有する限り特に限定されない。具体的には、例えば等電点が8.0以上のペプチド、より好ましくは9.0以上のペプチド、さらに好ましくは等電点が9.5以上のペプチドが挙げられる。バイオシリカ形成能を有するペプチドは、既に多数報告されており、具体例としては、シラフィン(特許文献1、非特許文献1~5)、プロタミン(特許文献2)、塩基性アミノ酸が3アミノ酸残基毎に配置されてなる配列を有し、かつαへリックス形成能を有するアミノ酸配列を含むペプチド(特許文献3)等が報告されている。これらについては、後述の1-1-1~1-1-3において、より詳細に説明する。

【0029】
バイオシリカ形成能を有するペプチドは、特に限定されないが、例えば、そのアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むDNAを発現用ベクターに挿入し、これを微生物等に導入し、一過的に又は安定的に発現させることによって得ることができる。発現ベクターの作製、導入対象となる微生物の選択、及び導入方法は、公知の手法に従い行うことができる(例えば、Sambrook, J., Russel, D. W., Molecular Cloning A Laboratory Manual, 3rd edition, CSHL Press, 2001等を参照。)。例えば発現ベクターとしては、ファージ、ファージミドベクター、又はプラスミドベクターを用いることができる。また、導入対象となる微生物としては、発現ベクターが機能するものであればよく特に限定されないが、例えば、細菌、放線菌、又は酵母等を用いることができる。細菌としては、扱いやすさ等の観点から、大腸菌、又は枯草菌が好ましい。このDNAを導入した微生物を粉砕した後、通常の方法に従って本発明のペプチドを採取することができる。さらに、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、分配クロマトグラフィー、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、若しくはアフィニティークロマトグラフィー等の、タンパク質精製の分野において汎用されている方法に従って精製することができる。

【0030】
バイオシリカ形成能を有するペプチドは、一種単独で使用してもよいし、任意に二種以上を組み合わせて使用してもよい。

【0031】
1-1-1.シラフィン
シラフィンとしては、特に限定されるものではなく、天然シラフィン、組換えシラフィン等を使用することができる。これらの中でも、大腸菌等を用いた大量調製が可能なことから組換えシラフィンの使用が好ましい。

【0032】
天然シラフィンとしては、例えば海洋性珪藻Cylindrotheca fusiformis由来天然シラフィン-1(Silaffin-1)(配列番号1及び図1)が挙げられる。組み換えシラフィンとしては、例えば、Silaffin-1の塩基性アミノ酸に富む一部のポリペプチド(SSKKSGSYSGSKGSK(配列番号2))、Silaffin-1(図1参照)のリピート単位(R1(配列番号3)、R2(配列番号4)、R3(配列番号5)、R4(配列番号6)、R5(配列番号7)、R6(配列番号8)、R7(配列番号9))のいずれかからなるペプチド、これらのペプチドが2~15(好ましくは2~10、より好ましくは2~7)タンデムに直接又はリンカーを介して連結したペプチド等が挙げられる。上記配列番号2~9においては、ペプチド全体としてのバイオシリカ形成能が失われない限りにおいて、1~数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加されていてもよい。また、リンカーとしては、特に限定されないが、例えばグリシン等の比較的小さいアミノ酸が2~20個(好ましくは3~10個)程度連結したものが挙げられる。

【0033】
シラフィンは、バイオシリカ形成能を有する限りにおいて、ヒスチジンタグ等のタンパク質タグが付加されていてもよい。

【0034】
1-1-2.プロタミン
プロタミンは、サケ、マス、ニシン、サバ等の精子核中にデオキシリボ核酸と結合して存在する高アルギニン含量の塩基性蛋白質であり、サケ由来のものはサルミン、ニシン由来のものはクルペインとも称される。食品添加物として用いられており、物質名でしらこたん白、しらこたん白抽出物等と表示される。

【0035】
プロタミンは、魚類の白子、主にサケ科またはニシン科の魚の白子から抽出したものを使用できるが、市販品を使用してもよい。但し、本発明に用いられるプロタミンは核酸と分離された状態のものであることが好ましい。

【0036】
また、プロタミンは、塩の形態であってもよい。塩の種類は特に限定されないが、例えばプロタミンの硫酸塩、プロタミンの塩酸塩などの無機酸塩があげられる。

【0037】
プロタミンの分子量も特に限定されないが、重量平均分子量で通常3000~10000程度、特に4000~5000程度の分子量の範囲のものが用いられる。

【0038】
1-1-3.塩基性アミノ酸が3アミノ酸残基毎に配置されてなる配列を有し、かつαへリックス形成能を有するアミノ酸配列(バイオシリカ形成ドメイン)を含むペプチド(以下、「本ペプチド」と示すこともある)
「塩基性アミノ酸が3アミノ酸残基毎に配置されてなる」とは、次の式(1)で表されるアミノ酸配列を一単位として、この繰り返し配列を有することを意味する。
[式]
B-X-Y (1)
(式中、Bは塩基性アミノ酸、X及びYは、同一または異なって、塩基性アミノ酸以外の任意のアミノ酸を示す)。

【0039】
ここで、Bで示される塩基性アミノ酸としては、同一または異なって、アルギニン、リジン、及びヒスチジンを挙げることができる。なかでもアルギニン又はリジンがより好ましく、アルギニンがさらに好ましい。なお、当該「塩基性アミノ酸が3アミノ酸残基毎に配置されてなるアミノ酸配列」は、上記いずれかの塩基性アミノ酸が、間に塩基性アミノ酸以外の任意のアミノ酸残基を2つおいて配置されていればよく、同一配列からなる「B-X-Y」の繰り返し配列である必要はない。当該繰り返し配列の数は2以上であればよく、制限はされないが、例えば2~40、好ましくは2~15、より好ましくは2~7を例示することができる。

【0040】
「αへリックス形成能を有するアミノ酸配列」とは、そのアミノ酸配列を有するペプチドを水溶液中にいれた場合に、αへリックス構造を形成しうる領域のアミノ酸配列をいう。αへリックスは1本のペプチド鎖がよじれた円筒構造であり、ペプチド結合4つ目毎のC=O基とN-H基とが水素結合を形成することにより安定化した構造となっている。その結果、αへリックスは、3.6アミノ酸残基ごとに一回転する規則的ならせん構造となっている。このように、αへリックスが形成されるためには水素結合により安定化される必要があるので、αへリックス形成能を有するアミノ酸配列は少なくとも7個のアミノ酸残基からなる。

【0041】
「バイオシリカ形成ドメイン」は、この少なくとも7個のアミノ酸残基からなるαへリックス形成能を有するアミノ酸配列からなり、当該ドメインがαへリックスを形成した場合に、側面に塩基性アミノ酸が配位するように塩基性アミノ酸を有するものであることが好ましい。具体的には、少なくとも7個のアミノ酸残基からなるαへリックス形成能を有するアミノ酸配列中に、前述するように、塩基性アミノ酸が3アミノ酸残基毎に配置されて構造を有するものを挙げることができる。

【0042】
バイオシリカ形成ドメインを構成するアミノ酸残基の数は、7以上であれよいが、好ましくは7~45個程度、より好ましくは7~40個程度、より好ましくは7~33個程度である。

【0043】
また、当該「バイオシリカ形成ドメイン」を有するペプチドが水溶液中でαへリックスを形成しうるか否かについては、X線回折、各磁気共鳴分析法(NMR)、波長170-250nmの紫外線による円偏光二色性スペクトル等を利用した定法に従って実験的に検出することができるが、そのアミノ酸配列に基づいて、例えば、シミュレーションソフトを使用して予測することもできる。例えば、New Joint法によれば二次構造を予測することができる。New Joint法とは、5種類の異なる方法論の二次構造予測法を組み合わせ、それぞれの予測結果から、最終的な二次構造を予測する方法である。具体的にはQian-Sejnowski法、長野法、Ptitsyn-Finkelstein法、西川-大井法、及びGibrat-Garinier-Robson法の5つのアルゴリズムに対して同じ配列をサブミットし、5つのアルゴリズムからの回答を合わせて評価することにより予測することができる(K. Nishikawa and T. Noguchi : "Predicting protein secondary structure based on amino acid sequence",Methods in Enzymology, Vol.202, pp.31-44(1991).;M. Ito, Y. Matsuo and K. Nishikawa : "Prediction of protein secondary structure using the 3D-1D compatibility algorithm.",Comput. Appl. Biosci. vol.13, pp.415-424 (1997).)。

【0044】
また、本ペプチドは、後述するように、水などの液体溶媒中で、ケイ酸原と共存させることによりバイオシリカを製造するために用いられる。このため、バイオシリカ形成能を有するペプチドであっても、反応に使用する水などの液体溶媒中で自ら凝集してしまう性質を有していると、通常の方法では使用しにくい。このため、本ペプチドは、バイオシリカ形成能を有するペプチドであって、反応に使用する水などの液体溶媒中で自ら凝集しない性質を有するものであることが好ましい。水溶液中で凝集するか否かは、アミノ酸配列に基づいて、例えばNew Joint法等のシミュレーションソフトを使用して予測することができる。

【0045】
バイオシリカ形成ドメインは、さらに疎水性アミノ酸が3アミノ酸残基毎に配置されてなるものであってもよい。このような配置をとることによって、疎水性アミノ酸がαへリックスの円筒の表面で近接し、縦縞状に並ぶことになる。そして、この縞は、αへリックスの円筒を緩やかに回転し、αへリックス構造のらせん構造よりも緩やかならせん状に並ぶ形になる。この場合、疎水性アミノ酸同士の疎水性相互作用により二つのαへリックス部が互いに相互作用する。このような相互作用部位はタンパク質工学的に増やすことも可能である。一分子内に2つ以上の相互作用部位を有する場合、このような分子は立体的なネットワークを形成すると予測される。このようなペプチドを用いることにより、正電荷がより高密度に配置したバイオシリカ形成分子、構造的な鋳型性を有するバイオシリカ形成分子を創生し、バイオシリカの重合に用いることが可能になる。

【0046】
ここで疎水性アミノ酸としては、同一又は異なってアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、又はグリシンを挙げることができる。

【0047】
バイオシリカ形成ドメインが、塩基性アミノ酸に加えて、疎水性アミノ酸が3アミノ酸残基毎に配置されてなるものである場合、当該ドメインは一部または全てに式(2)又は(3)で表されるアミノ酸配列の繰り返し配列を有する。
[式]
B-X-O (2)
O-X-B (3)
(式中、Bは塩基性アミノ酸、Oは疎水性アミノ酸、Xは塩基性アミノ酸及び疎水性アミノ酸以外の任意のアミノ酸、をそれぞれ示す)。

【0048】
当該繰り返し配列の数は2以上であればよく、制限はされないが、通常2~40、好ましくは2~15、より好ましくは2~7である。ちなみに、上記繰り返し配列は、同一配列からなる「B-X-O」または「O-X-B」の繰り返し配列である必要はない。

【0049】
制限されないが、本ペプチドにおいて好ましいバイオシリカ形成ドメインとしては、下記に示すアミノ酸配列を有するものを挙げることができる:

【0050】
【化1】
JP2016179961A_000002t.gif

【0051】
かかるバイオシリカ形成ドメインは、本ペプチド中に一つ含まれていてもよいし、二以上含まれていてもよい。

【0052】
本ペプチドは、上記するようにバイオシリカ形成ドメインを少なくとも一つ含有するものであればよいが、全体としてバイオシリカ形成能が損なわれない限り、バイオシリカ形成ドメイン以外に、他の付加的な構造(例えば、アミノ酸領域)を有するものであってもよい。

【0053】
例えば、上記配列番号10及び11で示されるバイオシリカ形成ドメインに加えて付加領域を有するペプチドとして、実施例で使用する下式アミノ酸配列を有するペプチド(CDPF1+His、CDPF2+His、CDPF1、CDPF2)を挙げることができる(四角で囲んでいる領域がバイオシリカ形成ドメインである。)

【0054】
【化2】
JP2016179961A_000003t.gif

【0055】
上記CDPF1+His(配列番号12)およびCDPF2+His(配列番号13)は、C末端側にヒスチジンタグ(6つのHis)(下線で表示)が付加してなるペプチドである。このように本ペプチドは、全体としてバイオシリカ形成能が損なわれない限り、N末端側またはC末端側にペプチドタグを付加することができ、かかるペプチドも本ペプチドに含まれる。

【0056】
また、バイオシリカ形成ドメインが二以上含まれているペプチドにおいて、バイオシリカ形成ドメインの間にはリンカー構造を設けてもよい。リンカー構造としては剛性を有するものと柔軟性を有するものを使用することができる。剛性を有するものとしては、例えば、側鎖に芳香族を含むもの等が挙げられる。柔軟性を有するものとしては、例えば、グリシンからなるもの等が挙げられる。リンカーの長さとしては、特に限定されないが、例えば、アミノ酸数2~20個(好ましくは3~10個)が挙げられる。

【0057】
また、本ペプチドには、前述した塩基性アミノ酸のN末端側隣に疎水性アミノ酸残基を有しているものも含まれる。

【0058】
さらに、バイオシリカ形成ドメインを他の機能タンパク質又は機能ペプチドと融合したものを本ペプチドとして用いることもできる。機能タンパク質又は機能ペプチドとしては、例えば、構造鋳型性、抗菌性、電導性、吸着性、及び酵素活性等を備えたペプチドが挙げられる。このような本ペプチドを利用することによって、各種の機能性を付与したバイオシリカを製造することができる。

【0059】
本ペプチドは、少なくとも一つのバイオシリカ形成ドメインを有し、そのバイオシリカ形成ドメインに基づいてバイオシリカ形成能を有するものであればよいが、ペプチド全体として等電点が9以上であればより好ましく、等電点が9.5以上であればより好ましい。

【0060】
1-2.バイオシリカ形成能を有するペプチドを認識する抗体
バイオシリカ形成能を有するペプチドを認識する抗体は、その形態に特に制限はなく、バイオシリカ形成能を有するペプチド(或いは該ペプチドの配列を含むタンパク質)を免疫抗原とするポリクローナル抗体であっても、またそのモノクローナル抗体であってもよい。さらに当該ペプチドのアミノ酸配列のうち少なくとも連続する、通常8アミノ酸、好ましくは15アミノ酸、より好ましくは20アミノ酸からなるポリペプチドに対して抗原結合性を有する抗体も、バイオシリカ形成能を有するペプチドを認識する抗体に含まれる。

【0061】
上記抗体は常法に従って製造することができる(Current protocols in Molecular Biology , Chapter 11.12~11.13(2000))。例えば、ポリクローナル抗体の場合には、常法に従って大腸菌等で発現し精製したバイオシリカ形成能を有するペプチドを家兎等の非ヒト動物に免疫し、該免疫動物の血清から常法に従って得ることが可能である。一方、モノクローナル抗体の場合には、常法に従って大腸菌等で発現し精製したバイオシリカ形成能を有するペプチドをマウス等の非ヒト動物に免疫し、得られた脾臓細胞と骨髄腫細胞とを細胞融合させて調製したハイブリドーマ細胞の中から得ることができる(Current protocols in Molecular Biology edit. Ausubel et al. (1987) Publish. John Wiley and Sons. Section 11.4~11.11)。

【0062】
1-3.アルブミン
アルブミンは、特に限定されず、血清アルブミン、卵アルブミン、乳アルブミン等が挙げられる。これらの中でも、より確実に板状バイオシリカを形成させることができるという観点からは、血清アルブミンが好ましい。

【0063】
血清アルブミンとしては、哺乳類由来の血清アルブミンを広く用いることができる。哺乳類としては、ヒト、ウシ、ブタ、サル、ウマ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ハムスター等が挙げられ、ウシ、ウサギ等が好ましい。具体的には、ウシ血清アルブミン(BSA)、ウサギ血清アルブミン(RSA)が好ましく挙げられる。

【0064】
アルブミンは、一種単独で使用してもよいし、任意に二種以上を組み合わせて使用してもよい。

【0065】
1-4.ケイ酸原
本発明において「ケイ酸原」とは、バイオシリカの原料となる物質、具体的にはケイ酸イオン、ポリケイ酸、ケイ酸コロイド、ケイ酸ゾルなどのケイ酸、並びにこれらケイ酸生成の原料となりえるケイ素含有化合物を広く包含する意味で用いられる。かかるケイ酸原として、好ましくは酸性又はアルカリ性のものである。

【0066】
一般に、ケイ酸は、ケイ酸ソーダに代表されるケイ酸のアルカリ塩に酸を加えることによりケイ酸を得る方法、テトラアルコキシシラン等のアルコキシシランからアルコキシ基を脱離することによりケイ酸を得る方法、及びイオン交換樹脂等を用いてケイ酸ソーダ等のケイ酸のアルカリ塩からアルカリ塩を解離させる方法等によって生成・製造される。

【0067】
このため、制限されないものの、「ケイ酸原」としては、例えば、ケイ酸(活性ケイ酸を含む)、ケイ酸のアルカリ塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩)、及びアルコキシシラン等が挙げられる。

【0068】
ここで、ケイ酸には、オルトケイ酸 (H4SiO4)、メタケイ酸 (H2SiO3)、メタ二ケイ酸 (H2Si2O5) などが含まれる。また「活性ケイ酸」とは、生成直後で重合をほとんどしていないか、あるいはわずかしか重合していないケイ酸をいい、通常、初期平均重合度が10以下、好ましくは5以下のものをいう。

【0069】
ケイ酸のアルカリ塩としては、特に限定されないが、例えば、ケイ酸ソーダ(ケイ酸ナトリウム(Na2O・nSiO2・mH2O、式中n及びmは整数を表す))、ケイ酸カリウム、及びアルミノケイ酸ナトリウム等のケイ酸のアルカリ金属塩:並びにケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、及びケイ酸カルシウムアルミニウム等のケイ酸のアルカリ土類金属塩が挙げられる。

【0070】
ここでケイ酸マグネシウムとしては、特に限定されないが、例えば、メタケイ酸マグネシウム(MgSiO3)、オルトケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4)、マグネシウムトリシリケート(Mg2Si3O8)、マグネシウムメゾトリシリケート、蛇紋石(Mg3Si2O7)、及び三ケイ酸マグネシウム等を挙げることができる。

【0071】
ケイ酸のアルカリ塩としては、ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムが好ましい。

【0072】
アルコキシシランとしては、特に限定されないが、例えば、テトラメトキシシラン(TMOS)及びテトラエトキシシラン(TEOS)等を挙げることができる。

【0073】
ケイ酸原としては、限定されないが、生成した直後の重合度の低いものを使用することにより、より効率的にバイオシリカを製造することができるため、ケイ酸生成直後の活性ケイ酸が好ましく用いられる。例えば、ケイ酸のアルカリ塩に酸を加えて生成した直後の活性ケイ酸、テトラアルコキシシランからアルコキシ基を脱離した直後の活性ケイ酸、イオン交換樹脂等を用いてケイ酸のアルカリ塩らアルカリ塩を脱離した直後の活性ケイ酸を挙げることができる。

【0074】
ケイ酸原は、一種単独で使用してもよいし、任意に二種以上を組み合わせて使用してもよい。

【0075】
1-5.溶媒の存在下、各成分を共存させる工程
本工程においては、液体溶媒の存在下に単に上記各成分が共存するようにしさえすればよい。共存とは、各成分が互いに接触した状態で存在することを意味する。通常、各成分を完全あるいは部分的に混合し、混合物の状態にすることが好ましい。その際、混合の仕方も特には限定されない。例えば、共存させる系(水等の液体溶媒中)に、バイオシリカ形成能を有するペプチド、並びに該ペプチドを認識する抗体及び/又はアルブミンを先に添加し、次いでケイ酸原を添加して混合する方法、ケイ酸原を先に添加し、次いでバイオシリカ形成能を有するペプチド、並びに該ペプチドを認識する抗体及び/又はアルブミンを添加して混合する方法、あるいはバイオシリカ形成能を有するペプチド、並びに該ペプチドを認識する抗体及び/又はアルブミンと、ケイ酸原とを同時に添加して混合する方法などいずれでもよい。

【0076】
本工程においては、バイオシリカ形成能を有するペプチドを認識する抗体、及びアルブミンの少なくとも一方が共存していることによって、板状バイオシリカを形成させることができる。より多くの板状バイオシリカを形成させることができるという観点から、上記抗体及びアルブミンの両方が共存していることが好ましい。

【0077】
各成分を共存させる液体溶媒としては、少なくともバイオシリカ形成能を有するペプチド、並びに該ペプチドを認識する抗体及び/又はアルブミンに対して相溶性を有するものであることが好ましい。この限りにおいて特に制限されないが、具体的には、水、アルコールなどの両極性溶媒、含水アルコール等の含水有機溶媒等を例示することができる。好ましくは水である。

【0078】
水溶液中において各成分を混合する場合、かかる水溶液は、酸性、中性又はアルカリ性のいずれあってもよい。水溶液のpHは調整してもよいし、しなくてもよい。pHを調整する場合は、トリス塩酸又はクエン酸リン酸等の各種緩衝液等を用いて、例えばpH4~9の範囲に調整することができる。

【0079】
各成分を共存(混合を含む)させる工程における溶液の温度は、0~60℃が好ましく、10~60℃がより好ましく、20~40℃がさらに好ましい。

【0080】
本工程におけるバイオシリカ形成能を有するペプチドの濃度は、特に限定されないが、例えば0.001~50μM、好ましくは0.01~20μM、より好ましくは0.1~10μM、さらに好ましくは0.5~5μM程度であることができる。

【0081】
本工程におけるバイオシリカ形成能を有するペプチドを認識する抗体の濃度は、特に限定されないが、例えば0.00001~10μM程度であることができる。

【0082】
本工程におけるアルブミンの濃度は、特に限定されないが、例えば100~10000μM程度であることができる。より効率的に板状バイオシリカ形成させることができるという観点からは、より高いアルブミン濃度、例えば200μM以上が好ましく、280μM以上がより好ましく、350μM以上がさらに好ましい。

【0083】
本工程におけるケイ酸原の濃度は、特に限定されないが、例えば0.1~5000mM、好ましくは1~2000mM、より好ましくは10~1000mM、さらに好ましくは50~500mM程度であることができる。

【0084】
本工程におけるバイオシリカ形成能を有するペプチドとケイ酸原とのモル比は、特に限定されないが、例えば1:20~1:10、好ましくは1:10~1:10、より好ましくは1:10~1:10程度であることができる。

【0085】
本工程において、板状バイオシリカが形成されるまでの時間は通常0.5~10秒程度である。板状バイオシリカが形成されたことは、通常、溶液の白濁の有無を目視することによって確認できる。また、製造された板状バイオシリカの形状及びサイズ等は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いることにより観測・測定することができる。

【0086】
得られた板状バイオシリカのサイズ(長さ×幅×厚さ)は、特に限定されないが、例えば5~200μm×2~60μm×0.4~8μm、好ましくは10~100μm×5~30μm×0.8~4μm、より好ましくは20~50μm×約10~15μm×約1.5~2μm程度であることができる。

【0087】
斯くして得られた板状バイオシリカの反応系からの回収は、特に限定されず、通常の分離法や回収法を適用できる。例えば、篩い分け法や遠心分離等によって行うことができる。

【0088】
得られた板状バイオシリカは、表面積の広さや多孔性に基づいて、触媒担体、タンパク質の吸着材、ろ過助剤、酵素等の機能性高分子を固定するための担体(キャリヤー)(より具体的にはバイオリアクターやバイオセンサー等の反応素子)として利用することもできる。また、絶縁性に基づいて、電子材料等の絶縁膜として用いることもできる。さらに、その形状に基づいて、各種用途のフィラーとして用いることもできる。その他にも、バイオシリカについて従来提案されてきたような様々な分野や技術、例えば半導体微細加工技術等のナノテクノロジー分野、光エレクトロニクス分野(フォトニックス材料等)において利用することもできる。

【0089】
2.板状バイオシリカ
本発明は、バイオシリカ形成能を有するペプチド、及び該ペプチドを認識する抗体を含有する、板状バイオシリカに関する。

【0090】
バイオシリカ形成能を有するペプチドについては、上記「1-1.バイオシリカ形成能を有するペプチド」の記載のとおりである。また、該ペプチドを認識する抗体については、上記「1-2.バイオシリカ形成能を有するペプチドを認識する抗体」の記載のとおりである。

【0091】
板状バイオシリカのサイズ(長さ×幅×厚さ)は、特に限定されないが、例えば5~200μm×2~60μm×0.4~8μm、好ましくは10~100μm×5~30μm×0.8~4μm、より好ましくは20~50μm×約10~15μm×約1.5~2μm程度であることができる。

【0092】
このような板状バイオシリカは、上記「1.板状バイオシリカの製造方法」に記載の方法において、バイオシリカ形成能を有するペプチドを認識する抗体を用いることによって得ることができる。バイオシリカ形成能を有するペプチドを用いたバイオシリカ形成反応においては、正電荷を有する該ペプチドに、負電荷を有するケイ酸イオンが引き寄せられ、バイオシリカが形成されると考えられている。このため、該ペプチドを認識する抗体が反応系に存在する場合は、該ペプチドと該抗体とが複合体を形成し、そこに負電荷を有するケイ酸原が引き寄せられることにより、該ペプチド及び該抗体を含有する板状バイオシリカが形成される。

【0093】
板状バイオシリカは、表面積の広さや多孔性に基づいて、触媒担体、タンパク質の吸着材、ろ過助剤、酵素等の機能性高分子を固定するための担体(キャリヤー)(より具体的にはバイオリアクターやバイオセンサー等の反応素子)として利用することもできる。また、絶縁性に基づいて、電子材料等の絶縁膜として用いることもできる。さらに、その形状に基づいて、各種用途のフィラーとして用いることもできる。その他にも、バイオシリカについて従来提案されてきたような様々な分野や技術、例えば半導体微細加工技術等のナノテクノロジー分野、光エレクトロニクス分野(フォトニックス材料等)において利用することもできる。
【実施例】
【0094】
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【実施例】
【0095】
参考例1.バイオシリカ形成能を有するペプチドの製造
本発明者が初めて同定した珪藻Phaeodactylum tricornutum由来の炭酸脱水酵素(Carbonic Anhydrase)(Phaeodactylum tricornutum Carbonic Anhydrase;PtCA1)はC末端側にα-helix構造を持ち、そのα-helix構造は3アミノ酸ごとに疎水性アミノ酸が配置されてなる疎水性クラスターを有している(Dan Satoh, Yasutaka Hiraoka, Brian Colman, and Yusuke Matsuda (2001) Physiological and molecular biological characterization of intracellular carbonic anhydrase from the marine diatom Phaedactylum tricornutum. Plant Physiology 126: 1459-1470)。そのアミノ酸配列を配列番号16に示す。本発明者は、特許文献3(特開2011-219453号公報)において、このPtCA1のC末端側の30アミノ酸領域(PtCA1の開始コドン(Met)から数えて253-282の領域:N末-RKLQVDFDKYMSELDAIYDLYELENAKIPA-C末)(配列番号17))のN末端にメチオニンが付加されたペプチド(下記[化3]に示す配列番号18)において、5つの疎水性アミノ酸(四角枠で表示)の隣のアミノ酸を全て塩基性アミノ酸(リシン)に置換したペプチド(CDPF1:配列番号14)が、バイオシリカ形成能を有することを明らかにしている。
【実施例】
【0096】
【化3】
JP2016179961A_000004t.gif
【実施例】
【0097】
そこで、バイオシリカ形成能を有するペプチドとして、このCDPF1ペプチド(配列番号14)を6連グリシンを介して2連結したペプチド(CDPF1-G6-CDPF1:配列番号19)を製造した。具体的には、次のように行った。
【実施例】
【0098】
<A-1.His tag-CDPF1-G6-CDPF1ペプチド発現ベクターの作製>
CDPF1-G6-CDPF1ペプチド(配列番号19)をコードするDNA(3’末端に終始コドン付加されている)を、定法に従って作製し、pET-28a(Novagen, EMD Chemicals)の転写開始点下流のNdeIサイトに組み込んで、CDPF1-G6-CDPF1ペプチド発現ベクターを得た。該ベクターにおいては、転写開始点と上記コードDNAの間に、5’側からHisタグ(6連ヒスチジン)、トロンビン認識配列がコードされている。このため、該ベクターの発現産物(His tag-CDPF1-G6-CDPF1ペプチド)は、Hisタグ検出・精製が可能であり、さらにトロンビンで消化することにより、Hisタグが取り除かれたCDPF1-G6-CDPF1ペプチドを得ることができる。
【実施例】
【0099】
<A-2.His tag-CDPF1-G6-CDPF1ペプチドの大量発現>
His tag-CDPF-G6-CDPF1ペプチド発現ベクターが導入された大腸菌(組み換え大腸菌)を用いて、該ベクターからペプチドを発現させた。具体的には次のように行った。なお、培養液のOD600の測定装置としては、分光光度計(HITACHI U-2001, HITACHI, Tokyo, Japan)を用いた。
【実施例】
【0100】
滅菌した100 mLフラスコにLB液体培地 (10 gL-1 NaCl, 5 gL-1 Yeast extract, 10 gL-1 Bacto-tryptone) 30 mL及び25 mg mL-1のKanamycin 30 μLを加え、そこへ上記組み換え大腸菌を植菌した。これを、37℃で14時間程度、10倍希釈した培養液のOD600が0.5程度になるまで培養し、前培養液を得た。
【実施例】
【0101】
4本の2 L三角フラスコにLB液体培地 を750 mLずつ分注し、滅菌した。ここに25 mg mL-1のKanamycin 750 μLを加え、さらに培地のO.D.600が0.05になるように前培養液を加えた。これを、37℃で培養し、培養液のO.D.600が0.6程度になったら、培養液10 mLを滅菌した100 mLフラスコに分取し、これをIPTG非誘導サンプルとした。IPTG非誘導サンプル分取後、終濃度が0.1 mMになるように100 mM IPTG (isopropyl β-D-1-thiogalactopyranoside) を加えて、再び37℃で4時間の培養を行い、これをIPTG誘導サンプルとした。また、IPTG 誘導サンプル、IPTG 非誘導サンプルから1 mLずつ培養液をエッペンドルフチューブに分取し、10,000 g、4 ℃で1分間遠心し、上清を除いて誘導確認用サンプルとした。
【実施例】
【0102】
誘導確認用サンプル分取後、IPTG誘導サンプルおよびIPTG非誘導サンプルを、5,000 ×g、4 ℃で10分間遠心(遠心機:Avanti, HP-20, Beckman, Palo Alto, CA, USA)し、上清を捨てた。次に培養液 750 mL分のペレットに対して400 mLの20 mM Tris-HCl (pH 8.0) を用いて菌体ペレットを完全に懸濁し、5,000 ×g、4℃で10分間遠心し、上清を捨てた。さらに20 mM Tris-HCl (pH 8.0) を30 mL加えて菌体ペレットを懸濁し、50 mLファルコンチューブに回収し、4℃、5,000 ×gで5分間遠心して上清を捨てた。
【実施例】
【0103】
<A-3.His tag-CDPF1-G6-CDPF1の発現確認>
<A-3-1.泳動サンプルの調製>
上記<A-2.大量発現>で得られた誘導確認用サンプルを2つに分け、一方(粗抽出液画分用ペレット)には、2×sample buffer {50 mM Tris-HCl (pH6.8), 10 % Glycerol, BPB (bromophenol blue) は含まない} 500 μLを加え、他方(水溶性画分用ペレット)には細胞破砕緩衝液 (50 mM Tris-HCl (pH6.8)) 500 μLを加え、それぞれ懸濁し、超音波破砕機Ultrasonic Disruptor UD-201 (TOMY Seiko, Tokyo, Japan) で破砕出力をOUTPUT 5に設定し、10秒間ON, 30秒間OFFを10回繰り返した。破砕液を13,000 rpm、4℃で5分遠心し、上清(粗抽出液画分、水溶性画分)を回収した。また、水溶性画分用ペレットを破砕して得られたペレットに対して、2×sample bufferを500 μL加えて懸濁し、ペレット画分として回収した。得られたそれぞれの画分に対して等量の2×sample buffer {50 mM Tris-HCl (pH6.8), 10 % glycerol, 5% 2-mercaptethanol, 0.1 % BPB (bromophenol blue)}を加えて、96℃で5 分間の熱変性処理を行い、これを泳動サンプルとした。
【実施例】
【0104】
<A-3-2.電気泳動>
ゲル板に、15 % 分離用アクリルアミドゲル{14.5 % acrylamide, 0.5 % N,N’-methylenebisacrylamide, 0.375 M Tris-HCl (pH 8.8), 0.1 % SDS, 0.033 % APS, 0.5 % TEMED}とその上部に濃縮用ゲル{4.59 % acrylamide, 0.16 % N,N’-methylenebisacrylamide, 0.125 M Tris-HCl (pH 6.8), 0.1% SDS, 0.03% APS, 0.5% TEMED}を作製した。泳動装置を組み上げ、陰極側、陽極側の緩衝液容器に共通の泳動用緩衝液(25 mM Tris-base, 200 mM glycine, 10 % SDS)を入れた。上記<A-3-1.泳動サンプルの調製>で得られた泳動サンプルを、総タンパク質10 μg分、各レーンにアプライし、ゲル1枚 (12 cm×10 cm×3 mm) あたり100 mVの定電圧で2時間程度、sample bufferのBPB色素が抜けない程度に泳動を行った。 なお、分子量マーカーはタンパク質分子量マーカー「第一」III (第一化学薬品, Tokyo, Japan) およびWIDE-VIEWTM Prestained Protein Size Marker III (和光純薬工業, Osaka, Japan) を用いた。
【実施例】
【0105】
<A-3-3.銀染色>
上記<A-3-2.電気泳動>で得られた泳動後のアクリルアミドゲルを、50 mL程度の前固定液 (30 % EtOH, 10 % acetic acid) に浸して、室温で一晩振とうした。翌日にMilliQ水で5分間振とうして、液を捨てた後、固定液 (10 % glutaraldehyde) を50 mL程度入れて30分間振とうした。固定液を捨てて、50 mL程度のMilliQ水で30分間の振とう洗浄を5回繰り返した。MilliQ水を捨てて、75 mL程度のアンモニア硝酸銀溶液を加え、10分間振とうした。液を捨ててMilliQ水で10分間の振とう洗浄を3回繰り返した。現像液 (0.1 gL-1citric acid,0.037 % formaldehyde) を加え、バンドが見えるまで振とうした。バンドが見えたところで現像液を捨て、MilliQ水で軽く洗浄後、5 % 酢酸溶液を添加して発色反応を停止した。
【実施例】
【0106】
<A-3-4.Western blotting>
PVDF膜 (Immobilon, MILLIPORE, Billerica, MA, USA) をメタノールに10分間浸した後、blotting buffer Cに5分間浸した。濾紙2枚ずつをblotting buffer A(0.3 M Tris, 20 % Methanol、0.05 % SDS)、blotting buffer B(0.025 M Tris, 20% Methanol、0.05 % SDS)、blotting buffer Cへ浸し、セミドライブロッター(Trans-Blot SD Electrophoretic Transfer Cell, BIO-RAD, Hercules, California, USA)の陽極板面よりblotting buffer Aに浸した濾紙2枚、Bに浸した濾紙2枚、PVDF膜、上記<A-3-2.電気泳動>で得られた泳動後のアクリルアミドゲル、blotting buffer Cに浸した濾紙2枚を順に乗せ、装置のふたをして、ゲルの面積1 cm2あたり1.5 mAの定電流でおよそ30分間泳動を行った。メンブレンへの転写終了後、ブロッキング液 (5 % スキムミルク) に浸し、室温で1時間振とうした。溶液を除き、PVDF膜を20 mL程度の1×PBS (phosphate serum albumin) で5分間の振とう洗浄を5回繰り返した。PBST (PBS, 0.05 % Tween20) で10000倍に希釈した一次抗体Anti His6-Tag Rabit抗体 (Rabbit anti-6 His affinity purified, BETHYL, Montgomery, TX, USA) 2 mLまたは5000倍に希釈したPtCA1抗血清(後述の参考例2)2 mLとPVDF膜をハイブリバックへ入れて、室温で1時間反応させた。PVDF膜を取り出し、20mL程度のPBSTで5分間の振とう洗浄を5回繰り返した。PBSTで50000倍希釈した二次抗体Anti Rabbit IgG HRP (HRP標識2次抗体) (Promega,WI, USA) とPVDF膜をハイブリバックに入れて、室温で1時間反応させた。PVDF膜を取り出し、20 mL程度のPBSTで5分間の振とう洗浄を5回繰り返した。室温に戻した発光基質LuminolとHydrogen peroxide water を等量ずつ混合した基質反応溶液 (immobilonTMWestern chemiluminescent HRP substrate (Millipore corporation, Billerica, USA))をPVDF膜上に滴下して、Versa Dog(Bio-Rad, California, USA)を用いて素早く化学発光の検出を行った。その結果、粗抽出液画分及び水溶性画分のレーンにおいて、His tag-CDPF1-G6-CDPF1ペプチドのバンドが確認された。
【実施例】
【0107】
<A-4.His tag-CDPF1-G6-CDPF1ペプチドの精製>
上記<A-2.大量発現>で得られたIPTG 誘導サンプルのペレットを30 mLのBinding buffer (500 mM NaCl, 50 mM Tris-HCl, 5 mM imidazole, pH7.5) (菌体ペレット1 g wet weightに対して、2~5 mL)で懸濁し、高圧連続式ホモジェナイザー (EmalsiFlex-C5 AVESTIN, INC., Ottawa, Canada.) を用いて約15,000 psiで破砕し、氷水中で回収した。破砕液は遠心機で15,000 rpm、4℃、20分間遠心を数回繰り返し、上清を回収して細胞破砕液とした。以降の操作は4℃の冷蔵庫内で行った。12 mLのNi Sepharose 6 Fast Flow (GE Helthcare, Chalfont St. Giles, UK) を25 mL容のカラムに充填した。このカラムに細胞破砕液を流速約0.5 mLmin-1で通し、非吸着画分を回収した。この画分をさらに流速約0.5 mLmin-1でカラムに2回通して、非吸着画分を回収した。 次にBinding buffer (500 mM NaCl, 50 mM Tris-HCl, 5 mM imidazole, pH7.4)を100 mL、流速約0.25 mLmin-1でカラムに通し、流出液をフラクションコレクター (Fraction Collector CHF100AA, ADVANTEC, Tokyo, Japan) を用いて1.5 mLエッペンドルフチューブに回収し、これを洗浄分画1とした。
【実施例】
【0108】
同様に250 mL のWashing buffer (500 mM NaCl, 50 mM Tris-HCl, 50 mM imidazole, pH7.4) を流速約0.5 mL min-1でカラムに通し、その後80 mLのEluting buffer (500 mM NaCl, 50 mM Tris-HCl, 500 mM imidazole, pH8.0) を流速約0.1 mLmin-1でカラムに通し、流出液をそれぞれ洗浄分画2、および溶出分画として回収した。
【実施例】
【0109】
透析チューブ (Biotech Cellulose Ester Dialysis membrane MWCO: 500-1000D, SPECTRUM, Broadwick St. Rancho Dominguez, CA, USA.) を適当な長さに切り、内部をMilliQ水で洗浄した。ここに上記で得られた溶出画分を入れ、PEG 20,000 (透析チューブを透過しない分子量) を振りかけ4℃の冷蔵庫内で放置し、溶出画分の濃縮を行った。得られた溶液を、His tag-CDPF1-G6-CDPF1ペプチド濃縮溶液として、以下の工程で用いた。
【実施例】
【0110】
<A-5.His tag-CDPF1-G6-CDPF1ペプチドからのHisタグの除去>
His tag-CDPF1-G6-CDPF1ペプチド濃縮溶液に、Thrombin Protease(GEヘルスケア27-0846-01)を、His tag-CDPF1-G6-CDPF1ペプチドに対して1 重量% 程度になるように添加し、25℃で16時間酵素反応した。酵素反応後、Thrombin proteaseを回収するため、反応液をBenzamidine-Sepharoseカラム (Hi-Trap Benzamidine FF, GE Helthcare, Chalfont St. Giles, UK) に流速約0.1 mLmin-1に通し、非吸着画分を回収した。得られた非吸着画分を上記<A-4.His tag-CDPF1-G6-CDPF1ペプチドの精製>と同様に透析チューブに入れて濃縮した後、Stock buffer (250 mM NaCl, 50 mM Tris-HCl, pH8.0) を用いた透析を繰り返してHisタグを除去した。更に3k Daの限外濾過フィルター (Amicon(R) Ultra-0.5Centrifugal Filter Divices, Millipore, Billerica, MA, US) を用いた限外濾過を繰り返すことで、高濃度のCDPF1-G6-CDPF1ペプチドを得た。
【実施例】
【0111】
得られたCDPF1-G6-CDPF1ペプチドの理論分子量、および理論モル吸光係数 (ε) を算出し、Nano Drop (Nano Drop ND-1000, SCRUM, Tokyo, Japan) を用いて定量を行った。理論分子量はGENETYX-WIN (GENETYX for Windows Ver.5.1, GENETYX CORPORATION, Tokyo, Japan) を用いて算出し、理論モル吸光係数の計算は以下の式 (Pace et al., 1995) に従った。
【実施例】
【0112】
【数1】
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【実施例】
【0113】
参考例2.バイオシリカ形成能を有するペプチドを認識する抗体の製造
Dan Satoh, Yasutaka Hiraoka, Brian Colman, and Yusuke Matsuda (2001) Physiological and molecular biological characterization of intracellular carbonic anhydrase from the marine diatom Phaedactylum tricornutum. Plant Physiology 126: 1459-1470に記載の方法に従って、珪藻Phaeodactylum tricornutum Bohlin UTEX642株より、PtCA1を精製した。これを、定法に従ってウサギに免疫し、血清を得た。この血清を、「PtCA1抗血清」として以下の工程で用いた。上記<A-3-4.Western blotting>で示されるとおり、PtCA1抗血清は、バイオシリカ形成能を有するペプチド(CDPF1-G6-CDPF1ペプチド)を認識することができる。このPtCA1抗血清から、定法に従ってProtein Aセファロースを用いてPtCA1抗体を精製した。
【実施例】
【0114】
試験例1.板状バイオシリカの製造
表1に示す濃度で各成分を含む反応液を調製し、バイオシリカ形成反応を行った。
【実施例】
【0115】
【表1】
JP2016179961A_000006t.gif
【実施例】
【0116】
具体的には次のように行った。表1中の各成分の内、塩酸及びTMOS以外の成分を混合して90μLの溶液を調製した。ここに、1 mM塩酸で調製した1 M TMOS(ケイ酸原)を10μ加え(反応液)、10秒間懸濁後、室温でバイオシリカ形成反応を行った。バイオシリカが形成されたことを示す白濁を確認してから、5分以内に15,000 rpmで1分間遠心した。沈殿物を1 mLの70%エタノールで1回洗浄した後、乾燥させ、バイオシリカを得た。
【実施例】
【0117】
得られたバイオシリカをカーボンテープに貼り付け、定法に従って白金蒸着を施した。電子ビームの加圧電圧を15 kVに設定し、卓上顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、Miniscope TM3030)を用いてSEM観察を行った。3~5 mm2の領域を観察し、当該領域中の板状バイオシリカの個数を測定した。測定結果を表2に示す。また、代表的な写真(実施例1及び4)を図1に示す。
【実施例】
【0118】
【表2】
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【実施例】
【0119】
表2に示されるように、CDPF1-G6-CDPF1ペプチド単独を用いた場合(比較例1)、板状バイオシリカは全く形成されていなかったが、CDPF1-G6-CDPF1ペプチドに加えてPtCA抗体及び/又はアルブミンを用いた場合(実施例1~5)は、板状バイオシリカが形成されていた。特に、PtCA抗体及びアルブミンを両方含む場合(実施例¥1及び4)は、板状バイオシリカがより多く形成されていた。観察された板状バイオシリカのサイズ(長さ×幅×厚さ)を測定した結果、約20~50μm×約10~15μm×約1.5~2μmであった。
図面
【図1】
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【図2】
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