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明細書 :デジタルホログラフィ装置およびデジタルホログラフィ再生方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6179902号 (P6179902)
登録日 平成29年7月28日(2017.7.28)
発行日 平成29年8月16日(2017.8.16)
発明の名称または考案の名称 デジタルホログラフィ装置およびデジタルホログラフィ再生方法
国際特許分類 G03H   1/22        (2006.01)
G03H   1/04        (2006.01)
G03H   1/08        (2006.01)
G11B   7/0065      (2006.01)
FI G03H 1/22
G03H 1/04
G03H 1/08
G11B 7/0065
請求項の数または発明の数 20
全頁数 31
出願番号 特願2014-533049 (P2014-533049)
出願日 平成25年8月28日(2013.8.28)
権利譲渡・実施許諾 特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
国際出願番号 PCT/JP2013/073025
国際公開番号 WO2014/034729
国際公開日 平成26年3月6日(2014.3.6)
優先権出願番号 2012192659
優先日 平成24年8月31日(2012.8.31)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成28年6月13日(2016.6.13)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504255685
【氏名又は名称】国立大学法人京都工芸繊維大学
発明者または考案者 【氏名】粟辻 安浩
【氏名】米坂 綾甫
【氏名】田原 樹
個別代理人の代理人 【識別番号】110000338、【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
審査官 【審査官】山▲崎▼ 和子
参考文献・文献 特許第4294526(JP,B2)
特開2012-53953(JP,A)
特開2011-100204(JP,A)
特開2005-51634(JP,A)
特表2011-528866(JP,A)
特開2009-192520(JP,A)
特許第3471556(JP,B2)
特開2006-343702(JP,A)
調査した分野 G03H 1/00-5/00
G11B 7/00-7/013、7/28-7/30
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)

特許請求の範囲 【請求項1】
被写体に対応する物体光と第1位相を有する参照光とに基づいたホログラムであって、前記ホログラムは露光量の異なる複数枚のホログラムであり、前記複数枚のホログラムを含む第1ホログラム群を撮像する撮像素子と、
前記記録した第1ホログラム群を合成して、低輝度情報から高輝度情報までを含む第1高ダイナミックレンジホログラムを生成する高ダイナミックレンジホログラム生成手段と、
前記第1高ダイナミックレンジホログラムに基づいて、回折の計算の演算処理を実施して前記被写体の再生像を生成する再生像生成手段とを備えたことを特徴とするデジタルホログラフィ装置。
【請求項2】
前記複数枚のホログラムのうちの一つは、第1露光量で前記高輝度情報が記録された少露光量ホログラムであり、
前記複数枚のホログラムのうちの他の一つは、前記第1露光量よりも多い第2露光量で前記低輝度情報が記録された多露光量ホログラムである請求項1に記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項3】
前記撮像素子は、前記物体光と第2位相を有する参照光とに基づいて、露光量の異なる他の複数枚のホログラムを含む第2ホログラム群を撮像し、
前記撮像素子は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを同時に撮像し、前記露光量の異なる他の複数枚のホログラムを同時に撮像し、前記第1ホログラム群と前記第2ホログラム群とを同時に撮像する請求項1に記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項4】
前記露光量の異なる複数枚のホログラムを記録するために前記撮像素子の1画素ごとに対応して透過率が異なる第1領域及び第2領域が形成された減光フィルタアレイと、
前記減光フィルタアレイを透過する参照光の位相をシフトさせる位相シフトアレイとをさらに備える請求項3に記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項5】
前記露光量の異なる複数枚のホログラムを記録するために前記撮像素子の1画素ごとに対応して透過軸が異なる第1領域及び第2領域が形成された偏光子アレイと、
前記偏光子アレイに向かう物体光及び参照光を直線偏光に変換する偏光子とをさらに備える請求項3に記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項6】
前記偏光子により変換された直線偏光を楕円偏光に変換する1/4波長板をさらに備える請求項5に記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項7】
前記偏光子アレイを透過する参照光の位相をシフトさせる位相シフト手段をさらに備える請求項5に記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項8】
前記撮像素子は、前記物体光と第2位相を有する参照光とに基づいて、露光量の異なる他の複数枚のホログラムを含む第2ホログラム群を撮像し、
前記高ダイナミックレンジホログラム生成手段は、前記第2ホログラム群を合成して、低輝度情報から高輝度情報までを含む第2高ダイナミックレンジホログラムを生成し、
前記再生像生成手段は、前記第1及び第2高ダイナミックレンジホログラムに基づいて、位相シフト干渉法及び前記回折の計算の演算処理を実施して前記被写体の再生像を生成する請求項1に記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項9】
前記再生像生成手段は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを同時に記録した異なる露光量同時記録ホログラムから、前記露光量ごとに画素を抽出して補間したホログラムを生成する請求項1に記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項10】
前記撮像素子は、前記物体光と第2位相を有する参照光とに基づいて、露光量の異なる他の複数枚のホログラムを含む第2ホログラム群を撮像し、
前記撮像素子は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを逐次撮像し、前記露光量の異なる他の複数枚のホログラムを逐次撮像し、
前記撮像素子は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムのうちの一つと、前記複数枚のホログラムのうちの前記一つと露光量が対応する前記他の複数枚のホログラムのうちの一つとを同時に撮像する請求項1に記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項11】
4つの異なる方向に向く透過軸をそれぞれ有する4種類の偏光領域が前記撮像素子の画素にそれぞれ対応して配列された偏光子アレイデバイスをさらに備える請求項10に記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項12】
前記撮像素子は、前記物体光と第2位相を有する参照光とに基づいて、露光量の異なる他の複数枚のホログラムを含む第2ホログラム群を撮像し、
前記撮像素子は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを同時に撮像し、前記露光量の異なる他の複数枚のホログラムを同時に撮像し、
前記撮像素子は、前記第1ホログラム群と前記第2ホログラム群とを逐次撮像する請求項1に記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項13】
前記露光量の異なる複数枚のホログラムを撮像するために前記撮像素子の1画素ごとに対応して透過率が異なる第1領域及び第2領域が形成された減光フィルタアレイをさらに備える請求項12に記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項14】
前記露光量の異なる複数枚のホログラムを撮像するために前記撮像素子の1画素ごとに対応して透過軸が異なる第1領域及び第2領域が形成された偏光子アレイをさらに備える請求項12に記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項15】
前記撮像素子は、前記物体光と第2位相を有する参照光とに基づいて、露光量の異なる他の複数枚のホログラムを含む第2ホログラム群を撮像し、
前記撮像素子は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを逐次撮像し、前記露光量の異なる他の複数枚のホログラムを逐次撮像し、
前記撮像素子は、前記第1ホログラム群と前記第2ホログラム群とを逐次撮像する請求項1に記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項16】
光路長を変化させることにより前記参照光の位相を変化させるピエゾ素子駆動反射鏡をさらに備える請求項15に記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項17】
前記物体光と前記参照光とは異なる角度で前記撮像素子に入射し、
前記撮像素子は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを同時に撮像する請求項1に記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項18】
前記露光量の異なる複数枚のホログラムを記録するために前記撮像素子の1画素ごとに対応して透過率が異なる第1領域及び第2領域が形成された減光フィルタアレイをさらに備える請求項17に記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項19】
前記物体光と前記参照光とは異なる角度で前記撮像素子に入射し、
前記撮像素子は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを逐次撮像する請求項1に記載のデジタルホログラフィ装置。
【請求項20】
被写体に対応する物体光と第1位相を有する参照光とに基づいたホログラムであって、前記ホログラムは露光量の異なる複数枚のホログラムであり、前記複数枚のホログラムを含む第1ホログラム群を撮像する撮像工程と、
前記記録した第1ホログラム群を合成して、低輝度情報から高輝度情報までを含む第1高ダイナミックレンジホログラムを生成する高ダイナミックレンジホログラム生成工程と、
前記第1高ダイナミックレンジホログラムに基づいて、回折の計算の演算処理を実施して前記被写体の再生像を生成する再生像生成工程とを包含することを特徴とするデジタルホログラフィ再生方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルホログラフィ装置およびデジタルホログラフィ再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光の干渉を利用したデジタルホログラフィ(以下、「DH」とも表記する)が従来技術として知られている。デジタルホログラフィは、3次元物体への光照射によって得られる干渉パターンから、コンピュータを用いて3次元物体の像を再生する技術である。干渉パターンは、3次元物体の光照射によって得られる物体光と、該3次元物体の光照射に用いられる光源から得られる参照光とが干渉することによって形成され、CCD、CMOS等の撮像素子で記録される。この記録された干渉パターンに基づいて、コンピュータでフレネル変換等の回折の計算をされ、3次元物体の再生像が再生される。
【0003】
このデジタルホログラフィでは、in-line(イン-ライン)型デジタルホログラフィが主に研究されており、in-line型デジタルホログラフィでは0次回折光や共役像といった不要な像成分がCCD等で記録されたデータに含まれるために、再生像が劣化するといった問題があった。この問題に対し、0次回折光や共役像を伴わない再生像を得るための技術が提案されており、この技術が非特許文献1および特許文献1に開示されている。また、物体光と参照光に角度をつけて撮像素子に入射させることで、所望の像成分と不要な像成分とを空間的に分離するoff-axis(オフ-アクシス)型デジタルホログラフィという技術もある。
【0004】
しかしながら、非特許文献1および特許文献1に記載の技術や、off-axis型デジタルホログラフィを採用したとしても、干渉パターンの記録には撮像素子を使用するため、撮像素子のダイナミックレンジ不足により白とびや黒潰れを含んだ干渉パターンが記録され、高画質な再生像を得ることができないといった問題がある。
【0005】
一方、デジタルスチルカメラやデジタルムービーカメラのような撮像装置の分野においては、白とびや黒潰れを含んだ画像の記録を防止する技術として、高ダイナミックレンジ合成が採用されている。高ダイナミックレンジ合成は、同じ被写体に対して、異なる露光量で複数回の撮像をして得られた複数枚の画像から、白とびや黒潰れのない画像部分を選択して1つの画像に合成する技術であり、画像中の白とびや黒潰れを除去した明部から暗部に至るまでの階調を再現することが可能である。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】日本国特許公報「特許第4294526号公報(2009年4月17日登録)」
【0007】

【非特許文献1】I.Yamaguchi and T.Zhang,Opt.Lett.22,p.1268(1997)
【非特許文献2】J.W.Goodman and R.W.Lawrence,Appl.phys.Lett.11,p.77(1967)
【非特許文献3】X. F. Meng, et. al., Opt. Lett 31(2006) 1414
【非特許文献4】Y. Awatsuji, et. al., Appl. Opt. 47 (2008)D183
【非特許文献5】S. Mann and R. W. Picard, Proc. of IS&T’s 48th Annual Conference (1995) 442
【非特許文献6】P. E. Debevec and J. Malik, Proc. SIGGRAPH 97’(1997) 369
【非特許文献7】S. K. Nayar and T. Mitsunaga, IEEE Conference on CVPR, 1 (2000) 472
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
デジタルホログラフィにより生成される再生像を、白とびや黒潰れが含まれない鮮明な画像とするために、上述のような撮像装置の分野において既知の高ダイナミックレンジ合成を適用することが想定される。この場合、露光量を異ならせて記録した複数種類の干渉パターンから複数の再生像を生成し、これら再生像を高ダイナミックレンジ合成により1つの合成画像を生成する。
【0009】
しかしながら、デジタルホログラフィは、被写体の情報を干渉パターンに分散して記録するので、通常のカメラ画像のように、干渉パターンの明るさと再生像の輝度とが単純な対応関係になく、白とびしたホログラムから白とびした像が、黒潰れしたホログラムから黒潰れした像が再生されるという簡単な関係が成り立つわけではない。したがって、デジタルホログラフィに、上述のような撮像装置の分野において既知の高ダイナミックレンジ合成の技術をそのまま適用することはできない。
【0010】
なお、デジタルホログラフィにおいて、白とびや黒潰れが含まれないホログラムを記録し、高画質な再生像を生成するために、適切な露光条件に手動で調整することによって、撮像素子のダイナミックレンジ内で、干渉パターンを記録することも想定される。しかしながら、撮像の度に、適切な露光条件に調整する必要があるため、使い勝手が悪く、また、干渉パターンのダイナミックレンジが撮像素子のダイナミックレンジよりも大きく、どのように露光条件を調整しても、撮像素子のダイナミックレンジ内で干渉パターンが記録できない、または適切な露光条件の設定さえも難しいという場合があるといった問題があり、これらの問題を解決して、露光条件にかかわりなく白とびや黒潰れに因る画質劣化がない再生像を生成できることが好ましい。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、白とびや黒潰れに因る画質劣化のない像を再生することが可能なデジタルホログラフィ装置およびデジタルホログラフィ再生方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明のデジタルホログラフィ装置は、被写体に対応する物体光と第1位相を有する参照光とに基づいて、露光量の異なる複数枚のホログラムを含む第1ホログラム群を撮像素子に記録する記録手段と、前記記録した第1ホログラム群を合成して、低輝度情報から高輝度情報までを含む第1高ダイナミックレンジホログラムを生成する高ダイナミックレンジホログラム生成手段と、前記第1高ダイナミックレンジホログラムに基づいて、回折の計算の演算処理を実施して前記被写体の再生像を生成する再生像生成手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
上記の構成によれば、高ダイナミックレンジ合成の対象をホログラムとしている。このため、再生像の画質劣化の要因となる白とびや黒潰れの影響をホログラムから除去でき、高画質な再生像を生成することができる。したがって、白とびや黒潰れに因る画質劣化のない像を再生することが可能なデジタルホログラフィ装置を提供することができる。
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明のデジタルホログラフィ再生方法は、被写体に対応する物体光と第1位相を有する参照光とに基づいて、露光量の異なる複数枚のホログラムを含む第1ホログラム群を撮像素子に記録する記録工程と、前記記録した第1ホログラム群を合成して、低輝度情報から高輝度情報までを含む第1高ダイナミックレンジホログラムを生成する高ダイナミックレンジホログラム生成工程と、前記第1高ダイナミックレンジホログラムに基づいて、回折の計算の演算処理を実施して前記被写体の再生像を生成する再生像生成工程とを包含することを特徴とする。
【0015】
上記の構成によれば、白とびや黒潰れに因る画質劣化のない像を再生することが可能なデジタルホログラフィ再生方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、白とびや黒潰れに因る画質劣化のない像を再生することができるという効果を奏する。すなわち、本発明のホログラフィ装置においては、ホログラムの白とびや黒潰れは再生画像の白とびや黒潰れになるのではなく、再生像の不鮮明さの一因であることに初めて着目し、高ダイナミックレンジのホログラムを得れば、白とびや黒潰れの影響を極力小さくした再生画像が得られることを見出したものである。従って、通常のカメラ画像では白とびまたは黒潰れを完全に無くした画像から画像合成しないと画像の白とびや黒潰れは無くならないが、ホログラフィ装置ではホログラムの白とびや黒潰れが完全に無くなっていれば鮮明な再生画像が得られるのはもちろんであるが、例え白とびや黒潰れが完全に無くなっていないホログラムからでも、高ダイナミックレンジのホログラム合成を行うことによって、白とびや黒潰れの影響を極力なくした鮮明な画像を再生することができるということを初めて考案したものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるデジタルホログラフィ装置の一例を示す図である。
【図2】第1の実施形態における2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置によって再生像を生成する流れを示す図である。
【図3】被写体の振幅分布および位相分布を示す図である。
【図4】第1の実施形態における2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置により生成される再生像を計算機シミュレーションで生成した結果を示す第1の図である。
【図5】第1の実施形態における2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置により生成される再生像を計算機シミュレーションで生成した結果を示す第2の図である。
【図6】変形例1における撮像装置を示す図である。
【図7】2種類の偏光の物体光および参照光を、変形例1における撮像装置に入射させる場合を示す模式図である。
【図8】変形例1における位相シフトデジタルホログラフィ装置によって再生像を生成する流れを示す図である。
【図9】変形例2における撮像装置を示す図である。
【図10】第2の実施形態におけるデジタルホログラフィ装置の一例を示す図である。
【図11】第2の実施形態における撮像装置の一例を示す図である。
【図12】第2並列位相ホログラムデータの一例を示す図である。
【図13】変形例4における並列2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置の一例を示す図である。
【図14】位相遅延素子アレイの構造の一例を示す図である。
【図15】変形例4における撮像装置により記録される第3並列位相ホログラムデータを示す図である。
【図16】変形例4における並列2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置によって再生像を生成する流れを示す図である。
【図17】変形例4における並列2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置により生成される再生像を計算機シミュレーションで生成した結果を示す第1の図である。
【図18】変形例4における並列2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置により生成される再生像を計算機シミュレーションで生成した結果を示す第2の図である。
【図19】変形例5における並列4段階位相シフトデジタルホログラフィ装置の一例を示す図である。
【図20】変形例5における撮像装置を示す図である。
【図21】変形例5における並列4段階位相シフトデジタルホログラフィ装置によって再生像を生成する流れを示す図である。
【図22】変形例5における並列4段階位相シフトデジタルホログラフィ装置により生成された再生像を計算機シミュレーションで生成した結果を示す第1の図である。
【図23】変形例5における並列4段階位相シフトデジタルホログラフィ装置により生成された再生像を計算機シミュレーションで生成した結果を示す第2の図である。
【図24】第3の実施形態におけるデジタルホログラフィ装置の一例を示す図である。
【図25】変形例6におけるoff-axis型ホログラフィ装置により生成されたホログラムデータによって再生像が生成される流れを示す図である。
【図26】カメラ応答関数を説明するための図である。
【図27】高ダイナミックレンジ合成の流れを説明するための図である。
【図28】計算機シミュレーションに用いたパラメータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。

【0019】
<第1の実施形態:位相シフトDH装置>
第1の実施形態では、本発明を位相シフトDH装置に適用した例を説明する。

【0020】
(逐次記録型位相シフトDH装置)
図1は、本発明の第1の実施形態におけるデジタルホログラフィ装置の一例を示す図である。図1に示されるように、デジタルホログラフィ装置の一例としての位相シフトデジタルホログラフィ装置100は、レーザ1と、ビーム分割素子3・5と、ビーム結合素子7と、ミラー9a,9bと、撮像装置(記録手段)10と、ピエゾ素子駆動反射鏡11と、計算機20とを含む。

【0021】
レーザ1は、垂直偏光のレーザ光を出射し、出射されたレーザ光は、ビーム拡大器を介してビーム分割素子3に入射される。ビーム分割素子3は、レーザ光を分岐させる光学素子であり、レーザ1から入射されたレーザ光を2方向に分岐する。ビーム分割素子3により2方向に分岐されたレーザ光のうち一方は物体照明光として、ミラー9aによって反射され、被写体50に照射される。被写体50に照射されたレーザ光は物体光となり、ビーム結合素子7を通って物体光として撮像装置10の撮像面に入射する。

【0022】
一方、ビーム分割素子3により2方向に分岐されたレーザ光のうち他方は、さらにビーム分割素子5を介して、ピエゾ素子駆動反射鏡11を照射する。ピエゾ素子駆動反射鏡11は、ピエゾ素子11aと、反射鏡11bとを備え、反射鏡11bに照射されたレーザ光を反射して、ミラー9bに反射させる。ミラー9bに反射された光は、ビーム結合素子7を通って、参照光として撮像装置10の撮像面に入射する。

【0023】
ピエゾ素子駆動反射鏡11は、ピエゾ素子11aによって反射鏡11bを移動させることにより反射鏡11bとミラー9bとの間の距離を変化させる。これにより、光路長を変化させることにより参照光の位相をシフトさせる。なお、以下では、レーザ1が出射するレーザ光に対して位相がシフトした参照光の位相量を位相シフト量という。

【0024】
撮像装置10は、撮像素子としてCCDが2次元配列した撮像面を有する。この撮像面に垂直に入射する参照光と物体光とが干渉することによって干渉パターンが形成される。撮像装置10は、撮像面に形成された干渉パターンをホログラムとして記録することにより第1ホログラムデータを生成する。

【0025】
上述したように、ピエゾ素子駆動反射鏡11によって参照光の位相値を変化させることができ、撮像装置10は、露光時間を異ならせて逐次撮像することができる。このため、撮像装置10は、同じ位相シフト量ごとに露光量の異なる複数のホログラムである第1ホログラムデータを生成することができる。

【0026】
計算機20は、撮像装置10により生成された第1ホログラムデータに基づいて、再生像を生成する。具体的には、第1ホログラムデータのうちの同じ位相シフト量であって異なる露光量のホログラムデータを用いて高ダイナミックレンジ合成を行ったうえで、所定の演算処理を実行することにより再生像を生成する。すなわち、計算機20は、高ダイナミックレンジ合成を行う高ダイナミックレンジホログラム生成手段と、所定の演算処理を実行することにより再生像を生成する再生像生成手段とを有する。所定の演算処理は、位相シフトデジタルホログラフィにおいて実行される通常の演算処理であり、複素振幅分布の算出処理(位相シフト干渉法)と、フレネル変換等の回折の計算処理とを含む。

【0027】
本発明における高ダイナミックレンジ合成は様々な手法が考えられるが、非特許文献2に記載されている技術を本発明者らがホログラムに適応した技術であり、同じ被写体50に対して、異なる露光量で複数回の撮像をして得られた複数枚のホログラムを、明部から暗部に至るまでの階調を再現した1つのホログラムに合成する処理である。

【0028】
まず、最小二乗法により、露光量と画素値(色の種類や強さ(明るさ)を表す数値で、同じ色なら強さを表す)の関係を表すカメラ応答関数を推定する(図26、27参照)。多くの撮像装置において、撮像素子の特性により露光量に比例して画素値が増えるとは限らないためである。露光時間を調整することによって露光量を異ならせる場合、カメラ応答関数の推定には、複数枚のホログラムの画素値と露光時間の情報、重み関数を用いる。

【0029】
重み関数は、画素値の最大値(白とび)と最小値(黒潰れ)において最小となり、画素値の中間値において最大となるようにする(図27の(b)参照)。露出オーバーまたは露出アンダーになるにつれて、記録した画像の情報量および信頼性が低下するので、上記のように重み付けを行うことで、情報量および信頼性の低い情報を計算から除外することができる。

【0030】
次に、複数枚の画像の画素値の重み付き平均を計算し、高ダイナミックレンジのホログラムを合成する(図27の(a)~(c)参照)。高ダイナミックレンジのホログラムの合成では、重み関数、各画像の露光時間、推定されたカメラ応答関数が用いられる。

【0031】
計算機20は、複素振幅分布の算出処理により、高ダイナミックレンジ合成された複数の第1合成ホログラムデータについて、撮像装置10の撮像面の複素振幅分布を算出する。また、フレネル変換等の回折の計算処理によって、複素振幅分布の算出処理により算出された複素振幅分布を、光学波面に変換する。

【0032】
ここで、位相シフトデジタルホログラフィ装置100によって生成される第1ホログラムデータに基づいて再生像を生成する流れを、図を用いて具体的に説明する。なお、位相シフトデジタルホログラフィ装置100は、上述したようにピエゾ素子駆動反射鏡11によって位相をシフトさせることにより、参照光を異なる位相値に変換することが可能であるので、2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置または4段階位相シフトデジタルホログラフィ装置になり得る。

【0033】
図2は、第1の実施形態における2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置によって再生像を生成する流れを示す図である。図2に示されるように、撮像装置10は、位相シフト量0(第1位相)の干渉パターンを異なる露光量で複数回撮像することにより記録したホログラムa1~a4の第1ホログラムデータと、位相シフト量-π/2(第2位相)の干渉パターンを異なる露光量で複数回撮像することにより記録したホログラムb1~b4の第1ホログラムデータとを記録している。なお、ホログラムa1~a4、b1~b4それぞれにおいて、露光量は、符号の数字が大きくなるほど多くなっている。

【0034】
また、ホログラムa1~a4の第1ホログラムデータは高ダイナミックレンジ合成されることにより、合成ホログラムa5の第1合成ホログラムデータが生成され、ホログラムb1~b4は、高ダイナミックレンジ合成されることにより、合成ホログラムb5の第1合成ホログラムデータが生成される。そして、合成ホログラムa5、b5の第1合成ホログラムデータに対して、上述した所定の演算処理が実行されることにより再生像として振幅分布および位相分布が生成される。

【0035】
振幅分布の明暗は、輝度を示し、明るくなるほど画素値が大きいことを示す。また、位相分布の明暗は、被写体50を散乱または透過した光の位相の遅れを示し、暗くなるほど位相が遅れていることを示す。

【0036】
図3の(a),(b)は、被写体の振幅分布および位相分布を示す図である。図4の(a),(b)、図5の(a),(b)は、2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置により生成される再生像を計算機シミュレーションで生成した結果を示す図である。なお、計算機シミュレーションに用いたパラメータは、図28に示すとおりである。図4の(a),(b)が高ダイナミックレンジ合成を適応しない場合に生成された再生像を示し、図5の(a),(b)が高ダイナミックレンジ合成を適応した場合に生成された再生像を示す。

【0037】
図4の(a),(b)に示されるように、高ダイナミックレンジ合成を適応しない場合には、振幅分布および位相分布ともに画質が劣化していることがわかる。この画質の劣化は、ホログラムの白とびおよび黒潰れに起因するものである。特に、位相分布については、明暗の境界が識別し難くなっていることがわかる。これに対して、図5の(a),(b)に示されるように、高ダイナミックレンジ合成を適応した場合には、図3の(a),(b)に示される被写体50の振幅分布および位相分布に近い像を生成することができたことがわかる。特に、位相分布においては、高ダイナミックレンジ合成を適応しない場合において生成された再生像において明暗の境界が不明瞭であったのに対して、識別し易くなっていることがわかる。したがって、高ダイナミックレンジ合成を適応しない場合に対して、高ダイナミックレンジ合成を適応した場合には、再生像が高画質化できたことがわかる。

【0038】
<変形例1:同時記録型位相シフトDH装置>
第1の実施形態における位相シフトデジタルホログラフィ装置100は、逐次撮像することによって露光量の異なる複数の第1ホログラムデータを記録するものであった。変形例1における位相シフトデジタルホログラフィ装置は、露光量を画素単位で異ならせる手段を用いることで、画素単位で露光量の異なる第1並列ホログラムを1回の撮像で同時に記録するものである。

【0039】
図6は、変形例1における撮像装置を示す図である。図6に示されるように、撮像装置10Aは、撮像面に偏光子アレイデバイス(位相シフトアレイ)51が取り付けられる。ここでは説明の便宜上、撮像装置10Aの全画素に対応する全領域ではなく、一部の領域について、偏光子アレイデバイス51の構造を示している。

【0040】
偏光子アレイデバイス51は、2つの異なる方向に向く透過軸を有する偏光領域(第1領域,第2領域)51a,51bそれぞれが撮像素子の画素に対応して配列された素子である。具体的には、垂直方向に対して-45度傾斜した透過軸を有する第1偏光領域51aと、垂直方向に対して45度傾斜した透過軸を有する第2偏光領域51bとが行方向および列方向それぞれに交互に繰り返し配列される。

【0041】
ここで、直線偏光の物体光と直線偏光の参照光とを撮像装置10Aに入射させる場合と、楕円偏光の物体光と楕円偏光の参照光とを撮像装置10Aに入射させる場合とについて説明する。

【0042】
図7の(a)は、直線偏光の物体光と直線偏光の参照光とを、変形例1における撮像装置に入射させる場合を示す模式図である。図7の(a)に示されるように、ランダム偏光の物体光と垂直偏光の参照光とが偏光子15を通った後、撮像装置10Aの偏光子アレイデバイス51を通ることにより第1並列ホログラムデータAが記録される。直線偏光の物体光と直線偏光の参照光とを撮像装置10Aに入射させる場合において、変形例1における位相シフトデジタルホログラフィ装置が図1で前述した位相シフトデジタルホログラフィ装置100と異なる点は、偏光子15と偏光子アレイデバイス51と撮像装置10Aとを備える点である。その他の構成は、位相シフトデジタルホログラフィ装置100と同じであるので、ここでは説明を繰り返さない。

【0043】
偏光子15は、垂直方向に対して、例えば0度より大きく45度未満の範囲で傾斜した透過軸を有しており、ランダム偏光の物体光および垂直偏光の参照光それぞれを直線偏光に変換する。

【0044】
偏光子アレイデバイス51は、透過軸と同じ方向の成分の光を取り出す。具体的には、偏光子15により変換された直線偏光の物体光のうち第1偏光領域51aの透過軸と同じ方向の成分の光と、直線偏光の物体光のうち第2偏光領域51bの透過軸と同じ方向の成分の光を取り出す。同様に、偏光子15により変換された直線偏光の参照光のうち第1偏光領域51aの透過軸と同じ方向の成分の光と、第2偏光領域51bの透過軸と同じ方向の成分の光を取り出す。

【0045】
ここで、偏光子15と偏光子アレイデバイス51とは、偏光子15の透過軸と偏光子アレイデバイス51の2つの透過軸との向きが調整され、第2偏光領域51bの傾斜角度と偏光子15により変換された直線偏光の偏光方向との角度差が、第1偏光領域51aの傾斜角度と偏光子15により変換された直線偏光の偏光方向との角度差よりも小さくなる。このため、直線偏光の物体光のうち第2偏光領域51bを透過する光は、第1偏光領域51aを透過する光よりも透過量が多くなり、直線偏光の参照光のうち第2偏光領域51bを透過する光は、第1偏光領域51aを透過する光よりも透過量が多くなる。

【0046】
したがって、偏光子15と偏光子アレイデバイス51とによって、撮像装置10Aは、2つの異なる露光量の画素が配列された第1並列ホログラムデータAを1回の撮像で同時に生成することができる。また、ピエゾ素子駆動反射鏡11により位相シフト量を異ならせて撮像することによって、複数の位相シフト量それぞれについて第1並列ホログラムデータAを生成することができる。

【0047】
図7の(b)は、楕円偏光の物体光と楕円偏光の参照光とを、変形例1における撮像装置10Aに入射させる場合を示す模式図である。図7の(b)に示されるように、ランダム偏光の物体光と垂直偏光の参照光とが偏光子15および1/4波長板13を通った後、撮像装置10Aの偏光子アレイデバイス51を通ることにより第1並列ホログラムデータBが記録される。楕円偏光の物体光と楕円偏光の参照光とを撮像装置10Aに入射させる場合において、変形例1における位相シフトデジタルホログラフィ装置が図1で前述した位相シフトデジタルホログラフィ装置100と異なる点は、偏光子15、1/4波長板13、偏光子アレイデバイス51および撮像装置10Aを備える点である。その他の構成は、位相シフトデジタルホログラフィ装置100と同じであるので、ここでは説明を繰り返さない。

【0048】
1/4波長板13は、入射する光に対して1/4波長(π/2)位相差を生じさせることにより直線偏光を円偏光(楕円偏光)に変換する。1/4波長板13は、垂直方向に対して-45度傾斜した高速軸と、垂直方向に対して45度傾斜した低速軸とを有する。偏光子15と1/4波長板13とは、偏光子15の透過軸と1/4波長板13の高速軸および低速軸との向きが調整され、偏光子15によって変換された直線偏光の物体光および直線偏光の参照光それぞれを楕円偏光に変換する。

【0049】
偏光子アレイデバイス51は、1/4波長板13により変換された楕円偏光の物体光のうち第1偏光領域51aの透過軸と同じ方向の成分の光と、楕円偏光の物体光のうち第2偏光領域51bの透過軸と同じ方向の成分の光を取り出す。同様に、1/4波長板13により変換された楕円偏光の参照光のうち第1偏光領域51aの透過軸と同じ方向の成分の光と、第2偏光領域51bの透過軸と同じ方向の成分の光を取り出す。

【0050】
ここで、第2偏光領域51bの透過軸は、楕円偏光の物体光の長軸上に位置し、第1偏光領域51aの透過軸は、楕円偏光の物体光の短軸上に位置する。同様に、第2偏光領域51bの透過軸は、楕円偏光の参照光の長軸上に位置し、第1偏光領域51aの透過軸は、楕円偏光の参照光の短軸上に位置する。このため、楕円偏光の物体光のうち第2偏光領域51bを透過する光は、第1偏光領域51aを透過する光よりも透過量が多くなり、楕円偏光の参照光のうち第2偏光領域51bを透過する光は、第1偏光領域51aを透過する光よりも透過量が多くなる。

【0051】
したがって、偏光子15と、1/4波長板13と、偏光子アレイデバイス51とによって、撮像装置10Aは、2つの異なる露光量の画素が配列された第1並列ホログラムデータBを1回の撮像で同時に生成することができる。また、ピエゾ素子駆動反射鏡11により位相シフト量を異ならせて撮像することによって、複数の位相シフト量それぞれについて第1並列ホログラムデータBを生成することができる。

【0052】
計算機20Aは、撮像装置10Aにより生成された第1並列ホログラムデータ(第1並列ホログラムデータAまたは第1並列ホログラムデータB)において、露光量の等しい画素を抽出し、欠落画素を補間する。これにより、露光量が同じ画素で統一された第2ホログラムデータが2つの位相シフト量それぞれについて生成される。すなわち、第2ホログラムデータは、4種類形成され、そのうち2種類が互いに同じ位相シフト量(例えば位相シフト量0)で、露光量が異なる(露光量多と露光量少)画像データであり、他の2種類が互いに同じ位相シフト量(例えば位相シフト量-π/2)で、露光量が異なる(露光量多と露光量少)画像データである。

【0053】
また、計算機20Aは、4種類の第2ホログラムデータについて、同じ位相シフト量ごとに異なる露光量の第2ホログラムデータを用いて高ダイナミックレンジ合成を行なったうえで、上述した所定の演算処理を実行することにより再生像を生成する。

【0054】
なお、上述したように直線偏光の物体光と直線偏光の参照光とを撮像装置10Aに入射させる場合(図7の(a))には、1/4波長板13が不要であるので、楕円偏光の物体光と楕円偏光の参照光とを撮像装置10Aに入射させる場合(図7の(b))よりも、装置構成を簡単にすることができる。

【0055】
図8は、変形例1における位相シフトデジタルホログラフィ装置によって再生像を生成する流れを示す図である。ピエゾ素子駆動反射鏡11(図1参照)による反射鏡の移動の前後それぞれにおいて、撮像装置10A(図6参照)により逐次撮像されることにより、位相シフト量0の第1並列ホログラムデータa11と、位相シフト量-π/2の第1並列ホログラムデータb11とが生成される。

【0056】
位相シフト量0の第1並列ホログラムデータa11は、露光量の異なる2種類の画素が配列された画像データである。位相シフト量0の第1並列ホログラムデータa11から、露光量の等しい画素が種類ごとに抽出され、欠落画素が補間される。これにより、同じ露光量の画素で統一された2種類の第2ホログラムデータa12,a13が生成される。また、第2ホログラムデータa12,a13が高ダイナミックレンジ合成されることにより、位相シフト量0の第2合成ホログラムデータa14が生成される。

【0057】
同様に、位相シフト量-π/2の並列ホログラムデータb11は、露光量の異なる2種類の画素が配列された画像データである。位相シフト量-π/2の第1並列ホログラムデータb11から、露光量の等しい画素が種類ごとに抽出され、欠落画素が補間される。これにより、同じ露光量の画素で統一された2種類の第2ホログラムデータb12,b13が生成される。また、第2ホログラムデータb12,b13が高ダイナミックレンジ合成されることにより、位相シフト量-π/2の第2合成ホログラムデータb14が生成される。また、これら第2合成ホログラムデータa14,b14に基づいて、上述した所定の演算処理により再生像が生成される。

【0058】
<変形例2:他の同時記録型位相シフトDH装置>
変形例2における位相シフトデジタルホログラフィ装置は、露光量を画素単位で異ならせる手段を用いることで、画素単位で露光量の異なるホログラムを1回の撮像で同時に記録するものであるが、その手段は変形例1と異なるものである。なお、変形例2における位相シフトデジタルホログラフィ装置が、図1で前述した第1の実施形態における位相シフトデジタルホログラフィ装置100と異なる点は、撮像装置10が撮像装置10B(図9参照)に変更された点である。撮像装置10B以外の構成および機能は、位相シフトデジタルホログラフィ装置100と同じであるので、ここでは異なる点について主に説明する。

【0059】
図9は、変形例2における撮像装置を示す図である。図9に示されるように、撮像装置10Bは、撮像面に減光フィルタアレイデバイス53が取り付けられている。ここでは説明の便宜上、撮像装置10Bの全画素に対応する全領域ではなく、一部の領域について、減光フィルタアレイデバイス53の構造を示している。

【0060】
減光フィルタアレイデバイス53は、透過率が異なる4種類の減光フィルタ領域53a~53dが配列された素子である。具体的には、透過率T1のフィルタ領域53aと透過率T2のフィルタ領域53bとが行方向において交互に繰り返し配列されるとともに、透過率T3のフィルタ領域53cと透過率T4のフィルタ領域53dとが行方向において交互に繰り返し配列されている。フィルタ領域53aとフィルタ領域53dとは、列方向において交互に繰り返し配列され、フィルタ領域53bとフィルタ領域53cとは、列方向において交互に繰り返し配列されている。

【0061】
これにより、減光フィルタアレイデバイス53を透過する参照光および物体光は、画素単位に4種類の露光量に変換されるので、撮像装置10Bは、4種類の露光量の画素が配列された第2並列ホログラムデータを1回の撮像により同時に生成することができる。また、ピエゾ素子駆動反射鏡11(図1参照)により位相シフト量を異ならせて撮像することによって、複数の位相シフト量それぞれについて第2並列ホログラムデータを生成することができる。

【0062】
なお、減光フィルタアレイデバイスの透過率が異なる領域を2種類とすることで、変形例1と同じ2種類の画素が配列された第1並列ホログラムデータを得ることができる。

【0063】
<第2の実施形態:並列位相シフトDH装置>
第2の実施形態では、本発明を並列位相シフトDH装置に適用した例を説明する。

【0064】
(逐次記録型並列位相シフトDH装置)
図10は、第2の実施形態におけるデジタルホログラフィ装置の一例を示す図である。図10に示されるように、デジタルホログラフィ装置の一例としての並列2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置200は、レーザ1と、ビーム分割素子3と、ビーム結合素子7と、ミラー9a~9cと、撮像装置10Aと、1/4波長板13と、偏光子15Aと、計算機20Bとを含む。

【0065】
レーザ1により出射されたレーザ光は、ビーム拡大器を介してビーム分割素子3に入射され、ビーム分割素子3は、レーザ1から入射されたレーザ光を2方向に分岐する。ビーム分割素子3により2方向に分岐されたレーザ光(垂直偏光)のうち一方(物体照明光)は、ミラー9aによって反射され、被写体50に照射される。被写体50に照射されたレーザ光は、偏光子15Aを介してビーム結合素子7を通り、物体光(垂直偏光)として撮像装置10Aの撮像面に入射する。

【0066】
一方、ビーム分割素子3により2方向に分岐されたレーザ光(垂直偏光)のうち他方(参照光)は、1/4波長板13を通過した後、ミラー9bに反射され、ビーム結合素子7を通って円偏光の参照光として撮像装置10Aの撮像面に入射する。1/4波長板13は、1/4波長(π/2)位相差を生じさせることにより直線偏光を円偏光に変換する。ここでは、参照光は、左回りの円偏光に変換される。

【0067】
図11は、第2の実施形態における撮像装置の一例を示す図である。図11に示されるように、撮像装置10Aの撮像面に偏光子アレイデバイス51が取り付けられている。また、上述したように、参照光は1/4波長板13を通過するので、撮像装置10Aの偏光子アレイデバイス51には、垂直偏光の物体光と、左回り円偏光の参照光とが入射される。

【0068】
偏光子アレイデバイス51は、左回り円偏光の参照光が通過するとき、画素単位で位相シフト量0,-π/2の参照光それぞれを取り出す。偏光子アレイデバイス51によって取り出された位相シフト量0,-π/2の参照光と、物体光とは撮像装置10Aの撮像面において干渉する。これにより、撮像面には、位相シフト量0,-π/2の干渉パターンが形成される。したがって、これら干渉パターンが撮像装置10Aによって露光時間を異ならせて逐次複数回撮像されることにより、位相シフト量0,-π/2の画素が配列された第1並列位相ホログラムデータが異なる露光量それぞれについて生成される。

【0069】
計算機20Bは、撮像装置10Aにより生成された複数の第1並列位相ホログラムデータを高ダイナミックレンジ合成することにより、第1合成並列位相ホログラムデータを生成する。また、第1合成並列位相ホログラムデータにおいて、同じ位相シフト量ごとに画素を抽出し、欠落画素を補間する。これにより、同じ位相シフト量の画素で統一された第3ホログラムデータが生成される。すなわち、位相シフト量0の画素で統一された第3ホログラムデータと位相シフト量-π/2の画素で統一された第3ホログラムデータとが生成される。計算機20Bは、異なる位相シフト量それぞれの第3ホログラムデータに対して、所定の演算処理を実行することにより再生像を生成する。

【0070】
<変形例3:同時記録型並列位相シフトDH装置>
第2の実施形態における並列2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置200は、1回の撮像により、2種類の位相シフト量(0、-π/2)の画素が配列された第1並列位相ホログラムデータを生成するものであった。変形例3における並列2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置は、1回の撮像により、4種類の露光量と2種類の位相シフト量(0、-π/2)との組合せの画素が配列された第2並列位相ホログラムデータを生成するものである。具体的には、図10に示す第2の実施形態における並列2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置200が備える撮像装置10Aの偏光子アレイデバイス51の前面側に減光フィルタアレイデバイス53(図9参照)を有する構成である。

【0071】
図12の(a),(b)は、第2並列位相ホログラムデータの一例を示す図である。図12の(a),(b)に示されるように、第2並列位相ホログラムデータa21は、2種類の位相シフト量(0、-π/2)と4種類の露光量との組合せの8種類の画素が配列されたデータである。この第2並列位相ホログラムデータa21から、位相シフト量と露光量とが同じ画素からなる8種類の画素が抽出され、それぞれにおいて欠落画素が補間されることにより、8種類のホログラムデータa22~a25,b22~b25が生成される。そして、同じ位相シフト量ごとに異なる露光量のホログラムデータ(位相シフト量0で露光量が異なるホログラムデータa22~25、位相シフト量-π/2で露光量が異なるホログラムデータb22~25)を用いて高ダイナミックレンジ合成が行われたうえで、上述した所定の演算処理が実行されることにより再生像が生成される。

【0072】
<変形例4:他の同時記録型並列位相シフトDH装置>
変形例4における並列2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置は、1回の撮像により、2種類の位相シフト量と4種類の露光量との組合せによる8種類の画素が配列された並列位相ホログラムデータを生成するものであるが、変形例3とは異なる構成である。図13は、変形例4における並列2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置の一例を示す図である。図13に示されるように、並列2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置300は、レーザ1と、ビーム分割素子3と、ビーム結合素子7と、ミラー9a~9cと、位相遅延素子アレイ(位相シフト手段)17と、偏光子15と、撮像装置10Aと、計算機20Bとを含む。

【0073】
レーザ1により出射されたレーザ光は、ビーム拡大器を介してビーム分割素子3に入射され、ビーム分割素子3は、レーザ1から入射されたレーザ光を2方向(物体照明光と参照光)に分岐する。ビーム分割素子3により2方向に分岐されたレーザ光のうち一方(物体照明光)は、ミラー9aによって反射され、被写体50に照射される。被写体50に照射されたレーザ光は、ビーム結合素子7を通った後に偏光子15を通り、物体光として撮像装置10Aの撮像面に入射する。物体光が偏光子15を通るときには、直線偏光に変換される。

【0074】
一方、ビーム分割素子3により2方向に分岐されたレーザ光のうち他方(参照光)は、ミラー9bに反射された後ミラー9cに反射されて位相遅延素子アレイ17を通り、結像光学系を介してビーム結合素子7を通る。さらに、偏光子15を通ることにより直線偏光に変換され、参照光として撮像装置10Aの撮像面に入射する。なお、撮像装置10Aの撮像面には、図6に示されるように偏光子アレイデバイス51が取り付けられている。

【0075】
なお、ここでは、撮像装置10Aの撮像面に直線偏光の参照光および直線偏光の物体光を干渉させる場合を例に説明したが、円偏光(楕円偏光)の参照光および円偏光(楕円偏光)の物体光を干渉させるようにしてもよい。この場合、偏光子15と偏光子アレイデバイス51との間に、1/4波長板13が配置される。

【0076】
なお、変形例3においても、変形例1と同様に直線偏光の物体光と直線偏光の参照光とを撮像装置10Aに入射させる場合には、1/4波長板13が不要であるので、楕円偏光の物体光と楕円偏光の参照光とを撮像装置10Aに入射させる場合よりも、装置構成を簡単にすることができる。

【0077】
図14は、位相遅延素子アレイの構造の一例を示す図である。なお、ここでは説明の便宜上、撮像装置10Aの全画素に対応する全領域ではなく、一部の領域について、位相遅延素子アレイ17の構造を示している。図14に示されるように、位相遅延素子アレイ17は、2種類の位相遅延素子17a,17bが行方向および列方向に並べられる。具体的には、行方向に複数の位相遅延素子17aが配列された第1遅延領域と、行方向に複数の位相遅延素子17bが配列された第2遅延領域とが列方向に交互に並べられる。

【0078】
2種類の位相遅延素子17a,17bは、例えばガラスのように偏光依存性のない透明材料を用いて、厚みを異ならせることで実現できる。厚みの薄い方の位相遅延素子17aは、位相遅延量0であり、厚みの厚い方の位相遅延素子17bは、位相遅延量π/2である。このため、図15に示されるように、撮像装置10Aにより、2種類の位相シフト量と2種類の露光量の組合せの4種類の画素を含む第3並列位相ホログラムデータが生成される。

【0079】
なお、ここでは、位相遅延素子アレイ17を備える場合を例に説明したが、位相遅延素子アレイ17に代えて空間光変調器を備える構成であってもよい。

【0080】
図16は、変形例4における並列2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置によって再生像を生成する流れを示す図である。図16に示されるように、並列2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置300(図13参照)によって生成される第3並列位相ホログラムデータa31(異なる露光量同時記録ホログラム)には、2種類の位相シフト量と2種類の露光量との組合せにより4種類の画素が含まれる。この第3並列位相ホログラムデータa31から、位相シフト量と露光量とが同じ画素からなる4種類の画素が抽出され、それぞれにおいて欠落画素が補間されることにより、4種類の第4ホログラムデータa32,a33,b32,b33が生成される。また、4種類の第4ホログラムデータa32,a33,b32,b33について、同じ位相シフト量ごとに異なる露光量の第4ホログラムデータを用いて高ダイナミックレンジ合成されることにより、位相シフト量0の第3合成ホログラムデータa34と位相シフト量-π/2の第3合成ホログラムデータb34とが生成される。さらに、第3合成ホログラムデータa34,b34に対して所定の演算処理が実行されることにより、再生像が生成される。

【0081】
図17,18は、変形例4における並列2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置により生成される再生像を計算機シミュレーションで生成した結果を示す図である。なお、計算機シミュレーションに用いたパラメータは、図28に示すとおりである。図17の(a),(b)が高ダイナミックレンジ合成を適応しない場合に生成された再生像を示し、図18の(a),(b)が高ダイナミックレンジ合成を適応した場合に生成された再生像を示す。

【0082】
図17に示されるように、高ダイナミックレンジ合成を適応しない場合には、振幅分布および位相分布ともに画質が劣化していることがわかる。特に、位相分布については、明暗の境界が識別し難くなっていることがわかる。これに対して、図18に示されるように、高ダイナミックレンジ合成を適応した場合には、図3の(a),(b)に示される被写体50の振幅分布および位相分布に近い像を生成することができたことがわかる。特に、位相分布においては、高ダイナミックレンジ合成を適応しない場合において生成された再生像において明暗の境界が不明瞭であったのに対して、識別し易くなっていることがわかる。したがって、高ダイナミックレンジ合成を適応しない場合に対して、高ダイナミックレンジ合成を適応した場合には、再生像が高画質化できたことがわかる。

【0083】
<変形例5:さらに他の同時記録型並列位相シフトDH装置>
図19は、変形例5における並列4段階位相シフトデジタルホログラフィ装置の一例を示す図である。図19に示されるように、並列4段階位相シフトデジタルホログラフィ装置400は、レーザ1と、ビーム分割素子3と、ビーム結合素子7と、ミラー9a~9cと、1/4波長板13および1/2波長板19と、偏光子15Aと、撮像装置10Cと、計算機20Cとを含む。

【0084】
レーザ1により出射されたレーザ光は、ビーム拡大器を介してビーム分割素子3に入射され、ビーム分割素子3は、レーザ1から入射されたレーザ光を2方向に分岐する。ビーム分割素子3により2方向に分岐されたレーザ光(垂直偏光)のうち一方(物体照明光)は、ミラー9aによって反射され、被写体50に照射される。被写体50に照射されたレーザ光は、偏光子15A、ビーム結合素子7および1/4波長板13の順に通り、物体光(垂直偏光)として撮像装置10Cの撮像面に垂直に入射する。

【0085】
一方、ビーム分割素子3により2方向に分岐されたレーザ光(垂直偏光)のうち他方(参照光)は、1/2波長板19を介してミラー9bを照射し、照射されたレーザ光(水平偏光)はミラー9cに反射され、ビーム結合素子7、1/4波長板13の順に通って参照光として撮像装置10Cの撮像面に垂直に入射する。

【0086】
1/2波長板19は、入射する光に対して1/2波長(π)位相差を生じさせる波長板である。これにより、垂直偏光のレーザ光は水平偏光に変換される。1/4波長板13は、上述したように、入射する光に対して1/4波長(π/2)位相差を生じさせる波長板である。これにより、垂直偏光の物体光は左回りの円偏光に変換され、水平偏光の参照光は右回り円偏光に変換される。

【0087】
図20は、変形例5における撮像装置を示す図である。図20に示されるように、撮像装置10Cは、撮像面に偏光子アレイデバイス51Aが取り付けられている。なお、ここでは説明の便宜上、撮像装置10Cの全画素に対応する全領域ではなく、一部の領域について、偏光子アレイデバイス51Aの構造を示している。

【0088】
偏光子アレイデバイス51Aは、4つの異なる方向に向く透過軸を有する偏光領域51e,51f,51g,51hが撮像素子それぞれの画素に対応して配列された素子である。偏光領域51eは水平方向の透過軸を有し、偏光領域51fは垂直方向に対して45度傾斜した透過軸を有し、偏光領域51gは垂直方向に対して-45度傾斜した透過軸を有し、偏光領域51hは垂直方向の透過軸を有する。

【0089】
偏光子アレイデバイス51Aにおいて、偏光領域51eと偏光領域51fとは行方向において交互に繰り返し配列され、偏光領域51gと偏光領域51hとは行方向において交互に繰り返し配列されている。偏光領域51eと偏光領域51gとは列方向に交互に繰り返し配列され、偏光領域51fと偏光領域51hは列方向に交互に繰り返し配列される。

【0090】
上述したように、参照光は1/4波長板13および1/2波長板19を通過するので、撮像装置10Cの偏光子アレイデバイス51Aには、物体光(左回りの円偏光)と、参照光(右回りの円偏光)とが入射される。

【0091】
偏光子アレイデバイス51Aは、位相シフト量0、π/4、π/2、3π/4の物体光(左回りの円偏光)および位相シフト量0、-π/4、-π/2、-3π/4の参照光(右回りの円偏光)が通過するとき、偏光領域51eでは位相シフト量0の物体光と位相シフト量0の参照光、偏光領域51fでは位相シフト量π/4の物体光と位相シフト量-π/4の参照光、偏光領域51hでは位相シフト量π/2の物体光と位相シフト量-π/2の参照光、偏光領域gでは位相シフト量3π/4の物体光と位相シフト量-3π/4の参照光それぞれを取り出す。偏光子アレイデバイス51Aによって取り出された参照光と、物体光とは撮像装置10Cの撮像面において干渉する。したがって、撮像装置10Cによって、位相シフト量0,-π/2,-π,-3π/2の画素を含む第4並列位相ホログラムデータが1回の撮像により生成される。また、撮像装置10Cは、露光時間を異ならせて、逐次撮像することにより、露光量の異なる複数の第4並列位相ホログラムデータを生成する。

【0092】
計算機20Cは、撮像装置10Cにより生成された複数の第4並列位相ホログラムデータを高ダイナミックレンジ合成することにより、第2合成並列位相ホログラムデータを生成する。また、第2合成並列位相ホログラムデータにおいて、同じ位相シフト量ごとに画素を抽出し、欠落画素を補間する。これにより、異なる位相シフト量それぞれについての第5ホログラムデータが生成される。計算機20Cは、異なる位相シフト量それぞれの第5ホログラムデータに対して、所定の演算処理を実行することにより再生像を生成する。

【0093】
このように、計算機20Cは、計算機20,20A,20Bとは異なる処理の流れで再生像を生成するが、計算機20Cの処理の流れは、計算機20,20A,20Bの処理の流れに比べて、計算回数(計算量)を低減するとともに、カメラ応答関数推定時の推定精度を向上させることができる。

【0094】
計算回数(計算量)低減について具体的に説明すると、複数の第4並列位相ホログラムデータについて、計算機20,20A,20Bの処理の流れで高ダイナミックレンジ合成する場合、合計4回(=位相シフト量を異ならせた数)の高ダイナミックレンジ合成の計算を行うが、計算機20Cの処理の流れであれば、高ダイナミックレンジ合成の計算が1回で済み、計算回数を減らすことができる。

【0095】
カメラ応答関数推定時の推定精度の向上について具体的に説明すると、高ダイナミックレンジ合成の後に欠落画素を補間するので、欠落画素の補間により補間誤差が生じる前に高ダイナミックレンジ合成をすることができ、推定精度を向上させることができる。これにより、高ダイナミックレンジ合成によって取得したい干渉パターンとは異なる高ダイナミックレンジホログラムが生成されることを回避して、再生像の画質をより良好にすることができる。

【0096】
図21は、変形例5における並列4段階位相シフトデジタルホログラフィ装置によって再生像を生成する流れを示す図である。図21に示されるように、撮像装置10C(図19参照)は、ホログラムa41~a44の第4並列位相ホログラムデータを記録している。なお、ホログラムa41~a44それぞれにおいて、露光量は、符号の数字が大きくなるほど多くなっている。ホログラムa41~a44の第4並列位相ホログラムデータが高ダイナミックレンジ合成され、4種類の位相シフト量の画素が抽出され、欠落画素が補間されることにより、4種類の第4合成ホログラムデータa46~a49が生成される。4種類の第4合成ホログラムデータa46~a49に対して所定の演算処理が実行されることにより、再生像が生成される。

【0097】
図22の(a)~(c),23の(a)~(c)は、変形例5における並列4段階位相シフトデジタルホログラフィ装置により生成された再生像を計算機シミュレーションで生成した結果を示す図である。なお、計算機シミュレーションに用いたパラメータは、図28に示すとおりである。図22の(a)~(c)が高ダイナミックレンジ合成を適応しない場合に生成された再生像を示し、図23の(a)~(c)が高ダイナミックレンジ合成を適応した場合に生成された再生像を示す。

【0098】
図22の(a)~(c)に示されるように、高ダイナミックレンジ合成を適応しない場合には、振幅分布および位相分布ともに画質が劣化していることがわかる。これに対して、図23の(a)~(c)に示されるように、高ダイナミックレンジ合成を適応した場合には、被写体50の振幅分布および位相分布に近い像を生成することができたことがわかる。したがって、高ダイナミックレンジ合成を適応しない場合に対して、高ダイナミックレンジ合成を適応した場合には、再生像が高画質化できたことがわかる。

【0099】
なお、変形例3のように、減光フィルタアレイデバイス53と組み合わせることで、並列4段階位相シフトデジタルホログラフィ装置400においても、露光量の異なるホログラムデータを同時に取得することが可能である。ただし、偏光子アレイデバイス51Aの偏光領域か減光フィルタアレイデバイス53の減光フィルタ領域どちらかの配置変更が必要である。これにより、4種類の位相シフト量と4種類の露光量との組合せによる画素が配列されたホログラムデータが生成される。

【0100】
<第3の実施形態:off-axis型DH装置>
第3の実施形態では、本発明をoff-axis型DH装置に適用した例を説明する。

【0101】
(逐次記録off-axis型DH装置)
図24は、第3の実施形態におけるデジタルホログラフィ装置の一例を示す図である。図24に示されるように、デジタルホログラフィ装置の一例としてのoff-axis型デジタルホログラフィ装置500は、レーザ1と、ビーム分割素子3と、ビーム結合素子7Aと、ミラー9a,9b,9cと、撮像装置10Bと、計算機20Dとを含む。

【0102】
レーザ1により出射されたレーザ光は、ビーム拡大器を介してビーム分割素子3に入射され、ビーム分割素子3は、レーザ1から入射されたレーザ光を2方向に分岐する。ビーム分割素子3により2方向に分岐されたレーザ光のうち一方(物体照明光)は、ミラー9aによって反射され、被写体50に照射される。被写体50に照射されたレーザ光は、ビーム結合素子7Aを通り、物体光として撮像装置10Bの撮像面に垂直に入射する。

【0103】
一方、ビーム分割素子3により2方向に分岐されたレーザ光のうち他方(参照光)は、ミラー9bに反射され、ビーム結合素子7Aを通って参照光として撮像装置10Bの撮像面に斜めに入射する。

【0104】
撮像装置10Bは、撮像面において、互いに角度差をもって入射する参照光と物体光とが干渉することによって干渉パターンが形成される。撮像装置10Bは、撮像面に形成された干渉パターンをホログラムとして記録することにより第6ホログラムデータを生成する。ここでは、露光時間を異ならせて逐次撮像することにより、露光量の異なる複数の第6ホログラムデータが生成される。

【0105】
計算機20Dは、複数の第6ホログラムデータに高ダイナミックレンジ合成を行なったうえで、フレネル変換等の回折の計算処理を実行することにより再生像を生成する。

【0106】
<変形例6:同時記録off-axis型DH装置>
図24で前述した第3の実施形態におけるoff-axis型デジタルホログラフィ装置500は、露光時間を異ならせて逐次撮像することにより、露光量の異なるホログラムデータを生成するものであった。変形例6におけるoff-axis型デジタルホログラフィ装置は、1回の撮像で露光量の異なる複数のホログラムデータを生成するものである。具体的には、図9に示すように、撮像装置10Bの撮像面に減光フィルタアレイデバイス53が取り付けられる構成である。この構成により4種類の露光量を有する画素を含む第3並列ホログラムデータが生成される。

【0107】
図25は、変形例6におけるoff-axis型ホログラフィ装置により生成されたホログラムデータによって再生像が生成される流れを示す図である。図25に示されるように、第3並列ホログラムデータa51(異なる露光量同時記録ホログラム)から4種類の露光量を有する画素それぞれが抽出され、欠落画素が補間される。これにより、同じ露光量の画素で統一された4種類の第7ホログラムデータa52~a55が生成される。この4つの第7ホログラムデータa52~a55が高ダイナミックレンジ合成されることにより、第5合成ホログラムデータa56が生成される。さらに、第5合成ホログラムデータa56に、フレネル変換等の回折の計算処理が実行されることにより再生像が生成される。

【0108】
なお、撮像装置10Bの撮像面に、減光フィルタアレイデバイス53に代えて、偏光子15(図7参照)と偏光子アレイデバイス51(図6参照)を取り付けるようにしてもよい。この場合、直線偏光の参照光と直線偏光の物体光とを干渉させ、2種類の露光量のホログラムデータを生成することができる。楕円偏光の参照光と楕円偏光の物体光とを干渉させる場合には、偏光子15(図7参照)と偏光子アレイデバイス51(図6参照)との間に1/4波長板13(図7の(b)参照)を設けるようにすればよい。

【0109】
以上説明したように、本実施の形態のデジタルホログラフィ装置は、露光量の異なる複数枚のホログラムを被写体に基づいて撮像素子に記録する撮像装置と、記録した露光量の異なる複数枚のホログラムを高ダイナミックレンジ合成して、低輝度情報から高輝度情報までを含む合成ホログラムを生成する高ダイナミックレンジホログラム生成手段及び合成ホログラムに基づいて位相シフト干渉法や回折の計算等の演算処理を実施して被写体の再生像を生成する再生像生成手段を含む計算機とを備える。

【0110】
この構成によれば、高ダイナミックレンジ合成の対象をホログラムとしている。このため、再生像の画質劣化の要因となる白とびや黒潰れをホログラムから除去でき、高画質な再生像を生成することができる。したがって、白とびや黒潰れに因る画質劣化のない像を再生することができる。

【0111】
(本発明の他の側面)
本発明のデジタルホログラフィ装置では、前記複数枚のホログラムのうちの一つは、第1露光量で前記高輝度情報が記録された少露光量ホログラムであり、前記複数枚のホログラムのうちの他の一つは、前記第1露光量よりも多い第2露光量で前記低輝度情報が記録された多露光量ホログラムであることが好ましい。

【0112】
本発明のデジタルホログラフィ装置では、前記記録手段は、前記物体光と第2位相を有する参照光とに基づいて、露光量の異なる他の複数枚のホログラムを含む第2ホログラム群を撮像素子に記録し、前記記録手段は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを同時に記録し、前記露光量の異なる他の複数枚のホログラムを同時に記録し、前記第1ホログラム群と前記第2ホログラム群とを同時に記録することが好ましい。

【0113】
この構成によれば、露光量の異なる複数枚の第1位相のホログラムと、露光量の異なる複数枚の第2位相のホログラムとを1回の撮像により取得することができる。

【0114】
本発明のデジタルホログラフィ装置では、前記記録手段は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを記録するために前記撮像素子の1画素ごとに対応して透過率が異なる第1領域及び第2領域が形成された減光フィルタアレイと、前記減光フィルタアレイを透過する参照光の位相をシフトさせる位相シフトアレイとを有することが好ましい。

【0115】
この構成によれば、減光フィルタアレイを設けたので、画素単位で露光量の異なるホログラムを1回の撮像で記録することができる。このため、露光量を異ならせて逐次撮像する必要がない。また、位相シフトアレイを設けたので、画素単位で位相がシフトしたホログラムを1回の撮像で記録することができる。このため、例えばピエゾ素子等の部材を用いることなく位相をシフトさせることができる。

【0116】
本発明のデジタルホログラフィ装置では、前記記録手段は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを記録するために前記撮像素子の1画素ごとに対応して透過軸が異なる第1領域及び第2領域が形成された偏光子アレイと、前記偏光子アレイに向かう物体光及び参照光を直線偏光に変換する偏光子とを有することが好ましい。

【0117】
この構成によれば、画素単位で露光量の異なるホログラムを記録することができる。このため、露光量を異ならせて逐次撮像する必要がない。

【0118】
本発明のデジタルホログラフィ装置では、前記記録手段は、前記偏光子により変換された直線偏光を楕円偏光に変換する1/4波長板をさらに有する構成とすることができる。

【0119】
本発明のデジタルホログラフィ装置では、前記記録手段は、前記偏光子アレイを透過する参照光の位相をシフトさせる位相シフト手段をさらに有する構成とすることができる。

【0120】
本発明のデジタルホログラフィ装置では、前記記録手段は、前記物体光と第2位相を有する参照光とに基づいて、露光量の異なる他の複数枚のホログラムを含む第2ホログラム群を撮像素子に記録し、前記高ダイナミックレンジホログラム生成手段は、前記第2ホログラム群を合成して、低輝度情報から高輝度情報までを含む第2高ダイナミックレンジホログラムを生成し、前記再生像生成手段は、前記第1及び第2高ダイナミックレンジホログラムに基づいて、位相シフト干渉法及び前記回折の計算の演算処理を実施して前記被写体の再生像を生成する構成とすることができる。

【0121】
本発明のデジタルホログラフィ装置では、前記再生像生成手段は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを同時に記録した異なる露光量同時記録ホログラムから、前記露光量ごとに画素を抽出して補間したホログラムを生成する構成とすることができる。

【0122】
本発明のデジタルホログラフィ装置では、前記記録手段は、前記物体光と第2位相を有する参照光とに基づいて、露光量の異なる他の複数枚のホログラムを含む第2ホログラム群を撮像素子に記録し、前記記録手段は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを逐次記録し、前記露光量の異なる他の複数枚のホログラムを逐次記録し、前記記録手段は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムのうちの一つと、前記複数枚のホログラムのうちの前記一つと露光量が対応する前記他の複数枚のホログラムのうちの一つとを同時に記録することが好ましい。

【0123】
この構成によれば、位相の異なるホログラムを同時に記録することができる。

【0124】
本発明のデジタルホログラフィ装置では、前記記録手段は、4つの異なる方向に向く透過軸をそれぞれ有する4種類の偏光領域が前記撮像素子の画素にそれぞれ対応して配列された偏光子アレイデバイスを有する構成とすることができる。

【0125】
本発明のデジタルホログラフィ装置では、前記記録手段は、前記物体光と第2位相を有する参照光とに基づいて、露光量の異なる他の複数枚のホログラムを含む第2ホログラム群を撮像素子に記録し、前記記録手段は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを同時に記録し、前記露光量の異なる他の複数枚のホログラムを同時に記録し、前記記録手段は、前記第1ホログラム群と前記第2ホログラム群とを逐次記録することが好ましい。

【0126】
この構成によれば、露光量の異なるホログラムを同時に記録することができる。

【0127】
本発明のデジタルホログラフィ装置では、前記記録手段は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを記録するために前記撮像素子の1画素ごとに対応して透過率が異なる第1領域及び第2領域が形成された減光フィルタアレイを有することが好ましい。

【0128】
この構成によれば、画素単位で露光量の異なるホログラムを1回の撮像で記録することができる。このため、露光量を異ならせて逐次撮像する必要がない。

【0129】
本発明のデジタルホログラフィ装置では、前記記録手段は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを記録するために前記撮像素子の1画素ごとに対応して透過軸が異なる第1領域及び第2領域が形成された偏光子アレイを有することが好ましい。

【0130】
上記の構成によれば、画素単位で露光量の異なるホログラムを記録することができる。このため、露光量を異ならせて逐次撮像する必要がない。

【0131】
本発明のデジタルホログラフィ装置では、前記記録手段は、前記物体光と第2位相を有する参照光とに基づいて、露光量の異なる他の複数枚のホログラムを含む第2ホログラム群を撮像素子に記録し、前記記録手段は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを逐次記録し、前記露光量の異なる他の複数枚のホログラムを逐次記録し、前記記録手段は、前記第1ホログラム群と前記第2ホログラム群とを逐次記録することが好ましい。

【0132】
上記の構成によれば、露光量の異なるホログラムを逐次記録し、参照光の位相の異なるホログラムを逐次記録するので、簡単な構成で所要のホログラムを記録することができる。

【0133】
本発明のデジタルホログラフィ装置では、前記記録手段は、光路長を変化させることにより前記参照光の位相を変化させるピエゾ素子駆動反射鏡を有する構成とすることができる。

【0134】
本発明のデジタルホログラフィ装置では、前記物体光と前記参照光とは異なる角度で前記撮像素子に入射し、前記記録手段は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを同時に記録することが好ましい。

【0135】
上記の構成によれば、off-axis方式のデジタルホログラフィ装置において、露光量の異なるホログラムを同時に記録することができる。

【0136】
本発明のデジタルホログラフィ装置では、前記記録手段は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを記録するために前記撮像素子の1画素ごとに対応して透過率が異なる第1領域及び第2領域が形成された減光フィルタアレイを有することが好ましい。

【0137】
上記の構成によれば、画素単位で露光量の異なるホログラムを1回の撮像で記録することができる。このため、露光量を異ならせて逐次撮像する必要がない。

【0138】
本発明のデジタルホログラフィ装置では、前記物体光と前記参照光とは異なる角度で前記撮像素子に入射し、前記記録手段は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを逐次記録することが好ましい。

【0139】
上記の構成によれば、off-axis方式のデジタルホログラフィ装置において、簡単な構成でホログラムを記録することができる。

【0140】
(付記)
上記の課題を解決するために、本発明のデジタルホログラフィ装置は、露光量の異なる複数枚のホログラムを被写体に基づいて撮像素子に記録する記録手段と、前記記録した露光量の異なる複数枚のホログラムを合成して、低輝度情報から高輝度情報までを含む高ダイナミックレンジホログラムを生成する高ダイナミックレンジホログラム生成手段と、前記高ダイナミックレンジホログラムに基づいて位相シフト干渉法や回折の計算等の演算処理を実施して前記被写体の再生像を生成する再生像生成手段とを備える。

【0141】
上記の構成によれば、高ダイナミックレンジ合成の対象をホログラムとしている。このため、再生像の画質劣化の要因となる白とびや黒潰れの影響をホログラムから除去でき、高画質な再生像を生成することができる。したがって、白とびや黒潰れに因る画質劣化のない像を再生することが可能なデジタルホログラフィ装置を提供することができる。

【0142】
具体的には、前記複数枚のホログラムのうちの一つは、第1露光量で前記高輝度情報が記録された少露光量ホログラムであり、前記複数枚のホログラムのうちの他の一つは、前記第1露光量よりも多い第2露光量で前記低輝度情報が記録された多露光量ホログラムである。

【0143】
また、本発明のデジタルホログラフィ装置において、前記記録手段は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを記録するために前記撮像素子の1画素ごとに対応して透過率が異なる第1領域及び第2領域が形成された減光フィルタアレイを有する。

【0144】
上記の構成によれば、画素単位で露光量の異なるホログラムを1回の撮像で記録することができる。このため、露光量を異ならせて逐次撮像する必要がない。

【0145】
また、本発明のデジタルホログラフィ装置において、前記記録手段は、前記減光フィルタアレイを透過する参照光の位相をシフトさせる位相シフトアレイをさらに有する。

【0146】
上記の構成によれば、画素単位で位相がシフトしたホログラムを1回の撮像で記録することができる。このため、例えばピエゾ素子等の部材を用いることなく位相をシフトさせることができる。

【0147】
また、本発明のデジタルホログラフィ装置は、前記ホログラムを生成するために干渉する物体光と参照光とが前記撮像素子に対して異なる角度で入射する。

【0148】
上記の構成によれば、所望の像成分と、0次回折光、共役像が空間的に分離できるため、例えばピエゾ素子等の、位相をシフトさせる部材を用いる必要がない。

【0149】
また、本発明のデジタルホログラフィ装置において、前記記録手段は、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを記録するために前記撮像素子の1画素ごとに対応して透過軸が異なる第1領域及び第2領域が形成された偏光子アレイを有する。

【0150】
上記の構成によれば、画素単位で露光量の異なるホログラムを記録することができる。このため、露光量を異ならせて逐次撮像する必要がない。

【0151】
また、本発明のデジタルホログラフィ装置において、前記記録手段は、前記偏光子アレイに向かう物体光及び参照光を直線偏光に変換する偏光子をさらに有する構成とすることができる。

【0152】
また、本発明のデジタルホログラフィ装置において、前記記録手段は、前記偏光子により変換された直線偏光を楕円偏光に変換する1/4波長板をさらに有する構成とすることができる。

【0153】
また、本発明のデジタルホログラフィ装置において、前記記録手段は、前記偏光子アレイを透過する参照光の位相をシフトさせる位相シフト手段をさらに有する構成とすることができる。

【0154】
また、本発明のデジタルホログラフィ装置は、前記ホログラムを生成するために干渉する物体光と参照光とが前記撮像素子に対して異なる角度で入射する構成とすることができる。

【0155】
また、本発明のデジタルホログラフィ装置において、前記記録手段は、前記少露光量ホログラム及び前記多露光量ホログラムを逐次前記撮像素子に記録する。

【0156】
上記の構成によれば、露光時間や物体照明光および参照光の生成に用いる光源の出力等を異ならせて複数回撮像することにより露光量の異なる複数のホログラムを記録することができる。この場合、例えば減光フィルタアレイ等の部材を用いる必要がない。

【0157】
また、本発明のデジタルホログラフィ装置において、前記記録手段は、参照光の第1位相及び前記第1位相と異なる第2位相ごとに、前記露光量の異なる複数枚のホログラムを記録し、前記高ダイナミックレンジホログラム生成手段は、前記第1位相に対応する複数枚のホログラムを合成して前記第1位相に対応する高ダイナミックレンジホログラムを生成し、前記第2位相に対応する複数枚のホログラムを合成して前記第2位相に対応する高ダイナミックレンジホログラムを生成する構成とすることができる。

【0158】
また、本発明のデジタルホログラフィ装置において、前記再生像生成手段は、前記高ダイナミックレンジホログラムから、参照光の第1位相及び前記第1位相と異なる第2位相ごとに画素を抽出して補間し、位相シフト干渉法の計算のためのホログラムを生成する。

【0159】
上記の構成によれば、第1位相の画素で統一されたホログラムと第2位相の画素で統一されたホログラムとを生成することができる。

【0160】
また、上記課題を解決するために、本発明のデジタルホログラフィ再生方法は、露光量の異なる複数枚のホログラムを被写体に基づいて撮像素子に記録する記録工程と、前記記録した露光量の異なる複数枚のホログラムを合成して、低輝度情報から高輝度情報までを含む高ダイナミックレンジホログラムを生成する高ダイナミックレンジホログラム生成工程と、前記高ダイナミックレンジホログラムに基づいて位相シフト干渉法や回折の計算等の演算処理を実施して前記被写体の再生像を生成する再生像生成工程とを包含する。

【0161】
上記の構成によれば、白とびや黒潰れに因る画質劣化のない像を再生することが可能なデジタルホログラフィ再生方法を提供することができる。

【0162】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0163】
1 レーザ
3 ビーム分割素子
5 ビーム分割素子
7,7A ビーム結合素子
9a~9c ミラー
10,10A,10B,10C 撮像装置(記録手段)
11 ピエゾ素子駆動反射鏡
11a ピエゾ素子
11b 反射鏡
13 1/4波長板
15,15A 偏光子
17 位相遅延素子アレイ(位相シフト手段)
17a,17b 位相遅延素子
19 1/2波長板
20,20A,20B 計算機(高ダイナミックレンジホログラム生成手段、再生像生成手段)
51,51A 偏光子アレイデバイス(位相シフトアレイ)
51a,51b 偏光子アレイ
51e,51f,51g,51h 偏光子アレイ
53 減光フィルタアレイデバイス
53a~53d 減光フィルタアレイ
100 位相シフトデジタルホログラフィ装置
200 並列2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置
300 並列2段階位相シフトデジタルホログラフィ装置
400 並列4段階位相シフトデジタルホログラフィ装置
500 off-axis型デジタルホログラフィ装置
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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