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明細書 :加工方法及び加工装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6145761号 (P6145761)
登録日 平成29年5月26日(2017.5.26)
発行日 平成29年6月14日(2017.6.14)
発明の名称または考案の名称 加工方法及び加工装置
国際特許分類 H01L  21/304       (2006.01)
B24B   1/00        (2006.01)
FI H01L 21/304 621Z
B24B 1/00 A
請求項の数または発明の数 5
全頁数 10
出願番号 特願2014-533143 (P2014-533143)
出願日 平成25年9月2日(2013.9.2)
国際出願番号 PCT/JP2013/073469
国際公開番号 WO2014/034921
国際公開日 平成26年3月6日(2014.3.6)
優先権出願番号 2012192834
優先日 平成24年9月3日(2012.9.3)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成28年8月19日(2016.8.19)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504159235
【氏名又は名称】国立大学法人 熊本大学
発明者または考案者 【氏名】久保田 章亀
【氏名】峠 睦
個別代理人の代理人 【識別番号】100114627、【弁理士】、【氏名又は名称】有吉 修一朗
【識別番号】100182501、【弁理士】、【氏名又は名称】森田 靖之
【識別番号】100190975、【弁理士】、【氏名又は名称】遠藤 聡子
【識別番号】100194984、【弁理士】、【氏名又は名称】梶原 圭太
審査官 【審査官】山口 大志
参考文献・文献 特開2005-342881(JP,A)
特開2003-334762(JP,A)
特開2007-253244(JP,A)
特開2004-055615(JP,A)
調査した分野 H01L 21/304
B24B 1/00
特許請求の範囲 【請求項1】
合成石英、ガラス、サファイアのうちいずれか1つのみで構成された加工部材と被加工物を接触させた状態で、同加工部材を透過させていない紫外光若しくはプラズマを、回転することで被加工物と接触する領域の表面直接照射して、同加工部材のみに清浄化かつ親水化処理を行い、その後、前記加工部材の清浄化かつ親水化された表面と被加工物を接触させた状態で、前記加工部材と前記被加工物を相対的に変位させる工程を備える
加工方法。
【請求項2】
前記加工する面のうち紫外光若しくはプラズマが直接照射された部分の清浄化かつ親水化処理、及び前記加工する面のうち紫外光若しくはプラズマが直接照射された部分と前記加工される面を接触させた状態で、前記加工部材と前記被加工物を相対的に変位させることを、同加工する面を加熱した状態で行う
請求項1に記載の加工方法。
【請求項3】
前記被加工物は、シリコンカーバイド、窒化ケイ素、GaN、ダイヤモンド、サファイア、AlNのうちいずれか1つからなる
請求項1または請求項2に記載の加工方法。
【請求項4】
合成石英、ガラス、サファイアのうちいずれか1つのみで構成された、加工する面を有する加工部材と、
前記加工する面の、回転することで被加工物と接触する領域の表面前記加工部材を透過させていない紫外光若しくはプラズマを直接照射することで、前記加工する面のみを清浄化かつ親水化処理する清浄化かつ親水化処理部と、
前記被加工物を保持する保持機構と、
前記加工する面の清浄化かつ親水化された表面と前記被加工物の加工される面を接触させた状態で、前記加工部材と前記被加工物を相対的に変位させる駆動部とを備える
加工装置。
【請求項5】
前記加工する面を加熱する加熱部を備える
請求項4に記載の加工装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は加工方法及び加工装置に関する。詳しくは、ダイヤモンド等の難加工性の高機能材料表面を高能率かつ高精度に加工することができる加工方法及びこうした加工方法を実現可能な加工装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
ダイヤモンド半導体は、半導体の中で最も高い絶縁耐圧と最も高い熱伝導率という優れた特性を持つため、次世代パワー半導体デバイス用材料として有力視されている。
【0003】
ダイヤモンドを用いて半導体デバイスを製作するためには、デバイスの下地となるダイヤモンド基板表面を原子レベルで平滑、かつ無擾乱に仕上げる加工技術が必要不可欠であるといわれている。しかしながら、ダイヤモンドは、高硬度かつ化学的に安定であるために、加工することは極めて難しく、加工技術の開発が技術的課題となっている。
【0004】
このため、ダイヤモンドからなる基板の被研磨面に研磨定盤を高圧で接触させると共に、研磨定盤の裏面から基板の研磨面に紫外線を照射しつつ、基板を研磨定盤に対して相対的に擦動させることにより研磨する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】国際公開第2007/007683号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、被加工物である基板の被研磨面に紫外光等の光を直接照射しようとすると、設備が複雑化してしまい、汎用的な加工装置での加工が困難であった。
【0007】
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであって、高い加工速度を汎用的な装置でも実現可能な加工方法及び加工装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[加工方法について]
上記の目的を達成するために、本発明に係る加工方法は、金属酸化物で構成された加工部材の表面を清浄化かつ親水化処理すると共に、同加工部材と被加工物を接触させた状態で相対的に変位させる工程を備える。
【0009】
ここで、金属酸化物で構成された加工部材の表面を清浄化かつ親水化処理し、加工部材の最表面部にOH基を表出させる。
そして、OH基が表出した加工部材の最表面部と被加工物を接触させた状態で相対的に変位させることによって、加工部材を被加工物の表面と化学的に作用させた上で、被加工物の表面を機械的(物理的)に加工することができる。
【0010】
本発明では、被加工物表面に対して紫外光を照射するのではなく、加工部材表面に紫外光を照射して、加工部材表面を改質(清浄化かつ親水化)し、その改質された領域と被加工物表面との化学的作用によって加工を実現するものである。被加工物表面に対して直接紫外光を照射する場合、紫外光光源の設置位置が限定的になるため、特殊な加工装置を導入する必要があった。これに対して、加工部材の表面に紫外光を照射する場合は、紫外光光源の設置位置により自由度が高まり、汎用的な加工装置でも加工が実現できる。
【0011】
また、加工部材を加熱した状態で清浄化かつ親水化処理を行うと、より一層充分に加工部材の最表面にOH基を表出させることができる。また、加工部材を加熱した状態で加工部材と被加工物を接触させて相対的に変位させると、OH基が表出した加工部材と被加工物との化学反応がより一層促進することとなる。
【0012】
なお、清浄化かつ親水化処理の方法としては、例えば、加工部材の表面に紫外光やプラズマを照射することが挙げられる。加工部材の表面にオゾンガスを導入しながら紫外光(UV)を照射するUVオゾン処理も効果的である。また、「金属酸化物で構成された加工部材」としては、例えば、合成石英、ガラス、サファイア、二酸化チタン等で構成された加工部材が挙げられる。更に、被加工物としては、シリコンカーバイド、窒化ケイ素、GaN、ダイヤモンド、サファイア、AlN等が挙げられる。
【0013】
[加工装置について]
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る加工装置は、金属酸化物で構成された加工部材と、該加工部材の表面を清浄化かつ親水化処理する清浄化かつ親水化処理部と、所定の被加工物を保持する保持機構と、前記加工部材と前記被加工物を接触させた状態で、前記加工部材と前記被加工物を相対的に変位させる駆動部とを備える。
【0014】
ここで、清浄化かつ親水化処理部で加工部材の表面を清浄化かつ親水化処理し、加工部材の最表面部にOH基を表出させることによって、被加工物の表面の原子との反応を促進することができる。
そして、駆動部でOH基が表出した加工部材と被加工物を接触させた状態で相対的に変位させることによって、加工部材を被加工物の表面の原子と化学的に作用させた上で、被加工物の表面を機械的(物理的)に加工することができる。
【0015】
本発明では、被加工物表面に対して紫外光を照射するのではなく、加工部材表面に紫外光を照射して、加工部材表面を改質(清浄化かつ親水化)し、その改質された領域と被加工物表面との化学的作用によって加工を実現するものである。被加工物表面に対して直接紫外光を照射する場合、紫外光光源の設置位置が限定的になるため、特殊な加工装置を導入する必要があった。これに対して、加工部材の表面に紫外光を照射する場合は、紫外光光源の設置位置により自由度が高まり、汎用的な加工装置でも加工が実現できる。
【0016】
また、加工部材を加熱する加熱部を備える場合には、化学反応が促進されることで、より一層充分に加工部材の最表面にOH基を表出させることができると共に、反応サイトと被加工物の表面の化学的作用も進み、より一層充分に被加工部材の表面を加工することができる。
【0017】
なお、清浄化かつ親水化処理部としては、例えば、加工部材の表面に紫外光若しくはプラズマを照射可能な構成が挙げられる。加工部材の表面にオゾンガスを導入しながら紫外光(UV)を照射するUVオゾン処理も効果的である。また、「金属酸化物で構成された加工部材」としては、例えば、合成石英、ガラス、サファイア、二酸化チタン等で構成された加工部材が挙げられる。更に、被加工物としては、シリコンカーバイド、窒化ケイ素、GaN、ダイヤモンド、サファイア、AlN等が挙げられる。
【発明の効果】
【0018】
本発明を適用した加工方法及び加工装置では、汎用的な装置で高い加工速度を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を適用した加工装置を説明するための模式図である。
【図2】実施例1の加工後の表面粗さを非接触形状測定機で測定したデータである。
【図3】実施例1の比較例における加工後の表面粗さを非接触形状測定機で測定したデータである。
【図4】実施例1の加工前の表面粗さを非接触表面形状測定機で測定したデータである。
【図5】時間の経過と表面粗さとの関係を示すグラフである。
【図6】実施例1の加工前の表面粗さを原子間力顕微鏡で測定したデータである。
【図7】実施例1の加工後の表面粗さを原子間力顕微鏡で測定したデータである。
【図8】実施例2の加工前の表面粗さを非接触形状測定機で測定したデータである。
【図9】実施例2の加工後の表面粗さを非接触形状測定機で測定したデータである。
【図10】実施例2の比較例における加工後の表面粗さを非接触形状測定機で測定したデータである。
【図11】実施例2の加工前の表面粗さを子間力顕微鏡で測定したデータである。
【図12】実施例2の加工後の表面粗さを子間力顕微鏡で測定したデータである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と称する)について説明する。
図1は本発明を適用した加工装置を説明するための模式図であり、ここで示す加工装置(ポリッシング装置)1は、合成石英定盤2と、紫外光を照射するための紫外光光源3と、ダイヤモンド基板8を保持する試料ホルダー4を有している。なお、紫外光光源3は清浄化かつ親水化処理部の一例であり、ダイヤモンド基板8は被加工物の一例である。

【0021】
なお、合成石英定盤2の上面(図1上の上面)に被加工物が接して被加工物が研磨されることとなる。また、合成石英定盤2は加工部材の一例である。

【0022】
ここで、本実施の形態では、加工部材が合成石英で形成されている場合を例に挙げて説明を行っているが、清浄化かつ親水化処理部によって最表面を清浄化かつ親水化することができる材料であれば充分であって、必ずしも合成石英で形成される必要はなく、例えば、ガラス、サファイア、二酸化チタン等で形成されていても構わない。

【0023】
また、合成石英定盤2の中心部は、モーター5と接続された回転軸6と連結されており、モーター5によって合成石英定盤2が図1中符号Aで示す方向に回転可能に構成されている。

【0024】
また、試料ホルダー4は、合成石英定盤2の回転軸6に対して偏心した回転軸7を中心として図1中符号Bで示す方向に回転可能に構成されており、ダイヤモンド基板8を保持した状態で上方からダイヤモンド基板8と合成石英定盤2が接触する位置まで下降する。

【0025】
ここで、本実施の形態では、試料ホルダー4に保持される被加工物としてダイヤモンド基板8を例に挙げて説明を行っているが、被加工物はダイヤモンド基板に限定されるものではなく、窒化ケイ素、GaN、SiC、サファイア、AlN等からなる基板であっても構わない。

【0026】
また、紫外光光源3は、合成石英定盤2の上面に紫外光を照射することができる様に構成されており、具体的には、合成石英定盤2が回転することでダイヤモンド基板8と接触する領域に紫外光を照射することができる様に構成されている。
なお、合成石英定盤2とダイヤモンド基板8が接触している領域に紫外光を照射する必要がないことから、紫外光光源3は合成石英定盤2の上方に配置され、合成石英定盤2の上方から合成石英定盤2に紫外光を照射している。

【0027】
ここで、合成石英定盤2が回転することでダイヤモンド基板8と接触する領域に紫外光を照射することができるのであれば、必ずしも合成石英定盤2の上方から紫外光を照射する必要はなく、例えば、合成石英定盤2の下方から合成石英定盤2を介して紫外光を照射しても良い。但し、合成石英定盤2を介して紫外光を照射する場合には、紫外光光源3から合成石英定盤2の上面までの距離が長くなってしまい、照射した紫外光が減衰してしまう。そのため、照射した紫外光の減衰を抑止し、充分に紫外線照射の効果を得るためには、紫外光光源3を合成石英定盤2の上方に配置し、紫外光光源3と合成石英定盤2の上面との距離の短縮化を実現することが好ましい。

【0028】
なお、本実施の形態では、合成石英定盤2に照射する光が紫外光である場合を例に挙げて説明を行っているが、合成石英定盤2の表面の清浄化かつ親水化処理を行うことができれば充分であって、必ずしも紫外光である必要はない。例えば、プラズマを照射することで合成石英定盤2の表面の親水化処理を行っても良い。

【0029】
以下、上記の様に構成された加工装置1を用いた加工方法について説明を行う。即ち、本発明を適用した加工方法の一例について説明を行う。

【0030】
本発明を適用した加工方法の一例では、合成石英定盤2を回転させながら紫外光光源3から紫外光を照射する。

【0031】
即ち、合成石英定盤2の上面に紫外光を照射することで、合成石英定盤2の表面の清浄化かつ親水化処理を行う。具体的には、紫外光を照射して合成石英定盤2の最表面部にOH基を表出させることで、ダイヤモンド基板8の表面の原子との反応サイトを増加する。

【0032】
そして、反応サイトが増加した状態の合成石英定盤2の上面とダイヤモンド基板8が接触した状態で合成石英定盤2が回転することによって、反応サイトをダイヤモンド基板8の表面の原子と化学的に作用させた上で、ダイヤモンド基板の表面を機械的に除去することとなる。

【0033】
[変形例(1)]
本実施の形態の変形例(1)として、赤外線ヒータ等で合成石英定盤2を加熱しても良い。即ち、合成石英定盤2を加熱した場合には、清浄化かつ親水化された合成石英定盤2とダイヤモンド基板8の表面との化学反応を促進することができる。化学反応が促進されることから、合成石英定盤2を加熱することで、より一層充分にダイヤモンド基板8を加工することができる。

【0034】
[変形例(2)]
本実施の形態の変形例(2)として、合成石英定盤2の表面に水蒸気等の液体を供給しても良い。即ち、合成石英定盤2の表面に水蒸気等の液体が存在することで、化学反応が促進され、清浄化かつ親水化された合成石英定盤2とダイヤモンド基板8の表面との化学的作用が進むことから、合成石英定盤2の表面に水蒸気等の液体を供給することで、より一層充分にダイヤモンド基板8を加工することができる。
但し、過度に水蒸気等の液体を供給した場合には、合成石英定盤2が低温状態となってしまい、却って化学反応を抑制してしまうので、合成石英定盤2が過度に低温状態とならない程度に水蒸気等の液体を供給する必要がある。

【0035】
[変形例(3)]
本実施の形態の変形例(3)として、加工装置1をNガスやArガス、酸素ガス等の各種ガス雰囲気中に配置し、各種ガスの調整を行うことで、加工を効率的に行う様にしても良い。

【0036】
[効果]
本発明を適用した加工装置は、一般的に用いられている汎用の研磨装置に紫外光光源3を追加するのみで良いために、加工システムを容易に構築できると共に、初期導入コストを低く抑えることができ、実現可能性が極めて高いものである。

【0037】
本発明を適用した加工方法は、清浄化かつ親水化された合成石英定盤2とダイヤモンド基板8の表面を化学的に作用させることによって、難加工材料の高精度、かつ、高能率な加工を実現することができる。

【0038】
また、本発明を適用した加工方法は、紫外光光源3と合成石英定盤2との距離が短いために、光の減衰を抑制することができ、高エネルギーを有する172nm等の短波長の紫外光を利用することができる。そして、短波長の紫外光を照射することで合成石英定盤2の表面付近の空気中の酸素が紫外光と作用し、オゾンや励起状酸素原子となり、合成石英定盤2の表面上の有機物分子を分解かつ除去し、合成石英定盤2の表面上にOH基を表出させることができる。このことは、ダイヤモンド基板8の有機物汚染を抑制することにもなる。

【0039】
更に、本発明を適用した加工方法は、砥粒を利用していないために、外部から各種金属が混入することがなく、金属汚染を抑制した状態での加工が実現することとなる。

【0040】
また、砥粒を利用した加工の場合には、砥粒をスラリーの状態で供給する必要があり、加工部材や被加工物がスラリーで湿った状態となってしまい、温度が上がりにくく加工が進み難い。
一方、本発明を適用した加工方法では、砥粒を利用していないためにスラリーが供給されることもなく、加工部材や被加工物が乾いた状態であり、摩擦熱も含めて温度が上がり易く化学反応が進みやすい。即ち、難加工材料の高精度、高能率な加工が実現することができる。
【実施例】
【0041】
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、ここで示す実施例は一例であり本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0042】
[実施例1]
先ず、本発明の実施例の加工方法として、合成石英定盤に被加工物としてダイヤモンドを3800gの荷重で押圧し、合成石英定盤を200rpmで回転させると共に、試料ホルダーを10000rpmで回転させた。また、合成石英定盤の上方から紫外光を照射した。
この様な状況で4時間の加工を行い、加工後の表面粗さデータを図2に示す。なお、図4は加工前の表面粗さデータを示し、図5は時間の経過と表面粗さとの関係を示している。
【実施例】
【0043】
[比較例]
次に、比較例の加工方法として、合成石英定盤に被加工物としてダイヤモンドを3800gの荷重で押圧し、合成石英定盤を200rpmで回転させると共に、試料ホルダーを10000rpmで回転させた。なお、紫外光の照射は行っていない。
この様な状況で4時間の加工を行い、加工後の表面粗さデータを図3に示す。なお、図4は加工前の表面粗さの代表的なデータを示している。
【実施例】
【0044】
図2及び図3から明らかな様に、紫外光を照射しながら加工を行った場合(図2)のほうが、紫外光を照射せずに加工を行った場合(図3)よりも表面粗さの改善効果が高いことが分かった。また、ある同一加工条件下において、紫外光を照射しながら加工を行った場合の加工能率は、紫外光を照射せずに加工を行った場合の加工能率よりも10倍以上も高いことが分かった。さらに、図5から明らかな様に、本実施例の加工方法では、時間の経過と共に表面粗さが改善されていた。
【実施例】
【0045】
更に、本実施例の加工前後のダイヤモンド表面を原子間力顕微鏡で測定した結果を図6、図7にそれぞれ示す。図6は加工前の表面粗さデータであり、図7は、加工後の表面粗さデータである。図6及び図7から明らかな様に、加工前にダイヤモンド表面に存在していた凹凸が加工後に完全に消えており、ダイヤモンド表面がRMSで0.1nmを下回るほどに極めて平滑に加工されたことが分かった。
一方、比較例の加工後のダイヤモンド表面の原子間力顕微鏡像(図示せず)を確認したところ、加工前にダイヤモンド表面に存在していた凹凸が加工後にも残っており、ダイヤモンド表面が充分に加工されたとは言い難いことが分かった。
【実施例】
【0046】
[実施例2]
本発明の実施例の加工方法として、合成石英定盤に被加工物として単結晶4H-SiC(0001)ウエハから1cm角に切り出した基板を500gの荷重で押圧し、合成石英定盤を200rpmで回転させると共に、試料ホルダーを32.5rpmで回転させた。また、合成石英定盤の上方から紫外光を照射した。
この様な状況で1.5時間の加工を行い、加工前後の表面粗さデータを図8、図9に示す。なお、図8はダイヤモンド砥粒を用いてあらかじめラッピング加工を施した加工前の表面粗さデータであり、図9は加工後の表面粗さのデータである。
【実施例】
【0047】
[比較例]
次に、比較例の加工方法として、合成石英定盤に被加工物として単結晶4H-SiC(0001)ウエハから1cm角に切り出した基板を500gの荷重で押圧し、合成石英定盤を200rpmで回転させると共に、試料ホルダーを32.5rpmで回転させた。なお、紫外光の照射は行っていない。
この様な状況で1.5時間の加工を行い、加工後の表面粗さデータを図10に示す。なお、図8は加工前の表面粗さの代表的なデータを示している。
【実施例】
【0048】
図9及び図10から明らかな様に、紫外光を照射しながら加工を行った場合(図9)のほうが、紫外光を照射せずに加工を行った場合(図10)よりも表面粗さの改善効果が高いことが分かった。また、紫外光を照射しながら加工を行った場合の加工能率は、紫外光を照射せずに加工を行った場合の加工能率よりも6倍程度も高いことが分かった。
【実施例】
【0049】
更に、本実施例の加工前後のSiC基板表面を原子間力顕微鏡で測定した結果を図11、図12にそれぞれ示す。図11は加工前の表面粗さデータであり、図12は、加工後の表面粗さデータである。図11及び図12から明らかな様に、加工前にSiC基板表面上に存在していた凹凸や研磨痕が加工後に完全に消えており、SiC基板表面が表面粗さRMSで0.1nmを下回るほどに極めて平滑に加工されたことが分かった。
一方、比較例の加工後のSiC基板表面の原子間力顕微鏡像(図示せず)を確認したところ、加工前にSiC表面上に存在していた凹凸が加工後にも一部残っており、SiC基板表面が充分に加工されたとは言い難いことが分かった。
【符号の説明】
【0050】
1 加工装置
2 合成石英定盤
3 紫外光光源
4 試料ホルダー
5 モーター
6 回転軸
7 回転軸
8 ダイヤモンド基板
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11