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明細書 :角度検出装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6044050号 (P6044050)
登録日 平成28年11月25日(2016.11.25)
発行日 平成28年12月14日(2016.12.14)
発明の名称または考案の名称 角度検出装置
国際特許分類 G01D   5/20        (2006.01)
FI G01D 5/20 110B
請求項の数または発明の数 8
全頁数 17
出願番号 特願2014-534364 (P2014-534364)
出願日 平成25年9月3日(2013.9.3)
国際出願番号 PCT/JP2013/073686
国際公開番号 WO2014/038551
国際公開日 平成26年3月13日(2014.3.13)
優先権出願番号 2012194561
優先日 平成24年9月4日(2012.9.4)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成28年5月2日(2016.5.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504145342
【氏名又は名称】国立大学法人九州大学
発明者または考案者 【氏名】笹田 一郎
【氏名】田中 康平
個別代理人の代理人 【識別番号】100099634、【弁理士】、【氏名又は名称】平井 安雄
審査官 【審査官】岡田 卓弥
参考文献・文献 国際公開第2012/002126(WO,A1)
特開平11-194135(JP,A)
特開平7-332911(JP,A)
特開昭61-62351(JP,A)
調査した分野 G01D 5/00- 5/252
G01D 5/39- 5/62
G01B 7/00- 7/34
特許請求の範囲 【請求項1】
磁性体を含む円板体の透磁率が全体として一軸の異方性を有し、前記円板体の電磁気特性と異なる電磁気特性を有する一の基準検出部を含み、前記円板体が中心点を中心として円板面内で回動するロータと、
磁界を発生させ前記ロータを励磁する励磁コイル、当該励磁コイルで励磁されたロータを通過した磁界と鎖交して前記ロータの回転角度に応じた電圧を検出する角度検出コイル、及び、前記基準検出部における前記電磁気特性の変化を検出する基準検出コイルを有するステータとを備え、
前記ステータが、前記ロータの円板体の板面に対向し、前記ロータの中心点を通る軸と同軸に略同一外形で近接配設され、前記ステータの板面に沿って複数の扇状の前記励磁コイル及び前記角度検出コイルが交互に配設されると共に、前記ロータにおける前記基準検出部の配設位置に対応する前記ステータの対応位置に前記基準検出コイルが配設されていることを特徴とする角度検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の角度検出装置において、
前記基準検出部が細長形状であり、当該基準検出部の長手方向が前記磁気異方性に沿って形成されていることを特徴とする角度検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の角度検出装置において、
前記基準検出部が、前記ロータの中心から放射方向に沿って形成されていることを特徴とする角度検出装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の角度検出装置において、
前記ステータにおける前記励磁コイル、前記角度検出コイル及び前記基準検出コイルが一の円板体内に一体的に形成されていることを特徴とする角度検出装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の角度検出装置において、
前記基準検出コイルが、8の字状に巻回された8の字コイルであることを特徴とする角度検出装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の角度検出装置において、
前記ステータが、前記基準検出コイルと鎖交するように前記励磁コイルと異なる周波数で励磁磁界を発生させる基準検出励磁コイルを備えることを特徴とする角度検出装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の角度検出装置において、
前記基準検出コイルの出力結果と前記角度検出コイルの出力結果とを乗算して前記基準検出部を検出することを特徴とする角度検出装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の角度検出装置において、
前記ステータが、前記ロータが配設される面と反対方向に対向する略同一外形のバックヨークを備えることを特徴とする角度検出装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、角度検出を行うための角度検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車、ロボット等の駆動に用いられる駆動モータを制御する場合には、ロータの回転角を高精度に検出する必要がある。ロータの回転角を検出する装置としてレゾルバが広く用いられている。このようなレゾルバに関する技術として、例えば、特許文献1に示す技術が開示されている。
【0003】
特許文献1に示す技術は、一軸磁気異方性を有する磁性体からなる円板体で形成され、当該円板体が中心点を中心として円板面内で回動するロータと、ロータの円板体の板面に対向して略同一外形で配設され、扇状に複数に分割し、分割領域の外周に沿って励磁コイル又は検出コイルを巻回しているステータと、ステータを挟んでロータが配設される面と反対の方向に、ステータの円板体に対向して略同一外形で配設されるバックヨークとを備えるものである。
【0004】
また、回転角度や特定位置を検出する技術として、例えば、特許文献2ないし6に示す技術が開示されている。特許文献2には、回転部材の形状変化が他と異なる箇所を1箇所設けることで、クランク角の基準位置を判別することが記載されている。特許文献3には、シャフトの回転により対向する面積が変化する一対の導電性部材を具備し、対向面積の変化によるコイルのインダクタンス変化から変位を検出することが記載されている。特許文献4には、スリットリングに等間隔で穴をあけ、そのうち1つだけ大きい穴に形成することで、原点を特定することが記載されている。特許文献5には、パルサリングに複数の小窓と一つの大窓を設け、この大窓により波形振幅を変化させることで回転体の1回転の周期を検出することが記載されている。特許文献6には、軸の一部分の被検出部において磁気的性質を異ならせることで、被検出部を検出したか否かを判定することが記載されている。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】国際公開第2012/002126号
【特許文献2】特開平10-111144号公報
【特許文献3】特開2006-313121号公報
【特許文献4】特公平6-22387号公報
【特許文献5】特許第4144657号
【特許文献6】特開平7-332911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に示す技術は、従来にない新規の構成であり、非常に簡単で低コストに角度検出装置を製造することが可能であるものの、ロータが機械角で1回転するごとに電気角で2回転の波形が検出されるため、0度と180度を区別することが困難であるという問題がある。すなわち、特許文献1の技術において、検出精度を保ったままで0度と180度を明確に区別するためには、角度の検出に加えて電気角2回転分を区別するような基準となる位置を特定する必要がある。
【0007】
特許文献2に示す技術は、形状変化部の間隔を異ならせることで基準位置を判別することができるが、検出コイルが1つの共通したものであるため、検出精度の点では十分ではないという課題を有する。また、特許文献3ないし6の技術についても、特許文献1の技術において、検出精度を保ちつつ基準となる位置を正確に特定できるものではない。
【0008】
本発明は、ロータとステータとがアキシャルに積層されて構成される角度検出装置において、角度検出の精度を保ちつつ、回転角の基準となる基準位置を正確に特定する角度検出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る角度検出装置は、磁性体を含む円板体の透磁率が全体として一軸の異方性を有し、前記円板体の電磁気特性と異なる電磁気特性を有する一の基準検出部を含み、前記円板体が中心点を中心として円板面内で回動するロータと、磁界を発生させる励磁コイル、当該励磁コイルで励磁された磁界と鎖交して前記ロータの回転角度に応じた電圧を検出する角度検出コイル、及び、前記基準検出部における前記電磁気特性の変化を検出する基準検出コイルを有するステータとを備え、前記ステータが、前記ロータの円板体の板面に対向し、前記ロータの中心点を通る軸と同軸に略同一外形で近接配設され、前記ステータの板面に沿って複数の扇状の前記励磁コイル及び前記角度検出コイルが交互に配設されると共に、前記ロータにおける前記基準検出部の配設位置に対応する前記ステータの対応位置に前記基準検出コイルが配設されているものである。
【0010】
このように、本発明に係る角度検出装置においては、電磁気特性の変化が生じるような一の基準検出部がロータに形成されており、この電磁気特性の変化を検出する基準検出コイルがステータに配設されているため、ロータの機械角1回転を基準検出コイルで確実に検出することができ、0度と180度の区別を明確に行うことができるという効果を奏する。
【0011】
また、角度検出コイルと基準検出コイルとがそれぞれ個別に設けられており、ステータとして一体的に固定されているため、角度の検出と基準位置の検出を各コイルで正確に行いつつ、それぞれの検出結果を対応付けて角度の基準位置を明確に求めることができるという効果を奏する。
【0012】
本発明に係る角度検出装置は、前記基準検出部が細長形状であり、当該基準検出部の長手方向が前記磁気異方性に沿って形成されているものである。
【0013】
このように、本発明に係る角度検出装置においては、基準検出部が当該基準検出部の長手方向が前記磁気異方性に沿って形成されているため、角度検出の精度を維持しつつ、電磁気特性の変化を基準位置として確実に検出することができるという効果を奏する。
【0014】
本発明に係る角度検出装置は、前記基準検出部が、前記ロータの中心から放射方向に沿って形成されているものである。
【0015】
このように、本発明に係る角度検出装置においては、基準検出部が前記ロータにおける磁気異方性の方向を長手方向とし、当該磁気異方性に沿って形成され、且つ、ロータの中心から放射方向に沿って形成されているため、角度検出の精度を維持しつつ、電磁気特性の変化を基準位置として確実に検出することができるという効果を奏する。
【0016】
本発明に係る角度検出装置は、前記ステータにおける前記励磁コイル、前記角度検出コイル及び前記基準検出コイルが一の円板体内に一体的に形成されているものである。
【0017】
このように、本発明に係る角度検出装置においては、励磁コイル、角度検出コイル及び基準検出コイルが一の円板体内に一体的に形成されているため、組み立て工数が少なくて済み、且つ、小型化が可能になるという効果を奏する。また、励磁コイル、角度検出コイル及び基準検出コイルが一体的に形成されることで、検出された角度と基準位置とを明確に対応付けることができるという効果を奏する。
【0018】
本発明に係る角度検出装置は、前記基準検出コイルが、8の字状に巻回された8の字コイルであるものである。
【0019】
このように、本発明に係る角度検出装置においては、基準検出コイルが8の字コイルであるため、基準検出部における電磁気特性の変化を明確に出力することができるという効果を奏する。
【0020】
本発明に係る角度検出装置は、前記ステータが、前記基準検出コイルと鎖交するように前記励磁コイルと異なる周波数で励磁磁界を発生させる基準検出励磁コイルを備えるものである。
【0021】
このように、本発明に係る角度検出装置においては、基準検出コイルが、基準検出励磁コイルで発生した励磁磁界と鎖交して基準検出部を検知するため、基準検出部における電磁気特性の変化を高出力で検知することができるという効果を奏する。また、基準検出励磁コイルが励磁コイルと異なる周波数で励磁されているため、励磁コイルの励磁電流に影響を与えることなく、基準検出部を高精度に検知することができるという効果を奏する。
【0022】
本発明に係る角度検出装置は、前記基準検出コイルの出力結果と前記角度検出コイルの出力結果とを乗算して前記基準検出部を検出するものである。
【0023】
このように、本発明に係る角度検出装置においては、基準検出コイルの出力結果と角度検出コイルの出力結果とを乗算して基準検出部を検出するため、基準検出コイルの出力結果におけるピークが顕著となり、基準検出部を検出し易くなるという効果を奏する。
【0024】
本発明に係る角度検出装置は、前記ステータが、前記ロータが配設される面と反対方向に対向する略同一外形のバックヨークを備えるものである。
【0025】
このように、本発明に係る角度検出装置においては、ロータが配設される面と反対方向に対向する略同一外形のバックヨークを備えるため、磁界を強くして検出感度を上げることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1の実施形態に係る角度検出装置の主要な構成要素の分解斜視図である。
【図2】図1における矢印Iから見た角度検出装置の断面図である。
【図3】第1の実施形態に係る角度検出装置において励磁コイルと角度検出コイルとをそれぞれ2つずつ備えた場合の構造を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係る角度検出装置における基準検出部及び基準検出コイルを示す図である。
【図5】図3における角度検出装置を実際に動作させた場合の出力結果を示す図である。
【図6】第2の実施形態に係る角度検出装置の構成を示す第1の図である。
【図7】第2の実施形態に係る角度検出装置の構成を示す第2の図である。
【図8】第3の実施形態に係る角度検出装置の構成を示す図である。
【図9】図8における角度検出装置を実際に動作させた場合の出力結果を示す図である。
【図10】第3の実施形態に係る角度検出装置の他の構成を示す図である。
【図11】本発明に係る角度検出装置の基準検出部の態様を示す図である。
【図12】試作した角度検出装置におけるコイル及びロータの構造を示す図である。
【図13】本発明に係る角度検出装置の実験結果を示す第1の図である。
【図14】本発明に係る角度検出装置の実験結果を示す第2の図である。

【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を説明する。また、本実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。
【0028】
(本発明の第1の実施形態)
本実施形態に係る角度検出装置について、図1ないし図5を用いて説明する。本実施形態に係る角度検出装置は、ロータとステータとからなる。当該ロータは、磁性体を含む円板体の透磁率が全体として一軸の異方性を有し、当該異方性に沿って形成され前記円板体の電磁気特性(例えば、透磁率、導電率、透磁率及び導電率等)と異なる電磁気特性を有する一の基準検出部を備え、前記円板体が中心点を中心として円板面内で回動する。前記ステータは、磁界を発生させる励磁コイル、当該励磁コイルで励磁された磁界と鎖交して前記ロータの回転角度に応じた電圧を検出する角度検出コイル、及び、前記基準検出部における前記電磁気特性の変化を検出する基準検出コイルを有している。そして、前記ステータは、前記ロータの円板体の板面に対向し、ロータの中心点を通る軸と同軸となるように略同一外形で近接配設され、前記ステータの板面に沿って複数の扇状の前記励磁コイル及び前記角度検出コイルが交互に配設されると共に、前記ロータにおける前記基準検出部の配設位置に対応する前記ステータの対応位置に前記基準検出コイルが配設されている。
【0029】
ステータは、ロータの円板体と略同一外形の固定部材に励磁コイル及び角度検出コイルを形成しており、この励磁コイル及び角度検出コイルは、円板体の中心から放射状に扇状となるように巻回されている。なお、固定部材は磁性体で形成するようにしてもよい。
【0030】
図1は、本実施形態に係る角度検出装置1を形成する主要な構成要素の分解斜視図であり、図2は、図1における矢印Iから見た角度検出装置1の断面図である。図1(A)はバックヨーク2、図1(B)はステータ3、図1(C)はロータ5であり、これらは枢軸6を同軸として積層されて構成される。角度検出装置1は、一軸磁気異方性を有する円板体で形成され枢軸6が接合する中心点5aを中心として円板面内で回動するロータ5と、ロータ5の円板面に対向して非接触状態で略同一外形のステータ3と、方向性を持たない(等方性の)磁性薄板をステータ3と略同一外形で形成し、ステータ3に接触又は非接触状態でロータ5が配設される面と反対方向の面に対向して配設されるバックヨーク2とを有する。なお、バックヨーク2は必ずしも配設する必要はないが、磁束の結合を強めるために配設されることが望ましい。
【0031】
ステータ3の励磁コイル4b及び角度検出コイル4aは、半円状に配線(枢軸6の配設部分については当該枢軸6を回避するように配線)され、ステータ3の板面に沿って交互に配設されている。バックヨーク2は、励磁コイル4bが作る磁束を角度検出コイル4aと効率よく鎖交させることができ、それにより感度を上げることができる。バックヨーク2は、例えば厚さ0.3mm程度の無方向性電磁鋼板を円板状に整形したものを利用することができる。また、例えば0.1mm~2mm程度の厚さをもつパーマロイの薄板を成形したものを使用してもよいし、広幅アモルファス磁性薄帯を1枚又は数枚重ねて整形して用いてもよい。
【0032】
ロータ5は、円板体で形成され、その面方向に一軸磁気異方性を有する磁性体板又は平板基板に、一軸磁気異方性を生じるように磁性体を配置して構成される複合板等が、枢軸6に中心点5aで接合されている。一軸磁気異方性を持つ磁性体では、磁性体が容易に磁化される容易軸方向と、それに直交する方向で磁化するのが困難な困難軸方向が存在する。つまり、枢軸6の回動に合わせてロータ5が回動し、それに伴って磁気異方性の容易軸方向が変化する。この磁気異方性の容易軸方向の変化を利用して回転角度を検出することができる。容易軸方向の透磁率は大きく、それに垂直な方向にある困難軸方向では透磁率が小さい。
【0033】
励磁コイル4bは、交流電源部40に接続しており、この交流電源部40から交流電流が供給される。励磁コイル4bに交流電流が供給されることで、ステータ3の領域3bには面方向に垂直な方向に磁界が発生する。この磁界はコイルの銅線近傍で最も強く、領域3bの中心方向にいくにしたがって弱くなっている。つまり、検出コイル4aと励磁コイル4bが隣接している領域30においては、強い磁界が発生している。
【0034】
検出コイル4aは、励磁コイル4bにより励磁された磁界により、その磁界に応じた電圧が生じ、その電圧を検出コイル4bに接続された同期検波回路41で検出する。このとき、ロータ5の角度により検出される電圧値が変化する。この電圧値の変化を解析して得られた演算結果を角度の値として出力する。
【0035】
図3は、本実施形態に係る角度検出装置において励磁コイルと角度検出コイルとをそれぞれ2つずつ備えた場合の構造を示す図である。バックヨーク2及びロータ5の構成は、図1の場合と同じである。ステータ3は、励磁コイル4b,4d及び角度検出コイル4a,4cが、1/4円の扇状に配線(枢軸6の配設部分については当該枢軸6を回避するように配線)され、ステータの板面に沿って交互に配設されている。
【0036】
励磁コイル4bと4dは、ステータ3の面方向に対して垂直方向の磁束の向きが、相互に逆になる(一方がN極の場合、他方がS極となる)ように巻回されて接続されており、角度検出コイル4aと4cは、相互に巻き方向が逆となるように結線される。こうすることで、ロータ5の回転角度が0度の場合は、角度検出コイル4aと励磁コイル4b、及び角度検出コイル4cと励磁コイル4dが、ロータ5の磁気異方性の容易軸方向に位置するため、強く結合する。逆に、角度検出コイル4aと励磁コイル4d、及び角度検出コイル4cと励磁コイル4bは、ロータ5の磁気異方性の困難軸方向に位置するため結合が非常に小さくなる。
【0037】
なお、図1ないし図3において、角度検出装置1は枢軸6を備える構成となっているが、枢軸6を備えることなく、例えば、外側面からの回転力(ローラやギアによる回転力)によりロータ5を回転させる構成としてもよい。
【0038】
本実施形態に係る角度検出装置における角度検出の原理については、特許文献1に示す技術と同じであるために詳細な説明は省略する。
【0039】
このように、本実施形態に係る角度検出装置は、ロータ5が一軸磁気異方性を有する円板体で構成された、極めてシンプルな構造であるため、複雑な加工を必要とせず、非常に容易に製造することができる。また、ステータ3がロータ5の円板体の外側面に対向して配設されるのではなく、ロータ5の円板体の板面に対向して配設される面構造になっているため、機能を低下させることなく、簡単な製造工程で薄型化することができる。さらに、ステータ3を挟んでロータ5が配設される面と反対方向の板面に、ステータ3の円板体に対向して略同一外形で配設されるバックヨーク2を備えるため、磁界を強くし検出感度を上げることができる。
【0040】
本実施形態に係る角度検出装置1は、上記構成に加えて、さらに回転角度における基準となる位置、すなわちZ相を検出するために、ロータ5に基準検出部、ステータ3に基準検出コイルを備える。図4は、本実施形態に係る角度検出装置における基準検出部及び基準検出コイルを示す図である。図4(A)は、ロータ5の上面概略図であり、図4(B)は、ステータ3における各コイルの上面概略図である。図4(A)において、ロータ5の容易軸方向に沿って、円板体の電磁気特性と異なる電磁気特性を有する一の基準検出部7が形成されている。この基準検出部7は、容易軸方向に沿って長尺体として形成されることで、角度検出の精度を下げるような阻害要因になることを防止している。
【0041】
基準検出部7は、ロータ5の円板体の他の部分と異なる電磁気特性を有するものであればよく、例えば、切欠部やスリットとして形成されてもよいし、異なる電磁気特性のテープやシール等を貼設するようにしてもよい。また、表面改質により基準検出部7を形成してもよい。例えば、機械的に傷をつけるのではなく、電子ビームやレーザ等で局所的に電磁気特性を変化させたり、表面を削ったりしてもよい。
【0042】
なお、基準検出コイルはステータ3の円板体に一体的に形成されてもよいし、当該円板体とは別体で形成されてもよいが、角度の検出結果と基準位置の検出結果との対応付けや集積度の観点から、一体的に形成されたほうが望ましい。
【0043】
図4(B)において、ステータ3に配設されているコイルは、図3に示すように、励磁コイル4b,4d及び角度検出コイル4a,4cが、1/4円の扇状に配線されてなされると共に、励磁コイル4b,4dの何れかの扇状領域内に基準検出部7を検出するための基準検出コイル8からなる。図4においては、基準検出コイル8として励磁コイル4bの扇状領域内に8の字状の8の字コイルを備えている。8の字コイルは、第1領域8aと第2領域8bとを有しており、それぞれの領域を形成するコイルに流れる電流の向きが相互に逆方向となっている。そして、基準検出部7が基準検出コイル8上を、第1領域8aから第2領域8b、又は、第2領域8bから第1領域8aにかけて順次移動するような位置に対応付けて配設される。
【0044】
すなわち、基準検出コイル8を8の字コイルとすることで、基準検出部7の影響がない場合は、第1領域8aに発生する磁界と第2領域8bに発生する磁界とが打ち消し合って出力が小さくなるのに対して、基準検出部7が、第1領域8aから第2領域8b、又は、第2領域8bから第1領域8aにかけて順次移動する場合は、基準検出部7における電磁気特性の違いにより、各領域における磁界のバランスが崩れて出力に変化が現れる。この変化を検出することで、ロータ5の1周期の基準位置、すなわちZ相を検出することができる。
【0045】
なお、基準検出コイル8は8の字コイルである必要はなく、基準検出部7における電磁気特性の変化を検出できるものであればよい。すなわち、例えば、リングコイル型の検出コイルを用いてもよい。また、基準検出コイルを配設する際の態様は、図4の場合に限らず他の態様であってもよい(図6及び図7を用いて詳細を後述する)。
【0046】
図4のロータ5及びステータ3の各コイルを用いた場合の出力結果について、図5を用いて説明する。図5は、図3における角度検出装置1を実際に動作させた場合の出力結果を示す図である。図5の場合において、ステータ3は図5(A)の状態で枢軸6に固定されているとする。すなわち、1対の励磁コイル4b,4dと1対の角度検出コイル4a,4cとを備え、励磁コイル4bの中央の領域に基準検出コイル8(8の字コイル)が配設されている。ロータ5は、ステータ3に対向して積層されて配設されており、枢軸6を中心として面に沿って回動する。ロータ5が回動する際の容易軸方向と基準検出部7の位置関係を図5(B)のグラフの下方に示す。ここでは、ロータ5が左方向に回転した場合の出力結果を示しており、基準検出部7としてスリットが形成されている。図5(B)のグラフにおいて、実線は角度検出コイル4a,4cの出力波形(ここでは、sin成分のみ)を示し、破線は基準検出コイル8の出力波形を示している。
【0047】
励磁コイル4b,4d及び角度検出コイル4a,4cの位置関係に応じて、図5の実線で示す正弦波が正確に検出されていることがわかる。そして、ロータ5に基準検出部7が形成されているにも関わらず、角度検出には何ら影響を及ぼしていないことが明らかである。
【0048】
また、上述したように、従来の特許文献1に示す角度検出装置1では、ロータ5が機械角で1回転する間に電気角が2回転分検出されることで、0度と180度との区別が困難になってしまう。ところが、本実施形態においては、図5(B)の破線で示すように、基準検出部7の位置がロータ5が1回転する間に1つのピークとして現れるので、0度と180度との区別を明確にして角度検出を正確に行うことが可能となっている。
【0049】
さらに、角度検出コイル4a,4cとは別個に基準検出コイル8を設けており、角度検出とZ相の検出とを明確に区別して処理することで、より正確に角度検出及びZ相の検出を行うことが可能となる。
【0050】
すなわち、本実施形態に係る角度検出装置1は、角度検出の精度を保ちつつ、回転角の基準となる基準位置を正確に特定することができる。
【0051】
(本発明の第2の実施形態)
本実施形態に係る角度検出装置について、図6及び図7を用いて説明する。図6及び図7は、基準検出部7及び基準検出コイル8を備える場合の他の態様を示す図である。図6において、基準検出コイル8が8の字コイルである点は図4の場合と同じであるが、8の字コイルの配設方向が異なる。すなわち、図4の場合は、基準検出部7が、第1領域8aから第2領域8b、又は、第2領域8bから第1領域8aにかけて順次移動するように基準検出部7と8の字コイルとを対応付けて配設したが、図6の場合は、基準検出部7が、第1領域8a又は第2領域8bのいずれか一方のみのコイル上を移動するように、基準検出部7と8の字コイルとを対応付けて配設している。
【0052】
すなわち、基準検出部7が第1領域8a又は第2領域8bのいずれか一方のみのコイル上を移動することで、その電磁気特性の変化により第1領域8aと第2領域8bとの磁界のバランスが崩れ、その変化を検出することで基準位置を特定することができる。
【0053】
図7は、さらに別の態様を示す図であり、図7(A)において、基準検出コイル8が8の字コイルであり、基準検出部7が、第1領域8aから第2領域8b、又は、第2領域8bから第1領域8aにかけて順次移動するように基準検出部7と8の字コイルとが配設されている点は同じであるが、8の字コイルが励磁コイル4bと角度検出コイル4aとの間の領域と、励磁コイル4bと角度検出コイル4cとの間の領域との2箇所に配設されている点が異なる。
【0054】
つまり、図7(B)、(C)に示すように、図7(A)における基準検出コイル81と基準検出コイル82との検出結果は位相が90度ずれており、それぞれの検出結果を差し引くことで、図7(D)に示すようなプラスとマイナスのピークの組合せをロータ5の1回転につき1回検出することができる。すなわち、基準位置を正確に特定することができる。
【0055】
(本発明の第3の実施形態)
本実施形態に係る角度検出装置について、図8ないし図10を用いて説明する。本実施形態に係る角度検出装置においては、基準検出コイルと鎖交するような磁界を発生させるための基準検出励磁コイルを備える。図8は、本実施形態に係る角度検出装置における基準検出部及び基準検出コイルを示す図である。図8(A)は、ロータ5の上面概略図であり、図8(B)は、ステータ3における各コイルの上面概略図である。図8(A)のロータ5は、図4の場合と同じ構成である。図8(B)のステータ3におけるコイルについては、基準検出コイル8と鎖交するような磁界を発生させるための楕円状の基準検出励磁コイル10を新たに備える構成となっている。
【0056】
基準検出励磁コイル10は、励磁コイル4b,4dに影響がないように、励磁コイル4b,4dとは異なる周波数で励磁電流が通電される。このとき、同期検波によりそれぞれの励磁電流を分離するようにしてもよい。基準検出コイル8は、基準検出励磁コイル10による励磁磁界と鎖交することで、高出力でピークを検知することが可能となり、基準位置を特定することができる。
【0057】
基準検出励磁コイル10を用いた場合の実際の出力結果について、図9を用いて説明する。図9(A)の基準検出コイル8の出力結果において、実線はsin成分の出力波形を示し、点線はcos成分の出力波形を示し、破線は基準検出コイル8の出力波形を示す。図9(A)に示すように、機械角1回転中にシャープなピークが3つ検出されている。この状態では基準位置を明確に特定することができない場合があるため、ここでは、基準検出コイル8の検出結果と、角度検出コイル4a又は4cの出力波形のうちの一つとを掛け算する。その結果を図9(B)に示す。基準検出コイル8の検出結果と角度検出コイル4a又は4cの出力波形とを掛け算することで、正のピークが1個になりZ相として扱うことができる。
【0058】
なお、この場合、基準検出励磁コイル10の有無に関わらず、基準検出コイル8の検出結果と角度検出コイル4a又は4cの出力波形とを掛け算することで、基準検出コイル8の出力結果を明確にすることができるが、特に、基準検出コイル8が配設されている励磁コイルが生成する相の出力波形と基準検出コイル8の検出結果とを掛け算することで、1つの明確な正のピークを検出することができる。
【0059】
基準検出コイル8と基準検出部7であるスリットの位置を図10(A)のように配置した場合の出力結果を図10(B)に示す。図10(A)において、基準検出部7であるスリットが、基準検出コイル8の全体の領域ではなく半分の領域のみを含んで通過するように、基準検出部7及び基準検出コイル8が配置されている。このように配置した場合は、シャープな正のピークが角度検出コイル4a,4cの出力結果である正弦波2周期に1個出ているため,ロータ5の機械角1回転に1個信号を検出することができ、Z相が生成されていることが分かる。
【0060】
なお、本実施形態に係る角度検出装置においては、双対原理の観点から基準検出励磁コイル10をZ相の検出用コイルとして機能させると共に、基準検出コイル8を励磁用コイルとして機能させても、上記と同様に明確なZ相の検出が可能である。
【0061】
また、第1の実施形態の場合と同様に、基準検出コイル8は8の字コイルである必要はなく、基準検出部7における電磁気特性の変化を検出できるものであればよい。また、基準検出コイルを配設する際の態様は、図10の場合に限らず、例えば第2の実施形態に示すような他の態様であってもよい。
【0062】
以上、上記各実施の形態で示したように、本発明に係る角度検出装置は、角度検出の精度を保ちつつ、回転角の基準となる基準位置、すなわちZ相を正確に検出することができる。
【0063】
なお、本発明に係る角度検出装置は、低速で回転する場合や、例えば車のハンドルの角度を検出するような高々半回転~数回転を時計方向、反時計方向に角度変化するようなものにも適用することができる。その場合、例えば、ロータ5の縁に1の突起構造を形成し、それを近接センサのような強磁性体が通過すると反応するセンサを複合化しておき(例えば、ハウジングの一部に多数巻きのリングコイルを設置し)、突起構造に近接するように配置し、突起構造が通過すればインダクタンスが増えて信号検出できるようにしてもよい。その際、角度検出装置1との共存性は、角度検出のコイルの外径よりロータ5の外径をやや大きくしておけば、ロータ5の突起が半径方向に対して影響を与えることはない。
【0064】
また、上記各実施形態においては、基準検出部7の長手方向が容易軸方向に沿って形成され、且つ、ロータ5の中心から放射方向に延びた矩形の長尺体として示されているが、例えば、図11(A)(B)に示すように、矩形以外の形状であってもよいし、図11(C)(D)に示すように、ロータ5の中心から放射方向に延びた長尺体である必要はない。すなわち、角度検出の精度を下げるような要因になることなく、ロータ5における他の箇所と異なる電磁気特性を有する構造であればよい。つまり、ロータ5の一部にこのような基準検出部7が形成されたとしても、回転対称の状態となっている限りは、角度検出における全体の出力を下げるだけで、検出精度に何ら影響することはなく、形状や位置は任意に設計することが可能である。
【0065】
さらに、基準検出コイル8は、ステータ3の円板体に一体的に形成されるのが望ましいが、その際に、角度検出コイル4a,4cや励磁コイル4b,4dと同時にプリント基板に形成されることで、2層基板でステータ3を作成することが可能となり、集積度を上げると共に、製造工程を簡素化することができる。
【実施例】
【0066】
本発明に係る角度検出装置を用いた実験を行った。本実験においては、上記第3の実施形態に係る図8に示す角度検出装置をベースとする試作品を作成した。つまり、8の字の基準検出コイルの周囲に励磁のための方形状の基準検出励磁コイルを備えるものとした。図12は、コイル及びロータの構造を示す図である。
【0067】
(1)実験条件
本実験で試作した角度検出装置は、高い粒子配向性を有する厚さ0.3mmの電磁鋼板(あるいは珪素鋼板)からなる円板にスリットを形成したロータ、厚さ0.3mmの無方向性電磁鋼板の円板からなるバックヨーク、及び、2つのセットコイル(励磁コイル及び検出コイルのセット)を有する。
【0068】
ロータは直径76mmのものを4つ作成し、スリット幅をそれぞれ1mm、2mm、3mm、及び、スリット無しとした。スリットの長さは15.5mmとし、ロータの中央から17mm離れるものとした。2つのセットコイル、基準位置を検出するための8の字コイル、及び、8の字コイルと鎖交するような磁界を発生させるための励磁コイルである方形コイルは、2つの0.4mmのプリント配線基板(PCB)で作成した。
【0069】
第1及び第2のサイン出力、コサイン出力のそれぞれのコイルの巻き数は10とし、方形コイルは5、8の字コイルは10とした。セットコイルの外径は75mmとし、ロータとバックヨークの外径は76mmとした。8の字コイルのサイズは21×13mm、方形コイルのサイズは27×15mmとした。ロータとコイルとが接触するのを避けるために、それらのギャップは2mmとした。ロータの回転速度は、3000回転/分(rpm)とした。
【0070】
位相検波及び正弦波の電源としてロックインアンプを使用した。供給された正弦波電圧は、それぞれ、P1にf=16kHz、802mV、79mAとし、P2にf=7kHz、725mV、79mAとし、P3にf=102kHz、290mV、56mAとした。このような条件下で、最大のZパルス出力と2つの正弦波出力が生成された。
【0071】
ロックインアンプの時定数はτ=0.1msとし、f=1/2πτ=1.6kHzのカットオフ周波数となる。Zパルス出力を得るために、ロックインアンプの位相器は一次コイルからの影響が最小となるように調整した。
【0072】
(2)実験結果
スリット幅が3mmのロータを3000rpmの速度で回転させたときの3種類の出力電圧(規格化後)を図13(A)に示す。実際の出力電圧は、検出コイルS1において20.2mV、検出コイルS2において15.6mV、S3の8の字コイルにおいて1.5mVであった。図13(A)の時間幅は、ロータが1回転半した場合を示している。上記実施形態において説明したように、スリットが8の字コイルの上を通ったときにZパルスが得られ、1回転ごとに急激な負方向の電圧が生じた直後に急激な正方向への電圧が得られた。8の字コイルは、コサイン波形を生成する検出コイルの中央に配設されており、この部分をスリットが通過する際には、回転対称となる位置におけるサイン波形を生成する検出コイルとその励磁コイルとの磁気結合が最大になり、このような位置関係によって、サイン波形の出力が最大になるときにZパルスが出力される。すなわち、Zパルスは、常にサインフェーズ出力のピークと一緒に現れるため、図13(B)に示すように、Zパルス出力とサインフェーズ出力を乗算することで容易に検出することが可能となる。つまり、Zパルス出力がサインフェーズ出力のピークで急峻に変化する。
【0073】
一方、スリット幅が2mmの場合は、そのピーク電圧は他の出力電圧と同じぐらい小さかった。また、スリット幅が1mmの場合は、そのピーク電圧は他の出力電圧よりも小さかった。それらは、サインフェーズ出力と乗算しても検出することができなかった。
【0074】
配向性を有する珪素鋼板は、市販品であり、その性質にはバラツキがあるが、複数のロータを用いて行った複数の実験結果は概ね同じとなった。また、配向性を有する珪素鋼板は、一軸性の磁気異方性を有する単結晶粒の集合体である。結晶粒のいくつかは、大部分の結晶粒の容易軸方向とはやや異なる容易軸方向を持つ場合があり、それらの通過は8の字コイルにより検出された。この誤った電圧は、スリット幅が1mm又は2mmの場合は、スリットに対するZパルス検出電圧に比べ大きくなる場合が認められた。しかし、スリット幅が3mmの場合は、そのスリットにより生じたZパルス出力の急激な電圧の変化を、誤動作を引き起こす誤った電圧と区別することができた。
【0075】
さらに、図13(A)に示すサイン波形の位相差は、ほぼπ/2となっている。図13(A)の2種類の出力電圧から、機械角2π区間の電気角を計算した結果を図14(A)に示す。-π/2からπ/2における電気角の値は、ロータが1回転する間に4回現れており、各直線におけるデータ数は同じである。このように、試作した角度検出装置は、機械角を正確に4つに分割した。
【0076】
傾斜部分の4つの直線の差は、±0.2%以内であり、π/2区間の機械角についてのデータの非直線性の誤差は平均して0.22%-0.27%の範囲であった。2つのサイン出力電圧に基づくπ/2区間の機械角に対応する±π/2区間の電気角を図14(B)に示す。また、この機械角の区間において、図14(B)のデータから算出した非直線性の誤差を図14(C)に示す。この誤差算出の際には、フルスケールをπとした(これは±π/2の範囲となる)。3mm幅のスリットを有するロータを用いた角度検出装置に関して、算出データの直線性は良好である。
【0077】
スリット幅が1mm、2mm、3mm及びスリット無しの4種類のロータをそれぞれ4個ずつ用いて実験を行った。それらは、夫々異なる珪素鋼板のシートから作成されたものである。平均のデータを表1に示す。
【0078】
【表1】
JP0006044050B2_000002t.gif

【0079】
スリット幅が1mmの場合と、スリットが無い場合はZパルスが検出されなかった。表1によると、スリットを有するロータと有しないロータとの非直線性の誤差及び第3高調波歪はほとんど同じである。すなわち、2種類のサイン波形の出力を損なうことなくZパルスを得ることが明らかとなった。
【符号の説明】
【0080】
1 角度検出装置
2 バックヨーク
3 ステータ
4a,4c 角度検出コイル
4b,4d 励磁コイル
5 ロータ
6 枢軸
7 基準検出部
8 基準検出コイル
10 基準検出励磁コイル
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13