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明細書 :光学装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-207428 (P2017-207428A)
公開日 平成29年11月24日(2017.11.24)
発明の名称または考案の名称 光学装置
国際特許分類 G01N  21/01        (2006.01)
FI G01N 21/01 D
請求項の数または発明の数 4
出願形態 OL
全頁数 11
出願番号 特願2016-101405 (P2016-101405)
出願日 平成28年5月20日(2016.5.20)
発明者または考案者 【氏名】鈴木 孝昌
出願人 【識別番号】304027279
【氏名又は名称】国立大学法人 新潟大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100106909、【弁理士】、【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100149548、【弁理士】、【氏名又は名称】松沼 泰史
【識別番号】100141139、【弁理士】、【氏名又は名称】及川 周
【識別番号】100147267、【弁理士】、【氏名又は名称】大槻 真紀子
審査請求 未請求
テーマコード 2G059
Fターム 2G059EE09
2G059EE12
2G059GG01
2G059HH01
2G059JJ05
2G059JJ13
2G059JJ19
2G059JJ22
2G059KK01
要約 【課題】光を光源に戻すためのミラーを有する光学装置に比べて光の利用効率が高く、広い範囲の波長走査ができ、構造がシンプルで堅牢、コンパクトな光学装置を提供する。
【解決手段】光源から入射される光を出射光として出射し、出射する出射光の出射角を、入力される信号に応じて偏向する偏向部と、偏向部から出射される出射光を分散し、分散される光のうち出射角と対応する波長の光を、反射光として偏向部に対して反射する分散反射部と、を備え、偏向部から光源に対して出力される反射光と光源から偏向部に入射される光とが共振した共振光を出力する光学装置である。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
光源から入射される光を出射光として出射し、出射する前記出射光の出射角を、入力される信号に応じて偏向する偏向部と、
前記偏向部から出射される前記出射光を分散し、分散される光のうち前記出射角と対応する波長の光を、反射光として前記偏向部に対して反射する分散反射部と、
を備え、
前記偏向部から前記光源に対して出力される前記反射光と前記光源から前記偏向部に入射される光とが共振した共振光を出力する
光学装置。
【請求項2】
前記分散反射部は、前記偏向部との相対位置が固定されている
請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記偏向部は、前記入力される信号の電圧に応じて結晶構造が変化する光学部材を備え、
前記結晶構造に基づいて前記光の前記出射角を偏向する
請求項1又は請求項2に記載の光学装置。
【請求項4】
前記偏向部は、前記入力される信号の周波数に応じて結晶構造が変化する光学部材を備え、
前記結晶構造に基づいて前記光の前記出射角を偏向する
請求項1又は請求項2に記載の光学装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光計測技術が、近年盛んに研究されている。なかでもレーザー光の波長を走査して干渉信号を取得し計測対象の内部情報を観察できる、いわゆる、光コヒーレンストモグラフィは、その代表的な計測技術である。この計測技術の精度及び測定時間を向上させるためには、波長走査幅が広く、走査速度の速い波長走査光源が必要である。従来、KTN結晶を用いた、波長走査光源が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2014-126599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された波長走査光源は、リットマンタイプの波長走査光源である。リットマンタイプの波長走査光源では、光源から出力される光が回折格子に当たり分散し、分散した光のうち取得したい波長の光をミラーによって光源に戻す。取得したい波長の光は、このミラーによって反射する際などに光強度が低下してしまうという課題があった。
本発明の課題は、光を光源に戻すためのミラーを有する光学装置に比べて光の利用効率が高く、広い範囲の波長走査ができ、構造がシンプルで堅牢、コンパクトな光学装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の光学装置は、本発明の一態様は、光源から入射される光を出射光として出射し、出射する前記出射光の出射角を、入力される信号に応じて偏向する偏向部と、前記偏向部から出射される前記出射光を分散し、分散される光のうち前記出射角と対応する波長の光を、反射光として前記偏向部に対して反射する分散反射部と、を備え、前記偏向部から前記光源に対して出力される前記反射光と前記光源から前記偏向部に入射される光とが共振した共振光を出力する。
【0006】
また、本発明の他の光学装置は、前記分散反射部は、前記偏向部との相対位置が固定されている。
【0007】
また、本発明の他の光学装置は、前記偏向部は、前記入力される信号の電圧に応じて結晶構造が変化する光学部材を備え、前記結晶構造に基づいて前記光の前記出射角を偏向する。
【0008】
また、本発明の他の光学装置は、前記偏向部は、前記入力される信号の周波数に応じて結晶構造が変化する光学部材を備え、前記結晶構造に基づいて前記光の前記出射角を偏向する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光を光源に戻すためのミラーを有する光学装置に比べて光の利用効率が高く、広い範囲の波長走査ができ、構造がシンプルで堅牢、コンパクトな光学装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係る計測装置の外観構成の一例を示す図である。
【図2】光学装置の構成の一例を示す図である。
【図3】近赤外レーザーの波長帯域幅の一例を示す図である。
【図4】計測装置の動作の一例を示した流れ図である。
【図5】分散反射部において分散及び反射される光の入射角を変えることによって選択される波長の光の一例について説明する図である。
【図6】計測器が観測した共振光の波長走査幅の一例について示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態1に係る計測装置1の構成の一例]
以下、実施形態1の計測装置1について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態1に係る計測装置1の外観構成の一例を示す図である。

【0012】
計測装置1は、電源OSCと、光源11と、レンズLと、偏光ビームスプリッターPBSと、光学装置10と、ビームスプリッターBSと、ミラーM1と、ミラーM2と、フォトダイオードPDと、パーソナルコンピュータPCとを備える。

【0013】
電源OSCは、光源11に対して駆動電流を供給する。
光源11は、電源OSCから供給される駆動電流に応じて、さまざまな波長を含む光λmを出射光として出射する。なお、以下の説明において、光源11は、反射防止コート付き近赤外レーザーである。光源11は、ペルチェ温度コントローラによって、温度を25±0.01(℃)に保たれる。また、光源11の駆動電流は100(mA)である。
レンズLは、光源11から出力されるさまざまな波長を含む光λmを平行光にする。
偏光ビームスプリッターPBSは、レンズLが平行光にした光を光学装置10及びビームスプリッターBSに対して出射する。
光学装置10には、偏光ビームスプリッターPBSから出射されるさまざまな波長を含む光λmが入射される。光学装置10は、入射されるさまざまな波長の光の中から、特定の波長の光のみを出射する。この一例では、光学装置10から出射される特定の波長の光を、波長λ1の光として説明する。光学装置10から出射される波長λ1の光は、偏光ビームスプリッターPBS及びレンズLを介して、光源11に入射される。光源11に入射した波長λ1の光は、光源11が出射するさまざまな波長の光のうち波長λ1の光とのみ共振する。光源11は、共振した波長λ1の光を共振光として出力する。
ビームスプリッターBSは、偏光ビームスプリッターPBSから出射される光が入射される。ビームスプリッターBSは、入射される光を分光し、ミラーM1、ミラーM2及びフォトダイオードPDに対して出射する。
ミラーM1、ミラーM2及びビームスプリッターBSは、干渉計を構成する。この一例では、ミラーM1、ミラーM2及びビームスプリッターBSは、Twyman-Green干渉計を構成している。干渉計には、光源11が出力する波長λ1の共振光が入射され、波長λ1の共振光同士を干渉させる。フォトダイオードPDと接続されるパーソナルコンピュータPCは、Twyman-Green干渉計に入射された波長λ1の共振光同士の干渉信号を観測する。なお、ミラーM1、ミラーM2及びビームスプリッターBSが構成する干渉計は、Twyman-Green干渉計に限られない。

【0014】
次に、図2を参照して、光学装置10の構成について説明する。
図2は、光学装置10の構成の一例を示す図である。
光学装置10は、偏向部12と、分散反射部13と、計測部14と、信号出力部15とを備える。
信号出力部15は、偏向部12に対して信号S1を出力する。信号S1とは、電圧が変化する信号、又は、周波数が変化する信号である。
偏向部12は、光源11から入射される光を出射光として出射し、出射する出射光の出射角αを、信号出力部15から入力される信号S1に応じて偏向する。ここで、出射角αは、偏向部12から偏向されずに出射される光の光軸に対する偏向角のことである。偏向部12は、信号出力部15から出力される信号S1を取得する。偏向部12は、分散反射部13への入射角θiを、取得した信号S1に応じて偏向する。入射角θiとは、分散反射部13の分散反射面の法線ベクトルNVに対する角度である。偏向部12は、光源11から入射される光を、分散反射部13に対して、入射角θiの角度をつけて出射する。以下の説明では、偏向部12とは、入力される信号S1の周波数に応じて結晶構造が変化する光学部材を備え、結晶構造に基づいて入射された光を偏向角αだけ偏向する音響光学偏向素子(Acousto-optic deflector;AOD)である。音響光学偏向素子は、入力される信号S1の周波数に応じて内部の結晶構造が変化する。音響光学偏向素子は、内部の結晶構造が変化することにより、屈折率が周期的に変化する。音響光学偏向素子は、入射された光の出射角αを変える。なお、偏向部12は、入力される信号S1に基づいて出射角αを変えるものであればよい。具体的には、偏向部12は、入力される信号S1の電圧に応じて結晶構造が変化する光学部材を備え、結晶構造に基づいて光の出射角αを偏向する液晶パネルなどの、入力される信号S1の電圧に応じて結晶構造が変化する光学部材であってもよい。つまり、偏向部12は、出射する光の出射角αを入力される信号S1に応じて偏向することにより、分散反射部13に対して入射される光の入射角θiを変化させる。

【0015】
分散反射部13とは、光学素子である。分散反射部13は、偏向部12から出射されるさまざまな波長を含む光λmを分散する。また、分散反射部13によって分散した光の回折角をθdとすると、回折角θdと同じ角度θi(θd=θi)で反射した波長λ1の光のみが偏向部12を通って光源11に戻る。光源11は、波長λ1の光によって共振する。より具体的には、分散反射部13は、回折格子や、分光器である。なお、分散反射部13には、偏向部12と分散反射部13との相対位置を変化させる可動装置(不図示)が備えられていてもよい。この場合、偏向部12と分散反射部13との相対位置のみを変えることにより反射光を選択する分散反射部13と比較して、偏向部12は出射角αを変化させられることにより、分散反射部13の可動する範囲を抑えることができる。本実施形態において、偏向部12と分散反射部13との相対位置は固定される。以下の説明では、分散反射部13は、金コートが施された格子定数N=830(本/mm)の回折格子である。
回折格子により選択される波長λ1は、式(1)によって求めることができる。

【0016】
【数1】
JP2017207428A_000003t.gif

【0017】
ここで、式(1)に含まれるλ1は、光学装置10によって選択される光の波長である。式(1)に含まれるNは、回折格子定数(本/mm)である。式(1)に含まれるθiは、分散反射部13に入射する光の入射角θiである。つまり、光学装置10は、偏向部12から分散反射部13に対して入射するさまざまな波長を含む光λmの入射角θiを変化させることにより、光源11と共振させる波長λ1の光を選択する。

【0018】
光源11は、偏向部12から光源11に対して入力される波長λ1の反射光と、光源11から偏向部12に出射される光のうち波長λ1の光と共振し、波長λ1の共振光を出力する。
計測器14は、光源11から出力される共振光を計測する。

【0019】
次に、分散反射部13に入射する光の入射角θiを入射角Δθi分更に変化させた場合に、選択される波長Δλは、式(3)によって求めることができる。式(3)は、式(2)中のλ1に式(1)を代入し、変形したものである。

【0020】
【数2】
JP2017207428A_000004t.gif

【0021】
式(2)に含まれるΔθiとは、変化させた分の入射角Δθiである。

【0022】
【数3】
JP2017207428A_000005t.gif

【0023】
次に、光学装置10の波長変化量と、従来の装置(不図示)の波長変化量とを比較する。従来の装置とは、偏向部12と、分散反射部13と、固定されたミラー(不図示)とを備えるリットマンタイプの波長走査光源を備える装置である。従来の装置が選択する光の波長変化量の算出式について説明する。
従来の装置は、分散反射部13に入射する光の入射角θiを変化させることにより、さまざまな波長を含む光λmを分散し、波長λ1の光を選択する。選択された波長λ1の光は、入射角θiに角度θdを加えて、固定されたミラーに対して反射される。角度θdとは、分散反射部13の法線ベクトルに対する角度である。分散反射部13から反射された波長λ1の光は、固定されたミラーによって垂直に反射され、分散反射部13及び偏向部12を介して光源11に戻る。
ここで、従来の装置が選択する波長λ1は、数(4)によって求めることができる。

【0024】
【数4】
JP2017207428A_000006t.gif

【0025】
ここで、式(4)に含まれるλ1は、従来の装置によって選択される光の波長である。式(4)に含まれるNは、回折格子定数(本/mm)である。式(4)に含まれるθiは、分散反射部13に入射する光の入射角θiである。式(4)及び式(5)に含まれるθdとは、分散反射部13の法線ベクトルに対する角度θdである。

【0026】
次に、従来の装置が分散反射部13に入射する光の入射角θiを入射角Δθi分更に変化させた場合に、選択される波長Δλは、式(6)によって求めることができる。式(6)は、式(5)中のλ1に式(4)を代入し、変形したものである。

【0027】
【数5】
JP2017207428A_000007t.gif

【0028】
式(5)に含まれるΔθiとは、変化させた分の入射角Δθiである。

【0029】
【数6】
JP2017207428A_000008t.gif

【0030】
光学装置10の波長変化量と、従来の装置の波長変化量とを比較すると、光学装置10の波長変化量は、従来の装置の波長変化量の2倍の変化量である。つまり、光学装置10は、従来の装置よりも広範囲な波長の走査ができる。

【0031】
図3に、光源11が出力する出射光のスペクトルの一例を示す。
図3は、近赤外レーザーの波長帯域幅の一例を示す図である。
光源11が出力する共振光の中心波長は818(nm)である。また、光源11が出力する共振光の波長帯域幅は60(nm)である。

【0032】
[実施形態1に係る計測装置1の動作の一例]
次に、図4を参照して計測装置1の動作の一例について説明する。
図4は、計測装置1の動作の一例を示した流れ図である。
偏向部12へは、光源11からさまざまな波長を含む光λmが入射される(ステップS110)。偏向部12は、信号出力部15から出力される信号に応じて、光源11から入射されたさまざまな波長を含む光λmの出射角αを偏向する(ステップS120)。偏向部12は、光源11から出射されたさまざまな波長を含む光λmを偏向し、分散反射部13に対して、入射角θiの角度をつけて入力する(ステップS130)。分散反射部13は、偏向部12から入力されるさまざまな波長を含む光λmを分散し、入射角θiと対応する波長λ1の光を偏向部12に対して反射する。偏向部12は、分散反射部13から反射された波長λ1の光を光源11に対して出力する。光源11は、偏向部12から出力された波長λ1の光と共振する。光源11は、波長λ1と共振した共振光を出力する。計測器14は、光源11から出力される共振光を計測する(ステップS140)。

【0033】
次に、図5を参照して、分散反射部13において分散及び反射される光について説明する。
図5は、分散反射部13において分散及び反射される光の入射角を変えることによって選択される波長の光の一例について説明する図である。
偏向部12から出力されるさまざまな波長を含む光λmは、分散反射部13に当たると様々な方向に角度分散する。このとき、図5(a)に示すように偏向部12から出力されるさまざまな波長を含む入射光R1a(さまざまな波長を含む光λmの一例)は、入射角θ1で分散反射部13に入射すると、そのまま偏向部12に反射される波長λ1の光と、分散した他の波長λ0、波長λ2及び波長λ3の分散光とに分かれる。0次光W0-aは、入射角θ1と同じ角度をもって反射する。次に、図5(b)に示すように偏向部12から出力されるさまざまな波長を含む入射光R1b(さまざまな波長を含む光λmの一例)は、入射角θ2で分散反射部13に入射すると、そのまま偏向部12に反射される波長λ2の光と、分散した他の波長λ0、波長λ1及び波長λ3の分散光とに分かれる。0次光W0-bは、入射角θ2と同じ角度をもって反射する。偏向部12から入射されるさまざまな波長を含む光λmの入射角θiは、最大の回折効率が得られるブレーズ角近傍に調整されている。ここで、上述した波長λ0から波長λ3までの分散光は一例であって、分散反射部13において、偏向部12から出力されるさまざまな波長を含む光λmは、実際にはより多くの波長の光に分散される。分散反射部13において分散された分散光のうち、入射角θiと対応する波長の分散光が、偏向部12に反射される。
偏向部12から出射されるさまざまな波長を含む光λmは、幅WIを持って複数の回折面に当たる。分散反射部13において、それぞれ波長λ0から波長λ3までの分散される分散光のうち、入射角θiと対応する特定の波長をもつ分散光が、効率よく偏向部12に反射される。

【0034】
次に、図6を参照して、光源11が出力する図3に示す波長の光と、光学装置10から出力される波長λ1との光が共振した共振光の波長走査幅について説明する。
図6は、計測器14が観測した共振光の波長走査幅の一例について示す図である。
共振光は、37(nm)の波長走査幅である。

【0035】
以上説明したように、計測装置1は、光源11と、光学装置10とを備える。光学装置10は、偏向部12と、分散反射部13と、信号出力部15とを備える。偏向部12は、信号出力部15から出力される信号に応じて、内部の結晶構造を変化させる。偏向部12は、内部の結晶構造を変化させることにより、回折格子を構成する。偏向部12は、光源11から出力されるさまざまな波長を含む光λmを、構成した回折格子によって偏向し、入射角θiの角度をつけて分散反射部13に対して出射する。分散反射部13は、偏向部12から出射される光を分散し、分散光を反射する。分散反射部13は、入射角θiに応じて得られる波長λ1の分散光を、偏向部12に対して反射する。

【0036】
このように構成することにより、反射光である波長λ1の光は、偏向部12から分散反射部13に対する光の入射角θiによって選択される。また、選択された反射光である波長λ1の光は、光源11に戻る光路上において、光源11に反射光を戻すためのミラーに当たることがない。また、反射光を光源11に戻すためのミラーが必要なくなる。したがって、ミラーに反射される際に低減する光強度の低下がない。また、光学装置10の構造がシンプルになる。偏向部12に戻った反射光である波長λ1の光は、光強度の低下を抑制することができる。光源11は、光強度の低減を抑制された波長λ1の光と共振する。つまり、光学装置10は光の利用効率が高く、出力の低い光源11を用いても、安定した波長走査を行うことができる。

【0037】
偏向部12は、信号出力部15から出力される信号に応じて、光源11から出力されるさまざまな波長を含む光λmを偏向する。偏向部12は、分散反射部13に対して、ブレーズ角近傍の入射角θiを持つように、さまざまな波長を含む光λmを偏向できるため、分散反射部13は、偏向部12との相対位置を変化させて、反射光の波長を選択する必要がない。つまり、分散反射部13に可動部を設ける必要が無く、光学装置10を分散反射部13が可動する場合と比較して小型化できる。また、分散反射部13に可動部を設ける必要が無いため、光学装置10の耐衝撃性を上げることができる。また、分散反射部13に可動部を設ける必要が無いため、可動による機器の部品劣化が起きないため、光学装置10の長寿命化を図ることができる。さらに、分散反射部13を可動部させて反射光の波長を選択する必要が無いため、分散反射部13を可動させる場合と比較して高速な波長走査を行える。

【0038】
また、偏向部12は、入力される信号に基づいて、光の入射角θiを変化させることができる。そのため、偏向部12は、分散反射部13に対する入射角θiの精度を高めることができる。偏向部12とは、入力される信号S1の電圧に応じて結晶構造が変化する光学部材である。偏向部12は、入力される信号S1の電圧に応じて光の出射角αを偏向することができる。偏向部12に、液晶パネルなどの部材を用いることにより、安価に光学装置10を構成することができる。また、偏向部12とは、入力される信号S1の周波数に応じて結晶構造が変化する光学部材である。偏向部12は、入力される信号S1の周波数に応じて光の出射角αを偏向することができる。偏向部12に音響光学偏向素子などの部材を用いることにより、液晶パネルなどの部材を用いる場合と比較して、音響光学偏向素子に使われる光学結晶の回折効率が高いため、精度よく光の出射角αを偏向することができる。

【0039】
ここで、偏向部12から出射されるさまざまな波長を含む光λmの入射角θiを変えることにより、所望する波長λ1の反射光を得られることは直感的には理解し辛いものであった。なぜならば、幅を持たない光が偏向部12から出力され、ある角度をもって分散反射部13に入射すると、所望する波長λ1の反射光は偏向部12に対して反射することは無いからである。しかし、光源11及び偏向部12から出力されるさまざまな波長を含む光λmには幅があり、幅を持たない光にはならず、分散反射部13から反射光として所望する波長λ1の光が戻ってくることがわかった。つまり、光学装置10は、偏向部12からの出射角αを変えることにより、所望する波長λ1を得られる。

【0040】
以上、本発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 計測装置
10 光学装置
11 光源
12 偏向部
13 分散反射部
14 計測器
15 信号出力部
M1,M2 ミラー
PBS 偏光ビームスプリッター
BS ビームスプリッター
PD フォトダイオード
L レンズ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5