TOP > 国内特許検索 > トリパノソーマ感染症の検出方法 > 明細書

明細書 :トリパノソーマ感染症の検出方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-191581 (P2016-191581A)
公開日 平成28年11月10日(2016.11.10)
発明の名称または考案の名称 トリパノソーマ感染症の検出方法
国際特許分類 G01N  33/569       (2006.01)
G01N  33/53        (2006.01)
C07K  14/44        (2006.01)
FI G01N 33/569 ZNAA
G01N 33/53 N
C07K 14/44
請求項の数または発明の数 13
出願形態 OL
全頁数 21
出願番号 特願2015-070777 (P2015-070777)
出願日 平成27年3月31日(2015.3.31)
発明者または考案者 【氏名】藤井 仁人
【氏名】金子 聡
【氏名】モーゼス マチル ムワウ
【氏名】サムソン ムウオ ンゾウ
出願人 【識別番号】504205521
【氏名又は名称】国立大学法人 長崎大学
【識別番号】515087525
【氏名又は名称】ケニア メディカル リサーチ インスティテュート
個別代理人の代理人 【識別番号】100080791、【弁理士】、【氏名又は名称】高島 一
【識別番号】100125070、【弁理士】、【氏名又は名称】土井 京子
【識別番号】100136629、【弁理士】、【氏名又は名称】鎌田 光宜
【識別番号】100121212、【弁理士】、【氏名又は名称】田村 弥栄子
【識別番号】100117743、【弁理士】、【氏名又は名称】村田 美由紀
【識別番号】100163658、【弁理士】、【氏名又は名称】小池 順造
【識別番号】100174296、【弁理士】、【氏名又は名称】當麻 博文
審査請求 未請求
テーマコード 4H045
Fターム 4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA20
4H045DA75
4H045DA86
4H045EA50
4H045FA20
4H045FA74
要約 【課題】アフリカトリパノソーマ症を迅速、簡便かつ高感度に診断するための手段を提供する。
【解決手段】配列番号1に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG64)、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG65)、配列番号3に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(FCaBP)および配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(GM6)からなる群より選ばれる少なくとも3種の抗原を含有するアフリカトリパノソーマ症の診断薬、固相と前記抗原とを含み、該抗原は該固相に結合してなる、アフリカトリパノソーマ症の診断用キット、ならびに(1)被験者由来の生体試料と前記抗原とを接触させ、生体試料に含まれる該抗原に対する抗体と該抗原との複合体を形成させる工程;および(2)工程(1)で形成された複合体中の抗体を検出する工程;を含む、アフリカトリパノソーマ症の検出方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
配列番号1に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG64)、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG65)、配列番号3に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(FCaBP)および配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(GM6)からなる群より選ばれる少なくとも3種の抗原を含有するアフリカトリパノソーマ症の診断薬。
【請求項2】
該抗原がISG64、ISG65およびFCaBPの3種、またはISG64、ISG65、FCaBPおよびGM6の4種である、請求項1に記載の診断薬。
【請求項3】
抗ヒトIgG抗体および抗ヒトIgM抗体からなる群より選ばれる少なくとも1種の抗体をさらに含有する、請求項1または2に記載の診断薬。
【請求項4】
該抗原が固相に結合している、請求項1~3のいずれか1項に記載の診断薬。
【請求項5】
該抗原および該抗体が固相に結合している、請求項3に記載の診断薬。
【請求項6】
固相と、配列番号1に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG64)、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG65)、配列番号3に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(FCaBP)および配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(GM6)からなる群より選ばれる少なくとも3種の抗原とを含み、該抗原は該固相に結合してなる、アフリカトリパノソーマ症の診断用キット。
【請求項7】
該抗原がISG64、ISG65およびFCaBPの3種、またはISG64、ISG65、FCaBPおよびGM6の4種である、請求項6に記載のキット。
【請求項8】
抗ヒトIgG抗体および抗ヒトIgM抗体からなる群より選ばれる少なくとも1種の抗体をさらに含有してなる、請求項6または7に記載のキット。
【請求項9】
抗ヒトIgG抗体および/または抗ヒトIgM抗体を検出する試薬をさらに含有してなる、請求項6~8のいずれか1項に記載のキット。
【請求項10】
該検出試薬が該抗ヒトIgG抗体および/または抗ヒトIgM抗体に結合している、請求項9に記載のキット。
【請求項11】
下記の工程:
(1)被験者由来の生体試料と、
配列番号1に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG64)、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG65)、配列番号3に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(FCaBP)および配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(GM6)からなる群より選ばれる少なくとも3種の抗原とを接触させ、生体試料に含まれる該抗原に対する抗体と該抗原との複合体を形成させる工程;および
(2)工程(1)で形成された複合体中の抗体を検出する工程;
を含む、アフリカトリパノソーマ症の検出方法。
【請求項12】
工程(2)が抗ヒトIgG抗体および抗ヒトIgM抗体からなる群より選ばれる少なくとも1種の抗体を用いて、複合体中の該抗原に対する抗体を検出する、請求項11に記載の検出方法。
【請求項13】
工程(2)が抗ヒトIgG抗体および抗ヒトIgM抗体の2種の抗体を用いて、複合体中の該抗原に対する抗体を検出する、請求項11に記載の検出方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、トリパノソーマ感染症の検出方法に関し、ヒトアフリカトリパノソーマ症の血清診断の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトアフリカトリパノソーマ症(HAT)、すなわち、アフリカ睡眠病は、トリパノソーマ原虫による感染症である。トリパノソーマは、キネトプラスト類に分類される原生生物であり、ヒトに病原性を示すのは、アメリカ大陸のシャーガス病を引き起こすTrypanosoma cruziと、アフリカ大陸でアフリカ睡眠病を引き起こすTrypanosoma brucei gambiense (T.b.g)とTrypanosoma brucei rhodesiense (T.b.r)である。アフリカ睡眠病は、ツェツェバエが媒介するが、病原体トリパノソーマは、その表面抗原(variant surface glycoprotein:VSG)を変異させることにより、ヒトの免疫機構を回避し、血中に存在している。VSGは変異により無限に近い種類を包含することが可能であるが、感染原虫はその内1種類のみを発現している。ヒトの免疫が成立して原虫は破壊されるが、免疫が成立する前に微量の変異体が現れるため、新たなVSGを持つ原虫は増殖することができる。一方、シャーガス病では、トリパノソーマは細胞内に寄生することで、免疫機構を回避している。
【0003】
アフリカトリパノソーマ症は、感染後、発熱等の急性期(第1期)と、その後睡眠が不確定になり最終的には昏睡状態となる後期(第2期)に分けられる。gambiense型トリパノソーマでは、急性疾患発症後数カ月から数年で中枢神経系症状が現れるが、rhodesiense 型トリパノソーマでは、急性疾患発症後数週間から数カ月以内に中枢神経系への侵入が起こる(非特許文献1)。そのため、なるべく早期に診断を行う必要がある。
【0004】
アフリカトリパノソーマ症の診断方法として以下の検出方法が用いられている。
1)原虫検出法
疾患初期には、生標本またはギムザ染色した末梢血薄層または厚層塗抹標本中、または腫脹リンパ節からの吸引液中のトリパノソーマを顕微鏡観察により検出することにより診断する。進行期においては、トリパノソーマが遠心分離した脳脊髄液中のみで検出されることがある。この方法は、原虫が一定数増殖した場合に有効であり、早期発見は難しい。しかし、アフリカトリパノソーマ症の確定診断には、患者の血液または脳脊髄液中に寄生するトリパノソーマ原虫を顕鏡で検出することが一般的である。
2)抗原検出法
血清学的検査(免疫蛍光検査、ELISA、ウエスタンブロット、カード凝集反応など)を用いて抗原を検出するが、抗原性が高い表面抗原VSGを測定対象とする場合は、変異に対応できず、検出感度が低くなる。
3)遺伝子検出法
PCR法またはLAMP法を用いてトリパノソーマ遺伝子を検出する方法は、検体中のトリパノソーマDNAを高感度に検出できるが、当該検出方法の実施には安定的な電力供給や実験室の設備に加え、高価な装置や試薬、分子生物学的実験技術の習得が必要である。したがって、熱帯地方のフィールド診断法としては普及が困難である。
【0005】
シャーガス病を引き起こすTrypanosoma cruzi感染の検出および診断方法としては、4つの組換えポリペプチドを使用する方法が知られている(特許文献1)。
また、ヒトアフリカトリパノソーマ症(HAT)の診断のため、HAT患者から得たIgGとTrypanosoma brucei brucei(T.b.b.)のLysateを用いたプロテオミクス実験でいくつかの抗原が同定されている(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2010-507100
【0007】

【非特許文献1】メルクマニュアル第18版 セクション-感染性疾患、章-腸外原虫 アフリカトリパノソーマ症 改定2005年11月
【非特許文献2】PLOS Neglected Tropical Diseases 2013, Vol.7(2) e2087
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
トリパノソーマ(Trypanosoma brucei)のゲノム解読は2005年に終了している。遺伝子のかなりの部分が外郭蛋白(variant surface glycoprotein:VSG)に関するもので、細胞分裂時に発現するVSGが頻繁に入れ替わることで、宿主の免疫機構を回避していることが判明した。したがって、通常の方法で検出感度・特異度を上げることは難しい。
本発明の目的は、アフリカトリパノソーマ症を迅速、簡便かつ高感度に診断するための手段を提供することにある。特に、アフリカトリパノソーマ症のポイントオブケア検査(POCT)に適する手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意検討した結果、トリパノソーマのVSGとは異なり変異の少ない抗原を複数見出し、IgG検出系に加えてIgM検出系を組み合わせることで、アフリカトリパノソーマ症を高感度かつ高特異度で検出できることに到達し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、以下のものを提供する。
〔1〕 配列番号1に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG64)、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG65)、配列番号3に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(FCaBP)および配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(GM6)からなる群より選ばれる少なくとも3種の抗原を含有するアフリカトリパノソーマ症の診断薬。
〔2〕 該抗原がISG64、ISG65およびFCaBPの3種、またはISG64、ISG65、FCaBPおよびGM6の4種である、〔1〕に記載の診断薬。
〔3〕 抗ヒトIgG抗体および抗ヒトIgM抗体からなる群より選ばれる少なくとも1種の抗体をさらに含有する、〔1〕または〔2〕に記載の診断薬。
〔4〕 該抗原が固相に結合している、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の診断薬。
〔5〕 該抗原および該抗体が固相に結合している、〔3〕に記載の診断薬。
〔6〕 固相と、配列番号1に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG64)、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG65)、配列番号3に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(FCaBP)および配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(GM6)からなる群より選ばれる少なくとも3種の抗原とを含み、該抗原は該固相に結合してなる、アフリカトリパノソーマ症の診断用キット。
〔7〕 該抗原がISG64、ISG65およびFCaBPの3種、またはISG64、ISG65、FCaBPおよびGM6の4種である、〔6〕に記載のキット。
〔8〕 抗ヒトIgG抗体および抗ヒトIgM抗体からなる群より選ばれる少なくとも1種の抗体をさらに含有してなる、〔6〕または〔7〕に記載のキット。
〔9〕 抗ヒトIgG抗体および/または抗ヒトIgM抗体を検出する試薬をさらに含有してなる、〔6〕~〔8〕のいずれかに記載のキット。
〔10〕 該検出試薬が該抗ヒトIgG抗体および/または抗ヒトIgM抗体に結合している、〔9〕に記載のキット。
〔11〕 下記の工程:
(1)被験者由来の生体試料と、
配列番号1に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG64)、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(ISG65)、配列番号3に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(FCaBP)および配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド(GM6)からなる群より選ばれる少なくとも3種の抗原とを接触させ、生体試料に含まれる該抗原に対する抗体と該抗原との複合体を形成させる工程;および
(2)工程(1)で形成された複合体中の抗体を検出する工程;
を含む、アフリカトリパノソーマ症の検出方法。
〔12〕 工程(2)が抗ヒトIgG抗体および抗ヒトIgM抗体からなる群より選ばれる少なくとも1種の抗体を用いて、複合体中の該抗原に対する抗体を検出する、〔11〕に記載の検出方法。
〔13〕 工程(2)が抗ヒトIgG抗体および抗ヒトIgM抗体の2種の抗体を用いて、複合体中の該抗原に対する抗体を検出する、〔11〕に記載の検出方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、アフリカトリパノソーマ症の迅速かつ簡便な判定手段が提供され、アフリカトリパノソーマ症のポイントオブケア検査(POCT)が可能になる。
本発明の診断薬および診断キットによれば、トリパノソーマ感染の有無、アフリカトリパノソーマ症の罹患の有無を高感度、特異的かつ簡便に判定することができる。本発明の検出方法によれば、アフリカトリパノソーマ症の感染の有無を単独で、あるいは他の診断方法と組み合わせて適切に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】T.b.g.抗原およびL. donovani抗原に対する箱ひげ図である。箱ひげは、抗原に対する蛍光シグナルを表す。A-H:T.b.g.抗原、I-K:L. donovani抗原。箱は、25パーセンタイル値ないし75パーセンタイル値の境界線および箱内の中央値を示す。ひげは10パーセンタイル値および90パーセンタイル値を示す。使用した血清は以下の通りである。Cg :T.b.g.患者に対する健常人コントロール、Pg1:T.b.g.患者stage 1、Pg2:T.b.g.患者stage 2、Cr :T.b.r.患者に対する健常人コントロール、Pr:T.b.r.患者およびLd:内臓リーシュマニア患者。
【図2】T.b.g.抗原をIgM検出系で測定した反応性を示すヒートマップである。Cg :T.b.g.患者に対する健常人コントロール、Pg1:T.b.g.患者stage 1、Pg2:T.b.g.患者stage 2およびVL:内臓リーシュマニア患者。×:陰性、●:陽性、○:強陽性。
【図3】T.b.r.抗原をIgM検出系で測定した反応性を示すヒートマップである。Cr :T.b.r.患者に対する健常人コントロール、Pr1:T.b.r.患者stage 1、Pr2:T.b.r.患者stage 2およびVL:内臓リーシュマニア患者。×:陰性、●:陽性、○:強陽性。
【図4】L. donovani抗原をIgM検出系で測定した反応性を示すヒートマップである。Cg :T.b.g.患者に対する健常人コントロール、Cr :T.b.r.患者に対する健常人コントロールおよびVL:内臓リーシュマニア患者。×:陰性、●:陽性、○:強陽性。
【図5】非トリパノソーマ抗原をIgM検出系で測定したグラフである。Cg :T.b.g.患者に対する健常人コントロールおよびPg:T.b.g.患者(stage 1およびstage 2を含む)。
【図6】イムノクロマトグラフィー法の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書において、アミノ酸、(ポリ)ペプチド、(ポリ)ヌクレオチドなどの略号による表示は、IUPAC-IUBの規定〔IUPAC-IUB Communication on Biological Nomenclature, Eur. J. Biochem., 138: 9 (1984)〕、「塩基配列またはアミノ酸配列を含む明細書等の作成のためのガイドライン」(日本国特許庁編)、および当該分野における慣用記号に従う。

【0014】
定義
本発明において、トリパノソーマとは、キネトプラスト類に分類される原生生物をいう。ヒトに病原性を示すのは、アメリカ大陸のシャーガス病を引き起こすTrypanosoma cruziと、アフリカ大陸でアフリカ睡眠病を引き起こすTrypanosoma brucei gambiense (T.b.g.)とTrypanosoma brucei rhodesiense (T.b.r.)である。本発明においては、Trypanosoma brucei gambiense (T.b.g.)およびTrypanosoma brucei rhodesiense (T.b.r.)を対象とする。

【0015】
本発明において、ヒトアフリカトリパノソーマ症(HATまたはアフリカ睡眠病ともいう)とは、ツェツェバエが媒介するTrypanosoma brucei gambiense (T.b.g.)またはTrypanosoma brucei rhodesiense (T.b.r.)を病原体とする感染症をいう。本発明において、「ヒトアフリカトリパノソーマ症」と「アフリカトリパノソーマ症」とは同義に使用する。トリパノソーマは、その表面抗原(VSG)を変異させることにより、ヒトの免疫機構を回避し、血中に存在している。VSGは変異により無限に近い種類を包含することが可能であるが、感染原虫はその内1種類のみを発現している。ヒトの免疫が成立して原虫は破壊されるが、免疫が成立する前に微量の変異体が現れるため、新たなVSGを持つ原虫は増殖することができる。アフリカトリパノソーマ症は、輸血を介しても伝播しうる。

【0016】
アフリカトリパノソーマ症は、感染後、発熱等の急性期(第1期)と、その後睡眠が不確定になり最終的には昏睡状態となる後期(第2期)に分けられる。gambiense型トリパノソーマでは、急性疾患発症後数カ月から数年で中枢神経系症状が現れるが、rhodesiense 型トリパノソーマでは、急性疾患発症後数週間から数カ月以内に中枢神経系への侵入が起こる。そのため、なるべく早期に診断を行う必要がある。

【0017】
本発明において、アフリカトリパノソーマ症の罹患の有無を判定するとは、一定の基準に照らした評価、検査を行なうことを含む意であり、本発明単独で、あるいは別の検査と組み合わせて総合的に判定することも含む。
アフリカトリパノソーマ症の現行の検査法としては、原虫検出法;血清学的検査(免疫蛍光検査、ELISA、ウエスタンブロット、カード凝集反応など)を用いて抗原を検出する抗原検出法;PCR法またはLAMP法を用いてトリパノソーマ遺伝子を検出する遺伝子検出法が用いられている。本発明をアフリカトリパノソーマ症の初期診断または一次スクリーニングのツールとして使用し、これらの検出法を確定診断のために使用することが望ましい。

【0018】
1.アフリカトリパノソーマ症の診断薬
本発明の診断薬に有効成分として含まれる抗原は、下記に示すポリペプチドから選ばれる。

【0019】
ISG64:配列番号1に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド NAKLTKDGALALCKLTDVADLVATKKADKIRKDTEGFADELKLWLDRLEHWLQTLETRAHSNNGYSKLSDADTKKVKEIYEKAKGKVSEQLPKAKEFGEEAGKRHQEVTEAAKRARGWGLDDEGQNSSGLHQLLEWYCGTKEDNANNQKCDGVKVKEHYLGRERNPIDCKGTGSTVPFYLDVTSGTMKEALENWERKKPKSDGEPVNNNWKADYDSATNKLKELEESHEKGKKTVNDVSGFYNAAYALHSGLSAGKPLSEVLVEAKEASKRGAKITNPGGAAPEATQRGVGTSTGEGGATETTGGTSTTISTGTGTGTTSGTEPGVVGADADFGDLLETSDR(配列番号1)
実施例で使用したISG64抗原は、配列番号1に示すアミノ酸配列からなるポリペプチドならびにそのN末端およびC末端にtagが融合されたポリペプチド(配列番号5)である。
maswshpqfekgalevlfqgpgyqdpNAKLTKDGALALCKLTDVADLVATKKADKIRKDTEGFADELKLWLDRLEHWLQTLETRAHSNNGYSKLSDADTKKVKEIYEKAKGKVSEQLPKAKEFGEEAGKRHQEVTEAAKRARGWGLDDEGQNSSGLHQLLEWYCGTKEDNANNQKCDGVKVKEHYLGRERNPIDCKGTGSTVPFYLDVTSGTMKEALENWERKKPKSDGEPVNNNWKADYDSATNKLKELEESHEKGKKTVNDVSGFYNAAYALHSGLSAGKPLSEVLVEAKEASKRGAKITNPGGAAPEATQRGVGTSTGEGGATETTGGTSTTISTGTGTGTTSGTEPGVVGADADFGDLLETSDRvdaaaelalvprgssahhhhhhhhhh(配列番号5)

【0020】
ISG65:配列番号2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド ATNGGDKHVKANKKLDQEGANLLCKMKHLADKVANKGGEDLKKKTKGFEDDVLLEVERVNNWLEKLGDRKQYNDGYAKLSDSDIEKVKEIFTKAKDGITKQLPEAKKAGENAEKLYDEVKKAAEHARGQKLDDDRDKSTGLYRILDWYCFKEEENAGKSDNCDGVKFSEHHGTHRRRNVIDCGDEKANKYGDASSKTLEDTLKQWESKKPQAAGASGGNDVCKATASSESHPCTMTEEWQTPYKETVKKLKELEGAHERGKKAHDAMLGYANTAHATNRKVEQGKPLTEVIAAAKEAGKKGAKIIIPAAAPSTPTNSTKNEDSAPTEHVDRGIATNETQVEVGIDADFDGLLEATEAAEVKSRHQRT(配列番号2)
実施例で使用したISG65抗原は、配列番号2に示すアミノ酸配列からなるポリペプチドならびにそのN末端およびC末端にtagが融合されたポリペプチド(配列番号6)である。
maswshpqfekgalevlfqgpgyqdpATNGGDKHVKANKKLDQEGANLLCKMKHLADKVANKGGEDLKKKTKGFEDDVLLEVERVNNWLEKLGDRKQYNDGYAKLSDSDIEKVKEIFTKAKDGITKQLPEAKKAGENAEKLYDEVKKAAEHARGQKLDDDRDKSTGLYRILDWYCFKEEENAGKSDNCDGVKFSEHHGTHRRRNVIDCGDEKANKYGDASSKTLEDTLKQWESKKPQAAGASGGNDVCKATASSESHPCTMTEEWQTPYKETVKKLKELEGAHERGKKAHDAMLGYANTAHATNRKVEQGKPLTEVIAAAKEAGKKGAKIIIPAAAPSTPTNSTKNEDSAPTEHVDRGIATNETQVEVGIDADFDGLLEATEAAEVKSRHQRTvdaaaelalvprgssahhhhhhhhhh(配列番号6)

【0021】
FCaBP:配列番号3に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド
MGCSGSKNASNPKDGAASKGGKDGKTTADRKVAWERIRCAIPRDKDAESKSRRIELFKQFDTNGTGKLGFREVLDGCYGILKLDEFTTHLPDIVQRAFDKAKDLGNKVKGVGEEDLVEFLEFRLMLCYIYDIFELTVMFDTMDKDGSLLLELQEFKEALPKLKEWGVDITDATTVFNEIDTNGSGVVTFDEFSCWAVTKKLQVCGDPDDEENGANEGDGANAGDGVPAAE(配列番号3)
実施例で使用したFCaBP抗原は、配列番号3に示すアミノ酸配列からなるポリペプチドならびにそのN末端およびC末端にtagが融合されたポリペプチド(配列番号7)である。
maswshpqfekgalevlfqgpgyqMGCSGSKNASNPKDGAASKGGKDGKTTADRKVAWERIRCAIPRDKDAESKSRRIELFKQFDTNGTGKLGFREVLDGCYGILKLDEFTTHLPDIVQRAFDKAKDLGNKVKGVGEEDLVEFLEFRLMLCYIYDIFELTVMFDTMDKDGSLLLELQEFKEALPKLKEWGVDITDATTVFNEIDTNGSGVVTFDEFSCWAVTKKLQVCGDPDDEENGANEGDGANAGDGVPAAEelalvprgssahhhhhhhhhh(配列番号7)

【0022】
GM6:配列番号4に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド
RRKLIAEDREGNATRIAELEVAMNEHSHELAKLKASDSRSFLDPMPEGVPLSELGLDKDEKFSTMEEERRKLIAEDREGNATRIAELEVAMNEHSHELAKLKASDSRSFLDPMPEGVPLSELGLDKDEKFSTMEEERRKLIAEDREGNATRIAELEVAMNEHSHELAKLKASDSRSFLDPMPEGVPLSELGLDKDEKFSTMEEE(配列番号4)
実施例で使用したGM6抗原は、配列番号4に示すアミノ酸配列からなるポリペプチドならびにそのN末端およびC末端にtagが融合されたポリペプチド(配列番号8)である。
maswshpqfekgalevlfqgpgyqdpRRKLIAEDREGNATRIAELEVAMNEHSHELAKLKASDSRSFLDPMPEGVPLSELGLDKDEKFSTMEEERRKLIAEDREGNATRIAELEVAMNEHSHELAKLKASDSRSFLDPMPEGVPLSELGLDKDEKFSTMEEERRKLIAEDREGNATRIAELEVAMNEHSHELAKLKASDSRSFLDPMPEGVPLSELGLDKDEKFSTMEEEvdaaaelalvprgssahhhhhhhhhh(配列番号8)

【0023】
本発明におけるポリペプチドは、上記配列番号で表されるアミノ酸配列に限定されるものではなく、配列番号1~4のいずれかで表されるアミノ酸配列において、1~5個(好ましくは1~3個、より好ましくは1または2個)のアミノ酸残基が置換、欠失または付加されたアミノ酸配列からなる変異ポリペプチドであっても、変異前のポリペプチドと同等の抗原性を有する限り、本発明のポリペプチドに含まれる。
ここで「同等の抗原性を有する」とは、T.b.g.またはT.b.r.由来のタンパク質の一部に高い相同性を有し、被験者のヒト由来のタンパク質に対しては低い相同性を有することをいう。同等の抗原性は、変異後のアミノ酸配列をBlast検索にかけて確認することができる。

【0024】
「アミノ酸残基の置換」としては、例えば保存的アミノ酸置換があげられる。保存的アミノ酸置換とは、特定のアミノ酸を、そのアミノ酸の側鎖と同様の性質の側鎖を有するアミノ酸で置換することをいう。具体的には、保存的アミノ酸置換では、特定のアミノ酸は、そのアミノ酸と同じグループに属する他のアミノ酸により置換される。同様の性質の側鎖を有するアミノ酸のグループは、当該分野で公知である。例えば、このようなアミノ酸のグループとしては、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、中性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)があげられる。また、中性側鎖を有するアミノ酸は、さらに、極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン)、および非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)に分類することもできる。また、他のグループとして、例えば、芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン)、水酸基(アルコール性水酸基、フェノール性水酸基)を含む側鎖を有するアミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、チロシン)などもあげることができる。また、ヒスチジンとメチオニンとの置換、グルタミン酸とセリンとの置換などもあげられる。

【0025】
「アミノ酸残基の欠失」としては、例えば、各配列番号で表されるアミノ酸配列の中から、任意のアミノ酸残基を選択して欠失させることがあげられる。好ましくは、各配列番号で表されるアミノ酸配列のN末端またはC末端から連続して1~5個のアミノ酸残基の欠失である。

【0026】
「アミノ酸残基の付加」としては、各配列番号で表されるアミノ酸配列のN末端またはC末端側に、1~5個のアミノ酸残基を付加させることがあげられる。好ましくは、ポリペプチドと固相との連結またはポリペプチドに水溶性を付与するためのアミノ酸残基の付加である。あるいは、本発明のポリペプチドをコードする核酸を発現ベクターに組み込んで、発現産物であるポリペプチドを調製する場合に、ポリペプチドのN末端および/またはC末端に発現ベクターに由来する任意のアミノ酸残基が付加されてもよい。

【0027】
本発明のポリペプチドは自体公知の方法により調製できる。例えば、通常のペプチド合成装置を用いたペプチド合成法によって調製してもよく、遺伝子組換え技術により組換えタンパク質として調製してもよい。組換えタンパク質は、細胞系、無細胞系のいずれで調製したものでもよい。遺伝子組換え技術によるポリペプチドの調製は、市販の発現ベクターを用いて慣用の方法で行うことができる。この場合、ポリペプチドの精製の便宜に供するため、ポリペプチドのN末端および/またはC末端にタグを付加するように発現させることが好ましい。かかる目的に供される発現ベクターとしては、pET52b (Novagen)、pET32 (Novagen)、pET41 (Novagen)などがあげられる。

【0028】
本発明のポリペプチドは、各配列番号に示すアミノ酸配列からなるポリペプチドまたは各配列番号に示すアミノ酸配列の変異アミノ酸配列からなるポリペプチドであってもよく、各配列番号に示すアミノ酸配列またはその変異アミノ酸配列を含み、さらにそれらのアミノ酸配列のN末端および/またはC末端にタグが付加した融合タンパク質であってもよい。
ここでタグとは、Hisタグ、GSTタグ、FLAGタグ、Trxタグ、Sタグ、StrepTagII(IBA)、Twin-Strp-tag(IBA)などがあげられる。

【0029】
本発明の診断薬に有効成分として含まれる抗原は、ISG64、ISG65、FCaBPおよびGM6からなる群より選ばれる少なくとも3種の抗原であり、
ISG64、ISG65およびFCaBP
ISG64、ISG65およびGM6
ISG64、FCaBPおよびGM6
ISG65、FCaBPおよびGM6
ISG64、ISG65、FCaBPおよびGM6
の5通りがあげられる。感度および特異度の観点から、ISG64、ISG65およびFCaBPの3種、ならびにISG64、ISG65、FCaBPおよびGM6の4種が好ましい。

【0030】
本発明の診断薬は、抗ヒトIgG抗体および抗ヒトIgM抗体からなる群より選ばれる少なくとも1種の抗体をさらに含有することが好ましい。
すなわち、検体中の抗トリパノソーマ抗体と前記抗原との複合体を検出するために、抗ヒトIgG抗体、抗ヒトIgM抗体または抗ヒトIgG抗体と抗ヒトIgM抗体の両方を用いることが好ましい。

【0031】
抗ヒトIgG抗体または抗ヒトIgM抗体は、ヒトIgGまたはヒトIgMを検出可能な抗体である限り特に限定されるものではなく、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、または例えばF(ab)2、Fab’、Fab、Fv(variable fragment of antibody)、scFv(single chain Fv)、dsFv(disulphide stabilized Fv)、sdAb(single domain antibody)等のフラグメントやFab発現ライブラリーによって生成されるフラグメントなどのように抗原結合性を有する前記抗体の一部が包含される。特異性の観点から、好ましくはモノクローナル抗体である。

【0032】
前記抗体の製造は、当該技術分野において周知である。また、本発明においては市販の抗ヒトIgG抗体または抗ヒトIgM抗体を好適に使用することができる。

【0033】
本発明の診断薬は、上記抗原のみからなるもの、上記抗原および抗体のみからなるであってもよいし、医薬的に許容される担体を含んでいてもよい。医薬的に許容される担体としては、本発明の診断薬を検出試薬および液剤として調製する場合、製剤素材として慣用されている各種担体、例えば希釈剤、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤などを含んでいてもよい。さらにタンパク質の凝集を防ぐために、Tween20(登録商標)、Tween80(登録商標)などの界面活性剤を添加するのが好ましい。
希釈剤としては、水、生理用食塩水などが挙げられる。
溶剤としては、水、生理用食塩水、エタノールなどが挙げられる。
溶解補助剤としては、シクロデキストリン類などが挙げられる。
懸濁化剤としては、アラビアゴム、カルメロースなどが挙げられる。
等張化剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの無機塩類、グリセリン、マンニトール、ソルビトールなどの炭水化物などが挙げられる。
緩衝剤としては、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液、トリス緩衝液などが挙げられる。
これらの担体の配合比は、当業者が適宜決定することができる。

【0034】
本発明の診断薬は、検査の便宜に供するため、前記抗原が固相に結合していてもよい。あるいは、前記抗原および該抗体が固相に結合していてもよい。その場合、後述する本発明の診断キットと同様の態様で使用することができる。固相と抗原および/または抗体との結合については、診断キットで説明する。

【0035】
本発明の診断薬を用いて、後述する本発明の検出方法により被験者の生体試料を検査することで、より容易にアフリカトリパノソーマ症の罹患の有無を判定することが可能となる。

【0036】
2.アフリカトリパノソーマ症の診断用キット
本発明のキットに含まれる抗原は、「1.アフリカトリパノソーマ症の診断薬」に記載の抗原と同様である。
また、本発明のキットに含まれる抗ヒトIgG抗体および/または抗ヒトIgM抗体は、「1.アフリカトリパノソーマ症の診断薬」に記載の抗体と同様である。

【0037】
本発明のキットにおいては、前記抗原はあらかじめ固相に結合している。
本発明のキットにおいて用いることができる固相としては特に限定されず、プレート(例、マイクロウェルプレート)、チューブ、ビーズ(例、ポリスチレン等のプラスチックビーズ、磁気ビーズ)、クロマトグラフィー用担体(例、濾紙、ニトロセルロースメンブレンなどの吸水性基材、Sepharose)、メンブレン(例、ニトロセルロースメンブレン、PVDF膜)、ゲル(例、ポリアクリルアミドゲル)、金属膜(例、金膜)などが挙げられる。なかでも、プレート、ビーズ、クロマトグラフィー用担体およびメンブレンが好ましく用いられる。さらに好ましくは、Luminex法に用いるMagPlex(登録商標)ビーズ(Luminex社)、イムノクロマトグラフィーに用いる濾紙もしくはニトロセルロースメンブレン、ELISA法に用いるマイクロウェルプレートである。
また、本発明のキットにおいては、前記抗原に加えて前記抗体も前記固相に結合していてもよい。

【0038】
上記結合としては、特に限定されるものではなく、静電相互作用、疎水的な相互作用、水素結合、共有結合、イオン結合、物理的吸着などが挙げられる。また固相への結合は、固相に直接結合してもよいし、自体公知の物質を利用して間接的に固相に結合していてもよい。

【0039】
本発明のキットには、前記抗原、抗体に加えて他の抗原または試薬等が含まれていてもよく、他の抗原または試薬等は、あらかじめ前記抗原、抗体と一緒になっていてもよいし、別々の容器に格納されていてもよい。他の抗原または試薬などとしては、トリパノソーマ由来の別の抗原、基質剤、標識物質、固相、反応容器の他に、処理液や抗原、抗体を希釈するための緩衝液、陽性対照(例、トリパノソーマ感染動物由来の血清)、陰性対照(例、トリパノソーマ非感染動物由来の血清)、プロトコールを記載した指示書などが挙げられる。これらの要素は、必要に応じてあらかじめ混合しておくこともできる。

【0040】
前記抗体は、直接的または間接的に標識物質により標識されていてもよい。標識物質としては、蛍光物質(例、FITC、ローダミン)、放射性物質(例、32P、35S、14C、H)、酵素(例、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ)、着色粒子(例、金属(金)コロイド粒子、着色ラテックス)、ビオチンなどがあげられる。

【0041】
本発明のキットの形態も特に限定されないが、簡便に診断を行なうことを目的として、本発明のキットの構成成分が一体となった一体型のキットとすることができる。一体型のキットの形態としては、例えば、イムノクロマトグラフィー法を用いるカセット型が挙げられる。

【0042】
本発明のキットの使用により、アフリカトリパノソーマ症の罹患の有無の判定がより簡便に実施できるようになる。

【0043】
3.アフリカトリパノソーマ症の検出方法
本発明のアフリカトリパノソーマ症の検出方法は、下記工程:
(1)被験者由来の生体試料と、
ISG64、ISG65、FCaBPおよびGM6からなる群より選ばれる少なくとも3種の抗原とを接触させ、生体試料に含まれる該抗原に対する抗体と該抗原との複合体を形成させる工程;および
(2)工程(1)で形成された複合体中の抗体を検出する工程
を含むことを特徴とする(以下、本発明の検出方法ともいう)。

【0044】
本発明の検出方法は、上記工程(2)の後に、
(3)工程(2)の検出結果に基づき、被験者がアフリカトリパノソーマ症に罹患しているか否かを判定する工程
を含むことが好ましい。

【0045】
本発明の検出方法における被験者は、トリパノソーマの感染が疑われるヒトである。

【0046】
本発明の検出方法が測定対象とする生体試料は、ヒトから採取可能なものであれば特に限定されるものではなく、血液、脳脊髄液、リンパ液、唾液、尿などの体液試料、リンパ節などの組織のバイオプシーが挙げられる。被験者への負担も小さいことから、好ましくは血液試料であり、血液試料としては、全血、血漿、血清などが挙げられる。

【0047】
工程(1)は、生体試料に含まれる該抗原に対する抗体と該抗原との複合体を形成させる工程である。

【0048】
前記抗原は、他に何も結合していない可溶性の状態で用いることも可能であるが、固相に結合していてもよい。固相に結合している抗原を用いる場合は、本発明のキットを好適に使用することができる。

【0049】
固相の種類および態様に応じて、非特異的吸着や非特異的反応を抑制するために、牛血清アルブミン(BSA)や牛ミルク蛋白などのリン酸緩衝溶液を固相と接触させ、抗原によってコートされなかった固相表面部分を前記BSAや牛ミルク蛋白等などでブロッキングすることが一般に行われる。

【0050】
前記抗原と被験者由来の生体試料との接触は、これらの抗原と生体試料中の抗体が相互作用できる方法であれば、態様、順序、具体的方法などは特に限定されない。接触は、例えば前記抗原が固相化されたプレートに生体試料を添加することでなされ得る。例えば、生体試料と、抗原が固相化されたビーズとを容器中で混合することによって、接触がなされ得る。イムノクロマトグラフィーの場合、固相の試料滴下部に検体を滴下し、一定期間放置することによっても接触がなされ得る。

【0051】
なお、かかる接触を保つ時間は、前記抗原と、被験者由来の生体試料中に含まれる抗体とが結合して複合体を形成するのに十分な時間であれば特に限定されないが、通常、数秒~十数時間である。また、接触を行なう温度条件としては、通常4℃~50℃であり、4℃~37℃が好ましく、15℃~30℃程度の室温が最も好ましい。さらに、反応を行なうpH条件は、5.0~9.0が好ましく、特に6.0~8.0の中性域が好ましい。

【0052】
工程(2)は、上記工程(1)で形成された複合体中の抗体を検出する工程である。

【0053】
前記検出には、抗体を検出可能な任意の方法を用いることができる。本発明においては、感度・特異度を高めるため、抗ヒトIgG抗体および/または抗ヒトIgM抗体を利用して検出する方法を用いることが望ましい。抗ヒトIgG抗体および抗ヒトIgM抗体は、標識物質で標識した抗体を使用することで、標識物質に応じた検出方法で該複合体の検出が容易になされ得る。例えば、複合体が形成された反応系に、さらに抗ヒトIgG抗体および/または抗ヒトIgM抗体を添加し、所定の時間放置することでなされ得る。例えばイムノクロマトグラフィーの場合、固相の試料滴下部にあらかじめ抗ヒトIgG抗体を含ませておき、試料中の抗体と抗ヒトIgG抗体とが免疫複合体を形成しながら固相上を移動し、固相上に固定されている抗原上で該免疫複合体がトラップされることで検出がなされ得る。

【0054】
検出感度および特異度を高めるためには、抗ヒトIgG抗体および抗ヒトIgM抗体の両方を使用して検出することが好ましい。この場合、同一検体に対して同時に行ってもよく、別々に行ってもよく、別々の場合検出の順序は問われない。一般に、生体が病原体に感染した場合、感染初期にIgMが一過性に多量に検出され、その後IgGが検出されることが通常である。トリパノソーマの場合は、原虫のVSGが変異を繰り返すことにより変異体が無限にあるため、生体の免疫系が変異体を認識する毎に初期感染であると認識し、IgMが持続的に産生される。したがって、IgMは、その性質上特異性は低く凝集しやすいため、特定の抗原に対するIgMを検出することは困難であるが、トリパノソーマ感染患者の検出率、すなわち感度を上げるためには、抗ヒトIgM抗体を使用することが好ましい。また、特異度は前記少なくとも3種の抗原を使用することで、基準値以上の特異度を達成することができる。

【0055】
工程(2)で複合体が検出された場合、被験者はアフリカトリパノソーマ症に罹患している蓋然性が高いと判定することができる。複合体が検出されないか検出限界以下の場合、被験者はアフリカトリパノソーマ症に罹患していない蓋然性が低いと判定することができる。

【0056】
前記検出の好適な具体例は、酵素免疫測定法(EIA法)、蛍光免疫測定法(FIA)、イムノクロマトグラフィー法、ラジオイムノアッセイなどであり、これらの分析方法は当業者に周知である。

【0057】
工程(2)の検出方法として、EIA法を選択した場合、酵素標識抗体を使用する。標識に利用される酵素としては、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼなどが例示される。酵素の検出に用いられる基質剤としては、選択した標識酵素に応じて適当なものが選ばれる。例えば、酵素としてペルオキシダーゼを選択した場合には、o-フェニレンジアミン(OPD)、テトラメチルベンジジン(TMB)などが使用され、アルカリホスファターゼを選択した場合においては、p-ニトロフェニルホスフェート(PNPP)などが使用される。また、反応停止液、基質溶解液についても、選択した酵素に応じて、従来公知のものを特に制限なく適宜使用することができる。

【0058】
工程(2)の検出方法として、FIA法を選択した場合、上記EIA法において標識として用いた酵素を蛍光物質と置換することで、複合体の検出を行なうことができる。
蛍光物質としては、APC、PE、Cy2、Cy3、Cy5、ECD、FITC、PerCP、Alexa(登録商標)Fluor、フルオレセイン、ローダミンなどの化学物質を好ましく利用することができる。これらの化学物質による標識は、自体公知の方法で行なうことができる。
蛍光は、市販の測定機器、蛍光顕微鏡などを用いて検出することができる。Luminex法を用いる場合は、Luminex200装置(Luminex社製)等のフローメトリー解析装置および推奨される解析ソフトウェアを用いることで、少量のサンプルから多項目の測定が30分~1時間で可能であり、好ましい。

【0059】
工程(2)の検出方法として、測定装置を使用しない状況下(例えば、熱帯地方のフィールド診断)では、イムノクロマトグラフィー法が好適に選択される。イムノクロマトグラフィー法による検出の場合、例えば、濾紙、ニトロセルロースメンブレンなどの吸水性基材にライン状に固相化された前記抗原、メンブレン上に展開させた生体試料、および標識した抗ヒトIgG抗体および抗ヒトIgM抗体の三者間で複合体を形成させる。標識した抗ヒトIgG抗体および抗ヒトIgM抗体は、生体試料とあらかじめ混合してもよく、あるいは生体試料が抗原に接触する前に、生体試料と接触するよう、吸水性基材上に供給しておいてもよい。複合体の形成は、標識に応じた手法により検出することができる。例えば、標識として金コロイド粒子を用いる場合、標識した抗体が集積した領域は赤色を呈するため、これにより検出する。イムノクロマトグラフィー法の概念図を図6に示す。

【0060】
(3)工程(2)の検出結果に基づき、被験者がアフリカトリパノソーマ症に罹患しているか否かを判定する工程
検出工程(2)により得られた結果を利用して、工程(2)で検出された抗体のレベルから、アフリカトリパノソーマ症の罹患の有無を判定することができる。工程(2)の検出が定性的結果として得られる場合、陽性結果をアフリカトリパノソーマ症に罹患している蓋然性が高いと判定し、陰性結果(検出限界以下)をアフリカトリパノソーマ症に罹患している蓋然性が低いと判定することができる。Luminex法等により工程(2)の検出が定量的結果として得られる場合、カットオフ値を定めて被験者におけるアフリカトリパノソーマ症の罹患の有無を判定することもできる。また同一の被験者について、以前に測定したレベルと比較することもできる。

【0061】
基準となるレベル(カットオフ値)は、目的に応じて設定される適切な基準である。カットオフ値は、その値を基準として疾患の判定をした場合に、高い診断感度(有病正診率)および高い診断特異度(無病正診率)の両方を満足できる値である。通常、検出限界以下の場合、アフリカトリパノソーマ症に罹患していないと判断することができる。

【0062】
イムノクロマト法などの簡易検査を行った場合、目視観察したシグナル(発色等)の有無により、生体試料中の抗体の存否を決定することができる。

【0063】
被験者の生体試料中の抗体レベルがカットオフ値を上回る場合、被験者は「アフリカトリパノソーマ症に罹患している」可能性が高いと判定される。カットオフ値以下の場合、被験者は「アフリカトリパノソーマ症に罹患している」可能性が低いと判定される。

【0064】
また本発明の方法を用いて、アフリカトリパノソーマ症を治療中の患者について、治療の効果を評価することもできる。このような患者から、治療前、治療中および/または治療後に生体試料を採取し、抗体量の変化を調べることで治療の効果を知ることができる。例えば、後の生体試料中の抗体の濃度が先の生体試料中のものよりも低ければ、その治療を有効であると評価することができる。

【0065】
イムノクロマト法などの簡易検査を行った場合、シグナル(発色等)が目視観察により確認された場合、被験者は「アフリカトリパノソーマ症に罹患している」蓋然性が高いと判定され、さらに他の診断方法を組み合わせて、アフリカトリパノソーマ症の罹患の有無を判断することができる。
【実施例】
【0066】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はいかなる意味においてもこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0067】
実施例1 アフリカトリパノソーマ症診断のための抗原の選択
<T.b.g.抗原の選択>
HAT患者から得たIgGとTrypanosoma brucei brucei(T.b.b.)の溶解液を用いたプロテオミクス実験(Sullivan et al. PLOS Neglected Tropical Diseases 2013, Vol.7(2) e2087)で同定した抗原から、変異が少ないと予想され、かつ、Protein Blastによるアミノ酸配列の相同性検索から、特異性が期待できる抗原を5種選択した(ISG64、ISG65、Hypothetical 3020、Hypothetical 2120、Flagellar calcium-binding protein(FCaBP))。FCaBPは、血清学診断の研究が先行しているシャーガス病の検査抗原の1つでもある。ISG64およびISG65については、Sullivanらの論文で詳細に検討されている。 Hypothetical 3020およびHypothetical 2120については、質量分析により同定されたのみであり、検査抗原としての検討はされていない。
また、T.b.b.と動物モデルで同定されたタンデムリピート抗原であるGM6、MARP1(Muller et al. Parasitology, 1992, vol. 104, 111-120)およびTbg6(Goto et al. Parasitology International, 2011, vol. 60, 538-540)を選択した。
上記8種の抗原について、比較検討を行った。
【実施例】
【0068】
<L. donovani抗原の選択>
以下の論文を参考にして、L. donovani抗原を選択した。
KRP42 (Takagi et al. Am. J. Trop. Med. Hyg. 76(5), 2007)
K26 (Sundar et al. Trop Med Int Health, 12, 2007)
KMP11 (Souda, PLoS One, 8, e66110, 2013)
ここで、KRP42は、L. donovaniの血清診断に最も汎用されているK39と非常に類似した抗原である。
【実施例】
【0069】
<方法>
すべてのトリパノソーマ抗原は、T.b.g.由来、リーシュマニアは、L. donovani由来のアミノ酸配列とした。PCR法によるクローニングまたは人工遺伝子合成によりcDNAを作製し、pET52b vectorにより大腸菌BL21(DE3)で発現させ、融合タグによるアフィニティー精製を行った。精製抗原を、Luminex社のMagPlex(登録商標)ビーズにカップリングし、すべての抗原ビーズを混合して血清と反応させた後、抗ヒトIgGまたはIgM蛍光抗体(R-phycoerythrin:R-PE)と反応させ、Luminex200装置(Luminex Corporation)で測定した。Luminex200を用いるLuminex法は、蛍光ビーズに抗原をカップリングし、フローメトリーで検出することで、複数の抗原について一括して測定することができるものであるが、基本原理は一般的なELISA法と同じであり、ELISA法でも同様の結果が得られると考えられる。
【実施例】
【0070】
WHOからの標準血清
Cg :T.b.g.患者に対する健常人コントロール
Pg1:T.b.g.患者stage 1
Pg2:T.b.g.患者stage 2
Cr :T.b.r.患者に対する健常人コントロール
Pr1:T.b.r.患者stage 1
Pr2:T.b.r.患者stage 2
【実施例】
【0071】
内臓リーシュマニア患者血清:Ld(バングラディッシュ)
【実施例】
【0072】
pET52bベクターで発現させた組換え抗原の構造を表1に示す。
【実施例】
【0073】
【表1】
JP2016191581A_000002t.gif
【実施例】
【0074】
<実験結果>
抗ヒトIgG抗体を用いて測定した結果を箱ひげ図(Box Plot)で示す(図1)。8種のT.b.g.抗原のうち、ISG64、ISG65、FCaBPおよびGM6の4種がT.b.g.患者検体で反応性を示した。4種すべての抗原は、stage1とstage2の特異的検出はできなかった。ISG64、ISG65およびFCaBPは、リーシュマニア患者検体で陰性であるから、トリパノソーマ特異的である。ISG64、ISG65およびFCaBPの3種の抗原のT.b.r.患者血清との反応は、T.b.g.患者よりも弱かった。GM6は、リーシュマニア患者血清でも陽性を示した。GM6は、T.b.r.患者血清で検討したT.b.g.抗原の中で、最も高い反応性を示した。この結果は、GM6がリーシュマニア検体と交差反応するので、納得のいくものである。
リーシュマニア抗原3種(KRP42、K26、KMP11)は、すべてトリパノソーマ患者血清で陰性であったから、リーシュマニア特異的である。
【実施例】
【0075】
<ROC (Receiver Operating Characteristics)解析>
図1のトリパノソーマの結果について、ROC解析を行った。結果を表2に示す。
【実施例】
【0076】
【表2】
JP2016191581A_000003t.gif
【実施例】
【0077】
ROC解析において、感度および特異度は、感度+特異度が最大になる値を、カットオフ値として求めたものである。その結果、表2に示すように、T.b.g.患者では、ISG64が最も高いAUC値を示した。T.b.r.患者でも、ISG646が最も高いAUC値を示したが、0.615であり、T.b.g.患者の値よりも劣っていた。また、上記抗原1種を用いたIgG検出系では、感度および特異度が一定の基準(それぞれ0.80以上および0.95以上)には到達しないことがわかった。
【実施例】
【0078】
【表3】
JP2016191581A_000004t.gif
【実施例】
【0079】
表3では、陽性の定義を、単独、複数、3抗原以上とした場合の、感度および特異度を示した。複数抗原を陽性と定義した場合、GM6を抗原に含めることで、感度が上昇する。リーシュマニアを含めたマルチプルアッセイでは、リーシュマニアとの交差反応は別途検出できるので、偽陽性を避けることができる。
【実施例】
【0080】
同様に、リーシュマニアについても、ROC解析を行った。陰性検体は、トリパノソーマのコントロール(Cg、Cr)とした(表4、表5)。リーシュマニアについては、陽性の定義を単独、複数、3抗原以上のいずれとした場合であっても感度および特異度に優れている。
【実施例】
【0081】
【表4】
JP2016191581A_000005t.gif
【実施例】
【0082】
【表5】
JP2016191581A_000006t.gif
【実施例】
【0083】
<実験結果>
上記4種のT.b.g.抗原を用いて、抗ヒトIgG抗体の代わりに抗ヒトIgM抗体を用いて測定した結果を図2-4に示す。
抗ヒトIgM抗体を用いた測定系は、抗ヒトIgG抗体を用いた測定系よりも感度は上昇するが、特異度が低下する傾向にある。IgM検出系で高値となる抗原は、ヒトミエローマ細胞由来の精製IgM(すなわち非免疫)でも高値となったので(データ示さず)、IgM検出系は特異性は低いと判断された。このことをより明確にするために、非トリパノソーマ抗原および抗ヒトIgM抗体を用いて、Multiplex法によりトリパノソーマの検出を行った。結果を図5に示す。
以上の結果より、高IgM血症を非特異的に検出する抗原(必ずしもT.b.g.抗原である必要はないが、T.b.g.抗原であってもよい)と、特異的なIgG検出系を組み合わせれば、検査精度の向上が期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明により、アフリカトリパノソーマ症の迅速かつ簡便な判定手段が提供され、アフリカトリパノソーマ症のポイントオブケア検査(POCT)が可能になる。
本発明の診断薬および診断キットによれば、トリパノソーマ感染の有無、アフリカトリパノソーマ症の罹患の有無を高感度、特異的かつ簡便に判定することができる。本発明の検出方法によれば、アフリカトリパノソーマ症の感染の有無を単独で、あるいは他の診断方法と組み合わせて適切に判定することができる。
【0085】
以上、本発明の具体的な態様のいくつかを詳細に説明したが、当業者であれば示された特定の態様には、本発明の教示と利点から実質的に逸脱しない範囲で様々な修正と変更をなすことは可能である。従って、そのような修正および変更も、すべて後記の特許請求の範囲で請求される本発明の精神と範囲内に含まれるものである。
図面
【図2】
0
【図3】
1
【図4】
2
【図1】
3
【図5】
4
【図6】
5