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明細書 :情報提供システム、情報提供方法及びプログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-200933 (P2016-200933A)
公開日 平成28年12月1日(2016.12.1)
発明の名称または考案の名称 情報提供システム、情報提供方法及びプログラム
国際特許分類 G06Q  50/06        (2012.01)
H02J  13/00        (2006.01)
FI G06Q 50/06
H02J 13/00 301A
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 16
出願番号 特願2015-079937 (P2015-079937)
出願日 平成27年4月9日(2015.4.9)
発明者または考案者 【氏名】石原田 秀一
【氏名】福元 茂
出願人 【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
【識別番号】308015186
【氏名又は名称】株式会社福元技研
個別代理人の代理人 【識別番号】100095407、【弁理士】、【氏名又は名称】木村 満
【識別番号】100162259、【弁理士】、【氏名又は名称】末富 孝典
【識別番号】100133592、【弁理士】、【氏名又は名称】山口 浩一
【識別番号】100168114、【弁理士】、【氏名又は名称】山中 生太
審査請求 未請求
テーマコード 5G064
5L049
Fターム 5G064AC09
5G064BA02
5G064CB08
5G064DA02
5L049CC06
要約 【課題】需要家で消費される消費電力のうち、発電種別毎の電力の比率を定量的かつ簡易な方法で確認する。
【解決手段】収集部10は、複数種類の発電方法各々で発電される電力の時系列情報を、発電家情報サーバ1Aから収集する。収集部11は、需要家2における消費電力の時系列情報を、通信ネットワーク6を介して発電家情報サーバ2Aから収集する。情報生成部12は、収集部10で収集された発電電力の時系列情報と、収集部11で収集された消費電力の時系列情報とに基づいて、需要家2で消費された一定時間当たりの電力量の発電方法毎の比率に関する情報を生成する。情報提供部13は、情報生成部12で生成され需要家2で消費された消費電力量の発電方法毎の比率に関する情報をユーザ端末7に提供する。
【選択図】図8
特許請求の範囲 【請求項1】
特定規模電気事業者と需要家との契約及び特定規模電気事業者と発電種別がそれぞれ異なる複数の発電家との契約により、前記各発電家から前記需要家に供給される電力の発電種別毎の比率に関する情報を提供する情報提供システムであって、
前記各発電家における発電電力に関する時系列情報を、通信ネットワークを介して収集する第1の収集部と、
前記需要家における消費電力に関する時系列情報を、通信ネットワークを介して収集する第2の収集部と、
前記第1の収集部で収集された発電電力に関する時系列情報と、前記第2の収集部で収集された消費電力に関する時系列情報とに基づいて、前記需要家で消費された消費電力の発電種別毎の比率に関する情報を生成する情報生成部と、
前記情報生成部で生成された前記各発電家から前記需要家で消費された消費電力の発電種別毎の比率に関する情報を外部に提供する情報提供部と、
を備える情報提供システム。
【請求項2】
前記発電家には、
再生可能エネルギーを用いて発電を行う発電家が含まれる、
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記各発電家から前記需要家に供給される電力には、
前記特定規模電気事業者が卸電力市場から購入した電力が含まれ、
前記第1の収集部は、
卸電力市場から仕入れた電力が、複数種類の発電方法で発電された電力が混在している場合には、当該電力を発電種別が不明な電力として、発電電力に関する時系列情報を収集し、
卸電力市場から仕入れた電力の発電種別が指定されている場合には、当該電力を指定された発電種別の電力として、発電電力に関する時系列情報を収集する、
請求項1又は2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記各発電家で発電される電力を計測する発電電力計測部と、
前記発電電力計測部で計測された発電電力に基づいて、前記発電電力の発電種別毎の時系列情報を生成し、記録する発電電力記録部と、
を備え、
前記第1の収集部は、前記発電電力記録部から、前記発電電力の発電種別毎の時系列情報を収集する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項5】
需要家が消費する消費電力を計測する消費電力計測部と、
前記消費電力計測部で計測された前記需要家における消費電力の時系列情報を生成し、記録する消費電力記録部と、
を備え、
前記第2の収集部は、前記消費電力記録部から、前記需要家における消費電力の時系列情報を収集する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項6】
特定規模電気事業者と需要家との契約及び特定規模電気事業者と発電種別がそれぞれ異なる複数の発電家との契約により、前記各発電家から前記需要家に供給される電力の発電種別毎の比率に関する情報を提供する情報提供方法であって、
前記各発電家における発電電力に関する時系列情報を、通信ネットワークを介して収集する第1の収集ステップと、
前記需要家における消費電力に関する時系列情報を、通信ネットワークを介して収集する第2の収集ステップと、
前記第1の収集ステップで収集された発電電力に関する時系列情報と、前記第2の収集ステップで収集された消費電力に関する時系列情報とに基づいて、前記需要家で消費された消費電力の発電種別毎の比率に関する情報を生成する情報生成ステップと、
前記情報生成ステップで生成された前記各発電家から前記需要家で消費された消費電力に関する発電種別毎の比率に関する情報を外部に提供する情報提供ステップと、
を含む情報提供方法。
【請求項7】
特定規模電気事業者と需要家との契約及び特定規模電気事業者と発電種別がそれぞれ異なる複数の発電家との契約により、前記各発電家から前記需要家に供給される電力の発電種別毎の比率に関する情報を提供するコンピュータを、
前記各発電家における発電電力に関する時系列情報を、通信ネットワークを介して収集する第1の収集部、
前記需要家における消費電力に関する時系列情報を、通信ネットワークを介して収集する第2の収集部、
前記第1の収集部で収集された発電電力に関する時系列情報と、前記第2の収集部で収集された消費電力に関する時系列情報とに基づいて、前記需要家で消費された消費電力の発電種別毎の比率に関する情報を生成する情報生成部、
前記情報生成部で生成された前記各発電家から前記需要家で消費された消費電力に関する発電種別毎の比率に関する情報を外部に提供する情報提供部、
として機能させるプログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム、情報提供方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
2005年4月以降、既存の大手電力会社(例えば東京電力又は九州電力など)である一般電気事業者とは別の特定規模電気事業者(新電力、PPS;Power Producer and Supplier)が、契約電力50kW以上の需要家に対して、一般電気事業者が有する送電網を介して電力供給を行えるようになった。新電力から供給される電力は、一般電気事業者より一般的に安価であるため、多くの需要家が新電力から電力供給を受けている。2015年4月現在では、650社を超える新電力が存在している。2016年春の小口需要家の市場への開放を前に、現在では大口需要家の新電力ビジネスが盛況となっている。電力の市場は約20兆円と言われている。九州電力等の一般電気事業者10社、特定規模電気事業者約650社がしのぎを削って価格競争を行っている。
【0003】
新電力は、種々の方法で発電を行う複数の発電機から供給される電力又は卸電力市場から購入した電力を、送電網を介して、需要家に供給している。新電力の登場により、電力会社の送電網を流れる電力は、種々のエネルギー源(複数種類の発電方式)によって発電された電力が入り混じったものとなっており、送電網を流れる電力における発電種別毎の電力比率は、時間的に変動している。需要家は、新電力との契約により、複数種類の発電方式で発電された電力が入り混じったものの中から、契約電力分の電力供給を受けている。
【0004】
新電力の登場により、需要家が電力を選ぶ時代が到来している。新電力を含めどのような電力会社を選択するかは、需要家の方針によって決めることができる。例えば、電力の完全な安定供給を希望する需要家もいれば、少しでも安い電力を求めて火力発電あるいは原子力発電による電力を希望する需要家もいる。また、原発反対という理由のため、太陽光発電又は再生可能エネルギーで発電された電力を希望する需要家もいる。また、CO2排出反対という理由のため、再生可能エネルギーを希望する需要家もいる。再生可能エネルギーで発電された電力を好んで消費したいとする需要家は、ある一定割合存在する。
【0005】
一方で、新電力は、自由競争に勝つために、需要家の様々な要求に応えるべく、他の業者と様々な差別化を図っている。例えば、発電種別にはこだわらず、原子力発電又は火力発電により、安定的かつ安価に供給される電力を主力商品として扱っている新電力もある。
【0006】
逆に、主として太陽光又は風力の再生可能エネルギーで発電した電力を主力商品として扱っている新電力も現れている。しかしながら、太陽光や風力などの自然エネルギーについては、発電量が自然任せとなり、供給される電力及び発電種別毎の電力比率の時間変動が大きくなるため、常に、自然エネルギーだけで需要家に対して24時間365日100%の電力供給を行うことは容易ではない。再生可能エネルギーのみによる電力供給は事実上不可能であり、再生可能エネルギーの比率は、全エネルギーの20%~30%というのが限界となっている。このため、需要家に再生可能エネルギーを利用したいという要求があっても、結局のところ、需要家は、他のエネルギーにより発電された電力も使用せざるを得ない。
【0007】
新電力は、どのような発電方法で発電された電力をどの程度供給しているかを開示しているので、需要家は、新電力から電力を購入した場合には、供給される電力がどのような発電方法で発電されているのかを確認することはできる。しかしながら、供給される電力の変動量や発電方法の種別毎の発電比率を需要家が確認するのは現状では困難である。
【0008】
そうした中、消費電力における発電種別毎の電力の割合を確認したいとする需要家が現れている。例えば、低価格を第一の価値とせず、エコに貢献していることを第一の価値とし、再生可能エネルギーを利用した電力を利用していることを開示することで企業価値を高めることができるからである。例えば、発光ダイオードを照明装置として用いた野菜工場などでは、自然エネルギーで賄われている電力比率が高いことが、企業イメージの向上につながる。需要家の要求に応えるべく、発電方法の種別の消費電力に占める割合を表示することができる表示システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0009】

【特許文献1】特許第5457857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように、自らの消費電力が、どのような発電方法によって発電され、その発電比率はどのような割合であるのかを確認することは、需要家にとってより重要な問題となっている。
【0011】
上記特許文献1に開示された表示システムでは、発電種別毎の電力比率を表示することができる。しかしながら、多数の発電機、多数の新電力等の電力供給会社が接続し、また多数の需要家が接続する複雑な送電網にこのシステムをそのまま適用するのは困難である。このシステムを実現するには、電力を送電する送電システムを全面的に変更する必要がある。
【0012】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、需要家で消費される消費電力のうち、発電種別毎の電力の比率を定量的かつ簡易な方法で確認することができる情報提供システム、情報提供方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る情報提供システムは、
特定規模電気事業者と需要家との契約及び特定規模電気事業者と発電種別がそれぞれ異なる複数の発電家との契約により、前記各発電家から前記需要家に供給される電力の発電種別毎の比率に関する情報を提供する情報提供システムであって、
前記各発電家における発電電力に関する時系列情報を、通信ネットワークを介して収集する第1の収集部と、
前記需要家における消費電力に関する時系列情報を、通信ネットワークを介して収集する第2の収集部と、
前記第1の収集部で収集された発電電力に関する時系列情報と、前記第2の収集部で収集された消費電力に関する時系列情報とに基づいて、前記需要家で消費された消費電力の発電種別毎の比率に関する情報を生成する情報生成部と、
前記情報生成部で生成された前記各発電家から前記需要家で消費された消費電力の発電種別毎の比率に関する情報を外部に提供する情報提供部と、
を備える。
【0014】
前記発電家には、
再生可能エネルギーを用いて発電を行う発電家が含まれる、
こととしてもよい。
【0015】
前記各発電家から前記需要家に供給される電力には、
前記特定規模電気事業者が卸電力市場から購入した電力が含まれ、
前記第1の収集部は、
卸電力市場から仕入れた電力が、複数種類の発電方法で発電された電力が混在している場合には、当該電力を発電種別が不明な電力として、発電電力に関する時系列情報を収集し、
卸電力市場から仕入れた電力の発電種別が指定されている場合には、当該電力を指定された発電種別の電力として、発電電力に関する時系列情報を収集する、
こととしてもよい。
【0016】
前記各発電家で発電される電力を計測する発電電力計測部と、
前記発電電力計測部で計測された発電電力に基づいて、前記発電電力の発電種別毎の時系列情報を生成し、記録する発電電力記録部と、
を備え、
前記第1の収集部は、前記発電電力記録部から、前記発電電力の発電種別毎の時系列情報を収集する、
こととしてもよい。
【0017】
需要家が消費する消費電力を計測する消費電力計測部と、
前記消費電力計測部で計測された前記需要家における消費電力の時系列情報を生成し、記録する消費電力記録部と、
を備え、
前記第2の収集部は、前記消費電力記録部から、前記需要家における消費電力の時系列情報を収集する、
こととしてもよい。
【0018】
本発明の第2の観点に係る情報提供方法は、
特定規模電気事業者と需要家との契約及び特定規模電気事業者と発電種別がそれぞれ異なる複数の発電家との契約により、前記各発電家から前記需要家に供給される電力の発電種別毎の比率に関する情報を提供する情報提供方法であって、
前記各発電家における発電電力に関する時系列情報を、通信ネットワークを介して収集する第1の収集ステップと、
前記需要家における消費電力に関する時系列情報を、通信ネットワークを介して収集する第2の収集ステップと、
前記第1の収集ステップで収集された発電電力に関する時系列情報と、前記第2の収集ステップで収集された消費電力に関する時系列情報とに基づいて、前記需要家で消費された消費電力の発電種別毎の比率に関する情報を生成する情報生成ステップと、
前記情報生成ステップで生成された前記各発電家から前記需要家で消費された消費電力に関する発電種別毎の比率に関する情報を外部に提供する情報提供ステップと、
を含む。
【0019】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
特定規模電気事業者と需要家との契約及び特定規模電気事業者と発電種別がそれぞれ異なる複数の発電家との契約により、前記各発電家から前記需要家に供給される電力の発電種別毎の比率に関する情報を提供するコンピュータを、
前記各発電家における発電電力に関する時系列情報を、通信ネットワークを介して収集する第1の収集部、
前記需要家における消費電力に関する時系列情報を、通信ネットワークを介して収集する第2の収集部、
前記第1の収集部で収集された発電電力に関する時系列情報と、前記第2の収集部で収集された消費電力に関する時系列情報とに基づいて、前記需要家で消費された消費電力の発電種別毎の比率に関する情報を生成する情報生成部、
前記情報生成部で生成された前記各発電家から前記需要家で消費された消費電力に関する発電種別毎の比率に関する情報を外部に提供する情報提供部、
として機能させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、複数種類の発電方法各々で発電される、複数の発電家の発電電力の時系列情報と、需要家における消費電力の時系列情報とに基づいて、需要家で消費された消費電力の発電種別毎の比率に関する情報を生成し、外部に提供する。このようにすれば、発電機から送電網を介して需要家に至る送電網そのものの仕組みを変更することなく、需要家で消費される消費電力のうち、発電種別毎の電力の比率を定量的かつ簡易な方法で確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態に係る新電力による電力を供給するシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】送電網を介して発電家が需要家に電力を送る送電システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【図4】発電家情報サーバが記憶する情報を示すブロック図である。
【図5】図5(A)は、発電家によって発電される1日の電力の変動の一例(その1)を示すグラフである。図5(B)は、発電家によって発電される1日の電力の変動の一例(その2)を示すグラフである。
【図6】需要家情報サーバが記憶する情報を示すブロック図である。
【図7】需要家によって消費される1日の電力の変動の一例を示すグラフである。
【図8】本発明の一実施の形態に係る情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【図9】図9(A)は、複数の発電家で発電される電力量の時間変化の一例を示すグラフである。図9(B)は、複数の需要家で消費される電力量の時間変化の一例を示すグラフである。
【図10】本発明の一実施の形態に係る情報提供システムの動作を示すフローチャートである。
【図11】図11(A)は、複数の発電家で発電される電力の1日の変動の時間変化の一例を示すグラフである。図11(B)は、需要家で消費される電力の発電方法の種別毎の電力比率の1日の時間変化の一例を示すグラフである。図11(C)は、情報提供システムで算出される電力の発電方法の種別毎の電力量の比率の一例を示す円グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、電力売買システム100は、新電力(PPS)1と需要家2との間の契約により、PPS1が需要家2へ電力を供給するシステムである。

【0023】
PPS1は、複数の発電家3から電力を直接仕入れている。発電家3は、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、潮流発電、バイオマス発電、原子力発電、火力発電等、様々な発電方法で発電を行う発電設備を備える。PPS1は、複数種類の発電方法で発電を行う発電家3から電力を仕入れ、仕入れた電力を需要家2に供給している。

【0024】
卸電力市場4は、相対取引又は取引所における取引により、電力を売買する市場である。卸電力市場4へは、様々な発電家3が電力を卸売販売している。PPS1は、卸電力市場4からも電力を仕入れている。PPS1が卸電力市場4へ、仕入れた電力又は発電した電力を卸売販売することもある。PPS1は、発電家3から仕入れた電力又は卸電力市場4から仕入れた電力を、需要家2に分配供給している。

【0025】
図2に示すように、一般電気事業者の電力の送電網5には、複数の発電家3と複数の需要家2が接続されている。発電家3は、発電電力を送電網5に送っている。送電網5は、発電電力を需要家2に送る。送電網5には、発電家3からの電力を変電する変電所等が含まれる。変電所は、発電家3からの電力を、需要家2で使用される電力に変換している。需要家2は、送電網5から電力の供給を受け、需要家2が有する負荷が電力を消費する。このように、発電家3の発電電力は、複数種類の発電方法で発電され、一般電気事業者の送電網5を介して需要家2に供給される。発電家3は、PPS1が所有し、PPS1によって管理されるものであってもよい。

【0026】
PPS1は、複数の発電家3のうち、幾つかの発電家3から電力を仕入れる契約を交わしている。図2では、PPS1と契約した発電家3が点線で囲まれている。この契約には、PPS1と発電家3との直接の電力の売買契約、卸電力市場4における電力の売買契約が含まれる。さらに、PPS1は、複数の需要家2のうち、幾つかの需要家2へ電力を供給する契約を交わしている。図2では、PPS1と契約した需要家2が点線で囲まれている。これらの契約により、PPS1と契約した需要家2には、PPS1と契約した発電家3から、送電網5を介して電力が供給される。

【0027】
図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る情報提供システム50は、発電家情報サーバ1A、需要家情報サーバ2A、情報提供サーバ20によって構築されている。発電家情報サーバ1A、需要家情報サーバ2A、情報提供サーバ20は、例えば、インターネット等の通信ネットワーク6を介して接続可能となっている。発電家情報サーバ1A、需要家情報サーバ2A、情報提供サーバ20及びユーザ端末7は、CPU、メモリ及び通信インターフェイス等を有するコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)がメモリに格納されたソフトウエアプログラムを実行することにより、その機能を発揮する。

【0028】
発電家情報サーバ1Aは、PPS1又はその代理店によって運営されているサーバである。発電家情報サーバ1Aは、発電家に関する情報を記憶する。

【0029】
図4に示すように、各発電家3には、発電される電力を計測する電力センサ3Aが取り付けられている。電力センサ3Aの検出情報は、通信ネットワーク6を介して発電家情報サーバ1Aに送られる。

【0030】
図5(A)及び図5(B)には、それぞれ発電方法が異なる発電家3によって発電される電力の1日の変動の一例が示されている。図5(A)は、太陽光発電の発電家3で発電された電力の1日の変動である。図5(A)に示すように、太陽光発電は、日中だけ発電電力が高く、夜間は発電電力がほぼ0となっている。図5(B)は、原子力発電の発電家3で発電された電力の1日の変動である。図5(B)に示すように、原子力発電は、発電電力は時間によらず一定となっている。

【0031】
発電家情報サーバ1Aは、複数種類の発電方法各々で発電される電力の時系列情報を、通信ネットワーク6を介して収集する。これにより、図5(A)及び図5(B)に示すような情報が、発電家情報サーバ1Aに蓄積される。

【0032】
なお、卸電力市場4から仕入れている電力については、卸電力市場4においてPPS1から購入した電力における発電方法の種別毎の時系列情報が公表されていない。したがって、卸電力市場4から電力の発電種別の割合は基本的に未知(unknown)となる。ただし、卸電力市場4で売られている電力の中には、発電方法が限定されているものもある。例えば、エネルギー源が太陽光発電等のグリーンエネルギーに限定された電力が卸電力市場4で売られている。この場合は、電力の発電種別をグリーンエネルギーと1つにまとめて考え、表示等するようにしてもよい。

【0033】
需要家情報サーバ2Aは、PPS1又はその代理店によって運営されているサーバである。需要家情報サーバ2Aは、需要家2に関する情報を記憶する。図6に示すように、各需要家2には、発電される電力を計測する電力センサ2Cが取り付けられている。電力センサ2Cの検出情報は、通信ネットワーク6を介して需要家情報サーバ2Aに送られる。

【0034】
図7には、需要家2によって消費される電力の1日の変動の一例が示されている。この需要家2は、例えば人工光源で植物を育成する植物工場である。図7に示すように、日中を、人工光源を用いて植物を照らす必要があるため、植物工場の電力は日中が大きくなる。

【0035】
需要家情報サーバ2Aは、需要家2における消費電力の時系列情報を、通信ネットワーク6を介して提供する。これにより、図7に示すような情報(1日の消費電力の時系列情報)が、需要家情報サーバ2Aに蓄積される。

【0036】
情報提供サーバ20は、需要家2に、消費電力の発電方法毎の電力比率を、ユーザ端末7に提供する。図8に示すように、情報提供サーバ20は、収集部10と、収集部11と、情報生成部12と、情報提供部13と、を備える。

【0037】
第1の収集部としての収集部10は、複数種類の発電方法各々で発電される電力の時系列情報(例えば、図5(A)及び図5(B)に示す発電家3の発電電力の時系列情報)を、通信ネットワーク6を介して発電家情報サーバ1Aから収集する。収集部10の動作は、情報提供サーバ20の通信インターフェイス、CPU及びメモリの動作によって実現される。

【0038】
図9(A)には、複数の発電家3で発電される電力量の時間変化の一例が示されている。図9(A)では、1日における3時間毎の太陽光発電、風力発電、火力発電による電力量(発電量)が棒グラフで示されている。図9(A)に示すように、各発電家3における発電量の合計は、時間帯毎に変動し、太陽光発電、風力発電、火力発電による電力量の割合も変化する。収集部10は、この図9(A)に示される電力量の時間変化が求められるような情報、すなわち数種類の発電方法各々で発電される電力の時系列情報を収集する。

【0039】
ここで、PPS1が、卸電力市場4から電力を仕入れている場合には、収集部10は、その電力の発電種別を”unknown”として電力の時系列情報を収集する。また、卸電力市場4から仕入れた電力の発電種別がグリーンエネルギーに限定されている場合には、収集部10は、発電種別を”グリーンエネルギー” として、電力の時系列情報を収集するようにしてもよい。

【0040】
第2の収集部としての収集部11は、需要家2における消費電力の時系列情報を、通信ネットワーク6を介して発電家情報サーバ2Aから収集する。

【0041】
また、図9(B)には、各需要家2で消費される電力量の時間変化の一例が示されている。図9(B)では、1日における3時間毎の4つの需要家2(A、B、C、D)における消費電力量が棒グラフで示されている。図9(B)に示すように、各需要家2における消費電力量の合計は、時間帯毎に変動し、需要家2(A、B、C、D)による消費電力量の割合も変化する。収集部11は、この図9(B)に示される消費電力量の時間変化を求められるような情報、すなわち各需要家2で消費される電力の時系列情報を収集する。収集部11の動作は、情報提供サーバ20の通信インターフェイス、CPU及びメモリの動作によって実現される。

【0042】
図9(A)及び図9(B)を比較するとわかるように、同じ時間帯において、複数の発電家3で発電される発電量の合計と、複数の需要家2(A~D)で消費される電力量の合計とは常に一致する。

【0043】
情報生成部12は、収集部10で収集された発電電力の時系列情報と、収集部11で収集された消費電力の時系列情報とに基づいて、需要家2で消費された一定時間当たりの電力量の発電方法毎の比率に関する情報を生成する。

【0044】
例えば、図9(A)に示すように、15時-18時において、受給電力量が100kWhであり、太陽光発電、風力発電、火力発電の比率が30%、10%、60%であったとする。一方、図9(B)に示すように、15時-18時における消費電力量は、上記受給電力量と同じ100kWとなる。ここで、需要家2(A、B、C、D)の消費電力がそれぞれ30kWh、10kWh、40kWh、20kWhであったとする。

【0045】
この場合、情報生成部12は、需要家2(A)については、15時-18時における太陽光、風力、火力の消費電力量を、それぞれ9kWh、3kWh、18kWhと算出する。また、情報生成部12は、需要家2(B)については、15時-18時における太陽光、風力、火力の消費電力量を、それぞれ3kWh、1kWh、6kWhと算出する。さらに、情報生成部12は、需要家2(C)については、15時-18時における太陽光、風力、火力の消費電力量を、それぞれ12kWh、4kWh、24kWhと算出する。さらに、情報生成部12は、需要家2(D)については、15時-18時における太陽光、風力、火力の消費電力量を、それぞれ6kWh、2kWh、12kWhと算出する。情報生成部12は、このようにして、収集部10、11で収集された情報に基づいて、各需要家2で消費される電力量の発電種別毎の比率に関する情報を生成する。

【0046】
なお、PPS1が、卸電力市場4から電力を仕入れている場合には、情報生成部12は、その電力の発電種別を”unknown”として電力量の発電種別の比率に関する情報を生成する。また、卸電力市場4から仕入れた電力の発電種別がグリーンエネルギーに限定されている場合には、情報生成部11は、発電種別を”グリーンエネルギー” として電力量の発電種別の比率に関する情報を生成するようにしてもよい。情報生成部12の動作は、情報提供サーバ20のCPU及びメモリの動作によって実現される。

【0047】
情報提供部13は、パーソナルコンピュータ、携帯端末等のユーザ端末7にWebページを提供するWebサーバである。情報提供部13は、情報生成部12で生成された需要家2で消費された消費電力量の発電方法毎の比率に関する情報をユーザ端末7に提供する。この情報は、需要家2のWebページのコンテンツとして、ユーザ端末7のブラウザに提供されるのが一般的であるが、ユーザ端末7上で動作するアプリケーションによって、ユーザ端末7の画面に表示されるものであればよい。情報提供部13の動作は、情報提供サーバ20の通信インターフェイス、CPU及びメモリの動作によって実現される。

【0048】
なお、PPS1が、卸電力市場4から電力を仕入れている場合には、情報提供部13は、その電力の発電種別を”unknown”として電力量の発電種別の比率に関する情報を提供する。また、卸電力市場4から仕入れた電力の発電種別がグリーンエネルギーに限定して指定されている場合には、情報提供部13は、発電種別を”グリーンエネルギー” として電力量の発電種別の比率に関する情報を提供するようにしてもよい。

【0049】
ユーザ端末7は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等の携帯端末であり、通信ネットワーク6に接続可能で、情報提供サーバ20から提供される情報を表示出力したり、音声出力したりすることができる情報端末である。

【0050】
次に、情報提供サーバ20の処理の流れについて説明する。

【0051】
図10に示すように、情報提供サーバ20の収集部10は、複数種類の発電方法各々で発電される発電家3における発電電力の時系列情報を、通信ネットワーク6を介して、発電家情報サーバ1Aから収集する(ステップS1)。

【0052】
続いて、情報提供サーバ20の収集部11が、需要家2における消費電力の時系列情報を、通信ネットワーク6を介して発電家情報サーバ2Aから収集する(ステップS2)。図11(A)には、このようにして収集された発電家3における発電電力の時系列情報の一例が示されている。ここで示される発電方法の種別は、太陽光発電、風力発電、火力発電、原子力発電である。図11(A)に示すように、太陽光発電は、日中の発電電力が高く夜間は低い一方、原子力発電の発電電力は1日中一定である。

【0053】
続いて、情報提供サーバ20の情報生成部12は、収集部10で収集された電力の時系列情報と、収集部11で収集された消費電力の時系列情報とに基づいて、需要家2で消費された消費電力の発電方法毎の比率に関する情報を生成する(ステップS3)。図11(B)には、このようにして収集された需要家2における消費電力の時系列情報の一例が示されている。

【0054】
続いて、情報提供サーバ20の情報提供部13は、情報生成部12で生成された需要家2で消費された消費電力量の発電方法毎の比率に関する情報を提供する(ステップS4)。例えば、ユーザ端末7から情報提供サーバ20へアクセスがあった場合、情報提供サーバ20は、需要家2のWebページのコンテンツとして、例えば図11(C)に示すような、電力比率を示す円グラフの画像を含むHTML(HyperText Markup Language)データを、ユーザ端末7に送る。これを受信すると、ユーザ端末7のブラウザが、HTMLデータに含まれる円グラフのデータを画面に表示する。この円グラフを見たユーザ(例えば需要家2の顧客)は、需要家2が、例えば、全体の消費電力のうち、再生利用エネルギーを用いた発電が、どの程度の比率で行われているかを確認することができる。

【0055】
なお、このときに表示されるグラフは円グラフでなく、棒グラフであってもよい。また、単に、発電方法の種別毎の割合を数値で表示するものであってもよい。

【0056】
ユーザに自らの発電種別毎の消費電力の比率を開示することは、エコロジーに関する企業イメージアップが必要な需要家2にとっては、極めて重要である。例えば、LEDを人工光源として用いた植物工場等の需要家2であれば、この植物工場で太陽光で発電された電力を積極的に利用していることをホームページで明示すれば、需要家2のブランド力を著しく上げることが可能である。しかしながら、太陽光発電は昼間しか発電できないので、夜間については、太陽光発電以外の発電電力を用いざるを得ないのが実情である。したがって、この植物工場が、太陽光で発電された電力を積極的に利用していることを、定量的にアピールし顧客の信頼を得るためには、太陽光発電がどの程度の割合で用いられるのかを、正確に顧客に伝える必要がある。

【0057】
そこで、この実施の形態に係る情報提供システム50は、発電種別毎の割合を、需要家2(植物工場)のホームページに表示可能とする。このようにすることで、例えば、消費電力が100%太陽光発電で賄われているものではなくても、その定量的な電力比率の表示によって企業の正直さや信頼感を、顧客等にアピールすることができる。

【0058】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、複数種類の発電方法各々で発電される発電家3の発電電力の時系列情報と、需要家2における消費電力の時系列情報とに基づいて、需要家2で消費された消費電力の発電方法毎の比率に関する情報を生成し、提供する。このようにすれば、発電家3から送電網5を介して需要家2に至る送電網5そのものの仕組みを変更することなく、需要家2が、消費電力のうち、発電方法毎の電力の比率を定量的かつ簡易な方法で確認することができる。

【0059】
なお、上記実施の形態では、発電種別のうち、太陽光発電の比率を重要視する需要家2が、情報提供システム50を利用する場合について説明した。しかしながら、本発明はこれには限られない。太陽光発電に加え、風力発電、地熱発電、潮流発電、バイオマス発電等の再生利用可能エネルギーの電力比率を重要視する需要家2に対してもこの情報提供システム50を利用可能である。また、原子力発電の電力比率を重要視する需要家2に対しても、この情報提供システム50を利用可能である。さらには、火力発電等の化石燃料を用いた電力比率を重要視する需要家2に対しても、この情報提供システム50を利用可能である。

【0060】
この情報提供システム50では、複数のPPS1について発電方法の種別毎に電力比率を表示することができるので、需要家2がPPS1を選択する指標として用いることができる。

【0061】
上記実施の形態に係る情報提供システム50は、図2に示す電力を供給する発電家3、送電網5及び需要家2について設計変更を行う必要はない。

【0062】
なお、上記実施の形態では、需要家2の消費電力の1日の電力量の発電種別毎の比率を表示するものとしたが、これには限られない。例えば、1時間の電力量であってもよいし、1週間、1年の電力量であってもよい。

【0063】
また、発電家3での発電電力及び需要家2での消費電力を情報提供システム50が直接収集して、それらの計測値に基づいて、需要家2の消費電力における発電種別毎の比率を算出し、それをリアルタイムに表示出力するようにしてもよい。

【0064】
上記実施の形態では、需要家2を植物工場としたが、これには限定されない。例えば、需要家2がレストラン等の飲食業、牧場等の生産者であってもよい。この場合にも、再生可能エネルギーの定量的な電力比率の表示によって企業の正直さや企業に対する信頼度の高さを、顧客等にアピールすることができる。

【0065】
その他、発電家情報サーバ1A、需要家情報サーバ2A、情報提供サーバ20のハードウエア構成やソフトウエア構成は一例であり、任意に変更および修正が可能である。

【0066】
情報提供サーバ20は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する情報提供サーバ20を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで情報提供サーバ20を構成してもよい。

【0067】
情報提供サーバ20の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。

【0068】
搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)にコンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介してコンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。

【0069】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
この発明は、特定規模電気事業者(PPS)から供給される電力の発電方法毎の電力比率を需要家や他のユーザ等が確認するのに好適である。
【符号の説明】
【0071】
1 新電力(PPS)、1A 発電家情報サーバ、2 需要家、2A 需要家情報サーバ、、2C 電力センサ、3 発電家、3A 電力センサ、4 卸電力市場、5 送電網、6 通信ネットワーク、7 ユーザ端末、10 収集部、11 収集部、12 情報生成部、13 情報提供部、20 情報提供サーバ、50 情報提供システム、100 電力売買システム
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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