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明細書 :木材圧密処理方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4269004号 (P4269004)
公開番号 特開2006-116843 (P2006-116843A)
登録日 平成21年3月6日(2009.3.6)
発行日 平成21年5月27日(2009.5.27)
公開日 平成18年5月11日(2006.5.11)
発明の名称または考案の名称 木材圧密処理方法
国際特許分類 B27K   5/00        (2006.01)
B27M   1/02        (2006.01)
FI B27K 5/00 F
B27M 1/02
請求項の数または発明の数 3
全頁数 8
出願番号 特願2004-307774 (P2004-307774)
出願日 平成16年10月22日(2004.10.22)
審査請求日 平成19年4月3日(2007.4.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】591079487
【氏名又は名称】広島県
発明者または考案者 【氏名】藤田 和彦
個別代理人の代理人 【識別番号】100074055、【弁理士】、【氏名又は名称】三原 靖雄
審査官 【審査官】木村 隆一
参考文献・文献 特開平11-000905(JP,A)
特開昭54-011214(JP,A)
特開2000-153510(JP,A)
特開平07-232309(JP,A)
特開平07-159027(JP,A)
調査した分野 B27K 1/00-9/00
B27M 1/02
特許請求の範囲 【請求項1】
木材の密圧装置において、1段又は多段式熱プレスの固定側熱盤上に、縦・横に、無数の円錐台状の穴を穿設した穴あき金属板を、円錐台状に加工した穴が逆になるよう敷設し、該穴あき金属板の上に、被処理木材を載置し、鋼板を介して可動側熱盤を押圧し、圧密処理することを特徴とする木材圧密処理方法。
【請求項2】
木材の密圧装置において、1段又は多段式熱プレスの固定側熱盤上に敷設する,縦・横に、無数の円錐台状の穴を穿設し、かつ、被処理木材に接する面の反対側に、溝切り加工を施した穴あき溝切り金属板を設け、該穴あき溝切り金属板に被処理木材を載置し、圧締した際に加工した穴から発生する加熱水蒸気を、溝及び円錐台状の穴を介して、均一に圧密処理中の被処理木材に送り込むことを特徴とする木材圧密処理方法。
【請求項3】
被処理木材の水分含有率が、50%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の木材圧密処理方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、木材圧密処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
木材の熱プレス圧密装置に、プレスする面を多孔質の材料で形成する圧密装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、木材の熱プレス圧密装置の熱盤の木材と接触する接触面は、木材が鉄イオン汚染により黒色化しない材質からなることが好ましく、ステンレス鋼やアルミニウム鋼、またメッキされた普通鋼が良いとされている。(特許文献2参照)
【0004】
さらに、圧密処理を施す木材の含水率が高すぎる場合には、固定化処理中に木材に割れや裂け等の損傷が発生し、歩留まりが悪くなると共に、固定化処理後における木材の乾燥に起因して、収縮等の変形が著しく製品としての価値を失うことがある、とされている(特許文献2参照)。

【特許文献1】特開平8-90516号公報
【特許文献2】特開2003-53705号公報
【0005】
従来の木材の圧密方法は、乾燥木材(25%以下)を圧力容器内で水蒸気により軟化点以上に加熱圧縮後、高温・高圧の水蒸気を導入する方法や、密閉可能な金型の互いに対向する熱盤間に木材を収容して、熱盤により木材を軟化点以上に加熱するとともに、圧縮した状態で高温・高圧の水蒸気を導入する方法などがある。
【0006】
しかし、どの方法も実用化の段階であるものの、節の多い木材は、実際の処理にはほとんど使用されていないのが実状である。
【0007】
その理由は、節を含めその近くの部分では含水率が高い場合が多く、処理中に木材中の水分が蒸気化し割れや裂け等の損傷が発生する。また、節の繊維方向が処理木材の繊維方向と直角のため、圧締することにより繊維が潰されて処理後に節が抜けてしまうからである。
【0008】
そして、圧密処理には、金網や透水性のシート、または、金属製の穴あき板が使用されるが、破れる等の耐久性の問題や、節などが網や金属盤にめり込んで取れなくなるという問題が生じている。
【0009】
さらに、圧密処理の対象とされる軟質材であるスギは、伐採直後では、辺材が160%程度、心材が55%程度もあり、乾燥するためのエネルギや時間を多大に消費するという欠点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような木材を圧密する方法として、第1の課題として、加熱・高温・高圧処理をされる場合の実用化の問題となっていた、節の存在する被処理木材や、高含水率材について圧密処理することを可能とする方法を開発することであり、また、第2の課題としては、被処理木材を均一に密圧処理する方法を開発するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、本発明は上記目的を達成するために、1段又は多段式熱プレスの熱盤間に、縦・横に、無数の円錐台状の穴を穿設した穴あき金属板を、円錐台状に加工した穴が逆になるよう敷設し、該穴あき金属板の上に、被処理木材を載置し、鋼板を介して可動側熱盤を押圧し、圧密処理することを特徴し、熱盤を上下に開放した際、穴あき金属板から圧密処理された木材を容易に取り除くことを可能としたものである。
【0012】
また、穴あき金属板の被処理木材に接する面の反対側に溝切り加工を施し、圧締した際に発生する加熱水蒸気を、蒸気爆発を起こさせることなく加工した円錐台状の穴及び溝を介して、均一に圧密処理中の被処理木材に送り込めるように構成したものである。
【発明の効果】
【0013】
上記第1の課題解決手段による効果は次のとおりである。すなわち、1段又は多段式熱プレスの熱盤間に、縦・横に、無数の円錐台状の穴を穿設した穴あき金属板を、円錐台状に加工した穴が逆になるよう敷設するため、該穴あき金属板に、圧締により木材の節を含む面が押し付けられ、穴を含む金属板の面に、被処理木材の節がめり込もうとしても、円柱形の穴であれば、節の一部が穴にめり込んで押し付けられ抜けなくなるが、本発明によると、円錐台状に加工した穴に穿設しており、その結果、めり込んでも穴に広がりの角度がついているため容易に抜けるものである。
【0014】
また、第2の課題解決手段による効果は次のとおりである。すなわち、含水率の50%を超える被処理木材は、熱盤により圧締した際に加熱蒸気により爆発し裂けてしまうが、穴あき金属板の被処理木材に接する面の反対側に加工された溝により、1箇所の穴内に蒸気を留めることなく、溝を介して他の穴にも蒸気を均一に圧密処理中の木材に送ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面とともに、本発明の木材圧密処理方法の好適な実施の形態について、詳細に説明する。図1は、被処理木材の圧密装置の熱圧部分の断面図、図2は、本発明に使用する穴あき金属板の平面図、図3は、本発明に使用する穴あき金属板の断面図、図4は、各穴を通る溝を形成した穴あき金属板の平面図、図5は、本発明に使用する穴あき溝切り金属板の断面である。
【0016】
この発明の第一の発明の一実施例を詳述すると、木材の密圧装置において、1段又は多段式熱プレスの固定側熱盤(3)上に、縦・横に、無数の円錐台状の穴を穿設した穴あき金属板(4)を、円錐台状に加工した穴(7)が逆になるよう敷設し、該穴あき金属板(4)の上に、被処理木材(5)を載置し、鋼板(6)を介して可動側熱盤(1)を押圧し、圧密処理することを特徴とする木材圧密処理方法から構成される。
【0017】
図1に示す木材の圧密装置の熱圧部分において、(1)は、可動側熱盤、(2)は、木材の圧密厚さを調整するための金属板、(3)は固定側熱盤である。被処理木材(5)を圧密する際、ステンレス鋼の穴あき金属板(4)を固定側熱盤(3)の上に敷設し、被処理木材(5)を載置して、さらに平滑なステンレス鋼板(6)を、該被処理木材(5)を挟み込むように載置して、可動側熱盤(1)でプレスするものである。
【0018】
さらに、この発明の第二の発明の一実施例を詳述すると、木材の密圧装置において、1段又は多段式熱プレスの固定側熱盤(3)上に敷設する、縦・横に、無数の円錐台状の穴(7)を穿設し、かつ、被処理木材(5)に接する面の反対側に、溝(8)切り加工を施した穴あき溝切り金属板(4′)を設け、該穴あき溝切り金属板(4′)に被処理木材(5)を載置し、圧締した際に加工した穴(7)から発生する加熱水蒸気を、溝(8)及び円錐台状の穴(7)を介して、均一に圧密処理中の被処理木材に送り込むことを特徴とする木材圧密処理方法から構成される。
【0019】
また、これら第一の発明及び第二の発明で使用される被処理木材(5)の水分含有率は、50%以上である。
【0020】
尚、穴あき金属板(4)の具体的な構成を図2において示すと、穴あき金属板(4)の平面図であるが、円錐台状の穴(7)は、縦・横方向に等間隔で配置されており、具体的な一例としては、穴あき金属板(4)の断面で、円錐台状の穴(7)が被処理木材(5)に接する面で、直径は6mm、穴の間隔は2mm、固定側の熱盤3に接する面で直径は5mm、穴の間隔は3mmに加工し、該穴の傾斜角は14°である。
【0021】
さらに、図4に示すように、穴あき金属板(4)に穿設し円錐台状の穴(7)は、縦・横等間隔で配置され、各穴(7)は菱形状に溝(8)で結ばれている。図5に示すように、穴あき溝切り金属板(4′)の断面は、円錐台状の穴(7)が被処理木材(5)に接する面で直径は6mm、穴の間隔は2mm、固定側熱盤(3)に接する面で直径は5mm、穴(7)の間隔は3mmに加工した。穴(7)の傾斜角は14°である。溝(8)は深さ1mm、幅1.6mmである。
【0022】
上記穴あき溝切り金属板(4′)を使用して図1の仕様でスギ板材を、被処理木材(5)として圧密処理を行った。圧密処理条件は、長さ400mm、巾150mm、厚さ6mm、含水率89%のスギ板材を、熱盤温度200℃、圧縮率50%で1時間熱圧締した。熱盤間では蒸気圧力の調整をせず、蒸気を開放した。圧締が終了するとすぐに熱盤の間隔を広げ、1/2の厚さになったスギ板材を取り出し、常温になるまで冷却した。
【0023】
さらに、上記圧密処理木材の圧密固定化確認試験を行った。圧密処理により得られた木材を長さ方向に80mmづつ4枚に切断し、2枚を30℃の水に1時間浸漬後105℃で24時間乾燥させて側面中央部厚さを測定した。また、残りの2枚を沸騰中に1時間浸漬後105℃で24時間乾燥させて側面中央部厚さを測定した。放射方向における厚さ変化率を、変化率(%)=(浸漬または煮沸後の全乾厚さ÷圧密固定処理後の厚さ-1)×100として計算した結果、水浸漬処理材の変化率は平均4.8%、煮沸処理材の変化率は平均14.0%であった。
【0024】
比較として、穴あき金属板(4)の替わりに穴の開いていないステンレス鋼を挿入し、含水率が50%を超えるスギ板材を熱圧締した結果、木材が何箇所も繊維状に裂けて、板材としての形状をなさなかった。
【産業上の利用可能性】
【0025】
この発明によると、木材の圧密処理方法の技術を確立し、実施することにより産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施例を示す木材圧密処理装置の断面図である。
【図2】本発明に使用する穴あき金属板の平面図である。
【図3】本発明に使用する穴あき金属板の拡大断面である。
【図4】本発明に使用する穴あき溝切り金属板の平面図である。
【図5】本発明に使用する穴あき溝切り金属板の断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 可動側熱盤
2 厚さ調整板
3 固定側熱盤
4 穴あき金属板
4′穴あき溝切り金属板
5 被処理木材
6 平滑な金属板
7 円錐台状の穴
8 溝
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4