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明細書 :コンテンツ配信装置、システム、及び方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-208172 (P2016-208172A)
公開日 平成28年12月8日(2016.12.8)
発明の名称または考案の名称 コンテンツ配信装置、システム、及び方法
国際特許分類 H04N  21/231       (2011.01)
H04N  21/6543      (2011.01)
FI H04N 21/231
H04N 21/6543
請求項の数または発明の数 13
出願形態 OL
全頁数 19
出願番号 特願2015-085698 (P2015-085698)
出願日 平成27年4月20日(2015.4.20)
発明者または考案者 【氏名】中里 秀則
出願人 【識別番号】899000068
【氏名又は名称】学校法人早稲田大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100073184、【弁理士】、【氏名又は名称】柳田 征史
【識別番号】100090468、【弁理士】、【氏名又は名称】佐久間 剛
審査請求 未請求
テーマコード 5C164
Fターム 5C164FA06
5C164GA03
5C164SA24S
5C164SB26S
5C164SB36P
5C164SB41S
5C164TC02P
5C164YA17
要約 【課題】複数のユーザが同じコンテンツの配信を受ける場合に、そのコンテンツのキャッシュの占有時間を短縮する配信装置、システム及び方法を提供する。
【解決手段】要求受付部11は、ユーザ端末装置50からコンテンツ取得要求を受信する。コンテンツ配信部12は、コンテンツデータがキャッシュ部13に存在するときは、キャッシュ部13から取得したコンテンツデータを要求元のユーザ端末装置50に送信する。判断部14は、同じコンテンツを先行して送信している他のユーザ端末装置50が存在するか否かを判断する。コンテンツ配信部12は、判断部14において存在すると判断されると、先行して送信しているユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生速度を遅くすること、及び、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生速度を速めることの少なくとも一方を実施する。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
ユーザ端末装置から、取得を希望するコンテンツデータを指定するコンテンツ取得要求を受信する要求受付部と、
ネットワークの上流側から取得されたコンテンツデータを一時的に記憶するするキャッシュ部と、
前記要求受付部が受信したコンテンツ取得要求が指定するコンテンツデータが前記キャッシュ部に存在するときは、該キャッシュ部からコンテンツデータを取得して、前記コンテンツ取得要求の送信元のユーザ端末装置に送信するコンテンツ配信部と、
前記要求受付部が新たにコンテンツ取得要求を受信すると、該受信されたコンテンツ取得要求によって指定されるコンテンツデータを先行して送信している他のユーザ端末装置が存在するか否かを判断する判断部とを備え、
前記コンテンツ配信部は、前記判断部において存在すると判断されると、先行して送信しているユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を遅くすること、及び、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を速めることの少なくとも一方を実施することを特徴とするコンテンツ配信装置。
【請求項2】
前記コンテンツ配信部は、前記要求受付部が受信したコンテンツ取得要求が指定するコンテンツデータがキャッシュ部に存在しないときは、前記ネットワークの上流側からコンテンツデータを取得して前記ユーザ端末装置に送信し、かつ前記キャッシュ部に取得したコンテンツデータを一時的に記憶するする請求項1に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項3】
前記コンテンツ配信部は、前記先行して送信しているユーザ端末装置と前記後からコンテンツ取得要求を発生させたユーザ端末装置とに送信するコンテンツデータをそれぞれ書き換えることにより、前記先行して送信しているユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を遅くすること、及び、前記後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を速めることを実施する請求項1又は2に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項4】
前記コンテンツデータが、連続して順次に転送される一連の分割データを含み、各分割データは前記ユーザ端末装置における再生のタイミングを制御する再生タイミングデータを含んでおり、前記コンテンツ配信部は、前記分割データの再生タイミングデータを書き換え、該再生タイミングデータが書き換えられた分割データを前記ユーザ端末装置に送信することで、前記ユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を変更する請求項1から3何れか1項に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項5】
前記コンテンツ取得部は、ネットワークの上流側から分割データを取得すると、該取得した分割データが、前記後から送信されたコンテンツ取得要求によって指定されたコンテンツデータに含まれるものであるか否かを判定し、含まれる旨を判定すると、前記取得した分割データの再生タイミングデータの書き換えを行う請求項4に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項6】
前記コンテンツ配信部は、前記先行して送信しているユーザ端末装置へのコンテンツデータの送信と、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置へのコンテンツデータの送信との間の時間差がなくなるまで、前記ユーザ端末装置における再生速度の変更を継続する請求項4又は5に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項7】
前記コンテンツ配信部は、前記時間差がなくなった後は、前記先行して送信しているユーザ端末装置と前記後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置とに、前記分割データを同時に送信する請求項6に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項8】
前記キャッシュ部は、前記分割データ単位でコンテンツデータを一時的に記憶しており、前記後からコンテンツ取得要求を発生させたユーザ端末装置へ一時的に記憶していた分割データを送信した時刻以後に、当該分割データが前記キャッシュ部から削除される請求項4から7何れか1項に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項9】
前記コンテンツ取得要求が、取得を希望するコンテンツデータのコンテンツ名を含み、前記判断部は、前記コンテンツ名に基づいて、前記コンテンツ取得要求によって指定されるコンテンツデータを先に送信している他のユーザ端末装置が存在するか否かを判断する請求項1から8何れか1項に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項10】
前記コンテンツ配信部は、前記コンテンツデータを前記ユーザ端末装置にストリーミング送信する請求項1から9何れか1項に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項11】
コンテンツ指向ネットワークのルータ装置である請求項1から10何れか1項に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項12】
コンテンツデータを保持するコンテンツデータサーバ装置と、該コンテンツデータサーバ装置とネットワークを介して接続された1以上のコンテンツ配信装置とを備え、ユーザ端末装置に前記コンテンツデータを送信するコンテンツ配信システムであって、
前記コンテンツ配信装置が、
前記ユーザ端末装置から、取得を希望するコンテンツデータを指定するコンテンツ取得要求を受信する要求受付部と、
前記コンテンツ取得要求によって指定されたコンテンツデータを要求元のユーザ端末装置に送信するコンテンツ配信部と、
前記要求受付部が新たにコンテンツ取得要求を受信すると、該受信されたコンテンツ取得要求によって指定されるコンテンツデータを先行して送信している他のユーザ端末装置が存在するか否かを判断する判断部とを備え、
前記コンテンツ配信部は、前記判断部において存在すると判断されると、先行して送信しているユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を遅くすること、及び、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を速めることの少なくとも一方を実施することを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項13】
コンテンツ配信装置がユーザ端末装置にコンテンツデータを送信するコンテンツ配信方法であって、
前記コンテンツ配信装置が、前記ユーザ端末装置から、取得を希望するコンテンツデータを指定するコンテンツ取得要求を受信するステップと、
前記コンテンツ配信装置が、前記受信したコンテンツ取得要求によって指定されたコンテンツデータを要求元のユーザ端末装置に送信するステップと、
前記コンテンツ配信装置が、前記受信したコンテンツ取得要求によって指定されるコンテンツデータを先行して送信している他のユーザ端末装置が存在するか否かを判断するステップと、
前記コンテンツ配信装置が、前記判断するステップにおいて存在すると判断すると、前記先行して送信している他のユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を遅くすること、及び、前記コンテンツ取得要求の送信元のユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を速めることの少なくとも一方を実施することを特徴とするコンテンツ配信方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ配信装置、システム、及び方法に関し、更に詳しくは、複数のユーザにコンテンツ配信を行うコンテンツ配信装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザからの要求に応じてコンテンツデータを配信するコンテンツ配信システムが知られている。コンテンツ配信システムの一形態として、ビデオ・オン・デマンド(VOD)システムが知られている(例えば特許文献1を参照)。VODシステムは、例えばテレビや映画などの映像と音声とを含むビデオデータ(コンテンツデータ)をユーザ端末からの要求に応じて配信する。一般に、VODシステムは、ビデオデータを大量に格納する大容量蓄積装置と、ユーザからの要求に応じてビデオデータを検索し、ユーザに提供する配信サーバとを含む。特許文献1では、ビデオデータを複数の分割データに分割し、分割データ単位でビデオデータの転送を行う。
【0003】
コンテンツ配信では、通常、扱われるデータのサイズが大きいため、効率的にコンテンツ配信を行うことが重要である。特許文献1に記載のVODシステムでは、あるユーザと別のユーザとが同じコンテンツを視聴するときは、ビデオデータ(分割データ)を複数のユーザ端末に同報配信することが記載されている。同報配信を行うことで、コンテンツ配信の効率を向上できる。特許文献1では、同報配信するユーザ数が増えるほど、配信サーバ及び配信に用いられるネットワークの負荷を軽減できる。
【0004】
特許文献1には、システムの余力が残り少ないときに、ユーザ端末装置での再生速度を視聴者が気づかない程度低速化することも記載されている。再生速度を低速化すると、再生中の分割データの再生時間は、通常の再生時間よりも長くなり、その分だけ、後に続く分割データの転送時期を遅らせることができる。これにより、負荷のピークを回避することができる。また、特許文献1には、後に続く分割データの転送時期を遅らせている間に他のユーザ端末から再生要求があれば、再生速度を低速化させたユーザと、後から要求したユーザとに、分割データコンテンツを同報転送で配信することもできると記載されている。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2004-146869号公報
【特許文献2】特開2013-179482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1において、再生速度を低速化するのはシステム負荷が高いときのみである。また、特許文献1において同報転送が可能になるのは、あるユーザへの分割データの送信時に、その分割データを後に視聴する別のユーザが存在するときである。特許文献1では、再生速度を低速化することによって次の分割データの転送時期を遅らせた分だけ、別の言い方をすれば通常再生の場合と低速再生の場合との時間差の分だけ、次の分割データを同報転送できる可能性が高まるに過ぎない。各ユーザは任意のタイミングでコンテンツの視聴を要求するために、必ずしも、再生速度を低速化している間に他のユーザから同じコンテンツの視聴を要求するとは限らない。特許文献1においては、システムが高負荷で、かつ、きわめて限られた状況においてのみ、コンテンツ配信を効率化することができるものの、その効果は限定的である。
【0007】
ここで、インターネットを流れるトラヒックの多くは、ウェブトラヒックやP2Pトラヒックなどコンテンツ流通に関連するトラヒックである。一方で、インターネットの基本通信モデルは、「どこと」通信するかに重きを置いたロケーションオリエンテッド通信モデルに基づいて設計されている。コンテンツ流通という観点で見れば、ユーザはコンテンツそのものに関心があり、どこからコンテンツが得られるかという点には関心がない。すなわち、ユーザはコンテンツオリエンテッド通信モデルによるコンテンツを期待している。
【0008】
これまでに、アプリケーション層でコンテンツオリエンテッドな通信サービスをサポートする様々な取り組みがなされてきた。しかしながら、そのような通信サービスを支える情報転送基盤(ネットワーク)は依然としてロケーションオリエンテッドなアーキテクチャに基づいており、上下階層の乖離が生じていた。近年、この乖離がもたらす問題点を解決する手法として、送受信されるデータを中心としたネットワークであるコンテンツ指向ネットワークの研究が活発に進められている。
【0009】
コンテンツ指向ネットワークの一種として、CCN(Content Centric Networking)又はICN(Information Centric Networking)が知られている(例えば特許文献2を参照)。CCNは、コンテンツ要求をコンテンツ名で行えること、ルーティングをコンテンツ名で行うこと、各ノードがダイナミックなキャッシュ機能を持ち、ノードを通過したコンテンツがノードに一時的に記憶(キャッシュ)されることといった特徴がある。
【0010】
CCNでは、ユーザは、コンテンツ名を含むインタレスト(コンテンツ取得要求)をCCNに送信する。一般に、CCNでは、コンテンツは複数のセグメント(分割データ)に分割されており、インタレストはセグメントごとに送信される。CCNは、コンテンツ名に基づいてインタレストをルーティングし、要求されたコンテンツを保有するネットワークノードを発見する。インタレストを受信したネットワークノードは、要求されたコンテンツがキャッシュにあるときは、キャッシュからコンテンツを読み出しユーザに提供する。キャッシュされていなければ、別のネットワークノードにインタレストを転送する。コンテンツ配信は、コンテンツを保有するネットワークノードから実施されるため、特定のサーバに負荷を集中させずにコンテンツを配信することが可能である。
【0011】
CCNでは、CCNルータがネットワークノードを構成し、ユーザが送信したインタレスト及びユーザに転送するコンテンツを中継する。CCNルータは、コンテンツを転送する際に、そのコンテンツをキャッシュする。CCNルータは、他のユーザから同じコンテンツに対する要求があったときは、キャッシュからコンテンツを取得してユーザに転送する。ユーザは近くのCCNルータからコンテンツを取得できるため、ネットワークのトラヒック量を削減することができる。
【0012】
ここで、同じCCNルータからコンテンツを配信するユーザが2人おり、2人のユーザが時間差を持ってコンテンツ配信を受けている場合、先行するユーザへ配信されたコンテンツは、後続するユーザに配信されるまでの間は、キャッシュから削除されないことが望ましい。図6は、2人のユーザへのコンテンツ配信を示す図である。ユーザ1が、あるコンテンツを指定したインタレストを送信し、ある時刻でそのコンテンツの先頭(セグメント1)からコンテンツ配信を受けたとする。CCNルータは、例えばコンテンツのセグメント1の配信時にそのデータをキャッシュに保管する。CCNルータは、引き続くセグメントのデータを順次にユーザ1へ送信する。
【0013】
ユーザ1に対するコンテンツ配信開始後、ユーザ2が遅れてユーザ1が送信したインタレストにおいて指定されたコンテンツと同じコンテンツを指定したインタレストを送信し、コンテンツの先頭からコンテンツ配信を受けたとする。CCNルータは、ユーザ1への配信時にキャッシュしたコンテンツのセグメント1のデータをキャッシュから取得してユーザ2に配信する。CCNルータは、コンテンツのセグメント2以降のデータも、ユーザ1への配信時にキャッシュしたものを、ユーザ2に配信することができる。この場合、ユーザ2への配信時にキャッシュからデータを取得するためには、最低限、ユーザ1とユーザ2の配信開始の時間差にあたる期間Cだけ、コンテンツをキャッシュする必要がある。
【0014】
上記のように複数のユーザが時間差を持ってコンテンツ配信を受ける場合、後のユーザにコンテンツ配信されるまではキャッシュからコンテンツを削除することができない。図6の場合は、期間Cの間はコンテンツをキャッシュから削除することができない。コンテンツが実際にキャッシュから削除されるタイミングは、キャッシュのアルゴリズムに依存して変化するが、キャッシュから削除できない期間が長いほど、そのデータがキャッシュを長い期間占有することになる。キャッシュの容量は有限であるため、あるコンテンツがキャッシュを長時間占有すると、他のキャッシュすべきコンテンツを圧迫する。キャッシュの有効利用の観点からは、キャッシュから削除できない期間はできるだけ短いことが好ましい。
【0015】
コンテンツ指向ネットワークでは、さまざまなキャッシュ方式が考えられてきた。キャッシュの方式として、これまで、CCNにおいてすべてのCCNルータでコンテンツを一時記憶する方式、コンテンツの人気度によって記憶するコンテンツを選別する方式、及びコンテンツが要求されるたびに1つ下流のCCNルータにそのコンテンツを記憶する方式などが提案されている。しかし、これらの方式は、キャッシュの削減については考慮されていない。
【0016】
特許文献1にはユーザ端末での再生速度を低速化することが記載されているが、特許文献1は、クライアント-サーバモデルに基づくコンテンツ配信において、負荷が高まったときに再生速度を低下させ、同報転送の可能性を高めるだけである。従って、特許文献1は、上記したキャッシュの有効利用に関する課題を解決するものではない。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑み、複数のユーザが同じコンテンツの配信を受ける場合に、そのコンテンツのキャッシュの占有時間を短縮することが可能なコンテンツ配信装置、システム、及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明は、ユーザ端末装置から、取得を希望するコンテンツデータを指定するコンテンツ取得要求を受信する要求受付部と、ネットワークの上流側から取得されたコンテンツデータを一時的に記憶するキャッシュ部と、前記要求受付部が受信したコンテンツ取得要求が指定するコンテンツデータが前記キャッシュ部に存在するときは、該キャッシュ部からコンテンツデータを取得して、前記コンテンツ取得要求の送信元のユーザ端末装置に送信するコンテンツ配信部と、前記要求受付部が新たにコンテンツ取得要求を受信すると、該受信されたコンテンツ取得要求によって指定されるコンテンツデータを先行して送信している他のユーザ端末装置が存在するか否かを判断する判断部とを備え、前記コンテンツ配信部は、前記判断部において存在すると判断されると、先行して送信しているユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を遅くすること、及び、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を速めることの少なくとも一方を実施することを特徴とするコンテンツ配信装置を提供する。
【0019】
本発明のコンテンツ配信装置では、前記コンテンツ配信部は、前記要求受付部が受信したコンテンツ取得要求が指定するコンテンツデータがキャッシュ部に存在しないときは、前記ネットワークの上流側からコンテンツデータを取得して前記ユーザ端末装置に送信し、かつ前記キャッシュ部に取得したコンテンツデータを一時的に記憶することが好ましい。
【0020】
本発明のコンテンツ配信装置では、前記コンテンツ配信部が、前記先行して送信しているユーザ端末装置と前記後からコンテンツ取得要求を発生させたユーザ端末装置とに送信するコンテンツデータをそれぞれ書き換えることにより、前記先行して送信しているユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を遅くすること、及び、前記後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を速めることの少なくとも一方を実施する構成を採用できる。
【0021】
本発明のコンテンツ配信装置では、前記コンテンツデータが、連続して順次に転送される一連の分割データを含み、各分割データは前記ユーザ端末装置における再生のタイミングを制御する再生タイミングデータを含んでいてもよく、その場合、前記コンテンツ配信部は、前記分割データの再生タイミングデータを書き換え、該再生タイミングデータが書き換えられた分割データを前記ユーザ端末装置に送信することで、前記ユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を変更してもよい。
【0022】
本発明のコンテンツ配信装置では、前記コンテンツ取得部は、ネットワークの上流側から分割データを取得すると、該取得した分割データが、前記後から送信されたコンテンツ取得要求によって指定されたコンテンツデータに含まれるものであるか否かを判定し、含まれる旨を判定すると、前記取得した分割データの再生タイミングデータの書き換えを行うこととしてもよい。
【0023】
本発明のコンテンツ配信装置では、前記コンテンツ配信部は、前記先行して送信しているユーザ端末装置へのコンテンツデータの送信と、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置へのコンテンツデータの送信との間の時間差がなくなるまで、前記ユーザ端末装置における再生速度を変更することが好ましい。
【0024】
上記において、前記コンテンツ配信部は、前記時間差がなくなった後は、前記先行して送信しているユーザ端末装置と前記後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置とに、前記分割データを同時に送信することが好ましい。
【0025】
本発明のコンテンツ配信装置では、前記キャッシュ部は、前記分割データ単位でコンテンツデータをキャッシュしており、前記後からコンテンツ取得要求を発生させたユーザ端末装置へキャッシュしていた分割データを送信した時刻以後に、当該分割データをキャッシュ部から削除することが好ましい。
【0026】
本発明のコンテンツ配信装置では、前記コンテンツ取得要求が、取得を希望するコンテンツデータのコンテンツ名を含んでいてもよい。その場合、前記判断部は、前記コンテンツ名に基づいて、前記コンテンツ取得要求によって指定されるコンテンツデータを先に送信している他のユーザ端末装置が存在するか否かを判断してもよい。
【0027】
本発明のコンテンツ配信装置では、前記コンテンツ配信部は、前記コンテンツデータを前記ユーザ端末装置にストリーミング送信することとしてもよい。
【0028】
本発明のコンテンツ配信装置は、コンテンツ指向ネットワークのルータ装置であってもよい。
【0029】
本発明は、また、コンテンツデータを保持するコンテンツデータサーバ装置と、該コンテンツデータサーバ装置とネットワークを介して接続された1以上のコンテンツ配信装置とを備え、ユーザ端末装置に前記コンテンツデータを送信するコンテンツ配信システムであって、前記コンテンツ配信装置が、前記ユーザ端末装置から、取得を希望するコンテンツデータを指定するコンテンツ取得要求を受信する要求受付部と、前記コンテンツ取得要求によって指定されたコンテンツデータを要求元のユーザ端末装置に送信するコンテンツ配信部と、前記要求受付部が新たにコンテンツ取得要求を受信すると、該受信されたコンテンツ取得要求によって指定されるコンテンツデータを先行して送信している他のユーザ端末装置が存在するか否かを判断する判断部とを備え、前記コンテンツ配信部は、前記判断部において存在すると判断されると、先行して送信しているユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を遅くすること、及び、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を速めることの少なくとも一方を実施することを特徴とするコンテンツ配信システムを提供する。
【0030】
さらに、本発明は、コンテンツ配信装置がユーザ端末装置にコンテンツデータを配信するコンテンツ配信方法であって、前記コンテンツ配信装置が、前記ユーザ端末装置から、取得を希望するコンテンツデータを指定するコンテンツ取得要求を受信するステップと、前記コンテンツ配信装置が、前記受信したコンテンツ取得要求によって指定されたコンテンツデータを要求元のユーザ端末装置に送信するステップと、前記コンテンツ配信装置が、前記受信したコンテンツ取得要求によって指定されるコンテンツデータを先行して送信している他のユーザ端末装置が存在するか否かを判断するステップと、前記コンテンツ配信装置が、前記判断するステップにおいて存在すると判断すると、前記先行して送信している他のユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を遅くすること、及び、前記コンテンツ取得要求の送信元のユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を速めることの少なくとも一方を実施することを特徴とするコンテンツ配信方法。
【発明の効果】
【0031】
本発明のコンテンツ配信装置、システム、及び方法は、コンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置に先行してコンテンツを配信している他のユーザ端末装置が存在するとき、コンテンツ取得要求の発生元のユーザ端末装置と先行して送信している他のユーザ端末装置とに配信するコンテンツデータをそれぞれ書き換えて送信することにより、先行して送信している他のユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を遅くすること、及び、コンテンツ取得要求の送信元のユーザ端末装置におけるコンテンツデータの再生速度を速めることの少なくとも一方を実施する。このようにするとこで、双方のユーザ端末装置の間のコンテンツデータの配信のタイミング差を短縮することができ、複数のユーザが同じコンテンツの配信を受ける場合に、そのコンテンツのキャッシュ部の占有時間を短縮することができる。また、タイミングの差を短縮することで、キャッシュ部の使用量の削減も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信システムを示すブロック図。
【図2】ネットワーク中継装置(コンテンツ配信装置)を示すブロック図。
【図3】ユーザ1とユーザ2に対するコンテンツ配信を示す図。
【図4】コンテンツ配信装置の動作手順を示すフローチャート。
【図5】3つのユーザ端末装置が接続されたコンテンツ配信システムを示すブロック図。
【図6】2人のユーザへのコンテンツ配信を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信システムを示すブロック図である。コンテンツ配信システム100は、複数のネットワーク中継装置10と、コンテンツソース(コンテンツサーバ)40とを含む。複数のネットワーク中継装置10により、コンテンツ指向ネットワーク、例えばCCN(Content Centric Networking)20が構成される。各ネットワーク中継装置10は、例えばCCN20のルータ装置である。CCNに代えて、ICN(Information Centric Networking)又はNDN(Named Data Networking)を用いてもよい。

【0034】
ネットワーク中継装置10は、ユーザが使用するユーザ端末装置50に対してコンテンツ配信を行うコンテンツ配信装置でもある。以下では、特にCCN20の末端ノードにおいてユーザ端末装置50にコンテンツ配信を行うネットワーク中継装置を、コンテンツ配信装置とも呼ぶ。複数のネットワーク中継装置10のうちのいくつかは、ユーザ端末装置50に対するコンテンツ配信を行う機能を有していなくてもよい。

【0035】
ユーザ端末装置50は、CCN20を構成する複数のネットワーク中継装置10のうち、近くのネットワーク中継装置(コンテンツ配信装置)10にコンテンツ取得要求(インタレスト、以下同様)を送信する。インタレストは、配信を希望するコンテンツの名前(コンテンツ名)を含む。インタレストを受信したネットワーク中継装置10は、自身のキャッシュ部にインタレストに含まれるコンテンツ名のコンテンツデータが存在するときは、ユーザ端末装置50に当該コンテンツデータを送信する。

【0036】
ネットワーク中継装置10は、自身のキャッシュ部にコンテンツデータが存在しないときは、他のネットワーク中継装置10にインタレストを転送する。その際、ネットワーク中継装置10は、コンテンツ名をエントリとして持つルーティングテーブル(FIB:Forwarding Information Base)を参照して、該当するコンテンツデータを保持するネットワーク中継装置10又はコンテンツサーバ40側に要求を転送する。FIBは、各ネットワーク中継装置10がカバーするコンテンツ名をプレフィックス広告するnaming-basedルーティングプロトコルにより作成される。インタレストの転送により、インタレストに含まれるコンテンツ名のコンテンツデータを保有するネットワーク中継装置10が検索される。

【0037】
コンテンツデータは、コンテンツサーバ40から提供される。コンテンツサーバ40は、事前にコンテンツデータをCCN20に対して提供(登録)してもよいし、CCN20から要求があったときにコンテンツデータを送信してもよい。コンテンツデータは、例えば映画及び音楽などの時間軸に沿って再生されるデータを含む。

【0038】
ネットワーク中継装置10は、インタレストを転送した経路と逆向きにコンテンツデータを転送する。転送されたコンテンツデータは、最終的に、ユーザ端末装置50に送信される。CCN20におけるインタレストの送信、コンテンツデータの検索、及びコンテンツデータの送信は、通常のCCNの動作と同様である。

【0039】
ネットワーク中継装置10は、コンテンツデータを他のネットワーク中継装置10に転送するとき、又はユーザ端末装置50に送信するときに、そのコンテンツデータをキャッシュ部にキャッシュする。すなわち、コンテンツデータをキャッシュ部に一時的に記憶する。ネットワーク中継装置10は、ユーザのユーザ端末装置50から受信したインタレストに含まれるコンテンツ名のコンテンツデータがキャッシュされているときは、キャッシュ部からコンテンツデータを取得する。ユーザからインタレストを受信するたびにコンテンツサーバ40からコンテンツデータを取得する必要がないため、ネットワーク中継装置10とコンテンツサーバ40と間の区間のネットワーク負荷を低減することができる。また、コンテンツデータの取得に要する時間も短縮できる。図1では、1つのコンテンツデータのみが図示されているが、CCN20では、さまざまな経路で複数のコンテンツデータが送受信され得る。

【0040】
コンテンツデータは、例えば連続して順次に転送される一連の分割データ(セグメント)を含む。その場合、ユーザ端末装置50は、現在再生している分割データの再生が終了する前のタイミングで、後続する分割データを指定するインタレストをネットワーク中継装置に10に送信する。インタレストに含まれるコンテンツ名は、階層構造を有しており、コンテンツ全体を指定する部分と、分割データを指定する部分とを含んでいる。ユーザ端末装置50は、先頭の分割データから最終の分割データまで、それら分割データを指定するインタレストをコンテンツの再生の進行に合わせて順次にネットワーク中継装置10に送信する。ネットワーク中継装置10は、インタレストで指定された部分の分割データを、ユーザ端末装置50に順次に送信する。

【0041】
図2は、ネットワーク中継装置(コンテンツ配信装置)10を示すブロック図である。コンテンツ配信装置10は、要求受付部11、コンテンツ配信部12、キャッシュ部(コンテンツキャッシュ)13、及び判断部14を有する。コンテンツ配信装置10の機能は、プロセッサが所定の機能を提供するプログラムにしたがって動作することで実現可能である。あるいは、コンテンツ配信装置10の機能のうちの少なくとも一部がLSIなどの半導体装置によって実現されていてもよい。

【0042】
要求受付部11は、ユーザ端末装置50から、取得を希望するコンテンツデータを指定するコンテンツ取得要求を受け付ける。コンテンツ取得要求は、例えばユーザが取得を希望するコンテンツデータのコンテンツ名を含む。ユーザ端末装置50は、配信されたコンテンツデータを再生するコンテンツ再生装置である。ユーザ端末装置50には、例えば携帯電話機やタブレット端末装置、パーソナルコンピュータなどが用いられる。ユーザ端末装置50は、例えば、それらにインストールされたコンテンツ再生用のアプリケーションプログラムにより、コンテンツデータを再生する。

【0043】
コンテンツ配信部12は、コンテンツ取得要求によって指定されたコンテンツデータを、要求元のユーザ端末装置50に送信する。コンテンツ配信部12は、ユーザ端末装置50にコンテンツデータをストリーミング送信してもよい。キャッシュ部13は、ネットワークの上流側、例えば他のネットワーク中継装置10(図1を参照)やコンテンツサーバ40から取得されたコンテンツデータをキャッシュする。キャッシュ部13には、例えば半導体記憶装置、磁気記憶装置、又は光ディスク装置などの記憶装置が用いられる。

【0044】
コンテンツ配信部12は、要求されたコンテンツデータがキャッシュ部13に存在するときは、キャッシュ部13からコンテンツデータを取得し、ユーザ端末装置50に送信する。コンテンツデータがキャッシュ部13に存在しないときは、他のネットワーク中継装置10にコンテンツ取得要求を転送し、転送先のネットワーク中継装置10からコンテンツデータを取得する。コンテンツ配信部12は、コンテンツサーバ40からコンテンツデータを取得してもよい。

【0045】
判断部14は、要求受付部11が受信したコンテンツ取得要求によって指定されたコンテンツデータを配信中の別のユーザが存在するか否かを判断する。より詳細には、判断部14は、要求受付部11があるユーザ端末装置50から新たにコンテンツ取得要求を受信すると、そのコンテンツ取得要求によって指定されるコンテンツデータを先行して配信している他のユーザ端末装置50が存在するか否かを判断する。判断部14は、例えばコンテンツ取得要求に含まれたコンテンツ名に基づいて、コンテンツ取得要求によって指定されるコンテンツデータを先に送信している他のユーザ端末装置50が存在するか否かを判断する。

【0046】
コンテンツ配信部12は、判断部14において配信中の別のユーザが存在すると判断されると、先行して配信しているユーザのユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生速度を通常の再生速度よりも遅くすること、及び、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生速度を通常の再生速度よりも速めることの少なくとも一方を実施する。コンテンツ配信部12は、少なくとも、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生速度を速めることが好ましい。以下では、主に、コンテンツ配信部12が、先行して配信しているユーザのユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生速度を遅くし、かつ、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生速度速めるものとして説明する。

【0047】
再生速度の変更は、例えばユーザ端末装置50に送信するコンテンツデータを書き換えることにより行う。コンテンツ配信部12は、先行して配信しているユーザのユーザ端末装置50に送信するコンテンツデータを書き換え、ユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生速度をコンテンツデータの書き換えがない場合よりも遅くする。また、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置50に送信するコンテンツデータを書き換え、ユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生速度をコンテンツデータの書き換えがない場合よりも速める。

【0048】
コンテンツ配信部12は、ユーザに違和感を与えない範囲で、ユーザ端末装置50における再生速度を変更するものとする。違和感を与えない範囲とは、ユーザが再生速度が変更になっていることを認知できないか、又は認知できたとしても、それによってコンテンツのオリジナリティが失われない範囲を指す。再生速度の変更の手法は任意である。例えばコンテンツの再生時間を全体的に数%短く、又は長くしてもよい。あるいは、映像の変化がない部分又は無音部分をわずかに延ばす、又は縮めてもよい。なお、コンテンツ配信部12は、映画及び音楽などの時間軸に沿って再生されるコンテンツデータに対してコンテンツデータの書き換えを行う。その他のコンテンツデータについては、通常通りユーザ端末装置50に送信してよい。

【0049】
コンテンツデータが連続して順次に転送される一連の分割データを含む場合、コンテンツデータは分割データの単位で送信される。各分割データは、ユーザ端末装置50における再生のタイミングを制御する再生タイミングデータを含む。再生タイミングデータは、例えばタイムスタンプである。コンテンツ配信部12は、分割データに含まれる再生タイミングデータを書き換えることで、ユーザ端末装置50における再生速度を変更する。先行して配信しているユーザ端末装置50には、再生速度を遅くするように再生タイミングデータを書き換えた分割データを送信し、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置50には再生速度を速めるように再生タイミングデータを書き換えた分割データを送信することで、先行して配信しているユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生速度を遅くし、かつ後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生速度を速めることができる。

【0050】
コンテンツ配信部12は、他のネットワーク中継装置10又はコンテンツサーバ40からコンテンツの分割データを取得すると、その分割データが、後から送信されたコンテンツ取得要求によって指定されたコンテンツデータに含まれるものであるか否かを判定する。つまり、取得された分割データが、先行して配信している別のユーザが存在すると判断されたコンテンツデータの一部を構成するものであるか否かを判断する。コンテンツ配信部12は、含まれる旨を判定すると、取得した分割データの再生タイミングデータの書き換えを行う。含まれないと判定した場合は、その分割データは、再生速度を遅くする、又は速める対象の分割データではないため、再生タイミングデータの書き換えは行わない。

【0051】
コンテンツ配信部12は、先行して配信しているユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生と、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生との間の時間差がなくなるまで、ユーザ端末装置50における再生速度の変更を継続することが好ましい。コンテンツ配信部12は、再生の時間差がなくなった後は、先行した配信しているユーザ端末装置50と後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置50とに、分割データを同時に送信することが可能である。

【0052】
コンテンツデータが複数の分割データに分割されている場合、キャッシュ部13は、分割データ単位でコンテンツをキャッシュするとよい。先行して配信しているユーザ端末装置50に対してコンテンツデータ(分割データ)が送信されたとき、キャッシュ部13には、その分割データがキャッシュされる。キャッシュ部13にキャッシュされた分割データは、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置50へ送信されるまでは、キャッシュ部13から削除されない。キャッシュ部13にキャッシュされた分割データは、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザ端末装置50へ送信された時刻以後に、キャッシュ部13から削除することが可能となる。実際に削除するかどうかは、キャッシュ部の記憶容量の空き具合などによって決めてもよい。

【0053】
図3は、ユーザ1とユーザ2に対するコンテンツ配信を示す図である。ユーザ1とユーザ2とが、時間差を持って同じコンテンツの配信を受けたとする。コンテンツの各分割データ(セグメント)の本来の再生時間はTであるとする。ユーザ1のユーザ端末装置50は、ある時刻で、あるコンテンツデータの先頭の分割データ(セグメント1)を指定したコンテンツ取得要求を送信する。コンテンツ配信部12(図2を参照)は、セグメント1の分割データをユーザ1のユーザ端末装置50に送信する。このときは、要求受付部11はまだユーザ2のユーザ端末装置50から送信されたコンテンツ取得要求を受信していないので、セグメント1の分割データの再生タイミングデータの書き換えは行われず、ユーザ1のユーザ端末装置50におけるセグメント1の分割データの再生時間はTである。

【0054】
その後、要求受付部11は、ユーザ2のユーザ端末装置50から同じコンテンツデータのセグメント1の分割データを指定したコンテンツ取得要求を受信する。判断部14は、ユーザ1のユーザ端末装置50へ同じコンテンツのコンテンツデータの配信が既に行われているため、同じコンテンツデータを配信中の別のユーザが存在すると判断する。判断部14は、コンテンツ配信部12に、再生タイミングデータの書き換えの対象となるコンテンツのコンテンツ名を通知する。

【0055】
コンテンツ配信部12は、キャッシュ部13から、ユーザ1のユーザ端末装置50への送信時にキャッシュした、又はユーザ1のユーザ端末装置50への送信前からキャッシュされていたセグメント1の分割データを取得する。この分割データは、再生タイミングデータの書き換え対象である。ユーザ2は後からコンテンツ取得要求を発生させたユーザであるため、コンテンツ配信部12は、再生速度を速めるように、取得したセグメント1の分割データの再生タイミングデータを書き換える。これにより、ユーザ2のユーザ端末装置50におけるセグメント1の分割データの再生時間がT2に変更される。ユーザ2のユーザ端末装置50における再生時間T2は、本来の再生時間Tよりも短い(T>T2)。

【0056】
ユーザ1のユーザ端末装置50は、セグメント1の分割データの再生が終わる少し前、例えば再生終了時刻よりも一定時間前の時刻に、セグメント2の分割データを指定するコンテンツ取得要求を送信する。コンテンツ配信部12は、例えばコンテンツサーバ40から他のネットワーク中継装置10を介してセグメント2の分割データを取得する。コンテンツ配信部12は、取得したセグメント2の分割データをキャッシュ部13にキャッシュする。コンテンツ配信部12が取得した分割データは、判断部14から通知されたコンテンツ名のコンテンツデータの一部であるため、再生タイミングデータの書き換え対象である。ユーザ1は先行して配信しているユーザであるため、コンテンツ配信部12は、再生速度を遅くするように、取得したセグメント2の分割データの再生タイミングデータを書き換える。これにより、ユーザ1のユーザ端末装置50におけるセグメント2の分割データの再生時間がT1に変更される。ユーザ1のユーザ端末装置50における再生時間T1は、本来の再生時間Tよりも長い(T1>T)。

【0057】
ユーザ2のユーザ端末装置50は、セグメント1の分割データの再生終了時刻よりも一定時間前の時刻に、セグメント2の分割データを指定するコンテンツ取得要求を送信する。各セグメントの分割データの再生終了時刻とコンテンツ取得要求を送信する時刻との間の時間は、ユーザ1のユーザ端末装置50とユーザ2のユーザ端末装置50とで同一であるとする。この時間的な関係は、ユーザ1のユーザ端末装置50から送信されるインタレストとユーザ2のユーザ端末装置50から送信されるインタレストとがコンテンツ配信装置10に到着する時間差を識別できる程度であれば、必ずしも厳密に同一である必要はなく、ユーザ端末装置50ごとに多少のばらつきがあってもよい。

【0058】
コンテンツ配信部12は、ユーザ2のユーザ端末装置50からコンテンツ取得要求を受信すると、キャッシュ部13からセグメント2の分割データを取得し、取得した各分割データの再生タイミングデータを、ユーザ2ユーザ端末装置50における再生速度を速めるように書き換えた上で送信する。ユーザ2のユーザ端末装置50は、残りのセグメントについても同様に、再生中のセグメントの分割データの再生終了時刻よりも一定時間前の時刻に後続するセグメントの分割データを指定したコンテンツ取得要求を送信する。コンテンツ配信部12は、ユーザ2のユーザ端末装置50に、キャッシュ部13から取得した後続するセグメントの分割データの再生タイミングデータを、ユーザ2ユーザ端末装置50における再生速度を速めるように書き換えた上で送信する。

【0059】
ユーザ1のユーザ端末装置50も同様に、再生中のセグメントの分割データの再生終了時刻よりも一定時間前の時刻に後続するセグメントの分割データを指定したコンテンツ取得要求を送信する。コンテンツ配信部12は、ユーザ1のユーザ端末装置50に対しては、取得した後続するセグメントの分割データの再生タイミングデータを、ユーザ1のユーザ端末装置50における再生速度を遅くするように書き換えた上で送信する。なお、ユーザ1のユーザ端末装置50における各分割データ(セグメント2以降)の再生時間は相互に等しくなくてもよく、分割データごとに再生時間が異なっていてもよい。また、ユーザ2のユーザ端末装置50における各分割データの再生時間は相互に等しくなくてもよく、分割データごとに再生時間が異なっていてもよい。

【0060】
ここで、同じセグメントの分割データについて、ユーザ1のユーザ端末装置50への送信時刻とユーザ2の端末装置50への送信時刻との差を配信タイミングの差と定義する。分割データの送信はインタレストの受信に応答して実施されるため、配信タイミングの差は、インタレストの受信時刻の差に対応する。図3では、ユーザ1とユーザ2の配信タイミング差は、初期段階、つまりセグメント1の配信開始時点ではΔt1であった。ユーザ2のユーザ端末装置50に送信されるセグメント1の分割データは、再生速度が速まるように書き換えられており、その再生時間はT2(<T)である。ユーザ2がセグメント2の分割データを指定したコンテンツ取得要求を送信するタイミングは、セグメント1の分割データの再生速度を速めなかった場合に比べて、再生時間が短くなった分だけ早くなり、コンテンツ取得要求の送信タイミングが早まった分だけ、ユーザ2へのセグメント2の分割データの配信タイミングが早まる。セグメント2の分割データの配信タイミングの差Δt2は、初期の配信タイミング差Δt1よりも、ユーザ2のユーザ端末装置50における再生時間が本来の再生時間Tよりも短くなった分だけ減少する。つまり、Δt2<Δt1である。

【0061】
ユーザ1のユーザ端末装置50に送信されるセグメント2の分割データは、再生速度が遅くなるように書き換えられており、その再生時間はT1(>T)である。また、ユーザ2のユーザ端末装置50に送信されるセグメント2の分割データは、再生速度が速まるように書き換えられており、その再生時間はT2(<T)である。ユーザ1がセグメント3の分割データを指定したコンテンツ取得要求を送信するタイミングは、セグメント2の分割データの再生時間が長くなった分だけ遅くなり、また、ユーザ2がセグメント3の分割データを指定したコンテンツ取得要求を送信するタイミングは、セグメント2の分割データの再生時間が短くなった分だけ早まる。したがって、セグメント3の分割データの配信タイミングの差Δt3は、セグメント2の配信タイミングの差Δt2よりも、ユーザ1のユーザ端末装置50における再生時間T1が本来の再生時間Tよりも長くなり、かつユーザ2のユーザ端末装置50における再生時間T2が本来の再生時間Tよりも短くなっただけ減少する。つまり、Δt3<Δt2である。

【0062】
以降同様に、コンテンツの再生が進むにつれて、ユーザ1が後続するセグメントの分割データを指定したコンテンツ取得要求を送信するタイミングが遅くなり、かつユーザ2が後続するセグメントの分割データを指定したコンテンツ取得要求を送信するタイミングが早まり、各セグメントの分割データの配信タイミングの差は、1つ前のセグメントの分割データの配信タイミングの差よりも減少していく。つまり、Δt1>Δt2>Δt3>Δt4>Δt5となる。各分割データは、少なくとも配信タイミングの差の期間だけ、キャッシュ部13にキャッシュしておく必要がある。図3の例では、再生が進むに連れて配信タイミングの差が減少していくため、キャッシュ部13にキャッシュしておく必要がある期間も減少していく。

【0063】
再生が進行するに連れて、後続の分割データについて、ユーザ1がコンテンツ取得要求を送信するタイミングとユーザ2がコンテンツ取得要求を送信するタイミングとが近づいていき、最終的には、ユーザ1とユーザ2とでコンテンツ取得要求を同時に発生させることもできる。この場合、要求受付部11は、ネットワークにおける伝送遅延が同程度であるとすれば、ユーザ1とユーザ2とから同時にコンテンツ取得要求を受信する。ここで、コンテンツ取得要求を同時に受信するとは、ユーザ1のユーザ端末装置50とユーザ2のユーザ端末装置50とから厳密に同時にコンテンツ取得要求を受信した場合のみならず、ユーザ1のユーザ端末装置50とユーザ2のユーザ端末装置50とからわずかな時間差を持ってコンテンツ取得要求を受信した場合をも含む。例えば、ユーザ1からのコンテンツ取得要求の受信時刻とユーザ2からのコンテンツ取得要求の受信時刻との差が所定時間以内であれば、ユーザ1とユーザ2とからコンテンツ取得要求を同時に受信したとみなしてもよい。ネットワーク中継装置10は、例えば、ユーザ1のユーザ端末装置50とユーザ2のユーザ端末装置50とからほぼ同じ時刻にコンテンツ取得要求を受信し、分割データをユーザ1のユーザ端末装置50とユーザ2のユーザ端末装置50とに同時に送信できる状態となる場合に、配信タイミングの差が0であると判断してもよい。配信タイミングの差が0になる、或いは次のセグメントの開始時点で0になることが見込まれるときは、再生速度の変更を終了し、以降のセグメントの分割データは再生タイミングデータの書き換えを行わずに、ユーザ1のユーザ端末装置50とユーザ2のユーザ端末装置50とに分割データを同時に送信すればよい。

【0064】
図4は、コンテンツ配信装置10の動作手順を示すフローチャートである。要求受付部11は、ユーザ端末装置50からコンテンツ取得要求を受信する(ステップS1)。判断部14は、ステップS1で受信されたコンテンツ取得要求が指定するコンテンツデータを先行して配信している他のユーザが存在するか否かを判断する(ステップS2)。

【0065】
コンテンツ配信部12は、ステップS2において先行して配信している他のユーザが存在しないと判断された場合、通常のコンテンツ配信を行う(ステップS3)。すなわち、コンテンツ配信部12は、キャッシュ部13にコンテンツデータが存在するときは、キャッシュ部13からコンテンツデータを取得してユーザ端末装置50に送信する。キャッシュ部にコンテンツデータが存在しないときは、他のネットワーク中継装置10又はコンテンツサーバ40にコンテンツ取得要求を転送し、転送先のネットワーク中継装置10又はコンテンツサーバ40からコンテンツデータを取得し、ユーザ端末装置50に送信する。

【0066】
なお、ステップS2で先行して配信している他のユーザが存在していると判断されたときでも、配信タイミングの差が所定のしきい値を超えるときは、ステップS3に進んで通常のコンテンツ配信を行ってもよい。例えば、先行するユーザがコンテンツデータの終わりに近い部分の配信を受けており、コンテンツ配信の終了が近いときは、コンテンツ配信をそのまま継続し、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザにも通常通りのコンテンツ配信を行うこととしてもよい。

【0067】
ステップS2で先行している他のユーザが存在していると判断された場合、キャッシュ部13には、先行して配信しているユーザへの送信時にキャッシュされたコンテンツデータが存在していることが多い。コンテンツ配信部12は、キャッシュ部13からコンテンツデータを取得する(ステップS4)。また、コンテンツ配信部12は、先行して配信しているユーザ端末装置50に送信するコンテンツデータを、他のネットワーク中継装置10から取得する。

【0068】
コンテンツ配信部12は、取得したコンテンツデータの書き換えを行い、ユーザ端末装置50における再生速度を変更する(ステップS5)。コンテンツ配信部12は、先行して配信しているユーザのユーザ端末装置50に送信するコンテンツデータについては、再生速度が通常の再生速度よりも遅くなるように、コンテンツデータの書き換えを行う。コンテンツ配信部12は、ステップS1で受信したコンテンツ取得要求の送信元のユーザ端末装置50、つまり後からコンテンツ取得要求を受信したユーザのユーザ端末装置50に送信するコンテンツデータについては、再生速度が通常の再生速度よりも速くなるように、コンテンツデータの書き換えを行う。

【0069】
コンテンツ配信部12は、再生速度が遅くなるように書き換えたコンテンツデータを、先行して配信しているユーザのユーザ端末装置50に送信する(ステップS6)。また、コンテンツ配信部12は、再生速度が速くなるように書き換えたコンテンツデータを、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザのユーザ端末装置50に送信する(ステップS7)。先行するユーザの再生速度を遅くして再生時間を延ばし、後からコンテンツ取得を要求したユーザの再生速度を速くして再生時間を短縮することで、後続する分割データについて、配信タイミングの差を、再生速度を変更しない場合に比べて小さくできる。ステップS6とステップS7とは、どちらを先に実施してもよい。

【0070】
コンテンツ配信部12は、先行して配信しているユーザと後からコンテンツ取得を要求したユーザとの間に配信タイミングに差があるか否かを判断する(ステップS8)。配信タイミングの差は、例えばコンテンツデータが複数の分割データに分割されている場合、同じ分割データを指定するコンテンツ取得要求の受信時刻の差によって判断できる。配信タイミングに差があれば、ステップS4に戻り、配信タイミング差がなくなるまで、再生速度を変更したコンテンツデータの送信を継続する。キャッシュ部13にキャッシュされたコンテンツデータは、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザのユーザ端末装置50への送信後、キャッシュ部13から削除することができる。

【0071】
コンテンツ配信部12は、ステップS8で配信タイミングの差がなくなったと判断すると、コンテンツデータを双方のユーザのユーザ端末装置50に同時に配信する(ステップS9)。その後、所定のキャッシュアルゴリズムにしたがって、キャッシュ部13からコンテンツデータを削除する(ステップS10)。

【0072】
先行して配信しているユーザへのコンテンツデータの配信と、後からコンテンツを要求したユーザへのコンテンツデータの配信との間に時間差(配信タイミング差)がある場合、その配信タイミングの差の間はキャッシュ部13からコンテンツデータを削除することができない。本実施形態では、先行するユーザのユーザ端末装置50における再生速度を遅くし、かつ後からコンテンツ取得要求を送信したユーザのユーザ端末装置50における再生速度を速めるように書き換えたコンテンツデータを、それぞれのユーザ端末装置50に送信する。このようにすることで、コンテンツの再生が進むに連れて、配信タイミングの差を減少させていくことができる。配信タイミング差を減少させることで、キャッシュ部13にコンテンツデータをキャッシュしておく必要がある期間を短縮できる。コンテンツデータがキャッシュ部13を長時間にわったって占有することを回避できることで、早期に他のコンテンツデータのキャッシュが可能になり、キャッシュ部13の有効利用が図れる。この効果は、先行するユーザのユーザ端末装置50における再生速度を遅くすること、及び、後からコンテンツ取得要求を送信したユーザのユーザ端末装置50における再生速度を速めることの何れか一方を実施した場合でも同様に得られる。

【0073】
図3を参照すれば、ユーザ2にキャッシュ部13から取得したコンテンツデータ(分割データ)を送信するためには、キャッシュ部13は、セグメント1の分割データを、少なくともΔt1の期間にわたってキャッシュし続ける必要がある。同様に、キャッシュ部13は、セグメント2~5の分割データを、それぞれ少なくともΔt2~Δt5の期間にわたってキャッシュし続ける必要がある。仮に、再生速度の変更を行わなかったとすれば、配信タイミングの差はΔt1のまま維持される。本実施形態では、配信タイミングの差を徐々に減少させることができるため、コンテンツの再生が進むに連れて、分割データをキャッシュ部13にキャッシュする必要がある時間を短縮することができる。また、配信タイミング差がなくなったのちは、双方のユーザのユーザ端末装置50に、コンテンツデータを同時に送信することもできる。

【0074】
図3では、ユーザ1のユーザ端末装置50におけるセグメント1の分割データの再生が終了する前に、ユーザ2のユーザ端末装置50がコンテンツ取得要求を送信しており、配信タイミングの差は1つのセグメントの再生時間以内となっているが、実際には、配信タイミングの差は1つのセグメントの再生時間を超えることが珍しくない。その場合、後のユーザへの送信時まで、キャッシュ部13の複数のセグメント分の分割データをキャッシュしておく必要があり、キャッシュの消費量が大きいことで、キャッシュ部13の容量が圧迫される。例えば図6の例のように、ユーザ1がセグメント3の分割データを再生しているときにユーザ2が再生を開始したとすると、キャッシュ部13は、最大でセグメント3つ分の分割データをキャッシュしている必要がある。本実施形態では、コンテンツの再生が進むにつれて、配信タイミングの差を減少させることができるため、配信タイミングの差がセグメント2つ以内に収まれば、キャッシュ部13にキャッシュしておく必要がある分割データを最大でセグメント2つ分に減少させることができ、キャッシュの消費量を削減できる。

【0075】
なお、上記実施形態では、1つのコンテンツ配信装置(ネットワーク中継装置)10において再生速度を変更するためのコンテンツデータの書き換えを行う例を示したが、コンテンツデータの書き換えを複数のネットワーク中継装置10において実施してもよい。図5は、3つのユーザ端末装置50が接続されたコンテンツ配信システムを示すブロック図である。ユーザ1のユーザ端末装置50とユーザ2のユーザ端末装置50とは、同じネットワーク中継装置(以下、コンテンツ配信装置Aとも呼ぶ)からコンテンツ配信を受ける。ユーザ3のユーザ端末装置50は、コンテンツ配信装置Aよりもコンテンツサーバ40側のネットワーク中継装置(以下、コンテンツ配信装置Bとも呼ぶ)からコンテンツ配信を受ける。

【0076】
ユーザ1、ユーザ2、及びユーザ3は、同じコンテンツデータの取得を要求したとする。コンテンツ取得要求を送信したタイミングは、ユーザ1が最も早く、次いで、ユーザ2、ユーザ3の順であったとする。コンテンツ配信装置Aは、ユーザ1のユーザ端末装置50からコンテンツ取得要求を受信すると、コンテンツサーバ40側にコンテンツ取得要求を転送し、コンテンツサーバ40が提供するコンテンツデータを取得する。転送されたコンテンツ取得要求及びコンテンツデータは、コンテンツ配信装置Aからコンテンツサーバ40に至る経路の途中に存在するコンテンツ配信装置Bによって中継される。コンテンツ配信装置Aは、取得したコンテンツデータをユーザ1のユーザ端末装置50に送信し、かつ自装置のキャッシュ部にキャッシュする。コンテンツ取得要求及びコンテンツデータを中継したコンテンツ配信装置Bのキャッシュ部にも、コンテンツデータがキャッシュされる。

【0077】
コンテンツ配信装置Aは、ユーザ2のユーザ端末装置50からコンテンツ取得要求を受信すると、キャッシュ部からコンテンツデータを取得する。コンテンツ配信装置Aは、ユーザ2のユーザ端末装置50から受信したコンテンツ取得要求が指定するコンテンツデータを先行して配信している他のユーザが存在すると判断し、ユーザ2のユーザ端末装置50に送信するコンテンツデータを、再生速度が速まるように書き換える。また、ユーザ1のユーザ端末装置50に送信するコンテンツデータを、再生速度が遅くなるように書き換える。

【0078】
コンテンツ配信装置Bは、ユーザ3のユーザ端末装置50からコンテンツ取得要求を受信すると、コンテンツデータを中継するときにキャッシュしたコンテンツデータをキャッシュ部から取得する。コンテンツ配信装置Bは、コンテンツデータを中継するときに、ユーザ1がそのコンテンツデータの配信を受けていることがわかるため、ユーザ3のユーザ端末装置50から受信したコンテンツ取得要求が指定するコンテンツデータを先行して配信している他のユーザが存在すると判断する。

【0079】
コンテンツ配信装置Bは、ユーザ3のユーザ端末装置50に送信するコンテンツデータを、再生速度が速まるように書き換える。また、ユーザ1のユーザ端末装置50に送信されるコンテンツデータを中継するときに、再生速度が遅くなるようにコンテンツデータを書き換え、書き換えたコンテンツデータをコンテンツ配信装置Aに送信する。コンテンツ配信装置Aは、コンテンツ配信装置Bによって再生速度が遅くなるように書き換えられたコンテンツデータを、更に再生速度が遅くなるように書き換えて、ユーザ1のユーザ端末装置50に送信する。また、コンテンツ配信装置Aは、コンテンツ配信装置Bによって再生速度が遅くなるように書き換えられたコンテンツデータを、再生速度が速まるように書き換えてユーザ2のユーザ端末装置50に送信する。各ユーザの再生速度は、ユーザ1の再生速度<ユーザ2の再生速度≦ユーザ3の再生速度の関係を満たす。

【0080】
上記のように、コンテンツ配信装置10は、ネットワークの上流側において再生速度が変更されたコンテンツデータに対し、更に再生速度を変更するように書き換えを行ってもよい。上記の例では、コンテンツ配信装置Aにおいて、ユーザ1への配信とユーザ2への配信との間の配信タイミングの差が、配信開始時の差よりも小さくなっていく。また、コンテンツ配信装置Bにおいては、ユーザ1への配信とユーザ3への配信との間の配信タイミングの差が、配信開始時の差よりも小さくなる。このため、コンテンツ配信装置Aとコンテンツ配信装置Bの双方において、キャッシュ部の消費量を削減でき、かつキャッシュ部の有効利用を図ることができる。

【0081】
上記実施形態では、コンテンツ配信部12が書き換えたコンテンツデータを送信することでユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生速度を変更することを説明したが、これには限定されない。例えば、ネットワーク中継装置10から、コンテンツデータとは別に制御データを送信する場合は、その制御データを通じてユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生速度を変更してもよい。具体的に、ネットワーク中継装置10は、コンテンツデータをデータチャネルを通じてユーザ端末装置50に送信する一方、データチャネルとは別の制御チャネル(コンテンツデータの再生を制御する情報経路)を通じて制御データを送信し、ユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生速度を制御してもよい。

【0082】
コンテンツ配信装置10は、必ずしもネットワークの末端ノードを構成するネットワーク中継装置である必要はない。ユーザに対して直接的にコンテンツデータの送信を行わないネットワーク中継装置10において、ユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生速度の変更を実施することとしてもよい。例えば、あるネットワーク中継装置10が、他のネットワーク中継装置を介してユーザ1にコンテンツデータの配信を行っているときに、そのネットワーク中継装置10が、更に別のネットワーク中継装置を介してユーザ2から送信された同じコンテンツデータを指定するコンテンツ取得要求を受信したときは、当該ネットワーク中継装置10において、ユーザ1のユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生速度を遅くし、ユーザ2のユーザ端末装置50におけるコンテンツデータの再生速度を速めてもよい。

【0083】
また、本発明のコンテンツ配信システムを構成するユーザ端末装置とコンテンツ配信装置とを接続する伝送路は、有線の伝送路を用いることが一般的であるが、安定した伝送環境下にあれば無線伝送路を用いてもよい。

【0084】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明のコンテンツ配信装置、システム、及び方法は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
10:ネットワーク中継装置(コンテンツ配信装置)
11:要求受付部
12:コンテンツ配信部
13:キャッシュ部
14:判断部
20:CCN(コンテンツ指向ネットワーク)
40:コンテンツサーバ
50:ユーザ端末装置(コンテンツ再生装置)
100:コンテンツ配信システム
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5