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明細書 :結晶化方法、パターニング方法、および、薄膜トランジスタ作製方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-017292 (P2017-017292A)
公開日 平成29年1月19日(2017.1.19)
発明の名称または考案の名称 結晶化方法、パターニング方法、および、薄膜トランジスタ作製方法
国際特許分類 H01L  21/20        (2006.01)
H01L  21/336       (2006.01)
H01L  29/786       (2006.01)
H01L  21/268       (2006.01)
H01L  21/306       (2006.01)
H01L  21/3065      (2006.01)
FI H01L 21/20
H01L 29/78 616L
H01L 29/78 617J
H01L 29/78 627C
H01L 29/78 627G
H01L 21/268 J
H01L 21/306 B
H01L 21/302 105A
請求項の数または発明の数 4
出願形態 OL
全頁数 11
出願番号 特願2015-135706 (P2015-135706)
出願日 平成27年7月6日(2015.7.6)
発明者または考案者 【氏名】葉 文昌
出願人 【識別番号】504155293
【氏名又は名称】国立大学法人島根大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100116861、【弁理士】、【氏名又は名称】田邊 義博
審査請求 未請求
テーマコード 5F004
5F043
5F110
5F152
Fターム 5F004AA09
5F004DA24
5F004DB01
5F004EA38
5F004FA05
5F043AA02
5F043BB04
5F043DD02
5F043DD30
5F110AA16
5F110BB01
5F110CC02
5F110DD01
5F110DD02
5F110DD15
5F110EE03
5F110EE09
5F110EE14
5F110EE42
5F110FF02
5F110FF27
5F110GG01
5F110GG02
5F110GG13
5F110GG23
5F110GG42
5F110HK09
5F110HK14
5F110HK27
5F110HK42
5F110PP04
5F110PP06
5F110PP16
5F110PP24
5F110QQ05
5F152BB02
5F152CC02
5F152CC04
5F152CD08
5F152CE05
5F152CE08
5F152EE01
5F152EE02
5F152FF09
5F152FF28
5F152FF34
5F152FG03
5F152FG24
5F152FH03
要約 【課題】半導体レーザを用いて非晶質の半導体膜等の所望箇所を効率的かつ簡便に単結晶化する方法を提供すること。
【解決手段】 半導体レーザ装置からのレーザ光を、プリズムを用いて光の進行方向から見て略V字状のビームスポットに形状変更し、平面的に広がる非晶質ないし微結晶の対象素材に対してビームスポットをV字頂点が進行方向前側となるように配向して相対的に移動させ、照射軌跡部分をラテラル成長により単結晶化することを特徴とする結晶化方法。
【選択図】図5
特許請求の範囲 【請求項1】
半導体レーザ装置からのレーザ光を、プリズムを用いて光の進行方向から見て略V字状のビームスポットに形状変更し、
平面的に広がる非晶質ないし微結晶の対象素材に対してビームスポットをV字頂点が進行方向前側となるように配向して相対的に移動させ、照射軌跡部分をラテラル成長により単結晶化することを特徴とする結晶化方法。
【請求項2】
ダブプリズムを用いてレーザ光の半分を反転させビームスポットを略V字状とすることを特徴とする請求項1に記載の結晶化方法。
【請求項3】
基板上または積層体上に形成された、非晶質ないし微結晶の半導体膜に対して、請求項1または2に記載の結晶化方法により所定箇所を単結晶化し、
単結晶に対する速度より非晶質ないし微結晶に対するエッチング速度が早い剤を用いて、非晶質ないし微結晶のままである領域を除去し、
基板上または積層体上にパターンを形成することを特徴とするパターニング方法。
【請求項4】
請求項3に記載のパターニング方法を用いてチャネル領域および/またはソースドレイン領域および/またはゲート電極を形成する工程を含むことを特徴とする薄膜トランジスタ作製方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、簡素簡便な装置構成で非晶質の半導体膜等の所望箇所を効率的に単結晶化する方法に関し、特に、半導体レーザを用いた結晶化方法、パターニング方法、および、薄膜トランジスタの作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、Si薄膜トランジスタの性能向上を目的とした研究が進められている。たとえば、液晶ディスプレイの高速駆動化・高精細化には、高キャリア移動度と均一性が要求され、これは結晶質に依存する。
【0003】
ここで、エキシマレーザ結晶化方法によれば、Si薄膜を非晶質から多結晶へと相変換させ、キャリア移動度を100倍程度向上させることが可能である(非特許文献1,2)。しかしながら同方法では結晶粒径が均一とならず、薄膜トランジスタの性能がばらつきやすい。したがって、粒界消失すなわち単結晶化を目指した改質技術が研究されている。ただし、エキシマレーザはパルス発振であるため、同方法では結晶粒が大面積Si膜上で連続的に成長できない。
【0004】
近年、大面積Si膜上で連続的に結晶成長させられる方法として、連続波レーザ結晶化法が提案されている。この方法ではレーザスポットのスキャン方向に結晶粒が連続的にラテラル成長していく。しかしながら、スキャン方向と平行に結晶粒界も延伸していくので、薄膜トランジスタの均一性の問題は依然として解決されない。
【0005】
一方、特殊なレーザスポット形状により、スキャン領域を単結晶化する方法も提案されている。たとえば、U字型の連続波レーザスポットをSi膜上で走査する技術が知られている(非特許文献3)。また、ドーナツ状の連続波レーザスポットを用いる方法も知られている(非特許文献4)。
【0006】
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
U字型のレーザスポットは、遮蔽マスクを使ってスポット形状を作出するものであり、レーザ光の使用効率が低い上にレーザパワー密度を大きくしづらく、量産性を考慮すると現実的でないという問題点があった。
また、ドーナツ状とするには、2m程度の大型の気体レーザ発振器の片方の反射鏡を凸面鏡にすることで実現できるものの、そもそも半導体レーザに適用できる技術ではないという問題点があった。
【0007】
一方、半導体レーザは、近時ハイパワー化と低コスト化が進んでいるため、これをレーザ加工の光源としたいという潜在的な需要が存在する。
【先行技術文献】
【0008】

【特許文献1】特開2005-101530
【特許文献2】特開2008-091811
【特許文献3】USPat.6368945
【特許文献4】特開2014-175508
【特許文献5】USPat.6028722
【0009】

【非特許文献1】T. Sameshima, S. Usui, and M. Sekiya, IEEE Electron Device Lett. 7, 276 (1986).
【非特許文献2】A. Hara, F. Takeuchi, M. Takei, K. Suga, K. Yoshino, M. Chida, Y. Sano and N. Sasaki, Jpn. J. Appl. Phys. 41 (2002) L311.
【非特許文献3】T.Stulty et.al., Appl. Phys. Lett. 39(1981)498
【非特許文献4】S. Kawamura et. al., Appl. Phys. Lett. 40(1982)394
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、半導体レーザを用いた簡素簡便な装置構成であって、非晶質の半導体膜等の所望箇所を効率的に単結晶化する方法を提供することを目的とする。
また、レジストを不要とする新たなパターニング方法およびその応用製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の結晶化方法は、半導体レーザ装置からのレーザ光を、プリズムを用いて光の進行方向から見て略V字状のビームスポットに形状変更し、平面的に広がる非晶質ないし微結晶の対象素材に対してビームスポットをV字頂点が進行方向前側となるように配向して相対的に移動させ、照射軌跡部分をラテラル成長により単結晶化することを特徴とする。
詳細には、図5の平面模式図に示されるように、平面的に広がる非晶質ないし微結晶の膜30に対して、略V字状のビームスポット12をV字頂点が進行方向前側となるように配向して相対的に移動させ、照射領域近傍に溶融領域302を作り出し、軌跡部分をラテラル成長させて単結晶化領域305を形成する発明である。
【0012】
すなわち、請求項1にかかる発明は、小型かつ安価であって今後一層の高出力化が望める半導体レーザを用い、その出力光の形状特性を利用して、単結晶化に適し利用効率にも優れるビーム形状へ簡便に出力光を変化させ、照射対象を連続的に単結晶化していく。
詳細には、一般に線状または楕円形状である出力光を、その半分をプリズムを用いて反転結合してV字化し、V字頂点を進行方向前側として表面照射していくことで、溶融状態からの再結晶化に際し、V字由来の冷却温度勾配により、連続的な単結晶化を実現する。
【0013】
用いる半導体レーザ装置は、出力、ビームスポットの大きさ、移動速度、対象素材の厚み等を考慮し適宜選択すればよく、対象素材を再結晶化できるのであれば特に限定されない。
V字の直線部分のビーム強度すなわちレーザパワー密度は両側(両線分)で同等であるまたは同等となるように調製されていることが好ましい。
対象素材は、結晶を形成可能な素材であれば特に限定されないが、半導体や金属を挙げることができる。
光学系はプリズムのみに限らず、コリメートレンズや集光レンズを適宜介在させてもよい。これにより、照射強度の実質的な増強や、照射軌跡幅の増大を設計可能となる。
【0014】
請求項2に記載の結晶化方法は、請求項1に記載の結晶化方法において、ダブプリズムを用いてレーザ光の半分を反転させビームスポットを略V字状とすることを特徴とする。
【0015】
詳細には図2に示されるように、出力形状が線分状のレーザ光10を、ダブプリズム222と直進プリズム221からなる複合プリズム22を用いて光の進行方向から見て略V字状のビームスポット12に形状変更する。すなわち、請求項2にかかる発明は、簡単な光学系で単結晶化をもたらすビームスポットを作出できる。
【0016】
ダブプリズムへの入射光の斜面入射による比較的高い反射率を考慮し、ダブプリズムに反射防止膜を形成したり、直方体プリズムを長くしたり、直方体プリズムの端面または中途にフィルタを介在させたりして強度調整をおこなうようにしてもよい。
【0017】
請求項3に記載のパターニング方法は、基板上または積層体上に形成された、非晶質ないし微結晶の半導体膜に対して、請求項1または2に記載の結晶化方法により所定箇所を単結晶化し、単結晶に対する速度より非晶質ないし微結晶に対するエッチング速度が早い剤を用いて、非晶質ないし微結晶のままである領域を除去し、基板上または積層体上にパターンを形成することを特徴とする。
【0018】
すなわち、請求項3にかかる発明は、レジストが不要な新規なパターニング技術を提供する。
【0019】
なお、半導体膜は、半導体層とそれぞれ言い換えることができる。
【0020】
請求項4に記載の薄膜トランジスタ製造方法は、請求項3に記載のパターニング方法を用いてチャネル領域および/またはソースドレイン領域および/またはゲート電極を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0021】
すなわち、請求項4にかかる発明は、工程数を削減した生産性の高い薄膜トランジスタ製造技術を提供可能となる。
【0022】
具体的には次の通りである。
まず、絶縁性の基板上に、Si膜を所定の厚さに堆積し、請求項1記載の方法により少なくともチャネルとソースドレインとなる領域を単結晶化し、請求項3記載の方法によりパターニングして、後の工程でチャネルとソースドレイン領域となるSiアイランドを形成する。
【0023】
続いて、ゲート絶縁膜として酸化Si膜等を堆積した後、金属とSiの積層構造を堆積する。請求項1記載の方法によりゲート電極となる領域のSi膜を選択的に結晶化し、請求項3記載の方法によりSi膜をパターニングし、次に露出した部分の金属膜をエッチングしてゲート電極を完成させる。
【0024】
続いてゲート電極形成後に露出したゲート絶縁膜を反応性イオンエッチング(RIE)法でエッチングして、ソースドレイン領域となる部分のSiアイランドを露出させる。不純物を高濃度に含んだSi膜を全面に堆積させ、ソースドレイン領域となる部分を選択的にレーザ照射することで、不純物を高濃度に含んだSi膜を結晶化させると同時に不純物を下の単結晶化Si膜に拡散させて、ソースドレイン領域を完成させる。これらにより薄膜トランジスタを得ることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、半導体レーザを用いた簡素簡便な装置構成であって、非晶質の半導体膜等の所定箇所を効率的に単結晶化する方法を提供することが可能となる。また、レジストを不要とする新たなパターニング方法およびその応用製品を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明である結晶化方法を実現する装置構成の一例を示した概要図である。
【図2】用いるプリズムの拡大図である。
【図3】Si膜に照射されたレーザスポットの光学顕微鏡写真である。
【図4】非晶質シリコン膜上でV字ビームスポットを移動させた際の軌跡の粒界顕在化処理後のSEM写真である。
【図5】レーザスポットの形状および進行方向と、単結晶領域の形成との関係を示した説明図である。
【図6】非晶質シリコン膜上でV字ビームスポットを移動させた際の軌跡のEBSD画像である。
【図7】MOSFETの形成工程の一例を示した説明図である。なお、左側に平面図、右側に対応するA-A’断面図を示した。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、非晶質シリコン膜上でビームスポットを移動させ、所定幅の線状の単結晶領域を形成する装置および方法を説明する。図1は、装置の概要図である。図2は、プリズムの拡大図である。

【0028】
単結晶化装置1は、図1に示したように、半導体レーザ装置40と光学系20と載置台500とを主要な構成としている。

【0029】
半導体レーザ装置40は、線分状のレーザ光を出力する(なお、線状、I字状とも表現できるが本願では線分状と称することとする)。用いた光源は、405nm紫外ダイオードレーザ(日亜化学社製:型番NDV7375E)であり、実際、出力光を遠方のスクリーンに投影し、形状が線分状であることを確認した。

【0030】
光学系20は、コリメートレンズ21と、複合プリズム22と、集光レンズ23とを有する。
コリメートレンズ21は、拡散していくレーザ光を平行光線とする。
複合プリズム22は、後述するように線分状のレーザ光の半分を直進させ残余の半分を反転させ、全体としてV字形状の光線を形成する。
集光レンズ23は、シリコン膜30表面にレーザ光を集光しビームスポットを形成する。

【0031】
載置台500は、非晶質のシリコン膜30(膜厚60nm)が形成されたガラス基板50を載置する。また、載置台500は、図示しない駆動系によりガラス基板50を水平に動かす。これによりビームスポットが表面走査するようにガラス基板50上を相対的に移動していく。

【0032】
複合プリズムについて詳述する。
図2に示したように、複合プリズム22は、直方体の直進プリズム221と、ダブプリズム222とが接合した特注プリズムである。ここで、ダブプリズム222は像を上下に反転する性質を有する。したがって、線分状のビームの中点を接合面Sに合わせ、接合面Sの法線に対して、ビームをθ°傾けて入射させると、折れ角2θ°のV字状であって両方の直線部分の長さが等しいビームとなる。なお、θは90°以下であればよいが、45°以下であることがより望ましい。

【0033】
ただし、ダブプリズム222内における長い光路により透過光は直進プリズム221の透過光より強度が小さくなる。用いた光学系では405nm光に対する透過率がそれぞれ83%と75%であった。したがって、直進プリズム221には、強度調整用のガラス223を取り付け、透過率をいずれも75%に揃えることとした。これにより、パワー密度が均等化され、片側にてレーザアブレーションが起きてしまうようなことをなくすことが可能となる。
なお、図3にシリコン膜30上に形成されるV字ビームスポット12の光学写真を示した。

【0034】
載置台500を0.02m/秒で動かし、V字頂点を進行方向前側としてビームスポット12をガラス基板50に対して相対的に移動させた。なお、用いた半導体レーザ装置40において、レーザパワー185mWが結晶化閾値であり、240mWが完全アブレーション閾値であることを事前に確認しており、以降は、200mWとして実験(単結晶化)をおこなった結果である。

【0035】
結果をSEM画像として図4に示す。図の右側はレーザパワーが200mW未満でありラテラル結晶の粒界が存在しているが、図の左側はレーザパワーが200mW以上であり粒界が解消され、単結晶が連続的に形成していることが確認できる。

【0036】
なお、ビームスポット12の形状と単結晶領域の形成の関係を図5に示した。ビームスポット12を略V字とすることによりシリコン膜30に略V字型の溶融領域302が形成され、固液界面は進行方向に対して凸となり、レーザスキャン経路両端での核発生による融液部への結晶成長は妨げられ、レーザの進行とともに単結晶化領域305が連続形成される。

【0037】
次に、EBSDにより結晶質を解析した。解析結果を図6に示す。中途から同一の面方位が続いており、ひずみの影響で面方位が緩やかに回転するものの、単結晶が連続的に形成されていることをEBSDによっても確認できた。

【0038】
以上説明したように、半導体レーザを用いて非晶質シリコン膜の所望部分を簡便かつ連続的に単結晶化できることを確認できた。

【0039】
なお、半導体レーザは必ずしもレーザ光は大きくないものの、これを逆に利用して光学系を介在させて焦点を絞り込むことができる。これにより実質的なハイパワー化が実現され微細パターンの形成に利用できる。

【0040】
たとえば、レジストを用いず微細バターンの作成も可能となる。具体的には、非晶質または微結晶のシリコン膜に対するエッチング速度が単結晶のシリコン膜より早い化学物質、たとえばフッ硝酸、もしくはDash液(CHCOOH:HNO:HF:I=100mL:40mL:10mL:54mg)、もしくは水素プラズマ、もしくは原子状水素を用いて、非晶質または微結晶領域を除去し、レジストを用いることなくパターン作成が可能となる。

【0041】
更にこの技術を用いてチャネル、ゲート、ソースドレインを形成し、新規な薄膜トランジスタ作製方法を提供できる。図7は、MOSFETの形成工程の一例を示した説明図である。なお、図の左側は平面図であり、右側は対応するA-A’断面図である。

【0042】
まず、ガラス基板50上にパシベーション膜60として酸窒化シリコン膜を堆積後、非晶質ないし微結晶の膜30として非晶質シリコン膜を堆積する。

【0043】
非晶質ないし微結晶の膜30に略V字のビームスポット12を当てて当該軌跡を単結晶(c-Si)化領域305とし(図7(a))、続いてエッチングにより単結晶(c-Si)化領域以外のSi膜を除去する(図7(b))。なお、残ったシリコン膜が続く工程でチャネル部とソースドレイン部となる。

【0044】
次に、ゲート絶縁膜80として酸化シリコン膜、ゲート金属膜90としてアルミ膜、非晶質ないし微結晶の膜30として非晶質シリコン膜を順次堆積する。続いて図7(c)に示したように、先に形成されたシリコン膜単結晶化領域305と垂直に交差するようV字ビームスポット12をスキャンし、当該軌跡をゲート金属膜上シリコン膜単結晶化領域305aにする。エッチングにより非晶質または微結晶領域30を除去する。実際には、ゲート金属膜上シリコン膜単結晶化領域305aは必ずしも単結晶である必要はなく、非晶質または微結晶領域に対してエッチング速度が違う多結晶膜でよい。

【0045】
続いて、アルミはエッチングするがシリコンはエッチングしない化学物質、たとえば熱リン酸等で、表面に露出しているアルミ膜をエッチングする。この工程で残った部分のゲート金属膜90(アルミ膜)とゲート金属膜上シリコン膜単結晶化領域305aの積層膜がゲート電極を構成する。続いて反応性イオンエッチング法で、表面に露出している部分のゲート絶縁膜80をエッチングしてシリコン単結晶化領域305のソースとドレインとなる部分を露出させる(図8(d))。

【0046】
続いて図7(e)に示すように、ドーパントを1019cm-3以上含んだ、高濃度に不純物ドープされた非晶質ないし微結晶の膜35として低抵抗シリコン膜を基板表面に堆積する。その後、シリコン単結晶化領域305と平行方向に、シリコン単結晶化領域を完全に包含するようにV字ビームスポット12をスキャンして、高濃度に不純物ドープされた非晶質ないし微結晶の膜35の当該領域を加熱するとともに結晶化する。これにより、高濃度に不純物ドープされた非晶質ないし微結晶の膜35と接触しているシリコン単結晶化領域305に不純物が拡散されて低抵抗化し、この領域がソースドレイン領域となる。

【0047】
続いてエッチングにより、V字レーザスポットが照射されなかった非晶質または微結晶領域を除去して、薄膜トランジスタが完成する。

【0048】
このようにして、絶縁膜を適宜介在させながら、非晶質半導体膜を形成後、所望箇所の結晶化→非晶質部分(および絶縁膜部分)のエッチング除去、を繰り返し、チャネル、ソースドレイン、電極等の形成が可能となる。レジスト自体を不要とするため、生産性に優れる。

【0049】
なお、複数の半導体レーザをアレイ化してパターニングしてもよい。また半導体レーザを点滅させながらスキャンすることで、半導体膜の所定領域を結晶化することができる。

【0050】
本発明は、上述の実施の形態に限定されない。
たとえば、照射対象は基板上のシリコン膜に限定されず、他の半導体、たとえば酸化チタンや酸化亜鉛を用いることもできる。半導体中にドーパントが含まれていてもよい。
また、非晶質に限らず微結晶を単結晶化してもよい。
また、半導体でなく、金属を対象とすることもできる。
また、基板はガラスではなく、プラスチックでもよく、表面が平坦な材料であればなんでもよい。
なお、用いる半導体レーザ装置は、連続発振が望ましいが、パルス発振であっても発振周波数が十分高ければ、連続発振と同じ効果が期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明によれば、半導体レーザを用いて非晶質の半導体膜等の所望箇所を効率的かつ簡便に単結晶化する方法を提供できる。また、レジストを不要とする新たなパターニング方法およびその応用製品を提供することができる。
なお、高出力の半導体レーザであれば、逆に、光学系を用いてレーザスポットの幅を広げるなどして、大面積を単結晶化することもできる。
【符号の説明】
【0052】
10 線分状のレーザ光単結晶化装置
12 略V字状のビームスポット(レーザスポット)
20 光学系
21 コリメートレンズ
22 複合プリズム
23 集光レンズ
30 非晶質ないし微結晶の膜
35 高濃度に不純物ドープされた非晶質ないし微結晶の膜
40 半導体レーザ装置
50 ガラス基板
60 パシベーション膜
80 ゲート絶縁膜
90 ゲート金属膜
221 直進プリズム
222 ダブプリズム
223 ガラス
302シリコン膜溶融領域
305シリコン膜単結晶化領域
305a ゲート金属膜上のシリコン膜単結晶化領域
305b 単結晶化シリコン膜上の低抵抗領域
500 載置台
S 接合面
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6