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明細書 :線源

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-009326 (P2017-009326A)
公開日 平成29年1月12日(2017.1.12)
発明の名称または考案の名称 線源
国際特許分類 G21G   4/06        (2006.01)
FI G21G 4/06
請求項の数または発明の数 3
出願形態 OL
全頁数 10
出願番号 特願2015-122154 (P2015-122154)
出願日 平成27年6月17日(2015.6.17)
発明者または考案者 【氏名】佐々木 徹
【氏名】青木 勝己
出願人 【識別番号】598041566
【氏名又は名称】学校法人北里研究所
個別代理人の代理人 【識別番号】100106909、【弁理士】、【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100188558、【弁理士】、【氏名又は名称】飯田 雅人
審査請求 未請求
要約 【課題】線源において、より簡素な構造で繰返しのミルキングを可能とする。
【解決手段】内部に空間を有し、放射線が透過可能な材料によって形成されている密閉容器2と、空間の一部を第一空間A1と第二空間A2とに区分するように密閉容器2に設けられた吸着剤3と、密閉容器2に封入された溶離液Eと、吸着剤3に吸着されて、放射性崩壊により娘放射性核種に変化する親放射性核種Pと、吸着剤3、又は溶離液Eによって化学分離された娘放射性核種を覆うことで放射線を遮蔽することができる遮蔽体4と、を有する線源1を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
内部に空間を有し、放射線が透過可能な材料によって形成されている密閉容器と、
前記空間の一部を第一空間と第二空間とに区分するように前記密閉容器に設けられた吸着剤と、
前記密閉容器に封入された溶離液と、
前記吸着剤に吸着されて、放射性崩壊により娘放射性核種に変化する親放射性核種と、
前記吸着剤、又は前記溶離液によって化学分離された娘放射性核種を覆うことで放射線を遮蔽することができる遮蔽体と、を有する線源。
【請求項2】
前記密閉容器は、両端部が封止された筒状をなし、
前記吸着剤は、前記第一空間と前記第二空間とを前記密閉容器の軸方向に区分するように配置され、
前記遮蔽体は、前記密閉容器の外周面を覆う円筒形をなし、前記吸着剤、前記第一空間、及び前記第二空間を選択的に覆う請求項1に記載の線源。
【請求項3】
前記親放射性核種は、ゲルマニウム68である、請求項1又は請求項2に記載の線源。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線を照射する線源に関する。
【背景技術】
【0002】
密封線源とは、ステンレス鋼などの密封容器(カプセル)に放射性同位元素を封入することにより、カプセルの外部に放射性同位元素が漏えいすることなく、カプセルから放出される放射線を利用するためのもので、例えば放射線測定器の校正用等に使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2007-101439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の密封線源は、例えばカプセルによって形成されている簡素な構成のものは内部の放射性同位元素に外部から手を加え制御する発想はなかった。また、放射性同位元素などの化学分離は、非密封線源でなければ行うことのできない操作であった。
【0005】
この発明は、より簡素な構造で密閉容器の外部からの制御で、繰返しミルキングなどの化学分離を可能とする線源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様によれば、線源は、内部に空間を有し、放射線が透過可能な材料によって形成されている密閉容器と、前記空間の一部を第一空間と第二空間とに区分するように前記密閉容器に設けられた吸着剤と、前記密閉容器に封入された溶離液と、前記吸着剤に吸着されて、放射性崩壊により娘放射性核種に変化する親放射性核種と、前記吸着剤、又は前記溶離液によって化学分離された娘放射性核種覆うことで放射線を遮蔽することができる遮蔽体と、を有することを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、密閉容器の内部で、親放射性核種から崩壊により生成された娘放射性核種を化学分離(ミルキング)することができる。また、密閉容器の内部にて溶離液を吸着剤の上方に配置させることで、容易に繰返しの化学分離を行うことができる。さらに、密閉容器の一部を遮蔽することによって、娘放射性核種の成長や減衰を容器の外部から観察することができる。
【0008】
上記線源において、前記密閉容器は、両端部が封止された筒状をなし、前記吸着剤は、前記第一空間と前記第二空間とを前記密閉容器の軸方向に区分するように配置され、前記遮蔽体は、前記密閉容器の外周面を覆う円筒形をなし、前記吸着剤、前記第一空間、及び前記第二空間を選択的に覆うようにしてもよい。
【0009】
このような構成によれば、密閉容器の長手方向が鉛直方向に沿うように配置し、上下反転させることによって、容易に化学分離を行うことができる。
【0010】
上記線源において、前記親放射性核種は、ゲルマニウム68であってよい。
このような構成によれば、親放射性核種としてゲルマニウム68を用いることによって、親娘両核種の寿命、放射線の性質、娘核種の化学挙動や応用価値などから、放射線測定器の校正や実習用として最適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、密閉容器の内部で、親放射性核種から崩壊により生成された娘放射性核種を化学分離することができる。また、密閉容器の内部にて溶離液を吸着剤の上部に配置させることで、容易に繰返しの化学分離を行うことができる。さらに、密閉容器の一部を遮蔽することによって、娘放射性核種の成長や減衰を容器の外部から観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第一実施形態の線源の斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態の線源の使用方法を説明する図であり、溶離液が吸着剤の上方に配置されるように密閉容器を反転させた様子を示す図である。
【図3】本発明の第一実施形態の線源の使用方法を説明する図であり、ミルキングが完了した様子を示す図である。
【図4】娘放射性核種の成長曲線を示すグラフである。
【図5】本発明の第一実施形態の線源の変形例であり、ピストンを有する密閉容器の斜視図である。
【図6】本発明の第一実施形態の線源の使用方法を説明する図であり、遮蔽体を用いて吸着剤を遮蔽した様子を示す図である。
【図7】本発明の第一実施形態の線源の使用方法を説明する図であり、溶離液が吸着剤の上方に配置されるように密閉容器を反転させた様子を示す図である。
【図8】本発明の第一実施形態の線源の使用方法を説明する図であり、ミルキングが完了した様子を示す図である。
【図9】娘放射性核種の壊変曲線を示すグラフである。
【図10】本発明の第二実施形態の線源の概略図である。
【図11】本発明の第二実施形態の線源の使用方法を説明する図であり、溶離液の移動のため密閉容器を傾けた様子を示す図である。
【図12】本発明の第二実施形態の線源の使用方法を説明する図であり、ミルキング中の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第一実施形態)
以下、本発明の実施形態の線源について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の線源は、放射線を発生させる放射性核種(放射性同位元素)が外部と接触不能な密封型である。
図1に示すように、線源1は、内部に空間を有する密閉容器2と、密閉容器2に収容された吸着剤3と、密閉容器2の外周面に取り付けられた遮蔽体4と、を有している。

【0014】
密閉容器2は、両端部が封止された円筒形状をなしている。密閉容器2は、有底円筒形状の容器本体6と、容器本体6の開口を封止する蓋部材7と、を有している。密閉容器2は、放射線が透過可能な材料、例えば、ガラスによって形成されている。密閉容器2は放射線が透過可能であれば、透明である必要はない。

【0015】
蓋部材7と容器本体6との間には、Oリング等のシール部材(図示せず)が介在している。密閉容器2は蓋部材7を取り外すことによって、内部にアクセスが可能であるとともに、容器本体6に蓋部材7を取り付けることによって、密閉容器2の内部空間を密閉可能である。

【0016】
密閉容器2の内部の空間には、放射性核種を封入することができる。内容物注入後は、密閉容器2は法律の基準に適合する。具体的には、密閉容器2は正常な使用状況において開封、破壊の恐れがなく、密封された放射性核種が漏えい、浸透等により散逸して汚染する恐れのない性能と構造を有している。

【0017】
吸着剤3(カラム)は、円筒状の密閉容器2の長手方向の中央に、密閉容器2を第一の空間A1と第二の空間A2とに軸方向に区分けするように配置されている。吸着剤3は、スズの水和物等、親放射性核種を保持する性質を有している。吸着剤3としては、スズの水和物の他に、例えば、二酸化アルミニウム、二酸化チタン、フェノール性ヒドロキシ基
、ピロガロール等を採用することができる。

【0018】
吸着剤3には、放射性核種を吸着させることができる。本実施形態の線源1においては、放射性崩壊して娘放射性核種に変化する親放射性核種P、例えば68Ge(ゲルマニウム-68)が吸着されている。

【0019】
遮蔽体4は放射線を遮蔽することができる材料、例えば、鉛等によって形成されている。遮蔽体4は、密閉容器2の外周面を覆う円筒形をなし、密閉容器2の長手方向に移動可能である。即ち、遮蔽体4は、吸着剤3、第一空間A1、及び第二空間A2を選択的に覆うことで放射線を遮蔽することができる。
遮蔽体4は、例えば、容器本体6の外周面に非貫通の雌ネジ穴を形成して、ボルトを用いて密閉容器2の長手方向の任意の場所に固定することができる。遮蔽体4の固定手段はこれに限ることはなく、例えば、粘着テープを用いて固定してもよい。
また、第二の空間A2には、塩酸溶液などの溶離液Eが封入されている。

【0020】
次に、本発明の線源1の使用方法について説明する。
(娘放射性核種Dの成長)
まず、図1の状態の線源1の上下方向を反転させて、図2に示すように、線源1を密閉容器2の長手方向が鉛直方向を向くように立てて、溶離液Eが吸着剤3の上方に配置されるようにする。また、遮蔽体4を第一の空間A1側に移動させて、第一の空間A1を遮蔽する。これにより、第一の空間A2と使用者との間に鉛である遮蔽体4が配置される。

【0021】
これにより、親放射性核種Pが吸着された吸着剤3の上方の空間A2に封入された溶離液Eによって、親放射性核種Pから崩壊により生成された娘放射性核種D(68Ga,ガリウム-68)が化学分離(ミルキング,Milking)される。娘放射性核種Dは、第一の空間A1に貯留される。溶離液Eは重力によって娘放射性核種Dのミルキングを行う。

【0022】
図3に示すように、ミルキングが完了すると、第一の空間A1に娘放射性核種Dが貯留される。ミルキングが完了した後、親放射性核種Pからは、再び、娘放射性核種Dの生成が始まる。これにより、吸着剤3からは、あらたに生成された娘放射性核種Dに基づく放射線が放射される。この成長の様子は、図4のグラフに示すように観察することができる。図4は、横軸を時間t、縦軸を放射能RAとした成長曲線である。

【0023】
即ち、吸着剤3に吸着された親放射性核種Pから電子捕獲によって崩壊した娘放射性核種Dが成長する様子を密閉容器2の外部から観察することができる。この際、ミルキングによって吸着剤3から除かれて第一の空間A1に貯留された娘放射性核種Dから放射される放射線は、遮蔽体4によって遮蔽されることによって検出されることはない。

【0024】
また、図3の状態から、上下方向を反転させることによって、再度ミルキングを行うことができる。即ち、線源1は繰返しミルキングを行うことができる。

【0025】
また、図5に示すように、密閉容器2にピストン8を設けることによって、溶離液Eに圧力をかける構成としてもよい。これにより、溶離液Eが吸着剤3に圧送される。即ち、ピストン8を設けることによって、ミルキングの速度や娘放射性核種Dの抽出量を調整することができる。

【0026】
(娘放射性核種Dの減衰)
本発明の線源1は、娘放射性核種Dの減衰の様子の観察にも使用することができる。
娘放射性核種Dの減衰の様子を観察するために、図6に示すように、遮蔽体4を用いて、吸着剤3を遮蔽する。即ち、遮蔽体4を密閉容器2の長手方向の中央近傍に配置する。
次いで、図7に示すように、密閉容器2の上下を反転させて、溶離液Eによるミルキングを行う。ミルキングが完了すると、図8に示すように、密閉容器2の第一の空間A1に娘放射性核種Dが貯留される。

【0027】
ミルキングによって生成された娘放射性核種Dの壊変(減衰)の様子は、図9のグラフに示すように、密閉容器2の外部から観察することができる。図9は、横軸を時間t、縦軸を放射能RAとした壊変(減衰)曲線である。
この際、ミルキング後の親放射性核種Pから娘放射性核種Dが崩壊することにより放射される放射線は、遮蔽体4によって遮蔽されることによって検出されることはない。

【0028】
なお、親放射性核種Pとしては68Geに限らず、87Y、44Tiなど、他の放射性核種の採用も可能である。ただし、特に、68Ge-68Gaを用いることが、親娘両核種の寿命、放射線の性質、娘核種の化学挙動や応用価値などから、放射線測定器校正及び放射線実習用として最適である。
親放射性核種と娘放射性核種との間に放射平衡が成立し、かつ、親放射性核種がEC(電子捕獲)崩壊する親放射性核種とその娘放射性核種の例を、表1に示す。

【0029】
【表1】
JP2017009326A_000003t.gif

【0030】
上記実施形態によれば、簡素な構造である密閉容器2の内部で、親放射性核種Pから崩壊により生成された娘放射性核種Dをミルキングすることができる。また、密閉容器2を上下反転させることで、容易に繰返しのミルキングを行うことができる。即ち、密閉容器2の外部からの制御で、繰返しミルキングなどの化学分離を行うことができる。さらに、密閉容器2の一部を遮蔽体4を用いて遮蔽することによって、娘放射性核種Dの成長や減衰を観察することができる。

【0031】
また、本実施形態の線源1は、密閉容器2の長手方向が鉛直方向に沿うように配置し、上下反転させることによって、容易にミルキングを行うことができる。即ち、密閉容器2の内部に配置された親放射性核種Pから電子捕獲によって崩壊した娘放射性核種Dを外部からの操作により溶離させる操作を行うことができる。

【0032】
また、親放射性核種Pとして、ゲルマニウム68を採用することによって、親娘両核種の寿命、放射線の性質、娘核種の化学挙動や応用価値などから、放射線測定器の校正や実習用として最適である。
特に、例えば、教育機関において、放射能の成長を観察する学習などに利用するのに最適である。また、非破壊検査、厚さ計、密度計、レベル計、癌治療などに応用することもできる。

【0033】
(第二実施形態)
次に、本実施形態の第二実施形態の線源を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、上述した実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態の線源1Bは、ガラス製の密閉容器2Bと、密閉容器2Bに収容された吸着剤3Bと、遮蔽体4Bと、を有している。

【0034】
密閉容器2Bは、楕円環状に接続されたガラス管からなる環状部10と、環状部10の一部から突出する延長部13と、有している。環状部10の内部空間と、延長部13の内部空間とは連通しており、密閉容器2Bに封入された溶離液Eは、密閉容器2Bを傾けることにより任意の場所に移動させることができる。

【0035】
環状部10は、互いに平行に配置された管状の第一直線部11及び管状の第二直線部12と、第一直線部11と第二直線部12の一端同士を滑らかに接続する管状の弧状接続部14と、第一直線部11の他端と第二直線部12の他端とを直線状に接続する管状の線状接続部15と、を有している。

【0036】
線状接続部15は、図10に示すように、密閉容器2Bを、弧状接続部14が上になるように、かつ、直線部11,12が鉛直方向に沿うように配置した場合、第一直線部11から第二直線部12に向かうに従って徐々に低くなるように、直線部11,12に対して傾斜して接続されている。即ち、線状接続部15は、密閉容器2Bを、弧状接続部14が上になるように、かつ、直線部11,12が鉛直方向に沿うように配置した場合、液体が第一直線部11の側から第二直線部12の側に流れるように、直線部11,12同士を接続している。

【0037】
延長部13は、第二直線部12を延長するように、第二直線部12と線状接続部15との接続箇所17から突出している。第二直線部12の延在方向と延長部13の延在方向とは一致している。換言すれば、第二直線部12と延長部13とは同一直線状に配置されている。
図示しないが、密閉容器2Bは、一部が取り外し可能に形成されており、内部に放射性核種や、溶離液Eを封入することができる。
密閉容器2Bは、例えば、試験管用のクランプ(保持部材、スタンド)を用いて、任意の角度で保持することができる。

【0038】
吸着剤3Bは、第一直線部11の内周側に配置されている。吸着剤3Bは、吸着剤3Bによって密閉容器2Bの内部空間の一部である第一直線部11の内部空間が第一の空間A1と第二の空間A2とに区分けされるような形状をなしている。

【0039】
遮蔽体4Bは、第一直線部11と、延長部13との間に配置されている。線状接続部15は、遮蔽体4Bを貫通している。遮蔽体4Bは、線状接続部15を貫通させるための貫通部18を有している。遮蔽体4Bは所定の固定具を用いて、密閉容器2Bに固定されている。
遮蔽体4Bは、第一直線部11と第二直線部12との配列方向の第一直線部11の側V1から密閉容器2Bを見た場合に、遮蔽体4Bによって延長部13が視認できないように、かつ、配列方向の第二直線部の側V2から密閉容器2Bを見た場合に、遮蔽体4Bによって第一直線部11が視認できないように配置されている。

【0040】
遮蔽体4Bは、一対の分割遮蔽体19(複数の部位)から形成されている。分割遮蔽体19には、貫通部用溝20が形成されており、貫通部用溝20に線状接続部15が差し込まれることで一対の分割遮蔽体19からなる遮蔽体4Bが配置されるとともに、貫通部18が形成される。
密閉容器2Bには、溶離液Eを封入することができる。また、本実施形態の吸着剤3Bには、親放射性核種Pが吸着されている。

【0041】
次に、本変形例の線源1Bの使用方法について説明する。
まず、図10に示すように、弧状接続部14を上方に配置し、延長部13に溶離液Eが溜まった状態とする。次いで、図11に示すように、第二直線部12に溶離液Eが移動するように、密閉容器2Bを傾ける。次いで、溶離液Eが第一直線部11の第一空間A1に入るように、密閉容器2Bを傾ける。即ち、延長部13に貯留されていた溶離液Eを吸着剤3Bの上方に移動させる。

【0042】
これにより、親放射性核種Pが吸着された吸着剤3Bの上方の第一の空間A1に封入された溶離液Eによって、親放射性核種Pから崩壊により生成された娘放射性核種Dがミルキングされる。娘放射性核種Dは、線状接続部15を介して延長部13に貯留される。

【0043】
この状態で、第一直線部11の近傍に配置した放射線検出器31を用いて、実施形態の線源1と同様に、娘放射性核種Dの成長の観察を行うことができる。この際、ミルキングによって吸着剤3Bから除かれて延長部13に貯留された娘放射性核種Dから放射される放射線は、第一直線部11と延長部13との間に遮蔽体4Bが配置されていることによって検出されることはない。

【0044】
また、延長部13の近傍に配置した放射線検出器32を用いて、娘放射性核種Dの減衰の観察も行うことができる。この際、ミルキング後の親放射性核種Pから娘放射性核種Dが崩壊することにより放射される放射線は、第一直線部11と延長部13との間に遮蔽体4Bが配置されていることによって検出されることはない。

【0045】
上記実施形態によれば、遮蔽体4Bが固定された密閉容器2Bを回転することで、親放射性核種Pの崩壊に伴って生成した娘放射性核種Dの放射能の減衰と、親放射性核種Pの崩壊に伴って新たに生成する娘放射性核種Dの放射能の増加を二つの放射線検出器31,32を用いてそれぞれ同時に計測することができる。

【0046】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、クレームの範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0047】
1,1B 線源
2,2B 密閉容器
3,3B 吸着剤
4,4B 遮蔽体
6 容器本体
7 蓋部材
8 ピストン
10 環状部
11 第一直線部
12 第二直線部
13 延長部
14 弧状接続部
15 線状接続部
18 貫通部
A1 第一の空間
A2 第二の空間
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11