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明細書 :金属微粒子の製造方法、燃料電池用電極触媒の製造方法、担持金属微粒子触媒、及び燃料電池用電極触媒

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6221127号 (P6221127)
登録日 平成29年10月13日(2017.10.13)
発行日 平成29年11月1日(2017.11.1)
発明の名称または考案の名称 金属微粒子の製造方法、燃料電池用電極触媒の製造方法、担持金属微粒子触媒、及び燃料電池用電極触媒
国際特許分類 B22F   1/02        (2006.01)
B82Y  30/00        (2011.01)
B82Y  40/00        (2011.01)
B01J  37/18        (2006.01)
B01J  37/10        (2006.01)
B01J  23/42        (2006.01)
B01J  23/89        (2006.01)
B22F   1/00        (2006.01)
FI B22F 1/02 A
B82Y 30/00
B82Y 40/00
B01J 37/18
B01J 37/10
B01J 23/42 M
B01J 23/89 M
B22F 1/00 K
請求項の数または発明の数 17
全頁数 18
出願番号 特願2015-514805 (P2015-514805)
出願日 平成26年4月16日(2014.4.16)
国際出願番号 PCT/JP2014/060833
国際公開番号 WO2014/178283
国際公開日 平成26年11月6日(2014.11.6)
優先権出願番号 2013096502
優先日 平成25年5月1日(2013.5.1)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成27年10月28日(2015.10.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304023994
【氏名又は名称】国立大学法人山梨大学
発明者または考案者 【氏名】渡辺 政廣
【氏名】内田 裕之
【氏名】矢野 啓
【氏名】内田 誠
個別代理人の代理人 【識別番号】110001139、【氏名又は名称】SK特許業務法人
【識別番号】100130328、【弁理士】、【氏名又は名称】奥野 彰彦
【識別番号】100130672、【弁理士】、【氏名又は名称】伊藤 寛之
審査官 【審査官】川村 裕二
参考文献・文献 特開2005-100713(JP,A)
特開2011-40207(JP,A)
特開2011-89143(JP,A)
特開2010-214246(JP,A)
特開平11-12608(JP,A)
特開2012-41581(JP,A)
国際公開第2011/074606(WO,A1)
調査した分野 B22F 1/00- 1/02
B01J 23/42
B01J 23/89
B01J 37/10
B01J 37/18
B82Y 30/00
B82Y 40/00
特許請求の範囲 【請求項1】
分散状態の種金属微粒子及び水溶性の貴金属前駆体を含水溶媒中に共存させた反応溶液中に水素ガスを含む反応ガスでバブリングを行う水素バブリング工程を備える、貴金属スキン層を有する金属微粒子の製造方法。
【請求項2】
前記種金属微粒子は、平均粒径が1~8nmである、請求項1に記載の金属微粒子の製造方法。
【請求項3】
前記種金属微粒子は、担体上に担持されて分散されている、請求項1又は請求項2に記載の金属微粒子の製造方法。
【請求項4】
前記反応溶液は、前記バブリングの開始時のpHが0以上である請求項1~請求項3の何れか1つに記載の金属微粒子の製造方法。
【請求項5】
前記水素バブリング工程の前に、前記反応溶液を煮沸する煮沸工程をさらに備える、請求項1~請求項4の何れか1つに記載の金属微粒子の製造方法。
【請求項6】
前記水素バブリング工程の後に前記含水溶媒を除去し、その後、前記貴金属前駆体と前記含水溶媒を追加して、再度、前記水素バブリング工程を行う、請求項1~請求項5の何れか1つに記載の金属微粒子の製造方法。
【請求項7】
前記反応ガス中の水素ガスの濃度は、0.1~100%である、請求項1~請求項6の何れか1つに記載の金属微粒子の製造方法。
【請求項8】
前記水素バブリング工程は、前記反応溶液中の貴金属前駆体の濃度が10%以下になった時点で終了する、請求項1~請求項7の何れか1つに記載の金属微粒子の製造方法。
【請求項9】
前記種金属微粒子は、貴金属単体、非貴金属単体、2種以上の貴金属の合金、又は貴金属と非貴金属の合金からなる、請求項1~請求項8の何れか1つに記載の金属微粒子の製造方法。
【請求項10】
前記種金属微粒子が、貴金属と非貴金属の合金からなる場合は、
前記種金属微粒子を前記反応溶液中に添加する前に前記種金属微粒子を還元性雰囲気下で加熱処理する加熱処理工程をさらに備える、請求項1~請求項8の何れか1つに記載の金属微粒子の製造方法。
【請求項11】
前記貴金属は、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム及び金から選ばれる少なくとも1種を含み、前記非貴金属は、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、クロム、バナジウム、チタン、ニオブ、モリブデン、鉛、タングステンから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項9又は請求項10に記載の金属微粒子の製造方法。
【請求項12】
前記貴金属前駆体は、貴金属の酸、塩、又は錯体である、請求項1~請求項11の何れか1つに記載の金属微粒子の製造方法。
【請求項13】
前記貴金属前駆体は、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム及び金から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項12に記載の金属微粒子の製造方法。
【請求項14】
前記貴金属前駆体は、塩化白金酸または塩化白金酸塩、または白金アンミン錯体である、請求項1~請求項13の何れか1つに記載の金属微粒子の製造方法。
【請求項15】
前記種金属微粒子は、電子導電性担体上に担持されて分散されており、
燃料電池用の電極触媒である、請求項1~請求項14の何れか1つに記載の金属微粒子の製造方法。
【請求項16】
分散状態の種金属微粒子及び水溶性の貴金属前駆体を含水溶媒中に共存させた反応溶液を作製する工程をさらに備え、
貴金属スキン層が前記種金属微粒子を被覆するように形成される、請求項1~13の何れか1つに記載の金属微粒子の製造方法。
【請求項17】
前記貴金属前駆体は、塩化白金酸または塩化白金酸塩、または白金アンミン錯体である、請求項16に記載の金属微粒子の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池用電極触媒として利用可能な金属微粒子を効率的に製造する方法と、この方法によって得られる粒径均一性に優れた担持金属微粒子触媒及び燃料電池用電極触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
電極触媒としては、カーボン、酸化スズ等の導電体からなる担体に白金を主体とする活性金属を担持させたものが用いられている。各種の不均一系触媒では、アルミナ、チタニア、マグネシア系酸化物等からなる担体に貴金属、非貴金属或いはそれらの合金を主体とする活性金属を担持したものが用いられる。
【0003】
この電極触媒の性能は、
(1)活性金属の粒子径、
(2)活性金属の粒子組成、
(3)その粒子径の分布(粒子径が揃っているか)、
(4)担体上での分散度(担体上に均一に活性金属が分散されているか)
に依存し、活性金属の担持量が同一であれば、活性金属の表面積が多いほど、即ちその粒子径が小さく担体上に高分散されているほど触媒の活性性能が高くなる。また、白金は高価であるため、その使用量を低減するためにも活性金属の微粒子化、合金化および担体上に均一に分散担持されている(高分散担持)ことが求められている。
【0004】
このような電極触媒の製造方法としては、例えば特許文献1に示されるように、塩化白金酸溶液を有機酸からなる還元剤で還元して金属コロイド溶液を調製し、担体に担持させる方法が提案されており、また、特許文献2に示されるように、有機保護剤の存在下アルコールで還元することにより微粒子を得る方法が提案されている。
【0005】
一方、上述のような白金量低減化の他に、触媒として合金を用いることが検討されている。合金触媒は燃料極、空気極の活性向上にも重要となる。合金触媒としては、例えば、Ptと鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム等の合金が挙げられる。従来は合金触媒を製造する場合には、既にカーボンに担持されたPt粒子に、金属塩溶液を含浸等によって作用させ、900℃程度の高温で還元することによって合金を得ていた。また、金属塩を金属としてカーボンに担持させる場合、アルコール還元で合金を製造していた。しかしながら、このような方法で得られた合金触媒は、触媒粒子の粒径が不揃いであり、その組成も不均一であった。
【0006】
さらに、より少量のPtで触媒活性を高める検討がなされており、例えば、下記特許文献3、特許文献4にはコア-シェル構造を有し、コアおよびシェルともに貴金属を含む電極触媒が開示されている。特許文献3で用いられる貴金属含有粒子は、貴金属合金からなるコア部とその外周に形成された該コア部と組成が異なる貴金属層からなるシェル部とのコア-シェル構造を有する。この製造手法では貴金属含有粒子を濃硫酸などの強酸に浸漬させ、遷移金属を溶出させることにより、粒子表面の貴金属の含有率を上昇させている。また、別の方法としては、Cuをコア触媒表面に1原子層の厚さでアンダーポテンシャル析出させ、これを塩化白金酸水溶液に浸し、Cuをイオン化し、Ptイオンをゼロ価金属として置換析出させる方法がある。このプロセスによって1原子層程度のPt被覆ができるが、不完全なため、このプロセスを繰り返して、シェルを形成させる必要があり、工程が複雑になって生産性が悪い。
【0007】
しかしながら、この手法では、貴金属のみを選択的に析出させるか、または、非貴金属のみを選択的に溶出させ、粒子表面を貴金属のみにすることは困難である。特許文献4では、還元雰囲気下で熱処理をすることで、該シェルの触媒成分組成が貴金属≧非貴金属の合金からなるコア-シェル型触媒が開示されている。しかし、この手法ではシェル層にあたる最表面には非貴金属が存在し、燃料電池作動下においては、非貴金属の溶解によって触媒の活性が低下する。また下記非特許文献1にはアンダーポテンシャル析出によるPt単分子層からなるコア-シェル粒子の製造について報告されている。この手法で得られる触媒はコア金属に金、銀、パラジウム等を用い、表面のシェルにPtを析出させている。しかしながら単原子層であるために、その安定度は低く、内部コア金属の溶出を十分に抑制できない。
【0008】
燃料電池作動下において、使用中に内部コア金属成分が溶出し、活性低下を防止するため、特許文献5にあるとおり、数原子層の白金スキン層で覆われた触媒粒子が担体上に高分散担持された電極触媒の製造方法が考案された。この製造方法は大きく分けて3つの工程からなっている。
これらの3つの工程は、具体的には、
(1)2種の金属塩、親水基を有する溶媒及び非水溶性溶媒を混合してナノカプセル溶液を調製し、還元作用を有する非水溶性液を加えて加熱してナノカプセル内部に合金粒子を形成する、所謂「第一段階の還元工程」と、
(2)上記(1)で調製した合金粒子を含むナノカプセル溶液中に、白金スキン前駆体溶液を加え、合金粒子とともにナノカプセルで覆い、還元作用を有する非水溶性液を加えて、合金粒子表面で白金スキン層を析出させる、所謂「第二段階の還元工程」と、
(3)白金スキン/合金粒子を担体に担持させる、所謂「白金スキン/合金粒子の担持工程」と
で構成される。
【先行技術文献】
【0009】

【特許文献1】特開2001-224968号公報
【特許文献2】特開2003-226901号公報
【特許文献3】特開2005-135900号公報
【特許文献4】国際公開WO2009/096356
【特許文献5】国際公開WO2013/035698
【0010】

【非特許文献1】J. Phys. Chem. B 2005, 109, 22701
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献5では、電極触媒の触媒活性や耐久性が保持できるが、以下の課題が挙げられる。
(1)白金スキン層で覆われた触媒粒子が担体上に高分散担持された電極触媒の製造方法が複雑であることが挙げられる。例えば、「第二段階の還元工程」において、第1段階で形成させたPtCoの合金粒子を含む溶媒を60℃まで冷却し、白金前駆体を内包したナノカプセル溶液(スキン前駆体溶液)を加えて、第1段階で形成された合金粒子(n-PtCo/GCBと略記)を、白金前駆体を含むナノカプセル内部に包み込み、60℃で15時間攪拌する等の工程を経て、最終的に約260℃での温度にて20分程度の還流加熱で還元反応させ、ナノカプセル内に白金スキン層で覆ったPtCo粒子(2n-PtCo/GCBと略記)を得ることができる等、製造過程が複雑で時間も長い。
(2)電極触媒の粒径は、ナノカプセルのサイズを変更する等の方法によって制御することができるが、ナノカプセルのサイズを大きくするとナノカプセルが不安定化しやすくなるなどの問題が発生する場合があり、製造条件の最適化に手間がかかる。
(3)加えた白金前駆体の中には合金粒子を包み込むために利用されず、単純に還元されて担体に担持されるものもあり、白金の利用効率が必ずしも高くない。
【0012】
以上の観点から、実生産プロセスにおいての高価格化を避けるために、より効率的に電極触媒を製造する方法が要求されている。
【0013】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、燃料電池用電極触媒として利用可能な金属微粒子を効率的に製造する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、分散状態の種金属微粒子及び水溶性の貴金属前駆体を含水溶媒中に共存させた反応溶液中に水素ガスを含む反応ガスのバブリングを行う水素バブリング工程を備える、金属微粒子の製造方法が提供される。
【0015】
本発明の特徴は、簡潔に表現すると、含水溶媒(例:水)中に分散状態の種金属微粒子及び水溶性の貴金属前駆体を共存させた状態で水素ガスを含む反応ガスのバブリング(以下、「水素バブリング」とも称する。)を行うことにより、貴金属前駆体を種金属微粒子の表面上で還元させて、種金属微粒子を貴金属の原子層で被覆することである。このような非常にシンプルな方法であるが、それが故に、以下に示すように金属微粒子を量産するに当たって極めて優れた特徴を有している。
【0016】
本発明の特徴は、(1)原料入手及び廃棄物処理の容易さ、(2)製造の容易さ、(3)生成物の均一性、及び(4)汎用性に分類することができる。
【0017】
(1)原料入手及び廃棄物処理の容易さ
原料入手及び廃棄物処理の容易さについて特筆すべきことは、本発明では、溶媒として、水を用いることができることである。特許文献5のような従来技術では有機溶媒を使用していたので、その有機溶媒自体のコストと、反応終了後に有機溶媒を処理するためのコストが必要であったが、本発明ではそのコストが必要ないので、その分だけ、製造コストを低減することができる。
また、本発明では、貴金属前駆体として、ヘキサクロロ白金(IV)酸のよう汎用化合物を利用することができ、その還元には、特許文献5で使用されているトリメチルリチウムボロハイドライド(LiB(CHCHH)のような高価な還元剤を用いず、安価な水素ガスを用いることができる。このように、本発明の実施には特殊な原料も特殊なガスも不要であるので、原料コストを低く抑えることができる。
【0018】
(2)製造の容易さ
本発明では、非常にマイルドな条件(例:室温から60℃、希釈水素(5%程度))で貴金属前駆体の還元反応を行うことができ、しかも、その還元反応に必要な時間は、わずか30分~1時間といった極めて短い時間である。特許文献5では貴金属前駆体の還元反応に15時間程度必要であったので、このような短時間で還元反応を行うことができることは画期的である。また、爆発限界以下の水素濃度で還元操作が可能なため、通常の大気中への廃棄も可能で危険を避ける特別な施設設備の整備が不要という極めて大きなメリットもある。さらに、還元生成物は触媒と微量塩酸を含む水溶液のため、環境負荷も全くなく、極めて簡単な濾過水洗だけで目的担持触媒が得られる。このように、本発明によれば、マイルドな条件で短時間に還元反応を行い、簡単な分離操作で製品が有られるので、製造コストを抑えることができる。
また、特許文献5の方法は、製造工程が複雑な分だけ、調整が必要なパラメータが多く、例えば金属微粒子の粒径を変化させる場合に、パラメータをどのように調整すべきかを決定するのは容易ではない。一方、本発明は、製造工程が極めてシンプルであるので、例えば、金属微粒子の粒径を大きくしたい場合には、単純に、含水溶媒及び貴金属前駆体の添加量を増やして、水素バブリングを行えばいいので、金属微粒子の粒径変更が非常に容易である。
【0019】
(3)生成物の均一性
本発明の方法では、貴金属前駆体の実質的に全量が種金属微粒子の被覆に使用され、種金属微粒子とは無関係に還元されることがほとんどない。このため、本発明の種金属微粒子として合金粒子を用いた場合、得られる金属微粒子のほぼ全量が、合金粒子が貴金属で被覆された構造を有するものである。これに対して、特許文献5の方法では、貴金属前駆体の一部は、合金粒子とは無関係に還元されるので、得られる金属微粒子は、合金粒子が貴金属で被覆された構造を有する粒子と、貴金属自体の粒子とが混ざっていて若干不均一であった。このように本発明の方法によれば、生成物の均一性を向上させることができる。
また、金属前駆体の還元反応は、金属微粒子1つ1つの表面上で同等に均一に起こるので、得られる金属微粒子の粒度分布は、種金属微粒子の粒度分布に、貴金属による被覆層の厚みを加えたものになる。従って、種金属微粒子としてシャープな粒度分布を有するものを準備すれば、生成物として得られる金属微粒子の粒度分布もシャープにすることができる。また、種金属微粒子が担体に担持されている場合、担持されている種金属微粒子1つ1つの表面上で均等に金属前駆体の還元析出反応が起こるので、生成物として得られる金属微粒子の分散状態は、担体上での種金属微粒子の分散状態を引き継いたものになるので、種金属微粒子として優れた分散状態を有するものを準備すれば、得られる金属微粒子の分散状態も同様に優れたものになる。
【0020】
(4)汎用性
本発明の方法の有効性は、種金属微粒子の種類や貴金属前駆体の種類への依存性が低いので、種金属微粒子の表面において貴金属前駆体の還元反応が起こるものであればどんな組み合わせであってもよい。種金属微粒子の金属と、貴金属前駆体の金属は、同じであっても異なっていてもよい。
また、本発明の方法で製造される金属微粒子は、燃料電池用電極触媒に用いることが用途の一つであるが、粒子成長やスキン層形成が必要な用途は燃料電池用電極触媒に限らないので、本発明のような優れた方法による粒子成長やスキン層形成が必要な種々の用途で利用される金属微粒子の製造に本発明は適用可能である。
【0021】
以上のように、本発明は、上記(1)~(4)の特徴を有する極めて優れた方法である。本発明を完成するにあたっての本質的な発見は、種金属微粒子及び含水溶媒の存在下で水素バブリングを行えば、金属前駆体の還元反応が種金属微粒子の表面上でのみ起こることである。その原理は、必ずしも明らかになっていないが、種金属微粒子・含水溶媒・水素ガスの共存状態においては、金属前駆体の還元反応の活性化エネルギーが、種金属微粒子の表面上において低下されるためではないかと推察している。
【0022】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記種金属微粒子は、平均粒径が1~8nmである。
好ましくは、前記種金属微粒子は、担体上に担持されて分散されている。
好ましくは、前記反応溶液は、前記バブリングの開始時のpHが0以上である。
好ましくは、前記水素バブリング工程の前に、前記反応溶液を煮沸する煮沸工程をさらに備える。
好ましくは、前記水素バブリング工程の後に前記含水溶媒を除去し、その後、前記貴金属前駆体と前記含水溶媒を追加して、再度、前記水素バブリング工程を行うことで貴金属被覆層の増大要求に応える。
好ましくは、前記反応ガス中の水素ガスの濃度は、0.1~100%である。
好ましくは、前記反応溶液は、前記貴金属前駆体残量が10%以下、好ましくは1%以下となった時点で還元操作を終了する。貴金属前駆体に由来して有色である場合は、前記水素バブリング工程は、前記反応溶液が無色透明になった時点で終了する。
好ましくは、前記種金属微粒子は、貴金属単体、非貴金属単体、2種以上の貴金属の合金、又は貴金属と非貴金属の合金からなる。
好ましくは、前記種金属微粒子が、貴金属と非貴金属の合金からなり、前記種金属微粒子を前記反応溶液中に添加する前に前記種金属微粒子を還元性雰囲気下で加熱処理する加熱処理工程をさらに備える。
好ましくは、前記貴金属は、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム及び金から選ばれる少なくとも1種を含み、前記非貴金属は、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、クロム、バナジウム、チタン、ニオブ、モリブデン、鉛、タングステンから選ばれる少なくとも1種を含む。
好ましくは、前記貴金属前駆体は、貴金属の酸、塩、又は錯体である。
好ましくは、前記貴金属は、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム及び金から選ばれる少なくとも1種を含む。
好ましくは、前記貴金属前駆体は、塩化白金酸または塩化白金酸塩、または白金アンミン錯体である。
好ましくは、前記種金属微粒子は、電子導電性担体上に担持されて分散されており、前記金属微粒子は、燃料電池用の電極触媒である。
【0023】
本発明は、担体上に担持された多数の金属微粒子を備え、前記金属微粒子の平均粒径は、2~12nmであり、前記金属微粒子の70%以上が平均粒径の±30%以内の粒径を有し、前記金属微粒子の80%以上は、種金属微粒子が貴金属スキン層で隙間なく被覆された構造を有する、担持金属微粒子及び、この担持金属微粒子からなる燃料電池用電極触媒も提供する。
好ましくは、前記貴金属スキン層は、1~4原子層である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例1と実施例2により、還元温度の粒度分布への影響を検討した。(a)~(b)は、n-Pt/GCBのTEM画像と、この画像から得られた粒度分布である。(c)~(d)は、実施例1の60℃での100%水素バブリング後の試料(Hn-Pt/GCB)のTEM画像と、この画像から得られた粒度分布である。(e)~(f)は、実施例2の25℃での100%水素バブリング後の試料(Hn-Pt/GCB)のTEM画像と、この画像から得られた粒度分布である。マイルドな25℃から厳しい60℃の反応条件でも、顕著な差を示すことなく、シャープな粒度分布幅で、同等の粒径増大が図れた。
【図2】実施例3は、実施例2と比較において還元条件の緩和(低水素濃度、短時間還元)の粒度分布への影響を25℃に於いて検討した。(a)~(b)は、実施例3において5%水素バブリング後の試料(Hn-Pt/GCB)のTEM画像と、この画像から得られた粒度分布である。5%、1時間の還元条件でも100%、3時間の結果と同等の粒径触媒の生成が確認された。
【図3】実施例4から実施例6は、5%水素、1時間の還元条件で、還元温度(40、60,80℃)の影響を確認したものである。(a)~(b)は、実施例4の水素バブリング後の試料(Hn-Pt/GCB)のTEM画像と、この画像から得られた粒度分布である。(c)~(d)は、実施例5の水素バブリング後の試料(Hn-Pt/GCB)のTEM画像と、この画像から得られた粒度分布である。(e)~(f)は、実施例6の水素バブリング後の試料(Hn-Pt/GCB)のTEM画像と、この画像から得られた粒度分布である。どの温度においても生成触媒に殆ど差異が認められなかった。
【図4】実施例7、実施例8により、n-PtCo/GCB種金属微粒子へのPtスキン層形成に関して検討した結果を示す。(a)は種金属微粒子のTEM画像、(b)はこの画像から得られた粒度分布である。(c)は、実施例7において、実施例3と同等の還元温度、時間での水素バブリング後の試料(Hn-PtCo/GCB)を観察したTEM画像である。Pt前駆体は全て還元されたものの、その大部分は塊として偏って析出してしまい、その粒径分布の解析は不可能であった。実施例8では、水素バブリングに先立ち、純水中で一旦煮沸後、60℃まで冷却した後、単味Ptの場合と同様に水素バブリングにより還元処理を施した。(d)~(e)は、水素バブリング後の試料(Hn-PtCo/GCB)のTEM画像と、この画像から得られた粒度分布である。還元前に煮沸処理を施すことで狙い通りの粒径増大が図れた。
【図5】(a)は、実施例8の純水煮沸、水素バブリング後の試料(Hn-PtCo/GCB)に対してSTEM-EDXによるライン解析を行った結果を示すグラフである。(b)は、実施例8の水素バブリング後の試料と従来の高表面積カーボンブラック担体に担持された市販の標準的単味白金触媒(c-Pt/CBと略記)及び特許文献5により作成された同一の黒鉛化カーボンブラック担持PtCo合金触媒(2n-PtCo/GCB)について、酸素還元反応(ORR)質量活性を比較したグラフである。三者の中で、Hn-PtCo/GCBが最大の質量活性を示した。
【図6】実施例9は同一の種金属微粒子を用い、担体上の分散状態を維持しながら粒径分布が制御出来る可能性を示した。(a)~(b)は、種金属微粒子n-Pt/GCBのTEM画像と、この画像から得られた粒度分布である。(c)~(d)は、実施例9の1回目の水素バブリング後の試料(Hn-Pt/GCB)のTEM画像と、この画像から得られた粒度分布である。(e)~(f)は、実施例9の1回目の水素バブリング後の上澄みを除去、実施例9の一回目同様の前駆体含水溶液中で2回目の水素バブリング後の試料(2Hn-Pt/GCB)のTEM画像と、この画像から得られた粒度分布である。意図したように2倍の白金析出が生じ、意図した粒径の触媒生成が確認された。
【図7】5%水素、40℃、1時間の還元条件で異なる前駆体濃度反応溶液のpHとPtイオン還元率の関係を示すグラフである。pH<1の条件では白金析出が得られない。100%水素では、このpH限界がゼロ近くまで拡張出来た。

【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の種々の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、例示であって、本発明の方法は、以下に示すものに限定されない。
【0026】
1.種金属微粒子
種金属微粒子としては、水素バブリングによってその表面上で金属前駆体の還元反応が起こるものであれば、その種類は特に限定されない。種金属微粒子の構成金属は、貴金属単体、非貴金属単体、2種以上の貴金属の合金、及び貴金属と非貴金属の合金の何れであってもよい。貴金属の例としては、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム及び金が挙げられ、非貴金属の例としては、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、クロム、バナジウム、チタン、ニオブ、モリブデン、鉛、タングステンが挙げられる。種金属微粒子の平均粒径は、特に限定されないが、例えば、1~8nmである。平均粒径が小さすぎる種金属微粒子は、安定に製造することが容易ではなく、平均粒径の大きすぎると、得られる金属微粒子の平均粒径もその分大きくなり、質量活性(単位質量当たりの触媒活性)が低下しやすいからである。種金属微粒子の平均粒径は、具体的には例えば、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0nmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。なお、本明細書において、「平均粒径」とは、TEM像において、各微粒子の外接円の直径を測定して算術平均したものを意味する。測定サンプル数は、例えば500個以上である。また、種金属微粒子の粒径は、できるだけ揃っていることが好ましく、種金属微粒子の70%以上が平均粒径の±30%以内の粒径を有することが好ましく、±25,20,又は15%以内の粒径を有することがさらに好ましい。
【0027】
種金属微粒子は、担体(好ましくは電子導電性担体)に担持されているものが好ましいが、これに限定されず、粉体状のものであってもよく、含水溶媒中に浮遊しているものであってもよい。担体は特に限定されず、カーボンブラック、アモルファスカーボン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、酸化錫、酸化チタンなどのナノ粒子等が例示される。触媒粒子の担持量は、特に限定されないが、例えば担体に対して、10~100wt%である。この担持量は、具体的には例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100wt%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0028】
種金属微粒子を担体に担持させる方法としては、例えば、特許文献5に開示されているように、親水基を有する溶媒および非水溶性溶媒を混合して形成されるナノカプセル内に種金属前駆体を封じ込め、この種金属前駆体を還元することによって種金属微粒子を含有するナノカプセル溶液を作成し、このナノカプセル溶液と担体を混合し、攪拌するなど通常の方法を用いることができる。
親水基を有する溶媒としては、例えば水酸基を有する有機溶媒が挙げられ、高級アルコール等が例示される。非水溶性溶媒としては、前記親水基を有する溶媒と混合することでナノカプセルを形成する有機溶媒が挙げられ、例えば高級エーテル、芳香族エーテル、高級エステル等が例示される。種金属前駆体とは、還元されて種金属微粒子を形成するための原料となる化合物を示し、例えば1種又は2種以上の金属塩または金属錯体である。種金属前駆体の還元は、還元作用を有する非水溶性液を供給して加熱することにより行うことが好ましい。還元作用を有する非水溶性液としては、MBRH、MH(但し、Mはリチウム、ナトリウムまたはカリウムを示し、Rは水素原子または炭化水素基を示し、炭化水素基は直鎖でも分岐でも、飽和でも不飽和でもよい。)、アルコールおよびナフタレンの金属誘導体等を含む非水溶性液が使用される。
【0029】
ナノカプセル溶液と担体の混合は、アルコール、好ましくはエタノール、メタノール等の低級アルコール(炭素数1、2、3、4、5、又は6)に担体を分散させた溶液に、ナノカプセル溶液を滴下しながら行うのが好ましい。ナノカプセルはその外側に疎水基を有するので、疎水基が有する電荷によって粒子同士が反発して接近し過ぎることなく担体表面に配されるため、触媒粒子が高分散担持される。また、触媒粒子を担体表面に吸着させた後、次の工程として加熱処理することが好ましい。これにより、触媒粒子上に残存するナノカプセル成分を完全に分解除去することができる。この残存するナノカプセル成分には、例えばアルキル基等の疎水基等が含まれる。加熱処理はアルゴン、窒素、ヘリウム等の不活性ガス下にて行うことが好ましい。加熱処理の温度は、金属の種類、原料となる金属塩または金属錯体や試薬の種類によって異なるが、ナノカプセル成分が分解される温度であって分解反応の進行が遅すぎず、かつ触媒粒子の凝集が起こる温度より低い範囲とすることが好ましい。例えば、500℃以下、好ましくは250~400℃であることが良い。この温度は、具体的には例えば、100、150、200、250、300、350、400、450、500℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。また、種金属微粒子が貴金属と非貴金属の合金(例:白金合金(白金とそれ以外の金属との合金))からなる場合には、還元性雰囲気(例:水素ガス雰囲気)下で加熱処理を行うことが好ましい。この加熱処理を行うと、種金属微粒子の内部にある貴金属原子(例:白金原子)が表面に移動し、種金属微粒子の表面において、貴金属原子が占める面積の割合が増大する。これによって、水素バブリング工程において、非貴金属原子の溶出を低減することができる。加熱処理の温度は、例えば120~500℃であり、120、150、200、250、300、350、400、450、500℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0030】
2.水溶性の貴金属前駆体
貴金属前駆体とは、還元されて貴金属を形成するための原料となる化合物を示し、例えば貴金属の酸、塩、又は錯体が挙げられる。貴金属前駆体としては、例えば塩化貴金属酸やその塩(例:カリウム塩)や、貴金属のアンミン錯体、エチレンジアミン錯体、アセチルアセトナート錯体などを用いることができる。貴金属が白金の場合には、塩化白金酸(例:ヘキサクロロ白金酸、テトラクロロ白金酸)、アセチルアセトナート白金〔Pt(acac)〕、塩化白金酸塩(例:塩化白金酸カリウム〔KPtCl〕)、白金アンミン錯体などを用いることができる。
【0031】
本発明での水素バブリングは、含水溶媒中で行うので貴金属前駆体は水溶性である必要がある。貴金属前駆体は、水素バブリングの開始時に全量が溶解するような高い溶解度を有していることが好ましいが、水素バブリングの開始時には一部が溶けきれずに残る程度の溶解度であってもよい。
【0032】
3.含水溶媒、反応溶液
含水溶媒とは、水を含有する溶媒であり、好ましくは純水であるが、貴金属前駆体の還元反応を完全に阻害しないものであれば水以外の成分(例:低級アルコール)を含んでいてもよい。含水溶媒中の水の含有量は高いほど好ましく、具体的には例えば、50、60、70、80、85、90、95、99,100体積%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0033】
水素バブリングを行うための反応溶液は、含水溶媒中に種金属微粒子を分散させ、かつ貴金属前駆体を溶解させることによって得られる。一例では、種金属微粒子を超音波分散などの方法で含水溶媒中に分散させた分散液と、貴金属前駆体を含水溶媒に溶解させた溶液を作製し、これらの混合することによって反応溶液を作製することができる。別の方法では、貴金属前駆体を含水溶媒に溶解させた溶液中に種金属微粒子を分散させたり、種金属微粒子を超音波分散などの方法で含水溶媒中に分散させた分散液中に貴金属前駆体を溶解させたりする方法が挙げられる。
【0034】
4.水素バブリング
水素バブリングは、反応溶液内に水素ガスを含む反応ガスを流通させることによって行うことができる。反応ガスとしては、純水な水素ガスを用いてもよく、別のガス(例:アルゴン、窒素などの不活性ガス)で希釈した希釈水素ガスを用いてもよい。水素バブリングによる貴金属前駆体の還元反応は、反応ガス中の水素ガスの濃度依存性が低く、反応ガス中の水素ガスの濃度は、例えば0.1~100%にすることができる。但し、安全性を考慮すると、水素爆発が起きにくい濃度範囲が好ましく、
0.1~5%又は95~100%が好ましい。また、反応ガス中の水素ガスの濃度が低い場合の方が生成物である金属微粒子の粒度分布がシャープになりやすいので、この観点からは、水素ガスの濃度は、0.1~30%が好ましい。水素ガスの濃度は、具体的には例えば、0.1、1、5,10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、100であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。水素バブリングを行う時間は、貴金属前駆体の還元反応が起こる時間であれば限定されないが、例えば0.5~30時間であり、0.5~10時間が好ましく、0.5~5時間がさらに好ましい。水素バブリングの時間が短すぎると貴金属前駆体の還元反応が未完了になり、貴金属前駆体の無駄が発生するので好ましくない。また、貴金属前駆体の還元反応は、通常、0.5~数時間で完了するので、それ以上長く水素バブリングをしても製造コストの増大につながるだけなので好ましくない。水素バブリングの時間は、具体的には例えば、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30時間であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。また、反応溶液中の貴金属前駆体残量が10%以下、好ましくは1%以下となった時点で還元操作を終了することが好ましい。反応溶液が貴金属前駆体に由来して有色である場合、この貴金属前駆体が消費されて反応溶液が無色透明になった時点で水素バブリングを終了してもよい。この方法によれば、貴金属前駆体を無駄にすることなく、比較的短時間で水素バブリングを完了することができる。例えば、貴金属前駆体がヘキサクロロ白金酸である場合、反応溶液は黄色になるので、この黄色が消失して無色透明になれば、貴金属前駆体が反応溶液から消費しつくされたことを示す。
【0035】
水素バブリングの際の反応溶液の温度は、反応溶液が固化又は気化しない温度であればよく、例えば大気圧下であれば0.1~100℃であり、操作の容易性を考慮すると、15~60℃が好ましい。反応溶液の温度は、具体的には例えば、0.1、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99.9、100℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0036】
水素バブリングの際の反応溶液のpHは、貴金属前駆体の還元反応が起こるものであれば特に限定されないが、pHが低すぎると還元反応が起こりにくくなるので、水素バブリング開始時のpHは0以上が好ましい。また、pHが高い方がより低濃度の水素ガスを使用することができて爆発限界を避けやすくなるので、pHは、1以上がさらに好ましい。また、pHの上限は、特に規定されないが、pHが高すぎて10を超えると貴金属前駆体が水酸化物として沈殿しやすくなるので、pHは10以下が好ましく、4以下がさらに好ましい。反応溶液のpHは、例えば、0~14であり、具体的には例えば、0、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0037】
反応溶液のpHは、pH調整を別途行わない場合には、貴金属前駆体の濃度によって決定される。例えば貴金属前駆体が貴金属酸(例:ヘキサクロロ白金酸(HPtCl))である場合、含水溶媒中での水素イオン解離によって水素イオンが放出されるので、貴金属前駆体の濃度が高いほど、pHが低くなる。また、貴金属前駆体は水素イオンが解離して還元されるので、pHが低くなりすぎると水素イオン解離が起こりにくくなり、還元反応が起こりにくくなる。貴金属前駆体の濃度があまり高くない場合は、pH調整を行わずに単に含水溶媒中に貴金属前駆体を溶解させて反応溶液を作製するのが簡単で好ましい。一方、貴金属前駆体の濃度を高くしたい場合には、pHが低くなり過ぎないように、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの塩基を適量添加してpH調整を行なってもよい。また、貴金属酸の代わりに、貴金属塩(例:塩化白金酸カリウム)や貴金属錯体(例:アセチルアセトナート白金)を用いるとpHの低下を抑制できるので、pH調整を別途行うことがなく、反応溶液のpHを適正範囲にすることができる。また、反応溶液のpHを適正範囲にする別の方法は、含水溶媒の量を増やして水素イオン濃度を低下させることである。さらに、貴金属前駆体の濃度が比較的低い反応溶液で水素バブリングを行った後に、含水溶媒を除去し、その後、貴金属前駆体と含水溶媒を追加して、再度、水素バブリング工程を行ってもよい。
【0038】
ところで、種金属微粒子は、その製造工程での有機物残渣などが原因で含水溶媒に対して撥水性を有する場合がある。この場合、種金属微粒子が含水溶媒と適切に接触せず、貴金属スキン層が適切に形成されない場合がある。そのような場合には、水素バブリングの前に反応溶液を煮沸することが好ましい。煮沸前には反応溶液上に浮いていた種金属微粒子が煮沸によって底に沈み、その状態で水素バブリングを行うことによって種金属微粒子が含水溶媒と確実に接触し、種金属微粒子上での貴金属前駆体の還元反応が阻害されない。
【0039】
5.金属微粒子
水素バブリングによって、種金属微粒子の表面上で貴金属前駆体が還元され、種金属微粒子を被覆するように貴金属スキン層が形成され、生成物である金属微粒子が得られる。
【0040】
従来技術の方法であれば、種金属微粒子が貴金属スキン層で隙間なく被覆された構造を有するものの割合は、必ずしも高くない場合があったが、本発明の方法によれば、ほぼ全量(例えば金属微粒子の80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、さらに好ましくは99%以上)が上記構造を有するものになるので、金属微粒子の均一性が極めて高い。
【0041】
貴金属スキン層の厚さは、特に限定されないが、1~4原子層が好ましく、1.5~3原子層がさらに好ましい。貴金属スキン層が薄すぎると種金属微粒子の被覆が不十分になる場合があり、貴金属スキン層が厚すぎると、種金属微粒子の電子的効果が貴金属スキン層によって遮蔽されてしまう場合があるからである。貴金属スキン層の厚さは、具体的には例えば、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4原子層であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。1原子層は、白金の場合、約0.225nmであるので、例えば、貴金属スキン層が2原子層である場合、金属微粒子の平均粒径は、種金属微粒子に比べて約0.9nm大きくなる。
【0042】
金属微粒子の平均粒径は、特に限定されないが、例えば、2~12nmであり、具体的には例えば、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12nmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。金属微粒子は、平均粒径が小さいほど比表面積が大きくなって質量活性が優れている反面、溶出や凝集しやすくて不安定である。従って、自動車用燃料電池用電極触媒などのように過酷な条件で使用される場合には、金属微粒子の平均粒径を比較的大きくして金属微粒子の安定性を優先し、一方、比較的マイルドな条件で使用される用途には、金属微粒子の平均粒径を比較的小さくして質量活性を高めることを優先することができる。このように、金属微粒子の好ましい平均粒径は、その用途によって定まり、適切な平均粒径を有する金属微粒子が得られるように種金属微粒子の平均粒径と貴金属スキン層の厚さを制御する。貴金属スキン層の厚さは、添加する貴金属前駆体の量を変えることによって制御することができる。
【0043】
また、金属微粒子の粒径は、できるだけ揃っていることが好ましく、金属微粒子の70%以上が平均粒径の±30%以内の粒径を有することが好ましく、±25,20,又は15%以内の粒径を有することがさらに好ましい。
【0044】
種金属微粒子が担体に担持されているものであれば、生成物である金属微粒子もすでに担体に担持されているので、この金属微粒子をそのまま燃料電池用電極触媒として利用することができる。金属微粒子が担体に担持されていないものである場合、この金属微粒子は、「1.種金属微粒子」の項で説明したような方法で担体に担持させて利用することができる。
【0045】
以上のように、本発明の方法は、燃料電池用電極触媒として優れた特性を有する金属微粒子をシンプルな工程で短時間で製造することができる優れた方法であるが、この方法は、他の分野にも応用することができる。例えば、気相また液相と当該触媒が接触する不均一系反応界面反応を加速すべき環境触媒分野やセンサー分野、或いは石油化学系合成/分解触媒のような用途で利用可能である。
【実施例】
【0046】
以下に、黒鉛化カーボンブラック(GCB)に単味PtおよびPtCo合金を担持したそれぞれの種金属触媒(n-Pt/GCB,n-PtCo/GCB)へのPt析出による粒径制御の実施例を示す。
【0047】
1.実施例1(n-Pt/GCB+Ptスキン(Hn-Pt/GCB)、100%水素バブリング、60℃、3h)
1-1.n-Pt/GCBの作製
Pt(acac)を0.125mmol(49mg)、1,2-ヘキサデカンジオール1mmol(260mg)、ジフェニルエーテル12.5ml(13.5g,79.3mmol)をビーカーに加え、スターラーを用いて100℃に昇温して10分間攪拌混合した。これにオレイン酸0.25mmol(85μl)およびオレイルアミン0.25mmol(80μl)を加えた後、攪拌しながら200℃まで昇温し、そのまま20分間攪拌して、ナノカプセル溶液を得た。得られたナノカプセル溶液に1M LiB(CH・THF溶液1.0ml(1mmol)を2分間かけて徐々に滴下し、5分間攪拌した後260℃に昇温し、この温度にて20分間還流加熱して還元反応させ、ナノカプセル内にてPt粒子を含む溶液Aを得た。その後、溶液Aを100℃付近まで降温し、Ptの担持量がカーボンブラックに対し27.2wt%となるように黒鉛化カーボンブラック(GCB、150m/g)を混合攪拌し、濾過した後60℃で真空乾燥後、残存した有機溶媒を除去するために窒素ガス中で200℃、4時間加熱し、Pt微粒子をGCBに担持させ、n-Pt/GCBを得た。
【0048】
1-2.n-Pt/GCB分散液を作製
得られたn-Pt/GCB(50mg)を純水10mLに超音波分散させて、n-Pt/GCB分散液を作製した。
【0049】
1-3.Ptスキン前駆体溶液を作製
Ptスキン前駆体として、Pt2原子層分のヘキサクロロ白金(IV)酸 (H2PtCl6・6H2O)を純水10mLに溶解させて、Ptスキン前駆体溶液を作製した。
【0050】
1-4.水素バブリング
上記n-Pt/GCB分散液と、上記Ptスキン前駆体溶液を混合攪拌して、反応溶液を作製した。この反応溶液のpHは2.5であった。
次に、水素ガスを流通させるガラス管の先端を反応溶液内に挿入して、100%水素ガスを用いて、60℃、3時間の水素バブリングを行った。水素バブリングの開始時点では、反応溶液は黄色であったが、終了時点では、反応溶液は無色透明であった。
水素バブリングの終了後に、濾過によって固形分を取り出し、乾燥させて、Hn-Pt/GCBを得た。
【0051】
1-5.評価
水素バブリング前のn-Pt/GCBと、水素バブリング後によってPtスキン層が形成された試料(Hn-Pt/GCB)について、TEM画像を撮影し、そのTEM画像内の500個の微粒子の粒径を測定して、粒度分布を作成した。その結果を図1(a)~(d)に示す。図1(a)~(b)を参照すると、n-Pt/GCBでは、Pt微粒子が均一に分散しており、粒径の分布幅が非常に狭いことが分かる。また、図1(a)と(c)を比較すると、GCBに担持されている各Pt微粒子の粒径が大きくなっていることが分かる。さらに、図1(b)と(d)の粒度分布を比較すると、Hn-Pt/GCBでは、平均粒径dTEMが約0.8nm(約Pt2原子層分)増大したことが分かる。また、仕込んだPtスキン前駆体の量と、平均粒径の増大量がほぼ一致しているので、Ptスキン前駆体のほぼ全量がPtスキン層形成に消費されたことが分かる。なお、図中でdTEMは、「2.2±0.3」のように表記しているが、±の後の値は、標準偏差値(nm)を示している。このプラス、マイナス値の範囲に、測定した粒径データの約70%が入る。
【0052】
2.実施例2(n-Pt/GCB+Ptスキン(Hn-Pt/GCB)、100%水素バブリング、25℃、3h)
水素バブリング時の反応溶液の温度を25℃に変更して、実施例1と同様の実験・評価を行った。その結果を図1(e)~(f)に示す。図1(e)に示すように、GCBに担持されている各Pt微粒子の粒径が大きくなったことが分かる。また、図1(f)に示すように、平均粒径dTEMは、約0.6nm増大した。この結果は、25℃という低い温度においても、水素バブリングによってPtスキン前駆体の還元反応が起こって、Ptスキン層が形成されることを示している。
【0053】
3.実施例3(n-Pt/GCB+Ptスキン(Hn-Pt/GCB)、5%水素バブリング、25℃、1h)
実施例3では、水素バブリングの条件を水素ガス濃度5%、温度25℃、時間1hにして、実施例1と同様の実験・評価を行った。その結果を図2(a)~(b)に示す。図2(a)に示すように、GCBに担持されている各Pt微粒子の粒径が大きくなったことが分かる。また、図2(b)に示すように、平均粒径dTEMは、約0.9nm増大した。この結果は、水素ガス濃度5%、温度25℃、時間1hという低濃度・低温・短時間の条件で水素バブリングを行ったにも関わらず、水素バブリングによってPtスキン前駆体のほぼ全量が還元されて、Ptスキン層形成に消費されたことが分かる。
【0054】
4.実施例4~6(n-Pt/GCB+Ptスキン(Hn-Pt/GCB)、5%水素バブリング、40℃~80℃、1h)
実施例4~6では、水素バブリング時の反応溶液の温度を40℃、60℃、80℃に変更して、実施例3と同様の実験・評価を行った。その結果を図3(a)~(f)に示す。図3(a)、(c)、(e)に示すように、GCBに担持されている各Pt微粒子の粒径が大きくなったことが分かる。また、図3(b)、(d)、(e)に示すように、平均粒径dTEMは、約0.9nm増大した。また、実施例1~6の粒度分布を比較すると、実施例4~6では、実施例1~3よりも、粒径の分布幅が狭くなって本条件の方がより好ましい還元条件であることが分かる。
【0055】
7.実施例7(n-PtCo/GCB+Ptスキン(Hn-PtCo/GCB)、5%水素バブリング、20℃、1h)
7-1.n-PtCo/GCBの作製
Pt(acac)を0.125mmol(49mg)、Co(acac)を0.125mmol(44mg)、1,2-ヘキサデカンジオール1mmol(260mg)、ジフェニルエーテル12.5ml(13.5g,79.3mmol)をビーカーに加え、スターラーを用いて100℃に昇温して10分間攪拌混合した。これにオレイン酸0.25mmol(85μl)およびオレイルアミン0.25mmol(80μl)を加えた後、攪拌しながら200℃まで昇温し、そのまま20分間攪拌して、ナノカプセル溶液を得た。得られたナノカプセル溶液に1M LiB(CH・THF溶液1.0ml(1mmol)を2分間かけて徐々に滴下し、5分間攪拌した後260℃に昇温し、この温度にて20分間還流加熱して還元反応させ、ナノカプセル内にてPtCo粒子を含む溶液Aを得た。その後、溶液Aを100℃付近まで降温し、PtCoの担持量がカーボンブラックに対し27.2wt%となるように黒鉛化カーボンブラック(GCB、150m/g)を混合攪拌し、濾過した後60℃で真空乾燥後、残存した有機溶媒を除去するために窒素ガス中で200℃、4時間加熱し、PtCo微粒子をGCBに担持させ、n-PtCo/GCBを得た。この後、PtCo微粒子の表面にPtを析出させるために、100%水素ガス雰囲気下で200℃で1時間の加熱処理を行った。
n-PtCo/GCBのTEM画像と、粒度分布を図4(a)~(b)に示す。PtCo微粒子が均一に分散しており、粒径の分布幅が非常に狭いことが分かる。
【0056】
7-2.水素バブリング
実施例1-3と同様の方法で反応溶液を作製し、水素ガス濃度5%、温度20℃、時間1hの条件で、水素バブリングを行った。その結果得られた試料(Hn-PtCo/GCB)のTEM画像を図4(c)に示す。画像の左側の色が右側よりも濃くなっていて、PtCo微粒子が不均一に成長したことを示している。
このような結果が得られた原因について詳細な分析を行ったところ、n-PtCo/GCBが若干の撥水性を有していて、n-PtCo/GCBが反応溶液に十分に接触していないことが原因であるとの仮説を立てた。
【0057】
8.実施例8(n-PtCo/GCB+Ptスキン(Hn-PtCo/GCB)、煮沸+5%水素バブリング、60℃、1h)
8-1.水素バブリング
実施例7での仮説に基いて、n-PtCo/GCBに濡れ性を高めるために、水素バブリングを行う前に、反応溶液を煮沸した。煮沸当初は、n-PtCo/GCBが部分的に反応溶液中または表面に浮遊していたが、煮沸を10分ほど継続するとn-PtCo/GCBの全量が容器の底に沈んだので、その時点で煮沸を終了した。その後、反応溶液が60℃になるのを待って、水素バブリングを行った。その結果、図4(d)~(e)に示すように、各PtCo微粒子の表面にPtスキン層が均一に形成された。
【0058】
8-2.STEM-EDXによるライン解析
Ptスキン層で被覆されたPtCo微粒子(Hn-PtCo/GCB)について、走査透過型電子顕微鏡エネルギー分散X線分光(STEM-EDS)によるライン解析を行った。その結果を図5(a)に示す。図5(a)から分かるように、中央にはPtとCoが共存しているのに対し、両端の約0.5nmの領域にはPtのみが存在していた。この結果は、Ptスキン層が約0.5nmの厚さで形成されたことを示している。
【0059】
8-3.質量活性
次にこのPtスキン/PtCo/GC触媒(Hn-PtCo/GCB)のORR活性評価を図5(b)に示す。図5(b)において、縦軸は、酸素還元反応(ORR)質量活性(1gのPt当たり取り出せる電流(アンペア))を示し、その単位はA/gPtである。図5(b)に示すように、質量活性(Pt質量あたりORR活性,MA)は、0.85Vにおいて、市販のc-Pt/CB触媒に対して約2倍向上し、特許文献5の実施例1のPtCo合金と同等の活性となった。また、本願実施例8の触媒製造にかかる総時間は、特許文献5の実施例1の約1/4であったが、それにも関わらず、同等の性能が発揮できたことは驚きの結果である。なお、本実施例では、水素バブリングの時間は1時間であるが、30分経過後には反応溶液の色はほぼ透明になっているので、製造時間のさらなる短縮化が可能である。
【0060】
9.実施例9(n-Pt/GCB、5%水素バブリングを1回、2回)
実施例1-3と同様の方法で反応溶液を作製し、これに対して、10分間の煮沸処理を行った後に、水素ガス濃度5%、温度60℃、時間1hの条件で水素バブリングを行った。その後、上澄み液を除去した後に、Pt2原子層分のヘキサクロロ白金(IV)酸 (HPtCl・6HO)を純水10mLに溶解させたPtスキン前駆体溶液を追加し、再度、水素ガス濃度5%、温度60℃、時間1hの条件で水素バブリングを行った。1回水素バブリング触媒(Hn-Pt/GCB)、2回水素バブリング触媒(2Hn-Pt/GCB)の結果を種Pt微粒子触媒(n-Pt/GCB)の結果と共に図6に示す。図6に示されるように、Pt2原子層分のPtスキン前駆体溶液の存在下で水素バブリングを行う度に、反応後の微粒子の平均粒径がPt2原子層分大きくなったことが分かる。
【0061】
10.実施例10(反応溶液のpHと、Ptスキン前駆体の還元率の関係)
実施例1の方法において、Ptスキン前駆体溶液中のPtスキン前駆体の濃度を種々変更して7種類の反応溶液を作製した。Ptスキン前駆体の濃度が高いほど反応溶液中への水素イオン放出量が増えるので、これら7種類の反応溶液は、pHが互いに異なっている。
これらの反応溶液に対して、水素ガス濃度5%、温度60℃、時間1hの条件で水素バブリングを行った。反応溶液のpHとPtスキン前駆体の還元率の関係をプロットしたものを図7に示す。Ptスキン前駆体の還元率は反応後の濾液にする白金前駆体量をICP分析して求め、pHは通常市販のガラス電極を用いたpHメータによって測定した。図7を参照すると、pHが1.5くらいまでは還元率がほぼ100%であるが、pHがそれよりも低くなるとPtスキン前駆体の還元率が大幅に低下した。この結果は、pHが低すぎると還元反応が起こりにくくなることを示している。但し、実施例10は、水素ガス濃度5%である場合の結果であり、水素ガス濃度を高めると、反応溶液のpHがより低い場合でもPtスキン前駆体の還元反応が進行すると考えられる。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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