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明細書 :衝撃波収束装置、衝撃波発生装置及び衝撃波アブレーションシステム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成29年1月12日(2017.1.12)
発明の名称または考案の名称 衝撃波収束装置、衝撃波発生装置及び衝撃波アブレーションシステム
国際特許分類 A61B  17/00        (2006.01)
A61B  18/20        (2006.01)
A61B  17/22        (2006.01)
A61M  25/00        (2006.01)
FI A61B 17/00 320
A61B 17/36 350
A61B 17/22 330
A61M 25/00 530
A61M 25/00 540
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 20
出願番号 特願2014-554482 (P2014-554482)
国際出願番号 PCT/JP2013/084615
国際公開番号 WO2014/104075
国際出願日 平成25年12月25日(2013.12.25)
国際公開日 平成26年7月3日(2014.7.3)
優先権出願番号 2012282891
優先日 平成24年12月26日(2012.12.26)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LT , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】下川 宏明
【氏名】高山 和喜
【氏名】山本 裕朗
【氏名】長谷部 雄飛
【氏名】早坂 庄吉
出願人 【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100100044、【弁理士】、【氏名又は名称】秋山 重夫
審査請求 未請求
テーマコード 4C026
4C160
4C167
Fターム 4C026BB07
4C026BB10
4C026DD03
4C026FF23
4C026FF34
4C026FF39
4C026HH04
4C026HH07
4C026HH15
4C160EE10
4C160EE15
4C160EE17
4C160MM38
4C160MM53
4C167AA01
4C167BB02
4C167BB38
4C167BB47
4C167CC19
4C167CC26
4C167DD10
4C167EE03
4C167GG03
4C167GG22
要約 不整脈の原因となる心筋組織を凝固壊死させるための衝撃波アブレーションシステムの衝撃波収束装置を提供する。凹面11aを有する衝撃波収束装置11と、その衝撃波収束装置11内に挿入される光ファイバー12と、その光ファイバーをガイドする筒状のカテーテル13と、光ファイバー12の先端に液体が充填される空間を構成する封入体14と、その封入体14内に充填される液体Lとからなる衝撃波発生装置10。衝撃波収束装置11は、中心孔11bを備えたリング状の結合部16と、その結合部16の縁部から前方に向かって外方に湾曲し、かつ、その結合部16の縁部に対して弾力的に設けられる16枚の羽部17とから構成されており、羽部17を結合部16に対して回動させることにより折り畳むことができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
回転湾曲面を平面で切断した形状を有し、光ファイバーを通す中心孔が回転軸上に形成された凹面を備え、光ファイバーの先端を前記凹面内の回転軸上に配置させ、前記光ファイバーの先端に発生させた衝撃波を前記凹面で反射させて、その凹面外に収束させるための衝撃波発生装置用の衝撃波収束装置であって、
前記中心孔を備えた結合部と、その結合部から放射状に伸び、かつ、前方に向かって外方に湾曲している複数の羽部とからなり、
前記羽部を結合部の中心軸に対して所定の角度として、複数の羽部の内面によって前記凹面を形成した、
衝撃波収束装置。
【請求項2】
前記羽部は結合部に対して回動自在に連結されており、
前記羽部を結合部の中心軸に対して所定の角度とすることにより、複数の羽部の内面によって前記凹面が形成され、
前記羽部を結合部の中心軸に対して所定の角度より小さくすることにより、前記凹面を折り畳むことができる、
請求項1記載の衝撃波収束装置。
【請求項3】
前記羽部がリング状の結合部の縁部に設けられている、
請求項1または2記載の衝撃波収束装置。
【請求項4】
前記結合部が、筒状体であり、中心孔から縁部に貫通し、かつ、先端から基端方向に向かって形成される複数のスリットを備えており、
前記羽部が、凹面を構成する羽本体と、その基端から延びる板状の支持部とを有し、
前記板状の支持部をスリットに挿入することにより、羽部が結合部と連結される、
請求項1または2記載の衝撃波収束装置。
【請求項5】
前記羽部が結合部に弾力的に連結されている、
請求項2~4いずれか記載の衝撃波収束装置。
【請求項6】
前記羽部が結合部の中心軸に対して所定の角度となるように弾力的に連結されている、請求項5記載の衝撃波収束装置。
【請求項7】
前記光ファイバーを挿入し、かつ、結合部の外径より内径が大きい筒状の制御体をさらに備え、
前記結合部を制御体に対して光ファイバーの基部方向に移動させることにより制御体の先端開口部で羽部を折り畳むことができる、請求項2~6いずれか記載の衝撃波収束装置。
【請求項8】
請求項1~7いずれか記載の衝撃波収束装置と、
前記衝撃波収束装置に固定される光ファイバーと、
前記光ファイバーを支持するカテーテルと、
前記光ファイバーの先端に液体が充填される空間を構成する封入体と、
前記封入体内に収容される液体とからなる、
衝撃波発生装置。
【請求項9】
前記封入体内に液体を供給及び排出する給排水装置をさらに備えた、
請求項8記載の衝撃波発生装置。
【請求項10】
請求項8また9記載の衝撃波発生装置と、光ファイバーの基端に設けられるレーザー発振器とからなる、衝撃波アブレーションシステム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃波発生装置用の衝撃波収束装置、衝撃波発生装置及び衝撃波アブレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
頻脈性不整脈に対する非薬物療法として高周波アブレーション治療が採用され、広く普及している。しかし、治療部位を電極により焼灼するため、深部の不整脈源の治療が困難なことと、発生する熱により重篤な血栓閉塞症を患部に併発させるおそれがあるという問題がある。
一方、水中衝撃波収束により、限局した空間に瞬間的に高圧を発生させ、尿路・腎臓結石を破砕除去する体外破砕術(Extracorporeal
Shock Wave Lithotripsy (ESWL))が確立されている。
非特許文献1には、点源から発生した衝撃波を収束する衝撃波収束装置の凹面形状として最も収束効率が良い回転楕円体(長短径比)の楕円率は、1.4~1.5であることが記載されている。そして、楕円率を増加させると、外焦点における衝撃波の収束効果が減少することが記載されている。つまり、収束効率の点から実用的な楕円率は2未満であり、回転楕円体の開口直径の0.87倍を超えた距離に収束衝撃波を発生させることができないことが知られている。
一方、特許文献1には、円筒状の衝撃波収束装置の凹面に衝撃波を反射させる衝撃波反射収束方法であって、衝撃波収束装置(衝撃波収束装置)をカテーテルの先端に組み込んだ衝撃波発生装置が開示されている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2009-61083号公報
【0004】

【非特許文献1】日本機械学会論文集(B編)57巻539号(1991-7)、論文No.90-0920A、第119頁~第126頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
治療に用いる衝撃波発生装置は心内膜から5mmから10mmの深さの病変部位を壊死させることが望ましいとされている。
本出願人は、衝撃波発生装置をカテーテルに組み込み可能な大きさまで小型化し、頻脈性不整脈を治療可能な損傷効果を発現するカテーテル治療の開発を進めている。しかし、公知技術(特許文献1等)による方法では深さが3mmを超えると、発生する衝撃波の強さが激減する。
本発明は、そのような衝撃波アブレーションシステムの医療機器への応用を考えた上で重要な課題の一つである衝撃波が収束される焦点距離の伸張を目的としており、衝撃波アブレーションシステムの衝撃波収束装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の衝撃波発生装置用の衝撃波収束装置は、回転湾曲面を平面で切断した形状を有し、光ファイバーを通す中心孔が回転軸上に形成された凹面を備え、光ファイバーの先端を前記凹面内の回転軸上に配置させ、前記光ファイバーの先端に発生させた衝撃波を前記凹面で反射させて、その凹面外に収束させるための衝撃波発生装置用の衝撃波収束装置であって、前記中心孔を備えた結合部と、その結合部から放射状に伸び、かつ、前方に向かって外方に湾曲している複数の羽部とからなり、前記羽部を結合部の中心軸に対して所定の角度として、複数の羽部の内面によって前記凹面を形成したことを特徴としている。ここで羽部と結合部の中心軸の角度は、羽部の立ち上がり部の接線と結合部の中心軸との角度を言う。
このような衝撃波収束装置であって、前記羽部は結合部に対して回動自在に連結されており、前記羽部を結合部の中心軸に対して所定の角度とすることにより、複数の羽部の内面によって前記凹面が形成され、前記羽部を結合部の中心軸に対して所定の角度より小さくすることにより、前記凹面を折り畳むことができるものが好ましい。
【0007】
本発明の衝撃波収束装置として、前記羽部がリング状の結合部の縁部に設けられているものが挙げられる。
本発明の衝撃波収束装置として、前記結合部が、筒状体であり、中心孔から縁部に貫通し、かつ、先端から基端方向に向かって形成される複数のスリットを備えており、前記羽部が、凹面を構成する羽本体と、その基端から延びる板状の支持部とを有し、前記板状の支持部をスリットに挿入することにより、羽部が結合部と連結されたものが挙げられる。
【0008】
本発明の衝撃波収束装置として、前記羽部が結合部に弾力的に設けられているものが好ましい。特に、羽部が結合部の中心軸に対して所定の角度となるように弾力的に連結されているものが好ましい。
本発明の衝撃波収束装置であって、前記光ファイバーを挿入し、かつ、結合部の外径より内径が大きい筒状の制御体をさらに備え、前記結合部を制御体に対して光ファイバーの基部方向に移動させることにより制御体の先端開口部で羽部を折り畳むことができるものが好ましい。
【0009】
本発明の衝撃波発生装置は、本発明の衝撃波収束装置と、前記衝撃波収束装置に固定される光ファイバーと、前記光ファイバーを支持するカテーテルと、前記光ファイバーの先端に液体が充填される空間を構成する封入体と、前記封入体内に収容される液体とからなることを特徴としている。また、そのような衝撃波発生装置は、前記封入体内に液体を供給及び排出する給排水装置を備えていることが好ましい。
本発明の衝撃波アブレーションシステムは、本発明の衝撃波発生装置と、光ファイバーの基端に設けられるレーザー光発振器とからなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の衝撃波発生装置用の衝撃波収束装置は、中心孔を備えた結合部と、その結合部から放射状に伸び、かつ、前方に向かって外方に湾曲している複数の羽部とからなり、前記羽部を結合部の中心軸に対して所定の角度として、複数の羽部の内面によって前記凹面を形成したため、凹面の開口部直径を大きくでき、収束衝撃波の焦点距離をカテーテルの直径に関係なく延長することができる。
このような衝撃波収束装置であって、前記羽部は結合部に対して回動自在に連結されており、前記羽部を結合部の中心軸に対して所定の角度とすることにより、複数の羽部の内面によって前記凹面が形成され、前記羽部を結合部の中心軸に対して所定の角度より小さくすることにより、前記凹面を折り畳むことができる場合、折り畳むことにより、衝撃波発生装置を体内の患部に誘導するときに邪魔にならない。
【0011】
本発明の衝撃波収束装置であって、前記羽部がリング状の結合部の縁部に設けられている場合、簡易な構造なものを製造することができる。
本発明の衝撃波収束装置であって、前記結合部が、筒状体であり、中心孔から縁部に貫通し、かつ、先端から基端方向に向かって形成される複数のスリットを備えており、前記羽部が、凹面を構成する羽本体と、その基端から延びる板状の支持部とを有し、前記板状の支持部をスリットに挿入することにより、羽部は結合部と連結される場合、強度の高いものを製造することができる。
【0012】
本発明の衝撃波収束装置であって、羽部が結合部に弾力的に設けられている場合、羽部の折り畳み操作が容易になる。特に、羽部が結合部の中心軸に対して所定の角度となるように連結されている場合、繰り返しの使用が可能となる。
さらに、羽部が結合部の中心軸に対して所定の角度となるように連結されている本発明の衝撃波発生装置であって、前記光ファイバーを挿入し、かつ、結合部の外径より内径が大きい筒状の制御体をさらに備え、前記結合部を制御体に対して光ファイバーの基部方向に移動させることにより制御体の先端開口部で羽部を折り畳むことができる場合、衝撃波発生装置の折り畳みの遠隔操作が容易にできる。
【0013】
本発明の衝撃波発生装置は、本発明の衝撃波収束装置と、前記衝撃波収束装置に固定される光ファイバーと、前記光ファイバーを支持するカテーテルと、前記光ファイバーの先端に液体が充填される空間を構成する封入体と、前記封入体内に収容される液体とからなるため、カテーテルの直径に関係なく収束衝撃波の焦点距離の延長が可能であり、また、衝撃波収束装置の体内誘導が簡易にできる。また、前記封入体内に液体を供給及び排出する給排水装置を備えている場合、封入体内で発生する気泡または封入体内に混入された異物を洗い流すことができ、効率良く衝撃波を外焦点で収束させることができる。
本発明の衝撃波アブレーションシステムは、従来のものより収束される衝撃波の焦点距離を長くできるため、心内膜から5~10mmの深さの病変部位の治療が可能であり、複雑な生体内での患部への治療が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1aは、本発明の衝撃波発生装置の一実施形態を示す側面断面図であり、図1bはその衝撃波発生装置の衝撃波収束装置を折り畳んだ状態を示す側面断面図である。
【図2】図2a、bは、それぞれ図1の衝撃波発生装置に用いられる本発明の衝撃波収束装置の側面断面図及び正面図であり;図2cは、本発明の衝撃波収束装置をプレス加工によって生成する前の状態を示す正面図である。
【図3】図3aは、図1の衝撃波発生装置のサポート部材を示す側面断面図であり;図3b、c、d、eは、図1の衝撃波発生装置のカテーテルを示す正面図、X-X線断面図、Y-Y線断面図、斜視図である。
【図4】図4a~cは、図1の衝撃波発生装置の折り畳み工程を示す側面断面図である。
【図5】図5aは、図1の衝撃波発生装置の封入体を示す側面断面図であり;図5bは、そのZ-Z線断面図であり;図5cは本発明の衝撃波発生装置の他の実施形態を示す側面断面図である。
【図6】図6aは、本発明の衝撃波発生装置の一実施形態を示す側面断面図であり;図6b、cは、本発明の衝撃波収束装置の一実施形態を示す正面図、側面断面図である。
【図7】図7a、bは、図6の結合部を示す正面図、側面断面図、図7c、dは、図6の羽部を示す側面断面図、正面図であり、図7eは、図6の封入体を示す側面断面図である。
【図8】図8aは、本発明の衝撃波発生装置の一実施形態を示す側面断面図であり;図8b、cは、本発明の衝撃波収束装置の一実施形態を示す正面図、側面断面図である。
【図9】図9a~cは、図8aの衝撃波発生装置の折り畳み工程を示す側面断面図である。
【図10】図10aは、本発明の衝撃波収束装置の実施例を示す写真図であり;図10bは、衝撃波収束装置の比較例を示す写真図である。
【図11】図11aは、実験に用いた衝撃波を表すグラフ図であり;図11bは、実験結果を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1の衝撃波発生装置10は、凹面11aを有する衝撃波収束装置11と、その衝撃波収束装置11に固定される光ファイバー12と、その光ファイバーをガイドする筒状のカテーテル13と、光ファイバー12の先端に液体が充填される空間を構成する封入体14と、その封入体14内に充填される液体Lと、封入体14内に液体Lを供給及び排出する給排水装置15とからなる。
この衝撃波発生装置10は、封入体14内の液体Lにパルスレーザーを照射して凹面11a内で衝撃波を発生させ、それを衝撃波収束装置11の凹面11aで反射させ、凹面11a外に収束させるものである。

【0016】
衝撃波収束装置11は、図2a、bに示すように、中心孔11bを備えた円板状の結合部16と、その結合部16の縁部から前方に向かって延び外方に凸に湾曲し、かつ、その結合部16の縁部に対して弾力的に設けられる12枚の羽部17とから構成される。つまり、羽部17は、結合部16から放射状に延びている。そして、結合部16及び羽部17の内面によって凹面11aが構成される。この実施形態では、羽部17を12枚用いているが、その枚数は特に限定されるわけではない。しかし、羽部の数が多すぎると羽部の隙間や段差による反射効率の損失が増加し、羽部の数が少なすぎると羽部の幅が大きくなり、小さく折り畳みにくくなるため、8枚~16枚とするのが好ましい。なお、後述するように羽部17を2段階に分けて折り畳む場合、羽部17の枚数を偶数にするのが好ましい。

【0017】
凹面11aは、実質的に、前方に向かって拡がりながら外方に凸に突出するように湾曲した連続曲線を回転させた回転湾曲面となっている。詳しくは、円板状の結合部16を除いた羽部17によって構成される湾曲面が回転湾曲面となっている。
このような凹面11aの回転湾曲面としては、楕円曲線を回転させた回転楕円面を面で切欠いた形状が好ましい。特に、回転楕円面を短軸と実質的に平行な面または回転軸に実質的に直角の面によって切断した曲面が好ましい。この回転楕円面を基にした湾曲面を用いることにより、凹面11a内の楕円曲線の焦点で発生させた衝撃波であって凹面11aで反射する実質的に全ての衝撃波を楕円曲線の外焦点で集めることができる。また、このような楕円曲線の楕円率(長短径比)を2未満、特に楕円率を1.4~1.8、特に1.4~1.6とするのが好ましい。このように楕円率を2未満とすることにより、水中で発生する衝撃波を効率よく外焦点に収束できる。

【0018】
凹面11aの開口部直径は、カテーテル13の外径より大きく構成される(図1a参照)。このように衝撃波収束装置11は、カテーテル13の径に関わらず凹面11aの開口部直径を大きくできるため、衝撃波収束装置11からより遠い位置で衝撃波を収束することできる。
そのため、心内膜から5~10mmの深さの病変部位の治療が可能となる。凹面11aの開口部直径は、外焦点(収束点)の位置及び光ファイバーの先端で発生させる衝撃波の収束率によって適宜設定される。開口部直径としては、たとえば、2~20mm、好ましくは4~20mm、さらに好ましくは2~10mm、特に5~10mmとするのが好ましい。また、後述するように衝撃波収束装置11を折り畳んで凹面11aの外径を小さくすることができるため、体内への挿入が容易であり、複雑な生体内での患部への治療機会が向上する。
なお、光ファイバー12の先端は、凹面11a内であって回転軸上に配置されるのが好ましい。これにより衝撃波を凹面11aの外部で収束させるとき、その収束率を上げることができる。特に、凹面11aが回転楕円面である場合は、その楕円曲線の内焦点に配置させることにより、凹面11a内で発生させた衝撃波を効率よく外焦点で集めることができる。

【0019】
羽部17の結合部の中心軸に対する所定の角度(羽部17の立ち上がり部の接線と結合部の中心軸との角度)は、凹面11aの形状に応じて適宜設定される。また、羽部17は、結合部16とその所定の角度を保つように、結合部16と弾力的に連結されている。つまり、外力によって所定の角度より大きくあるいは小さくなるように変形されても、外力を解除した後は、所定の角度に戻るように構成されている。しかし、その所定の角度より大きくまたは小さくなるように弾力的に連結してもよい。この場合、凹面11aを形成する際、制御部材によって所定の角度に保持することになる。
羽部17は、その結合部16の縁部に対して弾力的に設けられており、羽部17の外周面から内側(回転軸方向)に外力を与えることにより、羽部17の結合部16の中心軸に対する角度が小さくなるように撓ませることができる。つまり、全ての羽部17に内側への押圧力を加えることにより、図4cに示すように、衝撃波収束装置11が折り畳まれた状態となる。これにより衝撃波収束装置11の外径を小さくすることができ、衝撃波収束装置11を体内の患部に誘導させるとき、衝撃波収束装置11自身がその誘導の邪魔にならない。特に、衝撃波収束装置11の外径を、カテーテル13の外径より小さくするのが好ましい。

【0020】
このような衝撃波収束装置11は、図2cに示すように、リング部21(結合部16)と、その縁部から放射状に延びる放射帯22とに成形した生体適合性の高い金属板を、プレスして放射帯22を湾曲させて羽部17とすることによって成形される。このようにプレス加工によって成形されているため、結合部16と羽部17とを弾力性を持たして連結させることができる。生体適合性の金属板としては、ステンレススチールが好ましい。
また衝撃波収束装置11の形状に形成したプラスチックやシリコンゴムの薄板の内面に金属板を貼り合わせて成形してもよい。この場合も衝撃波収束装置11は、プラスチックやシリコンゴムで一体に成形されているため、結合部16及び羽部17が弾力性を持って連結される。

【0021】
光ファイバー12は、従来公知のものが使用される。この光ファイバー12の基端にレーザー光発振器が連結されることで衝撃波アブレーションシステムとなる。レーザー光発生装置としては、Qスイッチレーザー発振器が挙げられ、特に、Qスイッチホルミウム・ヤグレーザー発振器が挙げられる。
この実施形態では、光ファイバー12の先端から水中にパルスレーザー光を照射することによって水中衝撃波が発生される。なお、光ファイバー12の先端にレーザー光を照射することにより水中微小爆発を起こす爆発用ペレット(例えば、アジ化鉛、アジ化銀等のアジ化化合物等)を固定して衝撃波を発生させてもよい。

【0022】
衝撃波収束装置11と、光ファイバー12とは、サポート部材25によって連結される。
サポート部材25は、図3aに示すように、その先端が衝撃波収束装置11に固定される筒状の衝撃波収束装置サポート部26と、その内部に光ファイバーを挿入して固定する筒状の光ファイバーサポート部27とからなる。また、衝撃波収束装置サポート部26内に光ファイバーサポート部27が挿入され、溶接、ロウ付けまたは接着剤等によって固定される。
衝撃波収束装置サポート部26は、先端の内面が前方に向かって拡がるテーパー面26aとなっており、リング状の先端面26bが結合部16の裏面に固定される。しかし、衝撃波収束装置11を固定できれば、その先端はテーパー面でなくてもよい。また、衝撃波収束装置サポート部26は、軸芯と平行に貫通する貫通孔26cを2本備えている。この貫通孔26cは、後述する給水パイプ15a及び排水パイプ15bを通す孔である。
光ファイバーサポート部27は、光ファイバー12の外周を覆うものである。光ファイバーサポート部27は、光ファイバー12を保護する被覆体であり、ゴムまたは合成樹脂等によって成形され、可撓性を有している。
衝撃波収束装置サポート部26及び光ファイバーサポート部27としては、それぞれ生体適合性の高い硬質材料が用いられる。特に、ステンレススチール等が好ましい。

【0023】
このように構成されているため、サポート部材25をカテーテル13に対して前後に操作することにより、衝撃波収束装置11をカテーテル13に対して前後に移動させることができる。
このサポート部材25の操作は、サポート部材25に固定され、光ファイバー12と同様にカテーテル13内に通されるステンレススチール線S(想像線)をカテーテル13の基端で前後操作することにより行われる。

【0024】
カテーテル13は、図3b~eに示すように、筒体の先端内面は、交互にならんだ異なる角度で形成された第1テーパー面30aと、第2テーパー面30bとから構成される。第1テーパー面30aと、第2テーパー面30bは、先端方向に向かって広がるテーパー面となっており、かつ、中心軸に対して第1テーパー面30aの方が角度が大きくなっている。つまり、第1テーパー面30aは、第2テーパー面30bに対して半径方向内側に突出した形状となっている。また、第1テーパー面30aと第2テーパー面30bは、それぞれ羽部17と対向するように環状に並んでいる。そのため、第1テーパー面30aは、環状に並んだ羽部17のうち、一つ飛びの羽部17aと対向し、第2テーパー面30bは、他の羽部17bと対向している。この実施形態では、第1テーパー面30a及び第2テーパー面30bは、それぞれ6個ずつ形成されている。なお、カテーテル13の外径は、治療する患部に至る血管径に応じて選択される。

【0025】
このようにカテーテル13が構成されているため、図4に示すように、衝撃波収束装置11を2段階にして折り畳むことができる。つまり、サポート部材25をカテーテル13に対して後方向に引っ張ることにより、図4bに示すように、第1テーパー面30aが一つ飛びの羽部17aの外周面(付け根付近)を回転軸方向に押圧する。さらに、サポート部材25をカテーテル13に対して後方向に引っ張ることにより、図4cに示すように、第2テーパー面30bが残りの羽部17bの外周面(付け根付近)を回転軸方向に押圧する。これにより羽部17を折り畳む際、隣接した羽部17同士の干渉を防止することができ、隣接した羽部17が互いに干渉することによる羽部17の変形を防止できる。このように、本実施形態では、このカテーテル13が本発明の制御体として作用する。
なお、衝撃波収束装置11の折り畳み度に応じて第1テーパー面30a及び第2テーパー面30bのテーパー角度は適宜設定される。カテーテル13としては、可撓性を有する合成樹脂や合成ゴム等が用いられる。
この実施形態では、カテーテル13の先端に異なる角度のテーパー面を設けているが、同一角度のテーパー面を環状に設けてもよい。またテーパー面を設けなくてもよい。この場合、羽部17の折り畳みを1回で行うことになる。

【0026】
封入体14は、図5a、bに示すように、光ファイバー12、給水パイプ15a及び排水パイプ15bを固定し、結合部16の表面に固定される円柱状の栓体36と、その栓体36の外周に嵌合されるキャップ37とからなる。
栓体36には、中心に光ファイバー12及び光ファイバーサポート部27を通す中心孔36aが軸芯に沿って形成されており、給水パイプ15a及び排水パイプ15bを通す2つの側孔36bが軸芯を挟んで、軸芯から等間隔に、かつ、軸芯と平行に形成されている。中心孔36aは、光ファイバー12のみを通すようにしてもよい。中心孔36aは、光ファイバー12及び光ファイバーサポート部27を通すことにより密封され、側孔36bも給水パイプ15a及び排水パイプ15bを通すことにより密封されるように構成されている。つまり、衝撃波収束装置サポート部26の貫通孔26cと連通される。このような栓体36としては、ゴム材料あるいは合成樹脂材料が用いられる。
キャップ37は、先端37aが球状の筒体であり、基部37bを栓体36に嵌合するものである。基部37bを栓体36に嵌合することにより、キャップ37内は密封されるように構成されている。キャップ37は、内部に発生する衝撃波を通す材料が用いられる。例えば、ゴム材料が用いられ、特にシリコンゴムが好ましい。なお、キャップ37内に圧力を加え、キャップ37を球形に近い形状に膨らませてもよい。
このように構成されているため、栓体36とキャップ37との間の密閉された空間に液体Lを供給することにより、封入体14内に液体Lを充填することができる。

【0027】
なお、封入体として、衝撃波収束装置11の凹面11aの開口部を閉じる膜を用いたり、衝撃波収束装置11の全体を覆う袋を用いても良い。膜を設ける場合、衝撃波収束装置11の凹面11aと膜との間の密閉された空間に液体Lを給排水装置15で供給する。全体を覆う袋を設ける場合、その袋内の密閉された空間に液体Lを給排水装置15で供給する。

【0028】
給排水装置15は、給水パイプ15aと、排水パイプ15bと、給水パイプ15aの基端に連結されるポンプ(図示せず)とからなる。つまり、ポンプにより給水パイプ15aから封入体14内に液体Lを供給する。排水パイプ15bの基端にポンプを連結して、液体Lを循環するようにしてもよい。排水パイプ15bを設けることにより、封入体14内で気泡が発生したり、異物が紛れ込んでも、その気泡あるいは異物を洗い流すことができる。これにより、気泡と水の界面または異物表面での衝撃波の反射を防止でき、衝撃波を効率的に収束させることができる。
しかし、図5cの衝撃波発生装置10aのように、給排水装置15を設けず、封入体14内の密閉空間に液体Lを充填させるだけでもよい。

【0029】
次に、衝撃波発生装置10を用いた衝撃波アブレーションシステムの操作方法を示す。初めに、カテーテル13に対して衝撃波収束装置11をカテーテル基端方向に付勢し、衝撃波収束装置11を折り畳んだ状態(図4cの状態)で、衝撃波発生装置10を体内に挿入し、患部に誘導する。次いで、患部近辺で衝撃波収束装置11のカテーテル13への押圧を解除し、衝撃波収束装置11を開く(図1、図4aの状態)。この衝撃波収束装置11を開いた状態で、光ファイバー12の先端からパルスレーザーを発振して衝撃波を発生させることにより、凹面11aの外焦点にある患部に収束させた衝撃波を当てることができる。治療後は、再度、衝撃波収束装置11を折り畳み、その状態で衝撃波発生装置10を体内から引き抜く。
このように衝撃波発生装置10は、手元の操作で衝撃波収束装置11の折り畳みが可能であるから、衝撃波発生装置10を体内に誘導するとき、特に、径の小さい心臓近辺の血管を通じて衝撃波発生装置10を体内に誘導するときでも、衝撃波収束装置11が邪魔にならない。また、衝撃波収束装置11の凹面11aの開口部直径を患部近辺で大きくすることができるため、衝撃波収束装置11から遠い位置で衝撃波を集波させることができ、奥まった患部あるいは深い患部でも治療が行うことができる。そのため、不整脈の原因となる心筋組織を凝固壊死させるための衝撃波発生装置として、特に有効である。

【0030】
この実施形態では、結合部16と羽部17とを弾力的に連結しているが、弾力性を持たせなくてもよい。この場合、カテーテル(あるいは制御体)の開口部と羽部とを固定あるいは連動させることにより、衝撃波収束装置11の開閉操作が可能となる。
また、衝撃波収束装置11の羽部17にステンレススチール線を固定し、このステンレススチール線を直接操作して衝撃波収束装置11の開閉操作をできるようにしてもよい。この場合、羽部27を結合部56に対して回動自在に連結すればよい。

【0031】
図6の衝撃波発生装置50は、結合部と羽部とを別体にして成形し、連結させたものである。また、衝撃波発生装置50は、折り畳み式ではない。
図6aの衝撃波発生装置50は、凹面51aを有する衝撃波収束装置51と、その衝撃波収束装置51に固定される光ファイバー12と、その光ファイバーをガイドする筒状のカテーテル53と、光ファイバー12の先端に液体が充填される空間を構成し、衝撃波収束装置51を覆う封入体54と、その封入体54内に充填される液体Lと、封入体54内に液体Lを供給及び排出する給排水装置15とからなる。光ファイバー12及び給排水装置15は、図1の光ファイバー12および給排水装置15と実質的に同じものである。なお、光ファイバー12には、図1のように光ファイバーサポート部27を設けてもよい。

【0032】
衝撃波収束装置51は、図6b、cに示すように、中心孔61を備えた円筒状の結合部56と、その結合部56に装着される羽部57とからなる。

【0033】
結合部56は、図7a、bに示すように、先端面56aが先端に向かって縮径するテーパー面となった筒状体であり、中心孔61から外周面56bにまで貫通し、かつ、先端から基端方向に向かって真ん中部56cまで形成される複数のスリット62を備えている。また、中心孔61と平行に、基端から先端方向に向かって形成される2本の通路63を備えている。

【0034】
中心孔61は、基端から真ん中部56cを越えて先部まで延びる後中心孔61aと、その先端に連通し、後中心孔より拡径して先端まで延びる先中心孔61bとからなる。
スリット62は、中心孔61を中心に等間隔に放射線状に設けられている。この実施形態では、スリット62を12本設けている。しかし、その数は特に限定されなく、羽部と同数にされる。
通路63は、基端から真ん中部56cの手前まで延びる管連結部63aと、その先端に連通し、管連結部63aより縮径して結合部56の先端面56aの手前まで延びる連通路63bとからなる。管連結部63aは、給排水パイプ15a、bを受け入れる部位になる。2本の通路63は、中心孔61を中心に対向するように形成されている。そして、連通路63bであって、真ん中部56cより先端側は、スリット62と重なっている(図7a参照)。そのため、スリット62と重なっている連通路63bは、中心孔61の先中心孔61bと、スリット62によって連通されている。
2本の通路は、液体Lを凹面51aに供給、排出するためのものである。液体Lの凹面51aへの供給は、通路63の基端に連結された供給パイプ15aから通路63、スリット62を介して中心孔61の先中心孔61bに至り、凹面51aに至る。一方、液体の排出は、中心孔61aの後中心孔61aからスリット62を介して通路63に至り、通路63の基端に連結された排出パイプ15bから排出される。

【0035】
羽部57は、図7c、dに示すように、板状の支持部66と、その先端から湾曲して延びる板状の羽片67とからなる。支持部66の面と羽片67の面とは略直交しており、支持部66の面は羽片67の面から突出するように設けられている。
支持部66は、結合部のスリット62に挿入される部位であり、先端面66aが結合部の先端面56aと実質的に同じ角度に傾斜している。また、支持部66の厚さは、スリット62の幅と同じあるいはそれより小さく構成されている。

【0036】
羽片67は、支持部66の厚さより幅が大きくなっており、外側に突出するように湾曲した板状体である。羽片67の内面67aは、結合部の中心孔の縁部(長軸端近辺)から延びる回転湾曲面となっている。この内面が、凹面51aを構成する。羽片67の長さ方向の後端面67bは、結合部56の長さ方向の先端面56aと当接するように傾斜している。つまり、後端面67bは、羽部57の支持部66を結合部のスリット62に挿入したとき、羽片67は結合部の先端面56aに支持されるように構成されている。羽片67の幅は、隣接する羽部57をスリット62に挿入したとき、隣接する羽片67の内面が隙間なく配置され、凹面51aが形成されるように構成されている。つまり、羽片67の数と、羽片67の幅に応じて、適宜設定される。
羽片67によって構成される凹面51aは、図1の凹面11aと実質的に同じ回転湾曲面となっており、開口部直径が結合部56の外径より大きくなっている。また、凹面51aの開口部直径は、カテーテル53の外径より大きくなっている。
羽片67の厚みは、0.04~1mm、特に0.3~0.5mmとなっている。このように羽片67の厚みを設定することにより、凹面51aに厚みを持たせることができ、衝撃波収束装置51の耐久性を高めることができ、かつ、小型化が可能である。

【0037】
このように構成されているため、衝撃波収束装置51は、凹面の開口部直径を大きくでき、収束衝撃波の焦点距離をカテーテルの直径に関係なく延長することができる。

【0038】
カテーテル53は、衝撃波収束装置51及び封入体54を覆う筒状体である(図6参照)。その外径は、治療する患部に至る血管径に応じて選択される。
封入体54は、図7eに示すように、結合部56および羽部57を覆うキャップである。封入体54は、結合部56を覆う筒部54aと、その先端に設けられ、羽片67を覆う円錐台状のカバー部54bとからなる。カバー部54bは、先端面54cを備えている。封入体54は、可撓性のキャップとするのが好ましい。
衝撃波発生装置50は、衝撃波収束装置51を備えているため、耐久が高い。

【0039】
この衝撃波発生装置50を用いた衝撃波アブレーションシステムの操作方法は、カテーテルの先端に取り付けた衝撃波収束装置51を、経血管的に心臓内に挿入し、そして、衝撃波収束装置51の先端を患部に垂直に密着させ、光ファイバー12の先端からパルスレーザーを発振して衝撃波を患部に照射する。この衝撃波収束装置51を心臓内に用いるときは、その外径を2~6mm、特に2~5mmとするのが好ましい。6mmより大きいと、心臓内近辺の血管等に挿入することができなくなり、2mmより小さいと、焦点距離が十分に取れない。
また心臓以外の臓器への衝撃波照射治療、例えば、結石破砕等に用いる場合、内視鏡や腹腔鏡手術の際に体内に挿入して使用してもよい。この場合、衝撃撃破収束装置51の外径は、2~20mm、特に、2~10mmとするのが好ましい。20mmより大きいと、内視鏡や腹腔鏡手術に挿入することができなくなり、2mmより小さいと、焦点距離が十分に取れない。

【0040】
図8aの衝撃波発生装置80は、結合部と羽部とを別体にして成形し、連結させたものであって、羽部を折り畳み式としている。
衝撃波発生装置80は、凹面81aを有する衝撃波収束装置81を用いている。他の構成は、光ファイバー12、カテーテル13、封入体54、液体L、給排水装置15を備えている。光ファイバー12、カテーテル13、液体L、給排水装置15は、図1の衝撃波発生装置10と実質的に同じであり、封入体54は、図6の衝撃波発生装置50と実質的に同じである。なお、封入体54は、羽部の折り畳みに応じて変形する程度の可撓性を備えており、例えば、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂等により成形される。

【0041】
衝撃波収束装置81は、図8b、cに示すように、中心孔61を備えた円筒状の結合部56と、その結合部56に装着される羽部83とからなる。結合部56は、図6の結合部56と実質的に同じものである。
羽部83は、薄肉の支持部66と、その先端から湾曲して延びる羽片84とからなる。支持部66は、図7の支持部66と実質的に同じものである。
羽片84は、その厚さが、隣接する羽部83をスリット62に挿入したとき、隣接する羽片84の厚さ方向の内面同士に隙間Sが形成されるように構成されている。つまり、羽片84によって構成される凹面81aは、図8bのように、放射状の隙間Sを有したものとなる。他の構成は、図6の羽片67と実質的に同じように構成されており、後端面67aを有している。また、その厚さが、0.04~1mm、特に0.3~0.5mmとなっている。そのため、凹面81aに厚みを持たせることができ、凹面81aに強度も持たせることができ、衝撃波収束装置81の耐久性を高めることができ、かつ、小型化が可能である。また、凹面81aの開口部直径は、カテーテル13の外径より大きくなっている。

【0042】
次に、衝撃波波収束装置81の折り畳み操作を説明する。初めに、羽部83は、図9aに示すように、カテーテル13によって羽片67は閉じられている。このとき、光ファイバー12は、その先端が衝撃波収束装置81の結合部56内にあるように結合部56の中心孔61内に挿入されている。この状態で、光ファイバー12の先端が、凹面81a内の楕円曲線の焦点の位置まで結合部56の中心孔61から突出するように、光ファイバー12を押し出す。これにより光ファイバーサポート部27の側面が羽部83の羽片84の厚さ方向の内面を押圧して、羽部83は開く。つまり、カテーテル13によって閉じる操作を行い、光ファイバー12によって開く操作を行う。
このように衝撃波収束装置80は、凹面81aに厚みを持たせ、かつ、凹面81aに放射状の隙間Sを持たせているため、耐久性を有し、かつ、折り畳みが可能となる。つまり、羽部83の支持部66は、隙間Sを閉じるようにスリット62内で回転することができ、羽片84の先端を繋いだ円の径を小さくすることができる。
【実施例】
【0043】
「実施例1」
その楕円率が1.41であり、衝撃波収束装置11の開口部直径が7.8mmとなるように、ステンレスの薄板(0.1mm)を図2cのように切削し、プレス加工して衝撃波収束装置11を作成した(図10a参照)。また折り畳んだときの外径は、3.66mmとなった。この衝撃波収束装置11を実施例1とする。
「比較例1」
楕円率が1.6であり、衝撃波収束装置の開口部直径が3.6mm(外径が4.0mm)となるように、円柱状の真鍮に切削加工を施して凹面を有する筒状の衝撃波収束装置を作成した(図10b参照)。この真鍮製の衝撃波収束装置を比較例1とする。
【実施例】
【0044】
これら実施例1の衝撃波収束装置及び比較例1の衝撃波収束装置の凹面内の焦点で図11aのような衝撃波を発生させたときの衝撃波収束装置外で収束した衝撃波を測定した。その結果を図11bに示す。
この図11bのグラフの結果からもわかるように実施例1の衝撃波収束装置の方が、比較例1の衝撃波収束装置よりも、収束点が遠く、かつ、最大過剰圧が大きかった。特に、実施例1の衝撃波収束装置を用いた場合、収束点を約5mmまで延長することができ、不整脈の治療として好ましいとされている心内膜から5mm~10mmの深さの部位に収束衝撃波を当てることが可能であることがわかった。また、実施例1の衝撃波収束装置を用いた場合、最大過剰圧が45MPaも発生させることができた。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
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【図9】
8
【図10】
9
【図11】
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