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明細書 :超音波診断装置及びその画像形成方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-018510 (P2017-018510A)
公開日 平成29年1月26日(2017.1.26)
発明の名称または考案の名称 超音波診断装置及びその画像形成方法
国際特許分類 A61B   8/14        (2006.01)
A61B   5/055       (2006.01)
FI A61B 8/14
A61B 5/05 390
請求項の数または発明の数 5
出願形態 OL
全頁数 11
出願番号 特願2015-140910 (P2015-140910)
出願日 平成27年7月15日(2015.7.15)
発明者または考案者 【氏名】秋山 いわき
出願人 【識別番号】503027931
【氏名又は名称】学校法人同志社
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
個別代理人の代理人 【識別番号】110000475、【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 4C096
4C601
Fターム 4C096AA18
4C096DC36
4C096DC37
4C601DD08
4C601EE01
4C601EE09
4C601EE16
4C601GA06
4C601GA07
4C601GA21
4C601GB09
4C601HH27
4C601JB34
4C601LL33
要約 【課題】柔軟な構造の超音波プローブの各振動子の位置を別に測定して、高分解能な画像を取得する超音波診断装置を提供する。
【解決手段】超音波診断装置2は、超音波プローブ21と、超音波プローブ21の動作を制御する制御部20と、被検体の内部の画像を形成する画像形成部22と、を備え、超音波プローブ21は、被検体の形状に沿って可撓可能な本体部と、本体部の内部に配列され、超音波ビームを送受信する複数の振動子と、を備え、制御部20は、断面撮像装置1からの画像を入力する入力部201と、入力部201からの画像に基づいて、超音波プローブ21の各振動子の位置座標を演算する位置座標演算部202と、位置座標演算部202からの各振動子の位置座標に基づいて、各振動子に対する遅延時間を演算する遅延時間演算部203と、遅延時間演算部203からの遅延時間に基づいて、各振動子の動作信号を出力する出力部204と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
超音波ビームで被検体の内部の画像を取得する超音波診断装置であって、
前記超音波診断装置は、
前記超音波ビームを前記被検体の内部に送信すると共に、前記被検体の内部から反射された反射ビームを受信する超音波プローブと、
前記超音波プローブの動作を制御する制御部と、
前記超音波プローブで受信された前記反射ビームに基づいて、前記被検体の内部の画像を形成する画像形成部と、を備え、
前記超音波プローブは、
前記被検体の形状に沿って可撓可能な本体部と、
前記本体部の内部に配列されると共に、前記超音波ビームを送信し、前記反射ビームを受信する複数の振動子と、を備え、
前記制御部は、
前記被検体の任意の断面の画像を取得するための3次元画像撮像装置から前記画像を入力する入力部と、
前記入力部からの前記画像に基づいて、前記被検体に付着された前記超音波プローブの前記各振動子の位置座標を演算する位置座標演算部と、
前記位置座標演算部からの前記各振動子の位置座標に基づいて、前記各振動子に対する遅延時間を演算する遅延時間演算部と、
前記遅延時間演算部からの前記遅延時間に基づいて、前記各振動子を動作するための信号を出力する出力部と、を備える
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記3次元画像撮像装置は、MRI装置からなり、
前記超音波プローブは、非磁性材料からなる
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記超音波プローブは、
前記各振動子の位置を特定するために、前記MRI装置で観測可能なマーカー部を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記マーカー部は、
前記各振動子の一方側及び他方側で、かつ、前記各振動子と同じ高さに設けられ、
前記位置座標演算部は、
前記各振動子の一方側に設けられた前記マーカー部を含む前記画像と、前記各振動子の他方側に設けられた前記マーカー部を含む前記画像と、の中央に配置される前記画像に基づいて、前記超音波プローブの前記各振動子の位置座標を演算する
ことを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
超音波ビームで被検体の内部の画像を取得する超音波診断装置の画像形成方法であって、
前記超音波診断装置は、
前記超音波ビームを前記被検体の内部に送信すると共に、前記被検体の内部から反射された反射ビームを受信する超音波プローブと、
前記超音波プローブの動作を制御する制御部と、
前記超音波プローブで受信された前記反射ビームに基づいて、前記被検体の内部の画像を形成する画像形成部と、を備え、
前記超音波プローブは、
前記被検体の形状に沿って可撓可能な本体部と、
前記本体部の内部に配列されると共に、前記超音波ビームを送信し、前記反射ビームを受信する複数の振動子と、を備え、
前記超音波診断装置の画像形成方法は、
前記被検体の任意の断面の画像を取得するための3次元画像撮像装置から前記任意の画像を入力するステップと、
前記入力部からの前記画像に基づいて、前記被検体に付着された前記超音波プローブの前記各振動子の位置座標を演算するステップと、
前記位置座標演算部からの前記各振動子の位置座標に基づいて、前記各振動子に対する遅延時間を演算するステップと、
前記遅延時間演算部からの前記遅延時間に基づいて、前記各振動子を動作するための信号を出力するステップと、を備える
ことを特徴とする超音波診断装置の画像形成方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波ビームで被検体の内部の画像を取得する超音波診断装置及びその画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元画像撮像装置であるMRI装置は、被検体の特定の原子核に共鳴する高周波パルスを照射して励起し、共鳴した原子核より放出される高周波信号(NMR信号)を検出し、この検出結果に基づいて、被検体の断面の画像を形成する(例えば、特許文献1参照)。また、超音波診断装置は、超音波ビームを被検体の内部に送信して、被検体の内部から反射した反射ビームを受信し、この受信結果に基づいて、被検体の内部の画像を形成する(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
MRI装置では、核磁気共鳴現象を利用することで、被検体の診断部位について解像度の高い断層像を得ることができる一方、超音波診断装置では、超音波を利用することで、被検体の診断部位についてリアルタイムな動画の断層像を得ることができる。MRI装置及び超音波診断装置は、被検体に対して安全性の高い診断が可能であり、MRI画像及び超音波画像の双方を取得することで、各画像の特性を生かした有用な診断を行うことができる。
【0004】
例えば、癌の検査においては、腫瘍を確実に発見するために、MRI装置及び超音波診断装置の双方を用いて被検体の画像を取得して、被検体の診断が行われる。ところで、乳癌の検査では、MRI装置で被検体を撮像するときは、腫瘍が発見され易いように、被検体(人体)は検査台上にうつ伏せになる一方、超音波診断装置で被検体を撮像するときは、超音波プローブを被検体に当てるために、被検体は検査台上に仰向けになる。
【0005】
そのため、MRI装置での撮像時における被検体の乳房の形状と、超音波診断装置での撮像時における被検体の乳房の形状とは大きく異なる。従って、MRI装置からの画像で発見された腫瘍の位置を計測して、その計測結果に基づいて、MRI装置で発見された腫瘍を超音波診断装置で撮像しようとしても、MRI装置での撮像時と超音波診断装置での撮像時との間で乳房の形状が大きく異なっているため、MRI装置で発見された腫瘍を超音波診断装置で撮像することが難しい。
【0006】
また、MRI装置と超音波診断装置とで被検体を同時に撮像できるシステムがある(例えば、特許文献3参照)。このシステムでは、超音波診断装置の超音波プローブがマーカーを備えており、このマーカーに基づいて超音波プローブの方向性を特定する。しかし、このシステムでは、マーカーを備えた超音波プローブが大型になると共に、MRI装置での撮影時と超音波診断装置での撮影時で被検体の形状が変化することは考慮されておらず、乳癌の検査等において正確な診断を行うことが難しい。さらに、別の従来のシステムでは、超音波プローブの位置及び向きを検出するための専用の装置が必要となり、機構全体の構造が複雑になり、生産性に劣り、高価であるという問題がある。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】特開平6-70903号公報
【特許文献2】特開平6-88812号公報
【特許文献3】特開2001-29324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、3次元画像撮像装置での撮像時における被検体の形状で、超音波診断装置で高分解能な被検体の内部の画像を取得できるように、柔軟な構造の超音波プローブの各振動子の位置を別に測定して、高分解能な画像を取得する超音波診断装置及びその画像形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明に係る超音波診断装置は、
超音波ビームで被検体の内部の画像を取得する超音波診断装置であって、
超音波診断装置は、
超音波ビームを被検体の内部に送信すると共に、被検体の内部から反射された反射ビームを受信する超音波プローブと、
超音波プローブの動作を制御する制御部と、
超音波プローブで受信された反射ビームに基づいて、被検体の内部の画像を形成する画像形成部と、を備え、
超音波プローブは、
被検体の形状に沿って可撓可能な本体部と、
本体部の内部に配列されると共に、超音波ビームを送信し、反射ビームを受信する複数の振動子と、を備え、
制御部は、
被検体の任意の断面の画像を取得するための3次元画像撮像装置から画像を入力する入力部と、
入力部からの画像に基づいて、被検体に付着された超音波プローブの各振動子の位置座標を演算する位置座標演算部と、
位置座標演算部からの各振動子の位置座標に基づいて、各振動子に対する遅延時間を演算する遅延時間演算部と、
遅延時間演算部からの遅延時間に基づいて、各振動子を動作するための信号を出力する出力部と、を備える。
【0010】
好ましくは、
3次元画像撮像装置は、MRI装置からなり、
超音波プローブは、非磁性材料からなる。
【0011】
好ましくは、
超音波プローブは、
各振動子の位置を特定するために、MRI装置で観測可能なマーカー部を備える。
【0012】
好ましくは、
マーカー部は、
各振動子の一方側及び他方側で、かつ、各振動子と同じ高さに設けられ、
位置座標演算部は、
各振動子の一方側に設けられたマーカー部を含む画像と、各振動子の他方側に設けられたマーカー部を含む画像と、の中央に配置される画像に基づいて、超音波プローブの各振動子の位置座標を演算する。
【0013】
さらに、本発明に係る超音波診断装置の画像形成方法は、
超音波ビームで被検体の内部の画像を取得する超音波診断装置の画像形成方法であって、
超音波診断装置は、
超音波ビームを被検体の内部に送信すると共に、被検体の内部から反射された反射ビームを受信する超音波プローブと、
超音波プローブの動作を制御する制御部と、
超音波プローブで受信された反射ビームに基づいて、被検体の内部の画像を形成する画像形成部と、を備え、
超音波プローブは、
被検体の形状に沿って可撓可能な本体部と、
本体部の内部に配列されると共に、超音波ビームを送信し、反射ビームを受信する複数の振動子と、を備え、
超音波診断装置の画像形成方法は、
被検体の任意の断面の画像を取得するための3次元画像撮像装置から任意の画像を入力するステップと、
入力部からの画像に基づいて、被検体に付着された超音波プローブの各振動子の位置座標を演算するステップと、
位置座標演算部からの各振動子の位置座標に基づいて、各振動子に対する遅延時間を演算するステップと、
遅延時間演算部からの遅延時間に基づいて、各振動子を動作するための信号を出力するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る超音波診断装置及びその画像形成方法では、超音波診断装置の超音波プローブは、被検体の形状に沿って可撓可能な本体部と、本体部の内部に配列されると共に、超音波ビームを送信及び受信する複数の振動子と、を備える。従って、例えば乳癌の検査において、被検体(人体)は、超音波プローブを付着したままうつ伏せで、3次元画像撮像装置及び超音波診断装置からの画像を取得できる。
【0015】
さらに、本発明に係る超音波診断装置及びその画像形成方法では、超音波診断装置は、位置座標演算部及び遅延時間演算部を備える。位置座標演算部は、3次元画像撮像装置からの画像に基づいて、被検体に付着された超音波プローブの各振動子の位置座標を演算する。遅延時間演算部は、位置座標演算部からの各振動子の位置座標に基づいて、各振動子に対する遅延時間を演算する。従って、超音波診断装置は、被検体に付着された超音波プローブの形状に応じて、被検体の診断部位に関する高分解能な画像を取得できる。
【0016】
さらに、本発明に係る超音波診断装置及びその画像形成方法では、3次元画像撮像装置は、MRI装置からなり、超音波プローブは、非磁性材料からなるので、被検体(人体)に対して安全性の高い診断を行うことができる。
【0017】
さらに、本発明に係る超音波診断装置及びその画像形成方法では、超音波プローブは、各振動子の位置を特定するために、MRI装置で観測可能なマーカー部を備える。従って、超音波診断装置は、MRI装置からの画像に含まれるマーカー部に基づいて、超音波プローブの振動子の位置を正確かつ容易に特定できる。
【0018】
さらに、本発明に係る超音波診断装置及びその画像形成方法では、マーカー部は、各振動子の一方側及び他方側で、かつ、各振動子と同じ高さに設けられている。位置座標演算部は、各振動子の一方側に設けられたマーカー部を含む画像と、各振動子の他方側に設けられたマーカー部を含む画像と、の中央に配置される画像に基づいて、超音波プローブの各振動子の位置座標を演算する。
【0019】
従って、被検体に付着された超音波プローブが捻じれた場合でも、各マーカー部を含む2つの画像に基づいて、超音波プローブの各振動子の位置座標を正確かつ容易に特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る超音波診断装置を備えた医療システムを示すブロック図。
【図2】超音波診断装置の超音波プローブを示し、(A)は超音波プローブの斜視図、(B)は超音波プローブの内部の平面図、(C)は超音波プローブの内部の側面図。
【図3】MRI装置からの画像を示す図。
【図4】位置座標の演算方法を説明するための説明図。
【図5】超音波プローブの振動子に対する遅延時間を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づいて、本発明に係る超音波診断装置及びその画像形成方法の一実施形態を説明する。

【0022】
図1の通り、医療システムは、被検体Oの任意の断面の画像を取得する3次元画像撮像装置1と、超音波ビームで被検体Oの内部の任意の断面の画像を取得する超音波診断装置2と、を備える。本実施形態では、3次元画像撮像装置1は、MRI装置からなる。MRI装置1は、核磁気共鳴(NMR)現象を利用して、コイル系に配置された被検体Oの内部の3次元の画像を取得して、その3次元画像に基づいて、任意の断面の画像を取得できる。

【0023】
超音波診断装置2は、超音波ビームを被検体Oの内部に送信すると共に、被検体Oの内部から反射された反射ビームを受信する超音波プローブ21と、超音波プローブ21の動作を制御する制御部20と、超音波プローブ21で受信された反射ビームに基づいて、被検体Oの内部の画像を形成する画像形成部22と、を備える。

【0024】
図2(A)の通り、超音波プローブ21は、被検体Oの形状に沿って可撓可能な本体部210と、本体部210の内部に配列されると共に、超音波ビームを送信し、反射ビームを受信する複数の振動子211と、を備える。超音波プローブ21は、MRI装置1に影響を与えないように、非磁性材料からなる。本体部210は、所定の厚みを有する長方形状からなる。

【0025】
図2(B)及び(C)の通り、各振動子211は、本体部210の幅方向Wに延設される。各振動子211は、本体部210の長さ方向Lに沿って、一定間隔dを置いて互いに平行に配置される。超音波プローブ21は、MRI装置1により観測可能な物質で形成された複数のマーカー部212,213を備える。マーカー部212,213は、幅方向Wにおいて、各振動子211の一方側及び他方側に設けられる。各マーカー部212,213は、長さ方向Lにおいて、一定間隔dを置いて配置されると共に、高さ方向tにおいて、振動子211と同じ位置に配置される。

【0026】
図1の通り、制御部20は、MRI装置1からの画像を入力する入力部201と、入力部201からの画像に基づいて、被検体Oに付着された超音波プローブ21の各振動子211の位置座標を演算する位置座標演算部202と、超音波プローブ21からの超音波ビームの波面が円弧状になって集束するように、位置座標演算部202からの各振動子211の位置座標に基づいて、各振動子211からの超音波ビームに対する遅延時間を演算する遅延時間演算部203と、遅延時間演算部203からの遅延時間に基づいて、各振動子211を動作するための信号を出力する出力部204と、を備える。

【0027】
図3(A)の通り、入力部201は、MRI装置1からの2つの画像I1,I2を入力する。画像I1,I2は、被検体Oの断面と、被検体Oに付着された超音波プローブ21のマーカー部212,213の断面と、を含む。画像I1は、振動子211の一端側に配置されたマーカー部212の列を含み、画像I2は、振動子211の他方側に配置されたマーカー部213の列を含む。

【0028】
図3(B)の通り、入力部201は、さらに、MRI装置1から、2つの画像I1,I2の中央に配置される画像Iを入力する。画像Iは、各振動子211に対応するマーカー部212とマーカー部213とを結ぶ線の中央に配置される。各振動子211は、各マーカー部212,213の中央に配置されるので、画像Iは、振動子211の列を含むと推定できる。従って、MRI装置1からの画像Iの断面の方向は、超音波振動装置2の超音波プローブ21で取得される画像の断面の方向と一致すると推定できる。

【0029】
図4の通り、さらに、位置座標演算部202は、入力部201からの画像I1及びI2に基づいて、被検体Oに付着された超音波プローブ21の各振動子211の位置座標を演算する。

【0030】
図4(A)の通り、画像I1上に、x-y座標を設定する。x-y座標上に、被検体Oの診断部位となる点P(x,y)の位置座標を特定する。さらに、x-y座標上に、基準となるマーカー部212となる点P0(x0,y0)の位置座標を特定する。さらに、x-y座標上に、i番目のマーカー部212となる点P(x,y)の位置座標を特定する。

【0031】
図4(B)の通り、点P0(x0,y0)を原点とし、点P0(x0,y0)と点P(x,y)とを結ぶ線をy’軸とするx’-y’座標を設定する。
x’-y’座標において、点P(0,l)の位置座標は、下記数1で演算される。

【0032】
【数1】
JP2017018510A_000003t.gif

【0033】
x’-y’座標において、点P(x’,y’)の位置座標は、下記数2で演算される。下記数2に基づいて、所定のマーカー部212の位置座標を演算する。

【0034】
【数2】
JP2017018510A_000004t.gif

【0035】
同様にして、画像I2上に、x-y座標及びx’-y’座標を設定して、所定のマーカー部213の位置座標を演算する。そして、2つのマーカー部212,213の位置座標を演算して、マーカー部212,213の位置座標の平均値を振動子211の位置座標(x’,y’)とする。

【0036】
図5の通り、さらに、遅延時間演算部203は、超音波プローブ21からの超音波ビームの波面Mが円弧状になって焦点位置(診断部)C(点P)で集束するように、位置座標演算部202からの各振動子211の位置座標に基づいて、各振動子211からの超音波ビームの遅延時間τを演算する(いわゆる「多段フォーカス」という)。

【0037】
i番目の振動子211の遅延時間τは、下記数3で演算される。遅延時間演算部203は、下記数3に基づいて、所定の振動子211の遅延時間を演算する。下記数3で、cは音速である。

【0038】
【数3】
JP2017018510A_000005t.gif

【0039】
そして、出力部204は、各振動子211を動作するための信号を出力する。各振動子211は、遅延時間演算部203からの遅延時間に基づいて、超音波ビームを送信する。各振動子211は、超音波ビームを被検体Oの内部に送信すると共に、被検体Oの内部から反射された反射ビームを受信して、受信信号を画像形成部22に送り、断面画像が形成される。

【0040】
上記の通り、超音波プローブ21の形状に応じて、振動子211の遅延時間が設定されるので、被検体Oの診断部位C(点P)において、分解能の高い画像を形成することができる。

【0041】
上記の通り、超音波診断装置2の画像形成方法は、次のステップを備える。
先ず、3次元画像撮像装置(MRI装置)1で被検体Oの任意の断面の画像を取得する。そして、超音波撮像装置2は、3次元画像撮像装置1から画像I1,I2を入力する。超音波撮像装置2は、入力した画像I1,I2に基づいて、被検体Oに付着された超音波プローブ21の各振動子211の位置座標(x’,y’)を演算する。その後、超音波撮像装置2は、各振動子211の位置座標(x’,y’)に基づいて、各振動子211に対する遅延時間τを演算する。超音波撮像装置2は、遅延時間τに基づいて、各振動子211を動作するための信号を出力する。超音波撮像装置2は、各振動子211は、遅延時間τに基づいて、超音波ビームを送信する。その後、超音波撮像装置2は、各振動子211は、超音波ビームを被検体Oの内部に送信すると共に、被検体Oの内部から反射された反射ビームを受信して、断面画像を形成する。

【0042】
[他の実施形態]
次に、本発明に係る超音波診断装置及びその画像形成方法の他の実施形態を説明する。
例えば、3次元画像撮像装置1は、X線CT装置等からなっていてもよい。また、マーカー部212は、各振動子211の上部に設けられていてもよい。

【0043】
また、上記実施形態では、位置座標演算部202は、2つの画像I1及びI2に基づいて、振動子211の位置座標を演算した。しかし、位置座標演算部202は、1つの画像I1又はI2に基づいて、1つのマーカー部212又は213の位置座標を演算して、その位置座標を振動子211の位置座標と推定してもよい。

【0044】
また、上記実施形態では、遅延時間演算部203は、超音波プローブ21からの超音波ビームの遅延時間τを演算する。しかし、遅延時間演算部203は、超音波プローブ21で受信される反射ビームが所定の位置(診断部)C(点P)で集束するように、位置座標演算部202からの各振動子211の位置座標に基づいて、各振動子211の受信信号に対する遅延時間τ(t)を演算してもよい(いわゆる「ダイナミックフォーカス」という)。

【0045】
即ち、振動子211で受信した信号に対して、遅延時間τ(t)を遅らせてから加算することによって、所定の位置(診断部)Cからの散乱波の振幅を増大し、それ以外の位置からの散乱波の振幅を減少させることで、分解能の高い画像を形成してもよい。

【0046】
i番目の振動子211の遅延時間τ(t)は、下記数4で演算される。遅延時間演算部203は、下記数4に基づいて、所定の振動子211の遅延時間τ(t)を演算する。下記数4で、cは音速である。

【0047】
【数4】
JP2017018510A_000006t.gif

【0048】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の構成はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0049】
1 3次元画像撮像装置(MRI装置)
2 超音波診断装置
20 制御部
201 入力部
202 位置座標演算部
203 遅延時間演算部
204 出力部
21 超音波プローブ
210 本体部
211 振動子
212,213 マーカー部
22 画像形成部
I1,I2,I 画像
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4