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明細書 :アレルギー抑制剤、抗アレルギー性医薬組成物、及びTh2サイトカイン阻害剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-019757 (P2017-019757A)
公開日 平成29年1月26日(2017.1.26)
発明の名称または考案の名称 アレルギー抑制剤、抗アレルギー性医薬組成物、及びTh2サイトカイン阻害剤
国際特許分類 A61K  31/365       (2006.01)
A61K  31/4427      (2006.01)
A61P  37/08        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
FI A61K 31/365
A61K 31/4427
A61P 37/08
A61P 43/00 111
請求項の数または発明の数 5
出願形態 OL
全頁数 41
出願番号 特願2015-140690 (P2015-140690)
出願日 平成27年7月14日(2015.7.14)
発明者または考案者 【氏名】臼杵 克之助
【氏名】藤田 憲一
出願人 【識別番号】506122327
【氏名又は名称】公立大学法人大阪市立大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100106909、【弁理士】、【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100188558、【弁理士】、【氏名又は名称】飯田 雅人
【識別番号】100139686、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 史朗
審査請求 未請求
テーマコード 4C086
Fターム 4C086AA01
4C086AA02
4C086BA17
4C086BC17
4C086GA02
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB13
4C086ZC41
要約 【課題】細胞毒性が低く、効果的なアレルギー抑制剤を提供する。
【解決手段】本発明のアレルギー抑制剤は、下記一般式(1)で表される化合物、又はその薬学的に許容できる塩を有効成分として含有することを特徴とする。
[化1]
JP2017019757A_000068t.gif
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(1)で表される化合物、又はその薬学的に許容できる塩を有効成分として含有することを特徴とするアレルギー抑制剤。
【化1】
JP2017019757A_000053t.gif
[一般式(1)中、Rは、無置換の又は置換基を有する炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。Rは、無置換の又は置換基を有する炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。Rは、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は下記一般式(2)で表される基を表す。
【化2】
JP2017019757A_000054t.gif
[一般式(2)中、★は結合位置を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。n1は、Rの個数を表し、0~5のいずれかの整数である。]
は、水素原子、アルコキシカルボニル基、下記一般式(3)で表される基、下記一般式(4)で表される基又は下記一般式(5)で表される基を表す。
【化3】
JP2017019757A_000055t.gif
[一般式(3)中、★は結合位置を表す。Yは、カルボニル基、-C(=O)-O-又は-O-C(=O)-を表す。Z、Z、Z、Z及びZは、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。n2は、Rの個数を表し、0~5のいずれかの整数である。]
【化4】
JP2017019757A_000056t.gif
[一般式(4)中、★は結合位置を表す。Yは、上記一般式(3)と同じ意味を表す。Z、Z、Z、Z、Z10、Z11及びZ12は、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。n3は、Rの個数を表し、0~7のいずれかの整数である。]
【化5】
JP2017019757A_000057t.gif
[一般式(5)中、★は結合位置を表す。Yは、上記一般式(3)と同じ意味を表す。Z13、Z14、Z15、Z16、Z17、Z18及びZ19は、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。n4は、Rの個数を表し、0~7のいずれかの整数である。]]
【請求項2】
前記アレルギーは、I型アレルギーである請求項1に記載のアレルギー抑制剤。
【請求項3】
下記一般式(1)で表される化合物又はその薬学的に許容できる塩、並びに薬学的に許容できる担体、及び/又は希釈剤を含むことを特徴とする抗アレルギー性医薬組成物。
【化6】
JP2017019757A_000058t.gif
[一般式(1)中、Rは、無置換の又は置換基を有する炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。Rは、無置換の又は置換基を有する炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。Rは、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は下記一般式(2)で表される基を表す。
【化7】
JP2017019757A_000059t.gif
[一般式(2)中、★は結合位置を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。n1は、Rの個数を表し、0~5のいずれかの整数である。]
は、水素原子、アルコキシカルボニル基、下記一般式(3)で表される基、下記一般式(4)で表される基又は下記一般式(5)で表される基を表す。
【化8】
JP2017019757A_000060t.gif
[一般式(3)中、★は結合位置を表す。Yは、カルボニル基、-C(=O)-O-又は-O-C(=O)-を表す。Z、Z、Z、Z及びZは、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。n2は、Rの個数を表し、0~5のいずれかの整数である。]
【化9】
JP2017019757A_000061t.gif
[一般式(4)中、★は結合位置を表す。Yは、上記一般式(3)と同じ意味を表す。Z、Z、Z、Z、Z10、Z11及びZ12は、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。n3は、Rの個数を表し、0~7のいずれかの整数である。]
【化10】
JP2017019757A_000062t.gif
[一般式(5)中、★は結合位置を表す。Yは、上記一般式(3)と同じ意味を表す。Z13、Z14、Z15、Z16、Z17、Z18及びZ19は、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。n4は、Rの個数を表し、0~7のいずれかの整数である。]]
【請求項4】
下記一般式(1)で表される化合物、又はその薬学的に許容できる塩を有効成分として含有することを特徴とするTh2サイトカイン阻害剤。
【化11】
JP2017019757A_000063t.gif
[一般式(1)中、Rは、無置換の又は置換基を有する炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。Rは、無置換の又は置換基を有する炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。Rは、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は下記一般式(2)で表される基を表す。
【化12】
JP2017019757A_000064t.gif
[一般式(2)中、★は結合位置を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。n1は、Rの個数を表し、0~5のいずれかの整数である。]
は、水素原子、アルコキシカルボニル基、下記一般式(3)で表される基、下記一般式(4)で表される基又は下記一般式(5)で表される基を表す。
【化13】
JP2017019757A_000065t.gif
[一般式(3)中、★は結合位置を表す。Yは、カルボニル基、-C(=O)-O-又は-O-C(=O)-を表す。Z、Z、Z、Z及びZは、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。n2は、Rの個数を表し、0~5のいずれかの整数である。]
【化14】
JP2017019757A_000066t.gif
[一般式(4)中、★は結合位置を表す。Yは、上記一般式(3)と同じ意味を表す。Z、Z、Z、Z、Z10、Z11及びZ12は、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。n3は、Rの個数を表し、0~7のいずれかの整数である。]
【化15】
JP2017019757A_000067t.gif
[一般式(5)中、★は結合位置を表す。Yは、上記一般式(3)と同じ意味を表す。Z13、Z14、Z15、Z16、Z17、Z18及びZ19は、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。n4は、Rの個数を表し、0~7のいずれかの整数である。]]
【請求項5】
前記Th2サイトカインは、IL-4である請求項4に記載のTh2サイトカイン阻害剤。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、アレルギー抑制剤、抗アレルギー性医薬組成物、及びTh2サイトカイン阻害剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日本を含む先進国においてアレルギー疾患の羅患者数が増加しつづけている。アレルギーの主因として微生物や寄生虫との接触の機会が減ったこと等が挙げられるが、その他様々な要因が関与していると報告されている。
【0003】
免疫反応を調節するヘルパーT細胞には、細胞性免疫を支配するTh1細胞と体液性免疫を支配するTh2細胞がある。アレルギーは、Th1細胞とTh2細胞のバランスが崩れ、Th2細胞が優位になり、体液性免疫が過剰に反応することで引き起こされる。Th2細胞自身が分泌する、サイトカインの一種であるインターロイキン(例えば、IL-4,IL-5,IL-13等)は、Th0細胞からTh2細胞への分化を促進することが知られており、インターロイキンの産生を抑えることでアレルギー反応を根本から改善できる可能性が大いにある。
【0004】
サイトカイン抑制効果が期待される化合物として、スプレノシン誘導体が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。本誘導体群は、9員環ジラクトン構造を有し、IL-5の産生を抑制する。また、スプレノシン誘導体群と構造が類似しているアンチマイシンAについても、サイトカイン抑制効果が期待される。
【0005】
さらに、新規抗真菌化合物として、ストレプトバーティシリウムに属する微生物の発酵生産物であるUK-2の誘導体が報告されている(例えば、特許文献1及び2参照)。UK-2は、スプレノシン誘導体及びアンチマイシンAと構造が類似しており、9員環ジラクトン構造を有する。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】国際公開第99/40081号
【特許文献2】特許第3526602号公報
【0007】

【非特許文献1】Potent Inhibitors of Pro-Inflammatory Cytokine Production Produced by a Marine-Derived Bacterium. Wendy K. Strangman, Hak Cheol Kwon, David Broide, Paul R. Jensen, and William Fenical; J. Med. Chem. 2009, 52,2317-2327.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1において、スプレノシン誘導体及びアンチマイシンAは、サイトカイン抑制効果を有することが示唆されているが、細胞毒性を有しており、アレルギーに対する治療薬として使用することが難しい。
また、特許文献1及び2において、UK-2誘導体は、強い抗菌活性を有することが記載されているが、その他の有用な効果については一切報告されていない。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、細胞毒性が低く、効果的なアレルギー抑制剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[1]下記一般式(1)で表される化合物、又はその薬学的に許容できる塩を有効成分として含有することを特徴とするアレルギー抑制剤。
【0011】
【化1】
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【0012】
[一般式(1)中、Rは、無置換の又は置換基を有する炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。Rは、無置換の又は置換基を有する炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。Rは、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は下記一般式(2)で表される基を表す。
【0013】
【化2】
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【0014】
[一般式(2)中、★は結合位置を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を表す。n1は、Rの個数を表し、0~5のいずれかの整数である。]
は、水素原子、アルコキシカルボニル基、下記一般式(3)で表される基、下記一般式(4)で表される基、又は下記一般式(5)で表される基を表す。
【0015】
【化3】
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【0016】
[一般式(3)中、★は結合位置を表す。Yは、カルボニル基、-C(=O)-O-、又は-O-C(=O)-を表す。Z、Z、Z、Z、及びZは、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を表す。n2は、Rの個数を表し、0~5のいずれかの整数である。]
【0017】
【化4】
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【0018】
[一般式(4)中、★は結合位置を表す。Yは、上記一般式(3)と同じ意味を表す。Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、及びZ12は、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を表す。n3は、Rの個数を表し、0~7のいずれかの整数である。]
【0019】
【化5】
JP2017019757A_000006t.gif

【0020】
[一般式(5)中、★は結合位置を表す。Yは、上記一般式(3)と同じ意味を表す。Z13、Z14、Z15、Z16、Z17、Z18、及びZ19は、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を表す。n4は、Rの個数を表し、0~7のいずれかの整数である。]]
【0021】
[2]前記アレルギーは、I型アレルギーである[1]に記載のアレルギー抑制剤。
[3]前記一般式(1)で表される化合物、又はその薬学的に許容できる塩、並びに薬学的に許容できる担体、及び/又は希釈剤を含むことを特徴とする抗アレルギー性医薬組成物。
[4]前記一般式(1)で表される化合物、又はその薬学的に許容できる塩を有効成分として含有することを特徴とするTh2サイトカイン阻害剤。
[5]前記Th2サイトカインは、IL-4である[4]に記載のTh2サイトカイン阻害剤。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、細胞毒性の低い、アレルギーに対する効果的な治療剤を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】試験例2におけるUK-2A、スプレノシンB及びアンチマイシンAの細胞毒性の評価結果を示したグラフである。
【図2】試験例3におけるUK-2A、スプレノシンB及びアンチマイシンAのTh2サイトカイン遺伝子転写阻害活性の評価結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[アレルギー抑制剤]
本発明のアレルギー抑制剤は、下記一般式(1)で表される化合物、又はその薬学的に許容できる塩を有効成分として含有する。

【0025】
【化6】
JP2017019757A_000007t.gif

【0026】
[一般式(1)中、R~Rは、前記と同じ意味を表す。]

【0027】
本発明者は、C-4位にメチル基を持たない、前記一般式(1)で表される化合物が、細胞毒性が低く、顕著なアレルギー抑制効果を発揮することを初めて明らかにした。下記に位置番号を振った一般式(1A)を示す。

【0028】
【化7】
JP2017019757A_000008t.gif

【0029】
[一般式(1A)中、R~Rは、前記と同じ意味を表す。]

【0030】
本発明のアレルギー抑制剤は、I型アレルギーに対して有効なものであることが好ましい。本明細書において、「I型アレルギー」とは、即時型アレルギー反応、又はアナフィラキシー型反応とも言われ、抗原と反応して15~20分で病変が出現するアレルギー反応である。I型アレルギーに関与するのは、主にIgEクラスの抗体(例えば、レアギン)であり、Fc部分で肥満細胞や好塩基球表面のFc受容体に結合する。抗原が再度体内に侵入すると、細胞表面のIgEクラスの抗体と反応し抗体間に架橋が形成される。これが引き金となって、肥満細胞や好塩基球の脱顆粒が起こり、顆粒中に含まれた化学伝達物質が細胞外へ放出される。化学伝達物質としては、ヒスタミン、セロトニン、SRS-A(Slow reacting substance of anaphylaxis)、ECF-A(Eosinopil chemotactic factor of anaphylaxis)、PAF(Platelet activating factor)、ヘパリン、キニン、プロスタグランジン等が挙げられ、これら化学伝達物質により、毛細血管の透過性亢進、平滑筋収縮、外分泌腺刺激等の薬理作用を示し病変を形成する。よって、I型アレルギーによって発症する疾患には、アナフィラキシーショック、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、じんましん、アトピー性皮膚炎、薬剤アレルギー等が挙げられる。

【0031】
一般式(1)中、Rは、無置換の又は置換基を有する炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。

【0032】
本明細書及び本特許請求の範囲において、「無置換の」とは、母体となる基のみであることを意味する。また、「置換基を有する」との記載がなく、母体となる基の名称のみで記載しているときは、別段の断りがない限り「無置換の」意味である。
また、本明細書において、「置換基を有する」とは、母体となる基のいずれかの水素原子が、母体と同種又は異種の構造の基で置換されていることを意味する。従って、「置換基」は、母体となる基に結合した他の基である。置換基は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。2つ以上の置換基は同一であってもよいし、異なるものであってもよい。

【0033】
「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アルデヒド基、スルホン酸基、アルキルスルホニル基、ハロゲノスルホニル基、チオール基、アルキルチオ基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミドカルボニル基、アルキルカルボニルアミド基、アシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、シリル基、モノアルキルシリル基、ジアルキルシリル基、トリアルキルシリル基、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基、アリール基及びヘテロアリール基等が挙げられる。ただし、これらの置換基以外の置換基であっても、さらに適当な置換基を導入することにより細胞毒性を低くすることもできることから、これらの置換基に限定されるものではない。

【0034】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。

【0035】
アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基としては、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、環状(脂肪族環基)であってもよい。これらの基の炭素数は、1~8が好ましく、1~6がより好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基(tert-ブチル基)、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、2-ブテニル基、1,3-ブタジエニル基、2-ペンテニル基、2-ヘキセニル基等が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、イソプロピニル基、1-ブチニル基、イソブチニル基等が挙げられる。

【0036】
アルキルスルホニル基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミドカルボニル基、アルキルカルボニルアミド基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノアルキルシリル基、ジアルキルシリル基、トリアルキルシリル基、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、及びトリアルコキシシリル基におけるアルキル基部分としては、前記アルキル基と同様のものが挙げられる。例えば、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t-ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、イソアミルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等が挙げられる。また、例えば、モノアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t-ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基等を挙げることができ、ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、エチルメチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、ブチルメチルアミノ基、エチルプロピルアミノ基、ブチルエチルアミノ基等を挙げることができる。

【0037】
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基等が挙げられる。
ヘテロアリール基としては、例えば、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チエニル基、フラニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾール基等の5員環ヘテロアリール基;ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基等の6員環ヘテロアリール基;インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、キノリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基等の縮合ヘテロアリール基を挙げることができる。

【0038】
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、及びヘテロアリール基は、無置換の基であってもよく、1以上の水素原子が置換基によって置換されていてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、アルデヒド基、スルホン酸基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、アリール基、ヘテロアリール基等が挙げられる。

【0039】
前記Rにおいて、「炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基(tert-ブチル基)等が挙げられる。この中でも、イソプロピル基又はイソブチル基が好ましい。

【0040】
は、無置換の又は置換基を有する炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、前記一般式(1)中のRと同様のものが挙げられる。この中でも、Rは、メチル基が好ましい。

【0041】
は、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は下記一般式(2)で表される基を表す。

【0042】
【化8】
JP2017019757A_000009t.gif

【0043】
[一般式(2)中、★は結合位置を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を表す。n1は、Rの個数を表し、0~5のいずれかの整数である。]

【0044】
における「炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基」は、前記一般式(1)中のRと同様のものが挙げられる。この中でも、Rは、n-ブチル基が好ましい。

【0045】
<一般式(2)で表される基>
前記一般式(2)中、n1は、Rの個数を表す。n1は、0~5のいずれかの整数であり、0が好ましい。すなわち、無置換のベンゼン環が好ましい。

【0046】
における「炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基」としては、前記一般式(1)中のRと同様のものが挙げられる。

【0047】
における「置換基を有するカルボキシル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、i-プロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、i-ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、n-ペンチルオキシカルボニル基、n-ヘキシルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;ビニルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基等のアルケニルオキシカルボニル基;エチニルオキシカルボニル基、プロパルギルオキシカルボニル基等のアルキニルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。

【0048】
における「置換基を有するカルバモイル基」としては、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基等のアルキルカルバモイル基;フェニルカルバモイル基、4-メチルフェニルカルバモイル基等のアリールカルバモイル基等が挙げられる。

【0049】
における「置換基を有するヒドロキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、i-プロポキシ基、i-ブトキシ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、1-エチルプロポキシ基、i-ヘキシルオキシ基、4-メチルペントキシ基、3-メチルペントキシ基、2-メチルペントキシ基、1-メチルペントキシ基、3,3-ジメチルブトキシ基、2,2-ジメチルブトキシ基、1,1-ジメチルブトキシ基、1,2-ジメチルブトキシ基、1,3-ジメチルブトキシ基、2,3-ジメチルブトキシ基、1-エチルブトキシ基、2-エチルブトキシ基等のアルコキシ基;シクロプロピルメチルオキシ基、2-シクロペンチルエチルオキシ基等のシクロアルキルアルコキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基;クロロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1-フルオロエトキシ基、1,1-ジフルオロエトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基等のハロアルコキシ基;ビニルオキシ基、1-プロペニルオキシ基、アリルオキシ基、1-ブテニルオキシ基、2-ブテニルオキシ基、3-ブテニルオキシ基、1-ペンテニルオキシ基、2-ペンテニルオキシ基、3-ペンテニルオキシ基、4-ペンテニルオキシ基、1-ヘキセニルオキシ基、2-ヘキセニルオキシ基、3-ヘキセニルオキシ基、4-ヘキセニルオキシ基、5-ヘキセニルオキシ基、1-メチル-2-プロペニルオキシ基、2-メチル-2-プロペニルオキシ基、1-メチル-2-ブテニルオキシ基、2-メチル-2-ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;エチニルオキシ基、プロピニルオキシ基、プロパルギルオキシ基、1-ブチニルオキシ基、2-ブチニルオキシ基、3-ブチニルオキシ基、1-ペンチニルオキシ基、2-ペンチニルオキシ基、3-ペンチニルオキシ基、4-ペンチニルオキシ基、1-ヘキシニルオキシ基、1-メチル-2-プロピニルオキシ基、2-メチル-3-ブチニルオキシ基、1-メチル-2-ブチニルオキシ基、2-メチル-3-ペンチニルオキシ基、1,1-ジメチル-2-ブチニルオキシ基等のアルキニルオキシ基;シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、2-メチルシクロプロピルオキシ基、2-エチルシクロプロピルオキシ基、2,3,3-トリメチルシクロブチルオキシ基、2-メチルシクロペンチルオキシ基、2-エチルシクロヘキシルオキシ基、2-エチルシクロオクチルオキシ基、4,4,6,6-テトラメチルシクロヘキシルオキシ基、1,3-ジブチルシクロヘキシルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基;フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アズレニルオキシ基、インデニルオキシ基、インダニルオキシ基、テトラリニルオキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、2-ナフチルメチルオキシ基等のアリールアルキルオキシ基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、n-プロピルカルボニルオキシ基、i-プロピルカルボニルオキシ基、n-ブチルカルボニルオキシ基、i-ブチルカルボニルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基等のアシルオキシ基;メトキシカルボニルメチルオキシ基、1-メトキシカルボニル-1-メチルエチルオキシ基等のアルコキシカルボニルアルキルオキシ基;トリメチルシリルオキシ基、t-ブチルジメチルシリルオキシ基等のアルキルシリルオキシ基等が挙げられる。

【0050】
における「置換基を有するアミノ基」としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のアルキルアミノ基;フェニルアミノ基、4-メチルフェニルアミノ基等のモノアリールアミノ基;ジ1-ナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基;ベンジルアミノ基等のアラルキルアミノ基;アセチルアミノ基、トリフルオロアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等のアシルアミノ基;メトキシカルボニルアミノ基、t-ブトキシカルボニルアミノ基等のアルコキシカルボニルアミノ基;ホルミルアミノ基等が挙げられる。

【0051】
における、「置換基を有するメルカプト基」としては、メチルチオ基、エチルチオ基等のアルキルチオ基;フェニルチオ基、4-メチルフェニルチオ基等のアリールチオ基;、アセチルチオ基、ベンゾイルチオ基等のアシルチオ基等が挙げられる。

【0052】
における、「置換基を有するスルフィニル基」としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n-プロピルスルホニル基、i-プロピルスルホニル基、n-ブチルスルホニル基、i-ブチルスルホニル基、s-ブチルスルホニル基、t-ブチルスルホニル基、n-ペンチルスルホニル基、i-ペンチルスルホニル基、ネオペンチルスルホニル基、1-エチルプロピルスルホニル基、n-ヘキシルスルホニル基、i-ヘキシルスルホニル基等のアルキルスルホニル基;トリフルオロメチルスルホニル基等のハロアルキルスルホニル基;フェニルスルホニル基、4-メチルフェニルスルホニル基等のアリールスルホニル基;メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基等のアルコキシスルホニル基;N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基等のスルファモイル基、フェニルスルファモイル基、4-メチルフェニルスルファモイル基等のモノアリールスルファモイル基等が挙げられる。

【0053】
における、「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。

【0054】
一般式(2)で表される基の好ましい具体例としては、下記式(2-1)で表される基(ベンジル基)が挙げられる。

【0055】
【化9】
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【0056】
は、水素原子、アルコキシカルボニル基、下記一般式(3)で表される基、下記一般式(4)で表される基、又は下記一般式(5)で表される基を表す。

【0057】
【化10】
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【0058】
[一般式(3)中、★は結合位置を表す。Yは、カルボニル基、-C(=O)-O-又は-O-C(=O)-を表す。Z、Z、Z、Z、及びZは、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を表す。n2は、Rの個数を表し、0~5のいずれかの整数である。]

【0059】
【化11】
JP2017019757A_000012t.gif

【0060】
[一般式(4)中、★は結合位置を表す。Yは、上記一般式(3)と同じ意味を表す。Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、及びZ12は、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を表す。n3は、Rの個数を表し、0~7のいずれかの整数である。]

【0061】
【化12】
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[一般式(5)中、★は結合位置を表す。Yは、上記一般式(3)と同じ意味を表す。Z13、Z14、Z15、Z16、Z17、Z18及びZ19は、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。n4は、Rの個数を表し、0~7のいずれかの整数である。]

【0062】
における、「アルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、i-プロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、i-ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、n-ペンチルオキシカルボニル基、n-ヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられる。この中でも、メトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基が好ましい。

【0063】
<一般式(3)で表される基>
一般式(3)中、Yは、カルボニル基、-C(=O)-O-又は-O-C(=O)-を表し、カルボニル基が好ましい。
、Z、Z、Z及びZは、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表す。すなわち、ベンゼン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、又はトリアジン環を構成する。これらの中でも、Z若しくはZが窒素原子であり、その他は、メチン基であるピリジン環、Z及びZが窒素原子であり、その他は、メチン基であるピリミジン環、又はZ、Z、Z、Z及びZがメチン基であるベンゼン環を構成することが好ましい。

【0064】
n2は、Rの個数を表し、0~5のいずれかの整数であり、2であることが好ましい。複数存在する場合のRは、同じでも異なってもよく、異なっていることが好ましい。

【0065】
における「炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基」としては、前記一般式(1)中のRと同様のものが挙げられる。

【0066】
における「置換基を有するカルボキシル基」、「置換基を有するカルバモイル基」、「置換基を有するヒドロキシ基」、「置換基を有するアミノ基」、「置換基を有するメルカプト基」、「置換基を有するスルフィニル基」、「ハロゲン原子」としては、前記一般式(2)中のRと同様のものが挙げられる。

【0067】
これらの中でも、Rは、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ホルミルアミノ基、ハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、アセチルオキシ基、又はプロピオニルオキシ基が好ましい。

【0068】
一般式(3)で表される基の好ましい具体例としては、下記一般式(3-1)~(3-4)で表される基が挙げられる。

【0069】
【化13】
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【0070】
一般式(3-1)中、★は結合位置を表す。Rは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。

【0071】
n5は、Rの個数を表し、0~5のいずれかの整数であり、2であることが好ましい。複数存在する場合のRは、同じでも異なってもよく、異なっていることが好ましい。Rの結合位置は特に限定されない。

【0072】
における「炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基」としては、前記一般式(1)中のRと同様のものが挙げられる。

【0073】
における「置換基を有するカルボキシル基」、「置換基を有するカルバモイル基」、「置換基を有するヒドロキシ基」、「置換基を有するアミノ基」、「置換基を有するメルカプト基」、「置換基を有するスルフィニル基」、「ハロゲン原子」としては、前記一般式(2)中のRと同様のものが挙げられる。この中でも、Rは、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ホルミルアミノ基、ハロゲン原子、メトキシ基又はエトキシ基が好ましい。

【0074】
一般式(3-2)中、★は結合位置を表す。R10は、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。

【0075】
n6は、R10の個数を表し、0~4のいずれかの整数であり、2であることが好ましい。複数存在する場合のR10は、同じでも異なってもよく、異なっていることが好ましい。R10の結合位置は特に限定されない。

【0076】
10における「炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基」としては、前記一般式(1)中のRと同様のものが挙げられる。

【0077】
10における「置換基を有するカルボキシル基」、「置換基を有するカルバモイル基」、「置換基を有するヒドロキシ基」、「置換基を有するアミノ基」、「置換基を有するメルカプト基」、「置換基を有するスルフィニル基」、「ハロゲン原子」としては、前記一般式(2)中のRと同様のものが挙げられる。この中でも、R10は、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、アセチルオキシ基、又はプロピオニルオキシ基が好ましい。

【0078】
一般式(3-3)中、★は結合位置を表す。R11は、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を表す。

【0079】
n7は、R11の個数を表し、0~4のいずれかの整数であり、2であることが好ましい。複数存在する場合のR11は、同じでも異なってもよく、異なっていることが好ましい。R11の結合位置は特に限定されない。

【0080】
11における「炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基」としては、前記一般式(1)中のRと同様のものが挙げられる。

【0081】
11における「置換基を有するカルボキシル基」、「置換基を有するカルバモイル基」、「置換基を有するヒドロキシ基」、「置換基を有するアミノ基」、「置換基を有するメルカプト基」、「置換基を有するスルフィニル基」、「ハロゲン原子」としては、前記一般式(2)中のRと同様のものが挙げられる。この中でも、R11は、ヒドロキシ基が好ましい。

【0082】
一般式(3-4)中、★は結合位置を表す。R12は、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。

【0083】
n8は、R12の個数を表し、0~3のいずれかの整数であり、2であることが好ましい。複数存在する場合のR12は、同じでも異なってもよく、異なっていることが好ましい。R12の結合位置は特に限定されない。

【0084】
12における「炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基」としては、前記一般式(1)中のRと同様のものが挙げられる。

【0085】
12における「置換基を有するカルボキシル基」、「置換基を有するカルバモイル基」、「置換基を有するヒドロキシ基」、「置換基を有するアミノ基」、「置換基を有するメルカプト基」、「置換基を有するスルフィニル基」、「ハロゲン原子」としては、前記一般式(2)中のRと同様のものが挙げられる。この中でも、R12は、ヒドロキシ基が好ましい。

【0086】
一般式(3-1)~(3-4)で表される基の好ましい具体例としては、下記式(3-1-1)、(3-1-2)、(3-2-1)、(3-2-2)、(3-3-1)、(3-4-1)で表される基が挙げられる。

【0087】
【化14】
JP2017019757A_000015t.gif

【0088】
<一般式(4)で表される基>
一般式(4)中、Yは、カルボニル基、-C(=O)-O-又は-O-C(=O)-を表し、カルボニル基が好ましい。
一般式(4)中、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、及びZ12は、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表す。すなわち、ナフタレン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、シンノリン環、又はプテリジン環を構成する。これらの中でも、Zが窒素原子であるキノリン環を構成することが好ましい。

【0089】
n3は、Rの個数を表し、0~7のいずれかの整数であり、2であることが好ましい 。

【0090】
における「炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基」としては、前記一般式(1)中のRと同様のものが挙げられる。

【0091】
における「置換基を有するカルボキシル基」、「置換基を有するカルバモイル基」、「置換基を有するヒドロキシ基」、「置換基を有するアミノ基」、「置換基を有するメルカプト基」、「置換基を有するスルフィニル基」、「ハロゲン原子」としては、前記一般式(2)中のRと同様のものが挙げられる。

【0092】
一般式(4)で表される基の好ましい具体例としては、下記一般式(4-1)で表される基が挙げられる。

【0093】
【化15】
JP2017019757A_000016t.gif

【0094】
一般式(4-1)中、★は結合位置を表す。R13は、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。

【0095】
n9は、R13の個数を表し、0~6のいずれかの整数であり、2であることが好ましい。複数存在する場合のR13は、同じでも異なってもよく、異なっていることが好ましい。R13の結合位置は特に限定されない。

【0096】
13における「炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基」としては、前記一般式(1)中のRと同様のものが挙げられる。

【0097】
13における「置換基を有するカルボキシル基」、「置換基を有するカルバモイル基」、「置換基を有するヒドロキシ基」、「置換基を有するアミノ基」、「置換基を有するメルカプト基」、「置換基を有するスルフィニル基」、「ハロゲン原子」としては、前記一般式(2)中のRと同様のものが挙げられる。
13は、ヒドロキシ基、メチル基又はエチル基が好ましい。

【0098】
一般式(4-1)で表される基の好ましい具体例としては、下記式(4-1-1)で表される基が挙げられる。

【0099】
【化16】
JP2017019757A_000017t.gif

【0100】
<一般式(5)で表される基>
一般式(5)中、Yは、カルボニル基、-C(=O)-O-又は-O-C(=O)-を表し、カルボニル基が好ましい。
一般式(5)中、Z13、Z14、Z15、Z16、Z17、Z18及びZ19は、それぞれ独立して、メチン基又は窒素原子を表す。すなわち、ナフタレン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、シンノリン環、又はプテリジン環を構成する。これらの中でも、Z14及びZ19が窒素原子であるキノキサリン環を構成することが好ましい。

【0101】
n4は、Rの個数を表し、0~7のいずれかの整数であり、1であることが好ましい。

【0102】
における「炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基」としては、前記一般式(1)中のRと同様のものが挙げられる。

【0103】
における「置換基を有するカルボキシル基」、「置換基を有するカルバモイル基」、「置換基を有するヒドロキシ基」、「置換基を有するアミノ基」、「置換基を有するメルカプト基」、「置換基を有するスルフィニル基」、「ハロゲン原子」としては、前記一般式(2)中のRと同様のものが挙げられる。

【0104】
一般式(5)で表される基の好ましい例としては、下記一般式(5-1)で表される基が挙げられる。

【0105】
【化17】
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【0106】
一般式(5-1)中、★は結合位置を表す。R14は、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有する炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するカルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するカルバモイル基、無置換の若しくは置換基を有するヒドロキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルフィニル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。

【0107】
n10は、R14の個数を表し、0~5のいずれかの整数であり、1であることが好ましい。複数存在する場合のR14は、同じでも異なってもよく、異なっていることが好ましい。R14の結合位置は特に限定されない。

【0108】
14における「炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基」としては、前記一般式(1)中のRと同様のものが挙げられる。

【0109】
14における「置換基を有するカルボキシル基」、「置換基を有するカルバモイル基」、「置換基を有するヒドロキシ基」、「置換基を有するアミノ基」、「置換基を有するメルカプト基」、「置換基を有するスルフィニル基」、「ハロゲン原子」としては、前記一般式(2)中のRと同様のものが挙げられる。
14は、ヒドロキシ基が好ましい。

【0110】
一般式(5-1)で表される基の好ましい具体例としては、下記式(5-1-1)で表される基が挙げられる。

【0111】
【化18】
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【0112】
<一般式(1)で表される化合物の具体例>
一般式(1)で表される化合物の好ましい具体例としては、下記一般式(1-1)で表される化合物が挙げられる。

【0113】
【化19】
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【0114】
一般式(1-1)中、R、R、R、n2、Z、Z、Z、Z及びZは、前記と同様の意味を表す。細胞毒性が低い観点から、Rは、イソプロピル基又はイソブチル基が好ましく、Rは、n-ブチル基又はベンジル基が好ましく、Rは、ヒドロキシ基、メトキシ基又はホルミルアミノ基が好ましく、n2は2であることが好ましく、Z、Z、Z、Z及びZは、Zが窒素原子で他はメチン基であるピリジン環、又はZ、Z、Z、Z及びZが全てメチン基であるベンゼン環を構成することが好ましい。
一般式(1-1)で表される化合物の好ましい相対立体配置を下記一般式(1-1-0)
に示す。

【0115】
【化20】
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【0116】
さらに、一般式(1-1)で表される化合物の好ましい具体例としては、式(1-1-1)、式(1-1-2)、式(1-1-3)又は式(1-1-4)で表される化合物が挙げられる。

【0117】
【化21】
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【0118】
本発明のアレルギー抑制剤は、薬学的に許容できる塩を含んでいてもよい。
本発明において、「薬学的に許容できる」とは、被検動物に適切に投与された場合に、概して、副作用を起こさない程度を意味する。
塩としては、薬学的に許容できる酸付加塩又は塩基性塩が好ましい。
酸付加塩としては、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸等の無機酸との塩;酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられる。
塩基性塩としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム等の無機塩基との塩;カフェイン、ピペリジン、トリメチルアミン、ピリジン等の有機塩基との塩が挙げられる。

【0119】
本発明のアレルギー抑制剤は、他の成分として、PBS、Tris-HCl等の緩衝液、アジ化ナトリウム、グリセロール等の添加剤を含んでいてもよい。

【0120】
本発明においては、本発明のアレルギー抑制剤を用いて、アレルギーの治療方法を提供することができる。
治療対象として限定はされず、ヒト又はヒト以外の哺乳動物が挙げられ、ヒトが好ましい。

【0121】
[一般式(1)で表される化合物の製造方法]
以下に、前記一般式(1)で表される化合物の製造方法の一例について、詳細に説明する。温度、触媒、溶媒等の反応条件は、以下に記載されたものに限定されない。
先ず、p-メトキシベンジルアルコールとトリクロロアセトニトリルから一般式(6)で表される化合物が得られる(反応式(A-1)参照)。さらに、一般式(6)で表される化合物を用いて、酸性条件下でヒドロキシル基をMPM保護した一般式(8)で表される化合物へと変換する。続いて、DIBAL(diisobutylaluminium hydride、水素化ジイソブチルアルミニウム)でアルデヒドである一般式(9)で表される化合物へと還元する(反応式(A-2)参照)。

【0122】
【化22】
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【0123】
次に、一般式(10)で表される化合物と式(11)で表される化合物とを反応させて、一般式(12)で表される化合物を合成する(反応式(B-1)参照)。

【0124】
【化23】
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【0125】
次に、一般式(9)で表される化合物と一般式(12)で表される化合物とを用いて、不斉Evans aldol反応を行い、一般式(13)で表される化合物が得られる。水酸化リチウムと過酸化水素水を用いて加水分解を行い、不斉補助基を除去する(反応式(C-1)参照)。

【0126】
【化24】
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【0127】
前記反応式(C-1)で得られたヒドロキシカルボン酸である一般式(14)で表される化合物のヒドロキシル基をTBS(tert-butyldimethylsilyl group、tert-ブチルジメチルシリル基)保護することで、カルボン酸である一般式(15)で表される化合物に変換する。続いて、一般式(15)で表される化合物のカルボキシル基をベンジルアルコール、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)とトリフェニルホスフィン(PPh)を用いてベンジル保護する。さらに、2,3-ジクロロ-5,6-p-ベンゾキノン(DDQ)を用いて酸化的にMPM基を脱保護して、アルコールである一般式(17)で表される化合物が得られる(反応式(D-1)参照)。

【0128】
【化25】
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【0129】
アルコールである一般式(17)で表される化合物と、L-セリン由来のカルボン酸である一般式(18)で表される化合物とを用いて、カップリング反応を行う。縮合剤として、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDCI・HCl)と、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)を用いることで、一般式(19)で表される化合物が得られる。続いて、Pd(OH)を触媒として用いて常圧で水素添加することで、脱ベンジル化を行い、環化前駆体である一般式(20)で表される化合物が得られる(反応式(E-1)参照)。

【0130】
【化26】
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【0131】
環化前駆体である一般式(20)で表される化合物は、エトキシビニルエステルを経由するラクトン化反応により、閉環することができる。まず、環化前駆体である一般式(20)で表される化合物を、ジクロロ(p-シメン)ルテニウムダイマーとエトキシアセチレンを用いて、エトキシビニルエステルである一般式(21)で表される化合物に変換する。続いて、触媒量の(±)-カンファスルホン酸を含んだジクロロエタン溶液に、エトキシビニルエステルである一般式(21)で表される化合物を含む溶液を還流下で7~12時間かけてゆっくり加え、9員環ジラクトンである一般式(22)で表される化合物を得ることができる(反応式(F-1)参照)。

【0132】
【化27】
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【0133】
前記反応式(F-1)で得られた9員環ジラクトンである一般式(22)で表される化合物にフッ化水素-ピリジン錯体、ピリジン、THF(tetrahydrofuran、テトラヒドロフラン)を5:3:8の割合で混合した溶液を加え、8~12時間撹拌することで、TBS基を選択的に脱保護し、アルコールである一般式(23)で表される化合物を得ることができる。さらに、一般式(24)で表される化合物をピリジン存在下で反応させることで、アミノ基の根元のC-3位がエピ化し、ヒドロキシ基にカルボニル基が付加した一般式(1)’で表される化合物を得ることができる(反応式(G-1)及び(G-2)参照)。

【0134】
【化28】
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【0135】
また、エピ化をせずに一般式(1)”で表される化合物を得るには、ジククロロメタン存在下で、縮合剤1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDCl・HCl)と4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)を用いて、導入したいR基を有するカルボン酸を添加することで合成できる(反応式(G-3)参照)。

【0136】
【化29】
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【0137】
本発明に係る化合物の塩は、無機酸化合物、有機酸化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、遷移金属化合物、アンモニウム化合物等を一般式(1)で表される化合物に接触させることによって調製することができる。
いずれの反応においても、反応終了後は、有機合成化学における通常の後処理操作、および、必要に応じて従来公知の分離精製手段を施すことによって、目的物を効率よく単離することができる。
目的物の構造は、H-NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペクトルの測定や、元素分析等によって、同定・確認することができる。

【0138】
[抗アレルギー性医薬組成物]
本発明の抗アレルギー性医薬組成物は、前記一般式(1)で表される化合物、又はその薬学的に許容できる塩、並びに薬学的に許容できる担体及び/又は希釈剤を含む。
許容できる担体及び希釈剤としては、賦形剤、稀釈剤、増量剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、乳化剤、芳香剤、着色剤、甘味料、粘稠剤、矯味剤、溶解補助剤、添加剤等が挙げられる。これら担体及び希釈剤の1種以上を用いることにより、注射剤、液剤、カプセル剤、懸濁剤、乳剤、又はシロップ剤等の形態の医薬組成物を調製することができる。

【0139】
被検動物(ヒト又はヒト以外の哺乳動物、好ましくはヒト)への、本発明の抗アレルギー性医薬組成物の投与は、例えば、動脈内注射、静脈内注射、皮下注射等のほか、鼻腔内的、経気管支的、筋内的、経皮的、又は経口的に当業者に公知の方法により行い得る。
投与量は、被検動物の体重や年齢、投与方法などにより変動するが、当業者であれば適当な投与量を適宜選択することが可能である。
本発明の抗アレルギー性医薬組成物の投与量は、症状により差異はあるが、経口投与の場合、一般的に成人(体重60kgとして)においては、1日あたり約0.1から100mg、好ましくは約1.0から50mg、より好ましくは約1.0から20mgであると考えられる。
非経口的に投与する場合は、その1回の投与量は症状、投与方法によっても異なるが、例えば注射剤の形では通常成人(体重60kgとして)においては、通常、1日当り約0.01から30mg、好ましくは約0.1から20mg、より好ましくは約0.1から10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合であると考えられる。
投与回数としては、1日平均当たり、1回~数回投与することが好ましい。
注射剤は、非水性の希釈剤(例えば、ポリエチレングリコール、オリーブ油等の植物油、エタノール等のアルコール類等)、懸濁剤、又は乳濁剤として調製することもできる。このような注射剤の無菌化は、フィルターによる濾過滅菌、殺菌剤等の配合により行うことができる。注射剤は、用事調製の形態として製造することができる。即ち、凍結乾燥法等によって、無菌の固体組成物とし、使用前に注射用蒸留水又は他の溶媒に溶解して使用することができる。
本発明の抗アレルギー性医薬組成物を、被検動物に予防的に投与してもよいし、被検動物にアレルギー症状が表れたときに投与してもよい。

【0140】
また、本発明の一側面は、アレルギーの治療のための前記一般式(1)で表される化合物又はその薬学的に許容できる塩を提供する。
また、本発明の一側面は、アレルギー抑制剤を製造するための前記一般式(1)で表される化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用を提供する。
また、本発明の一側面は、前記一般式(1)で表される化合物又はその薬学的に許容できる塩の治療的有効量を、治療を必要とする患者に投与することを含む、アレルギーの治療方法を提供する。
本発明において、アレルギーの「抑制」とは、抗原(アレルゲン)と抗体との反応を阻害する、抗体-抗原(アレルゲン)反応が引き金となって放出される化学伝達物質の細胞外への放出を阻害する、又は、化学伝達物質の放出により誘導される、毛細血管の透過性亢進、平滑筋収縮、外分泌腺刺激等の薬理作用によって発症する疾患を緩和することを意味する。アレルギー反応により引き起こされる疾患としては、アナフィラキシーショック、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、じんましん、アトピー性皮膚炎、薬剤アレルギー等が挙げられる。
本発明において、アレルギーの「治療」とは、アレルギー患者に対して、アレルギー抑制剤を投与することにより、アレルギー反応を阻害し、アレルギー反応により引き起こされる上述の疾患を抑制することを意味する。好ましくは、かかる治療は、アレルギー反応を阻害し、アレルギー反応により引き起こされる上述の疾患を緩和することができる。さらに好ましくは、かかる治療は、アレルギー反応を根本的に改善することができる。

【0141】
[Th2サイトカイン阻害剤]
本発明のTh2サイトカイン阻害剤は、前記一般式(1)で表される化合物又はその薬学的に許容できる塩を含有する。本明細書において、「Th2サイトカイン阻害剤」とは、体液性免疫を支配するTh2細胞が分泌するサイトカインであるIL(インターロイキン)-4、IL(インターロイキン)-5等の産生を抑制し、IgE抗体及び好酸球を減少させるものを意味する。本発明において、Th2サイトカイン阻害剤は、IL-4の産生を抑制するものであることが好ましい。
本発明の医薬組成物が、被検動物(ヒト又はヒト以外の哺乳動物、好ましくはヒト)に好適に用いられる一方、本発明のTh2サイトカイン阻害剤は、培養細胞に好適に用いられる。
本発明のTh2サイトカイン阻害剤の、培地中濃度としては、10nM~10μMが好ましく、10nM~1μMがより好ましく、10nM~0.1μMが特に好ましい。
細胞にTh2サイトカインの産生を誘導する方法は、適宜設定され、例えば、細胞を培養するディッシュの培地にIgE抗体を添加する方法が挙げられる。
本発明のTh2サイトカイン阻害剤によれば、μmol/Lオーダーの培地中濃度で、Th2細胞が分泌するIL-4の産生を抑制することができる。

【0142】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0143】
[実施例1]式(1-1-1)で表される化合物(UK-2A)の製造
まず、p-メトキシベンジルアルコールとトリクロロアセトニトリルから式(6)で表される化合物を得た(反応式(A-1)参照)。次いで、式(6)で表される化合物を用いて、酸性条件下でL-乳酸エチルのヒドロキシル基をMPM保護した式(25)で表される化合物へと変換した。続いて、DIBAL(diisobutylaluminium hydride、水素化ジイソブチルアルミニウム)でアルデヒドである式(26)で表される化合物へと還元した(反応式(H-1)参照)。
【実施例】
【0144】
【化30】
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【実施例】
【0145】
次いで、(R)-4-イソプロピルオキサゾリジン-2-オン(式(11)で表される化合物)と酸クロライドとを反応させて、式(27)で表される化合物を合成した(反応式(I-1)参照)。
【実施例】
【0146】
【化31】
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【実施例】
【0147】
次いで、式(26)で表される化合物と式(27)で表される化合物とを用いて、不斉Evans aldol反応を行い、式(28)で表される化合物を得た。さらに、水酸化リチウムと過酸化水素水を用いて加水分解を行い、不斉補助基を除去した(反応式(J-1)参照)。
【実施例】
【0148】
【化32】
JP2017019757A_000033t.gif
【実施例】
【0149】
前記反応式(J-1)で得られたヒドロキシカルボン酸である式(29)で表される化合物のヒドロキシル基をTBS(tert-butyldimethylsilyl group、tert-ブチルジメチルシリル基)保護することで、カルボン酸である式(30)で表される化合物に変換した。次いで、式(30)で表される化合物のカルボキシル基をベンジルアルコール、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)とトリフェニルホスフィン(PPh)を用いてベンジル保護した。さらに、2,3-ジクロロ-5,6-p-ベンゾキノン(DDQ)を用いて酸化的にMPM基を脱保護して、アルコールである式(32)で表される化合物を得た(反応式(K-1)参照)。
【実施例】
【0150】
【化33】
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【実施例】
【0151】
アルコールである式(32)で表される化合物と、L-セリン由来のカルボン酸である式(33)で表される化合物とを用いて、カップリング反応を行った。縮合剤として、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDCI・HCl)と、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)を用いることで、式(34)で表される化合物を得た。続いて、Pd(OH)を触媒として用いて常圧で水素添加することで、脱ベンジル化を行い、環化前駆体である式(35)で表される化合物を得た(反応式(L-1)参照)。
【実施例】
【0152】
【化34】
JP2017019757A_000035t.gif
【実施例】
【0153】
環化前駆体である式(35)で表される化合物を、エトキシビニルエステルを経由するラクトン化反応により、閉環した。先ず、環化前駆体である式(35)で表される化合物を、ジクロロ(p-シメン)ルテニウムダイマーとエトキシアセチレンを用いて、エトキシビニルエステルである式(36)で表される化合物に変換した。次いで、80℃に保持した触媒量の(±)-カンファスルホン酸を含んだジクロロエタン溶液に、エトキシビニルエステルである式(36)で表される化合物を含む溶液を還流下で7時間かけてゆっくり加え、9員環ジラクトンである式(37)で表される化合物を得た(反応式(M-1)参照)。
【実施例】
【0154】
【化35】
JP2017019757A_000036t.gif
【実施例】
【0155】
前記反応式(M-1)で得られた9員環ジラクトンである式(37)で表される化合物にフッ化水素-ピリジン錯体、ピリジン、THF(tetrahydrofuran、テトラヒドロフラン)を5:3:8の割合で混合した溶液を加え、8時間撹拌することで、TBS基を選択的に脱保護し、アルコールである式(38)で表される化合物を得た。次いで、ジクロロメタン存在下で、縮合剤1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDCl・HCl)と4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)を用いて、イソ酪酸を添加し、式(39)で表される化合物を得た。さらに、ジクロロメタン存在下で、トリフルオロ酢酸(TFA)を加えることでBoc基が脱離した式(40)で表される化合物へと変換した(反応式(N-1)及び(N-2)参照)。
【実施例】
【0156】
【化36】
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【実施例】
【0157】
次いで、ピコリン酸誘導体を以下の工程にて合成した。3-ヒドロキシピリジンを出発物質として、カリウムtert-ブトキシドとメトキシメチルクロライドにより、メトキシメチルエーテル体である式(41)で表される化合物に変換した。さらに、tert-ブチルリチウムにより、式(41)で表される化合物の4位を位置選択的にリチオ化し、1,2-ジブロモ-1,1,2,2-テトラフルオロエタンで処理することで、4-ブロモ体である式(42)で表される化合物へと変換した。次いで、ナトリウムメトキシドで処理することにより、4位で置換反応が起こり、4-メトキシ体である式(43)で表される化合物が得られた(反応式(O-1)参照)。さらに、式(43)で表される化合物を含むTHFを溶媒とする溶液にtert-ブチルリチウムを添加し、COガスを吹き込むことでカルボキシル基を導入し、1M塩酸で処理することにより、ピコリン酸誘導体である式(45)で表される化合物を得た(反応式(O-2)参照)。
【実施例】
【0158】
【化37】
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【実施例】
【0159】
得られたピコリン酸誘導体である式(45)で表される化合物と、9員環ジラクトンである式(40)で表される化合物とをカップリング反応させることで、UK-2Aである式(1-1-1)で表される化合物を得た(反応式(P-1)参照)。
上記合成で得られた式(1-1-1)で表される化合物の同定結果を以下に示す。
H-NMR(CDCl, δppm)11.90(1H,s),8.73(1H,d,J=6.2Hz),7.99(1H,d,J=4.8Hz),7.26(2H,t,J=7.3Hz),7.19(1H,t,J=7.3Hz),7.12(2H,d,J=7.3Hz), 6.87(1H,d,J=4.8Hz),5.33(1H,br),5.20(1H,dd,J=9.5,9.5Hz),5.15(1H,br q,J=5.5Hz),4.99(1H,dq,J=9.5,6.2Hz),3.95(3H,s),3.68(1H,br),2.97(1H,td,J=9.5Hz),2.96(1H,dd,J=11.7,9.5Hz),2.72(1H,br d,J=11.7Hz),2.60(1H,septet,J=7.0Hz),1.32(3H,J=6.2Hz),1.23(6H, d,J=7.0Hz)
【実施例】
【0160】
【化38】
JP2017019757A_000039t.gif
【実施例】
【0161】
[実施例2]式(1-1-2)で表される化合物の製造
実施例1と同様の方法で、式(26)で表される化合物を得た(反応式(A-1)及び(H-1)参照)。次に、式(46)で表される化合物と式(11)で表される化合物とを反応させて、式(47)で表される化合物を合成した(反応式(I-2)参照)。
【実施例】
【0162】
【化39】
JP2017019757A_000040t.gif
【実施例】
【0163】
次に、式(26)で表される化合物と式(47)で表される化合物とを用いて、不斉Evans aldol反応を行い、式(48)で表される化合物が得た。さらに、水酸化リチウムと過酸化水素水を用いて加水分解を行い、不斉補助基を除去した(反応式(J-2)参照)。
【実施例】
【0164】
【化40】
JP2017019757A_000041t.gif
【実施例】
【0165】
前記反応式(J-2)で得られたヒドロキシカルボン酸である式(49)で表される化合物のヒドロキシル基をTBS(tert-butyldimethylsilyl group、tert-ブチルジメチルシリル基)保護することで、カルボン酸である式(50)で表される化合物に変換した。次いで、式(50)で表される化合物のカルボキシル基をベンジルアルコール、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)とトリフェニルホスフィン(PPh)を用いてベンジル保護した。さらに、2,3-ジクロロ-5,6-p-ベンゾキノン(DDQ)を用いて酸化的にMPM基を脱保護して、アルコールである式(52)で表される化合物を得た(反応式(K-2)参照)。
【実施例】
【0166】
【化41】
JP2017019757A_000042t.gif
【実施例】
【0167】
アルコールである式(52)で表される化合物と、実施例1と同様にL-セリン由来のカルボン酸である式(33)で表される化合物とを用いて、カップリング反応を行った。縮合剤として、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDCI・HCl)と、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)を用いることで、式(53)で表される化合物を得た。次いで、Pd(OH)を触媒として用いて常圧で水素添加することで、脱ベンジル化を行い、環化前駆体である式(54)で表される化合物を得た(反応式(L-2)参照)。
【実施例】
【0168】
【化42】
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【実施例】
【0169】
環化前駆体である式(54)で表される化合物を、エトキシビニルエステルを経由するラクトン化反応により、閉環した。先ず、環化前駆体である式(54)で表される化合物を、ジクロロ(p-シメン)ルテニウムダイマーとエトキシアセチレンを用いて、エトキシビニルエステルである式(55)で表される化合物に変換した。次いで、80℃に保持した触媒量の(±)-カンファスルホン酸を含んだジクロロエタン溶液に、エトキシビニルエステルである式(55)で表される化合物を含む溶液を還流下で7時間かけてゆっくり加え、9員環ジラクトンである式(56)で表される化合物を得た(反応式(M-2)参照)。
【実施例】
【0170】
【化43】
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【実施例】
【0171】
前記反応式(M-2)で得られた9員環ジラクトンである式(56)で表される化合物にフッ化水素-ピリジン錯体、ピリジン、THF(tetrahydrofuran、テトラヒドロフラン)を5:3:8の割合で混合した溶液を加え、8時間撹拌することで、TBS基を選択的に脱保護し、アルコールである式(57)で表される化合物を得た。次いで、ピリジン存在下で、イソ酪酸クロライドを添加し、アミノ基の根元のC-3位がエピ化した式(58)で表される化合物を得た。さらに、ジクロロメタン存在下で、トリフルオロ酢酸(TFA)を加えることでBoc基が脱離した式(59)で表される化合物へと変換した(反応式(N-3)及び(N-4)参照)。
【実施例】
【0172】
【化44】
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【実施例】
【0173】
実施例1と同様の方法で、ピコリン酸誘導体を調製した(反応式(O-1)及び(O-2)参照)。ピコリン酸誘導体である式(45)で表される化合物と、9員環ジラクトンである式(59)で表される化合物とをカップリング反応させることで、式(1-1-2)で表される化合物を得た(反応式(P-2)参照)。
上記合成で得られた式(1-1-2)で表される化合物の同定結果を以下に示す。
H-NMR(CDCl, δppm)12.42(1H,s),8.84(1H,br d,J=7.8Hz),7.72(1H,d,J=5.1Hz),6.06(1H,d,J= 5.1Hz),5.29(1H,t,J=9.8Hz),5.43-5.27(1H,m),5.15-5.07(1H,m),4.95(1H,dq,J=9.8,6.3Hz),3.06(3H,s),2.53-2.46(1H,m),2.26(1H,septet,J=6.9Hz),1.95-1.86(2H,m),1.38-1.10(4H,m),1.08(3H,d,J=6.3Hz),0.99(3H,d,J=7.1Hz),0.97(3H,d,J=7.1Hz),0.75(3H,t,J=7.1Hz)
【実施例】
【0174】
【化45】
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【実施例】
【0175】
[実施例3]式(1-1-3)で表される化合物の製造
実施例1と同様の方法で、アルコールである式(38)で表される化合物を得た(反応式(A-1)、(H-1)、(I-1)、(J-1)、(K-1)、(L-1)、(M-1)及び(N-1)参照)。続いて、ジクロロメタン存在下で、縮合剤1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDCl・HCl)と4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)を用いて、イソ吉草酸を添加し、式(60)で表される化合物を得た。さらに、ジクロロメタン存在下で、トリフルオロ酢酸(TFA)を加えることでBoc基が脱離した式(61)で表される化合物へと変換した(反応式(N-5)参照)。
【実施例】
【0176】
【化46】
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【実施例】
【0177】
実施例1と同様の方法で、ピコリン酸誘導体を調製した(反応式(O-1)及び(O-2)参照)。ピコリン酸誘導体である式(45)で表される化合物と、9員環ジラクトンである式(61)で表される化合物とをカップリング反応させることで、式(1-1-3)で表される化合物を得た(反応式(P-3)参照)。
上記合成で得られた式(1-1-3)で表される化合物の同定結果を以下に示す。
H-NMR(CDCl, δppm)12.37(1H,s),8.75(1H,br d,J=7.3Hz),7.67(1H,d,J=5.1Hz),7.12-7.07(4H,m),7.02-6.98(1H,m),6.03(1H,d,J=5.2Hz),5.41(1H,t,J=10.0Hz),5.16(1H,m),5.03-4.96(2H, m),3.14(1H,dd,J=11.7,13.4Hz),3.09(3H,s),2.93(1H,dt,J=3.0,9.9Hz),2.78(1H,dd,J=3.2,13.4Hz),2.01(1H,septet,J=6.6Hz),1.92-1.86(2H,m),1.12(3H,d,J=6.3Hz),0.797(3H,d,J=6.6Hz),0.795(3H,d,J=6.6Hz)
【実施例】
【0178】
【化47】
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【実施例】
【0179】
[実施例4]式(1-1-4)で表される化合物の製造
実施例1と同様の方法で、式(40)で表される化合物を得た(反応式(A-1)、(H-1)、(I-1)、(J-1)、(K-1)、(L-1)、(M-1)、(N-1)及び(N-2)参照)。続いて、サリチル酸誘導体を以下の工程にて合成した。3-アミノサリチル酸を出発物質として、3-アミノサリチル酸のアミノ基をTHF溶媒中にてN-ホルミルサッカリンと撹拌することでホルミル化した。得られたヒドロキシカルボン酸である式(62)で表される化合物のヒドロキシル基が続くアミド化において障害となるため、カルボキシル基をメチルエステルに変換した後、ヒドロキシル基をベンジル保護した。さらに、水酸化リチウムを用いた加水分解によりサリチル酸誘導体である式(65)で表される化合物に変換した(反応式(O-3)及び(O-4)参照)。
【実施例】
【0180】
【化48】
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【実施例】
【0181】
サリチル酸誘導体である式(65)で表される化合物と、9員環ジラクトンである式(40)で表される化合物とをDMF溶媒中で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDCl・HCl)と1-ヒドロキシベンゾチアゾール(HOBt)、N-メチルモルホリン(NMM)を用いて縮合し、式(66)で表される化合物を合成した。さらに、Pd(OH)存在下で水素を添加することにより、式(1-1-4)で表される化合物を得た(反応式(P-4)及び(P-5)参照)。
上記合成で得られた式(1-1-4)で表される化合物の同定結果を以下に示す。
H-NMR(CDCl, δppm)12.59(1H,s),8.51(1H,d,J=8.1Hz),8.49(1H,s),8.06(1H,br s),7.34-7.11(6H,m),6.86(1H,t,J=8.1Hz),5.45(1H,m),5.33-5.15(2H,m),5.07-4.93(1H,m),3.63(1H,br s),3.10-2.90(2H,m),2.73(1H,d,J=11.0Hz),2.63(1H,septet,J=6.8Hz),1.33(3H,d,J=6.1Hz),1.25(6H,d,J=6.8Hz)
【実施例】
【0182】
【化49】
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【実施例】
【0183】
[試験例1]細胞毒性の評価(1)
実施例1~4で調製した化合物と比較例1としてアンチマイシンA(Sigma-Aldrich社製、アンチマイシンA,A,A,Aの混合物)の細胞毒性を評価した。評価方法は以下の通りである。
ブタ肝臓細胞由来のLLC-PK1培養細胞に各化合物を含む培地を添加し、1時間培養した。ブランクコントロールとして、化合物を添加していないものも用意した。ブランクコントロールで形成されたコロニー数を100%として各化合物を含む細胞でのコロニー形成率を算出し,コロニーの形成を50%阻害する濃度(IC50値)を求めた。結果を表1に示した。
【実施例】
【0184】
【表1】
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【実施例】
【0185】
表1から、アンチマイシンAでは強い細胞毒性を示したが、実施例1~4で調製した化合物では、細胞毒性を示さなかった。
【実施例】
【0186】
[試験例2]細胞毒性の評価(2)
次いで、実施例1で調製した化合物(UK-2A)と、比較例1としてアンチマイシンA(Sigma-Aldrich社製)及び比較例2として合成したスプレノシンBを用いて、試験例1とは別の評価方法により細胞毒性を評価した。アンチマイシンA及びスプレノシンBの構造は以下の通りである。なお、アンチマイシンA1a,A1b,A2a,A2b,A3a,A3b,A4a,A4bは、それぞれC-7位の側鎖の種類と、C-8位の側鎖脂肪酸の側鎖の種類及び置換様式が異なっており、これらの混合物を使用した。
【実施例】
【0187】
【化50】
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【実施例】
【0188】
評価方法について、詳細を説明する。培養したRBL-2H3細胞(ラット好塩基球性白血病細胞)の懸濁液に、各化合物を加え、24時間培養した。コントロールとして、化合物を添加していないものも準備した。上清を除去後、Cell Counting Kit-8(同仁化学研究所社製)と培地を添加し、1時間インキュベーターで培養し、測定を行った。測定値はコントロールと比較し、細胞増殖率を計算したものである。結果を図1に示した。
【実施例】
【0189】
図1から、比較例1及び比較例2の化合物では、40nMでは強い細胞毒性を示した。一方、実施例1の化合物であるUK-2Aでは、高濃度でも細胞毒性を示さなかった。
【実施例】
【0190】
試験例1及び試験例2の結果から、4位のメチル基の有無が細胞毒性に大きな影響を与えている可能性が示唆された。
【実施例】
【0191】
[試験例3]Th2サイトカイン産生阻害活性の評価
さらに、実施例1で調製した化合物(UK-2A)と、比較例1としてアンチマイシンA(Sigma-Aldrich社製)及び比較例2として合成したスプレノシンBを用いて、Th2サイトカイン産生阻害活性について評価した。評価方法は以下のとおりである。
24ウェルマイクロプレートにRBL-2H3細胞を2.5×10cells/well で播種した。一晩培養後、10%FBSを含むDMEM培地で50ng/mLとした抗DNP-IgE 抗体(Sigma社製)を500μL 添加し2時間培養した。培地で希釈した抽出液を125μL添加し、37℃で10分間加温後、100ng/mLのDNP-labeled human serum albumin(Sigma社製)を125μL加え,37℃で30分間反応させた。抽出液を含まない培地を添加し、同様に反応させたものをコントロールとした。また抗DNP-IgE抗体を含まない継代培地で培養し、抽出液を含まない培地を添加し、同様に反応させたものをブランクとした。反応後の細胞よりRNeasy kit(Qiagen社製)を用いてtotal RNAを抽出した。Random Primer(TaKaRa社製)及びPrimeScript Reverse Transcriptase(TaKaRa社製)を用いてcDNAを合成した。得られたcDNAをテンプレートとし、Fast SYBR Green Master Mix(Applied Biosystems)および目的遺伝子(IL-4、β-actin)特異的プライマー(TaKaRa社製)を添加後、リアルタイムPCRにてmRNA発現量の定量を行った。内部標準に用いたβ-actinに対する目的遺伝子発現の比率を計算し、コントロールに対する発現量変化を算出した。結果を図2に示した。
【実施例】
【0192】
図2から、実施例1、比較例1及び比較例2の化合物において、濃度依存的な発現抑制が認められるが、化合物間の差異は見られなかった。従って、実施例1、比較例1及び比較例2の化合物において、Th2サイトカイン産生阻害活性を有することが明らかである。
【実施例】
【0193】
試験例1~3より、アンチマイシンA及びスプレノシンBは、高濃度での細胞毒性を有するため、C-4位にメチル基を持たないUK-2A及びその誘導体がアレルギー抑制剤として有用であることが確認された。
【実施例】
【0194】
以上の結果から、本発明によれば、細胞毒性が低いアレルギーに対する効果的な治療剤を提供できることが明らかである。
図面
【図1】
0
【図2】
1