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明細書 :虚血再灌流障害軽減用組成物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-057184 (P2017-057184A)
公開日 平成29年3月23日(2017.3.23)
発明の名称または考案の名称 虚血再灌流障害軽減用組成物
国際特許分類 A61K  45/00        (2006.01)
A61K  31/506       (2006.01)
A61P   9/10        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
A61P  11/00        (2006.01)
A61P   1/16        (2006.01)
A61P   9/00        (2006.01)
A61P  13/12        (2006.01)
A61P   1/00        (2006.01)
A61P   1/18        (2006.01)
A01N   1/02        (2006.01)
C12N   9/99        (2006.01)
FI A61K 45/00
A61K 31/506
A61P 9/10
A61P 43/00 101
A61P 11/00
A61P 1/16
A61P 9/00
A61P 13/12
A61P 1/00
A61P 1/18
A01N 1/02
C12N 9/99
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 14
出願番号 特願2015-185848 (P2015-185848)
出願日 平成27年9月18日(2015.9.18)
発明者または考案者 【氏名】伊達 洋至
【氏名】芳川 豊史
【氏名】田中 里奈
出願人 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000154、【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 4C084
4C086
4H011
Fターム 4C084AA17
4C084NA14
4C084ZA362
4C084ZA592
4C084ZA662
4C084ZA752
4C084ZA812
4C084ZB212
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC42
4C086BC50
4C086BC82
4C086CB05
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA10
4C086GA12
4C086MA02
4C086MA05
4C086NA14
4C086ZA36
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZB21
4H011BB09
4H011CA01
4H011CB05
4H011CD02
要約 【課題】虚血再灌流障害を効果的に軽減する組成物を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る虚血再灌流障害軽減用組成物は、c-Ablチロシンキナーゼ阻害剤を含む。前記虚血再灌流障害軽減用組成物は、固形臓器保存液であってもよい。また、前記虚血再灌流障害軽減用組成物は、固形臓器移植、血栓塞栓症、及び臓器又は組織への血流の少なくとも一部の遮断を伴う手術のいずれかにおいて患者に投与される虚血再灌流障害軽減剤であってもよい。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
c-Ablチロシンキナーゼ阻害剤を含む、虚血再灌流障害軽減用組成物。
【請求項2】
下記(a)~(c)のいずれかにおける虚血再灌流障害の軽減に使用される、請求項1に記載の組成物:
(a)固形臓器移植;、
(b)血栓塞栓症;、
(c)臓器又は組織への血流の少なくとも一部の遮断を伴う手術。
【請求項3】
前記(a)に使用される固形臓器保存液である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
下記(a1)~(a3)からなる群より選択される1つ以上に使用される、請求項3に記載の組成物:
(a1)脳死ドナーの摘出前の移植用固形臓器のフラッシング;、
(a2)摘出された移植前の移植用固形臓器のフラッシング;、
(a3)摘出された移植前の移植用固形臓器の保存。
【請求項5】
前記(a)~(c)のいずれかにおいて患者に投与される虚血再灌流障害軽減剤である、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
下記(a4)、(a5)、(b1)、(b2)、(c1)及び(c2)からなる群より選択される1つ以上に使用される、請求項5に記載の組成物:
(a4)固形臓器移植レシピエントへの固形臓器移植前における投与;、
(a5)固形臓器移植レシピエントへの固形臓器移植以後における投与;、
(b1)血栓塞栓症患者への再灌流開始前における投与;、
(b2)血栓塞栓症患者への再灌流開始以後における投与;、
(c1)臓器又は組織への血流の少なくとも一部の遮断を伴う手術を受ける患者への再灌流開始前における投与;、
(c2)臓器又は組織への血流の少なくとも一部の遮断を伴う手術を受けた患者への再灌流開始以後における投与。
【請求項7】
前記固形臓器は、肺、肝臓、心臓、腎臓、膵臓又は小腸である、請求項2乃至6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記c-Ablチロシンキナーゼ阻害剤は、イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、バフェチニブ及びポナチニブからなる群より選択される1つ以上、又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物である、請求項1乃至7のいずれかに記載の組成物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、虚血再灌流障害軽減用組成物に関し、特に、固形臓器保存液及び虚血再灌流障害軽減剤に関する。
【背景技術】
【0002】
虚血再灌流障害は、臓器移植後、血栓塞栓後、虚血を伴う手術後、心肺蘇生後及び外傷後等、生体内において虚血後の臓器及び組織に血液の灌流が再開される場合に発症し得る合併症である。例えば、肺虚血再灌流障害は、肺移植後の早期グラフト機能不全や、血栓塞栓性肺動脈高血圧症に対する肺動脈バルーン形成後の肺水腫等の原因となる。肺虚血再灌流障害に対しては、ステロイド投与、NO吸入、サーファクタント吸入等の治療法が行われているが、効果的な治療とは言い難い(非特許文献1)。なお、臓器移植に関連して、移植用生体組織の保存に使用される溶液が開発されている(特許文献1、2、非特許文献2)。
【0003】
一方、イマチニブは、c-Ablチロシンキナーゼ阻害剤の一つとして知られ、慢性骨髄性白血病(CML)、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)及びKIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍(GIST)に対する薬剤として使用されている。また、イマチニブによる他の効果も報告されている(非特許文献3~8)。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】国際公開第2006/068226号
【特許文献2】特開2012-116823号公報
【0005】

【非特許文献1】Suzuki, Y., E. Cantu, and J.D. Christie, Primary graft dysfunction. Semin Respir Crit Care Med, 2013. 34(3): p. 305-19.
【非特許文献2】Chen, F., T. Nakamura, and H. Wada, Development of new organ preservation solutions in Kyoto University. Yonsei Med J, 2004. 45(6): p. 1107-14.
【非特許文献3】Aman, J., et al., Effective treatment of edema and endothelial barrier dysfunction with imatinib. Circulation, 2012. 126(23): p. 2728-38.
【非特許文献4】Chislock, E.M. and A.M. Pendergast, Abl family kinases regulate endothelial barrier function in vitro and in mice. PLoS One, 2013. 8(12): p. e85231.
【非特許文献5】Daniels, C.E., et al., Imatinib mesylate inhibits the profibrogenic activity of TGF-β and prevents bleomycin-mediated lung fibrosis. Journal of Clinical Investigation, 2004. 114(9): p. 1308-1316.
【非特許文献6】Kim, I.K., et al., Effect of tyrosine kinase inhibitors, imatinib and nilotinib, in murine lipopolysaccharide-induced acute lung injury during neutropenia recovery. Crit Care, 2013. 17(3): p. R114.
【非特許文献7】Letsiou, E., et al., Differential and opposing effects of imatinib on LPS- and ventilator-induced lung injury. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol, 2015. 308(3): p. L259-69.
【非特許文献8】Marius M. Hoeper, et al., Imatinib Mesylate as Add-on Therapy for Pulmonary Arterial Hypertension -Results of the Randomized IMPRES Study. Circulation, 2013. 127(10): p.1128-1138.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来、虚血再灌流障害を回避することは容易ではなかった。なお、従来、イマチニブ等のc-Abl阻害剤が、虚血再灌流障害を軽減することは知られていなかった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、虚血再灌流障害を効果的に軽減する組成物を提供することをその目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る虚血再灌流障害軽減用組成物は、c-Ablチロシンキナーゼ阻害剤を含むことを特徴とする。本発明によれば、虚血再灌流障害を効果的に軽減する組成物を提供することができる。
【0009】
また、前記虚血再灌流障害軽減用組成物は、次の(a)~(c)のいずれかにおける虚血再灌流障害の軽減に使用されることとしてもよい:(a)固形臓器移植;、(b)血栓塞栓症;、(c)臓器又は組織への血流の少なくとも一部の遮断を伴う手術。この場合、前記虚血再灌流障害軽減用組成物は、前記(a)に使用される固形臓器保存液であることとしてもよい。さらに、この場合、固形臓器保存液は、次の(a1)~(a3)からなる群より選択される1つ以上に使用されることとしてもよい:(a1)脳死ドナーの摘出前の移植用固形臓器のフラッシング;、(a2)摘出された移植前の移植用固形臓器のフラッシング;、(a3)摘出された移植前の移植用固形臓器の保存。
【0010】
また、前記虚血再灌流障害軽減用組成物は、前記(a)~(c)のいずれかにおいて患者に投与される虚血再灌流障害軽減剤であることとしてもよい。この場合、前記虚血再灌流障害軽減剤は、次の(a4)、(a5)、(b1)、(b2)、(c1)及び(c2)からなる群より選択される1つ以上に使用されることとしてもよい:(a4)固形臓器移植レシピエントへの固形臓器移植前における投与;、(a5)固形臓器移植レシピエントへの固形臓器移植以後における投与;、(b1)血栓塞栓症患者への再灌流開始前における投与;、(b2)血栓塞栓症患者への再灌流開始以後における投与;、(c1)臓器又は組織への血流の少なくとも一部の遮断を伴う手術を受ける患者への再灌流開始前における投与;、(c2)臓器又は組織への血流の少なくとも一部の遮断を伴う手術を受けた患者への再灌流開始以後における投与。
【0011】
また、前記固形臓器は、肺、肝臓、心臓、腎臓、膵臓又は小腸であることとしてもよい。また、前記c-Ablチロシンキナーゼ阻害剤は、イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、バフェチニブ及びポナチニブからなる群より選択される1つ以上、又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物であることとしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、虚血再灌流障害を効果的に軽減する組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る実施例1において虚血再灌流後の肺を評価した結果を示す説明図である。
【図2A】本発明の一実施形態に係る実施例2において虚血再灌流後の動脈血液ガスを評価した結果を示す説明図である。
【図2B】本発明の一実施形態に係る実施例2において虚血再灌流後の最大気道内圧を評価した結果を示す説明図である。
【図2C】本発明の一実施形態に係る実施例2において虚血再灌流後の肺コンプライアンスを評価した結果を示す説明図である。
【図2D】本発明の一実施形態に係る実施例2において虚血再灌流後の肺の湿重量/乾重量比を評価した結果を示す説明図である。
【図3A】本発明の一実施形態に係る実施例2において虚血再灌流後の肺の組織を観察した結果の一例を示す説明図である。
【図3B】本発明の一実施形態に係る実施例2において虚血再灌流後の肺の組織を観察した結果の他の例を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る実施例2においてCrkLをウェスタンブロットで評価した結果を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は本実施形態に限られるものではない。

【0015】
本実施形態に係る虚血再灌流障害軽減用組成物(以下、「本組成物」という。)は、c-Ablチロシンキナーゼ阻害剤(以下、「c-Abl阻害剤」という。)を含む。

【0016】
すなわち、本発明は、c-Abl阻害剤が虚血再灌流障害を軽減するという本願発明者らによる独自の知見に基づき為されたものである。このため、本組成物は、虚血再灌流障害を軽減する有効成分としてc-Abl阻害剤を含む。そして、本組成物は、虚血再灌流障害を軽減するために使用される。

【0017】
したがって、本実施形態は、虚血再灌流障害の軽減にc-Abl阻害剤を使用する方法、虚血再灌流障害軽減用組成物の有効成分としてのc-Abl阻害剤の使用、及びc-Abl阻害剤を含む組成物を使用して虚血再灌流障害を軽減する方法を含む。

【0018】
本組成物が適用される対象は、ヒト及びヒト以外の動物のいずれであってもよいが、本組成物はヒトに適用されることが好ましい。すなわち、本組成物は、ヒトの虚血再灌流障害を軽減するために使用されることが好ましい。

【0019】
本組成物に含まれるc-Abl阻害剤は、生体の臓器又は組織においてc-Ablチロシンキナーゼを阻害する化合物であれば特に限られないが、例えば、イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、バフェチニブ及びポナチニブからなる群より選択される1つ以上、又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物であることとしてもよい。

【0020】
より具体的に、イマチニブ又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物としては、特に限られないが、例えば、イマチニブメシル酸塩が好ましく使用される。ニロチニブ又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物としては、特に限られないが、例えば、ニロチニブ塩酸塩水和物であってもよい。ダサチニブ又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物としては、特に限られないが、例えば、ダサチニブ水和物であってもよい。ポナチニブ又はその薬学的に許容される塩若しくは水和物としては、特に限られないが、例えば、ポナチニブ塩酸塩であってもよい。

【0021】
本組成物を虚血再灌流障害に使用する態様は特に限られないが、例えば、次の(a)~(c)のいずれかにおける虚血再灌流障害の軽減に使用されることとしてもよい:(a)固形臓器移植;、(b)血栓塞栓症;、(c)臓器又は組織への血流の少なくとも一部の遮断を伴う手術。

【0022】
固形臓器移植において、移植用の固形臓器は、ドナーから摘出され、レシピエントに移植されるまでの間、虚血状態となり、その後、レシピエントに移植されることで血液の灌流が再開される。そこで、本組成物は、レシピエントに移植された固形臓器における虚血再灌流障害を軽減するために使用される。

【0023】
血栓塞栓症患者においては、血栓塞栓によって臓器又は組織が虚血状態となり、その後、当該血栓塞栓に対する処置が施されることで当該臓器又は組織への血液の灌流が再開される。そこで、本組成物は、血栓塞栓症患者の処置後の臓器又は組織における虚血再灌流障害を軽減するために使用される。

【0024】
臓器又は組織の手術においては、当該臓器又は組織への血流の少なくとも一部を一時的に遮断することがある。このような臓器又は組織への血流の少なくとも一部の遮断を伴う手術を受ける患者の当該臓器又は組織は、手術前に、血流の少なくとも一部が遮断されて虚血状態となり、その後、手術が終了して当該遮断が解除されることで当該臓器又は組織への血液の灌流が再開される。そこで、本組成物は、手術後の患者の臓器又は組織における虚血再灌流障害を軽減するために使用される。

【0025】
なお、本実施形態において、固形臓器は特に限られないが、例えば、肺、肝臓、心臓、腎臓、膵臓又は小腸であるであることとしてもよい。

【0026】
本組成物は、上記(a)に使用される固形臓器保存液であることとしてもよい。すなわち、この場合、本組成物は、c-Abl阻害剤を含む固形臓器保存液である。本保存液は、移植用の固形臓器を保存するために使用される溶液である。

【0027】
したがって、本実施形態は、固形臓器保存液の有効成分としてのc-Abl阻害剤の使用、及びc-Abl阻害剤を含む固形臓器保存液を使用して移植用固形臓器を保存する方法を含む。

【0028】
本実施形態に係る固形臓器保存液(以下、「本保存液」という。)は、レシピエントに移植するためにドナーから摘出された固形臓器を、当該レシピエントへの移植後も適切に機能するように保存するための溶液である。

【0029】
このため、本保存液は、c-Abl阻害剤と、当該c-Abl阻害剤を溶解する溶媒とを含む。本保存液は、溶媒として、少なくとも水を含むことが好ましい。また、本保存液は、移植用固形臓器に含まれる細胞の生存及び機能を維持するために必要な成分(例えば、当該細胞のエネルギー源となる成分、浸透圧を調整する成分、及びpHを調整する成分)を含有する。

【0030】
本保存液の組成は、使用される条件に応じて適宜設定されるため特に限られないが、例えば、糖類(グルコースやトレハロース等)、塩類(ナトリウムやカリウム等)、及び緩衝剤(リン酸やクエン酸等)を含むことが好ましい。

【0031】
具体的に、本保存液は、例えば、c-Abl阻害剤を含む、生理食塩水、緩衝液(リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リンゲル液、クレブス液等)、Euro-Collins(EC)液、University of Wisconsin(UW)液、ET-Kyotо液、EP-TU液又はPerfadex液であることとしてもよい。また、本保存液は、内液型の臓器保存液であってもよいし、外液型の臓器保存液であってもよいが、外液型の臓器保存液であることが好ましい。

【0032】
本保存液におけるc-Abl阻害剤の含有量は、虚血再灌流障害軽減効果が得られる範囲であれば特に限られないが、例えば、400mg/L~1000mg/Lの範囲内であることが好ましい。

【0033】
使用される本保存液の温度は、固形臓器の保存に適した比較的低い温度範囲内であることが好ましく、例えば、6℃以下(例えば、0℃以上、6℃以下の範囲)であることが好ましく、4℃以下(例えば、0℃以上、4℃以下の範囲)であることがより好ましい。

【0034】
なお、本実施形態において、本保存液は、生きたドナーに対しては使用されない。また、本実施形態において、本保存液は、凍結されることなく使用されることとしてもよい。すなわち、この場合、本保存液は、固形臓器の凍結保存には使用されない。

【0035】
本保存液は、次の(a1)~(a3)からなる群より選択される1つ以上に使用されることとしてもよい:(a1)脳死ドナーの摘出前の移植用固形臓器のフラッシング;、(a2)摘出された移植前の移植用固形臓器のフラッシング;、(a3)摘出された移植前の移植用固形臓器の保存。

【0036】
すなわち、本実施形態は、c-Abl阻害剤を含む固形臓器保存液を使用して、脳死ドナーの摘出前の移植用固形臓器をフラッシングする方法、摘出された移植前の移植用固形臓器をフラッシングする方法、及び摘出された移植前の移植用固形臓器を保存する方法を含む。なお、保存液による移植用固形臓器のフラッシングは、移植前の当該移植用固形臓器の血管内に当該保存液を流して、当該移植用固形臓器から血液を洗い流す洗浄操作である。

【0037】
上記(a1)においては、脳死ドナーから移植のための固形臓器を摘出する前に、当該脳死ドナーの固形臓器の血管内に本保存液を流して、当該固形臓器から血液を洗い流す。上記(a2)においては、ドナーから摘出された移植前の固形臓器の血管内に固形臓器保存液を流して、当該固形臓器から血液を洗い流す。上記(a3)においては、ドナーから摘出された移植前の固形臓器を、固形臓器保存液中に浸漬し、保存する。

【0038】
固形臓器移植においては、上記(a1)~(a3)のうち、少なくとも(a1)に本保存液を使用することが好ましく、(a1)~(a3)の全てに本保存液を使用することが特に好ましい。

【0039】
本保存液の使用量は、その目的に応じて適宜設定されるため特に限られない。すなわち、移植用固形臓器のフラッシングにおいては、当該固形臓器に含まれる血液を洗い流すために必要な量の本保存液が使用される。また、移植用固形臓器の保存においては、当該固形臓器の全体を浸漬するために必要な量の本保存液が使用される。

【0040】
また、本組成物は、上記(a)~(c)のいずれかにおいて患者に投与される虚血再灌流障害軽減剤であることとしてもよい。すなわち、この場合、本組成物は、c-Abl阻害剤を有効成分として含む医薬組成物であり、上記(a)~(c)のいずれかにおいて、虚血再灌流障害を軽減するために患者に投与される。

【0041】
したがって、本実施形態は、上記(a)~(c)のいずれかにおいて患者に投与される虚血再灌流障害軽減剤の有効成分としてのc-Abl阻害剤の使用、及び上記(a)~(c)のいずれかにおいて、c-Abl阻害剤を含む虚血再灌流障害軽減剤を患者に投与して当該患者における虚血再灌流障害を軽減する方法を含む。

【0042】
本実施形態に係る虚血再灌流障害軽減剤(以下、「本剤」という。)は、次の(a4)、(a5)、(b1)、(b2)、(c1)及び(c2)からなる群より選択される1つ以上に使用されることとしてもよい:(a4)固形臓器移植レシピエントへの固形臓器移植前における投与;、(a5)固形臓器移植レシピエントへの固形臓器移植以後における投与;、(b1)血栓塞栓症患者への再灌流開始前における投与;、(b2)血栓塞栓症患者への再灌流開始以後における投与;、(c1)臓器又は組織への血流の少なくとも一部の遮断を伴う手術を受ける患者への再灌流開始前における投与;、(c2)臓器又は組織への血流の少なくとも一部の遮断を伴う手術を受けた患者への再灌流開始以後における投与。

【0043】
すなわち、本実施形態は、固形臓器移植レシピエントに固形臓器移植前及び/又は固形臓器移植後以後に投与される虚血再灌流障害軽減剤の有効成分としてのc-Abl阻害剤の使用、血栓塞栓症患者に再灌流開始前及び/又は再灌流開始以後に投与される虚血再灌流障害軽減剤の有効成分としてのc-Abl阻害剤の使用、及び臓器又は組織への血流の少なくとも一部の遮断を伴う手術を受ける患者に再灌流開始前及び/又は再灌流開始以後に投与される虚血再灌流障害軽減剤の有効成分としてのc-Abl阻害剤の使用を含む。

【0044】
また、本実施形態は、c-Abl阻害剤を含む虚血再灌流障害軽減剤を、固形臓器移植前及び/又は固形臓器移植以後の固形臓器移植レシピエントに投与して当該レシピエントの虚血再灌流障害を軽減する方法、再灌流開始前及び/又は再灌流開始以後の血栓塞栓症患者に投与して当該患者の虚血再灌流障害を軽減する方法、及び再灌流開始前及び/又は再灌流開始以後の、臓器又は組織への血流の少なくとも一部の遮断を伴う手術を受ける患者に投与して当該患者の虚血再灌流障害を軽減する方法を含む。

【0045】
上記(a4)については、固形臓器移植において、固形臓器が移植される前のレシピエントに本剤を投与する。移植前に本剤を投与するタイミングは、本剤による虚血再灌流障害軽減効果が得られる範囲であれば特に限られないが、例えば、レシピエントに固形臓器が移植される24時間前から当該固形臓器が移植されるまでの1以上のタイミングであることとしてもよい。

【0046】
上記(a5)については、固形臓器移植において、固形臓器が移植された以後のレシピエントに本剤を投与する。具体的には、レシピエントに固形臓器を移植するのと同時(当該固形臓器への血液の再灌流開始時)、及び/又は当該移植の後(当該固形臓器への血液の再灌流開始後)に本剤を当該レシピエントに投与する。移植後に本剤を投与するタイミングは、本剤による虚血再灌流障害軽減効果が得られる範囲であれば特に限られないが、例えば、当該レシピエントに固形臓器が移植されてから72時間以内の1以上のタイミングであることとしてもよい。なお、原発性移植片機能不全(Primary graft dysfunction)は、移植後(臓器グラフトの再灌流開始後)72時間以内に起こる移植臓器の機能不全である。

【0047】
上記(b1)については、血栓塞栓によって臓器又は組織に虚血が生じている患者において、当該血栓塞栓に対する処置(当該血栓塞栓による虚血を解除するための処置)による当該臓器又は組織への血液の再灌流開始前に、本剤を当該患者に投与する。再灌流開始前に本剤を投与するタイミングは、本剤による虚血再灌流障害軽減効果が得られる範囲であれば特に限られないが、例えば、血栓塞栓に対する処置によって患者の臓器又は組織への血液の再灌流が開始される24時間前から、当該再灌流が開始されるまでの1以上のタイミングであることとしてもよい。

【0048】
上記(b2)については、血栓塞栓によって臓器又は組織に虚血が生じている患者において、当該血栓塞栓に対する処置による当該臓器又は組織への血液の再灌流開始以後に、本剤を当該患者に投与する。具体的には、血栓塞栓に対する処置によって、患者の臓器又は組織への血液の再灌流が開始されるのと同時、及び/又は当該再灌流が開始された後に本剤を当該レシピエントに投与する。再灌流開始後に本剤を投与するタイミングは、本剤による虚血再灌流障害軽減効果が得られる範囲であれば特に限られないが、例えば、血栓塞栓に対する処置によって患者の臓器又は組織への血液の再灌流が開始されてから72時間以内の1以上のタイミングであることとしてもよい。

【0049】
上記(c1)については、臓器又は組織への血流の少なくとも一部の遮断を伴う手術を受ける患者において、当該臓器又は組織への血液の再灌流開始前に、本剤を当該患者に投与する。再灌流開始前に本剤を投与するタイミングは、本剤による虚血再灌流障害軽減効果が得られる範囲であれば特に限られないが、例えば、手術前に、患者の臓器又は組織への血流の少なくとも一部を遮断する24時間前から、当該遮断までの1以上のタイミング、及び/又は当該遮断以後から、手術後に当該臓器又は組織への血液の再灌流が開始されるまでの1以上のタイミングであることとしてもよい。

【0050】
上記(c2)については、臓器又は組織への血流の少なくとも一部の遮断を伴う手術を受けた患者(手術後の患者)において、当該臓器又は組織への血液の再灌流開始以後に、本剤を当該患者に投与する。具体的には、手術後に、患者の臓器又は組織への血液の少なくとも一部の遮断が解除されて、当該臓器又は組織への血液の再灌流が開始されるのと同時、及び/又は当該再灌流が開始された後に本剤を当該レシピエントに投与する。再灌流開始後に本剤を投与するタイミングは、本剤による虚血再灌流障害軽減効果が得られる範囲であれば特に限られないが、例えば、患者の臓器又は組織への血液の少なくとも一部の遮断が解除されて当該臓器又は組織への血液の再灌流が開始されてから72時間以内の1以上のタイミングであることとしてもよい。

【0051】
上記(a)固形臓器移植におけるレシピエントへの本剤の投与については、少なくとも上記(a4)に使用することが好ましく、上記(a4)及び(a5)の両方に使用することがより好ましい。

【0052】
上記(b)血栓塞栓症における患者への本剤の投与については、少なくとも上記(b1)に使用することが好ましく、上記(b1)及び(b2)の両方に使用することがより好ましい。

【0053】
上記(c)臓器又は組織への血流の少なくとも一部の遮断を伴う手術を受ける患者への本剤の投与については、少なくとも上記(c1)に使用することが好ましく、上記(c1)及び(c2)の両方に使用することがより好ましい。

【0054】
本剤は、c-Abl阻害剤と、薬学的に許容される担体又は賦型剤とを含むこととしてもよい。また、本剤は、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、安定化剤等の他の添加剤をさらに含むこととしてもよい。これら担体、賦型剤、及び添加剤としては、通常の医薬製剤に使用されるものが使用される。

【0055】
本剤の剤形は特に限られず、本剤は、経口製剤であってもよいし、非経口製剤であってもよい。本剤は、固形製剤であってもよいし、液状製剤であってもよい。より具体的に、本剤は、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤、丸剤、又は液剤であってもよい。

【0056】
本剤の投与は、経口投与であってもよいし、非経口投与であってもよい。非経口投与は、例えば、静脈注射、筋肉注射、胸腔内投与、腹腔内投与又は経皮投与であってもよい。

【0057】
本剤の投与量は、虚血再灌流障害軽減効果が得られる範囲であれば特に限られないが、例えば、1日に体重1kgあたりのc-Abl阻害剤の投与量が8mg~50mg(8mg/kg~50mg/kg)の範囲内となるように、本剤を投与することが好ましい。

【0058】
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
【実施例1】
【0059】
虚血再灌流障害モデルとして動物の同種間肺移植を実施した。動物としては、Lewisラット(300g~350g)を使用した。c-Abl阻害剤としては、イマチニブメシル酸塩(和光純薬工業株式会社製)を使用した。臓器保存液としては、市販の臓器保存液(ET-Kyoto液、株式会社大塚製薬工場製)(以下、「保存液(-)」)、又は当該ET-Kyoto液にイマチニブメシル酸塩(750mg/L)(50mg/kg-ラット)を添加して調製された臓器保存液(以下、「保存液(+)」)を使用した。
【実施例1】
【0060】
まずドナーラットに麻酔をかけ、気管を切開して人工呼吸器を接続するとともに、ヘパリン300単位を静脈内投与した。次いで、保存液(-)又は保存液(+)を使用してドナーラットの肺のフラッシングを行った。すなわち、ドナーラットの肺動脈に20mLの保存液(-)又は保存液(+)を20cmHOの圧力で順方向(動脈血が流れる方向)に流すことにより、当該ドナーラットの肺から血液を洗い流した。その後、ドナーラットから心肺ブロックを摘出した。そして、摘出した心肺ブロックを30mLの保存液(-)又は保存液(+)中に浸漬して4℃で6時間保存した(冷虚血)。
【実施例1】
【0061】
一方、レシピエントラットにも麻酔をかけ、気管を切開して人工呼吸装器を接続し、左開胸を行った。そして、6時間冷虚血保存されたドナーラットの心肺ブロックから、移植用に左肺(肺グラフト)を採取し、当該肺グラフトをカフテクニック法によりレシピエントラットに移植した。次いでレシピエントラットの左肺を摘出するとともに、移植された肺グラフトに換気血流を再開させた(肺グラフトの再灌流開始)。移植後、レシピエントラットを麻酔下、人工呼吸器を接続した状態で2時間放置した。すなわち、肺グラフトへの血液の再灌流を2時間行った。
【実施例1】
【0062】
その後、レシピエントラットの左肺グラフトの肺静脈から血液を採取し、血液ガス(血液中の酸素分圧)を測定することで、当該左肺グラフトの酸素化能を評価した。次いで、右肺門をクランプで遮断して、左肺グラフトの気道内圧及び肺コンプライアンスを評価した。気道内圧及び肺コンプライアンスの評価にはFlexiVent装置(SCIREQ社製)を使用した。また、評価後の肺グラフトをレシピエントラットから摘出して、その湿重量及び乾重量を測定した。
【実施例1】
【0063】
図1には、評価結果を示す。すなわち、図1には、保存液(-)を使用した場合、及び保存液(+)を使用した場合のそれぞれについて、左肺(肺グラフト)の静脈血液ガス、最大気道内圧、肺コンプライアンス、及び乾重量/湿重量比を評価した結果を示す。
【実施例1】
【0064】
図1に示すように、左肺静脈の血液ガスは、保存液(-)を使用した場合より、保存液(+)を使用した場合の方が高かった。また、最大気道内圧は、保存液(-)を使用した場合より、保存液(+)を使用した場合の方が低かった。また、肺コンプライアンスは、保存液(-)を使用した場合より、保存液(+)を使用した場合の方が高かった。また、乾重量/湿重量比は、保存液(-)を使用した場合より、保存液(+)を使用した場合の方が低かった。
【実施例1】
【0065】
このように、イマチニブを含有する保存液(+)を使用した場合の方が、保存液(-)を使用した場合に比べて、肺グラフトの機能が高く、且つ肺グラフトにおける浮腫(肺水腫)の発生が低減された。すなわち、c-Abl阻害剤であるイマチニブを含有する保存液(+)を使用することにより、肺虚血再灌流障害が効果的に軽減された。
【実施例2】
【0066】
温虚血再灌流障害モデルとして動物肺門クランプモデルを使用した実験を行った。動物としては、Lewisラット(270g~320g)を使用した。c-Abl阻害剤としては、イマチニブメシル酸塩(和光純薬工業株式会社製)を使用した。虚血再灌流障害軽減剤としては、DMSOにイマチニブメシル酸塩(50mg/kg-ラット)を添加して調製された組成物(以下、「剤(+)」)を使用した。また、比較のために、剤(+)に代えて、イマチニブメシル酸塩を添加していないDMSOのみ(以下、「剤(-)」)を使用した実験も行った。
【実施例2】
【0067】
まずラットに麻酔をかけ、気管を切開して人工呼吸器を接続するとともに、ヘパリン50単位を静脈内投与した。次いで、ラットに0.5mLの剤(+)又は剤(-)を腹空内投与した。そして、ラットの左胸を開け、剤(+)又は剤(-)を投与してから20分後に、左肺門をクランプで遮断し、左肺を虚血状態で90分間維持した(温虚血)。その後、左肺門のクランプを外して、左肺の再灌流を開始した。
【実施例2】
【0068】
再灌流開始から120分後に、右肺門をクランプして遮断し、左肺のみの評価を行った。すなわち、右肺門のクランプ後に、動脈血ガス、気道内圧及び肺コンプライアンスを評価した。さらに、評価後の左肺をラットから摘出し、その湿重量及び乾重量を測定した。
【実施例2】
【0069】
また、評価後に摘出された左肺から組織片を採取して、HE染色による病理学的観察を行った。また、c-Abl/Argの特異的なターゲットであるCrkLについてウェスタンブロット法による評価を行った。すなわち、左肺の一部(肺組織片)を採取してホモジェナイザーで粉砕した後に冷却遠心分離を行い、上清を採取した。その上清を用いて、SDS(Sodium docecyl sulfate)-ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った。その後、ポリビニリデンジフルオライド膜にタンパク質を転写させた。そして、一次抗体、二次抗体を用いてインキュベーションした後に化学発光法でバンドを検出した。
【実施例2】
【0070】
図2A、図2B、図2C及び図2Dには、それぞれ左肺の動脈血液ガス、最大気道内圧、肺コンプライアンス及び乾重量/湿重量比を評価した結果を示す。なお、図2A~図2Dにおいて「Sham」は、ラットを麻酔下で左開胸し、剤(-)及び剤(+)のいずれも投与することなく90分放置し、さらに120分放置した比較例の結果を示す。
【実施例2】
【0071】
図2Aに示すように、左肺動脈の血液ガスは、剤(-)を投与した場合より、剤(+)を投与した場合の方が高かった。また、図2Bに示すように、最大気道内圧は、剤(-)を投与した場合より、剤(+)を投与した場合の方が低かった。また、図2Cに示すように、肺コンプライアンスは、剤(-)を投与した場合より、剤(+)を投与した場合の方が高かった。また、図2Dに示すように、乾重量/湿重量比は、剤(-)を投与した場合より、剤(+)を投与した場合の方が低かった。
【実施例2】
【0072】
このように、イマチニブを含有する剤(+)を投与した場合の方が、剤(-)を投与した場合に比べて、虚血後に再灌流を行った左肺の機能が高く、且つ当該左肺における浮腫(肺水腫)の発生が抑制された。すなわち、c-Abl阻害剤であるイマチニブを含有する剤(+)を投与することにより、肺虚血再灌流障害が効果的に軽減された。
【実施例2】
【0073】
図3A及び図3Bには、それぞれ剤(-)を投与した場合、及び剤(+)を投与した場合について、左肺から採取した組織切片をHE染色して観察した結果を示す顕微鏡写真である。
【実施例2】
【0074】
図3Aに示すように、剤(-)を投与した場合には、肺組織における血管の周囲(間質)が膨潤しており、当該血管の周囲に出血も見られた。これに対し、図3Bに示すように、剤(+)を投与した場合には、肺組織における血管の周囲における膨潤及び出血は抑制されていた。
【実施例2】
【0075】
これらの結果からも、イマチニブを含有する剤(+)を投与した場合の方が、剤(-)を投与した場合に比べて、虚血後に再灌流を行った左肺における浮腫(肺水腫)の発生が抑制されることが確認された。
【実施例2】
【0076】
図4には、ウェスタンブロット法により、c-Abl/Argの特異的なターゲットであるCrkL、及び当該CrkLのリン酸化により生成されるpCrkLを評価した結果を示す。
【実施例2】
【0077】
図4に示すように、イマチニブを含有する剤(+)を投与した場合の方が、剤(-)を投与した場合に比べて、虚血後に再灌流を行った左肺におけるCrkLのリン酸化が抑制されていた。この結果は、剤(+)に含有されていたイマチニブによるc-Ablチロシンキナーゼ阻害効果によるものと考えられた。
図面
【図1】
0
【図2A】
1
【図2B】
2
【図2C】
3
【図2D】
4
【図3A】
5
【図3B】
6
【図4】
7