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明細書 :アミド化合物及びこれを含有する医薬

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成29年3月16日(2017.3.16)
発明の名称または考案の名称 アミド化合物及びこれを含有する医薬
国際特許分類 C07D 213/81        (2006.01)
C07D 239/34        (2006.01)
A61K  31/44        (2006.01)
A61K  31/505       (2006.01)
A61P  25/28        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
FI C07D 213/81 CSP
C07D 239/34
A61K 31/44
A61K 31/505
A61P 25/28
A61P 43/00 111
A61P 43/00 ZNA
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 28
出願番号 特願2015-552453 (P2015-552453)
国際出願番号 PCT/JP2014/082521
国際公開番号 WO2015/087865
国際出願日 平成26年12月9日(2014.12.9)
国際公開日 平成27年6月18日(2015.6.18)
優先権出願番号 2013254908
2014112179
優先日 平成25年12月10日(2013.12.10)
平成26年5月30日(2014.5.30)
優先権主張国 日本国(JP)
日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】金井 求
【氏名】相馬 洋平
【氏名】新井 唯正
【氏名】新谷 卓士
出願人 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】国立研究開発法人科学技術振興機構
個別代理人の代理人 【識別番号】110000084、【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 4C055
4C086
Fターム 4C055AA01
4C055BA03
4C055BA42
4C055BA58
4C055BB02
4C055BB03
4C055BB04
4C055CA01
4C055DA06
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC17
4C086BC42
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA16
要約 優れたAβ凝集阻害作用を有し、医薬として有用な新たな化合物の提供。
一般式(1)
(式中、ZはCH又はNを示し;
A及びBは、同一又は異なって、-CH2-、-O-、-S-又は-NH-を示し;
1及びR2は、同一又は異なって、分岐鎖アルキル基、分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環式基を示し;
3は、分岐鎖アルキル基、分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を示す)
で表されるアミド化合物又はその塩。
JP2015087865A1_000009t.gif
特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(1)
【化1】
JP2015087865A1_000008t.gif
(式中、ZはCH又はNを示し;
A及びBは、同一又は異なって、-CH2-、-O-、-S-又は-NH-を示し;
1及びR2は、同一又は異なって、分岐鎖アルキル基、分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環式基を示し;
3は、分岐鎖アルキル基、分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を示す)
で表されるアミド化合物又はその塩。
【請求項2】
A及びBが、同一又は異なって、-CH2-又は-O-である請求項1記載のアミド化合物又はその塩。
【請求項3】
Aが、-CH2-又は-O-であり、Bが-CH2-である請求項1又は2記載のアミド化合物又はその塩。
【請求項4】
Aが、-O-であり、Bが-CH2-である請求項1~3のいずれか1項記載のアミド化合物又はその塩。
【請求項5】
1及びR2が、同一又は異なって、炭素数3~12の分岐鎖アルキル基、炭素数3~12の分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数7~18のアラルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基であり;R3が、炭素数3~12の分岐鎖アルキル基、炭素数3~12の分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6~18のアラルキル基である請求項1~4のいずれか1項記載のアミド化合物又はその塩。
【請求項6】
1及びR2が、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数7~18のアラルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基であり;R3が、炭素数3~12の分岐鎖アルキル基、炭素数3~12の分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6~18のアラルキル基である請求項1~5のいずれか1項記載のアミド化合物又はその塩。
【請求項7】
1及びR2が、同一又は異なって、炭素数3~12の分岐鎖アルキル基、炭素数3~12の分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数7~18のアラルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基であり;R3が、炭素数3~12の分岐鎖アルキル基、炭素数3~12の分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6~18のアラルキル基であり;ここで、芳香族炭化水素基、アラルキル基、シクロアルキル基に置換し得る基が、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、モノC1-4アルキルアミノ基、ジC1-4アルキルアミノ基及びハロゲノC1-4アルキル基から選ばれる1~5個である請求項1~6のいずれか1項記載のアミド化合物又はその塩。
【請求項8】
1及びR2が、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数7~18のアラルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基であり;R3が、炭素数3~12の分岐鎖アルキル基、炭素数3~12の分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6~18のアラルキル基であり;ここで、芳香族炭化水素基、アラルキル基、シクロアルキル基に置換し得る基が、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、モノC1-4アルキルアミノ基、ジC1-4アルキルアミノ基及びハロゲノC1-4アルキル基から選ばれる1~5個である請求項1~7のいずれか1項記載のアミド化合物又はその塩。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項記載のアミド化合物又はその塩を有効成分とする、アミロイドβペプチド凝集阻害剤。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項記載のアミド化合物又はその塩を含有する医薬。
【請求項11】
アルツハイマー病予防治療薬である請求項10記載の医薬。
【請求項12】
請求項1~8のいずれか1項記載のアミド化合物又はその塩及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
【請求項13】
アルツハイマー病予防治療用医薬組成物である請求項12記載の医薬組成物。
【請求項14】
アミロイドβペプチド凝集阻害剤製造のための、請求項1~8のいずれか1項記載のアミド化合物又はその塩の使用。
【請求項15】
アルツハイマー病予防治療薬製造のための、請求項1~8のいずれか1項記載のアミド化合物又はその塩の使用。
【請求項16】
アミロイドβペプチド凝集を阻害するための、請求項1~8のいずれか1項記載のアミド化合物又はその塩。
【請求項17】
アルツハイマー病を予防又は治療するための、請求項1~8のいずれか1項記載のアミド化合物又はその塩。
【請求項18】
請求項1~8のいずれか1項記載のアミド化合物又はその塩を投与することを特徴とするアミロイドβペプチド凝集阻害方法。
【請求項19】
1~8のいずれか1項記載のアミド化合物又はその塩を投与することを特徴とするアルツハイマー病の予防又は治療方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、アミド化合物及びこれを含有するアルツハイマー病等のアミロイド沈着が関与する疾患の予防又は治療用医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病は神経細胞の変性、脱落と共に老人斑の形成と神経原線維変化の病理学的特徴を有する神経変性疾患である。アルツハイマー病は記憶、認識、思考、判断等が進行的に損失する認知症状を引き起こし、最終的に死に至らせる。
脳内に沈着した老人斑を構成する主たる蛋白質はアミロイドβペプチド(Aβ)であり、39-43個のアミノ酸から成る。Aβは細胞毒性を示し、これによりアルツハイマー病が引き起こされると考えられている(非特許文献1)。細胞から分泌されるAβは主に40個或いは42個のアミノ酸から成るポリペプチドであり、特に42個から成るAβはより凝集性が強く早期に脳内に沈着すること、及び細胞毒性が強いことが知られている(非特許文献2)。従って、Aβの凝集を阻害する薬剤は、アルツハイマー病予防治療薬として期待されている。
【0003】
Aβの部分配列であるL-[Lys-Leu-Val-Phe-Phe]は、Aβに対して凝集阻害活性を有することが知られている(非特許文献3)。
【先行技術文献】
【0004】

【非特許文献1】J. Hardy, D. J. Selkoe, Science 2002, 297, p353
【非特許文献2】J. Biol. Chem., 1995, Vol. 270, p7013
【非特許文献3】J. Biol. Chem., 1996, Vol. 271, p8545
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記ペンタペプチドのAβ凝集阻害活性は極めて弱く、さらに天然型アミノ酸からなるため、代謝安定性の低さが懸念される。
従って、本発明の課題は、優れたAβ凝集阻害作用を有し、医薬として有用な新たな化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明者は、前記ペンタペプチドをコントロールとし、これよりも優れたAβ凝集阻害活性を有する低分子化合物を見出すべく種々検討した結果、下記一般式(1)で表されるアミド化合物又はその塩が優れたAβ凝集阻害活性を有し、アルツハイマー病等のアミロイド沈着に起因する種々の疾患の予防治療薬として有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の[1]~[17]を提供するものである。
【0008】
〔1〕一般式(1)
【0009】
【化1】
JP2015087865A1_000003t.gif

【0010】
(式中、ZはCH又はNを示し;
A及びBは、同一又は異なって、-CH2-、-O-、-S-又は-NH-を示し;
1及びR2は、同一又は異なって、分岐鎖アルキル基、分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環式基を示し;
3は、分岐鎖アルキル基、分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を示す)
で表されるアミド化合物又はその塩。
〔2〕A及びBが、同一又は異なって、-CH2-又は-O-である〔1〕記載のアミド化合物又はその塩。
〔3〕Aが、-CH2-又は-O-であり、Bが-CH2-である〔1〕又は〔2〕記載のアミド化合物又はその塩。
〔4〕Aが、-O-であり、Bが-CH2-である〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のアミド化合物又はその塩。
〔5〕R1及びR2が、同一又は異なって、炭素数3~12の分岐鎖アルキル基、炭素数3~12の分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数7~18のアラルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基であり、R3が;炭素数3~12の分岐鎖アルキル基、炭素数3~12の分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6~18のアラルキル基である〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のアミド化合物又はその塩。
〔6〕R1及びR2が、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数7~18のアラルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基であり、R3が;炭素数3~12の分岐鎖アルキル基、炭素数3~12の分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6~18のアラルキル基である〔1〕~〔5〕のいずれかに記載のアミド化合物又はその塩。
〔7〕R1及びR2が、同一又は異なって、炭素数3~12の分岐鎖アルキル基、炭素数3~12の分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数7~18のアラルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基であり;R3が、炭素数3~12の分岐鎖アルキル基、炭素数3~12の分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6~18のアラルキル基であり、ここで、芳香族炭化水素基、アラルキル基、シクロアルキル基に置換し得る基が、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、モノC1-4アルキルアミノ基、ジC1-4アルキルアミノ基及びハロゲノC1-4アルキル基から選ばれる1~5個である〔1〕~〔6〕のいずれかに記載のアミド化合物又はその塩。
〔8〕R1及びR2が、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数7~18のアラルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基であり;R3が、炭素数3~12の分岐鎖アルキル基、炭素数3~12の分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6~18のアラルキル基であり、ここで、芳香族炭化水素基、アラルキル基、シクロアルキル基に置換し得る基が、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、モノC1-4アルキルアミノ基、ジC1-4アルキルアミノ基及びハロゲノC1-4アルキル基から選ばれる1~5個である〔1〕~〔7〕のいずれかに記載のアミド化合物又はその塩。
〔9〕〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のアミド化合物又はその塩を有効成分とする、アミロイドβペプチド凝集阻害剤。
〔10〕〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のアミド化合物又はその塩を含有する医薬。
〔11〕アルツハイマー病予防治療薬である〔10〕記載の医薬。
〔12〕〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のアミド化合物又はその塩及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
〔13〕アルツハイマー病予防治療用医薬組成物である〔12〕記載の医薬組成物。
〔14〕アミロイドβペプチド凝集阻害剤製造のための、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のアミド化合物又はその塩の使用。
〔15〕アルツハイマー病予防治療薬製造のための、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のアミド化合物又はその塩の使用。
〔16〕アミロイドβペプチド凝集を阻害するための、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のアミド化合物又はその塩。
〔17〕アルツハイマー病を予防又は治療するための、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のアミド化合物又はその塩。
〔18〕〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のアミド化合物又はその塩を投与することを特徴とするアミロイドβペプチド凝集阻害方法。
〔19〕〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のアミド化合物又はその塩を投与することを特徴とするアルツハイマー病の予防又は治療方法。
【発明の効果】
【0011】
式(1)で表されるアミド化合物又はその塩は、極めて優れたAβ凝集阻害活性を有し、アミロイドの沈着に起因する疾患、例えばアルツハイマー病、ダウン症等の予防治療用医薬として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
式(1)中、Z又はCH又はNを示す。ZがCHの場合、式(1)の化合物はピコリン酸アミド類となり、ZがNの場合、式(1)の化合物はピリミジン-2-カルボキサミド類となる。

【0013】
式(1)中、A及びBは、同一又は異なって、-CH2-、-O-、-S-又は-NH-を示す。これらのうち、A及びBは同一又は異なって、-CH2-、-O-又は-S-であるのが好ましく、-CH2-又は-O-であるのがより好ましい。さらに、Aは-CH2-又は-O-であるのが好ましく、Bは-CH2-であるのが好ましい。さらに、Aが-O-で、Bが-CH2-であるのが好ましい。

【0014】
式(1)中、R1及びR2は、同一又は異なって、分岐鎖アルキル基、分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環式基を示す。また、R3は、分岐鎖アルキル基、分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を示す。

【0015】
1、R2及びR3で示される分岐鎖アルキル基としては、炭素数3~12の分岐鎖アルキル基が好ましく、炭素数3~8の分岐鎖アルキル基がより好ましい。分岐鎖アルキル基の具体例としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、イソヘキシル基、イソヘプチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基等が挙げられる。

【0016】
1、R2及びR3で示される分岐鎖アルケニル基としては、炭素数3~12の分岐鎖アルケニル基が好ましく、炭素数3~8の分岐鎖アルケニル基がより好ましい。分岐鎖アルケニル基の具体例としては、イソプロペニル基、イソブテニル基、イソペンテニル基、イソヘキセニル基等が挙げられる。

【0017】
1、R2及びR3で示される置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素基が好ましい。ここで、炭素数6~14の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、インデニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基等が挙げられる。このうち、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基がより好ましい。
芳香族炭化水素基に置換し得る基としては、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、モノC1-4アルキルアミノ基、ジC1-4アルキルアミノ基及びハロゲノC1-4アルキル基から選ばれる1~5個が挙げられる。ここで、炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基が挙げられる。炭素数1~4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。モノC1-4アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、イソプロピルアミノ基等が挙げられる。ジC1-4アルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等が挙げられる。ハロゲノC1-4アルキル基としては、クロルメチル基、トリクロルメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。

【0018】
1、R2及びR3で示される置換基を有していてもよいアラルキル基としては、置換基を有していてもよい炭素数7~18のアラルキル基が好ましく、置換基を有していてもよい炭素数6~14のアリール-C1-4アルキル基がより好ましい。
アラルキル基としては、フェニル-C1-4アルキル基、インデニル-C1-4アルキル基、ナフチル-C1-4アルキル基、ビフェニル-C1-4アルキル基等が挙げられる。アラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェニルエチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ビフェニルメチル基、ビフェニルエチル基等が挙げられる。
アラルキル基に置換し得る基としては、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、モノC1-4アルキルアミノ基、ジC1-4アルキルアミノ基及びハロゲノC1-4アルキル基から選ばれる1~5個が挙げられる。これらの置換基の具体例は、前記芳香族炭化水素上の置換基の場合と同様である。

【0019】
1、R2及びR3で示される置換基を有していてもよいシクロアルキル基としては、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基が好ましい。
シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の単環式シクロアルキル基、及びビシクロ〔2.2.1〕ヘプタニル基、ビシクロ〔3.2.1〕オクタニル基、ビシクロ〔3.3.1〕ノナニル基、ノルアダマンチル基、アダマンチル基、ホモアダマンチル基等の多環式シクロアルキル基が挙げられる。
シクロアルキル基に置換し得る基としては、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、モノC1-4アルキルアミノ基、ジC1-4アルキルアミノ基及びハロゲノC1-4アルキル基から選ばれる1~3個が挙げられる。これらの置換基の具体例は、前記芳香族炭化水素上の置換基の場合と同様である。

【0020】
1、R2及びR3で示される置換基を有していてもよい芳香族複素環式基としては、置換基を有していてもよい、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1~3個有する芳香族複素環式基が挙げられ、置換基を有していてもよい、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1~3個有し総炭素数2~9の芳香族複素環式基が好ましい。芳香族複素環式基の具体例としては、ピロリル基、フラニル基、チエニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、トリアジニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基等が挙げられ、ピロリル基、フラニル基、チエニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、インドリル基が好ましく、イミダゾリル基、ピリジル基がさらに好ましい。
芳香族複素環式基に置換し得る基としては、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、モノC1-4アルキルアミノ基、ジC1-4アルキルアミノ基及びハロゲノC1-4アルキル基から選ばれる1~5個が挙げられる。これらの置換基の具体例は、前記芳香族炭化水素上の置換基の場合と同様である。

【0021】
式(1)中、R1及びR2が、同一又は異なって、炭素数3~12の分岐鎖アルキル基、炭素数3~12の分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数7~18のアラルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基であり;R3が、炭素数3~12の分岐鎖アルキル基、炭素数3~12の分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6~18のアラルキル基であるのが好ましい。ここで、芳香族炭化水素基、アラルキル基、シクロアルキル基に置換し得る基は、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、モノC1-4アルキルアミノ基、ジC1-4アルキルアミノ基及びハロゲノC1-4アルキル基から選ばれる1~5個が好ましい。

【0022】
また、R1及びR2が、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数7~18のアラルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基であり;R3が、炭素数3~12の分岐鎖アルキル基、炭素数3~12の分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6~18のアラルキル基であるのが好ましい。ここで、芳香族炭化水素基、アラルキル基、シクロアルキル基に置換し得る基は、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、モノC1-4アルキルアミノ基、ジC1-4アルキルアミノ基及びハロゲノC1-4アルキル基から選ばれる1~5個が好ましい。

【0023】
式(1)中、A及びBが同一又は異なって、-CH2-又は-O-であり;R1及びR2が、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数7~18のアラルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基であり;R3が、炭素数3~12の分岐鎖アルキル基、炭素数3~12の分岐鎖アルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3~12のシクロアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6~18のアラルキル基であるのがさらに好ましい。ここで、芳香族炭化水素基、アラルキル基、シクロアルキル基に置換し得る基は、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、モノC1-4アルキルアミノ基、ジC1-4アルキルアミノ基及びハロゲノC1-4アルキル基から選ばれる1~5個が好ましい。

【0024】
式(1)のアミド化合物の塩としては、薬学的に許容される塩、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩等の有機酸塩等の酸付加塩が挙げられる。

【0025】
式(1)のアミド化合物又はその塩は、不斉炭素原子を有する場合があり、その場合には各光学活性体及びそれらの混合物が含まれる。

【0026】
本発明のアミド化合物又はその塩の特に好ましい例は、後述の実施例に記載の化合物又はその塩である。

【0027】
本発明のアミド化合物又はその塩は、例えば、次の反応式に従って製造することができる。

【0028】
【化2】
JP2015087865A1_000004t.gif

【0029】
(式中、Xはハロゲン原子を示し、R1、R2、R3、A及びBは前記と同じ)

【0030】
2,6-ジブロモピリジン(2)にR1-A-H(3)を反応させて式(4)の化合物を得(第一工程);当該式(4)の化合物にn-BuLi及び二酸化炭素を反応させて式(5)の化合物を得(第二工程)、式(5)の化合物にR3-NH2(6)を反応させて式(7)の化合物を得(第三工程)、次に式(7)の化合物にグリニャール試薬(8)を反応させることにより式(1a)の化合物が得られる(第四工程)。

【0031】
第一工程は、例えば、R1-A-H(3)に塩基を反応させた後に、2,6-ジブロモベンゼン(2)と反応させるのが好ましい。塩基としては、水素化ナトリウム等の強塩基が好ましい。この反応は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒の存在下、室温~還流温度で1~48時間行えばよい。

【0032】
第二工程は、まず式(4)の化合物にn-BuLiを反応させ、次いで二酸化炭素を反応させる。式(4)の化合物とn-BuLiの反応は、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒中、-80℃~0℃で5分~1時間行えばよい。次いで、室温~50℃の温度で二酸化炭素を吹き込み、30分~5時間反応を行えばよい。

【0033】
第三工程は、式(5)の化合物にR2-NH2(6)を反応させてアミド化する工程である。アミド化反応は、通常の手段に従って行えばよく、例えば1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、N-ヒドロキシコハク酸イミド(HOSu)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOAt)、HBTU、HATU等のベンゾトリアゾール類や1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド等の縮合剤の存在下で行うのが好ましい。

【0034】
第四工程は、式(7)の化合物に、BF3などのルイス酸存在下、グリニャール試薬(R2=B-MgX(8))を反応させ、クロラニルなどの酸化剤で処理することにより式(1a)の化合物を得る工程である。反応は、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒中、-30℃~100℃で1~20時間行えばよい。

【0035】
また、本発明のアミド化合物(1)又はその塩は、次の反応式に従って製造することもできる。

【0036】
【化3】
JP2015087865A1_000005t.gif

【0037】
(式中、A、B、R1、R2及びR3は前記と同じ)

【0038】
式(8)の化合物にR1-A-H(3)を反応させて式(9)の化合物を得、これをシアノ化して化合物(10)を得た後、加水分解すれば式(11)の化合物が得られる。式(11)の化合物にアミン(R3-NH2)を反応させれば式(1b)の化合物が得られる。

【0039】
化合物(8)と化合物(3)との反応は、前記第一工程と同様に化合物(8)に塩基を反応させた後に化合物(3)を反応させるのが好ましい。塩基としては、アルカリ金属アルコキシド等が好ましく、反応は、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒中、室温~還流温度で1~48時間行えばよい。

【0040】
化合物(9)のシアノ化反応は、例えば化合物(9)にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等の存在下、亜鉛ジシアニド等のシアノ化剤を反応させることにより行なわれる。反応は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒中、室温~還流温度で行えばよい。

【0041】
化合物(10)の加水分解は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基の存在下に行うことができる。

【0042】
化合物(11)とR3-NH2(6)との反応は、前記第三工程と同様に行えばよい。すなわち、例えば1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、N-ヒドロキシコハク酸イミド(HOSu)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOAt)、HBTU、HATU等のベンゾトリアゾール類や1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド等の縮合剤の存在下で行うのが好ましい。

【0043】
本発明のアミド化合物又はその塩は、後記実施例に示すように優れたAβ凝集阻害活性を有し、Aβ凝集阻害剤として、またヒトを含む動物のアミロイド沈着、Aβ凝集が関与する疾患、例えばアルツハイマー病、ダウン症等の予防治療薬として有用である。

【0044】
本発明のアミド化合物又はその塩を人体用の医薬として使用する場合、投与量は成人1日当たり1mg~1g、好ましくは10mgから300mgの範囲である。

【0045】
本発明のアミド化合物又はその塩を含有する医薬組成物は投与法に応じ適当な製剤を選択し、薬学的に許容される担体を用いて各種製剤の調製法にて調製できる。本発明アミド化合物又はその塩を主剤とする医薬組成物の剤形としては例えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤や、液剤、シロップ剤、エリキシル剤、油性ないし水性の懸濁液等を経口用製剤として例示できる。

【0046】
注射剤としては製剤中に安定剤、防腐剤、溶解補助剤を使用することもあり、これらの補助剤を含むこともある溶液を容器に収納後、凍結乾燥等によって固形製剤として用時調製の製剤としてもよい。また一回投与量を一の容器に収納してもよく、また多投与量を一の容器に収納してもよい。

【0047】
また外用製剤として液剤、懸濁液、乳濁液、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、スプレー、貼付剤等を例示できる。

【0048】
固形製剤としては本発明アミド化合物又はその塩とともに薬学上許容されている添加物を含み、例えば充填剤類や増量剤類、結合剤類、崩壊剤類、溶解促進剤類、湿潤剤類、潤滑剤類等を必要に応じて選択して混合し、製剤化することができる。
液体製剤としては溶液、懸濁液、乳液剤等を挙げることができるが添加剤として懸濁化剤、乳化剤等を含むこともある。
【実施例】
【0049】
以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の範囲は下記実施例に限定されることはない。
【実施例】
【0050】
合成例1
1) 2-ブロモ-6-フェノキシピリジンの合成
ナスフラスコに含有率50%の水素化ナトリウム2.64 g (55 mmol)、ジメチルホルムアミド75 mLを加え撹拌した。反応容器を0℃に冷却し、ジメチルホルムアミド25 mLに溶解したフェノール4.7 g (50 mmol) を徐々に滴下した。ここに2,6-ジブロモピリジン11.9 g (50 mmol) を加え、60~65℃に昇温し18時間撹拌した。続いて水と酢酸エチルを加えて分液操作を行い、回収した有機層を1 M 水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過を行った。ろ液を減圧留去し、ヘキサンを加え析出した結晶をスラリー洗浄した後乾燥させ、白色固体の目的物を得た (9.1 g, 収率72%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, rt): δ 6.68 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.07 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.12 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.14 (1H, t, J = 8.6 Hz), 7.33 (2H, t, J = 8.6 Hz), 7.43 (1H, t, J = 8.6 Hz) ppm
ESI MS (positive): [M+Na]+ Found m/z 272
【実施例】
【0051】
2) 6-フェノキシ-N-イソアミルピコリンアミド
ナスフラスコに2-ブロモ-6-フェノキシピリジン 9.1 g (36 mmol)、ジエチルエーテル300 mLを加え撹拌した。反応容器を-78℃に冷却し、2.6 Mのn-BuLiヘキサン溶液15.2 mL (40 mmol) を加え15分撹拌した。反応容器を室温まで昇温し、二酸化炭素を吹き込みながらさらに1時間撹拌した。続いて水、酢酸エチル、1 M 水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH 14であることを確認した後分液操作を行い水層を回収した。回収した水層に、pH 1になるまで1 M 塩酸を加えた後酢酸エチルを加えて分液操作を行い、有機層を回収し、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過を行い、ろ液を減圧留去し2.7 gの液体 (6-フェノキシ-ピコリン酸,約12.5 mmol) を得た。未精製のままナスフラスコに移し、ジメチルホルムアミド125 mLを加え撹拌し、そこにイソアミルアミン2.9 mL (25 mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン6.5 mL (37.5 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt) 3.8 g (25 mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)4.8 g (25 mmol) の順に加え、室温のまま一晩撹拌した。続いて水と酢酸エチルを加え分液操作を行い、回収した有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過した。ろ液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して無色油状の目的物を得た (2.1 g, 収率20%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, rt): δ 0.78 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.28 (2H, dt, J = 6.8 Hz, 6.8 Hz), 1.42 (1H, m), 3.27 (2H, dt, J = 6.8 Hz, 6.8 Hz), 6.90 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.04 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.13 (1H, t, J = 8.6 Hz), 7.31 (2H, t, J = 8.6Hz), 7.45 (1H, br), 7.71 (1H, t, J = 8.6 Hz), 7.79 (1H, d, J = 8.6 Hz) ppm
ESI MS (positive): [M+Na]+ Found m/z 307
【実施例】
【0052】
3) 4-ベンジル-6-フェノキシ-N-イソアミルピコリンアミド(化合物1)
試験管に6-フェノキシ-N-イソアミルピコリンアミド 39 mg (137μmol) を入れ、テトラヒドロフラン1 mLを加え撹拌した。反応容器を0℃に冷却し、1.0 Mのt-BuMgClテトラヒドロフラン溶液137μL (137μmol) を加え30分撹拌した。続いてBF3・OEt2 36μL (288μmol) を加え15分撹拌した。反応容器を-30℃に冷却し、0.5 MのBnMgCl・LiClテトラヒドロフラン溶液550μL (274μmol) を加え2時間撹拌した。室温まで昇温し、クロラニル67 mg (274μmol) を加え6時間撹拌した。飽和アンモニア水溶液1 mLを加えクエンチした後、水と酢酸エチルを加えて分液操作を行い、回収した有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過を行い、ろ液を減圧留去した。得られた残渣を分取TLCで精製し、回収した目的物を分取HPLCでさらに精製し、無色油状の化合物1を得た (9.1 mg, 収率17%)。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, rt): δ 0.81 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.29 (2H, dt, J = 6.8 Hz, 6.8 Hz), 1.43 (1H, m), 3.27 (2H, dt, J = 6.8 Hz, 6.8 Hz), 3.93 (2H, s), 6.75(1H, s), 7.05 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.12 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.17 (2H, t, J = 8.0 Hz), 7.24 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.33 (2H, t, J = 8.0 Hz), 7.42 (1H, br), 7.70 (1H, s) ppm
13C-NMR (125 MHz, CDCl3, rt): δ 22.3, 25.5, 37.4, 38.0, 41.4, 113.8, 117.7, 121.3, 124.8, 126.8, 128.8, 129.0, 129.5, 138.2, 153.7, 162.5, 163.6 ppm
ESI MS (positive): [M+Na]+ Found m/z 397
【実施例】
【0053】
合成例2
4-(ナフタレン-2-イル)メチル-6-フェノキシ-N-イソアミルピコリンアミド(化合物2)
試験管に6-フェノキシ-N-イソアミルピコリンアミド28 mg (100μmol) を入れ、テトラヒドロフラン1 mLを加え撹拌した。反応容器を0℃に冷却し、1.0 Mのt-BuMgClテトラヒドロフラン溶液100μL (100μmol) を加え30分撹拌した。続いてBF3・OEt2 26μL (210μmol) を加え15分撹拌した。反応容器を-30℃に冷却し、0.25 Mの(ナフタレン-2-イル)メチルマグネシウムクロリド・リチウムクロリド錯体テトラヒドロフラン溶液800μL (200μmol) を加え1時間撹拌した。室温まで昇温し、クロラニル49 mg (200μmol) を加え一晩撹拌した。飽和アンモニア水溶液1 mLを加えクエンチした後、水と酢酸エチルを加えて分液操作を行い、回収した有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過を行い、ろ液を減圧留去した。得られた残渣を分取TLCで精製し、回収した目的物を分取HPLCでさらに精製し、無色油状の目的物を得た (6.0 mg, 収率14%)。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, rt): δ 0.79 (6H, d, J = 6.3 Hz), 1.28 (2H, dt, J = 6.3 Hz), 1.43 (1H, m), 3.26 (2H, dt, J = 6.8 Hz, 6.8 Hz), 4.09 (2H, s), 6.79 (1H, s), 7.04 (2H, d, J = 7.4 Hz), 7.14 (1H, t, J = 7.4 Hz), 7.22 (1H, d, J = 7.4 Hz), 7.31 (2H, t, J = 7.4 Hz), 7.39 (3H, m), 7.59 (1H, br), 7.72 (4H, m) ppm
ESI MS (positive): [M+Na]+ Found m/z 473
【実施例】
【0054】
合成例3
1) 6-フェノキシ-N-(4-メチルペンチル)ピコリンアミド
ナスフラスコに2-ブロモ-6-フェノキシピリジン4.7 g (19 mmol)、ジエチルエーテル50mLを加え撹拌した。反応容器を-78℃に冷却し、1.65 Mのn-BuLiヘキサン溶液22.4 mL (13.6 mmol) を加え15分撹拌した。反応容器を室温まで昇温し、二酸化炭素を吹き込みながらさらに1時間撹拌した。続いて水、酢酸エチル、1 M 水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH 14であることを確認した後分液操作を行い水層を回収した。回収した水層に、pH 1になるまで1 M 塩酸を加えた後酢酸エチルを加えて分液操作を行い、有機層を回収し、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過を行い、ろ液を減圧留去し1 gの液体 (6-フェノキシピコリン酸,約4.7 mmol) を得た。未精製のままナスフラスコに移し、ジメチルホルムアミド30 mLを加え撹拌し、そこに4-メチルペンチルアミン1.2 mL (10 mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン1.6 mL (9.4 mmol)、HATU 2.1 g (5.6 mmol) の順に加え、室温のまま一晩撹拌した。続いて水と酢酸エチルを加え分液操作を行い、回収した有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過した。ろ液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して無色油状の目的物を得た (822 mg, 収率15%)。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, rt): δ 0.87 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.15 (2H, dt, J = 6.8 Hz, 6.8 Hz), 1.51 (1H, m), 3.34 (2H, dt, J = 6.8 Hz, 6.8 Hz), 7.02 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.16 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.25 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.43 (2H, t, J = 8.0Hz), 7.56 (1H, br), 7.83 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.90 (1H, d, J = 8.0 Hz) ppm
ESI MS (positive): [M+Na]+ Found m/z 321
【実施例】
【0055】
2) 4-ベンジル-6-フェノキシ-N-(4-メチルペンチル)ピコリンアミド(化合物3)
試験管に6-フェノキシ-N-(4-メチルペンチル)ピコリンアミド30 mg (100μmol) を入れ、テトラヒドロフラン1 mLを加え撹拌した。反応容器を0℃に冷却し、1.0 Mのt-BuMgClテトラヒドロフラン溶液100μL (100μmol) を加え30分撹拌した。続いてBF3・OEt2 26μL (210 μmol) を加え15分撹拌した。反応容器を-30℃に冷却し、0.5 MのBnMgCl・LiClテトラヒドロフラン溶液400μL (200μmol) を加え2時間撹拌した。室温まで昇温し、クロラニル49 mg (200μmol) を加え一晩撹拌した。飽和アンモニア水溶液1 mLを加えクエンチした後、水と酢酸エチルを加えて分液操作を行い、回収した有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過を行い、ろ液を減圧留去した。得られた残渣を分取TLCで精製し、回収した目的物を分取HPLCでさらに精製し、無色油状の化合物3を得た (4.0 mg, 収率10%)。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, rt): δ 0.86 (6H, d, J = 6.3 Hz), 1.13 (2H, m), 1.50 (3H, m), 3.31 (2H, dt, J = 6.8 Hz, 6.8 Hz), 4.02 (2H, s), 6.83 (1H, s), 7.13 (2H, d, J = 7.4 Hz), 7.18-7.28 (4H, m), 7.32 (2H, t, J = 7.4 Hz), 7.41 (2H, t, J = 7.4Hz), 7.52 (1H, br), 7.79 (1H, s) ppm
13C-NMR (125 MHz, CDCl3, rt): δ 22.5, 27.2, 27.7, 35.9, 39.5, 41.4, 113.8, 117.8, 121.2, 124.9, 126.8, 128.8, 129.0, 129.5, 138.3, 147.8, 153.7, 155.7, 162.5, 163.7 ppm
ESI MS (positive): [M+Na]+ Found m/z 411
【実施例】
【0056】
合成例4
1) 2-ブロモ-6-シクロヘキシルオキシピリジン
ナスフラスコに含有率50%の水素化ナトリウム528 mg (11 mmol)、ジメチルホルムアミド10 mLを加え撹拌した。反応容器を0℃に冷却し、ジメチルホルムアミド10 mLに溶解したシクロヘキシルアルコール1.05 mL (1.0 mmol) を徐々に滴下した。ここに2,6-ジブロモピリジン2.37 g (10 mmol) を加え、90℃に昇温し18時間撹拌した。続いて水と酢酸エチルを加えて分液操作を行い、回収した有機層を1 M 水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過を行った。ろ液を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、白色固体の目的物を得た (1.63 g, 収率64%)。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, rt): δ 1.25-1.63 (6H, m), 1.78 (2H, m), 1.99 (2H, m), 5.02 (1H, m), 6.63 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.00 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.39 (1H, t, J = 8.6 Hz) ppm
ESI MS (positive): [M+Na]+ Found m/z 278
【実施例】
【0057】
2) 6-シクロへキシルオキシ-N-イソアミルピコリンアミド
ナスフラスコに2-ブロモ-6-シクロヘキシルオキシピリジン1.63 g (6.4 mmol)、ジエチルエーテル64 mLを加え撹拌した。反応容器を-78℃に冷却し、1.14 Mのn-BuLiヘキサン溶液6.2 mL (7.0 mmol) を加え15分撹拌した。反応容器を室温まで昇温し、二酸化炭素を吹き込みながらさらに1時間撹拌した。続いて水、酢酸エチル、1 M 水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH 14であることを確認した後分液操作を行い水層を回収した。回収した水層に、pH 1になるまで1 M 塩酸を加えた後酢酸エチルを加えて分液操作を行い、有機層を回収し、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過を行い、ろ液を減圧留去し370 mgの液体 (6-シクロヘキシルオキシピコリン酸, 約1.67 mmol) を得た。未精製のままナスフラスコに移し、ジメチルホルムアミド17 mLを加え撹拌し、そこにイソアミルアミン390μL (3.34 mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン870μL (5.01 mmol)、HOBt511 mg (3.34 mmol)、EDC 640 mg (3.34 mmol) の順に加え、室温のまま一晩撹拌した。続いて水と酢酸エチルを加え分液操作を行い、回収した有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過した。ろ液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して無色油状の目的物を得た (265 mg, 収率14%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, rt): δ 0.98 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.25-1.74 (9H, m), 1.82 (2H, m), 2.04 (2H, m), 3.49 (2H, dt, J = 6.8 Hz, 6.8 Hz), 4.96 (1H, m), 6.83 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.69 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.75 (1H, d, J = 8.0 Hz) ppm
ESI MS (positive): [M+Na]+ Found m/z 313
【実施例】
【0058】
3) 4-ベンジル-6-シクロヘキシルオキシ-N-イソアミルピコリンアミド(化合物4)
試験管に6-シクロヘキシルオキシ-N-イソアミルピコリンアミド29 mg (100μmol) を入れ、テトラヒドロフラン1 mLを加え撹拌した。反応容器を0℃に冷却し、1.0 Mのt-BuMgClテトラヒドロフラン溶液100μL (100μmol) を加え30分撹拌した。続いてBF3・OEt2 26μL (210μmol) を加え15分撹拌した。反応容器を-30℃に冷却し、0.25 MのBnMgCl・LiClテトラヒドロフラン溶液800μL (200μmol) を加え1時間撹拌した。室温まで昇温し、クロラニル49 mg (200μmol) を加え一晩撹拌した。飽和アンモニア水溶液1 mLを加えクエンチした後、水と酢酸エチルを加えて分液操作を行い、回収した有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過を行い、ろ液を減圧留去した。得られた残渣を分取TLCで精製し、回収した目的物を分取HPLCでさらに精製し、無色油状の化合物4を得た (6.0 mg, 収率14%)。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, rt): δ 0.97 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.25-1.74 (9H, m), 1.82 (2H, m), 2.22 (2H, m), 3.47 (2H, dt, J = 6.8 Hz, 6.8 Hz), 3.95 (2H, s), 4.93 (1H, m) 6.62 (1H, s), 7.19 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.23 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.30 (2H, t, J = 8.0 Hz), 7.64 (1H, s) 7.74 (1H, br) ppm
ESI MS (positive): [M+Na]+ Found m/z 403
【実施例】
【0059】
合成例5
1) 2-ブロモ-6-ベンジルオキシピリジン
ナスフラスコに含有率50%の水素化ナトリウム528 mg (11 mmol)、ジメチルホルムアミド5 mLを加え撹拌した。反応容器を0℃に冷却し、ジメチルホルムアミド5 mLに溶解したベンジルアルコール1.73 mL (10.0 mmol) を徐々に滴下した。ここに2,6-ジブロモピリジン2.37 g (10 mmol) を加え、100℃に昇温し18時間撹拌した。続いて水と酢酸エチルを加えて分液操作を行い、回収した有機層を1 M 水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過を行った。ろ液を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、無色油状の目的物を得た (2.08 g, 収率79%)。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, rt): δ 5.37 (2H, s), 6.75 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.09 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.32-7.49 (6H, m) ppm
ESI MS (positive): [M+Na]+ Found m/z 286
【実施例】
【0060】
2) 6-ベンジルオキシ-N-イソアミルピコリンアミド
ナスフラスコに2-ブロモ-6-ベンジルオキシピリジン2.08 g (7.9 mmol)、ジエチルエーテル79 mLを加え撹拌した。反応容器を-78℃に冷却し、1.65 Mのn-BuLiヘキサン溶液5.3 mL (8.7 mmol) を加え15分撹拌した。反応容器を室温まで昇温し、二酸化炭素を吹き込みながらさらに1時間撹拌した。続いて水、酢酸エチル、1 M 水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH 14であることを確認した後分液操作を行い水層を回収した。回収した水層に、pH 1になるまで1 M 塩酸を加えた後酢酸エチルを加えて分液操作を行い、有機層を回収し、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過を行い、ろ液を減圧留去し547 mgの液体 (6-ベンジルオキシピコリン酸, 約2.39 mmol) を得た。未精製のままナスフラスコに移し、ジメチルホルムアミド24 mLを加え撹拌し、そこにイソアミルアミン560μL (4.78 mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン830μL (4.78 mmol)、HOBt 37 mg (239μmol)、EDC 549 mg (2.87 mmol) の順に加え、室温のまま一晩撹拌した。続いて水と酢酸エチルを加え分液操作を行い、回収した有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過した。ろ液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して無色油状の目的物を得た (34.4 mg, 収率1.4%)。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, rt): δ 0.88 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.42 (2H, dt, J = 6.8 Hz, 6.8 Hz), 1.59 (1H, m), 3.38 (2H, dt, J = 6.8 Hz, 6.8 Hz), 5.30 (2H, s), 6.86(1H, d, J = 8.0 Hz), 7.25 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.30 (2H, t, J = 8.0 Hz), 7.36 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.58 (1H, br), 7.64 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.71 (1H, d, J = 8.0 Hz) ppm
ESI MS (positive): [M+Na]+ Found m/z 321
【実施例】
【0061】
3) 6-ベンジルオキシ-4-ベンジル-N-イソアミルピコリンアミド(化合物5)
試験管に6-ベンジルオキシ-N-イソアミルピコリンアミド30 mg (100μmol) を入れ、テトラヒドロフラン1 mLを加え撹拌した。反応容器を0℃に冷却し、1.0 Mのt-BuMgClテトラヒドロフラン溶液100μL (100μmol) を加え30分撹拌した。続いてBF3・OEt2 26μL (210μmol) を加え15分撹拌した。反応容器を-30℃に冷却し、0.25 MのBnMgCl・LiClテトラヒドロフラン溶液800μL (200μmol) を加え1時間撹拌した。室温まで昇温し、クロラニル49 mg (200μmol) を加え一晩撹拌した。飽和アンモニア水溶液1 mLを加えクエンチした後、水と酢酸エチルを加えて分液操作を行い、回収した有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過を行い、ろ液を減圧留去した。得られた残渣を分取TLCで精製し、回収した目的物を分取HPLCでさらに精製し、無色油状の化合物5を得た (3.0 mg, 収率7.7%)。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, rt): δ 0.96 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.50 (2H, dt, J = 6.8 Hz, 6.8 Hz), 1.67 (1H, m), 3.45 (2H, dt, J = 6.8 Hz, 6.8 Hz), 3.97 (2H, s), 5.35(2H, s), 6.73 (1H, s), 7.19 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.23 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.28-7.35 (3H, m), 7.38 (2H, t, J = 8.0 Hz), 7.43 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.65 (1H, br), 7.70 (1H, s) ppm
ESI MS (positive): [M+Na]+ Found m/z 411
【実施例】
【0062】
合成例6
1) 2-ブロモ-6-(3-メチルブトキシ)ピリジン
ナスフラスコに含有率50%の水素化ナトリウム528 mg (11 mmol)、ジメチルホルムアミド5 mLを加え撹拌した。反応容器を0℃に冷却し、ジメチルホルムアミド5 mLに溶解した3-メチルブタノール1.08 mL (10.0 mmol) を徐々に滴下した。ここに2,6-ジブロモピリジン2.37 g (10 mmol) を加え、100℃に昇温し18時間撹拌した。続いて水と酢酸エチルを加えて分液操作を行い、回収した有機層を1 M 水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過を行った。ろ液を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、無色油状の目的物を得た (2.35 g, 収率96%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, rt): δ 0.97 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.65 (2H, m), 1.81 (1H, m), 4.31 (2H, m), 6.67 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.04 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.40 (1H, t, J = 8.0 Hz) ppm
ESI MS (positive): [M+Na]+ Found m/z 266
【実施例】
【0063】
2) 6-(3-メチルブトキシ)-N-フェニルエチルピコリンアミド
ナスフラスコに2-ブロモ-6-(3-メチルブトキシ)ピリジン565 mg (2.3 mmol)、ジエチルエーテル13 mLを加え撹拌した。反応容器を-78℃に冷却し、0.8 Mのn-BuLiヘキサン溶液3.17 mL (2.5 mmol) を加え15分撹拌した。反応容器を室温まで昇温し、二酸化炭素を吹き込みながらさらに1時間撹拌した。続いて水、酢酸エチル、1 M 水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH 14であることを確認した後分液操作を行い水層を回収した。回収した水層に、pH 1になるまで1 M 塩酸を加えた後酢酸エチルを加えて分液操作を行い、有機層を回収し、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過を行い、ろ液を減圧留去し140 mgの液体 (6-(3-メチルブトキシ)ピコリン酸, 約0.67 mmol) を得た。未精製のままナスフラスコに移し、ジメチルホルムアミド7 mLを加え撹拌し、そこにフェニルエチルアミン169μL (1.34 mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン350μL (2.01 mmol)、HOBt 205 mg (1.34 mmol)、EDC 257 mg (1.34 mmol) の順に加え、室温のまま一晩撹拌した。続いて水と酢酸エチルを加え分液操作を行い、回収した有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過した。ろ液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して無色油状の目的物を得た (63.7 mg, 収率9%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, rt): δ 0.96 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.63 (2H, dt, J = 6.8 Hz, 6.8 Hz), 1.79 (1H, m), 2.93 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.73 (2H, dt, J = 6.8 Hz, 6.8 Hz), 4.17 (2H, t, J = 6.8 Hz), 6.83 (1H, s), 7.21-7.34 (5H, m), 7.67 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.76 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.86 (1H, br) ppm
ESI MS (positive): [M+Na]+ Found m/z 335
【実施例】
【0064】
3) 4-ベンジル-6-(3-メチルブトキシ)-N-フェニルエチルピコリンアミド(化合物6)
試験管に6-(3-メチルブトキシ)-N-フェニルエチルピコリンアミド31 mg (100μmol) を入れ、テトラヒドロフラン1 mLを加え撹拌した。反応容器を0℃に冷却し、1.0 Mのt-BuMgClテトラヒドロフラン溶液100μL (100μmol) を加え30分撹拌した。続いてBF3・OEt2 26μL (210μmol) を加え15分撹拌した。反応容器を-30℃に冷却し、0.5 MのBnMgCl・LiClテトラヒドロフラン溶液400μL (200μmol) を加え1時間撹拌した。室温まで昇温し、クロラニル49 mg (200μmol) を加え一晩撹拌した。飽和アンモニア水溶液1 mLを加えクエンチした後、水と酢酸エチルを加えて分液操作を行い、回収した有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水後、綿栓ろ過を行い、ろ液を減圧留去した。得られた残渣を分取TLCで精製し、回収した目的物を分取HPLCでさらに精製し、無色油状の化合物6を得た (2.0 mg, 収率5.0%)。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3, rt): δ 0.95 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.60 (2H, m), 1.77 (1H, m), 2.92 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.73 (2H, dt, J = 6.8 Hz), 3.95 (2H, s), 4.14 (2H, t, J = 6.8 Hz), 6.63 (1H, s), 7.19 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.21-7.35 (8H, m), 7.66 (1H, s), 7.84 (1H, br) ppm
ESI MS (positive): [M+Na]+ Found m/z 425
【実施例】
【0065】
合成例7~11
合成例1~6と同様にして以下の化合物を合成した。
・4-ベンジル-6-(ナフタレン-1-イル)メチルオキシ-N-イソアミルピコリンアミド(化合物7)
・4-ベンジル-6-(4-メトキシフェニルオキシ)-N-イソアミルピコリンアミド(化合物8)
・4-ベンジル-6-(4-ヒドロキシフェニルオキシ)-N-イソアミルピコリンアミド(化合物9)
・4-(4’-ビフェニルメチル)-6-フェノキシ-N-イソアミルピコリンアミド(化合物10)
・4-(ナフタレン-1-イル)メチル-6-フェノキシ-N-イソアミルピコリンアミド(化合物11)
【実施例】
【0066】
合成例12
(1)4-ベンジル-2-クロロ-6-フェノキシピリミジン
カリウムtert-ブトキシド(621 mg, 5.53 mmol)を溶解したテトラヒドロフラン溶液(16 mL)に、フェノール (501 mg, 5.53 mmol)をアルゴン雰囲気下0 ℃で加えた。5分間室温で撹拌した後、4-ベンジル-2,6-ジクロロピリミジン(WO2004-099192)(1.23 g, 5.27 mmol)を含むテトラヒドロフラン溶液(10 mL)を0 ℃にて徐々に滴下して加えた。3時間室温で撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えることで反応を停止し、生成物を酢酸エチルにより抽出した(×3)。有機層は食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(hexane/AcOEt = 99/1 to 90/10)により精製し4-ベンジル-2-クロロ-6-フェノキシピリミジンを得た(収量:1.20 g, 79%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 4.03 (s, 2H), 6.48 (s, 1H), 7.07 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.20-7.43 (m, 8H).
【実施例】
【0067】
(2)4-ベンジル-6-フェノキシピリミジン-2-カルボニトリル
4-ベンジル-2-クロロ-6-フェノキシピリジン (446 mg, 1.55 mmol)を溶解したDMF溶液(7.8 mL)に、亜鉛ジシアニド(273 mg, 2.33 mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) (89.6 mg, 0.0775 mmol)をアルゴン雰囲気下室温で加えた。160 ℃にて1時間撹拌後、2 M水酸化ナトリウム水溶液を加えることで反応を停止させ、生成物を酢酸エチルにより抽出した(×3)。有機層は食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(hexane/AcOEt = 99/1 to 90/10)により精製し4-ベンジル-6-フェノキシピリミジン-2-カルボニトリルを得た(収量:316 mg, 71%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 4.07 (s, 2H), 6.77 (s, 1H), 7.07 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.23-7.46 (m, 8H).
【実施例】
【0068】
(3)N-(アダマンタン-2-イル)-4-ベンジル-6-フェノキシピリミジン-2-カルボキサミド(化合物12)
4-ベンジル-6-フェノキシピリミジン-2-カルボニトリル(32.0 mg, 0.111 mmol) を溶解したtert-ブチルアルコール(1.0 mL)に室温で1 M水酸化ナトリウム水溶液(1.0 mL)を加えた。110 ℃で1時間撹拌した後、2 M塩酸を加えることによって反応を停止し、生成物を酢酸エチルにより抽出した(×3)。有機層は食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し4-ベンジル-6-フェノキシピリミジン-2-カルボン酸を得た。得られた化合物をDMF(1.1 mL)に溶解し、2-アダマンタナミン塩酸塩 (31.3 mg, 0.167 mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(77.3 μL, 0.444 mmol)、HATU (O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート) (50.6 mg, 0.133 mmol)をアルゴン雰囲気下室温で加えた。3時間室温で撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えることで反応を停止し、生成物を酢酸エチルにより抽出した(×3)。有機層はbrineにて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残渣を精製用TLC(hexane/AcOEt = 7/3)により精製しN-(アダマンタン-2-イル)-4-ベンジル-6-フェノキシピリミジン-2-カルボキサミドを得た(収量:20.0 mg,41% fromニトリル)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 1.37-1.86 (m, 14H), 4.14 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.23 (s, 2H), 6.66 (s, 1H), 7.10 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.20-7.42 (m, 8H), 8.12 (d, J = 9.2 Hz, 1H); HRMS (ESI): m/z calcd for C28H29N3O2[M+H]+ 462.2157, Found 462.2153; HPLC: tR = 37.2 min (YMC-Pack ODS-AM); purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm).
【実施例】
【0069】
試験例1(Aβ凝集阻害試験)
AβのO-アシルイソペプチド(10μM)を含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4,50μL)中に、被験サンプル溶液(DMSO溶液)を加え(サンプル終濃度30μM,1%DMSO)、37℃で任意の時間インキュベート後、反応液の一部(10μL)を、チオフラビンT溶液(50μMチオフラビンT,10μL)と50mM glycine-NaOHバッファー(pH8.5,396μL)の混合溶液に加え、直ちに混合しチオフラビンTの蛍光強度を測定した。蛍光強度測定において励起波長として440nm、蛍光波長として480nmを用いた。
【実施例】
【0070】
得られた結果を、コントロールに用いたDMSO溶液の活性を100としたときの凝集阻害比として表1及び表2に示した。
【実施例】
【0071】
【表1】
JP2015087865A1_000006t.gif
【実施例】
【0072】
【表2】
JP2015087865A1_000007t.gif
【実施例】
【0073】
その結果、本発明化合物(1)が既知の鎖状化合物に比べて強いAβ凝集阻害活性を示すことがわかった。