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明細書 :駆動装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成29年3月2日(2017.3.2)
発明の名称または考案の名称 駆動装置
国際特許分類 H02K  21/12        (2006.01)
H02K  21/22        (2006.01)
H02K   7/06        (2006.01)
H02K  16/00        (2006.01)
FI H02K 21/12 M
H02K 21/22 M
H02K 7/06 Z
H02K 16/00
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 26
出願番号 特願2015-537917 (P2015-537917)
国際出願番号 PCT/JP2014/074356
国際公開番号 WO2015/041200
国際出願日 平成26年9月16日(2014.9.16)
国際公開日 平成27年3月26日(2015.3.26)
優先権出願番号 2013195528
優先日 平成25年9月20日(2013.9.20)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】藤本 康孝
出願人 【識別番号】504182255
【氏名又は名称】国立大学法人横浜国立大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100101915、【弁理士】、【氏名又は名称】塩野入 章夫
審査請求 未請求
テーマコード 5H607
5H621
Fターム 5H607BB01
5H607BB17
5H607BB21
5H607BB23
5H607DD01
5H607DD02
5H607DD03
5H607EE26
5H607HH03
5H621BB01
5H621BB02
5H621BB07
5H621GA04
5H621GA12
5H621HH01
要約 駆動装置は、らせん状の突起部を有する回転子と、らせん状の溝部を有する固定子と、回転子の移動によって駆動する出力部とを備え、らせん状の回転子と固定子との組み合わせた構成であり、回転子軸方向の長さを循環軌道の長さよりも短い一つ又は複数の回転子ユニットで回転子を構成し、回転子ユニットが固定子に対するらせん運動において、回転子ユニットの軸方向の進行動作によって回転子を循環軌道上での移動を可能とし、回転子と固定子とのらせん状部分を対向させ、この間の磁力を用いることで駆動トルクのトルク密度を高める。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
回転子軸と、当該回転子軸の外周に径方向に設けたらせん状の突出部とを備え、当該回転子軸の回転に伴って循環軌道上を移動する回転子と、
前記回転子が備えるらせん状の突出部のピッチと同ピッチのらせん状の溝部を前記循環軌道に沿って配置した固定子と、
当該回転子と当接し、当該回転子の回転子軸方向の移動に伴って前記循環軌道に沿って駆動する出力部とを備え、
前記回転子は、回転子軸方向の長さが前記循環軌道の長さよりも短い一つ又は複数の回転子ユニットから成り、当該回転子ユニットは、前記固定子のらせん状溝部内において前記回転子軸の周りでらせん状に回転自在であり、
前記回転子ユニットおよび前記固定子は、前記回転子ユニットのらせん状突出部の軸方向の側面と、前記固定子のらせん状溝部の軸方向の側面とを対向させ、
らせん状突出部の側面又はらせん状溝部の側面の何れか一方に所定の等角度間隔でN極とS極とを交互に着磁部を設け、
らせん状突出部の側面又はらせん状溝部の側面の他方に前記等角度間隔と異なる所定の等角度間隔で励磁部を配置し、
前記励磁部は、当該励磁部の励磁を制御することによって前記各回転子ユニットを前記固定子に対してらせん状に回転させながら回転子軸方向に進行させ、前記各回転子ユニットの前記回転子軸方向への移動に伴って前記出力部を前記循環軌道に沿って移動させることを特徴とする、駆動装置。
【請求項2】
前記複数の回転子ユニットが前記回転子軸の周りで回転する各回転速度を同期させる同期部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記同期部は、隣接する回転子ユニット間において、前記各回転子ユニットの回転子軸と直交する面内方向において回動自在に連結する自在継ぎ手又はユニバーサルジョイントであり、隣接する二つの回転子ユニット間において、両回転子ユニットが各回転子軸の周りで回転する回転速度を一致させることを特徴とする、請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記同期部は、前記各回転子ユニットが各回転子軸の周りで回転する回転速度を検出するセンサと、
前記センサの検出信号に基づいて得られる回転子ユニットの回転速度に基づいて当該回転子ユニットを駆動する励磁部の励磁位相を制御する位相制御部とを備え、
隣接する回転子ユニット間において、前記位相制御によって両回転子ユニットが回転子軸の周りで回転する回転速度を一致させることを特徴とする、請求項2に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記固定子は、前記回転子が移動する循環軌道に対して内側又は外側に配置されることを特徴とする、請求項請求項1から4の何れか一つに記載の駆動装置。
【請求項6】
前記固定子は、前記回転子が移動する循環軌道に対して側面に配置されることを特徴とする、請求項1から4の何れか一つに記載の駆動装置。
【請求項7】
前記固定子は、前記回転子が移動する循環軌道に対して両側面に配置され、前記回転子を両側から挟むことを特徴とする、請求項6に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記循環軌道は、円形状、略楕円形状、トラック形状、略トラック形状のうち何れか一つの形状であることを特徴とする、請求項請求項1から7の何れか一つに記載の駆動装置。
【請求項9】
前記着磁間隔は90°間隔、および前記励磁部の配置間隔は60°間隔、又は、前記着磁間隔は45°間隔および前記励磁部の配置間隔は30°間隔であることを特徴とする、請求項1から8の何れか一つに記載の駆動装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの回転力をギア等の間接的機構を介することなく、駆動対象を直接に駆動する駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
産業機器や輸送機器等に使用される産業用アクチュエータに用いられる駆動装置において、例えば、電気自動車では、モータと減速機とを組み合わせた構成のインホイールモータが知られ、人の動きを補助するアシストロボット等のアシスト機器では、モータと減速機とを組み合わせた構成や油圧による構成が知られている。
【0003】
モータと減速機との組み合わせでは、等価慣性や機械損失が増加し安全性や制御性が低下する要因となるため高トルク化が求められる。この高トルク化は、モータの大型化や重量化を招くため、サイズを小型化すると共にトルクの高密度化が課題となっている。
【0004】
モータの回転力をギア等の間接的機構を介することなく負荷に回転力を伝えることによって機械損失を低減する機構として、ダイレクトドライブが知られている。例えば、電気自動車用のインホイールモータにダイレクトドライブを適用した例として特許文献1が知られており、また、アシストロボットにダイレクトドライブを適用した例として特許文献2,3が知られている。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特許第4133125号
【特許文献2】特開2010-269392号公報
【特許文献3】特公平07-041558公報
【特許文献4】特許第4543165号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
モータと減速機とを組み合わせた構成に代えてダイレクトドライブを用いた駆動装置によれば、モータの回転力をギア等の間接的機構を介することなく駆動対象を直接駆動するため、減速機(ギアボックス)を省くことによって高トルク化することが期待される。しかしながら、電気自動車用のインホイールモータやアシスト機器等に搭載されるダイレクトドライブは通常のモータの構成であるため、トルクをより高めるには定格の大きな大型のモータを用いることになる。そのため、小型でかつ高トルクの要求を満たすには、駆動装置のトルク密度を高めることが求められ、従来知られているダイレクトドライブを用いた駆動装置では困難である。
【0007】
一方、高トルクを出力するモータとしてスパイラル型リニアモータ(特許文献4)が知られている。このスパイラル型リニアモータはらせん状の回転子と固定子の組み合わせによって高い直進駆動力を得る構成である。スパイラル型リニアモータは大きな推進力が得られるものの駆動方向は直進であって線形の往復運動を行う駆動装置に好適ではあるが、回転運動等の循環軌道に沿って可動部分が移動して駆動する駆動装置に適用することはできない。
【0008】
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、回転駆動等の移動部分が循環軌道上を移動する駆動装置において、循環軌道上における可動部分の移動を可能とすると共に、駆動トルクのトルク密度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明の駆動装置は、らせん状の回転子と固定子とを組み合わせた構成であり、回転子軸方向の長さを循環軌道の長さよりも短い一つ又は複数の回転子ユニットで回転子を構成し、回転子ユニットが固定子に対するらせん運動において、回転子ユニットの軸方向の進行動作によって回転子を循環軌道上での移動を可能とし、回転子と固定子とのらせん状部分を対向させ、この間の磁力を用いることで駆動トルクのトルク密度を高める。
【0010】
本願発明の駆動装置は、らせん状の突起部を有する回転子と、らせん状の溝部を有する固定子と、回転子の移動によって駆動する出力部とを備える。
【0011】
回転子は、回転子軸と、回転子軸の外周に径方向に設けたらせん状の突出部とを備え、回転子軸の回転によってらせん運動する。回転子は、回転子軸方向の長さが循環軌道の長さよりも短い一つ又は複数の回転子ユニットから成り、各回転子ユニットは、固定子のらせん状溝部内において回転子軸の周りでらせん状に回転自在である。回転子は、らせん運動によって軸方向に移動トルクが発生し、この移動トルクによって循環軌道上を移動する。
【0012】
固定子のらせん状の溝部は、回転子が備えるらせん状の突出部のピッチと同ピッチであり、回転子に循環軌道に沿って配置される。
【0013】
出力部は、回転子と当接し、回転子の回転子軸方向の移動に伴って循環軌道に沿って駆動する。
【0014】
回転子ユニットおよび固定子は、回転子ユニットのらせん状突出部の軸方向の側面と、固定子のらせん状溝部の軸方向の側面とを対向させ、らせん状突出部の側面又はらせん状溝部の側面の何れか一方に所定の等角度間隔でN極とS極とを交互に着磁した着磁部を設け、らせん状突出部の側面又はらせん状溝部の側面の他方に着磁部の等角度間隔と異なる所定の等角度間隔で励磁部を配置する。
【0015】
励磁部は、励磁部の励磁を制御することによって各回転子ユニットを固定子に対してらせん状に回転させながら回転子軸方向に進行させ、各回転子ユニットの回転子軸方向への移動に伴って出力部を循環軌道に沿って移動させる。
【0016】
回転子が備える複数の回転子ユニットは、各回転子ユニットが回転子軸の周りで回転する各回転速度を同期させて、回転速度を一致させる同期部を備える。回転子ユニットの回転子軸の周りの回転速度と回転子軸方向に移動する移動速度とはらせん状部分のピッチに依存して一定の関係があるため、各回転子ユニットの回転速度を合わせることよって回転子軸方向の移動速度を合わせることができる。各回転子ユニットの回転子軸方向の移動速度を合わせることによって、各回転子ユニットが循環軌道上で移動する移動速度を合わせ、各回転子ユニット間の循環軌道上での間隔を一定間隔に保持し、これによって駆動を円滑とすることができる。
【0017】
同期部は、機械的に構成する態様の他に、電気的制御によって構成する態様とすることができる。
【0018】
同期部を機械的に構成する一態様は、隣接する回転子ユニット間において、各回転子ユニットの回転子軸と直交する面内方向において回動自在に連結する自在継ぎ手又はユニバーサルジョイントを備える。自在継ぎ手又はユニバーサルジョイントは、隣接する回転子ユニットにおいて、互いの回転子軸の周りの回転運動および回転子軸方向の進行運動に相互に連動し、回転速度および進行速度を平均化する。循環軌道上の全ての回転子ユニットは互いに隣接する回転子ユニット間の自在継ぎ手又はユニバーサルジョイントによって連結されるため、全ての回転子ユニットの回転速度および進行速度は平均化され、一定速度となる。
【0019】
同期部を電気的制御によって構成する態様は、各回転子ユニットが各回転子軸の周りで回転する回転速度を検出するセンサと、センサの検出信号に基づいて得られる回転子ユニットの回転速度に基づいてその回転子ユニットを駆動する励磁部の励磁位相を制御する位相制御部とを備える。
【0020】
各回転子ユニットの回転速度は各センサによって検出される。位相制御部は、各センサで検出された各回転子ユニットの回転速度を表す検出信号に基づいて各回転子ユニットの回転速度を求め、各回転子ユニットの回転速度が一致するように励磁部の励磁位相を制御する。回転速度を制御する基準回転速度は、指令値に基づいて定める態様、一センサを基準センサとし、その基準センサの検出信号から求めた回転速度に基づいて定める態様、複数のセンサの検出信号から求めた回転速度の平均値に基づいて定める態様等、任意の態様で定めることができる。
【0021】
循環軌道上の全ての回転子ユニットは、位相制御部によって回転速度および進行速度は平均化され、一定速度となる。
【0022】
回転子および固定子の配置は複数の態様とすることができる。
回転子および固定子の第1の配置態様は、固定子を回転子が移動する循環軌道に対して内側又は外側に配置する。第1の配置態様によれば、循環軌道が円形状の場合には回転子と固定子は2重の環状に配置される。固定子を内側に配置し回転子を外側に配置した構成では出力部は回転子の外側への配置が容易であり、固定子を外側に配置し回転子を内側に配置した構成では出力部は回転子の内側への配置が容易である。
【0023】
回転子および固定子の第2の配置態様は、固定子を回転子が移動する循環軌道に対して側面に配置する。第2の配置態様によれば、固定子と回転子との組み立てにおいて、互いのらせん状部分の組み込み、および回転子ユニットの配置を容易に行うことができる。
【0024】
第2の配置態様では、固定子を回転子が移動する循環軌道に対して両側面に配置して、回転子を両側から固定子で挟む構成とする他、循環軌道に対して何れか一方の側面に配置する構成とすることができる。回転子を両側から固定子で挟む構成によれば、回転子と固定子の磁極部の対向面積が増大するため、トルク密度を高めることができる。
【0025】
本願発明の駆動装置において、回転子が移動する循環軌道は、円形状に限らず、略楕円形状やトラック形状や略トラック形状の形状とすることができる。トラック形状は、互いに曲率半径および円弧長さが等しい2つの円弧同士を、互いに長さが等しい2つの線分で接続した形状であり、略トラック形状は2つの円弧の円弧半径が異なる形状や、円弧形状を3つ以上とする形状等の類似する形状も含むものである。
【0026】
回転子ユニット又は固定子に設ける着磁部および励磁部において、着磁間隔を90°間隔とし、励磁部の配置間隔を60°間隔とする配置構成とする他、着磁間隔を45°間隔とし、励磁部の配置間隔を30°間隔とする配置構成とすることができる。
【0027】
回転子ユニットの配置個数は、一つ又は複数とすることができる。循環軌道上に一つの回転子ユニットを配置する構成によれば、循環軌道の全軌道上に複数の回転子ユニットを配置する構成と比較して得られる駆動トルクは低減するが、循環軌道の形状や駆動装置の使用環境によって配置位置が制限される場合に好適である。
【0028】
また、循環軌道上に任意の個数の回転子ユニットを配置する構成によれば、回転子ユニット間の配置間隔に余裕を持たせることよって、隣接する回転子ユニット突出部同士の干渉を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、本願発明の駆動装置によれば、可動部分が循環軌道に沿って移動する駆動装置において、駆動トルクのトルク密度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本願発明の駆動装置の概略構成を説明するための斜視図である。
【図2】本願発明の駆動装置の概略構成を説明するための平面図である。
【図3】本願発明の回転子ユニットを説明するための図である。
【図4】本願発明の回転子ユニットの循環軌道上のらせん運動を説明するための図である。
【図5】本願発明の固定子の概略構成を説明するための図である。
【図6】本願発明の固定子の一部の構成を説明するための図である。
【図7】本願発明の励磁部の構成例を説明するための図である。
【図8】本願発明の励磁部の構成例を説明するための図である。
【図9】本願発明の出力部の構成例を説明するための図である。
【図10】本願発明の同期部の機械的な構成例を説明するための図である。
【図11】本願発明の同期部の電気的制御による構成例を説明するための図である。
【図12】本願発明の回転子を外側に配置し固定子を内側に配置する駆動装置の構成例を説明するための図である。
【図13】本願発明の回転子を内側に配置し固定子を外側に配置する駆動装置の構成例を説明するための図である。
【図14】本願発明の回転子を内側に配置し固定子を外側に配置する駆動装置の回転子の構成例を説明するための図である。
【図15】本願発明の回転子を内側に配置し固定子を外側に配置する駆動装置の固定子の構成例を説明するための図である。
【図16】本願発明の回転子を内側に配置し固定子を外側に配置する駆動装置の出力部の構成例を説明するための図である。
【図17】本願発明の回転子を内側に配置し固定子を外側に配置する駆動装置の機械的な同期部の構成例を説明するための図である。
【図18】本願発明の回転子を内側に配置し固定子を外側に配置する駆動装置の構成例を説明するための図である。
【図19】本願発明の回転子と固定子とを循環軌道に対して側面に配置する構成例を説明するための図である。
【図20】本願発明の回転子と固定子との配置および出力状態を説明するための図である。
【図21】本願発明の駆動装置の循環軌道がトラック形状である構成を説明するための図である。
【図22】本願発明の回転子を循環軌道上で配置間隔を開けて配置する構成を説明するための図である。
【図23】本願発明の回転子を循環軌道上で配置間隔を開けて配置する構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本願発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。以下、図1,2を用いて本願発明の駆動装置の概略構成を説明し、図3、4を用いて回転子の構成例を説明し、図5、6を用いて固定子の構成例を説明し、図7,8を用いて励磁部の構成例および励磁位相を説明し、図9を用いて出力部の構成例を説明し、図10,11を用いて同期部の構成例を説明し、図12~図23を用いて変形例を説明する。

【0032】
[駆動装置の概略構成]
図1,2は本願発明の駆動装置1の概略構成を説明するための斜視図および平面図である。

【0033】
本願発明の駆動装置1は回転子2と固定子4と出力部5を備える。なお、図1,2に示す構成例は、固定子4を内側に配置し回転子2を外側に配置し、出力部5を最外周に配置した配置構成を示している。

【0034】
回転子2は、回転子軸2aと、回転子軸2aの外周部分に径方向に突出して設けたらせん状突出部2bとを備え、回転子軸2aの回転に伴ってらせん運動により図4に示す循環軌道20上を移動する。

【0035】
循環軌道20は回転子2が移動する位置軌跡を示し、循環する閉じた経路を構成している。循環軌道20は、円形状の軌道、楕円形状の軌道、あるいはトラック形状の軌道とすることができる。トラック形状とは、互いに曲率半径および円弧長さが等しい2つの円弧同士を、互いに長さが等しい2つの線分で接続した形状である。トラック形状の変形例として、2つの円弧の円弧半径が異なる形状や、円弧形状を3つ以上とする形状等の類似する形状としてもよい。

【0036】
固定子4は、回転子2が備えるらせん状突出部2bのピッチと同ピッチのらせん状溝部4aを備える。らせん状溝部4aは循環軌道20に沿って配置される。回転子2のらせん状突出部2bはらせん状溝部4a内をらせん運動することで循環軌道20上を移動する。

【0037】
出力部5は、回転子2の回転軸の軸端と当接し、回転子2の回転子軸方向の移動に伴って循環軌道20に沿って駆動する。

【0038】
回転子2は、一つ又は複数の回転子ユニット3を循環軌道20に配置することによって構成することができる。回転子2を構成する複数の回転子ユニット3は、回転子軸2aの軸方向の長さを循環軌道20の長さよりも短くし、複数の回転子ユニット3で構成する場合には、各回転子ユニット3を循環軌道20上で所定間隔あるいは所定の角度間隔を開けて配置する。回転子ユニット3は、固定子4のらせん状溝部4a内において回転子軸2aの周りでらせん状に回転自在であり、回転子軸2aを回転軸として回転することによって回転子軸2aの軸方向に移動し、循環軌道20上を進む。

【0039】
各回転子ユニット3および固定子4は、回転子2が備えるらせん状突出部2bの軸方向の側面と、固定子4のらせん状溝部4aの軸方向の側面とを対向させ、対向する各側面に磁極を構成することによって駆動力を発生させる。

【0040】
側面に設ける磁極は、らせん状突出部2bの側面又はらせん状溝部4aの側面の何れか一方に所定の等角度間隔でN極とS極とを交互に着磁部を設け、らせん状突出部2bの側面又はらせん状溝部4aの側面の他方に着磁部を設けた等角度間隔とは異なる所定の等角度間隔で励磁部を配置することで構成することができる。

【0041】
図1、2では、回転子2のらせん状突出部2bの側面に着磁部2cを設け、固定子4のらせん状溝部4aの側面に着磁部2cを設けた等角度間隔とは異なる所定の等角度間隔で励磁部4bを設けた構成例を示している。着磁部と励磁部の配置はこの配置例に限らず、回転子2のらせん状突出部2bの側面に励磁部4bを設け、固定子4のらせん状溝部4aの側面に所定の等角度間隔で着磁部2cを設ける構成としてもよい。

【0042】
励磁部4bは、励磁部4bの励磁を制御することによって各回転子ユニット3を固定子4に対してらせん状に回転させながら回転子軸2aの軸方向に進行させ、各回転子ユニット3の回転子軸2aの軸方向への移動に伴って回転子2を循環軌道20上で移動させ、出力部5を循環軌道に沿って駆動させる。

【0043】
励磁部4bは励磁コイルによって構成することができ、励磁コイルに印加する励磁電圧の位相を制御することによって回転子軸の周囲で回転する磁界を形成する。着磁部との磁界作用によって、回転子ユニット3は回転子軸2aを回転軸として回転すると共に、らせん状突出部2bとらせん状溝部4aのらせん状形状によって、回転子軸2aの軸方向に作用力が発生し、回転子ユニット3と共に回転子2を循環軌道20上で移動させる。

【0044】
したがって、本願発明の駆動装置1は、回転子ユニット3が固定子4に対する上記したらせん運動によって回転子軸方向の移動によって回転子2を循環軌道20上で移動させ出力部を循環軌道20に沿って駆動させる。

【0045】
[回転子の構成]
図3、図4を用いて回転子を構成する回転ユニットの構成例を説明する。図3は回転子ユニットの本体の概略構成、および回転子ユニットの着磁部を設けた構成を示し、図4は回転子ユニットの循環軌道20上のらせん運動状態を示している。

【0046】
回転子ユニット3は、回転子軸2aの外周部分に径方向に突出してらせん状突出部2bが設けられ、回転子2の一部を構成する。回転子ユニット3は鉄等の磁性体で形成することができる。

【0047】
図3に示す回転子ユニット3の例では、らせん状突出部2bは回転子軸2aに対して回転方向で2周期分の長さを備える構成を示しているが、らせん状突出部2bの周方向の長さは、発生する駆動力や、回転時において隣接する回転子ユニット3との干渉を考慮して任意に定めることができる。

【0048】
例えば、らせん状突出部2bの周方向の最短の長さは、らせん状突出部2bに設けた着磁部2cと固定子4側に設けた励磁部4bとが対向することによって発生する磁力作用が、回転子軸2aの周りにおいて回転子ユニット3が回転動作するに十分な長さで定めることができる。

【0049】
また、らせん状突出部2bの周方向の最長の長さは、隣接する回転子ユニット3間の設定配置間隔において、隣接する回転子ユニット3の径方向に突出したらせん状突出部2b同士が回転中に干渉しない長さで定めることができる。

【0050】
図4(a),(b)は、回転子ユニット3の回転が半周期分ずれた位置を示している。回転子ユニット3が回転子軸2aの軸周りで半周分だけ回転すると、らせん状突出部2bも半周分回転するとと共に、回転子ユニット3は循環軌道20上を移動する。図4(b)は図4(a)に対して左方向に移動した例を示している。

【0051】
このとき、回転子ユニット3は弧状の循環軌道20上で回転するため、隣接する回転子ユニット3のらせん状突出部2bの先端の相対位置が接近する。このとき、らせん状突出部2bの先端同士が干渉すると回転子ユニット3および回転子2の回転に支障が生じることになるため、回転子ユニット3および隣接する回転子ユニット3間の距離を干渉が生じない範囲に設定する。

【0052】
図3(b)は、回転子ユニット3のらせん状突出部2bの回転子軸2aの軸方向に対して両側面に着磁部2cを設けた構成を示している。図3(b)では、N極とS極を交互に90°間隔で配置した着磁部2cの例を示している。着磁部2cは、例えば、永久磁石等の着磁した磁性体を貼り付けることで構成することができるが、着磁の構成はこの構成に限られるものではない。また、着磁部2cのN極とS極の配置間隔は90°に限らず任意の所定の等角度間隔とすることができる。

【0053】
図3(b)において、回転子ユニット3の回転子軸2aの両端部分には連結部6aが設けられる。連結部6aは、複数の回転子ユニット3において隣接する回転子ユニット3間を、各回転子ユニット3が循環軌道20上で円滑に回転および移動するように連結する自在継ぎ手6により構成される。

【0054】
自在継ぎ手6は、各回転子ユニット3が回転する際に、回転子軸2aが循環軌道20上にあって直線上にないことから生じる位置ずれを解消して、円滑な回転および移動を可能とする。

【0055】
自在継ぎ手6において、隣接する回転子ユニット3同士は、各回転子ユニット3を循環軌道20上に配置した際に対向するそれぞれの連結部6aを図10に示す連結部材6b(図4には示していない)等で連結する。回転子ユニット3の両端の連結部6aの向きは、回転子軸2aに対して角度を90°ずらして設けられる。連結部6aの取り付け角度をずらすことで、隣接する回転子ユニット3からの径方向の作用が重なることを低減し、らせん状運動を円滑にすることができる。

【0056】
なお、図3(b)に示す連結部6aは自在継ぎ手6の一形態を構成する機械的な構成要素である。自在継ぎ手又はユニバーサルジョイントはこのような機械的な構成に限らず、励磁部の励磁状態を電気的に制御する構成とすることができる。機械的な自在継ぎ手又はユニバーサルジョイントについては図10を用いて説明し、電気的制御によって自在継ぎ手又はユニバーサルジョイントと同様の作用を奏する構成については図11を用いて説明する。

【0057】
[固定子の構成]
図5,図6を用いて固定子の構成例を説明する。図5は固定子の概略構成を示し、図6は固定子の一部の構成を示している。

【0058】
固定子4は、循環軌道20に沿って配置され、複数に分割した分割部分を連接することによって構成することができる。また、固定子4は鉄等の磁性体で形成することができる。

【0059】
図5において、固定子4は、回転子2が備えるらせん状突出部2bのピッチと同ピッチのらせん状溝部4aを備え、らせん状溝部4aは循環軌道20に沿って配置され、各らせん状溝部4aには励磁部4bが設けられる。

【0060】
図6に示す固定子の分割部分は、らせん状溝部4aの半周期分のブロックを示し、図6(a)は励磁部を設けていない状態を示し、図6(b)は励磁部を設けた状態を示している。分割部分は図6で示した半周期分のブロックを一つ用いて構成する他、半周期分のブロックを複数個用いて構成してもよい。

【0061】
図6において、固定子4を構成する一ブロックには、らせん状溝部4aを構成する一方の壁部4dが形成されている。壁部4dは、回転子の軸方向と直交する方向に対してねじれた位置に設けることによってらせん状溝部4aを形成している。

【0062】
壁部4dには、回転子軸の軸方向の両側面には励磁コイル4eを設けるための凸部4cが形成される。図6(b)は固定子4に励磁部4bを設けた状態を示している。励磁部4bは、凸部4cの周囲に巻回した励磁コイル4eを配することで構成することができる。図6(b)に示す励磁部4bの励磁コイル4eの配置例は、半周期分に3相分の励磁コイルを配した例を示している。

【0063】
[励磁部の構成]
図7,8を用いて励磁部の構成例を説明する。構成例は3相巻線の例を示している。
図7に示す構成例において、着磁部2cは一周期分を90°間隔で4分割してN極とS極をそれぞれ周方向に交互に配置した例を示し(図7(a),図7(d))、励磁部4bは半周期分を3分割してU相、V相、およびW相を周方向に60°間隔で順に配置した例を示している(図7(b)、図7(e))。

【0064】
図7(a),(b)と図7(d),(e)とは、回転子が90°分回転した状態を示し、位相が90°ずれた状態を示している。図7(b)に示す励磁状態は、U相によってN極を形成し、V相によってS極を形成し、W相によってN極を形成した状態である。一方、図7(e)は、U相によってS極を形成し、V相によってN極を形成し、W相によってS極を形成した状態である。

【0065】
図7(c)は図7(a)および図7(b)の状態における回転子の磁極位置および固定子の励磁状態を示し、一方、図7(f)は図7(d)および図7(e)の状態における回転子の磁極位置および固定子の励磁状態を示している。

【0066】
図8に示す構成例において、着磁部2cは一周期分を45°間隔で8分割してN極とS極をそれぞれ周方向に交互に配置した例を示し(図8(a),図8(d))、励磁部4bは半周期分を6分割してU相、V相、およびW相を周方向に30°間隔で順に配置した例を示している(図8(b)、図8(e))。

【0067】
図8(a),(b)と図8(d),(e)とは、45°位相がずれた状態であって回転子が45°分回転した状態を示している。図8(b)に示す励磁状態は、U相によってN極を形成し、V相によってS極を形成し、W相によってN極を形成した状態であり、一方、図8(e)は、U相によってS極を形成し、V相によってN極を形成し、W相によってS極を形成した状態である。

【0068】
図8(c)は図8(a)および図8(b)の状態における回転子の磁極位置および固定子の励磁状態を示し、一方、図8(f)は図8(d)および図8(e)の状態における回転子の磁極位置および固定子の励磁状態を示している。

【0069】
[出力部の構成]
図9を用いて出力部5の一構成例を説明する。出力部5は、回転子2の各回転子ユニット3の回転子軸の軸方向の移動に伴って循環軌道に沿って移動する。出力部5は、回転子ユニット3の移動に従動するための構成として従動部5aを備える。回転子ユニット3の回転子軸2aの端部は、回転子ユニット3が回転子軸2aの軸方向に移動すると、従動部5aと当接して出力部5を押し、出力部5を循環軌道に沿って移動させる。

【0070】
[同期部の構成]
図10,11を用いて同期部の構成例を説明する。図10は機械的な構成からなる同期部の構成例を示す図であり、図11は電気的制御による同期部の構成例を示す図である。

【0071】
図10を用いて機械的な同期部の構成例について説明する。機械的な同期部の一構成例として自在継ぎ手6を用いることができる。

【0072】
自在継ぎ手6は、隣接する回転子ユニット3間において、各回転子ユニット3の回転子軸2aの軸方向の端部に設けた連結部6a同士を連結部材6b等によって連結し、各回転子ユニット3の回転子軸2aと直交する面内方向において回動自在に連結する。自在継ぎ手6は、隣接する回転子ユニット3において、互いの回転子軸2aの周りの回転運動および回転子軸2aの軸方向の進行運動と相互に連動し、回転速度および進行速度を平均化する。循環軌道上に配置される全ての回転子ユニット3は自在継ぎ手6によって連結されるため、全ての回転子ユニット3の回転速度および進行速度は平均化され、一定速度となる。

【0073】
図11を用いて電気的制御による同期部の構成例について説明する。電気的制御による同期部の一構成例において、同期部7は、各回転子ユニット3が各回転子軸の周りで回転する回転速度を検出するセンサ8と、センサ8の検出信号に基づいて回転速度を検出する速度検出部9と、速度検出部9で検出した回転子ユニット3の回転速度に基づいて回転子ユニット3を駆動する励磁部4bの励磁位相を制御する位相制御部10とを備える。

【0074】
励磁制御部11は、位相制御部10の位相制御に基づいて励磁部4bの励磁位相を制御する。隣接する回転子ユニット間において、位相制御を行うことによって回転子ユニット3が回転子軸の周りで回転する回転速度を一致させる。

【0075】
なお、センサ8は各回転子ユニット3の回転速度を検出するために、回転子ユニット3と同じ個数を配置し、励磁制御部11は固定子4の各励磁部4bと接続して個々に励磁位相を制御する構成とするが、図11では、センサ8および励磁制御部11と固定子4の励磁部4bとを接続する配線は一部のみを示している。

【0076】
また、同期部は、回転子ユニット3の固定子4に対するらせん運動を制御すると共に、回転子ユニット3が固定子4と接触しないように制御する。機械的構成による同期部は、自在継ぎ手によって複数の回転子ユニット3の回転速度を一致させることでらせん運動を制御する。また、らせん状突出部とらせん状溝部の壁部との間隔を制御すると共に、回転子ユニット3の径方向の変動を抑制することによって、回転子ユニット3が固定子4と接触をしないように制御する。

【0077】
また、電気的制御による同期部は、位相制御によって複数の回転子ユニット3の回転速度を一致させることでらせん運動を制御する。また、らせん状突出部とらせん状溝部の壁部との間隔を制御すると共に、回転子ユニット3と固定子4との間の径方向の変位を抑制して、回転子ユニット3が固定子4と接触をしないように制御する。

【0078】
電気的制御による同期部は、回転子ユニットの回転を制御する回転制御と、らせん状突出部とらせん状溝部の壁部との間隔を制御するギャップ制御の2つの制御を同時に行う。回転制御では、励磁電流によって図7中の固定子のU相、V相、およびW相の各相の磁束を制御する。また、ギャップ制御では、図7に示した固定子の位相を生成する励磁電流に対して電気角で90°位相のずれた励磁電流を用いる。

【0079】
回転制御に用いる励磁電流とギャップ制御に用いる励磁電流とを重畳して固定子の励磁コイルに供給することによって、回転制御とギャップ制御の両制御を同時に行うことができる。

【0080】
[変形例]
前記した構成例は、図12で示すように、回転子2を外側に配置し固定子4を内側に配置している。図12(a),(b)は回転子2と固定子4との位置関係を示し、固定子4は循環軌道上の回転子2に対して内側に配置される。図12(b)は図12(a)に示す状態に対して、回転子2が180°回転し、図中の左方向に移動した状態を示している。また、図12(c)は固定子4、回転子2、および出力部5が内側から外側に向かって順に環状に配置された状態を示し、図12(d)は駆動装置の断面を示している。

【0081】
回転子2と固定子4との位置関係は上記した構成に限らず、回転子2を内側に配置し固定子4を外側に配置する構成、あるいは回転子2と固定子4とを循環軌道に対して側面に配置して並設させる構成とすることができる。

【0082】
図13~図18は、回転子2を内側に配置し固定子4を外側に配置する構成例を示している。

【0083】
図13(a)の斜視図および図13(b)の平面図は駆動装置の概略外形を示し、回転子2を内側に配置し固定子4を外側に配置している。

【0084】
図14は、回転子2を内側に配置し固定子4を外側に配置する構成において、回転子2を構成する回転子ユニット3の一構成例を示している。図14(a)は連結部6aを備えない構成を示し、図14(b)は連結部6aを備えた構成を示している。回転子ユニット3の構成は、図3で示した構成とほぼ同様とすることができ、らせん状突出部2bの回転子軸2aに対する突出角度を、外側に配置された固定子4のらせん状溝部の角度に合わせて設定し、らせん状部分同士の干渉を避ける構成とする。

【0085】
図15は、回転子2を内側に配置し固定子4を外側に配置する構成において、固定子4および固定子4を構成するブロックの一構成例を示している。

【0086】
図15(a)は固定子4の外形を示す斜視図であり、内側に向かってらせん状溝部4aが形成され、励磁部4bが設けられる。図15(b)は図6に示した構成と同様であり、固定子4を構成する一ブロックには、らせん状溝部4aを構成する一方の壁部4dが形成されている。壁部4dは、回転子の軸方向と直交する方向に対してねじれた位置に設けることによってらせん状溝部4aを形成している。

【0087】
壁部4dには、回転子軸の軸方向の両側面には励磁コイル4eを設けるための凸部4cが形成される。図15(b)は固定子4に励磁部4bを設けていない状態を示し、図15(c)は固定子4に励磁部4bを設けた状態を示している。励磁部4bは、凸部4cの周囲に巻回した励磁コイル4eを配することで構成することができる。図15(c)に示す励磁部4bの励磁コイル4eの配置例は、半周期分に3相分の励磁コイルを配した例を示している。

【0088】
図16は、回転子2を内側に配置し固定子4を外側に配置する構成において、出力部5の一構成例を示している。図16に示す構成例において、出力部5は、回転子ユニット3と当接する従動部5aの両側にリブを設け、これらを連接させて環状の可動部材を構成する例を示している。

【0089】
図17は、回転子2を内側に配置し固定子4を外側に配置する構成において、図10と同様に、機械的な構成からなる同期部の構成例を示す図である。

【0090】
同期部を構成する自在継ぎ手6は、隣接する回転子ユニット3間において、各回転子ユニット3の回転子軸2aの軸方向の端部に設けた連結部6a同士を連結部材6b等によって連結し、各回転子ユニット3の回転子軸2aと直交する面内方向において回動自在に連結する。自在継ぎ手6は、隣接する回転子ユニット3において、互いの回転子軸2aの周りの回転運動および回転子軸2aの軸方向の進行運動と相互に連動し、回転速度および進行速度を平均化する。循環軌道上に配置される全ての回転子ユニット3は自在継ぎ手6によって連結されるため、全ての回転子ユニット3の回転速度および進行速度は平均化され、一定速度となる。

【0091】
図18(a),(b)に示す構成では、回転子2と固定子4との位置関係を示し、固定子4は循環軌道上の回転子2に対して外側に配置される。図18(b)は図18(a)に示す状態に対して、回転子2が180°回転し、図中の左方向に移動した状態を示している。また、図18(c)は出力部5,回転子2、および固定子4が内側から外側に向かって順に環状に配置された状態を示し、それぞれ駆動装置の平面状態および断面(図18(d))を示している。

【0092】
図19は回転子2と固定子4とを循環軌道に対して側面に配置する構成例を示している。図19(a),(b)は、回転子2の循環軌道に対して一方の側面に固定子4Aを配置し、他方の側面に固定子4Bを配置し、二つの固定子4A,4Bによって回転子2を挟む構成例を示している。出力部5は回転子2の外側および又は内側に配置することができる。図19(c)は、回転子2の循環軌道に対して一方の側面に固定子4を配置し、他方の側面に出力部5を配置する構成例を示している。

【0093】
図20は、回転子2を内側に配置し固定子4を外側に配置する構成、および回転子2と固定子4とを循環軌道に対して側面に配置する構成における出力状態を示している。

【0094】
図20(a)に示す出力例は、回転子2、固定子4,および出力部5が形成する円状軌道の中心位置に出力軸12を配置し、この出力軸12と回転子2との間をスポーク13で連結する構成であり、回転子2の回転運動を出力軸12の回転運動として取り出すことができる。図20(a)では、回転子2を固定子4の外側に配置し、最外周に設けた出力部5によって出力軸12を駆動する構成を示しているが、回転子2を固定子4の内側に配置し、最内周に設けた出力部5を出力軸12に連結する構成とすることもできる。

【0095】
図20(b)に示す出力例は、回転子2を固定子4の内側に配置し、最内周に設けた出力部5を駆動部分とする構成である。

【0096】
図20(c),(d)に示す出力例は、回転子2と固定子4とを循環軌道に対して側面に配置する構成例において、回転子2の外側に配した出力部5を駆動部分とする例、および回転子2の側面に配した出力部5を駆動部分とする例を示している。

【0097】
図21(a),(b)に示す構成例は、循環軌道の形状を円形状あるいは略楕円形状に代えてトラック形状又は略トラック形状とする例の平面および断面を示している。なお、トラック形状は、互いに曲率半径および円弧長さが等しい2つの円弧同士を、互いに長さが等しい2つの線分で接続した形状である。略トラック形状は、2つの円弧の円弧半径が異なる形状や、円弧形状を3つ以上とする形状等の類似する形状も含むものである。

【0098】
本願の駆動装置において、回転子2を構成する回転子ユニット3は循環軌道上に略連続して配置する構成とする他、循環軌道上で配置間隔を開けて配置する構成とすることができる。

【0099】
図22は、円形状の循環軌道に対して90°間隔で4つの回転子ユニット3を配置する構成を示している。図22(a)は回転子2を固定子4の外側に配置する構成であり、図22(b)は回転子2を固定子4の内側に配置する構成である。

【0100】
図23は、円形状の循環軌道上に1つの回転子ユニット3を配置する構成を示している。図23(a)は回転子2を固定子4の外側に配置する構成であり、図23(b)は回転子2を固定子4の内側に配置する構成である。この構成では、回転子2と固定子4との間に所定の間隔でスペーサを設け、これによって回転子2を固定子4に対して所定の間隔で保持させる。

【0101】
上記した各構成例では、回転子に着磁部を設け固定子に励磁コイルによる励磁部を設ける構成を示しているが、回転子に励磁部を設け固定子に着磁部を設ける構成としてもよい。回転子に励磁部を設ける構成では、スリップリングや誘導電流を用いることによって励磁コイルに励磁電流を供給することができる。

【0102】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨に基づいて種々変形することが可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明の駆動装置は、産業機器や輸送機器等に使用される産業用アクチュエータに用いられる駆動装置に適用することができ、例えば、電気自動車に用いるインホイールモータや、アシストロボット等のアシスト機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0104】
1 駆動装置
2 回転子
2a 回転子軸
2b らせん状突出部
2c 着磁部
3 回転子ユニット
3a 着磁部
4 固定子
4A,4B 固定子
4a らせん状溝部
4b 励磁部
4c 凸部
4d 壁部
4e 励磁コイル
5 出力部
5a 従動部
6 自在継ぎ手
6a 連結部
6b 連結部材
7 同期部
8 センサ
9 速度検出部
10 位相制御部
11 励磁制御部
12 出力軸
13 スポーク
20 循環軌道
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図13】
11
【図14】
12
【図15】
13
【図16】
14
【図17】
15
【図12】
16
【図18】
17
【図19】
18
【図20】
19
【図21】
20
【図22】
21
【図23】
22