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明細書 :ベクトルポテンシャル発生装置、ベクトルポテンシャルトランス、シールド透過装置、非接触空間電界発生装置、ヌル回路、およびベクトルポテンシャル発生装置用の構造体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成29年3月23日(2017.3.23)
発明の名称または考案の名称 ベクトルポテンシャル発生装置、ベクトルポテンシャルトランス、シールド透過装置、非接触空間電界発生装置、ヌル回路、およびベクトルポテンシャル発生装置用の構造体
国際特許分類 H01F   5/00        (2006.01)
FI H01F 5/00 F
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 34
出願番号 特願2015-555056 (P2015-555056)
国際出願番号 PCT/JP2014/084594
国際公開番号 WO2015/099147
国際出願日 平成26年12月26日(2014.12.26)
国際公開日 平成27年7月2日(2015.7.2)
優先権出願番号 2013273557
優先日 平成25年12月27日(2013.12.27)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】大坊 真洋
【氏名】大島 修三
出願人 【識別番号】504165591
【氏名又は名称】国立大学法人岩手大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100108578、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 詔男
審査請求
要約 導体が巻回されてなるソレノイドコイルを、基体に沿って、円環状に巻回することにより構成されてなるベクトルポテンシャルコイルと、ベクトルポテンシャルコイルの両端子間に、電気的に接続されてなる電源と、を含む、ベクトルポテンシャル発生装置であって、ベクトルポテンシャルコイルに電流を流すことにより、前記ベクトルポテンシャルコイルの巻回構造により形成された内部空間の中を、実質的に無磁場状態にするとともに、内部空間の中にベクトルポテンシャルを発生させる。
特許請求の範囲 【請求項1】
導体が巻回されてなるソレノイドコイルを、少なくとも前記ソレノイドコイルとの接触部が絶縁性を有する基体に沿って、円環状に巻回することにより構成されてなるベクトルポテンシャルコイルと、
前記ベクトルポテンシャルコイルの両端子間に、電気的に接続されてなる電源と、を含む、ベクトルポテンシャル発生装置であって、
前記ベクトルポテンシャルコイルに電流を流すことにより、前記ベクトルポテンシャルコイルの巻回構造により形成された内部空間の中を、実質的に無磁場状態にするとともに、前記内部空間の中にベクトルポテンシャルを発生させる、ベクトルポテンシャル発生装置。
【請求項2】
前記ソレノイドコイルと直列接続するように配された導体からなり、前記ベクトルポテンシャルコイルに流れる電流と等しい電流を反対方向に戻す、戻り電流用の導体を、さらに備える、請求項1に記載のベクトルポテンシャル発生装置。
【請求項3】
前記戻り電流用の導体は、前記ソレノイドコイルの巻回構造により形成された内部空間を貫通するように、配されている、請求項2に記載のベクトルポテンシャル発生装置。
【請求項4】
前記戻り電流用の導体は、前記ソレノイドコイルの巻回構造と同軸で、電流の進行方向に対して該ソレノイドコイルと巻き方向が反対となるように巻回されて配されている、請求項2に記載のベクトルポテンシャル発生装置。
【請求項5】
前記ソレノイドコイルの巻回構造は、前記巻回構造の内側に、高透磁率の材料からなる部位を備える、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のベクトルポテンシャル発生装置。
【請求項6】
前記戻り電流用の導体は、前記ソレノイドコイルが円環状に巻回する前記基体に沿って、電流の進行方向に対して巻き方向が同一方向となるように巻回されて配されている、請求項2に記載のベクトルポテンシャル発生装置。
【請求項7】
前記基体が、円筒状である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のベクトルポテンシャル発生装置。
【請求項8】
前記基体が、ドーナツ状である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のベクトルポテンシャル発生装置。
【請求項9】
前記基体が、円板状である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のベクトルポテンシャル発生装置。
【請求項10】
前記基体が、球状又は多面体である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のベクトルポテンシャル発生装置。
【請求項11】
請求項7、9、10のいずれか一項に記載のベクトルポテンシャル発生装置と、
円筒状、円板状、球状又は多面体の前記基体の内部に配された二次導体と、を備え、
前記二次導体の両端が、それぞれ前記基体の異なる端部から導出されている、ベクトルポテンシャルトランス。
【請求項12】
請求項11に記載のベクトルポテンシャルトランスと、
前記ベクトルポテンシャルトランスを構成する二次導体が、その長手方向に亘って、前記基体より小口径である円筒状の金属の内部に配されている、シールド透過装置。
【請求項13】
請求項8に記載のべクトルポテンシャル発生装置と、
ドーナツ状の前記基体の内部に、トロイダル方向に平行に配された二次導体と、を備える、ベクトルポテンシャルトランス。
【請求項14】
請求項7、9、10のいずれか一項に記載のベクトルポテンシャル発生装置を備え、
前記ベクトルポテンシャルコイルに交流電流を流すことにより、前記交流電流の時間微分に比例し、方向がベクトルポテンシャルコイルの軸と平行な電界を発生させる、非接触空間電界発生装置。
【請求項15】
請求項7、9、10のいずれか一項に記載のベクトルポテンシャル発生装置と、
前記基体の内部に配された二次導体と、を備え、
前記二次導体の入出力端子が、両方とも前記基体の同一側の端部から導出されており、
前記ベクトルポテンシャルコイルに電流を流すことにより、
前記ベクトルポテンシャルコイルに与える信号にも、円筒内部での前記二次導体の引き回しにも依存せず、前記二次導体の両端の電圧がゼロにキャンセルされる、ヌル回路。
【請求項16】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載のベクトルポテンシャル発生装置から、前記基体を除いてなる、ベクトルポテンシャル発生装置。
【請求項17】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載のベクトルポテンシャル発生装置から、前記基体と前記電源とを除いてなる、ベクトルポテンシャル発生装置用の構造体。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、磁場を発生させることなく、ベクトルポテンシャル場を発生させることが可能な、ベクトルポテンシャル発生装置、ベクトルポテンシャルトランス、シールド透過装置、非接触空間電界発生装置、ヌル回路、およびベクトルポテンシャル発生装置用の構造体、に関する。
【背景技術】
【0002】
ベクトルポテンシャルとは、電位のようなスカラー量ではなく、方向性を有したポテンシャルであり、電界や磁界を統一した概念である。
しかしながら、ベクトルポテンシャルが実際に現れるときには、電界や磁界を伴うので、ベクトルポテンシャルは数学上の産物で物理量ではないかという議論が過去になされていた。その決着をつけたのが日立の故外村博士であり、アハラノフ・ボーム効果と呼ばれる理論予想を電子線干渉の実験で見事に実証した。この実験結果により、ベクトルポテンシャルは電子波の位相を変化させることが確認された。電界や磁界ではなく、ベクトルポテンシャルを制御することができれば、新しい電磁気応用の道が開ける。
【0003】
従来、ベクトルポテンシャルを発生させるためには、装置を、電線をコイル状に巻いた構成とし、磁場は比較的単純な経路としていた。そのため、ベクトルポテンシャルは磁力線を中心に回転した配置となっていた。また、電気的な操作をしようとすると必ず磁場が現れていた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、従来、空間に電界を発生させるためには、電極を対向させて、いわゆるコンデンサーの電極問の電界を使用していた。この場合、金属電極が外界に直接暴露されるので、周囲雰囲気によっては腐食や放電が発生する場合があった。また、コンデンサー構造なので、容量性の負荷インピーダンスとなり、インピーダンスが高くなり、インピーダンスマッチングが難しかった。さらに、電極が露出しているので、高電圧で感電する虞れがあった。
次に、その電界内部に導電性媒体を置いた場合であるが、従来は時間変動磁場を導体に印加すると、円を描くような渦電流となっていた。電流は円を描くため、任意簡所への直線的な電流を誘導させることができない場合があった。
【0005】
さらに、導電性媒体として導線を用いた従来のトランスの場合は、一次コイルからの磁場が漏洩するため、他の機器に悪影響を及ぼすことがあった。特に、微細パターンを描画する電子ビーム機器や、誤動作が許されない医療機器、移動輸送機などでは厳重な磁気シールドが必要となっていた。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】日本国特開1999-347135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一態様は、磁場を発生させずに、ベクトルポテンシャル場を発生させることが可能な、ベクトルポテンシャル発生装置を提供する。
また、本発明の一態様は、磁場を発生させずに、エネルギーや信号を伝達するベクトルポテンシャルトランスを提供する。
また、本発明の一態様は、磁場を発生させずに、エネルギーや信号を伝達するシールド透過装置を提供する。
また、本発明の一態様は、磁場を発生させずに、直線状の電界を発生させ、外部に仕事をしうる非接触空間電界発生装置を提供する。
さらに、本発明の一態様は、磁場を発生させずに、ベクトルポテンシャル場を発生させることにより、二次導体の両端の電圧がゼロにキャンセルされるヌル回路を提供する。
またさらに、本発明の一態様は、磁場を発生させずに、ベクトルポテンシャル場を発生させることが可能な、ベクトルポテンシャル発生装置用の構造体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一態様のベクトルポテンシャル発生装置は、導体が巻回されてなるソレノイドコイルを、少なくとも前記ソレノイドコイルとの接触部が絶縁性を有する基体に沿って、円環状に巻回することにより構成されてなるベクトルポテンシャルコイルと、前記ベクトルポテンシャルコイルの両端子間に、電気的に接続されてなる電源と、を含んでよい。前記ベクトルポテンシャルコイルに電流を流すことにより、前記ベクトルポテンシャルコイルの巻回構造により形成された内部空間の中を、実質的に無磁場状態にするとともに、前記内部空間の中にベクトルポテンシャルを発生させてよい。
本発明の第二態様のベクトルポテンシャル発生装置は、第一態様のベクトルポテンシャル発生装置において、前記ソレノイドコイルと直列接続するように配された導体からなり、前記ベクトルポテンシャルコイルに流れる電流と等しい電流を反対方向に戻す、戻り電流用の導体を、さらに備えてよい。
本発明の第三態様のベクトルポテンシャル発生装置は、第二態様のベクトルポテンシャル発生装置において、前記戻り電流用の導体は、前記ソレノイドコイルの巻回構造により形成された内部空間を貫通するように、配されてよい。
本発明の第四態様のベクトルポテンシャル発生装置は、第二態様のベクトルポテンシャル発生装置において、前記戻り電流用の導体は、前記ソレノイドコイルの巻回構造と同軸で、電流の進行方向に対して前記ソレノイドコイルと巻き方向が反対となるように巻回されて配されてよい。
本発明の第五態様のベクトルポテンシャル発生装置は、第一から第四態様のいずれかのベクトルポテンシャル発生装置において、前記ソレノイドコイルの巻回構造は、前記巻回構造の内側に、高透磁率の材料からなる部位を備えてよい。
本発明の第六態様のベクトルポテンシャル発生装置は、第二態様のベクトルポテンシャル発生装置において、前記戻り電流用の導体は、前記ソレノイドコイルが円環状に巻回する前記基体に沿って、電流の進行方向に対して巻き方向が同一方向となるように巻回されて配されてよい。
【0009】
本発明の第七態様のベクトルポテンシャル発生装置は、第一から第六態様のいずれかのベクトルポテンシャル発生装置において、前記基体が、円筒状であってよい。
本発明の第八態様のベクトルポテンシャル発生装置は、第一から第六態様のいずれかのベクトルポテンシャル発生装置において、前記基体が、ドーナツ状であってよい。
本発明の第九態様のベクトルポテンシャル発生装置は、第一から第六態様のいずれかのベクトルポテンシャル発生装置において、前記基体が、円板状であってよい。
本発明の第十態様のベクトルポテンシャル発生装置は、第一から第六態様のいずれかのベクトルポテンシャル発生装置において、前記基体が、球状又は多面体であってよい。
【0010】
本発明の第十一態様のベクトルポテンシャルトランスは、第七、第九、及び第十態様のいずれかのベクトルポテンシャル発生装置と、円筒状、円板状、球状又は多面体の前記基体の内部空間に配された二次導体と、を備えてよい。前記二次導体の両端が、それぞれ前記基体の異なる端部から導出されてよい。
本発明の第十二態様のシールド透過装置は、第十一態様のベクトルポテンシャルトランスと、前記ベクトルポテンシャルトランスを構成する二次導体が、その長手方向に亘って、前記基体より小口径である円筒状の金属の内部に配されてよい。
本発明の第十三態様のベクトルポテンシャルトランスは、第八態様のべクトルポテンシャル発生装置と、ドーナツ状の前記基体の内部に、トロイダル方向に平行に配された二次導体と、を備えてよい。
【0011】
本発明の第十四態様の非接触空間電界発生装置は、第七、第九、及び第十態様のいずれかのベクトルポテンシャル発生装置を備えてよい。前記ベクトルポテンシャルコイルに交流電流を流すことにより、前記交流電流の時間微分に比例し、方向がベクトルポテンシャルコイルの軸と平行な電界を発生させてよい。
本発明の第十五態様のヌル回路は、第七、第九、及び第十態様のいずれかのベクトルポテンシャル発生装置と、前記基体の内部空間に配された二次導体と、を備えてよい。前記二次導体の入出力端子が、両方とも前記基体の同一側の端部から導出されてよい。前記ベクトルポテンシャルコイルに電流を流すことにより、前記ベクトルポテンシャルコイルに与える信号にも、円筒内部での前記二次導体の引き回しにも依存せず、前記二次導体の両端の電圧がゼロにキャンセルされてよい。
【0012】
本発明の第十六態様のベクトルポテンシャル発生装置は、第一から第十態様のいずれかのベクトルポテンシャル発生装置において、前記基体を除いてよい。
本発明の第十七態様のベクトルポテンシャル発生装置用の構造体は、第一から第十態様のいずれかのベクトルポテンシャル発生装置において、前記基体と前記電源とを除いてよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様のベクトルポテンシャル発生装置では、導体が巻回されてなるソレノイドコイルを、さらに円環状に巻回している。これにより、前記ベクトルポテンシャルコイルに電流を流すと、磁束が円環状に配された状態となる。ソレノイドコイルの外側には磁場は存在しないが、ベクトルポテンシャルは存在する。ソレノイドコイルをさらに円環状にすることにより、巻回構造により形成された内部空間に、平行なベクトルポテンシャルが発生する。その結果、本発明の一態様では、ベクトルポテンシャルコイルの巻回構造により形成された内部空間の中を、実質的に無磁場状態にするとともに、前記内部空間の中にベクトルポテンシャルを発生させるベクトルポテンシャル発生装置を提供できる。
【0014】
さらに、本発明の一態様では、このようなベクトルポテンシャル発生装置を備えることにより、磁場を発生させずに、エネルギーや信号を伝達するベクトルポテンシャルトランスを提供できる。
さらに、本発明の一態様では、上記のベクトルポテンシャルトランスを備えることにより、磁場を発生させずに、エネルギーや信号を伝達するシールド透過装置を提供できる。
さらに、本発明の一態様では、このようなベクトルポテンシャル発生装置を備えることにより、磁場を発生させずに、非接触で電界発生を発生する非接触空間電界発生装置を提供できる。
さらに、本発明の一態様では、このようなベクトルポテンシャル発生装置を備えることにより、電流の影響を受けずに、二次導体の両端の電圧がゼロにキャンセルされるヌル回路を提供できる。
【0015】
さらに、本発明の一態様のベクトルポテンシャル発生装置は、ソレノイドコイル自体が硬質の部材から構成されるならば、基体は存在しなくても、その形状が保持されるので、上述した作用・効果が得られる。
さらに、本発明の一態様のベクトルポテンシャル発生装置用の構造体は、上述したベクトルポテンシャル発生装置から、基体と電源とを除いてなる構成として提供できる。たとえば、構造体そのものが自立可能なら「基体」は不要であり、あるいは発生したベクトルポテンシャルを関与させる物体を「基体」の代りに用いても「基体」は不要である。また、構造体の近傍に配される物体から供給される電気エネルギーを「電源」の代りとして利用することにより、本発明の構造体は「ベクトルポテンシャル発生装置用の構造体」として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第一実施形態に係るベクトルポテンシャル発生装置の一例を示す図。
【図2】図1に示した発生装置の他の一例を示す図。
【図3】図1に示した発生装置用の構造体の一例を示す図。
【図4】図1に示した発生装置の他の一例を示す図。
【図5】図1に示した発生装置の他の一例を示す図。
【図6】図1に示した発生装置の他の一例を示す図。
【図7】図1に示した発生装置の他の一例を示す図。
【図8】図1に示した発生装置の他の一例を示す図。
【図9】図1に示した発生装置の他の一例を示す図。
【図10】図1に示した発生装置の他の一例を示す図。
【図11】第一実施形態に係るベクトルポテンシャルトランスの一例を示す図。
【図12】図1に示した発生装置に電流を流した際の出力信号のオシログラフ。
【図13】第二実施形態に係るベクトルポテンシャル発生装置の一例を示す図。
【図14】図11に示した発生装置の他の一例を示す図。
【図15】図11に示した発生装置の他の一例を示す図。
【図16】第二実施形態に係るベクトルポテンシャルトランスの一例を示す図。
【図17】第三実施形態に係るベクトルポテンシャル発生装置の一例を示す図。
【図18】第四実施形態に係るベクトルポテンシャル発生装置の一例を示す図。
【図19】ヌル回路の一例を示す図。
【図20】二次コイルに超伝導線を用いた構成例を示す図。
【図21A】二次コイルに多条コイルを用いた構成例を示す図。
【図21B】二次コイルに多条コイルを用いた構成例を示す図。
【図22A】ベクトルポテンシャルトランスの入出力特性を示すグラフ。
【図22B】ベクトルポテンシャルトランスの入出力特性を示すグラフ。
【図22C】ベクトルポテンシャルトランスの入出力特性を示すグラフ。
【図23A】巻線方向とベクトルポテンシャルの各種成分の方向を説明する図。
【図23B】巻線方向とベクトルポテンシャルの各種成分の方向を説明する図。
【図23C】トランスインピーダンス(二次電圧/一次電流)の周波数特性を示すグラフ。
【図24】二次導体にソレノイドコイルを使用した場合のトランスインピーダンス(二次電圧/一次電流)の周波数特性を示すグラフ。
【図25】トランスインピーダンス(二次電圧/一次電流)の周波数特性を示すグラフ。
【図26】ソレノイドタイプのベクトルポテンシャルコイルの駆動方法の他の実施例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明の一態様に係るベクトルポテンシャル発生装置、ベクトルポテンシャルトランス、非接触空間電界発生装置、およびヌル回路の一実施形態について、図面に基づいて説明する。

【0018】
<ベクトルポテンシャル発生装置>
[第一実施形態]:基体が円筒状の場合
(1-1)基本構造
図1は、本第一実施形態に係るベクトルポテンシャル発生装置の一構成例を模式的に示す図である。
このベクトルポテンシャル発生装置1A(1)は、導体2が巻回されてなるソレノイドコイル3を、たとえば前記ソレノイドコイル3との接触部が絶縁性を有する基体10に沿って、円環状に巻回することにより構成されてなるベクトルポテンシャルコイル4と、前記ベクトルポテンシャルコイル4の両端子間に、電気的に接続されてなる電源5と、を含む。電源5は、直流または交流の何れであってよい。
図1に示すように、導体2の螺旋の巻回される向きは「左巻」とした場合を前提として以下の説明を行うが、逆向き(右巻)としても本発明の作用・効果は得られる(ただし、発生するベクトルポテンシャル(点線の矢印)の向きは逆向きとなる)。

【0019】
このベクトルポテンシャル発生装置1A(1)では、前記ベクトルポテンシャルコイル4に電流を流すことにより、前記ベクトルポテンシャルコイル4の巻回構造により形成された内部空間X1の中を、実質的に無磁場状態にするとともに、前記内部空間X1の中にベクトルポテンシャルVP(図1における点線の矢印)を発生させる。

【0020】
基体10は、少なくとも前記ソレノイドコイル3との接触部が絶縁性を有していればよく、その材料は特に限定されるものでは無い。例えば、基体10自体が、絶縁性を有する材料から構成されていてもよいし、基体10の表面が絶縁層で被覆されていてもよい。

【0021】
また、基体10の形状としては、特に限定されるものではないが、本第一実施形態では、基体10が円筒状である場合を例に挙げて説明する。

【0022】
ソレノイドコイル3は、導体2が巻回されてなる。巻回した際に、隣接する導体2と接触し短絡することを防止するために、導体2は、その表面が絶縁層(図示略)で被覆されてよい。
ベクトルポテンシャルコイル4は、ソレノイドコイル3を、円筒状の基体10に沿って、巻回することにより構成されてなる。ここで、円筒状をなす本第一実施形態のベクトルポテンシャルコイル4を、ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)と称する。

【0023】
このようなベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)に電流を流すと、磁束が円環状に配された状態となる。ソレノイドコイル3の外側には磁場は存在しないが、ベクトルポテンシャルVPは存在する。ソレノイドコイル3をさらに円環状にすることにより、巻回構造により形成された内部空間X1に、平行なベクトルポテンシャルVPが発生する。その結果、本第一実施形態のベクトルポテンシャル発生装置1A(1)では、ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)の巻回構造により形成された内部空間X1の中を、実質的に無磁場状態にするとともに、前記内部空間X1の中にベクトルポテンシャルVPを発生させることができる。

【0024】
一般に、磁束密度Bは、式(1)に示すとおり、ベクトルポテンシャルA(図面内においては、VPと表示する)の回転で与えられる。

【0025】
【数1】
JP2015099147A1_000003t.gif
一方、電流密度Jと磁界Hの関係は、式(2)により与えられる。

【0026】
【数2】
JP2015099147A1_000004t.gif
これらの関係から、ベクトルポテンシャルと電流密度の関係は、式(3)となる。

【0027】
【数3】
JP2015099147A1_000005t.gif
ここで、Jは電流密度であり、μは真空の透磁率である。

【0028】
ベクトルポテンシャルは、計算上の都合で利便性があるだけであり、実態は無いと考えられていた。その後、アハラノフとボームにより、ベクトルポテンシャルは電子の波動関数の位相を変化させることが理論的に予測された。これはアハラノフ・ボーム効果(AB効果)と呼ばれる。
その後も、ベクトルポテンシャルは、アハラノフ・ボーム効果のように、量子力学的な領域でなければ観測にかかることはなく、ミクロスコピックな世界でのみベクトルポテンシャルが有効だと考えられていた。

【0029】
上述のベクトルポテンシャルの式により、電流の回りには磁場が取り巻いており、その磁場の回りにはベクトルポテンシャルがさらに取り巻いていると解釈することができる。ベクトルポテンシャルは、電流を流すと非常に複雑に空間内で回転していることになるが、空間内でベクトルポテンシャルが単純な構造になるように、解きほぐしていく逆構造を考える。
その基本構造は、導体2が巻回されてなるソレノイドコイル3を、少なくともソレノイドコイル3との接触部が絶縁性を有する基体10に沿って、円環状に巻回することにより構成されてなるベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)である(以下、「二重ソレノイド」とも呼ぶ)。

【0030】
このベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)によれば、電流を流した場合、電流が渦を巻くのではなく、磁束が渦を巻くような構造になっている。
ソレノイドコイル3の外側には磁場は存在しないが、ベクトルポテンシャルは存在する。ソレノイドコイル3をさらに円環状にすることにより、巻回構造により形成された内部空間X1に、平行なベクトルポテンシャルが発生する。

【0031】
ソレノイドコイル3が無限に長いと仮定すると、ソレノイドコイル3の内部空間には磁束が存在するが、外側には存在しない。しかし、ベクトルポテンシャルは、電流と平行な方向に導体の周りの空間に存在することから、ソレノイドコイル3の内部空間にも外側にも存在する。ソレノイドコイル3の巻回構造により形成された内部空間に入ってみると、向かい合うソレノイドコイル3の導体2のベクトルポテンシャルは反対向きなので、ベクトルポテンシャルの回転が生じて、ソレノイドコイル3の内部空間に磁束が発生する。
一般のソレノイドコイルは、電流がソレノイド状になるが、本第一実施形態のベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)では、ソレノイドコイル3をさらに円筒状に巻くので、磁束がソレノイド状になる。

【0032】
そこで、本発明者らは、ソレノイドコイル3の外側のベクトルポテンシャルを、ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)の円筒の内部空間で重ねあわせることにより、直線状のベクトルポテンシャルを発生させた。
本発明の「二重ソレノイド」ではなく、通常の有限長のソレノイドコイルの磁界Hは、式(4)で与えられる。

【0033】
【数4】
JP2015099147A1_000006t.gif
ここで、Nは、単位長あたりのコイルの巻き数であり、Iは電流である。θ,θは、コイルの軸上の任意の点から、それぞれのコイル端部を見たときの角度である。

【0034】
次に、無限に長いソレノイドコイルの内部空間の磁束Φは、式(4)の極値であり、以下に示す式(5)で与えられる。

【0035】
【数5】
JP2015099147A1_000007t.gif
ここで、μは真空の透磁率であり、nは単位長あたりの巻き数であり、Sはソレノイドコイル3の断面積である。電流は交流を考え、Iは電流の振幅であり、ωは各周波数であり、tは時間である。
図1に示すソレノイドコイル3の穴部の磁束も、式(5)で与えられる。

【0036】
電流、ベクトルポテンシャル、磁場の空間との関係を理解するために、上述した式(1)および式(2)から、HはAに対応し、IはΦに対応することが、類似性から予想できる。
この対応関係により、変数を置き換えて、式(5)を式(4)に代入すると、ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)の、中心軸上でのベクトルポテンシャルVPの大きさAは、次の式(6)で与えられると考えられる。

【0037】
【数6】
JP2015099147A1_000008t.gif
このベクトルポテンシャルによる電界Eは、式(7)に示すように、ベクトルポテンシャルの時間微分で与えられる。

【0038】
【数7】
JP2015099147A1_000009t.gif
ここで、cosθ及びcosθは各々、式(8)と式(9)により定義される。

【0039】
【数8】
JP2015099147A1_000010t.gif

【0040】
【数9】
JP2015099147A1_000011t.gif
ここで、Lは、ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)の長さであり、Aはベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)の半径であり、zはベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)の中心軸に平行な方向の距離である。

【0041】
このようなベクトルポテンシャル発生装置1A(1)では、電子の位相を変化させることができるので、原子磁力計や核磁気共鳴におけるスピン制御が可能になる。磁場と異なり歳差運動を誘発しないので、高精度で高速なスピン制御が可能となる。例えば、ベクトルポテンシャル発生装置1A(1)を粒子加速に使う場合には、超伝導コイルによりベクトルポテンシャルを発生させて電流を時間的に変化させればよい。

【0042】
(1-2)基体を除いた構成:図2
図2は、図1に示したベクトルポテンシャル発生装置の他の一例を示す図である。図2のベクトルポテンシャル発生装置1B(1)は、図1のベクトルポテンシャル発生装置1A(1)から基体10を除いた構成例である。
図2に示すベクトルポテンシャル発生装置1B(1)では、ソレノイドコイル3自体を硬質の部材により構成される場合、「基体」は存在しなくても、その形状が保持される。ゆえに、図2のベクトルポテンシャル発生装置1B(1)は、図1の発生装置1A(1)と同様の作用・効果を有する。ソレノイドコイル3の形状を保持するための「基体」は、必ずしも存在する必要はない。つまり、ソレノイドコイル3は空間的に自立可能なので、「基体」を除く構成としても、本発明のベクトルポテンシャル発生装置1B(1)は、上述した作用・効果、すなわち、「ベクトルポテンシャルコイルの巻回構造により形成された内部空間の中を、実質的に無磁場状態にするとともに、前記内部空間の中にベクトルポテンシャルを発生させることができる。」という作用・効果が得られる。

【0043】
(1-3)基体および電源を除いた構成:図3
図3は、図1に示したベクトルポテンシャル発生装置用の構造体の一例を示す図である。図3のベクトルポテンシャル発生装置用の構造体15A(15)は、図1のベクトルポテンシャル発生装置1A(1)から基体10と電源5を除いて構成される。図3に示す構造体15A(15)は、そのものが自立可能なら「基体」は不要である。あるいは、そのものが自立不能であったとしても、発生したベクトルポテンシャルを関与させる物体を「基体」の代りに用いることが可能であるならば、構造体15A(15)自体は「基体」を備える必要はない。また、構造体15A(15)が、たとえば、その近傍に配される物体から電気エネルギーを獲得することができるならば、その物体を「電源」の代りとして利用することにより、本発明の構造体15A(15)は「ベクトルポテンシャル発生装置用の構造体」として有用である。

【0044】
(1-4)ソレノイドコイルの巻回構造内部に高透磁率の材料を設けた構成:図4
図4は、図1に示したベクトルポテンシャル発生装置の他の一例を示す図である。図4のベクトルポテンシャル発生装置1C(1)は、ソレノイドコイル3の巻回構造の内側に、高透磁率の材料からなる部位αを備えている点のみ、図1のベクトルポテンシャル発生装置1A(1)と異なる構成例である。
図4に示すベクトルポテンシャル発生装置1C(1)では、ソレノイドコイル3の巻回構造の内側に、高透磁率の材料からなる部位α(図4は円柱状の場合)を配した構成例である。部材αを設けることにより、ソレノイドコイル3の内部に生じる磁束が増加する。この磁束の増加は、ソレノイドコイル3に流す電流が少なくても、強いベクトルポテンシャルの発生をもたらす。部位αは円柱状に限定されるものではなく、他の形状(例えば角柱状や管状など)であっても、同様の作用・効果が得られる。

【0045】
(1-5)ソレノイドコイルの巻回構造内部に戻り電流用の導体を設けた構成:図5
図5は、本第一実施形態に係るベクトルポテンシャル発生装置1の他の構成例を模式的に示す図である。図5のベクトルポテンシャル発生装置1D(1)は、ソレノイドコイル3の巻回構造の内部空間に、ベクトルポテンシャルコイル4に流れる電流と等しい電流を反対方向に戻す、戻り電流用の導体6を、さらに備えている点のみ、図1のベクトルポテンシャル発生装置1A(1)と異なる構成例である。戻り電流用の導体6は、隣接する導体2と接触し短絡することを防止するために、その表面が絶縁層(図示略)で被覆されてよい。

【0046】
戻り電流用の導体6をさらに備え、ベクトルポテンシャルコイル4に流れる電流と略等しい電流を反対方向に戻すことにより、コイル全体としての電流がつくる磁場を打ち消すことができ、寄生磁場の発生を抑えてベクトルポテンシャルVPを得ることができる。
後述するように、円筒状の基体10の内部空間に二次導体(二次コイル)を入れた場合に、ベクトルポテンシャルVPの向きと、二次コイルの巻き方向によっては、二次コイルの出力信号に磁場の信号が重なって出力される場合がある。これに対し、ソレノイドコイル3に戻り電流を流すことにより、ベクトルポテンシャル由来の電圧のみを得ることができる。

【0047】
例えば図5に示すベクトルポテンシャル発生装置1D(1)では、前記戻り電流用の導体6は、前記ソレノイドコイル3の巻回構造により形成された内部空間を貫通するように、配されている。
ソレノイドコイル3の端部において、ソレノイドコイル3をなす導体2と、戻り電流用の導体6とが、例えば溶接等により、電気的に接続されている。
戻り電流用の導体6は、隣接する導体との短絡を防止するために、その表面が絶縁層(図示略)で被覆されてよい。

【0048】
(1-6)ソレノイドコイルの巻回構造内部に「戻り電流用導体」と「高透磁率材料」を設けた構成:図6
図6に示すベクトルポテンシャル発生装置1E(1)は、戻り電流用の導体6とソレノイドコイル3との間に、高透磁率材料からなる管状(チューブ状)の部材βを配した構成例である。部材Tを設けることにより、ソレノイドコイル3の内部に生じる磁束が増加する。この磁束の増加は、ソレノイドコイル3に流す電流が少なくても、強いベクトルポテンシャルの発生をもたらす。

【0049】
(1-7)戻り電流用の導体:タイプB=ダブルソレノイド:図7
図7に示すベクトルポテンシャル発生装置1F(1)における戻り電流用の導体は、ソレノイドコイルの巻回構造と同軸で、電流の進行方向に対して前記ソレノイドコイルと巻き方向が反対となるように巻回されて配されている点のみ、図1のベクトルポテンシャル発生装置1A(1)と異なる構成例である。
図7に示すベクトルポテンシャル発生装置1F(1)では、戻り電流が往路の電流が発生するベクトルポテンシャルと同一方向にベクトルポテンシャルを発生するので、それらが加算されてベクトルポテンシャルが増大する、という利点がある。

【0050】
(1-8)戻り電流用の導体:タイプC=基体に沿って、巻き方向が同一方向で平行:図8
図8に示すベクトルポテンシャル発生装置1G(1)における戻り電流用の導体は、前記ソレノイドコイルが円環状に巻回する前記基体に沿って、電流の進行方向に対して巻き方向が同一方向となるように巻回されて配されている点のみ、図1のベクトルポテンシャル発生装置1A(1)と異なる構成例である。すなわち、図8に示すベクトルポテンシャル発生装置1G(1)では、戻り電流用の導体6は、前記ソレノイドコイル3と平行に、基体10上に巻回されて配されている。
図8に示すベクトルポテンシャル発生装置1G(1)では、戻り電流用の導体をソレノイドコイルの中に配置しなくても良いので、ソレノイドコイルの製造が容易になる、という利点がある。

【0051】
(1-9)二次導体あり(ベクトルポテンシャルトランス)
図9は、ベクトルポテンシャル発生装置1H(1)の他の一構成例を模式的に示す図である。後述するように、このベクトルポテンシャル発生装置1H(1)は、ベクトルポテンシャルトランスとして機能する。
このベクトルポテンシャル発生装置1H(1)では、ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)と、円筒状の基体10の内部空間に配された二次導体7と、を備え、二次導体7の両端が、それぞれ前記基体10の異なる端部から導出されている。

【0052】
ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)(長さL)の中心軸に沿ったz方向に、二次導体7を配置すると、その両端には、電界Eが累積された電圧Vが発生する。電圧Vは、式(10)により表記される。

【0053】
【数10】
JP2015099147A1_000012t.gif
すなわち、これは二次コイルの巻き数が1回のベクトルポテンシャルトランスになる。

【0054】
【数11】
JP2015099147A1_000013t.gif

【0055】
【数12】
JP2015099147A1_000014t.gif

【0056】
このように、交流電流をベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)に流すと、円筒内部に配された直線状の導体7に交流電圧が発生する。円筒内部には磁場は存在しない。ベクトルポテンシャルの向きは、ベクトルポテンシャルコイル4A(4)の軸と平行である。
円筒状の基体10の内部空間に平行に、任意の形状の二次導体7を入れても直線導体と同じ信号が検出される。ベクトルポテンシャルコイルの軸に平行な方向における線積分により電圧が発生する。つまり、磁界が存在しないところで電磁誘導と同等のことが可能になる。
このように、ベクトルポテンシャル発生装置1A(1)を用いて、ベクトルポテンシャルトランス(図9に示したベクトルポテンシャル発生装置1H(1))を構成することができる。

【0057】
また、図10に示したシールド透過装置1I(1)は、上述した図9の構成とした「ベクトルポテンシャル発生装置と、円筒状の前記基体10の内部空間に配された二次導体7とを備え、前記二次導体7の両端が、それぞれ前記基体10の異なる端部から導出されているベクトルポテンシャルトランス」において、さらに前記ベクトルポテンシャルトランスを構成する二次導体7が、その長手方向に亘って、前記基体10より小口径である円筒状の金属(導体γとも呼ぶ)の内部空間に配されている。
換言すると、図10のシールド透過装置1I(1)は、円管状の基体10の内部空間にあって、二次導体7を包むように、金属(たとえばAl:アルミニウム)からなる管状(チューブ状)の導体βを設けてなる構成例である。

【0058】
二次導体7を導体γ(以下、シールドとも呼ぶ)を用いて覆い、この導体γを接地(不図示)しても、二次導体7にはシールドが無い時と等しい電圧が誘起されることが確認された。
この確認に用いた導体γの肉厚は1mmとした。10kHzにおけるAlの表皮深さは0.85mmである。同様に、肉厚10.5mmの真ちゅうでも、シールドが無い時と同じ電圧が発生することを確認した。つまり、表皮深さよりも厚い金属でシールドしても、ベクトルポテンシャルの場合はシールド効果は無いことが分かった。

【0059】
ベクトルポテンシャル発生装置の長さに対して管状の導体γの長さは十分に長くしており、端部からの回り込みによる影響はない。この実験結果は、導体に覆われていても、エネルギーや信号の伝達が可能であることを意味する。ゆえに、本発明に係るシールド透過装置は、たとえば非破壊検査や医療診断、海水中通信などに有用である。

【0060】
図11は、第一実施形態に係るベクトルポテンシャルトランスの一例を示す図である。本発明のベクトルポテンシャルトランス20A(20)(ベクトルポテンシャルソレノイドトランス)は、ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4と、円筒状の基体10の内部空間に配された二次導体7と、を備え、二次導体7の両端が、それぞれ基体10の異なる端部から導出されている。

【0061】
トランスは、交流の電圧と電流を任意に変換するデバイスである。このトランスは電気エネルギーの移動や、電気信号の変換に欠かすことのできない機器である。これらは磁気を使っているが、本発明によれば磁場を発生しないトランスが実現できる。
このような、磁場を発生しないベクトルポテンシャルトランス20A(20)は、医療や高精度計測に有効である。例えば医療現場で使われる核磁気共鳴装置は、磁場の擾乱に非常に敏感であるが、そのような環境下でも本発明のトランスは使用することができ、このような用途に好適である。

【0062】
(実験例1)
上述したような、ベクトルポテンシャルソレノイドコイルについて、コイルの内部空間の中が、実質的に無磁場状態になるとともに、内部空間の中にベクトルポテンシャルが発生することを確認するための実験を行った。

【0063】
「N=227turn、n=710turn/m、S=7.07×10-6、a=0.021m、L=0.22m」としたベクトルポテンシャルソレノイドコイルに、「ω=6.283×10rad/s,I=1.09APP」とした電流を入力したとき、ベクトルポテンシャルコイルの内部空間に直線的に配置した二次導体の両端に、V=21mVPPの開放電圧が計測された。この値21mVPPは、式(12)で計算された理論値の19.7mVPPとよく一致した。

【0064】
図12に、オシロスコープで計測した波形を示す。上側の波形はベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)の一次電流である。となる。下側の波形は、二次導体の両端の開放電圧である。

【0065】
図12に示したオシロスコープの波形には、電流Iの時間微分で、極性が反転した電圧Vが現れており、二次導体に発生する電圧は、ベクトルポテンシャルの変化を妨げる方向に発生している。いわゆるレンツの法則のベクトルポテンシャル版である。
また、図12から明らかなように、電流Iの位相と、電圧Vの位相とは90度ずれている。このことは、ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)において発生したベクトルポテンシャルの時間微分で二次電圧が発生することを表している。

【0066】
(ソレノイド型で磁場が無いことの確認)
一次コイル(ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4))の電流を時間変化させたとき、ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)の内部空間には磁場が無いにもかかわらず、二次導体7(直線導体)には、一次電流の微分電圧が発生した。これは、理論とよく一致した。
ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)の内部空間X1に磁場が発生していないことを確かめるために、二次導体7を、直線導体の代わりにコイル(二次コイル)にして測定しても直線導体の場合と、ほぼ同じ電圧が観測された。さらに二次コイルの巻き方向を逆にしてもほぼ同じであった。

【0067】
ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)に直流電流を流して、ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)の内部空間の磁場をホールセンサーで計測した。ベクトルポテンシャルソレノイドコイルに2Aの電流を流したとき、少なくともホールセンサーの感度範囲である1μT以上の磁場は観測されなかった。これにより、戻り電流が有る場合には、ベクトルポテンシャルソレノイドコイルの内部空間に磁場は殆ど発生していないことが確認された。これに対して、戻り電流が無い場合には、数百μTの磁場が発生することが確認された。
このようなベクトルポテンシャル発生装置1A(1)を製作し、実際に信号を検出した事例は本発明者が知る限り無い。すなわち本発明は新規性が極めて高く、その波及効果も大きい。また、この現象は電磁気学理論に矛盾しない。

【0068】
[第二実施形態]:基体が中空を有するドーナツ状の場合
図13は、本第二実施形態に係るベクトルポテンシャル発生装置の一構成例を模式的に示す図である。
以下の説明では、上述した第一の実施形態と異なる部分について主に説明し、共通する部分については、その説明を省略する。

【0069】
(2-1)基本構造
第一実施形態のベクトルポテンシャル発生装置では、基体が円筒状であったが、本第二実施形態のベクトルポテンシャル発生装置は、基体が、ドーナツ状であることを特徴とする。
図13に示すベクトルポテンシャル発生装置1J(1)は、導体2が巻回されてなるソレノイドコイル3を、少なくともソレノイドコイル3との接触部が絶縁性を有する基体11に沿って、円環状に巻回することにより構成されてなるベクトルポテンシャルコイル4と、ベクトルポテンシャルコイル4の両端子間に、電気的に接続されてなる電源5と、を含む。電源5は、直流または交流の何れであってよい。

【0070】
図13に示すように、導体2の螺旋の巻回される向きは「左巻」とした場合を前提として以下の説明を行うが、逆向き(右巻)としても本発明の作用・効果は得られる(ただし、発生するベクトルポテンシャル(点線の矢印)の向きは逆向きとなる)。

【0071】
このベクトルポテンシャル発生装置1J(1)では、ベクトルポテンシャルコイル4に電流を流すことにより、ベクトルポテンシャルコイル4B(4)の巻回構造により形成された内部空間X2の中を、実質的に無磁場状態にするとともに、前記内部空間X2の中にベクトルポテンシャルを発生させる。

【0072】
円筒状のベクトルポテンシャルソレノイドコイル4では、コイル端部におけるベクトルポテンシャルゲージ効果が懸念される。また、コイル中央部では電界が高く、端部では電界が弱く不均一である。そこで、本第二実施形態では、ドーナツ状の基体11を用い、周回するトロイダル構造のベクトルポテンシャルコイル4B(4)を構成した。ここで、ドーナツ状をなす本第二実施形態のベクトルポテンシャルコイルを、ベクトルポテンシャルトロイダルコイル4B(4)と称する。
端部のない、ドーナツ状の基体11を用いることにより、基体端部におけるベクトルポテンシャルの端部効果や、電界の不均一の影響を低減することができる。

【0073】
ソレノイドコイル3を、トロイダルの芯となるドーナツ状の基体11に巻くときには、巻く方向も考慮する必要がある。これは、後述する戻り電流がトロイダル方向に巻き数1回分のベクトルポテンシャルを発生するからである。長いソレノイドコイル3の外側がつくるベクトルポテンシャルAFと、後述する戻り電流がつくるベクトルポテンシャルARが反対向きになるようにすれば、副次的な要素を削除することができる。

【0074】
(2-2)戻り電流あり
トロイダル構造の、本第二実施形態のベクトルポテンシャル発生装置においても、ソレノイドコイル3と接触するように配された導体からなり、前記ベクトルポテンシャルトロイダルコイル4B(4)に流れる電流と略等しい電流を反対方向に戻す、戻り電流用の導体6を、さらに備えてよい。
戻り電流用の導体6をさらに備え、ベクトルポテンシャルトロイダルコイル4B(4)に流れる電流と等しい電流を反対方向に戻すことにより、コイル全体としての寄生磁場を打ち消すことができ、純粋なベクトルポテンシャルを得ることができる。

【0075】
図14に示すベクトルポテンシャル発生装置1K(1)のように、戻り電流用の導体6は、ソレノイドコイル3の巻回構造により形成された内部空間を貫通するように、配されていてもよい。また、戻り電流用の導体6は、ソレノイドコイル3と平行に、前記ソレノイドコイル3と巻き方向が同一方向となるように、巻回されて配されていてもよい。

【0076】
ソレノイドコイル3の内部空間に配置した戻り電流用の導体6の効果について説明する。
一次電流は1.33APP、周波数f=10kHzで一定とする。
基体11の内部空間に二次コイルを配した場合、二次コイルに誘起される電圧は、戻り電流用の導体6が無く、ソレノイドコイル3だけの場合は2.11V、戻り電流用の導体6だけの場合は-0.32V、戻り電流導体6があるソレノイドコイル3の場合は1.80Vであった。戻り電流用の導体6がある場合、負の符号がついた電圧は相対的に逆位相になっていることを意味する。

【0077】
戻り電流用の導体6が無い場合は、ソレノイドコイル3の外側によるベクトルポテンシャルの他に、トロイダル方向に一回転分だけ存在する全体的に流れる電流がつくる磁場成分が重畳する。戻り電流用の導体6を設けることにより、この1回巻きのコイルの磁場成分を除去することができる。この戻り電流は、ポロイダル(poloidal)方向に全体の電流が回転することによる、トロイダルの円筒の内側に発生する磁場もキャンセルすることができる。この磁場が発生しても、磁束と二次コイルの導体は平行なので、電磁誘導による電圧は発生しない。ただし、任意形状の二次コイルの場合は、電圧が発生し得るので、戻り電流用の導体を設置することは重要である。

【0078】
通常は単一の導体を巻いてコイルを作る場合がほとんどであるが、3次元空間の中では、電流の進行方向に少しづつねじりながら巻線を巻くことになる。その結果、電流は保存されるので、下位構造のスパイラルの上位構造であるポロイダル方向や、さらに上位構造であるトロイダル方向のグローバルな巻線を電流が流れることによる磁場やベクトルポテンシャルを考慮する必要がある。磁場による効果を排除して、ベクトルポテンシャルのみの効果を使用するためには、戻り電流用の導体6が必要である。

【0079】
(2-3)二次導体あり(ベクトルポテンシャルトランス)
図15は、ベクトルポテンシャル発生装置1の他の一構成例を模式的に示す図である。
このベクトルポテンシャル発生装置1L(1)では、ベクトルポテンシャルトロイダルコイル9と、ドーナツ状の基体11の内部に配された二次導体7と、を備え、二次導体7の両端が、基体11のほぼ同じ部位から導出されている。
まず、通常のトロイダルコイルの内部空間の磁界は次式で与えられる。

【0080】
【数13】
JP2015099147A1_000015t.gif
ここで、Nはトロイダルコイルの1次巻き数であり、Iはトロイダルコイルの一次電流であり、aはトロイダルの内側半径であり、bはトロイダルの外側半径である。ただし、Hは(b-a)≪aであることを仮定した平均半径での平均磁界である。
ソレノイドコイルの場合と同様に、EはAに、IはΦに対応させる。

【0081】
【数14】
JP2015099147A1_000016t.gif
トロイダルコイルのドーナツの筒の中の電界Eは、ベクトルポテンシャルの時間微分で与えられる。

【0082】
【数15】
JP2015099147A1_000017t.gif
二次コイル(二次導体7)に誘導される電圧Vは、二次コイルに沿って電界Eを積分すれば求められる。

【0083】
【数16】
JP2015099147A1_000018t.gif
但し、二次コイルは(b-a)/2の平均半径の位置に巻き数をNで配置されていると仮定している。
二次電圧Vは、次式で求められる。

【0084】
【数17】
JP2015099147A1_000019t.gif

【0085】
(実験例2)
「N=48turn、N=59turn、n=710turn/m、S=7.07×10-6、a=0.035m、b=0.085m」としたトランスに、「ω=6.283×10rad/s,I=1.33APP」とした電流を入力したとき、V=1.80VPPの電圧が計測された。この値は、理論値の1.84VPPとよく一致した。

【0086】
このように、トロイダル構造の場合であっても、図15に示すベクトルポテンシャル発生装置1L(1)を用いて、ベクトルポテンシャルトランスを構成することができる。
すなわち、図16に示すように、本発明のベクトルポテンシャルトランス20B(20)(ベクトルポテンシャルトロイダルトランス)は、ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4B(4)と、ドーナツ状の前記基体11の内部に、トロイダル方向に平行に配された二次導体7と、を備えている。
本発明によれば、磁場を発生しないトランスが実現できる。このような、磁場を発生しないベクトルポテンシャルトランス20B(20)は、医療や高精度計測に有効である。

【0087】
[第三実施形態]:基体が板状の場合
図17は、本第三実施形態に係るベクトルポテンシャル発生装置の一構成例を模式的に示す図である。
第一及び第二実施形態のベクトルポテンシャル発生装置では、ソレノイドコイルを、立体状の基体上に、三次元的に巻回した構造であった。
本第三実施形態のベクトルポテンシャル発生装置1M(1)は、基体が板状であることを特徴とする。本第三実施形態のベクトルポテンシャル発生装置では、ソレノイドコイルを、板状の基体12上に、スパイラル状に二次元的に配している。スパイラル状をなす本第三実施形態のベクトルポテンシャルコイルを、ベクトルポテンシャルスパイラルコイル4C(4)と称する。

【0088】
このベクトルポテンシャル発生装置1M(1)は、導体2が巻回されてなるソレノイドコイル3を、少なくともソレノイドコイル3との接触部が絶縁性を有する基体12に沿って、円環状に巻回することにより構成されてなるベクトルポテンシャルスパイラルコイル4C(4)(ベクトルポテンシャルコイル)と、ベクトルポテンシャルスパイラルコイル4C(4)の両端子間に、電気的に接続されてなる交流電源5と、を含む。

【0089】
このベクトルポテンシャル発生装置1M(1)では、ベクトルポテンシャルスパイラルコイル4C(4)に電流を流すことにより、ベクトルポテンシャルスパイラルコイル4C(4)の巻回構造により形成された内部空間X3の中を、実質的に無磁場状態にするとともに、内部空間X3の中にベクトルポテンシャルを発生させる。

【0090】
スパイラル構造の、本第三実施形態のベクトルポテンシャル発生装置1M(1)においても、ソレノイドコイル3と接触するように配された導体からなり、前記ベクトルポテンシャルコイルに流れる電流と略等しい電流を反対方向に戻す、戻り電流用の導体6を、さらに備えてよい。

【0091】
戻り電流用の導体6をさらに備え、ベクトルポテンシャルコイルに流れる電流と略等しい電流を反対方向に戻すことにより、コイル全体としての電流を打ち消すことができ、より安定してベクトルポテンシャルを得ることができる。
また、戻り電流用の導体6を備えることにより、コイルの入力端子と出力端子とをスパイラルの外側に配することができ、スパイラル中央部から端子を導出する必要がなくなる。

【0092】
例えば図6に示すように、戻り電流用の導体6は、ソレノイドコイル3の巻回構造により形成された内部空間を貫通するように、配されていてもよい。また、戻り電流用の導体6は、前記ソレノイドコイル3と同軸で、前記ソレノイドコイル3と巻き方向が反対となるように、巻回されて配されていてもよい。
トランスとする場合は、二次導体を基体の表側または裏側の片面上(同一平面上)に、どの様に引き回しても電圧は発生しない。スパイラルの中心部の基体12に穴12cを設けて、二次導体を基体の表側から裏側へ、またはその反対に貫通させた場合に電圧が発生する。

【0093】
[第四実施形態]:基体が中空を有する球状の場合
上述した第一乃至第三実施形態では、ベクトルポテンシャル発生装置として、ソレノイドコイルが、円筒状、ドーナツ状、および板状の基体上に巻回されてなるベクトルポテンシャルコイルを例として挙げて説明した。本発明はこれらの例に限定されるものではなく、基体の形状として、例えば中空の球体状のものを用いることができる。

【0094】
図18は、本第四実施形態に係るベクトルポテンシャル発生装置の一構成例を模式的に示す図である。図18に示すように、本第四実施形態のベクトルポテンシャルコイル4D(ベクトルポテンシャル球状コイル、と呼ぶ)は、中空の球状の基体上に、ソレノイドコイルを巻回してベクトルポテンシャルコイルを形成することにより、基体の内部空間に、円筒状の基体の場合よりも、より一層均一な幅(太さ)で、ベクトルポテンシャルを発生させることができる。基体又はベクトルポテンシャルコイルの形状は、球状であっても多面体であってもよい。

【0095】
<非接触空間電界発生装置>
本発明の一態様の非接触空間電界発生装置は、第一実施形態のベクトルポテンシャル発生装置を備える。
この非接触空間電界発生装置では、図9に示したような円筒形のベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)を備える。このベクトルポテンシャルコイル4に交流電流を流すことにより、交流電流の時間微分に比例し、方向がベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)の軸と平行な電界を該ソレノイドコイルの内部空間に発生させることができる。

【0096】
ソレノイドタイプのベクトルポテンシャルコイル4A(4)では、二次導体7(二次コイル)のそれぞれの端子を、ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)の開口部の異なる側からそれぞれ取り出すと、二次導体には、ソレノイドコイル(一次コイル)の時間微分に比例した電圧V2が発生する。

【0097】
この非接触空間電界発生装置では、導電性の媒質があれば、直線的に非接触で電界を生成することができる。このため、この非接触空間電界発生装置の応用としては、粒子加速器があり、その他にプラズマ推進エンジンや、メカ部分が一切ない海水ポンプなどの実用的な用途にも応用できる。
例えば、ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)を海水中に浸すと、円筒中空の内部の海水にはベクトルポテンシャルの変化を打ち消す方向に電流が流れる。この電流はイオン電流であるので、海水には力が働く。

【0098】
<ヌル回路>
図19は、本発明の一態様のヌル回路の一構成例を模式的に示す図である。
本発明のヌル回路30は、図9に示したようなベクトルポテンシャル発生装置1H(1)と、円筒状の前記基体2の内部空間に配された二次導体8と、を備える。前記二次導体8の入出力端子が、両方とも前記基体10の同一側の端部から導出されている。
このヌル回路30では、図9に示したような円筒形のベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)を備える。このベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)に交流電流を流すことにより、ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)に与える信号にも、円筒内部での二次導体8の引き回しにも依存せず、二次導体8の両端の電圧Vがゼロにキャンセルされる。

【0099】
円筒形のベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)において、円筒状の基体の内部空間に同じ側からコイル(二次コイル)の端子を出入れした場合は、信号は検出されない。つまり、導体を円筒内で往復させると信号はキャンセルされる。円筒の外側では信号は検出されない。

【0100】
円筒状のベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)では、二次導体8の両端子をベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4B)の開口部の一方から取り出すと、二次導体8に誘導される電圧が往復でキャンセルされて、1次側のソレノイドコイルに流れる電流の影響を受けなくなる。
例えば、ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4A(4)の円筒中空の中に任意の形状の導体を配置しても、すべての入出力端子を同じ側から出し入れすれば、影響がない。

【0101】
一方、既に述べたように二次導体のそれぞれの端子を、ベクトルポテンシャルソレノイドコイル4の開口部の異なる側からそれぞれ取り出すと、二次導体には、一次コイルの時間微分に比例した電圧が発生する(ベクトルポテンシャルソレノイドトランス)。
スパイラルの同一平面およびその同一平面側の空間に、二次コイルをどの様に引き回しても電圧はゼロになる。反対側の平面に貫通した場合だけ、電圧が発生する。すなわち、層を跨ぐ場合だけ給電できる。

【0102】
<超伝導>
図20は、二次コイルに超伝導線を用いた場合の一構成例を模式的に示す図である。二次コイル17Aはビスマス系の高温超伝導線であり、液体窒素LNで77Kに冷却保持されるように構成されている。液体窒素LNの蒸発量を抑えるために、U字型の中空円筒構造の断熱容器14を用いる。二次コイルとなる超伝導線17Aのうち、液体窒素に浸漬された部位は超伝導状態にあり、液体窒素に浸漬されることなく、その外部に曝されて臨界温度以上にある部位は常伝導状態にある。超伝導線17Aの外皮は銀合金(銀導体)で覆われており、超伝導線17Aの両端は銅のリード線17Bで電圧計V2に電気的に接続されている。

【0103】
一次側のベクトルポテンシャルコイルは、超伝導状態にある二次コイルの一部の区間(図20において重なる領域を指す)に設置されているので、ベクトルポテンシャルコイルが印加されている部分の二次コイルは超伝導状態となっている。
このような配置において、ベクトルポテンシャルコイル3に交流電源5から交流の一次電流Iを流す[図22Aの上段に示すグラフ参照]と、二次コイルには一次電流の微分波形に比例した二次電圧が発生する[図22Aの下段に示すグラフ参照]。電流の戻り経路を設けたベクトルポテンシャルコイルの内部の空間には磁場が一切存在しないので、二次側の超伝導線は磁場に曝されていないにも関わらず、二次電圧が発生する[図22B、図22C]。図22Aにおける時刻T1及びT2は、図22B及び図22Cにおける時刻T1及びT2と対応する。これらのグラフに関する考察については後述する。
上述した一次電流と二次電圧の関係より、たとえ、外皮をなす銀導体に電圧が誘起されたとしても、超伝導線と並列に一体化されているので、短絡されて電圧が発生しないという考えは間違いであり、交流のベクトルポテンシャルコイルを印加した場合には両端に電圧が発生することが明らかとなった。

【0104】
図20に示す常伝導線18Aは参照用の銅線であり、高温超伝導線17Aと併設して液体窒素中に浸されている。液体窒素温度での銅は常伝導であるが、高温超伝導線と同時に同じ条件で比較するために設置した。リード線18Bは電圧計V3と参照用の常伝導線18Aとを接続するための導線である。超伝導線17Aと常伝導線18Aとでは同じ電圧が観測された。より詳細には、超伝導線17Aと常伝導線18Aとの間において、時間軸上におけるピークの位置及び変極点の位置が互いに一致する電圧(V2=V3)が観測された。

【0105】
たとえば、一次コイルに1kHzで2.97Aの電流を流した時に、二次側の交流電圧を計測すると、その開放電圧は超伝導線の場合と全く同じ7.21mVであった。
ベクトルポテンシャルには透過性があるので、断熱容器14は非導電性または非磁性である必要はない。
さらに、一次側のベクトルポテンシャルコイルは、室温下の銅による常伝導線を使用しているが、超伝導コイルであっても構わない。
本実施例では、液体窒素による高温超伝導体を用いたが、高温超伝導体に代えて液体ヘリウムや冷凍機で冷却したニオブ系の低温超伝導体を使用すれば、曲げ加工が容易となる。ゆえに、一次側のベクトルポテンシャルコイルも超伝導体で構成することが可能となり、長尺線によるジュール熱や周波数応答が大幅に改善される。

【0106】
<多条コイル>
ベクトルポテンシャルコイルは、ソレノイド状の外周導線長が、中心導線に比較して非常に長くなり、その結果電気抵抗が大きくなる欠点がある。この欠点は、上述したとおり、超伝導体を使用することにより解決されるが、図21A及び21Bに示すような多条コイルによる複導体化を採用することにより、常伝導体のままでも低抵抗化の改善が可能である。
図21Aは「一条コイル」の場合、図21Bは複導体化した「四条コイル」の場合を示す模式的な断面図である。図21Aにおいては、17CAが中心導線、17CBが外周導線、17Cがベクトルポテンシャルコイルである。図21Bにおいては、17DAが中心導線、17DB1~17DB4(17DB)が外周導線、17Dがベクトルポテンシャルコイルである。図21A及び21Bに記載のDとdについては、「ベクトルポテンシャルコイルの各種実測結果」の欄において詳述する。

【0107】
現象を把握するために、「導体中の電流分布を均一」とし、「コイルの捻りの効果を無視」して簡単化する。
すなわち、中心導線の周りを密着しながら外周導線が1回転したと仮定すると、中心導線の抵抗Rと、外周導線の抵抗Rについては、それぞれ式(18)、式(19)に示す関係が成立する。ここで、Dは電流の戻り経路となる中心導線の直径、dは外側のソレノイド状コイルの外周導線の直径、ρは外側のソレノイド状コイルの抵抗率である。

【0108】
【数18】
JP2015099147A1_000020t.gif

【0109】
【数19】
JP2015099147A1_000021t.gif

【0110】
中心導線に比べて外周導線の方が長くなるので、R<Rとなり、その比をηと定義すると、ηは式(20)で表わされる。

【0111】
【数20】
JP2015099147A1_000022t.gif

【0112】
さらに、D≫d、D/d=mと仮定すると、式(20)は式(21)のように近似される。

【0113】
【数21】
JP2015099147A1_000023t.gif

【0114】
このように、外側のソレノイド状コイルの外周導線の直径dが細くなると、外周導線の抵抗Rが大きくなるので、外周導線を並列にして中心導線に巻きつける。
たとえば、M本を並列接続して複導体化すれば、抵抗はM分の1に小さくなり、高電圧電源の必要性が大幅に緩和される。図21Bは、M=4の場合に相当する。

【0115】
<ベクトルポテンシャルコイルの各種実測結果>
図22Aは、ソレノイド型(直線型)のベクトルポテンシャルトランスの入出力特性を示すグラフである。図22Aにおいて、上段の波形が一次電流波形(1App)であり、下段の波形が二次コイル(直線導体)の開放電圧を-20倍の増幅器で観察した波形である。図22Aから、二次コイルの開放電圧は1次電流の微分波形になっていることが確認できる。

【0116】
図22Bは、二次コイルをソレノイドコイルにした場合の開放電圧を示すグラフである。二次コイルが長くなり抵抗が増えているためホワイトノイズが重畳しているが、信号応答の振幅には変化がないことが分かる。すなわち、図22Bから、ベクトルポテンシャルコイルの内部空間には磁場が無く、二次コイルへの誘導はベクトルポテンシャルであることが確認できる。

【0117】
図22Cは、中空の真鍮パイプにより直線状の二次コイルを電磁シールドした場合の二次コイルの出力電圧である。真鍮の導電率で10kHzの電磁波に対して、表皮深さは1.23mmであるが、厚さ10mmの真鍮を信号が透過していることが分かる。このベクトルポテンシャルが金属を通り抜けて伝達される現象については、磁性のないアルミやステンレスだけでなく、磁性のある鉄管でも全く減衰することなく伝達することが確認された。

【0118】
図25は、真鍮のシールドが有る場合と無い場合の、トランスインピーダンス(二次電圧/一次電流)の周波数特性の実験結果である。○印はシールドが無い場合、▽印はシールドがある場合の特性であり、プロットを見やすくするために、後者(▽印)の値は10倍にして位置をずらして表示してある。実際には○印と▽印は、ほぼ一致しており計測した各プロットは重なる。
自己共振する900kHzを過ぎても、プロットは一致している(図25)ことから、ベクトルポテンシャルがシールドを通り抜けることが確認できる。ゆえに、本発明に係るベクトルポテンシャルコイルは、非破壊検査や海水中での非接触通信、生体深部への非接触電気刺激に活用できることが明らかになった。

【0119】
<巻方向による加算と減算、戻り線路の有効性>
図23A及び23Bは、巻線方向とベクトルポテンシャルの各種成分の方向を説明する図である。ベクトルポテンシャルは、電流の連続性を利用するので、長くてフレキシブルなソレノイドコイルを円筒、トロイダル、スパイラル、球などに巻きつけて構成される。図23A及び23Bは円筒に巻き付けた場合を示している。

【0120】
このような巻き付けた構成を採るため、電流が進行するともに回転しながらさらに回転することになり、複数成分のベクトルポテンシャルが混在する。図23Aは全体を左巻(CCW)で円筒に巻いた場合、図23Bは右巻(CW)で円筒に巻いた場合である。
ここでベクトルポテンシャルコイルの最も細かな構造を、進行と共に左回転するソレノイドコイルを使用するとすれば、その構造が発生するベクトルポテンシャルはAである。この成分は図23Aの場合は、円筒内部で左向き、図23Bの場合は右向きに発生する。
次に、左巻(CCW)でも右巻(CW)でも、コイル全体の電流進行方向は左向きであるので、このグローバル電流が発生するベクトルポテンシャルAは、図23A、図23B共に左向きである。
さらに、円筒に巻き付くようにグローバル電流が流れるので、A成分もあり、図23Aと図23Bでは反対向きとなる。

【0121】
円筒の空間に直線状の二次導体を設置した場合、AとAの合成の時間微分に比例した電圧が、二次導体の両端に誘発される。図23Aの場合は、AとAが同じ向きなので、加算される。これに対して、図23Bの場合は、互いに反対方向なので減算される。Aについては、二次導体に直交しているので、特別な寄与は無いが、所謂通常のソレノイドコイルと同じように磁束を円筒の軸と平行に発生する。これはベクトルポテンシャルが回転しているからに他ならない。この場合、二次導体がソレノイドならば通常の磁気誘導により大きな信号が発生する。

【0122】
図23Cのグラフは、トランスインピーダンス(二次電圧/一次電流)の周波数特性の実験結果である。二次電圧は一次電流の微分であるので、周波数に比例してトランスインピーダンスは増加する。
図23Cには、4本のプロットが描かれており、円筒への巻き方を左巻(CCW)と右巻き(CW)にした場合の違いについて、戻り電流用の導体(return circuit)が有る場合と無い場合について各々示されている。

【0123】
◇印のプロットは、AとAが同一方向なので、加算されて最も2次電圧(トランスインピーダンス)が大きくなっている。
一方、△印のプロットでは、AとAが互いに反対向きなので、減算されて2次電圧が小さく現れる。
さらに、□印と▽印は、戻り電流用の導体をフレキシブルなソレノイドコイルの内部の中心に同軸状に設けたものであり(図示せず)、電流がほぼ同じ経路を往復するので、A以外のベクトルポテンシャルはキャンセルされる。そのため、左巻(CCW)と右巻き(CW)による振幅には差は現れず(Aの向きは反対なので位相は逆位相である)、2つのプロットはほぼ一致する。□印と▽印のプロットが、Aのみの純粋なベクトルポテンシャルの成分の信号である。

【0124】
本発明者らは、二次導体にもソレノイドコイルを使用した場合についても検討した。その実験結果を示すグラフが、図24である。
図24において、◇印と△印は、戻り電流用の導体を設けなかった場合のプロットであり、Aによる磁場が発生するので、二次導体のソレノイドコイルに大きな電圧を発生している。この効果は通常の電磁誘導と同じである。
図24において、□印と▽印は、戻り電流用の導体を設けた場合のプロットであり、左巻(CCW)と右巻き(CW)に関係なく一致しており、プロット線は重なっている。しかもこの二次電圧は図23Cに示す直線導体の場合と全く一致しており、二次導体に誘導される電圧はベクトルポテンシャルと二次導体との内積に比例し、二次導体の形状には依存しないことが分かった。

【0125】
上述したとおり、本発明の特徴は、戻り線路を設ける点及び細いソレノイドコイルを基体の外側に巻き付けた構造を有する点にあり、この構成に基づいて上記の効果を得ることが可能である。以下、図26を参照して詳細に説明する。

【0126】
図26は、本発明の一態様のソレノイドタイプのベクトルポテンシャルコイルの駆動方法の他の実施例を示す。このソレノイドタイプのベクトルポテンシャルコイルは、3つの電源(電源P1、電源P2、電源P3)を備える。

【0127】
電源P1は、細いソレノイドコイルを駆動する電源であり、これが主たるベクトルポテンシャルを発生する。細いソレノイドコイルは、自らが進行方向に対して左巻であり、基体内部に左向きのベクトルポテンシャル(点線の矢印で示されている)を発生する。それと同時に、基体の円筒に巻き付く方向も左巻になっているので、右ねじの法則により基体内部に右向き(ベクトルポテンシャルと反対向き)の磁束を発生する。さらに、全体としては電流が基体の軸に対して右側から左側に流れるので基体内部に左向きのベクトルポテンシャルを発生する。つまり、左向きの強いベクトルポテンシャルと、左向きの弱い寄生ベクトルポテンシャルと、右向きの寄生磁束を発生する。

【0128】
一方、電源P2は基体に対して右巻きのソレノイドコイルに接続されている。このソレノイドコイルは基体内部に左向きの磁束を発生し、コイル形状と電流を調整すれば前述の寄生磁束をキャンセルすることができる。この電源P2は全体として、電流を基体の軸に対して左向きに流すので、左向きのベクトルポテンシャルも発生する。このベクトルポテンシャルは前述の電源P1が発生する寄生ベクトルポテンシャルと同じ向きであるため、加算された寄生ベクトルポテンシャルを発生する。

【0129】
一方、電源P3は基体内部に直線的に配置された導線に接続されており、電源の極性が反対になっているので、右向きのベクトルポテンシャルを発生する。このベクトルポテンシャルの方向は前述の寄生ベクトルポテンシャルと反対向きなので、電流を調整することによって寄生ベクトルポテンシャルをキャンセルすることができる。

【0130】
以上のように、独立した電源やコイルや導線を使用しても、細いソレノイドを基体に捻りながら巻きつけることによって発生する寄生磁場や寄生ベクトルポテンシャルをキャンセルすることが可能になる。
なお、Vは二次電圧であり寄生ベクトルポテンシャルや寄生磁場を排除した、純粋なベクトルポテンシャルの時間微分に比例した電圧を得ることが可能である。
例えば図4のように細いソレノイドコイルの内部空間に戻り線路を設けることで、電源は3つではなく1つで済み、基体内部に設ける寄生ベクトルポテンシャルをキャンセルするための導線も不要になる。さらに各電源の電流の微調整も不要になる。

【0131】
以上、本発明の一態様のベクトルポテンシャル発生装置、ベクトルポテンシャルトランス、シールド透過装置、非接触空間電界発生装置、およびヌル回路について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明の一態様は、ベクトルポテンシャル発生装置、ベクトルポテンシャルトランス、シールド透過装置、非接触空間電界発生装置、ヌル回路、およびベクトルポテンシャル発生装置用の構造体に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0133】
1A~1N(1) ベクトルポテンシャル発生装置、2 導体、3 ソレノイドコイル、4 ベクトルポテンシャルコイル、4A ベクトルポテンシャルソレノイドコイル、4A ベクトルポテンシャルトロイダルコイル、4C ベクトルポテンシャルスパイラルコイル、4D ベクトルポテンシャル球状コイル、5 交流電源、6 戻り電流用の導体、10,11,12 基体。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17
【図19】
18
【図20】
19
【図21A】
20
【図21B】
21
【図22A】
22
【図22B】
23
【図22C】
24
【図23A】
25
【図23B】
26
【図23C】
27
【図24】
28
【図25】
29
【図26】
30