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明細書 :ホログラム記録再生方法およびホログラム記録再生装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-219086 (P2016-219086A)
公開日 平成28年12月22日(2016.12.22)
発明の名称または考案の名称 ホログラム記録再生方法およびホログラム記録再生装置
国際特許分類 G11B   7/0065      (2006.01)
G11B   7/0045      (2006.01)
FI G11B 7/0065
G11B 7/0045 Z
請求項の数または発明の数 10
出願形態 OL
全頁数 16
出願番号 特願2015-240283 (P2015-240283)
出願日 平成27年12月9日(2015.12.9)
優先権出願番号 2015102692
優先日 平成27年5月20日(2015.5.20)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】山本 学
【氏名】中村 優
【氏名】瀬戸 律夫
【氏名】中島 豊
【氏名】福本 敦
出願人 【識別番号】000125370
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100078754、【弁理士】、【氏名又は名称】大井 正彦
審査請求 未請求
テーマコード 5D090
Fターム 5D090BB16
5D090CC01
5D090CC04
5D090EE01
5D090KK09
5D090KK15
要約 【課題】記録媒体における記録情報の高密度化を図ることのできるホログラム記録再生方法およびホログラム記録再生装置を提供することにある。
【解決手段】本発明の記録再生方法は、信号光の光軸と球面参照光の光軸とを含む平面に垂直な基準面に沿った記録媒体の表面におけるトラック上に、球面参照光を用いて当該記録媒体に対して一方向のみのシフト多重記録を行ってシフト多重記録ホログラム列を記録した後、当該シフト多重ホログラム列が記録された同一のトラック上に、前記基準面に対して所定の角度傾いた状態でシフト多重記録を行って新たなシフト多重ホログラム列を記録するシフト多重記録情報重ね書き過程を少なくとも1回以上行う工程を経ることにより、複数のシフト多重ホログラム列を多重記録することを特徴とする。
【選択図】図4
特許請求の範囲 【請求項1】
データ情報を担持した信号光と参照光との干渉縞を記録媒体にホログラムとして記録すると共に、ホログラムが記録された記録媒体に対し、参照光を照射することによりホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生方法において、
参照光として球面波を用い、
信号光および参照光を記録媒体に照射する光学機構を、信号光の光軸と参照光の光軸とを含む平面に垂直な基準面に沿った記録媒体の表面に沿って相対的に一方向に移動させて当該記録媒体に一方向のみのシフト多重記録を行うことによってシフト多重ホログラム列を記録した後、当該シフト多重ホログラム列が記録された同一のトラック上に、記録媒体の表面が前記基準面に対して所定の角度傾いた状態で、一方向のみのシフト多重記録を行って新たなシフト多重ホログラム列を記録するシフト多重ホログラム列重ね書き過程
を少なくとも1回以上行う工程を経ることにより、複数のシフト多重ホログラム列の多重記録を行うことを特徴とするホログラム記録再生方法。
【請求項2】
前記シフト多重ホログラム列重ね書き過程において、前記記録媒体の表面の、前記基準面に対する傾き角度は、既に記録されたシフト多重ホログラム列の記録領域に参照光が照射されることによって同時に再生される複数のホログラムの再生像が検出器上で分離された状態で再生される角度であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録再生方法。
【請求項3】
前記記録媒体における複数のシフト多重ホログラム列が記録された記録領域に対して、前記シフト多重ホログラム列重ね書き過程におけるいずれか一のシフト多重ホログラム列の記録を行った条件と同様の参照光照射条件で参照光を照射することにより、当該記録領域に多重記録された複数のホログラムの全てのものを同時に再生することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のホログラム記録再生方法。
【請求項4】
データ情報を担持した信号光と参照光との干渉縞を記録媒体にホログラムとして記録すると共に、ホログラムが記録された記録媒体に対し、参照光を照射することによりホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生方法において、
参照光として球面波を用い、
信号光および参照光を記録媒体に照射する光学機構を、信号光の光軸と参照光の光軸とを含む平面に垂直な基準面に沿った記録媒体の表面に沿って相対的に一方向に移動させて一方向のみのシフト多重記録を行うことによって第1のシフト多重ホログラム列を当該記録媒体における所定のトラック上に記録した後、当該記録媒体を前記一方向を含む平面内において回動させた状態において、一方向のみのシフト多重記録を行うことによって第2のシフト多重ホログラム列をその記録領域の一部が前記第1のシフト多重ホログラム列の記録領域と重なる状態で記録し、記録媒体の表面が前記基準面に対して所定の角度傾いた状態で、一方向のみのシフト多重記録を行って新たなシフト多重ホログラム列を前記第1のシフト多重ホログラム列が記録された同一のトラック上に記録するシフト多重ホログラム列重ね書き過程
を経ることにより、複数のシフト多重ホログラム列の多重記録を行うことを特徴とするホログラム記録再生方法。
【請求項5】
記録媒体としてディスク状記録媒体を用い、
当該記録媒体の表面における記録再生領域を、記録媒体の回転中心から外周縁に向かって径方向に並ぶ複数のブロック単位に分割し、各々のブロック単位における一方向のみのシフト多重記録を、前記光学機構を記録媒体の径方向に相対的に移動させることにより行うことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載のホログラム記録再生方法。
【請求項6】
記録媒体における一のブロック単位において、前記シフト多重ホログラム列重ね書き過程を行って複数のシフト多重ホログラム列の多重記録を行った後、当該ブロック単位と径方向に隣接するブロック単位において、前記シフト多重ホログラム列重ね書き過程を行って複数のシフト多重ホログラム列の多重記録を行うことを特徴とする請求項5に記載のホログラム記録再生方法。
【請求項7】
データ情報を担持した信号光と参照光との干渉縞を記録媒体にホログラムとして記録すると共に、ホログラムが記録された記録媒体に対し、参照光を照射することによりホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生装置において、
記録再生光源と、当該記録再生光源からの光を信号光用の光と参照光用の光とに分割する光分離手段と、信号光用の光をデータ情報を担持した信号光として記録媒体に対して照射する信号光生成用光学系と、参照光用の光を球面波に変換して参照光として記録媒体に対して照射する参照光生成用光学系とを備えた光学機構と、
記録媒体に対する信号光の光軸と参照光の光軸とを含む平面に垂直な基準面に沿った記録媒体をその表面に沿った平面内で一方向に移動させる記録媒体移動機構と、
記録媒体を回動させることにより当該記録媒体の表面を前記基準面に対して傾斜させる記録媒体チルト機構と
を備えており、
前記光学機構が前記光学機構移動機構によって記録媒体の表面に沿って一方向に相対的に移動されて当該記録媒体にシフト多重記録が行われることによりシフト多重ホログラム列が記録されると共に、記録媒体チルト機構によって記録媒体の表面を前記基準面に対して傾斜させた状態で、一方向のみのシフト多重記録が行われることによって、新たなシフト多重ホログラム列が記録媒体に既に記録されたシフト多重ホログラム列の記録領域に多重記録されることを特徴とするホログラム記録再生装置。
【請求項8】
記録媒体チルト機構は、記録媒体の表面上において設定された、当該記録媒体に既に記録されたシフト多重ホログラム列の記録領域の中心位置を通る前記一方向に垂直な方向に伸びる軸を中心として、記録媒体を回動させるものであることを特徴とする請求項7に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項9】
記録媒体を前記基準面に沿った平面内において回動させる記録媒体回動機構をさらに備えており、
既にシフト多重ホログラム列が記録された記録媒体が前記記録媒体回動機構によって回動された状態において、一方向のみのシフト多重記録が行われることによって、新たなシフト多重ホログラム列がその記録領域の一部が前記既に記録されたシフト多重ホログラム列の記録領域と重なる状態で記録されることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項10】
記録媒体がディスク状記録媒体であって、
前記光学機構移動機構が、当該記録媒体の記録再生領域が径方向および周方向に分割された複数のブロック単位の各々に対して、前記光学機構を当該記録媒体の径方向に相対的に移動させるものであり、
記録媒体における一のブロック単位において、複数のシフト多重ホログラム列が、各々のシフト多重ホログラム列の記録領域の周方向の離間距離がホログラムサイズの1/3以上の大きさとなる状態で、記録されることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のホログラム記録再生装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラム記録再生方法およびホログラム記録再生装置に関する。更に詳しくは、2次元化されたデジタルビットパターンを記録媒体にホログラムとして多重に記録することにより大容量光メモリを構成する上で、大容量化が可能なホログラム記録再生方法およびホログラム記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ホログラムを用いてデジタル情報を二次元的に記録再生するホログラム記録再生方法が提案されている。このホログラム記録再生方法においては、デジタル情報を記録する場合には、複数の画素よりなる空間光変調器で変調された、デジタル情報(データ情報)を担持した信号光と、当該信号光とコヒーレントな参照光とを記録媒体内で干渉させることにより得られる干渉縞を、前記デジタル情報を担持したホログラムとして記録する。また、記録媒体におけるホログラムに記録されたデータ情報を再生する場合には、ホログラムの記録に用いた参照光をホログラムに照射することにより、回折光を発生させCCD(撮像素子)上に、ホログラムとして記録されているデジタル情報の画像を形成させる。
【0003】
このようなホログラム記録再生方法において、具体的なホログラム記録法としては、角度多重記録方式、球面参照光シフト多重記録方式およびスペックル参照光多重記録方式などが挙げられる。
【0004】
角度多重記録方式によるホログラム記録法は、記録媒体に対する参照光の照射角度をわずかずつ変更させ、当該記録媒体における或る一領域にホログラムの多重記録を行う。記録媒体の厚みが厚い(具体的には、1mm以上)場合には、ブラッグ回折条件が角度的に厳しくなり、角度が0.1°程度でブラッグ回折角条件が外れて読み出しが不可能となる。この原理を利用して、記録媒体において、同一領域に数百個のホログラムを記録(多重記録)する。この角度多重記録方式においては、多重記録をブック単位で行う。すなわち、或る一領域においてホログラムの多重記録を行った後、光(信号光および参照光)の照射領域を変更し、当該一領域とは重ならない他の一領域において新たなホログラムの多重記録をブック単位で順次に行う。
【0005】
スペックル参照光多重記録方式によるホログラム記録法は、参照光スペックルパターンで変調されている。このスペックルパターンで変調された参照光と信号光とが記録媒体で干渉し、ホログラムが記録される。このため、記録媒体に記録されたホログラムを再生する際には、参照光がホログラムの記録時と同様のスペックルパターンである場合のみ再生が可能となる。而して、記録媒体をわずかな距離(具体的には、10μm程度)シフトさせると、スペックルパターンの一致(スペックルパターンの相関)が崩れてホログラムの再生が不可能となる。この原理を利用して、ホログラムの多重記録を、記録媒体をシフトさせて行う。すなわち、わずかに記録媒体をシフトさせるだけで新たなホログラムの記録が可能となってシフト多重記録を繰り返すことができる。
【0006】
球面参照光シフト多重記録方式によるホログラム記録法は、参照光を球面波とすること以外は、前記のスペックル参照光多重記録方式と同様に、記録媒体をわずかにシフトさせて多重記録を行う。参照光を球面波とすることにより、スペックルパターンと同様な効果が発揮され、記録媒体をわずかな距離シフトさせるだけでホログラムが再生されず、新たなホログラムを記録することが可能となってシフト多重記録を繰り返すことができる。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】特開2010-61750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来より検討されていた角度多重記録方式においては、参照光角度を0.01~0.02°程度の精度で設定する必要がある。このような精度での角度調整は、わずかな環境温度の変化やドライブの振動によって簡単に影響を受ける範囲のものとなる。このため、実使用環境では、高度な角度制御技術が必要となる。また、レンズ系の開口数制限により角度変化の領域を拡張することは困難であり、記録密度の向上を図ることが困難になる、という問題がある。
また、従来より検討されていた球面参照光シフト多重記録方式においては、信号光の光軸と参照光の光軸とによって形成される平面内に沿った一軸方向に対しては、わずかなシフトで多重記録が可能であるが、その軸に垂直な方向にはシフト選択性が弱く、2次元での多重記録が困難である。そのため、球面参照光シフト多重記録方式のみによっては、記録情報の高密度化は難しい。
また、スペックル参照光多重記録方式においては、参照光をスペックルパターン(振幅あるいは位相パターン)がランダム化された形で変調を行う必要があるが、これらはノイズを多く発生させ信号対雑音比を低下させる、という問題がある。また、パターンの一致を厳しい精度で行う必要がることから、ドライブ・媒体互換性の確保が困難である、という問題もある。
【0009】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、記録媒体における記録情報の高密度化を図ることができると共に高速転送することのできるホログラム記録再生方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、記録媒体における記録情報の高密度化を図ることができ、しかも、シフト多重記録を行うに際しての記録媒体の位置合わせを容易に行うことができて高速化を図ることができるホログラム記録再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のホログラム記録再生方法は、データ情報を担持した信号光と参照光との干渉縞を記録媒体にホログラムとして記録すると共に、ホログラムが記録された記録媒体に対し、参照光を照射することによりホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生方法において、
参照光として球面波を用い、
信号光および参照光を記録媒体に照射する光学機構を、信号光の光軸と参照光の光軸とを含む平面に垂直な基準面に沿った記録媒体の表面に沿って相対的に一方向に移動させて当該記録媒体に一方向のみのシフト多重記録を行うことによってシフト多重ホログラム列を記録した後、当該シフト多重ホログラム列が記録された同一のトラック上に、記録媒体の表面が前記基準面に対して所定の角度傾いた状態で、一方向のみのシフト多重記録を行って新たなシフト多重ホログラム列を記録するシフト多重ホログラム列重ね書き過程
を少なくとも1回以上行う工程を経ることにより、複数のシフト多重ホログラム列の多重記録を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明のホログラム記録再生方法においては、前記シフト多重ホログラム列重ね書き過程において、前記記録媒体の表面の、前記基準面に対する傾き角度は、既に記録されたシフト多重ホログラム列の記録領域に参照光が照射されることによって同時に再生される複数のホログラムの再生像が検出器上で分離された状態で再生される角度であることが好ましい。
【0012】
本発明のホログラム記録再生方法においては、前記記録媒体における複数のシフト多重ホログラム列が記録された記録領域に対して、前記シフト多重ホログラム列重ね書き過程におけるいずれか一のシフト多重ホログラム列の記録を行った条件と同様の参照光照射条件で参照光を照射することにより、当該記録領域に多重記録された複数のホログラムの全てのものを同時に再生することが好ましい。
【0013】
また、本発明のホログラム記録再生方法は、データ情報を担持した信号光と参照光との干渉縞を記録媒体にホログラムとして記録すると共に、ホログラムが記録された記録媒体に対し、参照光を照射することによりホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生方法において、
参照光として球面波を用い、
信号光および参照光を記録媒体に照射する光学機構を、信号光の光軸と参照光の光軸とを含む平面に垂直な基準面に沿った記録媒体の表面に沿って相対的に一方向に移動させて一方向のみのシフト多重記録を行うことによって第1のシフト多重ホログラム列を当該記録媒体における所定のトラック上に記録した後、当該記録媒体を前記一方向を含む平面内において回動させた状態において、一方向のみのシフト多重記録を行うことによって第2のシフト多重ホログラム列をその記録領域の一部が前記第1のシフト多重ホログラム列の記録領域と重なる状態で記録し、記録媒体の表面が前記基準面に対して所定の角度傾いた状態で、一方向のみのシフト多重記録を行って新たなシフト多重ホログラム列を前記第1のシフト多重ホログラム列が記録された同一のトラック上に記録するシフト多重ホログラム列重ね書き過程
を経ることにより、複数のシフト多重ホログラム列の多重記録を行うことを特徴とする。
【0014】
本発明のホログラム記録再生方法においては、記録媒体としてディスク状記録媒体を用い、
当該記録媒体の表面における記録再生領域を、記録媒体の回転中心から外周縁に向かって径方向に並ぶ複数のブロック単位に分割し、各々のブロック単位における一方向のみのシフト多重記録を、前記光学機構を記録媒体の径方向に相対的に移動させることにより行うことが好ましい。
【0015】
さらにまた、本発明のホログラム記録再生方法においては、記録媒体における一のブロック単位において、前記シフト多重ホログラム列重ね書き過程を行って複数のシフト多重ホログラム列の多重記録を行った後、当該ブロック単位と径方向に隣接するブロック単位において、前記シフト多重ホログラム列重ね書き過程を行って複数のシフト多重ホログラム列の多重記録を行うことが好ましい。
【0016】
本発明のホログラム記録再生装置は、データ情報を担持した信号光と参照光との干渉縞を記録媒体にホログラムとして記録すると共に、ホログラムが記録された記録媒体に対し、参照光を照射することによりホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生装置において、
記録再生光源と、当該記録再生光源からの光を信号光用の光と参照光用の光とに分割する光分離手段と、信号光用の光をデータ情報を担持した信号光として記録媒体に対して照射する信号光生成用光学系と、参照光用の光を球面波に変換して参照光として記録媒体に対して照射する参照光生成用光学系とを備えた光学機構と、
記録媒体に対する信号光の光軸と参照光の光軸とを含む平面に垂直な基準面に沿った記録媒体をその表面に沿った平面内で一方向に移動させる記録媒体移動機構と、
記録媒体を回動させることにより当該記録媒体の表面を前記基準面に対して傾斜させる記録媒体チルト機構と
を備えており、
前記光学機構が前記光学機構移動機構によって記録媒体の表面に沿って一方向に相対的に移動されて当該記録媒体にシフト多重記録が行われることによりシフト多重ホログラム列が記録されると共に、記録媒体チルト機構によって記録媒体の表面を前記基準面に対して傾斜させた状態で、一方向のみのシフト多重記録が行われることによって、新たなシフト多重ホログラム列が記録媒体に既に記録されたシフト多重ホログラム列の記録領域に多重記録されることを特徴とする。
【0017】
本発明のホログラム記録再生装置においては、記録媒体チルト機構は、記録媒体の表面上において設定された、当該記録媒体に既に記録されたシフト多重ホログラム列の記録領域の中心位置を通る前記一方向に垂直な方向に伸びる軸を中心として、記録媒体を回動させるものであることが好ましい。
【0018】
さらにまた、本発明のホログラム記録再生装置においては、記録媒体を前記基準面に沿った平面内において回動させる記録媒体回動機構をさらに備えており、
既にシフト多重ホログラム列が記録された記録媒体が前記記録媒体回動機構によって回動された状態において、一方向のみのシフト多重記録が行われることによって、新たなシフト多重ホログラム列がその記録領域の一部が前記既に記録されたシフト多重ホログラム列の記録領域と重なる状態で記録される構成とされていることが好ましい。
【0019】
さらにまた、本発明のホログラム記録再生装置においては、記録媒体がディスク状記録媒体であって、
前記光学機構移動機構が、当該記録媒体の記録再生領域が径方向および周方向に分割された複数のブロック単位の各々に対して、前記光学機構を当該記録媒体の径方向に相対的に移動させるものであり、
記録媒体における一のブロック単位において、複数のシフト多重ホログラム列が、各々のシフト多重ホログラム列の記録領域の周方向の離間距離がホログラムサイズの1/3以上の大きさとなる状態で、記録されることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明のホログラム記録再生方法によれば、球面波参照光を用いたシフト多重記録方式によってホログラムの多重記録を行うものにおいて、記録媒体における同一箇所に、複数のシフト多重ホログラム列を独立して多重記録することができるので、記録情報の高密度化を図ることができる。さらに、同一箇所において異なるチルト角度で記録された複数のホログラムを分離して同時に再生することができるので、高速転送をすることができる。
また、上記のホログラム記録再生方法が行われる本発明のホログラム記録再生装置によれば、記録媒体における記録情報の高密度化を図ることができ、しかも、記録媒体移動機構による1軸移動と記録媒体回動機構による回転によって記録媒体における単位記録領域(ブック)に対するアクセスが行われるので、シフト多重記録を行うに際しての記録媒体の位置合わせを容易に行うことができて高速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のホログラム記録再生方法に係るシフト多重記録の概要を示す説明図である。
【図2】本発明のホログラム記録再生方法によって得られるシフト多重ホログラム列を示す説明図である。
【図3】本発明のホログラム記録再生方法におけるクロスシフト多重記録の概要を示す説明図である。
【図4】本発明のホログラム記録再生方法におけるチルトシフト多重記録の概要を示す説明図である。
【図5】本発明のホログラム記録再生方法によるディスク状媒体に対する多重記録方法の一例の概要を示す説明図である。
【図6】一の単位記録領域に記録される周方向に並ぶ複数のシフト多重ホログラム列の記録領域の相互関係を示す説明図である。
【図7】本発明におけるホログラムの再生方法の概要を示す説明図である。
【図8】本発明のホログラム記録再生装置の一例における光学系の構成を記録媒体と共に示す説明用概略図である。
【図9】図8に示すホログラム記録再生装置における記録媒体駆動機構の構成例を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明のホログラム記録再生方法は、データ情報を担持した信号光と参照光とを干渉させることにより得られる干渉縞を記録媒体にホログラムとして記録すると共に、ホログラムが記録された記録媒体に対し、参照光を照射することによりホログラムに記録されたデータ情報を再生するものである。具体的には、参照光として球面波(以下、「球面参照光」という。)を用い、信号光の光軸と球面参照光の光軸とを含む平面に垂直な基準面に沿った記録媒体をその表面に沿った平面内で一方向に移動させることにより、記録媒体に一方向のみのシフト多重記録(以下、単に、「シフト多重記録」という。)を行ってシフト多重ホログラム列を記録した後、当該シフト多重ホログラム列が記録された領域に、下記の多重記録工程(1)または下記の多重記録工程(2)を経ることによって新たなシフト多重ホログラム列を多重記録するものである。

【0023】
多重記録工程(1)は、信号光の光軸と球面参照光の光軸とを含む平面に垂直な基準面に沿った記録媒体の表面における所定のトラック上に、シフト多重記録を行ってシフト多重ホログラム列を記録した後、当該記録媒体の表面が前記基準面に対して所定の角度傾いた状態で、当該シフト多重ホログラム列が記録された同一のトラック上に、シフト多重記録を行って新たなシフト多重ホログラム列を記録するシフト多重ホログラム列重ね書き過程を少なくとも1回以上行うことにより、複数のシフト多重ホログラム列を同一トラック上に多重記録する工程である。
すなわち、多重記録工程(1)は、記録媒体の或る領域に対してシフト多重記録を行って第1のシフト多重ホログラム列を記録した後、当該記録媒体をチルトさせて傾斜させた状態において、第1のシフト多重ホログラム列が記録された領域に対してシフト多重記録を行って第2のシフト多重ホログラム列を多重記録(チルトシフト多重記録)するシフト多重ホログラム列重ね書き過程を少なくとも1回以上行うものである。

【0024】
多重記録工程(2)は、信号光の光軸と球面参照光の光軸とを含む平面に垂直な基準面に沿った記録媒体の表面における所定のトラック上に、シフト多重記録を行ってシフト多重ホログラム列を記録した後、当該記録媒体を前記一方向を含む平面内において回動させた状態において、シフト多重記録を行って新たなシフト多重ホログラム列をその記録領域の一部が既に記録されたシフト多重ホログラム列の記録領域と重なる状態で、記録する。次いで、2つのシフト多重ホログラム列が記録された領域に、前記基準面に対して所定の角度傾いた状態でシフト多重記録を行って新たなシフト多重ホログラム列を記録する工程を経ることにより、複数のシフト多重ホログラム列を多重記録するものである。
すなわち、多重記録工程(2)は、記録媒体の或る領域に対して第1のシフト多重記録を行い、当該記録媒体を回動(回転)させた状態で、第1のシフト多重記録を行った領域に対してクロスシフト多重記録を行い、その後、当該記録媒体をチルトして傾斜させた状態で、第1のシフト多重記録およびクロスシフト多重記録を行った領域に対して第2のシフト多重記録(チルトシフト多重記録)を行うものである。

【0025】
記録媒体としては、例えば、光反応性モノマーよりなる記録層を備えたものが用いられる。光反応性モノマーは、光が照射されるとポリマーに変換され、その結果、屈折率が異なる領域が形成され、それがホログラムとなるものである。

【0026】
本発明のホログラム記録再生方法においては、図1に示すように、記録媒体10に向かって光路L2を進行し、参照光集光用対物レンズ43によって球面波に変換された参照光(球面参照光)と、記録媒体10に向かって光路L1を進行し、信号光集光用対物レンズ37で集光された信号光とが記録媒体10において干渉し、ホログラム5が形成される。

【0027】
シフト多重記録は、図1に示されているように、例えば記録媒体10をx軸方向(図1における左右方向)の一方向(図1における右方向)にシフトさせることによって行われる。ここに、図1においては、トラック方向がx軸方向(図1における左右方向)、記録媒体10の厚み方向がz軸方向(図1における上下方向)、トラック垂直方向がy軸方向(図1における紙面に垂直な方向)とされている。これにより、図2に示されているように、複数のホログラム5が互いに一部が重なる状態で一方向に並ぶよう記録されたシフト多重ホログラム列6が記録される。ここに、一のホログラム5は、平面視で略円形状であって、そのサイズは、例えば直径が50μmである。ホログラム5のシフト量は、参照光集光用対物レンズ43の開口数(NA)に依存するが、おおよそ10μm以上の大きさであれば、隣接するホログラムのクロストークが生ずることを回避することができる。
このようなシフト多重記録は、信号光および参照光を照射する光学機構を記録媒体10に対して移動させて行ってもよい。

【0028】
クロスシフト多重記録は、シフト多重記録が行われた領域をクロス(回動)させながら当該領域に新たなシフト多重記録を行うことによって高密度化を図るものである。
クロスシフト多重記録について、記録媒体における記録再生領域の一の単位記録領域(ブック)に着目して説明すると、図3(a)に示すように、シフト多重記録によって例えば第1のシフト多重ホログラム列が単位記録領域(ブック)Bに記録された記録媒体を、前記一方向を含む平面内において所定の回動角度θ1で回動させる。ここに、記録媒体を回動させる方法としては、記録媒体をその中心位置(形状中心位置)を中心として回動させてもよいし、シフト多重ホログラム列が記録された領域内において設定された記録媒体の表面に垂直に延びる軸の周りに回動させてもよい。図3(a)におけるB0は、記録媒体が回動される前の状態の単位記録領域を示す。
この状態において、シフト多重記録を行うことによって、第2のシフト多重ホログラム列を、当該第2のシフト多重ホログラム列が記録された領域(図3(a)において実線で囲まれた領域)62の一部が第1のシフト多重ホログラム列が記録された領域(図3(a)において破線で囲まれた領域)61と重なる状態で、多重記録する。クロスシフト多重記録によって、2つのシフト多重ホログラム列6a,6bが多重記録された状態を図3(b)に模式的に示す。図3(b)における符号5は、1個のホログラムを示し、白抜きの矢印は、記録媒体のシフト方向を示す。

【0029】
このクロスシフト多重記録において、回動角度(クロス角度)θ1は、例えば10°程度とされ、この大きさであればクロストークが生ずることを回避することができる。
回転を取り入れたクロスシフト方式は、前述のシフト多重記録(一方向のみのシフト多重記録)では選択性が弱く、クロストークが発生するため、大容量化が困難になることに伴い、シフト多重記録において高密度化を図るために導入された方式である。

【0030】
チルトシフト多重記録は、図4(a)に示すように、先ず、記録媒体10の表面が信号光1の光軸と参照光2の光軸とを含む平面に垂直な基準面Sに沿った状態でシフト多重記録が行われてシフト多重ホログラム列が記録された当該記録媒体10、あるいは、シフト多重記録およびクロスシフト多重記録が行われて2つのシフト多重ホログラム列が多重記録された当該記録媒体10を、図4(b)または図4(c)に示すように、チルトさせてその表面を基準面Sに対して所定の傾き角度θ2で傾斜させた状態で、行われる。
図4(a)において、信号光1の光軸と参照光2の光軸により形成される平面と垂直な基準面Sは、図4(a)に示す記録媒体10の表面と一致している。

【0031】
チルトシフト多重記録において、記録媒体10の表面の基準面Sに対する傾き角度θ2は、複数のシフト多重ホログラム列が多重記録された記録領域に対して球面参照光が照射されることによって同時に再生される複数のホログラムの再生像が、検出器上で分離された状態で再生される角度であることが好ましい。
具体的には、記録媒体10の表面の基準面に対する傾き角度θ2は、5°以上であることが好ましい。

【0032】
また、チルトシフト多重記録においては、記録媒体10の表面の基準面Sに対する傾き方向は、特に限定されるものではなく、図4(b)および図4(c)に示されているように、任意の方向とすることができる。

【0033】
本発明のホログラム記録再生方法は、ディスク状およびカード状などのいずれの形状を有する記録媒体にも適用することができるが、特に記録媒体としてディスク状の記録媒体を用いる場合には、記録媒体の表面における記録再生領域を、複数のブロック単位に分割し、ブロック単位毎に、複数のシフト多重ホログラム列を多重記録することが好ましい。
以下、本発明のホログラム記録再生方法による、ディスク状の記録媒体(以下、「ディスク状媒体」という。)に対する多重記録の具体的な方法について説明する。

【0034】
図5は、本発明のホログラム記録再生方法によるディスク状媒体に対する多重記録方法の一例の概要を示す説明図である。
この例では、ディスク状媒体10の表面における記録再生領域を、ディスク状媒体10の周方向に並ぶ複数の記録再生部分に分割し、さらに、各々の記録再生部分をディスク状媒体の中心から外周縁に向かって径方向に並ぶ複数のブロック単位に分割し、各々のブロック単位を単位記録領域(ブック)として設定している。

【0035】
先ず、ディスク状媒体10における外周縁側に位置される任意の単位記録領域B1において、複数のシフト多重ホログラム列の多重記録を行う。ここに、単位記録領域B1は、例えば所定の大きさのトラックピッチで周方向に並ぶ複数の直線状のトラックを有しており、トラック毎に、シフト多重記録を行った後、上記の多重記録工程(1)または多重記録工程(2)によって、複数のシフト多重ホログラム列6の多重記録を行う。一のシフト多重ホログラム列6を得るシフト多重記録は、ディスク状媒体10をその径方向に移動させることにより行う。
例えば、上記の多重記録工程(1)によって同一トラック上に複数のシフト多重ホログラム列を多重記録する場合には、図6に示すように、複数のシフト多重ホログラム列が、各々のシフト多重ホログラム列の記録領域65の周方向の離間距離tがホログラムサイズdの1/3以上の大きさとなる状態で、形成されることが好ましい。これにより、隣接するホログラムのクロストークが生ずることを確実に回避することができる。図6(a)は、ディスク状媒体10の中心側に位置される単位記録領域Bにおいて記録される周方向に並ぶ複数のシフト多重ホログラム列の記録領域の相互関係を示す。また、図6(b)は、ディスク状媒体10の外周縁側に位置される単位記録領域Bにおいて記録される周方向に並ぶ複数のシフト多重ホログラム列の記録領域の相互関係を示す。

【0036】
単位記録領域B1における多重記録を行った後、単位記録領域B1と径方向に隣接する単位記録領域B2において、複数のシフト多重ホログラム列6の多重記録を行う。以下同様に、各々の単位記録領域に対するシフト多重ホログラム列重ね書き過程をディスク状媒体10の外周縁側から中心側に向かって順次に行うことによって、一の記録再生部分にホログラムの記録を行う。このような操作をディスク状媒体10の周方向に並ぶ複数の記録再生部分の各々について繰り返し行うことにより、ディスク状媒体10の全面にホログラムの記録を行う。

【0037】
以上において、単位記録領域(ブック)へのアクセスは、ディスク状媒体10のその表面に沿った平面内での2軸移動と回転(回動)とによって行う。図5においては、ディスク状媒体10の移動方向が実線の両矢印で示されており、ディスク状媒体10の回転方向が破線の矢印で示されている。
なお、シフト多重ホログラム列重ね書き過程は、ディスク状媒体10の中心側に位置される単位記録領域から外周縁側に向かって径方向に順次に行ってもよい。また、ディスク状媒体10における単位記録領域(ブック)の設定方法は、上記方法に限定されるものではない。

【0038】
本発明のホログラム記録再生方法においては、記録媒体に記録された情報、すなわち多重記録された複数のシフト多重ホログラム列の各々における同一箇所に重ね書きされた複数のホログラムを再生する場合には、記録媒体における複数のシフト多重ホログラム列が多重記録された領域(以下、「再生対象部分」ともいう。)に、シフト多重ホログラム列重ね書き過程におけるいずれか一のシフト多重ホログラム列の記録を行った条件と同様の球面参照光照射条件で球面参照光を照射する。これにより、参照光が球面波であるため、図7に示すように、当該再生対象部分において多重記録された複数のホログラムの各々に記録されたデータ情報が同時に異なる方向、つまりブラッグ回折条件が成立する方向に同時に再生される。
図7において、L1は信号光の光路であり、L2は参照光の光路であり、L3は再生光の光路であり、37は信号光集光用対物レンズであり、43は参照光集光用対物レンズであり、49はレンズである。また、同図において、10Aは、信号光の光軸と参照光の光軸とを含む平面に垂直な状態の記録媒体を示し、10Bおよび10Cは、各々、基準面に対して傾いた状態の記録媒体を示す。また、8Aは、記録媒体10Aにおいて記録されたホログラムの再生像であり、8Bは、記録媒体10Bにおいて記録されたホログラムの再生像であり、8Cは、記録媒体10Cにおいて記録されたホログラムの再生像である。

【0039】
次に、以上のような本発明のホログラム記録再生方法を実施するために用いられるホログラム記録再生装置について、図を用いて説明する。

【0040】
図8は、本発明のホログラム記録再生装置の一例における光学系の構成を記録媒体と共に示す説明用概略図である。図9は、図8に示すホログラム記録再生装置における記録媒体駆動機構の構成例を概略的に示す斜視図である。
このホログラム記録再生装置は、データ情報を担持した信号光および球面参照光を記録媒体に照射する光学機構と、記録媒体駆動機構と、記録媒体10に記録されたホログラムからの再生光をレンズ49を介して検出する撮像素子(具体的には、例えばCCD)48とを備えている。L3は、再生光の光路である。

【0041】
光学機構は、例えば青色レーザ光源よりなる記録再生光源21と、記録再生光源21からのレーザ光を、信号光用の光と参照光用の光とに分割する、例えばプリズムビームスプリッタよりなる光分離手段22と、光分離手段22からの信号光用の光をデータ情報(ページデータ)を担持した信号光として記録媒体に照射する信号光生成用光学系と、光分離手段22からの参照光用の光を球面波に変換して参照光として記録媒体に照射する球面参照光生成用光学系とを備えている。
記録再生光源21と光分離手段22との間におけるレーザ光の光路L上には、シャッタ23、偏光板24およびビーム整形用レンズ25が設けられている。

【0042】
信号光生成用光学系は、光分離手段22から記録媒体10に至る光路L1を有しており、この光路L1上には、ビームエクスパンダ31、空間光変調器(SLM)32、プリズムビームスプリッタ33、リレーレンズ34、ナイキストフィルタ35、位相板36および信号光集光用対物レンズ37が設けられている。

【0043】
球面参照光生成用光学系は、光分離手段22から記録媒体10に至る光路L2を有しており、この光路L2上には、NDフィルタ41、半波長板(λ/2板)42および参照光用の光を球面波に変換して球面参照光を生成する参照光集光用対物レンズ43が設けられている。符号46および47は、参照光用の光の進行方向を変更するための反射ミラーである。

【0044】
記録媒体駆動機構は、例えばディスク状の記録媒体(ディスク状媒体)10をその表面(記録面)が当該ディスク状媒体10に対する信号光の光軸と参照光の光軸とを含む平面に垂直な基準面に沿って延びる姿勢で保持する記録媒体保持手段51と、ディスク状媒体10をその表面に沿った平面内で回動(回転)させる記録媒体回動機構52と、ディスク状媒体10をその表面に沿った平面内で移動させる記録媒体移動機構55と、ディスク状媒体10を回動させて当該ディスク状媒体10の表面を基準面に対して傾斜させる記録媒体チルト機構57とを備えている。

【0045】
記録媒体保持手段51には、記録媒体回動機構52を構成する回転軸53が基準面に垂直な方向に延びるよう設けられており、当該回転軸53に対して例えばディスク状媒体10の中央部に設けられた装着用孔が嵌入されて装着されることによりディスク状媒体10が保持される。C1はディスク状媒体10の回転中心軸である。

【0046】
記録媒体回動機構52は、記録媒体保持手段51に設けられた回転軸53を駆動させる駆動源(図示せず)を備えている。駆動源としては、例えばステッピングモータなどを用いることができる。

【0047】
記録媒体移動機構55は、ディスク状媒体10をその径方向に移動させる1軸ステージ56を備えている。1軸ステージ56上には、記録媒体保持手段51が設けられており、従って、1軸ステージ56が駆動されることにより記録媒体保持手段51によって保持されたディスク状媒体10がその表面に沿った平面内で移動される。

【0048】
記録媒体チルト機構57は、ディスク状媒体10に対する信号光の光軸と参照光の光軸とを含む平面に垂直な方向に延びるチルト回転軸C2を中心に回転駆動される回転ステージ58を備えている。チルト回転軸C2は、例えばディスク状媒体10の表面(記録面)上に位置されている。回転ステージ58上には、記録媒体移動機構55を構成する1軸ステージ56が設けられており、従って、回転ステージ58が駆動されることにより、1軸ステージ56上に設けられた記録媒体保持手段51によって保持されたディスク状媒体10がチルト回転軸C2を中心に回動されてディスク状媒体10の表面が基準面に対して傾斜した状態とされる。回転ステージ58の駆動源としては、例えばステッピングモータなどを用いることができる。

【0049】
このホログラム記録再生装置においては、青色レーザ光源よりなる記録再生光源21から出射されたレーザ光は、プリズムビームスプリッタ22によって信号光用の光と参照光用の光に分割される。参照光用の光は、参照光集光用対物レンズ43によって球面波に変換されて球面参照光としてディスク状媒体10に照射される。一方、信号光用の光は、空間光変調器(SLM)32で変調された後、ナイキストフィルタ35でフーリエ面での周波数帯域が調節され、さらに位相板36で2次元ビットパターンの各ビットにランダム位相が付与され、記録媒体面、すなわちフーリエ面での不要な直流成分光がカットされる。ここに、位相板36によってフーリエ面での不要な直流成分光がカットされることによれば、ディスク状媒体10において、光反応性モノマーの無駄な消費が行われなくなる。信号光用の光が位相板36を透過することで生成された信号光は、信号光集光用対物レンズ37によって集光されてディスク状媒体10に照射される。これにより、ディスク状媒体10においては、信号光と参照光(球面参照光)との干渉縞がホログラムとして記録される。

【0050】
そして、記録媒体移動機構55によってディスク状媒体10がその径方向に移動されてシフト多重記録が行われることによりシフト多重ホログラム列が記録された後、ディスク状媒体10を記録媒体チルト機構57によって例えば5°程度チルトさせてディスク状媒体10の表面を基準面に対して傾斜させた状態において、シフト多重記録が行われることにより新たなシフト多重ホログラムラム列が既にシフト多重ホログラム列が記録された同一トラック上に多重記録される。このとき、ディスク状媒体10が、チルト回転軸C2が既に記録されたシフト多重ホログラム列の記録領域の中心位置に位置されよう、記録媒体移動機構55によって位置あわせが行われる。
このようにしてディスク状媒体10に記録されたホログラムに係るデータ情報の再生時には、光量を大幅に落とした球面参照光のみがディスク状媒体10に照射されることにより、複数のホログラムの各々から再生光が互いに異なる方向に発せられる。複数の再生光は、レンズ49を介して撮像素子(具体的には、例えばCCD)48により検出され、ディスク状媒体10の同一の領域に記録されていた複数のホログラムの各々に係るデータ情報が同時に再生(並列再生)される。

【0051】
而して、上記のホログラム記録再生方法によれば、球面波参照光を用いたシフト多重記録方式によってホログラムの多重記録を行うものにおいて、記録媒体をチルトすることによって同一箇所に多重記録される複数のホログラムの各々を互いに波数ベクトルの方向が異なるものとすることができる。従って、隣接するホログラムのクロストークを発生させることなく、複数のシフト多重ホログラム列を同一箇所に多重記録することができ、記録情報の高密度化を図ることができる。すなわち、本発明の記録再生方法によれば、多軸チルトシフト多重記録によって記録媒体に記録される情報の大容量化が可能となる。さらに、異なるチルト角度でのホログラムが分離して同時に再生されることから、高速転送をすることができる。

【0052】
このようなホログラム記録再生方法が実施される上記のホログラム記録再生装置によれば、記録媒体に記録される情報の大容量化を図ることができ、しかも記録媒体移動機構による1軸移動と記録媒体回動機構による回転によって記録媒体における複数の単位記録領域(ブック)に対するアクセスが行われるので、シフト多重記録を行うに際しての記録媒体の位置合わせを容易に行うことができて高速化を図ることができる。また、記録媒体駆動機構自体の構造を簡素化することができるため、所期のホログラム記録再生装置をコスト的に有利に製造することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 信号光
2 参照光
5 ホログラム
6,6a,6b シフト多重ホログラム列
61,62,65 記録領域
B,B0,B1,B2 単位記録領域(ブック)
8A,8B,8C 再生像
10,10A,10B,10C 記録媒体(ディスク状媒体)
21 記録再生光源(青色レーザ光源)
22 光分離手段(プリズムビームスプリッタ)
23 シャッタ
24 偏光板
25 ビーム整形用レンズ
31 ビームエクスパンダ
32 空間光変調器(SLM)
33 プリズムビームスプリッタ
34 リレーレンズ
35 ナイキストフィルタ
36 位相板
37 信号光集光用対物レンズ
39 レンズ
41 NDフィルタ
42 半波長板(λ/2板)
43 参照光集光用対物レンズ
46,47 反射ミラー
48 撮像素子
49 レンズ
51 記録媒体保持手段
52 記録媒体回動機構
53 回転軸
55 記録媒体移動機構
56 1軸ステージ
57 記録媒体チルト機構
58 回転ステージ
C1 ディスク状媒体の回転中心軸
C2 チルト回転軸
S 基準面
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8