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明細書 :ホログラム記録再生方法およびホログラム記録再生装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2016-219088 (P2016-219088A)
公開日 平成28年12月22日(2016.12.22)
発明の名称または考案の名称 ホログラム記録再生方法およびホログラム記録再生装置
国際特許分類 G11B   7/0065      (2006.01)
G11B   7/004       (2006.01)
G11B   7/135       (2012.01)
G11B   7/095       (2006.01)
G11B   7/24035     (2013.01)
G11B   7/24        (2013.01)
G11B   7/24062     (2013.01)
G03H   1/04        (2006.01)
G03H   1/22        (2006.01)
FI G11B 7/0065
G11B 7/004 B
G11B 7/135 Z
G11B 7/095 D
G11B 7/24 522L
G11B 7/24 535C
G11B 7/24 538A
G11B 7/24 538B
G03H 1/04
G03H 1/22
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 18
出願番号 特願2016-043599 (P2016-043599)
出願日 平成28年3月7日(2016.3.7)
優先権出願番号 2015102694
優先日 平成27年5月20日(2015.5.20)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】山本 学
【氏名】吉田 周平
【氏名】中村 優
出願人 【識別番号】000125370
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100078754、【弁理士】、【氏名又は名称】大井 正彦
審査請求 未請求
テーマコード 2K008
5D029
5D090
5D118
5D789
Fターム 2K008AA04
2K008BB06
2K008CC01
2K008CC03
2K008DD03
2K008EE04
2K008FF07
2K008FF21
2K008HH06
2K008HH12
2K008HH13
2K008HH14
2K008HH18
2K008HH24
2K008HH26
2K008HH28
5D029JA04
5D029JB11
5D029JB45
5D029LC02
5D029MA01
5D029MA17
5D090AA01
5D090BB16
5D090CC12
5D090CC14
5D090GG11
5D090HH01
5D090HH03
5D090KK09
5D090KK15
5D090LL01
5D090LL07
5D118AA03
5D118BA01
5D118BD01
5D118BF02
5D118BF03
5D118CG03
5D118CG17
5D789AA03
5D789AA22
5D789BA01
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5D789BB20
5D789DA01
5D789DA05
5D789EB12
5D789EC10
5D789EC17
5D789EC26
5D789EC43
5D789EC48
5D789GA02
5D789HA08
5D789KA03
要約 【課題】反射型記録媒体に対する記録情報の高密度化を図ることができると共にホログラムの安定した再生が可能であり、しかも装置自体の構成を簡素化することができて高速アクセスが可能なホログラム記録再生方法およびホログラム記録再生装置を提供すること。
【解決手段】本発明のホログラム記録再生方法は、反射型の記録媒体に球面参照光シフト多重方式によってホログラムの多重記録を行うものであって、記録媒体として、一面側から信号光および参照光が照射されるホログラム記録層と、ホログラム記録層の他面に光透過層を介して積層された反射層とを備えたものが用いられる。本発明のホログラム記録再生装置は、上記のホログラム記録再生方法が実施されるものであり、信号光および参照光を照射する光学機構および記録媒体の一方が他方に対して記録媒体の表面に沿って一方向に相対的に移動されることにより記録媒体にシフト多重記録が行われる。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
データ情報を担持した信号光と参照光との干渉縞を記録媒体にホログラムとして記録すると共に記録媒体に記録されたホログラムに参照光を照射することにより当該ホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生方法において、
記録媒体として、一面側から信号光および参照光が照射されるホログラム記録層と、当該ホログラム記録層の他面に光透過層を介して積層された反射層とを備えたものが用いられ、
参照光として球面波が用いられ、
信号光および参照光を記録媒体に照射する光学機構および記録媒体の一方を他方に対して相対的に一方向に移動させることにより球面参照光シフト多重記録を行うことを特徴とするホログラム記録再生方法。
【請求項2】
前記記録媒体として、前記ホログラム記録層と前記反射層との間に光吸収層をさらに備えたものが用いられることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録再生方法。
【請求項3】
データ情報を担持した信号光と参照光との干渉縞を記録媒体にホログラムとして記録すると共に記録媒体に記録されたホログラムに当該ホログラムの記録時における記録用参照光とは偏光方向の異なる参照光を再生用参照光として照射することにより当該ホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生方法であって、
記録媒体として、一面側から信号光および参照光が照射されるホログラム記録層と、当該ホログラム記録層の他面に光透過層を介して積層された反射層とを備えており、当該反射層が記録用参照光を透過すると共に再生用参照光を反射する機能を有するものが用いられ、
参照光として球面波が用いられ、
信号光および参照光を記録媒体に照射する光学機構および記録媒体の一方を他方に対して相対的に一方向に移動させることにより球面参照光シフト多重記録を行うことを特徴とするホログラム記録再生方法。
【請求項4】
信号光の記録媒体に対する入射光軸と参照光の記録媒体に対する入射光軸とを含む平面に垂直な平面を基準面としたとき、当該基準面に沿った記録媒体の表面におけるトラック上に、一方向のみの球面参照光シフト多重記録を行うことによりシフト多重ホログラム列を記録した後、当該シフト多重記録ホログラム列が記録された記録領域と同一の領域に、記録媒体の表面が前記基準面に対して所定の角度傾いた状態で、球面参照光シフト多重記録を行うことにより新たなシフト多重記録ホログラム列を多重記録することを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載のホログラム記録再生方法。
【請求項5】
データ情報を担持した信号光と参照光との干渉縞を記録媒体にホログラムとして多重記録すると共に記録媒体に記録されたホログラムに参照光を照射することにより当該ホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラムホログラム記録再生装置において、
記録媒体として、一面側から信号光および参照光が照射される記録層と、当該記録層の他面に光透過層を介して配設された反射層とを備えたものが用いられ、
信号光および球面参照光を記録媒体に照射する光学機構と、光学機構および記録媒体の一方を他方に対して相対的に移動させる移動機構とを備えており、
前記光学機構および前記記録媒体の一方が他方に対して記録媒体の表面に沿って一方向に相対的に移動されて当該記録媒体にシフト多重記録が行われることによりシフト多重ホログラム列が記録されることを特徴とするホログラム記録再生装置。
【請求項6】
記録媒体として、前記ホログラム記録層と前記反射層との間に光吸収層をさらに備えたものが用いられることを特徴とする請求項5に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項7】
データ情報を担持した信号光と参照光との干渉縞を記録媒体にホログラムとして記録すると共に記録媒体に記録されたホログラムに当該ホログラムの記録時における記録用参照光とは偏光方向の異なる参照光を再生用参照光として照射することにより当該ホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生装置であって、
記録媒体として、一面側から信号光および参照光が照射されるホログラム記録層と、当該ホログラム記録層の他面に光透過層を介して積層された反射層とを備えており、当該反射層が記録用参照光を透過すると共に再生用参照光を反射する機能を有するものが用いられ、
信号光および球面参照光を記録媒体に照射する光学機構と、光学機構および記録媒体の一方を他方に対して相対的に移動させる移動機構とを備えており、
前記光学機構および前記記録媒体の一方が他方に対して記録媒体の表面に沿って一方向に相対的に移動されて当該記録媒体にシフト多重記録が行われることによりシフト多重ホログラム列が記録されることを特徴とするホログラム記録再生装置。
【請求項8】
信号光の記録媒体に対する入射光軸と参照光の記録媒体に対する入射光軸とを含む平面に垂直な平面を基準面としたとき、記録媒体を回動させることにより当該記録媒体の表面を当該基準面に対して傾斜させる記録媒体チルト機構をさらに備えており、
記録媒体チルト機構によって記録媒体の表面を前記基準面に対して傾斜させた状態で、一方向のみの球面参照光シフト多重記録が行われることによって、新たなシフト多重ホログラム列が記録媒体に既に記録されたシフト多重ホログラム列の記録領域と同一の領域に多重記録されることを特徴とする請求項5~請求項7のいずれかに記載のホログラム記録再生装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラム記録再生方法およびホログラム記録再生装置に関する。更に詳しくは、2次元化されたデジタルビットパターンを記録媒体にホログラムとして多重に記録することにより大容量光メモリを構成する上で有効な構成を有する記録媒体を用いたホログラム記録再生方法およびホログラム記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ホログラムを用いてデジタル情報を二次元的に記録再生するホログラム記録再生方法が提案されている。このホログラム記録再生方法においては、記録媒体として、光反応性モノマーよりなる記録層と光透過層とを有するものが用いられ、デジタル情報を記録する場合には、複数の画素よりなる空間光変調器で変調された、デジタル情報(データ情報)を担持した信号光と、当該信号光とコヒーレントな参照光とを記録媒体内(記録層)で干渉させることによりホログラムを形成し、そのホログラムを前記デジタル情報として記録する。また、記録媒体に記録されたデジタル情報を再生する場合には、記録に用いた参照光をホログラムに照射することにより回折光を発生させ、CCD(撮像素子)上に、ホログラムとして記録されているデジタル情報の画像を形成させる。
【0003】
このようなホログラム記録再生方法において、具体的なホログラム記録方法としては、角度多重記録方式およびスペックル参照光多重記録方式などが挙げられる。
【0004】
角度多重記録方式によるホログラム記録方法は、記録媒体に対する参照光の照射角度をわずかずつ変更させ、当該記録媒体における或る一領域にホログラムの多重記録を行う。記録媒体の厚みが厚い(具体的には、1mm以上)場合には、ブラッグ回折条件が角度的に厳しくなり、角度が0.1°程度でブラッグ回折角条件が外れて読み出しが不可能となる。この原理を利用して、記録媒体において、同一領域に数百個のホログラムを記録(多重記録)する。この角度多重記録方式においては、多重記録をブック単位で行う。すなわち、或る一領域においてホログラムの多重記録を行った後、光(信号光および参照光)の照射領域を変更し、当該一領域とは重ならない他の一領域において新たなホログラムの多重記録をブック単位で順次に行う。
【0005】
スペックル参照光多重記録方式によるホログラム記録方法は、参照光がスペックルパターンで変調されている。このスペックルパターンで変調された参照光と信号光とが記録媒体で干渉することによって、ホログラムが記録される。このため、記録媒体に記録されたホログラムを再生する際には、参照光が記録時と同様のスペックルパターンである場合のみ再生が可能となる。而して、記録媒体をわずかな距離(具体的には、10μm程度)シフトさせると、スペックルパターンの一致(スペックルパターンの相関)が崩れてホログラムの再生が不可能となる。この原理を利用して、ホログラムの多重記録を、記録媒体をシフトさせて行う。すなわち、わずかに記録媒体をシフトさせるだけで新たなホログラムの記録が可能となってシフト多重記録を繰り返すことができる。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2010-61750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来より検討されていた角度多重記録方式においては、平面波で伝搬する光を参照光とする。この角度多重記録方式では、記録媒体に反射層を設けた場合には、平面波参照光は光強度を保ったまま反射して記録層における記録領域以外の領域を照射するため、その領域のモノマーをポリマー化して多重記録数を制限する、という問題がある。そのため、記録媒体においては、現状では反射層は使われず、位相共役再生により記録媒体の反対側にミラーを設置し、角度変化に対応してミラーの角度を変化させ、参照光をもとの光路を逆進させることにより信号再生を行うことが一般的である。この方式では各ホログラムがわずかな角度変化で多重記録されているため、それぞれのホログラムを再生する場合には、位相共役再生のため、記録時の参照光とは逆の方向に伝搬する参照光を照射する必要性から、角度調整機能を有するミラーを記録媒体の逆側に設置する必要があり、装置構成の複雑化を招き、情報位置へのヘッドアクセスを困難にする、という欠点がある。
【0008】
一方、従来より検討されていたスペックル参照光多重記録方式においては、記録媒体において、光透過層と記録層との間に反射層を設置する。このような記録媒体においては、信号光と参照光との集光位置に反射層が存在することから光強度が集中し、記録層内のモノマーが過度に消費されて多重記録数を制限する、という欠点がある。また、この方式では、反射した参照光と信号光との干渉により、いわゆる通常の参照光と逆方向に伝搬する参照光により形成される反射型ホログラムも同時に形成されることになる。反射型ホログラムは、透過型ホログラムに比べて環境あるいは光の伝搬条件の変化等により発生するトレランスに極めて敏感であり、安定な再生が行われない、という欠点がある。このためトレランスの影響を受けて反射型ホログラムの再生光が変動し、総合的にみて再生光量が著しく変動しやすい。また、透過型以外に無用なホログラム記録を行うため、モノマーの無駄な消費を発生させ多重記録数を大幅に制限することになる。また、この方式では、光の集光位置より反射層を離して設置した場合には、信号光と参照光とが同一方向に反射される方式であるため、両者を分離して検出することが困難になり雑音の増大を招く。この雑音の増大も記録多重数の制限を生じさせる。
【0009】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、反射型の記録媒体に記録される情報の高密度化を図ることができると共に記録されたホログラムを安定して再生することができ、しかもホログラム記録再生装置自体の構成を簡素化することができて高速アクセスが可能なホログラム記録再生方法およびホログラム記録再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のホログラム記録再生方法は、データ情報を担持した信号光と参照光との干渉縞を記録媒体にホログラムとして記録すると共に記録媒体に記録されたホログラムに参照光を照射することにより当該ホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生方法において、
記録媒体として、一面側から信号光および参照光が照射されるホログラム記録層と、当該ホログラム記録層の他面に光透過層を介して積層された反射層とを備えたものが用いられ、
参照光として球面波が用いられ、
信号光および参照光を記録媒体に照射する光学機構および記録媒体の一方を他方に対して相対的に一方向に移動させることにより球面参照光シフト多重記録を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明のホログラム記録再生方法においては、前記記録媒体として、前記ホログラム記録層と前記反射層との間に光吸収層をさらに備えたものが用いられることが好ましい。
【0012】
また、本発明のホログラム記録再生方法は、データ情報を担持した信号光と参照光との干渉縞を記録媒体にホログラムとして記録すると共に記録媒体に記録されたホログラムに当該ホログラムの記録時における記録用参照光とは偏光方向の異なる参照光を再生用参照光として照射することにより当該ホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生方法であって、
記録媒体として、一面側から信号光および参照光が照射されるホログラム記録層と、当該ホログラム記録層の他面に光透過層を介して積層された反射層とを備えており、当該反射層が記録用参照光を透過すると共に再生用参照光を反射する機能を有するものが用いられ、
参照光として球面波が用いられ、
信号光および参照光を記録媒体に照射する光学機構および記録媒体の一方を他方に対して相対的に一方向に移動させることにより球面参照光シフト多重記録を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明のホログラム記録再生方法においては、信号光の記録媒体に対する入射光軸と参照光の記録媒体に対する入射光軸とを含む平面に垂直な平面を基準面としたとき、当該基準面に沿った記録媒体の表面におけるトラック上に、一方向のみの球面参照光シフト多重記録を行うことによりシフト多重ホログラム列を記録した後、当該シフト多重記録ホログラム列が記録された記録領域と同一の領域に、記録媒体の表面が前記基準面に対して所定の角度傾いた状態で、球面参照光シフト多重記録を行うことにより新たなシフト多重記録ホログラム列を多重記録することが好ましい。
【0014】
本発明のホログラム記録再生装置は、データ情報を担持した信号光と参照光との干渉縞を記録媒体にホログラムとして多重記録すると共に記録媒体に記録されたホログラムに参照光を照射することにより当該ホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラムホログラム記録再生装置において、
記録媒体として、一面側から信号光および参照光が照射される記録層と、当該記録層の他面に光透過層を介して配設された反射層とを備えたものが用いられ、
信号光および球面参照光を記録媒体に照射する光学機構と、光学機構および記録媒体の一方を他方に対して相対的に移動させる移動機構とを備えており、
前記光学機構および前記記録媒体の一方が他方に対して記録媒体の表面に沿って一方向に相対的に移動されて当該記録媒体にシフト多重記録が行われることによりシフト多重ホログラム列が記録されることを特徴とする。
【0015】
本発明のホログラム記録再生装置においては、記録媒体として、前記ホログラム記録層と前記反射層との間に光吸収層をさらに備えたものが用いられることが好ましい。
【0016】
本発明のホログラム記録再生装置は、データ情報を担持した信号光と参照光との干渉縞を記録媒体にホログラムとして記録すると共に記録媒体に記録されたホログラムに当該ホログラムの記録時における記録用参照光とは偏光方向の異なる参照光を再生用参照光として照射することにより当該ホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生装置であって、
記録媒体として、一面側から信号光および参照光が照射されるホログラム記録層と、当該ホログラム記録層の他面に光透過層を介して積層された反射層とを備えており、当該反射層が記録用参照光を透過すると共に再生用参照光を反射する機能を有するものが用いられ、
信号光および球面参照光を記録媒体に照射する光学機構と、光学機構および記録媒体の一方を他方に対して相対的に移動させる移動機構とを備えており、
前記光学機構および前記記録媒体の一方が他方に対して記録媒体の表面に沿って一方向に相対的に移動されて当該記録媒体にシフト多重記録が行われることによりシフト多重ホログラム列が記録されることを特徴とする。
【0017】
本発明のホログラム記録再生装置においては、信号光の記録媒体に対する入射光軸と参照光の記録媒体に対する入射光軸とを含む平面に垂直な平面を基準面としたとき、記録媒体を回動させることにより当該記録媒体の表面を当該基準面に対して傾斜させる記録媒体チルト機構をさらに備えており、
記録媒体チルト機構によって記録媒体の表面を前記基準面に対して傾斜させた状態で、一方向のみの球面参照光シフト多重記録が行われることによって、新たなシフト多重ホログラム列が記録媒体に既に記録されたシフト多重ホログラム列の記録領域と同一の領域に多重記録される構成とされていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明のホログラム記録再生方法によれば、反射層が光透過層を介してホログラム記録層に積層された反射型の記録媒体に、球面参照光シフト多重記録方式によって、ホログラムの多重記録が行われることにより、ホログラム記録時において、信号光の反射層による反射光および参照光の反射層による反射光がホログラムの記録におよぼす影響を極めて小さくすることができる。このため、記録される情報の高密度化を図ることができると共に記録されたホログラムを安定して再生することができる。また、ホログラム記録再生装置自体の構成を簡素化することができて高速アクセスが可能となる。
【0019】
また、記録媒体に記録されたホログラムを再生するに際して、当該ホログラムの記録時における記録用参照光とは偏光方向の異なる参照光が再生用参照光として照射され、記録媒体として、記録用参照光を透過すると共に再生用参照光を反射する反射層を備えた反射型のものが用いられることによっても、同様の効果を得ることができる。
【0020】
本発明のホログラム記録再生装置によれば、上記のホログラム記録再生方法が実施されることにより、装置自体の構成の簡素化が図られたものでありながら、記録される情報の高密度化を図ることができると共に記録されたホログラムを安定して再生することができ、しかも、情報アクセスを容易に行うことができて高速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る第1のホログラム記録再生方法において用いられる記録媒体の構成の一例を、信号光集光用対物レンズおよび参照光集光用対物レンズと共に示す説明図である。
【図2】本発明に係る第1のホログラム記録再生方法において用いられる記録媒体の構成の他の例を示す説明図である。
【図3】本発明に係る第2のホログラム記録再生方法において用いられる記録媒体の構成の一例を示す説明図である。
【図4】本発明のホログラム記録再生装置における要部の構成の一例を、記録媒体と共に示す説明用概略図である。
【図5】図4に示すホログラム記録再生装置における記録媒体駆動機構の構成例を概略的に示す斜視図である。
【図6】本発明のホログラム記録再生装置における要部の構成の他の例を、記録媒体と共に示す説明用概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
〔第1のホログラム記録再生方法〕
本発明に係る第1のホログラム記録再生方法は、参照光として球面波(以下、「球面参照光」という。)を用い、信号光および球面参照光を照射する光学機構および反射型の記録媒体の一方を他方に対して記録媒体の表面に沿って相対的に一方向に移動させることにより、記録媒体に一方向のみの球面参照光シフト多重記録を行ってシフト多重ホログラム列を記録するものである。

【0023】
球面参照光シフト多重記録は、記録媒体に対する信号光の光軸と球面参照光の光軸とを含む平面に垂直な平面を基準面としたときに、例えば、表面が当該基準面に沿って配置された記録媒体を、その表面に沿って一方向にシフトさせることによって行われる。これにより、複数のホログラムが互いに一部が重なる状態で一方向に並ぶよう記録されたシフト多重ホログラム列が得られる。ここに、一のホログラムは、平面視で略円形状であって、そのサイズは、例えば直径(ホログラム径)が50μmである。ホログラムのシフト量(記録媒体のシフト量)は、例えば10μm以上の大きさであって、これにより、隣接するホログラムのクロストークが生ずることを回避することができる。
このような球面参照光シフト多重記録は、信号光および参照光を照射する光学機構を記録媒体に対して移動させて行ってもよい。

【0024】
図1は、本発明に係る第1のホログラム記録再生方法において用いられる記録媒体の構成の一例を、信号光集光用対物レンズおよび参照光集光用対物レンズと共に示す説明図である。
この記録媒体10は、一面側から信号光Lsおよび球面参照光Lrが光透過性基板14を介して照射されるホログラム記録層11と、この記録層11の他面に積層された光透過層12と、この光透過層12の他面に積層された反射層13とを備えたものである。ここに、「光透過(性)」とは、信号光Lsおよび球面参照光Lrの波長帯域における光透過率が80%以上であることをいう。

【0025】
ホログラム記録層11は、光反応性モノマーよりなるものである。この光反応性モノマーは、光が照射されるとポリマーに変換され、その結果、屈折率が異なる領域が形成され、それがホログラムとなるものである。
ホログラム記録層11の厚みは、記録再生能の観点から、例えば0.3~2.0mmとされることが好ましく、より好ましくは0.5~1.0mmとされる。
光透過層12は、ホログラム記録層11を支持するための基層である。この光透過層12としては、例えば光透過性基板を用いることもできる。
反射層13は、蒸着膜よりなるものである。この反射層13の材質としては、少なくとも再生光を反射することのできるものが用いられる。

【0026】
上記の記録媒体10においては、信号光集光用対物レンズ38によって集光されて記録媒体10に照射される信号光Lsと、参照光集光用対物レンズ43によって集光されて記録媒体10に照射される球面参照光Lrとが、記録媒体10におけるホログラム記録層11において干渉することによってホログラムが形成される。
また、記録媒体10に記録されたホログラムは、当該ホログラムの記録時に用いた球面参照光Lrに比して出力の小さい球面参照光が照射されることにより当該ホログラムに記録されたデータ情報が再生される。

【0027】
ホログラム記録時における記録媒体10に対する光照射条件は、例えば、信号光Lsの出力は例えば60μW、球面参照光Lrの出力は例えば1000μW(1nW)である。また、ホログラム再生時においては、球面参照光の出力は、例えば20μW程度である。

【0028】
また、第1のホログラム記録再生方法において用いられる記録媒体としては、ホログラム記録層と反射層との間に光吸収層をさらに備えたものであることが好ましい。具体的には、図2に示すように、ホログラム記録層11の他面に光吸収層15が積層され、光吸収層15の他面に光透過層12を介して反射層13が積層された構成とされる。

【0029】
光吸収層15は、例えば400nm~450nmの波長帯域(例えば青色レーザ光)の光についての光透過率が50%以下であることが好ましい。
このような光吸収層15は、例えば上記波長帯域の光を吸収する色素を含有するプラスチック材料などにより構成することができる。
光吸収層15の厚みは、記録再生能の観点から、例えば、0.1~1.5mmとされることが好ましく、より好ましくは0.5~1.0mmである。

【0030】
上記の記録媒体10aにおいては、信号光集光用対物レンズによって集光されて記録媒体10aに照射される信号光Lsと、参照光集光用対物レンズによって集光されて記録媒体10aに照射される記録用球面参照光Lr1とが、記録媒体10aにおけるホログラム記録層11において干渉することによってホログラムが形成される。ホログラム記録時においては、ホログラム記録層11を透過した信号光Lsおよび記録用球面参照光Lr1は、その一部が光吸収層15によって吸収され、さらに、信号光Lsの反射層13による反射光および記録用球面参照光Lr1の反射層13による反射光Lr1´は、その大半が光吸収層15によって吸収されることとなる。
また、記録媒体10aに記録されたホログラムは、当該ホログラムの記録時に用いた球面参照光Lr1に比して出力の小さい再生用球面参照光Lr2が照射されることにより当該ホログラムに記録されたデータ情報が再生される。図2におけるLr2´は再生用球面参照光Lr2の反射層13による反射光である。

【0031】
〔第2のホログラム記録再生方法〕
本発明に係る第2のホログラム記録再生方法は、参照光として球面波(球面参照光)を用い、信号光および球面参照光を照射する光学機構および反射型の記録媒体の一方を他方に対して記録媒体の表面に沿って相対的に一方向に移動させることにより、記録媒体に一方向のみの球面参照光シフト多重記録を行ってシフト多重ホログラム列を記録すると共に記録媒体に記録されたホログラムに当該ホログラムの記録時における記録用参照光とは偏光方向の異なる参照光を再生用参照光として照射することにより当該ホログラムに記録されたデータ情報を再生するものである。
本発明に係る第2のホログラム記録再生方法においては、次のような反射型の記録媒体が用いられる。

【0032】
図3は、本発明に係る第2のホログラム記録方法において用いられる記録媒体の構成の一例を示す説明図である。
この記録媒体10bは、参照光として互いに偏向方向の異なる記録用球面参照光Lr1および再生用球面参照光Lr2が用いられてホログラムの記録およびホログラムの再生が行われるものであって、一面側から信号光Lsおよび記録用球面参照光Lr1または再生用球面参照光Lr2が光透過性基板14を介して照射されるホログラム記録層11と、このホログラム記録層11の他面に光透過層12を介して積層された反射層13aとを備えている。この記録媒体10bにおける反射層13aは、記録用球面参照光Lr1を透過すると共に再生用球面参照光Lr2を反射する機能(偏向選択性)を有する。

【0033】
反射層13aは、例えば、400nm~410nmの波長帯域(例えば青色レーザ光)において、反射層13aに対する入射角が20度の場合における記録用球面参照光(例えばP偏光光)Lr1の光透過率が70%以上であって、再生用球面参照光(例えばS偏光光)Lr2の光反射率が50%以上であるものであることが好ましい。
このような反射層13aは、例えば、ポリビニルアルコールなどにより構成することができる。

【0034】
この記録媒体10bにおいては、信号光Lsと記録用球面参照光Lr1とが記録媒体10bにおけるホログラム記録層11において干渉することによってホログラムが形成される。ホログラム記録時においては、ホログラム記録層11を透過した信号光Lsおよび記録用球面参照光Lr1は、反射層13aを透過することとなる。図3におけるLr1´´は記録用球面参照光Lr1の透過光である。
また、記録媒体10bに記録されたホログラムは、当該ホログラムの記録時に用いた記録用球面参照光Lr1とは偏向方向の異なる再生用球面参照光Lr2が照射されることにより当該ホログラムに記録されたデータ情報が再生される。ホログラム再生時には、再生用球面参照光は反射層13aによって反射されることとなる。図3におけるLr2´は再生用球面参照光Lr2の反射層13aによる反射光である。

【0035】
以上の第1のホログラム記録再生方法および第2のホログラム記録再生方法においては、記録媒体に一方向のみの球面参照光シフト多重記録を行ってシフト多重ホログラム列を記録した後、当該シフト多重ホログラム列が記録された記録領域と同一の領域に、例えば下記の多重記録工程を経ることによって新たなシフト多重ホログラム列を多重記録することが好ましい。

【0036】
多重記録工程は、記録媒体に対する信号光の光軸と球面参照光の光軸とを含む平面に垂直な平面を基準面としたときに、表面が当該基準面に沿った配置された状態において球面参照シフト多重記録が行われて第1のシフト多重ホログラム列が記録された記録媒体を回動(チルト)させて傾斜させた状態において、第1のシフト多重ホログラム列が記録された記録領域に球面参照光シフト多重記録を行って第2のシフト多重ホログラム列を多重記録(チルトシフト多重記録)するシフト多重ホログラム列重ね書き過程を少なくとも1回以上行うものである。

【0037】
チルトシフト多重記録において、記録媒体の表面の基準面に対する傾き角度は、複数のシフト多重ホログラム列が多重記録された記録領域に対して球面参照光が照射されることによって同時に再生される複数のホログラムの再生像が、検出器上で分離された状態で再生される角度であることが好ましい。具体的には、記録媒体の表面の基準面に対する傾き角度は、5°以上であることが好ましい。
また、チルトシフト多重記録においては、記録媒体の表面の基準面に対する傾き方向は、特に限定されるものではなく、任意の方向とすることができる。

【0038】
次いで、本発明のホログラム記録再生方法が実施されるホログラム記録再生装置の具体例を、図を用いて説明する。

【0039】
図4は、本発明のホログラム記録再生装置における要部構成の一例を、記録媒体と共に示す説明用概略図である。図5は、図4に示すホログラム記録再生装置における記録媒体駆動機構の構成例を概略的に示す斜視図である。
このホログラム記録再生装置は、データ情報を担持した信号光Lsおよび記録用球面参照光Lr1または再生用球面参照光Lr2を記録媒体10に照射する光学機構と、記録媒体駆動機構とを備えている。

【0040】
光学機構は、例えば青色レーザ光源よりなる記録再生光源21と、記録再生光源21からのレーザ光を、信号光用の光と参照光用の光とに分割する、例えばハーフミラープリズムよりなる光分離手段22と、光分離手段22からの信号光用の光をデータ情報(ページデータ)を担持した信号光Lsとして記録媒体10に照射する信号光照射光学系と、光分離手段22からの参照光用の光を球面波に変換して記録用球面参照光Lr1または再生用球面参照光Lr2として記録媒体10に照射する球面参照光照射光学系と、ホログラムからの再生光を検出する再生光検出用光学系とを備えている。
記録再生光源21と光分離手段22との間におけるレーザ光の光路上には、シャッタ23、偏光板24およびビーム整形用レンズ25が設けられている。

【0041】
信号光照射光学系は、光分離手段22から記録媒体10に至る光路L1を有しており、この光路L1上には、信号光用の光を拡大するビームエクスパンダ31、偏光プリズムビームスプリッタ32、空間光変調器(SLM)33、リレーレンズ34、ナイキストフィルタ35、信号光の直流成分をカットする位相板36、信号光集光用対物レンズ38が設けられている。ここに、偏光プリズムビームスプリッタ32は、光の偏光方向によって透過または反射を行うものである。偏光プリズムビームスプリッタ32においては、最初に入射した光は反射されて空間光変調器(SLM)33に入射される。そして、空間光変調器(SLM)33で変調された光は、偏光方向が90°回転しているため、今度は偏光ビームスプリッタ32を透過する。

【0042】
球面参照光照射光学系は、光分離手段22から記録媒体10に至る光路L2を有しており、この光路L2上には、光量を調節するニュートラルデンシティフィルタ(NDフィルタ)41、半波長板(λ/2波長板)42および参照光用の光を球面波に変換して記録用球面参照光Lr1または再生用球面参照光Lr2を生成する参照光集光用対物レンズ43が設けられている。半波長板42は、例えば回転可能に設けられており、参照光用の光の偏向方向を調整可能とされている。例えばホログラム再生時には、ホログラム記録時の記録用球面参照光Lr1と偏向方向の異なる再生用球面参照光Lr2が記録媒体10に照射されるよう、参照光用の光の偏向方向が調整される。符号46および47は、参照光用の光の進行方向を変更するための反射ミラーである。

【0043】
再生光検出用光学系は、信号光照射光学系における光路L1における位相板36と信号光集光用対物レンズ38との間の位置に設けられた偏光プリズム37と、例えばCCDよりなる撮像素子39とを備えている。
このホログラム記録再生装置においては、記録媒体10の反射層13で反射されたホログラムからの再生光は、偏光プリズムビームスプリッタ32から記録媒体10に向かって出射される信号光に係る光路を逆進することとなる。従って、撮像素子39は、ホログラムからの再生光が偏光プリズム37によって反射されて入射される位置に設けられている。

【0044】
記録媒体駆動機構は、図5に示すように、例えばディスク状の記録媒体10をその表面が当該記録媒体10に対する信号光の光軸と参照光の光軸とを含む平面に垂直な基準面に沿って延びる姿勢で保持する記録媒体保持手段51と、記録媒体10をその表面に沿った平面内で回動(回転)させる記録媒体回動機構52と、記録媒体10をその表面に沿った平面内で移動させる記録媒体移動機構55と、記録媒体10を回動させて当該記録媒体10の表面を基準面に対して傾斜させる記録媒体チルト機構57とを備えている。

【0045】
記録媒体保持手段51には、記録媒体回動機構52を構成する回転軸53が基準面に垂直な方向に延びるよう設けられており、当該回転軸53に対して例えば記録媒体10の中央部に設けられた装着用孔が嵌入されて装着されることにより記録媒体10が保持される。C1は記録媒体10の回転中心軸である。

【0046】
記録媒体回動機構52は、記録媒体保持手段51に設けられた回転軸53を駆動させる駆動源(図示せず)を備えている。駆動源としては、例えばステッピングモータなどを用いることができる。

【0047】
記録媒体移動機構55は、記録媒体10をその径方向に移動させる1軸ステージ56を備えている。1軸ステージ56上には、記録媒体保持手段51が設けられており、従って、1軸ステージ56が駆動されることにより記録媒体保持手段51によって保持された記録媒体10がその表面に沿った平面内で移動される。

【0048】
記録媒体チルト機構57は、記録媒体10に対する信号光の光軸と参照光の光軸とを含む平面に垂直な方向に延びるチルト回転軸C2を中心に回転駆動される回転ステージ58を備えている。チルト回転軸C2は、例えば記録媒体10の表面上に位置されている。回転ステージ58上には、記録媒体移動機構55を構成する1軸ステージ56が設けられており、従って、回転ステージ58が駆動されることにより、1軸ステージ56上に設けられた記録媒体保持手段51によって保持された記録媒体10がチルト回転軸C2を中心に回動されて記録媒体10の表面が基準面に対して傾斜した状態とされる。回転ステージ58の駆動源としては、例えばステッピングモータなどを用いることができる。

【0049】
このホログラム記録再生装置においては、青色レーザ光源よりなる記録再生光源21から出射されたレーザ光は、光分離手段22によって信号光用の光と参照光用の光に分割される。参照光用の光は、NDフィルタ41および半波長板42を介して参照光集光用対物レンズ43に入射され、参照光集光用対物レンズ43によって球面波に変換されて記録用球面参照光Lr1として記録媒体10に照射される。一方、信号光用の光は、ビームエクスパンダ31で拡大された後、空間光変調器(SLM)33に照射されて変調される。空間光変調器(SLM)33から出射された光は、ナイキストフィルタ35でフーリエ面での周波数帯域が調節された後、さらに位相板36で2次元ビットパターンの各ビットにランダム位相が付与され、記録媒体面、すなわちフーリエ面での不要な直流成分光がカットされる。ここに、位相板36によってフーリエ面での不要な直流成分光がカットされることによれば、記録媒体10において、光反応性モノマーの無駄な消費が行われなくなる。位相板36を透過した信号光用の光は、信号光集光用対物レンズ38によって集光されて信号光Lsとして記録媒体10に照射される。これにより、記録媒体10においては、信号光Lsと記録用球面参照光Lr1とによる干渉縞がホログラムとして記録される。

【0050】
そして、記録媒体移動機構55によって記録媒体10がその径方向(図4において白抜きの矢印で示す。)に移動されて球面参照光シフト多重記録が行われることによりシフト多重ホログラム列が記録される。
さらに、シフト多重記録を重ね書きする場合には、例えば、記録媒体10を記録媒体チルト機構57によって例えば5°程度チルトさせて記録媒体10の表面を基準面に対して傾斜させた状態において、球面参照光シフト多重記録が行われることにより新たなシフト多重ホログラムラム列が既にシフト多重ホログラム列が記録された記録領域と同一の領域に多重記録される。このとき、記録媒体10が、チルト回転軸C2が既に記録されたシフト多重ホログラム列の記録領域の中心位置に位置されよう、記録媒体移動機構55によって位置あわせが行われる。

【0051】
このようにして記録媒体10に記録されたホログラムに係るデータ情報の再生時には、光量を大幅に落とした再生用球面参照光Lr2のみが記録媒体10に照射されることにより、ホログラムから再生光が得られる。ホログラムからの再生光は、記録媒体10の反射層13で反射されて偏光プリズムビームスプリッタ32から記録媒体10に向かって出射される信号光に係る光の光路を逆進し、偏光プリズム37で反射されて撮像素子39により検出される。これにより、ホログラムに記録されていたデータ情報が再生される。この再生時においては、再生用球面参照光Lr2と同一の偏光方向の再生光を偏光プリズム37によって反射させて撮像素子39に入射させる必要があるため、再生用球面参照光Lr2の偏光方向は半波長板42で90°回転されている。

【0052】
図6は、本発明のホログラム記録再生装置における要部構成の他の例を、記録媒体と共に示す説明用概略図である。
このホログラム記録再生装置は、信号光Lsおよび記録用球面参照光Lr1または再生用球面参照光Lr2を記録媒体10に照射する光学機構と、記録媒体10をその表面に沿った平面内において回動および平行移動させる記録媒体駆動機構とを備えている。

【0053】
光学機構は、例えば青色レーザ光源よりなる記録再生光源21と、記録再生光源21からの光を信号光用の光と参照光用の光とに分割する、例えばハーフミラープリズムよりなる光分離手段22と、信号光用の光をデータ情報を担持した信号光Lsとして記録媒体10に照射する信号光照射光学系と、参照光用の光を球面波に変換して記録用球面参照光Lr1または再生用球面参照光Lr2として記録媒体10に照射する球面参照光照射光学系と、ホログラムからの再生光を検出する再生光検出用光学系とを備えている。
記録再生光源21と光分離手段22との間におけるレーザ光の光路L上には、シャッタ23、偏光板24およびビーム整形用レンズ25が設けられている。

【0054】
信号光照射光学系は、光分離手段22から記録媒体10に至る光路L1を有しており、この光路L1上には、ビームエクスパンダ44、位相板36、リレーレンズ45、偏光プリズムビームスプリッタ40、空間光変調器(SLM)33、ナイキストフィルタ35、リレーレンズ34および信号光集光用対物レンズ38が設けられている。

【0055】
球面参照光照射光学系は、光分離手段22から記録媒体10に至る光路L2を有しており、この光路L2上には、NDフィルタ41、半波長板42および参照光用の光を球面波に変換して記録用球面参照光Lr1または再生用球面参照光Lr2を生成する参照光集光用対物レンズ43が設けられている。半波長板42は、例えば回転可能に設けられており、参照光用の光の偏向方向を調整可能とされている。例えばホログラム再生時には、ホログラム記録時の記録用球面参照光Lr1と偏向方向の異なる再生用球面参照光Lr2が記録媒体10に照射されるよう、参照光用の光の偏向方向が調整される。符号46および47は、参照光用の光の進行方向を変更するための反射ミラーである。

【0056】
再生光検出用光学系は、例えばCCDよりなる撮像素子39を備えている。
このホログラム記録再生装置においては、記録媒体10の反射層13で反射されたホログラムからの再生光は、偏光プリズムビームスプリッタ40から記録媒体10に向かって出射される信号光に係る光の光路を逆進することとなる。従って、撮像素子39は、ホログラムからの再生光が偏光プリズムビームスプリッタ40を透過して入射される位置において、記録媒体10の表面と対向して設けられている。

【0057】
このホログラム記録再生装置においては、青色レーザ光源よりなる記録再生光源21から出射されたレーザ光は、光分離手段22によって信号光用の光と参照光用の光に分割される。参照光用の光は、NDフィルタ41および半波長板42を介して参照光集光用対物レンズ43に入射され、参照光集光用対物レンズ43によって球面波に変換されて記録用球面参照光Lr1として記録媒体10に照射される。一方、信号光用の光は、ビームエクスパンダ44、位相板36およびリレーレンズ45を介して、偏光プリズムビームスプリッタ40に入射される。信号光用の光は、偏光プリズムビームスプリッタ40を透過して空間光変調器(SLM)33に照射される。この空間光変調器(SLM)33によって、信号光用の光は偏光面が90°変更されたデータパターンに変調される。空間光変調器(SLM)33から出射された光は、偏光プリズムビームスプリッタ40によって反射されて進行方向が90°変更され、ナイキストフィルタ35で空間周波数帯域が調整された後、信号光集光用対物レンズ38によって集光されて信号光Lsとして記録媒体10に照射される。これにより、記録媒体10においては、信号光Lsと記録用球面参照光Lr1とによる干渉縞がホログラムとして記録される。

【0058】
そして、記録媒体移動機構によって記録媒体10がその径方向(図6において白抜きの矢印で示す。)に移動されて球面参照光シフト多重記録が行われることによりシフト多重ホログラム列が記録される。

【0059】
記録媒体10に記録されたホログラムに係るデータ情報の再生時には、光量を大幅に落とした再生用球面参照光Lr2のみが記録媒体10に照射されることにより、ホログラムから再生光が発せられる。再生用球面参照光Lr2は、その偏向方向が半波長板42によって90°回転されており、記録用球面参照光Lr1とは異なる偏向方向を有するものとされる。再生光は反射層13で反射されて記録媒体10の表面側から出射される。再生光は、偏光プリズムビームスプリッタ40から記録媒体10に向かう信号光用の光の光路を逆進して偏光プリズムビームスプリッタ40に入射される。このとき、再生用球面参照光Lr2と同一の偏向方向を有する再生光は、偏光プリズムビームスプリッタ40を透過して撮像素子39に入射される。撮像素子39によって再生光が検出されることにより、当該ホログラムに記録されたデータ情報が再生される。

【0060】
以上のように、本発明の第1のホログラム記録再生方法においては、ホログラム記録層11上に光透過層12を介して反射層13が積層された記録媒体10に、球面参照光を用いて記録および再生を行うものであることから、記録媒体10が反射型のものであっても、信号光Lsが反射層13で反射されたのちは、強度分布密度が極めて小さくなる。また、ホログラム記録層11と光透過層12との間に光吸収層15を備えた記録媒体10aにおいては、信号光Lsの反射層13による反射光の強度分布密度は一層小さくなる。そのため、ホログラム記録時において、反射した信号光と記録用球面参照光Lr1により形成されるホログラムは、ほぼ無視できる範囲である。
一方、記録用球面参照光Lr1はその光軸が記録媒体10の表面に対して例えば45°程度傾いた角度で入射されるため、記録用球面参照光Lr1の反射光Lr1´は信号光Lsと干渉することはない。また、球面波であるため、反射してきた光の強度は極めて小さい。そして、ホログラム記録層11と光透過層12との間に光吸収層15を備えた記録媒体10aにおいては、記録用球面参照光Lr1の反射層13による反射光Lr1´の強度は一層小さくなる。そのため、ホログラム記録層11を構成する光反応性モノマーの消費が、平面波参照光を用いる角度多重記録に比して格段に低減される。
このように、本発明の第1のホログラム記録再生方法においては、ホログラム記録時において、信号光Lsの反射層13による反射光および記録用球面参照光Lr1の反射層13による反射光Lr1´が高密度多重記録におよぼす影響が極めて小さくなる。
ホログラム再生時は、信号光Lsはカットされ、再生用球面参照光Lr2のみがホログラムに照射される。具体的には、記録媒体10に照射される再生用球面参照光Lr2の出力(パワー)は、例えば20μW程度である。再生用球面参照光Lr2がホログラムに照射されると、ホログラムの再生光が反射層13に向かう方向に発生する。その再生光は、反射層13で反射された後、ホログラム記録時における信号光Lsの進行方向とは逆の方向に進行する。この再生光が撮像素子39によって検出されることによりホログラムに記録された情報が再生されることになる。

【0061】
また、本発明の第2のホログラム記録再生方法においても同様に、ホログラム記録時において、信号光Lsの反射層による反射光および記録用球面参照光Lr1の反射層による反射光が高密度多重記録におよぼす影響が極めて小さくなる。すなわち、本発明の第2のホログラム記録再生方法においては、ホログラム記録層11上に光透過層12を介して偏光選択性を有する反射層13aが積層された記録媒体10bに、球面参照光を用いて記録および再生を行うものであることから、記録媒体10bが反射型のものであっても、ホログラム記録層11を透過した信号光Lsおよび記録用球面参照光Lr1は、反射層13aを透過することとなるため、ホログラム記録層11に戻る信号光Lsおよび記録用球面参照光Lr1の影響は極めて小さくなる。

【0062】
従って、本発明のホログラム記録再生方法によれば、反射層13が光透過層12を介してホログラム記録層11に積層された反射型の記録媒体10に、球面参照光シフト多重記録方式によって、ホログラムの多重記録が行われることにより、信号光Lsの反射層13による反射光および記録用球面参照光Lr1の反射層13による反射光Lr1´がホログラムの記録におよぼす影響を極めて小さくすることができるので、記録される情報の高密度化を図ることができると共に記録されたホログラムを安定して再生することができる。また、ホログラム記録再生装置自体の構成を簡素化することができ、しかも、記録媒体10における単位記録領域に対するアクセスを例えば記録媒体10の移動および回動によって行うことができるため、高速アクセスが可能となる。
また、ホログラム記録層11と光透過層12との間に光吸収層を備えた反射型の記録媒体10aにおいては、上記効果を一層確実に得ることができる。

【0063】
さらにまた、記録媒体に記録されたホログラムを再生するに際して、当該ホログラムの記録時における記録用球面参照光Lr1とは偏光方向の異なる参照光が再生用球面参照光Lr2として照射され、記録媒体として、記録用球面参照光Lr1を透過すると共に再生用球面参照光Lr2を反射する反射層13aを備えた反射型の記録媒体10bが用いられることによっても、同様の効果を得ることができる。

【0064】
また、本発明のホログラム記録再生装置によれば、上記のホログラム記録再生方法が実施されることにより、装置自体の構成の簡素化が図られたものでありながら、記録される情報の高密度化を図ることができると共に記録されたホログラムを安定して再生することができ、しかも、情報アクセスを容易に行うことができて高速化を図ることができる。

【0065】
本発明のホログラム記録再生方法においては、上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、ホログラム記録再生装置としては、図4に係るホログラム記録再生装置および図6に係るホログラム記録再生装置以外のものを用いることができる。
また、本発明においては、球面参照光シフト多重記録によって記録されるシフト多重ホログラム列の複数を各々のシフト多重ホログラム列の記録領域の一部が互いに重なる状態で記録するクロスシフト多重記録を行うことによって、記録媒体に記録される情報の高密度化が図られた構成とされていてもよい。
【符号の説明】
【0066】
10 記録媒体
10a 記録媒体
10b 記録媒体
11 ホログラム記録層
12 光透過層
13 反射層
13a 反射層
14 光透過性基板
15 光吸収層
21 記録再生光源
22 光分離手段
23 シャッタ
24 偏光板
25 ビーム整形用レンズ
31 ビームエクスパンダ
32 偏光プリズムビームスプリッタ
33 空間光変調器(SLM)
34 リレーレンズ
35 ナイキストフィルタ
36 位相板
37 偏光プリズム
38 信号光集光用対物レンズ
39 撮像素子
40 偏光プリズムビームスプリッタ
41 ニュートラルデンシティフィルタ(NDフィルタ)
42 半波長板(λ/2波長板)
43 参照光集光用対物レンズ
44 ビームエクスパンダ
45 リレーレンズ
46 反射ミラー
47 反射ミラー
51 記録媒体保持手段
52 記録媒体回動機構
53 回転軸
55 記録媒体移動機構
56 1軸ステージ
57 記録媒体チルト機構
58 回転ステージ
C1 記録媒体の回転中心軸
C2 チルト回転軸
Lr 球面参照光
Lr1 記録用球面参照光
Lr1´ 記録用球面参照光の反射光
Lr1´´ 記録用球面参照光の透過光
Lr2 再生用球面参照光
Lr2´ 再生用球面参照光の反射光
Ls 信号光

図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5