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明細書 :がん免疫療法の治療効果予測に有用な遺伝子多型

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成29年4月20日(2017.4.20)
発明の名称または考案の名称 がん免疫療法の治療効果予測に有用な遺伝子多型
国際特許分類 C12Q   1/68        (2006.01)
G01N  33/574       (2006.01)
G01N  33/53        (2006.01)
A61K  39/00        (2006.01)
A61K  39/395       (2006.01)
A61P   1/00        (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
A61P  37/04        (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
FI C12Q 1/68 ZNAA
G01N 33/574 A
G01N 33/53 P
G01N 33/53 N
A61K 39/00 H
A61K 39/395 T
A61K 39/395 U
A61P 1/00
A61P 35/00
A61P 37/04
C12N 15/00 A
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 36
出願番号 特願2016-515232 (P2016-515232)
国際出願番号 PCT/JP2015/062595
国際公開番号 WO2015/163462
国際出願日 平成27年4月24日(2015.4.24)
国際公開日 平成27年10月29日(2015.10.29)
優先権出願番号 2014091677
優先日 平成26年4月25日(2014.4.25)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】笹田 哲朗
【氏名】伊東 恭悟
【氏名】本山 悟
出願人 【識別番号】599045903
【氏名又は名称】学校法人 久留米大学
【識別番号】504409543
【氏名又は名称】国立大学法人秋田大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100101454、【弁理士】、【氏名又は名称】山田 卓二
【識別番号】100062144、【弁理士】、【氏名又は名称】青山 葆
【識別番号】100106518、【弁理士】、【氏名又は名称】松谷 道子
審査請求 未請求
テーマコード 4B063
4C085
Fターム 4B063QA07
4B063QA19
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4C085GG08
要約 IL-6受容体遺伝子(IL-6R遺伝子)の遺伝子多型を検出することができるポリヌクレオチドを含む、がん免疫療法の治療効果の予測用組成物またはキットを提供する。また、IL-6R遺伝子の遺伝子多型を検出することを含むがん免疫療法の治療効果の予測方法を提供する。
特許請求の範囲 【請求項1】
ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)を検出することができるポリヌクレオチドを含む、がん免疫療法の治療効果の予測用組成物またはキット。
【請求項2】
ポリヌクレオチドが、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)を含む、10~200塩基のヒトIL-6R遺伝子配列の部分配列またはその相補鎖配列からなるポリヌクレオチドである、請求項1に記載の組成物またはキット。
【請求項3】
ポリヌクレオチドが、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)を含む10~200塩基の塩基配列またはその相補鎖配列からなるヒトIL-6R遺伝子断片と特異的にハイブリダイズするプローブ、および/または該遺伝子断片を増幅できるプライマーである、請求項1または請求項2に記載の組成物またはキット。
【請求項4】
ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子型C/C、A/Cおよび/またはA/Aを検出する、請求項1-3のいずれかに記載の組成物またはキット。
【請求項5】
ヒト血液中のIL-6、IP-10(interferon gamma-induced protein 10)および/またはBAFF(B-cell activating factor)の蛋白質量を測定するための抗体を含む、がん免疫療法の治療効果の予測用組成物またはキット。
【請求項6】
ヒト血液中のIL-6、IP-10(interferon gamma-induced protein 10)および/またはBAFF(B-cell activating factor)の蛋白質量を測定するための抗体をさらに含む、請求項1-4のいずれかに記載のキット。
【請求項7】
請求項1-6のいずれかに記載の組成物またはキットを含み、さらに、がん免疫療法用組成物を含む、がん治療用キット。
【請求項8】
がん免疫療法が、ペプチドワクチン免疫療法である、請求項1-7のいずれかに記載の組成物またはキット。
【請求項9】
ペプチドワクチン免疫療法で投与したペプチドに対する抗体価を測定するための試薬をさらに含む、請求項8に記載の組成物またはキット。
【請求項10】
がんが大腸がんである、請求項1-9のいずれかに記載の組成物またはキット。
【請求項11】
被験者由来の試料から、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)を検出する工程を含む、がん免疫療法の治療効果の予測方法。
【請求項12】
ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子型C/C、A/Cおよび/またはA/Aを検出する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
被験者由来の試料が、がん免疫療法治療前の被験者由来の試料である、請求項11または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
検出されたヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子型がC/Cまたは
A/Cであるとき、被験者が、がん免疫療法が有効な被験者であると予測する、請求項11-13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
検出されたヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子型がA/Aであるとき、被験者が、がん免疫療法が有効でない被験者であると予測する、請求項11-13のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
がん免疫療法治療前の被験者の血中のIL-6、IP-10および/またはBAFFの蛋白質量を測定する工程を含む、がん免疫療法の治療効果の予測方法。
【請求項17】
がん免疫療法治療前の被験者の血中のIL-6、IP-10および/またはBAFFの蛋白質量を測定することをさらに含む、請求項11-15のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
がん免疫療法治療前の被験者の血中において、
(i)IL-6蛋白質量が高い;
(ii)IP-10蛋白質量が高い;および/または
(iii)BAFF蛋白質量が低いとき、被験者が、がん免疫療法が有効でない被験者であると予測する、請求項16または請求項17に記載の方法。
【請求項19】
がん免疫療法治療前の被験者の血中において、
(i)IL-6蛋白質量が低い;
(ii)IP-10蛋白質量が低い;および/または
(iii)BAFF蛋白質量が高いとき、被験者が、がん免疫療法が有効である被験者であると予測する、請求項16または請求項17に記載の方法。
【請求項20】
がん免疫療法が、ペプチドワクチン免疫療法である、請求項11-19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
がんが、大腸がんである、請求項11-20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
がんペプチドワクチン投与前および投与後の被験者由来の血中の該ペプチド特異的IgGの量を測定することをさらに含む、請求項11-21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
がんペプチドワクチン投与後の被験者由来の血中の該ペプチド特異的IgGの量が、投与前に比較し増加したとき、被験者が、がん免疫療法が有効な被験者であると予測する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
がん免疫療法治療前の被験者の血中においてIL-6蛋白質量が高い患者に投与される、IL-6阻害剤を含む、がん免疫療法増強剤。
【請求項25】
IL-6阻害剤が、ヒト化抗IL-6Rモノクローナル抗体である、請求項24に記載のがん免疫療法増強剤。
【請求項26】
がん免疫療法が、ペプチドワクチン免疫療法である、請求項24または請求項25に記載の免疫療法増強剤。
【請求項27】
請求項1-10のいずれかに記載の組成物またはキット、および請求項24-26のいずれかに記載の免疫療法増強剤を含む、がん治療用キット。
【請求項28】
がんが大腸がんである、請求項24-26のいずれかに記載の免疫療法増強剤または請求項27に記載のキット。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、がん免疫療法の治療効果予測に有用な遺伝子多型とその使用等に関する。
【背景技術】
【0002】
悪性腫瘍は日本人の死亡原因の第1位を占め年間約33万人が死亡している。また、世界では年間約600万人ががんで死亡している。現在、がん治療法としては外科的切除、抗がん剤、放射線療法などが行われているが、これらの治療法ではQOLが低下することが多い。また、これらの治療法に対して耐性、再発をきたした場合には他に有効な治療法がないため、がんワクチン療法を含むがん免疫療法が第4の治療法として待望されている。しかしながら、がん免疫療法では、あらかじめその治療効果を予測する方法がなく、治療効果が期待できる患者を選別する方法が無いというのが現状である。
これまで、IL-6受容体遺伝子(以下、IL-6R遺伝子とも称す)の遺伝子多型については、(1)IL-6の遺伝子多型は食道がん患者(外科的手術後)の予後と相関するが、IL-6受容体の遺伝子多型IL-6R 48892A>Cは予後と相関しない;(2)脳腫瘍患者においてもIL-6の遺伝子多型は予後と相関するが、IL-6受容体遺伝子多型IL-6R 48892A>Cは予後と相関しない、と報告されている(非特許文献1および2)。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】Motoyama S, Nakatsu T, Miura M, Hinai Y, Minamiya Y, Ogawa J. Interleukin-6 -634G>C genetic polymorphism is associated with prognosis following surgery for advanced thoracic esophageal squamous cell carcinoma. Dig Surg. 2012;29(3):194-201
【非特許文献2】Lagmay JP, London WB, Gross TG, Termuhlen A, Sullivan N, Axel A,Mundy B, Ranalli M, Canner J, McGrady P, Hall B. Prognostic significance of interleukin-6 single nucleotide polymorphism genotypes in neuroblastoma: rs1800795 (promoter) and rs8192284 (receptor). Clin Cancer Res. 2009 Aug15;15(16):5234-9.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題の一つは、がん免疫療法の治療効果予測に有用な遺伝子多型を同定し、これを用いてがん免疫療法の治療効果予測方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、第一の側面(aspect)において、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)を検出することができるポリヌクレオチドを含む、がん免疫療法の治療効果の予測用組成物またはキットを提供する。
【0006】
本発明は、第二の側面において、ヒトIL-6、ヒトIP-10(interferon gamma-induced protein 10)および/またはヒトBAFF(B-cell activating factor)の蛋白質量を測定するための試薬を含む、がん免疫療法の治療効果の予測用組成物またはキットを提供する。
【0007】
本発明は、第三の側面において、被験者由来の試料から、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)を検出する工程を含む、がん免疫療法の治療効果の予測方法を提供する。
【0008】
本発明は、第四の側面において、被験者由来の血液試料から、ヒトIL-6、ヒトIP-10(interferon gamma-induced protein 10)および/またはヒトBAFF(B-cell activating factor)の蛋白質量を測定する工程を含む、がん免疫療法の治療効果の予測方法を提供する。
【0009】
本発明は、第五の側面において、IL-6阻害剤を含む、がん免疫療法増強剤またはがん免疫療法治療用キットを提供する。
【0010】
本発明は、第六の側面において、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)を含む、がん免疫療法の治療効果を予測するための遺伝子マーカーを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明が提供するがん免疫療法の治療効果の予測方法により、被験者にとってがん免疫療法が有効であるか否かが予測される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】結腸直腸がん(colorectal cancer)組織に発現するがんワクチン抗原の免疫組織学的解析結果を示す。ワクチンを投与していない結腸直腸がん患者のがん組織におけるワクチン抗原の発現を免疫組織化学により検討した。代表的なデータを示す。全ての写真はx200である。
【図2】Kaplan-Meier survival analysisの結果を示す。(A)60名の患者のペプチドワクチン投与後の生存カーブをKaplan-Meier methodにより決定した(実線)。(B)ペプチドワクチン療法の開始前に、2つ以上の化学療法の治療歴があり、そして、イリノテカン、オキサリプラチンおよびフルオロピリミジンの全てに忍容性がなかった患者の生存カーブをKaplan-Meier methodにより決定した(実線)。破線は95%信頼区間を示す。
【図3】ペプチドワクチンを投与した結腸直腸がん患者におけるIL-6R 48892A>C遺伝子多型と予後との関係を示す。(A)IL-6R 48892A>C遺伝子多型(IL-6R 48892A/CまたはC/C(n=40)vs IL-6R 48892A/A(n=20))に基づいて、ペプチドワクチンで治療した患者を2つのサブグループに分けた。生存カーブをKaplan-Meier methodにより決定した。生存カーブ間の違いは、log-rank testを用いて統計的に解析した。(B)IL-6R 48892A>C遺伝子多型(IL-6R 48892A/CまたはC/C vs IL-6R 48892A/A)およびワクチン投与前血漿のIL-6レベルに基づいて、ペプチドワクチンで治療した患者を4つのサブグループに分けた。生存カーブをKaplan-Meier methodにより決定した。生存カーブ間の違いは、log-rank testを用いて統計的に解析した。IL-6陰性の患者において、IL-6R 48892A/CまたはC/CおよびIL-6R 48892A/Aの遺伝子多型間で有意差があった(IL-6(-),IL-6R 48892A/CまたはC/C (n=18) vs IL-6(-),IL-6R 48892A/A (n=11);p=0.0252)が、IL-6陽性患者においては有意差がなかった(IL-6(+),IL-6R 48892A/CまたはC/C (n=21) vs IL-6(+),IL-6R 48892A/A (n=9);p=0.1184)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
用語の説明
本明細書において、「ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型」は、NCBI(National Center for Biotechnology Information)のSNPデータバンクで用いられているReference SNP IDが、rs8192284と表示されている遺伝子多型である。この遺伝子多型は、配列番号1または配列番号2で表されるIL-6Rのアミノ酸配列において、358番目のアミノ酸残基がAspまたはAlaとなる相違に関係している。ヒトIL-6受容体遺伝子(ヒトIL-6R遺伝子)の48892番目の遺伝子型(Reference SNP ID:rs8192284)には、C/C、A/CおよびA/Aが挙げられる。
本明細書において、「がん免疫療法」とは、非特異的免疫療法(例えば、免疫賦活剤投与による治療、免疫チェックポイント阻害剤による治療)、能動特異的免疫療法(例えば、ペプチドワクチン療法、自家がん細胞ワクチン療法、樹状細胞ワクチン療法)および受動特異的免疫療法(例えば、リンホカイン活性化キラー(LAK)細胞療法、腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)療法、遺伝子改変T細胞療法)を含む。例えばがん免疫療法は、ペプチドワクチン療法、樹状細胞ワクチン療法、または免疫チェックポイント阻害剤による治療であり、好ましくはペプチドワクチン療法である。
本明細書において、「がん」は、がん免疫療法の対象となり得るものであり、例えば、がんの例としては、限定はされないが、前立腺がん、すい臓がん、肺がん、子宮頸がん、子宮体がん、胃がん、メラノーマ、甲状腺がん、脳腫瘍、造血器種、食道がん、肝臓がん、大腸がん(結腸直腸がん)、胆道がん、乳がん、膀胱がん、腎がん、骨軟部腫瘍、精巣がん、頭頸部がんおよび卵巣がんが挙げられる。また、がんは進行した(advanced)がんであり得る。

【0014】
がん免疫療法の治療効果の予測用組成物またはキット
本発明は、第一の側面において、ヒトIL-6受容体遺伝子(ヒトIL-6R遺伝子)の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)を検出することができるポリヌクレオチドを含む、がん免疫療法の治療効果の予測用組成物またはキットを提供する。

【0015】
本発明で使用されるヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)を検出することができるポリヌクレオチドは、プライマーであっても、プローブであってもよく、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)を含む、10~200塩基、好ましくは10~50塩基、より好ましくは15塩基~30塩基のヒトIL-6R遺伝子配列の部分配列またはその相補鎖配列からなるポリヌクレオチドであり得る。例えば、上記プローブは、配列番号3または配列番号4で表されるヒトIL-6R遺伝子またはその断片と特異的にハイブリダイズするプローブであってもよい。また、例えば、上記プライマーは、配列番号3または配列番号4で表されるヒトIL-6R遺伝子またはその断片をPCRにて増幅できるプライマーであってもよい。
特異的にハイブリダイズするプローブやプライマーは、該プローブやプライマーがハイブリダイズするオリゴヌクレオチドと100%相補的であるプローブやプライマーであってもよく、また、該プローブやプライマーがハイブリダイズするオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプローブやプライマーであってもよい。ハイブリダイゼーションは、例えば、Sambrook J., etc., Molecular Cloning, Cold Spring Harbour Laboratory Press, New York, USA 2nd edition, 1989等に記載される方法に準じて行うことができる。ストリンジェントな条件下でのハイブリダイゼーションには、ハイブリダイゼーション溶液(50%ホルムアミド、5×SSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハート液、10%硫酸デキストラン、および20μg/mLの変性剪断サケ精子DNAを含む)中にて42℃で一晩インキュベーションした後、約65℃にて0.1×SSC中でフィルターを洗浄する工程を含むハイブリダイゼーションが挙げられる。洗浄ステップにおける塩濃度や温度を適宜調整することにより、高ストリンジェンシーな条件(塩濃度が低く, 高温)や低ストリンジェンシーな条件(塩濃度が高く、低温)とすることができる。高ストリンジェンシーでの洗浄条件では、例えば、0.1%SDSを含む0.5×SSC中にて65℃で洗浄(例えば15分間×2回)が実施され、低ストリンジェンシーでの洗浄条件では、例えば、0.1%SDSを含む2×SSC中にて室温で洗浄(例えば5分間×2回)が実施される。
プローブおよび/またはプライマーは、ヒトIL-6R遺伝子と同一性が無い、または低い(例えば、0~10%)配列からなる付加的配列を含んでもよく、放射性同位元素(例えば、125I、H、14C)、酵素(例えば、β-ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ)、蛍光物質(例えば、フルオレセイン、SYBR(登録商標)Green)、発光物質(例えば、ルミノール、ルシフェリン、イクオリン)、アビジン、ビオチン等の標識物質で標識されていてもよい。標識は、1物質による標識であっても、複数物質による標識であってもよく、例えば、蛍光物質(例えば、FAM、VIC)の近傍に該蛍光物質の発する蛍光エネルギーを吸収するクエンチャーが結合されていてもよい。

【0016】
遺伝子多型の検出方法によって、それに適したヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)を検出することができるポリヌクレオチドであるプライマーやプローブが使用される。遺伝子多型の検出方法としては、限定はされないが、リアルタイムPCR検出法(例えば、TaqMan(登録商標)プローブ法)、Invaderプローブ法、DNAチップを用いたSNPタイピング法、PCR-RFLP法、PCR-SSCP法などが挙げられる。

【0017】
一つの実施態様として、遺伝子多型の検出方法としてリアルタイムPCR検出法を採用することができる。この場合、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の塩基を含むヒトIL-6R遺伝子断片を増幅することができるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーとリバースプライマーが使用され得、そして、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の塩基を含む、該フォワードプライマーと該リバースプライマーで増幅されるヒトIL-6R遺伝子断片に結合するオリゴヌクレオチドであってレポーター蛍光色素とクエンチャー蛍光色素が結合したプローブが使用され得る。プライマーおよびプローブは、例えば10~50塩基、15~40塩基、15~35塩基のオリゴヌクレオチドである。レポーター蛍光色素としては、例えば、FAM(6-カルボキシ-フルオレセイン)のようなフルオレセイン系蛍光色素が使用でき、クエンチャー蛍光色素としては、TAMRA(6-カルボキシ-テトラメチル-ローダミン)のようなローダミン系蛍光色素が使用できる。リアルタイムPCR法としては、TaqMan(登録商標)プローブを用いた方法を使用でき、アプライドバイオシステムズ社から必要な試薬を入手することができる。

【0018】
一つの実施態様として、遺伝子多型の検出方法としてInvaderプローブ法を採用することができる。この場合、3種類のプローブ:アリルプローブ、インベーダープローブおよび検出プローブを使用して、遺伝子多型を検出することができる。アリルプローブは、検出したいヒトIL-6R遺伝子の48892番目の型と違う塩基を含み、それより5’側はヒトIL-6R遺伝子と異なる配列からなる検出プローブに相補的な配列からなるフラップ配列からなり、検出したいヒトIL-6R遺伝子の48892番目の多型と違う塩基より3’側は、ヒトIL-6R遺伝子の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり得る。アリルプローブの塩基長は、例えば、15~数百塩基、15~50塩基、15~40塩基である。インベーダープローブは、検出したいヒトIL-6R遺伝子の48892番目の型を含み、それより上流のヒトIL-6R遺伝子配列からなるオリゴヌクレオチドであり得る。インベーダープローブの塩基長は、例えば、15~50塩基、15~40塩基である。検出プローブは、フラップ配列と相補的な塩基配列を一部に含むプローブであって、Cleavaseと呼ばれるエンドヌクレアーゼによりアリルプローブが切断されることにより生じるフラップ配列からなるオリゴヌクレオチドが結合するプローブである。該検出プローブは、例えば、15~数百塩基、15~100塩基、15~50塩基、15~40塩基のオリゴヌクレオチドである。

【0019】
一つの実施態様として、遺伝子多型の検出方法としてDNAチップを用いたSNPタイピング法を採用することができる。この場合、検出したいヒトIL-6R遺伝子の48892番目の塩基を含むヒトIL-6R遺伝子の部分配列からなるポリヌクレオチドをプローブとして採用することができる。該プローブの塩基長は、例えば、10~100塩基、15~50塩基、15~35塩基であり得る。Affymetrix,Inc.やIllumina,Inc.から入手できるDNAチップを用い、推奨されている方法で、遺伝子多型を検出することができる。

【0020】
一つの実施態様として、遺伝子多型の検出方法として、PCR-RFLP法やPCR-SSCP法を用いることができる。この場合、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の塩基を含むヒトIL-6R遺伝子断片を増幅することができる、例えば10~50塩基、15~40塩基、15~35塩基のオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーとリバースプライマーが使用され得る。

【0021】
本発明に使用されるヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)を検出することができるポリヌクレオチド(例えば、プローブ、プライマー)は、各々別個に、または混合して、凍結乾燥状態で、適切な緩衝液(例えば、TE buffer)中に適当な濃度(例えば、1~50μM)で溶解し、-20℃で凍結した状態で、組成物として提供することができる。
ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)を検出することができるポリヌクレオチドの他に、当業者は、採用する遺伝子多型の検出方法に適した試薬、器材等の物質を含めて、がん免疫療法の治療効果の予測用キットとして提供できる。例えば、遺伝子多型の検出方法としてリアルタイムPCR検出法を採用する場合には、10XPCR反応液、10XMgCl2水溶液、Taq DNAポリメラーゼ等をキットに含めることができる。例えば、遺伝子多型の検出方法としてInvaderプローブ法を採用する場合には、Cleavase(エンドヌクレアーゼ)をキットに含めることができる。例えば、遺伝子多型の検出方法としてDNAチップを用いたSNPタイピング法を採用する場合には、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)を検出することができるポリヌクレオチドを含むDNAチップ、ハイブリダイゼーション用洗浄液(例えば、0.1% Tween 20を含む1XTBS)をキットに含めることができる。例えば、遺伝子多型の検出方法として、PCR-RFLP法やPCR-SSCP法を用いる場合には、制限酵素や電気泳動用ゲルをキットに含めることができる。

【0022】
本発明は、第二の側面において、被験者の血液試料中のヒトIL-6、ヒトIP-10(interferon gamma-induced protein 10)および/またはヒトBAFF(B-cell activating factor)の蛋白質量を測定するための試薬を含む、がん免疫療法の治療効果の予測用組成物またはキットを提供する。
血液試料は、血清または血漿であり得る。
被験者の血液中のIL-6、IP-10(interferon gamma-induced protein 10)および/またはBAFF(B-cell activating factor)を検出するための試薬は、例えば、抗ヒトIL-6抗体、抗ヒトIP-10抗体および/または抗ヒトBAFF抗体であり得る。抗体は、モノクローナル抗体でもポリクローナル抗体でもよい。
一つの実施態様として、がん免疫療法の治療開始前の被験者の血液中のIL-6、IP-10および/またはBAFFの蛋白質量が、本発明が提供するキットにより測定される。
本発明が提供するキットは、例えば、抗ヒトIL-6抗体、抗ヒトIP-10抗体および/または抗ヒトBAFF抗体を含む他、血液から血清を調製するために使用するEDTA、クエン酸またはヘパリンを含んだ溶液を含んでもよい。抗ヒトIL-6抗体、抗ヒトIP-10抗体および抗ヒトBAFF抗体は、凍結乾燥状態で、または、1~10mg/mlの濃度でPBS等の緩衝液に溶解した状態で提供され得る。本発明が提供するがん免疫療法の治療効果の予測用キットには、IL-6、IP-10および/またはBAFFの蛋白質量を測定するための試薬、器材等を含んだELISAキットであってもよい。このようなELISAキットには、上記抗体の他、プレート(例えば、96穴プレート)、ブロッキング溶液(例えば、BSA溶液、乳蛋白質溶液)および洗浄液(界面活性剤を含むリン酸緩衝液(例えば、Tween20を含むPBS))が含まれ得る。

【0023】
本発明が第一の側面において提供するがん免疫療法の治療効果の予測用組成物またはキットを、本発明が第二の側面において提供するがん免疫療法の治療効果の予測用組成物またはキットと組み合わせて使用することにより、がん免疫療法の治療効果をより正確に予測でき得る。よって、一つの実施態様において、本発明は、第一の側面において提供するがん免疫療法の治療効果の予測用組成物またはキットに加え、さらに第二の側面において提供するがん免疫療法の治療効果の予測用組成物またはキットを含む、がん免疫療法の治療効果の予測用キットを提供する。

【0024】
がん免疫療法がペプチドワクチン療法である場合、本発明が提供するがん免疫療法の治療効果の予測用キットは、さらに、被験者の血液中のペプチドワクチン免疫療法で投与したペプチドに対する抗体のレベルを測定するための試薬(例えば、ペプチドワクチン免疫療法で投与したペプチド)を含んでもよい。一つの実施態様として、ペプチドワクチン投与後の被験者の血液中における、ペプチドワクチン免疫療法で投与したペプチドに対するIgG抗体のレベルを測定してもよい。例えば、抗ペプチド抗体(IgG)のレベルは、Luminex(商標)法により既報のように測定できる(Komatsu N et al, Scand J Clin Invest 2004;64:1-11)。Luminex(商標)法を採用する場合、例えば、本発明が提供するがん免疫療法の治療効果の予測用キットは、さらに、カラーコードビーズ(Luminex Corp., Austin, TX, USA)およびビオチン化ヤギ抗ヒトIgGを含んでもよい。

【0025】
本発明が提供するがん免疫療法の治療効果の予測用組成物またはキットは、がん免疫療法剤とあわせて提供すれば、予測に基づいたがん治療ができる。よって、一つの実施態様として、本発明は、がん免疫療法剤および本発明が提供するがん免疫療法の治療効果の予測用組成物またはキットを含む、がん治療用キットを提供する。
がん免疫療法剤に含まれる活性成分の例としては、限定はされないが、サイトカイン(例えば、インターフェロン、インターロイキン2)、免疫賦活剤(例えば、BCG、OK-432、レンチナン)、リンパ球(例えば、細胞傷害性T細胞(CTL)、NK細胞)、樹状細胞、ペプチドワクチンが挙げられる。
ペプチドワクチンに使用できるペプチドの例としては、CypB-129:KLKHYGPGWV(配列番号5)、EGFR-800:DYVREHKDNI(配列番号6)、EZH2-735:KYVGIEREM(配列番号7)、HNRPL-140:ALVEFEDVL(配列番号8)、HNRPL-501:NVLHFFNAPL(配列番号9)、Lck-90:ILEQSGEWWK(配列番号10)、Lck-208:HYTNASDGL(配列番号11)、Lck-246:KLVERLGAA(配列番号12)、Lck-422:DVWSFGILL(配列番号13)、Lck-449:VIQNLERGYR(配列番号14)、Lck-486:TFDYLRSVL(配列番号15)、Lck-488:DYLRSVLEDF(配列番号16)、MAP-432:DLLSHAFFA(配列番号17)、MRP3-503:LYAWEPSFL(配列番号18)、MRP3-1293:NYSVRYRPGL(配列番号19)、PAP-213:LYCESVHNF(配列番号20)、PAP-248:GIHKQKEKSR(配列番号21)、PSA-248:HYRKWIKDTI(配列番号22)、PSMA-624:TYSVSFDSL(配列番号23)、PTHrP-102:RYLTQETNKV(配列番号24)、SART2-93:DYSARWNEI(配列番号25)、SART2-161:AYDFLYNYL(配列番号26)、SART3-109:VYDYNCHVDL(配列番号27)、SART3-302:LLQAEAPRL(配列番号28)、SART3-309:RLAEYQAYI(配列番号29)、SART3-511:WLEYYNLER(配列番号30)、SART3-734:QIRPIFSNR(配列番号31)、UBE-43:RLQEWCSVI(配列番号32)、UBE-85:LIADFLSGL(配列番号33)、WHSC2-103:ASLDSDPWV(配列番号34)、WHSC2-141:ILGELREKV(配列番号35)およびこれらの誘導体が挙げられる。
ペプチドの誘導体の例としては、ペプチドのアミノ酸配列において1または2個のアミノ酸の置換、欠失および/または付加が導入されたアミノ酸配列からなり、かつ患者にマッチしたHLA分子(例えば、HLA-A24分子)に結合でき、ペプチド特異的CTLを誘導する能力を有するペプチドが挙げられる。ペプチド特異的CTLを誘導する能力を有するか否かは、例えば、ペプチドで刺激した末梢血単核細胞(PBMC)が対応ペプチドをパルスした抗原提示細胞に反応してインターフェロン(IFN)-γのようなサイトカインを産生するか否かをELISA法等で測定して調べることができる。また、誘導されたCTLの細胞傷害活性は、51Cr放出試験等により確認することができる。CTLによる認識性を考慮すると、ペプチドの誘導体のアミノ酸残基数は8~14個の範囲内であることが好ましく、より好ましくは8~11個、特に好ましくは9または10個である。
ペプチドワクチンは、1種類のペプチドまたは誘導体を含むものであってもよく、2種類以上(例えば、2種、3種または4種)のペプチドおよび/または誘導体を組み合わせて含んでも良い。がん患者のCTLは相異なる癌抗原ペプチドを認識する細胞の集合なので、複数種類のペプチドおよび/また誘導体を組み合わせて使用してもよい。また、ペプチドワクチンに使用するペプチドは、投与対象となる患者の血中に結合する抗体が見いだされるペプチドを選択してもよい。

【0026】
がん免疫療法剤は、活性成分と、医薬として許容できる担体と共に製剤化され得る。医薬として許容できる担体としては、例えば、賦形剤(例えば、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(例えば、カルボキシメチルセルロース等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等)、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等)、溶剤(例えば、水、食塩水、大豆油等)、保存剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸エステル等)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

【0027】
がん免疫療法剤に含まれる活性成分の投与量は、疾患の状態、個々の患者の年齢、体重等により適宜調整することができる。例えば、がん患者に投与される医薬組成物中のペプチドまたは誘導体の量は、0.0001mg~1000mg、好ましくは0.001mg~100mg、より好ましくは0.01mg~10mg、より一層好ましくは0.1~5mgまたは0.5~3mgである。投与方法も適宜選択することができ、例えば、経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮内投与または皮下投与により投与することができる。ペプチドワクチンであれば、好ましくは、皮内投与または皮下投与で投与される。

【0028】
活性成分が蛋白質またはペプチドの場合、それらをコードする遺伝子を含むベクターを調製し、それを患者に投与することにより、がん免疫療法を行うこともできる。よって、このようなベクターは、本発明が提供するがん免疫療法の治療効果の予測用キットに含まれ得る。また、患者体外において例えば患者由来の樹状細胞にベクターを導入し、所望のペプチドを発現させた細胞を患者に戻しても良い。これら方法は当業界において周知である(Hrouda D, Dalgleish AG. Gene therapy for prostate cancer. Gene Ther 3: 845-52, 1996)。
ベクターとしては、各種プラスミドおよびウィルスベクター、例えばアデノウィルス、アデノ関連ウィルス、レトロウィルス、ワクシニアウィルス等が挙げられる(Liu M, Acres B, Balloul JM, Bizouarne N, Paul S, Slos P, Squiban P. Gene-based vaccines and immunotherapeutics. Proc Natl Acad Sci U S A 101 Suppl, 14567-71, 2004)。ベクターの調製方法は当業界にて周知である(Molecular Cloning: A laboraroy manual, 2nd edn. New York, Cold Spring Harbor Laboratory)。

【0029】
ベクターを患者に投与する場合、投与量は疾患の状態、個々の患者の年齢、体重等により変化するが、例えばがん患者に投与されるDNA量として、0.1μg~100mg、好ましくは1μg~50mgである。投与方法には、静脈注射、皮下投与、皮内投与等が挙げられる。

【0030】
ペプチドワクチンに使用できるペプチドをin vitroでCTLを誘導するために用いてもよい。例えば、患者から採取されたPBMCを、in vitroでペプチドまたはその誘導体の存在下培養することによりCTLを誘導することができる。当該CTLを、本発明が提供するがん免疫療法の治療効果の予測用キットに含ませてもよい。また、ペプチドワクチンに使用できるペプチドをin vitroで樹状細胞と培養し、得られたペプチドを提示した樹状細胞を本発明が提供するがん免疫療法の治療効果の予測用キットに含ませてもよい。

【0031】
がん免疫療法の治療効果の予測方法
本発明は、第三の側面において、被験者由来の試料から、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)を検出する工程を含む、がん免疫療法の治療効果の予測方法を提供する。
被験者は、がん患者であり得、例えば、がん免疫療法を受ける前のがん患者または既にがん免疫療法を受けているがん患者であり得る。また、被験者は、化学療法(例えば、イリノテカン、オキサリプラチンおよび/またはフルオロピリミジンによる化学療法)を受けており、当該化学療法が有効でなかったがん患者であってもよく、ペプチドワクチン療法に用いる予定のペプチドに対する抗体を血中に有するがん患者であってもよい。がん免疫療法は、能動免疫療法であっても受動免疫療法であってもよく、限定はされないが、ペプチドワクチン療法、樹状細胞ワクチン療法および免疫チェックポイント阻害剤による治療が例示され、好ましくは、ペプチドワクチン療法である。がんの例としては、限定はされないが、前立腺がん、すい臓がん、肺がん、子宮頸がん、子宮体がん、胃がん、メラノーマ、甲状腺がん、脳腫瘍、造血器種、食道がん、肝臓がん、大腸がん(結腸直腸がん)、胆道がん、乳がん、膀胱がん、腎がん、骨軟部腫瘍、精巣がん、頭頸部がん、卵巣がんが挙げられ、例えば、初期または進行した大腸がんが挙げられる。
被験者由来の試料は、がん患者由来の遺伝子サンプル(例えば、ゲノムDNA、RNA)であり得る。がん患者の組織由来の遺伝子サンプルの例には、限定はされないが、血液から得られた遺伝子サンプル、口腔粘膜から得られた遺伝子サンプルが挙げられる。被験者由来の試料は、例えば、被験者の末梢血単核球(Peripheral blood mononuclear cells)から抽出されたDNAであってもよい。

【0032】
ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)の検出は、リアルタイムPCR検出法(例えば、TaqMan(登録商標)プローブ法)、Invaderプローブ法、DNAチップを用いたSNPタイピング法、PCR-RFLP法、PCR-SSCP法等の当業者に周知の方法により達成することができる。

【0033】
一つの実施態様では、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)の検出法としてリアルタイムPCR検出法(例えば、TaqMan(登録商標)プローブ法)を採用することができる。リアルタイムPCR検出は、例えば以下の工程を含む:
(i)フォワードプライマー、リバースプライマーおよびプローブを用意する(ここで、フォワードプライマーとリバースプライマーは、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の塩基を含むヒトIL-6R遺伝子断片を増幅することができる、例えば10~50塩基、15~40塩基、15~35塩基のオリゴヌクレオチドである;プローブは、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の塩基を含む、該フォワードプライマーと該リバースプライマーで増幅されるヒトIL-6R遺伝子断片に結合する例えば10~50塩基、15~40塩基、15~35塩基のオリゴヌクレオチドであってレポーター蛍光色素(例えば、FAM(6-カルボキシ-フルオレセイン)のようなフルオレセイン系蛍光色素)とクエンチャー蛍光色素(例えば、TAMRA(6-カルボキシ-テトラメチル-ローダミン)のようなローダミン系蛍光色素)が結合する)、
(ii)(i)で用意したプライマーとプローブを用い、被験者由来のDNAを鋳型にPCRを行う。
上記(i)~(ii)の工程を行うことにより、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型を検出することができる。
TaqMan(登録商標)プローブ法を採用する場合は、アプライドバイオシステムズ社が提供するキットを用いることができる。適切なフォワードプライマー、適切なリバースプライマーおよび適切なTaqManプローブを用いたPCRを行うことにより、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型を検出することができる。

【0034】
一つの実施態様では、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)の検出法としてInvaderプローブ法を採用することができる。Invaderプローブ法は、例えば、J Hum Genet 2001;46:471-477、Nature Biotechnology 17, 292 - 296 (1999)およびWO9823774号公報に記載の方法に準じて実施することができる。例えば、以下の工程を含む:
(i)アリルプローブ、インベーダープローブおよび検出プローブを用意する(ここで、アリルプローブは、検出したいヒトIL-6R遺伝子の48892番目の型と違う塩基を含み、それより5’側はヒトIL-6R遺伝子と異なる配列からなる検出プローブに相補的な配列からなるフラップ配列からなり、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の多型と違う塩基より3’側は、ヒトIL-6R遺伝子の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり(塩基長は、例えば、15~数百塩基、15~50塩基、15~40塩基であり得る)、インベーダープローブは、検出したいヒトIL-6R遺伝子の48892番目の型を含み、それより上流のヒトIL-6R遺伝子配列からなるオリゴヌクレオチドであり(塩基長は、例えば、15~50塩基、15~40塩基であり得る)、検出プローブは、一本鎖部分と二本鎖部分を有するオリゴヌクレオチドであって、一本鎖部分はフラップ配列と相補的な配列(例えば、15~50塩基、15~35塩基、20~30残基)からなり、二本鎖部分はフラップ配列と相補的な数残基(例えば、1~10残基、3~5残基)の配列を5’側に含み、二本鎖部分に蛍光基とそれを消光するクエンチャーが結合しているオリゴヌクレオチドである(塩基長は、例えば、15~数百塩基、15~100塩基、15~50塩基、15~40塩基));
(ii)被験者由来のDNAをアリルプローブとインベーダープローブを混合し、二本鎖形成反応を行う;
(iii)アリルプローブの二本鎖を形成していないフラップ配列部分をエンドヌクレアーゼ:Cleavaseで切断する;
(iv)切断されたフラップ配列からなるオリゴヌクレオチドを検出プローブと結合させる;
(v)結合により、検出プローブ内の二本鎖の一部であって蛍光基を有する部分が一本鎖となり、生じた一本鎖部分がCleavaseで切断され、蛍光基がクエンチャーから乖離する;および
(vi)乖離の結果生じた蛍光を検出する。

【0035】
一つの実施態様では、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)の検出法としてDNAチップを用いたSNPタイピング法を採用することができる。例えば、口腔粘膜、血液等の被験者由来の試料よりmRNAを抽出し、抽出したmRNAより蛍光基を結合させたcDNAを調製し、調製したcDNAをDNAチップに添加し、DNAチップ上の検出したいヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子型を含むプローブとハイブリダイズさせ、洗浄後蛍光を測定することにより、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型を検出することができる。

【0036】
一つの実施態様では、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)の検出法としてPCR-RFLP法またはPCR-SSCP法を採用することができる。例えば、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の塩基を含むヒトIL-6R遺伝子断片を増幅することができるフォワードプライマーとリバースプライマー(両プライマーは、例えば、10~50塩基、15~40塩基、15~35塩基のオリゴヌクレオチドである)を用いてPCRを行い、得られたPCR産物を、PCR-RFLP法では適切な制限酵素で分解し、PCR-SSCP法では、ホルムアミドの存在下で熱変性(加熱・急冷)させて、電気泳動(アガロースゲル電気泳動またはポリアクリルアミドゲル電気泳動)することにより、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型を検出することができる。

【0037】
本発明が提供するがん免疫療法の治療効果の予測方法において検出されるヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型は、C/C、A/Cおよび/またはA/Aであり得る。
検出されたヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子型が、C/CまたはA/Cであるとき、被験者はがん免疫療法が有効であると予測される。この場合、医師は被験者にがん免疫療法による治療を選択することができる。ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子型がC/CまたはA/Cであることはまた、被験者においてがん免疫療法が有効であることのひとつの指標として用いることができる。検出されたヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子型が、A/Aであるとき、被験者はがん免疫療法が有効でないと予測される。この場合、医師は、がん免疫療法以外の治療法を選択できる。検出されたヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子型がA/Aであることはまた、被験者においてがん免疫療法が有効でないことのひとつの指標として用いることができる。

【0038】
本発明は、第四の側面において、被験者由来の血液試料から、ヒトIL-6、ヒトIP-10(interferon gamma-induced protein 10)および/またはヒトBAFF(B-cell activating factor)の蛋白質量を測定する工程を含む、がん免疫療法の治療効果の予測方法を提供する。
被験者は、がん患者であり得、例えば、がん免疫療法を受ける前のがん患者または既にがん免疫療法を受けているがん患者であり得る。また、被験者は、化学療法(例えば、イリノテカン、オキサリプラチンおよび/またはフルオロピリミジンによる化学療法)を受けており、当該化学療法が有効でなかったがん患者であってもよく、ペプチドワクチン療法に用いる予定のペプチドに対する抗体を血中に有するがん患者であってもよい。がん免疫療法は、能動免疫療法であっても受動免疫療法であってもよく、限定はされないが、好ましくは、ペプチドワクチン療法である。がんの例としては、限定はされないが、大腸がん(例えば、結腸直腸がん)、例えば、初期または進行した大腸がんが挙げられる。
血液試料は、例えば血清または血漿である。
ヒトIL-6、ヒトIP-10および/またはヒトBAFFの蛋白質量は、抗ヒトIL-6抗体、抗ヒトIP-10抗体および/または抗ヒトBAFF抗体を用いて測定できる。
被験者由来の血液試料から、ヒトIL-6、ヒトIP-10およびヒトBAFFからなる群から少なくとも1つの蛋白質量を測定した結果、がん免疫療法治療前の被験者の血液試料において、
(i)IL-6蛋白質量が高い;
(ii)IP-10蛋白質量が高い;および/または
(iii)BAFF蛋白質量が低いとき、被験者が、がん免疫療法が有効でない被験者であると予測される。かかる結果はまた、被験者においてがん免疫療法が有効でないことのひとつの指標として用いることができる。
また、がん免疫療法治療前の被験者の血液試料において、
(i)IL-6蛋白質量が低い;
(ii)IP-10蛋白質量が低い;および/または
(iii)BAFF蛋白質量が高いとき、被験者が、がん免疫療法が有効である被験者であると予測される。かかる結果はまた、被験者においてがん免疫療法が有効であることのひとつの指標として用いることができる。
一つの実施態様として、蛋白質量が高いまたは低いか否かは、基準値と比較して判定され得、基準値の例としては、健常人の血液試料中の蛋白質量またはがん患者の血液試料中の蛋白質量の中央値が挙げられる。例えば、IL-6については、がん免疫療法の治療前の血漿または血清中1.0 pg/ml以上存在すれば、IL-6蛋白質量が高いと判定されて、被験者はがん免疫療法が有効でないと予測され、がん免疫療法の治療前の血漿または血清中1.0 pg/ml未満存在すれば、IL-6蛋白質量は低いと判定されて、被験者はがん免疫療法が有効であると予測される。IP-10については、例えば、がん免疫療法の治療前の血漿または血清中170 pg/ml以上存在すれば、IP-10蛋白質量が高いと判定されて、被験者はがん免疫療法が有効でないと予測され、がん免疫療法の治療前の血漿または血清中170 pg/ml未満存在すれば、IP-10蛋白質量は低いと判定されて、被験者はがん免疫療法が有効であると予測される。BAFFについては、例えば、がん免疫療法の治療前の血漿または血清中1200 pg/ml以上存在すれば、BAFF蛋白質量が高いと判定されて、被験者はがん免疫療法が有効であると予測され、がん免疫療法の治療前の血漿または血清中1200 pg/ml未満存在すれば、BAFF蛋白質量は低いと判定されて、被験者はがん免疫療法が有効でないと予測される。

【0039】
本発明が第三の側面において提供するがん免疫療法の治療効果の予測方法を、本発明が第四の側面において提供するがん免疫療法の治療効果の予測方法と組み合わせて使用することにより、がん免疫療法の治療効果をより正確に予測でき得る。よって、一つの実施態様において、本発明は、第三の側面において提供するがん免疫療法の治療効果の予測方法に加え、さらに第四の側面において提供するがん免疫療法の治療効果の予測方法を含む、がん免疫療法の治療効果の予測方法を提供する。この実施態様において、例えば、がん免疫療法の治療前の血漿または血清中のIL-6量が高い;IP-10蛋白質量が高い;および/またはBAFF蛋白質量が低く、そして、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子型がA/Aのとき、被験者はがん免疫療法が有効でないと予測され、がん免疫療法の治療前の血漿または血清中のIL-6量が低い;IP-10蛋白質量が低い;および/またはBAFF蛋白質量が高く、そして、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子型がC/CまたはA/Cのとき、被験者はがん免疫療法が有効であると予測される。

【0040】
がん免疫療法が、ペプチドワクチン療法の場合、本発明が提供するがん免疫療法の治療効果の予測方法は、さらに、ペプチドワクチン投与前および/または投与後の被験者由来の血液試料中の該ペプチド特異的IgGの量を測定することを含んでもよい。例えば、抗ペプチド抗体(IgG)のレベルは、Luminex(商標)法により既報のように測定できる(Komatsu N et al, Scand J Clin Invest 2004;64:1-11)。一つの実施態様において、ペプチドワクチン投与後の血液試料中(血清または血漿中)の該ペプチド特異的IgGの量が、ペプチドワクチン投与前に比較し増加した場合には、被験者はがん免疫療法が有効であると予測される。かかる結果はまた、被験者において当該ペプチドワクチンによるがん免疫療法が有効であることのひとつの指標として用いることができる。例えば、ペプチドワクチン投与後の血液試料中(血清または血漿中)の該ペプチド特異的IgGの量が、ペプチドワクチン投与前に比較し2倍以上増加した場合には、被験者はがん免疫療法が有効であると予測される。一つの実施態様において、ペプチドワクチン投与直前の血清または血漿のペプチド特異的IgGの量と、1週間1回投与で6回投与後の血清または血漿のペプチド特異的IgGの量を比較し、2倍以上増加した場合には、被験者はがん免疫療法が有効であると予測される。

【0041】
よって、本発明が提供するがん免疫療法の治療効果の予測方法により、例えば、(i)ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子型がC/CまたはA/Cであり、(ii)がん免疫療法の治療前の血漿または血清中のIL-6量が低い;IP-10蛋白質量が低い;および/またはBAFF蛋白質量が高い、そして、(iii)ペプチドワクチン投与後の血液試料中(血清または血漿中)の該ペプチド特異的IgGの量が、ペプチドワクチン投与前に比較し2倍以上増加したとき、被験者はがん免疫療法が有効であると予測される。一方、(i)ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子型がA/Aであり、(ii)がん免疫療法の治療前の血漿または血清中のIL-6量が高い;IP-10蛋白質量が高い;および/またはBAFF蛋白質量が低く、そして、(iii)ペプチドワクチン投与後の血液試料中(血清または血漿中)の該ペプチド特異的IgGの量が、ペプチドワクチン投与前に比較し2倍以上増加しなかったとき、被験者はがん免疫療法が有効でないと予測される。

【0042】
本発明が提供するがん免疫療法の治療効果の予測方法は、in vitroで実施することができる。

【0043】
一つの実施態様では、本発明が提供するがん免疫療法の治療効果の予測方法に基づき、がん免疫療法(例えば、ペプチドワクチン療法)が有効であると予想されるがん患者を選択することができる。
また、一つの実施態様では、本発明が提供するがん免疫療法の治療効果の予測方法の結果に基づき、医師は、がん免疫療法を選択するか否かを決定でき、患者を治療することができる。

【0044】
がん免疫療法増強剤またはがん免疫療法治療用キット
本発明は、第五の側面において、IL-6阻害剤を含む、がん免疫療法増強剤またはがん免疫療法治療用キットを提供する。
IL-6阻害剤は、IL-6の作用を阻害するものであればよい。IL-6阻害剤の例としては、抗ヒトIL-6抗体、抗ヒトIL-6R抗体(例えば、tocilizumab)が挙げられる。
IL-6阻害剤をがん患者に投与することにより、好ましくは、がん免疫療法の効果が増強される。がん患者は、血漿のIL-6蛋白質量が多い(例えば、1.0pg/ml以上)患者であってもよい。がん免疫療法の治療前に血漿のIL-6蛋白質量を測定し、血漿のIL-6蛋白質量が多い(例えば、1.0pg/ml以上)患者であることが判定されれば、がん免疫療法剤とあわせてIL-6阻害剤を投与してもよい。
一つの実施態様において、がん免疫療法はペプチドワクチン療法である。がんは、例えば、大腸がん(結腸直腸がん)である。
また、本発明が提供するがん免疫療法の治療効果の予測用組成物またはキットに、癌ペプチドワクチンおよびIL-6阻害剤を含めて、がん免疫療法治療用キットとして提供することができる。

【0045】
がん免疫療法増強剤は、IL-6阻害剤と、医薬として許容できる担体と共に製剤化され得る。医薬として許容できる担体としては、例えば、賦形剤(例えば、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(例えば、カルボキシメチルセルロース等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等)、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等)、溶剤(例えば、水、食塩水、大豆油等)、保存剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸エステル等)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。IL-6阻害剤のがん患者への投与量は疾患の状態、個々の患者の年齢、体重等により変化するが、0.0001mg~1000mg、好ましくは0.001mg~100mg、より好ましくは0.01mg~10mg、より一層好ましくは0.1~5mgまたは0.5~3mgである。投与方法は適宜選択することができ、例えば、経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮内投与または皮下投与により投与することができる。

【0046】
がん免疫療法の治療効果を予測するための遺伝子マーカー
本発明は、第六の側面において、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型(Reference SNP ID:rs8192284)を含む、がん免疫療法の治療効果を予測するための遺伝子マーカーを提供する。
ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子多型は、がん免疫療法の治療効果の予測マーカーとして有用である。
ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子型が、C/CまたはA/Cであるとき、当該遺伝子型を有する被験者は、がん免疫療法が有効な被験者である可能性が高い。ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子型が、A/Aであるとき、当該遺伝子型を有する被験者は、がん免疫療法が有効でない被験者である可能性が高い。
本発明が提供する遺伝子マーカーは、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子型のみからなっていてもよく、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子型を含む配列またはその相補的な配列からなっていてもよく、例えば、ヒトIL-6R遺伝子の48892番目の遺伝子型を含む、5、8、10、15または20塩基の配列からなる遺伝子マーカーであってもよい。

【0047】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0048】
進行した結腸直腸がん(advanced colorectal cancer)患者においてペプチドワクチン治療の臨床的実用性を明らかにし、治療前に治療効果を予測するために有用なバイオマーカーを特定するために、以下のphase II試験を実施した。
【実施例】
【0049】
材料および方法
患者
標準的な化学療法および/または分子標的療法の少なくとも1つのレジメンが成功しなかった前治療歴のある進行した結腸直腸がん(以下aCRCと称す)患者のうち、31種の候補ワクチンペプチド(表1)の中で少なくとも2つに対して液性応答反応を有する(ペプチド特異的なIgG力価の測定により判定)ならば、本試験における対象として適格である。その他の試験対象者選定基準は、次のとおりであった:20歳以上;Eastern Cooperative Oncology Group (ECOG)の一般状態が0または1;HLA-A2、-A3、-A11、-A24、-A26、-A31、または-A33が陽性;少なくとも12週間の平均余命;十分な血液学的機能、腎臓機能、および肝機能(白血球細胞>2,500/μl、リンパ球>1,000/μl、血小板>80,000/μl、血清クレアチニン<1.5 mg/dl、および全ビリルビン<2.5 mg/dl)。排除基準としては、肺疾患、心臓疾患、またはその他の全身性疾患;急性感染;重度のアレルギー反応の既往;妊娠中または授乳中;または臨床医により登録が不適切と判断されるような病状、などが含まれる。プロトコールは、久留米大学の倫理委員会にて承認されており、UMINに臨床試験登録(UMIN000006493)された。全てのプロトコールの説明後に、全ての患者から書面によるインフォームド・コンセントを登録前に得た。
【実施例】
【0050】
【表1】
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【実施例】
【0051】
臨床プロトコール
これはオープンラベル第II相臨床試験であり、エンドポイントは、個人至適化ペプチドワクチン(以下、PPVと称す)の臨床的実用性および安全性を分析すること、ならびにaCRC患者におけるPPV後の生存期間(以下OSと称す)予測に有用なバイオマーカーを同定することである。以前に実施された臨床試験において安全性および免疫学的効果が確認されている31種のワクチンペプチドを、ポリペプチド・ラボラトリー(Polypeptide Laboratories)(San Diego, CA)およびアメリカン・ペプチド社(American Peptide Company)(Vista, CA)(表1)により、グッド・マニュファクチュアリング・プラクティス(Good Manufacturing Practice)(GMP)の条件下で調製した。既に報告されたとおり、個々の患者において各ペプチドに特異的なIgGの力価を測定し、ワクチン接種前に既存の宿主免疫を評価することにより、31種のペプチドから2—4種のペプチドを選択した。PSAおよびPSMAを含む前立腺関連抗原の発現はaCRC組織切片において検出できなかったため(表1)、それらから得られた該ペプチドは、他のペプチドに対して既存のIgG応答がなかった場合にのみ選択した。
【実施例】
【0052】
該選択されたペプチド(3 mg/各ペプチド)を、6週間連続して1週間に1回、不完全フロイントアジュバンド(Montanide ISA51;Seppic, Paris, France)と共に皮下投与した。第一サイクルとして6回のワクチン接種が終了した後には、ペプチド特異的なIgGの力価に従って4つまでの抗原ペプチドを再度選択し、2~4週毎に投与した。可能であれば、化学療法および/または分子標的療法をワクチン接種期間中に併用した。有害事象を、米国国立がん研究所の有害事象(NCI-CTCAE)共通用語規準第4.0版に従って追跡した。全血球計算値および血清生化学試験を、6回のワクチン接種の前後に行った。
【実施例】
【0053】
液性免疫応答の測定
ワクチンペプチドに特異的な液性免疫応答を検討するために、既に報告されたように、Luminex 200 system(Luminex, Austin, TX)を用いたビーズベースの多重アッセイを用いて、ペプチド特異的IgG力価を測定した。ワクチン接種後の血漿中のペプチド特異的IgG力価が、ワクチン接種前の血漿中のものより2倍以上高かった場合には、その変化は有意であると見なした。有意な増加が、少なくとも1つのワクチンペプチドにおいて観察された場合には、抗原特異的液性免疫応答は増大したと見なした。
【実施例】
【0054】
免疫組織化学(IHC)
15種のワクチン抗原の発現を、ワクチン接種していないaCRC患者由来の20の腫瘍組織(15の原発性腫瘍および5つの転移性肝臓腫瘍)を用いてIHCにより検討した。パラフィン埋包組織サンプルから4 μm切片を作成して、被覆したスライドガラス上で解析した。ワクチン抗原に特異的な抗体を用いる免疫染色を、全自動 Bond-Max system (Leica Microsystems, Newcastle, UK)で実施した。免疫染色における色原体としてDABを使用した。ワクチン抗原を検出するために使用した抗体は、既に記載されている。前立腺関連ワクチン抗原、即ちPSAおよびPSMAは、IHCにより検出できなかったため示さなかった。
【実施例】
【0055】
検査マーカーの測定
ワクチン接種前の血漿中のC反応性タンパク質(CRP)、血清アミロイドA(SAA)、およびIL-6のレベルを、R&D systems (Minneapolis, MN), Invitrogen (Carlsbad, CA)およびeBioscience (San Diego, CA)由来のキットを用いて、ELISAにより測定した。Luminex 200 system (Luminex, Austin, TX) によるビーズベースの多重アッセイを用いて、サイトカイン、例えば、IL-4、IL-13、IL-21、IP-10(interferon gamma-induced protein 10)、BAFF(B-cell activating factor)、およびTGF-βを測定した。一人の患者からのワクチン接種前の血漿が、この分析には利用できなかった(n=59)。凍結した血漿サンプルを溶解し、希釈して、製造者の指示書に従って2連でアッセイを行った。2連のサンプルの平均を統計学的分析に使用した。
【実施例】
【0056】
IL-6、およびIL-6受容体(IL-6R)遺伝子多型
末梢血単核細胞(PBMC)を、ワクチン接種前に末梢血からFicoll-Paque Plus (GE Healthcare, Uppsala, Sweden)密度遠心法により分離した。DNAを、QIAamp Blood kit(Qiagen, Hilden, Germany)を用いてPBMCから抽出して、分析まで-80℃で貯蔵した。抽出したDNAを用いて、IL-6 -634G>C(rs1800796)、IL-6R 48892A>C(rs8192284, Asp358Ala)遺伝子多型を調べた。遺伝子型判定は、Motoyama S, et al., Dig Surg. 2012;29: 194-201およびMotoyama S, et al., Ann Surg Oncol. 2013;20: 1978-1984に報告されたとおり、ポリメラーゼ連鎖反応-制限酵素断片長多型方法を用いて行った。使用したオリゴヌクレオチドと制限酵素は以下のとおりである。
IL-6Rの遺伝子多型の検出に使用したオリゴヌクレオチドと制限酵素
CCT TTG AGG CTT TTG ACA G(配列番号36)
ACC CAT CTC ACC TCA GAA CAA(配列番号37)
制限酵素 Hind III
IL-6の遺伝子多型の検出に使用したオリゴヌクレオチドと制限酵素
GAG ACG CCT TGA AGT AAC TG(配列番号38)
AAC CAA AGA TGT TCT GAA CTG A(配列番号39)
制限酵素 Bsr BI
【実施例】
【0057】
統計学的分析
OS期間を、ペプチドワクチン接種または第一選択の化学療法の初日から死亡日までの期間と規定した。生存している患者では、連絡をとった最終日に打ち切りとした。OSについての予後因子を、コックス比例ハザード回帰モデルを用いる単変量および多変量解析により評価した。このコックス回帰を適用する際に、各バイオマーカーの分布が非常に歪んでいたので、log(バイオマーカー+1)の変換を用いた。単変量解析における統計学的に有意なバイオマーカー(P<0.1)を、多変量分析に含めた。スピアマンの順位相関係数を用いて、多変量分析に含める変数を選択した。全ての統計学的分析を、JMP version 10 またはSAS version 9.3 software package (SAS Institute Inc., Cary, NC)を用いて行った。
【実施例】
【0058】
結果
aCRC組織中のワクチン抗原発現の免疫組織化学分析
PPVに用いるワクチン抗原の発現を、15人のワクチン接種を受けていないaCRC患者由来の20の腫瘍組織(15の原発性腫瘍および5つの転移性肝臓腫瘍)においてIHCにより検討した。PPVに用いた15種のワクチン抗原のなかで、2つの前立腺関連ワクチン抗原(PSAおよびPSMA)以外の13種のワクチン抗原が、aCRC組織において検出できた。代表的な染色パターンを、図1に示した。それらのうち、11種は大部分の癌細胞に一様に発現したが、p56lckおよびPAPは局所的に発現していた。詳細な抗原発現の頻度を表1に示した。
【実施例】
【0059】
患者の特徴
2009年1月から2012年11月の期間、60人のaCRC患者をこの試験に登録した。登録患者の臨床病理的特徴を表2に要約する。年齢の中央値は60歳(35~83歳)で、男性被験者33人および女性被験者27人であった。全ての患者(ステージIV、n=26;再発、n=34)は、化学療法および/または分子標的療法の少なくとも1つのレジメンに対して抵抗性であった。原発性腫瘍の位置は、右側の結腸(n=14)または左側の結腸/直腸(n=46)であった。全ての患者は、転移性腫瘍[肝臓(n=33)、肺(n=31)、腹膜播種(n=23)、またはリンパ節(n=14)]を有した。登録前に、化学療法、分子標的療法および/またはそれらの組合せの1つ(n=17)、2つ(n=15)、3つ(n=9)、4つ(n=13)または5つ(n=6)のレジメンに抵抗性であった。PPV治療開始前の治療期間の中央値は552.5日であり、9~1819日の範囲にわたった。第一サイクル中にワクチン接種に使用したペプチドの数は、36人の患者にて4つのペプチド、16人の患者にて3つのペプチド、8人の患者にて2つのペプチドであった。60人の患者のうち、51人(85%)は、第一サイクルの6回のワクチン接種を完了したが、残り9人の患者は、急速な疾患進行により完了しなかった。ワクチン接種回数の中央値は12であり、2~33の範囲であった。PPVの期間に、49人の患者(82%)は、化学療法および/または分子標的療法を、例えばFOLFOX/XELOXとベバシズマブ(n=10)、FOLFIRI+ベバシズマブ(n=5)、FOLFIRI(n=5)、S-1(n=5)、イリノテンカン+セツキシマブ(n=5)、セツキシマブ(n=5)、FOLFOX/XELOX(n=2)、FOLFIRI+セツキシマブ(n=2)、または他のレジメン(n=10)を併用した。残り11人の患者(18%)は、併用化学療法について選択肢をもたないか、またはそれらを耐容できなかった。
【実施例】
【0060】
【表2】
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【実施例】
【0061】
有害事象
毒性を表3に示した。最も頻度が高い有害事象は、注射部位での皮膚反応(n=55, 92%)、貧血(n=27, 45%)、リンパ球減少症(n=23, 38%)および低アルブミン血症(n=20, 33%)であった。グレード4の貧血が、2人の患者において見られた。グレード3の重篤な有害事象(SAE)として、白血球減少症(n=3)、リンパ球減少症(n=2)、γグルタミルトランスペプチダーゼ増加(n=2)、低ナトリウム血症(n=2)、腸閉塞(n=2)、AST増加(n=1)、高血糖(n=1)、高コレステロール血症(n=1)、および発疹(n=1)を認めた。しかし、独立した安全性評価委員会では、これら全てのグレード3または4のSAEはワクチン接種とは直接関係せず、他の病因、例えば併用した化学療法および/または分子標的療法および癌の進行と関係すると評価された。
【実施例】
【0062】
【表3】
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【実施例】
【0063】
ワクチンペプチドに対する免疫応答
ワクチン接種前およびワクチン接種後の血漿におけるワクチンペプチドに特異的なIgG力価を測定し、液性応答反応を分析した。ワクチン接種後の血漿サンプルは、第一サイクル(6回のワクチン接種)および第二サイクル(12回のワクチン接種)各々の終了時に51人および35人の患者から採取した。少なくとも1つのワクチンペプチドに特異的なIgG応答は、ワクチン接種の第一サイクル終了時には51人の患者の内24人(47%)で、第二サイクル終了時には35人の患者の内33人(94%)で増強された(表6-1~6)。
【実施例】
【0064】
臨床結果
60人の患者での最初のワクチン接種からのOS期間中央値(MST)は498日(95% 信頼区間, 233-654日数)で、1生存率53%および2年生存率22%であった(図2A)。第一選択の化学療法の初日から計算した場合、MSTは1179日(95%信頼区間、885-1272日数)で、1年生存率は97%、2年生存率は77%、3年生存率は53%、4年生存率は24%、5年生存率はであった(データ示さず)。注目すべきは、登録した60人の患者の中で、2つ以上の標準的な化学療法レジメンでの治療歴を有し、かつ登録前にイリノテカン、オキサリプラチン、およびフルオロピリミジンの全てに対し抵抗性または非寛容であった32人の患者が、51%(図2B)の1年生存率で、最初のワクチン接種から375日のMST(95% 信頼区間, 191-561日数)を示したことである。
【実施例】
【0065】
臨床的所見または検査値とOSとの相関
コックス比例ハザードモデルを使用して、ワクチン接種前の臨床的知見または検査値から、OSと有意に相関のある因子を同定した。表4に示したとおり、ワクチン接種前の臨床的所見を用いた単変量解析では、PPV治療前の化学療法レジメン数が、予後因子(P=0.048)である可能性があった。さらに、単変量解析ではワクチン接種前の血中のアルブミン、CEA、CRP、SAA、IL-6、IP-10、およびBAFFがOSと有意に相関した(P=0.021、P=0.002、P<0.001、P<0.001、P<0.001、P=0.005、およびP=0.005、各々)。しかし、その他の因子は、OSとの有意な相関はなかった。
【実施例】
【0066】
多変量コックス回帰分析をさらに行い、単変量解析においてOSと有意に相関することが示された各因子の影響を評価した(P<0.1)。SAAおよびCRPのレベルがIL-6のレベルと高い相関を示したので、SAAおよびCRPをこの分析には含めなかった(SAA vs IL-6:スピアマンの順位相関係数=0.481;CRP vs IL-6:スピアマンの順位相関係数=0.651)。表4に示したとおり、ワクチン接種前の血漿中のより高いIL-6およびIP-10レベルならびにより低いBAFFレベルが、予後不良の予測因子として有意であった[1SDのユニットに対するハザード比(HR)=1.503, 95%信頼区間(CI)=1.008-2.241, P=0.045;HR=1.574, 95%CI=1.060-2.338, P=0.025;HR=0.510, 95%CI=0.330-0.788, P=0.002;各々]。しかし、他の因子は、有意に相関しなかった。
【実施例】
【0067】
【表4】
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【実施例】
【0068】
IL-6およびIL-6R遺伝子多型とOSとの関係
PPVで治療した患者において炎症マーカーであるIL-6が、予後因子である可能性があるため、我々は関連遺伝子であるIL-6 -634G>CおよびIL-6R 48892A>C (表5)の遺伝子多型を検討した(Motoyama S, et al., Dig Surg. 2012;29: 194-201およびMotoyama S, et al., Ann Surg Oncol. 2013;20: 1978-1984参照)。IL-6 -634G>Cの多形型とOS(各々P=0.259およびP=0.114)と間には有意な相関はなかった(P=0.319)。しかし、IL-6R 48892A>Cの多型は、OSに対して有意な相関を示した。図3Aに示したように、IL-6R 48892A/Cまたは48892C/C遺伝子型を有する患者は、IL-6R 48892A/A遺伝子型を有するものよりも良好な予後を示す傾向があった(P=0.0583)。この遺伝子多型を、ワクチン接種前の血漿(図3B)中のIL-6が陽性または陰性の患者においてさらに評価した。その結果、IL-6R 48892A/CまたはC/C遺伝子型を有する患者とIL-6R 48892A/A遺伝子型を有する患者との差異は、IL-6陽性の患者では統計学的に有意ではなかった(P=0.1184)が、IL-6陰性の患者においては有意であった(P=0.0252)。
【実施例】
【0069】
【表5】
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【実施例】
【0070】
結論
上記研究結果より、IL-6R 48892A>Cの遺伝子多型がペプチドワクチン投与後の生存期間に対して有意な効果を示した。すなわち、IL-6R 48892の遺伝子型A/CまたはC/Cを有する患者はIL-6R 48892A/Aを有する患者より予後が良い傾向にあり、特にワクチン投与前の患者血漿のIL-6が低濃度である患者では、その傾向が強かった。
また、上記研究は、PPVが重篤な副作用なしにワクチン抗原に対する免疫応答を惹起したこと、前治療歴を有するaCRC患者において、たとえがんが難治性ステージであるとしても、臨床的に有益である可能性を示した。さらに、統計学的解析により、ペプチドワクチン投与前の血漿において、低いIL-6と低いIP-10のレベルおよび高いBAFFのレベルがPPVのレスポンスを良くする可能性があることを示唆した。ワクチン投与前にこれらの因子を評価することは、aCRC患者においてペプチドワクチン療法の効果を期待できる患者を選択するのに有用である。
【実施例】
【0071】
【表6-1】
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【表6-2】
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【表6-3】
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【表6-4】
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【表6-5】
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【表6-6】
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図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2