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明細書 :抗マラリア活性化合物及び抗マラリア薬

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成29年4月6日(2017.4.6)
発明の名称または考案の名称 抗マラリア活性化合物及び抗マラリア薬
国際特許分類 C07D 215/46        (2006.01)
A61P  33/06        (2006.01)
C07D 401/12        (2006.01)
A61K  31/4725      (2006.01)
A61K  31/4709      (2006.01)
FI C07D 215/46
A61P 33/06
C07D 401/12 CSP
A61K 31/4725
A61K 31/4709
国際予備審査の請求
全頁数 32
出願番号 特願2016-506416 (P2016-506416)
国際出願番号 PCT/JP2015/054491
国際公開番号 WO2015/133280
国際出願日 平成27年2月18日(2015.2.18)
国際公開日 平成27年9月11日(2015.9.11)
優先権出願番号 2014040616
優先日 平成26年3月3日(2014.3.3)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】樋口 恒彦
【氏名】加藤 信樹
【氏名】梅澤 直樹
出願人 【識別番号】506218664
【氏名又は名称】公立大学法人名古屋市立大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100114362、【弁理士】、【氏名又は名称】萩野 幹治
審査請求 未請求
テーマコード 4C031
4C063
4C086
Fターム 4C031LA03
4C063AA01
4C063BB09
4C063CC15
4C063CC26
4C063DD14
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC28
4C086BC30
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB38
要約 マラリアに対して有効な新規化合物及びその用途を提供することを課題とする。マラリアが有するヘム毒性回避機構を妨害することを目指した分子設計に基づき合成された非対称性の化合物群が提供される。
特許請求の範囲 【請求項1】
以下の化学式1で表される化合物:
【化1】
JP2015133280A1_000021t.gif
但し、非対称性の構造であり、式中のmは1~5であり、nは1~5であり、RはH、CH3、CH2CH3又はCH2NH2を表し、Arは芳香族ヘテロ環基を表す。
【請求項2】
前記芳香族ヘテロ環基が含窒素芳香族ヘテロ環基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記芳香族ヘテロ環が二環芳香族ヘテロ環基である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
二環芳香族ヘテロ環基が非置換又は置換のキノリル基、イソキノリル基又はベンゾイミダゾリル基である、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
以下の化学式2~9のいずれかで表される、請求項1に記載の化合物。
【化2】
JP2015133280A1_000022t.gif
【化3】
JP2015133280A1_000023t.gif
【化4】
JP2015133280A1_000024t.gif
【化5】
JP2015133280A1_000025t.gif
【化6】
JP2015133280A1_000026t.gif
【化7】
JP2015133280A1_000027t.gif
【化8】
JP2015133280A1_000028t.gif
【化9】
JP2015133280A1_000029t.gif

【請求項6】
抗マラリア活性を示す、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
請求項6に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含有する抗マラリア薬。
【請求項8】
請求項7に記載の抗マラリア薬を対象に投与するステップを含む、マラリアの予防又は治療方法。
【請求項9】
抗マラリア薬を製造するための、請求項6に記載の化合物の使用。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、抗マラリア活性を示す新規化合物及びその利用に関する。本出願は、2014年3月3日に出願された日本国特許出願第2014-040616号に基づく優先権を主張するものであり、当該特許出願の全内容は参照により援用される。
【背景技術】
【0002】
マラリアは、毎年数億人が感染しそのうち数百万人が死亡するといわれる人類最大の寄生原虫感染症である。この脅威は熱帯では有史以前より続いているが、これまで熱帯、亜熱帯が主な感染地域であったのが、地球温暖化により温帯にまで拡大が懸念されており、さらに従来薬に対する耐性種の蔓延も重なり、新たに効果的な医薬の開発が急務となっている。
【0003】
マラリアの治療薬としてクロロキン、キニーネ、メフロキン、アルテミシニンなどが用いられるが、いずれも強い副作用がある。クロロキンは他の薬剤と比較して副作用が少ないため、マラリアの予防や治療の第1選択薬として使われることが多いが、近年、クロロキン耐性マラリア種の蔓延が大きな問題となっている。また、最近では他の薬剤に対する耐性も発生しており、多剤耐性への対処も急務である。
【0004】
尚、本願発明者らの研究グループは、ヘムに対する親和性に注目して設計した化合物群が抗マラリア活性を示すことを報告した(特許文献1、2、非特許文献1)。一方、特許文献3には、抗マラリア活性を示す化合物としてN,N’-ビス(キノリン-4-イル)ジアミン誘導体が開示されている(特許文献3)。また、特許文献4には、キノリン骨格でクロロキン感受性と耐株の両方に対して抗マラリア活性を示す化合物が開示されている。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】国際公開第2007/097450号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2012/032952号パンフレット
【特許文献3】国際公開第95/35287号パンフレット
【特許文献4】米国特許出願公開第2008-262031号明細書
【0006】

【非特許文献1】中部公立3大学新技術説明会資料集(2007年11月2日)、63頁~67頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、マラリアに対して有効な(即ち、抗マラリア活性の高い新規)化合物及びその用途を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題の下、本発明者らは研究を進めた。その結果、抗マラリア活性の高い新規化合物を見出すことに成功した。新規合成した化合物の中には既報の化合物に比して格段に高い活性を示すものも含まれていた。当該化合物はクロロキン耐性株に対して強い活性を示すとともに、クロロキン感受性株に対しては極めて強い活性を示した。尚、新規化合物は非対称性を有することが特徴の一つであり、少なくともこの点において、本発明者らが過去に報告した抗マラリア活性化合物と峻別される。
主として上記知見に基づき、以下の発明を提供する。
[1]以下の化学式1で表される化合物:
【化1】
JP2015133280A1_000003t.gif
但し、非対称性の構造であり、式中のmは1~5であり、nは1~5であり、RはH、CH3、CH2CH3又はCH2NH2を表し、Arは芳香族ヘテロ環基を表す。
[2]前記芳香族ヘテロ環基が含窒素芳香族ヘテロ環基である、[1]に記載の化合物。
[3]前記芳香族ヘテロ環が二環芳香族ヘテロ環基である、[2]に記載の化合物。
[4]二環芳香族ヘテロ環基が非置換又は置換のキノリル基、イソキノリル基又はベンゾイミダゾリル基である、[3]に記載の化合物。
[5]以下の化学式2~9のいずれかで表される、[1]に記載の化合物。
【化2】
JP2015133280A1_000004t.gif
【化3】
JP2015133280A1_000005t.gif
【化4】
JP2015133280A1_000006t.gif
【化5】
JP2015133280A1_000007t.gif
【化6】
JP2015133280A1_000008t.gif
【化7】
JP2015133280A1_000009t.gif
【化8】
JP2015133280A1_000010t.gif
【化9】
JP2015133280A1_000011t.gif
[6]抗マラリア活性を示す、[1]~[5]のいずれか一項に記載の化合物。
[7][6]に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含有する抗マラリア薬。
[8][7]に記載の抗マラリア薬を対象に投与するステップを含む、マラリアの予防又は治療方法。
[9]抗マラリア薬を製造するための、[6]に記載の化合物の使用。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】化合物2Q(n=2)及び3Q(n=3)の合成方法。
【図2】各化合物の抗マラリア活性。クロロキン(CQ)耐性株(K1)及び感受性株(FCR3)を用い、各化合物の抗マラリア活性を比較した。また、毒性も比較評価した。
【図3】各化合物のヘミン保護効果。クロロキン(●)やキニーネ(+)よりも格段に高いヘミン保護効果を新規化合物2-quino-3Q(■)が示した。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第1の局面は新規化合物に関する。本発明の化合物は以下の化学式(化学式1)で表される。
【化1】
JP2015133280A1_000012t.gif
但し、非対称性の構造であり、式中のmは1~5であり、nは1~5であり、RはH、CH3、CH2CH3又はCH2NH2を表し、Arは芳香族ヘテロ環基を表す。

【0011】
好ましい一態様では上記芳香族ヘテロ環が二環芳香族ヘテロ環基である。二環芳香族ヘテロ環基の具体例はキノリル基、イソキノリル基、ベンゾイミダゾリル基である。ここでのキノリル基、イソキノリル基又はベンゾイミダゾリル基は1又は2以上の位置で置換されていてもよい。置換位置は特に限定されない。置換基としてCl、Br、I、CH3、CF3、OCH3等を例示できる。置換は、例えば、活性の向上、溶解度(特に水溶性)の向上、毒性の低減、代謝速度の調節等の目的で行うことができる。

【0012】
本発明の化合物は抗マラリア活性を示す。抗マラリア活性の有無及び/又は程度は、後述の評価方法で評価することができる。尚、理論に拘泥する訳ではないが、本発明の化合物は、ヘムに対して高親和性を有し、π-πスタッキング能と、カルボキシレートとの静電相互作用により、ヘムのポリマー化を阻害すること、或いは有毒なヘム単量体構造への変換を促すことによって薬効を示すと考えられる。

【0013】
ここで、医薬(即ち抗マラリア薬)の有効成分として使用される場合の体内動態を考慮すれば低分子量の化合物であることが好ましいことから、m及びnの数値は小さい方がよい。そこでm及びnは好ましくは1~3であり、より好ましくは1又は2である。また、m及びnを等しくし、リンカーとしてのアミンが対称性を持つようにすることが好ましい。このように設計すれば合成上有利である。

【0014】
本願が提供する新規化合物の具体例を以下(化学式2~11)に示す。尚、当該化合物の合成方法及び活性評価の結果の詳細は後述する。
【化2】
JP2015133280A1_000013t.gif
IsoQ-2Q

【0015】
【化3】
JP2015133280A1_000014t.gif
IsoQ-3Q

【0016】
【化4】
JP2015133280A1_000015t.gif
2-quino-2Q

【0017】
【化5】
JP2015133280A1_000016t.gif
2-quino-3Q

【0018】
【化6】
JP2015133280A1_000017t.gif
BzIm-2Q

【0019】
【化7】
JP2015133280A1_000018t.gif
BzIm-3Q

【0020】
【化8】
JP2015133280A1_000019t.gif
2-(8-Cl)quino-3Q

【0021】
【化9】
JP2015133280A1_000020t.gif
2-(8-Cl)quino-2Q

【0022】
本発明の他の局面は、上で示した化合物、又はその塩を有効成分とする抗マラリア薬に関する。ここでの塩は薬学的に許容可能な限りその種類は特に限定されず、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、ホウ酸等との塩(無機酸塩)や、ギ酸、酢酸、乳酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸等との塩(有機酸塩)をその例として挙げることができる。これらの塩の調製は慣用手段によって行なうことができる。

【0023】
有効成分の製剤化は常法に従って行うことができる。製剤化する場合には、製剤上許容される他の成分(例えば、担体、賦形剤、崩壊剤、緩衝剤、乳化剤、懸濁剤、無痛化剤、安定剤、保存剤、防腐剤、生理食塩水など)を含有させることができる。賦形剤としては乳糖、デンプン、ソルビトール、D-マンニトール、白糖等を用いることができる。崩壊剤としてはデンプン、カルボキシメチルセルロース、炭酸カルシウム等を用いることができる。緩衝剤としてはリン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩等を用いることができる。乳化剤としてはアラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、トラガント等を用いることができる。懸濁剤としてはモノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸アルミニウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム等を用いることができる。無痛化剤としてはベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビトール等を用いることができる。安定剤としてはプロピレングリコール、ジエチリン亜硫酸塩、アスコルビン酸等を用いることができる。保存剤としてはフェノール、塩化ベンザルコニウム、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルパラベン等を用いることができる。防腐剤としては塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸、クロロブタノール等と用いることができる。

【0024】
製剤化する場合の剤型も特に限定されず、例えば錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、注射剤、外用剤、及び座剤などとして調製できる。このように製剤化した本発明の薬剤はその形態に応じて経口投与又は非経口投与(静脈内、動脈内、皮下、筋肉、腹腔内注射など)によって対象に適用され得る。ここでの「対象」は特に限定されず、ヒト、及びヒト以外の哺乳動物(ペット動物、家畜、実験動物を含む。具体的には例えばマウス、ラット、モルモット、ハムスター、サル、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ニワトリ、ウズラ等である)を含む。好適には、本発明の抗マラリア薬はヒトに対して適用される。

【0025】
本発明の抗マラリア薬はマラリア感染者又は潜在的マラリア感染者(治療的使用)、或いはマラリアに感染するおそれのある者(予防的使用)に適用される。このように治療目的の他、予防目的で本発明の抗マラリア薬を使用することもできる。

【0026】
本発明の抗マラリア薬における有効成分の含量は一般に剤型によって異なるが、所望の投与量を達成できるように例えば約0.001重量%~約95重量%とする。

【0027】
本発明の他の局面では以上の抗マラリア薬を使用したマラリアに対する予防方法又は治療方法(以下、これら二つの方法をまとめて「治療方法等」という)が提供される。本発明の治療方法等は、上記本発明の抗マラリア薬を生体に投与するステップを含む。投与経路は特に限定されず例えば経口、静脈内、皮内、皮下、筋肉内、腹腔内、経皮、経粘膜などを挙げることができる。これらの投与経路は互いに排他的なものではなく、任意に選択される二つ以上を併用することもできる(例えば、経口投与と同時に又は所定時間経過後に静脈注射等を行う等)。尚、投与が容易である点から経口投与によることが好ましい。

【0028】
抗マラリア薬の投与量は症状、投与対象の年齢、性別、及び体重などによって異なるが、当業者であれば適宜適当な投与量を設定することが可能である。例えば、成人(体重約60kg)を対象として一日当たりの有効成分量が約1mg~約1000mg、好ましくは約20mg~500mgとなるよう投与量を設定することができる。投与スケジュールとしては例えば一日一回~数回、二日に一回、或いは三日に一回などを採用できる。投与スケジュールの設定においては、投与対象の病状や薬剤の効果持続時間などを考慮することができる。
【実施例】
【0029】
マラリアが有するヘム毒性回避機構を妨害することを目指した分子設計(ヘムとの親和性を考慮)を行い、トリアミンに2つの大きなπ平面を結合させた化合物群を以下の通り合成した。
【実施例】
【0030】
1.各化合物の合成
(1)アミノキノリンの調製(図1)
原料として4,7-ジクロロキノリン、炭素鎖の長さの異なるトリアミンを用い、無溶媒にて70℃で攪拌した。混合物をカラムクロマトグラフィーで分離精製し、n=2のアミノキノリン(2Q)を収率57%で得た。同様にして、n=3のアミノキノリン(3Q)を収率50%で得た。
2Q: 1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 8.37 (d, J = 5.7 Hz 1H), 8.10 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.44 (dd, J = 8.9 , 2.0 Hz 1H), 6.59 (d, J = 5.7 Hz 1H), 3.53(t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.03 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.89 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.71 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.38 (s, 3H). FAB, m/z (NBA) 279 (M+1)
3Q: 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.37 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.70 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.28 (d, J = 5.4 Hz), 3.33 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.91-2.93 (m, 2H), 2.72 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.54 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.45 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.39 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.86-2.17 (m, 2H), 1.63-1.71 (m, 2H)
FAB, m/z (NBA) 207 (M+1)
【実施例】
【0031】
(2)2-PYM-2Qの合成
1-メチルピロリドン (0.25 ml)、2Q (94.3 mg, 0.338 mmol)および2-クロロピリミジン (80.3 mg, 0.701 mmol)をサンプル管チューブに入れ、真空に引きながら封管し、110℃で5時間加熱した。室温まで冷却後、アルミナカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い(AcOEt:CH3OH = 97:3)、溶媒を減圧留去して目的物を得た (8.7 mg, 7.2%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz), δ 8.51 (d, J = 5.2 Hz, 1H), δ 8.24 (t, J = 5.6 Hz, 2H), δ 7.93 (d, J = 2.4 Hz, 1H), δ 7.70(d, J = 8.8 Hz, 1H), δ 7.32 (dd, J = 2.0, 9.0 Hz, 1H), δ 6.50 (t, J = 4.8 Hz, 1H), δ 6.35 (d, J = 5.2 Hz, 1H), δ 3.57 (dd, J = 5.8,11.8 Hz, 2H), δ 3.31 (dd, J = 5.0, 11.4 Hz, 2H), δ 2.82 (t, J = 5.8 Hz, 2H), δ 2.74 (t, J = 6.2 Hz, 2H), δ 2.37 (s, 3H). FAB, m/z (グリセリン) 357 (M+1)+, 359 (M+3)+
【実施例】
【0032】
(3)2-Py-2Qの合成
2Q (47.7 mg, 0.172 mmol)および2-フルオロピリジン(29.5 mg, 0.304 mmol)をサンプル管チューブに入れ、真空に引きながら封管し、100℃で27時間加熱した。室温まで冷却後、アルミナカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い(CH2Cl2:CH3OH:トリエチルアミン=94:5: 1),溶媒を減圧留去して目的物を得た(26.0 mg, 42.6%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz), δ 8.48 (d, J = 5.4 Hz, 1H), δ 8.11(tt, J = 1.0, 2.4 Hz, 1H), δ 7.12 (d, J = 2.2 Hz, 1H), δ 7.75 (d, J = 9.0 Hz, 1H), δ 7.38 - 7.34 (m, 1H), δ 7.24 (dd, J = 2.2, 9.0 Hz, 1H), δ 6.59 - 6.55 (m, 1H), δ 6.36 - 6.30 (m, 2H), δ 3.42 (dd, J = 5.3, 11.5 Hz, 2H), δ 3.32 - 3.27 (m, 2H), δ 2.82 (t, J = 5.8 Hz, 2H) δ 2.74 (t, J = 5.9 Hz, 2H), δ 2.36 (s,3H). FAB, m/z (グリセリン)357 (M+1)+, 359 (M+3)+
【実施例】
【0033】
(4)3BQの合成
4,7-ジクロロキノリン (3.00 g, 15.15 mmol)を50 mlのナスフラスコに入れ真空乾燥させた。そこにArを充填し、ArフローしながらN-メチル-2,2’-ジアミノジエチルアミン(1.00 g, 6.88 mmol)を加え、130℃で3時間加熱撹拌した。室温まで冷却後、アルミナカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い (CH2Cl2 100%)溶媒を減圧留去し、目的物を得た(821.6 mg, 25.4%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz), δ 8.48 (d, J = 5.4 Hz, 2H), δ 7.95 (d, J = 2.0 Hz, 2H), δ 7.55 (d, J = 9.3 Hz, 2H), δ 7.32 (dd, J = 2.2, 9.0 Hz, 2H), δ 6.27 (d, J = 5.4 Hz, 2H), δ 3.36 (dd, J = 6.2, 10.6 Hz, 4H), δ 2.66 (t, J = 6.6 Hz, 4H), δ 2.46 (s, 3H), δ 1.99 (t, J = 6.4 Hz, 4H). FAB, m/z (グリセリン) 469 (M+1)+. EI-HRMS Calcd for C25H27Cl2N5 467.16436, Found 467.16560.
【実施例】
【0034】
(5)nor-2BQの合成
4,7-ジクロロキノリン(1.52 g, 7.7 mmol)、N-Boc-2,2’-ジエチルアミン(2.35 g, 11.6 mmol)とNaHCO3(0.73 g, 8.64 mmol)を20 mlのナスフラスコに入れて真空乾燥した。Ar置換した後、100℃で3時間加熱撹拌した。アルミナカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い(CH2Cl2:CH3OH:トリエチルアミン=97.5:1.5:1)溶媒を減圧留去し、N-Boc-2BQを得た(135.7 mg, 3.4%)。N-Boc-2BQ(135.7 mg, 0.26 mmol)を10 mlのナスフラスコに入れ真空乾燥させ、Ar置換した後トリフルオロ酢酸(1.4ml, 18.9 mmol)をシリンジで加え、室温で2.5時間加熱撹拌した。(CH2Cl2:イソプロパノール=1:1)とNa2CO3水溶液で振りとり、有機層をNa2SO4で乾燥してから溶媒を減圧留去し、目的物を得た。(61.7 mg, 56.1%)1H NMR (CD3OD, 400 MHz), δ 8.30 (d, J = 5.5 Hz, 2H), δ 7.94 (d, J = 9.1 Hz, 2H), δ 7.73 (d, J = 2.2 Hz, 2H), δ 7.27 (dd, J = 2.2, 9.0 Hz, 2H), δ 6.53 (d, J = 5.6 Hz, 2H), δ 3.51 (t, J = 6.0 Hz, 4H), δ 3.02 (t, J = 6.2 Hz, 4H). FAB, m/z (グリセリン) 427 (M+1)+. FAB-HRMS Calcd for C22H22N5Cl2 426.12523, (M+1)+, Found 426.12510 (M+1)+.
【実施例】
【0035】
(6)IsoQ-2Qの合成
1-クロロイソキノリン(18.0 mg, 1.10 mmol)、2Q (30.0 mg, 1.08 mmol)とNaHCO3 (11.3 mg, 1.35 mmol)を5 mlのナスフラスコに入れ真空乾燥させた。そこにArを充填し、ArフローしながらDMFを0.2 ml加え、100℃で22時間加熱撹拌した。室温まで冷却後、アルミナカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い(CH2Cl2:CH3OH:トリエチルアミン=98:1:1)溶媒を減圧留去した。その後、GPCにより分離精製を行った。さらに、アルミナカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、溶媒を減圧留去して目的物を得た。(40 mg, 90.8%)1H NMR (CDCl3, 400 MHz), δ 8.48 (d, J = 5.4 Hz, 1H), δ 7.94 (d, J = 5.9 Hz, 1H), δ 7.89 (d, J = 2.1 Hz, 1H), δ 7.65 (d, J = 7.7 Hz, 1H), δ 7.58-7.52 (m,2H), δ 7.42 (d, J = 8.9 Hz, 1H), δ 7.18-7.14 (m, 1H), δ 6.91 (d, J = 5.8 Hz, 1H), δ 6.86(dd, J = 2.2, 9.0 Hz, 1H), δ 6.35 (d, J = 5.4 Hz, 1H), δ 3.76 (q, J = 5.6 Hz, 2H), δ 3.63 (q, J = 7.3 Hz, 2H), δ 3.38-3.34 (m, 2H), δ 2.46 (s, 3H), δ 2.91-2.87 (m, 2H). FAB, m/z (グリセリン) 406 (M)+. FAB-HRMS Calcd for C23H25ON5Cl 406.17985 (M+1)+, Found 406.17794 (M+1)+.
【実施例】
【0036】
(7)IsoQ-3Qの合成
1-クロロイソキノリン (101.1 mg, 0.62 mmol)、3Q (154.2 mg, 0.50 mmol)とNaHCO3 (50.4 mg, 0.60 mmol)を3 mlのナスフラスコに入れ真空乾燥させた。そこにArを充填し、120℃で22時間加熱撹拌した。室温まで冷却後、アルミナカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い (CH2Cl2:CH3OH = 99.8:0.2) 溶媒を減圧留去して目的物を得た(104.9 mg, 48.3.%)。1H NMR (CD3OD, 400 MHz), δ 8.21 (d, J = 4.5 Hz, 1H), δ 7.95 (d, J = 6.7 Hz, 1H), δ 7.92 (d, J = 7.2 Hz, 1H), δ 7.69 (d, J = 1.7 Hz, 1H), δ 7.67 (d, J = 4.8 Hz, 1H), δ 7.57 (d, J = 6.5 Hz, 1H), δ 7.51 (t, J = 5.7, 8.0, 1H), δ 7.38 (t, J = 5.7, 3.6 Hz, 1H), δ 7.26 (dd, J = 1.8, 7.2 Hz, 1H), δ 6.78 (d, J = 4.8 Hz, 1H) , δ 6.33 (d, J = 4.5 Hz, 1H), δ 3.51 (t, J = 5.4 Hz, 2H), δ 3.30-3.28 (m, 2H), δ 2.61-2.57 (m, 4H), δ 2.33 (s, 3H), δ 1.94-1.87 (m, 4H). FAB-HRMS Calcd for C25H29N5Cl 434.21115 (M+1)+, Found 434.21025 (M+1)+.
【実施例】
【0037】
(8)2-quino-2Qの合成
2-クロロキノリン(151 mg, 0.92 mmol)、2Q(221 mg, 0.76 mmol)とNaHCO3(86.0mg, 1.02 mmol)を5 mlのナスフラスコに入れて真空乾燥した。Ar置換した後、110℃で17時間加熱撹拌した。アルミナカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い(CH2Cl2:CH3OH:トリエチルアミン=98.7:0.3:1)溶媒を減圧留去し、目的物を得た。(127.7 mg, 41.4%)1H NMR(CDCl3, 400 MHz), δ 8.48 (d, J = 4.9 Hz, 1H), δ 7.92 (d, J = 2.0 Hz, 1H), δ 7.73 (d, J = 8.8 Hz, 1H), δ 7.66-7.50 (m, 4H), δ 7.24-7.20 (m, 1H), δ 7.14 (dd, J = 2.4, 8.8 Hz, 1H), δ 6.46 (d, J = 8.8 Hz, 1H), δ 6.34 (d, J = 5.4 Hz, 1H), δ 3.68-3.59 (m, 2H), δ 3.32 (dd, J = 4.6, 11.0 Hz, 2H), δ 2.86 (t, J = 5.9 Hz, 2H), δ 2.80 (t, J = 6.1 Hz, 2H), δ 2.42 (s, 1H). FAB, m/z (グリセリン) 406 (M)+. FAB-HRMS Calcd for C23H25N5Cl 406.17985 (M+1)+, Found 406.17777 (M+1)+.
【実施例】
【0038】
(9)2-quino-3Qの合成
2-クロロキノリン(85.0 mg, 0.52 mmol)、3Q(132.8 mg, 0.43 mmol)とNaHCO3(46.0mg, 0.052 mmol)を3 mlのナスフラスコに入れて真空乾燥した。Ar置換した後、120℃で24時間加熱撹拌した。アルミナカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い(CH2Cl2:CH3OH=99.8:0.2)溶媒を減圧留去し、目的物を得た(57.4 mg, 30.8%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz), δ 8.49 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 2.3, 1H), δ 7.77 (d, J = 9.3 Hz, 1H), δ 7.59-7.55 (m, 1H), δ 7.51-7.46 (m,1H), δ 7.20-7.16 (m,1H), δ 6.52 (d, J = 9.0 Hz, 1H), δ 6.34 (d, J = 5.4 Hz, 1H), δ 3.55-3.52 (m, 2H), δ 3.45-3.43 (m, 2H), δ 2.64-2.59 (m, 4H), δ 2.37(s, 3H), δ 1.97-1.89 (m, 4H). FAB-HRMS Calcd for C25H29N5Cl 434.21115 (M+1)+, Found 434.21213 (M+1)+.
【実施例】
【0039】
(10)BzIm-2Qの合成
2-クロロベンズイミダゾール(197 mg, 1.29 mmol)、2Q(300 mg, 1.08 mmol)とNaHCO3(108 mg, 1.29 mmol)を5 mlのナスフラスコに入れて真空乾燥した。Ar置換した後、100℃で21.5時間加熱撹拌した。アルミナカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い(CH2Cl2:CH3OH:トリエチルアミン=98:1:1)溶媒を減圧留去し、目的物を得た(174.5 mg, 40.9%)。1H NMR (CD3OD, 400 MHz), δ 8.17(d, J = 5.8 Hz, 1H), δ 7.80 (d, J = 9.3 Hz, 1H), δ 7.61 (d, J = 2.0 Hz, 1H), δ 7.09 (dd, J = 2.2, 9.1 Hz, 1H), δ 7.06-7.04 (m, 2H), δ 6.87-6.84 (m, 2H), δ 6.37 (d, J = 5.4 Hz, 1H), δ 3.42-3.35 (m, 4H), δ 2.74-2.66 (m, 4H), δ 2.35 (s, 3H). FAB, m/z(グリセリン) 397(M+2)+. FAB-HRMS Calcd for C21H24N6Cl 395.17510 (M+1)+, Found 395.17516 (M+1)+.
【実施例】
【0040】
(11)BzIm-3Qの合成
2-クロロベンズイミダゾール(78.8 mg, 0.516 mmol)、3Q(131.1 mg, 0.427 mmol)とNaHCO3(43.5 mg, 0.52 mmol)を3 mlのナスフラスコに入れて真空乾燥した。Ar置換した後、120℃で20.5時間加熱撹拌した。アルミナカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い(CH2Cl2:CH3OH:トリエチルアミン=99:1)溶媒を減圧留去し、目的物を得た。(35.9 mg, 19.9%)1H NMR (CD3OD, 400 MHz), δ 8.27 (d, J = 5.8 Hz, 1H), δ 8.01 (d, J = 9.0 Hz, 1H), δ 7.74 (d, J = 2.3 Hz, 1H), δ 7.15 (dd, J = 2.9, 6.0.1 Hz, 1H), δ 7.16-7.14 (m, 2H), δ 6.95-6.93 (m, 2H), δ 6.49 (d, J = 2.4 Hz, 1H), δ 3.41-3.37 (m, 4H), δ 2.66-2.59 (m, 4H), δ 2.36 (s, 3H), δ 1.97 (t, J = 7.1, 6.8 Hz, 2H) , δ 1.87 (t, J = 7.3 Hz, 2H). FAB-HRMS Calcd for C23H28N6Cl 423.20640(M+1)+, Found 423.20584(M+1)+.
【実施例】
【0041】
(12)2-(8-Cl)quino-3Qの合成
2,8-ジクロロキノリン(500 mg, 2.52 mmol)、3Q(645 mg, 2.10 mmol)とNaHCO3(230mg,2.73 mmol)を10 mlのナスフラスコに入れて真空乾燥した。Ar置換した後、130℃で6時間加熱撹拌した。アルミナカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い(CH2Cl2:CH3OH:トリエチルアミン = 98.8:0.2:1)溶媒を減圧留去し、目的物を得た (750.1 mg, 76.3%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz), δ 8.45 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 1.6 Hz, 1H), δ 7.72 (d, J = 6.8 Hz, 1H), δ 7.58 (dd, J = 1.2, 6.0 Hz, 1H), δ 7.49 (d, J = 7.2 Hz, 1H), δ 7.46 (dd, J = 1.0, 6.2 Hz, 1H), δ 7.12 (dd, J = 1.2, 7.2 Hz, 1H), δ 7.07 (t, J = 6.2 Hz, 1H), 6.53 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.29 (d, J = 4.4 Hz, 1H), δ 3.55 (q, J = 4.9 Hz, 2H), δ 3.45-3.43 (m, 2H), δ 2.63-2.60 (m, 4H), δ 2.37 (s, 3H), δ 1.98-1.91 (m, 4H).
【実施例】
【0042】
(13)2-(8-Cl)quino-2Qの合成
2,8-ジクロロキノリン (500 mg, 2.52 mmol)、2Q(585 mg, 2.10 mmol)とNaHCO3(230mg, 2.73 mmol)を10 mlのナスフラスコに入れて真空乾燥した。Ar置換した後、130℃で4.5時間加熱撹拌した。アルミナカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い(CH2Cl2:CH3OH:トリエチルアミン=98.8:0.2:1) 溶媒を減圧留去し、目的物を得た (662.5 mg, 71.6%)。 1H NMR (CDCl3, 400 MHz), δ 8.41 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 1.7, 1H), δ 7.62 (d, J = 7.1, 1H), δ 7.59 (dd, J = 1.1, 6.0 Hz, 1H), δ 7.47 (d, J = 7.1, 1H), δ 7.42 (dd, J = 1.0, 6.4 Hz, 1H), δ 7.14 (dd, J = 1.7, 7.1 Hz, 1H), δ 7.08 (t, J = 6.2 Hz, 1H), δ 6.43 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 6.27 (d, J = 4.4 Hz, 1H), δ 3.74 (q, J = 4.7 Hz, 2H), δ 3.32 (dd, J = 4.6, 7.9 Hz, 2H), δ 2.91-2.86 (m, 4H), δ 2.45 (s, 3H).
【実施例】
【0043】
2.合成した化合物の評価
(1)In vitro薬剤感受性試験及び毒性評価
培養熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)の薬剤耐性株(K1 strain)を用い、Maklerらの方法(Makler, M. et al., Am. J. Med. Hyg. 48:739-741,1993)に準じ、In vitro薬剤感受性試験を行った。10%ヒト血漿含有RPMII640培地を用い、培養条件は3%02、4%C02、93%N2の混合ガス中、37℃とした。まず、前培養した熱帯熱マラリア原虫を初期感染率が0.5~1.0%となるように非感染赤血球で希釈し、96穴培養プレートに190μl分注した。続いて、各ウェルにサンプル溶液(試験化合物のDMSO溶液)10μlを添加し、72時間培養した後、培養プレートを凍結した。翌日、凍結融解し、原虫から遊離した乳酸脱水素酵素(lactate dehydrogenase)をMalstat試薬にて呈色反応後、プレートリーダーにて原虫の酵素活性を比色定量した。原虫の増殖阻害活性(IC50値)は、薬剤添加群の吸光度及びコントロール群の吸光度から算出した。
【実施例】
【0044】
一方、同様の方法により、各化合物について、マラリア原虫の薬剤感受性株(FCR3)を用いた薬剤感受性試験を行った。また、ヒト胎児肺由来正常繊維芽細胞MRC-5を用いて各化合物の細胞毒性(IC50値)を評価し、マラリア原虫とMRC-5細胞間の毒性比(Selectivity index)を求めた。尚、試験方法の詳細はK. Otoguro et al., J. Antibiot., 54:658-663(2001)を参照されたい。
【実施例】
【0045】
試験結果を図2に示す。新規化合物は特に薬剤(クロロキン)感受性株に対して高い活性を示した。IsoQ-2Q、IsoQ-3Q、2-quino-2Q及び2-quino-3Qは薬剤感受性株及び薬剤耐性株の両方に対してクロロキンよりも高い活性を示した。2-quino-3Qの活性は格段に高く、クロロキンの活性を遙かに凌駕する。
【実施例】
【0046】
(2)各化合物のヘミン保護効果(ヘミンの過酸化水素分解反応に対する阻害活性)の評価
既報の方法に従い(P. Loria, S. Miller, M. Foley and L. Tilley, Biochem. J. 1999, 339, 363-370)、各化合物のヘミン保護効果を評価した。ヘミン(最終濃度:15μM)の酢酸バッファー(160 mM, pH 5.2)溶液に化合物(最終濃度:0, 5, 10, 30, 50, 100μM)、BSA(最終濃度:0.8 mg/mL)を加え、20℃で1時間振とう後、過酸化水素(最終濃度:20 mM)を加え振とうし、ヘミンの吸光度経時変化(405 nm)を紫外可視吸光分析計で測定した。3回測定し、阻害率((各吸光度-PC)/(NC-PC))の平均値を求めプロットした(図3。PC:サンプル濃度0の時の吸光度、NC:サンプル濃度0・H2O2無しの時の吸光度)。新規化合物の2-quino-3Qは最も高い阻害率を示した。この結果は、新規化合物の作用メカニズムを示唆するとともに、新規化合物を合成するにあたって採用した戦略(ヘムとの親和性に基づくデザイン)の妥当性を裏づける。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の化合物は優れた抗マラリア活性を発揮する。従来、クロロキン耐性マラリアに対しては抗マラリア薬の多剤併用などで対処されるため、多剤併用による副作用リスクや薬剤費の増大が問題となっている。本発明が提供する化合物の内、特に有効なものはクロロキン耐性株に対しても強い活性を示す。従って、単剤投与で対処できる可能性があり、安全性や費用での面で有利といえる。一方、本発明の化合物の想定される作用メカニズム(π-πスタッキング能とカルボキシレートとの静電相互作用によるヘムポリマー化の阻害)考慮すると、マラリアに限らず、マラリアと類似のヘム毒性回避機構を有する住血吸虫に対しても有効であることを期待できる。また、マラリアのヘム毒性回避機構を研究する試薬の有効成分として本発明の化合物を利用することも想定される。
【0048】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2