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明細書 :新規なグルコース誘導体、および該誘導体を用いた細胞イメージング方法およびイメージング剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-205870 (P2015-205870A)
公開日 平成27年11月19日(2015.11.19)
発明の名称または考案の名称 新規なグルコース誘導体、および該誘導体を用いた細胞イメージング方法およびイメージング剤
国際特許分類 C07H  17/02        (2006.01)
A61K  51/00        (2006.01)
A61K  49/00        (2006.01)
FI C07H 17/02 CSP
A61K 49/02 C
A61K 49/00 A
請求項の数または発明の数 44
出願形態 OL
全頁数 81
出願番号 特願2015-078062 (P2015-078062)
出願日 平成27年4月6日(2015.4.6)
優先権出願番号 2014079071
優先日 平成26年4月8日(2014.4.8)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】山田 勝也
【氏名】佐々木 綾子
【氏名】豊島 正
【氏名】山本 敏弘
【氏名】大塚 祐治
出願人 【識別番号】504229284
【氏名又は名称】国立大学法人弘前大学
【識別番号】595125362
【氏名又は名称】株式会社ペプチド研究所
個別代理人の代理人 【識別番号】100102015、【弁理士】、【氏名又は名称】大澤 健一
審査請求 未請求
テーマコード 4C057
4C085
Fターム 4C057BB02
4C057CC03
4C057DD02
4C057KK09
4C085HH03
4C085HH11
4C085KA27
4C085KA29
4C085KB20
4C085KB55
4C085KB78
4C085LL18
要約 【課題】本発明は、糖の膜輸送系を介して細胞内に取り込まれる新規なグルコース誘導体を提供することを目的とする。本発明はまた、該グルコース誘導体を用いた、細胞または細胞内分子のイメージング剤およびイメージング方法を提供することを目的とする。本発明はさらには、該グルコース誘導体を用いたがん細胞を精度よく検出するための方法、およびその方法に用いるイメージング剤を提供することを目的とする。
【解決手段】クマリン骨格またはキノリン骨格をもつ蛍光分子団の7位にグルコースが結合した、D-グルコース誘導体およびL-グルコース誘導体が提供される。さらに、該誘導体を用いた細胞のイメージング剤およびイメージング方法が提供される。また、前記L-グルコース誘導体を用いたがん細胞のイメージング剤およびイメージング方法が提供される。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(1):
【化1】
JP2015205870A_000083t.gif
(式中、X-Y-Zは、O-C=O,NH-C=O、NR3-C=O、またはN=C-OR4であり、ここで、R3はC1-C5アルキルであり、R4はC1-C5アルキルである、
1およびR2は、各々独立に、水素、ハロゲン、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C1-C5ハロアルキル、C1-C5アルキルアミノ、シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チオフェニル、ピロリル、およびフラニルからなる群より選ばれる基であり、
Gは、下記式(G1)~(G4):
【化2】
JP2015205870A_000084t.gif
から選ばれる基である)
で表される化合物またはその塩であるグルコース誘導体。
【請求項2】
下記式(2):
【化3】
JP2015205870A_000085t.gif
(式中、XはO、NH、またはNR3であり、ここで、R3はC1-C5アルキルである、
1およびR2は、各々独立に、水素、ハロゲン、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C1-C5ハロアルキル、C1-C5アルキルアミノ、シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チオフェニル、ピロリル、およびフラニルからなる群より選ばれる基である。)
で表される化合物またはその塩である、請求項1に記載のグルコース誘導体。
【請求項3】
前記式(2)において、XがOである、請求項2に記載のグルコース誘導体。
【請求項4】
下記式(3):
【化4】
JP2015205870A_000086t.gif
(式中、R1およびR2は、各々独立に、水素、ハロゲン、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C1-C5ハロアルキル、C1-C5アルキルアミノ、シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チオフェニル、ピロリル、およびフラニルからなる群より選ばれる基であり、R4は、C1-C5アルキルである)
で表される化合またはその塩である請求項1に記載のグルコース誘導体。
【請求項5】
下記式(4):
【化5】
JP2015205870A_000087t.gif
(式中、XはO、NH、またはNR3であり、ここで、R3はC1-C5アルキルである、
1およびR2は、各々独立に、水素、ハロゲン、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C1-C5ハロアルキル、C1-C5アルキルアミノ、シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チオフェニル、ピロリル、およびフラニルからなる群より選ばれる基である。)
で表される化合物またはその塩である、請求項1に記載のグルコース誘導体。
【請求項6】
前記式(4)において、XがOである、請求項5に記載のグルコース誘導体。
【請求項7】
下記式(5):
【化6】
JP2015205870A_000088t.gif
(式中、R1およびR2は、各々独立に、水素、ハロゲン、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C1-C5ハロアルキル、C1-C5アルキルアミノ、シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チオフェニル、ピロリル、およびフラニルからなる群より選ばれる基であり、R4は、C1-C5アルキルである)
で表される化合物またはその塩である請求項1に記載のグルコース誘導体。
【請求項8】
以下に記載の化合物:
2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(CDG)、2,4-ジデオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-4-フルオロ-D-グルコース(4-F-CDG)、2,6-ジデオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-6-フルオロ-D-グルコース(6-F-CDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(QDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(3-MCDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(4-MCDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(3-TFMCDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(4-TFMCDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(3-MQDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(4-MQDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-トロフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(3-TFMQDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-トロフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(4-TFMQDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(CLG)、2,4-ジデオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-4-フルオロ-L-グルコース(4-F-CLG)、2,6-ジデオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-6-フルオロ-L-グルコース(6-F-CLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(QLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(3-MCLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(4-MCLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(3-TFMCLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(4-TFMCLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(3-MQLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(4-MQLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-トロフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(3-TFMQLG)、および2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-トロフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(4-TFMQLG)
からなる群より選ばれる請求項1に記載のグルコース誘導体。
【請求項9】
以下に記載の化合物:
2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(CDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(QDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(CLG)、および2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(QLG)、
からなる群より選ばれる請求項1に記載のグルコース誘導体。
【請求項10】
2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(CDG)、または2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(CLG)である請求項9に記載のグルコース誘導体。
【請求項11】
請求項1~10に記載のグルコース誘導体において、グルコースの2位、4位または6位のいずれか一つのヒドロキシ基が18Fに置換された放射性標識されたグルコース誘導体。
【請求項12】
2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-[11C]メチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(3-[11C]MCDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-[11C]メチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(4-[11C]MCDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-[18F]フルオロジフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(3-[18F]TFMCDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-[18F]フルオロジフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(4-[18F]TFMCDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-[11C]メチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(3-[11C]MQDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-[11C]メチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(4-[11C]MQDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-[18F]フルオロジフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(3-[18F]TFMQDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-[18F]フルオロジフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(4-[18F]TFMQDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-[11C]メチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(3-[11C]MCLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-[11C]メチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(4-[11C]MCLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-[18F]フルオロジフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(3-[18F]TFMCLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-[18F]フルオロジフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(4-[18F]TFMCLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-[11C]メチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(3-[11C]MQLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-[11C]メチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(4-[11C]MQLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-[18F]フルオロジフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(3-[18F]TFMQLG)、および2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-[18F]フルオロジフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(4-[18F]TFMQLG)から選ばれる放射性標識された請求項1に記載のグルコース誘導体。
【請求項13】
請求項1~10のいずれか一つに記載のグルコース誘導体を含む、標的細胞をイメージングするための組成物。
【請求項14】
請求項3または4に記載のグルコース誘導体を含む、標的細胞をイメージングするための組成物。
【請求項15】
請求項6または7に記載のグルコース誘導体を含む、標的細胞をイメージングするための組成物。
【請求項16】
請求項8に記載のグルコース誘導体を含む、標的細胞をイメージングするための組成物。
【請求項17】
請求項9に記載のグルコース誘導体を含む、標的細胞をイメージングするための組成物。
【請求項18】
前記グルコース誘導体が2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(CDG)または2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(CLG)である、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記グルコース誘導体が2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(QDG)または2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(QLG)である、請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
請求項11または12に記載のグルコース誘導体を含む、標的細胞をイメージングするための組成物。
【請求項21】
標的細胞をイメージングする方法であって、以下の工程、
a.標的細胞に、請求項1~12のいずれか一つに記載のグルコース誘導体を接触させる工程、および
b.該標的細胞内に存在するグルコース誘導体が発する蛍光を検出する工程、
を含む細胞のイメージング方法。
【請求項22】
前記グルコース誘導体が2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(CDG)または2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(CLG)である、請求項21に記載のイメージング方法。
【請求項23】
前記グルコース誘導体が2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(QDG)または2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(QLG)である、請求項21に記載のイメージング方法。
【請求項24】
前記工程aにおける組成物が、さらに別の蛍光標識グルコース誘導体を含み、かつ前記工程bが、標的細胞内に存在する少なくとも一つのグルコース誘導体を検出する工程である、請求項21~23に記載のイメージング方法。
【請求項25】
前記別の蛍光標識グルコース誘導体が、2-[N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-2-デオキシ-D-グルコース(2-NBDG)、2-[N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-2-デオキシ-L-グルコース(2-NBDLG)、2-デオキシ-2-[N-7-(N’,N’-ジメチルアミノスルホニル)ベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-D-グルコース(2-DBDG)、2-デオキシ-2-[N-7-(N’,N’-ジメチルアミノスルホニル)ベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-L-グルコース(2-DBDLG)、および、2位にスルホローダミン(好ましくは、スルホーダミン101、スルホーダミンB)をスルホンアミド結合せしめた2-アミノ-2-デオキシ-L-グルコースからなる群より選ばれる少なくとも一つのグルコース誘導体である、請求項24に記載のイメージング方法。
【請求項26】
前記グルコース誘導体の組合せが、蛍光として青色、緑色および赤色から選ばれる2色の色をそれぞれ発する2つのグルコース誘導体の組合せである、請求項25に記載のイメージング方法。
【請求項27】
前記グルコース誘導体の組合せが、蛍光として青色を発するグルコース誘導体と緑色を発するグルコース誘導体と赤色を発するグルコース誘導体の組合せである、請求項25に記載のイメージング方法。
【請求項28】
癌または癌細胞を検出するための方法であって、以下の工程、
a.標的細胞に、請求項3または4に記載のグルコース誘導体を含有する組成物を接触させる工程、および
b.該標的細胞内に存在する該グルコース誘導体を検出する工程、
を含む検出方法。
【請求項29】
前記グルコース誘導体が、CDG、QDG、3-TFMCDG、4-TFMCDG、3-TFMQDG、または4-TFMQDGである請求項28に記載の検出方法。
【請求項30】
前記グルコース誘導体がCDGである請求項29に記載の検出方法。
【請求項31】
癌または癌細胞を検出するための方法であって、以下の工程、
a.標的細胞に、請求項6または7に記載のグルコース誘導体を含有する組成物を接触させる工程、および
b.該標的細胞内に存在する該グルコース誘導体を検出する工程、
を含む検出方法。
【請求項32】
前記グルコース誘導体が、CLG、QLG、3-TFMCLG、4-TFMCLG、3-TFMQLG、または4-TFMQLGである請求項31に記載の検出方法。
【請求項33】
前記グルコース誘導体がCLGである上記32に記載の検出方法。
【請求項34】
前記工程bにおける検出が標的細胞をイメージングすることにより行う請求項28~33のいずれか一つに記載の検出方法。
【請求項35】
前記工程aにおける組成物が、さらに別の蛍光標識グルコース誘導体を含み、かつ前記工程bが、標的細胞内に存在する少なくとも一つのグルコース誘導体を検出する工程である、請求項28~34のいずれか一つに記載の検出方法。
【請求項36】
前記、別の蛍光標識グルコース誘導体が、2-[N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-2-デオキシ-D-グルコース(2-NBDG)、2-[N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-2-デオキシ-L-グルコース(2-NBDLG)、2-デオキシ-2-[N-7-(N’,N’-ジメチルアミノスルホニル)ベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-D-グルコース(2-DBDG)、2-デオキシ-2-[N-7-(N’,N’-ジメチルアミノスルホニル)ベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-L-グルコース(2-DBDLG)、および、2位にスルホローダミン(好ましくは、スルホーダミン101、スルホーダミンB)をスルホンアミド結合せしめた2-アミノ-2-デオキシ-L-グルコースからなる群より選ばれる少なくとも一つのグルコース誘導体である、請求項35に記載の検出方法。
【請求項37】
前記グルコース誘導体の組合せが、蛍光として青色、緑色および赤色から選ばれる2色の色をそれぞれ発する2つのグルコース誘導体の組合せである、請求項36に記載の検出方法。
【請求項38】
前記グルコース誘導体の組合せが、蛍光として青色を発するグルコース誘導体と緑色を発するグルコース誘導体と赤色を発するグルコース誘導体の組合せである、請求項36に記載の検出方法。
【請求項39】
標的がん細胞をイメージングするためのイメージング剤であって、請求項3または4に記載のグルコース誘導体を含むがん細胞のイメージング剤。
【請求項40】
前記グルコース誘導体が、CDG、QDG、3-TFMCDG、4-TFMCDG、3-TFMQDD、または4-TFMQDGである請求項39に記載のイメージング剤。
【請求項41】
前記グルコース誘導体がCDGである請求項40に記載のイメージング剤。
【請求項42】
標的がん細胞をイメージングするためのイメージング剤であって、請求項6または7に記載のグルコース誘導体を含むがん細胞のイメージング剤。
【請求項43】
前記グルコース誘導体が、CLG、QLG、3-TFMCLG、4-TFMCLG、3-TFMQLD、または4-TFMQLGである請求項42に記載のイメージング剤。
【請求項44】
前記グルコース誘導体がCLGである請求項43に記載のイメージング剤。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なグルコース誘導体に関する。本発明はまた、新規なグルコース誘導体を用いた細胞イメージング方法およびイメージング剤に関する。本発明はまた、新規なグルコース誘導体を用いてがん細胞を検出および/またはイメージングする方法およびそのためのイメージング剤に関する。
【背景技術】
【0002】
生きた細胞を対象に、細胞を可視化イメージングする、或いは、生体内の分子をターゲットにした可視化イメージングで分子動態、分子間相互作用、分子位置情報を明らかにし、生命科学機構の解明や創薬スクリーニングに繋げようとする分子イメージングが活発に行われている。また特に、異常をきたした細胞、例えばがん細胞を可視化してがん細胞やがん部位を検出するための研究も活発に行われている。
【0003】
本発明者らのグループは、生きた細胞のD-グルコースの動的な取り込みプロセスの研究に使用することができる方法として、D-デオキシグルコースの2位に蛍光発色団としてN-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ基を結合せしめた、緑色の蛍光を発する2-[N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-2-デオキシ-D-グルコース(2-NBDG)を用いる方法を提案し、その有用性を哺乳動物の各種の細胞を用いて実証した(非特許文献1)。
【0004】
この方法は、2-NBDGが生きた細胞内に選択的に取り込まれる性質を利用したものであり、取り込みによる蛍光強度の変化を追跡することで細胞のD-グルコースの取り込みについての動的活動を定量的に知ることができることから、生物がD-グルコースをどのようにして細胞内に取り込んで利用するのかを研究する上での画期的な方法として世界中の研究者に評価され、今や、この研究分野において欠かすことができない標準的なプロトコルとして位置付けられている(非特許文献2)。
【0005】
現在までの蛍光D-グルコース誘導体開発の歴史において、緑色の蛍光基NBDを結合したD-グルコース誘導体2-NBDGならびに6-NBDGの他には、細胞内にグルコーストランスポーターGLUTを介して輸送されることが国際的に認知され、様々な追試を受けたものは存在しない。更に、がんのPET検査で用いられるFDGと同様に、細胞内に取り込まれた後リン酸化されることが示されている分子は2-NBDG以外に存在しない。このため、2-NBDGは、基礎科学分野への利用目的に留まらず、臨床医学における腫瘍細胞イメージングへの応用可能性が早くから示唆され(非特許文献3、特許文献1など)、がんの画像診断に応用しようとする試みも多数なされている。(非特許文献4,5)
【0006】
2-NBDG以外の分子でGLUT通過が期待される化合物として、発明者らはNBDの類縁体であるDBDをD-グルコースに結合した分子2-DBDG(2-[N-7-(N’,N’-ジメチルアミノスルホニル)ベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-2-デオキシ-D-グルコース)を開発してその性質を報告した(特許文献2)。しかし、2-DBDGは蛍光波長が2-NBDGよりわずかに長波長側にシフトするものの、2-NBDGとスペクトルのオーバーラップが大きく、2-NBDGと同時に使用した場合に両者を識別する上で問題がある。
【0007】
実際、NBD以外の様々な蛍光分子を結合したD-グルコース誘導体もこれまでに提案されてきた。特に、より組織透過度の高い近赤外領域に蛍光極大を有するプローブを結合した分子、あるいは二光子顕微鏡を用いた励起に適した分子、2-NBDGより強力な蛍光を発する分子等の開発が繰り広げられてきた。しかしながら、これらのD-グルコース誘導体分子は2-NBDGよりはるかに大きな分子サイズを有するため、その細胞内への取り込み機構は、食作用や、あるいはタンパクに結合した状態でinternalizationによって取り込まれる等、GLUT以外の経路を介して細胞内に取り込まれるものと推定されている(非特許文献6)。
【0008】
また、緑色や赤色、近赤外の蛍光スペクトルを有する分子の他に、青色の蛍光スペクトルを有するクマリン誘導体分子をD-グルコースに結合した蛍光グルコース誘導体も報告されている(Esculin、Fraxin、およびWO2012/70024号公報(特許文献3)記載の化合物)。しかしながら、これらの誘導体はGLUTを介して細胞内に取り込まれるのもではなく、これまでに青色の蛍光分子団を分子内に有する糖誘導体であって、かつGLUTを通過する分子は報告されていない。
【0009】
また、グルコースにキノリン誘導体分子が結合した物質として、G. Wagnerら(非特許文献7)により下記の物質:
【0010】
【化1】
JP2015205870A_000003t.gif
が、Roman Kimmelら(非特許文献8)により下記の物質:
【0011】
【化2】
JP2015205870A_000004t.gif
が報告されているが、これらはいずれもグルコースの1位に、直接または酸素原子を介してキノリン誘導体が結合した構造であり、いずれもGLUTを介して細胞内に取り込まれることは報告されていない。
【0012】
一方、本発明者らによって、グルコースに、3-カルボキシ-6,8-ジフルオロ-7-ヒドロキシクマリン(パシフィックブルー)又は3-カルボキシメチル-6,8-ジフルオロ-7-ヒドロキシ-4-メチルクマリン(マリーナブルー)を、アミド結合を介してグルコースに結合した化合物が提案され、PCT/JP2013/076629として特許出願されている。
【先行技術文献】
【0013】

【特許文献1】米国特許第6,989,140号明細書
【特許文献2】WO2010/16587号公報
【特許文献3】WO2012/70024号公報
【特許文献4】WO2012/133688号公報
【0014】

【非特許文献1】Yamada K. et al., J. Biol. Chem. 275:22278-22283, 2000
【非特許文献2】Yamada K. et al., Nat. Protoc. 2:753-762, 2007
【非特許文献3】O’Neil et al, Mol. Imaging Biol. 7:388-392.
【非特許文献4】Sheth et al, J. Biomed. Opt.14:064014-1-8, 2009.
【非特許文献5】Nitin et al, Int. J. Cancer 2009.
【非特許文献6】Cheng Z. et al. Bioconjugate Chem. 17: 662-669, 2006
【非特許文献7】G. Wagner, et al., Archiv der Pharmazie, 298(8), 481-491(1965)
【非特許文献8】Roman Kimmel, et. al., Carbohydr. Res., 345, 768-779(2010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、細胞内へ糖の膜輸送系を介して取り込まれる新たなグルコース誘導体を提供することを目的とする。本発明はまた、そのようなグルコース誘導体を用いた細胞のイメージング方法およびイメージング剤を提供することを目的とする。本発明はさらには、イメージングによりがん細胞を精度よく検出するための方法、およびその方法に用いるイメージング剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、上記の点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する新規なグルコース誘導体が、糖の膜輸送系を介して細胞内へ取り込まれることを見いだし、本発明を完成した。本発明者らはまた、新規グルコース誘導体を用いることにより、細胞を精度良くイメージングできることを見いだし、本発明を完成した。
【0017】
本発明は、以下の通りである。
1.下記式(1):
【0018】
【化3】
JP2015205870A_000005t.gif
(式中、X-Y-Zは、O-C=O,NH-C=O、NR3-C=O、またはN=C-OR4であり、ここで、R3はC1-C5アルキルであり、R4はC1-C5アルキルである、
1およびR2は、各々独立に、水素、ハロゲン、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C1-C5ハロアルキル、C1-C5アルキルアミノ、シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チオフェニル、ピロリル、およびフラニルからなる群より選ばれる基であり、
Gは、下記式(G1)~(G4):
【0019】
【化4】
JP2015205870A_000006t.gif
から選ばれる基である)
で表される化合物またはそれらの塩から選ばれるグルコース誘導体。
2.下記式(2):
【0020】
【化5】
JP2015205870A_000007t.gif
(式中、XはO、NH、またはNR3であり、ここで、R3はC1-C5アルキルである、
1およびR2は、各々独立に、水素、ハロゲン、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C1-C5ハロアルキル、C1-C5アルキルアミノ、シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チオフェニル、ピロリル、およびフラニルからなる群より選ばれる基である。)
で表される化合物またはその塩である、上記1に記載のグルコース誘導体。
3.前記式(2)において、XがOである、上記2に記載のグルコース誘導体。
4.下記式(3):
【0021】
【化6】
JP2015205870A_000008t.gif
(式中、R1およびR2は、各々独立に、水素、ハロゲン、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C1-C5ハロアルキル、C1-C5アルキルアミノ、シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チオフェニル、ピロリル、およびフラニルからなる群より選ばれる基であり、R4は、C1-C5アルキルである)
で表される化合またはその塩である上記1に記載のグルコース誘導体。
5.下記式(4):
【0022】
【化7】
JP2015205870A_000009t.gif
(式中、XはO、NH、またはNR3であり、ここで、R3はC1-C5アルキルである、
1およびR2は、各々独立に、水素、ハロゲン、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C1-C5ハロアルキル、C1-C5アルキルアミノ、シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チオフェニル、ピロリル、およびフラニルからなる群より選ばれる基である。)
で表される化合物またはその塩である、上記1に記載のグルコース誘導体。
6.前記式(4)において、XがOである、上記5に記載のグルコース誘導体。
7.下記式(5):
【0023】
【化8】
JP2015205870A_000010t.gif
(式中、R1およびR2は、各々独立に、水素、ハロゲン、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C1-C5ハロアルキル、C1-C5アルキルアミノ、シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チオフェニル、ピロリル、およびフラニルからなる群より選ばれる基であり、R4は、C1-C5アルキルである)
で表される化合物またはその塩である上記1に記載のグルコース誘導体。
【0024】
8.以下に記載の化合物:
2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-フェニル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(ピリジン-2-イル)-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(ピリジン-4-イル)-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(チオフェン-2-イル)-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(フラン-2-イル)-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(ピロール-2-イル)-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-フェニル-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(ピリジン-2-イル)-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(ピリジン-4-イル)-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(チオフェン-2-イル)-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(フラン-2-イル)-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(ピロール-2-イル)-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-フェニル-4-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(ピリジン-2-イル)-4-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(ピリジン-4-イル)-4-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(チオフェン-2-イル)-4-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(フラン-2-イル)-4-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(ピロール-2-イル)-4-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、
2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-ヨード-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-ヨード-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-ホルミル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-ホルミル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-エテニル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-エテニル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-エチニル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-エチニル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3,4-ジメチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-アセチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-アセチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-シクロプロパニル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-シクロプロパニル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-メチル-4-アセチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-アセチル-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-プロペニル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-プロペニル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-トリフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-トリフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-フェニル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(ピリジン-2-イル)-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(ピリジン-4-イル)-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(チオフェン-2-イル)-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(フラン-2-イル)-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(ピロール-2-イル)-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-フェニル-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(ピリジン-2-イル)-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(ピリジン-4-イル)-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(チオフェン-2-イル)-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(フラン-2-イル)-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(ピロール-2-イル)-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-フェニル-4-トリフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(ピリジン-2-イル)-4-トリフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(ピリジン-4-イル)-4-トリフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(チオフェン-2-イル)-4-トリフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(フラン-2-イル)-4-トリフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(ピロール-2-イル)-4-トリフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-ヨード-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-ヨード-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-ホルミル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-ホルミル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-エテニル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-エテニル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-エチニル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-エチニル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3,4-ジメチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-アセチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-アセチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-シクロプロパニル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-シクロプロパニル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-アセチル-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-メチル-4-アセチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-プロペニル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-プロペニル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-メトキシキノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-フェニル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(ピリジン-2-イル)-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(ピリジン-4-イル)-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(チオフェン-2-イル)-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(フラン-2-イル)-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(ピロール-2-イル)-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-フェニル-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(ピリジン-2-イル)-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(ピリジン-4-イル)-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(チオフェン-2-イル)-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(フラン-2-イル)-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(ピロール-2-イル)-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-フェニル-4-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(ピリジン-2-イル)-4-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(ピリジン-4-イル)-4-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(チオフェン-2-イル)-4-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(フラン-2-イル)-4-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-(ピロール-2-イル)-4-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-ヨード-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-ヨード-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-ホルミル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-ホルミル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-エテニル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-エテニル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-エチニル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-エチニル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3,4-ジメチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-アセチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコー
ス、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-アセチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-シクロプロパニル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-シクロプロパニル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-メチル-4-アセチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-アセチル-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-プロペニル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-プロペニル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-トリフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-トリフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-フェニル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(ピリジン-2-イル)-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(ピリジン-4-イル)-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(チオフェン-2-イル)-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(フラン-2-イル)-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(ピロール-2-イル)-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-フェニル-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(ピリジン-2-イル)-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(ピリジン-4-イル)-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(チオフェン-2-イル)-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(フラン-2-イル)-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(ピロール-2-イル)-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-フェニル-4-トリフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(ピリジン-2-イル)-4-トリフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(ピリジン-4-イル)-4-トリフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(チオフェン-2-イル)-4-トリフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(フラン-2-イル)-4-トリフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-(ピロール-2-イル)-4-トリフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-ヨード-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-ヨード-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-ホルミル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-ホルミル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-エテニル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-エテニル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-エチニル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-エチニル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3,4-ジメチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-アセチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-アセチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-シクロプロパニル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-シクロプロパニル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-アセチル-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-メチル-4-アセチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-プロペニル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-プロペニル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、
2-デオキシ-2-(1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース、および、2-デオキシ-2-(2-メトキシキノリン-7-イル)アミノ-L-グルコースからなる群より選ばれる上記1に記載のグルコース誘導体。
【0025】
9.以下に記載の化合物:
2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(本明細書では、CDGともいう。)、2,4-ジデオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-4-フルオロ-D-グルコース(4-F-CDG)、2,6-ジデオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-6-フルオロ-D-グルコース(6-F-CDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(QDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(3-MCDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(4-MCDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(3-TFMCDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(4-TFMCDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(3-MQDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(4-MQDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-トロフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(3-TFMQDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-トロフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(4-TFMQDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(CLG)、2,4-ジデオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-4-フルオロ-L-グルコース(4-F-CLG)、2,6-ジデオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-6-フルオロ-L-グルコース(6-F-CLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(QLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(3-MCLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-メチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(4-MCLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(3-TFMCLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-トリフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(4-TFMCLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(3-MQLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-メチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(4-MQLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-トロフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(3-TFMQLG)、および、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-トロフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(4-TFMQLG)
からなる群より選ばれる上記1に記載のグルコース誘導体。
10.2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(CDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(QDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(CLG)、または2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(QLG)である上記9に記載のグルコース誘導体。
11.上記1~10に記載のグルコース誘導体において、グルコースの2位、4位または6位のいずれか一つのヒドロキシ基またはフッ素基が、18Fに置換された(好ましくは、2,4-ジデオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-4-[18F]フルオロ-D-グルコース(4-18F-CDG)、2,4-ジデオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-4-[18F]フルオロ-L-グルコース(4-18F-CLG)、2,6-ジデオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-6-[18F]フルオロ-D-グルコース(6-18F-CDG)、または2,6-ジデオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-6-[18F]フルオロ-L-グルコース(6-18F-CLG)である)放射性標識されたグルコース誘導体。
12.上記1~9に記載のグルコース誘導体において、R1またはR2が、11CH3またはCF218Fである(好ましくは、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-[11C]メチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(3-[11C]MCDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-[11C]メチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(4-[11C]MCDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-[18F]フルオロジフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(3-[18F]TFMCDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-[18F]フルオロジフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(4-[18F]TFMCDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-[11C]メチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(3-[11C]MQDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-[11C]メチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(4-[11C]MQDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-[18F]フルオロジフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(3-[18F]TFMQDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-[18F]フルオロジフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(4-[18F]TFMQDG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-[11C]メチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(3-[11C]MCLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-[11C]メチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(4-[11C]MCLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-3-[18F]フルオロジフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(3-[18F]TFMCLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-4-[18F]フルオロジフルオロメチル-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(4-[18F]TFMCLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-[11C]メチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(3-[11C]MQLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-[11C]メチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(4-[11C]MQLG)、2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-[18F]フルオロジフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(3-[18F]TFMQLG)、または2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-4-[18F]フルオロジフルオロメチル-キノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(4-[18F]TFMQLG)である)放射性標識されたグルコース誘導体。
【0026】
13.上記1~12のいずれか一つに記載のグルコース誘導体を含む、標的細胞をイメージングするための組成物。
14.上記3または4に記載のグルコース誘導体を含む、標的細胞をイメージングするための組成物。
15.上記6または7に記載のグルコース誘導体を含む、標的細胞をイメージングするための組成物。
16.上記9に記載のグルコース誘導体を含む、標的細胞をイメージングするための組成物。
17.上記10に記載のグルコース誘導体を含む、標的細胞をイメージングするための組成物。
18.前記グルコース誘導体が2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(CDG)または2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(CLG)である、上記17に記載の組成物。
19.前記グルコース誘導体が2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(QDG)または2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(QLG)である、上記17に記載の組成物。
20.上記11または12に記載の放射性標識されたグルコース誘導体を含む、標的細胞をイメージングするための組成物。
【0027】
21.標的細胞をイメージングする方法であって、以下の工程、
a.標的細胞に、上記1~12のいずれか一つに記載のグルコース誘導体を接触させる工程、および
b.該標的細胞内に存在するグルコース誘導体が発する蛍光を検出する工程、
を含む細胞のイメージング方法。
22.前記グルコース誘導体が2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(CDG)または2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(CLG)である、上記21に記載のイメージング方法。
23.前記グルコース誘導体が2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(QDG)または2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(QLG)である、上記21に記載のイメージング方法。
24.前記工程aにおける組成物が、さらに別の蛍光標識グルコース誘導体を含み、かつ前記工程bが、標的細胞内に存在する少なくとも一つのグルコース誘導体を検出する工程である、上記21~23のいずれか一つに記載のイメージング方法。
25.前記別の蛍光標識グルコース誘導体が、2-[N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-2-デオキシ-D-グルコース(2-NBDG)、2-[N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-2-デオキシ-L-グルコース(2-NBDLG)、2-デオキシ-2-[N-7-(N’,N’-ジメチルアミノスルホニル)ベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-D-グルコース(2-DBDG)、2-デオキシ-2-[N-7-(N’,N’-ジメチルアミノスルホニル)ベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-L-グルコース(2-DBDLG)、および、2位にスルホローダミン(好ましくは、スルホーダミン101、スルホーダミンB)をスルホンアミド結合せしめた2-アミノ-2-デオキシ-L-グルコースからなる群より選ばれる少なくとも一つのグルコース誘導体である、上記24に記載のイメージング方法。
26.前記グルコース誘導体の組合せが、蛍光として青色、緑色および赤色から選ばれる2色の色をそれぞれ発する2つのグルコース誘導体の組合せである、上記25に記載のイメージング方法。
27.前記グルコース誘導体の組合せが、蛍光として青色を発するグルコース誘導体と緑色を発するグルコース誘導体と赤色を発するグルコース誘導体の組合せである、上記25に記載のイメージング方法。
【0028】
28.癌または癌細胞を検出するための方法であって、以下の工程、
a.標的細胞に、上記3または4に記載のグルコース誘導体を含有する組成物を接触させる工程、および
b.該標的細胞内に存在する該グルコース誘導体を検出する工程、
を含む検出方法。
29.前記グルコース誘導体が、CDG、QDG、3-TFMCDG、4-TFMCDG、3-TFMQDG、または4-TFMQDGである上記28に記載の検出方法。
30.前記グルコース誘導体がCDGである上記29に記載の検出方法。
31.癌または癌細胞を検出するための方法であって、以下の工程、
a.標的細胞に、上記6または7に記載のグルコース誘導体を含有する組成物を接触させる工程、および
b.該標的細胞内に存在する該グルコース誘導体を検出する工程、
を含む検出方法。
32.前記グルコース誘導体が、CLG、QLG、3-TFMCLG、4-TFMCLG、3-TFMQLG、または4-TFMQLGである上記29に記載の検出方法。
33.前記グルコース誘導体がCLGである上記32に記載の検出方法。
34.前記工程bにおける検出が標的細胞をイメージングすることにより行う上記28~33のいずれか一つに記載の検出方法。
35.前記工程aにおける組成物が、さらに別の蛍光標識グルコース誘導体を含み、かつ前記工程bが、標的細胞内に存在する少なくとも一つのグルコース誘導体を検出する工程である、上記28~34のいずれか一つに記載の検出方法。
36.前記、別の蛍光標識グルコース誘導体が、2-[N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-2-デオキシ-D-グルコース(2-NBDG)、2-[N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-2-デオキシ-L-グルコース(2-NBDLG)、2-デオキシ-2-[N-7-(N’,N’-ジメチルアミノスルホニル)ベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-D-グルコース(2-DBDG)、2-デオキシ-2-[N-7-(N’,N’-ジメチルアミノスルホニル)ベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-L-グルコース(2-DBDLG)、および、2位にスルホローダミン(好ましくは、スルホーダミン101、スルホーダミンB)をスルホンアミド結合せしめた2-アミノ-2-デオキシ-L-グルコースからなる群より選ばれる少なくとも一つのグルコース誘導体である、上記35に記載の検出方法。
37.前記グルコース誘導体の組合せが、蛍光として青色、緑色および赤色から選ばれる2色の色をそれぞれ発する2つのグルコース誘導体の組合せである、上記36に記載の検出方法。
38.前記グルコース誘導体の組合せが、蛍光として青色を発するグルコース誘導体と緑色を発するグルコース誘導体と赤色を発するグルコース誘導体の組合せである、上記36に記載の検出方法。
39.標的がん細胞をイメージングするためのイメージング剤であって、上記3または4に記載のグルコース誘導体を含むがん細胞のイメージング剤。
40.前記グルコース誘導体が、CDG、QDG、4-F-CDG、6-F-CDG、4-F-QDG、6-F-QDG、3-TFMCDG、4-TFMCDG、3-TFMQDD、または4-TFMQDGである上記39に記載のイメージング剤。
41.前記グルコース誘導体がCDGである上記40に記載のイメージング剤。
42.標的がん細胞をイメージングするためのイメージング剤であって、上記6または7に記載のグルコース誘導体を含むがん細胞のイメージング剤。
43.前記グルコース誘導体が、CLG、QLG、4-F-CLG、6-F-CLG、4-F-QLG、6-F-QLG、3-TFMCLG、4-TFMCLG、3-TFMQLD、または4-TFMQLGである上記42に記載のイメージング剤。
44.前記グルコース誘導体がCLGである上記43に記載のイメージング剤。
45.上記11または12に記載の放射性標識されたグルコース誘導体を含む、がんのPET検査用イメージング剤。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、糖の膜輸送系を介して細胞内へ取り込まれる新たなグルコース誘導体が提供され、さらには、細胞または細胞内の分子を高いコントラストで識別できるイメージング方法およびイメージング剤が提供される。本発明によればまた、がん細胞を高いコントラストで識別できる方法およびそのためのイメージング剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】CDG、QDGおよび2-NBDLGの蛍光スペクトルの比較を示す。
【図2】CDG(100μM)のマウスインスリノーマ細胞(MIN6)への取り込み、および取り込みに対するグルコース輸送阻害剤の影響を確認した結果である。Aは、CDGの取り込みと阻害剤であるサイトカラシンB(CB)の影響を確認した結果であり、Bは、CDGの取り込みと阻害剤であるフロレチン(PHT)の影響を確認した結果であり、Cは、CDGまたはCLGの取り込みと阻害剤であるフロレチン(PHT)の影響を確認した結果である。
【図3】緑色蛍光D-グルコース誘導体2-NBDGのマウスインスリノーマ細胞(MIN6)への取り込み、および取り込に対するCBまたはPHTによる阻害効果を調べた結果である。
【図4】CDGまたはCLGのマウスインスリノーマ細胞(MIN6)への取り込み、およびそれに対する過剰D-グルコースまたはL-グルコースの影響を確認した結果である。
【図5】QDG(100μM)のマウスインスリノーマ細胞(MIN6)への取り込み、および取り込みに対するグルコース輸送阻害剤の影響を確認した結果である。Aは、サイトカラシンB(CB)の影響を確認した結果であり、Bは、フロレチン(PHT)の影響を確認した結果である。
【図6】CDG+2-NBDLG+2-TRLGの混合溶液を、スフェロイド形成したMIN6細胞塊に3分間投与した後、混合溶液の洗い流しを開始して6分後の蛍光顕微鏡像を示している。A、B、Cは、それぞれ青色蛍光を発するCDG、緑色蛍光を発する2-NBDLG、赤色蛍光を発する2-TRLGの細胞内への取り込みの様子を示している。Dは、微分干渉コントラスト(DIC)像である。
【図7】図6Aと6Bのの重ね書き像である。ただし、CDGと2-NBDLGの局在について見やすくするため、CDGの取り込みを青色の代わりに赤色で表現している。
【図8】CLG+2-NBDLG+2-TRLGの混合溶液を、スフェロイド形成したMIN6細胞塊に3分間投与した後、混合溶液の洗い流しを開始して6分後の蛍光顕微鏡像を示している。A、B、Cは、それぞれ青色蛍光を発するCLG、緑色蛍光を発する2-NBDLG、赤色蛍光を発する2-TRLGの細胞内への取り込みの様子を示している。Dは、微分干渉コントラスト(DIC)像である。
【図9】CLG+2-TRLGの混合溶液を、急性単離した正常神経細胞に投与する前、ならびに混合溶液を3分間投与し、洗い流しを開始してから8分後に、細胞の発する蛍光をCLGの観察に適した青色蛍光波長領域で観察したものである。Aは混合溶液投与前の自家蛍光像で、矢印は二つの正常神経細胞を、また*は死滅した細胞の破片を示す。Bは、細胞の位置をわかりやすくするために、Aに微分干渉コントラスト(DIC)像を重ねあわせたものである。Cは、混合溶液の洗い流し開始後8分の時点での青色蛍光像、Dは、CにDIC像を重ねあわせたものである。
【図10】図9におけるCLG+2-TRLG混合溶液投与前後の細胞の示す蛍光強度の変化を、2-TRLGの観察に適した赤色蛍光波長領域で観察した蛍光顕微鏡像である。Aは混合溶液投与前の自家蛍光を示している。Bは、細胞の位置をわかりやすくするために、Aに微分干渉コントラスト(DIC)像を重ねあわせたものである。Cは、混合溶液の洗い流し開始後8分の時点での赤色蛍光像、Dは、CにDIC像を重ねあわせたものである。なお各画像中央部の強い赤色は、微弱な赤色蛍光を感度を上げて撮影したために、照射光の一部が蛍光フィルターを通過して検出器側に漏れ込んだものである。
【図11】図11は、急性単離した正常神経細胞(矢印)に対し、CDG+2-TRLGの混合溶液を3分間投与した際の細胞の示す蛍光強度の投与前後における変化を、CDGの発する青色蛍光の波長領域(Blue channel)で観察した結果である。
【図12】図12は、図11における混合溶液投与前後の蛍光変化を、2-TRLGの発する赤色蛍光の波長領域(Red channel)において同時に観察した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書において、「標的細胞」とは、標的とする細胞そのものおよびその細胞内に存在する種々の器官や分子を含む意味で用いられる。従って、本明細で「(標的)細胞をイメージングする」と言った場合は、標的となる細胞そのものおよびその細胞内に存在する種々の器官や分子など、のいずれか一つ以上をイメージングすることを含む意味で用いられる。
イメージングの対象としては、例えば、標的となる、細胞膜および/または細胞内の領域であるCytosol、細胞内の小器官(いわゆるオルガネラ(Organelle)であって、例えば、核、小胞体、ゴルジ体、エンドソーム、ライソソーム、ミトコンドリア、ペルオキシソーム、オートファゴソーム(autophagosome)、グライコソーム(glycosome)、プロテアソーム、空胞(vacuole)、葉緑体、グリオキシソーム等の構造体内部および/またはこれらの構造体を囲む生体膜をあげることができる)、細胞内小器官の内部および/または表面の構造体(例えば、核小体、リボソーム等をあげることができる)、標的細胞内分子(例えば、細胞の内側、すなわち細胞質または核内に存在する分子、および標的細胞の細胞膜中に存在する分子、標的細胞の細胞膜上に存在する分子)をあげることができ、本発明のグルコース誘導体は、これらのうち少なくとも1以上をイメージングするために用いることができる。イメージングの対象は、好ましくは、細胞膜および/または細胞内の領域であるCytosol、細胞内の小器官、細胞内小器官の内部および/または表面の構造体であり、特に好ましくは、Cytosol、核である。

【0032】
(I)グルコース誘導体
本発明のグルコース誘導体は、下記式(1):

【0033】
【化9】
JP2015205870A_000011t.gif
で示される化合物またはその塩である。
ここで、式(1)中、X-Y-Zは、O-C=O,NH-C=O、NR3-C=O、またはN=C-OR4であり、ここで、R3はC1-C5アルキルであり、R4はC1-C5アルキルである。
また、R1およびR2は、各々独立に、水素、ハロゲン、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C1-C5ハロアルキル、C1-C5アルキルアミノ、シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チオフェニル、ピロリル、およびフラニルからなる群より選ばれる。
このような構造を取ることにより、本発明のグルコース誘導体は、その分子内に、蛍光発色団を有する。

【0034】
上記式(1)中、Gは、D-アミノ-グルコースまたはL-アミノーグルコースであり、本発明のグルコース誘導体は、グルコースの2位または6位に、アミノ基を介して蛍光発色団を持つが、好ましくは2位にアミノ基を介して蛍光発色団をもつ。具体的には、Gは、下記式(G1)~(G4)の何れかの構造である。

【0035】
【化10】
JP2015205870A_000012t.gif
上記式中、Ra、Rbは、ヒドロキシまたはフッ素であるが、一方がフッ素の場合は他方はヒドロキシである。好ましくは、Ra、Rbは、共にヒドロキシである。

【0036】
本発明のグルコース誘導体は、上記式(1)中、X-Y-Zは、O-C=O,NH-C=O、NR3-C=O、またはN=C-OR4(ここで、R3はC1-C5アルキルであり、R4はC1-C5アルキルである)であるが、好ましくは、O-C=O,NH-C=O、N(CH3)-C=Oであり、特に好ましくは、O-C=OまたはNH-C=Oである。

【0037】
本発明のグルコース誘導体は、上記式(1)中、R1およびR2は、各々独立に、水素、ハロゲン、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C1-C5ハロアルキル、C1-C5アルキルアミノ、シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チオフェニル、ピロリル、およびフラニルからなる群より選ばれるが、好ましくは、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニルまたはC1-C5ハロアルキルであり、より好ましくは、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素、C1-C5アルキルまたはC1-C5ハロアルキルであり、さらに好ましくは、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素、メチル、フルオロメチルであり、特に好ましくはR1およびR2が水素である。

【0038】
本発明のグルコース誘導体の特徴は、蛍光発色団を、グルコースの2位または6位に、NHを介して直接結合していることである。これにより、本発明のグルコース誘導体は、GLUT等の糖の膜輸送系を介して細胞内に取り込まれる。

【0039】
本発明のグルコース誘導体の好ましい態様は以下の化合物である。

【0040】
【化11】
JP2015205870A_000013t.gif
2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-D-グルコース(CDGとよぶ)(D-グルコース誘導体)と2-デオキシ-2-(2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)アミノ-L-グルコース(CLGとよぶ)(L-グルコース誘導体)は、鏡像異性体の関係にあり、最大励起波長(Ex max)と最大蛍光波長(Em max)はともに、366.5nm(Ex max)および454.5nm(Em max)である。

【0041】
本発明のグルコース誘導体の別の好ましい態様は以下の化合物である。

【0042】
【化12】
JP2015205870A_000014t.gif
2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)アミノ-D-グルコース(QDGとよぶ)(D-グルコース誘導体)と2-デオキシ-2-(2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)アミノ-L-グルコース(QLGとよぶ)(L-グルコース誘導体)は、鏡像異性体の関係にあり、最大励起波長(Ex max)と最大蛍光波長(Em max)はともに、353.5nm(Ex max)および423.0nm(Em max)である。

【0043】
本発明のグルコース誘導体の別の他の好ましい態様としては、上記CDG、CLG、QDGまたはQLGにおいて、クマリン骨格またはキノリン骨格の、3位または4位に置換基を有する化合物をあげることができる。置換基としては、例えば、ハロゲン、アセチル、ホルミル、アリル、エチニル、プロペニル、メチル、フルオロメチル、シクロアルキル、フェニル、ピリジル、チオフェニル、ピロリル、フラニルをあげることができるが、特に好ましくは、メチル、フルオロメチルである。

【0044】
本発明のグルコース誘導体の好ましい態様として、例えば、以下の化合物をあげることができる。

【0045】
【表1】
JP2015205870A_000015t.gif

【0046】
【表2】
JP2015205870A_000016t.gif

【0047】
【表3】
JP2015205870A_000017t.gif

【0048】
【表4】
JP2015205870A_000018t.gif

【0049】
【表5】
JP2015205870A_000019t.gif

【0050】
【表6】
JP2015205870A_000020t.gif

【0051】
【表7】
JP2015205870A_000021t.gif

【0052】
【表8】
JP2015205870A_000022t.gif

【0053】
【表9】
JP2015205870A_000023t.gif

【0054】
【表10】
JP2015205870A_000024t.gif

【0055】
【表11】
JP2015205870A_000025t.gif
本発明のグルコース誘導体は、特に好ましくは、CDG、CLG、QDGまたはQLGから選ばれる。

【0056】
本発明のグルコース誘導体は、任意の溶液、例えば、水、含水ジメチルスルホキシド等の溶媒に溶解して用いることができ、また、細胞または細胞内分子のイメージングにおいて用いる溶媒や溶液中、特には緩衝液中でも安定であるので、イメージング剤として適している。

【0057】
以下、本発明のD-グルコース誘導体の合成方法を中心に説明するが、本発明のL-グルコース誘導体は、原料としてL体の糖を用いることにより合成できる。

【0058】
グルコースへのクマリン骨格またはキノリン骨格を有する蛍光分子団の結合位置は、グルコースの2位または6位のいずれかであるが、好ましくは2位である。また合成は、2位の誘導体は、グルコサミンを用いて、6位の誘導体は、6-デオキシ-6-アミノ-グルコース誘導体を用いて行うことができる。
グルコサミンは、D-グルコサミンまたはL-グルコサミンを用いることができる。D-グルコサミンは、合成したD-グルコサミンまたは市販のD-グルコサミンを用いることができる。L—グルコサミンは、WO2010/16587号公報(特許文献2)に記載の方法、またはWO2012/133688号公報(特許文献4)に記載の方法により合成することができる(これらの公報または出願明細書の記載は引用することにより本明細書の一部である)。なお、WO2012/133688号公報に記載のL-グルコサミンの合成方法は以下の通りである。

【0059】
【化13】
JP2015205870A_000026t.gif

【0060】
また、6-デオキシ-6-アミノ-グルコース誘導体は、これに限定されないが、例えば以下のようにして、グルコースから7段階を経て合成することができる。グルコースの1位水酸基をメチルグリコシドとし、4位と6位をベンジリデン基、2位と3位をイソプロピリデン基で保護し、ベンジリデン基を脱保護し、6位をトルエンスルホニル基としアジド基へと変換し、アジド基をアミノ基へ還元することで合成することができる。グルコースは、市販のD-グルコースまたは市販のL-グルコースを用いることができる。

【0061】
【化14】
JP2015205870A_000027t.gif

【0062】
本発明のD-グルコース誘導体は、これに限定されないが、例えば以下のようにして合成できる。
蛍光発色団であるクマリン骨格をもつ化合物の7位を活性基に置換した化合物(A)を合成する。化合物Aはトリフルオロメタンスルホニル基を7位水酸基に結合させて合成する。

【0063】
【化15】
JP2015205870A_000028t.gif

【0064】
蛍光発色団であるキノリノン骨格をもつ化合物の7位を活性基に置換した化合物(B)を合成する。3位がヨウ素置換されたアニリン誘導体から2段階を経て合成する。

【0065】
【化16】
JP2015205870A_000029t.gif

【0066】
別途、1位と4位と6位のOHを保護したD-グルコサミンを、例えば以下のようにして合成する。

【0067】
【化17】
JP2015205870A_000030t.gif
次いで、化合物Aと1位と6位のOHを保護したD-グルコサミンを、例えば、パラジウムを用いたC-Nクロスカップリング反応により縮合させ、化合物Aを、-NH-を介してD-グルコースに結合することにより合成できる。

【0068】
【化18】
JP2015205870A_000031t.gif

【0069】
グルコースの6位にクマリン骨格またはキノリン骨格をもつ本発明のD-グルコース誘導体は、化合物Aと1位と2位と3位のOHを保護した6-デオキシ-6-アミノ-D-グルコース誘導体を、例えば、パラジウムを用いたC-Nクロスカップリング反応により縮合させ、化合物Aを、-NH-を介してD-グルコースに結合することにより合成できる。

【0070】
【化19】
JP2015205870A_000032t.gif

【0071】
本発明のL-グルコース誘導体は、D-グルコサミンの代わりにL-グルコサミンを用いることにより同様にして合成できる。

【0072】
3位または4位に置換基を有するクマリン骨格またはキノリン骨格をもつグルコース誘導体は、これに限定されないが、例えば、本明細書に開示の方法に従って合成したCDG、CLG,QDG、QLGを用いて鈴木カップリング法により、あるいは、3位または4位に置換基を有するクマリン骨格またはキノリン骨格をもつ化合物(A)を合成したのち、C-H活性化による直接導入法を用いてグルコサミンと反応させることにより合成できる。

【0073】
以下、クマリンの3位に芳香族を結合させたD-グルコース誘導体の合成方法を例示する。
(i)鈴木カップリング法:

【0074】
【化20】
JP2015205870A_000033t.gif

【0075】
(ii)C-H活性化による直接導入法:

【0076】
【化21】
JP2015205870A_000034t.gif

【0077】
本発明のグルコース誘導体は、放射性標識を付加することもでき、それにより、放射性活性に基づいてのイメージング、例えば、PETなどによるイメージングを行うこともできる。かかる化合物は、さらには、蛍光および放射性によるデュアルモードでのイメージングも可能である。
本発明のグルコース誘導体に放射性標識を付加する方法としては、例えば、グルコースのヒドロキシ基を18Fに置換する方法、クマリン骨格またはキノリン骨格の置換基を放射性標識する方法をあげることができる。
前者の場合における18Fに置換されるヒドロキシ基の位置は、グルコースの2位にクマリン骨格またはキノリン骨格を有する場合は4位または6位であり、グルコースの6位にクマリン骨格またはキノリン骨格を有する場合は2位または4位である。例えば、4-18F-CDG,4-18F-CLG,6-18F-CDG,6-18F-CLG,4-18F-QDG,4-18F-QLG,6-18F-QDG,または6-18F-QLGをあげることができる。
後者の場合は、例えば、クマリン骨格またはキノリン骨格の3位または4位に結合したメチル基の炭素原子が11Cに置換された化合物、クマリン骨格またはキノリン骨格の3位または4位に結合したトリフロロメチル基のフッ素原子の一つが18Fに置換された化合物をあげることができる。例えば、3-[11C]MCDG,4-[11C]MCDG,3-[18F]TFMCDG,4-[18F]TFMCDG,3-[11C]MQDG,4-[11C]MQDG,3-[18F]TFMQDG,4-[18F]TFMQDG,3-[11C]MCLG,4-[11C]MCLG,3-[18F]TFMCLG,4-[18F]TFMCLG,3-[11C]MQLG,4-[11C]MQLG,3-[18F]TFMQLG,または4-[18F]TFMQLGをあげることができる。
このような放射性標識グルコース誘導体は、これに限定されないが、例えば、以下のようにして合成できる。

【0078】
(i)グルコースの6位に放射性同位体の18Fを含む化合物の合成法
例えば、以下の化合物(6-18F-CLG)は、例えば、以下の工程により合成することができる。

【0079】
【化22】
JP2015205870A_000035t.gif

【0080】
【化23】
JP2015205870A_000036t.gif

【0081】
(ii)グルコースの4位に放射性同位体の18Fを含む化合物の合成法
例えば、以下の化合物(4-18F-CLG)は、例えば、以下の工程により合成することができる。

【0082】
【化24】
JP2015205870A_000037t.gif

【0083】
【化25】
JP2015205870A_000038t.gif

【0084】
(iii)グルコースの4位に放射性同位体の18Fを含む化合物の合成法
例えば、以下の化合物(4-18F-6-CDG)は、例えば、以下の工程により合成することができる。

【0085】
【化26】
JP2015205870A_000039t.gif

【0086】
(iv)グルコースの2位に放射性同位体の18Fを含む化合物の合成法
例えば、以下の化合物(2-18F-6-CDG)は、例えば、以下の工程により合成することができる。

【0087】
【化27】
JP2015205870A_000040t.gif

【0088】
(v)クマリン骨格に放射性同位体の18Fを含む誘導体の合成法(1)
例えば、以下の化合物(18F-3-[18F]TFMCDG)は、例えば、以下の工程により合成することができる。

【0089】
【化28】
JP2015205870A_000041t.gif
上記と同様にして、キノリン骨格に放射性同位体の18Fを含む誘導体を合成できる。
(vi)クマリン骨格に放射性同位体の18Fを含む誘導体の合成法(2)
例えば、以下の化合物(18F-4-[18F]TFMCDG)は、例えば、以下の工程により合成することができる。

【0090】
【化29】
JP2015205870A_000042t.gif
上記と同様にして、キノリン骨格に放射性同位体の18Fを含む誘導体を合成できる。
(vii)クマリン骨格に放射性同位体の11Cを含む誘導体の合成法(1)
例えば、以下の化合物(11C-3-[11C]MCDG)は、例えば、以下の工程により合成することができる。

【0091】
【化30】
JP2015205870A_000043t.gif
上記と同様にして、キノリン骨格に放射性同位体の11Cを含む誘導体を合成できる。
(viii)クマリン骨格に放射性同位体の11Cを含む誘導体の合成法(2)
例えば、以下の化合物(11C-4-[11C]MCDG)は、例えば、以下の工程により合成することができる。

【0092】
【化31】
JP2015205870A_000044t.gif
上記と同様にして、キノリン骨格に放射性同位体の11Cを含む誘導体を合成できる。

【0093】
本発明のグルコース誘導体に含まれる蛍光発色団は、青色蛍光を発する蛍光発色団であるクマリン骨格やキノリン骨格を持つ発色団を用いているので、緑色や赤色、あるいは近赤外領域に蛍光極大を有する分子より、一般に分子サイズが小さくなるため、蛍光基が、GLUT等の糖の膜輸送系の通過に与える立体傷害は小さくなると考えられる。加えて、本発明のグルコース誘導体は、蛍光発色団を構成するクマリン骨格またはキノリン骨格が、NHを介して直接にグルコース骨格に結合しているという特徴を有する。それにより、GLUT等の糖の膜輸送系の通過に与える立体傷害が小さくなるという利点を有すると考えられる。

【0094】
本発明者らは、上記のCDGおよびQDGと命名した青色蛍光D-グルコース誘導体は、細胞に適用する薬理学的試験の結果、GLUTを介してがん細胞内に取り込まれることを確認した。更に、本発明者らは、対照化合物として、CDGおよびQDGの鏡像異性体である、青色蛍光L-グルコース誘導体である分子である、CLGおよびQLGを開発した。これら4種の化合物、CDG,CLG,QDG,QLGは、細胞内への取り込みにD/L-グルコースの立体選択性を有し、D型がGLUTを介して細胞内に取り込まれることが定量的に示された最初の青色グルコース誘導体群である。

【0095】
本発明のグルコース誘導体である、D-グルコース誘導体(例えば、CDG、QDG)は、その対照化合物であるL-グルコース誘導体(例えば、CLG、QLG)と共に、青色の蛍光を発することができるので、細胞のグルコース取り込み機構の解明において本発明者らにより既に報告されている緑色D-グルコース誘導体2-NBDGおよび緑色L-グルコース誘導体2-NBDLG(特許文献2)と、同等もしくはそれ以上に役立つとともに、それらと組み合わせて用いることができる。
すなわち、これに限定されないが、例えば、CDGまたはQDGと2-NBDLG、あるいはCLGまたはQLGと2-NBDGを組み合わせて用いることで、GLUTを介するD-グルコース様の細胞内取り込みと、GLUTを介さない細胞内取り込みの発生を様々な細胞を用いて同一細胞において同時に比較できる等、グルコースの立体選択的な輸送機構の解明に用いることができるとともに、蛍光基の輸送機構への影響を理解する上でも、貴重な情報を得ることできる。

【0096】
また、本発明の青色D-グルコース誘導体CDGまたはQDGと青色L-グルコース誘導体CLGまたはQLGを用いてがん細胞内への取り込みを確認したところ、緑色D-グルコース誘導体2-NBDGと緑色L-グルコース誘導体2-NBDLGの関係に似たD型優位の取り込みを示した。また、本発明の青色L-グルコース誘導体CLGは、正常細胞に取り込まれなかった。すなわち、本発明者らにより既に報告されている2-NBDLGを用いたがん細胞の検出(特許文献4)と同様に、本発明の青色L-グルコース誘導体、例えばCLGやQLGを用いてがん細胞の検出も同様に行える。

【0097】
本発明の一つの態様は、本発明のグルコース誘導体を用いて細胞または細胞内の分子をイメージングする方法である。
本発明の別の態様は、本発明のグルコース誘導体を含む、細胞または細胞内の分子をイメージングするためのイメージング剤である。
本発明のグルコース誘導体は、細胞の糖の膜輸送系を介して細胞内に取り込まれるので、細胞をイメージングすることができるばかりでなく、細胞内の分子や器官、例えば、細胞質や核をイメージングすることができる。

【0098】
本発明の他の一つの態様は、本発明のグルコース誘導体、好ましくはL-グルコース誘導体、特に好ましくはCLGまたはQLGを用いてがん細胞を検出するためのイメージング剤である。
本発明の別の態様は、本発明のグルコース誘導体、好ましくはL-グルコース誘導体、特に好ましくはCLGまたはQLGを含む組成物を用いてがん細胞を検出する方法である。

【0099】
本発明の他の一つの態様は、本発明の一つである放射性標識したグルコース誘導体、好ましくは放射性標識したL-グルコース誘導体、特に好ましくは放射性標識した4-F-CLG、6-F-CLG、TFMCLGまたはTFMQLGを用いてがん細胞を検出するためのPET用のイメージング剤である。

【0100】
本発明によれば、本発明のグルコース誘導体を含む組成物(以下の、「本発明の組成物」または「本発明のイメージング剤」ということがある)を試薬として、標的細胞に接触させることにより、個々の細胞レベルで、標的細胞をイメージングすることができる。本発明によればまた、標的細胞を含む組織に、本発明の組成物を接触させイメージングを行うことにより、組織中の細胞を個々の細胞レベルでイメージングすることができる。

【0101】
本発明のグルコース誘導体は、D-グルコース誘導体およびL—グルコース誘導体のいずれも含み、D体およびL体を用いることにより、グルコースのDLの立体配置に基づいて、標的を細胞レベルでイメージングすることにより、その機能の解明が可能となるばかりか、正常細胞と異常細胞の識別も可能となる。
さらに、D型およびL型の立体配置に関係するグルコースの認識、輸送、代謝において哺乳動物細胞とは異なった性質をもつ微生物についても、D型またはL型の本発明のグルコース誘導体を用いて細胞レベルでイメージングすることにより、その機能の解明も可能である。

【0102】
本発明によればさらに、本発明のグルコース誘導体、好ましくはL-グルコース誘導体を含む組成物(以下の、「本発明の組成物」または「本発明のイメージング剤」ということがある)を試薬として、標的細胞に接触させることにより、標的細胞ががん細胞であるか否かを判定することができる。
本発明によれば、標的細胞を含む組織に、本発明の組成物を接触させイメージングを行うことにより、組織中のがん細胞を検出することができる。
本発明によれば、本発明の組成物を生体に投与しイメージングを行うことで、がん細胞またはそれらの細胞を含む組織を検出することができ、この方法はがんを検出する方法として有用である。
また、放射性標識をした本発明のグルコース誘導体、好ましくは本発明のL-グルコース誘導体を含む組成物を用いれば、PETによりがんのイメージングを行うことができる。放射性標識をした本発明のグルコース誘導体としては、例えば、4-F-CLG、6-F-CLG、4-F-QLG、6-F-QLG、TFMCDG、TMFCLG、TMFQDG、またはTMFQLGをあげることができ、好ましくは、4-F-CLG、4-F-QLG、TMFCLGまたはTMFQLGをあげることができる。

【0103】
本発明の組成物は、本発明のグルコース誘導体を含む細胞への適用が可能ないずれの形態の組成物も含み、溶液、ゲル、その他、細胞への適用が可能であれば特に制限がない。また、組成物中の成分は、細胞への適用に適したものであれば特に制限なく含有することができる。例えば、本発明のグルコース誘導体を、緩衝液や細胞培養用の培地中に溶解して細胞に適用するこができる。

【0104】
(II)グルコース誘導体を用いた細胞または細胞内分子のイメージング
本発明のグルコース誘導体を用いたイメージングの対象である標的細胞は、特に限定されず、哺乳動物由来の細胞、大腸菌や酵母などの微生物の細胞、植物の細胞、受精卵などを対象とすることができ、また、生体から単離した細胞、生体から単離した組織中に存在する細胞、生体の組織中に存在する細胞、生体から単離後の初代培養細胞、または株化した細胞など、どのような形態の細胞であってもよい。さらには、対象とする細胞は、正常細胞であっても、異常細胞(例えば、がん細胞)であってもよい。

【0105】
本発明の細胞のイメージング方法において、細胞内に取り込まれた本発明のグルコース誘導体の検出は、通常用いられる蛍光を検出する方法で行うことができる。例えば、以下のようにして行うことができる。本発明の方法における、細胞内に存在するグルコース誘導体の検出は、あらかじめ標的細胞の蛍光を計測し、次いで標的細胞にグルコース誘導体を一定時間接触させ、しかる後にこれを洗い流し、再度標的細胞の蛍光を計測して、接触前の標的細胞の蛍光強度に対する蛍光強度の増加をもって評価を行うことができる。また、グルコース誘導体を接触中に、共焦点顕微鏡など細胞内、細胞膜、細胞外を識別し得る適切な装置を用いて細胞をイメージングしてもよい。蛍光強度を画像として認識することにより、本発明のグルコース誘導体を細胞内に有する細胞をイメージ化して細胞の検出が可能となる。さらに、蛍光プレートリーダーやフローサイトメトリーなどを用いて、多数の細胞の示す蛍光強度の総和、もしくは蛍光強度の分布をもって評価を行ってもよい。

【0106】
本発明のグルコース誘導体を用いることにより、細胞の蛍光(例えば、青色)での検出および/またはイメージングが可能となる。本発明のグルコース誘導体は、他の蛍光発色団を有するグルコース誘導体、例えば、緑色の蛍光を発する2-[N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-2-デオキシ-D-グルコース(2-NBDG)や2-[N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-2-デオキシ-L-グルコース(2-NBDLG)、および/または赤色の蛍光を発する2-テキサスレッド-2-アミノ-2-デオキシ-L-グルコース(2-TRLG)と同時に用いることができる。2-NBDG、2-NBDLGおよび2-TRLGは、WO2010/16587号公報(特許文献2)に記載されている(引用することにより本明細書の一部である)。これにより、2色または3色での評価が可能となる。

【0107】
例えば、2-NBDLGはがんに特異的に取り込まれる性質をもち、がんの検出に用いることができるが、本発明のD-グルコース誘導体(例えば、CDGやQDG)は、2-NBDLGや2-TRLGと同時に用いることができ、それにより、がん細胞やがん細胞を含む腫瘍細胞塊全体の状態評価を併せて行うことも可能である。
すなわち、がん細胞等のイメージングにあたって、がん細胞に特異的に取り込まれる緑色の蛍光L-グルコース誘導体2-NBDLGを、細胞膜不透過性で赤色の蛍光2-TRLGと同時に使用することが膜損傷や炎症などに起因する非特異的取り込みを調べる上で有効である(本発明者らによる出願WO2012/133688号公報、特許文献4を参照)が、これに加えて、もしがん周辺部に存在する正常細胞や、がんには至らないまでも前がん状態にあるような非がん細胞を可視化できる方法があれば、がんの性質に関してより正確で信頼性の高い情報が得られる。このような候補化合物として、青色蛍光を発し、GLUTを介して細胞内に取り込まれるD-グルコース誘導体が考えられ、本発明のD-グルコース誘導体(例えば、CDGやQDG)がこれに該当する。

【0108】
(III)L-グルコース誘導体を用いたがん細胞の検出またはイメージング
本発明のL-グルコース誘導体の一態様は、クマリン骨格またはキノリン骨格を有する特定蛍光発色分子を、正常細胞には取り込まれない性質を有するL-グルコースに結合した化合物である。
本発明の青色D-グルコース誘導体CDGまたはQDGと青色L-グルコース誘導体CLGまたはQLGのがん細胞内への取り込みは、緑色D-グルコース誘導体2-NBDGと緑色L-グルコース誘導体2-NBDLGの関係に似たD型優位の取り込みを示した。さらに、本発明の青色L-グルコース誘導体、例えばCLGを用いた実験によりがん細胞への特異的な取り込みが確認できた。従って、本発明のL-グルコース誘導体は、がん細胞の特異的な検出にも用いることができる。

【0109】
本発明の方法において検出できるがん細胞の種類は特に制限がないが、例えば、眼瞼や涙腺など眼科領域のがん、外耳や中耳などの耳のがん、鼻腔や副鼻腔など鼻のがん、肺がん、口腔内のがん、喉頭がん、咽頭がん、食道がん、胃がん、小腸、大腸がんなど消化器のがん、乳がん、子宮がん、卵巣がん、卵管がんなど婦人科領域のがん、生殖器のがん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、肛門がん、皮膚がん、骨のがん、筋肉のがん(肉腫)、白血病など血液のがん、悪性リンパ腫、末梢および中枢神経のがん、及び、グリアのがんなどのがん細胞をあげることができる。

【0110】
本発明のがんを検出する方法においては、本発明のL-グルコース誘導体(例えば、CLG、QLG)は、他の蛍光標識グルコース誘導体、例えば、2-NBDG、2-NBDLG、または2-TRLG、あるいはそれらの組合せと同時に用いることができ、それにより、がん細胞やがん細胞を含む腫瘍細胞塊全体の状態評価を併せて行うことも可能である。

【0111】
本発明のがんを検出する方法およびそのためのイメージング剤は、手術時に摘出した組織、口腔内腫瘍や内視鏡を用いた消化器腫瘍、子宮頸がんなどの婦人科腫瘍、そのほか肺やさまざまな臓器の生検診断時などに得たバイオプシー標本を対象とした、腫瘍細胞の存在、状態評価、正常細胞との区別に用いることができる。これにより、蛍光を備えた簡便な装置で細胞単位の詳細な細胞評価を迅速に可能にすることができ、治療法選択への指針、薬剤などの治療効果の判定、患部露出後の適切な手術範囲の決定などに有効である。

【0112】
本発明の検出方法における、がん細胞内に存在するL-グルコース誘導体の検出は、例えば、あらかじめ標的細胞の蛍光を計測し、次いで標的細胞に蛍光標識したL-グルコース誘導体を一定時間接触させ、しかる後にこれを洗い流し、再度標的細胞の蛍光を計測して、接触前の標的細胞の蛍光強度に対する蛍光強度の増加をもって評価を行うことができる。蛍光強度を画像として認識することにより、L-グルコース誘導体を細胞内に有する細胞をイメージ化してがん細胞またはそのおそれがある細胞の検出が可能となる。また、蛍光プレートリーダーやフローサイトメトリーなどを用いて、多数の細胞の示す蛍光強度の総和、もしくは蛍光強度の分布をもって評価を行ってもよい。
また、本発明のL-グルコース誘導体は、静脈などの血管に投与した場合は、全身イメージングを行うことも可能であるほか、観察したい組織局所に投与することにより細胞イメージングを行うことも可能である。
加えて、放射性標識した本発明のL-グルコース誘導体を用いた場合は、PETによりがんを検出することも可能となる。

【0113】
以上の説明から明らかなように、本発明のグルコース誘導体は、がん細胞を検出するために有用であるとともに、例えばがん細胞を可視化するためのイメージング剤の有効成分としても有用である。L-グルコース誘導体は、これを溶解するための溶媒(注射用生理食塩水など)に溶解されて溶液の形態で提供されてもよいし、これを溶解するための溶媒と組み合わされて用時に溶解して溶液を調製するためのキットの形態で提供されてもよい。溶液中の蛍光L-グルコース誘導体の濃度は、例えば1nM~100mMの範囲で調製すればよい。なお、がん細胞の検出のために本発明のL-グルコース誘導体を用いる方法に自体公知の方法を組み合わせて用い、さらなる判定精度の向上を図ってもよい。
【実施例】
【0114】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定して解釈されるものではない。
【実施例】
【0115】
グルコース誘導体の合成
実施例1:CDGの合成
CDGは以下のようにしてD-グルコサミン塩酸塩から合成した。
【実施例】
【0116】
【化32】
JP2015205870A_000045t.gif
【実施例】
【0117】
(1-1)下記式で示される2-Oxo-2H-chromen-7-yl trifluoromethanesulfonateの合成:
【実施例】
【0118】
【化33】
JP2015205870A_000046t.gif
アルゴン雰囲気下、4-Methylumbelliferone(100 mg, 617 μmol)をピリジン(6 mL)に溶解し氷冷した。無水トリフルオロメタンスルホン酸(114 μL, 679 μmol)を滴下した。その後室温で5時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。精製はシリカゲルカラム(SiO2, 20 g)にて行い、白色固体で化合物 (160 mg, 88%)を得た。
【実施例】
【0119】
(1-2)下記式で示される2-Deoxy-2-(2,2,2-trichloroethoxycarbonylamino)-D-glucoseの合成:
【実施例】
【0120】
【化34】
JP2015205870A_000047t.gif
D-グルコサミン塩酸塩(10 g, 46.4 mmol)を水(100 mL)に溶かしNaHCO3(10 g, 119 mmol)を室温にて加えた。その後0℃にてクロロギ酸2,2,2-トリクロロエチル(7.7 mL, 55.7 mmol)を滴下した。20分間0℃にて攪拌し、徐々に室温まで昇温し終夜攪拌した。析出した結晶を濾取し、水、エーテルで洗浄した。終夜乾燥後、得られた白色結晶を温メタノールから再結晶を行い得られた結晶を濾取し化合物(6.0 g, 36%)を得た。
【実施例】
【0121】
(1-3)下記式で示されるMethyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-(2,2,2-trichloroethoxycarbonylamino)-α-D-glucopyranosideの合成:
【実施例】
【0122】
【化35】
JP2015205870A_000048t.gif
アルゴン雰囲気下、2-Deoxy-2-(2,2,2-trichloroethoxycarbonylamino)-D-glucose (6.0 g, 16.9 mmol)をメタノール(200 mL)に懸濁し0℃にてクロロトリメチルシラン (21 mL)を滴下した。滴下後、加熱還流し2時間攪拌した。反応終了後放冷し溶媒を減圧下留去した。残渣にジメチルホルムアミド (200 mL) を加えてベンジリデンジメチルアセタール (4.2 mL) と(±)-カンファースルホン酸 (110 mg) 加え室温で終夜攪拌した。反応終了後、飽和重曹水を加えて中和した。アセトニトリルを0.5 Lまで減圧溜去した後、酢酸エチルで抽出し飽和重曹水で洗浄した後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒溜去した。精製はシリカゲルカラム(SiO2, 75 g)にて行い、白色結晶で化合物(1.0 g, 12%)を得た。
【実施例】
【0123】
(1-4)下記式で示されるMethyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-amino-α-D-glucopyranosideの合成:
【実施例】
【0124】
【化36】
JP2015205870A_000049t.gif
アルゴン雰囲気下、Methyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-(2,2,2-trichloroethoxycarbonylamino)-α-D-glucopyranoside (1.0 g, 2.19 mmol)を酢酸(20 mL)に溶かし亜鉛 (1.0 g)を加えて3.5時間攪拌した。反応終了後、濾過し溶媒を溜去した。ジオキサンから凍結乾燥を行い白色結晶として化合物(600 mg, 98%)を得た。
【実施例】
【0125】
(1-5)下記式で示されるMethyl 4,6-O-benzylidene-2-Deoxy-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranosideの合成:
【実施例】
【0126】
【化37】
JP2015205870A_000050t.gif
アルゴン雰囲気下、活性化したモレキュラーシーブス4A(pellet)とMethyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-amino-α-D-glucopyranoside(116.0 mg, 340 μmol)と2-oxo-2H-chromen-7-yl trifluoromethanesulfonate(100 mg, 340 μmol)とtBuXPhos Pd G1 (クロロ[2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル][2-(2-アミノエチル)フェニル)]パラジウム(II))(Sigma-Aldrich)(31.1 mg, 34 μmol)とtBuXPhos( 2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピルビフェニル)(Sigma-Aldrich)(39.3 mg, 68 μmol)とCs2CO3(276.9 mg, 850 μmol)にトルエン(3.4 mL)を加え4時間還流した。反応終了後、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。精製はシリカゲルカラム(SiO2, 5 g)にて行い、薄黄色固体で化合物(51.2 mg, 35%)を得た。
【実施例】
【0127】
(1-6)下記式で示される2-Deoxy-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-D-glucose(CDG)の合成:
【実施例】
【0128】
【化38】
JP2015205870A_000051t.gif
化合物Methyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranoside(40 mg, 94 μmol)を80%酢酸水溶液(2 mL)に溶解し50℃に加温し2時間攪拌した。反応終了後、溶媒を溜去した。残渣に6規定塩酸(1.8 mL)を加え80℃に加熱し4時間攪拌した。反応終了後、溶媒を溜去した。残渣をジメチルホルムアミドに溶かし逆相HPLC にて精製した。目的物を含むフラクションを凍結乾燥し、薄黄色固体として化合物を得た。
収量は9.6 mg、収率は47%であった。また、得られた化合物の分析結果は以下の通りである。
1H NMR(D2O, 400 MHz): δ7.75(dd, J = 1.37 Hz, 9.61 Hz, 1H, Coumarin-4H),δ7.30(d, J = 8.69 Hz, 0.7H, Coumarin-5Hα)δ7.29(d, J = 8.69 Hz, 0.3H, Coumarin-5Hβ), δ6,69-6.65(m, 1H, Coumarin-6H), δ6.59(s, 1H, Coumarin-8H), δ6.01(d, J = 9.60 Hz, 0.7H, Coumarin-3Hα), δ6.01(d, J = 9.61 Hz, 0.3H, Coumarin-3Hβ), δ5.20(d, J = 3.55 Hz, 0.7H, H-1α), δ3.78-3.21(m, 6H, H-2, H-3, H-4, H-5, H-6, H-6’); ESI-MS : C15H18NO7 [M+H]+ 計算値 : 324.1, 実測値 : 324.0.最大励起波長(Ex max)366.5nm, 最大蛍光波長(Em max)454.5nm.
【実施例】
【0129】
実施例2:CLGの合成
CLGは、D-グルコサミン塩酸塩の代わりにL-グルコサミン塩酸塩を用いて、CDGと同様の方法で合成した。収量は13.2 mg、収率は32%であった。また、得られた化合物の分析結果は以下の通りである。
1H NMR(D2O, 400 MHz): δ7.75(dd, J = 1.83 Hz, 9.15 Hz, 1H, Coumarin-4H),δ7.31(d, J = 8.69 Hz, 0.6H, Coumarin-5Hα)δ7.30(d, J = 8.69 Hz, 0.4H, Coumarin-5Hβ), δ6,69-6.65(m, 1H, Coumarin-6H), δ6.60(s, 1H, Coumarin-8H), δ6.02(d, J = 9.61 Hz, 0.6H, Coumarin-3Hα), δ6.01(d, J = 9.15 Hz, 0.4H, Coumarin-3Hβ), δ5.21(d, J = 3.20 Hz, 0.7H, H-1α), δ3.82-3.22(m, 6H, H-2, H-3, H-4, H-5, H-6, H-6’); ESI-MS : C15H18NO7 [M+H]+ 計算値 : 324.1, 実測値 : 324.1.
【実施例】
【0130】
実施例3:QDGの合成
QDGは以下のようにしてD-グルコサミン塩酸塩から成した。
【実施例】
【0131】
【化39】
JP2015205870A_000052t.gif
【実施例】
【0132】
(3-1)下記式で示されるN-(3-Iodophenyl)cinnamamideの合成:
【実施例】
【0133】
【化40】
JP2015205870A_000053t.gif
m-Iodoaniline(10 g, 45.7 mmol)と炭酸カリウム(9.47 g, 68.6 mmol)をアセトン/水(1/2, 94 mL)に懸濁し、Cinnamic chloride(9.3 g, 56.2 mmol)を滴下し30分攪拌した。氷水に注いで反応終了した。析出した白色固体をろ取し、水とジエチルエーテルで洗浄した。終夜ポンプ乾燥し白色結晶として化合物 (17.6 g, quant)を得た。
【実施例】
【0134】
(3-2)下記式で示される7-Iodoquinolin-2(1H)-one の合成:
【実施例】
【0135】
【化41】
JP2015205870A_000054t.gif
アルゴン雰囲気下、化合物N-(3-Iodophenyl)cinnamamide(1.0 g, 2.86 mmol)をクロロベンゼン(28.6 mL)に溶解し、氷冷した。Aluminium chloride(1.91 g, 14.3 mmol)を加え、100℃に加熱し、2時間攪拌した。氷水に注いで反応終了した。酢酸エチル(300 mL)と飽和食塩水(200 mL x 3)で分液洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。精製はシリカゲルカラム(SiO2, 30 g)にて行い、薄赤色固体として化合物 (300 mg, 39%)を得た。
【実施例】
【0136】
(3-3)下記式で示されるMethyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-(2-oxo-1,2-dihydroquinoline-7-yl)amino-α-D-glucopyranosideの合成:
【実施例】
【0137】
【化42】
JP2015205870A_000055t.gif
アルゴン雰囲気下、活性化したモレキュラーシーブス4A(pellet)とMethyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranoside(30.3 mg, 76.7 μmol)と7-Iodoquinolin-2(1H)-one(4.6 mg, 51.2 μmol)とtBuXPhos Pd G1 (クロロ[2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル][2-(2-アミノエチル)フェニル)]パラジウム(II))(3.6 mg, 5.12 μmol)(Sigma-Aldrich)とtBuXPhos( 2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピルビフェニル)(4.2 mg, 10.23 μmol)(Sigma-Aldrich)とtBuONa(49.2 mg, 512 μmol)にジオキサン(1.05 mL)を加え1時間還流した。反応終了後、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。精製はシリカゲルカラム(SiO2, 5 g)にて行い、薄黄色固体で化合物(18.3 mg, 84%)を得た。
【実施例】
【0138】
(3-4)下記式で示される2-Deoxy-2-(2-oxo-1,2-dihydroquinoline-7-yl)amino-D-glucose(QDG)の合成:
【実施例】
【0139】
【化43】
JP2015205870A_000056t.gif
化合物Methyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-(2-oxo-1,2-dihydroquinoline-7-yl)amino-α-D-glucopyranoside(46 mg, 108 μmol)を80%酢酸水溶液(2 mL)に溶解し50℃に加温し2時間攪拌した。反応終了後、溶媒を溜去した。残渣に6規定塩酸(1.8 mL)を加え80℃に加熱し4時間攪拌した。反応終了後、溶媒を溜去した。残渣を水に溶かし逆相HPLCにて精製した。目的物を含むフラクションを凍結乾燥し、薄黄色固体として化合物(18.9 mg, 53%)を得た。収量は18.9 mg、収率は53%であった。また、得られた化合物の分析結果は以下の通りである。
1H NMR(D2O, 400 MHz): δ7.78(d, J = 9.15 Hz, 0.6H, Quinolinone-4Hα), δ7.77(d, J = 9.61 Hz, 0.4H, Quinolinone-4Hβ), δ7.38(t, J = 8.69Hz, 1H, Quinolinone-5H), δ6.72-6.67(td, , J = 2.29Hz, J = 10.1 Hz, 1H, Quinolinone-6H), δ6.51(d, J = 2.29 Hz , 0.4H, Quinolinone-8Hβ), δ6.49(d, J = 1.83 Hz , 0.6H, Quinolinone-8Hα),δ6.24(d, J = 9.15 Hz, 0.6H, Quinolinone-3Hα), δ6.22(d, J = 9.15 Hz, 0.4H, Quinolinone-3Hβ), δ5.21(d, J = 3.20 Hz, 0.6H, H-1α),δ3.82-3.29(m, 6H, H-2, H-3, H-4, H-5, H-6, H-6’); ESI-MS : C15H18N2O6 [M+H]+ 計算値 : 323.1, 実測値 : 323.1. 最大励起波長(Ex max)353.5nm, 最大蛍光波長(Em max)423.0nm.
【実施例】
【0140】
実施例4:QLGの合成
QLGは、D-グルコサミン塩酸塩の代わりにL-グルコサミン塩酸塩を用いて、QDGと同様の方法で合成した。収量は23.2 mg、収率は33%であった。また、得られた化合物の分析結果は以下の通りである。
1H NMR(D2O, 400 MHz): δ7.77(d, J = 9.15 Hz, 0.5H, Quinolinone-4Hα), δ7.76(d, J = 9.61 Hz, 0.5H, Quinolinone-4Hβ), δ7.40-7.35(m, 1H, Quinolinone-5H), δ6.71-6.67(td, J = 2.29 Hz, J = 7.78 Hz, 1H, Quinolinone-6H), δ6.51-6.48(m, 1H, Quinolinone-8H),δ6.25-6.20(m, 1H, Quinolinone-3H), δ5.22(d, J = 3.66 Hz, 0.5H, H-1α), δ3.83-3.29(m, 6H, H-2, H-3, H-4, H-5, H-6, H-6’); ESI-MS : C15H18N2O6 [M+H]+ 計算値 : 323.1, 実測値 : 323.1.
【実施例】
【0141】
実施例5:4-MCDGの合成
4-MCDGは以下のようにして合成した。
【実施例】
【0142】
【化44】
JP2015205870A_000057t.gif
【実施例】
【0143】
(5-1)下記式で示される2-Oxo-4-methyl-2H-chromen-7-yl trifluoromethanesulfonateの合成:
【実施例】
【0144】
【化45】
JP2015205870A_000058t.gif
アルゴン雰囲気下、4-Methylumbelliferone(1 g, 5.68 mmol)をピリジン(30 mL)に溶解し氷冷した。無水トリフルオロメタンスルホン酸(1.0 μL, 6.24 mmol)を滴下した。その後室温で1時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。精製はシリカゲルカラム(SiO2, 30 g)にて行い、白色固体で化合物 (1.7 g, 97%)を得た。
【実施例】
【0145】
(5-2)下記式で示されるMethyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-(2-oxo-4-methyl-2H-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranosideの合成:
【実施例】
【0146】
【化46】
JP2015205870A_000059t.gif
アルゴン雰囲気下、活性化したモレキュラーシーブス4A(pellet)とMethyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-amino-α-D-glucopyranoside (166 mg, 0.487 mmol)と2-Oxo-4-methyl-2H-chromen-7-yl trifluoromethanesulfonate(100 mg, 0.324 mmol)とSPhos Pd G1(クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシ-1,1'-ビフェニル)[2-(2-アミノエチルフェニル)]パラジウム(II))(73.9 mg, 97.2 μmol)(Sigma-Aldrich)とSPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシビフェニル)(39.9 mg, 97.2 μmol)(Sigma-Aldrich)とCs2CO3(264 mg, 810 μmol)にトルエン(6.5 mL)を加え6時間還流した。反応終了後、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。精製はシリカゲルカラム(SiO2, 40 g)にて行い、薄黄色固体で化合物(47 mg, 33%)を得た。
【実施例】
【0147】
(5-3)下記式で示される2-Deoxy-2-(2-oxo-4-methyl-2H-chromen-7-yl)amino-D-glucose(MCDG)の合成:
【実施例】
【0148】
【化47】
JP2015205870A_000060t.gif
化合物Methyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-(2-oxo-4-methyl-2H-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranoside(65 mg, 148 μmol)を80%酢酸水溶液(2 mL)に溶解し50℃に加温し2時間攪拌した。反応終了後、溶媒を溜去した。残渣に6規定塩酸(2 mL)を加え80℃に加熱し12時間攪拌した。反応終了後、溶媒を溜去した。残渣を水に溶かし逆相HPLC にて精製した。目的物を含むフラクションを凍結乾燥し、薄黄色固体として化合物を得た。収量は26 mg、収率は52%であった。また、得られた化合物の分析結果は以下の通りである。
1H NMR(CD3OD, 400 MHz): δ7.46(d, J = 8.69 Hz, 0.7H, Coumarin-5Hα), δ7.46(d, J = 9.61 Hz, 0.3H, Coumarin-5Hβ), δ6.77-6.74(m, 1H, Coumarin-6H), δ6.66(d, J = 2.29 Hz, 0.3H, Coumarin-8Hβ),δ6.61(d, J = 2.29 Hz, 0.7H, Coumarin-8Hα), δ5.92(d, J = 1.37 Hz, 0.7H, Coumarin-3Hα), δ5.91(d, J = 0.92 Hz, 0.3H, Coumarin-3Hβ), δ5.18(d, J = 3.20 Hz, 0.7H, H-1α), δ4.56(d, J = 7.78 Hz, 0.3H, H-1β), δ3.90-3.33(m, 6H, H-2, H-3, H-4, H-5, H-6, H-6’) δ2.37(s, 3H, Me) ; ESI-MS : C16H19NO7 [M+H]+ 計算値 : 338.1, 実測値 : 338.1. 最大励起波長(Ex max)362.0nm, 最大蛍光波長(Em max)446.0nm.
【実施例】
【0149】
なお、4-MCLGは、L-グルコサミンを用いて、4-MCDGと同様の方法で合成できる。
【実施例】
【0150】
実施例6:3-MCDGの合成
3-MCDGは以下のようにして合成した。
【実施例】
【0151】
【化48】
JP2015205870A_000061t.gif
【実施例】
【0152】
(6-1)下記式で示される2-Oxo-3-methyl-2H-chromen-7-yl trifluoromethanesulfonateの合成:
【実施例】
【0153】
【化49】
JP2015205870A_000062t.gif
2,4-Dihydrobenzaldehyde(1 g, 7.24 mmol)、プロピオン酸無水物(2.5 mL, 19.2 mmol)、プロピオン酸ナトリウム(1.5 g, 15.6 mmol)、ピペリジン(0.7 mL, 9.54 mmol)を反応容器に加え160℃で1.5時間反応した。精製した油状物をメタノールに溶解し、水を加えた。析出した固体を濾取した。濾液から目的物を回収した。精製はシリカゲルカラム(SiO2, 55 g)にて行った。アルゴン雰囲気下、得られた粗生成物(110 mg, 624 μmol)をピリジン(6.24 mL)に溶解し氷冷した。無水トリフルオロメタンスルホン酸(115 μL, 687 μmol)を滴下した。その後室温で1時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。精製はシリカゲルカラム(SiO2, 20 g)にて行い、白色固体で化合物 (120 mg, 62%)を得た。
【実施例】
【0154】
(6-1)下記式で示されるMethyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-(2-oxo-3-methyl-2H-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranosideの合成:
【実施例】
【0155】
【化50】
JP2015205870A_000063t.gif
アルゴン雰囲気下、活性化したモレキュラーシーブス4A(pellet)とMethyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-amino-α-D-glucopyranoside(33.2 mg, 97.3 μmol)と2-Oxo-3-methyl-2H-chromen-7-yl trifluoromethanesulfonate(25 mg, 81.1 μmol)とPd2(dba)3(トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0))(7.4 mg, 8.11 μmol)とBrettPhos( 2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル)(Sigma-Aldrich)(8.7 mg, 16.2 μmol)とCs2CO3(26.4 mg, 81.1 μmol)にトルエン(0.81 mL)を加え1時間還流した。反応終了後、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。精製はシリカゲルカラム(SiO2, 16 g)にて行い、薄黄色固体で化合物(31.2 mg, 88%)を得た。
【実施例】
【0156】
(6-3)下記式で示される2-Deoxy-2-(2-oxo-3-methyl-2H-chromen-7-yl)amino-D-glucose(3-MCDG)の合成:
【実施例】
【0157】
【化51】
JP2015205870A_000064t.gif
化合物Methyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-(2-oxo-3-methyl-2H-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranoside(139 mg, 31.6 μmol)を80%酢酸水溶液(3 mL)に溶解し50℃に加温し4時間攪拌した。反応終了後、溶媒を溜去した。残渣に6規定塩酸(3 mL)を加え80℃に加熱し21時間攪拌した。反応終了後、溶媒を溜去した。残渣をジメチルホルムアミドに溶かし逆相HPLC にて精製した。目的物を含むフラクションを凍結乾燥し、薄黄色固体として化合物を得た。
収量は33.2 mg、収率は31%であった。また、得られた化合物の分析結果は以下の通りである。
1H NMR(CD3OD, 400 MHz): δ7.55(s, 1H, Coumarin-4H), δ7.23(d, J = 8.23 Hz, 0.7H, Coumarin-5Hα), δ7.20(d, J = 8.70 Hz, 0.3H, Coumarin-5Hβ),δ6,72-6.69(m, 1H, Coumarin-6H), δ6.65(d, J = 1.83 Hz, 0.3H, Coumarin-8Hβ), δ6.60(d, J = 1.83 Hz, 0.7H, Coumarin-8Hα), δ5.18(d, J = 3.20 Hz, 0.7H, H-1α), δ4.55(d, J = 8.24 Hz, 0.3H, H-1β), δ3.90-3.78(m, 3.7H, H-3α, H-5, H-6, H-6’), δ3.51-3.33(m, 2H, H-2α, H-3β, H-4), δ3.25 (dd, J = 1.37 Hz, 8.23 Hz, 0.3H, H-2β), δ2.06 (s, 3H, Me) ; ESI-MS : C16H20NO7 [M+H]+ 計算値 : 338.1, 実測値 : 338.1.最大励起波長(Ex max)361.0nm, 最大蛍光波長(Em max)460.0nm.
【実施例】
【0158】
なお、3-MCLGは、L-グルコサミンを用いて、3-MCDGと同様の方法で合成できる。
【実施例】
【0159】
実施例7:4-TFMCDGの合成
4-TFMCDGは以下のようにして合成した。
【実施例】
【0160】
【化52】
JP2015205870A_000065t.gif
【実施例】
【0161】
(7-1)下記式で示される2-Oxo-2H-4-trifluoromethyl-chromen-7-yl trifluoromethanesulfonateの合成:
【実施例】
【0162】
【化53】
JP2015205870A_000066t.gif
アルゴン雰囲気下、4-Trifluoromethylumbelliferone(0.2 g, 0.869 mmol)をピリジン(4.3 mL)に溶解し氷冷した。無水トリフルオロメタンスルホン酸(0.16 mL, 0.956 mmol)を滴下した。その後室温で2時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルで抽出し、1規定塩酸と飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。精製はシリカゲルカラム(SiO2, 40 g)にて行い、白色固体で化合物 (285 mg, 90%)を得た。
【実施例】
【0163】
(7-2)下記式で示されるMethyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-(2-oxo-2H-4-trifluoromethyl-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranosideの合成:
【実施例】
【0164】
【化54】
JP2015205870A_000067t.gif
アルゴン雰囲気下、活性化したモレキュラーシーブス4A(pellet)とMethyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-amino-α-D-glucopyranoside(141.4 mg, 0.414 mmol)と2-Oxo-2H-4-trifluoromethyl-chromen-7-yl trifluoromethanesulfonate(100 mg, 0.276 mmol)とSPhos Pd G1(クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシ-1,1'-ビフェニル)[2-(2-アミノエチルフェニル)]パラジウム(II))(63 mg, 82.8 μmol)(Sigma-Aldrich)とSPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシビフェニル)(34 mg, 82.8 μmol)(Sigma-Aldrich)とCs2CO3(224.8 mg, 690 μmol)にトルエン(5.5 mL)を加え2時間還流した。反応終了後、酢酸エチルで抽出し、1規定塩酸と飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。精製はシリカゲルカラム(SiO2, 40 g)にて行い、薄黄色固体で化合物(42.3 mg, 31%)を得た。
【実施例】
【0165】
(7-3)下記式で示される2-Deoxy-2-(2-oxo-2H-4-trifluoromethyl-chromen-7-yl)amino-D-glucose(4-TFMCDG)の合成:
【実施例】
【0166】
【化55】
JP2015205870A_000068t.gif
化合物Methyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-(2-oxo-2H-4-trifluoromethyl-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranoside(42 mg, 85.1 μmol)を80%酢酸水溶液(2 mL)に溶解し50℃に加温し2時間攪拌した。反応終了後、溶媒を溜去した。残渣に6規定塩酸(2 mL)を加え80℃に加熱し3時間攪拌した。反応終了後、溶媒を溜去した。残渣を水に溶かし逆相HPLC にて精製した。目的物を含むフラクションを凍結乾燥し、黄色固体として化合物を得た。収量は18 mg、収率は54%であった。また、得られた化合物の分析結果は以下の通りである。
1H NMR(CD3OD, 400 MHz): δ7.43-7.38(m, 1H, Coumarin-5H), δ6.79(dd, J = 2.29 Hz, J = 9.15 Hz, 0.7H, Coumarin-5Hα), δ6.78(dd, J = 2.29 Hz, J = 8.69 Hz, 0.3H, Coumarin-5Hβ), δ6.72(d, J = 2.29Hz, 0.3H, Coumarin-6Hβ), δ6.69(d, J = 2.29 Hz, 0.7H, Coumarin-6Hα),δ6.37(s, 0.7H, Coumarin-8Hα), δ6.35(s, 0.3H, Coumarin-8Hβ),δ5.18(d, J = 3.20 Hz, 0.7H, H-1α), δ4.57(d, J = 8.24 Hz, 0.3H, H-1β), δ3.90-3.33(m, 6H, H-2, H-3, H-4, H-5, H-6, H-6’); ESI-MS : C16H16F3NO7 [M+H]+ 計算値 : 392.1, 実測値 : 392.1. 最大励起波長(Ex max)380.0nm, 最大蛍光波長(Em max)500.0nm.
【実施例】
【0167】
実施例8:3-TFMCDGの合成
3-TFMCDGは以下のようにして合成した。
【実施例】
【0168】
【化56】
JP2015205870A_000069t.gif
【実施例】
【0169】
(8-1)下記式で示される2-Oxo-3-trifluoromethyl-2H-chromen-7-yl trifluoromethanesulfonateの合成:
【実施例】
【0170】
【化57】
JP2015205870A_000070t.gif
2-Oxo-2H-chromen-7-yl trifluoromethanesulfonate(500 mg, 1.71 mmol)、Sodium trifluoromethanesulfinate(400 mg, 2.56 mmol)、酢酸マンガン(III)二水和物(914 mg, 3.41 mmol)に酢酸(17.5 mL)加え室温で撹拌した。19時間後、Sodium trifluoromethanesulfinate(400 mg, 2.56 mmol)と酢酸マンガン(III)二水和物(914 mg, 3.41 mmol)を追加した。さらに3時間後 Sodium trifluoromethanesulfinate(400 mg, 2.56 mmol)を追加した。反応開始から26.5時間後、水を加えて反応を停止した。酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。精製はシリカゲルカラム(SiO2, 40 g)にて行い、白色固体で化合物 (258.5 mg, 42%)を得た。
【実施例】
【0171】
(8-2)下記式で示されるMethyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-(2-oxo-3-trifluoromethyl-2H-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranosideの合成:
【実施例】
【0172】
【化58】
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アルゴン雰囲気下、活性化したモレキュラーシーブス4A(pellet)とMethyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-amino-α-D-glucopyranoside(39.6 mg, 116 μmol)と2-Oxo3-trifluoromethyl-2H-chromen-7-yl trifluoromethanesulfonate(35 mg, 96.6 μmol)とPd2(dba)3(トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0))(8.8 mg, 9.66 μmol)とBrettPhos( 2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル)(Sigma-Aldrich)(10.4 mg, 19.3 μmol)とCs2CO3(31.4 mg, 96.6 μmol)にトルエン(0.97 mL)を加え1時間還流した。反応終了後、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。精製はシリカゲルカラム(SiO2, 16 g)にて行い、薄黄色固体で化合物(13.8 mg, 29%)を得た。
【実施例】
【0173】
(8-3)下記式で示される2-Deoxy-2-(2-oxo-3-trifluoromethyl-2H-chromen-7-yl)amino-D-glucose(3-TFMCDG)の合成:
【実施例】
【0174】
【化59】
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化合物Methyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-(2-oxo-3-trifluoromethyl-2H-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranoside(40 mg, 94 μmol)を80%酢酸水溶液(3 mL)に溶解し50℃に加温し6時間攪拌した。反応終了後、溶媒を溜去した。残渣に6規定塩酸(3 mL)を加え80℃に加熱し5時間攪拌した。反応終了後、溶媒を溜去した。残渣をジメチルホルムアミドに溶かし逆相HPLC にて精製した。目的物を含むフラクションを凍結乾燥し、薄黄色固体として化合物を得た。
収量は23.2 mg、収率は27%であった。また、得られた化合物の分析結果は以下の通りである。
1H NMR(CD3OD, 400 MHz): δ8.17(s, 1H, Coumarin-4H),δ7.41(d, J = 8.69 Hz, 0.7H, Coumarin-5Hα)δ7.40(d, J = 8.69 Hz, 0.3H, Coumarin-5Hβ), δ6,80-6.76(m, 1H, Coumarin-6H), δ6.66(d, J = 1.83 Hz, 0.3H, Coumarin-8Hβ), δ6.64(d, J = 2.29 Hz, 0.7H, Coumarin-8Hα),δ5.18(d, J = 3.20 Hz, 0.7H, H-1α), δ4.58(d, J = 7.78 Hz, 0.3H, H-1β),δ3.91-3.68(m, H-3, H-5α, H-6, H-6'), δ3.58 (dd, J = 10.1 Hz, 3.20 Hz, 0.7H, H-2α), δ3.49-3.34 (m, 2.6H, H-2β, H-4, H-5β); ESI-MS : C16H17F3NO7 [M+H]+ 計算値 : 392.1, 実測値 : 392.1.最大励起波長(Ex max)381.0nm, 最大蛍光波長(Em max)455.0nm.
【実施例】
【0175】
実施例9:6-F-CDGの合成
6-F-CDGは以下のようにして合成した。
【実施例】
【0176】
【化60】
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【実施例】
【0177】
(9-1)下記式で示されるMethyl 2-deoxy-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranosideの合成:
【実施例】
【0178】
【化61】
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化合物Methyl 4,6-O-benzylidene-2-deoxy-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranoside(200 mg, 470.1 μmol)を80%酢酸水溶液(5 mL)に溶解し50℃に加熱し2時間攪拌した。反応終了後、溶媒を溜去した。1,4-dioxaneから凍結乾燥を行い、薄黄色固体で化合物(159 mg, quant.)を得た。
【実施例】
【0179】
(9-2)下記式で示されるMethyl 3,4-di-O-benzoyl-2-deoxy-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranosideの合成:
【実施例】
【0180】
【化62】
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アルゴン雰囲気下、Methyl 2-deoxy-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranoside(50 mg, 148 μmol)にピリジン(1.5 mL)を加えて溶解しTriphenylmethylchloride (206 mg, 740 μmol)を加え60℃に加熱した。2時間後放冷し飽和重曹水で中和し酢酸エチルで抽出し、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。得られた残渣にアルゴン雰囲気下、ピリジン(1.5mL)を加えて溶解し塩化ベンゾイル(140 μL, 1.205 mmol)を加えて40℃に加熱した。2時間後、酢酸エチルで抽出し飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。得られた残渣に氷冷した90%トリフルオロ酢酸水溶液(1.5 mL)を加え、30分後クロロホルムで希釈し、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。精製はシリカゲルカラム(SiO2, 40 g)にて行い、薄黄色固体で化合物 (47.7 mg, 59%)を得た。
【実施例】
【0181】
(9-3)下記式で示されるMethyl 3,4-di-O-benzoyl-2,6-dideoxy-6-fluoro-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranosideの合成:
【実施例】
【0182】
【化63】
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アルゴン雰囲気下、Methyl 2-deoxy-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranoside(220mg, 403 μmol)をジクロロメタン(10 mL)に溶解し、-17℃に冷却し三フッ化N,N-ジエチルアミノ硫黄(320 μL, 2.42 mmol)を滴下し室温に昇温した。2時間後、-17℃に冷却しさらに三フッ化N,N-ジエチルアミノ硫黄(320 μL, 2.42 mmol)を滴下し室温に昇温した。反応開始から4時間後、氷冷しメタノールを加えて反応を停止した。酢酸エチルで抽出し飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。精製はシリカゲルカラム(SiO2, 40 g)にて行い、薄黄色固体で化合物 (104 mg, 47%)を得た。
【実施例】
【0183】
(9-4)下記式で示される2,6-Dideoxy-6-fluoro-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-D-glucose(6-F-CDG)の合成:
【実施例】
【0184】
【化64】
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化合物 Methyl 3,4-di-O-benzoyl-2,6-dideoxy-6-fluoro-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranoside(104 mg, 190 μmol)に酢酸(1 mL)と6規定塩酸(20 mL)を加え80℃に加熱し4日間攪拌した。その後溶媒を溜去した。残渣にトリフルオロ酢酸(5 mL)と6規定塩酸(10 mL)を加え80℃に加熱し3日間攪拌した。反応終了後、溶媒を溜去した。ジメチルホルムアミドに溶かし逆相HPLC にて精製した。目的物を含むフラクションを凍結乾燥し、薄黄色固体として化合物を得た。
収量は10.2 mg、収率は17%であった。また、得られた化合物の分析結果は以下の通りである。1H NMR(CD3OD, 400 MHz): δ7.74(d, J = 9.15 Hz, 0.7H, Coumarin-4Hα), δ7.74(d, J = 9.15 Hz, 0.3H, Coumarin-4Hβ),δ7.30(d, J = 8.69 Hz, 0.7H, Coumarin-5Hα),δ7.27(d, J = 8.24 Hz, 0.3H, Coumarin-5Hβ), δ6.75-6.72(m, 1H, Coumarin-6H), δ6.66(d, J = 1.83 Hz, 0.3H, Coumarin-8Hβ), δ6.62(d, J = 2.29 Hz, 0.7H, Coumarin-8Hα), δ6.00(d, J = 9.15 Hz, 0.7H, Coumarin-3Hα), δ5.98(d, J = 9.15 Hz, 0.3H, Coumarin-3Hβ),δ5.19(d, J = 3.20 Hz, 0.7H, H-1α),δ4.75-4.51(m, 2.2H, H-1β, H-3β, H-5β, H-6, H-6'β),δ3.97 (dddd, J = 27.5 Hz, 10.1 Hz, 4.1 Hz, 1.3 Hz, 0.7H, H-6'α), δ3.78 (t, J = 9.61 Hz, 0.7H, H-3α), δ3.55-3.42 (m, 2.4H, H-2α, H-4, H-5α); ESI-MS : C15H17FNO6 [M+H]+ 計算値 : 326.1, 実測値 : 326.1.
【実施例】
【0185】
実施例10:4-F-CDGの合成
4-F-CDGは以下のようにして合成した。
【実施例】
【0186】
【化65】
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【実施例】
【0187】
(10-1)下記式で示されるMethyl 2-deoxy-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-3,6-di-O-pivaloyl-α-D-glucopyranosideの合成:
【実施例】
【0188】
【化66】
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アルゴン雰囲気下、Methyl 2-deoxy-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-α-D-glucopyranoside(435 mg, 1.29 mmol)にピリジン(6.5mL)とジクロロメタン(6.5 mL)を加えて溶解し氷冷した。塩化ピバロイル(565 μL, 4.59 mmol)を滴下し室温に昇温した。1時間後、飽和重曹水を滴下して反応を停止した。酢酸エチルで抽出し飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。精製はシリカゲルカラム(SiO2, 40 g)にて行い、薄黄色固体で化合物 (431.8 mg, 66%)を得た。
【実施例】
【0189】
(10-2)下記式で示されるMethyl 2-deoxy-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-3,6-di-O-pivaloyl-α-D-galactopyranosideの合成:
【実施例】
【0190】
【化67】
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アルゴン雰囲気下、Methyl 2-deoxy-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-3,6-di-O-pivaloyl-α-D-glucopyranoside(150 mg, 297 μmol)をジクロロメタン(10 mL)とピリジン(1 mL)に溶解し氷冷した。無水トリフルオロメタンスルホン酸(74 μL, 445 μmol)を滴下し室温に昇温した。1.5時間後、酢酸エチルで抽出し飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。アルゴン雰囲気下、残渣にジメチルホルムアミド(3 mL)を加えて溶解し氷冷した。亜硝酸ナトリウム(71.7 mg, 69 μmol)を加えた。1.5時間後、反応溶液をシリカゲルカラム(SiO2, 16 g)にて精製した。薄黄色固体で化合物(79.5 mg, 53%)を得た。
【実施例】
【0191】
(10-3)下記式で示されるMethyl 2,4-dideoxy-4-fluoro-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-3,6-di-O-pivaloyl-α-D-glucopyranosideの合成:
【実施例】
【0192】
【化68】
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アルゴン雰囲気下、Methyl 2-deoxy-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-3,6-di-O-pivaloyl-α-D-galactopyranoside(225 mg, 445 μmol)をジクロロメタン(8.9 mL)に溶解し、-40℃に冷却し三フッ化N,N-ジエチルアミノ硫黄(352.8 μL, 2.67 mmol)を滴下し室温に昇温した。反応開始から4時間後、-20℃に冷却しメタノールを加えて反応を停止した。クロロホルムで抽出し飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜去した。精製はシリカゲルカラム(SiO2, 40 g)にて行い、薄黄色固体で化合物 (174.7 mg, 77%)を得た。
【実施例】
【0193】
(10-4)下記式で示される2,4-Dideoxy-4-fluoro-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-D-glucose(4-F-CDG)の合成:
【実施例】
【0194】
【化69】
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化合物Methyl 2,4-dideoxy-4-fluoro-2-(2-oxo-2H-chromen-7-yl)amino-3,6-di-O-pivaloyl-α-D-glucopyranoside(170 mg, 335 μmol)を4.5規定塩化水素ジオキサン溶液(6 mL)と6規定塩酸(3 mL)に溶解し80℃に加温し6時間攪拌した。反応終了後、溶媒を溜去した。残渣をジメチルホルムアミドに溶かし逆相HPLC にて精製した。目的物を含むフラクションを凍結乾燥し、薄黄色固体として化合物を得た。
収量は8.4 mg、収率は8%であった。また、得られた化合物の分析結果は以下の通りである。
1H NMR(CD3OD, 400 MHz): δ7.75(d, J = 9.61 Hz, 1H, Coumarin-4H),δ7.30(d, J = 8.69 Hz, 1H, Coumarin-5H),δ6.75(dd, J = 8.24 Hz, 1.83 Hz, 1H, Coumarin-6H), δ6.67(d, J = 1.83 Hz, 0.3H, Coumarin-8Hβ), δ6.63(d, J = 2.29 Hz, 0.7H, Coumarin-8Hα), δ6.01(d, J = 9.15 Hz, 0.7H, Coumarin-3Hα), δ5.99(d, J = 9.15 Hz, 0.3H, Coumarin-3Hβ),δ5.18(t, J = 3.20 Hz, 0.7H, H-1α), δ4.61(d, J = 7.78 Hz, 0.3H, H-1β),δ4.40 (ddd, J = 51.2 Hz, 8.69 Hz, 1.37 Hz, 0.7H, H-4α), δ4.35 (ddd, J = 50.8 Hz, 8.69 Hz, 0.92 Hz, 0.3H, H-4β),δ4.06-3.98(m, 1.7H, H-3α, H-6), δ3.88-3.48 (m, 2.6H, H-2β, H-3β, H-5, H-6'), δ3.36 (d, J = 10.1 Hz, 0.7H, H-2α); ESI-MS : C15H17FNO6 [M+H]+ 計算値 : 326.1, 実測値 : 326.1.
【実施例】
【0195】
(7)蛍光スペクトル
上記(1)で合成したCDG、および(2)で合成したQDGの蛍光スペクトルと、2-NBDLG(ペプチド研究所製)と比較した。結果を図1に示す。
グラフ上に記された数値は、それぞれCDGおよびQDGの蛍光極大を示す。550nm付近にある2-NBDLGの蛍光極大よりも大きく短波長側にシフトしていることがわかる。従って、CDG(あるいはCDGと同一の蛍光スペクトルを示すCLG)やQDG(あるいはQDGと同一蛍光スペクトルを示すQLG)を、2-NBDLG(あるいは2-NBDLGと同一の蛍光スペクトルを示す2-NBDG)と同時に使用しても、蛍光波長の違いにより容易に識別することが可能である。(2-NBDLGの主要スペクトルは500nm以上に存在し、500nm以下にみられるスペクトル上の小さな山と谷は、励起光による影響である)。
【実施例】
【0196】
実施例11:マウスインスリノーマ細胞(MIN6)へのCDG投与による蛍光強度の増加に対するCytochalasin B (CB)の影響
MIN6細胞を対象として、CDGを投与した際の蛍光強度の増加、およびそれに対するグルコーストランスポーター(GLUT) 阻害剤CBの影響を確認した。
(実験方法)
(1)マウスインスリノーマ細胞 (MIN6)の調製
測定には、縦A-Hの8行、横1-12の12列のウェルを有する96穴クリアボトムプレート (μClear-PLATE, Greiner bio-one, BLACK)を用いた。MIN6細胞を60 x 104 cells/mLの割合で懸濁させた培養液をウェル中心部に10 μL滴下した後、インキュベーター内で40分静置することで定着させ、培養液を 200 μL加えて培養した (6000 cells/well)。配置としては3列目のB-H、5列目のA-Gのウェルに蒔いた。培地交換は0-4 DIV (days in vitro)では2日に1回、5 DIV以降は毎日半量交換し、培養10-15日目 (10-15 DIV)で実験に供した。3列目Aおよび5列目Hのウェルには細胞を蒔かず、洗い流しが正確に行われたか否かをチェックするためのコントロールとして用いた。また、4列目には細胞はなく、クレブスリンガーバッファ溶液(KRB, ギャップ結合阻害剤Carbenoxolone 0.1 mM、グルコース5.6 mMを含む)のみのブランクとして使用した。
【実施例】
【0197】
(1-1)MIN6細胞の培養
MIN6細胞は大阪大学の宮崎純一教授より供与を受けて6-10回継代した細胞を用いた。培養液は2日に一回半量を交換した。
(1-2)MIN6細胞の培養に用いた培養液の組成
高グルコース含有Dulbecco's modified Eagle's Medium (DMEM-HG)(SIGMA #D5648) 13.4 g, NaHCO3 3.4 g, 2-Mercaptoethanol 5 μLを1 Lの超純水に溶解し、37℃のCO2インキュベーター中でpH 7.30 - 7.35となるようpHを調整した。Fetal Bovine Serum (Hyclone, Cat# SH30070.03)を終濃度10 %となるように、またペニシリン-ストレプトマイシンを終濃度0.5 %となるよう添加した。
【実施例】
【0198】
(2)CDG溶液及び他の蛍光糖誘導体の調製
CDG溶液の調製
0.5 mg CDGバイアル全量を合計0.73 mL の10 % dimethyl sulfoxide (DMSO) を用いて回収、7.0 mlの画像取得用KRB溶液に非特許文献2に準じた方法で加えることで溶解した。終濃度100 μMで細胞へ適用した。
2-NBDG溶液の調製
0.5 mg 2-NBDGバイアル一本全量をデータ取得用KRB溶液1.83 mLに溶解した。終濃度 200 μMで細胞へ適用した。
(2-1)データ取得用KRB溶液
蛍光マイクロプレートリーダーによるデータ取得に用いた容積の組成
NaCl 129.0 mM, KCl 4.75 mM, KH2PO4 1.19 mM MgSO4・7H2O 1.19 mM, CaCl2・2H2O 1.0 mM, NaHCO3 5.02 mM, D-Glucose 5.6 mM, HEPES 10 mM (1M NaOHにてpH 7.35に調整)。なおgap junction/hemichannelを経由する蛍光標識グルコースの出入りを阻害する目的で0.1 mM Carbenoxolone (SIGMA #C4790)を加えた。なお本データ取得用KRB溶液は、CDG溶液および他の蛍光糖誘導体溶液を作成するための溶液として使用した。
【実施例】
【0199】
(3)蛍光計測
CDGおよび2-NBDGは同一プレート上に交互に配置するよう、8連ピペットを用いて、それぞれ3列目および5列目のウェルに独立に投与した。投与前には、あらかじめ各ウェルの自家蛍光を蛍光マイクロプレートリーダー (Flex Station, Molecular Device社)で計測した。測定条件はCDG検出器側 (青チャネル)はEx 367 nm, Em 455 nm, Cut off 420 nm、2-NBDG検出器側 (緑チャネル)はEx 470 nm, Em 540 nm, Cut off 495 nmとし、Bottom Read、Averaging 3、Photomultiplier感度 highにて行い、測定方法としてWell Scan Modeを用いた。Well Scan Modeは、一つのウェル中を9つの観察領域 (直径1.5 mm)に分割して、それぞれ独立に計測する。
次いで、グルコース輸送阻害剤Cytochalasin B (CB)の効果を計測するウェルには、CDG投与の2分前からCB (終濃度 10 μM)を前投与し、その他のウェルにはKRBを加えた。CDGおよび2-NBDGの投与は、37℃で5分間おこなった。
投与終了後は、300 μL のKRB溶液を用いてウェル中の蛍光溶液を希釈する操作を30秒ずつ、決められた回数繰り返した。繰り返し回数は、対照群として設定した3列目Aおよび5列目Hのウェルの示す蛍光強度が、細胞のないブランクのウェルの蛍光強度と同レベルになることを基準として決定し、完全に洗い流されていることを毎回の実験で確認した。CDGおよび2-NBDGの場合にはこの洗い流し過程に8分を要したため、投与後の蛍光計測は9分後に実施した。
なお、この方法によれば、細胞膜状態の破綻を来たした細胞がCDGおよび2-NBDGに接触後、これらの化合物をいったん細胞内に取り込んだとしても、計測時点では既に細胞外に流出し洗い流されているために、観察エリア全体の蛍光強度の増加に対する寄与は無視しうる程度と判断された。
上記の方法を用いて、培養13日目のMIN6細胞に、D-グルコース誘導体 (CDG)を適用した際の蛍光強度の変化に対するグルコース輸送阻害剤の効果を確認した。CB (10 μM)存在下および非存在下で、細胞の蛍光強度の増加を測定した。結果を図2Aに示す。
CB 存在下では、阻害剤が存在しない場合と比較して、蛍光強度が大きく減弱しており、CDGの細胞内への取り込みにGLUTを介した取り込みが少なからず寄与していることを示唆している。括弧内は、有効観察領域の数を示す。同様の実験は独立に二度行い、いずれも同様の結果が得られ、CB存在下では非存在下に対し、それぞれ平均 47.3%および 42.9%にまで減少した。
なお、統計にはunpaired t-test、またはANOVA and Bonferroni-Dunn testを用いた(以下同様)。
【実施例】
【0200】
実施例12:MIN6細胞へのCDG投与による蛍光強度の増加に対するPhloretin (PHT)の影響
培養13日目のMIN6細胞に対するCDG投与による蛍光強度の増加、およびそれに対するGLUT阻害剤および水チャネル阻害剤として機能するPHTの影響を、実施例11と同様にして確認した。結果を図2Bに示す。
PHTの効果を計測するウェルには、CDG投与の1分前からPHT (終濃度 150 μM)を前投与し、その他のウェルにはKRBを加えた。CDGおよび2-NBDGの投与は、37℃で5分間おこなった。
PHT 存在下では、非存在下と比較して蛍光強度が著しく減弱している。同様の実験を独立に二度実施して、いずれも同様の結果が得られ、PHT存在下では、非存在下に対し、それぞれ平均 28.5%および 28.8%にまで減少した。このPHTによる阻害効果の程度は、図2Aで示したCBによる阻害効果より強く、CDGの細胞内への取り込みにGLUTと共に、それ以外の経路も関与している可能性が示唆された。
【実施例】
【0201】
実施例13:MIN6細胞へのCDGまたはCLG投与による蛍光強度の増加に対するPhloretin (PHT)の影響
培養15日目のMIN6細胞に対するCDGまたはCLG投与時の蛍光強度の増加、およびそれに対するPHTによる阻害効果を、同一ディッシュ上で比較した。
同一の96 wellディッシュ上のMIN6細胞を対象として、PHTが存在するウェルと存在しないウェルのそれぞれに、CDGを投与するウェル、CLGを投与するウェルを交互に配置しておき、8連ピペットを用いることで投与液を一斉に投与した。5分間静置した後、洗い流しも一斉におこない、蛍光強度の変化を観察領域毎に計測した。結果を図2Cに示す。
実験の結果、D-グルコース誘導体であるCDGの投与による蛍光強度の増加は、実施例12の結果と同様、GLUT阻害剤ならびに水チャネル阻害剤であるPHTにより有意に阻害された。またPHTは、L-グルコース誘導体であるCLGの取り込みも有意に阻害した。
注目すべきこととして、PHT存在下でもCDG投与により蛍光強度はなお少なからず増加し、この増加の程度はCLGによる蛍光強度の増加の程度とほぼ同程度であった
【実施例】
【0202】
更に、L-グルコース誘導体であるCLG投与による蛍光強度の増加は、D-グルコース誘導体であるCDG投与による蛍光強度の増加に比して有意に小さかった。これは、青色蛍光グルコース誘導体CDGおよびCLGのマウスインスリノーマMIN6細胞への取り込みが、D/L立体選択性を示すことを定量的に示したものと言える。
これまでに、細胞内に蛍光グルコース誘導体がD/Lの立体選択性を示しながら取り込まれる様子を定量的に比較した例としては、緑色グルコース誘導体2-NBDGと2-NBDLGをMIN6細胞に投与した本発明者らの報告がある。その場合、D-グルコース誘導体である2-NBDGの細胞内への取り込みよりも、L-グルコース誘導体2-NBDLGの細胞内への取り込みが常に小さい(WO2012/133688、特許文献4参照)。本発明の青色D-グルコース誘導体CDGと青色L-グルコース誘導体CLGの組み合わせにおいても、D型優位が認められ、グルコースの立体構造の違いを反映している可能性が示唆される。
【実施例】
【0203】
比較例:MIN6細胞への緑色蛍光D-グルコース誘導体2-NBDG投与による蛍光強度の増加に対するCytochalasin B (CB)またはPhloretin (PHT)の影響
緑色蛍光D-グルコース誘導体2-NBDG投与による蛍光強度の増加に対して、CB (10 μM) あるいはPHT (150 μM)による阻害効果を確認した。実施例11の実験と同じ日に、同じ培養開始後13日目のMIN6細胞シリーズを用いて、緑色蛍光D-グルコース誘導体2-NBDGを投与し、蛍光強度の増加に対するCB (10 μM) あるいはPHT (150 μM)による阻害効果を調べた。
具体的には、2-NBDGを200 μM含むKRB溶液を細胞に投与し、5分間静置した後に洗い流し、投与前後の細胞の蛍光強度の増加を計測した。励起光波長470nm、蛍光取得波長540 nm、カットオフフィルター495 nmにて、各観察領域で3回測定した平均値を集計した。結果を図3に示す。
2-NBDGのMIN6細胞内への取り込みは、発明者らの以前の報告(WO2012/133688、特許文献4)と同様に、CBにより有意に阻害され、PHT により更に強く阻害された。独立に実施した二回の実験のいずれにおいても同様の結果が得られ、CB存在下では非存在下と比較してそれぞれ平均30.8%および36.4%にまで蛍光強度が減少し、PHT存在下では非存在下と比較してそれぞれ平均 18.6% および15.7%にまで減少した。この結果は、図2Aおよび図2Bにみられる、CDG投与による蛍光強度の増加に対するCBおよびPHTによる阻害効果と類似している。ただし、2-NBDGの取り込みは、PHTの存在により著しく減弱するのに対し、CDGの投与はPHT存在下でも少なからぬ蛍光強度の残存をもたらした。
このように、2-NBDGとCDGの両者を比較することによって、D-グルコースに結合した蛍光基の違いによる細胞内への取り込みの影響に関する情報や、輸送経路に関する重要なヒントを得ることができる。
【実施例】
【0204】
実施例14:MIN6細胞へのCDG投与による蛍光強度の増加に対する過剰D-グルコースまたは過剰L-グルコースの影響
培養13日目のマウスインスリノーマ細胞MIN6への青色蛍光D-グルコース誘導体CDG (100 μM)の投与による蛍光強度の増加が、大過剰のD-グルコースもしくはL-グルコースによって阻害されるか否かを調べた。対照として、青色蛍光L-グルコース誘導体 CLGについても同様に解析した。結果を図4に示す。但し、以下の条件を変更した。
【実施例】
【0205】
(実験方法)
(1)グルコース過剰投与群専用KRB溶液の調製
通常のKRB溶液にはNaCl 129 mMおよびD-グルコース 5.6 mMを含むが、本実験におけるコントロール溶液(グルコース非過剰投与群溶液)は、グルコース過剰投与用のKRB溶液と電荷と浸透圧を一致させるため、NaClの一部をcholine-Clで置換することによって浸透圧が270 mOsmとなるように調整した。また、グルコース過剰投与用のKRB溶液は、下記の組成のNaClとグルコースが含まれるようにした。その際、コントロール溶液(グルコース非過剰投与群溶液)と浸透圧が一致するように、choline-Clを添加した。
NaCl 100 mM, D-グルコース 5.6 mM (グルコース非過剰投与群溶液)
NaCl 100 mM, D-グルコース 50 mM (50mM D-グルコース過剰投与群溶液)
NaCl 100 mM, L-グルコース 50 mM, D-グルコース 5.6 mM (50mM L-グルコース過剰投与群溶液)
なお本専用KRB溶液は、本実施例におけるCDGならびにCLG溶液を作成するための溶液としても使用した。
(2)蛍光計測
CDGとCLGは異なるプレート上に配置して実験を行った。8連ピペットを用いて、それぞれの専用KRB溶液を用いて作成したCDG溶液(もしくはCLG溶液)を投与した (37℃、5分間)。投与前にはあらかじめ各専用KRB溶液へ置換し、各ウェルの自家蛍光を蛍光マイクロプレートリーダーで計測した。置換開始から投与直前までの時間はおよそ28分である。
投与終了後は、まず200 μL の専用KRB溶液を用いて一度希釈し、その後通常のKRB溶液 300 μLを用いてウェル中の蛍光溶液を希釈した。
【実施例】
【0206】
D-グルコースが細胞膜に存在するGLUTを介して細胞内に取り込まれる場合、GLUTタンパク中のD-グルコース結合サイトにD-グルコースが結合することが必要である。具体的には、最初細胞膜外側に開く形をとっているGLUTタンパク中のD-グルコース結合サイトにD-グルコースが結合し、この結合をきっかけとしてGLUTの立体構造が細胞内に開いた形に変化し、次いでD-グルコースがGLUT中の結合サイトから離れると、面している側は細胞内であるため、結果として細胞外から細胞内に輸送されるという機構が考えられている。その際、もしも溶液中に大過剰のD-グルコースが存在すれば、GLUT中のD-グルコース結合部位をD-グルコースが占有することとなり、細胞内への輸送速度は一定以上に速くならず、頭打ちとなる。
さてここで、MIN6細胞への青色蛍光D-グルコース誘導体CDGの投与による蛍光強度の増加が、図2Aの結果から予想されるようにGLUTを介したCDGの細胞内への取り込みに起因するものであるとしたら、GLUT通過に先立ち、CDGがGLUT中のD-グルコース結合部位に結合すると考えられる。従って、その際に大過剰のD-グルコースが溶液中に存在すれば、GLUT中のD-グルコース結合サイトがD-グルコースで占有されることによりCDGが結合サイトに結合できず、CDGの細胞内への輸送も阻害(競合阻害)されると予想される。
大過剰(50 mM)のD-グルコースの存在による蛍光強度の増加への影響を評価する上で、対照として50 mMのL-グルコースの存在による影響についても検討した。
【実施例】
【0207】
実験の結果、CDG投与による蛍光強度の増加は、50 mMのD-グルコース存在下で非存在下の対照に比較して有意に抑制されたが、50 mMのL-グルコースの添加によっては抑制されなかった(図4A)。一方、CLG投与による蛍光強度の増加も、50 mMのD-グルコースによってわずかに阻害された(図4B)。ただし、統計学的にはその差は極めてわずかである。実際、本実験に用いたANOVA and Bonferroni-Dunn testでの有意差は、P値が0.0083未満で有意となるが、実際の数値は0.0060であり、かろうじて有意水準を下回っているに過ぎない。CLG投与による蛍光強度の増加は、50 mMのL-グルコースによっては阻害されなかった。
【実施例】
【0208】
実施例15:MIN6細胞へのQDG投与による蛍光強度の増加に対するCytochalasin B (CB)またはPhloretin (PHT)の影響
CDGの代わりにQDGを用いて、実施例11および12と同様にして、QDG投与による蛍光強度の増加、およびそれに対するCBまたはPHTの影響を確認した。結果を図5に示す。
(1)QDG溶液の調製
0.5 mg QDGバイアル全量を合計0.71 mL の10 % dimethyl sulfoxide (DMSO) を用いて回収、7.1 mlの画像取得用KRB溶液に非特許文献2に準じた方法で加えることで溶解した。終濃度100 μMで細胞へ適用した。
実験の結果、CBによりQDG投与による蛍光強度の増加は有意に阻害され(図5A)、PHT存在下では更に強く阻害された(図5B)。励起光波長354 nm、蛍光取得波長435 nm、カットオフフィルター420 nmにて3回計測し、結果の平均値を各観察領域ごとに算出した。
【実施例】
【0209】
実施例16:マウスインスリノーマ細胞(MIN6)からなる腫瘍細胞塊のCDG/2-NBDLG/2-TRLGを用いたイメージング
培養17日目のMIN6細胞塊(スフェロイド)に対して、CDGを100 μM、2-NBDLGを100 μM、2-TRLGを20 μM含む蛍光混合溶液(CDG/2-NBDLG/2-TRLG)を、37度で3分間投与し、蛍光イメージングを行った。
(実験方法)
(1)マウスインスリノーマ細胞(MIN6)スフェロイドの調製
MIN6細胞を6 x 104 cells/mLの割合で懸濁させた培養液をガラスカバースリップ上に10 μL滴下した後、インキュベーター内で40 min静置することでガラス面に定着させ、培養液を 3 mL加えて培養した (600 cells/slip)。15から17日間培養を続けることで、スフェロイドを形成させた。培養液は3日に一回半量を交換した。
【実施例】
【0210】
(1-1)MIN6細胞の培養
MIN6細胞は大阪大学の宮崎純一教授より供与を受けて6-10回継代した細胞を用いた。培養液は2日に一回半量を交換した。
(1-2)MIN6細胞の培養に用いた培養液の組成
高グルコース含有Dulbecco's modified Eagle's Medium (DMEM-HG)(SIGMA #D5648) 13.4 g, NaHCO3 3.4 g, 2-Mercaptoethanol 5 μLを1 Lの超純水に溶解し、37℃のCO2インキュベーター中でpH 7.30 - 7.35となるようpHを調整した。Fetal Bovine Serum (Hyclone, Cat# SH30070.03)を終濃度10 %となるように、またペニシリン-ストレプトマイシンを終濃度0.5 %となるよう添加した。
【実施例】
【0211】
(2)CDG溶液及び他の蛍光糖誘導体との混合溶液の調製
CDG溶液の調製
0.5 mg CDGバイアル全量を合計0.73 mL の10 % DMSO を用いて回収、画像取得用KRB溶液 7.0 mlに非特許文献2に準じた方法で加えることで溶解した。
2-NBDLG溶液の調製
0.5 mg 2-NBDLGバイアル一本全量を画像取得用KRB溶液7.3 mLに溶解した。
100 μM CDG + 100 μM 2-NBDLG + 20 μM 2-TRLG混合溶液の調製
上記CDG溶液ならびに2-NBDLG溶液を1:1の割合で混合した。0.2 mg 2-TRLGバイアル全量を合計130 μLのDMSOを用いて回収し、CDG + 2-NBDLG混合溶液 13 mlに非特許文献2に準じた方法で混合した(終濃度100 μM CDG + 100 μM 2-NBDLG + 20 μM 2-TRLG混合溶液)。
(2-1)画像取得用KRB溶液
画像取得用KRB溶液として、下記の組成の溶液を用いた。
NaCl 129.0 mM, KCl 4.75 mM, KH2PO4 1.19 mM MgSO4・7H2O 1.19 mM, CaCl2・2H2O 1.0 mM, NaHCO3 5.02 mM, D-Glucose 5.6 mM, HEPES 10 mM (1M NaOHにてpH 7.35に調整)。なおgap junction/hemichannelを経由する蛍光標識グルコースの出入りを阻害する目的で0.1 mM Carbenoxolone (SIGMA #C4790)を加えた。なお本データ取得用KRB溶液は、CDG溶液および他の蛍光糖誘導体との混合溶液を作成するために使用した。
【実施例】
【0212】
(3)灌流チャンバーを用いたMIN6細胞の観察方法
蛍光顕微鏡のステージ上にセットされた灌流チャンバー内の画像取得用KRB溶液中に、MIN6細胞を培養したガラスカバースリップを移して計測した。
(3-1)灌流チャンバー
底部に対物レンズ用の丸穴(直径18 mm)のあいたアルミ製加温制御プラットフォーム(Warner Instruments)上に、流線型に穴開け加工(幅10 mm x 長さ35 mm)を施した厚さ1 mmのシリコン板をカバーガラスを介して載せ、カバーガラスと密着させた。
溶液の灌流は非特許文献2に記載の方法に準じて実施した。
【実施例】
【0213】
(4)灌流チャンバーへの灌流液供給システム
画像取得用KRB溶液は、あらかじめアルミ製シリンジヒーター中で温められ、静水圧により灌流用チャンバーに供給された。灌流速度は流量調節器を用いて、1.3±0.2 mL/分となるように調節した。なお、溶液は灌流用チャンバーに導入される直前に、インラインヒーターを介して再加温し、チャンバー内の観察領域において、灌流液の実測温度が36±1℃になるように調節した。CDG/2-NBDLG/2-TRLG混合溶液も同様の方法で供給できるようにし、画像取得用KRB溶液との切り替えは、流路を開閉制御できる電磁バルブを用いて行った。溶液の除去は、吸引圧制御可能な真空ポンプを用いて行った。
【実施例】
【0214】
(5)画像取得条件
蛍光顕微鏡はNIKON ECLIPS-Tiを用い、CCDカメラ Retiga 2000Rにて画像取得した。
CDGおよび2-NBDLG、2-TRLGは、それぞれ次のようなフィルターカセットを用いて検出した。
CDG(Blue channel):
Excitation 360/40 nm, Dichroic mirror 400 nm, Emission 460/50 nm.
2-NBDLG(Green channel):
Excitation 470/40 nm, Dichroic mirror 500 nm, Emission 545/55 nm.
2-TRLG(Red channel):
Excitation 567/15 nm, Dichroic mirror 593 nm, Emission 593 nm Longpass.
本法における対物レンズはx60oilレンズ (Plan Fluor 60x/0.50-1.25 Oil)を使用した。1600x1200の画素数で、12 bitの深さで画像取得した。
【実施例】
【0215】
100 μM CDG + 100 μM 2-NBDLG + 20 μM 2-TRLGの混合溶液を、スフェロイド形成したMIN6細胞塊に3分間投与した結果を図6および図7に示す。図6は、混合溶液の洗い流しを開始して6分後の蛍光顕微鏡像を示している。図6A、B、Cは、それぞれ青色蛍光を発するCDG、緑色蛍光を発する2-NBDLG、赤色蛍光を発する2-TRLGの細胞内への取り込みの様子である。図6Dは、微分干渉コントラスト(DIC)像である。スフェロイドの中心部は、2-TRLGの強い取り込みを示し、発明者らの以前の報告(WO2012/133688、特許文献4)にも記載されているように、細胞膜の透過性が亢進している。従って、この領域に存在する細胞の示すCDGあるいは2-NBDLGの取り込みは、膜透過性の亢進に起因する非特異的取り込みによるものが中心になると考えられる。これに対して、スフェロイドの中心部をドーナツ状に取り囲む領域においては、このような2-TRLGの取り込みを示す細胞は一部に過ぎず、また、CDGと2-NBDLGの取り込みは一様でない。
図7は、図6Aと図6Bの重ね書き像で、CDGと2-NBDLGの局在について見やすくするため、CDGの取り込みを青色の代わりに赤色で表現したものである。CDGの細胞内への取り込みを比較的強く示す赤色に近い細胞と、2-NBDLGの細胞内への取り込みを比較的強く示す緑色に近い細胞、CDGと2-NBDLGの両者を取り込み黄色で表現される細胞などが存在している。以上の結果は、CDGと2-NBDLG を同時に細胞塊に投与することによって、2-NBDLGの取り込みは少ないがCDGを取り込む細胞の存在を検出できる可能性を示す。
加えて、2-NBDLGの場合には細胞質に強く取り込まれることにより、核が抜けたようなイメージング像が得られるのに対して、CDGの場合には、細胞質のみならず、予想外にも核にもとりこまれた。このことは、図7において、核がCDGの取り込みを反映して赤色に、また細胞質がCDGおよび2-NBDLGの取り込みを反映して黄色に染まっている細胞の存在によっても確認される。
【実施例】
【0216】
実施例17:マウスインスリノーマ細胞(MIN6)からなる腫瘍細胞塊のCLG/2-NBDLG/2-TRLGを用いたイメージング
実施例16と同様にして、ただし、培養15日目のMIN6細胞塊に対して、CDG/2-NBDLG/2-TRLG混合溶液の代わりに、CLG/2-NBDLG/2-TRLG混合溶液を用いて蛍光イメージングを行った。
結果を図8に示す。100 μM CLG + 100 μM 2-NBDLG + 20 μM 2-TRLGの混合溶液を、スフェロイド形成したMIN6細胞塊に3分間投与した後、混合溶液の洗い流しを開始して6分後の蛍光顕微鏡像を示している。図8A,B,Cは、それぞれ青色蛍光を発するCLG、緑色蛍光を発する2-NBDLG、赤色蛍光を発する2-TRLGのがん細胞内への取り込みの様子。図8Dは、微分干渉コントラスト(DIC)像。CDGの場合とは異なり、CLGを強く取り込む細胞はみな2-NBDLGの取り込みも示した。また、CDGと同様、CLGも細胞質のみならず、核にも強くとりこまれた。
【実施例】
【0217】
実施例18:急性単離神経正常細胞へのCLGの適用
(実験方法)
(1)CLG溶液及び他の蛍光糖誘導体との混合溶液の調製
CLG溶液の調製
0.5 mg CLGバイアル全量を合計0.73 mL の10 % DMSO を用いて回収、14.79 mlの画像取得用HEPES溶液に非特許文献2に準じた方法で加えることで溶解した (100 μM)。
100 μM CLG + 20 μM 2-TRLG混合溶液の調製
0.2 mg 2-TRLGバイアル全量を合計130 μLのDMSOを用いて回収。CLG溶液 13mLに非特許文献2に準じた方法で溶解した (終濃度100 μM CLG + 20 μM 2-TRLG混合溶液)。
(1-1)画像取得用HEPES溶液
蛍光画像取得用として、下記の組成の溶液を用いた。
NaCl 150mM, KCl 5mM, MgCl2 1mM, CaCl2 2mM, HEPES 10mM, 1M Tris(2-amino-2-hydroxymethyl-1,3-propanediol)溶液にてpH7.4に調整。Glucose 濃度は10mMとした。なおgap junction/hemichannelを経由する蛍光標識グルコースの出入りを阻害する目的で0.1 mM Carbenoxolone (SIGMA #C4790)を加えた。本画像取得用HEPES溶液は、CLG溶液および他の蛍光糖誘導体との混合溶液を作成するために使用した。
【実施例】
【0218】
(2)灌流チャンバーを用いた神経細胞の観察
生後21日令のマウスの中脳黒質網様部神経細胞を、発明者らの以前の報告(WO2010/16587号公報、特許文献2)および(WO2012/133688号公報、特許文献4)に記載した方法に準じて急性単離し、poly-L-Lysineコートしたガラスカバースリップに付着させた上、蛍光顕微鏡のステージ上にセットされた灌流チャンバー内の画像取得用HEPES溶液中にガラスカバースリップを移し、観察した。
(2-1)灌流チャンバー
底部に対物レンズ用の丸穴(直径18 mm)のあいたアルミ製加温制御プラットフォーム(Warner Instruments)上に、流線型に穴開け加工(幅10 mm x 長さ35 mm)を施した厚さ1 mmのシリコン板をカバーガラスを介して載せ、カバーガラスと密着させた。
溶液の灌流は非特許文献2に記載の方法に準じて実施した。
【実施例】
【0219】
(3)灌流チャンバーへの灌流液供給システム
画像取得用HEPES溶液は、あらかじめアルミ製シリンジヒーター中で温められ、静水圧により灌流用チャンバーに供給された。灌流速度は流量調節器を用いて、1.3±0.2 mL/分となるように調節した。なお、溶液は灌流用チャンバーに導入される直前に、インラインヒーターを介して再加温し、チャンバー内の観察領域において、灌流液の実測温度が32.5±1℃になるように調節した。CLG/2-TRLG混合溶液も同様の方法で供給できるようにし、画像取得用HEPES溶液との切り替えは、流路を開閉制御できる電磁バルブを用いて行った。溶液の除去は、吸引圧制御可能な真空ポンプを用いて行った。
【実施例】
【0220】
(4)画像取得条件
蛍光顕微鏡はNIKON ECLIPS-Tiを用い、CCDカメラ Retiga 2000Rにて画像取得した。
CLGおよび2-TRLGは、それぞれ次のようなフィルターカセットを用いて検出した。
CLG(Blue channel):
Excitation 360/40 nm, Dichroic mirror 400 nm, Emission 460/50 nm.
2-TRLG(Red channel):
Excitation 567/15 nm, Dichroic mirror 593 nm, Emission 593 nm Longpass.
本法における対物レンズはx20dryレンズ (Nikon Plan S Fluor)を使用し、1600x1200の画素数で画像取得した。
【実施例】
【0221】
結果を図9および図10に示す。図9は、急性単離した正常神経細胞(矢印)に対し、CLG + 2-TRLG の混合溶液を3分間投与した際の細胞の示す蛍光強度の投与前後における変化を、CLG の発する青色蛍光の波長領域(Blue channel)で観察した例である。投与前、投与後とも、バックグラウンド減算処理を行った。Aは、混合溶液投与前の正常神経細胞(矢印)が示す自家蛍光を観察したもので、わかりやすくするために、Aに微分干渉コントラスト(DIC)像を重ねあわせたものをBに示した。混合溶液投与前、正常神経細胞がわずかに自家蛍光を発する様子がわかる。*は死滅した細胞の破片で、画面左側の破片は比較的強い自家蛍光を示している。Cは、混合溶液の洗い流しを開始して8分後の蛍光顕微鏡像で、Dは、CにDIC像を重ねあわせたものである。青色蛍光を発するCLG が、細胞の破片(*)に非特異的に強く取り込まれているのに対し、正常神経細胞(矢印)ではそのような取り込みがみられない様子が示されている。
図10は、図9における混合溶液投与前後の蛍光変化を、2-TRLG の発する赤色蛍光の波長領域(Red channel)において同時に観察したものである。Aは、混合溶液投与前の自家蛍光像であり、Bは、細胞の位置をわかりやすくするために、Aに微分干渉コントラスト(DIC)像を重ねあわせたものである。赤色蛍光波長領域では、細胞の自家蛍光は極めて小さい。画像中央部の強い赤色蛍光は、微弱蛍光を検出する目的で感度を上げて撮影したため、蛍光フィルターを通過して検出器側に漏れ込んだ照射光の一部である(Red channelのDichroic mirrorおよびEmission波長参照)。ここではShading Correctionを施さずにそのまま表示している。
C、ならびにCにDIC像を重ねあわせたDに明らかなように、赤色蛍光を発する2-TRLG は、細胞の破片(*)には非特異的に取り込まれたのに対し、正常神経細胞(矢印)には取り込まれていない。すなわち、本実験の矢印で示された正常神経細胞について、2-TRLG の侵入をもたらすような細胞膜透過性の非特異的亢進が検知されず、これらの細胞の細胞膜状態(Membrane integrity)が維持されていることが示唆された。
一方、実施例17で示されたように、L型グルコース誘導体であるCLGは、がん細胞であるマウスインスリノーマ細胞(MIN6)スフェロイドへは強く取り込まれた。
【実施例】
【0222】
実施例19:急性単離神経正常細胞へのCDGの適用
実施例18に記載の実験方法と同様にしておこなった。但し、CLGの代わりにCDGを用いて終濃度100 μM CDG + 20 μM 2-TRLG混合溶液を調製し、中脳黒質網様部神経細胞は生後14日令のマウスから調製した。
【実施例】
【0223】
結果を図11および図12に示す。図11は、急性単離した正常神経細胞(矢印)に対し、CDG + 2-TRLG の混合溶液を3分間投与した際の細胞の示す蛍光強度の投与前後における変化を、CDG の発する青色蛍光の波長領域(Blue channel)で観察した例である。投与前、投与後とも、バックグラウンド減算処理を行った。Aは、混合溶液投与前の正常神経細胞(矢印)が示す自家蛍光を観察したもので、わかりやすくするために、Aに微分干渉コントラスト(DIC)像を重ねあわせたものをBに示した。*は死滅した細胞の破片である。Cは、混合溶液の洗い流しを開始して8分後の蛍光顕微鏡像で、Dは、CにDIC像を重ねあわせたものである。青色蛍光を発するCDG が、正常神経細胞(矢印)に取り込まれている様子がわかる。一方、細胞の破片(*)にはそのような取り込みはみられない。
図12は、図11における混合溶液投与前後の蛍光変化を、2-TRLG の発する赤色蛍光の波長領域(Red channel)において同時に観察したものである。Aは、混合溶液投与前の自家蛍光像であり、Bは、細胞の位置をわかりやすくするために、Aに微分干渉コントラスト(DIC)像を重ねあわせたものである。赤色蛍光波長領域では、細胞の自家蛍光は極めて小さい。
C、ならびにCにDIC像を重ねあわせたDに明らかなように、赤色蛍光を発する2-TRLG は、細胞の破片(*)に非特異的に取り込まれたのに対し、正常神経細胞(矢印)には取り込まれていない。すなわち、本実験の矢印で示された正常神経細胞について、2-TRLG の侵入をもたらすような細胞膜透過性の非特異的亢進が検知されず、細胞膜の状態(Membrane integrity)が維持されていることが示唆された。
【実施例】
【0224】
上記の詳細な記載は、本発明の目的および対象を単に説明するものであり、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。添付の特許請求の範囲から離れることなしに、記載された実施態様に対しての、種々の変更および置換は、本明細書に記載された教示より当業者にとって明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0225】
本発明は、新規なグルコース誘導体を提供する。また、本発明は、該グルコース誘導体を用いた細胞のイメージング剤およびイメージング方法を提供する。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図11】
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【図12】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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