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明細書 :重水素化方法および重水素化触媒

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成29年3月30日(2017.3.30)
発明の名称または考案の名称 重水素化方法および重水素化触媒
国際特許分類 B01J  31/22        (2006.01)
B01J  31/24        (2006.01)
C07F  15/00        (2006.01)
C07B  59/00        (2006.01)
C07C  41/24        (2006.01)
C07C  43/205       (2006.01)
C07C  45/65        (2006.01)
C07C  49/217       (2006.01)
C07C 201/12        (2006.01)
C07C 205/06        (2006.01)
C07C  67/317       (2006.01)
C07C  69/78        (2006.01)
C07C 319/20        (2006.01)
C07C 321/28        (2006.01)
C07C  51/377       (2006.01)
C07C  63/06        (2006.01)
C07C 231/12        (2006.01)
C07C 233/65        (2006.01)
C07C  69/736       (2006.01)
C07D 233/58        (2006.01)
C07D 233/61        (2006.01)
C07D 233/60        (2006.01)
C07D 303/22        (2006.01)
C07D 213/64        (2006.01)
C07D 213/74        (2006.01)
C07D 215/12        (2006.01)
C07D 209/04        (2006.01)
C07D 307/82        (2006.01)
C07D 333/08        (2006.01)
C07D 277/64        (2006.01)
C07D 311/30        (2006.01)
C07D 279/26        (2006.01)
C07D 307/94        (2006.01)
FI B01J 31/22 M
B01J 31/24 M
C07F 15/00 C
C07B 59/00
C07C 41/24
C07C 43/205 B
C07C 45/65
C07C 49/217
C07C 201/12
C07C 205/06
C07C 67/317
C07C 69/78
C07C 319/20
C07C 321/28
C07C 51/377
C07C 63/06
C07C 231/12
C07C 233/65
C07C 69/736
C07D 233/58
C07D 233/61 101
C07D 233/60 101
C07D 303/22
C07D 213/64
C07D 213/74
C07D 215/12
C07D 209/04
C07D 307/82
C07D 333/08
C07D 277/64
C07D 311/30
C07D 279/26
C07D 307/94
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 75
出願番号 特願2016-505299 (P2016-505299)
国際出願番号 PCT/JP2015/055652
国際公開番号 WO2015/129813
国際出願日 平成27年2月26日(2015.2.26)
国際公開日 平成27年9月3日(2015.9.3)
優先権出願番号 2014035554
優先日 平成26年2月26日(2014.2.26)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】栗山 正巳
【氏名】尾野村 治
【氏名】佐藤 香菜子
【氏名】矢野 玄馬
【氏名】濱口 典久
【氏名】鯨田 翔太
出願人 【識別番号】504205521
【氏名又は名称】国立大学法人 長崎大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100080791、【弁理士】、【氏名又は名称】高島 一
【識別番号】100125070、【弁理士】、【氏名又は名称】土井 京子
【識別番号】100136629、【弁理士】、【氏名又は名称】鎌田 光宜
【識別番号】100121212、【弁理士】、【氏名又は名称】田村 弥栄子
【識別番号】100163658、【弁理士】、【氏名又は名称】小池 順造
【識別番号】100174296、【弁理士】、【氏名又は名称】當麻 博文
【識別番号】100137729、【弁理士】、【氏名又は名称】赤井 厚子
【識別番号】100151301、【弁理士】、【氏名又は名称】戸崎 富哉
審査請求 未請求
テーマコード 4C031
4C036
4C037
4C048
4C055
4C062
4C204
4G169
4H006
4H050
Fターム 4C031BA10
4C036AA02
4C036AA14
4C036AA18
4C037QA20
4C037WA02
4C048AA01
4C048BB10
4C048CC01
4C048XX02
4C048XX04
4C048XX05
4C055AA01
4C055BA02
4C055BA03
4C055BA37
4C055BA42
4C055BA52
4C055BB02
4C055CA01
4C055CA02
4C055CA37
4C055DA01
4C062EE49
4C204AB20
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4C204GB01
4G169AA06
4G169BA27A
4G169BA27B
4G169BA36A
4G169BB08A
4G169BB08B
4G169BC29A
4G169BC68B
4G169BC72A
4G169BC72B
4G169BD12A
4G169BD12B
4G169BE01A
4G169BE01B
4G169BE02B
4G169BE07A
4G169BE07B
4G169BE13A
4G169BE13B
4G169BE27B
4G169BE37A
4G169BE37B
4G169BE38A
4G169BE38B
4G169BE46A
4G169BE46B
4G169CD07
4H006AA02
4H006AC43
4H006AC44
4H006AC46
4H006AC48
4H006AC51
4H006AC53
4H006AC84
4H006BA25
4H006BA47
4H006BB11
4H006BJ50
4H006BV72
4H006GP03
4H006KA31
4H006TA04
4H050AA01
4H050AB40
4H050WB19
4H050WB21
要約 本発明は、コスト面と重水素化率との両方に優れた重水素化方法、さらには、芳香族化合物の脱離基を選択的に重水素置換する方法、およびそれらに用いる重水素化触媒を提供する。本発明は、式(I)で表される化合物から誘導されるカルベン配位子と遷移金属とを含む重水素化触媒、およびそれを用いた重水素化方法に関する。
JP2015129813A1_000058t.gif
特許請求の範囲 【請求項1】
式(I):
【化1】
JP2015129813A1_000053t.gif

[式中、
環A及び環Bは、それぞれ独立して、さらに置換されていてもよい芳香環を示し;
環Cは、さらに置換されていてもよいカチオン性二窒素含有環を示し;
は、アニオンを示し;
及びYは、それぞれ独立して、結合手又はメチレンを示す。]
で表される化合物から誘導されるカルベン配位子と遷移金属とを含む重水素化触媒。
【請求項2】
式(I):
【化2】
JP2015129813A1_000054t.gif

[式中、
環A及び環Bは、それぞれ独立して、さらに置換されていてもよい芳香環を示し;
環Cは、さらに置換されていてもよいカチオン性二窒素含有環を示し;
は、アニオンを示し;
及びYは、それぞれ独立して、結合手又はメチレンを示す。]
で表される化合物と遷移金属化合物とから調製される重水素化触媒。
【請求項3】
遷移金属がパラジウムである、請求項1または2に記載の重水素化触媒。
【請求項4】
が、塩化物イオンである、請求項1~3の何れか1項に記載の重水素化触媒。
【請求項5】
芳香族炭素原子に結合した脱離基の重水素原子への置換反応を触媒するための、請求項1~4の何れか1項に記載の重水素化触媒。
【請求項6】
脱離基がハロゲン原子である、請求項5に記載の重水素化触媒。
【請求項7】
式(I):
【化3】
JP2015129813A1_000055t.gif

[式中、
環A及び環Bは、それぞれ独立して、さらに置換されていてもよい芳香環を示し;
環Cは、さらに置換されていてもよいカチオン性二窒素含有環を示し;
は、アニオンを示し;
及びYは、それぞれ独立して、結合手又はメチレンを示す。]
で表される、重水素化触媒のための配位子前駆体。
【請求項8】
式(II):
【化4】
JP2015129813A1_000056t.gif

[式中、
1a及びR1bは、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基又は置換されていてもよいアミノ基を示し;
1cは、それぞれ独立して、置換基を示し;
2a及びR2bは、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示し;
2cは、それぞれ独立して、置換基を示し;
及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示すか、或いはR及びRが結合する炭素原子と一緒になって置換されていてもよい環を形成していてもよく;
は、アニオンを示し;
Yは、結合手又はメチレンを示し;
n1及びn2は、それぞれ独立して、0~3の整数を示す。]
で表される化合物(ただし、3-(2-エチルフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド、1-(2,4,6-トリメチルベンジル)-3-(4-メトキシフェニル)-4,5-ジメチルイミダゾリウムクロリド及び1-(2,4,6-トリメチルベンジル)-4,5-ジメチル-3-フェニルイミダゾリウムクロリドを除く)。
【請求項9】
1a及びR1bは、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいアミノ基である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
1a及びR1bの少なくとも一方が、水素原子ではない、請求項8または9に記載の化合物。
【請求項11】
2a及びR2bは、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基である、請求項8~10の何れか1項に記載の化合物。
【請求項12】
Yが、結合手である、請求項8~11の何れか1項に記載の化合物。
【請求項13】
及びRが、メチルである、請求項8~12の何れか1項に記載の化合物。
【請求項14】
が、塩化物イオンである、請求項8~13の何れか1項に記載の化合物。
【請求項15】
請求項8~14の何れか1項に記載の化合物から誘導されるカルベン配位子と遷移金属とを含む錯体。
【請求項16】
請求項8~14の何れか1項に記載の化合物と遷移金属化合物とから調製される錯体。
【請求項17】
脱離基を有する芳香族化合物を、有機溶媒中、請求項1~6の何れか1項に記載の重水素化触媒、重水素化剤及び塩基の存在下反応させることにより、芳香族炭素原子に結合した上記脱離基を重水素原子に置換する方法。
【請求項18】
重水素化剤が、式(III):
【化5】
JP2015129813A1_000057t.gif

[式中、R及びRは、それぞれ独立して、置換基を示し;Dは、重水素原子を示す。]
で表される化合物である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
重水素化剤の使用量が、上記脱離基に対して、1モル当量~3モル当量である、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
有機溶媒が重溶媒ではない、請求項17~19の何れか1項に記載の方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、遷移金属触媒およびそれを用いる有機化合物の重水素化方法に関し、特に、N-ヘテロ環状カルベン(NHC)型配位子の前駆体、およびその配位子を含む重水素化触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
重水素化された化合物は、化学反応機構の解明や、体内動態解析に有用であるほか、医薬品の生理活性や薬物相互作用の制御において効果があることが知られている。とりわけ、高い重水素化率で重水素を導入した化合物が必要とされており、効率的な重水素導入法の必要性が近年急激に高まってきている。
【0003】
特に、芳香環は生理活性物質に遍在する重要構造であり、芳香環への様々な重水素化手法が検討されている。芳香環の触媒的重水素化手法として、水素/重水素(H/D)交換反応が盛んに研究されているが、当該方法では、高価な重溶媒等の重水素化合物を大量に使用する必要があるのに加え、反応点の制御が難しく、高い重水素化率で重水素化生成物を得ることが困難である(非特許文献1参照)。
【0004】
一方で、反応点の制御が容易な重水素化法として、ハロゲン化芳香族化合物のような脱離基を有する芳香族化合物を重水素化する方法が知られている。しかし、当該方法で問題になるのが、水素化の副反応であり、溶媒等に含まれる水素の反応系への混入による水素と重水素の競合、想定されないメカニズムの水素化反応の進行等により容易に重水素化率が低下する。
【0005】
これに対して、重水素化率を高めるために、高価な重溶媒等の重水素化合物を大量に用いる方法(非特許文献2~5参照)や、高価な遷移金属を基質に対して1モル当量以上使用する方法(非特許文献6および7参照)が知られているが、いずれもコスト面に問題がある。
【0006】
また、これらの方法の多くで、芳香環以外の不飽和部位(例えば、アルケン部位)も同時に重水素化されるなど選択性に乏しいという問題もある(非特許文献4、5および7参照)。
【0007】
このように、コスト面と重水素化率との両方に優れた、芳香環への選択的な重水素導入法は知られていない。
【0008】
一方、遷移金属触媒に用いられる様々なN-ヘテロ環状カルベン(NHC)型配位子が知られており、例えば、特許文献1には、クロスカップリングなどに有用な触媒の配位子前駆体が開示されている。しかし、特許文献1のようなカルベン配位子からなる遷移金属触媒を重水素化反応に用いた例は知られていない。
【先行技術文献】
【0009】

【特許文献1】特願2012-214390号公報
【0010】

【非特許文献1】Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 46, 7744.
【非特許文献2】Hetelocycles 1986, 24, 669.
【非特許文献3】J. Labelled. Compd. Radiopharm. 1987, 24, 1445.
【非特許文献4】Chem. Eur. J. 2008, 14, 3371.
【非特許文献5】Org. Lett. 2004, 6, 3521.
【非特許文献6】Tetrahedron Lett. 1973, 14, 4699.
【非特許文献7】Tetrahedron Lett. 2002, 43, 5117.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、コスト面と重水素化率との両方に優れた重水素化方法、さらには、芳香族化合物の脱離基(例えば、ハロゲン原子等)を選択的に重水素置換する方法、およびそれらに用いる重水素化触媒を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記化合物(I)由来の配位子を含む遷移金属触媒を用いて重水素化反応を行うことにより、過剰量の遷移金属や重水素試薬、重溶媒を使用せずとも高い重水素化率が実現でき、さらには、芳香族化合物の脱離基(例えば、ハロゲン原子等)を選択的に重水素置換できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0013】
[1] 式(I):
【0014】
【化1】
JP2015129813A1_000003t.gif

【0015】
[式中、
環A及び環Bは、それぞれ独立して、さらに置換されていてもよい芳香環を示し;
環Cは、さらに置換されていてもよいカチオン性二窒素含有環を示し;
は、アニオンを示し;
及びYは、それぞれ独立して、結合手又はメチレンを示す。]
で表される化合物から誘導されるカルベン配位子と遷移金属とを含む重水素化触媒。
【0016】
[2] 式(I):
【0017】
【化2】
JP2015129813A1_000004t.gif

【0018】
[式中、
環A及び環Bは、それぞれ独立して、さらに置換されていてもよい芳香環を示し;
環Cは、さらに置換されていてもよいカチオン性二窒素含有環を示し;
は、アニオンを示し;
及びYは、それぞれ独立して、結合手又はメチレンを示す。]
で表される化合物と遷移金属化合物とから調製される重水素化触媒。
【0019】
[3] 遷移金属がパラジウムである、[1]または[2]に記載の重水素化触媒。
[4] Xが、塩化物イオンである、[1]~[3]の何れかに記載の重水素化触媒。
【0020】
[5] 芳香族炭素原子に結合した脱離基の重水素原子への置換反応を触媒するための、[1]~[4]の何れかに記載の重水素化触媒。
[6] 脱離基がハロゲン原子である、[5]に記載の重水素化触媒。
【0021】
[7] 式(I):
【0022】
【化3】
JP2015129813A1_000005t.gif

【0023】
[式中、
環A及び環Bは、それぞれ独立して、さらに置換されていてもよい芳香環を示し;
環Cは、さらに置換されていてもよいカチオン性二窒素含有環を示し;
は、アニオンを示し;
及びYは、それぞれ独立して、結合手又はメチレンを示す。]
で表される、重水素化触媒のための配位子前駆体。
【0024】
[8] 式(II):
【0025】
【化4】
JP2015129813A1_000006t.gif

【0026】
[式中、
1a及びR1bは、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基又は置換されていてもよいアミノ基を示し;
1cは、それぞれ独立して、置換基を示し;
2a及びR2bは、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示し;
2cは、それぞれ独立して、置換基を示し;
及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示すか、或いはR及びRが結合する炭素原子と一緒になって置換されていてもよい環を形成していてもよく;
は、アニオンを示し;
Yは、結合手又はメチレンを示し;
n1及びn2は、それぞれ独立して、0~3の整数を示す。]
で表される化合物(ただし、3-(2-エチルフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド、1-(2,4,6-トリメチルベンジル)-3-(4-メトキシフェニル)-4,5-ジメチルイミダゾリウムクロリド及び1-(2,4,6-トリメチルベンジル)-4,5-ジメチル-3-フェニルイミダゾリウムクロリドを除く)。
【0027】
[9] R1a及びR1bは、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいアミノ基である、[8]に記載の化合物。
[10] R1a及びR1bの少なくとも一方が、水素原子ではない、[8]または[9]に記載の化合物。
【0028】
[11] R2a及びR2bは、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基である、[8]~[10]の何れかに記載の化合物。
[12] Yが、結合手である、[8]~[11]の何れかに記載の化合物。
【0029】
[13] R及びRが、メチルである、[8]~[12]の何れかに記載の化合物。
[14] Xが、塩化物イオンである、[8]~[13]の何れかに記載の化合物。
【0030】
[15] [8]~[14]の何れかに記載の化合物から誘導されるカルベン配位子と遷移金属とを含む錯体。
[16] [8]~[14]の何れかに記載の化合物と遷移金属化合物とから調製される錯体。
【0031】
[17] 脱離基を有する芳香族化合物を、有機溶媒中、[1]~[6]の何れかに記載の重水素化触媒、重水素化剤及び塩基の存在下反応させることにより、芳香族炭素原子に結合した上記脱離基を重水素原子に置換する方法。
【0032】
[18] 重水素化剤が、式(III):
【0033】
【化5】
JP2015129813A1_000007t.gif

【0034】
[式中、R及びRは、それぞれ独立して、置換基を示し;Dは、重水素原子を示す。]
で表される化合物である、[17]に記載の方法。
【0035】
[19] 重水素化剤の使用量が、上記脱離基に対して、1モル当量~3モル当量である、[17]または[18]に記載の方法。
[20] 有機溶媒が重溶媒ではない、[17]~[19]の何れかに記載の方法。
【発明の効果】
【0036】
本発明の重水素化方法は、コスト面と重水素化率との両方に優れている。さらに、芳香族化合物の脱離基(例えば、ハロゲン原子等)を選択的に重水素置換することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本明細書中で用いられる用語について詳述する。
本明細書中、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を示す。

【0038】
本明細書中、「炭化水素基」としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。

【0039】
本明細書中、「アルキル(基)」とは、直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素基を示し、例えば、C1-10アルキル(基)、C1-6アルキル(基)等が挙げられ、その具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル等が挙げられる。

【0040】
本明細書中、「C1-2アルキル基」とは、メチルおよびエチルを示す。
本明細書中、「分枝鎖C3-6アルキル基」としては、例えば、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル等が挙げられる。中でも、好ましくは、第二級C3-6アルキル基である。

【0041】
本明細書中、「第二級C3-6アルキル基」とは、2個のアルキル基で置換されたメチル基であって、炭素原子数が3~6個のものを示し、例えば、イソプロピル、sec-ブチル、1-エチルプロピル等が挙げられる。

【0042】
本明細書中、「アルケニル(基)」とは、1個以上の二重結合を含む直鎖または分枝鎖の不飽和炭化水素基を示し、例えば、C2-10アルケニル(基)、C2-6アルケニル(基)等が挙げられ、その具体例としては、ビニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-ヘキセニル、3-ヘキセニル、5-ヘキセニル等が挙げられる。

【0043】
本明細書中、「アルキニル(基)」とは、1個以上の三重結合を含む直鎖または分枝鎖の不飽和炭化水素基を示し、例えば、C2-10アルキニル(基)、C2-6アルキニル(基)等が挙げられ、その具体例としては、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1,1-ジメチルプロプ-2-イン-1-イル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル等が挙げられる。

【0044】
本明細書中、「アルコキシ(基)」とは、アルキル-オキシ基を示し、例えば、C1-10アルコキシ(基)、C1-6アルコキシ(基)等が挙げられ、その具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、へキシルオキシ等が挙げられる。

【0045】
本明細書中、「シクロアルキル(基)」とは、環状の飽和炭化水素基を示し、例えば、C3-8シクロアルキル(基)が挙げられ、その具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。

【0046】
本明細書中、「シクロアルケニル(基)」とは、1個の二重結合を含む環状の不飽和炭化水素基を示し、例えば、C3-8シクロアルケニル(基)が挙げられ、その具体例としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等が挙げられる。

【0047】
本明細書中、「シクロアルカジエニル(基)」とは、2個の二重結合を含む環状の不飽和炭化水素基を示し、例えば、C4-8シクロアルカジエニル(基)が挙げられ、その具体例としては、1,3-シクロブタジエン-1-イル、1,3-シクロペンタジエン-1-イル、1,4-シクロペンタジエン-1-イル、2,4-シクロペンタジエン-1-イル、1,3-シクロヘキサジエン-1-イル、1,4-シクロヘキサジエン-1-イル、1,5-シクロヘキサジエン-1-イル、2,4-シクロヘキサジエン-1-イル、2,5-シクロヘキサジエン-1-イル等が挙げられる。

【0048】
本明細書中、「芳香環基」とは、アリール基および芳香族複素環基を示す。
本明細書中、「アリール(基)」とは、環状の芳香族炭化水素基を示し、例えば、C6-14アリール(基)が挙げられ、その具体例としては、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル等が挙げられる。

【0049】
本明細書中、「アラルキル(基)」とは、アリール基で置換されたアルキル基を示し、例えば、C7-13アラルキル(基)が挙げられ、その具体例としては、ベンジル、フェネチル等が挙げられる。

【0050】
本明細書中、「複素環(基)」とは、芳香族複素環基および非芳香族複素環基を示す。
本明細書中、「芳香族複素環基」とは、単環式芳香族複素環基および縮合芳香族複素環基を示す。

【0051】
本明細書中、「単環式芳香族複素環基」とは、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を含有する単環式芳香環基を示し、例えば、ヘテロ原子を1ないし4個含有する、5ないし7員の単環式芳香族複素環基、5または6員の単環式芳香族複素環基等が挙げられ、その具体例としては、フリル、チエニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル等が挙げられる。

【0052】
本明細書中、「縮合芳香族複素環基」とは、単環式芳香族複素環およびアレーン環から選ばれる1個以上の環と単環式芳香族複素環との縮合環から誘導される基を示し、例えば、8ないし12員の縮合芳香族複素環基が挙げられ、その具体例としては、キノリル、イソキノリル、キナゾリル、キノキサリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、インダゾリル、ピロロピラジニル、イミダゾピリジル、チエノピリジル、イミダゾピラジニル、ピラゾロピリジル、ピラゾロチエニル、ピラゾロトリアジニル等が挙げられる。

【0053】
本明細書中、「非芳香族複素環基」とは、単環式非芳香族複素環基、縮合非芳香族複素環基およびスピロ型複素環基を示す。
本明細書中、「単環式非芳香族複素環基」とは、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を含有する単環式非芳香環基を示し、例えば、ヘテロ原子を1ないし4個含有する、3ないし8員の単環式非芳香族複素環基、5または6員の単環式非芳香族複素環基等が挙げられ、その具体例としては、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ジヒドロチオピラニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、イミダゾリニル、ジオキソリル、ジオキソラニル、ジヒドロオキサジアゾリル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、チオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフリル、オキセタニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、テトラヒドロピリミジニル、ジヒドロトリアゾリル、テトラヒドロトリアゾリル、アゼパニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル等が挙げられる。

【0054】
本明細書中、「縮合非芳香族複素環基」とは、アレーン環、単環式非芳香族複素環、単環式芳香族複素環、シクロアルカン環、シクロアルケン環、シクロアルカジエン環から選ばれる1個以上の環と単環式非芳香族複素環との縮合環から誘導される基を示し、例えば、8ないし12員の縮合非芳香族複素環基等が挙げられ、その具体例としては、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロベンゾジオキセピニル、クロメニル、ジヒドロクロメニル、ジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、ジヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ジヒドロフタラジニル等が挙げられる。

【0055】
本明細書中、「スピロ型複素環基」とは、単環式非芳香族複素環基又は縮合非芳香族複素環基が、単環式非芳香族複素環、シクロアルカン環、シクロアルケン環、シクロアルカジエン環から選ばれる環と1個の炭素原子を介してスピロ縮合している複素環基を示し、例えば、8ないし12員のスピロ型複素環基が挙げられ、その具体例としては、オキサスピロデカンジエニル等の環が挙げられる。

【0056】
本明細書中、「シクロアルカン環」とは、飽和炭化水素環を示し、例えば、C3-8シクロアルカン環が挙げられ、その具体例としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンの環が挙げられる。

【0057】
本明細書中、「シクロアルケン環」とは、1個の二重結合を含む不飽和炭化水素環を示し、例えば、C3-8シクロアルケン環が挙げられ、その具体例としては、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン等の環が挙げられる。

【0058】
本明細書中、「シクロアルカジエン環」とは、2個の二重結合を含む不飽和炭化水素環を示し、例えば、C4-8シクロアルカジエン環が挙げられ、その具体例としては、シクロブタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン等の環が挙げられる。

【0059】
本明細書中、「芳香環」とは、アレーン環および芳香族複素環を示す。

【0060】
本明細書中、「アレーン環」とは、芳香族炭化水素環を示し、例えば、C6-14アレーン環等が挙げられ、その具体例としては、ベンゼン、ナフタレン等の環が挙げられる。

【0061】
本明細書中、「複素環」とは、芳香族複素環および非芳香族複素環を示す。
本明細書中、「芳香族複素環」とは、単環式芳香族複素環および縮合芳香族複素環を示す。

【0062】
本明細書中、「単環式芳香族複素環」とは、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を含有する単環式芳香環を示し、例えば、ヘテロ原子を1ないし4個含有する、5ないし7員の単環式芳香族複素環、5または6員の単環式芳香族複素環等が挙げられ、その具体例としては、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、トリアジン等の環が挙げられる。

【0063】
本明細書中、「縮合芳香族複素環」とは、単環式芳香族複素環およびアレーン環から選ばれる1個以上の環と単環式芳香族複素環との縮合環を示し、例えば、8ないし12員の縮合芳香族複素環等が挙げられ、その具体例としては、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インドール、インダゾール、ピロロピラジン、イミダゾピリジン、チエノピリジン、イミダゾピラジン、ピラゾロピリジン、ピラゾロチオフェン、ピラゾロトリアジン等の環が挙げられる。

【0064】
本明細書中、「非芳香族複素環」とは、単環式非芳香族複素環、縮合非芳香族複素環、スピロ型複素環を示す。

【0065】
本明細書中、「単環式非芳香族複素環」とは、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を含有する単環式非芳香環を示し、例えば、ヘテロ原子を1ないし4個含有する、3ないし8員の単環式非芳香族複素環、5または6員の単環式非芳香族複素環等が挙げられ、その具体例としては、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、オキサゾリジン、チアゾリジン、ジヒドロチオピラン、イミダゾリジン、オキサゾリン、チアゾリン、イミダゾリン、ジオキソール、ジオキソラン、ジヒドロオキサジアゾール、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、チオピラン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、テトラヒドロフラン、オキセタン、ピラゾリジン、ピラゾリン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロトリアゾール、テトラヒドロトリアゾール、アゼパン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン等の環が挙げられる。

【0066】
本明細書中、「縮合非芳香族複素環」とは、アレーン環、単環式非芳香族複素環、単環式芳香族複素環、シクロアルカン環、シクロアルケン環、シクロアルカジエン環から選ばれる1個以上の環と単環式非芳香族複素環との縮合環を示し、例えば、8ないし12員の縮合非芳香族複素環が挙げられ、その具体例としては、ジヒドロインドール、ジヒドロイソインドール、ジヒドロベンゾフラン、テトラヒドロベンゾフラン、ジヒドロベンゾジオキシン、ジヒドロベンゾジオキセピン、クロメン、ジヒドロクロメン、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、ベンゾチアジン等の環が挙げられる。

【0067】
本明細書中、「スピロ型複素環」とは、単環式非芳香族複素環又は縮合非芳香族複素環が、単環式非芳香族複素環、シクロアルカン環、シクロアルケン環、シクロアルカジエン環から選ばれる環と1個の炭素原子を介してスピロ縮合している複素環を示し、例えば、8ないし12員のスピロ型複素環が挙げられ、その具体例としては、オキサスピロデカンジエン等の環が挙げられる。

【0068】
本明細書中、「カチオン性二窒素含有環」とは、カチオン性単環式二窒素含有環及びカチオン性縮合二窒素含有環を示す。

【0069】
本明細書中、「カチオン性単環式二窒素含有環」とは、環構成構造「N=CH-N」を有し、且つ環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子をさらに含有していてもよいカチオン性の複素環を示し、例えば、5ないし7員のカチオン性単環式二窒素含有環、5員のカチオン性単環式二窒素含有環等が挙げられ、その具体例としては、イミダゾリウム(1H-イミダゾール-3-イウム)、ジヒドロイミダゾリウム(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-3-イウム)、ジヒドロピリミジニウム(例、1,6-ジヒドロピリミジン-3-イウム等)、テトラヒドロピリミジニウム(1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-3-イウム)、ジアゼピニウム(1H-1,3-ジアゼピン-3-イウム)、ジヒドロジアゼピニウム(例、6,7-ジヒドロ-1H-1,3-ジアゼピン-3-イウム等)、テトラヒドロジアゼピニウム(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-1,3-ジアゼピン-3-イウム)等の環が挙げられる。

【0070】
本明細書中、「カチオン性縮合二窒素含有環」とは、複素環、アレーン環、シクロアルカン環、シクロアルケン環及びシクロアルカジエン環から選ばれる1個以上の環とカチオン性単環式二窒素含有環との縮合環を示し、例えば、8ないし16員のカチオン性縮合二窒素含有環、8ないし12員のカチオン性縮合二窒素含有環等が挙げられ、その具体例としては、ベンゾイミダゾリウム、ジヒドロベンゾイミダゾリウム、テトラヒドロベンゾイミダゾリウム、テトラヒドロシクロペンタイミダゾリウム、ジヒドロキナゾリニウム等の環が挙げられる。

【0071】
本明細書中、「置換基」としては、例えば、シアノ基、ニトロ基、アシル基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいヒドロキシ基等が挙げられる。

【0072】
本明細書中、「置換されていてもよい」とは、任意の置換基で置換されていてもよいことを示し、ある実施態様では、特に断わりのない限り、例えば、
「置換されていてもよいアミノ基」または「置換されていてもよいカルバモイル基」の場合は、アミノ基またはカルバモイル基が、アシル基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基等から選ばれる置換基でモノまたはジ-置換されていてもよいことを示し;
「置換されていてもよいヒドロキシ基」又は「置換されていてもよいスルファニル基」の場合は、ヒドロキシ基が、アシル基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基等から選ばれる置換基で置換されていてもよいこと示し;
その他の場合は、対象の基が、下記置換基群(1)~(8)等から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよいことを示す。

【0073】
置換基群(1):アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基、アリール基、アラルキル基、複素環基;
置換基群(2):ホルミル基、アルキル-カルボニル基、アルケニル-カルボニル基、アルキニル-カルボニル基、シクロアルキル-カルボニル基、シクロアルケニル-カルボニル基、シクロアルカジエニル-カルボニル基、アリール-カルボニル基、アラルキル-カルボニル基、複素環-カルボニル基;
置換基群(3):カルボキシ基、アルコキシ-カルボニル基、アルケニル-オキシカルボニル基、アルキニル-オキシカルボニル基、シクロアルキル-オキシカルボニル基、シクロアルケニル-オキシカルボニル基、シクロアルカジエニル-オキシカルボニル基、アリール-オキシカルボニル基、アラルキル-オキシカルボニル基、複素環-オキシカルボニル基;
置換基群(4):カルバモイル基、モノまたはジ-アルキル-カルバモイル基、モノまたはジ-アルケニル-カルバモイル基、モノまたはジ-アルキニル-カルバモイル基、モノまたはジ-シクロアルキル-カルバモイル基、モノまたはジ-シクロアルケニル-カルバモイル基、モノまたはジ-シクロアルカジエニル-カルバモイル基、モノまたはジ-アリール-カルバモイル基、モノまたはジ-アラルキル-カルバモイル基、モノまたはジ-複素環-カルバモイル基;
置換基群(5):ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニル-オキシ基、アルキニル-オキシ基、シクロアルキル-オキシ基、シクロアルケニル-オキシ基、シクロアルカジエニル-オキシ基、アリール-オキシ基、アラルキル-オキシ基、複素環-オキシ基;
置換基群(6):アルキル-カルボニルオキシ基、アルケニル-カルボニルオキシ基、アルキニル-カルボニルオキシ基、シクロアルキル-カルボニルオキシ基、シクロアルケニル-カルボニルオキシ基、シクロアルカジエニル-カルボニルオキシ基、アリール-カルボニルオキシ基、アラルキル-カルボニルオキシ基、複素環-カルボニルオキシ基;
置換基群(7):アミノ基、モノまたはジ-アルキル-アミノ基、モノまたはジ-アルケニル-アミノ基、モノまたはジ-アルキニル-アミノ基、モノまたはジ-シクロアルキル-アミノ基、モノまたはジ-シクロアルケニル-アミノ基、モノまたはジ-シクロアルカジエニル-アミノ基、モノまたはジ-アリール-アミノ基、モノまたはジ-アラルキル-アミノ基、モノまたはジ-複素環-アミノ基;
置換基群(8):ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基。

【0074】
本明細書中、「アシル基」とは、式「-C(=O)-Z-G」(式中、Gは、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示し;Zは、結合手またはOを示す。)で表される基を示す。

【0075】
本明細書中、「アニオン」とは、有機又は無機の1~5価の陰イオンを示し、例えば、ハロゲン化物イオン類(例、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)、ホウ酸イオン類(例、テトラフルオロホウ酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、ブチルトリフェニルホウ酸イオン等)、リン酸イオン類(例、ヘキサフルオロリン酸イオン等)、アンチモン酸イオン類(例、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン等)、ヒ酸イオン類(例、ヘキサフルオロヒ酸イオン等)、カルボン酸イオン類(例、ギ酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、乳酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、シュウ酸イオン、コハク酸イオン、ステアリン酸イオン等)、スルホン酸イオン類(例、メタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ニトロベンゼンスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン等)、スルホン酸イミドイオン類(例、ビス(トリフルオロメタンスルホン酸)イミドイオン等)、過ハロゲン酸イオン類(例、過塩素酸イオン、過ヨウ素酸イオン等)、チオシアン酸イオン、硝酸イオン等が挙げられる。

【0076】
本明細書中、「遷移金属」とは、周期表の第3族から第11族に属する元素を示す。

【0077】
本明細書中、「塩基性塩類」としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム等が挙げられる。

【0078】
本明細書中、「金属水素化物類」としては、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム等が挙げられる。

【0079】
本明細書中、「アルカリ金属水酸化物類」としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムなどが挙げられる。

【0080】
本明細書中、「アルカリ金属炭酸塩類」としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等が挙げられる。

【0081】
本明細書中、「アルカリ金属フッ化物類」としては、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム等が挙げられる。

【0082】
本明細書中、「アルカリ金属リン酸塩類」としては、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなどが挙げられる。

【0083】
本明細書中、「芳香族アミン類」としては、例えば、ピリジン、ルチジン等が挙げられる。

【0084】
本明細書中、「第3級アミン類」としては、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、N-メチルピロリジン、N-メチルモルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ-7-エン等が挙げられる。

【0085】
本明細書中、「金属アミド類」としては、例えば、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等が挙げられる。

【0086】
本明細書中、「アルキル金属類」としては、例えば、ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム等が挙げられる。
本明細書中、「アリール金属類」としては、例えば、フェニルリチウム等が挙げられる。

【0087】
本明細書中、「金属アルコキシド類」としては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド等が挙げられる。

【0088】
本明細書中、「炭化水素類」としては、例えば、ヘキサンなど脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素等が挙げられる。

【0089】
本明細書中、「ハロゲン化炭化水素類」としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等が挙げられる。

【0090】
本明細書中、「アルコール類」としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。

【0091】
本明細書中、「エーテル類」としては、例えば、ジメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどの鎖状エーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル等が挙げられる。
本明細書中、「エステル類」としては、例えば、酢酸エチル等が挙げられる。

【0092】
本明細書中、「ケトン類」としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
本明細書中、「アミド類」としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
本明細書中、「ニトリル類」としては、例えば、アセトニトリル等が挙げられる。

【0093】
本明細書中、「スルホキシド類」としては、例えば、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。

【0094】
本明細書中、「重溶媒」とは、溶媒分子に含まれる水素原子の一部または全部を重水素原子に置き換えた溶媒を示す。

【0095】
本明細書中、「重水素化率」とは、重水素化または水素化が行われたある特定の反応部位における、重水素化の割合を示す。

【0096】
本明細書中、「脱離基」とは、求核置換反応により容易に脱離するものとして一般的に知られている基を示し、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、エチルスルホニルオキシ基、プロピルスルホニルオキシ基、イソプロピルスルホニルオキシ基、tert-ブチルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルオキシ基、2-ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、4-ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、ジメチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、モルホリノスルホニルオキシ基等が挙げられ、好ましくは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及びジメチルスルファモイル基であり、より好ましくは、塩素原子である。

【0097】
本発明は、化合物(I)から誘導されるカルベン配位子と遷移金属とを含む重水素化触媒を提供する。また、本発明は、化合物(I)と遷移金属化合物とから調製される重水素化触媒を提供する。また、本発明は、式(I)で表される、重水素化触媒のための配位子前駆体を提供する。本発明の重水素化触媒および配位子前駆体において、化合物(I)は、好ましくは、化合物(II)である。化合物(II)を用いて重水素化することにより、より高い収率で重水素化生成物を得ることができる。

【0098】
以下、式(I)及び式(II)の各記号について説明する。
環Aは、さらに置換されていてもよい芳香環を示す。環Aは、好ましくは、さらに置換されていてもよいアレーン環であり;より好ましくは、さらに置換されていてもよいベンゼン環であり;さらに好ましくは、式(A):

【0099】
【化6】
JP2015129813A1_000008t.gif

【0100】
で表される環であり;特に好ましくは、式(A1):

【0101】
【化7】
JP2015129813A1_000009t.gif

【0102】
で表される環、又は式(A2):

【0103】
【化8】
JP2015129813A1_000010t.gif

【0104】
で表される環である。

【0105】
環Aで示される、「さらに置換されていてもよい芳香環」、「さらに置換されていてもよいアレーン環」、「さらに置換されていてもよいC6-14アレーン環」または「さらに置換されていてもよいベンゼン環」の置換基としては、例えば、シアノ基、ニトロ基、アシル基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいヒドロキシ基等が挙げられる。当該置換基は、好ましくは、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよいアミノ基または置換されていてもよいヒドロキシ基であり、より好ましくは、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよいアミノ基である。置換基の数は、例えば、1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。置換基の数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。

【0106】
ある実施形態では、R1a及びR1bは、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよいアミノ基又は置換されていてもよいヒドロキシ基を示す。

【0107】
好ましくは、R1a及びR1bが、それぞれ独立して、(1) 水素原子、(2) 置換されていてもよいアルキル基、(3) 置換されていてもよいアリール基、(4) 置換されていてもよいアルキル基でモノ又はジ置換されていてもよいアミノ基、又は(5) 置換されていてもよいアルキル基で置換されていてもよいヒドロキシ基である。

【0108】
より好ましくは、R1a及びR1bが、それぞれ独立して、(1) 水素原子、(2) 1~3個(好ましくは、1又は2個)のC6-14アリール基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、イソプロピル、ジフェニルメチル等)、(3) C6-14アリール基(例、フェニル等)、(4) C1-6アルキル基でモノ又はジ置換されていてもよいアミノ基(例、ジメチルアミノ等)、又は(5) C1-6アルキル基で置換されていてもよいヒドロキシ基(例、メトキシ等)である。

【0109】
別の実施形態では、R1a及びR1bは、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよいアミノ基を示す。

【0110】
ある好ましい実施形態では、R1a及びR1bは、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいアミノ基である。より好ましい実施形態では、R1a及びR1bの少なくとも一方が、水素原子ではない。

【0111】
好ましくは、R1a及びR1bが、それぞれ独立して、(1) 水素原子、(2) 置換されていてもよいアルキル基、(3) 置換されていてもよいアリール基、又は(4) 置換されていてもよいアルキル基でモノ又はジ置換されていてもよいアミノ基である。

【0112】
より好ましくは、R1a及びR1bが、それぞれ独立して、(1) 水素原子、(2) 1~3個(好ましくは、1又は2個)のC6-14アリール基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、tertブチル、イソプロピル、ジフェニルメチル等)、(3) C6-14アリール基(例、フェニル等)、又は(4)C1-6アルキル基でモノ又はジ置換されていてもよいアミノ基(例、ジメチルアミノ等)である。

【0113】
さらに好ましくは、R1a及びR1bが、それぞれ独立して、(1) 水素原子、(2) 1~3個(好ましくは、1又は2個)のC6-14アリール基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、tertブチル、イソプロピル、ジフェニルメチル等)、又は(3)C1-6アルキル基でモノ又はジ置換されていてもよいアミノ基(例、ジメチルアミノ等)である。

【0114】
特に好ましくは、R1a及びR1bが、それぞれ独立して、(1) 水素原子、(2) 分枝鎖C3-6アルキル基(特に、第二級C3-6アルキル基)(例、イソプロピル等)、又は(3) 1~3個(好ましくは、1又は2個)のC6-14アリール基で置換されたC1-2アルキル基(例、ジフェニルメチル等)であり、R1a及びR1bの少なくとも一方が、水素原子ではない。

【0115】
別の好ましい実施形態では、R1a及びR1bは、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいアミノ基である。より好ましい実施形態では、R1a及びR1bの少なくとも一方が、水素原子ではない。

【0116】
好ましくは、
1aが、(1) 1~3個(好ましくは、1又は2個)のC6-14アリール基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、イソプロピル、ジフェニルメチル等)、又は(2) C1-6アルキル基でモノ又はジ置換されていてもよいアミノ基(例、ジメチルアミノ等)であり;且つ
1bが、(1) 水素原子、又は(2) 1~3個(好ましくは、1又は2個)のC6-14アリール基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、イソプロピル、ジフェニルメチル等)である。

【0117】
より好ましくは、R1a及びR1bが、それぞれ独立して、1~3個(好ましくは、1又は2個)のC6-14アリール基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、イソプロピル、ジフェニルメチル等)である。

【0118】
さらに好ましくは、R1a及びR1bが、それぞれ独立して、(1) 分枝鎖C3-6アルキル基(特に、第二級C3-6アルキル基)(例、イソプロピル等)、又は(2) 1~3個(好ましくは、1又は2個)のC6-14アリール基で置換されたC1-2アルキル基(例、ジフェニルメチル等)である。

【0119】
1cは、それぞれ独立して、置換基を示し;好ましくは、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭化水素基であり;より好ましくは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基であり;特に好ましくは、それぞれ独立して、C1-6アルキル基(例、メチル等)である。

【0120】
n1は、0~3の整数を示し;好ましくは、0又は1である。

【0121】
環Bは、さらに置換されていてもよい芳香環を示す。環Bは、好ましくは、さらに置換されていてもよいアレーン環であり;より好ましくは、さらに置換されていてもよいベンゼン環であり;さらに好ましくは、式(B):

【0122】
【化9】
JP2015129813A1_000011t.gif

【0123】
で表される環であり;さらにより好ましくは、式(B1):

【0124】
【化10】
JP2015129813A1_000012t.gif

【0125】
で表される環、または式(B2):

【0126】
【化11】
JP2015129813A1_000013t.gif

【0127】
で表される環であり;特に好ましくは、式(B1):

【0128】
【化12】
JP2015129813A1_000014t.gif

【0129】
で表される環である。

【0130】
環Bで示される、「さらに置換されていてもよい芳香環」、「さらに置換されていてもよいアレーン環」、「さらに置換されていてもよいC6-14アレーン環」または「さらに置換されていてもよいベンゼン環」の置換基としては、例えば、シアノ基、ニトロ基、アシル基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基および置換されていてもよいヒドロキシ基等が挙げられる。置換基の数は、例えば、1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。置換基の数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。

【0131】
2a及びR2bは、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示す。

【0132】
好ましくは、R2a及びR2bが、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基である。より好ましくは、R2a及びR2bが、それぞれ独立して、水素原子、又は1~3個(好ましくは、1又は2個)のC6-14アリール基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、イソプロピル、ジフェニルメチル)である。さらに好ましくは、R2a及びR2bが、それぞれ独立して、1~3個(好ましくは、1又は2個)のC6-14アリール基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、イソプロピル、ジフェニルメチル等)である。特に好ましくは、R2a及びR2bが、それぞれ独立して、C1-6アルキル基(例、メチル、イソプロピル等)である。

【0133】
2cは、それぞれ独立して、置換基を示し;好ましくは、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭化水素基であり;より好ましくは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基であり;さらに好ましくは、それぞれ独立して、C1-6アルキル基(例、メチル、イソプロピル等)である。

【0134】
n2は、0~3の整数を示し;好ましくは、0又は1であり;より好ましくは、1である。

【0135】
環Cは、さらに置換されていてもよいカチオン性二窒素含有環を示す。環Cは、好ましくは、さらに置換されていてもよい5員のカチオン性単環式二窒素含有環であり;より好ましくは、式(C1):

【0136】
【化13】
JP2015129813A1_000015t.gif

【0137】
で表される環であり;さらに好ましくは、式(C2):

【0138】
【化14】
JP2015129813A1_000016t.gif

【0139】
で表される環である。

【0140】
環Cで示される、「さらに置換されていてもよいカチオン性二窒素含有環」または「さらに置換されていてもよい5員のカチオン性単環式二窒素含有環」の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいヒドロキシ基等が挙げられる。当該置換基は、好ましくは、置換されていてもよい炭化水素基である。置換基の数は、例えば、1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。

【0141】
及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示すか、或いはR及びRが結合する炭素原子と一緒になって置換されていてもよい環を形成していてもよい。

【0142】
及びRにより形成される「置換されていてもよい環」の「環」としては、例えば、複素環、アレーン環、シクロアルカン環、シクロアルケン環及びシクロアルカジエン環が挙げられる。

【0143】
及びRは、好ましくは、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基であり;より好ましくは、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基であり;さらに好ましくは、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基(例、メチル等)であり;さらにより好ましくは、それぞれ独立して、C1-6アルキル基(例、メチル等)であり;特に好ましくは、メチルである。

【0144】
式(C1)において、式:

【0145】
【化15】
JP2015129813A1_000017t.gif

【0146】
で表される部分は、単結合または二重結合を示す。

【0147】
は、アニオンを示す。Xは、好ましくは、ハロゲン化物イオン類(例、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)、ホウ酸イオン類(例、テトラフルオロホウ酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、ブチルトリフェニルホウ酸イオン等)、リン酸イオン類(例、ヘキサフルオロリン酸イオン等)、アンチモン酸イオン類(例、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン等)等であり;より好ましくは、ハロゲン化物イオン類(例、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)であり;さらに好ましくは、塩化物イオンである。

【0148】
式(I)において、Y及びYは、それぞれ独立して、結合手又はメチレンを示す。好ましくは、Yが、結合手であり、且つYが、結合手又はメチレンであり、より好ましくは、Yが、結合手であり、且つYが、メチレンである。

【0149】
式(II)において、Yは、結合手又はメチレンを示す。好ましくは、Yが、結合手である。

【0150】
以下に、好適な化合物(I)を示す。
[化合物IA]
環A及び環Bが、それぞれ独立して、さらに置換されていてもよいC6-14アレーン環であり;環Cが、さらに置換されていてもよいカチオン性単環式二窒素含有環であり;Xが、アニオンであり;Yが、結合手であり、Yが、結合手またはメチレンである、化合物(I)。

【0151】
[化合物IB]
環A及び環Bが、それぞれ独立して、さらに置換されていてもよいベンゼン環であり;環Cが、さらに置換されていてもよい5員のカチオン性単環式二窒素含有環であり;Xが、アニオンであり;Yが、結合手であり、Yが、結合手又はメチレンである、化合物(I)。

【0152】
以下に、好適な化合物(II)を示す。
[化合物IIA]
1a及びR1bが、それぞれ独立して、(1) 水素原子、(2) 置換されていてもよいアルキル基、(3) 置換されていてもよいアリール基、又は(4) 置換されていてもよいアルキル基でモノ又はジ置換されていてもよいアミノ基であり;R1cが、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基であり;R2a及びR2bが、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基であり;R2cが、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基であり;R及びRが、それぞれ独立して、水素原子又は置換されていてもよいアルキル基であり;Xが、アニオンであり;Yが、結合手であり;n1及びn2が、それぞれ独立して、0~3の整数である、化合物(II)。
[化合物IIB]
1a及びR1bが、それぞれ独立して、(1) 水素原子、(2) 1~3個(好ましくは、1又は2個)のC6-14アリール基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、tertブチル、イソプロピル、ジフェニルメチル等)、(3) C6-14アリール基(例、フェニル等)、又は(4)C1-6アルキル基でモノ又はジ置換されていてもよいアミノ基(例、ジメチルアミノ等)であり;R1cは、それぞれ独立して、C1-6アルキル基(例、メチル等)であり;R2a及びR2bが、それぞれ独立して、水素原子、又は1~3個(好ましくは、1又は2個)のC6-14アリール基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、イソプロピル、ジフェニルメチル等)であり;R2cは、それぞれ独立して、C1-6アルキル基(例、メチル、イソプロピル等)であり;R及びRが、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基(例、メチル等)であり;Xが、アニオンであり;Yが、結合手であり;n1及びn2が、それぞれ独立して、0又は1である、化合物(II)。
[化合物IIC]
1aが、(1) 1~3個(好ましくは、1又は2個)のC6-14アリール基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、イソプロピル、ジフェニルメチル等)、又は (2) C1-6アルキル基でモノ又はジ置換されていてもよいアミノ基(例、ジメチルアミノ等)であり;R1bが、(1) 水素原子、又は (2) 1~3個(好ましくは、1又は2個)のC6-14アリール基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、イソプロピル、ジフェニルメチル等)であり;R1cが、それぞれ独立して、C1-6アルキル基(例、メチル等)であり;R2a及びR2bが、それぞれ独立して、1~3個(好ましくは、1又は2個)のC6-14アリール基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、イソプロピル、ジフェニルメチル等)であり;R2cが、それぞれ独立して、C1-6アルキル基(例、メチル、イソプロピル等)であり;R及びRが、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基(例、メチル等)であり;Xが、アニオンであり;Yが、結合手であり;n1及びn2が、それぞれ独立して、0又は1である、化合物(II)。

【0153】
化合物(I)には、互変異性体である下記式(I’’)で表される化合物も含まれる。

【0154】
【化16】
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【0155】
化合物(I)は、公知の方法あるいはそれに準じた方法で製造してもよいし、市販品であってもよい。

【0156】
以下に、化合物(I)の製造方法を説明する。
各工程の原料化合物は、市販品をそのまま用いてもよく、あるいは、公知の方法あるいはそれに準じた方法、以下で説明する方法などによって製造できる。

【0157】
また、以下の各反応において、原料化合物や中間体が置換基としてアミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基等を有する場合、これらの基は、公知の保護基で保護されていてもよい。この場合、反応後に、必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。これらの保護基の導入あるいは除去は、自体公知の方法に準じて行えばよい。

【0158】
また、各工程で得られた化合物は反応液のままか粗生成物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、晶析、濾過、濃縮、溶媒抽出、再結晶、クロマトグラフィー等の分離手段により容易に精製することができる。

【0159】
さらに、各工程の反応は、必要に応じて、マイクロウェーブ反応装置を用いて、マイクロ波照射下において実施することも可能である。
化合物(I)は、例えば、下記の反応式1の工程1(および工程2)の方法を用いて製造することができる。

【0160】
【化17】
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【0161】
(式中、X’はハロゲン原子を示し、その他の記号は前記と同義である。)
X’で示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは、塩素原子又は臭素原子である。

【0162】
(工程1)
化合物(I’)は、上記反応式1に示されるように、化合物(a)を、不活性溶媒中、化合物(b)と反応させることにより得ることができる。
化合物(a)の使用量は、化合物(b)1モルに対して、通常、0.5~5モル、好ましくは、0.7~2.5モル、より好ましくは、0.8~1.2モルである。
不活性溶媒としては、例えば、炭化水素類、アルコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、アミド類、ニトリル類、スルホキシド類等が挙げられ、これらの溶媒は単独で又は混合溶媒として使用できる。
反応温度は、30~120℃、好ましくは50~100℃、より好ましくは60~80℃である。
反応時間は、通常1~48時間、好ましくは10~30時間であり、より好ましくは12~18時間である。

【0163】
(工程2)
化合物(I)のXがハロゲン化物イオン類以外である化合物は、慣用のイオン交換法により、ハロゲンアニオンを他のアニオンで置換することにより得ることができる。

【0164】
化合物(a)の中でも、イミダゾール環を有する化合物(a’)は、例えば、下記反応式2の方法を用いて製造することができる。

【0165】
【化18】
JP2015129813A1_000020t.gif

【0166】
(式中、各記号は前記と同義である。)
化合物(a’)は、上記反応式2に示されるように、化合物(c)を、不活性溶媒中、化合物(d)、アンモニア又はアンモニウム塩、およびホルムアルデヒド類と反応させることにより得ることができる。また、化合物(a’)は、化合物(c)を、不活性溶媒中、化合物(d)と反応させた後、さらに、アンモニア又はアンモニウム塩、およびホルムアルデヒド類と反応させることにより得ることもできる。
化合物(d)の使用量は、化合物(c)1モルに対して、通常、0.5~5モル、好ましくは、0.8~2.5モル、より好ましくは、1~1.5モルである。
アンモニウム塩としては、例えば、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム等が挙げられる。
ホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド水溶液、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。
ホルムアルデヒド類、及びアンモニア(アンモニウム塩)の使用量は、例えば、化合物(c)1モルに対して、それぞれ、0.5~5モル、好ましくは0.8~2.5モル、より好ましくは1~1.5モルである。
当該反応は、必要に応じて、さらに酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ヘテロポリ酸などの無機酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、酢酸などの有機酸)の存在下で行ってもよい。
不活性溶媒としては、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、アミド類、ニトリル類、スルホキシド類等が挙げられ、これらの溶媒は単独で又は混合溶媒として使用できる。
反応温度は、通常20~100℃、好ましくは50~70℃である。
反応時間は、通常1~96時間、好ましくは2~50時間である。

【0167】
また、化合物(a)は、例えば、下記反応式3の方法を用いて製造することもできる。

【0168】
【化19】
JP2015129813A1_000021t.gif

【0169】
(式中、LGは脱離基を示し、その他の記号は前記と同義である。)
LGで示される脱離基としては、例えば、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1-6アルキル-スルホニルオキシ基、置換されていてもよいC6-10アリール-スルホニルオキシ基等が挙げられる。
化合物(a)は、上記反応式3に示されるように、不活性溶媒中、塩基条件下、化合物(e)を化合物(f)と反応させることにより得ることができる。
化合物(f)の使用量は、化合物(e)1モルに対して、通常約1~10モル、好ましくは1~3モルの量で用いられる。
塩基としては、例えば、塩基性塩類、金属水素化物類、芳香族アミン類、第3級アミン類、金属アミド類、アルキル金属類、アリール金属類、金属アルコキシド類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(e)1モルに対して、通常約1~10モル、好ましくは1~3モルの量で用いられる。
不活性溶媒としては、エーテル類、炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、スルホキシド類が挙げられ、これらの溶媒は単独で又は混合溶媒として使用できる。
反応温度は、通常10~200℃、好ましくは10~150℃である。
反応時間は、通常0.5~48時間、好ましくは1~20時間である。

【0170】
本発明の重水素化触媒は、例えば、化合物(I)(配位子前駆体)を塩基等で処理することにより誘導されるカルベン配位子を、遷移金属に配位させることにより形成される錯体である。このように誘導される配位子は、例えば、化合物(I)(配位子前駆体)から、HとアニオンXを除した化合物に対応する。

【0171】
このような配位子は、例えば、N-ヘテロ環状カルベン(NHC)として、化合物(I)の環Cの環構成構造「N=CH-N」の炭素原子が遷移金属に配位する。さらに、化合物(I)の環Aや環Bの置換基に、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれる場合、これらのヘテロ原子も、遷移金属に配位し、多座配位子(例えば、二座配位子、三座配位子)として機能する場合がある。

【0172】
本発明の重水素化触媒における遷移金属は、好ましくは、周期表の第8族元素(鉄、ルテニウム、オスミウム)、第9族元素(コバルト、ロジウム、イリジウム)、第10族元素(ニッケル、パラジウム、白金)、第11族元素(銅、銀、金)であり、より好ましくは、第10族元素であり、さらに好ましくは、ニッケルまたはパラジウムであり、特に好ましくは、パラジウムである。遷移金属は、例えば、0~6価であり、好ましくは0~4価であり、特に好ましくは、0~2価(例えば、0又は2価)である。

【0173】
以下に、化合物(I)から誘導されるカルベン配位子と遷移金属とを含む錯体の調製方法を説明する。
錯体は、例えば、化合物(I)を、不活性溶媒中、塩基存在下、遷移金属化合物と混合することで得ることができる。
配位子前駆体の使用量は、遷移金属化合物1モルに対して、通常1~100モルであり、好ましくは1~50モル(例えば、1.2~25モル)であり、より好ましくは1.5~10モル(例えば、1.5~5モル)であり、さらに好ましくは1.5~2.5モルである。
塩基としては、アルカリ金属水酸化物類、アルカリ金属炭酸塩類、アルカリ金属フッ化物類、アルカリ金属リン酸塩類、金属アルコキシド類、芳香族アミン類、第3級アミン類、金属アミド類等が挙げられる。
塩基の使用量は、遷移金属化合物1モルに対して、通常1~1000モル、より好ましくは1~500モル、さらに好ましくは1~200モルであってもよい。
遷移金属化合物としては、例えば、パラジウム化合物の場合、ハロゲン化物(例えば、塩化パラジウム(II)、四塩化パラジウム(II)リチウム、臭化パラジウム(II)など)、無機酸塩(例えば、硝酸パラジウム(II)、硫酸パラジウム(II)など)、有機酸塩(例えば、酢酸パラジウム(II)、プロピオン酸パラジウム(II))、アリル錯体(例えば、アリルパラジウム(II)クロリド二量体など)、ジベンジリデンアセトン錯体(例えば、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)など)、ホスフィン錯体(例えば、パラジウム(0)テトラキス(トリフェニルホスフィン)、パラジウム(0)ビス(トリ-o-トリルホスフィン)、パラジウム(II)ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(トリエチルホスフィン)パラジウム(0)など)、アセチルアセトン錯体(例えば、アセチルアセトンパラジウム(II)など)、ニトリル錯体(例えば、塩化パラジウム(II)ビス(アセトニトリル)、塩化パラジウム(II)ビス(ベンゾニトリル)など)などが挙げられる。ニッケル化合物の場合、ハロゲン化物(例えば、塩化ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、ヨウ化ニッケル(II))、無機酸塩(硝酸ニッケル(II)、硫酸ニッケル(II)、炭酸ニッケル(II)、酢酸ニッケル(II)、安息香酸ニッケル(II))、有機酸塩(トリフルオロメタンスルホン酸ニッケル(II))、アルケン錯体(例えば、ビス(1,5‐シクロオクタジエン)ニッケル(0))、ホスフィン錯体(例えば、クロロ(1-ナフチル)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0))などが挙げられる。
不活性溶媒としては、アルコール類、エーテル類、ケトン類、炭化水素類、エステル類、アミド類、ニトリル類、スルホキシド類が挙げられ、これらの溶媒は単独で又は混合溶媒として使用できる。
調製時間は、通常1分~24時間、好ましくは5分~3時間である。調製温度は、通常10~150℃、好ましくは70~100℃である。

【0174】
以下、本発明の重水素化触媒を用いた重水素化方法について説明する。
本発明の重水素化触媒は、芳香族炭素原子に結合した脱離基の重水素原子への置換反応を触媒することができ、例えば、ハロゲン化芳香族化合物における芳香族炭素原子に結合したハロゲン原子の重水素原子への置換反応を触媒することができる。本発明の重水素化方法は、コスト面と重水素化率との両方に優れており、特に、芳香族化合物の脱離基(例えば、ハロゲン原子等)を選択的に重水素置換することができる。

【0175】
重水素化反応は、例えば、反応基質である脱離基を有する芳香族化合物(例えば、ハロゲン化芳香族化合物)を、有機溶媒中、本発明の重水素化触媒、重水素化剤及び塩基の存在下で反応させて行ってもよい。
重水素化反応において、予め調製した触媒を用いて行ってもよいし、触媒の調製後ワンポットで行ってもよいし、触媒調製と同時に行ってもよいが、予め調製した触媒を用いるか、触媒の調製後ワンポットで行うことが好ましく、触媒の調製後ワンポットで行うことがより好ましい。

【0176】
重水素化剤の使用量は、芳香族化合物の脱離基に対して、通常1~50モル当量、好ましくは1~15モル当量、より好ましくは1~5モル当量、さらに好ましくは1~3モル当量であり、さらにより好ましくは1~2モル当量であり、特に好ましくは1~1.5モル当量である。
重水素化触媒の使用量は、遷移金属換算量として、芳香族化合物の脱離基に対して、通常1×10-5~1モル当量、好ましくは1×10-4~2×10-1モル当量、より好ましくは1×10-3~5×10-2モル当量である。
塩基は、触媒を調製する際と同様の塩基を用いればよく、アルカリ金属水酸化物類、アルカリ金属炭酸塩類、アルカリ金属フッ化物類、アルカリ金属リン酸塩類、金属アルコキシド類、芳香族アミン類、第3級アミン類、金属アミド類等が挙げられる。
塩基の使用量は、触媒を調製する際と同様であってもよく、芳香族化合物の脱離基に対して、好ましくは1~10モル当量、より好ましくは1~3モル当量であってもよい。
有機溶媒は、触媒を調製する際と同様の溶媒を用いればよく、例えば、アルコール類、エーテル類、ケトン類、炭化水素類、エステル類、アミド類、ニトリル類、スルホキシド類が挙げられ、これらの溶媒は単独で又は混合溶媒として使用できる。なお、有機溶媒として重溶媒を用いる必要はない。
反応時間は、通常1~48時間、好ましくは12~24時間である。
反応温度は、通常20~200℃、好ましくは70~130℃である。

【0177】
本発明の重水素化方法によれば、重溶媒を使用せず且つ重水素化剤等の重水素化合物の使用量に抑えつつ、高い重水素化率を実現させることができる。具体的には、重水素化率95%以上、97%以上、98%以上、特に99%以上にて重水素化生成物を得ることができる。

【0178】
脱離基を有する芳香族化合物とは、少なくとも1個の脱離基が、芳香環の環構成原子である炭素原子(即ち、芳香族炭素原子)と共有結合している化合物を示し、公知の化合物またはその誘導体であっても、未知の化合物であってもよい。具体例としては、式(IV):

【0179】
【化20】
JP2015129813A1_000022t.gif

【0180】
[式中、Arは、芳香環を示し;LGは、それぞれ独立して、脱離基(例えばハロゲン原子等)を示し;Rは、それぞれ独立して、置換基を示し;naは1以上の整数を示し;nbは0以上の整数を示し;nbが2以上の場合、2個以上のRが一緒になって、さらに置換されていてもよい1個以上の環(例えば非芳香族複素環、シクロアルケン環、シクロアルカジエン環等)を形成していてもよい。]
で表される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。

【0181】
脱離基を有する芳香族化合物の芳香環における脱離基以外の置換基(R)としては、特に限定されるものではないが、例えば、ニトロ基、アシル基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいスルファニル基(当該スルファニル基の硫黄原子は酸化していてもよい)、置換されていてもよいアミノ基等が挙げられる。さらに、これらの置換基は、上記置換基群(1)~(8)等から選ばれる置換基で置換されていてもよい。

【0182】
2個以上のRが一緒になって形成する「さらに置換されていてもよい1個以上の環」のさらなる置換基としては、例えば、ニトロ基、アシル基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいスルファニル基(当該スルファニル基の硫黄原子は酸化していてもよい)、オキソ基等が挙げられる。

【0183】
本発明の重水素化方法は基質一般性が高いため様々な芳香族化合物で適用することができる。

【0184】
例えば、脱離基を有する芳香族化合物において芳香環は複数存在してもよい。また、置換基(R)同士が結合し、それぞれ独立して二量体や重合体を形成していてもよい。さらに、脱離基を有する芳香族化合物は塩を形成していてもよい。

【0185】
脱離基を有する芳香族化合物が、塩基性基を有する場合は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、乳酸等の有機酸等と塩を形成していてもよい。酸性基(単数又は複数)を有する場合は、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等であってもよい。

【0186】
重水素化剤としては、例えば、1位が重水素原子で置換された第2級アルコールを用いればよく、例えば、式(III):

【0187】
【化21】
JP2015129813A1_000023t.gif

【0188】
[式中、R及びRは、それぞれ独立して、置換基を示し;Dは、重水素原子を示す。]
で表される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。

【0189】
式(III)において、R及びRは、好ましくは、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基であり;より好ましくは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよい5ないし12員の芳香族複素環基であり;;さらに好ましくは、置換されていてもよいフェニルである。

【0190】
重水素化剤は、公知の方法あるいはそれに準じた方法で製造してもよいし、市販品であってもよい。

【0191】
化合物(III)は、例えば、下記反応式4の方法を用いて製造することができる。

【0192】
【化22】
JP2015129813A1_000024t.gif

【0193】
(式中、各記号は前記と同義である。)
化合物(III)は、上記反応式4に示されるように、不活性溶媒中、化合物(g)を重水素化還元試薬と反応させることにより得ることができる。
重水素化還元試薬としては、例えば、重水素化アルミニウムリチウム、重水素化ホウ素ナトリウム、重水素化ホウ素リチウム、重水素化シアノホウ素ナトリウム、重水素化トリエチルホウ素リチウム、重水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム等が挙げられる。
重水素化還元試薬は、できるだけ重水素化率が高いものを使用することが好ましく、98%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましい。
重水素化還元試薬の使用量は、化合物(g)1モルに対して、通常、0.1~10モル、好ましくは、0.3~3モルである。
不活性溶媒としては、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類等が挙げられ、これらの溶媒は単独で又は混合溶媒として使用できる。
反応温度は、通常-78~100℃、好ましくは-20℃~室温である。
反応時間は、通常0.1~50時間、好ましくは0.1~5時間である。
【実施例】
【0194】
本発明は、更に以下の合成例および実施例によって詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
【実施例】
【0195】
以下の実施例中の「室温」は通常約10℃ないし約30℃を示す。
1H NMR及び13C NMRは、それぞれフーリエ変換型NMRにて400 MHz(又は500 MHz)及び100 MHzで測定した。化学シフト値をTMS(テトラメチルシラン)を基準としてppmで表す。高分解能質量スペクトル(HRMS)は、電子イオン化(EI)質量分析法または高速原子衝撃(FAB)質量分析法を用いて測定した。
【実施例】
【0196】
本文中で用いられている略号は下記の意味を示す。
s: シングレット
d: ダブレット
t: トリプレット
q: クァルテット
m: マルチプレット
br: ブロード
Me: メチル
Et: エチル
iPr: イソプロピル
Bu: ブチル
tBu: tert-ブチル
Hex: ヘキシル
Ph: フェニル
Bn: ベンジル
【実施例】
【0197】
合成例1-1
3-メシチル-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド(化合物1)の合成
【実施例】
【0198】
【化23】
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【実施例】
【0199】
(1) 1-メシチル-4,5-ジメチル-1H-イミダゾール
2,4,6-トリメチルアニリン(12 mmol)のクロロホルム(20 mL)溶液に、ジアセチル(10 mmol)、酢酸(50 mmol)、酢酸アンモニウム(12 mmol)、パラホルムアルデヒド(10 mmol)及び水(0.5 mL)を加え、48時間還流した。溶媒を留去した後に、得られた暗色の残渣をジエチルエーテルに溶解し、氷浴中、40%水酸化カリウム水溶液でpH14に調整した。得られた混合物を、ジエチルエーテルで抽出した。まとめた有機層を水で洗浄した後に硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後にシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 3/1)で精製を行い、淡褐色固体として標題化合物(1.46 g, 6.8 mmol, 収率68%)を得た。
mp 130-131 ℃. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.84 (s, 3H), 1.93 (s, 6H), 2.24 (s, 3H), 2.34 (s, 3H), 6.97 (s, 2H), 7.25 (s, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 8.1 (CH3), 12.9 (CH3), 17.3 (CH3), 20.9 (CH3), 122.5 (C), 128.8 (CH), 132.4 (C), 133.7 (C), 134.3 (CH), 135.9 (C), 138.5 (C). IR (ATR): 770, 1490 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C14H18N2: 214.1470; Found: 214.1461.
【実施例】
【0200】
(2) 3-メシチル-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド
2,4,6-トリメチルベンジルクロリド(2.0 mmol)を、合成例1-1の工程(1)で得られた1-メシチル-4,5-ジメチル-1H-イミダゾール(2.0 mmol)の無水テトラヒドロフラン(2 mL)溶液に加えた。反応混合物を15時間還流した後、濃縮した。得られた固体をろ過した後にテトラヒドロフランで洗浄し、白色固体として標題化合物(535 mg, 1.40 mmol, 収率70%)を得た。
mp 285-286 ℃. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.92 (s, 3H), 1.99 (s, 6H), 2.12 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 2.336 (s, 6H), 2.342 (s, 3H), 5.95 (s, 2H), 6.88 (s, 2H), 7.01 (s, 2H), 9.90 (s, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 7.9 (CH3), 8.9 (CH3), 17.1 (CH3), 19.7 (CH3), 20.5 (CH3), 20.7 (CH3), 47.2 (CH2), 125.3 (C), 127.5 (C), 128.0 (C), 128.5 (C), 129.5 (CH), 129.6 (CH), 134.3 (C), 135.1 (CH), 137.2 (C), 138.8 (C), 140.9 (C). IR (ATR): 850, 1550 cm-1. HRMS (FAB) m/z: [M-Cl]+ Calcd for C24H31N2: 347.2487; Found: 347.2488.
【実施例】
【0201】
合成例1-2
3-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド(化合物2)の合成
【実施例】
【0202】
【化24】
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【実施例】
【0203】
(1) 1-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-4,5-ジメチル-1H-イミダゾール
2,4,6-トリメチルアニリンの代わりに、2,6-ジイソプロピルアニリンを用いた以外は合成例1-1の工程(1)と同様にして、褐色油状物の標題化合物(1.59 g, 6.2 mmol, 収率62%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.09 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.14 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.86 (s, 3H), 2.26 (s, 3H), 2.33-2.40 (m, 2H), 7.24 (s, 1H), 7.28 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.43 (t, J = 7.6 Hz, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 8.1 (CH3), 12.7 (CH3), 22.9 (CH3), 24.9 (CH3), 27.6 (CH), 123.3 (C), 123.5 (CH), 129.4 (CH), 131.5 (C), 133.3 (C), 135.3 (CH), 146.6 (C). IR (ATR): 770, 1490 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C17H24N2: 256.1939; Found: 256.1933.
【実施例】
【0204】
(2) 3-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド
1-メシチル-4,5-ジメチル-1H-イミダゾールの代わりに、合成例1-2の工程(1)で得られた1-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-4,5-ジメチル-1H-イミダゾールを用いた以外は、合成例1-1の工程(2)と同様にして、白色固体の標題化合物(403 mg, 0.95 mmol, 収率48%)を得た。
mp 267-268 ℃. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.16 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.19 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.93 (s, 3H), 2.19-2.23 (m, 2H), 2.27 (s, 6H), 2.34 (s, 6H), 6.03 (s, 2H), 6.89 (s, 2H), 7.31 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.53 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 9.65 (s, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 8.3 (CH3), 9.2 (CH3), 19.7 (CH3), 20.7 (CH3), 22.7 (CH3), 24.9 (CH3), 28.4 (CH), 47.4 (CH2), 124.6 (CH), 125.2 (C), 128.0 (C), 128.5 (C), 128.6 (C), 129.8 (CH), 131.7 (CH), 134.7 (CH), 137.6 (C), 139.3 (C), 145.4 (C). IR (ATR): 810, 1460 cm-1. HRMS (FAB) m/z: [M-Cl]+ Calcd for C22H27N2O: 389.2957; Found: 389.2955.
【実施例】
【0205】
合成例1-3
3-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリイソプロピルベンジル)イミダゾリウムクロリド(化合物3)の合成
【実施例】
【0206】
【化25】
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【実施例】
【0207】
1-メシチル-4,5-ジメチル-1H-イミダゾールの代わりに、合成例1-2の工程(1)で得られた1-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-4,5-ジメチル-1H-イミダゾール(2.0 mmol)を用い、2,4,6-トリメチルベンジルクロリドの代わりに、2,4,6-トリイソプロピルベンジルクロリドを用いた以外は、合成例1-1の工程(2)と同様にして、白色固体の標題化合物(515 mg, 1.01 mmol, 収率51%)を得た。
mp 208-209 ℃. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.07 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.18 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.23 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.24 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 2.03 (s, 3H), 2.19-2.26 (m, 2H), 2.70 (s, 3H), 2.86-2.92 (m, 1H), 3.10-3.17 (m, 2H), 5.76 (s, 2H), 7.08 (s, 2H), 7.30 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.52 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.95 (s, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 8.6 (CH3), 9.9 (CH3), 23.1 (CH3), 23.5 (CH3), 24.2 (CH3), 24.8 (CH3), 28.3 (CH), 29.7 (CH), 34.0 (CH), 45.0 (CH2), 121.4 (C), 122.0 (CH), 124.8 (CH), 127.8 (C), 129.3 (C), 129.6 (C), 131.9 (CH), 132.0 (CH), 145.5 (C), 148.6 (C), 151.3 (C). IR (ATR): 760, 1540 cm-1. HRMS (FAB) m/z: [M-Cl]+Calcd for C33H49N2: 473.3896; Found: 473.3901.
【実施例】
【0208】
合成例1-4
3-(2,6-ジベンズヒドリル-4-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド(化合物4)の合成
【実施例】
【0209】
【化26】
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【実施例】
【0210】
(1) 1-(2,6-ジベンズヒドリル-4-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-1H-イミダゾール
ジアセチルを2.5 mmolとし、2,4,6-トリメチルアニリンの代わりに、2,6-ジベンズヒドリル-4-メチルアニリンを用いた以外は合成例1-1の工程(1)と同様にして、淡黄色固体の標題化合物(585 mg, 1.13 mmol, 収率45%)を得た。
mp 87-88 ℃. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.30 (s, 3H), 2.15 (s, 3H), 2.26 (s, 3H), 4.99 (s, 2H), 6.61 (s, 1H), 6.87-6.91 (m, 6H), 6.94-6.97 (m, 4H), 7.15-7.26 (m, 12H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 7.7 (CH3), 12.9 (CH3), 21.7 (CH3), 51.3 (CH), 123.3 (C), 126.5 (CH), 128.2 (CH), 128.3 (CH), 129.1 (CH), 129.5 (CH), 129.6 (CH), 132.2 (C), 133.8 (C), 135.5 (CH), 138.7 (C), 142.3 (C), 142.7 (C), 142.8 (C). IR (ATR): 700, 1490 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C38H34N2: 518.2722; Found: 518.2719.
【実施例】
【0211】
(2) 3-(2,6-ジベンズヒドリル-4-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド
1-メシチル-4,5-ジメチル-1H-イミダゾールの代わりに、合成例1-4の工程(1)で得られた1-(2,6-ジベンズヒドリル-4-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-1H-イミダゾールを用いた以外は、合成例1-1の工程(2)と同様にして、白色固体の標題化合物(941 mg, 1.37 mmol, 収率69%)を得た。
mp 214-215 ℃. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.28 (s, 3H), 2.14 (s, 6H), 2.23 (s, 3H), 2.24 (s, 3H), 2.28 (s, 3H), 4.97 (s, 2H), 5.63 (s, 2H), 6.80 (s, 2H), 6.83 (s, 2H), 6.93 (t, J = 6.8 Hz, 8H), 7.21-7.27 (m, 12H), 8.54 (s, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 7.7 (CH3), 9.2 (CH3), 19.8 (CH3), 20.8 (CH3), 21.6 (CH3), 47.0 (CH2), 51.4 (CH), 125.2 (C), 126.9 (CH), 127.0 (CH), 128.1 (C), 128.5 (CH), 128.6 (CH), 128.7 (CH), 129.1 (CH), 129.7 (CH), 130.4 (CH), 134.7 (CH), 137.3 (C), 139.1 (C), 140.6 (C), 141.1 (C), 141.3 (C). IR (ATR): 700, 1490 cm-1. HRMS (FAB) m/z: [M-Cl]+Calcd for C48H47N2: 651.3739; Found: 651.3743. Anal. Calcd for C48H47N2Cl: C, 83.87; H, 6.89; N, 4.08. Found: C, 83.77; H, 7.04; N, 4.01.
【実施例】
【0212】
合成例1-5
4,5-ジメチル-3-[2-(ジメチルアミノ)フェニル]-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド(化合物5)の合成
【実施例】
【0213】
【化27】
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【実施例】
【0214】
(1) 4,5-ジメチル-1-[2-(ジメチルアミノ)フェニル]-1H-イミダゾール
2-(ジメチルアミノ)アニリン(36.9 mmol)のクロロホルム(61.4 mL)溶液に、ジアセチル(30.7 mmol)、酢酸(153.5 mmol)、酢酸アンモニウム(30.7 mmol)、パラホルムアルデヒド(30.7 mmol)及び水(1.54 mL)を加え、混合物を4時間還流した。溶媒を留去した後、暗色の残渣をジエチルエーテルに溶解し、氷浴中、40%水酸化カリウム水溶液でpH 14に調整した。得られた混合物をジエチルエーテルで抽出した。まとめた有機層を水で洗浄した後に硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 1/1)で精製を行い、褐色油状物の標題化合物(3.46 g, 16.1 mmol, 収率52%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.01 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 2.49 (s, 6H), 6.97 (t, J =7.6 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 1.5, 7.6 Hz, 1H), 7.30-7.35 (m, 1H), 7.46 (s, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 8.5 (CH3), 12.7 (CH3), 41.8 (CH3), 118.3 (CH), 120.7 (CH), 123.4 (C), 128.1 (C), 128.9 (CH), 129.1 (CH), 133.4 (C), 135.4 (CH), 149.0 (C). IR (ATR): 750, 1500 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C13H17N3: 215.1422; Found: 215.1411.
【実施例】
【0215】
(2) 4,5-ジメチル-3-[2-(ジメチルアミノ)フェニル]-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド
2,4,6-トリメチルベンジルクロリド(6.94 mmol)を、合成例1-5の工程(1)で得られた4,5-ジメチル-1-[2-(ジメチルアミノ)フェニル]-1H-イミダゾール(6.94 mmol)の無水テトラヒドロフラン(30 mL)溶液に加えた。反応混合物を15時間還流した。得られた固体をろ過した後にテトラヒドロフランで洗浄し、白色固体として標題化合物(1.39 g, 3.61 mmol, 収率52%)を得た。
mp 238-239 ℃. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 2.06 (s, 3H), δ 2.25 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 2.36 (s, 6H), 2.52 (s, 6H), 5.84 (s, 2H), 6.89 (s, 2H), 7.13-7.19 (m, 2H), 7.40-7.49 (m, 2H), 9.46 (s, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 8.6 (CH3), 9.1 (CH3), 19.9 (CH3), 20.9 (CH3), 43.1 (CH3), 47.1 (CH2), 120.5 (CH), 123.4 (CH), 125.5 (C), 126.2 (C), 127.6 (C), 128.2 (C), 128.7 (CH), 129.9 (CH), 131.8 (CH), 135.4 (CH), 137.8 (C), 139.3 (C) , 149.0 (C). IR (ATR): 770, 1450 cm-1. HRMS (FAB) m/z: [M-Cl]+ Calcd for C23H30N2: 348.2440; Found: 348.2458.
【実施例】
【0216】
合成例1-6
3-(2-メトキシフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド(化合物6)の合成
【実施例】
【0217】
【化28】
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【実施例】
【0218】
(1) 1-(2-メトキシフェニル)-4,5-ジメチル-1H-イミダゾール
ジアセチルを10 mmolとし、2-(ジメチルアミノ)アニリンの代わりに、o-アニシジンを用いた以外は合成例1-5の工程(1)と同様にして、黄色固体の標題化合物(1.09 g, 5.4 mmol, 収率54%)を得た。
mp 79-80℃. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.97 (3H, s), 2.23 (3H, s), 3.80 (3H, s), 7.01-7.05 (2H, m), 7.17 (1H, d, J = 7.1 Hz), 7.39 (1H, s), 7.39-7.42 (1H, m). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): 8.3 (CH3), 12.7 (CH3), 55.4 (CH3), 111.8 (CH), 120.5 (CH), 123.8 (C), 125.4 (C), 128.3 (CH), 129.7 (CH), 133.0 (C), 135.5 (CH), 154.4 (C). IR (ATR): 760, 1220, 1500 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C12H14N2O: 202.1106; Found: 202.1104.
【実施例】
【0219】
(2) 3-(2-メトキシフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド
4,5-ジメチル-1-[2-(ジメチルアミノ)フェニル]-1H-イミダゾールの代わりに、合成例1-6の工程(1)で得られた1-(2-メトキシフェニル)-4,5-ジメチル-1H-イミダゾール(281 mg, 1.39 mmol)を用いた以外は、合成例1-5の工程(2)と同様にして、白色固体の標題化合物(408 mg, 1.1 mmol, 収率79%)を得た。
mp 213-214℃. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.01 (3H, s), 2.17 (3H, s), 2.27 (3H, s), 2.34 (6H, s), 3.82 (3H, s), 5.84 (2H, s), 6.88 (2H, s), 7.07 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.11 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.46-7.48 (1H, m), 7.50-7.55 (1H, m), 9.51 (1H, s). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): 8.4 (CH3), 8.8 (CH3), 19.8 (CH3), 20.8 (CH3), 46.9 (CH2), 55.8 (CH3), 112.3 (CH), 121.2 (CH), 121.4 (C), 125.4 (C), 127.0 (C), 128.1 (CH), 128.6 (C), 129.8 (CH), 132.5 (CH), 135.5 (CH), 137.7 (C), 139.1 (C), 153.6 (C). IR (ATR): 770, 1260, 1500 cm-1. FABMS m/z: 335 [M-Cl]+. Anal. Calcd for C22H27ClN2O: C, 71.24; H, 7.34; N, 7.55. Found: C, 71.52; H, 7.55; N, 7.52.
【実施例】
【0220】
合成例1-7
3-(2-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド(化合物7)の合成
【実施例】
【0221】
【化29】
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【実施例】
【0222】
(1) 4,5-ジメチル-1-(2-メチルフェニル)-1H-イミダゾール
2,4,6-トリメチルアニリンの代わりに、2-メチルアニリンを用い、抽出溶媒にジクロロメタンを使用した以外は合成例1-1の工程(1)と同様にして、褐色油状物の標題化合物(1.11 g, 6.0 mmol, 収率60%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.92 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.24 (s, 3H), 7.15 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.27-7.39 (m, 4H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 8.3 (CH3), 12.7 (CH3), 17.1 (CH3), 123.2 (C), 126.6 (CH), 127.8 (CH), 128.9 (CH), 130.8 (CH), 133.5 (C), 134.8 (CH), 135.6 (C), 135.7 (C). IR (ATR): 770, 1500 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C12H14N2: 186.1157; Found: 186.1157.
【実施例】
【0223】
(2) 3-(2-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド
1-メシチル-4,5-ジメチル-1H-イミダゾールの代わりに、合成例1-7の工程(1)で得られた4,5-ジメチル-1-(2-メチルフェニル)-1H-イミダゾールを用い、濃縮した反応液をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール= 10/1)により精製を行った後にテトラヒドロフランで洗浄を行った以外は、合成例1-1の工程(2)と同様にして、白色固体の標題化合物(476 mg, 1.34 mmol, 収率67%)を得た。
mp 243-244 ℃. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.99 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.18 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 2.35 (s, 6H), 5.72 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 6.04 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 6.89 (s, 2H), 7.35-7.40 (m, 3H), 7.45-7.50 (m, 1H), 9.66 (s, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 8.3 (CH3), 8.8 (CH3), 17.0 (CH3), 19.8 (CH3), 20.6 (CH3), 46.9 (CH2), 125.2 (C), 127.2 (CH), 127.5 (CH), 127.7 (C), 127.8 (C), 129.7 (CH), 131.0 (CH), 131.4 (CH), 131.8 (C), 134.2 (C), 134.8 (CH), 137.4 (C), 139.0 (C). IR (ATR): 770, 1560 cm-1. HRMS (FAB) m/z: [M-Cl]+Calcd for C22H27N2: 319.2174; Found: 319.2173.
【実施例】
【0224】
合成例1-8
3-(2-エチルフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド(化合物8)の合成
【実施例】
【0225】
【化30】
JP2015129813A1_000032t.gif
【実施例】
【0226】
(1) 1-(2-エチルフェニル)-4,5-ジメチル-1H-イミダゾール
ジアセチルを10 mmolとし、2-(ジメチルアミノ)アニリンの代わりに、2-エチルアニリンを用いた以外は合成例1-5の工程(1)と同様にして、褐色油状物の標題化合物(1.36 g, 6.8 mmol, 収率68%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 1.09 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.91 (3H, s), 2.24 (3H, s), 2.28-2.44 (2H, m), 7.13 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.27-7.31 (1H, m), 7.37 (1H, s), 7.38-7.44 (2H, m). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): 8.4 (CH3), 12.6 (CH3), 14.7 (CH3), 23.5 (CH2), 123.4 (C), 126.5 (CH), 128.0 (CH), 129.2 (CH), 129.3 (CH), 133.2 (C), 135.0 (C), 135.2 (CH), 141.5 (C). IR (ATR): 770, 1490 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) calcd for C13H16N2: 200.1313. Found: 200.1293.
【実施例】
【0227】
(2) 3-(2-エチルフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド
4,5-ジメチル-1-[2-(ジメチルアミノ)フェニル]-1H-イミダゾールの代わりに、合成例1-8の工程(1)で得られた1-(2-エチルフェニル)-4,5-ジメチル-1H-イミダゾール(400 mg, 2.0 mmol)を用いた以外は、合成例1-5の工程(2)と同様にして、白色固体の標題化合物(442 mg, 1.20 mmol, 収率60%)を得た。
mp 242-243 ℃. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): 1.13 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.99 (3H, s), 2.21 (3H, s), 2.27 (3H, s), 2.29-2.42 (2H, m), 2.35 (6H, s), 5.68 (1H, d, J = 15.4 Hz), 6.06 (1H, d, J = 15.4 Hz), 6.89 (2H, s), 7.37-7.42 (3H, m), 7.50-7.54 (1H, m), 9.54 (1H, s). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): 8.5 (CH3), 8.9 (CH3), 14.4 (CH3), 19.9 (CH3), 20.7 (CH3), 23.5 (CH2), 47.1 (CH2), 125.4 (C), 127.5 (CH), 127.6 (CH), 127.8 (C), 128.1 (C), 129.85 (CH), 129.88 (CH), 131.3 (C), 131.4 (CH), 135.2 (CH), 137.6 (C), 139.1 (C), 140.1 (C). IR (ATR): 1560 cm-1. HRMS (FAB) m/z: [M-Cl]+ calcd for C23H29N2: 333.2331. Found: 333.2326.
【実施例】
【0228】
合成例1-9
3-(2-イソプロピルフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド(化合物9)の合成
【実施例】
【0229】
【化31】
JP2015129813A1_000033t.gif
【実施例】
【0230】
(1) 1-(2-イソプロピルフェニル)-4,5-ジメチル-1H-イミダゾール
2,4,6-トリメチルアニリンの代わりに、2-イソプロピルアニリンを用い、抽出溶媒にジクロロメタンを使用した以外は合成例1-1の工程(1)と同様にして、褐色油状物の標題化合物(1.41 g, 6.6 mmol, 収率66%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 1.12 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 1.15 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 1.91 (s, 3H), 2.24 (s, 3H), 2.58 (septet, J = 7.2 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.25-7.29 (m, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.43-7.47 (m, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 8.5 (CH3), 12.8 (CH3), 23.0 (CH3), 24.7 (CH3), 27.4 (CH), 123.7 (C), 126.3 (CH), 126.6 (CH), 128.1 (CH), 129.5 (CH), 133.4 (C), 134.2 (C), 135.4 (CH), 146.4 (C). IR (ATR): 770, 1500 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C14H18N2: 214.1470; Found: 214.1461.
【実施例】
【0231】
(2) 3-(2-イソプロピルフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド
1-メシチル-4,5-ジメチル-1H-イミダゾールの代わりに、合成例1-9の工程(1)で得られた1-(2-イソプロピルフェニル)-4,5-ジメチル-1H-イミダゾールを用い、濃縮した反応液をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール= 9.5/1)により精製を行った後にテトラヒドロフランで洗浄を行った以外は、合成例1-1の工程(2)と同様にして、白色固体の標題化合物(421 mg, 1.10 mmol, 収率55%)を得た。
mp 250-251 ℃. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.14 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.22 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.98 (s, 3H), 2.24 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 2.32-2.43 (m, 1H), 2.35 (s, 6H), 5.65 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 6.08 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 6.89 (s, 2H), 7.34-7.41 (m, 2H), 7.46-7.48 (m, 1H), 7.53-7.57 (m, 1H), 9.49 (s, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 8.4 (CH3), 8.9 (CH3), 19.7 (CH3), 20.6 (CH3), 22.4 (CH3), 24.5 (CH3), 27.8 (CH), 46.9 (CH2), 125.2 (C), 127.0 (CH), 127.3 (CH), 127.7 (C), 128.2 (C), 129.7 (CH), 130.2 (C), 131.5 (CH), 134.8 (CH), 137.4 (C), 139.0 (C), 144.8 (C). IR (ATR): 770, 1560 cm-1. HRMS (FAB) m/z: [M-Cl]+ Calcd for C24H31N2: 347.2487; Found: 347.2492.
【実施例】
【0232】
合成例1-10
1-(2-メチルベンジル)-4,5-ジメチル-3-(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(化合物10)の合成
【実施例】
【0233】
【化32】
JP2015129813A1_000034t.gif
【実施例】
【0234】
2,4,6-トリメチルベンジルクロリドの代わりに、2-メチルベンジルクロリドを用い、濃縮した反応液をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール= 9.5/1)により精製を行った以外は、合成例1-1の工程(2)と同様にして、白色固体の標題化合物(392 mg, 1.10 mmol, 収率55%)を得た。
mp 244-245 ℃. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.95 (s, 3H), 2.06 (s, 6H), 2.14 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 2.44 (s, 3H), 5.99 (s, 2H), 6.87 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.03 (s, 2H), 7.16-7.25 (m, 3H), 10.49 (s, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 7.8 (CH3), 8.6 (CH3), 17.0 (CH3), 18.9 (CH3), 20.5 (CH3), 48.9 (CH2), 126.1 (CH), 126.5 (CH), 127.0 (C), 127.2 (C), 128.1 (CH), 128.4 (C), 129.3 (CH), 130.5 (CH), 131.1 (C), 134.2 (C), 135.6 (C), 136.5 (CH), 140.6 (C). IR (ATR): 750, 1540 cm-1. HRMS (FAB) m/z: [M-Cl]+Calcd for C22H27N2: 319.2174; Found: 319.2169.
【実施例】
【0235】
合成例1-11
3-(4-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド(化合物11)の合成
【実施例】
【0236】
【化33】
JP2015129813A1_000035t.gif
【実施例】
【0237】
(1) 4,5-ジメチル-1-(4-メチルフェニル)-1H-イミダゾール
2,4,6-トリメチルアニリンの代わりに、4-メチルアニリンを用い、抽出溶媒にジクロロメタンを使用した以外は合成例1-1の工程(1)と同様にして、褐色油状物の標題化合物(763 mg, 4.1 mmol, 収率41%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.08 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 7.15 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.27 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.46 (s, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 8.9 (CH3), 12.6 (CH3), 20.9 (CH3), 122.7 (C), 125.2 (CH), 129.8 (CH), 134.0 (C), 134.3 (C), 135.0 (CH), 137.8 (C). IR (ATR): 820, 1520 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C12H14N2: 186.1157; Found: 186.1153.
【実施例】
【0238】
(2) 3-(4-メチルフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド
1-メシチル-4,5-ジメチル-1H-イミダゾールの代わりに、合成例1-11の工程(1)で得られた4,5-ジメチル-1-(4-メチルフェニル)-1H-イミダゾールを用い、濃縮した反応液をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール= 10/1)により精製を行った後にテトラヒドロフランで洗浄を行った以外は、合成例1-1の工程(2)と同様にして、白色固体の標題化合物(440 mg, 1.24 mmol, 収率62%)を得た。
mp 214-215 ℃. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.13 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 2.35 (s, 6H), 2.42 (s, 3H), 5.75 (s, 2H), 6.89 (s, 2H), 7.32-7.38 (m, 4H), 9.48 (s, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 8.9 (CH3), 9.0 (CH3), 20.0 (CH3), 20.7 (CH3), 21.0 (CH3), 46.9 (CH2), 125.4 (C), 125.5 (CH), 127.6 (C), 127.7 (C), 129.8 (CH), 130.4 (C), 130.6 (CH), 134.7 (CH), 137.7 (C), 139.1 (C), 141.0 (C). IR (ATR): 810, 1550 cm-1. HRMS (FAB) m/z: [M-Cl]+ Calcd for C22H27N2: 319.2174; Found: 319.2165.
【実施例】
【0239】
合成例1-12
1-(2,4,6-トリメチルベンジル)-3-(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(化合物12)の合成
【実施例】
【0240】
【化34】
JP2015129813A1_000036t.gif
【実施例】
【0241】
1-メシチル-4,5-ジメチル-1H-イミダゾールの代わりに、1-メシチル-1H-イミダゾールを用いた以外は、合成例1-1の工程(2)と同様にして、白色固体の標題化合物(414 mg, 1.17 mmol, 収率59%)を得た。
mp 286-287 ℃. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.08 (s, 6H), 2.30 (s, 3H), 2.35 (s, 9H), 6.04 (s, 2H), 6.94 (s, 2H), 7.00 (s, 2H), 7.07 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 7.13 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 10.97 (s, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 17.3 (CH3), 19.6 (CH3), 20.8 (CH3), 20.8 (CH3), 48.1 (CH2), 121.1 (CH), 123.5 (CH), 125.7 (C), 129.6 (CH), 129.7 (CH), 130.5 (C), 133.8 (C), 137.8 (C), 138.0 (CH), 139.5 (C), 140.9 (C). IR (ATR): 760, 1190, 1540 cm-1. HRMS (FAB) m/z: [M-Cl]+ Calcd for C22H27N2: 319.2174; Found: 319.2157.
【実施例】
【0242】
合成例1-13
4,5-ジメチル-1,3-ビス(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド(化合物13)の合成
【実施例】
【0243】
【化35】
JP2015129813A1_000037t.gif
【実施例】
【0244】
(1) 4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)-1H-イミダゾール
2,4,6-トリメチルベンジルクロリド (337 mg, 2.0 mmol)を、4,5-ジメチル-1H-イミダゾール(769 mg, 8.0 mmol)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(2 mL)溶液に加えた。炭酸カリウム(1382 mg, 10 mmol)を反応混合物に加え、120 ℃で2時間撹拌した。その後、水を室温で加え、得られた混合物をAcOEtで抽出した。まとめた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/AcOEt = 10/1)で精製し、淡黄色固体として標題化合物(348 mg, 1.52 mmol, 収率76%)を得た。
mp 91-92 ℃. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.17 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 2.22 (s, 6H), 2.30 (s, 3H), 4.84 (s, 2H), 6.75 (s, 1H), 6.92 (s, 2H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 8.6 (CH3), 12.8 (CH3), 19.3 (CH3), 20.9 (CH3), 43.2 (CH2), 122.2 (C), 127.8 (C), 129.4 (CH), 133.75 (CH), 133.78 (C), 137.6 (C), 138.3 (C). IR (ATR): 730, 1500 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C15H20N2: 228.1626; Found: 228.1625.
【実施例】
【0245】
(2) 4,5-ジメチル-1,3-ビス(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド
2,4,6-トリメチルベンジル クロリド(253 mg, 1.5 mmol)を、合成例1-13の工程(1)で得られた4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)-1H-イミダゾール(343 mg, 1.5 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(6.5 mL)溶液に加えた。反応混合物を14 時間還流した。得られた固体をろ過し、テトラヒドロフランで洗浄し、白色固体として標題化合物 (417 mg, 1.05 mmol, 収率70%)を得た。
mp 243-244 ℃. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 2.16 (s, 6H), δ 2.21 (s, 12H), 2.26 (s, 6H), 5.39 (s, 4H), 6.86 (s, 4H), 8.67 (s, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 8.7 (CH3), 19.5 (CH3), 20.7 (CH3), 46.3 (CH2), 124.8 (C), 127.8 (C), 129.6 (CH), 133.6 (CH), 137.3 (C), 139.3 (C). IR (ATR): 1160, 1570 cm-1. HRMS (FAB) m/z: [M-Cl]+ Calcd for C25H33N2: 361.2644; Found: 361.2662.
【実施例】
【0246】
合成例1-14
3-(2-tert-ブチルフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド(化合物14)の合成
【実施例】
【0247】
【化36】
JP2015129813A1_000038t.gif
【実施例】
【0248】
(1) 1-(2-tert-ブチルフェニル)-4,5-ジメチル-1H-イミダゾール
2,4,6-トリメチルアニリンの代わりに、2-tert-ブチルアニリンを用い、抽出溶媒にジクロロメタンを使用した以外は合成例1-1の工程(1)と同様にして、褐色油状物の標題化合物(3.87 g, 16.9 mmol, 収率85%)を得た。
mp 83-84 ℃. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ1.19 (s, 9H), 1.91 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 6.94 (dd, J = 1.4, 7.8 Hz, 1H), 7.26 (dt, J = 1.4, 7.8 Hz, 1H), 7.41 (dt, J = 1.4, 7.8 Hz, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.60 (dd, J = 1.4, 7.8 Hz, 1H).
【実施例】
【0249】
(2) 3-(2-tert-ブチルフェニル)-4,5-ジメチル-1-(2,4,6-トリメチルベンジル)イミダゾリウムクロリド
1-メシチル-4,5-ジメチル-1H-イミダゾールの代わりに、合成例1-14の工程(1)で得られた1-(2-tert-ブチルフェニル)-4,5-ジメチル-1H-イミダゾールを用い、濃縮した反応液をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール= 9/1)により精製を行った以外は、合成例1-1の工程(2)と同様にして、白色固体の標題化合物(181 mg, 0.46 mmol, 収率10%)を得た。
mp 235-236 ℃. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.14 (s, 9H), 2.03 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 2.37 (s, 3H), 2.38 (s, 6H), 5.54 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 5.90 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 6.90 (s, 2H), 7.34-7.42 (m, 2H), 7.49 (dt, J = 1.5, 8.2 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 1.0, 8.2 Hz, 1H), 8.82 (s, 1H).
【実施例】
【0250】
合成例1-15
1-(2,4,6-トリイソプロピルベンジル)-4,5-ジメチル-3-(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド(化合物15)の合成
【実施例】
【0251】
【化37】
JP2015129813A1_000039t.gif
【実施例】
【0252】
2,4,6-トリメチルベンジルクロリドの代わりに、2,4,6-トリイソプロピルベンジルクロリドを用いた以外は、合成例1-1の工程(2)と同様にして、白色固体の標題化合物(514 mg, 1.1 mmol, 収率32%)を得た。
mp 195-196 ℃. δ 1.21 (d, J = 6.4 Hz, 12H), 1.25 (d, J = 6.4 Hz, 6H), 1.95 (s, 6H), 2.01 (s, 3H), 2.33 (s, 3H), 2.58 (s, 3H), 2.89 (septet, J = 6,8 Hz, 1H), 3.15 (septet, J = 6.8 Hz, 2H), 5.76 (s, 2H), 7.00 (s, 2H), 7.09 (s, 2H), 8.21 (s, 1H).
【実施例】
【0253】
合成例2-1
α-ジュウテリオベンズヒドロールの合成
【実施例】
【0254】
【化38】
JP2015129813A1_000040t.gif
【実施例】
【0255】
(方法1)
アルゴン雰囲気下、ベンゾフェノン(12 mmol)のテトラヒドロフラン(20 mL)溶液を、重水素化アルミニウムリチウム(14.4 mmol, シグマ・アルドリッチ社製)のテトラヒドロフラン(40 mL)懸濁液に0℃で加えた。混合物を0℃で30分間撹拌し、水を加えた。得られた混合物をジクロロメタンで抽出し、まとめた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 5/1)で精製し、白色固体として標題化合物(2.07 g, 11.2 mmol, 収率93%, 重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0256】
(方法2)
ベンゾフェノンを3 mmolとし、重水素化アルミニウムリチウムを1.5 mmolとした以外は方法1と同様にして、白色固体の標題化合物(531 mg, 2.87 mmol, 収率96%, 重水素化率99%以上)を得た。
mp 64-65 ℃. 1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 2.20 (s, 1H), 7.25-7.28 (m, 2H), 7.32-7.35 (m, 4H), 7.37-7.40 (m, 4H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 75.6 (t, J = 22.2 Hz, C), 126.5 (CH), 127.4 (CH), 128.4 (CH), 143.7 (C). IR (ATR): 730, 1040, 1190, 1490, 1600, 3260 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C13H11DO: 185.0951; Found: 185.0958.
【実施例】
【0257】
合成例2-2
α-ジュウテリオ-α-フェニルエタノールの合成
【実施例】
【0258】
【化39】
JP2015129813A1_000041t.gif
【実施例】
【0259】
ベンゾフェノン(12 mmol)の代わりにアセトフェノン(4 mmol)を用い、重水素化アルミニウムリチウムを2 mmolとした以外は、合成例2-1の方法1と同様にして、無色油状物の標題化合物(468 mg, 3.80 mmol, 収率95%, 重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 1.50 (s, 3H), 1.76 (s, 1H), 7.26-7.29 (m, 1H), 7.34-7.39 (m, 4H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 24.8 (CH3), 69.6 (t, J = 22.3 Hz, C), 125.3 (CH), 127.2 (CH), 128.3 (CH), 145.7 (C). IR (ATR): 700, 750, 1130, 1450, 2970, 3330 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C8H9DO: 123.0794; Found: 123.0796.
【実施例】
【0260】
合成例2-3
α-ジュウテリオ-α-シクロヘキシルベンゼンメタノールの合成
【実施例】
【0261】
【化40】
JP2015129813A1_000042t.gif
【実施例】
【0262】
ベンゾフェノン(12 mmol)の代わりにシクロヘキシル(フェニル)メタノン(8 mmol)を用い、重水素化アルミニウムリチウムを4 mmolとした以外は、合成例2-1の方法1と同様にして、無色油状物の標題化合物(1.52 g, 7.94 mmol, 収率99%, 重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 0.89-0.97 (m, 1H), 1.01-1.27 (m, 4H), 1.36-1.40 (m, 1H), 1.59-1.68 (m, 3H), 1.75-1.79 (m, 2H), 1.97-2.01 (m, 1H), 7.25-7.36 (m, 5H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 25.9 (CH2), 26.0 (CH2), 26.3 (CH2), 28.7 (CH2), 29.1 (CH2), 44.6. (CH), 78.6 (t, J = 21.4 Hz, C), 126.5 (CH), 127.1 (CH), 127.9 (CH), 143.5 (C). IR (ATR): 700, 760, 1450, 2850, 2920, 3370 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C13H17DO: 191.1420; Found: .191.1420.
【実施例】
【0263】
合成例2-4
5-ジュウテリオ-5-ノナノール
【実施例】
【0264】
【化41】
JP2015129813A1_000043t.gif
【実施例】
【0265】
ベンゾフェノン(12 mmol)の代わりにノナン-5-オン(8 mmol)を用い、重水素化アルミニウムリチウムを4 mmolとした以外は、合成例2-1の方法1と同様にして、無色油状物の標題化合物(1.15 g, 7.92 mmol, 収率99%, 重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 0.91 (t, J = 7.1 Hz, 6H), 1.25 (s, 1H), 1.27-1.50 (m, 12H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 13.8 (CH3), 22.6 (CH2), 27.7 (CH2), 36.8 (CH2), 71.0 (t, J = 21.4 Hz, C). IR (ATR): 2860, 2870, 2930, 2960, 2970, 3340 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C9H19DO: 145.1577; Found: 145.1571.
【実施例】
【0266】
[実施例1:配位子の検討]
実施例1-1
アルゴン雰囲気下フラスコ中にて、化合物1(配位子前駆体)(7.7 mg, 0.02 mmol)、アリルパラジウム(II)クロリド二量体(1.83 mg, 0.005 mmol)及び炭酸セシウム(326 mg, 1.0 mmol)の混合物に、トルエン(2.0 mL)を加えた。混合物を80℃で15分間撹拌し、室温に放冷した。1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼン(1.0 mmol)及びα-ジュウテリオベンズヒドロール(222 mg, 1.2 mmol)を加えた。反応混合物を90℃で16時間撹拌し、室温に放冷した。水を加え、得られた混合物をジクロロメタンで抽出した。まとめた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後に濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率65%;重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 3.79 (s, 6H), 6.47 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 6.51 (d, J = 1.0 Hz, 2H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 55.2 (CH3), 100.4 (CH), 106.0 (CH), 129.6 (t, J = 24.0 Hz, C), 160.8 (C). IR (ATR): 1200, 1430, 1600 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C8H9DO2: 139.0744; Found: 139.0756.
【実施例】
【0267】
実施例1-2
配位子前駆体として化合物2を用いた以外は実施例1-1と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率72%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0268】
実施例1-3
配位子前駆体として化合物3を用いた以外は実施例1-1と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率62%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0269】
実施例1-4
配位子前駆体として化合物4を用いた以外は実施例1-1と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率92%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0270】
実施例1-5
配位子前駆体として化合物5を用いた以外は実施例1-1と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率57%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0271】
実施例1-6
配位子前駆体として化合物6を用いた以外は実施例1-1と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率50%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0272】
実施例1-7
配位子前駆体として市販の1,3-ジメシチルイミダゾリウムクロリド(IMes・HCl)を用いた以外は実施例1-1と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率53%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0273】
実施例1-8
配位子前駆体として市販の1,3-ジメシチルイミダゾリジニウムクロリド(SIMes・HCl)を用いた以外は実施例1-1と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率36%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0274】
実施例1-9
配位子前駆体として市販の1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジニウムクロリド(SIPr・HCl)を用いた以外は実施例1-1と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率15%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0275】
実施例1-10
アルゴン雰囲気下、反応管に、化合物1(配位子前駆体) (0.06 mmol)、クロロ(1-ナフチル)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II) (0.03 mmol)及びリン酸カリウム(2.0 mmol)を加え、さらにそこにトルエン(2.0 mL)を加えて、80℃で15分間撹拌した。次いで、3,5-ジメトキシフェニル N,N-ジメチルスルファメート(1.0 mmol)及びα-ジュウテリオベンズヒドロール(1.2 mmol)を室温で加えた。反応混合物を110℃で15時間撹拌し、室温に放冷した。水を加え、得られた混合物をCH2Cl2で抽出した。まとめた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率75%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0276】
実施例1-11
配位子前駆体として化合物7を用いた以外は実施例1-10と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率84%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0277】
実施例1-12
配位子前駆体として化合物8を用いた以外は実施例1-10と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率80%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0278】
実施例1-13
配位子前駆体として化合物9を用いた以外は実施例1-10と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率86%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0279】
実施例1-14
配位子前駆体として化合物10を用いた以外は実施例1-10と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率77%;重水素化率99%)を得た。
【実施例】
【0280】
実施例1-15
配位子前駆体として化合物11を用いた以外は実施例1-10と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率77%;重水素化率99%)を得た。
【実施例】
【0281】
実施例1-16
配位子前駆体として化合物12を用いた以外は実施例1-10と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率77%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0282】
実施例1-17
配位子前駆体として化合物13を用いた以外は実施例1-10と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率77%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0283】
実施例1-18
配位子前駆体として化合物5を用いた以外は実施例1-10と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率71%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0284】
実施例1-19
配位子前駆体として化合物6を用いた以外は実施例1-10と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率69%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0285】
実施例1-20
配位子前駆体として化合物14を用いた以外は実施例1-10と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率63%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0286】
実施例1-21
配位子前駆体として化合物15を用いた以外は実施例1-10と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率63%;重水素化率98%)を得た。
【実施例】
【0287】
実施例1-22
配位子前駆体として市販の1,3-ジメシチルイミダゾリジニウムクロリド(SIMes・HCl)を用いた以外は実施例1-10と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率11%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0288】
比較例1-23
配位子前駆体として市販のトリ-tert-ブチルホスホニウム テトラフルオロボラートを用いた以外は実施例1-10と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率4%;重水素化率87%以上)を得た。
【実施例】
【0289】
比較例1-24
配位子前駆体として市販のトリシクロヘキシルホスホニウム テトラフルオロボラートを用いた以外は実施例1-10と同様にして1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼンの合成を試みたものの目的物は得られなかった。
【実施例】
【0290】
実施例1-1~実施例1-22及び比較例1-23及び1-24を以下の表1~3にまとめた。
【実施例】
【0291】
【表1】
JP2015129813A1_000044t.gif
【実施例】
【0292】
【表2】
JP2015129813A1_000045t.gif
【実施例】
【0293】
【表3】
JP2015129813A1_000046t.gif
【実施例】
【0294】
[実施例2:反応条件の検討]
実施例2-1
アリルパラジウム(II)クロリド二量体の代わりに、酢酸パラジウム(II)を0.01 mmol用いた以外は実施例1-4と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率72%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0295】
実施例2-2
アリルパラジウム(II)クロリド二量体の代わりに、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)を0.01 mmol用いた以外は実施例1-4と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率54%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0296】
実施例2-3
アリルパラジウム(II)クロリド二量体の代わりに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を0.005 mmol(Pd換算量0.01 mmol)用いた以外は実施例1-4と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率75%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0297】
実施例2-4
炭酸セシウムの代わりに、カリウム tert-ブトキシドを用いた以外は実施例1-4と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率79%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0298】
実施例2-5
炭酸セシウムの代わりに、フッ化セシウムを用いた以外は実施例1-4と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率32%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0299】
実施例2-6
トルエンの代わりに、1,4-ジオキサンを用いた以外は実施例1-4と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率74%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0300】
実施例2-7
トルエンの代わりに、N,N-ジメチルアセトアミドを用いた以外は実施例1-4と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率69%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0301】
実施例2-8
炭酸セシウムの使用量を1.5 mmolに変更した以外は実施例1-4と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率99%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0302】
実施例2-9
化合物4(配位子前駆体)を0.002 mmolとし、アリルパラジウム(II)クロリド二量体の使用量を0.0005 mmol(Pd換算量0.001 mmol)に変更した以外は実施例1-4と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率35%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0303】
実施例2-10
化合物9(配位子前駆体)の使用量を0.03 mmolに変更した以外は実施例1-13と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率78%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0304】
実施例2-11
化合物9(配位子前駆体)の使用量を0.09 mmolに変更した以外は実施例1-13と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率85%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0305】
比較例2-12
化合物9(配位子前駆体)を用いなかった以外は実施例1-13と同様にして1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼンの合成を試みたものの目的物は得られなかった。
【実施例】
【0306】
実施例1-4、実施例1-13、実施例2-1~実施例2-11及び比較例2-12を以下の表4及び5にまとめた。
【実施例】
【0307】
【表4】
JP2015129813A1_000047t.gif
【実施例】
【0308】
【表5】
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【実施例】
【0309】
[実施例3:種々の反応基質への適用]
実施例3-1
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、1-ベンジルオキシ-4-クロロベンゼンを用いた以外は実施例2-8と同様にして、1-ベンジルオキシ-4-ジュウテリオベンゼン(収率99%;重水素化率99%以上)を得た。
mp 38-39 °C. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 5.07 (s, 2H), 6.98 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.28-7.34 (m, 3H), 7.39 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.44 (d, J = 7.2 Hz, 2H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 69.8 (CH2), 114.8 (CH), 120.6 (t, J = 24.3 Hz, C), 127.4 (CH), 127.9 (CH), 128.5 (CH), 129.3 (CH), 137.1 (C), 158.8 (C). IR (ATR): 1010, 1240, 1590 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C13H11DO: 185.0951; Found: 185.0938.
【実施例】
【0310】
実施例3-2
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、1-ベンジルオキシ-4-クロロ-3-メチルベンゼンを用いた以外は実施例2-8と同様にして、1-ベンジルオキシ-4-ジュウテリオ-3-メチルベンゼン(収率99%;重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.33 (s, 3H), 5.05 (s, 2H), 6.79 (dd, J = 2.4, 8.1 Hz, 1H), 6.82 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.30-7.33 (m, 1H), 7.36-7.40 (m, 2H), 7.43 (d, J = 7.2 Hz, 2H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 21.4 (CH3), 69.8 (CH2), 111.6 (CH), 115.7 (CH), 121.4 (t, J = 23.9 Hz, C), 127.4 (CH), 127.8 (CH), 128.5 (CH), 129.1 (CH), 137.1 (C), 139.4 (C), 158.8 (C). IR (ATR): 730, 1030, 1240, 1600 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C14H13DO: 199.1107; Found: 199.1112.
【実施例】
【0311】
実施例3-3
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、1-ベンジルオキシ-4-クロロ-3,5-ジメチルベンゼンを用いた以外は実施例2-8と同様にして、1-ベンジルオキシ-4-ジュウテリオ-3,5-ジメチルベンゼン(収率99%;重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.29 (s, 6H), 5.03 (s, 2H), 6.62 (s, 2H), 7.32 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.38 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.43 (d, J = 7.2 Hz, 2H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 21.3 (CH3), 69.7 (CH2), 112.5 (CH), 122.4 (t, J = 23.5 Hz, C), 127.4 (CH), 127.8 (CH), 128.5 (CH), 137.3 (C), 139.1 (C), 158.9 (C). IR (ATR): 850, 1060, 1590 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C15H15DO: 213.1264; Found: 213.1262.
【実施例】
【0312】
実施例3-4
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、2-[(4-クロロフェノキシ)メチル]オキシランを用いた以外は実施例2-8と同様にして、2-[(4-ジュウテリオフェノキシ)メチル]オキシラン(収率93%;重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.77 (dd, J = 2.8, 5.2 Hz, 1H), 2.91 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 3.34-3.38 (m, 1H), 3.97 (dd, J = 5.6, 11.0 Hz, 1H), 4.22 (dd, J = 3.2, 11.0 Hz, 1H), 6.91-6.94 (m, 2H), 7.29 (d, J = 8.2 Hz, 2H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 44.7 (CH2), 50.1 (CH), 68.6 (CH2), 114.5 (CH), 120.9 (t, J = 24.7 Hz, C), 129.3 (CH), 158.4 (C). IR (ATR): 1040, 1240, 1590 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C9H9DO2: 151.0744; Found: 151.0730.
【実施例】
【0313】
実施例3-5
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、(E)-4-(4-クロロフェニル)ブタ-3-エン-2-オンを用いた以外は実施例2-8と同様にして、(E)-4-(4-ジュウテリオフェニル)ブタ-3-エン-2-オン(収率98%;重水素化率99%以上)を得た。
mp 39-40 ℃. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.39 (s, 3H), 6.72 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.52 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 8.0 Hz, 2H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 27.5 (CH3), 127.1 (CH), 128.2 (CH), 128.8 (CH), 130.2 (t, J = 24.3 Hz, C), 134.4 (C), 143.4 (CH), 198.3 (C). IR (ATR): 990, 1190, 1680 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C10H9DO: 147.0794; Found: 147.0771.
【実施例】
【0314】
実施例3-6
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、1-クロロ-2-ニトロベンゼンを用いた以外は実施例2-8と同様にして、1-ジュウテリオ-2-ニトロベンゼン(収率97%;重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.55-7.58 (m, 2H), 7.71 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 8.24 (d, J = 7.8 Hz, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 123.1 (t, J = 24.3 Hz, C), 123.4 (CH), 129.1 (CH), 129.2 (CH), 134.5 (CH), 148.1 (C). IR (ATR): 1340, 1520 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C6H4DNO2: 124.0383; Found: 124.0362.
【実施例】
【0315】
実施例3-7
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、2-ベンジルオキシ-5-クロロピリジンを用いた以外は実施例2-8と同様にして、2-ベンジルオキシ-5-ジュウテリオピリジン(収率97%;重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 5.38 (s, 2H), 6.81 (dd, J = 0.7, 8.5 Hz, 1H), 7.30-7.34 (m, 1H), 7.37-7.40 (m, 2H), 7.46-7.48 (m, 2H), 7.59 (dd, J = 2.0, 8.5 Hz, 1H), 8.19 (d, J = 1.5 Hz 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 67.5 (CH2), 111.3 (CH), 116.6 (t, J = 24.7 Hz, C), 127.9 (CH), 128.0 (CH), 128.4 (CH), 137.3 (C), 138.5 (CH), 146.7 (CH), 163.6 (C). IR (ATR): 740, 990, 1590 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C12H10DNO: 186.0903; Found: 186.0899.
【実施例】
【0316】
実施例3-8
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、ブチル 4-クロロベンゾエートを用いた以外は実施例2-8と同様にして、ブチル 4-ジュウテリオベンゾエート(収率94%;重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 0.99 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 1.45-1.52 (m, 2H), 1.73-1.79 (m, 2H), 4.33 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 7.45 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 8.05 (d, J = 8.0 Hz, 2H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 13.6 (CH3), 19.2 (CH2), 30.7 (CH2), 64.7 (CH2), 128.1 (CH), 129.4 (CH), 130.4 (C), 132.3 (t, J = 24.7 Hz, C), 166.5 (C). IR (ATR): 1100, 1270, 1720, 2960 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C11H13DO2: 179.1057; Found: 179.1056.
【実施例】
【0317】
実施例3-9
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、3-クロロフェニル(イソプロピル)スルファンを用い、反応温度を90℃から100℃に変更し、アリルパラジウム(II)クロリド二量体を0.015 mmolとし、化合物4(配位子前駆体)を0.06 mmolとした以外は実施例2-8と同様にして、3-ジュウテリオフェニル(イソプロピル)スルファン(収率82%;重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CD3CN): δ 1.26 (d, J = 6.5 Hz, 6H), 3.43 (septet, J = 6.5 Hz, 1H), 7.24 (dt, J = 1.0, 7.5 Hz, 1H), 7.30-7.33 (m, 1H), 7.38-7.40 (m, 2H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 23.1 (CH3), 38.1 (CH), 126.5 (CH), 128.4 (t, J = 24.0 Hz, C), 128.7 (CH), 131.7 (CH), 131.8. (CH), 135.5 (C). IR (ATR): 660, 1580, 2960 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C9H11DS: 153.0722; Found: 153.0726.
【実施例】
【0318】
実施例3-10
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、3-クロロ安息香酸を用い、反応温度を90℃から100℃に変更し、炭酸セシウムを3.0 mmolとし、アリルパラジウム(II)クロリド二量体を0.015 mmolとし、化合物4(配位子前駆体)を0.06 mmolとした以外は実施例2-8と同様にして、3-ジュウテリオ安息香酸の粗生成物を得た。
得られた粗生成物を、直接公知の方法にてアリル 3-ジュウテリオベンゾエートに変換し、化学構造、重水素化率及び収率を決定した。まず、粗生成物を含む反応混合物に水を加え、混合物を10%塩酸で酸性化し、得られた混合物をジクロロメタンで抽出した。まとめ有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物のテトラヒドロフラン(1 mL)溶液を硫酸水素テトラブチルアンモニウム(0.05 mmol)及びフッ化カリウム(5.0 mmol)のテトラヒドロフラン(1 mL)の混合物に加えた。臭化アリル(1.1 mmol)を加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。水を加え、得られた混合物をジイソプロピルエーテルで抽出した。まとめた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ベンゼン = 5/1)で精製し、無色油状物としてアリル 3-ジュウテリオベンゾエート(131 mg, 0.80 mmol, 収率80%, 重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 4.83 (dt, J = 1.0, 5.6 Hz, 2H), 5.29 (dd, J = 1.0, 10.5 Hz, 1H), 5.42 (dd, J = 1.5, 17.3 Hz, 1H), 6.01-6.09 (m, 1H), 7.43-7.46 (m, 1H), 7.56 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.06-8.08 (m, 2H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 65.5 (CH2), 118.1 (CH2), 128.0 (t, J = 24.7 Hz, C), 128.3 (CH), 129.5 (CH), 129.6 (CH), 130.1 (C), 132.2 (CH), 132.8 (CH), 166.2 (C). IR (ATR): 640, 1090, 1110, 1250, 1430, 1720, 3080 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C10H9DO2: 163.0744; Found: 163.0747.
【実施例】
【0319】
実施例3-11
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、3-クロロ-N-メチルベンズアミドを用い、反応温度を90℃から100℃に変更し、炭酸セシウムの使用量を2.0 mmolに変更した以外は実施例2-8と同様にして、3-ジュウテリオ-N-メチルベンズアミド(収率99%;重水素化率99%以上)を得た。
mp 74-75 ℃. 1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 3.03 (d, J = 4.8 Hz, 3H), 7.43 (dd, J = 7.5, 8.2 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.75-7.77 (m, 2H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 26.6 (CH3), 126.7 (CH), 126.8 (CH), 127.9 (t, J = 24.7 Hz, C), 128.2 (CH), 131.0 (CH), 134.3 (C), 168.4 (C). IR (ATR): 690, 1550, 1630, 2930, 3320 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C8H8DNO: 136.0747; Found: 136.0749.
【実施例】
【0320】
実施例3-12
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、1-ベンジルオキシ-2,4-ジクロロベンゼンを用い、反応温度を90℃から100℃に変更し、炭酸セシウムの使用量を3.0 mmolに変更し、α-ジュウテリオベンズヒドロールの使用量を2倍に変更し、アリルパラジウム(II)クロリド二量体と化合物4(配位子前駆体)の使用量を3倍に変更した以外は実施例2-8と同様にして、1-ベンジルオキシ-2,4-ジジュウテリオベンゼン(収率95%;重水素化率99%以上)を得た。
mp 33-34 ℃. 1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 5.07 (s, 2H), 6.98 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.29-7.34 (m, 3H), 7.37-7.40 (m, 2H), 7.43-7.45 (m, 2H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 69.8 (CH2), 114.5 (t, J = 24.7 Hz, C), 114.8 (CH), 120.6 (t, J = 24.7 Hz, C), 127.4 (CH), 127.9 (CH), 128.5 (CH), 129.2 (CH), 129.3 (CH), 137.0 (C), 158.8 (C). IR (ATR): 1010, 1050, 1230, 1580 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C13H10D2O: 186.1014; Found: 186.1016.
【実施例】
【0321】
実施例3-13
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、2-ベンジルオキシ-6-クロロピリジンを用いた以外は実施例2-8と同様にして、2-ベンジルオキシ-6-ジュウテリオピリジン(収率99%;重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 5.38 (s, 2H), 6.81 (dd, J = 1.0, 8.0 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.30-7.33 (m, 1H), 7.36-7.39 (m, 2H), 7.46-7.48 (m, 2H), 7.58 (dd, J = 7.1, 8.3 Hz 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 67.4 (CH2), 111.2 (CH), 116.6 (CH), 127.7 (CH), 127.8 (CH), 128.3 (CH), 137.3 (C), 138.5 (CH), 146.4 (t, J = 27.2 Hz, C), 163.5 (C). IR (ATR): 1250, 1590 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C12H10DNO: 186.0903; Found: 186.0907.
【実施例】
【0322】
実施例3-14
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、2-(ジベンジルアミノ)-5-クロロピリジンを用いた以外は実施例2-8と同様にして、2-(ジベンジルアミノ)-5-ジュウテリオピリジン(収率92%;重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 4.80 (s, 4H), 6.46 (dd, J = 0.8, 8.5 Hz, 1H), 7.23-7.26 (m, 6H), 7.29-7.32 (m, 4H), 7.38 (dd, J = 2.0, 8.5 Hz, 1H), 8.20-8.21 (m, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 50.7 (CH2), 105.7 (CH), 111.9 (t, J = 25.6 Hz, C), 126.8 (CH), 127.0 (CH), 128.5 (CH), 137.2 (CH), 138.3 (C), 147.9 (CH), 158.5 (C). IR (ATR): 1240, 1490, 1580 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C19H17DN2: 275.1533; Found: 275.1530.
【実施例】
【0323】
実施例3-15
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)キノリンを用いた以外は実施例2-8と同様にして、4-ジュウテリオ-2-(トリフルオロメチル)キノリン(収率97%;重水素化率99%以上)を得た。
mp 53-54 ℃. 1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.67-7.70 (m, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.82-7.85 (m, 1H), 7.92 (dd, J = 1.0, 8.5 Hz, 1H), 8.24 (d, J = 8.5 Hz, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 116.5 (CH), 121.6 (q, J = 274.8 Hz, C), 127.6 (CH), 128.5 (CH), 128.7 (C), 130.0 (CH), 130.8 (CH), 137.7 (t, J = 24.8 Hz, C), 147.1 (C), 147.9 (q, J = 34.8 Hz, C). IR (ATR): 770, 1120, 1200 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C10H5DF3N: 198.0515; Found: 198.0505.
【実施例】
【0324】
実施例3-16
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、2-クロロ-1-メチル-1H-インドールを用いた以外は実施例2-8と同様にして、2-ジュウテリオ-1-メチル-1H-インドール(収率97%;重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 3.78 (s, 3H), 6.40 (d, J = 0.7 Hz, 1H), 7.00-7.03 (m, 1H), 7.12-7.15 (m, 1H). 7.42 (dd, J = 0.7, 8.0 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 8.0 Hz, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 32.5 (CH3), 100.6 (CH), 109.1 (CH), 119.1. (CH), 120.7 (CH), 121.3 (CH), 128.4 (C), 128.5 (t, J = 27.2 Hz, C), 136.5 (C). IR (ATR): 730, 1230 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C9H8DN: 132.0798; Found: 132.0801.
【実施例】
【0325】
実施例3-17
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、5-ブチル-2-クロロベンゾフランを用いた以外は実施例2-8と同様にして、5-ブチル-2-ジュウテリオベンゾフラン(収率94%;重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 0.93 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 1.33-1.41 (m, 2H), 1.60-1.66 (m, 2H), 2.70 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 6.70 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.11 (dd, J = 1.5, 8.3 Hz, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.40 (d, J = 8.3 Hz, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 13.9 (CH3), 22.3 (CH2), 34.3 (CH2), 35.5 (CH2), 106.1 (CH), 110.8 (CH), 120.3 (CH), 124.9 (CH), 127.4 (C), 137.2 (C), 144.6 (t, J = 30.5 Hz, C), 153.4 (C). IR (ATR): 810, 1030, 1450 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C12H13DO: 175.1107; Found: 175.1107.
【実施例】
【0326】
実施例3-18
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、2-クロロ-3-ヘキシルチオフェンを用いた以外は実施例2-8と同様にして、2-ジュウテリオ-3-ヘキシルチオフェン(収率96%;重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 0.88 (t, J = 6.5 Hz, 3H), 1.30-1.35 (m, 6H), 1.62 (quintet, J = 7.5 Hz, 2H), 2.62 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 6.93 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 4.8 Hz, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 14.0 (CH3), 22.6 (CH2), 29.0 (CH2), 30.2 (CH2), 30.5 (CH2), 31.7 (CH2), 119.5 (t, J = 27.3 Hz, C), 124.9 (CH), 128.2 (CH), 143.1 (C). IR (ATR): 720, 830, 1460 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C10H15DS: 169.1035; Found: 169.1039.
【実施例】
【0327】
実施例3-19
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、3-クロロベンゾチオフェンを用いた以外は実施例2-8と同様にして、3-ジュウテリオベンゾチオフェン(収率93%;重水素化率99%)を得た。
1H-NMR (500 MHz, ベンゼン-d6): 6.91 (s, 1H), 7.04-7.07 (m, 1H), 7.12-7.15 (m, 1H), 7.56 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 8.0 Hz, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): 122.4 (CH), 123.58 (CH), 123.62 (t, J = 25.6 Hz, C), 124.1 (CH), 124.2 (CH), 126.2 (CH), 139.5 (C), 139.7 (C). HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C8H5DS: 135.0253; Found: 135.0252.
【実施例】
【0328】
実施例3-20
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、5-クロロ-2-メチル-1,3-ベンゾチアゾールを用い、反応温度を90℃から100℃に変更し、炭酸セシウムを2.0 mmmolに変更し、アリルパラジウム(II)クロリド二量体と化合物4(配位子前駆体)の使用量を3倍に変更した以外は実施例2-8と同様にして、5-ジュウテリオ-2-メチル-1,3-ベンゾチアゾール(収率91%;重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 2.80 (s, 3H), 7.39 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.91 (s, 1H), 8.03 (dd, J = 0.5, 8.0 Hz, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 19.8 (CH3), 121.1 (CH), 122.0 (CH), 124.3. (CH), 125.4 (t, J = 24.8 Hz, C), 135.4 (C), 153.1 (C), 166.6 (C). IR (ATR): 1170, 1520 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C8H6DNS: 150.0362; Found: 150.0365.
【実施例】
【0329】
実施例3-21
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、6-クロロ-2-フェニル-4H-クロメン-4-オンを用い、アリルパラジウム(II)クロリド二量体を0.015 mmolとし、化合物4(配位子前駆体)を0.06 mmolとし、反応温度を90℃から100℃に変更した以外は実施例2-8と同様にして、6-ジュウテリオ-2-フェニル-4H-クロメン-4-オン(収率92%;重水素化率99%以上)を得た。
mp 96 ℃. 1H-NMR (500 MHz, CDCl3): 6.86 (s, 1H), 7.53-7.57 (m, 3H), 7.60 (dd, J = 0.37, 8.5 Hz, 1H), 7.73 (dd, J = 1.6, 8.4 Hz, 1H), 7.94-7.98 (m, 2H), 8.26 (d, J = 1.4 Hz, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): 107.5 (CH), 118.0 (CH), 123.9 (C), 124.9 (t, J = 24.7, C), 125.5 (CH), 126.2 (CH), 129.0 (CH), 131.5 (CH), 131.7 (C), 133.6 (CH), 156.2 (C), 163.3 (C), 178.3 (C). IR (ATR): 770, 1130, 1640 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C15H9DO2: 223.0744; Found: 223.0743.
【実施例】
【0330】
実施例3-22
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、イソプロピル 2-[4-(4-クロロベンゾイル)フェノキシ]-2-メチルプロパノエートを用い、反応温度を90℃から100℃に変更した以外は実施例2-8と同様にして、イソプロピル 2-[4-(4-ジュウテリオベンゾイル)フェノキシ]-2-メチルプロパノエート(収率95%;重水素化率99%以上)を得た。
mp 83 ℃. 1H-NMR (500 MHz, CDCl3): 1.20 (d, J = 6.2 Hz, 6H), 1.67 (s, 6H), 5.09 (sep, J = 6.3 Hz, 1H), 6.86 (dt, J = 2.7, 9.0 Hz, 2H), 7.47 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.74-7.78 (m, 4H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): 21.3 (CH3), 25.3 (CH3), 69.3 (CH), 79.3 (C), 117.1 (CH), 128.1 (CH), 129.7 (CH), 130.6 (C), 131.6 (t, J = 24.0 Hz, C), 132.0 (CH), 138.1 (C), 159.5 (C), 173.1 (C), 195.5 (C). IR (ATR): 850, 1660, 1720 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C20H21DO4: 327.1581; Found: 357.1582.
【実施例】
【0331】
実施例3-23
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、3-(2-クロロ-10H-フェノチアジン-10-イル)-N,N-ジメチルプロパン-1-アミン塩酸塩を用い、炭酸セシウムの使用量を2.5 mmolに変更した以外は実施例2-8と同様にして、3-(2-ジュウテリオ-10H-フェノチアジン-10-イル)-N,N-ジメチルプロパン-1-アミン(収率90%;重水素化率99%以上)を得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 1.79 (quintet, J = 6.9 Hz, 2H), 2.08 (s, 6H), 2.30 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 3.90 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 6.92-6.95 (m, 2H), 7.02-7.03 (m, 2H), 7.14 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.18-7.22 (m, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 25.1 (CH2), 45.2 (CH2), 45.5 (CH3), 57.0 (CH2), 115.3(CH), 115.4 (CH), 122.2 (CH), 122.3 (CH), 125.0 (C), 126.8 (t, J = 24.7 Hz, C), 127.1 (CH), 127.3 (CH), 145.2 (C). IR (ATR): 740, 1220, 1240, 1450 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C17H19DN2S: 285.1410; Found: 285.1417.
【実施例】
【0332】
実施例3-24
1-クロロ-3,5-ジメトキシベンゼンの代わりに、(2S,6'R)-7-クロロ-2',4,6-トリメトキシ-6'-メチル-3H-スピロ[1-ベンゾフラン-2,1'-シクロヘキサン]-2'-エン-3,4'-ジオン(グリセオフルビン)を用い、α-ジュウテリオベンズヒドロールの使用量を1.5 mmolに変更し、アリルパラジウム(II)クロリド二量体と化合物4(配位子前駆体)の使用量を3倍に変更した以外は実施例2-8と同様にして、(2S,6'R)-7-ジュウテリオ-2',4,6-トリメトキシ-6'-メチル-3H-スピロ[1-ベンゾフラン-2,1'-シクロヘキサン]-2'-エン-3,4'-ジオン(収率95%;重水素化率97%)を得た。
mp 180-181 ℃. [α]17D+358.2 (c 1.00, アセトン). 1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 0.98 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 2.42 (dd, J = 4.8, 16.8 Hz, 1H), 2.73-2.80 (m, 1H), 3.08 (dd, J = 13.5, 16.8 Hz, 1H), 3.64 (s, 3H), 3.91 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 5.55 (s, 1H), 6.06 (s, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 13.9 (CH3), 36.2 (CH), 39.7 (CH2), 55.79 (CH3), 55.83 (CH3), 56.3 (CH3), 88.1 (t, J = 24.0 Hz, C), 89.5(C), 93.0 (CH), 103.9 (C), 104.3 (CH), 158.7 (C), 170.1 (C), 171.1, (C), 175.7 (C), 192.1, (C), 196.9 (C). IR (ATR): 810, 1210, 1610 cm-1. HRMS (EI) m/z: (M+) Calcd for C17H17DO6: 319.1166; Found: 319.1161.
【実施例】
【0333】
実施例3-25
3,5-ジメトキシフェニル N,N-ジメチルスルファメートの代わりに、4-ベンジルオキシフェニル N,N-ジメチルスルファメートを用いた以外は実施例1-13と同様にして、1-ベンジルオキシ-4-ジュウテリオベンゼン(収率88%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0334】
実施例3-26
3,5-ジメトキシフェニル N,N-ジメチルスルファメートの代わりに、ブチル 4-(ジメチルスルファモイルオキシ)ベンゾエートを用いた以外は実施例1-13と同様にして、ブチル 4-ジュウテリオベンゾエート(収率93%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0335】
実施例1-13、実施例2-8および実施例3-1~実施例3-26を以下の表6~8にまとめた。
【実施例】
【0336】
【表6】
JP2015129813A1_000049t.gif
【実施例】
【0337】
【表7】
JP2015129813A1_000050t.gif
【実施例】
【0338】
【表8】
JP2015129813A1_000051t.gif
【実施例】
【0339】
[実施例4:重水素化剤の検討]
実施例4-1
α-ジュウテリオベンズヒドロールの代わりに、α-ジュウテリオ-α-フェニルエタノールを用いた以外は実施例1-4と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率87%;重水素化率99%)を得た。
【実施例】
【0340】
実施例4-2
α-ジュウテリオベンズヒドロールの代わりに、α-ジュウテリオ-α-シクロヘキシルベンゼンメタノールを用いた以外は実施例1-4と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率83%;重水素化率99%)を得た。
【実施例】
【0341】
実施例4-3
α-ジュウテリオベンズヒドロールの代わりに、5-ジュウテリオ-5-ノナノールを用いた以外は実施例1-4と同様にして、1-ジュウテリオ-3,5-ジメトキシベンゼン(収率78%;重水素化率99%以上)を得た。
【実施例】
【0342】
実施例1-4および実施例4-1~実施例4-3を以下の表9にまとめた。
【実施例】
【0343】
【表9】
JP2015129813A1_000052t.gif

【産業上の利用可能性】
【0344】
本発明の重水素化方法は、コスト面と重水素化率との両方に優れており、さらには、芳香族化合物の脱離基を選択的に重水素置換できるので、化学反応機構の解明、体内動態解析、重水素化化合物を含む医薬品の開発や製造等に有用である。
【0345】
本出願は、日本国で2014年2月26日に出願された特願2014-035554を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。