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明細書 :蛋白質凝縮物およびその製造方法、並びに蛋白質凝縮物膜

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6115980号 (P6115980)
登録日 平成29年3月31日(2017.3.31)
発行日 平成29年4月19日(2017.4.19)
発明の名称または考案の名称 蛋白質凝縮物およびその製造方法、並びに蛋白質凝縮物膜
国際特許分類 C07K  14/00        (2006.01)
C07K   1/14        (2006.01)
FI C07K 14/00
C07K 1/14
請求項の数または発明の数 9
全頁数 21
出願番号 特願2016-523111 (P2016-523111)
出願日 平成27年5月8日(2015.5.8)
国際出願番号 PCT/JP2015/002358
国際公開番号 WO2015/182048
国際公開日 平成27年12月3日(2015.12.3)
優先権出願番号 2014109154
優先日 平成26年5月27日(2014.5.27)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成28年9月8日(2016.9.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
発明者または考案者 【氏名】野島 達也
【氏名】彌田 智一
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100103894、【弁理士】、【氏名又は名称】家入 健
審査官 【審査官】藤澤 雅樹
参考文献・文献 特表平09-512037(JP,A)
特開平03-106999(JP,A)
特公平07-114699(JP,B2)
国際公開第03/080651(WO,A1)
国際公開第94/008599(WO,A1)
野島達也ら,液状の蛋白質凝縮物の水溶液からの自発的相分離,高分子学会予稿集,2014年 9月 3日,63(2),pp.7266-7267(DVD-ROM)
野島達也ら,蛋白質・界面活性剤・水から構成される疎水性液体の発見,第14回日本蛋白質科学会年会 プログラム・要旨集,2014年 5月26日,p.79(要旨番号1P-124)
調査した分野 C07K 1/00-19/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
蛋白質、界面活性剤および水を含む複合体の集合体からなり、
前記複合体は、その表面が前記界面活性剤により疎水性を示し、前記蛋白質および前記水が内包されており、
前記蛋白質は、水に溶解可能な水溶性蛋白質であり、
前記複合体に含まれる前記水が、前記蛋白質を取り囲み、
前記界面活性剤は、疎水部、前記蛋白質と相互作用する親蛋白質部、および前記水と相互作用する親水部を含み、且つ前記界面活性剤の端部に前記親蛋白質部、他端部に前記疎水部を有し、当該親蛋白質部と当該疎水部の間に前記親水部が配置されており、
前記蛋白質は、前記界面活性剤と静電相互作用により結合され、
前記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤の少なくともいずれかであり、
前記親水部は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリビニルアルコールの少なくともいずれかであり、前記ポリエチレングリコール、前記ポリプロピレングリコールおよび前記ポリビニルアルコールの合計の繰り返しユニット数が~20である蛋白質凝縮物。
【請求項2】
前記界面活性剤として、前記アニオン性界面活性剤および前記カチオン性界面活性剤を用いる請求項1に記載の蛋白質凝縮物。
【請求項3】
前記界面活性剤は、以下の化学式(1)~(3)の少なくともいずれかである請求項1又は2に記載の蛋白質凝縮物。
【化1】
JP0006115980B2_000009t.gif
但し、xは6~18、yは~20である。
【化2】
JP0006115980B2_000010t.gif
但し、pは6~18、qは~20である。
【化3】
JP0006115980B2_000011t.gif
但し、nは20である。
【請求項4】
X線小角散乱による構造解析により、少なくとも1つの散乱ピークを有するX線散乱パターンが確認される請求項1~3のいずれか1項に記載の蛋白質凝縮物。
【請求項5】
液体である請求項1~4のいずれか1項に記載の蛋白質凝縮物。
【請求項6】
蛋白質、界面活性剤および水を含む複合体の集合体よりなる蛋白質凝縮物の製造方法であって、
前記蛋白質と前記界面活性剤を水中で溶解する工程aと、
表面が前記界面活性剤により疎水性を示し、前記蛋白質及び前記水が内包されている複合体を形成して、当該複合体が自発的に集合体を形成する工程bとを含み、
前記界面活性剤は、疎水部、前記蛋白質と相互作用する親蛋白質部、および前記水と相互作用する親水部を含み、
前記界面活性剤の端部に前記親蛋白質部、他端部に前記疎水部を有し、当該親蛋白質部と当該疎水部の間に前記親水部が配置されており、
前記蛋白質は、前記界面活性剤と静電相互作用により結合され、
前記界面活性剤として、アニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤の少なくともいずれかを用い、
前記親水部は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリビニルアルコールの少なくともいずれかであり、前記ポリエチレングリコール、前記ポリプロピレングリコールおよび前記ポリビニルアルコールの合計の繰り返しユニット数が~20である蛋白質凝縮物の製造方法。
【請求項7】
前記界面活性剤として、前記アニオン性界面活性剤および前記カチオン性界面活性剤を用いる請求項6に記載の蛋白質凝縮物の製造方法。
【請求項8】
前記界面活性剤は、以下の化学式(1)~(3)の少なくともいずれかである請求項6又は7に記載の蛋白質凝縮物の製造方法。
【化1】
JP0006115980B2_000012t.gif
但し、xは6~18、yは~20である。
【化2】
JP0006115980B2_000013t.gif
但し、pは6~18、qは~20である。
【化3】
JP0006115980B2_000014t.gif
但し、nは20である。
【請求項9】
請求項1~5のいずれか1項に記載の蛋白質凝縮物を塗膜して得た蛋白質凝縮物膜。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、蛋白質凝縮物およびその製造方法に関する。より詳細には、界面活性剤と水と蛋白質を含有する蛋白質凝縮物およびその製造方法に関する。更に、前記蛋白質凝縮物を用いて作製した蛋白質凝縮物膜に関する。
【背景技術】
【0002】
立体構造を保持したまま蛋白質を凝縮化した物質には、その立体構造に依存した特有の機能や物性発現が期待されるため、これまで種々の検討がなされてきた。
【0003】
特許文献1においては、蛋白質と第3級または第4級のアミン化合物との複合体からなる蛋白質沈殿物が、特許文献2においては、蛋白質と界面活性剤との複合体からなる蛋白質沈殿物が開示されている。また、特許文献3においては、疎水性イオンと蛋白質との複合体からなる固体状の蛋白質沈殿物が開示されている。また、非特許文献1、2には、蛋白質液体と命名されている蛋白質と界面活性剤との複合体が開示されている。
【0004】
より詳細には、特許文献1においては、第3級または第4級アミン化合物とイソメラーゼとが相互作用して不溶性の酵素-アミン複合体を形成し、これに強いイオン性溶液に加えて前記複合体を解離させることにより、濃縮グルコース・イソメラーゼ調製物を得る方法が提案されている。また、特許文献2においては、逆ミセル抽出法の原理を利用して蛋白質-界面活性剤複合体の沈殿物を形成させ、極性有機溶媒によって蛋白質を回収する方法が提案されている。特許文献3においては、疎水性イオン-蛋白質複合体の沈殿物が記載され、固体状の前記複合体内で蛋白質は安定であり、貯蔵性、取扱い性等に優れることが記載されている。
【0005】
非特許文献1においては、フェリチン蛋白質を化学修飾してカチオン化し、これをポリ(エチレングリコール)4-ノニルフェニル3-スルホプロピルエーテルカリウム塩と混合して透析を行い、その後に凍結乾燥を経て加温することにより、界面活性剤と蛋白質からなる無溶媒でありながら液体状の複合体を得ている。また、非特許文献2には、酸素結合蛋白質であるヘム鉄含有のミオグロビンと2種類の界面活性剤を用いて、界面活性剤と蛋白質からなる無溶媒でありながら液体状の複合体を得ている。なお、非特許文献3、4については、後述する実施例において説明する。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特公平7-114699号
【特許文献2】国際公開WO03/80651号
【特許文献3】国際公開WO94/08599号
【0007】

【非特許文献1】Stephen Mann et al. Angew. Chem. Int. Ed. 2009, 48, 6242‐6246
【非特許文献2】Stephen Mann et al. Nature Chemistry,2010, VOL 2, August, 622
【非特許文献3】David R. Liu et al. J.AM.CHEM.SOC., 2007, 129, 10110-10112
【非特許文献4】Yamashita et al. Chem. Commun.,2010, 46, 8797-8799
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
他の材料とハイブリッド化し、且つ他の従来例とは異なる蛋白質凝縮物を提供できれば、蛋白質の有用な機能を引き出したり、新機能を付与した新素材の開発が期待できる。また、蛋白質凝縮物において、立体構造を保持したまま蛋白質を凝縮化できれば、蛋白質の立体構造に依存した特有の機能や物性発現が期待できる。
【0009】
本発明は、上記背景に鑑みて成されたものであり、その目的とすることは、蛋白質と他の材料からなる複合体が集合してなる新規な蛋白質凝縮物およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、以下の態様において、本発明の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1] 蛋白質、界面活性剤および水を含む複合体の集合体であり、前記複合体は、その表面が前記界面活性剤により疎水性を示し、前記蛋白質および前記水が内包されており、前記蛋白質は、水に溶解可能な水溶性蛋白質であり、前記複合体に含まれる前記水が、前記蛋白質を取り囲み、前記界面活性剤は、疎水部、前記蛋白質と相互作用する親蛋白質部、および前記水と相互作用する親水部を含む蛋白質凝縮物。
上記[1]の蛋白質凝縮物によれば、界面活性剤として蛋白質と相互作用する親蛋白質部に加えて、水と相互作用する親水部を導入しているので、蛋白質凝縮物を構成する複合体内に、蛋白質を取り囲むために充分な量の水を内包させることができる。上記[1]に係る発明によれば、蛋白質と相互作用する部位(前記親蛋白質部)と、蛋白質を取り囲む充分な量の水を保持する部位(前記親水部)とを有する界面活性剤を用いているので、従来とは異なる新規な蛋白質凝縮物を提供できる。
【0011】
[2] 前記複合体の前記蛋白質は、前記界面活性剤と静電相互作用または共有結合により結合されていることを特徴とする[1]に記載の蛋白質凝縮物。
上記[2]によれば、静電相互作用または共有結合により蛋白質と界面活性剤とを結合させているので、ニーズに応じた蛋白質凝縮物を提供できる。ここで、本明細書にいう「蛋白質」は、遺伝子操作等の公知の技術により蛋白質表面を改質したものも含む。界面活性剤と静電相互作用を実現するために蛋白質の表面電荷を変更したり、反応性基を有する界面活性剤と共有結合可能なように蛋白質の表面特性を変更したりすることができる。
【0012】
[3] 前記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤の少なくとも一方を用いる[1]又は[2]に記載の蛋白質凝縮物。
上記[3]によれば、静電相互作用により蛋白質と界面活性剤とを結合させた蛋白質凝縮物が得られる。
【0013】
[4] 前記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤を用いる[1]~[3]のいずれかに記載の蛋白質凝縮物。
上記[4]によれば、蛋白質の表面電荷に応じて、アニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤が蛋白質と静電相互作用するので、複合体の形成が容易であるというメリットを有する。
【0014】
[5] 前記界面活性剤の親水部に、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリビニルアルコールの少なくともいずれかを含む[1]~[4]のいずれかに記載の蛋白質凝縮物。
上記[5]によれば、界面活性剤の親水部として好適である。
【0015】
[6] X線小角散乱による構造解析により、少なくとも1つの散乱ピークを有するX線散乱パターンが確認される[1]~[5]のいずれかに記載の蛋白質凝縮物。
上記[6]によれば、蛋白質の配置に秩序構造を有する複合体の集合体からなる蛋白質凝縮物が得られる。蛋白質の配置に秩序構造を有する蛋白質凝縮物が得られるので、酵素を利用したセンサや、反応場等の各種用途に用いることが期待できる。
【0016】
[7] 液体である[1]~[6]のいずれかに記載の蛋白質凝縮物。
上記[7]によれば、形状を自在に変えられるので塗布薬としての利用や、マイクロリアクタ—等に用いることが期待できる。
【0017】
[8] 蛋白質、界面活性剤および水を含む複合体の集合体よりなる蛋白質凝縮物の製造方法であって、前記蛋白質と前記界面活性剤を水中で溶解する工程aと、表面が前記界面活性剤により疎水性を示し、前記蛋白質及び前記水が内包されている複合体を形成して、当該複合体が自発的に集合体を形成する工程bとを含み、前記界面活性剤は、疎水部、前記蛋白質と相互作用する親蛋白質部、および前記水と相互作用する親水部を含み、前記複合体において、前記水は、前記蛋白質を取り囲むように配置されている蛋白質凝縮物の製造方法。
上記[8]によれば、界面活性剤として蛋白質と相互作用する親蛋白質部に加えて、水と相互作用する親水部を導入しているので、蛋白質凝縮物を構成する複合体内に、蛋白質を取り囲むために充分な量の水を内包させた蛋白質凝縮物を提供できる。
【0018】
[9] 前記工程bは、遠心分離を行う[8]又は[9]に記載の蛋白質凝縮物の製造方法。
上記[9]によれば、瞬時に蛋白質凝縮物を得ることができる。
【0019】
[10] [1]~[7]のいずれかに記載の蛋白質凝縮物を塗膜して得た蛋白質凝縮物膜。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、蛋白質と他の材料からなる複合体が集合してなる新規な蛋白質凝縮物およびその製造方法を提供することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る蛋白質凝縮物の複合体の一例を示す模式図。
【図2】本発明に係る蛋白質凝縮物の一例を示す模式図。
【図3】実施例1に係る蛋白質凝縮物(自発分離後)と水が相分離した状態を示す写真。
【図4】実施例1に係る蛋白質凝縮物に純水を加えた写真。
【図5】実施例1に係るグルコースオキシダーゼ凝縮物膜の写真。
【図6】粘着テープ上に積層された実施例1に係る蛋白質凝縮物膜の写真。
【図7】実施例2に係る蛋白質凝縮物の円二色性スペクトル。
【図8】実施例3に係る蛋白質凝縮物のX線小角散乱の測定結果を示すグラフ。
【図9】実施例4に係る蛋白質凝縮物のX線小角散乱の測定結果を示すグラフ。
【図10】表面電荷を-29としたGFPに対して、S2、cS2の界面活性剤の量比を変更したときの蛋白質凝縮物の収率。
【図11】表面電荷を-33としたGFPに対して、S2、cS2の界面活性剤の量比を変更したときの蛋白質凝縮物の収率。
【図12】実施例3、5に係る蛋白質凝縮物のX線小角散乱の測定結果を示すグラフ。
【図13】実施例3、5に係る蛋白質凝縮物の熱量変化を示すグラフ。
【図14】実施例6に係る蛋白質凝縮物のX線小角散乱の測定結果を示すグラフ。
【図15】実施例6に係る蛋白質凝縮物の吸収スペクトルを示すグラフ。
【図16】実施例6に係る蛋白質凝縮物の熱量変化を示すグラフ。
【図17】実施例8に係る蛋白質凝縮物のX線小角散乱の測定結果を示すグラフ。
【図18】実施例9に係る蛋白質凝縮物の熱量変化を示すグラフ。
【図19】実施例10に係る蛋白質凝縮物の熱量変化を示すグラフ。
【図20】実施例8、9および比較例1に係る蛋白質凝縮物のX線小角散乱の測定結果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る蛋白質凝縮物は、界面活性剤により表面が疎水性を示し、蛋白質および水が内包された複合体の集合体よりなる。界面活性剤は、親水部、疎水部および親蛋白質部を含む。なお、本明細書において「親蛋白質部」とは、蛋白質と親和性を示す界面活性剤の部分をいう。また、本発明において「蛋白質」は、純粋な蛋白質であることは必須ではなく、蛋白質特有の立体構造に起因した作用効果を少なくとも一部に有するものであればよく、蛋白質の一部の構造を置換、欠失または付加したもの、更に、蛋白質の表面を化学修飾したもの或いは一部を改変したものも含むものとする。また、「親水部」とは、複合体内で当該ユニット近傍に水を保持する機能を有するユニットをいう。以下本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、以降の図における各部材のサイズや比率は、説明の便宜上のものであり、これに限定されるものではない。

【0023】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る複合体の一例の模式図を図1に、第1実施形態に係る蛋白質凝縮物の一例の模式図を図2に示す。図1に示すように、複合体1は、主として表層に界面活性剤12が配置され、水11および蛋白質10が実質的に内包されている。複合体1において界面活性剤12の疎水部21が外側に、親蛋白質部23が内側に配向するので、複合体1の表層は疎水性を示す。水11は主として界面活性剤12の親水部22と相互作用し、蛋白質10は主として界面活性剤12の親蛋白質部23と相互作用している。即ち、水11は、複合体1内において蛋白質の界面活性剤の親水部近傍に保持されている。このような複合体1が集合することにより、図2に示すような蛋白質凝縮物2が得られる。なお、図2においては水の図示を省略している。

【0024】
水11が蛋白質10を取り囲み、最表層に界面活性剤の疎水部が配置された構造を実質的に有する複合体1を得るために、界面活性剤12は、上述した親水部22、疎水部21および親蛋白質部23を有する点に特徴を有する。複合体1内の水の含有量を調節するためには、親水部が重要な役割を担う。界面活性剤において、親蛋白質部23よりも親水部22のユニットの方が大きいことが好ましく、水11が蛋白質10を取り囲むように、複合体1内の水の質量%が蛋白質の質量%よりも大きいことが好ましい。なお、親水部22と親蛋白質部23は必ずしも明確に区別される必要はなく、同一部分が親水部および親蛋白質部として機能してもよい。但し、本発明の親水部は、蛋白質を取り囲むような水を保持できるための充分な長さを備えている必要がある。また、複合体1の構造は、実質的に上述した構造であればよく、蛋白質凝縮物2を得られる限度において、上述した構造に適合しない部分が含まれていてもよい。

【0025】
蛋白質10は、水に溶解可能な水溶性蛋白質であればよく、その種類は特に限定されない。蛋白質10に合わせて界面活性剤12の親蛋白質部23を適宜選定する。疎水性蛋白質、水溶液中で立体構造を安定に保持し難い蛋白質、或いはそれ自身が集合して不均一な構造を形成する蛋白質等は、表面改質等を行って親水性を導入して水溶性蛋白質に誘導することにより、好適に適用できる。従って、本発明でいう「水溶性蛋白質」とは、本来的に水溶性を示す蛋白質の他、表面改質等により水溶性を示す蛋白質を含むものとする。蛋白質凝縮物は、単一種類の複合体1が集合したものでも、異なる種類の複合体1がブレンドされたものでもよい。

【0026】
好適な蛋白質として、大腸菌オルニチントランスカルバミラーゼ、表面改善ウマ肝臓フェリチン軽鎖、Pyrococcus furiosus(ピュロコックス・フリオスス)のフェリチン、Aspergillus niger(コウジカビ)グルコースオキシダーゼ、表面改善緑色蛍光蛋白質、イソプロピルリンゴ酸脱水素酵素、金属貯蔵蛋白質(LiDps)、緑色蛍光蛋白質(GFP),GFP-YFP融合蛋白質、リゾチーム, Thermus thermophiles(サーマス・サーモフィルス)イソプロピルリンゴ酸脱水素酵素、赤色蛍光蛋白質(DsRed T1)等が例示できる。複合体1内には、単数または複数の蛋白質分子が内包されている。複合体1内に異なる種類の蛋白質分子が含有されていてもよい。

【0027】
界面活性剤12は、図1に示すように端部に親蛋白質部23、他端部に疎水部21、これらの間に親水部22を有する構造が好ましい例として例示できるが、複合体1を形成できるものであればよく、図1の構成に限定されるものではない。例えば、両端部に疎水部、その隣接位に親水部が配置され、親水部に挟持された略中央部に親蛋白質部を有する折り畳み構造の界面活性剤を用いてもよい。また、親蛋白質部が複数ユニットあるものを用いてもよい。また、高分子界面活性剤を用いてもよい。生体適合性が求められる用途においては、生体適合性を有する界面活性剤を用いることが好ましい。

【0028】
水11は、純水でもよいし、添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、金属をはじめとする無機化合物や、薬剤、化粧成分等の有機化合物や、有機無機ハイブリッド化合物等の添加剤が含まれていてもよい。図1においては、複合体1のコア部中心に蛋白質が配置されている例を示しているが、水11がコア部中心に存在したり、複数の蛋白質分子の間に存在していてもよい。蛋白質内には、別の蛋白質、有機物、金属等の無機物等が含まれていてもよい。

【0029】
蛋白質10と界面活性剤12とが相互作用して複合体を形成するために、蛋白質10の種類に応じて、用いる界面活性剤12を適切に組み合わせる必要がある。用いる蛋白質10への界面活性剤12の結合量が少ないという理由で凝縮物が得られない場合には、表面電荷を変更すればよい。例えば、アミノ酸残基の改変を行うことにより適切に表面電荷を変更することができる。表面電荷を変更する方法は特に限定されないが、好適な例として遺伝子工学的な手法を用いる方法がある。

【0030】
蛋白質10と界面活性剤12の相互作用は、複合体1を形成できればよく特に限定されないが、第1実施形態においては、静電相互作用により複合体を形成する例について説明する。静電相互作用により蛋白質10と界面活性剤12を相互作用させる場合には、蛋白質10の表面電荷の量に応じて界面活性剤の親蛋白質部23にアニオン性ユニットを有するアニオン性界面活性剤または/および親蛋白質部23にカチオン性ユニットを有するカチオン性界面活性剤を用いる方法が好適である。また、両性界面活性剤も好適である。蛋白質10の表面電荷や電荷部分の立体配置などを考慮して、アニオン性界面活性剤または/およびカチオン性界面活性剤の添加量を決定すればよい。

【0031】
蛋白質10内にプラスの電荷を有する部分とマイナスの電荷を有する部分が存在する場合には、アニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤を、蛋白質10内の電荷の分布や立体配置を考慮しつつ添加量比を調整すればよい。アニオン性ユニットとしてはカルボキシル基やスルホン酸基が挙げられ、カチオン性ユニットとしてはアミノ基が例示できる。また、親水部の好適な例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルユニット、ポリビニルアルコール等が好ましい。これらの親水性を示す部分のユニットは、主鎖を構成する原子数で10以上の長鎖ユニットからなることが好ましい。親水部は、構成する原子のうち1/4以上が親水性を示す原子(例えば、O原子)により構成されていることが好ましい。疎水部としてはアルキル基等が好ましい。カルボキシル基やスルホン酸基等のアニオン性ユニット、アミノ基等のカチオン性ユニットとは別に、ポリエーテルユニット、ポリビニルアルコール等の長鎖ユニットからなる親水部を有し、アルキル基等の疎水部を更に有する界面活性剤を用いることにより、本願発明の蛋白質凝縮物を容易に得ることができる。

【0032】
第1実施形態の蛋白質凝縮物2の蛋白質含有量は、用途により適宜設計することができる。例えば、蛋白質凝縮物2に対して、蛋白質の含有量を1~20質量%とすることができる。蛋白質の質量を増やすためには親水部22の長さを短くすることが有効であり、蛋白質の質量を減らすためには親水部22の長さを長くすることが有効である。

【0033】
アニオン型界面活性剤として、カルボン酸型、スルホン酸型、硫酸エステル型、リン酸エステル型のものが例示できる。また、カチオン型界面活性剤として、第4級アンモニウム塩型、アルキルアミン塩型、ピリジン環型構造を有する化合物が例示できる。両性界面活性剤としては、アルキルべタイン型、脂肪酸アミドプロピルベタイン型、アルキルイミダゾール型、アミノ酸型、アミンオキシド型構造を有する化合物が挙げられる。

【0034】
本発明に好適な界面活性剤としては、例えば、以下のような化合物(1)~(3)等が例示できる。
【化1】
JP0006115980B2_000002t.gif
但し、xは6~18、yは3~20、好ましくはy=5~20、より好ましくはy=8~20である。
【化2】
JP0006115980B2_000003t.gif
但し、pは6~18、qは3~20、好ましくはy=5~20、より好ましくはy=8~20である。
【化3】
JP0006115980B2_000004t.gif
但し、nは3~20、好ましくは5~20、より好ましくは6~20である。
より好ましくは、xが11~13、yが11、pが11~13、qが11、nが20である。

【0035】
次に、本発明の蛋白質凝縮物の製造方法の一例について説明する。但し、本発明の蛋白質凝縮物の製造方法は、以下の製造方法に何ら限定されるものではない。

【0036】
(製造方法1) まず、蛋白質と界面活性剤を常温下で水に溶解させる(工程a1)。なお、ここでいう水には、蛋白質安定化のための成分(塩、酵素などの反応基質、グリセロール、pH緩衝成分)が溶解されているものや電解質水溶液も含まれる。電解質水溶液は、例えば、NaCl等の塩を含む所定濃度のTris(トリスヒドロキシメチルアミノメタン)-HCl等を好適に用いることができる。例えば、所定濃度の蛋白質水溶液と所定濃度の界面活性剤の水溶液(それぞれ独立に電解質水溶液でもよい)を用意し、これらを混合すればよい。蛋白質水溶液と界面活性剤水溶液の混合量は、蛋白質凝縮物が得られる量であればよく限定されない。濃度は、例えば、蛋白質水溶液の質量濃度が0.1~20mg/mL、界面活性剤の濃度が0.1~6μmol/mLである。界面活性剤のより好ましい範囲は、蛋白質1mgあたりに加えるモル量が0.5~4.0μmol、特に好ましい範囲は、0.6~1.2μmolである。

【0037】
次いで、混合液を透析する(工程a2)。蛋白質と界面活性剤を混合して均一な溶液とした後すぐに透析してもよいし、混合液として予め調製したものを所望のタイミングで透析してもよい。温度は、蛋白質の種類、蛋白質凝縮物の状態に応じて常温で行うほか、加温したり、冷却したりすることができる。撹拌は、均一に界面活性剤と蛋白質が溶解することができればよく、例えば、撹拌棒で撹拌する程度でよい。透析により、水に溶解している不要のイオン性化合物を除去することができる。透析を行う工程により、蛋白質凝縮物は自発的に水相と分離されていく。透析を行うことにより、電解質が最初に含まれていても、純水への透析の過程で電解質を容易に除去でき、蛋白質凝縮物の形成を容易に行うことができる。

【0038】
上記工程を経て得られる蛋白質凝縮物は、例えば、液体、固体として取り出すことができる。液体、固体等の形態は、用いる界面活性剤の種類(親水性、疎水性等の特性)や、蛋白質の種類、温度に依存するので、界面活性剤の種類、量或いは温度を調整して所望の形態とすることができる。蛋白質凝縮物が液体の場合には、マイクロピペットなどにより取り扱うことができる。固体の場合には、沈殿物または濾過により回収すればよい。なお、ここでいう液体には粘性のある液体も含むものとする。

【0039】
(製造方法2) まず、蛋白質と界面活性剤を低濃度の電解質濃度の水に、溶解させた混合液を得る(工程b1)。蛋白質水溶液に界面活性剤を直接加えてもよいが、均一分散性や蛋白質の変性を回避する観点からは、蛋白質水溶液と界面活性剤の水溶液を混合する方法が簡便である。蛋白質水溶液、界面活性剤水溶液は、必要に応じて蛋白質が変性しないようにpH調整を行うことができる。電解質溶液としては、上記製造方法1で例示したものを好適に用いることができる。混合液の電解質濃度は、蛋白質凝縮物が得られればよく特に限定されないが、界面活性剤との相互作用を阻害しない観点からは50mM以下とすることが好ましく、10mM以下とすることがより好ましく、1mM以下とすることが更に好ましい。蛋白質水溶液の濃度は、混合液にしたときに上述の電解質濃度になる濃度としておくことが好ましい。

【0040】
その後、蛋白質と界面活性剤の混合液(懸濁液)から複合体を得る(工程b2)。短時間で複合体を得る観点からは、遠心分離が好ましいが、揺動させる方法や静置させる方法でもよい。遠心分離は、懸濁液が得られた後、直ちに行ってもよいし、所望のタイミングで遠心分離してもよい。遠心分離の温度は、蛋白質の種類、蛋白質凝縮物の状態に応じて常温で行うほか、加温したり、冷却したりすることができる。遠心分離を行うことにより、蛋白質凝縮物と不要の界面活性剤および塩とを分離することができる。上記工程を経て得られる蛋白質凝縮物は、例えば、液体、固体として取り出すことができる。蛋白質凝縮物が液体の場合には、マイクロピペットなどにより取り扱うことができる。固体の場合には、沈殿または濾過により回収すればよい。

【0041】
製造方法2によれば、用いた物質の質量および体積が把握できるので、用いた物質の質量、体積が求まり、蛋白質と界面活性剤の濃度を定量することができる。更に、界面活性剤を滴定することにより、本発明の蛋白質凝縮物を得るための最適な条件(界面活性剤の種類、添加量等)を容易に決定できるというメリットがある。このため、電解質等の添加剤の影響についての知見も容易に得ることができる。更に、回収時のロスが少ない。更には、工程b2において最適な界面活性剤量を加えて混合した後、遠心分離することにより直ぐに蛋白質凝縮物が得られるので、製造工程の点からも優れている。このため、大量調製にも好適である。

【0042】
第1実施形態の蛋白質凝縮物によれば、実質的に、蛋白質が水により内包され、表層が疎水性を示す新規な蛋白質凝縮物を提供できる。得られた蛋白質凝縮物そのものを利用することができることは言うまでもないが、蛋白質凝縮物から蛋白質凝縮物膜を得ることも可能である。膜の形成方法としては、蛋白質凝縮物膜が液体の場合には蛋白質凝縮物そのものを、固体の場合には水等の溶媒に再溶解させたものを基板上に塗工して塗膜を得る方法が例示できる。塗工は、例えば、基板上にバーコータを用いて形成する方法、ディップコートにより成膜する方法が例示できる。基板は、蛋白質凝縮物を塗工できるものであれば限定されないが、基板と接着力を高めたい場合には疎水性基板が好ましく、剥離する場合には親水性基板を用いることも可能である。また、表面処理した基板を用いてもよい。例えば、基板に疎水性処理を施した基板を用意し、これに蛋白質凝縮物を塗工し、膜を剥離する際に基板表面にUV照射等により疎水性を低下させて剥離させるようにしてもよい。蛋白質凝縮物の膜厚は、用途に応じて適宜設計し得るが、例えば10nm(蛋白質が一層のみの場合)~50μm程度である。

【0043】
基板に塗工した膜は、基板上に積層したまま用いることも可能であるが、剥離して用いることが可能である。剥離方法としては、粘着剤を貼り付けて基板から剥離する方法を例示できる。剥離することにより、フレキシブルな状態での使用が可能になる。また、膜中の水分を乾燥により実質的に除去して、蛋白質と界面活性剤の複合体を形成することもできる。得られた膜は、他の層を更に積層してハイブリッド積層体を形成することもできる。例えば、酵素触媒固定化に本発明の蛋白質凝縮物膜を用いることができる。また、立体構造を保持していることから、特有の光学特性を有する膜を提供することが期待できる。

【0044】
また、第1実施形態に係る蛋白質凝縮物は、徐放剤として用いることができる。蛋白質凝縮物を徐放させるには、塩強度を増加させた環境下におけばよい。徐放させるタイミングに、NaCl等の塩が含まれた水溶液を加えたり、液状の蛋白質凝縮物を患部等に塗布し、その上に、経時的に徐放を促すシートを貼り付ける方法が例示できる。後者の方法により、患部に製剤としての蛋白質を投与することが期待できる。液状そのものを塗布する方法に代えて、上述した蛋白質凝縮物膜を患部に貼り、その上に徐放シートを貼り付けてもよい。

【0045】
また、本発明に係る蛋白質凝縮物は、分散剤を加えた水に再溶解させてエマルジョンとして利用することも可能である。蛋白質を内包する水は、生体に無害であるので製剤、化粧品、食品の分野の他、他の素材とハイブリッドして医療用途、センサ用途などへの応用が期待できる。

【0046】
一方、第1実施形態の製造方法によれば、冷却・加熱処理工程を必須とせずに蛋白質凝縮物を自発的に水相から分離させることができるので製造工程が簡便である。なお、蛋白質凝縮物の製造工程において、冷却・加熱処理を行うことを排除するものではない。
疎水性を示す複合体からなる凝縮体を提供できるので、蛋白質を適切に保護することができる。また、水溶性蛋白質は、もともと水に溶けているのでより自然界に近い状況としたり、水に安定性を示すものであるので、水で内包させることにより安定に保存することができる。また、複合体中の水に酵素反応を行う際に必要な基質(反応物)を溶かし込んだり、金属などの添加剤を加えることも容易であるというメリットを有する。

【0047】
[第2実施形態]
次に、第1実施形態とは異なる蛋白質凝縮物について説明する。第2実施形態に係る蛋白質凝縮物は、以下の点を除く基本的な構造及び製造方法が第1実施形態と同様である。即ち、第2実施形態に係る蛋白質凝縮物は、蛋白質と界面活性剤が共有結合により結合されている点において、これらの結合が静電相互作用(イオン結合)により結合されている第1実施形態と相違する。

【0048】
蛋白質と界面活性剤の親蛋白質部とを共有結合させる方法としては、公知の方法を制限なく利用できる。例えば、蛋白質のリジン残基のアミノ基と共有結合させる界面活性剤として、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル化界面活性剤が有効である。また、蛋白質のシステイン残基のメルカプト基と共有結合させる界面活性剤として、マレイミド化界面活性剤が有効である。

【0049】
共有結合は、予め、蛋白質と界面活性剤を共有結合させてもよいし、蛋白質と界面活性剤を水中で混合する際に共有結合させてもよい。添加剤を加えない場合には、前述の製造方法1の場合、次工程の透析工程a2をカットすることができる。第2実施形態の蛋白質凝縮物によれば、共有結合により蛋白質と界面活性剤を結合しているので、より安定な複合体を形成できる。なお、共有結合とイオン結合の両者を含む複合体でもよい。即ち、一の複合体において、蛋白質と界面活性剤が、共有結合により結合された部位とイオン結合により結合された部位を有していてもよい。

【0050】
第2実施形態に係る蛋白質凝縮物は、上記第1実施形態と同様に膜化したり、エマルジョンとして利用することもできる。また、第2実施形態に係る蛋白質凝縮物は、共有結合により界面活性剤と蛋白質が結合しているので、徐放する場合にはこれらの結合の切断工程が必要になるが、徐放剤として応用することも可能である。

【0051】
第2実施形態に係る蛋白質凝縮物によれば、実質的に、蛋白質が水により内包され、表層が疎水性を示す新規な蛋白質凝縮物を提供できる。第2実施形態に係る複合体においては、第1実施形態に比して、より強固に蛋白質と界面活性剤を結合させることができるので、蛋白質凝縮物の特性を利用したセンサ等をはじめとする機能性材料としての応用に特に好適である。また、第2実施形態の製造方法において、蛋白質と界面活性剤を水中で混合する際に添加剤を加えない場合には、透析工程をカットすることができるので、製造工程の簡便化を更に図ることができるというメリットも有する。

【0052】
本発明における蛋白質凝縮物は、後述する実施例において説明するように、蛋白質凝縮物内の水が外部の水と入れ替わる特性を付与することができる。ここでいう外部の水とは、蛋白質凝縮物と相分離し、界面に接した水のことである。この特性により任意の物質を溶解させた水溶液と蛋白質凝縮物を接触させることで、蛋白質凝縮物内部の水に物質を取り込ませることが可能となる。本願発明によれば、水の存在により様々な応用が期待できる。例えば、抗原抗体反応を利用したセンサ、複合体内の水を反応場として利用した反応リアクター等への応用が期待できる。

【0053】
本願発明において得られる蛋白質凝縮物は、前記蛋白質および前記水を内包し、その表面が前記界面活性剤により疎水性を示す複合体を含む集合体からなる。得られる蛋白質凝縮物は、温度により集合状態が変わり得るが、透明または半透明の液体を容易に得ることができる。これは、蛋白質が凝集していないことを示すものである。蛋白質凝縮物は、少なとも1つの散乱ピークを有するX線散乱パターンを有する秩序構造を有する形態が好ましい。秩序構造を有する蛋白質凝縮物を用いることにより、蛋白質凝集物内で実質的に均一間隔に配置させることができる。これらの特性から、例えば、ドラックデリバリーシステム、湿布等の貼付け用外用薬、塗り薬、化粧品、蛋白質含有食品などへの応用が期待できる。また、蛋白質が秩序構造や周期性を示すことから、光学特性を利用した用途への応用展開も期待できる。

【0054】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。また、上記実施形態は、互いに好適に組み合わせられる。

【0055】
≪実施例≫
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明する。但し、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例における物性値の測定等は以下の方法により実施した。
X線小角散乱(SAXS):X線小角散乱装置(リガク社製、「ナノスケールX線構造評価装置 NANO-Viewer」)を用いて測定した。蛋白質凝縮物の測定は、室温で行った。また、蛋白質凝縮物と比較するために、蛋白質水溶液の測定も行った。水中に溶解する条件は、蛋白質が凝集しない条件(pH緩衝成分を含む)とした。
透析:透析膜(分画分子量:12,000-14,000)(スペクトラ社製、スペクトラポア2)を用いて12時間行った。遠心機は、微量高速冷却遠心機(トミー精工社製、MX307)を用いて、15,000g×1minの条件で行った。熱質量変化測定は、セイコーインスツルメンツ社製、EXSTRA6000 TG/DTA6300を用いた。

【0056】
(実施例1) 200mMのNaClを含む20mMのTris-HCl(pH8.0)に、5mg/mLの濃度で溶かしたグルコースオキシダーゼ1mgあたり100mMの化学式(4)の陰イオン界面活性剤(以下、「S2」という)水溶液を12μL(=1.2μmol)、100mMの化学式(5)の陽イオン界面活性剤(以下、「cS2」という)水溶液を18μL(=1.8μM)加えて撹拌した。均一に混合した直後(1分程度)に透析を行った。
【化4】
JP0006115980B2_000005t.gif
但し、x1=11~13、y1=11
【化5】
JP0006115980B2_000006t.gif
但し、p1=11~13、q1=11
蛋白質と界面活性剤を水に混合したところ、補酵素FAD由来の透明性のある黄色を示す均一に混ざった溶液が得られた。

【0057】
その後、混合溶液を純水により透析した(工程a2)。透析を行うにつれて、透明度の高い水溶液と、黄色の高い水溶液に徐々に分離されていった。透析を行ったところ、図3に示すように、水相の下層に透明性のある黄色を示す液体の蛋白質凝縮物が得られた。これは、補酵素FAD由来の黄色によるものである。

【0058】
実施例1に係るグルコースオキシターゼ凝縮物を取り出し、取り出したグルコースオキシターゼ凝縮物に純水を添加した写真を図4に示す。図4において、グルコースオキシダーゼ凝縮物と水がはっきり相分離していることがわかる。これに対し、グルコースオキシダーゼ凝縮物にNaCl水溶液を加えると溶解し、全体が均一な黄色の溶液となった。これは、蛋白質凝縮物を構成する複合体が解離されたことを示す。即ち、蛋白質凝縮物は、塩を加えることにより徐放性を示すことを確認した。塩を添加後、約10s後に黄色の溶液が得られた。

【0059】
図5に、実施例1に係るグルコースオキシダーゼ凝縮物膜の写真を示す。グルコースオキシダーゼ凝縮物膜は、シリコンウェハー上にバーコータ(第一理化社製、バーコータNo.4)を用いて形成した。シリコン基板に良好に塗布できた。目視で確認したところ、塗布直後は干渉縞の揺らぎが観測され、常温で自然乾燥したところ5分程度で揺らぎが観測されなくなり干渉縞が固定された。図6に、グルコースオキシダーゼ凝縮物膜を粘着テープ(セロハンテープ)に重ねて剥離した膜を示す。粘着テープで剥離した後は干渉縞が観測されず、グルコースオキシダーゼの黄色が観測された。

【0060】
(実施例2) 純水に1mg/mLの濃度でリゾチームを溶かし、蛋白質水溶液を得た(工程b1)。次いで、蛋白質1mgあたり100mMのS2の水溶液12μL(=1.2μmol)および100mMのcS2の水溶液18μL(=1.8μmol)を、前記蛋白質水溶液に加えて撹拌することにより懸濁液を得た(工程b2)。その後、速やかに遠心分離した。すると、直ちに透明性のある無色を示す蛋白質凝縮物が得られた。
図7に、実施例1に係る蛋白質凝縮物の円二色性(CD)スペクトルを示す。測定は光路長0.1mmの石英ガラスセルに実施例1で得られた蛋白質凝縮物を封入して行った。測定には、円二色性分散系(JASCO,J-820)を用いた。ベースラインとして同型の石英ガラスセルのみを用いて補正した。水溶液系の測定は、純水中で0.1mg/mLの濃度に調製したリゾチームを用いて測定を行った。リゾチーム凝縮物と水溶液サンプルの両者において、二次構造の指標と成る200-240nmの範囲での負のピークが観測されたことを確認した。これらの結果より、蛋白質凝縮物において、蛋白質の2次構造を保持していることがわかる。また、200nmにランダムコイルに由来する負のピークが見られないことから、凝縮物のリゾチームは変性していないことがわかる。

【0061】
(実施例3) 遺伝子操作によって表面電荷を-29とした緑色蛍光蛋白質(以下、「GFP」)を用意した。5mmolのTris-HCl(pH8.0)に1mg/mLの濃度で前記GFPを溶かし、蛋白質水溶液を得た(工程b1)。次いで、蛋白質1mgあたり100mMのS2の水溶液12μL(=1.2μmol)および100mMのcS2の水溶液18μL(=1.8μmol)を、前記蛋白質水溶液に加えて撹拌することにより懸濁液を得た(工程b2)。その後、速やかに遠心分離した。すると、直ちに透明性のある緑色を示す蛋白質凝縮物が得られた。なお、GFPの表面電荷は、アミノ酸配列から算出した(荷電残基の数がLys+Arg=19(positive)、Glu+Asp=48(negative)であり、(Lys+Arg)-(Glu+Asp)=-29となった)。
5mg/mLのGFP水溶液6mL(30mgGFP)を用いて、300μLの液体の蛋白質凝縮物を得た。なお、実施例2、3等の表面電荷の変更は、非特許文献3を参照にして行った。

【0062】
蛋白質1分子に対するS2とcS2の量を計算したところ、S2=27.5±7.72、cS2=58.6±6.05で、cS2-S2=31となった。この結果は、蛋白質の荷電残基数と、S2、cS2との総電荷とがほぼ一致する。図8に、X線小角散乱(SAXS)により構造解析を行った結果を示す。同図より、蛋白質凝縮物は、散乱ピーク(Q=0.89,d1=7.1nm(2π/Q)[以下同様])を示し、蛋白質凝縮物内部に周期的な秩序構造が存在することを確認した。

【0063】
(実施例4) 遺伝子操作によって表面電荷を33としたGFPを用意した。そして、蛋白質1mgあたり、100mMのS2の水溶液を28mL(=2.8μmol)、100mMのcS2の水溶液を12μL(=1.2μmol)加える以外は実施例2と同様の方法により緑色蛍光を示す蛋白質凝縮物を得た。なお、GFPの表面電荷は、アミノ酸配列から算出した(荷電残基の数は、Lys+Arg=53(positive)、Glu+Asp=20(negative)であり、(Lys+Arg)-(Glu+Asp)=33となった)。

【0064】
蛋白質1分子に対するS2とcS2の量を計算したところ、S2=44.1±0.61、cS2=16.4±0.56で、cS2-S2=-28となった。この結果は、蛋白質の荷電残基数と、S2、cS2との総電荷とがほぼ一致する。得られた蛋白質凝縮物は、図9に示すようにSAXSにおいて散乱ピーク(Q=0.90,d1=7.0nm)を示し、蛋白質凝縮物内部に周期的な秩序構造があることを確認した。

【0065】
図10に、表面電荷を-29としたGFPに対して、S2、cS2の界面活性剤の量比を変更して蛋白質凝縮物の収率を検討した結果を示す。また、図11に、表面電荷を-33としたGFPに対して、S2、cS2の界面活性剤の量比を変更して蛋白質凝縮物の収率を検討した結果を示す。図10、図11の結果より、必要な界面活性剤の量比は蛋白質の電荷に依存することがわかった。

【0066】
(実施例5) 次に、界面活性剤として、100mMの化学式(6)の陰イオン界面活性剤(以下、「S3」という)水溶液を12μL(=1.2μmol)、100mMの化学式(7)の陽イオン界面活性剤(以下、「cS2」という)水溶液を28μL(=2.8μmol)に変更した以外は、実施例2と同様の方法により蛋白質凝縮物を得た。
【化6】
JP0006115980B2_000007t.gif
但し、x2は、11~13、y2=6である。
【化7】
JP0006115980B2_000008t.gif
但し、p2は11~13、q2=6である。

【0067】
実施例3および実施例5の蛋白質凝縮物のSAXSにより検出されたピークを図12に示す。Q=0.90、d=7.0nmのピークが観測され、実施例5の蛋白質凝縮物においては、更にルート3のピークも観測された。実施例5の蛋白質凝縮物は、六方細密充填パッキング構造を有していると考えられる。

【0068】
図13に、実施例3および実施例5に係る蛋白質凝縮物の熱質量変化測定を行った結果を示す。同図に示すように、100℃近傍まで急激に質量が減少し、100~280℃の範囲では、質量減少が見られない。これらの結果より、100℃までに水が気化し、100~280℃の範囲では蛋白質と界面活性剤の分解が見られないことがわかる。蛋白質凝縮物における水の割合は実施例3においては水が75質量%、吸収スペクトルから蛋白質の割合が12質量%と算出された。これらの結果から算出される蛋白質凝集物中の界面活性剤の割合は13質量%となる。実施例5においては水が65%となり、水保持部(PEG)の長さが短くなることにより水の保持量が減ったことがわかる。

【0069】
(実施例6) 200mMのNaClを含む20mMのTris-HCl(pH8.0)に、5mg/mLの濃度で溶かした大腸菌オルニチントランスカルバミラーゼ(EOTC)1mgあたり、100mMのS2の水溶液を10μL(=1.0μmol)および100mMのcS2の水溶液を12.2μL(=1.22μmol)加えて撹拌した。均一に混合した直後(1分程度)に透析を行った。これにより、実施例1と同様に、水相から蛋白質凝縮物が自発的に分離した。5mg/mLのEOTC水溶液6mL(30mgEOTC)を用いて、150μLの無色の液体の蛋白質凝縮物を得た。

【0070】
実施例6に係る蛋白質凝縮物のX線小角散乱測定を行った結果を図14に示す。同図に示すように、0.626nm-1(10.04nm)にピークが観測され、EOTCが周期性を持って並んでいることを確認した。また、実施例3と同様の方法により含水量を求めたところ75質量%であった。また、蛋白質の電荷の総和は-10であり、EOTC一分子あたりS2は10±0.95個であり、cS2は17±1.98個であり、比率は、S2:cS2=37;63であった。

【0071】
図15に、実施例6に係る蛋白質凝縮物の吸収スペクトルのグラフを示す。測定は、超微量 紫外・可視分光光度計(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、NanoDrop 2000c)を用いて、サンプルは、実施例3の方法で作製したものを用いた。吸光度は、1mm光路長換算で11.6であった。更に、当該測定値から算出した蛋白質凝縮物中の蛋白質量は>120mg/mLであった。また、この値より、蛋白質凝縮物において12質量%が蛋白質であると算出された。

【0072】
図16に、実施例6に係る蛋白質凝縮物の熱質量変化測定を行った結果を示す。図16に示すように、100℃近傍まで急激に質量が減少し、100~280℃の範囲では、質量減少が見られないことがわかった。これらの結果より、100℃までに水が気化し、100~280℃の範囲では蛋白質と界面活性剤の分解が見られないことがわかる。この結果より、蛋白質凝縮物における水の割合は75質量%、蛋白質+界面活性剤の割合が25%と算出された。更に、吸収スペクトルから求めた蛋白質の割合より、界面活性剤の割合は、13質量%と算出された。

【0073】
(実施例7) 5mMのTris-HCl(pH8.0)に1mg/mLの濃度で金属貯蔵蛋白質(以下、「LiDps」)を溶かし、蛋白質水溶液を得た(工程b1)。次いで、蛋白質1mgあたり、100mMのS2の水溶液を3.4μL(=0.34μmol)、100mMのcS2の水溶液を4.6μL(=0.46μmol)加えて撹拌することにより懸濁液を得た(工程b2)。それ以外の方法は、実施例3と同様とした。すると、直ちに透明性のある無色を示す蛋白質凝縮物が得られた。

【0074】
(実施例8) 次に、CdSe内包LiDps蛋白質を用いて、実施例7と同様の方法により蛋白質凝縮物を作製した。なお、CdSeを含有させた蛋白質は、非特許文献4に記載のとおりに行った。得られた蛋白質凝縮物のSAXSを測定したところ、図17に示すように、ルート1、ルート2、ルート3、ルート4、ルート5、ルート6、ルート8、ルート9に対応するピークが観測される。これは、順に単純立方格子の(100)、(110)、(111)、(200)、(210)、(211)、(220)、(300)面に対応する。

【0075】
(実施例9) 5mmolのTris-HCl(pH8.0)に1mg/mLの濃度でリゾチームを溶かし、蛋白質水溶液を得た(工程b1)。次いで、蛋白質1mgあたり、100mMのS2の水溶液を85μL(=8.5μmol)、100mMのcS2の水溶液を15μL(=1.5μmol)加えて撹拌することにより懸濁液を得た(工程b2)。その他の条件は、実施例3と同様とした。その結果、無色透明の液体を得た。なお、温度により半透明液体となった。

【0076】
また、図18に、実施例9に係る蛋白質凝縮物の熱質量変化測定を行った結果を示す。その結果、蛋白質凝縮物における水の割合は70質量%と算出された。

【0077】
(実施例10) 5mmolのTris-HCl(pH8.0)に1mg/mLの濃度でリゾチームを溶かし、蛋白質水溶液を得た(工程b1)。次いで、蛋白質1mgあたり、100mMのS2の水溶液を100μL(=10.0μmol)加えて撹拌することにより懸濁液を得た(工程b2)。その他の条件は、実施例3と同様とした。その結果、半透明の液体を得た。

【0078】
また、図19に、実施例10に係る蛋白質凝縮物の熱質量変化測定を行った結果を示す。その結果、蛋白質凝縮物における水の割合は53質量%と算出された。

【0079】
(比較例1) 5mmolのTris-HCl(pH8.0)に1mg/mLの濃度でリゾチームを溶かし、蛋白質水溶液を得た(工程b1)。次いで、上記特許文献2において用いられていたジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(AOT)を蛋白質1mgあたり、100mMの水溶液100μL(=0.7μmol)を加えて撹拌することにより懸濁液を得た(工程b2)。その他の条件は、実施例3と同様とした。その結果、不透明な白色沈殿を得た。得られた白色沈殿物は固体状であった。

【0080】
図20に、実施例8、9および比較例1に係る蛋白質凝縮物のX線小角散乱(SAXS)により構造解析を行った結果を示す。同図より、実施例8および実施例9の蛋白質凝縮物は散乱ピーク(Q=0.87,d1=7.2nm)を示し、蛋白質凝縮物内部には周期的な秩序構造が存在することを確認した。一方、比較例1に係る蛋白質凝縮物は、散乱ピークがないことを確認した。

【0081】
次に、蛋白質凝縮物を軽水(HO)および重水(DO)其々に滴下した実験例について説明する。まず、試験管に2mLの軽水を入れ、そこに20μLの実施例2で得られた蛋白質凝縮物(GFP(-29))を添加した。このとき、蛋白質凝縮物は即座に試験管底部に沈んだ。これに対し、試験管に2mLの重水を入れ、そこに20μLの実施例2で得られた蛋白質凝縮物(GFP(-29))を添加したところ、蛋白質凝縮物は、水面に浮上した。その後、約2分後に蛋白質凝縮物の一部が試験管底部に沈んだ。これは、蛋白質凝縮物内部の軽水と重水とが入れ替わり、蛋白質凝縮物の比重が重くなったためである。軽水と重水を混合して実験を行ったところ、重水の割合が多いほど、蛋白質凝縮物が試験管底部に沈むまでの時間が長い傾向にあることがわかった。具体的には、水(重水+軽水)において重水割合が40%では蛋白質凝縮物は沈み、50%では沈むものと浮き上がるものが見られ、60%では浮上するという結果を得た。重水割合を増やして水の比重を増加させることで、添加した凝集物の挙動が異なることから、浮き沈みの現象は蛋白質凝縮物と調製した水の比重の大小に由来する現象と考えられる。すなわち蛋白質凝縮物の比重は重水割合40%以下の水よりも大きく、50%以上の水よりも小さいこととなる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の蛋白質凝縮物によれば、前述した様に、ドラッグデリバリーシステム、人体の治療などの医用用途、食品工業、化粧品製造の分野に好適である。また、フィルムやシートに成形して電子機器等をはじめとする各種部材に適用できる。特に、周期構造がみられる蛋白質凝縮物においては、光学フィルム等の光学材料、センサの分野において利用することが期待できる。また、複合体の内部に金属イオンを導入して、金属構造体を作製したり、ゾルゲル法で無機化合物の合成にも応用が期待できる。更に、燃料電池の触媒として、廃棄物処理用としても利用できる可能性がある。また、水中油型エマルションの状態での利用も期待できる。また、蛋白質凝縮物と外部の水が入れ替わることを利用して、反応リアクターとして利用することが期待できる。
【0083】
この出願は、2014年5月27日に出願された日本出願特願2014-109154を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0084】
1 複合体
2 蛋白質凝縮物
10 蛋白質
11 水
12 界面活性剤
21 疎水部
22 親水部
23 親蛋白質部
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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