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明細書 :合波器、この合波器を用いた画像投影装置及び画像投影システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成29年4月20日(2017.4.20)
発明の名称または考案の名称 合波器、この合波器を用いた画像投影装置及び画像投影システム
国際特許分類 G02B   6/12        (2006.01)
G02B   6/125       (2006.01)
G02B   6/42        (2006.01)
H01S   5/022       (2006.01)
FI G02B 6/12 331
G02B 6/12 301
G02B 6/125
G02B 6/42
H01S 5/022
国際予備審査の請求
全頁数 25
出願番号 特願2016-517831 (P2016-517831)
国際出願番号 PCT/JP2015/056560
国際公開番号 WO2015/170505
国際出願日 平成27年3月5日(2015.3.5)
国際公開日 平成27年11月12日(2015.11.12)
優先権出願番号 2014097561
優先日 平成26年5月9日(2014.5.9)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】勝山 俊夫
【氏名】中尾 慧
出願人 【識別番号】504145320
【氏名又は名称】国立大学法人福井大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100094525、【弁理士】、【氏名又は名称】土井 健二
【識別番号】100094514、【弁理士】、【氏名又は名称】林 恒徳
【識別番号】100105337、【弁理士】、【氏名又は名称】眞鍋 潔
審査請求 未請求
テーマコード 2H137
2H147
5F173
Fターム 2H137AA17
2H137AB12
2H137AC01
2H137BA37
2H137BA44
2H137BA52
2H137BA53
2H137BB02
2H137BB17
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2H137BC25
2H137BC51
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2H147CA11
2H147CA13
2H147CC02
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2H147CD11
2H147EA10D
2H147EA12C
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2H147GA25
5F173MA10
5F173MB03
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5F173MD64
5F173MF03
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5F173MF28
要約 【課題】レーザ光源のレーザ光の拡がりによる合波部への影響を抑制するとともに、小型化を可能にした合波器を提供する。
【解決手段】 波長の異なる複数の可視光が入射される複数の導波路101,102,103と、この導波路の途中に設けられ少なくとも二つの導波路を伝搬する可視光のモード結合を行う合波部110,120,130と、前記可視光を前記導波路に照射するレーザ光源16a,16b,16cとを備え、前記複数の可視光を波長多重する合波器において、前記レーザ光源に最も近い位置に配置された第1合波部110を備え、この第1合波部110に導入される前記可視光の伝搬軸線Yから離間した位置に光軸Xを有するレーザ光源16a,16cを、所定の拡がり角で拡がるレーザ光の外縁が前記第1合波部の手前を通過するように、前記光軸を前記伝搬軸線に対して傾斜させて配置した。
【選択図】 図3
特許請求の範囲 【請求項1】
波長の異なる複数の可視光が入射される複数の導波路と、この導波路の途中に設けられ少なくとも二つの導波路を伝搬する可視光のモード結合を行う合波部と、前記可視光を前記導波路に照射するレーザ光源とを備え、前記複数の可視光を波長多重する合波器において、
前記レーザ光源に最も近い位置に配置された第1合波部を備え、
この第1合波部に導入される前記可視光の伝搬軸線から離間した位置に光軸を有する前記レーザ光源を、所定の拡がり角で拡がるレーザ光の外縁が前記第1合波部の手前を通過するように、前記光軸を前記伝搬軸線に対して傾斜させて配置したこと、
を特徴とする合波器。
【請求項2】
第1可視光が入射される第1導波路と、前記第1可視光よりも短波長の第2可視光が入射される第2導波路と、前記第2可視光よりも短波長であり、前記第1可視光と前記第2可視光との間の波長間隔よりも前記第2可視光との間の波長間隔が短い波長の第3可視光が入射される第3導波路とを備え、前記第2導波路と前記第3導波路との間で可視光のモード結合を行う第1合波部及び第3合波部と、第1導波路と前記第2導波路との間で可視光のモード結合を行う第2合波部とを有し、前記レーザ光源側から前記第1合波部、第2合波部及び第3合波部の順で配置した合波器において、
前記第1導波路と前記第3導波路用のレーザ光源を、所定の拡がり角で拡がるレーザ光の外縁が前記第1合波部の手前を通過するように、前記光軸を前記伝搬軸線に対して傾斜させて配置したこと、
を特徴とする合波器。
【請求項3】
前記光軸が前記伝搬軸線に対して直角になるように、前記レーザ光源を配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の合波器。
【請求項4】
前記第1可視光が赤色光、前記第2可視光が緑色光、第3可視光が青色光であることを特徴とする請求項3に記載の合波器。
【請求項5】
前記第1合波部と傾斜させて配置した前記他のレーザ光源との間に、前記導波路を伝搬される可視光の光路を屈曲状に変更する屈曲部を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の合波器。
【請求項6】
前記導波路における前記可視光の入射口に光集束手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の合波器。
【請求項7】
前記光集束手段が、前記導波路の入射口に向けて形成された先細状の先端部又は前記導波路の入射口と可視光の光源との間に設けられたレンズであることを特徴とする請求項6に記載の合波器。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の合波器を用いた画像投影装置であって、
前記合波器から出射された前記波長多重光を二次元的に走査して画像を形成する水平走査部及び垂直走査部と、走査された前記波長多重光を被投影面に投影する画像形成部を備えることを特徴とする画像投影装置。
【請求項9】
前記合波器に前記水平走査部及び前記垂直走査部を設けたことを特徴とする請求項8に記載の画像投影装置。
【請求項10】
請求項8又9に記載の画像投影装置を備えた画像投影システムであって、画像データの送受信を行う送受信装置と、画像の撮影を行う撮影装置又は端末装置を含む周辺装置と、前記送受信装置、前記周辺装置及び前記画像投影装置の制御を行う制御装置とを備えたことを特徴とする画像投影システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる波長の複数の可視光を合波する合波器、この合波器を用いた画像投影装置及び画像投影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
マッハツェンダー干渉(MZI)を利用した光学結合デバイスが知られている(例えば特許文献1参照)。このような光結合デバイスを利用すれば、ディスプレイの小型化が期待できる。
特許文献1には、マッハツェンダー干渉(Maha-Zhender Interferometer:以下、MZIと記載)光導波路に異なる波長の異なる2つの可視光を入射し、MZI光導波路の光路長差による位相差によって2つの可視光を合波又は分波する技術が開示されている。ところが、この特許文献1に記載の技術で合波できるのは波長の異なる2つの光に限られることから、少なくともRGBの三つの可視光の合波を必要とする画像形成装置に適用することはできない。
【0003】
そこで、本願出願人は、光の三原色であるRGBの三つの可視光を合波することで、画像投影装置に画像を投影させることを可能とした合波器及び画像投影装置を特許文献2において提案している。
図10は、本願出願人が特許文献2で開示した合波器の説明図で、(a)はその平面図、(b)は導波路の入射口が露出する合波器の側面図である。
合波器10′は、シリコン(Si)で形成された基板210と、この基板210に上に二酸化ケイ素(SiO2)で形成されたBOX層215と、このBOX層215の上にSiO2で形成されたカバー層220と、このカバー層220の中に形成され、BOX層215の上面と平行な平面内に配置された第1導波路101′、第2導波路102′及び第3導波路103′とを備えている。
なお、基板210とBOX層215とカバー層220とで合波器10′の本体100が構成される。
【0004】
第1導波路101′,第2導波路102′及び第3導波路103′には、BOX層215及びカバー層220の一面に露出する入射口101a′,102a′,103a′から、それぞれ波長の異なるシングルモードの赤色光(R:波長λR=620~750nm)、緑色光(G:波長λG=495~570nm)、青色光(B:波長λB=450~495nm)が入射され、このRGB色光のそれぞれが、第1導波路101′,第2導波路102′及び第3導波路103′内を伝搬されつつ合波されて、クラッド層220の他面に露出する第2導波路102′の他端102b′から出射される。
【0005】
第1導波路101′,第2導波路102′及び第3導波路103′は、迷光を生じない間隔で配置される。第2導波路102′の可視光の伝搬経路上には、入射口102a′側から順に第1合波部110,第2合波部120及び第3合波部130が設けられている。第1合波部110,第2合波部120及び第3合波部130は方向性結合器として構成され、第1合波部110及び第3合波部130では第3導波路103が第2導波路102′に接し、第2合波部120では第1導波路101′が第2導波路102′に接して、RGBの可視光の合波が行われるようになっている。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2010-134224号公報
【特許文献2】特開2013-195603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の光導波路型合波器では、光ファイバを介して又は図示するように本体100の一端に取り付けた半導体レーザチップ16a,16b,16cから直接、入射口101a′,102a′,103a′にレーザ光が照射される。
しかし、図11に示すように、光ファイバや半導体レーザチップ16a,16b,16cから照射されるレーザ光は、直進する光軸Xを中心とする角度θ1の拡がり角を有することから、導波路101′,102′,103′から漏れたレーザ光の一部が第1合波部110に照射されて、本来合波すべき可視光以外の可視光が第1合波部110に混在する(以下、迷光という)という問題がある。
このような混在の発生を抑制するためには、導波路101′,102′,103′の間隔s(図10参照)を十分にとって、光ファイバどうしや半導体レーザチップ16a,16b,16cの間隔を十分に開ければよいが、導波路101′,102′,103′の間隔sを大きくするほど合波器10′が大型化するという問題が生じる。
【0008】
また、導波路101′,102′,103′は、図10に示すように隣接して平行に配置されるが、導波路101′,102′,103′同士の間隔sを一定寸法以下に接近させると、導波路101′,102′,103′からエバネッセント波として染み出した光が近接する他の導波路に乗り移り、本来的に伝搬させる可視光に他の可視光が混在して迷光を生じさせる。このような迷光を生じさせない導波路101′,102′,103′の間隔sは概ね30μm以上であることから、理論的には、導波路101′,102′,103′の間隔sは30μm程度まで接近させることが可能である。
【0009】
ところで近年では、チップサイズが幅500μm程度、厚さ100μm程度、長さ500μm程度の極小サイズの半導体レーザチップ16a,16b,16cが市販されるに至っている。しかし、図11に示すように半導体レーザチップ16a,16b,16cを密接させて本体100の一端に配置したとしても、導波路101′,102′,103′の間隔sは最低でも500μmが必要となること、発熱による影響を抑制するために半導体レーザチップ16a,16b,16cの間には隙間が必要となることなどの理由から、合波器10′の幅寸法の短縮には限界があるという問題がある。
さらに、導波路101′,102′,103′がほぼ接触する位置まで近接する第1合波部110から、100μmまで導波路101′,102′,103′の間隔sを拡げるには、導波路101′,102′,103′の湾曲部R(図10参照)の曲率半径を十分に大きく取ったり、湾曲部Rの円弧長を十分に長くとる必要があること、レーザ光には一定の拡がり角があるので、上記したように半導体レーザチップ16a,16b,16cを並べて配置すると、拡がったレーザ光の一部が第1合波部110に照射されて迷光を生じさせるという問題があることから、合波器10′の長さ寸法の短縮にも限界がある。
【0010】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、光ファイバや半導体レーザチップ等のレーザ光源からのレーザ光の拡散による合波部への影響を抑制することができ、迷光を生じさせない範囲内で幅寸法及び長さ寸法を大幅に短縮して小型化を可能にした合波器とこの合波器を利用した画像投影装置及び画像投影システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の合波器は、波長の異なる複数の可視光が入射される複数の導波路と、この導波路の途中に設けられ少なくとも二つの導波路を伝搬する可視光のモード結合を行う合波部と、前記可視光を前記導波路に照射するレーザ光源とを備え、前記複数の可視光を波長多重する合波器において、前記レーザ光源に最も近い位置に配置された第1合波部を備え、この第1合波部に導入される前記可視光の伝搬軸線から離間した位置に光軸を有する前記レーザ光源を、所定の拡がり角で拡がるレーザ光の外縁が前記第1合波部の手前を通過するように、前記光軸を前記伝搬軸線に対して傾斜させて配置した構成としてある。
【0012】
本発明の合波器においては、例えば三原色(赤(R)、緑(G)、青(B))のような三つの可視光を使用することもできる。このようにすることで、本発明の合波器を画像投影装置に適用することが可能になる。すなわち、第1可視光が入射される第1導波路と、前記第1可視光よりも短波長の第2可視光が入射される第2導波路と、前記第2可視光よりも短波長であり、前記第1可視光と前記第2可視光との間の波長間隔よりも前記第2可視光との間の波長間隔が短い波長の第3可視光が入射される第3導波路とを備え、前記第2導波路と前記第3導波路との間で可視光のモード結合を行う第1合波部及び第3合波部と、第1導波路と前記第2導波路との間で可視光のモード結合を行う第2合波部とを有し、前記レーザ光源側から前記第1合波部、第2合波部及び第3合波部の順で配置した合波器において、前記第1導波路と前記第3導波路用のレーザ光源を、所定の拡がり角で拡がるレーザ光の外縁が前記第1合波部の手前を通過するように、前記光軸を前記伝搬軸線に対して傾斜させて配置した構成とすることができる。
このように、所定のレーザ光源の光軸を前記伝搬軸線に対して傾斜させることで、レーザ光の一部が第1合波部に照射されることによる迷光を抑制することができる。
傾斜させる角度は、導波路の入射口と第1合波部の入口までの距離、導波路の間隔及びレーザ光源からのレーザ光の拡がり角によって求めることができる。なお、レーザ光源を傾斜させるとレーザ光が他の導波路を横切ることになり、当該他の導波路に対して迷光の影響を生じさせるおそれがあるが、このような場合も傾斜角を直角とすることで、傾斜角の角度θが0°<θ≦90°の範囲内で前記他の導波路における迷光の影響を最小に抑制することができる。また、傾斜角の角度θを直角にすることで、合波器のサイズを最小にすることができる。
【0013】
前記第1合波部と前記他のレーザ光源との間には、前記導波路を伝搬される可視光の光路を屈曲状に変更する屈曲部を設けるとよい。前記屈曲部は、導波路内で可視光の伝搬方向を、二つの直線が交叉する屈曲状に変更ができるものであればよい。例えば、導波路の一部に回析格子を形成したもの、導波路のコアに向けてトレンチを形成することでミラー(導波路型反射鏡)を形成したもの、導波路のコアの外側にアルミを蒸着するなどしたミラーを配置したものなどを挙げることができる。
このような屈曲部を利用することで、合波器本体の一端と側面とにレーザ光源を配置することが可能になり、合波器の幅と長さを大幅に短縮することが可能になる。また、このような屈曲部を利用することで、半導体レーザチップ等のレーザ光源の配置の自由度が増し、本発明の合波器を利用する画像投影装置等の設計の自由度も高めることができる。
【0014】
前記導波路におけるレーザ光源からのレーザ光の入射口に光集束手段を設けるとよい。例えば前記導波路の先端部を先細状にしたり、レーザ光源と導波路との間にレンズを配置したりするとよい。
なお、屈曲部の屈曲角度は特に限定されないが、例えば導波路型反射鏡を用いた場合は80°~100°の範囲内とするのが好ましい。直角であるのがより好ましい。
【0015】
本発明の合波器を用いた画像投影装置は、上記構成の合波器を用いたもので、前記合波器から出射された前記波長多重光を二次元的に走査して画像を形成する水平走査部及び垂直走査部と、走査された前記波長多重光を被投影面に投影する画像形成部を備える構成としてある。この場合、前記合波器に前記水平走査部及び前記垂直走査部を設けるとよい。このようにすることで、画像投影装置を小型化することができる。
また、上記の画像投影装置を備えた画像投影システムは、画像データの送受信を行う送受信装置と、画像の撮影を行うカメラ等の撮影装置や携帯電話、PC等の端末装置を含む周辺装置と、前記送受信装置、前記周辺装置及び前記画像投影装置の制御を行う制御装置とを備えた構成とすることができる。
上記構成の合波器を用いた本発明の画像投影装置及びこの画像投影装置を備えた画像投影システムは、合波器の小型化により装置及びシステムを小型にできるうえ、合波器に設ける半導体レーザチップ等の光源配置の自由度が高いので、装置及びシステムの設計の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の基本的な概念を説明する図で、(a)は可視光が三つの場合におけるレーザ光源の配置を説明する図である。
【図2】図2(a)は図1(a)の配置の場合のレーザ光源と導波路との関係を示す図、(b)は導波路の途中に直角に屈曲する屈曲部を設けた場合の他の例を示す図である。
【図3】直角に屈曲する屈曲部を備えた合波器の一実施形態にかかる概略平面図である。
【図4】導波路の屈曲部の構成を説明する部分拡大図である。
【図5】光集束手段を設けた導波路の先端部分の拡大図である。
【図6】本発明の合波器10を走査型ディスプレイに適用した一実施形態にかかり、走査型ディスプレイの概略構成図である。
【図7】第2導波路102の他端102b側に水平スキャナ22と垂直スキャナ25を配置した合波器10の概略図である。
【図8】走査型ディスプレイを備えた画像システムの一例にかかり、その構成を説明するブロック図である。
【図9】本発明の合波器の他の実施形態にかかり、四つ以上の可視光を合波する合波器に適用した場合の半導体レーザチップの配置例を示す図である。
【図10】本願出願人が特許文献2で開示した合波器の説明図で、(a)はその平面図、(b)は導波路の入射口が露出する合波器を一端側から見た正面図である。
【図11】レーザ光源から照射されるレーザ光がその拡がりにより第1合波部に照射される様子を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の基本的な概念を説明する図で、可視光が三つの場合におけるレーザ光源の配置を説明する図、図2(a)は図1(a)の配置の場合のレーザ光源と導波路との関係を示す図、(b)は導波路の途中に直角に屈曲する屈曲部を設けた場合の他の例を示す図である。また、図3は、直角に屈曲する屈曲部を備えた合波器の一実施形態にかかる概略平面図、図4は導波路の屈曲部の構成を説明する部分拡大図、図5は光集束手段を設けた導波路の先端部分の拡大図である。

【0018】
[使用できる可視光]
以下に説明する本発明の合波器において合波する3つの可視光は、単色光であって、第1可視光の波長が最も長く、次いで第2可視光の波長が長く、第3可視光の波長が最も短く、かつ、前記第1可視光と前記第2可視光との間の波長間隔よりも前記第2可視光と前記第3可視光との間の波長間隔が短いことが条件となる。
このような条件を満たす可視光としては、波長λR=620~750nmの赤色光(R)、波長λG=495~570nmの緑色光(G)、波長λB=450~495nmの青色光(B)を挙げることができる。これらRGBの3つの波長間には、λB<λG<λRの関係が成立し、この波長範囲の中から、λR-λG>λG-λBなる関係を充たすように、例えば、赤色光として波長λR=640nmのものを、緑色光として波長λG=520nmのものを、青色光として波長λB=455nmのものを選択することができる。

【0019】
[レーザ光源の配置]
この実施形態においては、三つの半導体レーザチップ16a,16b,16cのうち、赤色用の半導体レーザチップ16a及び青色用の半導体レーザチップ16cを、図1に示すようにその光軸Xr,Xbが伝搬軸線Yに対して角度θで交叉するように、傾斜させて配置している。

【0020】
この実施形態において、二つの半導体レーザチップ16a,16cを、その光軸が伝搬軸線Yに対して角度θで傾斜するように配置するのは以下の理由による。すなわち、半導体レーザチップ16a,16cは、半導体レーザチップ16a,最も近くに配置された第1合波部110における可視光の伝搬軸線Yから離間した位置に光軸Xb,Xrを有し、かつ、二つの半導体レーザチップ16a,16cをその光軸Xb,Xrが伝搬軸線Yに対して平行に配置した場合(図11参照)に、角度θ1で拡がるレーザ光が合波部110に照射されて迷光を生じさせ、この迷光が合波に悪影響を及ぼすためである。
一方、真ん中に配置された緑色用の半導体レーザチップ16bについては、伝搬軸線Yとほぼ同じ位置に光軸Xgを有しているので、角度θ1で拡がるレーザ光が合波部110に照射されても第1合波部110における迷光の悪影響をほとんど生じさせないためである。
この実施形態のように、三つの半導体レーザチップ16a,16b,16cのレーザ光を三つの導波路101,102,103に導入して可視光の合波を行う場合は、一般的に両側の半導体レーザチップ16a,16cを傾斜させ、真ん中の半導体レーザチップ16bは傾斜させなくてもよい。

【0021】
角度θは、光軸Xr,Xbを中心として拡がる半導体レーザチップ16a,16cのレーザ光が、半導体レーザチップ16a,16b,16cに最も近い位置に配置された第1合波部110に照射されない角度である。
この角度θは、レーザ光の拡がり角をθ1、入射口101a,102a間(102a,103a間)の距離をd1、入射口102aと第1合波部110の入口との距離をl1としたときに、以下の式で求めることができる。

【0022】
【数1】
JP2015170505A1_000003t.gif

【0023】
例えば、レーザ光の拡がり角θ1=7°、距離d1=500μm、距離l1=900μmの場合は、θ=35.5°となることから、角度θを35.5°より大きくすることで第1合波部110に半導体レーザチップ16a,16cから拡がったレーザ光が照射されないようにすることができる。
角度θは、図2(a)に示すように鋭角としてもよいが、図2(b)に示すように直角とするのが好ましい。このようにすることで、半導体レーザチップ16aからのレーザ光が導波路102に照射される照射長さeを最も短くして、導波路102を伝搬される可視光への迷光の影響を小さくすることができる。

【0024】
角度θを直角にする場合は、導波路101,103の可視光の伝搬効率を維持するために、導波路101,103の途中部位に可視光を反射する屈曲部104,105を設ける。この屈曲部104,105は二つの直線を交叉させたように直線状に折り曲げたもので、臨界角を越えて導波路101,103を折り曲げても可視光を効率良く伝搬できるように、折り曲げた部分に後述するミラー104a,105aや回析格子104b,105b等を設ける。

【0025】
[合波器の全体構成]
図3に、直角に折れ曲がる屈曲部を備えた本発明の合波器の一実施形態を示す。
この合波器10の基本構成は、本願出願人によって特開2013-195603号で開示された合波器(図10に示すもの)と同じで、図10の合波器10′と同一部位、同一部材には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
この合波器10において図10の合波器10′と相違するところは、波長多重された可視光を出射する第2導波路102の可視光の出射方向に対して、第1導波路101及び第3導波路103に入射する可視光B,Rの入射方向が交叉するように、第1導波路101及び第3導波路103の先端部分を屈曲状又は湾曲状に折り曲げている点である。
入射口101a,103aから入射された第1可視光及び第3可視光が、第1導波路101内及び第3導波路103内で光路を変更できるように、第1導波路101及び第3導波路103の先端部分には屈曲部104,105が設けられている。そして、この屈曲部104,105を設けた部分で、第1導波路101及び第3導波路103が屈曲状又は湾曲状に折り曲げられる。

【0026】
屈曲部104,105の一例を図4(a)(b)に示す。
図4(a)の例では、屈曲部104,105に可視光を全反射するミラー104a,105aを配置していて、この部分で第1導波路101及び第3導波路103を屈曲させている。
この実施形態においてミラー104a,105aは、カバー層220の上面からエッチングによって、第1導波路101及び第3導波路103のコアより深い部分まで達するトレンチを形成し、前記トレンチの空気層と前記コアを形成するガラス層との間で光を全反射させる導波路型のものである。
このような導波路型のミラーにおいては、折り曲げ角度αが直角(90°)から大小変化すると入射光率が低下するとともに、反射率が小さくなる。そのため、この種の導波路型のミラーにおいて最適な折り曲げ角度αは90°であるが、入射光率50%を基準とした場合に許容される折り曲げ角度αは77°~100°の範囲内、好ましくは80°~95°の範囲内である。

【0027】
図4(b)に示す例では、屈曲部104,105に回析格子104b,105bを形成している。そして、回析格子104b,105bを形成した部分で導波路101,103を折り曲げ角度αで屈曲状に折り曲げる。
図4(c)の例では、曲率半径Rで第1導波路101及び第3導波路103を湾曲状に折り曲げている。湾曲部104c,105cには、必要に応じてミラーや回析格子等の反射手段を設けてもよい。
その他、屈曲状又は湾曲状に折り曲げた部分で光路を変更する手段としては、例えば特開2004-191564号公報や特開平10-246827号公報等で公知のものを用いることができる。

【0028】
[光入力部]
この実施形態では、基板210の長さ及び幅をカバー層220及びBOX層215の長さ及び幅よりも少し大きく形成していて、カバー層220及びBOX層215から張り出す部分(シロ部分)に、第1導波路101、第2導波路102及び第3導波路103に可視光を入射させる光源としての半導体レーザチップ16a,16b,16cを配置している。
半導体レーザチップ16a,16b,16cと第1導波路101、第2導波路102及び第3導波路103の入射口101a,102a,103aとは、基板210の厚さを調整することで位置合わせをすることができる。
半導体レーザチップ16a,16b,16cの大きさは、幅500μm程度、厚さ100μm程度、長さ500μm程度であるので、半導体レーザチップ16a,16b,16cは光合波器10に一体に設けることができる。

【0029】
また、第1導波路101、第2導波路102及び第3導波路103の入射口101a,102a,103aには、半導体レーザチップ16a,16b,16cからのレーザ光を高効率で導波路101,102,103に導くように、レーザ光集束手段を設けるのが好ましい。
図5にレーザ光集束手段の一例を示す。なお、図5では、第1導波路101の場合のみを例に挙げて図示しているが、第2導波路102及び第3導波路103の場合も同様である。
図5(a)に示す例では、第1導波路101の先端を先細のテーパ状に形成している。テーパの形態((D-d)/L)は1/100程度を目安とすることができる。
図5(b)に示す例では、半導体レーザチップ16aと入射口101aとの間に微小なレンズ17を配置している。
このようなレーザ光集束手段を設けることで、半導体レーザチップ16a,16b,16cのような超小型のレーザ光源から高効率で可視光を導波路101,102,103に入射させることができる。

【0030】
[作用]
上記構成の合波器10では、三つの導波路101,102,103のうち、直線状に伸びる第2導波路102の両側の第1導波路101及び第3導波路103の先端を屈曲部104,105でほぼ直角に折り曲げることで、合波器10の本体100の対向する側面に、第1導波路101の入射口101aと第3導波路103の入射口103aとを位置させることが可能になる。そして、レーザ光源である半導体レーザチップ16a,16b,16cのうち、第2導波路102に緑色光を照射する半導体レーザチップ16bを合波器10の本体100の一端に配置し、赤色光と青色光を照射する半導体レーザチップ16a,16cを合波器10の本体100の両側面に配置することが可能になる。
そのため、第1導波路101及び第3導波路103を折り曲げた分だけ本体100の全長を短くできるほか、半導体レーザチップ16a,16cを本体100の側面に配置することで第1導波路101及び第3導波路103と第2導波路102との間隔sを接近させて本体100の全幅を小さくすることができ、半導体レーザチップ16a,16b,16cを備えた光源一体形の合波器10の小型化を図ることができる。また、折り曲げ角度αを適宜に変更することで半導体レーザチップ16a,16cの配置位置を変更することができ、合波器10の設計の自由度を高めることができる。

【0031】
[走査型ディスプレイの構成]
図6は、上記構成の合波器10を走査型ディスプレイに適用した一実施形態にかかり、走査型ディスプレイの概略構成図である。
図6に示すように、走査型ディスプレイ1は、一体に構成された制御ユニット1aと表示ユニット1bとを有する。
表示ユニット1bは、例えば米国特許出願公開2010/0073262号公報などに開示されているように、メガネ型の装着具などを用いて、制御ユニット1aとともに使用者の頭部に装着することができる。

【0032】
制御ユニット1aは、制御部12と、操作部13と、外部インターフェース(I/F)14と、Rレーザドライバ15aと、Gレーザドライバ15bと、Bレーザドライバ15cと、半導体レーザチップ16a,16b,16cを一体に備えた合波器10とを有する。制御部12は、例えばCPU、ROM、RAMを含むマイコンなどで構成される。制御部12は、PCなどの外部機器から外部I/F14を介して供給される画像データに基づいて、画像を合成するための要素となるR信号、G信号、B信号、水平信号及び垂直信号を発生する。制御部12は、R信号をRレーザドライバ15aに、G信号をGレーザドライバ15bに、B信号をBレーザドライバ15cに、それぞれ送信する。

【0033】
制御部12は、水平信号を水平走査ドライバ23に、垂直信号を垂直走査ドライバ26にそれぞれ送信する。水平信号及び垂直信号には、水平スキャナ22及び垂直スキャナ25の動作のタイミングを決定する同期信号や、水平走査ドライアb23及び垂直走査ドライバ26から水平スキャナ22及び垂直スキャナ25に送信される駆動信号の電圧や周波数を設定する駆動設定信号などが含まれる。

【0034】
操作部13は、使用者からの走査を受け付ける各種ボタンと、各種ボタンが押下された際に発生する操作信号を制御部12に送信するインターフェース回路などによって構成される。使用者からの操作を受け付ける各種ボタンは、例えば、制御ユニット1aの筐体表面に設けられる。外部I/F14は、制御ユニット1aとPCなどの外部機器とを電気的に接続するためのインターフェースである。

【0035】
Rレーザドライバ15aは、制御部12からのR信号に応じた光量の赤色レーザを発生させるように、半導体レーザチップ16aを駆動する。Gレーザドライバ15bは、制御部12からのG信号に応じた光量の緑色レーザを発生させるように、半導体レーザチップ16bを駆動する。Bレーザドライバ15cは、制御部12からのB信号に応じた光量の青色レーザを発生させるように、半導体レーザチップ16cを駆動する。各色のレーザ光の強度比を調整することによって、所望の色を有するレーザ光が合成可能となる。半導体レーザチップ16a,16b,16cから発生した各色のレーザ光は合波器10の導波路101,102,103にそれぞれ入射され、波長多重光として合波された状態で、合波器10から出射される。出射されたレーザ光は、信号線に含まれる光ファイバを介して、表示ユニット1bに伝達される。

【0036】
表示ユニット1bは、コリメート光学系21と、水平スキャナ22と、水平走査ドライバ23と、レンズ24a,24bを備えるリレー光学系24と、垂直スキャナ25と、垂直走査ドライバ26と、レンズ27a,27bを備える接眼光学系27とを有する。
コリメート光学系21は、光ファイバから出射したレーザ光を平行光に変換する。平行光に変換されたレーザ光は、水平スキャナ22に入射する。
水平スキャナ22は、コリメート光学系21からのレーザ光を水平方向に操作する。具体的には、水平スキャナ22は、揺動する反射面を有する。反射面が揺動することで、反射面に入射したレーザ光は、水平方向に走査させる。水平スキャナ22は、例えば、圧電素子を用いて用道する共振型のMEMS(MicroElectroMechanical System)ミラーで構成可能である。水平走査ドライバ23は、制御部12からの水平同期信号に従って、水平スキャナ22の揺動状態を制御する。水平走査されたレーザ光は、リレー光学系24に入射する。

【0037】
垂直スキャナ25は、リレー光学系24からのレーザ光を垂直方向に走査する。具体的には、垂直スキャナ25は、揺動する反射面を有する。反射面が揺動することで、反射面に入射したレーザ光は、垂直方向に走査される。例えば、揺動するMEMSミラーで構成可能である。垂直走査ドライバ26は、制御部12からの垂直同期信号にしたがって、垂直スキャナ25の揺動状態を制御する。ここで、レーザ光は、水平スキャナ22によって水平方向に捜査せれているので、垂直スキャナ25によって二次元的に走査された画像光となる。二次元走査された画像光は、接眼光学系27に入射する。

【0038】
水平スキャナ22及び垂直スキャナ25は、本発明の合波器10に一体に設けることが可能である。
図7は、第2導波路102の他端102b側に水平スキャナ22と垂直スキャナ25を配置した合波器10の概略図である。
このように、水平スキャナ22及び垂直スキャナ25を合波器10に一体に設ければ、リレー光学系24及びコリメート光学系21は不要にすることができる。そして、水平走査ドライバ23と垂直走査ドライバ26を制御装置12に組み込むことで、制御ユニット1aと表示ユニット1bを一体にして構成を簡素化することができ、かつ、走査型ディスプレイ1を小型にすることができる。

【0039】
図8は、上記構成の走査型ディスプレイを備えた画像システムの一例にかかり、その構成を説明するブロック図である。
制御部19は、カメラ17等で撮影された画像信号やパソコン等のメモリに格納された画像データを受け取り、走査型ディスプレイ1に当該画像を表示させる。また、制御部19に送受信部18を接続することで、外部のサーバーやコンピュータ、インターネット、携帯電話等に接続することが可能になる。なお、制御部19は走査型ディスプレイの制御部12を用いることが可能である。そして、本願発明の合波器10を用いれば、このような画像システムを1cm角以下の小型にすることが可能である。

【0040】
[実施例]
次に本発明の合波器10の具体的な実施例について説明する。
この実施例では、SiO2で形成された厚さ35μm、長さ6mm、幅1mmの矩形状の基板210の上に、厚さ15μmのBOX層215を堆積・形成し、このBOX層215の上面に3本の導波路101,102,103を形成した。導波路101,102,103は、SiO2ガラスにGeO2をドープしたガラスからなり、周囲のクラッドとの屈折率差は0.5%とした。導波路101,102,103は2μm角の断面矩形状とした。そして、導波路101,102,103を、20μmの厚さのSiO2ガラスのカバー層220でカバーした。

【0041】
BOX層215及びカバー層220は基板210よりも若干小さくし、一端側と左右両側には、幅500μm、厚さ100μm、長さ500μmの大きさの半導体レーザチップ16a,16b,16cを基板210に取り付けることができるシロ部分を設けた。なお、基板210は半導体レーザチップ16a,16b,16cからの熱を放熱しやすいように、放熱性の高い高濃度ドープp型(抵抗値:1000Ωcm〉を用いた。
導波路101,103の入射口101a,103aから300μm離れたところに、光路を直角(90°)方向に変更する屈曲部104,105を設けた。屈曲部104,105は、カバー層220の表面から深さ25μmまで幅10μm、縦幅5μmの大きさで形成した矩形状のトレンチを有し、このトレンチの内壁面を導波路101,103のコアの内壁面に垂直に交叉させた。

【0042】
前記トレンチの壁面での光の全反射の臨界角は、SiO2系ガラスの屈折率を1.45として43.6°と求められ、87.2°のほぼ直角の角度で光路を変更することができる。
基板210の前記シロ部分に半導体レーザチップ16a,16b,16cを取り付ける。基板210の大きさは長さ6mm、幅1mmで、半導体レーザチップ16a,16b,16cを含めた合波器10の大きさは長さ7mm、幅2mm、肉厚500μmであった。
なお、このサイズの合波器10においては、半導体レーザチップ16bの光軸Xgが伝搬軸線Yとほぼ同じ位置にあるか多少ずれていても(ずれ量の目安は概ね±30μm以内)、角度θ1で拡がる可視光による第1合波部110への迷光の影響が小さいため、半導体レーザチップ16bは傾斜させなくてもよい。

【0043】
上記構成の合波器10の導波路101,102,103に、半導体レーザチップ16a,16b,16cからRGBの可視光を入射させた。その結果、トレンチの壁面で反射され光路を直角方向に変えた可視光は、反射直後は安定な伝搬モードから光パワーの横方向分布がずれてしまうが、シミュレーションの結果から、波長の10倍以上導波路101,103を伝搬させることにより、安定モードに落ち着くことがわかった。

【0044】
そして、図4(a)における光路変更後の直線部分の距離aを波長の10倍以上にすれば、導波路101,103から導波路102に可視光が乗り移る割合を無視できるほど小さくできることがわかった。このため、距離aを波長の10倍以上にすれば、合波部110,120,130の長さを長くする必要がなく、合波器10の全長も長くなることはない。

【0045】
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の説明に限定されるものではない。
例えば、半導体レーザチップ16bについても光軸Xgが伝搬軸線Yに対して交叉するように傾斜させて配置してもよい。
また、3つの可視光としてRGB色光を例に挙げて説明したが、本発明の合波器はRGB以外の三つの可視光にも適用が可能である。また、四つ以上の可視光を合波する合波器にも適用が可能である。この場合は、例えば図9(a)(b)に示すように半導体レーザチップ16a~16dを配置すればよい。

【0046】
さらに、導波路101,102,103及び半導体レーザチップ16a,16b,16cの配置は、上記のような二次元的なものに限られず、例えば導波路102を中心とする円周上に導波路101,103や半導体レーザチップ16a,16cを配置するなど、三次元的なものであってもよい。
また、上記の説明では、カバー層220の内部にコア層を埋め込むことで導波路101,102,103を一体的に形成しているが、コア層とクラッド層とからなる導波路101,102,103を別々に形成し、基板等の支持体上に配置するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では導波路型のミラーを例に挙げて説明しているが、他の形態のミラーであってもよく、例えば第1導波路101及び第3導波路103のコアの外側にアルミを蒸着したミラー面を形成したものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の合波器は、単色光である複数の可視光を合波して画像投影等する装置に広く適用が可能であり、使用者の網膜上に合波した光を走査させた画像投影を行う網膜走査形ディスプレイの他、レーザ光を走査させて画像を投影するレーザーディスプレイにも適用が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1a 制御ユニット
1b 表示ユニット
10 合波器
101 第1導波路
102 第2導波路
103 第3導波路
104,105 屈曲部
104a,105a ミラー
104b、105b 回析格子
104c、105c 湾曲部
110 第1合波部
120 第2合波部
130 第3合波部
16a,16b,16c 半導体レーザチップ

図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10