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明細書 :制御装置、制御システム、操縦装置及び移動体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-051504 (P2017-051504A)
公開日 平成29年3月16日(2017.3.16)
発明の名称または考案の名称 制御装置、制御システム、操縦装置及び移動体
国際特許分類 A61D  99/00        (2006.01)
FI A61D 99/00
請求項の数または発明の数 21
出願形態 OL
全頁数 24
出願番号 特願2015-178940 (P2015-178940)
出願日 平成27年9月10日(2015.9.10)
発明者または考案者 【氏名】小林 琢磨
【氏名】岡本 仁
出願人 【識別番号】503359821
【氏名又は名称】国立研究開発法人理化学研究所
個別代理人の代理人 【識別番号】110000877、【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
審査請求 未請求
要約 【課題】 生体の脳に埋植したセンサから収集した情報を利用して、生体の外部機器を制御するシステムは知られていない。
【解決手段】 補装具又は移動体、及び、刺激部の少なくとも一方を制御するための制御信号を生成する制御信号生成部を備え、制御信号生成部は、(i)補装具又は移動体を使用する動物の生体組織からの光の強度に関する情報を取得し、当該情報に基づいて、補装具又は移動体を制御するための制御信号を生成する処理、(ii)動物の外部環境の情報を取得し、当該情報に基づいて、1以上の刺激部の少なくとも1つを制御するための制御信号を生成する処理、及び、(iii)第1の生体組織からの光の強度に関する情報を取得し、当該情報に基づいて、1以上の刺激部のうち、第2の生体組織を刺激する刺激部を制御するための制御信号を生成する処理、の少なくとも1つの処理を実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
動物により使用される補装具又は移動体、及び、動物の組織に刺激を与える1以上の刺激部の少なくとも一方を制御する制御装置であって、
前記補装具又は前記移動体、及び、前記刺激部の少なくとも一方を制御するための制御信号を生成する制御信号生成部を備え、
前記制御信号生成部は、
(i)前記補装具又は移動体を使用する動物の生体組織からの光の強度に関する情報を取得し、当該情報に基づいて、前記補装具又は前記移動体を制御するための前記制御信号を生成する処理、
(ii)前記動物の外部環境の情報を取得し、当該情報に基づいて、前記1以上の刺激部の少なくとも1つを制御するための前記制御信号を生成する処理、及び、
(iii)第1の生体組織からの光の強度に関する情報を取得し、当該情報に基づいて、前記1以上の刺激部のうち、第2の生体組織を刺激する刺激部を制御するための前記制御信号を生成する処理、
の少なくとも1つの処理を実行する、
制御装置。
【請求項2】
前記補装具又は前記移動体を使用する動物の脳細胞からの光の強度に関する情報を示す検出信号を出力する光検出部から、前記検出信号を受信し、前記検出信号に基づいて、前記動物の脳の活動状態を示す活動情報を生成する活動情報生成部と、
脳内の活動位置及び前記活動位置における活動強度により表される活動パターンを格納する活動パターン格納部を参照して、前記活動情報生成部が生成した前記活動情報に基づいて、前記動物の脳の活動パターンを決定する活動パターン決定部と、
をさらに備え、
前記補装具又は前記移動体は、1以上の駆動部を有し、
前記制御信号生成部は、前記活動パターン決定部が決定した前記動物の脳の活動パターンに基づいて、前記1以上の駆動部の少なくとも1つを制御するための制御信号を生成する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記光検出部は、2次元的に配列された複数の受光素子を有し、
前記複数の受光素子は、前記脳細胞からの光を受光し、
前記検出信号は、前記脳細胞からの光の2次元的な強度分布に関する情報を示す、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記光検出部は、前記動物の脳に照射された第1の波長を有する光により励起された前記脳細胞が放出した光を受光する、
請求項2又は請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記活動パターンと、前記補装具又は前記移動体の駆動パターンとを対応付けて格納する制御情報格納部をさらに備え、
前記制御信号生成部は、
前記制御情報格納部を参照して、前記活動パターン決定部が決定した前記動物の脳の活動パターンに対応する前記駆動パターンを抽出し、
抽出された駆動パターンに基づいて、前記制御信号を生成する、
請求項2から請求項4までの何れか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記1以上の刺激部の少なくとも1つと対応付けられ、前記動物の外部環境の情報を取得するセンサからの出力信号を受信する受信部をさらに備え、
前記制御信号生成部は、前記受信部が取得した出力信号に基づいて、前記1以上の刺激物のうち、前記センサに対応づけられた刺激部を制御するための制御信号を生成する、
請求項2から請求項5までの何れか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記活動情報生成部が生成した前記活動情報に基づいて、前記動物の運動パターンを決定する運動パターン決定部をさらに備え、
前記第1の生体組織は、前記動物の脳の第1領域に存在する組織であり、
前記第2の生体組織は、前記動物の脳の第2領域に存在する組織であり、
前記活動情報生成部は、前記第1の生体組織からの光の強度に関する情報を示す検出信号に基づいて、前記動物の脳の活動状態を示す活動情報を生成し、
前記制御信号生成部は、前記運動パターン決定部が決定した前記運動パターンに基づいて、前記1以上の刺激部のうち、前記第2の生体組織を刺激する刺激部を制御するための制御信号を生成し、
前記第2領域は、前記第1領域とは異なる領域である、
請求項2から請求項6までの何れか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
請求項2から請求項7までの何れか一項に記載の制御装置と、
前記補装具又は前記移動体と、
前記光検出部と、
を備える、制御システム。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1から請求項7までの何れか一項に記載の制御装置として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
前記動物の外部環境の情報を取得するセンサからの出力信号を受信する受信部をさらに備え、
前記センサは、前記1以上の刺激部の少なくとも1つと対応付けられ、
前記1以上の刺激部の少なくとも1つは、前記動物の知覚野の脳細胞に刺激を与えるように構成され、
前記制御信号生成部は、前記受信部が取得した出力信号に基づいて、前記1以上の刺激部のうち、前記センサに対応づけられた刺激部を制御するための制御信号を生成する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項11】
前記センサは、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、イメージセンサ、臭気センサ、味覚センサ、磁気センサ、及び、マイクからなる群から選択される少なくとも1つである、
請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記制御信号生成部は、前記出力信号に含まれる前記センサの測定対象の強度に関する情報に基づいて、前記センサに対応づけられた刺激部が出力する刺激の強度、及び、前記刺激を出力するタイミングの少なくとも一方を制御するための制御信号を生成する、
請求項10又は請求項11に記載の制御装置。
【請求項13】
請求項10から請求項12までの何れか一項に記載の制御装置と、
前記刺激部と、
前記センサと、
を備える、制御システム。
【請求項14】
コンピュータを、請求項10から請求項12までの何れか一項に記載の制御装置として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
動物の前記第1の生体組織からの光の強度に関する情報を示す検出信号を出力する光検出部から前記検出信号を受信し、前記検出信号に基づいて、前記第1の生体組織の活動状態を示す活動情報を生成する活動情報生成部と、
前記活動情報生成部が生成した前記活動情報に基づいて、前記動物の運動パターンを決定する運動パターン決定部と、
前記運動パターン決定部が決定した前記運動パターンに基づいて、前記1以上の刺激部の少なくとも1つを制御するための制御信号を生成する制御信号生成部と、
を備え、
前記1以上の刺激部の少なくとも1つは、前記動物の前記第2の生体組織を刺激するように構成されており、
前記第2の生体組織は、前記第1の生体組織とは異なる位置に配される組織である、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項16】
前記第1の生体組織は、脳の知覚野の一部に存在する組織であり、
前記第2の生体組織は、前記脳の運動野の一部に存在する組織である、
請求項15に記載の制御装置。
【請求項17】
前記第1の生体組織及び前記第2の生体組織は、体細胞である、
請求項15に記載の制御装置。
【請求項18】
コンピュータを、請求項15から請求項17までの何れか一項に記載の制御装置として機能させるためのプログラム。
【請求項19】
動物(ヒトを除く。)が移動体を操縦するための操縦装置であって、
前記動物を収容する収容部と、
前記収容部に回転可能に取り付けられ、前記動物の脚の動きに連動して回転する回転部材と、
前記回転部材の動きを検出する検出部と、
前記検出部が検出した前記回転部材の動きに基づいて前記移動体の駆動部を制御するための制御信号を生成する制御信号生成部と、
を備える、
操縦装置。
【請求項20】
前記動物は、齧歯類の動物である、
請求項19に記載の操縦装置。
【請求項21】
請求項19又は請求項20に記載の操縦装置を備えた移動体。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御システム、操縦装置及び移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生体組織に刺激を与えて、当該生体組織内で発生する情報を収集したり、収集された情報に基づいて当該生体組織に刺激を与えたりするシステムが研究されている(特許文献1を参照)。また、脳波を利用して移動体を制御するシステムが研究されている(特許文献2を参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2012-95803号公報
[特許文献2]国際公開第2010/050113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、生体の脳からの光を検出して、生体の外部機器を制御するシステムは知られていない。また、生体の外部環境に関する情報に基づいて、生体の脳細胞を刺激するシステムは知られていない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、動物により使用される補装具又は移動体、及び、動物の組織に刺激を与える1以上の刺激部の少なくとも一方を制御する制御装置が提供される。上記の制御装置は、補装具又は移動体、及び、刺激部の少なくとも一方を制御するための制御信号を生成する制御信号生成部を備える。上記の制御装置において、制御信号生成部は、(i)補装具又は移動体を使用する動物の生体組織からの光の強度に関する情報を取得し、当該情報に基づいて、補装具又は移動体を制御するための制御信号を生成する処理、(ii)動物の外部環境の情報を取得し、当該情報に基づいて、1以上の刺激部の少なくとも1つを制御するための制御信号を生成する処理、及び、(iii)第1の生体組織からの光の強度に関する情報を取得し、当該情報に基づいて、1以上の刺激部のうち、第2の生体組織を刺激する刺激部を制御するための制御信号を生成する処理、の少なくとも1つの処理を実行する。
【0005】
上記の制御装置は、補装具又は移動体を使用する動物の脳細胞からの光の強度に関する情報を示す検出信号を出力する光検出部から、検出信号を受信し、検出信号に基づいて、動物の脳の活動状態を示す活動情報を生成する活動情報生成部を備えてよい。上記の制御装置は、脳内の活動位置及び活動位置における活動強度により表される活動パターンを格納する活動パターン格納部を参照して、活動情報生成部が生成した活動情報に基づいて、動物の脳の活動パターンを決定する活動パターン決定部を備えてよい。上記の制御装置において、補装具又は移動体は、1以上の駆動部を有してよい。上記の制御装置において、制御信号生成部は、活動パターン決定部が決定した動物の脳の活動パターンに基づいて、1以上の駆動部の少なくとも1つを制御するための制御信号を生成してよい。
【0006】
上記の制御装置において、光検出部は、2次元的に配列された複数の受光素子を有してよい。上記の制御装置において、複数の受光素子は、脳細胞からの光を受光してよい。上記の制御装置において、検出信号は、脳細胞からの光の2次元的な強度分布に関する情報を示す信号であってよい。上記の制御装置において、光検出部は、動物の脳に照射された第1の波長を有する光により励起された脳細胞が放出した光を受光してよい。
【0007】
上記の制御装置は、活動パターンと、補装具又は移動体の駆動パターンとを対応付けて格納する制御情報格納部を備えてよい。上記の制御装置において、制御信号生成部は、制御情報格納部を参照して、活動パターン決定部が決定した動物の脳の活動パターンに対応する駆動パターンを抽出し、抽出された駆動パターンに基づいて、制御信号を生成してよい。上記の制御装置は、1以上の刺激部の少なくとも1つと対応付けられ、動物の外部環境の情報を取得するセンサからの出力信号を受信する受信部を備えてよい。上記の制御装置において、制御信号生成部は、受信部が取得した出力信号に基づいて、1以上の刺激物のうち、センサに対応づけられた刺激部を制御するための制御信号を生成してよい。
【0008】
上記の制御装置は、活動情報生成部が生成した活動情報に基づいて、動物の運動パターンを決定する運動パターン決定部を備えてよい。上記の制御装置において、第1の生体組織は、動物の脳の第1領域に存在する組織であり、第2の生体組織は、動物の脳の第2領域に存在する組織であってよい。第2領域は、第1領域とは異なる領域であってよい。上記の制御装置において、活動情報生成部は、第1の生体組織からの光の強度に関する情報を示す検出信号に基づいて、動物の脳の活動状態を示す活動情報を生成してよい。上記の制御装置において、制御信号生成部は、運動パターン決定部が決定した運動パターンに基づいて、1以上の刺激部のうち、第2の生体組織を刺激する刺激部を制御するための制御信号を生成してよい。
【0009】
上記の制御装置は、動物の外部環境の情報を取得するセンサからの出力信号を受信する受信部を備えてよい。センサは、1以上の刺激部の少なくとも1つと対応付けられていてよい。上記の制御装置において、1以上の刺激部の少なくとも1つは、動物の知覚野の脳細胞に刺激を与えるように構成されてよい。上記の制御装置において、制御信号生成部は、受信部が取得した出力信号に基づいて、1以上の刺激部のうち、センサに対応づけられた刺激部を制御するための制御信号を生成してよい。
【0010】
上記の制御装置において、センサは、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、イメージセンサ、臭気センサ、味覚センサ、磁気センサ、及び、マイクからなる群から選択される少なくとも1つであってよい。上記の制御装置において、制御信号生成部は、出力信号に含まれるセンサの測定対象の強度に関する情報に基づいて、センサに対応づけられた刺激部が出力する刺激の強度、及び、刺激を出力するタイミングの少なくとも一方を制御するための制御信号を生成してよい。
【0011】
上記の制御装置は、動物の第1の生体組織からの光の強度に関する情報を示す検出信号を出力する光検出部から検出信号を受信し、検出信号に基づいて、第1の生体組織の活動状態を示す活動情報を生成する活動情報生成部を備えてよい。上記の制御装置は、活動情報生成部が生成した活動情報に基づいて、動物の運動パターンを決定する運動パターン決定部を備えてよい。上記の制御装置は、運動パターン決定部が決定した運動パターンに基づいて、1以上の刺激部の少なくとも1つを制御するための制御信号を生成する制御信号生成部を備えてよい。上記の制御装置において、1以上の刺激部の少なくとも1つは、動物の第2の生体組織を刺激するように構成されてよい。第2の生体組織は、第1の生体組織とは異なる位置に配される組織であってよい。上記の制御装置において、第1の生体組織は、脳の知覚野の一部に存在する組織であり、第2の生体組織は、脳の運動野の一部に存在する組織であってよい。上記の制御装置において、第1の生体組織及び第2の生体組織は、体細胞であってよい。
【0012】
本発明の第2の態様においては、上記の制御装置を備える制御システムが提供される。上記の制御システムは、上記の制御装置と、補装具又は移動体と、光検出部とを備えてよい。上記の制御システムは、上記の制御装置と、刺激部と、センサとを備えてよい。
【0013】
本発明の第3の態様においては、コンピュータを上記の制御装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0014】
本発明の第4の態様においては、動物(ヒトを除く。)が移動体を操縦するための操縦装置が提供される。上記の操縦装置は、動物を収容する収容部を備える。上記の操縦装置は、収容部に回転可能に取り付けられ、動物の脚の動きに連動して回転する回転部材を備える。上記の操縦装置は、回転部材の動きを検出する検出部を備える。上記の操縦装置は、検出部が検出した回転部材の動きに基づいて移動体の駆動部を制御するための制御信号を生成する制御信号生成部を備える。上記の動物は、齧歯類の動物であってよい。
【0015】
本発明の第5の態様においては、上記の操縦装置を備えた移動体が提供される。
【0016】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】補装具制御システム100のシステム構成の一例を概略的に示す。
【図2】コントローラ130のシステム構成の一例を概略的に示す。
【図3】データ処理部210のシステム構成の一例を概略的に示す。
【図4】コントローラ130における情報処理の一例を概略的に示す。
【図5】コントローラ130における情報処理の一例を概略的に示す。
【図6】コントローラ130における情報処理の一例を概略的に示す。
【図7】装軌車両700の一例を概略的に示す。
【図8】操縦部710の一例を概略的に示す。
【図9】操縦部710の一例を概略的に示す。
【図10】制御回路750の一例を概略的に示す。
【図11】移動体制御システム1100のシステム構成の一例を概略的に示す。
【図12】マウスによる操縦実験の結果の一例を示す。
【図13】マウスによる操縦実験の結果の一例を示す。
【図14】マウスによる操縦実験の結果の一例を示す。
【図15】マウスを用いた実験結果の一例を示す。
【図16】マウスを用いた実験結果の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。

【0019】
図1は、補装具制御システム100のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、補装具制御システム100は、イメージセンサ110と、刺激光用LED120と、コントローラ130と、義肢140とを備える。義肢140は、アクチュエータ142と、圧力センサ144とを有してよい。補装具制御システム100は、複数のイメージセンサ110を有してもよい。補装具制御システム100は、複数の刺激光用LED120を有してもよい。義肢140は、複数のアクチュエータ142を有してもよい。義肢140は、複数の圧力センサ144を有してもよい。

【0020】
補装具制御システム100は、制御システムの一例であってよい。イメージセンサ110は、光検出部の一例であってよい。刺激光用LED120は、刺激部の一例であってよい。コントローラ130は、制御装置の一例であってよい。義肢140は、補装具の一例であってよい。アクチュエータ142は、駆動部の一例であってよい。圧力センサ144は、センサの一例であってよい。

【0021】
一実施形態において、補装具制御システム100は、イメージセンサ110からの出力に応じて、義肢140のアクチュエータ142の動作を制御する。例えば、イメージセンサ110が、運動野の脳細胞からの光を検出する場合、補装具制御システム100は、ユーザの意識に応じて、アクチュエータ142の動作を制御することができる。例えば、イメージセンサ110が、知覚野の脳細胞からの光を検出する場合、補装具制御システム100は、ユーザの反射を制御することができる。

【0022】
他の実施形態において、補装具制御システム100は、義肢140の圧力センサ144からの出力に応じて、刺激光用LED120における刺激光の出射を制御する。刺激光用LED120が、知覚野の脳細胞に向かって刺激光を出射する場合、例えば、触覚又は痛覚を再現することのできる補装具を実現することができる。刺激光用LED120が、運動野の脳細胞に向かって刺激光を出射する場合、反射を制御することができる。

【0023】
他の実施形態において、補装具制御システム100は、イメージセンサ110からの出力に応じて、刺激光用LED120における刺激光の出射を制御する。一実施形態において、イメージセンサ110は、知覚野の脳細胞からの光を検出し、刺激光用LED120は、運動野の脳細胞に向かって刺激光を出射する。知覚野の脳細胞は、第1の生体組織の一例であってよい。運動野の脳細胞は、第2の生体組織の一例であってよい。これにより、例えば、パーキンソン病などの治療に利用したり、反射を制御したりすることができる。他の実施形態において、イメージセンサ110は、運動野の脳細胞からの光を検出し、刺激光用LED120は、知覚野の脳細胞に向かって刺激光を出射する。運動野の脳細胞は、第1の生体組織の一例であってよい。知覚野の脳細胞は、第2の生体組織の一例であってよい。これにより、例えば、無痛症などの治療に利用したり、義肢140の可動範囲、加速度などを調整して、ユーザの身体の損傷を防止したりすることができる。他の実施形態において、イメージセンサ110は、動物の身体の特定の部位に存在する体細胞からの光を検出し、刺激光用LED120は、当該動物の身体の他の部位に存在する体細胞に向かって刺激光を出射する。特定の部位に存在する体細胞は、第1の生体組織の一例であってよい。他の部位に存在する体細胞は、第2の生体組織の一例であってよい。

【0024】
さらに他の実施形態において、補装具制御システム100は、まず、同一ユーザ又は他のユーザの学習過程における、イメージセンサ110からの出力を記録する。学習対象は、運動であってもよく、知識の記憶又は忘却であってもよい。次に、補装具制御システム100は、イメージセンサ110からの出力を解析して、学習過程における脳の活動状態をシミュレートするためのデータを生成する。次に、刺激光用LED120が、上記のデータに基づいて、刺激光を出射する。

【0025】
これにより、自己又は他人の過去の学習を追体験することができ、学習効率を向上させることができる。例えば、刺激光用LED120が、ユーザが寝ている間にユーザの脳細胞を刺激することで、効果的な睡眠学習を実現することができる。なお、補装具制御システム100は、同一ユーザ又は他のユーザの学習終了時における、イメージセンサ110からの出力を記録して、同様の処理を実施してもよい。

【0026】
本実施形態において、イメージセンサ110は、生体の細胞からの光を受光して、生体の細胞からの光の2次元的な強度分布に関する情報を示す検出信号を出力する。イメージセンサ110は、2次元的に配列された複数の受光素子を有してよい。細胞からの光は、細胞を透過した光であってもよく、細胞の表面又は内部で反射した光であってもよく、細胞から放出された光であってもよい。

【0027】
例えば、ヘモグロビンなどの血液中の成分により吸収されやすい波長の光を細胞に照射して、当該細胞の透過光又は当該細胞からの反射光を検出及び解析することで、血流量の増減を検出することができる。また、細胞から放出された光としては、第1の波長を有する光(励起光と称する場合がある。)により励起された細胞が放出した、第2の波長を有する光(蛍光と称する場合がある。)を例示することができる。第2の波長は、第1の波長と異なってよい。なお、補装具制御システム100は、刺激用の光源とは別に、照明用の光源、及び、励起用の光源の少なくとも一方を有してもよい。

【0028】
本実施形態において、イメージセンサ110は、生体内に埋植される。例えば、イメージセンサ110は、生体の脳の知覚野の少なくとも一部に埋設される。イメージセンサ110は、生体の脳の運動野の少なくとも一部に埋設されてもよい。これにより、埋設箇所の近傍の脳細胞の活動を把握することができる。なお、他の実施形態において、イメージセンサ110は生体内に埋植されなくてもよい。

【0029】
イメージセンサ110は、例えば、撮像素子の表面が脳10の細胞の表面に密着するように配される。他の実施形態において、イメージセンサ110は、レンズ、反射鏡、光導波路などの光学系を備えてもよい。この場合、光学系の少なくとも一部が生体内に埋植され、イメージセンサ110は、生体の外部に配されてもよい。光学系は、一方の端部における光の強度分布を拡大して転送又は結像する拡大光学系を有してもよい。拡大光学系としては、テーパ状の光ファイバの集合体、積層レンズなどを例示することができる。

【0030】
これにより、脳10の深さ方向の画像を取得することができる。その結果、脳10からの光の強度に関する2次元的な情報だけでなく、3次元的な情報を取得することができる。画像は、静止画像であってもよく、動画像であってもよい。画像が動画像である場合、脳10からの光の強度の2次元的又は3次元的な情報の経時変化又は変動に関する情報を取得することができる。

【0031】
生体は、ヒトを含む動物であってよく、ヒトを除く動物であってもよい。脳10の細胞は、脳10の神経細胞であってもよい。細胞は、動物の組織又は生体組織の一例であってよい。動物の組織又は生体組織は、各種の組織であってもよく、生体構成要素であってもよい。生体構成要素としては、循環器系の血管内の血流、細胞内小器官のミトコンドリア内代謝系などを例示することができる。

【0032】
一実施形態において、脳10の細胞は、予め遺伝子操作により改変されて、光感受性タンパク質を発現していてもよい。これにより、特定の波長の光のON/OFFにより、任意の細胞の興奮又は興奮の抑制(興奮の抑制のことを、単に、抑制と称する場合がある。)を制御することができる。細胞種に特異的なプロモーターを利用して、細胞の遺伝子を改変することにより、細胞種ごとに異なる種類の遺伝子を発現させてもよい。

【0033】
他の実施形態において、脳10の細胞の周囲に、光照射により生理活性物質を放出する光感受性ケージド化合物が予め配されていてもよい。光感受性タンパク質又は光感受性ケージド化合物を利用することにより、特定の波長の光のON/OFFにより、任意の細胞の興奮又は興奮の抑制(興奮の抑制のことを、単に、抑制と称する場合がある。)を制御することができる。

【0034】
さらに他の実施形態において、細胞は、染色操作又は遺伝子操作などにより、予め電位感受性色素を導入されていてもよい。電位感受性色素としては、スチリル系色素、サイアニン系色素、オキソノル系色素、ローダミン誘導体などを例示することができる。電位感受性色素を導入された細胞に、励起光を照射すると、当該細胞の膜電位に応じた強度の光を放出する。細胞の膜電位は、細胞の活動状態に応じて変化するので、細胞から放出された光の強度分布を解析することで、細胞の活動状態に関する情報が得られる。

【0035】
本実施形態において、刺激光用LED120は、特定の波長の光を出射する。出射光の波長は、照射対象となる生体の細胞が光感受性を有する波長に設定される。これにより、上記の細胞に刺激を与えて、当該細胞の興奮及び抑制を制御することができる。本実施形態において、刺激光用LED120は、生体内に埋植される。例えば、刺激光用LED120は、生体の脳の知覚野の少なくとも一部に埋設される。刺激光用LED120は、生体の脳の運動野の少なくとも一部に埋設されてもよい。これにより、埋設箇所の近傍の脳細胞に刺激を与えることができる。

【0036】
刺激光用LED120は、例えば、2つのパッケージLEDを、光の出射面と反対側の面(背面と称する場合がある。)が対向するように結合させて作製される。これにより、光の照射範囲を拡大することができる。刺激光用LED120は、パッケージ基板を利用することなく、LEDのベアチップを、配線基板に直接実装してもよい。

【0037】
本実施形態において、コントローラ130は、補装具制御システム100の各部の動作を制御する。コントローラ130は、義肢140及び刺激光用LED120の少なくとも一方を制御してよい。コントローラ130は、義肢140及び刺激光用LED120の少なくとも一方を制御するための制御信号を生成してよい。

【0038】
コントローラ130と、補装具制御システム100の各部との間の通信方式は、有線通信方式であってもよく、無線通信方式であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。本実施形態において、コントローラ130は、イメージセンサ110からの検出信号を受信する。コントローラ130は、圧力センサ144からの出力信号を受信する。コントローラ130は、アクチュエータ142の駆動量及び駆動のタイミングを制御する。コントローラ130は、刺激光用LED120の発光強度及び発光のタイミングを制御する。刺激光用LED120の発光強度は、刺激の強度の一例であってよい。刺激光用LED120の発光のタイミングは、刺激を出力するタイミングの一例であってよい。

【0039】
一実施形態において、コントローラ130は、イメージセンサ110からの検出信号に基づいて、アクチュエータ142の動作を制御する。他の実施形態において、コントローラ130は、イメージセンサ110からの検出信号に基づいて、刺激光用LED120からの光の出射を制御する。他の実施形態において、コントローラ130は、圧力センサ144からの出力信号に基づいて、刺激光用LED120からの光の出射を制御する。他の実施形態において、コントローラ130は、予め定められたパターンの光を出射するように、刺激光用LED120を制御する。コントローラ130は、イメージセンサ110からの検出信号を、刺激光用LED120の制御のフィードバックに利用してもよい。

【0040】
コントローラ130は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。例えば、プログラムが実行されることにより、1又は複数のコンピュータが、コントローラ130の一部として機能する。コントローラ130の各部は、一般的な構成の情報処理装置において、コントローラ130の各部の動作を規定したソフトウエア又はプログラムを起動することにより実現されてよい。

【0041】
上記のソフトウエア又はプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、メモリ、ハードディスクなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。ソフトウエア又はプログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、コントローラ130のコンピュータにインストールされてよい。

【0042】
コンピュータを、コントローラ130の各部として機能させるプログラムは、コントローラ130の各部の動作を規定したモジュールを備えてよい。これらのプログラム又はモジュールは、プロセッサ、通信インターフェース等に働きかけて、コントローラ130の各部として機能させたり、コントローラ130の各部における情報処理方法を実行させたりする。

【0043】
これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータに読込まれることにより、ソフトウエアと、コントローラ130のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じたコントローラ130を構築することができる。

【0044】
本実施形態において、アクチュエータ142は、義肢140を駆動する。本実施形態において、アクチュエータ142は、コントローラ130からの指示に応じて、義肢140を駆動する。アクチュエータ142は、駆動量を検出するセンサを有し、当該駆動量をコントローラ130にフィードバックしてもよい。

【0045】
本実施形態において、圧力センサ144は、圧力を検知する。圧力は、義肢140のユーザの外部環境の一例であってよい。圧力センサ144は、例えば、義肢140の表面に配される。圧力センサ144は、義肢140の内部であって、表面の近傍に配されてもよい。

【0046】
圧力センサ144は、予め、刺激光用LED120と対応付けられていてよい。補装具制御システム100が複数の刺激光用LED120を有する場合、圧力センサ144は、複数の刺激光用LED120の少なくとも1つと対応付けられてよい。例えば、義肢140の右手の人差し指の先端に配された圧力センサ144は、脳内において右手の人差し指の先端の触覚を司る領域に配された1以上の刺激光用LED120と対応付けられる。圧力センサ144及び刺激光用LED120の対応関係は、1対多であってもよく、多対多であってもよく、多対1であってもよい。

【0047】
本実施形態において、補装具制御システム100が、刺激光用LED120が出射した光を脳細胞に照射することで、脳細胞に刺激を与える場合について説明した。しかしながら、補装具制御システム100は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、補装具制御システム100は、生体組織に電気的な刺激を与えてもよい。例えば、補装具制御システム100は、脳内に挿入された電極を利用して、脳細胞に電気的な刺激を与える。

【0048】
本実施形態において、刺激光を出射する光源として、LEDを使用する場合について説明した。しかしながら、光源は本実施形態に限定されない。光源は、レーザ光源であってもよく、有機EL素子であってもよい。

【0049】
本実施形態において、コントローラ130が、義足又は義手のような義肢140を制御する場合について説明した。しかしながら、コントローラ130の制御対象は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、コントローラ130は、義眼、補聴器、パワードスーツなどの各種の補装具を制御する。コントローラ130は、義足の代わりに移動体を制御してもよい。移動体は、ユーザ又はコンピュータの制御により移動することができるものであればよく、特に限定されない。移動体は、ユーザを搭載することができるものであることが好ましい。移動体としては、自動車、自動二輪車、自転車、車椅子、船舶、飛行機、ヘリコプタ、ドローンなどを例示することができる。

【0050】
本実施形態において、コントローラ130が圧力センサ144から出力信号を受信する場合について説明した。しかしながら、センサの種類は本実施形態に限定されない。センサは、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、イメージセンサ、臭気センサ、味覚センサ、磁気センサ、及び、マイクからなる群から選択される少なくとも1つであってよい。

【0051】
本実施形態において、圧力センサ144が義肢140に設けられる場合について説明した。しかし、圧力センサ144は本実施形態に限定されない。圧力センサ144は、ユーザの体内に設けられてもよく、ユーザの身体の表面に設けられてもよく、ユーザから離れた位置に設けられてもよい。センサは、ユーザの携帯端末に設けられてもよい。例えば、センサが、ユーザの携帯端末に配された温度計である場合、温度が特定の閾値を超えると、携帯端末のコンピュータは、ユーザの知覚野の暑さを感じる領域に刺激光を照射する刺激光用LEDを制御して、当該LEDを発光させる。これにより、ユーザの熱中症を防止することができる。

【0052】
図2は、コントローラ130のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、コントローラ130は、データ処理部210と、制御信号生成部220と、駆動制御部230と、発光制御部240と、格納部250とを備える。データ処理部210は、受信部の一例であってよい。格納部250は、制御情報格納部及び活動パターン格納部の一例であってよい。

【0053】
本実施形態において、データ処理部210は、圧力センサ144からの出力信号を受信する。また、データ処理部210は、イメージセンサ110からの検出信号を受信する。データ処理部210は、イメージセンサ110からの検出信号を解析して、ユーザの生体組織の活動状態を示す活動情報を生成する。活動情報は、生体組織の位置と、当該位置における生体組織の活性化のレベルとが対応付けられた情報であってよい。活動情報は、脳内の位置と、当該位置における細胞の活性化のレベルとが対応付けられた情報であってよい。

【0054】
活動情報は、1次元の情報であってもよく、2次元の情報であってもよく、3次元の情報であってもよく、4次元の情報であってもよい。1次元の情報は、イメージセンサ110の単一の受光素子における、組織からの光の検出の有無に基づいて生成されてよい。2次元の情報は、脳内の深さ方向の単一の位置における、組織からの光の2次元的な強度分布に関する情報に基づいて生成されてよい。3次元の情報は、脳内の深さ方向の複数の位置における、組織からの光の2次元的な強度分布に関する情報に基づいて生成されてよい。3次元の情報は、脳内の深さ方向の単一の位置における、組織からの光の2次元的な強度分布の経時変化(変動と称される場合がある。)に関する情報に基づいて生成されてよい。4次元の情報は、脳内の深さ方向の複数の位置における、光の2次元的な強度分布の経時変化に関する情報に基づいて生成されてよい。

【0055】
データ処理部210は、上記の活動情報に基づいて、ユーザの脳の活動パターンを決定してよい。脳の活動パターンは、脳内の活動位置及び活動位置における活動強度により表される。脳の活動パターンは、脳内の活動位置と、当該活動位置における活動強度とが対応付けられた情報であってよい。データ処理部210は、上記の活動情報に基づいて、ユーザの身体の運動パターンを決定してよい。運動パターンは、身体の部位と、当該部位の運動の種類と、当該運動の強度とが対応付けられた情報であってよい。一実施形態において、データ処理部210は、イメージセンサ110が検出した運動野の脳細胞からの光の強度分布に関する情報を示す検出信号に基づいて、ユーザの脳の活動情報を生成する。データ処理部210は、脳の活動情報を解析して、活性化している部位に相当する身体の部位と、当該部位の運動の種類と、当該運動の強度とを決定する。他の実施形態において、データ処理部210は、イメージセンサ110が検出した体細胞からの光の強度分布に関する情報を示す検出信号に基づいて、ユーザの身体の特定の部位の活動情報を生成する。データ処理部210は、特定の部位の活動情報を解析して、当該特定の部位の運動の種類と、当該運動の強度とを決定する。

【0056】
制御信号生成部220は、例えば、補装具又は移動体を使用する動物の生体組織からの光の強度に関する情報を取得し、当該情報に基づいて、補装具又は移動体を制御するための制御信号を生成する。制御信号生成部220は、動物の外部環境の情報を取得し、当該情報に基づいて、1以上の刺激部の少なくとも1つを制御するための制御信号を生成してもよい。制御信号生成部220は、第1の生体組織からの光の強度に関する情報を取得し、当該情報に基づいて、1以上の刺激部のうち、第2の生体組織を刺激する刺激部を制御するための制御信号を生成してもよい。

【0057】
[制御信号生成部220の第1の実施形態]
本実施形態において、制御信号生成部220は、1以上のアクチュエータ142の少なくとも1つを制御するための制御信号を生成する。一実施形態において、制御信号生成部220は、データ処理部210が決定したユーザの脳の活動パターンに基づいて、制御信号を生成する。例えば、制御信号生成部220は、格納部250を参照して、データ処理部210が決定したユーザの脳の活動パターンに対応する駆動パターンを抽出する。そして、抽出された駆動パターンに基づいて、1以上のアクチュエータ142の少なくとも1つの駆動量及び駆動のタイミングを制御するための制御信号を生成する。

【0058】
これにより、例えば、ユーザの脳の運動野における活動パターンに基づいて、1以上のアクチュエータ142の動作を制御することができる。例えば、義肢140がユーザの右手に装着されている義手である場合において、ユーザが右手で卵を握ろうと考えると、イメージセンサ110が、ユーザの脳の運動野の右手の運動に対応する領域が活性化していることを検出する。コントローラ130は、イメージセンサ110からの検出信号を受信すると、当該検出信号を解析して、卵を壊さないような強さで、卵を握るように、アクチュエータ142を制御する。

【0059】
また、義肢140がユーザの右足に装着されている義足である場合において、ユーザが通常の速度で歩こうと考えると、イメージセンサ110が、ユーザの脳の運動野の足の運動に対応する領域が活性化していることを検出する。コントローラ130は、イメージセンサ110からの検出信号を受信すると、当該検出信号を解析して、床材又はユーザの腰を損傷しないような強さで歩行運動をするように、アクチュエータ142を制御する。

【0060】
[制御信号生成部220の第2の実施形態]
本実施形態において、制御信号生成部220は、1以上の刺激光用LED120の少なくとも1つを制御するための制御信号を生成する。例えば、制御信号生成部220は、圧力センサ144からの出力信号に含まれる圧力の大きさを示す情報に基づいて、当該出力信号を出力した圧力センサ144に対応づけられた刺激光用LED120の発光強度及び発光のタイミングの少なくとも一方(発光パターンと称する場合がある。)を制御するための制御信号を生成する。例えば、格納部250が、1以上の刺激光用LED120のそれぞれについて、対応する生体組織を興奮させるための発光パターン及び対応する生体組織の興奮を抑制するための発光パターンの少なくとも一方を対応付けて格納しており、制御信号生成部220は、当該情報を参照して、発光パターンを決定してもよい。圧力の大きさを示す情報は、圧力センサ144の測定対象の強度に関する情報の一例であってよい。これにより、例えば、触覚を再現することができる。

【0061】
[制御信号生成部220の第3の実施形態]
本実施形態において、制御信号生成部220は、データ処理部210が決定した運動パターンに基づいて、1以上の刺激光用LED120の少なくとも1つを制御するための制御信号を生成する。例えば、制御信号生成部220は、格納部250を参照して、データ処理部210が決定したユーザの運動パターンに対応する照射パターンを抽出する。そして、抽出された照射パターンに基づいて、1以上の刺激光用LED120の少なくとも1つの発光強度及び発光のタイミングの少なくとも一方を制御するための制御信号を生成する。制御信号生成部220は、格納部250に格納された上記の情報を参照して、発光パターンを決定してもよい。

【0062】
[制御信号生成部220の第4の実施形態]
本実施形態において、制御信号生成部220は、予め定められた照射パターンに従って、1以上の刺激光用LED120の少なくとも1つの発光強度及び発光のタイミングの少なくとも一方を制御するための制御信号を生成する。制御信号生成部220は、格納部250に格納された上記の情報を参照して、発光パターンを決定してもよい。上記の照射パターンは、同一ユーザ又は他のユーザの学習過程における、イメージセンサ110からの出力に基づいて、生成されてよい。上記の照射パターンは、同一ユーザ又は他のユーザの学習終了時における、イメージセンサ110からの出力に基づいて、生成されてもよい。これにより、自己又は他人の過去の学習を追体験することができ、学習効率を向上させることができる。

【0063】
本実施形態において、駆動制御部230は、1以上のアクチュエータ142のそれぞれを制御する。例えば、駆動制御部230は、制御信号生成部220により生成された制御信号に基づいて、各アクチュエータの駆動量及び駆動のタイミングを制御する。

【0064】
本実施形態において、発光制御部240は、1以上の刺激光用LED120を制御する。例えば、発光制御部240は、制御信号生成部220により生成された制御信号に基づいて、各刺激光用LEDの発光強度及び発光のタイミングを制御する。補装具制御システム100が、励起光用の光源及び照明用の光源の少なくとも一方を備える場合、発光制御部240は、当該光源を制御してもよい。

【0065】
本実施形態において、格納部250は、コントローラ130の情報処理に利用される各種の情報を格納する。一実施形態において、格納部250は、脳の活動パターンに関する情報を格納する。他の実施形態において、格納部250は、脳の活動パターンと、義肢140の駆動パターンとを対応付けて格納してよい。例えば、格納部250は、脳の活動パターンのそれぞれについて、1以上のアクチュエータ142のそれぞれの駆動量及び駆動のタイミングの少なくとも一方を示す情報を対応付けて格納する。格納部250は、脳の活動パターンと、身体の運動パターンとを対応づけて格納してよい。

【0066】
他の実施形態において、格納部250は、圧力センサ144及び刺激光用LED120の対応関係に関する情報を格納してよい。例えば、格納部250は、圧力センサ144の識別情報と、圧力センサ144が検出した圧力の大きさを示す情報と、対応する1以上の刺激光用LED120の照射パターンに関する情報とを対応付けて格納する。

【0067】
他の実施形態において、格納部250は、脳の活動パターンと、刺激光用LED120の照射パターンとを対応づけて格納してよい。例えば、格納部250は、脳の活動パターンのそれぞれについて、1以上の刺激光用LED120のそれぞれの発光強度及び発光のタイミングの少なくとも一方を示す情報を対応付けて格納する。さらに他の実施形態において、格納部250は、身体の運動パターンと、刺激光用LED120の照射パターンとを対応づけて格納してよい。

【0068】
図3は、データ処理部210のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、データ処理部210は、活動情報生成部310と、活動パターン決定部320と、運動パターン決定部330とを備える。

【0069】
本実施形態において、活動情報生成部310は、イメージセンサ110からの検出信号を受信する。また、上記の検出信号に基づいて、ユーザの脳の活動状態を示す活動情報を生成する。活動情報生成部310は、生成された活動情報を、活動パターン決定部320及び運動パターン決定部330の少なくとも一方に送信してよい。

【0070】
活動パターン決定部320は、活動情報生成部310が生成した活動情報に基づいて、ユーザの脳の活動パターンを決定する。活動パターン決定部320は、格納部250を参照して、活動情報生成部310が生成した活動情報に対応するユーザの脳の活動パターンを決定してもよい。

【0071】
運動パターン決定部330は、活動情報生成部310が生成した活動情報に基づいて、ユーザの運動パターンを決定する。例えば、脳の活動情報が「右手が熱い」ことを示している場合、「右手を素早く大きく動かす」という運動パターンを決定する。運動パターン決定部330は、格納部250を参照して、活動情報生成部310が生成した活動情報に対応するユーザの運動パターンを決定してもよい。

【0072】
本実施形態において、イメージセンサ110が、脳10の細胞からの光を検出し、データ処理部210が、イメージセンサ110からの検出信号を解析して、ユーザの脳の活動状態を示す活動情報を生成する場合について説明した。しかしながら、補装具制御システム100は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、イメージセンサ110が、体細胞からの光を検出し、データ処理部210が、イメージセンサ110からの検出信号を解析して、当該体細胞又は当該体細胞が属する組織の活動状態を示す活動情報を生成してもよい。データ処理部210は、上記の活動情報に基づいて、ユーザの身体の運動パターンを決定してもよい。

【0073】
例えば、イメージセンサ110が、右手の親指を動かす筋肉の体細胞からの光を検出し、当該体細胞からの光の2次元的な強度分布に関する情報を示す検出信号を出力する。データ処理部210が、イメージセンサ110からの検出信号を解析して、右手の活動状態を示す活動情報を生成する。データ処理部210は、上記の活動情報に基づいて、ユーザの身体の運動パターンを決定する。例えば、右手の親指の動作に合わせて、左手の親指を動かすことを決定する。これにより、右手の動作に基づいて、左手を動かすことができる。また、自分の身体を動かすことで、他人の身体を動かすことができる。

【0074】
図4は、コントローラ130における情報処理の一例を概略的に示す。本実施形態によれば、ステップ402(ステップをSと表記する場合がある。)において、ユーザの脳の運動野の近傍に配されたイメージセンサ110が、運動野の細胞からの光を検出する。イメージセンサ110は、検出信号をコントローラ130に送信する。データ処理部210は、イメージセンサ110からの検出信号を受信する。

【0075】
S404において、データ処理部210は、受信した検出信号に基づいて、ユーザの脳の活動パターンを決定する。データ処理部210は、決定した活動パターンを制御信号生成部220に送信する。

【0076】
S406において、制御信号生成部220は、格納部250を参照して、データ処理部210が決定した活動パターンに対応する、義肢140の駆動パターンを決定する。制御信号生成部220は、決定した駆動パターンに基づいて、1以上のアクチュエータ142の少なくとも1つを制御する制御信号を生成する。制御信号生成部220は、アクチュエータ142に制御信号を送信する。アクチュエータ142は、制御信号に従って動作する。これにより、ユーザの意識に応じて、アクチュエータ142の動作を制御することができる。

【0077】
図5は、コントローラ130における情報処理の一例を概略的に示す。本実施形態によれば、1以上の刺激光用LED120が、ユーザの脳の知覚野を照射するように配される。S502において、義肢140の表面に配された圧力センサ144が、圧力を検出する。圧力センサ144は、圧力の大きさに応じた出力信号をコントローラ130に送信する。データ処理部210は、圧力センサ144からの出力信号を受信する。データ処理部210は、受信した出力信号を制御信号生成部220に送信する。

【0078】
S504において、制御信号生成部220は、格納部250を参照して、出力信号を生成した圧力センサ144に対応付けられた刺激光用LED120を抽出する。制御信号生成部220は、格納部250を参照して、受信した出力信号に含まれる圧力の大きさを示す情報に基づいて、抽出された刺激光用LED120の照射パターンを決定する。

【0079】
S506において、制御信号生成部220は、決定した照射パターンに基づいて、1以上の刺激光用LED120の少なくとも1つを制御する制御信号を生成する。制御信号生成部220は、刺激光用LED120に制御信号を送信する。刺激光用LED120は、制御信号に従って発光する。これにより、ユーザは、義肢140に加えられた力を感じることができる。

【0080】
図6は、コントローラ130における情報処理の一例を概略的に示す。本実施形態によれば、1以上の刺激光用LED120が、ユーザの脳の運動野を照射するように配される。S602において、ユーザの脳の知覚野の近傍に配されたイメージセンサ110が、知覚野の細胞からの光を検出する。イメージセンサ110は、検出信号をコントローラ130に送信する。データ処理部210は、イメージセンサ110からの検出信号を受信する。

【0081】
S604において、データ処理部210は、受信した検出信号に基づいて、ユーザの身体の運動パターンを決定する。例えば、データ処理部210は、受信した検出信号に基づいて、脳の活動が「右手が熱い」ということを示していると判断する。データ処理部210は、例えば、格納部250を参照して、「右手が熱い」場合に適用するべき動作パターンとして、「右手を素早く大きく動かす」という運動パターンを抽出する。データ処理部210は、決定した運動パターンを制御信号生成部220に送信する。

【0082】
S606において、制御信号生成部220は、格納部250を参照して、受信した運動パターンに対応する照射パターンを決定する。例えば、運動野のうち、「右手を素早く大きく動かす」ために刺激を与える必要のある領域に配された1以上の刺激光用LED120のそれぞれに関する照射パターンを決定する。

【0083】
S608において、制御信号生成部220は、決定された照射パターンに基づいて、1以上の刺激光用LED120の少なくとも1つの発光強度及び発光のタイミングの少なくとも一方を制御するための制御信号を生成する。制御信号生成部220は、刺激光用LED120に制御信号を送信する。刺激光用LED120は、制御信号に従って発光する。これにより、ユーザは、例えば、反射を制御することができる。

【0084】
図7、図8、図9及び図10を用いて、マウス70が操縦することのできる装軌車両700について説明する。図7は、装軌車両700の側面図の一例を概略的に示す。図8は、操縦部710の側面図の一例を概略的に示す。図9は、操縦部710の上面図一例を概略的に示す。図8は、図9において、操縦部710を、図中、下方から上方に向かって見た場合の概略図である。図10は、制御回路750の一例を概略的に示す。

【0085】
本実施形態において、装軌車両700は、操縦部710と、取付部720と、無限軌道730と、モータ740と、制御回路750と、電源760とを備える。操縦部710は、収容部810を備える。操縦部710は、連動部820と、電極830と、電極842と、電極844とを備える。操縦部710は、連動部920と、電極930と、電極942と、電極944とを備える。収容部810には、開口812及び開口912が形成される。連動部820は、回転部材822と、支持部材824と、ペダル826と、連結部材828とを有する。制御回路750は、モータ740の正逆転回路1050を有する。正逆転回路1050は、電磁リレー1042と、電磁リレー1044とを有する。

【0086】
連動部920は、連動部820と同様の構成を有してよい。電極930は、電極830と同様の構成を有してよい。電極942及び電極944は、電極842及び電極844と同様の構成を有してよい。

【0087】
本実施形態において、装軌車両700は、車両の右側に配される無限軌道730と、車両の左側に配される無限軌道730とを備える。装軌車両700は、2つの無限軌道730のそれぞれに対応する2つのモータ740を備える。制御回路750は、2つのモータ740のそれぞれに対応する正逆転回路1050を備える。

【0088】
マウス70は、動物(ヒトを除く。)の一例であってよい。マウス70は、齧歯類の動物の一例であってよい。装軌車両700は、移動体の一例であってよい。操縦部710は、操縦装置の一例であってよい。制御回路750は、制御信号生成部の一例であってよい。制御回路750、電極830、電極842及び電極844は、検出部の一実施形態を構成する。制御回路750、電極930、電極942及び電極944は、検出部の一実施形態を構成する。制御回路750は、制御信号生成部の一例であってよい。

【0089】
本実施形態においては、移動体が、無限軌道を有する装軌車両である場合について説明する。移動体が装軌車両である場合、マウスが操縦方法を比較的容易に覚えることができる。しかしながら、移動体は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、移動体は、タイヤ車輪を有する装輪車両であってもよい。

【0090】
本実施形態においては、移動体を操縦する動物がマウスである場合について説明する。しかしながら、移動体を操縦する動物は、四肢及び大脳皮質を有し、移動体の操縦を学習可能な動物であれば、特に限定されない。他の実施形態において、移動体を操縦する動物は、哺乳類であってよい。哺乳類としては、霊長類、齧歯類、各種の家畜などを例示することができる。齧歯類としては、マウス、ラット、フェレット、スナネズミ、モルモット、ハムスター、ビーバー、テグーなどを例示することができる。家畜としては、イヌ、ネコ、ウマ、ウサギなどを例示することができる。

【0091】
本実施形態において、操縦部710は、マウス70を収容し、マウス70の後足の動きを検出する。本実施形態において、取付部720は、操縦部710を装軌車両700に取り付けるための部材である。取付部720は、操縦部710を交換可能に保持してよい。本実施形態において、モータ740は、無限軌道730の起動輪を駆動して、装軌車両700を移動させる。

【0092】
制御回路750は、例えば、操縦部710により検出されたマウス70の動作の種類及び動作の強度に基づいて、モータ740を制御する。例えば、マウス70が右側の後足を前後に動かしている場合、右側の無限軌道730の起動輪が、マウスの動作の速度に応じて回転するように、モータ740を制御する。同様に、マウス70が左側の後足を前後に動かしている場合、左側の無限軌道730の起動輪が、マウス70の動作の速度に応じて回転するように、モータ740を制御する。

【0093】
これにより、マウス70の後足の動きに基づいて、装軌車両700を操縦することができる。なお、操縦部710がより複雑な動作を検出できる場合、操縦部710により検出できる動作の種類に、各種の制御を割り当ててもよい。

【0094】
本実施形態において、収容部810は、マウス70を収容する。収容部810の開口812は、マウス70の足を収容部810の外部に出すための開口であってよい。収容部810の開口912は、マウス70のしっぽを収容部810の外部に出すための開口であってよい。収容部810は、マウス70を収容部810に固定するベルト(図示していない。)を備えてもよい。

【0095】
本実施形態において、連動部820は、マウス70の後足の動きに連動する。回転部材822は、収容部810に回転可能に取り付けられ、マウス70の脚の動きに連動して回転する。例えば、回転部材822は、その一方の端部が、支持部材824により収容部810の外周に回転可能に支持される。支持部材824は、導電性の部材であってよい。

【0096】
回転部材822は、連結部材828を介して、ペダル826と連結される。本実施形態において、回転部材822の他方の端部には開口823が形成されている。また、ペダル826の一方の端部には開口827が形成されている。回転部材822の開口823と、ペダル826の開口827とが、リング状の連結部材828により連結されている。

【0097】
ペダル826には、マウス70の後足が挿入される。本実施形態において、ペダル826は、マウス70の後足のすねの部分に固定される。ペダル826は、中空状の部材であってもよく、半円柱状の部材であってもよい。これにより、マウス70が後足を前後に動かす動作と連動して、回転部材822が支持部材824を中心として回転する。回転部材822は、支持部材824を中心として振り子のように動いてもよい。

【0098】
本実施形態において、電極830の一端は、支持部材824により回転部材822に固定される。これにより、回転部材822がマウス70の動きに連動して回転すると、電極830の他端が、収容部810の前後方向(図8における左右方向)に移動する。

【0099】
本実施形態においては、マウス70が前に進む動作をすると、マウス70が後足を前後に動かす動作に連動して、電極830の他端と電極842とが、接触したり、離れたりする。なお、連動部820は、マウス70が前に進む動作をする場合には、電極830の他端が、電極844と接触しないように構成されている。一方、マウス70が後ずさりする動作をすると、マウス70が後足を前後に動かす動作に連動して、電極830の他端と電極844とが、接触したり、離れたりする。なお、連動部820は、マウス70が後ずさりする動作をする場合には、電極830の他端が、電極842と接触しないように構成されている。

【0100】
本実施形態において、制御回路750は、正逆転回路1050によりモータ740の回転を制御する。電極830は、支持部材824を介して、電源760の一端と電気的に接続されている。電極830は、電磁リレー1042のスイッチ部分及び電磁リレー1044のスイッチ部分を介して、電源760の一端と電気的に接続されている。電極842及び電極844は、電磁リレー1042のコイル部分及び電磁リレー1044のコイル部分を介して、電源760の他端と電気的に接続されている。

【0101】
これにより、マウス70の動きに連動して、電極830の他端が電極842と接触すると、モータ740に電流が流れて、例えば、モータ740が正回転する。一方、電極830の他端が電極844と接触すると、モータ740に電流が流れて、例えば、モータ740が逆回転する。

【0102】
本実施形態において、制御回路750が、正逆転回路1050によりモータ740を制御する場合について説明した。しかしながら、制御回路750は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、制御回路750は、操縦部710により検出されたマウス70の動作に基づいて、モータ740を制御するための制御信号を生成する。制御回路750は、制御信号をモータ740に送信して、モータ740の回転数を制御してもよい。制御信号は、デューティー比を示す信号であってもよい。

【0103】
図11は、移動体制御システム1100のシステム構成の一例を概略的に示す。移動体制御システム1100は、義肢140の代わりに装軌車両700を用いた点と、コントローラ130がアクチュエータ142の代わりにモータ740を制御する点とを除いて、補装具制御システム100と同様の構成を有してよい。移動体制御システム1100によれば、装軌車両700の操縦方法を学習したマウス70の脳細胞からの光をイメージセンサ110で検出し、コントローラ130がイメージセンサ110からの検出信号を解析して、モータ740を制御することができる。

【0104】
本実施形態において、コントローラ130が装軌車両700に配される場合について説明した。しかしながら、移動体制御システム1100は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、コントローラ130の少なくとも一部が、装軌車両700の外部に配されてもよい。コントローラ130は、無線通信方式のリモートコントローラであってもよい。
【実施例】
【0105】
[マウスによる装軌車両700の操縦]
図12、図13及び図14を用いて、マウスによる装軌車両700の操縦実験の結果を示す。図12において、×印は、スタート地点1210を示す。また、八角形の枠は、ゴール地点1220としての餌場の位置を示す。図13は、実験1日目の装軌車両700の軌跡を示す。図14は、実験7日目の装軌車両700の軌跡を示す。
【実施例】
【0106】
実験は、下記の手順で実施した。まず、空腹状態のマウスを、装軌車両700の操縦部710にセットした。次に、マウスをセットした装軌車両700をスタート地点1210に配置し、ゴール地点1220に餌を用意した。その後、装軌車両700の軌跡をビデオカメラで撮影した。図13に示されるとおり、実験1日目は、スタート地点の周囲で右往左往しており、所定の時間を経過してもゴール地点に到達することができなかった。一方、図14に示されるとおり、実験7日目になると、マウス70は、装軌車両700の操縦方法を学習し、所定時間内にゴール地点に到達することができた。
【実施例】
【0107】
[マウスの脳細胞の光刺激]
図15及び図16に、マウスの脳細胞に光刺激を付与した場合における、脳細胞の活動状態の変化を調べた実験の結果を示す。本実施例において、遺伝子操作により、マウスの脳細胞の一部を改変して、光感受性タンパク質を発現させた。光感受性タンパク質を発現させた細胞に、刺激光用LED120が出射した特定波長の光を照射することで、当該細胞を興奮させることができるように、光感受性タンパク質及び刺激光用LED120からの出射光の波長を選択した。図15の画像1502に示すとおり、イメージセンサ110をマウスの脳に密着させて配置した。イメージセンサ110は、運動野と感覚野との境界付近に設置した。イメージセンサ110の周囲には、複数個の刺激光用LED120と、励起光を出射する複数個の励起光用LEDとを配置した。画像1502において、点線で囲まれた領域は、イメージセンサ110の撮像領域を示す。画像1504は、イメージセンサ110により撮像された画像を示す。
【実施例】
【0108】
本実施例において、刺激光用LED120からのパルス状の刺激光と、励起光用LEDからの励起光を脳に照射して、脳細胞からの蛍光の強度分布をイメージセンサ110により撮影した。また、刺激光の照射時間を変えて、実験を行った。図16に、位置1511、位置1512、位置1513及び位置1515における蛍光強度の経時変化を示す。図16において、曲線1611、曲線1612、曲線1613及び曲線1615は、それぞれ、位置1511、位置1512、位置1513及び位置1515における細胞の活動の強度を示す。なお、位置1511、位置1512、位置1513及び位置1514は、光感受性タンパク質が発現している領域であり、位置1515は、光感受性タンパク質が発現していない領域である。また、位置1514の蛍光強度のデータをベースとして利用した。
【実施例】
【0109】
図16に示されるとおり、T1~T3のタイミングにおいて刺激光を照射した場合、照射時間が短く、脳細胞の活動状態が持続しなかった。そこで、T4のタイミングにおいて、T1~T3の場合よりも長時間にわたって刺激光を照射した。その結果、脳細胞の活動状態が長時間にわたって持続した。これにより、光刺激により、脳細胞の活動を制御できることがわかる。
【実施例】
【0110】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【実施例】
【0111】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0112】
10 脳、70 マウス、100 補装具制御システム、110 イメージセンサ、120 刺激光用LED、130 コントローラ、140 義肢、142 アクチュエータ、144 圧力センサ、210 データ処理部、220 制御信号生成部、230 駆動制御部、240 発光制御部、250 格納部、310 活動情報生成部、320 活動パターン決定部、330 運動パターン決定部、700 装軌車両、710 操縦部、720 取付部、730 無限軌道、740 モータ、750 制御回路、760 電源、810 収容部、812 開口、820 連動部、822 回転部材、823 開口、824 支持部材、826 ペダル、827 開口、828 連結部材、830 電極、842 電極、844 電極、912 開口、920 連動部、930 電極、942 電極、944 電極、1042 電磁リレー、1044 電磁リレー、1050 正逆転回路、1100 移動体制御システム、1210 スタート地点、1220 ゴール地点、1502 画像、1504 画像、1511 位置、1512 位置、1513 位置、1514 位置、1515 位置、1611 曲線、1612 曲線、1613 曲線、1615 曲線
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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