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明細書 :3次元ダイナミズムの幾何的表示システム、プログラム及び方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-091195 (P2017-091195A)
公開日 平成29年5月25日(2017.5.25)
発明の名称または考案の名称 3次元ダイナミズムの幾何的表示システム、プログラム及び方法
国際特許分類 G06Q  30/02        (2012.01)
G06F  17/15        (2006.01)
G06T  11/20        (2006.01)
G06F   3/14        (2006.01)
FI G06Q 30/02
G06F 17/15
G06T 11/20 600
G06F 3/14 320A
G06F 3/14 310A
請求項の数または発明の数 30
出願形態 OL
全頁数 21
出願番号 特願2015-220161 (P2015-220161)
出願日 平成27年11月10日(2015.11.10)
発明者または考案者 【氏名】松井 正之
出願人 【識別番号】592218300
【氏名又は名称】学校法人神奈川大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100117514、【弁理士】、【氏名又は名称】佐々木 敦朗
審査請求 未請求
テーマコード 5B056
5B069
5B080
5L049
Fターム 5B056BB21
5B069AA15
5B069DD06
5B080AA00
5B080CA08
5B080DA06
5B080GA00
5L049BB01
要約 【課題】企業や経済など多様性を有する存在について、正確な情報を得て、その変化量や適正量をリアルタイムに求めるとともに、見える化によって、多次元な多様性の世界における状況の変化を感覚的に把握可能にする。
【解決手段】多変量を幾何的に表示する3次元ダイナミズムの幾何的表示システムであって、多変量のうち任意の2つの変量をペア要素とし、このペア要素の系列に従った相関を所定の関数に基づいて算出する相関算出部327と、ペア要素を各要素の値に基づく長さ及び方向を有するベクトルV1,V2として、仮想空間VS上に設定する単位元設定部326と、仮想空間VS上における座標原点Oにおける方向D1及びD2によって超平面SSを形成し、ベクトルV1,V2についてそれぞれ算出された外積又は内積の値に基づく超平面上からの高さを有するCdを定義する3次元モデリング部325と、Cdを表示させる表示データ生成部324とを備える。
【選択図】 図2
特許請求の範囲 【請求項1】
多変量を幾何的に表示する3次元ダイナミズムの幾何的表示システムであって、
前記多変量のうち任意の2つの変量をペア要素とし、このペア要素の系列に従った相関を、所定の関数に基づいて算出する相関算出部と、
前記ペア要素を、各要素の値に基づく長さ及び方向を有する第1のベクトル及び第2のベクトルとして、仮想空間上に設定する単位元設定部と、
前記仮想空間上における座標原点に配置された前記第1のベクトルの方向及び前記第2のベクトルの方向と前記相互角度とによって超平面を形成し、前記第1のベクトル及び前記第2のベクトルについてそれぞれ算出された外積又は内積の値に基づく前記超平面上からの高さを有するセルデータを定義する3次元モデリング部と、
前記セルデータを前記系列に従って、前記第1のベクトルの方向に沿って配列させて表示させる表示データ生成部と、
を備えることを特徴とする3次元ダイナミズムの幾何的表示システム。
【請求項2】
前記座標原点における前記第1のベクトルと前記第2のベクトル間の相互角度を変化させる相互角度設定部をさらに備え、
前記3次元モデリング部は、前記相互角度設定部が変化させた前記相互角度に基づいて、前記セルの前記超平面上における平面形状、及び前記外積又は内積の値を算出し直して、前記セルデータの形状を変化させる
ことを特徴とする請求項1に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示システム。
【請求項3】
前記多変量のうち、任意の変量を目的変数として選択し、前記目的変数に関する到達値を設定する到達値設定部と、
前記到達値設定部によって設定された目的変数が、前記到達値に到達するまでの時間長に基づいて、前記目的変数が前記到達値に達する毎に配列周期を算定し、この算定された各配列周期に応じて、前記第1のベクトルの方向に沿って配列される前記セルデータの個数を決定する配列周期決定部と
をさらに備え、
前記表示データ生成部は、前記配列周期決定部が算定した各配列周期に含まれるセルデータを1セットとして、そのセットに含まれるセルデータを前記第1のベクトルの方向に配列させるとともに、配列周期毎のセルデータの各セットを、前記超平面上における第2のベクトルの方向に配列させて表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示システム。
【請求項4】
前記多変量のうち、任意に選択した2つの変量をペア要素とし、このペア要素を一組の表示用変数セットとして選択する項目選択部をさらに備え、
前記単位元設定部は、前記表示用変数セットに含まれる一組の変量を、各表示用変数セット毎に、第1のベクトル及び第2のベクトルとして設定し、
前記3次元モデリング部は、表示用変数セット毎に、各表示用変数セットの前記第1のベクトル及び前記第2のベクトルについてセルデータを定義し、
前記表示データ生成部は、各表示用変数セットによってそれぞれ定義されるセルデータを1セットとして、そのセットに含まれるセルデータを前記第1のベクトルの方向に配列させるとともに、表示用変数セット毎のセルデータの各セットを、前記超平面上における第2のベクトルの方向に配列させて表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示システム。
【請求項5】
前記多変量は、会計業務において入力される数値、又は所定の会計規則によって算出される算出結果若しくはその算出途中における中間算出値であることを特徴とする請求項4に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示システム。
【請求項6】
前記座標原点における前記第1のベクトルと前記第2のベクトル間の相互角度と、前記座標原点における角度又は前記座標原点からの距離とによって、或いは、セルデータの前記超平面上における位置、及び高さによって、到達目標値を設定する戦略設定部をさらに備え、
前記表示データ生成部は、前記到達目標値に係るセルデータを追加表示する機能を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示システム。
【請求項7】
所定の単位価格をZとし、前記Zの数量をLとし、前記Z及び前記Lに基づいて算出される価値(収益)をWとしたときに、
前記単位元設定部は、前記第1のベクトルの大きさとして前記Lを代入するとともに、前記第2のベクトルの大きさとして前記Zを代入し、
前記表示データ生成部は、前記セルデータの高さを前記Wとして表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示システム。
【請求項8】
所定の単位収益をZとし、前記Zを得るための所要時間であるリードタイムをLとし、前記Z及び前記Lに基づいて算出される価値(収益)の額(資産)を[W]としたときに、
前記単位元設定部は、前記第1のベクトルの大きさとして前記Z[L]を代入するとともに、前記第2のベクトルの大きさとして前記Zを代入し、
前記表示データ生成部は、前記セルデータの高さを[W]として表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示システム。
【請求項9】
前記仮想空間上において、前記第1のベクトルの方向に平行で、且つ前記超平面に垂直な表示平面を、前記第1のベクトル方向に配列されたセルデータ群と比較可能に表示する比較用平面表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示システム。
【請求項10】
前記仮想空間上において、前記第1のベクトルの方向に平行で、且つ前記超平面に垂直な表示平面を、前記第1のベクトル方向に配列されたセルデータ群と比較可能に表示する比較用平面表示部をさらに備え、
前記比較用平面表示部は、所定の単位収益をZとし、前記Zを得るための所要時間であるリードタイムを[L]とし、前記Z及び前記[L]に基づいて算出される資産を[W]としたときの、前記[L]と前記Wとの関係に関する情報を表示する
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示システム。
【請求項11】
多変量を幾何的に表示する3次元ダイナミズムの幾何的表示プログラムであって、コンピューターを、
前記多変量のうち任意の2つの変量をペア要素とし、このペア要素の系列に従った相関を、所定の関数に基づいて算出する相関算出部と、
前記ペア要素を、各要素の値に基づく長さ及び方向を有する第1のベクトル及び第2のベクトルとして、仮想空間上に設定する単位元設定部と、
前記仮想空間上における座標原点に配置された前記第1のベクトルの方向及び前記第2のベクトルの方向と前記相互角度とによって超平面を形成し、前記第1のベクトル及び前記第2のベクトルについてそれぞれ算出された外積又は内積の値に基づいた前記超平面上からの高さを有するセルデータを定義する3次元モデリング部と、
前記セルデータを前記系列に従って、前記第1のベクトルの方向に沿って配列させて表示させる表示データ生成部と
を有する幾何的表示システムとして、機能させることを特徴とする3次元ダイナミズムの幾何的表示プログラム。
【請求項12】
前記幾何的表示システムが、前記座標原点における前記第1のベクトルと前記第2のベクトル間の相互角度を変化させる相互角度設定部をさらに備え、
前記3次元モデリング部は、前記相互角度設定部が変化させた前記相互角度に基づいて、前記セルの前記超平面上における平面形状、及び前記外積又は内積の値を算出し直して、前記セルデータの形状を変化させる
ことを特徴とする請求項11に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示プログラム。
【請求項13】
前記幾何的表示システムが、
前記多変量のうち、任意の変量を目的変数として選択し、前記目的変数に関する到達値を設定する到達値設定部と、
前記到達値設定部によって設定された目的変数が、前記到達値に到達するまでの時間長に基づいて、前記目的変数が前記到達値に達する毎に配列周期を算定し、この算定された各配列周期に応じて、前記第1のベクトルの方向に沿って配列される前記セルデータの個数を決定する配列周期決定部と
をさらに備え、
前記表示データ生成部は、前記配列周期決定部が算定した各配列周期に含まれるセルデータを1セットとして、そのセットに含まれるセルデータを前記第1のベクトルの方向に配列させるとともに、配列周期毎のセルデータの各セットを、前記超平面上における第2のベクトルの方向に配列させて表示させる
ことを特徴とする請求項11に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示プログラム。
【請求項14】
前記幾何的表示システムが、
前記多変量のうち、任意に選択した2つの変量をペア要素とし、このペア要素を一組の表示用変数セットとして選択する項目選択部をさらに備え、
前記単位元設定部は、前記表示用変数セットに含まれる一組の変量を、各表示用変数セット毎に、第1のベクトル及び第2のベクトルとして設定し、
前記3次元モデリング部は、表示用変数セット毎に、各表示用変数セットの前記第1のベクトル及び前記第2のベクトルについてセルデータを定義し、
前記表示データ生成部は、各表示用変数セットによってそれぞれ定義されるセルデータを1セットとして、そのセットに含まれるセルデータを前記第1のベクトルの方向に配列させるとともに、表示用変数セット毎のセルデータの各セットを、前記超平面上における第2のベクトルの方向に配列させて表示させる
ことを特徴とする請求項11に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示プログラム。
【請求項15】
前記多変量は、会計業務において入力される数値、又は所定の会計規則によって算出される算出結果若しくはその算出途中における中間算出値であることを特徴とする請求項14に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示プログラム。
【請求項16】
(戦略を角度と距離で表示)
前記幾何的表示システムが、前記座標原点における前記第1のベクトルと前記第2のベクトル間の相互角度と、前記座標原点における角度又は前記座標原点からの距離とによって、或いは、セルデータの前記超平面上における位置、及び高さによって、到達目標値を設定する戦略設定部をさらに備え、
前記表示データ生成部は、前記到達目標値に係るセルデータを追加表示する機能を有する
ことを特徴とする請求項11に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示プログラム。
【請求項17】
所定の単位価格をZとし、前記Zの数量をLとし、前記Z及び前記Lに基づいて算出される価値(収益)をWとしたときに、
前記単位元設定部は、前記第1のベクトルの大きさとして前記Lを代入するとともに、前記第2のベクトルの大きさとして前記Zを代入し、
前記表示データ生成部は、前記セルデータの高さを前記Wとして表示する
ことを特徴とする請求項11に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示プログラム。
【請求項18】
所定の単位収益をZとし、前記Zを得るための所要時間であるリードタイムをLとし、前記Z及び前記Lに基づいて算出される価値(収益)の額(資産)を[W]としたときに、
前記単位元設定部は、前記第1のベクトルの大きさとして前記Z[L]を代入するとともに、前記第2のベクトルの大きさとして前記Zを代入し、
前記表示データ生成部は、前記セルデータの高さを[W]として表示する
ことを特徴とする請求項11に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示プログラム。
【請求項19】
前記幾何的表示システムが、前記仮想空間上において、前記第1のベクトルの方向に平行で、且つ前記超平面に垂直な表示平面を、前記第1のベクトル方向に配列されたセルデータ群と比較可能に表示する比較用平面表示部をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示プログラム。
【請求項20】
前記幾何的表示システムが、前記仮想空間上において、前記第1のベクトルの方向に平行で、且つ前記超平面に垂直な表示平面を、前記第1のベクトル方向に配列されたセルデータ群と比較可能に表示する比較用平面表示部をさらに備え、
前記比較用平面表示部は、所定の単位収益をZとし、前記Zを得るための所要時間であるリードタイムを[L]とし、前記Z及び前記[L]に基づいて算出される資産を[W]としたときの、前記[L]と前記Wとの関係に関する情報を表示する
ことを特徴とする請求項17又は18に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示プログラム。
【請求項21】
多変量を幾何的に表示する3次元ダイナミズムの幾何的表示方法であって、
相関算出部が、前記多変量のうち任意の2つの変量をペア要素とし、このペア要素の系列に従った相関を、所定の関数に基づいて算出する相関算出ステップと、
単位元設定部が、前記ペア要素を、各要素の値に基づく長さ及び方向を有する第1のベクトル及び第2のベクトルとして、仮想空間上に設定する単位元設定ステップと、
3次元モデリング部が、前記仮想空間上における座標原点に配置された前記第1のベクトルの方向及び前記第2のベクトルの方向と前記相互角度とによって超平面を形成し、前記第1のベクトル及び前記第2のベクトルについてそれぞれ算出された外積又は内積の値に基づいた前記超平面上からの高さを有するセルデータを定義する3次元モデリングステップと、
表示データ生成部が、前記セルデータを前記系列に従って、前記第1のベクトルの方向に沿って配列させて表示させる幾何表示ステップと、
を有することを特徴とする3次元ダイナミズムの幾何的表示方法。
【請求項22】
相互角度設定部が、前記座標原点における前記第1のベクトルと前記第2のベクトル間の相互角度を変化させる相互角度設定ステップをさらに備え、
前記3次元モデリング部は、前記相互角度設定部が変化させた前記相互角度に基づいて、前記セルの前記超平面上における平面形状、及び前記外積又は内積の値を算出し直して、前記セルデータの形状を変化させる
ことを特徴とする請求項21に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示方法。
【請求項23】
到達値設定部が、前記多変量のうち、任意の変量を目的変数として選択し、前記目的変数に関する到達値を設定する到達値設定ステップと、
配列周期決定部が、前記到達値設定部によって設定された目的変数が、前記到達値に到達するまでの時間長に基づいて、前記目的変数が前記到達値に達する毎に配列周期を算定し、この算定された各配列周期に応じて、前記第1のベクトルの方向に沿って配列される前記セルデータの個数を決定する配列周期決定ステップと
をさらに備え、
前記表示データ生成部は、前記配列周期決定部が算定した各配列周期に含まれるセルデータを1セットとして、そのセットに含まれるセルデータを前記第1のベクトルの方向に配列させるとともに、配列周期毎のセルデータの各セットを、前記超平面上における第2のベクトルの方向に配列させて表示させる
ことを特徴とする請求項21に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示方法。
【請求項24】
項目選択部が、前記多変量のうち、任意に選択した2つの変量をペア要素とし、このペア要素を一組の表示用変数セットとして選択する項目選択ステップをさらに備え、
前記単位元設定部は、前記表示用変数セットに含まれる一組の変量を、各表示用変数セット毎に、第1のベクトル及び第2のベクトルとして設定し、
前記3次元モデリング部は、表示用変数セット毎に、各表示用変数セットの前記第1のベクトル及び前記第2のベクトルについてセルデータを定義し、
前記表示データ生成部は、各表示用変数セットによってそれぞれ定義されるセルデータを1セットとして、そのセットに含まれるセルデータを前記第1のベクトルの方向に配列させるとともに、表示用変数セット毎のセルデータの各セットを、前記超平面上における第2のベクトルの方向に配列させて表示させる
ことを特徴とする請求項21に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示方法。
【請求項25】
前記多変量は、会計業務において入力される数値、又は所定の会計規則によって算出される算出結果若しくはその算出途中における中間算出値であることを特徴とする請求項24に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示方法。
【請求項26】
戦略設定部が、前記座標原点における前記第1のベクトルと前記第2のベクトル間の相互角度と、前記座標原点における角度又は前記座標原点からの距離とによって、或いは、セルデータの前記超平面上における位置、及び高さによって、到達目標値を設定する戦略設定ステップをさらに備え、
前記表示データ生成部は、前記到達目標値に係るセルデータを追加表示する機能を有する
ことを特徴とする請求項21に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示方法。
【請求項27】
所定の単位価格をZとし、前記Zの数量をLとし、前記Z及び前記Lに基づいて算出される価値(収益)をWとしたときに、
前記単位元設定部は、前記第1のベクトルの大きさとして前記Lを代入するとともに、前記第2のベクトルの大きさとして前記Zを代入し、
前記表示データ生成部は、前記セルデータの高さを前記Wとして表示する
ことを特徴とする請求項21に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示方法。
【請求項28】
所定の単位収益をZとし、前記Zを得るための所要時間であるリードタイムをLとし、前記Z及び前記Lに基づいて算出される価値(収益)の額(資産)を[W]としたときに、
前記単位元設定部は、前記第1のベクトルの大きさとして前記Z[L]を代入するとともに、前記第2のベクトルの大きさとして前記Zを代入し、
前記表示データ生成部は、前記セルデータの高さを[W]として表示する
ことを特徴とする請求項21に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示方法。
【請求項29】
比較用平面表示部が、前記仮想空間上において、前記第1のベクトルの方向に平行で、且つ前記超平面に垂直な表示平面を、前記第1のベクトル方向に配列されたセルデータ群と比較可能に表示する比較用平面表示ステップをさらに備えることを特徴とする請求項21に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示方法。
【請求項30】
比較用平面表示部が、前記仮想空間上において、前記第1のベクトルの方向に平行で、且つ前記超平面に垂直な表示平面を、前記第1のベクトル方向に配列されたセルデータ群と比較可能に表示する比較用平面表示ステップをさらに備え、
前記比較用平面表示部は、所定の単位収益をZとし、前記Zを得るための所要時間であるリードタイムを[L]とし、前記Z及び前記[L]に基づいて算出される資産を[W]としたときの、前記[L]と前記Wとの関係に関する情報を表示する
ことを特徴とする請求項27又は28に記載の3次元ダイナミズムの幾何的表示方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、企業等の個体(3M&I系)の見える化とマネジメントのために、松井の式(W=ZL)とベクトルアプローチにより3次元ダイナミズムの幾何的表示法と管理法を応用した、システム、プログラム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
企業や経済など多様性を有する存在をマネジメントする手法として、3M&I系の研究によるシステムマネジメントが提案されている。この3M&I系システムマネジメントとは、変換する「物(Material)の流れ」とそれを管理する「情報(Information)の流れ」の両方が「人(Man)、入出力(受給などの)」を介して有機的に結合され、さらに経済性における「価値(Money)の流れ」からなるシステムのマネジメント体系である。
【0003】
例えば、製造業では、資材を調達し、モノを作り、顧客へ納入する一連の連鎖業務、いわゆるサプライチェーンがあり、顧客が要求するとき(オンデマンド)に製品を届けるためには、このサプライチェーンがうまく機能しなければならない。
【0004】
ところが、従来の需要予測という行為は正確にいえば、過去の需要構造を説明しているに過ぎず、需要構造が変化しないことを前提としているため、その保障には一定の限界がある。従って、過去の一定の需要構造を前提とした需要予測に頼らず、欠品を起こさずに必要最小限の在庫を持つためには、正確な売れ筋情報を得て、在庫の適正量をリアルタイムに求め、そうなるように瞬時に対応し、調整する技術が必要とされている。このような、オンデマンド環境を実現する技術として、本発明者等も効率的なアプローチを提案している(特許文献1及び非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2006-344186号公報
【0006】

【非特許文献1】松井正之,内山広樹,藤川裕晃,”オンデマンドSCMにおける在庫変動の流動数図法による管理法”,日本経営工学会論文誌,Vol.56,No.2,pp.139-145(2005)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1及び非特許文献1に開示された技術では、在庫の適正量をリアルタイムに求めて、瞬時に対応し調整する手法が提示されているが、一般に、企業などの3M&I系である個体は、多次元な多様性の世界であるため、状況の変化を感覚的に把握することが難しいという問題があった。世の中の社会現象は、3次元で体系付けられると見える化でわかりやすくなり、システム決定への支援メカニズムの開発に有用である。この3次元表示は、3D時代を迎えてより一層その重要性が高まっている。
【0008】
本発明は、以上のような問題を鑑みてなされたものであり、企業や経済など多様性を有する存在について、正確な情報を得て、その変化量や適正量をリアルタイムに求めるとともに、適正となるように瞬時に対応して調整する3M&I系のシステムマネジメントの利用に際し、松井の式と幾何的見える化によって、多次元な多様性の世界における状況の変化を体系的・感覚的に把握できる3次元ダイナミズムの幾何的表示システム、プログラム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、松井の式の活用と多変量を幾何的に表示する3次元ダイナミズムとによる幾何的表示システムであって、
前記多変量のうち任意の2つの変量をペア要素(例えば、入力と出力等)とし、このペア要素の系列(時系列や空間系列などを含む。)に従った相関を、所定の関数に基づいて算出する相関算出部と、
前記ペア要素を、各要素の値に基づく長さ及び方向を有する第1のベクトル及び第2のベクトルとして、仮想空間上に設定する単位元設定部と、
前記仮想空間上における座標原点に配置された前記第1のベクトルの方向及び前記第2のベクトルの方向と前記相互角度とによって超平面を形成し、前記第1のベクトル及び前記第2のベクトルについてそれぞれ算出された外積又は内積の値に基づいた前記超平面上からの高さを有するセルデータを定義する3次元モデリング部と、
前記セルデータを前記系列に従って、前記第1のベクトルの方向に沿って配列させて表示させる表示データ生成部と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
また、他の発明は、多変量を幾何的に表示する3次元ダイナミズムの幾何的表示プログラムであって、コンピューターを、
前記多変量のうち任意の2つの変量をペア要素とし、このペア要素の系列に従った相関を、所定の関数に基づいて算出する相関算出部と、
前記ペア要素を、各要素の値に基づく長さ及び方向を有する第1のベクトル及び第2のベクトルとして、仮想空間上に設定する単位元設定部と、
前記仮想空間上における座標原点に配置された前記第1のベクトルの方向及び前記第2のベクトルの方向と前記相互角度とによって超平面を形成し、前記第1のベクトル及び前記第2のベクトルについてそれぞれ算出された外積又は内積の値に基づいた前記超平面上からの高さを有するセルデータを定義する3次元モデリング部と、
前記セルデータを前記系列に従って、前記第1のベクトルの方向に沿って配列させて表示させる表示データ生成部として、
機能させることを特徴とする。
【0011】
さらに他の発明は、多変量を幾何的に表示する3次元ダイナミズムの幾何的表示方法であって、
相関算出部が、前記多変量のうち任意の2つの変量をペア要素とし、このペア要素の系列に従った相関を、所定の関数に基づいて算出する相関算出ステップと、
単位元設定部が、前記ペア要素の各要素の値に基づく長さ及び方向を有する第1のベクトル及び第2のベクトルとして、仮想空間上に設定する単位元設定ステップと、
3次元モデリング部が、前記仮想空間上における座標原点に配置された前記第1のベクトルの方向及び前記第2のベクトルの方向と前記相互角度とによって超平面を形成し、前記第1のベクトル及び前記第2のベクトルについてそれぞれ算出された外積又は内積の値に基づいた前記超平面上からの高さを有するセルデータを定義する3次元モデリングステップと、
表示データ生成部が、前記セルデータを前記系列に従って、前記第1のベクトルの方向に沿って配列させて表示させる幾何表示ステップと、
を有することを特徴とする。
【0012】
上記発明では、前記座標原点における前記第1のベクトルと前記第2のベクトル間の相互角度を変化させる相互角度設定部をさらに設け、前記3次元モデリング部によって、前記相互角度設定部が変化させた前記相互角度に基づいて、前記セルの前記超平面上における平面形状、及び前記外積又は内積の値を算出し直して、前記セルデータの形状を変化させることができる。
【0013】
上記発明では、前記多変量のうち、任意の変量を目的変数として選択し、前記目的変数に関する到達値を設定する到達値設定部と、
前記到達値設定部によって設定された目的変数が、前記到達値に到達するまでの時間長に基づいて、前記目的変数が前記到達値に達する毎に配列周期(可変あり)を算定し、この算定された各配列周期に応じて、前記第1のベクトルの方向に沿って配列される前記セルデータの個数を決定する配列周期決定部と
をさらに設け、
前記表示データ生成部で、前記配列周期決定部が算定した各配列周期に含まれるセルデータを1セットとして、そのセットに含まれるセルデータを前記第1のベクトルの方向に配列させるとともに、配列周期毎のセルデータの各セットを、前記超平面上における第2のベクトルの方向に配列させて表示させることができる。
【0014】
上記発明では、前記多変量のうち、任意に選択した2つの変量をペア要素とし、このペア要素を一組の表示用変数セットとして選択する項目選択部をさらに設け、
前記単位元設定部では、前記表示用変数セットに含まれる一組の変量を、各表示用変数セット毎に、第1のベクトル及び第2のベクトルとして設定し、
前記3次元モデリング部では、表示用変数セット毎に、各表示用変数セットの前記第1のベクトル及び前記第2のベクトルについてセルデータを定義し、
前記表示データ生成部では、各表示用変数セットによってそれぞれ定義されるセルデータを1セットとして、そのセットに含まれるセルデータを前記第1のベクトルの方向に配列させるとともに、表示用変数セット毎のセルデータの各セットを、前記超平面上における第2のベクトルの方向に配列させて表示させるようにしてもよい。
【0015】
なお、本発明において、上記項目選択部によって選択される2つの変量としては、単一の値を有する変数のみならず単位行列などの複数の変数の集合も含まれる。
【0016】
上記発明では、前記多変量を、会計業務において入力される数値、又は所定の会計規則によって算出される算出結果若しくはその算出途中における中間算出値とすることができる。
【0017】
上記発明では、前記座標原点における前記第1のベクトルと前記第2のベクトル間の相互角度と、前記座標原点における角度又は前記座標原点からの距離とによって、或いは、セルデータの前記超平面上における位置、及び高さによって、到達目標値を設定する戦略設定部をさらに設け、
前記表示データ生成部では、前記到達目標値に係るセルデータを追加表示するようにしもてよい。
【0018】
上記発明では、所定の単位価格をZとし、前記Zの数量をLとし、前記Z及び前記Lに基づいて算出される価値(収益)をWとし、
前記単位元設定部で、前記第1のベクトルの大きさとして前記Lを代入するとともに、前記第2のベクトルの大きさとして前記Zを代入し、
前記表示データ生成部は、前記セルデータの高さを前記Wとして表示するようにしてもよい。
【0019】
上記発明では、所定の単位収益をZとし、前記Zを得るための所要時間であるリードタイムを[L]とし、前記Z及び前記[L]に基づいて算出される価値(収益)の額(資産)を[W]とし、
前記単位元設定部は、前記第1のベクトルの大きさとして前記Z[L]を代入するとともに、前記第2のベクトルの大きさとして前記Zを代入し、
前記表示データ生成部は、前記セルデータの高さを[W]として表示する
ようにしてもよい。
【0020】
上記発明では、前記仮想空間上において、前記第1のベクトルの方向に平行で、且つ前記超平面に垂直な表示平面を、前記第1のベクトル方向に配列されたセルデータ群と比較可能に表示する比較用平面表示部をさらに設けることができる。
【0021】
上記発明では、前記仮想空間上において、前記第1のベクトルの方向に平行で、且つ前記超平面に垂直な表示平面を、前記第1のベクトル方向に配列されたセルデータ群と比較可能に表示する比較用平面表示部をさらに設け、前記比較用平面表示部は、所定の単位収益をZとし、前記Zを得るための所要時間であるリードタイムをLとし、前記Z及び前記Lに基づいて算出される資産をWとしたときの、前記Lと前記Wとの関係に関する情報を表示する
ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、企業や経済など多様性を有する存在について、正確な情報を得て、その変化量や適正量をリアルタイムに求めるとともに、適正となるように瞬時に対応して調整する3M&I系のシステムマネジメントの利用に際し、見える化によって、多次元な多様性の世界における状況の変化を感覚的に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態に係る3次元ダイナミズムの幾何的表示システムのハードウェア構成例を示す概略ブロック図である。
【図2】実施形態に係る制御部上に仮想的に構築される3次元ダイナミズムの幾何的表示システムに関するモジュールを示すブロック図である。
【図3】3次元ダイナミズムの幾何的表示方法の処理手順を示すフローチャート図である。
【図4】実施形態に係る三次元モデリングの概要を示す説明図である。
【図5】実施形態に係る三次元モデリングにおいて、配列周期の概要を示す説明図である。
【図6】実施形態に係る比較表示用の表示平面DSの表示態様を示す説明図である。
【図7】実施形態に係る戦略設定の表示態様を示す説明図である。
【図8】実施形態に係る企業会計系表示モードにおける表示データの説明図である。
【図9】実施形態に係る財務系表示モードにおける表示データの説明図である。
【図10】本実施形態の管理対象における流入量、流出量、在庫量、確定注文量を示す図。
【図11】流入量の累積量と流出量の累積量とを流動数図法化した模式図である。
【図12】本実施形態に係るマネジメントデータ生成の手順を示すフローチャート図である。
【図13】本実施形態に係る企業戦略マップの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る3次元ダイナミズムの幾何的表示システムの実施形態を詳細に説明する。図1は、実施形態に係る3次元ダイナミズムの幾何的表示システムのハードウェア構成例を示す概略ブロック図である。図2は、実施形態に係る制御部上に仮想的に構築される3次元ダイナミズムの幾何的表示システムに関するモジュールを示すブロック図である。なお、本実施形態では、多変量として、企業等を管理対象とした場合の、会計業務で入力される各数値、又は所定の会計規則によって算出される算出結果若しくはその算出途中における中間算出値として場合を例に説明する。

【0025】
(3次元ダイナミズム幾何的表示システムのハードウェア構成)
3次元ダイナミズム幾何的表示システムは、図2に示すように、例えばPC等のコンピューターシステムにより実現され、入力インターフェース31、制御部32、表示部33、外部出力インターフェース34、記憶部35などを備えている。

【0026】
入力インターフェース31は例えばキーボードやポインティングデバイス、ディスクドライブ等の入力手段であり、多変量データを入力したり、アプリケーションプログラム41の実行指示等に用いられる。表示部33はディスプレイやプリンタ等の表示手段であり、アプリケーションプログラム41の実行結果や中間処理結果等の表示に用いられる。外部出力インターフェース34は他の装置やシステムと接続するためのインターフェースを提供する。

【0027】
制御部32は、各部を制御する際に必要な種々の演算処理を行う装置である。この制御部32は、記憶部35に格納されているアプリケーションプログラム41やアプリケーションデータ42及び設定情報に基づいて、入力インターフェース31から入力される内容に応じて、本発明に係る3次元ダイナミズム幾何的表示プログラムを実行させる。CPU32上で、3次元ダイナミズム幾何的表示プログラムが実行されることで、本発明の3次元ダイナミズム幾何的表示システムが機能モジュールとして仮想的に構築される。

【0028】
記憶部35は、ハードディスクやメモリ装置等の記憶装置であり、各種アプリケーションプログラム41やアプリケーションデータ42などが記憶される。なお、本実施形態に係る図1に3次元ダイナミズム幾何的表示機能をコンピューターシステムに実現させるためのプログラム、あるいは図3に例示する各処理をコンピューターシステムに実行させるためのプログラムを、アプリケーションプログラム41として記憶部35に記憶させ、制御部32に実行させることができる。また、記憶部35には、多変量データ43が蓄積されており、制御部33で実行される3次元ダイナミズム幾何的表示システムで必要な多変量データが読み出されるようになっている。

【0029】
(3次元ダイナミズム幾何的表示システムの各機能モジュール構成)
本実施形態において3次元ダイナミズム幾何的表示システムは、入力された多変量の相関を演算し、演算された多変量のうち任意に選択された管理対象となる変量を幾何的に表示して管理する3次元ダイナミズムの幾何的表示方法を用いた3Dグラフィック表示システムであり、複数の機能モジュールで構成されている。ここで、モジュールとは、CPU等の演算処理装置において、各種プログラムを実行することにより、CPU上に仮想的に構築される機能ブロックであり、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成される。

【0030】
本実施形態において3次元ダイナミズム幾何的表示システムは、CPU32上で、3次元ダイナミズム幾何的表示アプリケーションが実行されることで、CPU32上に機能モジュールとして仮想的に構築され、具体的には、図2に示すように、表示設定部321と、配列周期設定部322と、変数選択部323と、表示データ生成部324と、3次元モデリング部325と、単位元設定部326と、相関算出部327とから概略構成される。

【0031】
変数選択部323は、入力インターフェース31によるユーザー操作に基づいて、多変量のうち任意の2つの変量(変数)をペア要素として選択するとともに、選択されたペア要素に関する演算に必要な変量(変数、数値)を多変量データ43で参照して、相関算出部327に読み込ませるモジュールである。この変数選択部323は、相関算出部327での必要な変数を自動的に選択する機能も有し、この機能により表示モードやペア要素の特性に応じた変数が相関算出部327で読み込まれることとなる。例えば、会計業務で入力される各数値、又は所定の会計規則によって算出される算出結果若しくはその算出途中における中間算出値の中からペア要素や関係する変量として選択可能となっている。

【0032】
また、変数選択部323は、表示モードがカスタム表示モードである場合に、ユーザー操作を要求して、任意の変量を複数選択させる項目選択部323aを備えており、この項目選択部323aで表示項目として選択された任意の変量と、その変量を演算するのに必要な変量を自動的に選択して、相関算出部327に読み込ませることができるようになっている。

【0033】
相関算出部327は、変数選択部323で選択されたペア要素、及びペア要素の算出に必要な変量の相関を、所定の関数に基づいて算出するモジュールであり、本実施形態では、所定の関数として会計業務で用いられる演算関数が含まれる。単位元設定部326は、相関算出部327が算出したペア要素の各要素の値に基づく長さ及び方向を有する第1ベクトルV1及び第2ベクトルV2として、仮想空間上に設定するモジュールである。

【0034】
3次元モデリング部325は、図4(a)~(c)に示すように、単位元設定部326が設定した第1ベクトルV1及び第2ベクトルV2をセルデータCdとして描画するためのモジュールであり、具体的には、変数選択部323が選択したペア要素について、仮想空間VSの座標原点Oに配置された第1ベクトルV1の方向D1(図4中x軸方向)及び第2ベクトルV2の方向D2(図4中z軸方向)と、これらの相互角度θとによって超平面SSを形成するとともに、第1ベクトルV1及び第2ベクトルV2についてそれぞれ算出された外積(ベクトル積)又は内積(スカラー積)の値に基づいて、超平面SS上からの高さ・底面形状を有するセルデータCdを定義する。

【0035】
表示データ生成部324は、表示部33に表示させるグラフィックを描画するための表示データを生成するグラフィックエンジンであり、3次元モデリング部325が定義した仮想空間VS、及びセルデータCdを超平面SS上に配置させたグラフィックを描画する。

【0036】
配列周期設定部322は、仮想空間VS上において方向D1に沿って配列されるセルデータCdの個数を算出するモジュールである。具体的には、多変量のうち任意の変量(ペア要素には限定されない。)を目的変数として選択し、この目的変数に関する到達値を設定する到達値設定部322aを備え、この到達値設定部322aによって選択された目的変数が、到達値に到達するまでの時間長に基づいて、目的変数が到達値に達する毎に配列周期を算定し、この算定された各配列周期に応じて、方向D1に沿って配列されるセルデータCdの個数を決定する。

【0037】
この目的変数としては、例えば企業会計を行う周期である「年間」や「月間」を設定し、到達値として、「12ヶ月」、「31日(月によっては29日或いは30日)」を設定し、その間に含まれるセルデータCdの個数を12個或いは31個(月によっては29個或いは30個)として算出する。なお、ここでの目的変数としては、「年間」或いは「月間」などの時間的な値だけではなく、販売個数や在庫個数、売上額などを設定することができ、この場合には、その達成目標となる個数や金額を到達値としたり、或いは在庫がなくなることを示す数値「0」又は在庫最大容量などを到達値として設定することができ、販売個数や在庫個数、売上額に到達するまでの予測時間を相関算出部327で算出し、配列周期設定部322は、相関算出部327の算出結果を配列周期として用いる。

【0038】
表示設定部321は、3D描画するための基本的な設定を、入力インターフェース31におけるユーザー操作として受け付け、それらの設定をアプリケーションデータ42として記憶・保持するモジュールである。本実施形態では、この表示設定の一つとして、表示モードの切り替えがあり、この表示モード切替え機能では、例えば、企業の会計系(下位レベル)表示モード、企業の財務系(上位レベル)表示モード、その他、会計関係の任意の変量(項目)を選択して表示させるカスタム表示モードが含まれ、これらのモードを、入力インターフェース31からの選択操作に基づいて切り替えることができる。

【0039】
また、表示設定部321は、各表示モードのオプションとして、仮想空間上における座標系の表示形態を変化させる相互角度設定部321aと、任意の変量の目標値及びその目標値を達成するための戦略(方向性)を追加表示させるための戦略設定部321bとを備えている。

【0040】
相互角度設定部321aは、座標原点Oにおける第1ベクトルV1と第2ベクトルV2間の相互角度θを変化させるモジュールであり、入力インターフェース31からのユーザー操作に基づいて相互角度θを変化させる。3次元モデリング部325は、この相互角度設定部321aが変化させた相互角度θに基づいて、セルデータの超平面SS上における平面形状、及びベクトルV1及びV2の外積又は内積の値を算出し直して、セルデータの形状を変化させる。

【0041】
戦略設定部321bは、座標原点における角度又は座標原点からの距離によって、到達目標値となるセルデータの超平面上における位置、及び超平面からの高さを設定するモジュールである。本実施形態においてこの戦略(方向性)は、図7に示すように、座標原点Oから伸びるターゲットラインTLや、到達目標となるターゲットポイントTP、或いはこれらターゲットラインTL・ターゲットポイントTPを頂点とするセルデータとして表示することができ、この戦略の設定は、座標原点Oにおける超平面SS上における角度φ、超平面SSから高さ方向(D3方向)の角度ψ、及び座標原点OからのターゲットラインTLの長さとして入力する。

【0042】
(3次元ダイナミズム幾何的表示方法)
ここで、本発明の3次元ダイナミズム幾何的表示方法の概要について説明する。図3は、本発明の3次元ダイナミズム幾何的表示方法の手順を示すフローチャート図である。本実施形態において3次元ダイナミズム幾何的表示方法は、企業等の個体(3M&I系)の見える化とマネジメントのために、関連する多変量を幾何的に表示する方法であり、例えば、企業における会計系や財務系に関する多変量を3D表示する。

【0043】
先ず、ステップS101において表示設定を行う。この表示設定では、例えば、3次元モデリングの表示形態を選択する表示モード設定や、企業会計系・企業財務系の表示の切り替えなどの他、後述する配列周期の設定や、目標値の表示設定、比較用平面の表示設定などを行う。

【0044】
次いで、ステップS102において、多変量の中から管理対象となる2つの変数をペア要素として選択し、ステップS103において、これらの変数の時系列に従った相関を、所定の関数に基づいて算出する。以下に、ステップS103における相関の算出について具体的に説明する。

【0045】
(1)会計系3D表示
図8に示す会計系3D表示モードにおける要素間の相関としては、例えば、企業3D会計系の基本式及びこの基本式から導かれる一般化式が挙げられる。

【0046】
この基本式は、
総利益(利益)EN=収益(価格)ER-費用(原価)EC (1)
で表される利益公式であり、この収益ERは、単位売上高(W)でもあり、
収益(W(=ER))=価格(Z)×個数(L) (2)
となることから、ここでの管理対象は、価格(Z)、個数(L)及び収益(W)であり、これらの相関は、一般化式(2)となる。上記式(1)と式(2)の関係は、例えば、図8のような図表に表すことができ、図6に示した表示平面DSに表示させることができる。

【0047】
なお、上記総利益EN、収益ER、費用ECから、上記Lをリードタイムとして算出する手法は、以下のものがある。図12は、マネジメントデータの処理方法の手順を示すフローチャート図である。

【0048】
先ず、ステップS1において、数値化された需要戦略としての需要スピードdと、数値化された生産戦略としての生産スピードmの初期値を設定する。この初期値は、この例では、所定の範囲で離散的に決定される数値である。次いで、ステップS2において、ステップS1と前後して(通常は前に)、利得や費用等の計算に用いるための経営データ(例えば価格、コスト、バッファ)を、対象となる企業(その中の一事業所でもよい)や企業群について調査し、収集する。

【0049】
その後、ステップS3およびS4において、数値化された需要スピードおよび生産スピードの初期値と、予めステップS2において収集された経営データとに基づいて、利得と費用とを含むマネジメントデータを計算して生成する。そして、前記ステップにより算出された利得および費用から利益を算出する。この利益および、前記各ステップにおいて得られたデータから、リードタイム([L])等の必要なマネジメントデータが算出される。

【0050】
そして、ここで用いられた需要スピードd、生産スピードmを用いて、超平面SS上における任意のセルデータの高さを定めることができ、この場合には、このセルデータの頂点と原点Oとを結ぶ直線(ベクトル)の角度(θ、φ)が設定されることとなる。すなわちこれらのdやmも戦略変数とすることができ、このような需要スピードdや生産スピードmを二次元的に表示して、図12等によって、所謂戦略マップ(図13)を作成することにより、戦略の見える化を図ることができる。なお、需要スピードdや生産スピードmとの関係は、図13に示すように、経済性に繋がる収益ERと、信頼性に繋がるリードタイムLとの関係は、図13に示すように、角度θで交差した正負の楕円のような関係にあり、角度θを変化させることによっても、収益ERとリードタイムLとのバランスを調節することができる。

【0051】
(2)財務系3D表示
図9に示す財務系3D表示モードの場合には、
リードタイム([L])=単位サイクル(Z)×時・日数(L) (3)
としたときに、
資産([W])=単位収益(Z)×リードタイム([L]) (4)
であることから、上式(3)を上式(4)に代入すると、
資産([W])=単位収益(Z)×リードタイム([L])
={(単位収益)×(単位サイクル)}(Z)×時・日数(L)(5)
となり、管理対象は、価格(Z)、個数(L)、リードタイム([L])、収益(W)及び資産([W])であり、これらの管理対象相互の相関は一般化式(5)となる。

【0052】
(3)セルデータ生成
ステップS104において、これらの変量のうち、任意に選択した2つの変量をペア要素として、図4(a)に示すように、各変量の値に基づく長さ及び方向を有する第1ベクトルV1及び第2ベクトルV2として、仮想空間VS上に設定する。次いで、ステップS105において、同図(c)に示すように、この仮想空間VS上における座標原点Oに配置された第1ベクトルV1の方向D1及び第2ベクトルの方向D2と相互角度θとによって超平面SSを形成する。この超平面SS上に、第1ベクトルV1及び第2ベクトルV2についてそれぞれ算出された外積V3に基づいた超平面SS上からの高さを有するセルデータCdを生成する。

【0053】
ここで、上記一般化式(2)及び(5)は、いわゆる「松井の式」と呼ばれ、ニュートン式体系との相似形となっており、物理学的には力系及び運動量に対応する。
詳述すると、L個の単位元Zを直線状に配置した1次元タイプでは、L個からなる単位元Zの面積であるWを、
W=ZL (6)
で表す。また、所定の体積を有するL個の単位元Zの体積としての[W]は、
[W]=ZL (7)
で表される。いま、W(=ZL)を[L]とすると、上式(6)及び(7)から、
[W]=Z[L] (8)
が得られる。

【0054】
ここで、上記W、[W]、Z及びLをベクトルW’、 [W] ’、Z’及びL’とし、ベクトルZ’及びL’がなす角度に相互角度θを導入すると、自由度3の3次元モデリングが得られる。これは超平面SSとしてのW’(Z’,L’i,θ)を有し、上式(8)はそれぞれ以下のように、内積・外積空間に展開することができる。
W’=|Z’||L’|cosθ (9)
[W]’=|Z’|×|L’|sinθ (10)
これは、上記松井の式の角度θによる一般化(松井の式のベクトル形)になり、これらの関係は、図4(b)で示され、このθは、操作(戦略)変数とすることができる。すなわち、式(10)で、θ=π/2のとき、[W]’=|Z’|×|L’|=Wである。このベクトル積は、物理的には力系であり、仕事量、資産などに相当すると考えられる。

【0055】
他方、上式(9)は、スカラー積であり、利益会計の一般化になって物理的には運動量に対応する。上式(9)において、θ=π/2とし、W’をWに、L’をLに置き換えて元に戻すと、図8に示すような図表として、図6に示した表示平面DSに表示させることができる。

【0056】
なお、図8に示すように、任意の地点における需要スピードdi、生産スピードmiを超平面SS上に設定することによって、その地点におけるセルデータの高さを定めることができ、この場合には、このセルデータの頂点と原点Oとを結ぶ直線(ベクトル)の角度(θ、φ)が設定されることとなる。すなわちこれらのdiやmiも戦略変数とすることができ、このような需要スピードdiや生産スピードmiを二次元的に表示して、図12等により所謂戦略マップ(図13)を作成することにより、戦略の見える化を図ることができる。なお、需要スピードdiや生産スピードmiとの関係は、図13に示すように、経済性に繋がる収益ERと、信頼性に繋がるリードタイムLとの関係は、図13に示すように、角度θで交差した正負の楕円のような関係にあり、角度θを変化させることによっても、収益ERとリードタイムLとのバランスを調節することができる。

【0057】
(4)セルデータ表示
次いで、ステップS106において、表示モードに応じた配列周期で、各セルデータの超平面SS上における配置を決定する。この配列周期とは、図5に示すように、多変量のうち、任意の変量を目的変数として選択された目的変数が到達値に到達するまでの時間長に基づいて、目的変数が到達値に達する毎に配列周期を算定し、この算定された各配列周期に応じて、方向D1に沿って配列されるセルデータC11~C1n,C21~C2n…の個数を決定する。

【0058】
ここで、ステップS107において、座標原点Oにおける第1ベクトルV1と第2ベクトルV2間の相互角度θを変化させる場合には(S107における「Y」)、変化された相互角度θに基づいて、セルの超平面SS上における平面形状、及び外積又は内積の値を算出し直して、セルデータの形状を変化させることができる。

【0059】
その後、ステップS108において、図5に示すように、各ベクトルの値に基づいて定義され、生成されたセルデータC11~C1nを、方向D1(時系列)に沿って配列させた画像処理データである表示データを生成する。このとき、各配列周期に含まれるセルデータを1セットとして、そのセットに含まれるセルデータを方向D1に配列させるとともに、配列周期毎のセルデータの各セットを、超平面SS上における方向D2に配列させる。このようにして生成された表示データは、ディスプレイ等の表示部に出力することにより、画像として閲覧することができる。

【0060】
(5)流動数図表表示
このステップS108における表示データの生成に際し、仮想空間VS上に、比較用の表示平面DSを表示させてもよい。この表示平面DSは、仮想空間VS上において、第1ベクトルV1の方向D1に平行で、且つ超平面SSに垂直な表示平面であり、方向D1に配列されたセルデータ群と比較可能に表示される。この表示平面DSは、セルデータ群の背後に配置されるように、表示平面の原点と、仮想空間VSの座標原点Oとが一致するように表示される。この表示平面に表示する情報としては、例えば、上記所定の単位収益Zと、この単位収益Zを得るための所要時間であるリードタイムLに基づいて算出される累積資産Wとしたときの、L及びWとの関係に関する流動数図表とすることができる。

【0061】
この流動数図表は、図10に示すように、例えば管理対象とする倉庫のt期における流入量、流出量、在庫量をそれぞれ、(工場から)製品Aが倉庫に流入した量(It)、製品Aが倉庫から(市場に)流出した量(Ot)、製品Aが倉庫に保管されている量(Lt)とする。確定注文量(Xt)は製品Aの需要情報である。流動数図表は、図11に例示するように、縦軸に累積流量、横軸に時間をとった平面に流入累積線と流出累積線とを描いたグラフである。2つの累積線で囲まれた領域を縦に見ると流れの対象(製品A)が管理対象(倉庫)内にその時点で滞留している量つまり流動数(在庫量)が読み取れ、横に見ると対象が管理対象内に留まっている時間(リードタイム)が読み取れる。

【0062】
この流動数図表としては、例えば、多変量として、上記流入量及び流出量及び確定注文量(Xt)を入力し、流れの対象(製品A)の流動数を示すものが挙げられる。この流動数図表では、流入量、流出量、確定注文量の各データは20余週分といったように周期を定めることができ、確定注文は見込需要情報(予測)である。

【0063】
(6)戦略設定表示
また、上記ステップS108における表示データの生成に際し、戦略設定を表示することもできる。具体的には、戦略設定部321bによって、座標原点Oにおける角度φやψ、又は座標原点Oからの距離TLによって、図7に示すように、到達目標値となるセルデータや、ターゲットポイントTPの超平面SS上における位置、及び超平面SSからの高さを設定する。この戦略の設定は、座標原点Oにおける超平面SS上における角度φ、超平面SSから高さ方向(D3方向)の角度ψ、及び座標原点OからのターゲットラインTLの長さとして入力し、現在の財務会計を示す3Dモデリング内に、到達目標を併せて表示することにより、戦略マネジメントの視覚化を実現することができる。

【0064】
(本実施形態による効果)
本実施形態によれば、多変量の任意の変量(変数)を第1ベクトルV1及び第2ベクトルV2と、これらの相互角度とによって算出される外積又は内積の値に基づいた高さを有するセルデータを用いて、多変量の3次元モデリングを表示させることができる。これにより、企業や経済など多様性を有する存在について、正確な情報を得て、その変化量や適正量をリアルタイムに求めるとともに、適正となるように瞬時に対応して調整する3M&I系のシステムマネジメントの利用に際し、見える化によって、多次元な多様性の世界における状況の変化を感覚的に把握できる。
【符号の説明】
【0065】
θ…相互角度
φ…戦略変数
C11~C1n,C21~C2n,Cd…セルデータ
D1,D2…座標軸方向
DS…表示平面
EC…費用
EN…総利益
ER…収益
O…座標原点
SS…超平面
TL…ターゲットライン
TP…ターゲットポイント
V1…第1ベクトル
V2…第2ベクトル
V3…外積値
VS…仮想空間
31…入力インターフェース
32…制御部
32…CPU
33…制御部
33…表示部
34…外部出力インターフェース
35…記憶部
41…アプリケーションプログラム
42…アプリケーションデータ
43…多変量データ
321…表示設定部
321a…相互角度設定部
321b…戦略設定部
322…配列周期設定部
322a…到達値設定部
323…変数選択部
323a…項目選択部
324…表示データ生成部
325…3次元モデリング部
326…単位元設定部
327…相関算出部
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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