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明細書 :検出装置、検出方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-078670 (P2017-078670A)
公開日 平成29年4月27日(2017.4.27)
発明の名称または考案の名称 検出装置、検出方法
国際特許分類 G01N  21/21        (2006.01)
FI G01N 21/21 Z
請求項の数または発明の数 16
出願形態 OL
全頁数 15
出願番号 特願2015-207524 (P2015-207524)
出願日 平成27年10月21日(2015.10.21)
発明者または考案者 【氏名】徳田 崇
【氏名】太田 淳
【氏名】垣内 喜代三
【氏名】西山 靖浩
【氏名】笹川 清隆
【氏名】野田 俊彦
【氏名】竹原 宏明
出願人 【識別番号】504143441
【氏名又は名称】国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000338、【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
審査請求 未請求
テーマコード 2G059
Fターム 2G059AA01
2G059BB04
2G059EE01
2G059EE05
2G059EE11
2G059GG02
2G059JJ02
2G059JJ11
2G059JJ17
2G059JJ19
2G059JJ22
2G059KK04
要約 【課題】対象物と計測系とを空間的に分離する場合にも適切な検出が可能な検出装置を実現する。
【解決手段】対象物Kが存在する対象セル3を通過した対象光Y1、および前記対象セル3を通過していない参照光Z1それぞれを伝送する光伝送路6を備え、光伝送路から得られる対象光Y2および参照光Z2それぞれの偏光状態を計測し、対象光Y2の計測結果および参照光Z2の計測結果を用いて対象物Kの状態を検出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
対象物が存在する対象セルを通過した対象光、および前記対象セルを通過していない参照光それぞれを伝送する光伝送路を備え、前記光伝送路から得られる対象光および参照光それぞれの偏光状態を計測し、対象光の計測結果および参照光の計測結果を用いて対象物の状態を検出することを特徴とする検出装置。
【請求項2】
前記光伝送路から得られる対象光および参照光それぞれの偏光状態を計測する計測部を備え、前記対象セルと前記計測部とが異なる空間に配されていることを特徴とする請求項1記載の検出装置。
【請求項3】
参照光の計測結果を用いて対象光の計測結果の補正を行うことを特徴とする請求項1または2記載の検出装置。
【請求項4】
前記補正によって、対象光の計測結果から前記光伝送路での偏光状態の変化が除かれることを特徴とする請求項3記載の検出装置。
【請求項5】
光中継路を備え、前記光中継路を通過した前記参照光が前記光伝送路にて伝送されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項6】
前記光中継路は、空気が存在するブランクセルまたは参照物が存在する参照セルであることを特徴とする請求項5に記載の検出装置。
【請求項7】
前記光伝送路は光ファイバであることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項8】
前記光伝送路は、前記対象セルを含む筐体の内部からその外部に引き出されていることを特徴とする請求項2に記載の検出装置。
【請求項9】
前記筐体の内部では、液体である前記対象物が対象セル内を流れていることを特徴とする請求項8記載の検出装置。
【請求項10】
前記対象光および参照光は光合波素子を介して前記光伝送路に送られることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項11】
前記光合波素子はファイバカプラであることを特徴とする請求項10記載の検出装置。
【請求項12】
2つの導光路の一方によって導かれた光を前記対象セルへの入力光として用い、他方によって導かれた光を前記中継路への入力光として用い、各導光路は、前記対象セルを含む筐体の内部からその外部に引き出されていることを特徴とする請求項5記載の検出装置。
【請求項13】
同一の導光路によって導かれた光を、前記対象セルおよび光中継路への入力光として用い、前記導光路は、前記対象セルを含む筐体の内部からその外部に引き出されていることを特徴とする請求項5記載の検出装置。
【請求項14】
前記導光路によって導かれた光を、対象セル側への光と、前記光中継路側への光とに分ける光分波素子を備えることを特徴とする請求項13記載の検出装置。
【請求項15】
前記導光路は、偏光保持方式の光ファイバであることを特徴とする請求項13または14記載の検出装置。
【請求項16】
対象物が存在する対象セルを通過した対象光、および前記対象セルを通過していない参照光それぞれを同一の光伝送路によって前記対象セルが配置された空間の外部に伝送し、前記光伝送路から得られる対象光および参照光それぞれの偏光状態の計測結果を用いて前記対象物の状態を検出することを特徴とする検出方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物の状態を検出する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光照射を受けた試料から発せられた試料ビームと基準ビームとを計測することで、試料中の被検体の濃度を検出する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開平8-75640号公報(1996年3月22日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
検出の対象物の特性によっては、対象物と計測系とを離隔する必要がある(例えば、防爆構造が要求される場合)が、このように両者の離隔によって適切な検出が行われなくなるという問題がある。
【0005】
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、対象物と計測系とを離隔する場合でも適切な検出が可能な検出装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本検出装置は、対象物が存在する対象セルを通過した対象光、および前記対象セルを通過していない参照光それぞれを伝送する光伝送路を備え、前記光伝送路から得られる対象光および参照光それぞれの偏光状態を計測し、対象光の計測結果および参照光の計測結果を用いて対象物の状態を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本検出装置によれば、対象物と計測系とを離隔する場合にも適切な検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態1の検出装置の構成を示す模式図である。
【図2】実施形態1に係る検出装置の別構成を示す模式図である。
【図3】実施形態1において、光伝送路に伝送用光ファイバを用いた場合を示す模式図である。
【図4】実施形態2において、光中継路に中継用光ファイバを用いた場合を示す模式図である。
【図5】実施形態2において、光中継路に空気セルを用いた場合を示す模式図である。
【図6】実施形態2において、光中継路に参照溶液セルを用いた場合を示す模式図である。
【図7】実施形態2において、光中継路にフロー型の参照溶液セルを用いた場合の構成を示す模式図である。
【図8】実施形態3において、光合波素子にファイバカプラを用いた場合を示す模式図である。
【図9】実施形態3において、光合波素子に逆ビームスプリッタを用いた場合を示す模式図である。
【図10】実施形態4において、入力部に2本の導光用光ファイバを用いた場合を示す模式図である。
【図11】実施形態4において、入力部に1本の導光用光ファイバを用いた場合を示す模式図である。
【図12】実施形態4において、入力部に1本の導光用偏光保持光ファイバを用いた場合を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、図1~図12に基づいて説明すれば以下のとおりである。

【0010】
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1の検出装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、検出装置10は、光源部20、導光部30、対象セル3、光中継路4、光合波素子5、光伝送路6、計測部8、および解析部9とを備える。光源部20は、LED等の発光素子と、レンズ等の光学機器とを含み、計測部8はCMOS等のイメージセンサを含み、解析部9はプロセッサを含む。

【0011】
光源部20から発せられた光は、導光部30を通り、入力光Xとして対象セル3(対象物Kを含む)および光中継路4(対象物Kを含まない)それぞれに入射する。対象セル3の対象物Kを通って対象セルから出射した対象光Y1、および光中継路4から出射した参照光Z1は、光合波素子5で合波された後に同一の光伝送路6によって伝送され、それぞれ対象光Y2および参照光Z2として計測部8に入射する。

【0012】
ここでは、対象セル3および光中継路4は第1空間に配され、光源部20、計測部8および解析部9は第2空間に配され、第1空間の光合波素子5と第2空間の計測部8とが、第1から第2空間に引き出された光伝送路6によって接続されている。

【0013】
計測部8は、光伝送路から得られた対象光Y2および参照光Z2それぞれの偏光状態を計測し、解析部9が対象光Y2の計測結果および参照光Z2の計測結果を用いて対象物Kの状態を判定する。

【0014】
具体的には、図1に示すように、対象光Y2の計測結果Rc(入力光Xと対象光Y2との偏光状態の差)には、対象物Kでの偏光状態の変化Ra(入力光Xと対象光Y1との偏光状態の差)、および光伝送路6での偏光状態の変化Rb(対象光Y1と対象光Y2との偏光状態の差)が含まれているところ、参照光Z2の計測結果(入力光Xと参照光Z2との偏光状態の差)から光伝送路6での偏光状態の変化Rbが得られるため、RcからRbを除く補正を行うことで対象物Kでの偏光状態の変化Raが算出され、Raに基づいて対象物Kの状態を判定することができる。

【0015】
対象セル3が配される第1空間が、可燃性の対象物Kが流れるパイプラインの内部のような場合には、火花等のおそれのある計測部8をパイプラインの外部(第2空間)に配する防爆構造が要求されることがあるが、このような場合でも、検出装置10によれば対象物Kの状態を適切に検出することができる。

【0016】
入力光Xの対象セル3および光中継路4それぞれへの入射タイミングは、時分割(別タイミング)でもよいし、計測側で対象光Y2および参照光Z2を分離できるように光合波素子5および光伝送路6が構成されている場合には同時でもよい。

【0017】
図1では、光中継路4で偏光状態の変化がない構成としているが、これに限定されない。光伝送路6での偏光状態の変化とは違って光中継路4での偏光状態の変化はあらかじめ把握することができる。そこで、図2のように、光中継路4での偏光状態の変化rが既知である構成では、参照光Z2の計測結果Rd(入力光Xと参照光Z2との偏光状態の差)からrを除くことで光伝送路6での偏光状態の変化Rbが算出される。そして、対象光Y2の計測結果RcからRbを除く補正を行うことで対象物Kでの偏光状態の変化Raが算出され、Raに基づいて対象物Kの状態を判断することができる。

【0018】
光伝送路6には、図3のように伝送用光ファイバ6aを用いることができる。この場合、参照光Z2の計測結果(入力光Xと参照光Z2との偏光状態の差)から伝送用光ファイバ6aでの偏光状態の変化Rbが得られるため、対象光Y2の計測結果RcからRbを除く補正を行うことで対象物Kでの偏光状態の変化Raが算出され、Raに基づいて対象物Kの状態を判定することができる。

【0019】
なお、シングルモード光ファイバでは応力等によって偏光状態が変化し、偏光保持光ファイバでは、直交成分の伝播速度差による偏光変換効果(ビート長ごと)を考慮する必要がある。このため、対象セル3と計測部8を空間的に分離する場合には、伝送用光ファイバとしていずれの光ファイバを用いても対象光のみの測定では対象物Kの状態の適切な検出が難しいことが見出されている。

【0020】
〔実施形態2〕
実施形態2では、図4のように、第1空間を、例えば可燃性の対象溶液Lが流れるパイプラインの筐体内部とし、第2空間をその筐体外部とし、対象セルには、対象溶液Lが矢印のように流れるフローセル3aを用い、光伝送路には伝送用光ファイバ6aを用い、光合波素子5および計測部8を、パイプラインの筐体内からその筐体外に引き出された伝送用光ファイバ6aによって接続する。

【0021】
図4の構成では、光中継路に中継用光ファイバ4aを用いている。この場合、入力光Xは、フローセル3aおよび中継用光ファイバ4aそれぞれに入射する。対象セル3の対象溶液Lを通ってフローセル3aから出射した対象光Y1、および中継用光ファイバ4aから出射した参照光Z1は、光合波素子5で合波された後に同一の伝送用光ファイバ6aによって伝送され、それぞれ対象光Y2および参照光Z2として計測部8に入射する。

【0022】
そして、参照光Z2の計測結果から伝送用光ファイバ6aでの偏光状態の変化Rbが得られるため、対象光Y2の計測結果RcからRbを除く補正を行うことで対象溶液Lでの偏光状態の変化Raが算出され、Raに基づいて対象溶液Lの状態を判定することができる。

【0023】
ここでは、中継用光ファイバ4a(例えば、シングルモード光ファイバ)を屈曲しないように十分に固定し、中継用光ファイバ4aで把握不能な偏光状態の変化が生じないようにする。

【0024】
また、中継用光ファイバ4aにて既知である偏光状態の変化rが生じる場合には、参照光Z2の計測結果Rdからrを除くことで伝送用光ファイバ6aでの偏光状態の変化Rbを算出すればよい。なお、rはパイプライン内の温度等の環境パラメータによっても変動するため、解析部9に、環境パラメータと、中継用光ファイバ4aでの偏光状態の変化rとを対応付けるテーブルを準備しておいてもよい。

【0025】
実施形態2の検出装置10によれば、フローセル3aをパイプラインの筐体内に配する一方、計測部8および光源部20をパイプラインの筐体外に配する防爆構造としながら、フローセル3a内の対象溶液Lの状態を適切に検出することができる。

【0026】
実施形態2では、図5に示すように、光中継路に空気セル4b(ブランクセル)を用いてもよい。この場合、入力光Xは、フローセル3aおよび空気セル4bそれぞれに入射する。対象セル3の対象溶液Lを通ってフローセル3aから出射した対象光Y1、および空気セル4bから出射した参照光Z1は、光合波素子5で合波された後に同一の伝送用光ファイバ6aによって伝送され、それぞれ対象光Y2および参照光Z2として計測部8に入射する。

【0027】
そして、参照光Z2の計測結果から伝送用光ファイバ6aでの偏光状態の変化Rbが得られるため、対象光Y2の計測結果RcからRbを除く補正を行うことで対象溶液Lでの偏光状態の変化Raが算出され、Raに基づいて対象溶液Lの状態を判定することができる。

【0028】
実施形態2では、図6に示すように、光中継路に参照溶液セル4cを用いてもよい。この場合、入力光Xは、フローセル3aおよび参照溶液セル4cそれぞれに入射する。対象セル3の対象溶液Lを通ってフローセル3aから出射した対象光Y1、および参照溶液セル4cの参照溶液Sを通って参照溶液セル4cからから出射した参照光Z1は、光合波素子5で合波された後に同一の伝送用光ファイバ6aによって伝送され、それぞれ対象光Y2および参照光Z2として計測部8に入射する。

【0029】
そして、参照光Z2の計測結果から伝送用光ファイバ6aでの偏光状態の変化Rbが得られるため、対象光Y2の計測結果RcからRbを除く補正を行うことで対象溶液Lでの偏光状態の変化Raが算出され、Raに基づいて対象溶液Lの状態を判定することができる。

【0030】
ここでは、参照溶液セル4cにて偏光状態の変化rsが生じるため、raをあらかじめ把握しておき、参照光Z2の計測結果Reからrsを除くことで伝送用光ファイバ6aでの偏光状態の変化Rbを算出すればよい。なお、rsはパイプライン内の温度等の環境パラメータによっても変動するため、解析部9に、環境パラメータと、参照溶液セル4cでの偏光状態の変化rsとを対応付けるテーブルを準備しておいてもよい。

【0031】
なお、対象溶液Lが反応中の溶液であり、参照溶液Sが反応前の溶液であって、対象溶液Lの反応の進行程度を検出するような場合には、対象溶液Lでの偏光状態の変化Raと参照溶液Sでの偏光状態の変化rsとの差をみればよく、この差は、対象光Y2の計測結果Rcと参照光Z2の計測結果Reとの差に等しい。よって、前記のようにRcの補正を行うことなく、RcとReとから対象溶液Lの反応の進行程度を検出することも可能である。

【0032】
図6の変形例として、図7のように参照溶液セル4cをフロー型とし、まずは図7(a)のように、反応前の溶液である参照溶液Sをフロー型の参照溶液セル4c内に導入し、入力光Xを参照溶液Sに入射させることで参照光Z2の計測を行い、その後、図7(b)のように、反応中あるいは反応後の溶液の対象溶液Lをフローセル3aに導入し、入力光Xを対象溶液Lに入射させることで対象光Y2の計測を行うことも可能である。図7にかかる具体的な例として、例えば、パイプライン筐体内に化学反応装置が含まれおり、反応前の参照溶液Sが流れた後に化学反応装置を通過し、反応後の溶液が対象溶液Lとなるような場合が想定される。

【0033】
〔実施形態3〕
実施形態3では、図8のように、第1空間を、例えば可燃性の対象溶液Lが流れるパイプラインの筐体内部とし、第2空間をその筐体外部とし、対象セルには、対象溶液Lが矢印のように流れるフローセル3aを用い、光合波素子にはファイバカプラ5aを用い、光伝送路には伝送用光ファイバ6aを用い、ファイバカプラ5aと計測部8とを、パイプラインの筐体内からその筐体外に引き出された伝送用光ファイバ6aによって接続する。

【0034】
図8の構成では、入力光Xは、フローセル3aおよび光中継路4それぞれに入射する。対象セル3の対象溶液Lを通ってフローセル3aから出射した対象光Y1、および光中継路4から出射した参照光Z1は、ファイバカプラ5aで合波された後に同一の伝送用光ファイバ6aによって伝送され、それぞれ対象光Y2および参照光Z2として計測部8に入射する。

【0035】
そして、参照光Z2の計測結果から伝送用光ファイバ6aでの偏光状態の変化Rbが得られるため、対象光Y2の計測結果RcからRbを除く補正を行うことで対象溶液Lでの偏光状態の変化Raが算出され、Raに基づいて対象溶液Lの状態を判定することができる。なお、光中継路4にて既知である偏光状態の変化rが生じる場合には、参照光Z2の計測結果Rdからrを除くことで伝送用光ファイバ6aでの偏光状態の変化Rbを算出すればよい。

【0036】
このように、光合波素子にファイバカプラ5aを用いることで、光合波のための光学系の構築が容易になり、光合波の安定性も得られる。ただし、ファイバカプラ5aの二股部分については、それぞれを同等かつ十分に固定し、両者の間で偏光状態の変化に差がでないようにする。

【0037】
実施形態3の検出装置10によれば、フローセル3aをパイプラインの筐体内に配する一方、計測部8および光源部20をパイプラインの筐体外に配する防爆構造としながら、フローセル3a内の対象溶液Lの状態を適切に検出することができる。

【0038】
図8の構成では光合波素子にファイバカプラ5aを用いているが、これに限定されない。図9のように光合波素子に逆ビームスプリッタ5bを用いることもできる。逆ビームスプリッタ5bは、光分波用のビームスプリッタの入光側と出光側を逆使いしたものであり、2つの光(対象光Y1と参照光Z1)を合波することができる。

【0039】
このように、光合波素子に逆ビームスプリッタ5bを用いることで、対象光および参照光間でファイバ伝送経路が同一(伝送用光ファイバ6a)となり、前記補正の精度がより高められる。また、逆ビームスプリッタ5bを導光部30の光学系(後述)に整合させることで補償効果を図ることもできる。

【0040】
〔実施形態4〕
実施形態1の光源部20および導光部30は、例えば図10のように構成することができる。すなわち、光源部20は発光素子21、レンズ22・23および光スイッチ素子27・28を含み、導光部30は、2本の導光用光ファイバ31・32および偏光子35を含む。この構成では、光源部20において光スイッチ素子27・28を排他的に(例えば、順次に)ONし、導光用光ファイバ31・32に対して別タイミングで光を入射させることで、対象セル3を通過した対象光Y2と、光中継経路4を通過した参照光Z2とを別々に計測することができる。

【0041】
具体的には、発光素子21から発せられた2つの光の一方は、レンズ22および光スイッチ素子27を介して導光用光ファイバ31に入射し、導光用光ファイバ31および偏光子35を通って対象セル3への入力光Xとなり、他方は、レンズ23および光スイッチ素子28を介して導光用光ファイバ32に入射し、導光用光ファイバ32および偏光子35を通って光中継路4への入力光Xとなる。

【0042】
図10の構成は、導光部30の光学系の構築が容易であり、自由度も高い。また、導光用光ファイバが2本設けられているため、2つの入力光の入射タイミングを独立に制御することも容易である。ただし、2本の導光用光ファイバ31・32については、それぞれを同等かつ十分に固定し、両者の間で偏光状態の変化に差がでないようにする。

【0043】
なお、図10の光源部20および導光部30の構成は、実施形態2・3にも適用することができる。

【0044】
実施形態1の光源部20および導光部30は、図11のように構成することもできる。すなわち、光源部20は、波長λaの光を発する発光素子21a、波長λbの光を発する発光素子21b、レンズ22・23、および光スイッチ素子27・28を含み、導光部30は、1本の導光用光ファイバ33、光分波素子36、および波長フィルタ37a・37bを含む。波長フィルタ37aは、対象セル3の直前に配され、波長λaの光を通過させて波長λbの光を遮断する。波長フィルタ37bは、光中継路4の直前に配され、波長λbの光を通過させて波長λaの光を遮断する。

【0045】
この構成では、光源部20において光スイッチ素子27・28を排他的に(例えば、順次に)ONし、導光用光ファイバ33に対して波長λaの光および波長λbの光を別タイミングで光を入射させ、かつ波長フィルタ37a・37bでフィルタリングすることで、対象セル3を通過した対象光Y2と、光中継経路4を通過した参照光Z2とを別々に計測することができる。

【0046】
具体的には、発光素子21aから発せられた波長λaの光は、レンズ22および光スイッチ素子27を介して導光用光ファイバ33に入射し、導光用光ファイバ33を通って光分波素子36にて2つの光に分けられる。光分波素子36から出射した2つの光の一方は波長フィルタ37aを通過して対象セル3への入力光Xとなり、他方は、波長フィルタ37bによって遮断される(光中継路4には入射しない)。

【0047】
また、発光素子21bから発せられた波長λbの光は、レンズ23および光スイッチ素子28を介して導光用光ファイバ33に入射し、導光用光ファイバ33を通って光分波素子36にて2つの光に分けられる。光分波素子36から出射した2つの光の一方は波長フィルタ37bを通過して光中継路4への入力光Xとなり、他方は、波長フィルタ37aによって遮断される(対象セル3には入射しない)。

【0048】
なお、光分波素子36としては、ファイバカプラやビームスプリッタを用いることができる。なお、ファイバカプラを用いる場合には、二股部分それぞれを同等かつ十分に固定し、両者の間で偏光状態の変化に差がでないようにする。

【0049】
図11の構成では、導光部30に1本の導光用光ファイバを用いているため、偏光状態の揃った2つの光を入力光Xとして利用することができる。

【0050】
なお、図11の光源部20および導光部30の構成は、実施形態2・3にも適用することができる。

【0051】
実施形態1の光源部20および導光部30は、図12のように構成することもできる。すなわち、光源部20は発光素子21、レンズ22・23、偏光子25・26、および光スイッチ素子27・28を含み、導光部30は、1本の偏光保持モード光ファイバである導光用偏光保持ファイバ34、ビームスプリッタ38、および偏光子39a・39bを含む。

【0052】
この構成では、光源部20において光スイッチ素子27・28を排他的に(例えば、順次に)ONし、偏光の異なる2つの光を導光用偏光保持ファイバ34に対して別タイミングで光を入射させることで、対象セル3を通過した対象光Y2と、光中継経路4を通過した参照光Z2とを別々に計測することができる。

【0053】
具体的には、発光素子21から発せられ、レンズ22、偏光子25、および光スイッチ素子27を通過した光は、第1偏光の状態で導光用偏光保持ファイバ34に入射し、導光用偏光保持ファイバ34を通ってビームスプリッタ38にて2つの光に分けられ、その一方が偏光子39aを通過し、第1偏光の状態の入力光Xとして対象セル3へ入射する(他方は偏光子39bで遮断され、光中継路4には入射しない)。また、発光素子21から発せられ、レンズ23、偏光子26、および光スイッチ素子28を通過した光は、第2偏光の状態で導光用偏光保持ファイバ34に入射し、導光用偏光保持ファイバ34を通ってビームスプリッタ38にて2つの光に分けられ、その一方が偏光子39bを通過し、第2偏光の状態の入力光xとして光中継路4へ入射する(他方は偏光子39aで遮断され、対象セル3には入射しない)
ここでは、偏光子25および光スイッチ素子27を介して導光用偏光保持ファイバ34に入射する光の偏光軸と、偏光子26および光スイッチ素子28を介して導光用偏光保持ファイバ34に入射する光の偏光軸とを互いに直交させて導光用偏光保持ファイバ34の2つの軸に合わせることで、互いに独立した光伝搬を行うことができる。

【0054】
この場合、入力光Xは対象セル3に入射し、入力光xは光中継路4に入射する。対象セル3の対象物Kを通って対象セル3から出射した対象光Y1、および光中継路4から出射した参照光z1は、光合波素子5で合波された後に同一の光伝送路6によって伝送され、それぞれ対象光Y2および参照光z2として計測部8に入射する。

【0055】
そして、参照光z2の計測結果から光伝送路6での偏光状態の変化Rbが得られるため、対象光Y2の計測結果RcからRbを除く補正を行うことで対象物Kでの偏光状態の変化Raが算出され、Raに基づいて対象物Kの状態を判定することができる。

【0056】
図12の構成では、導光部30に1本の導光用偏光保持ファイバ34を用いているため、導光部30での偏光状態の変化が無視できる2つの光を入力光Xおよび入力光xとして利用することができる。また、光合波素子5の光学系と組み合わせた補償も可能となる。

【0057】
なお、図12の光源部20および導光部30の構成は、実施形態2・3にも適用することができる。

【0058】
〔まとめ〕
検出装置10は、対象物Kが存在する対象セル3を通過した対象光Y1、および対象セル3を通過していない参照光Z1それぞれを伝送する光伝送路6を備え、光伝送路6から得られる対象光Y2および参照光Z2それぞれの偏光状態を計測し、対象光Y2の計測結果および参照光Z2の計測結果を用いて対象物Kの状態を検出することを特徴とする。

【0059】
このように、対象光Y1および参照光Z1それぞれを伝送する共通の光伝送路6を設け、対象光Y2の計測結果および参照光Z2の計測結果を用いて対象物Kの状態を検出することで、対象物Kと計測系(計測部8等)とを離隔する場合にも適切な検出が可能となる。

【0060】
検出装置10では、光伝送路6から得られる対象光Y2および参照光Z2それぞれの偏光状態を計測する計測部8を備え、対象セル3と計測部8とが異なる空間に配されていてもよい。

【0061】
検出装置10では、参照光Z2の計測結果を用いて対象光Y2の計測結果の補正を行うことができる。

【0062】
検出装置10では、前記補正によって、対象光Y2の計測結果から光伝送路6での偏光状態の変化を除くことができる。

【0063】
検出装置10では、光中継路4を備え、光中継路4を通過した参照光Z1が光伝送路6にて伝送される構成とすることができる。

【0064】
検出装置10では、光中継路4を、空気が存在するブランクセル(空気セル4b)または参照物が存在する参照セル(参照溶液セル4c)とすることができる。

【0065】
検出装置10では、光伝送路6は光ファイバとすることができる。

【0066】
検出装置10では、光伝送路6は、対象セル3を含む筐体(例えば、パイプラインの筐体)の内部からその外部に引き出されている構成とすることができる。

【0067】
前記筐体の内部では、液体である対象物(対象溶液L)が対象セル3内を流れている構成とすることができる。

【0068】
検出装置10では、対象光Y1および参照光Z1は光合波素子5を介して光伝送路6に送られる構成とすることができる。

【0069】
検出装置10では、光合波素子5をファイバカプラとすることもできる。

【0070】
検出装置10では、2つの導光路の一方(導光用光ファイバ31)によって導かれた光を前記対象セル3への入力光Xとして用い、他方(導光用光ファイバ32)によって導かれた光を光中継路4への入力光Xとして用い、各導光路は、対象セル3を含む筐体(パイプラインの筐体)の内部からその外部に引き出されている構成とすることができる。

【0071】
検出装置10では、同一の導光路(導光用偏光保持ファイバ34)によって導かれた光を、対象セル3および光中継路4への入力光(X・x)として用い、前記導光路は、対象セル3を含む筐体の内部からその外部に引き出されている構成とすることができる。

【0072】
検出装置10では、前記導光路によって導かれた光を、対象セル3側への光と、前記光中継路4側への光とに分ける光分波素子36を備える構成とすることもできる。

【0073】
検出装置10では、前記導光路は、偏光保持方式の光ファイバとすることもできる。

【0074】
本検出方法は、対象物Kが存在する対象セル3を通過した対象光Y1、および対象セル3を通過していない参照光Z1それぞれを光伝送路6によって対象セル3が配置された空間の外部に伝送し、光伝送路6から得られる対象光Y2および参照光Z2それぞれの偏光状態の計測結果を用いて対象物Kの状態を検出するものである。

【0075】
本検出方法によれば、対象光Y1および参照光Z1それぞれを伝送する共通の光伝送路6を設け、光伝送路6から得られる対象光Y2および参照光Z2の計測結果を用いて対象物Kの状態を検出することで、対象物Kと計測系(計測部8等)とを別空間に配する場合にも適切な検出が可能となる。

【0076】
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態を技術常識に基づいて適宜変更したものやそれらを組み合わせて得られるものも本発明の実施の形態に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
3 対象セル
4 光中継路
4a 中継用光ファイバ
4b 空気セル(ブランクセル)
4c 参照溶液セル(参照セル)
5 光合波素子
5a ファイバカプラ
5b 逆ビームスプリッタ
6 光伝送路
6a 伝送用光ファイバ
8 計測部
9 解析部
10 検出装置
20 光源部
21 発光素子
22・23 レンズ
27・28 光スイッチ素子
30 導光部
31~33 導光用光ファイバ(導光路)
34 導光用偏光保持ファイバ(導光路)
36 光分波素子
37a 37b 波長フィルタ
38 ビームスプリッタ
39a 39b 偏光子
K 対象物
S 参照溶液
L 対象溶液
Y1・Y2 対象光
Z1・Z2 参照光
X 入力光
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11