TOP > 国内特許検索 > Qスイッチ固体レーザー装置 > 明細書

明細書 :Qスイッチ固体レーザー装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-079283 (P2017-079283A)
公開日 平成29年4月27日(2017.4.27)
発明の名称または考案の名称 Qスイッチ固体レーザー装置
国際特許分類 H01S   3/115       (2006.01)
FI H01S 3/115
請求項の数または発明の数 4
出願形態 OL
全頁数 11
出願番号 特願2015-207278 (P2015-207278)
出願日 平成27年10月21日(2015.10.21)
発明者または考案者 【氏名】井上 光輝
【氏名】高木 宏幸
【氏名】後藤 太一
【氏名】平等 拓範
出願人 【識別番号】304027349
【氏名又は名称】国立大学法人豊橋技術科学大学
【識別番号】504261077
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人自然科学研究機構
個別代理人の代理人 【識別番号】110000110、【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 5F172
Fターム 5F172AE01
5F172AF02
5F172EE13
5F172NN13
5F172NQ24
5F172ZA04
要約 【課題】固体レーザー材料と能動Qスイッチを利用するレーザー装置を小型化する。
【解決手段】固体レーザー材料とQスイッチを利用するレーザー装置において、電気光学効果または磁気光学効果を利用してQスイッチを能動的に制御可能とする技術が存在するが、レーザー装置が大型化する。磁気光学効果を利用してQスイッチとすると、小型化できる。時間幅が狭く、ピーク強度が高いパルスレーザーを得ることができる。永久磁石とコイルを併用することでQ値を変えるための電流値を低減することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
第1共振ミラーと固体レーザー材料とQスイッチと第2共振ミラーが、その順序で配置されており、
前記Qスイッチが、磁気光学効果を呈する膜と磁束発生器の組み合わせで構成されており、
前記固体レーザー材料に励起光を入射し、前記磁束発生器にパルスを加えると、パルスレーザーを発光するQスイッチ固体レーザー装置。
【請求項2】
前記磁気光学効果を呈する膜が、磁束発生器による磁束変化によってファラデー回転角が1度以上変化する膜から選択されている請求項1のQスイッチ固体レーザー装置。
【請求項3】
前記磁気光学効果を呈する膜が、希土類鉄ガーネットである請求項1または2のQスイッチ固体レーザー装置。
【請求項4】
前記磁束発生器が、永久磁石と励磁コイルの組み合わせで構成されている請求項1から3のいずれかの1項に記載のQスイッチ固体レーザー装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、励起光で励起すると反転分布状態となって誘導放出現象が生じる固体レーザー材料を利用する固体レーザー装置に関する。特に、一対の共振ミラーの間に固体レーザー材料とQスイッチを配置することによって、パルスレーザーを発光するQスイッチ固体レーザー装置に関する。以下では簡単化のために、Qスイッチ固体レーザー装置をレーザー装置と略称することがある。
【背景技術】
【0002】
第1共振ミラーと固体レーザー材料とQスイッチと第2共振ミラーを、その順序で配置したレーザー装置が知られている。すなわち、第1共振ミラーと第2共振ミラーで構成される一対の共振ミラーの間に、固体レーザー材料とQスイッチを配置したレーザー装置が知られている。
【0003】
非特許文献1には、一対の共振ミラーの間に固体レーザー材料とQスイッチを配置した小型のレーザー装置が開示されているが、そのQスイッチは可飽和現象を利用する受動Qスイッチであり、Qスイッチを能動的に制御することができない。
【0004】
非特許文献2に、電気光学効果を利用してQスイッチを能動的に制御する技術が開示されているが、固体レーザー材料の厚みが0.5mmであるのに対し、Qスイッチの厚みが5mmもあり、Qスイッチがレーザー装置の小型化の障害となっている。
【0005】
非特許文献3に、音響光学効果を利用してQスイッチを能動的に制御する技術が開示されているが、Qスイッチの厚みが32mmもあり、Qスイッチがレーザー装置の小型化の障害となっている。
現在の技術では、Qスイッチを能動的に制御可能とすると、そのQスイッチが大型化してしまってレーザー装置の小型化の障害となっている。現在の技術では、レーザー装置の小型化とQスイッチの能動化を両立させることができない。
【先行技術文献】
【0006】

【非特許文献1】T.Taira, M.Tsunekane, K.Kanehara, S.Morishima, N.Taguchi and A. Sugiura: “7. Promise of Giant Pulse Micro-Laser for Engine Ignition”, Journal of Plasma and Fusion Research, Vol. 89, No.4, pp.238-241(2013)
【非特許文献2】T.Taira, and T.Kobayasdhi: “Q-Switching and Frequency Doubling of Solid-State Lasers by a Single Intracavity KTP Crystal”, IEEE Journal of Quantum Electronics of Vol. 30, No.3, pp.800-804(1994)
【非特許文献3】Gooch & Housego Co.Ltd., Product number 1-QS041-1, 8C10G-4-GH21http://www.optoscience.com/maker/gooch/pdf/ao-qswuitch-air.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書では、レーザー装置の小型化の障害とならないという制約の中でQスイッチを能動化する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書で開示するレーザー装置では、第1共振ミラーと固体レーザー材料とQスイッチと第2共振ミラーが、その順序で配置されている。すなわち、第1共振ミラーと第2共振ミラーで一対の共振ミラーが構成され、その一対の共振ミラー間に固体レーザー材料とQスイッチが配置されている。Qスイッチは、磁気光学効果を呈する膜(以下では磁気光学膜と略称する)と磁束発生器の組み合わせで構成されている。固体レーザー材料に励起光を入射し、磁束発生器にパルスを加えると、Qスイッチ固体レーザー装置はパルスレーザーを発光する。
【0009】
磁気光学膜は、磁気光学膜を透過するレーザーの偏向面を回転させる。その回転角(ファラデー回転角)は、磁束発生器が発生する磁束の大きさに合わせて変化する。ファラデー回転角の大きさによって、Q値が低い状態に調整することもできれば、Q値が高い状態に調整することもできる。磁気光学膜と磁束発生器によって能動型Qスイッチを構成することができる。磁気光学膜を利用すると、Qスイッチに必要なファラデー回転角の変化を薄い磁気光学膜と小型の磁束発生器で確保することができる。レーザー装置の小型化を妨げることなくQスイッチを能動化することができる。
【0010】
研究の結果、ファラデー回転角とQ値の間には閾値ともいえる敏感性が存在することが判明した。すなわち、その閾値にあたるファラデー回転角をC°したとき、C-ΔC°ではQ値が低くてパルスレーザーが発光せず、C+ΔC°ではQ値が高くてパルスレーザーが発光する関係にあり、そのΔC°は小さく、ΔC°が0.5°程度で、パルスレーザーが発光することが分かった。すなわち、C-ΔC°とC+ΔC°の差が1°以上あれば、Qスイッチとなることが分かった。磁束発生器による磁束変化によってファラデー回転角が1°以上変化する膜を磁気光学膜とすることが好ましい。
【0011】
特に、希土類鉄ガーネットが磁気光学膜に適している。
【0012】
磁気光学膜のファラデー回転角は、C-ΔC°以下の回転角とC+ΔC°以上の回転角の間で変化させる必要がある。励磁コイルへの通電流がゼロのときのファラデー回転角がゼロであり、励磁コイルへ通電したときのファラデー回転角がC+ΔC°以上となる値の電流をオンオフすることによって上記関係を実現してもよいが、永久磁石とコイルの組み合わせを利用してもよい。永久磁石によってファラデー回転角がC°付近になる関係に調整しておき、それに付加して加えるコイルに由来する磁場によって、C-ΔC°とC+ΔC°の間でファラデー回転角を変化させるようにしてもよい。励磁電流を低く抑えることができ、励磁コイルを小型化することができる。
【発明の効果】
【0013】
本明細書で開示するQスイッチ固体レーザー装置によると、能動型Qスイッチによってパルスレーザーの発光タイミングを制御することが可能となり、しかも小型化することができる。この技術によって、Qスイッチ固体レーザー装置を、光通信デバイスやレーザー加工装置に搭載することが可能となり、あるいはディスプレイ装置を小型化して高出力化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施例のQスイッチ固体レーザー装置の構成を模式的に説明する。
【図2】ファラデー回転角とパルスレーザーのピーク出力の関係を示す。
【図3】第2実施例のQスイッチ固体レーザー装置の構成を模式的に説明する。
【図4】ファラデー回転角とパルスレーザーのピーク出力の関係を示す。
【図5】励磁コイルに通電するパルス電流とパルスレーザーの関係を示す。
【図6】通電電流とファラデー回転角の関係を示す。
【図7】第3実施例のレーザー装置の主要部の構成を模式的に示す。
【図8】第4実施例のレーザー装置の主要部の構成を模式的に示す。
【図9】第5実施例のレーザー装置の主要部の構成を模式的に示す。
【図10】第6実施例のレーザー装置の主要部の構成を模式的に示す。
【図11】第7実施例のレーザー装置の主要部の構成を模式的に示す。
【図12】第8実施例のレーザー装置の主要部の構成を模式的に示す。
【図13】第9実施例のレーザー装置の主要部の構成を模式的に示す。
【図14】永久磁石とコイルを併用する場合の電流とファラデー回転角の関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本明細書で開示する実施例の技術的特徴の幾つかを記す。なお、以下に記す事項は、各々単独で技術的な有用性を有している。
(特徴1)固体レーザー材料の端面に磁気光学膜を製膜する。
(特徴2)固体レーザー材料と独立して存在する磁気光学膜を固体レーザー材料と組み合わせて用いる。
(特徴3)磁気光学膜の表面に励磁コイルをパターニングする。
(特徴4)磁気光学膜の近傍に励磁コイルを配置する。
(特徴5)2個の励磁コイルの間に磁気光学膜を配置する。
【実施例】
【0016】
(第1実施例)
図1は、半導体レーザー装置2で励起するとパルスレーザーを発光するQスイッチ固体レーザー装置22の構成を模式的に示している。参照番号4と6は、半導体レーザー装置2が発光するレーザーの集光用レンズである。参照番号8は、固体レーザー材料を示しており、半導体レーザー装置2が放出するレーザーに励起されると反転分布状態に変化して誘導放出してレーザーを発光する。本実施例では、Nd3+イオンを含むGdVOを用いる。固体レーザー材料8の組成は特に限定されず、反転分布状態となって誘導放出する材料であればよい。例えば、Nd:YVO,Nd:LuVOなどのバナデート材料、あるいは、Nd:YAG, Nd:LuAG, Nd:GSGGなどのガーネット材料であってもよい。添加する希土類は、Ndに限られず、Yb, Er,Tm,Hoなどであってもよい。
【実施例】
【0017】
参照番号8aは、固体レーザー材料8の端面にコーティングされている膜であり、半導体レーザー装置2が放出するレーザーに対しては高い透過率を持ち、固体レーザー材料8が誘導放出するレーザーには高い反射率を持つ膜である。請求項でいう第1共振ミラーに相当する。
本実施例では、半導体レーザー装置2が808nmのレーザーを出力し、Qスイッチ固体レーザー装置22が1064nmのレーザーを出力する。コーティング膜8aは、808nmに対しては99.8%以上の透過率を持ち、1064nmに対しては98%以上の反射率をもっている。
参照番号8bもまた、固体レーザー材料8の端面にコーティングされている膜であり、808nmに対しては99.8%以上の反射率を持ち、1064nmに対しては98%以上の透過率をもっている。1064nmに対しては、ミラー効果を備えていない。
【実施例】
【0018】
参照番号16は反射膜であり、808nmに対しては99.8%以上の反射率を持ち、1064nmに対しては95%以上の反射率をもっている。反射膜16は、請求項でいう第2共振ミラーに相当する。
【実施例】
【0019】
第1共振ミラー8aと第2共振ミラー16の反射面は平行であり、両者の間に固体レーザー材料8が誘導放出するレーザーを閉じ込める。第1共振ミラー8aと第2共振ミラー16は共振装置を構成する。第2共振ミラー16は、固体レーザー材料8が誘導放出するレーザーに対して適当な反射率を持ち、後記する磁気光学膜10のQ値が増大した場合には、共振したレーザーの一部が第2共振ミラー16を通過する。第2共振ミラー16からパルスレーザーが得られる。
第1共振ミラー8aと第2共振ミラー16は、既存技術によって得られるものであり、詳しい説明を省略する。第2共振ミラー16の反射面を凹面としてもよい。第1共振ミラー8aの反射面の光軸と第2共振ミラー16の反射面の光軸を揃えれば、両者の間に固体レーザー材料8が誘導放出するレーザーを閉じ込めことができる。
参照番号18は、第2共振ミラー16から射出するレーザー光のパワーを計測する測定器である。
【実施例】
【0020】
参照番号10は磁気光学現象を呈する膜であり、本実施例では、希土類鉄ガーネット([BiTb]3[FeGa]5O12)を用いた。磁気光学膜10は、高いQ値を実現するファラデー角と低いQ値を実現するファラデー角との間で変化する磁気光学現象を呈する膜であればよく、希土類鉄ガーネットに限定されるものでない。磁気光学膜10の膜厚は190μmであり極めて薄い。磁気光学膜10は、レーザー装置22の小型化の障害にならない。
【実施例】
【0021】
参照番号12は、励磁コイルを示し、磁気光学膜10の外周に沿って一巡しており、磁気光学膜10の中央部(レーザーが通過する部分)に磁場をかけることでファラデー回転現象が得られるようにする。本実施例では、パルスレーザーを発光させない期間では励磁コイル12に通電せず、磁気光学膜10のファラデー回転角をゼロする。ファラデー回転角がゼロの間はQ値が低く、パルスレーザーは得られない。パルスレーザーを発光させる期間では励磁コイル12に通電し、磁気光学膜10のファラデー回転角を増大させる。ファラデー回転角が増大するとQ値が上昇し、パルスレーザーが得られる。
図では磁気光学膜10と励磁コイル12が離れて図示されているが、実際には近接して配置されている。
【実施例】
【0022】
図2は、ファラデー回転角(励磁コイル12への通電電流値にほぼ比例する)とパルスレーザーのピーク出力(W)の関係を示している。パルスレーザーのピーク出力は、ファラデー回転角が44.5°の前後で急峻に変化する。ファラデー回転角が44°である場合はQ値が低く、パルスレーザーは得られない。ファラデー回転角が45°になるとQ値が上昇し、パルスレーザーが得られる。すなわち、磁気光学膜10のファラデー回転角が44°と45°の間で1度変化するだけで、パルスレーザーが発光しない状態と発光する状態の間で変化する。実験によって、ファラデー回転角が閾値を挟んで1°以上変化すれば、磁気光学膜10がQスイッチとなることが判明している。
【実施例】
【0023】
(第2実施例)
図3は、第2実施例のレーザー装置の構成を模式的に示している。以下では説明済みの事象に対しては同じ参照番号を用いて重複説明を省略する。相違点のみを説明する。第2実施例のレーザー装置22aでは、磁気光学膜10に近接する位置にリング状の永久磁石14が追加されている。永久磁石14の中央開孔をレーザーが通過する。
図4は、永久磁石とコイルを併用して磁束を発生する場合のファラデー回転角とピーク出力の関係を示す。永久磁石14によって磁気光学膜10のファラデー回転角が閾値の直下にある44°に調整されている。この実施例では、励磁コイル12への通電によって、ファラデー回転角が44°から変化する。本実施例によっても、励磁コイル12への通電値を変化させるとQ値が変化し、ピーク出力が変化する。理由は不明であるが、図2と図4を比較すると、図2ではファラデー角の変化に対してピーク出力が敏感に変化するのに対し、図4では敏感性が緩和できる。第2実施例によると、永久磁石14を併用することからQ値を変化させるのに要する励磁電流の変化が小さくてすみ、励磁コイル12を小型化することができる。
【実施例】
【0024】
図5は、コイル12に電電するパルス電流と、Qスイッチ固体レーザー装置から得られるレーザー出力の関係を示している。(a)は、パルス電流の立ち上がり速度が急峻な場合を示し、(c)は立ち上がり速度が緩やかな場合を示す。パルスレーザー出力の変化速度は、パルス電流の立ち上がり速度の影響を受け、パルス電流の立ち上がり速度が速いほどパルスレーザー出力は急激に上昇する((b)参照)。
【実施例】
【0025】
磁気光学膜10をQスイッチに利用すると、ファラデー角の変化速度を高速化でき、パルスレーザー出力の変化速度を高速化でき、パルスレーザーの時間幅を短くすることでき、パルスレーザーのピーク出力を増大することができる。実験によってパルスレーザーの半値幅を45nsまで短くできることが確認された。また、磁気光学膜10をQスイッチに利用すると、パルスレーザーの繰り返し周波数を増大することもできる。
【実施例】
【0026】
図6は、磁気光学膜10に加える磁場とファラデー回転角の関係を示し、わずかなヒステリシスがあるもののファラデー回転角は通電電流値にほぼ比例する関係にあることがわかる。またファラデー回転角には飽和値が存在し、その飽和値は前記した閾値(C°)よりも高い関係にある。さらに、飽和値となってもQ値は低下せず、飽和値となってもパルスレーザーは発振する。
【実施例】
【0027】
図7は、第3実施例のレーザー装置の構成を模式的に示す。本実施例では、励磁コイル12が磁気光学膜10の表面にパターニングされている。励磁コイル12は1回巻きで足りることから、プリント基板の技術によって励磁コイル12を磁気光学膜10の表面に簡単にパターニングすることができる。
【実施例】
【0028】
図8は、第4実施例のレーザー装置の構成を模式的に示す。磁気光学膜10に加える磁束を発生する電流の経路は、コイル状でなく、直線であってもよい。直線上の金属パターン12bの一端にパルス電圧を加えると、立ち上がり時と立下り時に逆方向の電流が流れる。この電流を利用して磁気光学膜10のファラデー回転角を変化させてもよい。
【実施例】
【0029】
図9は、第5実施例のレーザー装置の構成を模式的に示す。励磁コイル12cは、磁気光学膜の10の外周を取り囲んでいてもよい。
図10は、第6実施例のレーザー装置の構成を模式的に示す。2個の励磁コイル12c,12dを平行に配置し、その間に磁気光学膜10を配置してもよい。励磁コイル12c,12d等は、磁気光学膜10の外周を一巡していてもよいし、磁気光学膜10の端面の外周に沿う領域にパターニングしてもよい。
【実施例】
【0030】
図11は、第7実施例のレーザー装置の構成を模式的に示す。永久磁石14は、磁気光学膜10の外周を一巡していてもよい。
図12は、第8実施例のレーザー装置の構成を模式的に示す。磁気光学膜10と第2共振ミラー16の間にポラライザ—20を挿入してもよい。
図13は、第9実施例のレーザー装置の構成を模式的に示す。半導体レーザー装置2と第1共振ミラー8aと固体レーザー材料8と磁気光学膜10と励磁コイル12aを集積化して一体化している。小型化に有利である。磁気光学膜10の端面にコーティングすることによって第2共振ミラー16まで一体化することもできる。
【実施例】
【0031】
図14の(a)は、永久磁石14によるファラデー回転角を示し、(b)はパルス状の励磁電流を示し、(c)は永久磁石14と励磁コイル12によるファラデー回転角を示す。第1実施例の励磁電流に比して、図14(b)の励磁電流は非常に小さい。
【実施例】
【0032】
永久磁石14と励磁コイル12の組み合わせによって、図14(d)~(f)の現象を得てもよい。図14(d)は永久磁石によってC+ΔCのファラデー回転角に調整することを示す。図14(e)は、パルスレーザーの発光タイミング以外では、励磁コイルによって-2×ΔCのファラデー回転角となる電流を加える。パルスレーザーの発光タイミングでは励磁電流をゼロとする。
【実施例】
【0033】
図14(g)~(i)の現象を利用してもよい。図14(g)は永久磁石によってファラデー回転角をCに調整することを示す。図14(h)は、パルスレーザーの発光タイミング以外では、励磁コイルによって-ΔCのファラデー回転角となる電流を加え、パルスレーザーの発光タイミングでは、励磁コイルによって+ΔCのファラデー回転角となる電流を加える。
いずれによっても、(c)(f)(i)に示すように、小さな励磁電流で、ファラデー回転角をC—ΔCのC+ΔCの間で変化させることができ、小さな励磁電流でパルスレーザーの発光タイミングを制御することができる。
【実施例】
【0034】
半導体レーザー装置2が発光するレーザー光は、連続レーザーであってもよいし、パルスレーザーであってもよい。後者の場合、半導体レーザー装置2からのパルスレーザーの半値幅よりも固定レーザー装置22からのパルスレーザーの半値幅が短い関係を得ることができる。
【実施例】
【0035】
上記実施例では、第1共振ミラー8aが固体レーザー材料8の端面に製膜されているが、固体レーザー材料8とは別に存在するミラーを第1共振ミラーとしてもよい。上記実施例では、磁気光学膜10と、第2共振ミラー16が別に存在するが、磁気光学膜10の端面に第2共振ミラー16を製膜してもよい。励磁コイルと永久磁石についても同様であり、磁気光学膜と一体化してもよいし、磁気光学膜と組み合わせてもよい。
また励起光の光源は半導体レーザー装置に限られず、他の光源であってもよいが、半導体レーザー装置は小型であることから、半導体レーザー装置とQスイッチ固体レーザー装置を組み合わせた装置の全体が小型化できる。
【実施例】
【0036】
本明細書でいう膜は、基板に付着している膜であってもよいし、基板から独立して存在する板であってもよい。レーザー材料とは別に製造されたガーネット結晶も、本明細書では膜という。また、ミラーについても同様であり、基板に付着した膜がミラーとなることもあれば、基板から独立に存在する板がミラーとなることもある。
ミラーも磁気光学膜も、多層膜(いわゆる1次元フォトニック結晶)で実現することができる。ミラーと磁気光学膜は、金属ミラー、多層膜ミラーあるいはフォトニック結晶などであって、反射率,透過率を制御した膜あるいは板で構成することができる。
【実施例】
【0037】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0038】
2:半導体レーザー装置
4:励起光の第1集光レンズ
6:励起光の第2集光レンズ
8a:第1共振ミラー
8:固体レーザー材料
8b:コーティング膜
10:磁気光学膜
12:励磁コイル
14:永久磁石
16:第2共振ミラー
18:検出器
20:ポラライザ
22:固体Qスイッチレーザー装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図14】
6
【図7】
7
【図8】
8
【図9】
9
【図10】
10
【図11】
11
【図12】
12
【図13】
13