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明細書 :移動ロボット

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5846516号 (P5846516)
登録日 平成27年12月4日(2015.12.4)
発行日 平成28年1月20日(2016.1.20)
発明の名称または考案の名称 移動ロボット
国際特許分類 B62D  57/024       (2006.01)
B60B  19/00        (2006.01)
FI B62D 57/02 C
B60B 19/00 D
B60B 19/00 J
請求項の数または発明の数 5
全頁数 22
出願番号 特願2014-551103 (P2014-551103)
出願日 平成25年12月3日(2013.12.3)
国際出願番号 PCT/JP2013/082472
国際公開番号 WO2014/087999
国際公開日 平成26年6月12日(2014.6.12)
優先権出願番号 2012265386
優先日 平成24年12月4日(2012.12.4)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成27年9月1日(2015.9.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】506122327
【氏名又は名称】公立大学法人大阪市立大学
発明者または考案者 【氏名】高田 洋吾
【氏名】川合 忠雄
【氏名】川上 洋司
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100156845、【弁理士】、【氏名又は名称】山田 威一郎
【識別番号】100124039、【弁理士】、【氏名又は名称】立花 顕治
【識別番号】100124431、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 順也
【識別番号】100112896、【弁理士】、【氏名又は名称】松井 宏記
【識別番号】100179213、【弁理士】、【氏名又は名称】山下 未知子
審査官 【審査官】畔津 圭介
参考文献・文献 特開平10-24875(JP,A)
特開昭60-121177(JP,A)
特開平10-286694(JP,A)
特開平10-175575(JP,A)
特開2000-168305(JP,A)
国際公開第2011/102527(WO,A1)
調査した分野 B62D 57/024
B60B 19/00
特許請求の範囲 【請求項1】
金属で構成された対象面を移動する移動ロボットであって、
間隔をおいて配置される2以上の筐体部と、
前記各筐体部に回転自在に支持される少なくとも1つの出力シャフトと、
前記各筐体部の両側に配置され、前記各出力シャフトによって回転駆動される車輪部と、
前記出力シャフトを回転駆動する少なくとも1つの駆動部と、
前記隣接する前記筐体部同士を連結し、少なくとも一部が弾性変形可能な連結部と、を備え、
前記各車輪部は、
前記出力シャフトに連結される基部と、
前記基部から放射状に突出する複数の棒状部材と
前記各棒状部材の先端に取り付けられた磁石と、
を備え、
前記磁石は、前記棒状部材の先端部において、当該棒状部材の軸周りに回転可能に取り付けられている、移動ロボット。
【請求項2】
前記連結部は、棒状に形成された一対の連結部材と、当該一対の連結部材を連結するバネ部材とで構成されている、請求項1に記載の移動ロボット。
【請求項3】
前記各車輪部に対して前記駆動部がそれぞれ設けられており、一の前記駆動部によって一の前記車輪部が独立して回転駆動するように構成されている、請求項1または2に記載の移動ロボット。
【請求項4】
前記駆動部との間で信号の受送信を行う通信部をさらに備え、
前記通信部には、前記駆動部を駆動する信号を外部からの無線で受信する機能を有する、請求項1から3のいずれかに記載の移動ロボット。
【請求項5】
少なくとも1つの前記筐体部は、前記車輪部の操舵を行うステアリング機構を備えている、請求項1から4のいずれかに記載の移動ロボット。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、移動ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より行われている一般的な橋梁の点検作業は、橋梁の下方に作業用足場を設置した上で行われていた。すなわち、橋梁の下方に作業用足場を敷き詰め、作業員が行き来できる環境を構築した上で、その足場から作業者が橋梁の下部を点検する。また、橋梁の下方が道路の場合には、その道路に高所作業車を設置して橋梁の下部の点検を行う。その他、クレーン式点検車を用いて点検作業が行われる場合もある。
【0003】
しかしながら、このような作業では、作業用足場の設置、特殊車両の設置などの準備に時間を要するほか、作業者の負担が大きいという問題がある。これを解決するため、例えば、非特許文献1には、橋梁点検ロボットが提案されている。このロボットは、橋梁の主桁下側のフランジを両側から挟み込んで走行しながら、搭載されたカメラで橋梁の点検を行うように構成されている。
【0004】
また、非特許文献2には、無限軌道と永久磁石とを搭載したロボットが開示されており、永久磁石によって橋梁鋼板版にロボットを吸着させつつ、無限軌道によって橋梁鋼板版に沿って移動するように構成されている。そして、搭載されたカメラで橋梁の点検を行っている。
【先行技術文献】
【0005】

【非特許文献1】「橋梁点検ロボットの開発 ~維持管理業務の合理化に向けて~」川田技報vol.22/JAN.,2003, 技術紹介
【非特許文献2】iXs Research Corp.、"橋梁鋼床版超音波探傷ロボット"、[online]、[平成24年11月22日検索日] インターネット<http://www.ixs.co.jp/products/robot/saut-robot-j.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1に記載のロボットは、フランジを挟んで走行するため、フランジが設けられていない橋梁では使用することができなかった。また、非特許文献2に記載のロボットは、無限軌道を使用しているものの、底面に配置された永久磁石で橋梁鋼板版に吸着しているため、水平面上しか移動することができない。したがって、段差が設けられた橋梁鋼板では、使用することができず、非特許文献1に記載のロボット同様に、現実の橋梁点検には用いることが難しかった
【0007】
このように、現在提案されている点検ロボットには、実用化に問題があり、橋梁の形状によっては使用することができないため、改良が要望されていた。また、このような問題は橋梁の検査のほか、金属で構成された対象面を移動するようなロボット全般に起こりうる問題である。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、金属で構成された対象面の形状にかかわらず、この対象面に沿って確実に移動することが可能な移動ロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る移動ロボットは、間隔をおいて配置される2以上の筐体部と、前記各筐体部に回転自在に支持される出力シャフトと、前記各筐体部の両側に配置され、前記各出力シャフトによって回転駆動される車輪部と、前記出力シャフトを回転駆動する少なくとも1つの駆動部と、前記隣接する前記筐体部同士を連結し、少なくとも一部が弾性変形可能な連結部と、を備え、前記車輪部は、前記回転軸に連結される基部と、前記基部から放射状に突出する複数の棒状部材と、前記各棒状部材の先端に取り付けられた磁石と、を備えている。
【0010】
この構成によれば、各車輪部が、放射状に取り付けられた複数の棒状部材とその先端部に取り付けられた磁石とで構成されている。これにより、金属で構成された対象面に磁石によって移動ロボットを吸着させることができる。そして、車輪部の回転に伴って、いずれかの磁石が常に対象面に吸着しているため、移動ロボットが移動しても対象面から離脱するのを防止することができる。さらに、棒状部材は放射状に配置されているため、例えば、対象面に段差が設けられている場合でも、この段差が隣接する棒状部材の間に入り込むため、段差を乗り越えることが可能となる。したがって、対象面が平坦ではなく複雑な凹凸形状を有していても、磁石により吸着した状態で移動することができ、対象面上を確実に移動することができる。そのため、この移動ロボットにカメラ、センサーなどを搭載すれば、作業員が直接検査できないような対象面であっても、移動ロボットによる検査が可能となる。
【0011】
また、隣接する筐体部が弾性変形可能な連結部で連結されているため、各筐体部は、隣接する筐体の動作に拘束されることなく、隣接する筐体部の運動動作タイミングのずれを連結部が吸収でき、スムーズな動作が可能となる。例えば、車輪部は、いずれかの磁石が対象面に吸着した状態で回転するので、移動ロボットが前進する場合、各筐体部は小刻みに前進運動と停止を繰り返しながら前進する。このとき、隣接する前後の筐体部がともに前進していれば、移動ロボットは全体として前進するが、例えば、前側の筐体部が停止しているときに、後側の筐体部が前進しようとしても、移動ロボットは前進できない。
【0012】
これに対して、本発明では、隣接する筐体部を弾性変形可能な連結部で連結しているため、前側の筐体部が停止し、後側の筐体部が前進する場合、後側の筐体部の前進力が連結部の弾性変形によって蓄えられながら、この筐体部だけが少し前進することができる。そして、このように蓄えられた前進力は、前側の筐体が前進するときに開放され、前側の筐体部を押圧するので、速やかに前進することができる。したがって、本発明の移動ロボットにおいては、連結部によって、隣接する筐体部間の動作のずれを吸収し、スムーズな移動を行うことができる。
【0013】
上記移動ロボットにおいて、前記磁石は、前記棒状部材の先端部において、当該棒状部材の軸周りに回転可能に取り付けることができる。
【0014】
このように構成すると、例えば、移動ロボットが旋回する場合には、磁石が対象面に吸着した状態でも、棒状部材は旋回方向に回転することができる。したがって、旋回動作をスムーズに行うことができる。
【0015】
上記連結部は、種々の構成にすることができるが、例えば、棒状に形成された一対の棒状の連結部材と、当該一対の連結部材を連結するバネ部材とで構成することができる。これにより、上述したような隣接する筐体部間の動作の相違を確実に吸収することができ、スムーズな移動が可能となる。このほか、例えば、軸方向に変形可能な弾性材料で形成された棒状の部材で、連結部を構成することもできる。
【0016】
上記移動ロボットにおいては、前記各車輪部に対して前記駆動部をそれぞれ設けることができ、一の前記駆動部によって一の前記車輪部が独立して回転駆動するように構成することができる。
【0017】
この構成によれば、各車輪部が独立して回転駆動するため、移動ロボット全体として、高い駆動力を得られるほか、左右の車輪部の回転を変化させることができるため、旋回などの複雑な操作を容易に行うことができる。
【0018】
上記移動ロボットにおいては、前記駆動部との間で信号の受送信を行う通信部をさらに設け、前記通信部を、前記駆動部を駆動する信号を外部からの無線で受信する機能を有するように構成することができる。
【0019】
このようにすると、移動ロボットを離れた位置から遠隔操作することができ、例えば、橋梁などの検査を容易に行うことができる。このほか、遠隔操作を行うのではなく、所定のルートを経るように自動的に移動するように構成することもできる。
【0020】
また、上記移動ロボットにおいては、少なくとも1つの筐体部に、前記車輪部の操舵を行うステアリング機構を設けることができる。筐体部の旋回は、左右の車輪部の回転数を異ならせることで可能ではあるが、ステアリング機構により車輪部を操舵させることで、旋回半径をより小さくすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る移動ロボットによれば、金属で構成された対象面の形状にかかわらず、この対象面に沿って確実に移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る移動ロボットの平面図(a)及び車輪部の拡大図(b)である。
【図2】図1の移動ロボットの電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】図1の移動ロボットに用いられるモータドライバの構成の一例を示す回路図である。
【図4】図1の移動ロボットに用いられる不思議歯車機構の概略構成を示す図である。
【図5】磁石の磁力を検討するモデル図である。
【図6】図5のモデルにおける磁石の磁力と鋼材との距離との関係を示すグラフである。
【図7】傾斜した磁石の磁力を検討するモデル図である。
【図8】図7のモデルにおける磁石の磁力と鋼材との距離との関係を示すグラフである。
【図9】垂直面を登る移動ロボットのモデル図である。
【図10】ステアリング機構を設けた移動ロボットの斜視図である。
【図11】ステアリング機構を設けた移動ロボットの斜視図である。
【図12】ステアリング機構を設けた移動ロボットの斜視図である。
【図13】ステアリング機構を設けた移動ロボットの斜視図である。
【図14】実施例に係る移動ロボットを示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本実施形態に係る移動ロボットは、橋梁などの鋼材(金属)で構成された建造物の検査を行うためのものである。詳細は後述するが、車輪部に設けられた磁石により、移動ロボットを鋼材に吸着させ、この状態を維持しつつ移動して橋梁の検査を行う。まず、概略を説明すると、図1に示すように、この移動ロボットは、前側筐体部1と後側筐体部2とが連結部3によって連結されることで構成されている。各筐体部1,2には左右に配置された2つの車輪部41~44がそれぞれ設けられており、合計4つの車輪部41~44の回転で移動するように構成されている。これらの車輪部41~44の駆動は、独立した4つのDCモータ51~54によってそれぞれ行われ、各モータ51~54への駆動信号は、後側筐体部2に取り付けられたメインコントローラ6から送信される。また、メインコントローラ6には、後側筐体部2に設けられた受信機7から操作信号が送信される。そして、この受信機7に対しては、ロボット外部の送信機(図示省略)から操作のための無線信号が送信される。また、前側筐体部1には、電池ボックス8が設けられており、これが各DCモータ51~54の電源となる。以下、この移動ロボットについて、さらに詳細に説明する。なお、以下では、説明の便宜上、両筐体部が並ぶ方向を前後方向、それと垂直な方向を幅方向または左右方向と称することがある。

【0024】
<1.移動ロボットの電気的構成>
はじめに、この移動ロボットの電気的な構成について、図2を参照しつつ説明する。図2は、この移動ロボットの電気的な構成を示すブロック図である。各車輪部41~44を駆動するDCモータ51~54には、モータドライバ511~541が電気的に接続されている。モータドライバ511~541の構成は、特には限定されず、種々のものを挙げることができるが、例えば、図3に示すように、4個のFETと2個のNPNトランジスタを用いた速度可変型Hブリッジ回路を採用することができる。また、前側筐体部1には電池ボックス8が設けられており、各DCモータ51~54には、モータドライバ511~541を介して電池ボックス8から電流が供給されている。各モータドライバ511~541は、メインコントローラ6(例えば、マイコン)と電気的に接続されており、メインコントローラ6から各DCモータ51~54を駆動するための駆動信号が送信される。そして、このメインコントローラ6には、上述したように、受信機7が接続されており、外部から無線信号を受けた受信機7は、メインコントローラ6に対して、操作用の信号を送信する。なお、各デバイス間の制御信号の伝達は、一方向だけでなく、双方向の通信が行えるようにすることができる。

【0025】
<2.移動ロボットの機械的構成>
次に、この移動ロボットの機械的構成について説明する。なお、以下の説明では、具体的な信号の受送信を行うケーブルについては記載を省略しているが、これについては、図2の通り接続されていればよいため、説明を省略する。まず、前側筐体部1から説明する。前側筐体部1は、幅方向に延びる板状の基台11を備え、この基台11の中央に上述した電池ボックス8が取り付けられている。そして、この電池ボックス8の両側には、上述したDCモータ51,52とギヤボックス61、62がそれぞれ配置されている。以下では、説明の便宜のため、電池ボックス8の右側に配置されたDCモータ51及びギヤボックス61を、第1モータ、第1ギヤボックスと称し、電池ボックス8の左側のものを第2モータ52、第2ギヤボックス62と称する。また、各モータ51,52に取り付けられたモータドライバを、それぞれ第1及び第2モータドライバ511,521と称する。

【0026】
第1モータ51は、基台11の右側に配置されており、第1モータ51のドライブシャフト(図示しない)が基台11の右端部に向けて突出している。また、第1モータ51の近傍には第1モータドライバ511が接続されており、電池ボックス8は、この第1モータドライバ511を介して第1モータ51に電気的に接続されている。また、第1モータ51のドライブシャフトは、第1ギヤボックス61に連結されている。第1ギヤボックス61は、基台11の右側の端部に配置されており、出力シャフト611を備えている。そして、第1モータ51のドライブシャフトの回転が減速されて、出力シャフト611から出力される。第1ギヤボックス61は種々の構成が可能であり、通常の歯車のほか、遊星歯車機構、不思議歯車機構を用いたり、これらを適宜組み合わせることもできる。

【0027】
ここで、一例を挙げると、図4に示すような不思議歯車と通常の歯車を組み合わせたギヤボックスを用いることができる。同図に示すように、不思議歯車機構は、サンギヤ、プラネタリギヤ、プラネタリキャリア、固定ギヤ、及びアウターギヤを備えた遊星歯車機構を変形したものであり、遊星歯車機構のプラネタリギヤにおいて、固定ギヤと噛み合う歯数が、アウターギヤと噛み合う歯数と等しいものである。この不思議歯車の減速比は、以下の式によって求められる。なお、ZSをはサンギヤの歯数、ZFをは固定ギヤの歯数、ZOはアウターギヤの歯数である。

【0028】
【数1】
JP0005846516B2_000002t.gif

【0029】
例えば、サンギヤの歯数ZSを8,固定ギヤの歯数ZFを50,アウターギヤの歯数ZO
を48とすると減速比Rgearは-174と算出され、逆回転方向に大幅に減速して回転する。モータトルクは,この減速機構によって(174×伝達効率η)倍に増大する。伝達効率ηは,クドリャフツェフの式において,個々の歯車間の伝達効率を一律ηgとすると,以下の式のように得られる。

【0030】
【数2】
JP0005846516B2_000003t.gif

【0031】
例えば、ηg=90%のときは,η=42.3%と算出され,ηg=85%のときは、η=21.6%と算出される。

【0032】
また、減速比をさらに向上するため、第1ギヤボックス61には、不思議歯車の出力軸に小歯車を取り付け、この小歯車に大歯車を噛み合わせるとともに、この大歯車に出力シャフト611を取り付け、基台11の右端部から突出させた。一例として、小歯車の歯数を16,大歯車の歯数を72とすると、減速比は4.5となる。これにより、第1ギヤボックス61の減速比は774(=172*4.5)となる。また、出力シャフト611の先端には、後述する車輪部41が取り付けられている。

【0033】
一方、第2モータ52及び第2ギヤボックス62も同様に構成されており、第2モータ52には、これに取り付けられた第2モータドライバ521を介して電池ボックス8から電流が供給される。第2モータ52及び第2ギヤボックス62は基台11の左側に配置され、第2ギヤボックス62の出力シャフト621は、基台11の左端部から突出し、その先端に車輪部42が取り付けられている。

【0034】
次に、車輪部41~44について説明する。4つの車輪部はすべて同じ構成であるので、第1出力シャフト611に取り付けられている車輪部41について説明する。車輪部41は、出力シャフト611に連結された円筒状の基部411と、この基部411から放射状に突出する8本の棒状部材412と、を備えている。すなわち、棒状部材412は、基部411の外周面から45度おきに設けられており、各棒状部材412の先端には、磁石413が取り付けられている。但し、棒状部材412の数は適宜変更可能であり、例えば、8~10本(隣接する棒状部材412間の角度が45~36°)とすることができる。これは、8本より少ないと、後述するように、車輪部41の回転位置によっては、4つの車輪部41~44のいずれにおいても磁石413が検査対象面に吸着していない場合が起こり得るからであり、10本より多いと、棒状部材412間の隙間が狭くなりすぎて、この隙間に段差が入り込まない可能性があることによる。

【0035】
図1(b)に示すように、磁石413は、内部空間を有する円筒状に形成されており、この内部空間に挿入されたネジ(図示省略)が、棒状部材412の先端にネジ止めされている。これにより、磁石413は、棒状部材412の軸周りに回転可能となっている。ここで用いられる磁石413は、永久磁石により構成される。その種類は特には限定されないが、例えば、ネオジム磁石を用いることができる。また、磁石413の表面には、必要に応じてゴム接着剤を塗布することができる。これは、磁石413と鋼材との間の滑りを抑制するためのものである。磁石413の鋼材(金属面)への吸着強度としては、例えば、1つの磁石413で支持できる物体の重量が大きいほど好ましい。例えば、ここで用いられる磁石413に要求される性能として、1つの磁石413が支持可能な重量が、移動ロボットの重量の1倍以上であることが好ましく、2倍以上であることがさらに好ましく、3倍以上であることが特に好ましい。但し、これは、移動ロボットが対象面にぶら下がった状態で移動するような過酷な条件での使用を想定したものであり、水平な平坦面の上を移動する場合には、移動ロボットの重量よりも小さくても構わない。

【0036】
また、車輪部41は回転をするため、磁石413は車輪部41の回転に伴って、検査対象面への吸着と離脱を繰り返す。したがって、磁石413の吸着が強すぎると、離脱できないという問題が生じるため、この点について検討する。

【0037】
例えば、図5に示すように、直径8mm,厚さ5mmで表面磁束密度が0.45Tのネオジム磁石からなる磁石について検討すると、これが鋼材に吸着した場合、15N以上の力を加えなければ引き離すことができない。そこで、磁石と鋼材との間に距離Lを設けると、図6に示すように、その距離Lに応じて磁力は低下する。なお、図6はネオマグ(株)の磁石空隔磁束密度・吸着力計算ツールを用いて得た結果をプロットしたものである。磁石との間の距離が0.4mmのとき,磁力は14.7Nとして得られる。なお、ここでは、磁石・鋼材間距離が著しく近い場合,理論的に解析困難になるため、0.0mm<L<0.4mmの領域は、0.4mmと同じ14.7Nと仮定しモデル化する。そして、磁石と鋼材が面と面で接触している状態から、車輪部が少し回転(角度α)すると、図7のように磁石と鉄材間の距離が場所によって異なる。例えば、L=cの場合、磁力Fmは以下の式のように積分して得ることができる。c=0.4mmの場合の数値計算した結果を図8に示す。

【0038】
【数3】
JP0005846516B2_000004t.gif

【0039】
ここで、rは磁石の半径である。α=22.5°のとき、Fm約1.2Nである。したがって、α=0のときと比較して8%にまで低下しており、鋼材から磁石413を引き離す力は小さい。そのため、車輪部41の基部411に作用させるトルクを調整し、磁石413の下面全体が鋼材に接触しているときに、これを鋼材から離間させる力を付与できれば、その後は、車輪部41の回転により磁石413が鋼材から傾斜するため、磁力が低下していく。

【0040】
この点について、さらに、鋼材から磁石413が離間する場合について検討すると、以下の通りである。例えば、図9に示すように、移動ロボットが垂直面を上方に移動する場合について検討する。この例では、移動ロボットに作用する力として、ロボットの重量Fg、磁石の吸着力Fm、前側筐体部1の車輪部41からの反作用力Frが存在する。後側筐体部2の車輪部43はポイントAを中心に回転運動をしようとするため、以下の式の負荷トルクTLに打ち勝つトルクをモータに発生させる必要がある。

【0041】
【数4】
JP0005846516B2_000005t.gif

【0042】
例えば、ロボットの重量Fgが450g、各棒状部材412の長さを62mmとすると、図9の状態のときは、Lh=57mm(=62cos(22.5))になっている。Fgは450gの4分の1を支える力なので約1.1Nであ、Fmは図9でα=22.5°のときを読み取って約1.2Nと判る。両筐体部の車輪部が同調している場合は、Fr=0である.そのとき、上記式を用いて、負荷トルクTLは0.120Nmとして算出され
る。したがって、このような負荷トルクに打ち勝つように、各モータから出力シャフトに伝達されるトルクを計算すればよい。なお、両筐体部1,2の車輪部が同調しない場合には、Frは、最大で、後側筐体部2の重量になるので、これを勘案して、各モータの出力(トルク)を設定することもできる。こうして、移動ロボットは鋼材に吸着した状態で移動できる。

【0043】
上記の検討は、垂直な鋼材上を走行する場合であったが、移動ロボットが水平面の上を走行する場合には、以下の式の負荷トルクTLに打ち勝つトルクをモータに発生させる必
要がある。
【数5】
JP0005846516B2_000006t.gif

【0044】
一方、水平面の下側にぶら下がりながら、走行する場合には、以下の式の負荷トルクTLに打ち勝つトルクをモータに発生させる必要がある。
【数6】
JP0005846516B2_000007t.gif

【0045】
いずれの場合も、垂直面を走行する場合と比べると、負荷トルクTLは小さくなる。したがって、垂直面での走行を勘案し、その負荷トルクに打ち勝つように、各モータから出力シャフトに伝達されるトルクを計算すれば、水平面移動の走行性能も問題が生じることはない。

【0046】
以上、前側筐体部1について説明したが、後側筐体部2についてもほぼ同様の構成である。すなわち、基台、DCモータ、モータドライバ、ギヤボックス、及び車輪部については同じ構成である。但し、後側筐体部2には電池ボックス8が設けられておらず、前側筐体部1の電池ボックス8から電気ケーブル(図示しない)によって後側筐体部2のモータ53,54へ電流が供給される。また、図1に示すように、前側筐体部1で電池ボックス8が設けられている位置と対応する位置(後側筐体部の中央部)には、メインコントローラ6が設けられ、また、左側のモータドライバ541に近接して受信機7が設けられている。

【0047】
また、前側筐体部1と後側筐体部2とは連結部3で連結されている。この連結部3は、棒状に形成された一対の連結部材31と、これら連結部材31の間に挟まれるバネ部材32とで構成されている。バネ部材32は、連結部材31の軸方向に収縮、伸長が可能であり、さらに幅方向への曲げも可能である。両連結部材31は、剛性のある金属などで形成され、両筐体部1,2の基台11,21の中央付近に、それぞれ連結されている。

【0048】
<3.移動ロボットの動作>
以上のように構成された移動ロボットは、橋梁などの鋼材で構成された建造物の表面を移動する。図示は省略するが、いずれかの筐体部1,2にカメラや各種センサ(例えば、温度センサー、渦電流式探傷プローブ、超音波センサー、レーダー探査システムなど)を取り付ければ、建造物の表面を検査することができる。

【0049】
その際、作業者は、まず、移動ロボットを検査対象面に設置する。検査対象面は鋼材などの金属で形成されているため、4つの車輪部41~44それぞれにおいていずれかの磁石413が検査対象面に吸着し、移動ロボットが検査対象面に固定された状態となる。そして、外部から無線の送信機により、操作信号を移動ロボットの受信機7に送信する。このとき、検査対象面への設置を作業者が行うのではなく、移動ロボットを操作して、検査対象面まで移動させることもできる。

【0050】
こうして、受信機7が信号を受信すると、この信号はメインコントローラ6に送信される。メインコントローラ6は、この信号を処理し、各モータ51~54に取り付けられたモータドライバ511~541にそれぞれ送信する。各モータドライバ511~541には、正転又は反転の指令信号(以下、FWD信号またはBWD信号という)とモータに掛かる電圧を制御するPWM信号とが送信される。例えば、受信機7が前進信号を受けると、メインコントローラ6から、FWD信号と高Duty比のPWM信号が各モータドライバ511~541に送信される。これにより、各DCモータ51~54は、同じ回転数で正方向に回転する。一方、旋回を行う際には、右側のDCモータ51、53と左側のDCモータ52、54とで異なるDuty比のPWM信号を送信し、左右の車輪部の回転数に差が生じるようにする。これにより、移動ロボットは右側または左側に旋回する。

【0051】
このとき、各車輪部41~44は回転し、それぞれの車輪部41~44で少なくとも1つの磁石が検査対象面に吸着するため、移動ロボットは、検査対象面に吸着したまま移動できる。したがって、橋梁の下面で移動ロボットが吊り下げられた状態での移動や、橋梁の垂直面の上下動も可能である。

【0052】
<4.特徴>
以上のように、本実施形態によれば、各車輪部41~44が、放射状に取り付けられた複数の棒状部材412とその先端部に取り付けられた磁石413とで構成されている。これにより、橋梁等の金属で構成された対象面に磁石によって移動ロボットを吸着させることができる。そして、車輪部41~44の回転に伴って、いずれかの磁石413が常に対象面に吸着しているため、移動ロボットが移動しても対象面から離脱するのを防止することができる。さらに、棒状部材412は放射状に配置されているため、例えば、対象面に段差が設けられている場合でも、この段差が隣接する棒状部材412の間に入り込むため、段差を乗り越えることが可能となる。したがって、対象面が平坦ではなく複雑な凹凸形状を有していても、磁石により吸着した状態で移動することができ、対象面を確実に移動することができる。

【0053】
また、隣接する筐体部1,2が弾性変形可能な連結部で連結されているため、各筐体部1,2は、隣接する筐体の動作に拘束されることなく、隣接する筐体部の運動動作タイミングのずれを連結部3が吸収するため、スムーズな動作が可能となる。例えば、車輪部41~44は、いずれかの磁石が対象面に吸着した状態で回転するので、移動ロボットが前進する場合、両筐体部1,2は小刻みに前進運動と停止を繰り返しながら前進する。このとき、両筐体部が1,2ともに前進していれば、移動ロボットは全体として前進するが、例えば、前側筐体部1が停止しているときに、後側筐体部2が前進しようとしても、移動ロボットは前進できない。

【0054】
これに対して、本実施形態では、両筐体部1,2を上述した連結部3で連結しているため、前側筐体部1が停止し、後側筐体部2が前進する場合、後側筐体部2の前進力が、連結部3におけるバネ部材32の弾性変形により、変形という形でバネ部材32に蓄えられながら、後側筐体部2だけが少し前進することができる。そして、このように蓄えられた前進力は、前側筐体部1が前進するときに開放され、バネ部材32が前側筐体部1を押圧するので、前側筐体部1は速やかに前進することができる。したがって、この移動ロボットにおいては、連結部3によって、隣接する筐体部1,2間の動作のずれを吸収し、スムーズな移動を行うことができる。

【0055】
<5.変形例>
<5.1>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、筐体部の数が2個であるが、これ以上であってもよい。例えば、3以上の筐体を直線状に配置し、隣接する筐体の間を上述したような連結部で連結すればよい。

【0056】
<5.2>
また、上記実施形態では、各車輪部41~44に対して、それぞれ駆動部としてのモータ51~54を設け、各車輪部41~44が独立して駆動するように構成しているが、これに限定されない。例えば、1つのモータですべての車輪部を駆動することもできる。この場合、1つのモータで複数の車輪部が駆動できるような連結機構、操舵機構を設ける必要がある。あるいは、各筐体部ごとにモータを設け、1つのモータで両車輪部を駆動するように構成してもよい。そして、モータの数に合わせてモータドライバの数も適宜変更することができる。

【0057】
<5.3>
また、上記移動ロボットに車輪部の操舵を行うためのステアリング機構を設けることもできる。例えば、図10に示すように、前側筐体部1を、左右一対の第1及び第2ケーシング81,82と、これらケーシング81,82を連結する連結部と、旋回機構とで構成する。各ケーシング81,82はブロック状に形成され同様の構成であるが、図10の左側の第2ケーシング82には、第2車輪部42を駆動するための第2モータ(DCモータ)52、第2ギヤボックス62、第2モータドライバ521が収容されており、第2ギヤボックス62から突出する出力シャフト621に第2車輪部42が連結されている。また、第1ケーシング81も同様に構成されており、第1車輪部41を駆動する。

【0058】
連結部は、両ケーシング81,82の上面同士及び下面同士を連結するための上部連結部材83及び下部連結部材84とで、構成されている。これら連結部材83,84は、板状に形成されており、その両端部がそれぞれ第1ケーシング81及び第2ケーシング82に揺動自在に連結されている。そして、両連結部材83,84の上下方向の隙間には、支持部材85が固定されており、この支持部材85に上述した連結部材31が固定されている。また、上部連結部材83の中央付近にはサーボモータ87が取付けられており、このサーボモータ87は、メインコントローラ6と電気的に接続されている。

【0059】
連結部よりも前方には、ステアリング・タイロッド86が設けられており、その両端は、両ケーシング81,82に揺動自在に連結されている。そして、このステアリング・タイロッド86と上述したサーボモータ87とは、リンク機構9により接続されている。リンク機構9は、揺動自在に連結された第1及び第2リンク部材91,92で構成されており、長さの短い第1リンク部材91がサーボモータ87の回転軸に固定され、第2リンク部材92がステアリング・タイロッド86の第1ケーシング81側の端部に揺動自在に連結されている。なお、旋回を滑らかにするため、上記旋回機構はアッカーマン原理に基づいている。

【0060】
以上のような構成により、右に旋回する場合には、図11に示すように、メインコントローラ6からの指令に基づいて、サーボモータ87により第1リンク部材91を右側に回転させる。これにより、第2リンク部材92がステアリング・タイロッド86を右側に押し遣り、両ケーシング81,82が右側に傾く。その結果、第1及び第2車輪部41,42が右側に傾き、移動ロボットは右側に旋回する。このとき、各車輪部41,42の回転数に差が生じるように、回転数を制御することも可能である。

【0061】
一方、左側に旋回する場合には、図12に示すように、サーボモータ87により第1リンク部材91を左側に回転させる。これにより、第2リンク部材92がステアリング・タイロッド86を左側に引っ張り、両ケーシング81,82が左側に傾く。その結果、第1及び第2車輪部41,42が左側に傾き、移動ロボットは左側に旋回する。このように、ステアリング機構を設けると、上記実施形態に比べ旋回半径を小さくすることができるため、狭い領域においても旋回が可能となる。

【0062】
なお、上記の例では、前側筐体部1にステアリング機構を設けているが、後側筐体部2にステアリング機構を設けることもできる。また、両筐体部1,2の両方にステアリング機構を設けると、図13に示すように、旋回半径をさらに小さくすることができる。また、ステアリング機構の構成は、上述したものに限定されず、車輪部を傾けることができれば、リンク機構のほか、ギア機構でもよく、特には限定されない。なお、複数の筐体部を有する場合には、少なくとも1つの筐体部にステアリング機構を設けることができる。

【0063】
<5.4>
各車輪部41~44にロータリエンコーダ(回転検出部)を取付け、各ロータリーエンコーダから送信される信号に基づいて、メインコントローラ6によって各車輪部41~44の回転数を算出することもできる。これにより、各車輪部で負荷に差が生じた場合、各車輪部を同一回転数にするように制御することができる。
<5.5>
連結部3は、上記のように連結部材31とバネ部材32で構成するほか、少なくとも前後方向に弾性変形可能な部材であれば、特には限定されない。

【0064】
<5.6>
上記実施形態では、移動ロボットを無線で操作しているが、無線を使わず、自動運転するように、メインコントローラを設定し、移動ロボットが指定されたルートを通るようにしてもよい。

【0065】
<5.7>
上記実施形態で示した電池ボックス8、メインコントローラ6、受信機7、モータドライバ511~541、モータ51~54、ギヤボックス61~64などの位置は、適宜変更することができ、いずれかの筐体部に配置されていればよい。また、筐体部1,2の形態も上述したものに限定されず、電池ボックス8、モータ51~54などの上述した部材を支持できる形態であればよく、上述した基台11,21以外の態様であってもよい。また、複数に分割されていてもよい。

【0066】
<5.8>
上記実施形態では、筐体部1,2にカメラや各種センサを搭載することを示したが、ロボットには種々の機器を搭載することができる。例えば、腐食発見用鉄イオン検知器、内部亀裂発見用超音波センサ、内部亀裂発見用電磁超音波センサ(EMAT)、GPS、ミラー、高輝度LEDライト、レーザレンジセンサなどを搭載することができる。

【0067】
このうち、ミラーは、光の反射のために用いることができる。例えば、移動ロボットにミラーを搭載すれば、光の反射を利用して、鋼床版など鉄骨で隠れて見えないところを映すことができる。そして、このミラーを望遠カメラなどで撮影すれば、目視検査が可能となる。

【0068】
また、高輝度LEDライトは、カメラによる撮影時に、映像を鮮明にするために用いられるものであり、これにより、太陽の光が当たらない場所でのカメラによる撮影が可能となる。

【0069】
レーザレンジセンサは橋梁の立体地図作成に用いることができる。例えば、崩落が近いとされる橋梁は古いため、CADデータはもちろん紙図面も保管されているかどうか怪しく、実際に無い場合は実在する橋梁を直接測量する必要がある。しかし、人為的に測量を実施するのは極めて困難であるため、レーザレンジセンサを本発明の移動ロボットに搭載することが望まれる。

【0070】
<5.9>
上記実施形態の移動ロボットは、橋梁などの点検用のロボットとして説明したが、これに限定されるものではなく、鋼材などの金属製の対象面上を移動するロボット全般に適用することができる。したがって、検査用に限らず、搬送用のロボット、狭領域未知空間マッピングロボットなどにも適用することができる。
【実施例】
【0071】
以下、本発明の実施例、及びそれと対比する比較例について説明する。但し、本発明は以下の実施例には限定されない。
【実施例】
【0072】
(実施例)
実施例として、図10に示すような上記実施形態で示した移動ロボットを作製した。各部の詳細は以下の通りである。
【実施例】
【0073】
(1) 制御系
・メインコントローラ(マイクロチップ・テクノロジー社製PIC18F2320)
・受信機(JR PROPO社製 RG411B)
・送信機(JR PROPO社製 XG7)
・モータドライバ(以下の部品からなる速度可変型Hブリッジ回路)
-FET(SP8M4を2個) 2個
-NPNトランジスタ(C1815 )
・電池ボックス(単四乾電池 4個)
(2) 駆動系
・DCモータ(入力電圧:3~6V、出力:約10W)
・ギヤボックス(以下の機構の組み合わせで減速比が774)
-不思議歯車機構(減速比174)
-歯数16の小径ギヤ及び歯数72の大径ギヤ
(3) 車輪部
・棒状部材の本数8本、長さ62mm(アルミ合金)
・磁石(ネオジム磁石) 表面磁束密度0.45T、直径8mm,厚さ5mm
(4) 連結部
・各連結部材:外径2mm、長さ7mmのSUS材料
・バネ部材:レインボープロダクツ製SPジョイント(材質:ステンレス、素線径:1mm、有効巻き数:19、コイル平均径:9mm)
(5) 全体重量
550g
(6) 全長、全幅
各筐体部間の長さ190mm ロボットの全長300mm、全幅160mm
【実施例】
【0074】
以上のように構成された実施例に係る移動ロボットに対し、各DCモータに6.0Vの電圧を印加した。その結果、水平面では、167mm/sで走行した。また、垂直面では、滑ることなく71mm/sで走行した。垂直面では、追加の積載物を積載し、積載荷重が500gであっても走行した。
【実施例】
【0075】
(比較例)
比較例は、上記実施例において、連結部の構成のみを変更した。すなわち、バネ部材を設けずに合計長さが同じになるような連結部材のみを使用し、連結部での変形がないようにした。
【実施例】
【0076】
実施例と同じ条件で水平面を走行させたところ、141mm/sで走行し、実施例よりも速度が低かった。一方、垂直面を走行させたところ、積載荷重無しでは滑りながら、速度を計測するのが困難なぐらい、わずかにしか上昇せず、積載荷重を300gにすると、全く走行しなくなった。
【実施例】
【0077】
したがって、実施例のように弾性変形可能な連結部を設けることで、水平面、及び垂直面でのスムーズに動作が確認された。
【符号の説明】
【0078】
1 前側筐体部
2 後側筐体部
3 連結部
31 連結部材
32 バネ部材
41~44 車輪部
411 基部
412 棒状部材
413 磁石
51~54 DCモータ(駆動部)
511~541 モータドライバ(駆動部)
図面
【図2】
0
【図3】
1
【図1】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13