TOP > 国内特許検索 > 集光太陽光の受熱装置、反応装置及び加熱装置 > 明細書

明細書 :集光太陽光の受熱装置、反応装置及び加熱装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成29年4月20日(2017.4.20)
発明の名称または考案の名称 集光太陽光の受熱装置、反応装置及び加熱装置
国際特許分類 F24J   2/02        (2006.01)
F24J   2/06        (2006.01)
FI F24J 2/02
F24J 2/06
国際予備審査の請求
全頁数 24
出願番号 特願2016-519188 (P2016-519188)
国際出願番号 PCT/JP2015/062332
国際公開番号 WO2015/174236
国際出願日 平成27年4月23日(2015.4.23)
国際公開日 平成27年11月19日(2015.11.19)
優先権出願番号 2014099859
優先日 平成26年5月13日(2014.5.13)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】兒玉 竜也
【氏名】松原 幸治
【氏名】郷右近 展之
出願人 【識別番号】304027279
【氏名又は名称】国立大学法人 新潟大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100080089、【弁理士】、【氏名又は名称】牛木 護
【識別番号】100161665、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 知之
【識別番号】100121153、【弁理士】、【氏名又は名称】守屋 嘉高
【識別番号】100178445、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 淳二
【識別番号】100188994、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 裕介
審査請求 未請求
要約 太陽光を集光して得られる太陽熱を利用して石炭等の熱分解や化学反応を高効率で可能とする受熱装置、反応装置及び加熱装置を提供する。略円柱形の側面を形成する側部11と、側部11の下端に接続して底面を形成する略円形の底部12と、側部11の上端に接続して天井面を形成する天井部13から構成し、天井部13の中央に略円形の開口部14を形成した。開口部14が開口した略円柱形の空洞15を有する。空洞15の直径をD、空洞15の長さをL、開口部14の直径をdとしたときに、d=D/2以下、L=2D以上とした。受熱装置1に入射した集光太陽光を受熱装置1内に閉じ込めて、受熱装置1に入射した集光太陽光を有効に利用することができる。
特許請求の範囲 【請求項1】
側部と、この側部の下端に接続する底部と、前記側部の上端に接続する天井部とを備え、前記天井部に開口部を有し、前記側部、前記底部、前記天井部によって、前記開口部が開口した空洞と、太陽光を吸収する内壁とが形成されるとともに、前記側部又は前記底部の内壁には太陽光を前記内壁に向けて反射する反射体が設けられたことを特徴とする集光太陽光の受熱装置。
【請求項2】
前記空洞の内部における前記開口部を含む天井部の面積をS、前記開口部の面積をsとしたときに、s=S/4以下としたことを特徴とする請求項1記載の集光太陽光の受熱装置。
【請求項3】
前記空洞は略円柱形、前記開口部は略円形であって、前記空洞の直径をD、前記空洞の長さをL、前記開口部の直径をdとしたときに、d=D/2以下、L=2D以上としたことを特徴とする請求項1記載の集光太陽光の受熱装置。
【請求項4】
前記底部の中心部に円錐状の反射体が設けられるとともに、この反射体は、直径がd以上の円錐であって、前記空洞の中心線からの仰角が30度~60度であることを特徴とする請求項3記載の集光太陽光の受熱装置。
【請求項5】
前記底部にさらに同心円上に配置された反射体が設けられたことを特徴とする請求項4記載の集光太陽光の受熱装置。
【請求項6】
前記空洞の天井部と底部の直径を異ならせたことを特徴とする請求項3~5のいずれかに記載の集光太陽光の受熱装置。
【請求項7】
インコネル、アルミナ、炭化珪素、ステンレス鋼のいずれかから構成されたことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の集光太陽光の受熱装置。
【請求項8】
黒い材質から構成され、又は内壁に黒色の塗装が施されたことを特徴とする請求項7記載の集光太陽光の受熱装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の集光太陽光の受熱装置と、この受熱装置の周囲に前記受熱装置と所定の間隔をおいて前記受熱装置の側部と底部を覆うように設けられた反応器とからなることを特徴する反応装置。
【請求項10】
前記反応器の内部にドラフト管を設けたことを特徴とする請求項9記載の反応装置。
【請求項11】
請求項1~8のいずれかに記載の集光太陽光の受熱装置と、この受熱装置の周囲に前記受熱装置と所定の間隔をおいて前記受熱装置の側部と底部を覆うように設けられた加熱器とからなることを特徴する加熱装置。
【請求項12】
前記加熱器の内壁にフィンを設けたことを特徴とする請求項11記載の加熱装置。
【請求項13】
前記加熱器の底部に整流体を設けたことを特徴とする請求項12記載の加熱装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、集光太陽光の受熱装置、反応装置及び加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エネルギー源として、石油、天然ガス、石炭(主に瀝青炭)、原子力エネルギー(化石燃料と言わない場合がある)等の化石燃料が利用されてきた。しかし、世界の人口の増加や産業の発展等により、エネルギーの消費は急増している。これらの化石燃料の中で石炭は可採埋蔵量が非常に豊富で最も安定供給性に優れている。これまで、石炭では瀝青炭が使用されてきた。今後は、石炭資源の約半分を占める低品位炭(輸送効率やエネルギー効率が悪い)である褐炭や亜瀝青炭の活用が重要となる。低品炭は豪州、東南アジア、米国等のサンベルト地域にも大量に賦存する。また、将来、木材を始めとするバイオマスの利用も重要となる。これらの未利用エネルギー(低品位炭及びバイオマス)を有効に利用するため、集光太陽光(再生可能エネルギー)を利用して熱分解やガス化を行い、水素、一酸化炭素、メタン等を製造することは、新たなエネルギーを生み出すことになる。なお、製造された水素と一酸化炭素の混合ガスは炭化水素燃料(灯油、軽油、ディーゼル油、ガソリン、DME(ジメチルエーテル)、メタノール等)の原料となり、また、メタンはクリーンな燃料として一般に使用されている。
【0003】
太陽光を集光して得られる高温の太陽熱を利用して、水を分解し、水素等を製造する技術開発が積極的に進められている(例えば、特許文献1)が、この方法では、集光太陽光の入光口(窓)に透明石英板が使用されているので、タールや煤が発生する石炭などの熱分解反応に適用できない。
【0004】
また、最近、集光太陽光によるコークスの熱分解に利用する技術開発が行われている(例えば、特許文献2)が、タールや煤が発生しない条件に限られている。
【0005】
また、最近、集光太陽光により空気を加熱し、ガスタービンに利用する試みも行われている(例えば、非特許文献1)。しかし、受熱装置に入射した集光太陽光の反射や再輻射に対する放熱対策が施されていないし、また、受熱装置の周囲に設置された装置は発泡体で構成され、熱伝達や熱吸収が非常に悪い。
【0006】
ここで、従来の反応装置の例を図14~17に示す。
【0007】
図14に示す例は、太陽の移動に追従する多数のヘリオスタットとビームダウン式集光システムによって太陽光を集め、集光した太陽光を反応装置に導き、別途、水蒸気を反応装置に導入し、反応装置に充填された鉄酸化物等の金属酸化物による二段階水熱分解サイクルの水素製造反応を行わせるシステムである。二段階水熱分解サイクルでは、水蒸気と金属酸化物との化学反応によって、水素を製造する工程(水熱分解反応、反応温度は約900℃)と窒素ガス等により金属酸化物の還元反応を行わせる工程(熱還元反応、反応温度は約1400℃)を交互に繰り返す反応が行われる。
【0008】
図15に示す例は、太陽の移動に追従する多数のヘリオスタットとタワー式集光システムによって太陽光を集め、集光した太陽光を反応装置に導き、別途、水蒸気を反応装置に導入し、反応装置に充填された鉄酸化物等の金属酸化物による二段階水熱分解サイクルの水素製造反応を行わせるシステムであり、図14の反応装置を横置きにしたものである。
【0009】
図16に示す例は、集光した太陽光を反応装置に導き、別途、反応器の上方側壁からコークスと砂を導入し、反応器の底部から水蒸気を導入し、熱分解反応により水素等を製造するシステムである。このシステムはコークスの熱分解に適用された例で、煤やタールが発生しない運転条件である。
【0010】
図17(a)に示す例では、多数のヘリオスタット等で集光された太陽光は様々な角度で受熱装置に導かれる。受熱装置は耐熱材で、高温度の条件の場合は、インコネル、アルミナ、炭化珪素等で製作され、低温度の条件の場合はステンレス鋼等で製作される。集光太陽光の1部は反射や再輻射で受熱装置外に放出する。図は受熱装置の深さをそれの直径と約同じ長さにした時で、集光された太陽光の入射角度について、受熱装置の中心線に対する仰角(α)を10度、20度、30度、40度、50度と仮定した場合の受熱装置内での光の反射状況を示す。受熱装置内での反射回数は1~3回で少なく、放熱損失が多い事が分かる。
【0011】
図17(b)は、受熱装置の深さをそれの直径の約2倍の長さにした時の例で、集光された太陽光の入射角度について、受熱装置中心線に対する仰角(α)を10度、20度、30度、40度、50度と仮定した場合に受熱装置内で反射する状況を示す。反射回数は2~6回で、放熱損失が多い事が分かる。
【0012】
図18には、従来の太陽光集光による蓄熱システムの例を示す。太陽光集光による蓄熱システムには、顕熱蓄熱(液体:オイル、固体:コンクリート、固体粒子等)、潜熱蓄熱(溶融塩等)と化学蓄熱がある。これらの蓄熱システムは太陽が照っている時と照っていない時(太陽が雲によって遮断された時と夜間時)の両方において定常運転可能なように構成されている。蓄熱システムの容量は太陽が照っていないときの運転時間によって決定される。なお、この従来例は、固体粒子の顕熱蓄熱システムと化学蓄熱システムに関連する。化学蓄熱の化学反応物質は粒子状であるため、固体粒子の顕熱蓄熱システムと化学蓄熱システムは同様のシステムとなる。ここで、受熱装置内は、ハニカム構造体(又は発泡体)で満たされている。これは太陽光が直接空気を加熱することが出来ないためである。したがって太陽光集光はまずハニカム構造体を加熱し、その後ハニカム構造体が空気を加熱することになる。ハニカム構造体の表面積が少なく、しかも流路は狭く、熱伝達率が小さくなるので、空気を急速に高温にすることは難しい。
【0013】
太陽が照っている時は、図18(a)に示すように、集光太陽光は石英板(窓)を透過して受熱装置に入射し、受熱装置に供給された低温の空気はハニカム構造体を経由して加熱されて高温になる。高温になった空気は、蒸気発生器と蓄熱槽に並列に流れる。蒸気発生器に流れた高温の空気は水を加熱し、蒸気を発生させて、低温になり、受熱装置に循環される。発生した蒸気は、蒸気タービンと発電機によって電気を発生させる。一方、蓄熱槽に流れた高温の空気は、蓄熱層に収容された酸化金属粒子間の小さな隙間を流れるので、層流になり、熱伝達率は小さくなる。そして、高温の空気は、蓄熱粒子にゆっくりと熱を与え、低温になり、受熱装置に循環される。蓄熱槽で加熱された酸化金属粒子は化学反応によって酸素を放出し、化学反応熱を蓄える。すなわち、酸化金属粒子は、顕熱と化学反応熱の両方を蓄えた事になる。
【0014】
一方、太陽が照っていない時は、図18(b)に示すように、バルブを切り替えて受熱装置に空気が流れないようにして、蓄熱槽に空気を送ると蓄熱槽の酸化金属粒子は、化学反応によって空気中の酸素と反応して発熱し、空気が加熱される。蒸気発生器に流れた高温の空気は水を加熱し、蒸気を発生させて、低温になり、蓄熱槽に循環される。発生した蒸気は、蒸気タービンと発電機によって電気を発生させる。なお、この従来例においては、蓄熱槽が大きいため、蓄熱モードから放熱モードに切り替えるには多くの時間が必要である。したがって、雲り時の対応が困難である。
【先行技術文献】
【0015】

【特許文献1】国際公開第WO2011/068122号パンフレット
【特許文献2】特願2013-222867号明細書
【特許文献3】特表2008-523351号公報
【特許文献4】特表2009-535599号公報
【0016】

【非特許文献1】I. Hischier, P. Leumann, A. Steinfeld, “Experimental and Numerical Analyses of a Pressurized Air Receiver for Solar-Driven Gas Turbines”, Journal of Solar Energy Engineering, May 2012, Vol. 134 / P.021003.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従来の反応装置では、上部に石英円板が取り付けられるため、以下の短所がある。
【0018】
(1)光の透過率を高くする必要があるため、石英円板には高純度の石英板が使用され、高価である。
【0019】
(2)多くのヘリオスタットで太陽光(又は、熱)を集光するシステムの場合、集光された太陽光を一点に集中させることは不可能で、実用化される集光システムの石英円板の直径は1m以上にもなり、石英円板が高価になる。
【0020】
(3)このように直径が大きいので、石英円板の厚さにもよるが、反応装置内を高圧力にする事が出来ないので、低圧力の運転条件に制限される。
【0021】
(4)太陽光が石英円板を通過するときに透過損失が発生し、石英円板内に温度分布が生じる。石英円板の周囲は冷却可能であるが、内部は冷却できないので、温度分布による熱応力が発生し、石英円板が破損する恐れがある。また、石英円板を冷却した場合、その分熱エネルギー損失が発生する。
【0022】
(5)集光された太陽熱により反応装置内では化学反応が行われるが、炭素を含む物質(例えば、石炭や木材を含む物質)では、反応によって煤やタールが発生し、石英円板に付着するため、短時間で光の透過率が極端に低下する。したがって、現状では煤やタールが全く発生しない反応に制限される。
【0023】
本発明は、太陽光を集光して得られる太陽熱を利用して石炭等(木材などのバイオマスを含む)の熱分解や化学反応を高効率で可能とする受熱装置、反応装置及び加熱装置の提供を目的とする。即ち、集光太陽光を受熱装置に導き、導かれた太陽光を反射や再輻射によって当該装置外に放出しないようにするとともに、受熱装置内の温度を均一、又は任意に設定可能とし、さらに、受熱装置の外周に設置された高圧・高温の条件で運転可能な反応装置や加熱装置と組み合わせる事により、石炭等の熱分解や化学反応を最適な条件で運転可能とする、集光太陽光の受熱装置、反応装置及び加熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の集光太陽光の受熱装置は、側部と、この側部の下端に接続する底部と、前記側部の上端に接続する天井部とを備え、前記天井部に開口部を有し、前記側部、前記底部、前記天井部によって、前記開口部が開口した空洞と、太陽光を吸収する内壁とが形成されるとともに、前記側部又は前記底部の内壁には太陽光を前記内壁に向けて反射する反射体が設けられたことを特徴とする。
【0025】
また、前記空洞の内部における前記開口部を含む天井部の面積をS、前記開口部の面積をsとしたときに、s=S/4以下としたことを特徴とする。
【0026】
また、前記空洞は略円柱形、前記開口部は略円形であって、前記空洞の直径をD、前記空洞の長さをL、前記開口部の直径をdとしたときに、d=D/2以下、L=2D以上としたことを特徴とする。
【0027】
また、前記底部の中心部に円錐状の反射体が設けられるとともに、この反射体は、直径がd以上の円錐であって、前記空洞の中心線からの仰角が30度~60度であることを特徴とする。
【0028】
また、前記底部にさらに同心円上に配置された反射体が設けられたことを特徴とする。
【0029】
また、前記空洞の天井部と底部の直径を異ならせたことを特徴とする。
【0030】
また、インコネル、アルミナ、炭化珪素、ステンレス鋼のいずれかから構成されたことを特徴とする。
【0031】
また、黒い材質から構成され、又は内壁に黒色の塗装が施されたことを特徴とする。
【0032】
本発明の反応装置は、上記いずれかの集光太陽光の受熱装置と、この受熱装置の周囲に前記受熱装置と所定の間隔をおいて前記受熱装置の側部と底部を覆うように設けられた反応器とからなることを特徴する。
【0033】
また、前記反応器の内部にドラフト管を設けたことを特徴とする。
【0034】
本発明の加熱装置は、上記いずれかの集光太陽光の受熱装置と、この受熱装置の周囲に前記受熱装置と所定の間隔をおいて前記受熱装置の側部と底部を覆うように設けられた加熱器とからなることを特徴する。
【0035】
また、前記加熱器の内壁にフィンを設けたことを特徴とする。
【0036】
また、前記加熱器の底部に整流体を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0037】
本発明の集光太陽光の受熱装置、反応装置及び加熱装置によれば、受熱装置に入射した集光太陽光を受熱装置内に閉じ込めて、受熱装置に入射した集光太陽光を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施例1における集光太陽光の受熱装置及び反応装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】受熱装置の実施例の説明で用いる記号の説明図である。
【図3】実施例1における受熱装置内の集光太陽光の反射通路を示す説明図である。
【図4】実施例2における受熱装置内の集光太陽光の反射通路を示す説明図である。
【図5】実施例3における受熱装置内の集光太陽光の反射通路を示す説明図である。
【図6】実施例4における受熱装置の形状を示す説明図である。
【図7】実施例5における反応装置を示す模式図である。
【図8】実施例6における加熱装置を示す模式図である。
【図9】実施例7における加熱装置を示す模式図である。
【図10】実施例8における加熱装置を示す模式図である。
【図11】実施例9における加熱装置を固体粒子蓄熱システムに応用した例を示す模式図である。
【図12】実施例10における加熱装置を固体粒子蓄熱システムに応用した例を示す模式図である。
【図13】実施例11における反応装置を示す模式図である。

【0039】

【図14】従来の太陽光集光による水蒸気等2段階熱分解サイクルよる水素製造システム(ビームダウン式)の例を示す模式図である。
【図15】従来の太陽光集光による水蒸気等2段階熱分解サイクルよる水素製造システム(タワー式)の例を示す模式図である。
【図16】従来の太陽光集光によるコークスの熱分解システムの例を示す模式図である。
【図17】従来の受熱装置内の集光太陽光の通路を示す説明図であり、(a)はL=1Dのとき、(b)はL=2Dのときを示す。
【図18】従来の太陽光集光による蓄熱システムの例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の集光太陽光の受熱装置、反応装置及び加熱装置の実施例について、添付した図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0041】
図1に示す本実施例の集光太陽光の反応装置は、石炭の熱分解による水素等の製造システムであり、1は、太陽光の吸収率の高い耐熱材、例えば、インコネル、アルミナ、炭化珪素、ステンレス鋼などからなる受熱装置である。受熱装置1は、円柱形の側面を形成する側部11と、側部11の下端に接続して受熱装置1の底面を形成する円形の底部12と、側部11の上端に接続して受熱装置1の天井面を形成する天井部13から構成されている。また、天井部13の中央には、円形の開口部14が形成されている。すなわち、受熱装置1は、外形が円柱形であって、内側に開口部14が開口した円柱形の空洞15を有している。なお、開口部14には何も設けられておらず、空洞15は開口部14を通じて外部と連通している。
【実施例1】
【0042】
受熱装置1の周囲には、受熱装置1と所定の間隔をおいて側部11のほとんどの部分と底部12を覆うように反応器2が設けられている。反応器2の底部には水蒸気を導入するための導入口21、側部には石炭等を導入するための導入口22、上部側面には反応によって生成した水素、一酸化炭素、メタン、二酸化炭素等のガスを導出するための導出口23が形成されており、これら導入口21,22、導出口23が形成された部分を除き、反応器2は密閉されている。
【実施例1】
【0043】
31はヘリオスタット、32はタワー(図示せず)に設置されたビームダウン式集光鏡であり、ヘリオスタット31とビームダウン式集光鏡32によりビームダウン型の集光システムが構成される。そして、このビームダウン型の集光システムにより太陽Sからの光が集光されて集光太陽光として開口部14から受熱装置1内に導かれるようになっている。なお、ヘリオスタット31は1つのみが図示されているが、実際には多数のヘリオスタット31が設置されている。
【実施例1】
【0044】
以上の構成において、導入口22から石炭粒を反応器2内に導入し、導入口21から水蒸気を導入する。つぎに、ヘリオスタット31とビームダウン式集光鏡32により集光太陽光を開口部14から受熱装置1内に導く。受熱装置1内では、集光太陽光が受熱装置1の側部11、底部12、天井部13の内壁、すなわち空洞15側の面で反射を繰り返すことで、受熱装置1が加熱される。そして、加熱された受熱装置1により反応器2に収容された石炭粒が加熱される。反応器2内では石炭の熱分解反応が進み、生成した水素、一酸化炭素等のガスは導出口23から導出される。
【実施例1】
【0045】
なお、受熱装置1の内壁においては、太陽光の反射や再輻射による熱損失を少なくして、高速で太陽光の熱を吸熱させる必要がある。そのためには、受熱装置1を炭化珪素などの黒い材質で構成し、必要なら受熱装置1の内壁に黒色の塗装を施す方法も効果的である。
【実施例1】
【0046】
なお、太陽光の集光システムとしては、本実施例のビームダウン型の集光システムに限らず、集中タワー型やパラボリックディッシュ型の集光システムを適用することができる。
【実施例1】
【0047】
以下、受熱装置1についてさらに詳細に説明する。
【実施例1】
【0048】
はじめに、以下で用いられる記号について、受熱装置1を示す図2に基づいて説明する。Dは受熱装置1の空洞15の直径、Lは受熱装置1の空洞15の長さ、dは受熱装置1の集光太陽光の入口となる開口部14の直径d、αは受熱装置1の空洞15の中心線Cからの仰角である。また、16は後述する円錐形の反射体であり、θは反射体16の空洞15の中心線Cからの仰角である。
【実施例1】
【0049】
図3に示すように、受熱装置1の寸法は、d=1/2D、L=2Dとなっている。集光太陽光は多数のヘリオスタット31で集光され、様々な入射角度で受熱装置1に導かれる。図3に受熱装置1内の集光太陽光の反射通路を示している。集光太陽光の入射角度を受熱装置1の中心線Cに対する仰角αで表し、仰角αを10度、20度、30度、40度、50度とした場合、集光太陽光の受熱装置1内壁での反射回数はいずれも5回以上である。このため、反射回数が入射角度に応じて2~6回と少ない従来技術(図17を参照)と比較して放熱損失が非常に少なくなる。
【実施例1】
【0050】
なお、受熱装置1に入射した集光太陽光を有効に利用するために、受熱装置1に入射した集光太陽光が反射や再輻射などによって外部に放出されないように、集光太陽光をできる限り受熱装置1内に閉じ込めておく必要がある。そのためには、受熱装置1に入射した光を受熱装置1内で複数回反射させるようにすることが好ましい。具体的には、受熱装置1の空洞15の寸法を適切に設定することにより、例えば、開口部14の中央から入射した仰角αが10度以上の集光太陽光を受熱装置1の内壁に4回以上反射させることが望ましい。このため、受熱装置1の空洞15の寸法比をd=D/2以下、L=2D以上とすることが好ましい。なお、このd=D/2以下の条件を満たすとき、空洞15の内部における開口部14を含む天井部13の面積をS、開口部14の面積をsとしたときに、s=S/4以下となる。
【実施例1】
【0051】
なお、受熱装置1の内壁の太陽光が照射された部位は、太陽光の熱の大部分を吸収するが、吸収しきれなかった熱の一部は反射光として内壁の別の部位に達し、そこで吸収される。
【実施例1】
【0052】
以上のように、本実施例の集光太陽光の受熱装置1は、略円柱形の側面を形成する側部11と、この側部11の下端に接続して底面を形成する略円形の底部12と、前記側部11の上端に接続して天井面を形成する天井部13から構成され、前記天井部13の中央には略円形の開口部14が形成され、前記開口部14が開口した略円柱形の空洞15を有している。また、側部11、底部12、天井部13には、太陽光を吸収する内壁が形成されている。そして、前記空洞15の直径をD、前記空洞15の長さをL、前記開口部14の直径をdとしたときに、d=D/2以下、L=2D以上としたものである。したがって、受熱装置1に入射した集光太陽光を受熱装置1内に閉じ込めて、受熱装置1に入射した集光太陽光を有効に利用することができる。
【実施例1】
【0053】
なお、受熱装置1は略円柱形に限らず、断面が多角形の柱形としてもよく、開口部14を多角形としてもよい。受熱装置1が多角形の柱形、開口部14が多角形の場合であっても、空洞15の内部における開口部14を含む天井部13の面積をS、開口部14の面積をsとしたときに、s=S/4以下の条件を満たすように構成することにより、開口部14の中央から入射した仰角αが10度以上の集光太陽光を受熱装置1の内壁に4回以上反射させることが可能になり、受熱装置1に入射した集光太陽光を有効に利用することができる。
【実施例1】
【0054】
また、側部11又は底部12の内壁に太陽光を内壁に向けて反射する反射体を設けてもよい。反射体については、以下の実施例にて説明する。
【実施例2】
【0055】
図3に示す実施例において、受熱装置1の中心線Cから小さい角度αで入射した集光太陽光は、少ない反射回数で受熱装置1の外部に放出する。そこで、図4に示す実施例では、受熱装置1の底部12の中心部に、円錐状の反射体16を設置している。この反射体16は、直径がd以上の円錐で、受熱装置1の中心線Cからの仰角θが30度~60度であることが好ましい。
【実施例2】
【0056】
以上のように、前記底部12の中心部に円錐状の反射体16が設けられるとともに、この反射体16は、直径がd以上の円錐であって、前記空洞15の中心線Cからの仰角θが30度~60度であるので、中心線Cから小さい角度αで入射した集光太陽光が少ない反射回数で受熱装置1の外部に放出することを防止し、受熱装置1に入射した集光太陽光を有効に利用することができる。
【実施例3】
【0057】
図5に示す実施例では、受熱装置1の内壁における太陽光の照射率を均一にするため、受熱装置1の底部に、2つの円形で断面が三角形の反射体17を同心円上に配置している。反射体17の受熱装置1の中心線Cからの仰角θと個数を適切に設定し、反射体17を設置することによって、太陽光を受熱装置1の内壁へ均一に反射可能となる。
【実施例3】
【0058】
なお、実施例2、3において、反射体16,17は凸状の外面を有しているが、凹状の外面を有する反射体を受熱装置1の底部12に設けてもよい。しかし、反射体の外面が凹状の場合は、側面に向かって太陽光を反射させるまでの反射回数が多くなるため、少ない反射回数で側面に向かって反射させるためには凸状の外面を有する反射体が好ましい。
【実施例3】
【0059】
また、表面に凹凸が形成された反射体、不規則な表面を有する反射体、或いは、微細な凹凸が形成されて表面がざらざらした反射体を受熱装置1の底部12に設けてもよい。
【実施例3】
【0060】
また、反射体は、受熱装置1の底部12の内壁に限らず、側部11の内壁に設けてもよい。なお、L=2D以上という条件下では、内壁の面積の大部分を側部11の内壁が占めることになるため、熱の吸収の寄与度に関し、側部11が最も高い一方、底部12は比較的低い。したがって、熱の吸収効率を考慮すると、反射体は、底部12に設ける方が望ましい。
【実施例3】
【0061】
さらに、反射体は設けず、その代わりに受熱装置1の側部11や底部12の内壁の表面に微細な凹凸を形成することにより太陽光を乱反射させるようにしてもよい。
【実施例4】
【0062】
図6には、受熱装置1の上部と底部の直径を変化させた例を示す。受熱装置1の上部と底部の直径を適切に変化させることにより、受熱装置1の内壁における太陽光の照射率を均一にすることが可能となる。
【実施例5】
【0063】
受熱装置1の外周に流動層式の反応器4が設置された例を図7に示す。集光された太陽光は受熱装置1に入射し、底部12に設置された円錐状の反射体16や円形で断面が三角形の反射体17によって反射され、受熱装置1の内壁は均一に加熱される。受熱装置1はインコネル、アルミナ、炭化珪素、ステンレス鋼等で製作されている。
【実施例5】
【0064】
流動層41には、導入口42から石炭粒、導入口43から砂、導入口44から水蒸気と必要によっては流動用ガスが供給される。流動層41はガスと砂の流動による攪拌作用で、受熱装置1の外壁から急激に熱を吸収する。石炭と水蒸気は加熱されて、水素、一酸化炭素、メタンガス等に分解、反応し、流動層41の頂部から排出する。これらのガスには未分解の石炭、灰、砂等が同伴するので、サイクロン分離機45で粗い石炭粒子や砂が分離され、分離された粗い石炭粒子や砂は流動層41に再度供給される。また、サイクロン分離機45で分離できなかった細かい粒子はフィルター分離機46で除去され、別途回収される。
【実施例5】
【0065】
図示されていないが、熱交換器によって、製造された高温の水素、一酸化炭素、メタンガス等の熱エネルギーを反応器4に供給される水蒸気や流動用ガスの加熱に利用するシステム構成とすればエネルギー効率は高くなることは言うまでもない。
【実施例5】
【0066】
また、反応装置は全て金属で構成することが可能なため、高温・高圧の化学反応条件にも適用可能である。
【実施例6】
【0067】
受熱装置1の外周に加熱器5が設置された例を図8に示す。集光された太陽光は受熱装置1に入射し、底部12に設置された円錐状の反射体16や円形で断面が三角形の反射体17によって反射され、受熱装置1の内壁が均一に加熱される。受熱装置1はインコネル、アルミナ、炭化珪素、ステンレス鋼等で製作されている。
【実施例6】
【0068】
この加熱器5の内壁には多数の特殊形状のフィン51が取り付けられており、フィン51は受熱装置1の熱を急激に奪い空気の昇温に利用される。このように、フィン51により伝熱面積を増大した構造になっており、効果的に加熱器5内の空気が加熱されるようになっている。フィン51の先端の角度θ1は、加熱器5の形状と、運転条件にもよるが、好ましくは10度~30度である。
【実施例6】
【0069】
また、加熱器5の底部に整流体52が設置されているが、これはガスの流れを整え渦の発生を少なくするためのものである。整流体52の斜面と受熱装置1の中心線Cがなす角度θ2は、加熱器5の形状と、運転条件にもよるが、好ましくは20度~60度である。
【実施例6】
【0070】
加熱器5の底部に設けられた導入口53から導入された低温ガスは、加熱器5内で加熱され、加熱器5の頂部に設けられた導出口54から高温ガスとして排出される。得られた高温のガスは高温ガスタービンによる発電(図示せず)や顕熱蓄熱、潜熱蓄熱、化学蓄熱等(図示せず)に利用される。
【実施例6】
【0071】
なお、加熱器5の内壁やフィン51にスケールが付着したときに、加熱器5に微細な砂を供給して流動させることによって、付着したスケール除去することも可能である。
【実施例7】
【0072】
受熱装置1の外周に流動層式の加熱器6が設置された別の例を図9に示す。流動層61には、導入口62から低温ガスが供給され、受熱装置1の熱は流動層61においてガスにより急激に奪われる。ここで、流動層61は伝熱速度が高い熱交換機として作用する。そして、熱を奪ったガスは、高温ガスとして加熱器6の頂部に設けられた導出口63から排出される。なお、64は、流動層61を構成する砂を加熱器6に導入するための導入口である。
【実施例8】
【0073】
実施例6と実施例7を組み合わせた例を図10に示す。加熱器7の内壁には多数の特殊形状のフィン71が取り付けられており、受熱装置1の熱を急激に奪い空気の昇温に利用される。また、加熱器5の底部には整流体72が設置されている。
【実施例8】
【0074】
フィン71は、流動層73と流動層73を流動させるガスを攪拌する作用により、伝熱を促進する働きを果たす。また、フィン71に付着したスケールは、流動層73内の粒子のランダム運動により除去される。
【実施例8】
【0075】
加熱器7の底部に設けられた導入口74から導入された低温ガスは、加熱器7内で加熱され、加熱器7の頂部に設けられた導出口75から高温ガスとして排出される。なお、76は、流動層73を構成する砂を加熱器7に導入するための導入口である。
【実施例9】
【0076】
流動層式の加熱装置を固体粒子蓄熱システムに応用した例を図11に示す。太陽が照っている時は、図11(a)に示すように、集光太陽光は受熱装置1に入射する。受熱装置1の外周に流動層式の加熱器8が設置されており、受熱装置1により受熱された集光太陽光の熱のほとんどが、加熱器8に収容された流動層81に急速に熱伝達される。このとき、加熱器8には、加熱器8の底部に設けられた導入口82から低温度の空気が供給され、加熱器8の側部に設けられた導入口83からは、流動層81を構成する蓄熱粒子としての酸化金属粒子が供給される。そして、導入口82から供給される空気により流動層81が激しく流動することによって、急速に空気と酸化金属粒子が加熱されて高温となる。また、加熱された酸化金属粒子は化学反応によって酸素を放出し、熱を蓄える。すなわち、酸化金属粒子は、顕熱と反応熱の両方の熱を蓄えることになる。
【実施例9】
【0077】
なお、酸化金属粒子としては、酸化バリウム(BaO)、酸化コバルト(Co)、酸化マンガン(Mn)、酸化銅(CuO)などを用いることができる。また、酸化コバルトを用いた場合の反応式は、次のとおりである。
3Co3O4 → 3CoO + 0.5O2 - 844kJ/(kg of Co3O4) at 約1,200℃(吸熱)
高温となった空気は、加熱器8の頂部からサイクロン分離機84へ導かれ、空気に含まれた微粉粒子は、サイクロン分離機84により除去され貯槽85に貯められる。その後、空気は、蒸気発生器86に流れ、蒸気発生器86で水を加熱して蒸気を発生させて低温になり、加熱器8に戻される。なお、以上の空気の循環は送風機87により行われる。蒸気発生器86で発生した蒸気は、蒸気タービン88を回し、その後、コンデンサー89、送風機90を経由して蒸気発生器86に戻される。発電機91は、蒸気タービン88の回転により電気を発生させる。
【実施例9】
【0078】
また、加熱器8中の高温の酸化金属粒子の大部分は、加熱器8の外側に配置された移送装置92によって蓄熱槽93、94のうちの一方の蓄熱槽93に移送され、貯蔵される。同時に、他方の蓄熱槽94からは、低温の酸化金属粒子が払い出し装置96により加熱器8に供給される。この加熱器8から一方の蓄熱槽93への酸化金属粒子の移送と、他方の蓄熱槽94から加熱器8への酸化金属粒子の供給が終了すると、次は、高温の酸化金属粒子が移送装置92によって加熱器8から他方の蓄熱槽94に移送され、同時に、低温の酸化金属粒子が払い出し装置95によって一方の蓄熱槽93から加熱器8に供給される。このように、以降、交替で蓄熱槽93、94への酸化金属粒子の移送が行われる。ここでは2つの蓄熱槽の例を示したが、多数の蓄熱槽を設置し、蓄熱量を増大することも可能である。
【実施例9】
【0079】
太陽が照っていない時は、図11(b)に示すようにバルブを切り替えて、蓄熱槽93、94と蒸気発生器86との間のみで空気を循環させる。すなわち、加熱器8と蒸気発生器86との間の空気の循環を停止させる。また、払い出し装置95、96を停止させる。空気は、蓄熱槽93、94の底部から蓄熱槽93、94に供給され、蓄熱槽93、94に収容された酸化金属粒子の間を通ってから蓄熱槽93、94の上部から蒸気発生器86に送られる。蓄熱槽93、94の内部では、酸化金属粒子が酸素と反応して発熱し、空気が加熱される。なお、酸化金属粒子として酸化コバルトを用いた場合の反応式は、次のとおりである。
3CoO + 0.5O2 + 844kJ/(kg of Co3O4) → 3Co3O4 at 約900℃(放熱=発熱)
蓄熱槽93、94で加熱された空気は、蒸気発生器86に流れ、蒸気発生器86で水を加熱して蒸気を発生させて低温になり、蓄熱槽93、94に戻される。なお、以上の空気の循環も送風機87により行われる。蒸気発生器86で発生した蒸気は、蒸気タービン88を回し、その後、コンデンサー89、送風機90を経由して蒸気発生器86に戻される。発電機91は、蒸気タービン88の回転により電気を発生させる。
【実施例10】
【0080】
本実施例は、実施例9の変形例であり、粒子径の小さい酸化金属粒子を用いて、酸化金属粒子を気流に同伴させて加熱器8から蓄熱槽93、94に移送する構成となっている。
【実施例10】
【0081】
太陽が照っている時は、図12(a)に示すように、集光太陽光は受熱装置1に入射する。受熱装置1の外周に流動層式の加熱器8が設置されており、受熱装置1により受熱された集光太陽光の熱のほとんどが、加熱器8に収容された流動層81に急速に熱伝達される。このとき、加熱器8には、加熱器8の底部に設けられた導入口82から低温度の空気が供給され、加熱器8の側部に設けられた導入口83からは、流動層81を構成する蓄熱粒子としての酸化金属粒子が供給される。そして、導入口82から供給される空気により流動層81が激しく流動することによって、急速に空気と酸化金属粒子が加熱されて高温となる。また、加熱された酸化金属粒子は化学反応によって酸素を放出し、熱を蓄える。すなわち、酸化金属粒子は、顕熱と反応熱の両方の熱を蓄えることになる。
【実施例10】
【0082】
高温の空気と酸化金属粒子の混合物は、加熱器8の上部から一方のサイクロン分離機97へ導かれ、高温の酸化金属粒子は、サイクロン分離機97により空気から分離され、蓄熱槽93へ送られる。同時に、他方の蓄熱槽94からは、低温の酸化金属粒子が払い出し装置96により加熱器8に供給される。この加熱器8から一方の蓄熱槽93への酸化金属粒子の移送と、他方の蓄熱槽94から加熱器8への酸化金属粒子の供給が終了すると、次は、高温の酸化金属粒子が加熱器8から他方のサイクロン分離機98によって空気から分離されて他方の蓄熱槽94へ送られ、同時に、低温の酸化金属粒子が払い出し装置95によって一方の蓄熱槽93から加熱器8に供給される。このように、以降、交替で蓄熱槽93、94への酸化金属粒子の移送が行われる。
【実施例10】
【0083】
その後、サイクロン分離機97、98により酸化金属粒子が分離された空気は、蒸気発生器86に流れ、蒸気発生器86で水を加熱して蒸気を発生させて低温になり、加熱器8に戻される。なお、以上の空気の循環は送風機87により行われる。蒸気発生器86で発生した蒸気は、蒸気タービン88を回し、その後、コンデンサー89、送風機90を経由して蒸気発生器86に戻される。発電機91は、蒸気タービン88の回転により電気を発生させる。
【実施例10】
【0084】
太陽が照っていない時は、図12(b)に示すようにバルブを切り替えて、蓄熱槽93、94と蒸気発生器86との間のみで空気を循環させる。すなわち、加熱器8と蒸気発生器86との間の空気の循環を停止させる。また、払い出し装置95、96を停止させる。空気は、蓄熱槽93、94の底部から蓄熱槽93、94に供給され、蓄熱槽93、94に収容された酸化金属粒子の間を通ってから蓄熱槽93、94の上部から蒸気発生器86に送られる。蓄熱槽93、94の内部では、酸化金属粒子が酸素と反応して発熱し、空気が加熱される。
【実施例10】
【0085】
蓄熱槽93、94で加熱された空気は、蒸気発生器86に流れ、蒸気発生器86で水を加熱して蒸気を発生させて低温になり、蓄熱槽93、94に戻される。なお、以上の空気の循環も送風機87により行われる。蒸気発生器86で発生した蒸気は、蒸気タービン88を回し、その後、コンデンサー89、送風機90を経由して蒸気発生器86に戻される。発電機91は、蒸気タービン88の回転により電気を発生させる。
【実施例11】
【0086】
実施例5の変形例を図13に示す。本実施例は、反応器4の内部において、受熱装置1の側部11の外側にドラフト管47を設置し、内循環型流動層式の反応装置として構成したものである。
【実施例11】
【0087】
ドラフト管47は、直径が受熱装置1よりも大きい円筒からなり、導入口44は、上方から見て受熱装置1の側部11よりも外側、かつ、ドラフト管47よりも内側に配置されている。また、ドラフト管47は、流動層41に埋没して配置されている。これにより、導入口44から導入された水蒸気と流動用ガスが受熱装置1とドラフト管47の間に流入し、導入口44から導入された水蒸気と流動用ガスの流れに伴って、流動層41がドラフト管47の内側を上昇する。そして、流動層41がドラフト管47の内側を上昇した後にドラフト管47の外側を下降し、再びドラフト管47の内側を上昇する、いわゆる内循環型の流動が形成される。
【実施例11】
【0088】
ここで、集光太陽光のエネルギーは、受熱装置1の内壁に吸収され、この内壁が最も高い温度になる。したがって、反応器4内で効率よく反応を進行させるためには、この内壁から反応器4内へ急速に熱を取り込む必要がある。
【実施例11】
【0089】
本実施例で採用した内循環型流動層式の反応器4は、流動層41の粒子が組織的に流動するため、反応器4内における熱伝導効率が極めて高い。このため、受熱装置1の熱が反応器4内に速やかに取り込まれる。また、流動によって、流動層41の温度分布は、ほぼ一様となる。したがって、流動層41の全体において、効率よく反応を進行させることができる。
【符号の説明】
【0090】
1 受熱装置
2,4 反応器
5,6,7,8 加熱器
11 側部
12 底部
13 天井部
14 開口部
15 空洞
16 反射体
17 反射体
47 ドラフト管
51,71 フィン
52,72 整流体
C 空洞15の中心線
D 空洞15の直径
d 開口部14の直径
L 空洞15の長さ
θ 空洞15の中心線Cからの仰角
α 集光太陽の入射角度で、空洞15の中心線Cからの仰角
図面
【図11】
0
【図12】
1
【図13】
2
【図18】
3
【図1】
4
【図2】
5
【図3】
6
【図4】
7
【図5】
8
【図6】
9
【図7】
10
【図8】
11
【図9】
12
【図10】
13
【図14】
14
【図15】
15
【図16】
16
【図17】
17