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明細書 :カップリング方法、及び該カップリング方法を用いた芳香族基置換複素環式化合物の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成29年1月26日(2017.1.26)
発明の名称または考案の名称 カップリング方法、及び該カップリング方法を用いた芳香族基置換複素環式化合物の製造方法
国際特許分類 C07D 263/56        (2006.01)
C07D 417/04        (2006.01)
C07D 413/04        (2006.01)
C07D 413/14        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07D 263/56 CSP
C07D 417/04
C07D 413/04
C07D 413/14
C07B 61/00 300
国際予備審査の請求
全頁数 83
出願番号 特願2014-560631 (P2014-560631)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第2項適用申請有り ▲1▼掲載年月日 2012年8月7日 掲載アドレス http://dx.doi.org/10.1021/ja306062c ▲2▼配布日 2012年8月8日 配布先 新聞社、ニュースサイトを運営する新聞社及び通信社▲3▼ <その1> 掲載年月日 2012年8月9日 掲載アドレス http://news.mynavi.jp/news/2012/08/09/006/index.html <その2> 掲載年月日 2012年8月9日掲載アドレス http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120809-00000005-mycomj-sci <その3> 掲載年月日2012年8月9日 掲載アドレス http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/08/09-7741.html 及び 刊行物名 化学工業日報 平成24年8月9日付 第1面 発行者名 株式会社化学工業日報社 <その4> 掲載年月日 2012年8月9日 掲載アドレス http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20120809122546249及び 刊行物名 中日新聞 平成24年8月9日付朝刊第3面 発行者名 株式会社中日新聞社 <その5> 発行年月日 2012年8月9日 発行者名 株式会社朝日新聞社 刊行物名 朝日新聞 平成24年8月9日付朝刊 第31面 <その6> 掲載年月日 2012年8月17日 掲載アドレス http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1020120817eaad.html <その7> 発行年月日 2012年8月31日発行者名 株式会社科学新聞社 刊行物名 科学新聞 平成24年8月31日付 第2面
国際出願番号 PCT/JP2013/071398
国際公開番号 WO2014/122811
国際出願日 平成25年8月7日(2013.8.7)
国際公開日 平成26年8月14日(2014.8.14)
優先権出願番号 2013022729
優先日 平成25年2月7日(2013.2.7)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LT , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US , UZ
発明者または考案者 【氏名】伊丹 健一郎
【氏名】山口 潤一郎
【氏名】天池 一真
【氏名】武藤 慶
【氏名】瀧瀬 瞭介
出願人 【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
【識別番号】591045677
【氏名又は名称】関東化學株式会社
個別代理人の代理人 【識別番号】110000796、【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
審査請求
テーマコード 4C056
4C063
4H039
Fターム 4C056AA01
4C056AB01
4C056AC02
4C056AD03
4C056AE03
4C056AF05
4C056CA02
4C056CC01
4C056CD03
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB01
4C063CC52
4C063CC62
4C063CC75
4C063CC92
4C063DD03
4C063DD12
4C063DD14
4C063DD34
4C063DD52
4C063EE05
4H039CA42
4H039CD10
4H039CD90
要約 芳香族分子と芳香族分子とが結合した化合物群、芳香族分子とアルケン分子とが結合した化合物群等を簡便に合成することができ、ハロゲン廃棄物を生成せず、希少且つ高価なパラジウムを使用する必要がない簡便な方法(カップリング方法)を提供する。
一般式(A):Ar-Hで示される化合物(A)と、一般式(B1):ROCO-Ar’で示される化合物(B1)、一般式(B2):RCH=C(Ar”)で示される化合物(B2)、又は一般式(B3):RcOCOCH=C(Ar”)で示される化合物(B3)とを、ニッケル化合物の存在下に反応させる。
特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(1):
Ar-Ar’
[式中、Ar及びAr’は同じか又は異なり、Arは置換されていてもよい1価の複素環式基;Ar’は置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基又は置換されていてもよい1価の複素環式基である。]
又は一般式(2):
【化1】
JP2014122811A1_000077t.gif
[式中、Ar及び2個のAr”は同じか又は異なり、Arは前記に同じ;Ar”は水素原子、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基又は置換されていてもよい1価の複素環式基(ただし、2個のAr”がいずれも水素原子の場合は除く)。]
で示される化合物の製造方法であって、
一般式(A):
Ar-H
[式中、Arは前記に同じである。]
で示される化合物(A)と、
一般式(B1):
OCO-Ar’
[式中、Ar’は前記に同じ;Rは置換基である。]
で示される化合物(B1)、
一般式(B2):
【化2】
JP2014122811A1_000078t.gif
[式中、Ar”は前記に同じ;Rはアルキル基以外の置換基である。]
で示される化合物(B2)、又は
一般式(B3):
【化3】
JP2014122811A1_000079t.gif
[式中、Ar”は前記に同じ;Rは置換基である。]
で示される化合物(B3)
とを、
ニッケル化合物の存在下に反応させる反応工程
を備える、製造方法。
【請求項2】
前記Arが、一般式(a):
【化4】
JP2014122811A1_000080t.gif
[式中、Y12C又は13C;Zは酸素原子又は硫黄原子;R及びRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい炭素数1~20のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数2~20のアルコキシカルボニル基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の複素環式基、置換されていてもよいアミノ基;RとRは互いに結合し、隣接する-C=C-とともに芳香環を形成してもよい。]
で示される基である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記Ar’が、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の複素環式基(ただし、Zが硫黄原子のときは複素環式基)である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記Ar”が、水素原子、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の複素環式基(ただし、Zが硫黄原子のときは水素原子又は複素環式基)であり、2個のAr”がいずれも水素原子の場合は除く、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
前記一般式(B1)におけるRが、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基、置換されていてもよい1価の複素環式基、又は置換されていてもよいアミノ基である、請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
【請求項6】
前記一般式(B2)におけるRが、Rb1CO-(Rb1は置換基)、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基、置換されていてもよい1価の複素環式基、又は置換されていてもよいアミノ基である、請求項1~5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
前記一般式(B3)におけるRが、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基、置換されていてもよい1価の複素環式基、又は置換されていてもよいアミノ基である、請求項1~6のいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
前記ニッケル化合物の使用量が、化合物(A)1モルに対して、0.01~1モルである、請求項1~7のいずれかに記載の製造方法。
【請求項9】
さらに、前記反応工程において、配位子を使用する、請求項1~8のいずれかに記載の製造方法。
【請求項10】
前記配位子が、一般式(C1):
【化5】
JP2014122811A1_000081t.gif
[式中、4個のRは同じか又は異なり、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基;nは2~20の整数;ただし、Rの1つ以上が芳香族炭化水素基であるときはnは3~20の整数である。]
で示される化合物(C1)、
一般式(C2):
【化6】
JP2014122811A1_000082t.gif
[式中、3個のRは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1~20の直鎖炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基;ただし、全てのRがフェニル基である場合を除く。]
で示される化合物(C2)、又は
一般式(C3):
【化7】
JP2014122811A1_000083t.gif
[式中、2個のRは同じか又は異なり、それぞれ置換されていてもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換されていてもよい炭素数1~20のアルコキシ基である。]
で示される化合物(C3)
である、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
配位子の使用量が、ニッケル化合物1モルに対して、0.5~5モルである、請求項9又は10に記載の製造方法。
【請求項12】
さらに、前記反応工程において、塩基を使用する、請求項1~11のいずれかに記載の製造方法。
【請求項13】
前記塩基が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩若しくはカルボン酸塩、又はアミンである、請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
さらに、前記反応工程において、溶媒を使用する、請求項1~13のいずれかに記載の製造方法。
【請求項15】
前記溶媒が、芳香族炭化水素類、エステル類、環状エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、ケトン類、アミド類、ニトリル類、炭素数3~20のアルコール類、ジメチルスルホキシド、又はN-メチルピロリドンである、請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
前記反応工程における反応温度が80~200℃である、請求項1~15のいずれかに記載の製造方法。
【請求項17】
前記反応工程における反応時間が1~50時間である、請求項1~16のいずれかに記載の製造方法。
【請求項18】
一般式(A):
Ar-H
[式中、Arは置換されていてもよい1価の複素環式基である。]
で示される化合物(A)と、
一般式(B1):
OCO-Ar’
[式中、Ar’は置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基又は置換されていてもよい1価の複素環式基;Rは置換基である。]
で示される化合物(B1)、
一般式(B2):
【化8】
JP2014122811A1_000084t.gif
[式中、Ar”は前記に同じ;Rはアルキル基以外の置換基である。]
で示される化合物(B2)、又は
一般式(B3):
【化9】
JP2014122811A1_000085t.gif
[式中、Ar”は前記に同じ;Rは置換基である。]
で示される化合物(B3)
とを、
ニッケル化合物の存在下に反応させることを特徴とする、カップリング方法。
【請求項19】
請求項1~17のいずれかに記載の製造方法により得られる、
下記の式:
【化10】
JP2014122811A1_000086t.gif
で示される化合物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、カップリング方法、及び該カップリング方法を用いた芳香族基置換複素環式化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
芳香族分子と芳香族分子とが結合したビアリールと称される一連の化合物群は医農薬や有機エレクトロニクス材料分野において頻繁に活用されている。このことから、ビアリール化合物群を効率的に構築する手法の開発は化学分野において最も重要な課題のひとつとなっている。
【0003】
2010年に鈴木章教授や根岸英一教授らがノーベル化学賞を受賞した「古典的」クロスカップリング法は、例えば、以下の式:
【0004】
【化1】
JP2014122811A1_000002t.gif

【0005】
[式中、Zは酸素原子又は硫黄原子;Ar”は芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は複素環式基である。]
で表され、ビアリールをつくる手法として最も信頼性の高い方法であり、これまで多くの化学者によって改良が行われてきた。
【0006】
しかしながら、カップリング反応を進行させるためには、
(1)芳香族化合物から数工程で調製される芳香族金属化合物をカップリングパートナーに用いる必要があるため、工程が煩雑である、
(2)ハロゲン化合物をもう片方のカップリングパートナーに用いる必要があるため、ハロゲン廃棄物を生成してしまう、
(3)希少且つ高価なパラジウムを触媒として用いる必要がある、
等の制約があり、いまだに解決すべき課題が多いのが現状である。
【0007】
一方、前記した鈴木章教授、根岸英一教授、リチャード・ヘック教授の開発した触媒反応は、芳香族分子とアルケン分子とを、以下の式:
【0008】
【化2】
JP2014122811A1_000003t.gif

【0009】
[式中、Xはハロゲン原子;R’は置換基である。]
により、パラジウム触媒を用いて連結することが可能である。この反応により得られる芳香族-アルケン結合分子は、有機色素、医農薬、生物活性分子、有機エレクトロニクス材料等様々な用途に用いられている。
【0010】
従来は、芳香族分子の目印としてハロゲン原子、アルケン分子の目印として水素原子が使用されており、近年これらの目印や触媒を変えた新しいカップリング反応が開発されてはいるが、やはり、
(1)芳香族化合物として、ハロゲン化合物や金属化合物をカップリングパートナーに用いる必要があるため、環境に悪影響が懸念されるハロゲン廃棄物や金属廃棄物を生成してしまう、
(2)希少且つ高価なパラジウムやロジウム等を触媒として用いる必要がある、
等の制約があり、いまだに解決すべき課題が多いのが現状である。
【0011】
現在、上記の要素をよりグリーンで環境低負荷型のものとする「新しい次世代型カップリング反応」の開発が、本発明者らを含めて世界中で熾烈な競争が行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
芳香族分子と芳香族分子とが結合した化合物群、芳香族分子とアルケン分子とが結合した化合物群等を簡便に合成することができ、ハロゲン廃棄物を生成せず、希少且つ高価なパラジウムを使用する必要がない簡便な方法(カップリング方法)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは、ニッケル触媒を用いる新しい形式のカップリング反応を開発し、この分野に大きなブレークスルーをもたらした。具体的には、ニッケル化合物を用いて、
一般式(A):
Ar-H
[式中、Arは置換されていてもよい1価の複素環式基である。]
で示される化合物(A)と、
一般式(B1):
OCO-Ar’
[式中、Ar’は置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基又は置換されていてもよい1価の複素環式基;Rは置換基である。]
で示される化合物(B1)、
一般式(B2):
【0014】
【化3】
JP2014122811A1_000004t.gif

【0015】
[式中、Ar”は水素原子、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基又は置換されていてもよい1価の複素環式基(ただし、2個のAr”がいずれも水素原子の場合は除く);Rはアルキル基以外の置換基である。]
で示される化合物(B2)、又は
一般式(B3):
【0016】
【化4】
JP2014122811A1_000005t.gif

【0017】
[式中、Ar”は前記に同じ;Rは置換基である。]
で示される化合物(B3)
とを反応させるだけで、芳香族化合物(主にアゾール類)と芳香族エステルとの脱エステル型カップリング反応、芳香族化合物とアルケン分子とのカップリング反応が進行し、簡便に芳香族分子と芳香族分子又はアルケン分子とが結合した化合物群を合成することができることを見出した。この際、触媒として、ニッケル化合物を用いるが、配位子として1,2-ビスジシクロヘキシルホスフィノエタン(dcype)、1,2-ビスジシクロペンチルホスフィノエタン等を用いることが好ましい。
【0018】
本発明は、このような知見に基づき、さらに研究を重ねた結果、完成されたものである。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
【0019】
項1.一般式(1):
Ar-Ar’
[式中、Ar及びAr’は同じか又は異なり、Arは置換されていてもよい1価の複素環式基;Ar’は置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基又は置換されていてもよい1価の複素環式基である。]
又は一般式(2):
【0020】
【化5】
JP2014122811A1_000006t.gif

【0021】
[式中、Ar及び2個のAr”は同じか又は異なり、Arは前記に同じ;Ar”は水素原子、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基又は置換されていてもよい1価の複素環式基(ただし、2個のAr”がいずれも水素原子の場合は除く)。]
で示される化合物の製造方法であって、
一般式(A):
Ar-H
[式中、Arは前記に同じである。]
で示される化合物(A)と、
一般式(B1):
OCO-Ar’
[式中、Ar’は前記に同じ;Rは置換基である。]
で示される化合物(B1)、
一般式(B2):
【0022】
【化6】
JP2014122811A1_000007t.gif

【0023】
[式中、Ar”は前記に同じ;Rはアルキル基以外の置換基である。]
で示される化合物(B2)、又は
一般式(B3):
【0024】
【化7】
JP2014122811A1_000008t.gif

【0025】
[式中、Ar”は前記に同じ;Rは置換基である。]
で示される化合物(B3)
とを、
ニッケル化合物の存在下に反応させる反応工程
を備える、製造方法。
【0026】
項2.前記Arが、一般式(a):
【0027】
【化8】
JP2014122811A1_000009t.gif

【0028】
[式中、Y12C又は13C;Zは酸素原子又は硫黄原子;R及びRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい炭素数1~20のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数2~20のアルコキシカルボニル基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の複素環式基、置換されていてもよいアミノ基;RとRは互いに結合し、隣接する-C=C-とともに芳香環を形成してもよい。]
で示される基である、項1に記載の製造方法。
【0029】
項3.前記Ar’が、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の複素環式基(ただし、Zが硫黄原子のときは複素環式基)である、項1又は2に記載の製造方法。
【0030】
項4.前記Ar”が、水素原子、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の複素環式基(ただし、Zが硫黄原子のときは水素原子又は複素環式基)であり、2個のAr”がいずれも水素原子の場合は除く、項1~3のいずれかに記載の製造方法。
【0031】
項5.前記一般式(B1)におけるRが、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基、置換されていてもよい1価の複素環式基、又は置換されていてもよいアミノ基である、項1~4のいずれかに記載の製造方法。
【0032】
項6.前記一般式(B2)におけるRが、Rb1CO-(Rb1は置換基)、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基、置換されていてもよい1価の複素環式基、又は置換されていてもよいアミノ基である、項1~5のいずれかに記載の製造方法。
【0033】
項7.前記一般式(B3)におけるRが、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基、置換されていてもよい1価の複素環式基、又は置換されていてもよいアミノ基である、項1~6のいずれかに記載の製造方法。
【0034】
項8.前記ニッケル化合物の使用量が、化合物(A)1モルに対して、0.01~1モルである、項1~7のいずれかに記載の製造方法。
【0035】
項9.さらに、前記反応工程において、配位子を使用する、項1~8のいずれかに記載の製造方法。
【0036】
項10.前記配位子が、一般式(C1):
【0037】
【化9】
JP2014122811A1_000010t.gif

【0038】
[式中、4個のRは同じか又は異なり、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基;nは2~20の整数;ただし、Rの1つ以上が芳香族炭化水素基であるときはnは3~20の整数である。]
で示される化合物(C1)、
一般式(C2):
【0039】
【化10】
JP2014122811A1_000011t.gif

【0040】
[式中、3個のRは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1~20の直鎖炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基;ただし、全てのRがフェニル基である場合を除く。]
で示される化合物(C2)、又は
一般式(C3):
【0041】
【化11】
JP2014122811A1_000012t.gif

【0042】
[式中、2個のRは同じか又は異なり、それぞれ置換されていてもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換されていてもよい炭素数1~20のアルコキシ基である。]
で示される化合物(C3)
である、項9に記載の製造方法。
【0043】
項11.配位子の使用量が、ニッケル化合物1モルに対して、0.5~5モルである、項9又は10に記載の製造方法。
【0044】
項12.さらに、前記反応工程において、塩基を使用する、項1~11のいずれかに記載の製造方法。
【0045】
項13.前記塩基が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩若しくはカルボン酸塩、又はアミンである、項12に記載の製造方法。
【0046】
項14.さらに、前記反応工程において、溶媒を使用する、項1~13のいずれかに記載の製造方法。
【0047】
項15.前記溶媒が、芳香族炭化水素類、エステル類、環状エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、ケトン類、アミド類、ニトリル類、炭素数3~20のアルコール類、ジメチルスルホキシド、又はN-メチルピロリドンである、項14に記載の製造方法。
【0048】
項16.前記反応工程における反応温度が80~200℃である、項1~15のいずれかに記載の製造方法。
【0049】
項17.前記反応工程における反応時間が1~50時間である、項1~16のいずれかに記載の製造方法。
【0050】
項18.一般式(A):
Ar-H
[式中、Arは置換されていてもよい1価の複素環式基である。]
で示される化合物(A)と、
一般式(B1):
OCO-Ar’
[式中、Ar’は置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基又は置換されていてもよい1価の複素環式基;Rは置換基である。]
で示される化合物(B1)、
一般式(B2):
【0051】
【化12】
JP2014122811A1_000013t.gif

【0052】
[式中、Ar”は前記に同じ;Rはアルキル基以外の置換基である。]
で示される化合物(B2)、又は
一般式(B3):
【0053】
【化13】
JP2014122811A1_000014t.gif

【0054】
[式中、Ar”は前記に同じ;Rは置換基である。]
で示される化合物(B3)
とを、
ニッケル化合物の存在下に反応させることを特徴とする、カップリング方法。
【0055】
項19.項1~17のいずれかに記載の製造方法により得られる、
下記の式:
【0056】
【化14】
JP2014122811A1_000015t.gif

【0057】
で示される化合物。
【発明の効果】
【0058】
本発明によれば、通常は極めて安定な芳香族化合物の炭素-水素結合(C-H結合)と芳香族エステルの炭素-炭素結合を切断しながら2つの分子をつなぐ、新しい形式のカップリング反応が可能である(新反応)。また、これまで活性のなかった芳香族化合物とアルケン分子とのカップリング反応も可能である(新反応)。
【0059】
また、カップリングパートナーとして芳香族化合物そのもの(化合物(A))を用いることができる(C-Hカップリングの達成)。このため、従来型のクロスカップリングのカップリングパートナーとなる芳香族金属化合物を芳香族化合物から調製する必要がなく、全体の工程数が飛躍的に少なくなり、より簡便に芳香族分子と芳香族分子とが結合した化合物群を簡便に合成することができる。
【0060】
さらに、芳香族ハロゲン化物(従来型)に換えて芳香族エステル(化合物(B1))やアルケン分子(化合物(B2)、(B3))をもう片方のカップリングパートナーとして用いることができ、ハロゲンや金属を使用しないでカップリング反応が可能であるため、環境汚染が懸念されるハロゲン廃棄物や金属廃棄物を生成しないカップリング反応を達成することができる。
【0061】
他にも、希少且つ高価なパラジウム触媒やロジウム触媒(従来型)に換えて、安価で空気中で安定なニッケル錯体を触媒として用いることができる。
【0062】
本発明は、化合物(B1)を用いる場合、「エステルの炭素-炭素結合が切れてしまう」という全く予期していなかった「新しい反応性の発見」を伴った成果でもある。また、化合物(B2)や(B3)を用いる場合、これまで活性のなかった芳香族化合物とアルケン分子とのカップリング反応を引き起こすという全く予期していなかった新しい反応の発見を伴った成果でもある。このため、エステルやアルケンという新たなカップリングパートナーの開拓という意味合いだけでなく、合成化学的な意義も大きい。化合物(B1)を用いる場合は、ヘテロ芳香族化合物の合成は、多くの場合エステルが存在することで効率的に行うことができる。本発明に係る反応は、そのエステルをそのままカップリング反応に用いてビアリール化合物に導くことができるというこれまでにない特徴も備えている。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】熱振動楕円体作画ソフト(ORTEP)による、Ni(dcype)(CO)触媒の構造を示す図面である(楕円は50%の原子存在)。明確にするために、水素原子は省略している。
【発明を実施するための形態】
【0064】
1.製造方法及びカップリング方法
本発明の製造方法(カップリング方法)は、
一般式(A):
Ar-H
[式中、Arは置換されていてもよい1価の複素環式基である。]
で示される化合物(A)と、
一般式(B1):
OCO-Ar’
[式中、Ar’は置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基又は置換されていてもよい1価の複素環式基;Rは置換基である。]
で示される化合物(B1)、
一般式(B2):

【0065】
【化15】
JP2014122811A1_000016t.gif

【0066】
[式中、Ar”は前記に同じ;Rはアルキル基以外の置換基である。]
で示される化合物(B2)、又は
一般式(B3):

【0067】
【化16】
JP2014122811A1_000017t.gif

【0068】
[式中、Ar”は前記に同じ;Rは置換基である。]
で示される化合物(B3)
とを、
ニッケル化合物の存在下に反応させることにより、
一般式(1):
Ar-Ar’
[式中、Ar及びAr’は同じか又は異なり、前記に同じである。]
又は一般式(2):

【0069】
【化17】
JP2014122811A1_000018t.gif

【0070】
[式中、Ar及び2個のAr”は同じか又は異なり、Arは前記に同じ;Ar”は水素原子、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基又は置換されていてもよい1価の複素環式基(ただし、2個のAr”がいずれも水素原子の場合は除く)。]
で示される化合物を得る方法である。

【0071】
[1-1]化合物(A)
本発明において、カップリングパートナーとして使用する化合物(A)は、一般式(A):
Ar-H
[式中、Arは前記に同じである。]
で示される化合物である。この化合物(A)は、市販の芳香族化合物をそのまま使用することもできる。

【0072】
一般式(A)において、Arは置換されていてもよい1価の複素環式基であるが、反応性を考慮して、一般式(a):

【0073】
【化18】
JP2014122811A1_000019t.gif

【0074】
[式中、Y12C又は13C;Zは酸素原子又は硫黄原子;R及びRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい炭素数1~20のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数2~20のアルコキシカルボニル基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の複素環式基;RとRは互いに結合し、隣接する-C=C-とともに芳香環を形成してもよい。]
で示される基が好ましい。

【0075】
一般式(a)において、Y12C又は13Cである。通常は12Cであるが、13Cの場合でも、隣接する水素原子との間でのC-H結合を切断してカップリング反応を進めることができる。

【0076】
は酸素原子又は硫黄原子である。つまり、一般式(a)が有する環はオキサゾール環でもよいしチアゾール環でもよいが、反応性(収率)の観点から、Zは酸素原子であることが好ましい。つまり、一般式(a)が有する環はオキサゾール環が好ましい。

【0077】
及びRは同じか又は異なり、それぞれ水素原子、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい炭素数1~20のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数2~20のアルコキシカルボニル基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の複素環式基、置換されていてもよいアミノ基である。

【0078】
「炭素数1~20の炭化水素基」とは、炭素数が1~20(好ましくは1~12、より好ましくは1~6)の飽和の直鎖又は分岐状脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1-メチルプロピル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。

【0079】
「炭素数1~20の炭化水素基」が置換されている場合における置換基は特に制限されないが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン;炭素数2~20のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルカルボニル基等);炭素数2~20のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基等)、シアノ基等が挙げられる。置換基で置換されている場合の置換基の数は、特に限定されず、例えば1~3個程度とすることができる。

【0080】
「炭素数1~20のアルコキシ基」とは、炭素数が1~20(好ましくは1~12、より好ましくは1~6)の飽和の直鎖又は分岐状アルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソポロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、1-メチルプロポキシ基、n-ヘトキシ基、イソヘトキシ基、1,1-ジメチルブトキシ基、2,2-ジメチルブトキシ基、3,3-ジメチルブトキシ基、n-ヘプトキシ基、n-オクトキシ基、n-ノノキシ基、n-デコキシ基等が挙げられる。

【0081】
「炭素数1~20のアルコキシ基」が置換されている場合における置換基は特に制限されないが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン;炭素数2~20のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルカルボニル基等);炭素数2~20のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基等)、シアノ基等が挙げられる。置換基で置換されている場合の置換基の数は、特に限定されず、例えば1~3個程度とすることができる。

【0082】
「炭素数2~20のアルコキシカルボニル基」とは、炭素数が2~20(好ましくは2~12、より好ましくは2~6)の飽和の直鎖又は分岐状アルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、イソポロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、n-ペントキシカルボニル基、イソペントキシカルボニル基、ネオペントキシカルボニル基、1-メチルプロポキシカルボニル基、n-ヘトキシカルボニル基、イソヘトキシカルボニル基、1,1-ジメチルブトキシカルボニル基、2,2-ジメチルブトキシカルボニル基、3,3-ジメチルブトキシカルボニル基、n-ヘプトキシカルボニル基、n-オクトキシカルボニル基、n-ノノキシカルボニル基、n-デコキシカルボニル基等が挙げられる。

【0083】
「炭素数2~20のアルコキシカルボニル基」が置換されている場合における置換基は特に制限されないが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン;炭素数2~20のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基等)、シアノ基等が挙げられる。置換基で置換されている場合の置換基の数は、特に限定されず、例えば1~3個程度とすることができる。

【0084】
「1価の芳香族炭化水素基」とは、芳香族炭化水素環を備える1価の基であり、この芳香族炭化水素環を構成する1つの炭素原子に結合する水素原子を1つ脱離させてなる基である。なお、この芳香族炭化水素環を構成する炭素に結合する水素原子が、官能基により置換された誘導体基(1価の誘導体基)であってもよい。

【0085】
上記芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環だけでなく、複数のベンゼン環を縮合した環(ベンゼン縮合環)、ベンゼン環と他の芳香族炭化水素環を縮合させた環等も挙げられる(以下、複数のベンゼン環を縮合した環及びベンゼン環と他の環を縮合させた環をまとめて、単に「縮合炭化水素環」と言うことがある)。上記縮合炭化水素環としては、例えば、ペンタレン環、インデン環、ナフタレン環、ジヒドロナフタレン環、アントラセン環、テトラセン環、ペンタセン環、ピレン環、ペリレン環、トリフェニレン環、アズレン環、ヘプタレン環、ビフェニレン環、インダセン環、アセナフチレン環、フルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環等が挙げられる。

【0086】
「1価の芳香族炭化水素基」が置換されている場合(1価の誘導体基である場合)における置換基は特に制限されないが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン;炭素数1~20の炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基等)、炭素数1~20のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基等)、炭素数2~20のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルカルボニル基等);炭素数2~20のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基等)、シアノ基等が挙げられる。置換基で置換されている場合の置換基の数は、特に限定されず、例えば1~3個程度とすることができる。

【0087】
「1価の複素環式基」とは、複素環を備える1価の基であり、この複素環を構成する1つの炭素原子に結合する水素原子を1つ脱離させてなる基である。なお、この複素環を構成する炭素に結合する水素原子が、官能基により置換された誘導体基(1価の複素誘導体基)であってもよい。

【0088】
上記複素環としては、例えば、窒素原子、酸素原子、ホウ素原子、リン原子、ケイ素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1種の原子を有する複素環(具体的には、複素芳香環又は複素脂肪族環、特に複素芳香環)が挙げられる。複素環の具体例としては、フラン環、チオフェン環、ピロール環、シロール環、ボロール環、ホスホール環、オキサゾール環、ジオキソール環、チアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環等の複素芳香環等が挙げられる。また、これら同士又はこれらとベンゼン環、上記縮合炭化水素環等との複素縮合環等(チエノチオフェン環、キノリン環、ベンゾジオキソール環等)も使用できる。

【0089】
「1価の複素環式基」が置換されている場合における置換基は特に制限されないが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン;炭素数2~20のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルカルボニル基等);炭素数2~20のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基等)、シアノ基等が挙げられるが、これに限定されず、どのような置換基でも採用できる。置換基で置換されている場合の置換基の数は、特に限定されず、例えば1~3個程度とすることができる。

【0090】
「アミノ基」が置換されている場合における置換基は特に制限されないが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン;炭素数1~20の炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基等)、炭素数1~20のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基等)、炭素数2~20のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルカルボニル基等);炭素数2~20のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基等)、シアノ基等が挙げられる。置換基で置換されている場合の置換基の数は、特に限定されず、例えば1~3個程度とすることができる。

【0091】
また、RとRとは、互いに結合し、隣接する-C=C-とともに芳香環を形成してもよい。このときの芳香環は、上述した芳香族炭化水素環や複素芳香環等が挙げられ、上記した置換基を有する1価の誘導体基であってもよい。

【0092】
このような条件を満たすArは、具体的には、

【0093】
【化19】
JP2014122811A1_000020t.gif

【0094】
等が挙げられ、

【0095】
【化20】
JP2014122811A1_000021t.gif

【0096】
等が好ましい。

【0097】
また、このような化合物(A)としては、具体的には、

【0098】
【化21】
JP2014122811A1_000022t.gif

【0099】
等が挙げられ、

【0100】
【化22】
JP2014122811A1_000023t.gif

【0101】
等が好ましい。

【0102】
[1-2]化合物(B)
本発明において、もう片方のカップリングパートナーとして使用する化合物(B)は、
一般式(B1):
OCO-Ar’
[式中、Ar’は前記に同じ;Rは置換基である。]
で示される化合物(B1)、
一般式(B2):

【0103】
【化23】
JP2014122811A1_000024t.gif

【0104】
[式中、Ar”は前記に同じ;Rはアルキル基以外の置換基である。]
で示される化合物(B2)、又は
一般式(B3):

【0105】
【化24】
JP2014122811A1_000025t.gif

【0106】
[式中、Ar”は前記に同じ;Rは置換基である。]
で示される化合物(B3)
である。

【0107】
(1-2-1)化合物(B1)
化合物(B1)は、市販の芳香族エステル等を使用してもよいし、市販の芳香族カルボン酸から生成してもよい。

【0108】
一般式(B1)において、Ar’は置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基又は置換されていてもよい1価の複素環式基である。

【0109】
「炭素数1~20の炭化水素基」、「炭素数1~20の炭化水素基」が置換されている場合における置換基、「1価の芳香族炭化水素基」、「1価の芳香族炭化水素基」が置換されている場合における置換基、「1価の複素環式基」、及び「1価の複素環式基」が置換されている場合における置換基は、上記説明したものと同じものである。

【0110】
「1価の脂環式炭化水素基」とは、シクロアルカンを備える1価の基であり、このシクロアルカンを構成する1つの炭素原子に結合する水素原子を1つ脱離させてなる基である。なお、このシクロアルカンを構成する炭素に結合する水素原子が、官能基により置換された誘導体基(1価の脂環式誘導体基)であってもよい。

【0111】
上記シクロアルカンとしては、炭素数3~20のものであれば限定はなく、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等が挙げられる。

【0112】
「1価の脂環式炭化水素基」が置換されている場合における置換基は特に制限されないが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン;炭素数2~20のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルカルボニル基等);炭素数2~20のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基等)、シアノ基等が挙げられる。置換基で置換されている場合の置換基の数は、特に限定されず、例えば1~3個程度とすることができる。

【0113】
なかでも、Ar’としては、反応性を考慮して、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の複素環式基が好ましい(ただし、Zが硫黄原子の場合には複素環式基が好ましい)。

【0114】
具体的には、

【0115】
【化25】
JP2014122811A1_000026t.gif

【0116】
等が挙げられ、

【0117】
【化26】
JP2014122811A1_000027t.gif

【0118】
等が好ましい。

【0119】
また、Ar’としては、上記以外にも、

【0120】
【化27】
JP2014122811A1_000028t.gif

【0121】
等を採用することも可能である。

【0122】
一般式(B1)において、Rは置換基である。反応性を考慮して、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基、置換されていてもよい1価の複素環式基、又は置換されていてもよいアミノ基が好ましく、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の芳香族感化水素基がより好ましい。

【0123】
「炭素数1~20の炭化水素基」、「炭素数1~20の炭化水素基」が置換されている場合における置換基、「1価の芳香族炭化水素基」、「1価の芳香族炭化水素基」が置換されている場合における置換基、「1価の脂環式炭化水素基」、「1価の脂環式炭化水素基」が置換されている場合における置換基、「1価の複素環式基」、「1価の複素環式基」が置換されている場合における置換基、及び「アミノ基」が置換されている場合における置換基は、上記説明したものと同じものである。

【0124】
このようなRとしては、具体的には、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、3,5-キシリル基、2,4-キシリル基、3,4,5-トリメチルフェニル基、2-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、3,5-ジメトキシフェニル基、4-フルオロフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、4-ホルミルフェニル基、4-(メトキシカルボニル)フェニル基、4-アセトアミドフェニル基等が挙げられる。

【0125】
このような条件を満たす化合物(B1)としては、具体的には、

【0126】
【化28】
JP2014122811A1_000029t.gif

【0127】
等が挙げられる。

【0128】
(1-2-2)化合物(B2)
化合物(B2)は、市販品を使用してもよいし、市販品から生成してもよい。

【0129】
一般式(B2)において、Ar”は水素原子、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基又は置換されていてもよい1価の複素環式基(ただし、2個のAr”がいずれも水素原子の場合は除く)であり、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基又は置換されていてもよい1価の複素環式基は上記説明したものと同じである。好ましい具体例も同じである。

【0130】
一般式(B2)において、Rはアルキル基以外の置換基である。反応性を考慮して、Rb1CO-(Rb1は置換基)、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基、置換されていてもよい1価の複素環式基、又は置換されていてもよいアミノ基が好ましい。

【0131】
「1価の芳香族炭化水素基」、「1価の芳香族炭化水素基」が置換されている場合における置換基、「1価の脂環式炭化水素基」、「1価の脂環式炭化水素基」が置換されている場合における置換基、「1価の複素環式基」、「1価の複素環式基」が置換されている場合における置換基、及び「アミノ基」が置換されている場合における置換基は、上記説明したものと同じものである。

【0132】
b1CO-において、Rb1は置換基であり、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基、置換されていてもよい1価の複素環式基、又は置換されていてもよいアミノ基が好ましい。

【0133】
「炭素数1~20の炭化水素基」、「炭素数1~20の炭化水素基」が置換されている場合における置換基、「1価の芳香族炭化水素基」、「1価の芳香族炭化水素基」が置換されている場合における置換基、「1価の脂環式炭化水素基」、「1価の脂環式炭化水素基」が置換されている場合における置換基、「1価の複素環式基」、「1価の複素環式基」が置換されている場合における置換基、及び「アミノ基」が置換されている場合における置換基は、上記説明したものと同じものである。

【0134】
このようなRとしては、具体的には、t-BuCO(t-Buはtert-ブチル基)、N(CHCO等が挙げられる。

【0135】
このような条件を満たす化合物(B2)としては、具体的には、

【0136】
【化29】
JP2014122811A1_000030t.gif

【0137】
【化30】
JP2014122811A1_000031t.gif

【0138】
等が挙げられる。

【0139】
(1-2-3)化合物(B3)
化合物(B3)は、市販品を使用してもよいし、市販品から生成してもよい。

【0140】
一般式(B3)において、Ar”は水素原子、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基又は置換されていてもよい1価の複素環式基(ただし、2個のAr”がいずれも水素原子の場合は除く)であり、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基又は置換されていてもよい1価の複素環式基は上記説明したものと同じである。好ましい具体例も同じである。

【0141】
一般式(B3)において、Rは置換基である。反応性を考慮して、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基、置換されていてもよい1価の複素環式基、又は置換されていてもよいアミノ基が好ましく、置換されていてもよい炭素数1~20の炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の芳香族感化水素基がより好ましい。

【0142】
「炭素数1~20の炭化水素基」、「炭素数1~20の炭化水素基」が置換されている場合における置換基、「1価の芳香族炭化水素基」、「1価の芳香族炭化水素基」が置換されている場合における置換基、「1価の脂環式炭化水素基」、「1価の脂環式炭化水素基」が置換されている場合における置換基、「1価の複素環式基」、「1価の複素環式基」が置換されている場合における置換基、及び「アミノ基」が置換されている場合における置換基は、上記説明したものと同じものである。

【0143】
このようなRとしては、具体的には、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、3,5-キシリル基、2,4-キシリル基、3,4,5-トリメチルフェニル基、2-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、3,5-ジメトキシフェニル基、4-フルオロフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、4-ホルミルフェニル基、4-(メトキシカルボニル)フェニル基、4-アセトアミドフェニル基等が挙げられる。

【0144】
このような条件を満たす化合物(B3)としては、具体的には、

【0145】
【化31】
JP2014122811A1_000032t.gif

【0146】
等が挙げられる。

【0147】
[1-3]ニッケル化合物
ニッケル化合物としては、特に限定されず、様々なものを使用できるが、0価のNiの塩又は2価のNiの塩が好ましい。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの錯体は、試薬として投入するもの及び反応中で生成するものの両方を意味する。

【0148】
上記0価のNiの塩としては、特に制限されないが、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(0)(Ni(cod))、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジカルボニル(Ni(CO)(PPh)、ニッケルカルボニル等が挙げられる。

【0149】
また、上記2価のNiの塩としては、酢酸ニッケル(II)、トリフルオロ酢酸ニッケル(II)、硝酸ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、ニッケル(II)アセチルアセトナート、過塩素酸ニッケル(II)、クエン酸ニッケル(II)、シュウ酸ニッケル(II)、シクロヘキサン酪酸ニッケル(II)、安息香酸ニッケル(II)、ステアリン酸ニッケル(II)、ステアリン酸ニッケル(II)、スルファミンニッケル(II)、炭酸ニッケル(II)、チオシアン酸ニッケル(II)、トリフルオロメタンスルホン酸ニッケル(II)、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(II)、ビス(4-ジエチルアミノジチオベンジル)ニッケル(II)、シアン化ニッケル(II)、フッ化ニッケル(II)、ホウ化ニッケル(II)、ホウ酸ニッケル(II)、次亜リン酸ニッケル(II)、硫酸アンモニウムニッケル(II)、水酸化ニッケル(II)、シクロペンタジエニルニッケル(II)、及びこれらの水和物、並びにこれらの混合物等が挙げられる。

【0150】
0価のNiの塩及び2価のNiの塩としては、後述の配位子を事前に配位させた化合物を使用してもよい。

【0151】
これらのなかでも、反応性(収率)、安定性等を考慮して、0価のNiの塩が好ましく、Ni(cod)、Ni(CO)(PPh等が好ましい。なお、2価のNiの塩を採用する場合には、還元剤として亜鉛、水素化ジイソブチルアルミニウム等を使用することが好ましい。

【0152】
上記ニッケル化合物の使用量は、原料の上記化合物(A)1モルに対して、通常、試薬として投入するニッケル化合物の量が0.01~1モル、好ましくは0.05~0.7モル、より好ましくは0.07~0.5モルである。

【0153】
[1-4]配位子
本発明の製造方法において、ニッケル化合物とともに、ニッケル(ニッケル原子)に配位し得る配位子を用いることができる。この配位子としては、反応性(収率)等を考慮して、
一般式(C1):

【0154】
【化32】
JP2014122811A1_000033t.gif

【0155】
[式中、4個のRは同じか又は異なり、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基;nは2~20の整数;ただし、Rの1つ以上が芳香族炭化水素基であるときはnは3~20の整数である。]
で示される化合物(C1)、
一般式(C2):

【0156】
【化33】
JP2014122811A1_000034t.gif

【0157】
[式中、3個のRは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1~20の直鎖炭化水素基、置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基;ただし、全てのRがフェニル基である場合を除く。]
で示される化合物(C2)、又は
一般式(C3):

【0158】
【化34】
JP2014122811A1_000035t.gif

【0159】
[式中、2個のRは同じか又は異なり、それぞれ置換されていてもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換されていてもよい炭素数1~20のアルコキシ基である。]
で示される化合物(C3)
が好ましい。

【0160】
一般式(C1)において、4個のRは同じか又は異なり、それぞれ置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基である。

【0161】
「1価の芳香族炭化水素基」、「1価の芳香族炭化水素基」が置換されている場合における置換基、「1価の脂環式炭化水素基」、及び「1価の脂環式炭化水素基」が置換されている場合における置換基は、上記説明したものと同じものである。特に、置換されていてもよい脂環式炭化水素基が好ましく、置換されていてもよいシクロヘキシル基、シクロペンチル基がより好ましい。

【0162】
また、nは、2~20が好ましく、2~12がより好ましく、2~6がさらに好ましい。ただし、Rの1つ以上が芳香族炭化水素基であるときは、nは3~20が好ましく、3~12がより好ましく、3~6がさらに好ましい。

【0163】
このような一般式(C1)を満たす化合物(C1)としては、具体的には、1,2-ビスジシクロヘキシルホスフィノエタン(dcype)、1,2-ビスジシクロペンチルホスフィノエタン、1,4-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン、1,4-ビス(ジシクロペンチルホスフィノ)ブタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,6-ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン等が挙げられる。

【0164】
一般式(C2)において、3個のRは同じか又は異なり、それぞれ置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基、又は置換されていてもよい1価の脂環式炭化水素基である。

【0165】
「1価の芳香族炭化水素基」、「1価の芳香族炭化水素基」が置換されている場合における置換基、「1価の脂環式炭化水素基」、及び「1価の脂環式炭化水素基」が置換されている場合における置換基は、上記説明したものと同じものである。

【0166】
このような一般式(C2)を満たす化合物(C2)としては、具体的には、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy)、トリメチルホスフィン(PMe)、トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメトキシフェニル)ホスフィン等が挙げられる。

【0167】
一般式(C3)において、2個のRは同じか又は異なり、それぞれ置換されていてもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換されていてもよい炭素数1~20のアルコキシ基である。

【0168】
「炭素数1~20のアルキル基」、「炭素数1~20のアルキル基」が置換されている場合における置換基、「炭素数1~20のアルコキシ基」、及び「炭素数1~20のアルコキシ基」が置換されている場合における置換基は、上記説明したものと同じものである。

【0169】
このような一般式(C3)を満たす化合物(C3)としては、具体的には、4,4’-ジメトキシ-2,2’-ビピリジン等が挙げられる。

【0170】
これらのなかでも、配位子としては、1,2-ビスジシクロヘキシルホスフィノエタン(dcype)、1,2-ビスジシクロペンチルホスフィノエタン、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy)、トリメチルホスフィン(PMe)等が好ましく、1,2-ビスジシクロヘキシルホスフィノエタン(dcype)、1,2-ビスジシクロペンチルホスフィノエタン等がより好ましい。

【0171】
上記配位子を使用する場合、その使用量は、上記ニッケル化合物1モルに対して、通常、0.5~5モルが好ましく、1~3モルがより好ましい。

【0172】
[1-5]塩基
上記反応工程においては、必要に応じて、塩基を使用してもよい。この塩基は、生成する酸の捕捉剤として、若しくは化合物(A)(Ar-H)のニッケル化反応を促進するために使用されるものである。

【0173】
この塩基としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のリン酸塩(リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等)、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等)、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酢酸塩(酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム等)、アミン(トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジアザビシクロウンデセン)等が挙げられる。これらのうち、リン酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、酢酸カリウム、ジエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン等が好ましく、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、ジエチルアミン等がより好ましく、リン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等がさらに好ましい。

【0174】
この塩基の使用量は、原料の上記化合物(A)1モルに対して、通常、0.01~10モルが好ましく、0.1~5.0モルがより好ましく、0.5~3.0モルがさらに好ましい。

【0175】
[1-6]溶媒
上記反応工程は、通常、反応溶媒の存在下で行われる。この反応溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル等の環状エーテル類;塩化メチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジブロモエタン等のハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトニトリル等のニトリル類;イソプロピルアルコール、tert-ブチルアルコール等の炭素数2~20のアルコール類;ジメチルスルホキシド;N-メチルピロリドン等が挙げられる。これらは、1種のみを用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、本発明では、トルエン、キシレン(m-キシレン等)、ジオキサン(1,4-ジオキサン等)、tert-ブチルアルコール、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等が好ましく、トルエン、キシレン(m-キシレン等)、ジオキサン(1,4-ジオキサン等)、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等がより好ましく、ジオキサン(1,4-ジオキサン等)がさらに好ましい。

【0176】
[1-7]その他条件
上記反応工程の反応温度は、通常、0℃以上であり且つ上記反応溶媒の沸点温度以下である範囲から選択されるが、反応性(収率)を考慮して80~200℃が好ましく、130~170℃がより好ましい。

【0177】
また、反応圧力は特に制限はなく、常圧程度とすればよい。

【0178】
また、反応雰囲気は、特に限定されないが、好ましくは不活性ガス雰囲気であり、アルゴンガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等とすることが好ましい。なお、空気雰囲気とすることもできる。

【0179】
上記反応工程の後、必要に応じて、精製工程を備えることができる。この精製工程において、溶媒(溶剤)除去、洗浄、クロマト分離等といった一般的な後処理に供することができる。

【0180】
上記のようにすることにより、新規なカップリング反応により、芳香族分子と芳香族分子とが結合した化合物群を簡便に合成することができる。

【0181】
なお、本発明の製造方法で得られる化合物のうち、

【0182】
【化35】
JP2014122811A1_000036t.gif

【0183】
で示される化合物は文献未記載の新規化合物である。

【0184】
2.有用性
本発明の製造方法を用いれば、様々な有用な化合物を合成することができる。例えば、本発明の製造方法を用いることにより、後述の実施例に示されるように、抗菌作用を有する天然物ムスコライドAを短段階で合成することも可能である。

【0185】
また、生物活性分子であるシホナゾールBや、複雑天然有機化合物であるホボキサゾールA、有機リン光性錯体、有機色素等の合成も期待される。

【0186】
3.反応機構
反応機構は必ずしも明らかではないが、一般式(1)で示される化合物を合成する場合を例にとると、以下のとおり、Ni0/NiIIレドックス触媒反応を経ると考えられる。

【0187】
【化36】
JP2014122811A1_000037t.gif

【0188】
具体的には、ニッケル化合物としてビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジカルボニル(Ni(CO)(PPh)、配位子として1,2-ビスジシクロヘキシルホスフィノエタン(dcype)を用いた場合を例に取ると、
(i)ニッケル錯体からCOが押し出されることにより、活性な触媒生成
(ii)化合物(B)のC-O結合へのNi0の酸化的付加
(iii)中心金属であるニッケルへCO移動
(iv)化合物(A)のC-H結合のニッケル化
(v)還元的脱離により、カップリング生成物である一般式(1)で示される化合物生成(脱離されるニッケル触媒は再利用可)
の反応経路により一般式(1)で示される化合物が得られると考えられる。

【0189】
なお、一般式(2)で示される化合物を合成する場合も、同様の反応機構を経ると考えられる。
【実施例】
【0190】
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
【実施例】
【0191】
特に制約しない限り、乾燥溶媒を含む全ての材料は、購入したものを精製せずに使用した。また、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(0)(Ni(cod))、及びKPOは和光化学(株)から得た。1,2-ビスジシクロヘキシルホスフィノエタン(dcype)はシグマアルドリッチから得た。1,4-ジオキサンはカップリング反応の前に水素化カルシウム又はナトリウム金属とベンゾフェノンで蒸留した。5-フェニルオキサゾール、5-(p-アニシル)オキサゾール、5-フェニルチアゾール、2-フェニルチアゾール-4-カルボン酸、5-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)オキサゾール、及び3,4-ジヒドロナフタレン-2-イルN,N-ジメチルカルバメートは、文献(Besselievre, F., et al. J. Org. Chem. 2008, 73, 3278、Parisien, M., et al. J. Org. Chem. 2005, 70, 7578、Chen, H., et al. Chem. Biol. 2001, 8, 899.、Yamamoto, T., et al. Chem. Eur. J. 2011, 17, 10113.、及びOlofson, R. A. et al., Tetrahedron Lett. 1980, 21, 819.)に報告されている手順に従って合成した。特に断りのない限り、すべての反応は、標準的な真空ライン技法を用いてフレームドライしたガラス容器でアルゴン雰囲気下又は窒素雰囲気下に乾燥溶媒を用いて行った。すべてのC-H結合アリール化反応又はアルケニル反応は、特に断りのない限り、J. Young Oリングタップを搭載し、8ウェル反応ブロック(ヒーター+マグネチックスターラー)で加熱し、20 mLのガラス容器管で行った。すべての後処理及び精製手順は、空気中の試薬グレードの溶媒を用いて行った。
【実施例】
【0192】
分析用薄層クロマトグラフィー(TLC)は、E. Merckシリカゲル60 F254プレコートプレート(0.25 mm)を用いて行った。開発したクロマトグラムは、UVランプ(254 nm)で分析した。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、E. Merckシリカゲル60(230-400メッシュ)を用いて行った。分取薄層クロマトグラフィー(PTLC)はあらかじめ準備したワコーゲルB5-Fのシリカ被覆プレート(0.75 mm)を用いて行った。ガスクロマトグラフィー(GC)は、内部標準としてデカンを用い、HP-5カラム(30 m×0.25 mm、ヒューレット-パッカード)を備えた島津GC-2010計器で行った。GCMS分析は、HP-5カラム(30メートル×0.25ミリメートル、ヒューレット-パッカード)を備えた島津GCMS-QP2010で行った。高分解能質量スペクトル(HRMS)はJMS-T100TD器(DART)から得た。旋光度は、溶媒としてクロロホルムとJASCO P-1010-GTデジタル旋光計を用いて測定した。核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、JEOL JNM-ECA-600分光計(1H 600 MHz、13C 150MHz)とJEOL JNM-ECA-400分光計(1H 400 MHz、13C 100 MHz)で記録した。1H NMRの化学シフトはテトラメチルシラン(δ0.00 ppm)、ベンゼンの残留ピーク(δ7.16 ppm)又はDMSO(δ2.50 ppm)の相対的な百万分率(ppm)で表した。13C NMRの化学シフトはCDCl3(δ77.0 ppm)、C6D6(δ128.06 ppm)又はDMSO-D6(δ39.52 ppm)の相対的な百万分率(ppm)で表した。データは以下のように報告する:化学シフト、多重度(s =シングレット、d =ダブレット、dd =ダブレットのダブレット、t =トリプレット、q =カルテット、m=マルチプレット、br =ブロードシグナル)、結合定数(Hz)、統合。
【実施例】
【0193】
化合物(A)の合成
[合成例1-1:[2-13C]ベンゾオキサゾール(a1)の合成]
【実施例】
【0194】
【化37】
JP2014122811A1_000038t.gif
【実施例】
【0195】
オルトギ酸トリエチル(ホルミル-13C、純度99 %、500 mg、3.4 mmol、1.0当量)、2-アミノフェノール(742 mg、6.8 mmol、2.0当量)の混合物を2時間トルエン(1.2 mL)中で還流した。混合物を室温まで冷却した後、濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(EtOAc)=10:1)で精製し、[2-13C]ベンゾオキサゾール(a1)を無色オイルとして得た(295.0 mg、72%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.11 (d, 1JCH = 232.4 Hz, 1H), 7.81-7.78 (m, 1H), 7.61-7.58 (m, 1H), 7.43-7.35 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 152.6, 150.1 (JCC = 3.8 Hz), 140.2 (JCC = 2.9 Hz), 125.7, 124.7, 120.8 (JCC = 6.7 Hz), 111.1 (JCC = 3.8 Hz); HRMS (DART) m/z calcd for C613CH6NO [MH]+: 121.04829, found 121.04836。
【実施例】
【0196】
[合成例1-2:5-メチルベンゾオキサゾール(a2)の合成]
【実施例】
【0197】
【化38】
JP2014122811A1_000039t.gif
【実施例】
【0198】
4-メチル-2-アミノフェノール(3.46 g、28 mmol)及びモレキュラーシーブス3Åのトルエン溶液(20 mL)に、トリエチルオルトギ酸(7.0 mL、42 mmol、1.5当量)を加え、混合物を100℃で一晩油浴中加熱した。室温まで冷却した後、飽和NH4Cl水溶液を添加した。酢酸エチル(EtOAc)で3回抽出し、Na2SO4で乾燥後、濾過液を減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(EtOAc)=20:1)で精製し、白色固体として5-メチルベンゾオキサゾール(a2)を得た(2.71 g、73%)。
【実施例】
【0199】
[合成例1-3~1-4]
原料として、4-メチル-2-アミノフェノールの代わりに種々の原料を使用して合成例1-2と同様の手法により、以下の表1に示す化合物を、いずれも白色固体として得た。
【実施例】
【0200】
【表1】
JP2014122811A1_000040t.gif
【実施例】
【0201】
各化合物のスペクトルデータは以下のとおりであった。
化合物(a3):5-メトキシベンゾオキサゾール
1H NMR (400 MHz) δ 8.06 (s, 1H), 7.46 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.27 (s, 1H), 6.99 (dd, J = 9.2, 2.7Hz, 1H), 3.90 (s, 3H).
化合物(a4):5-tert-ブチルベンゾオキサゾール
1H NMR (400 MHz) δ 8.07 (s, 1H), 7.81 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.52-7.47 (m, 2H), 1.39 (s, 9H)。
【実施例】
【0202】
化合物(B1)の合成
[合成例2-1:ニコチン酸フェニル(b1a)の合成]
【実施例】
【0203】
【化39】
JP2014122811A1_000041t.gif
【実施例】
【0204】
[Phはフェニル基;Etはエチル基である。]
塩化チオニル(9 mL)をニコチン酸(1.23g、10 mmol、1.0当量)に添加し、混合物を1時間還流しながら撹拌し、溶液を真空下で濃縮した。残渣のTHF溶液(10 mL)に、トリエチルアミン(1.7 mL、12 mmol、1.2当量)を加えた。0 ℃に混合物を冷却した後、フェノール(941 mg、10 mmol、1.0当量)及び4,4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)片を追加した後、反応混合物を室温まで加温した。1時間攪拌した後、得られた混合物を酢酸エチル(EtOAc)を用いてシリカゲルパッドでろ過した。ろ液を減圧下濃縮し、ヘキサンを用いた再結晶化により精製し、残留物を白色固体として得た(1.91 g、収率96%)。この結果、ニコチン酸フェニル(b1a)が得られたことを確認した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.41 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.86 (dd, J = 5.0, 1.8 Hz, 1H), 8.47-8.44 (m, 1H), 7.49-7.43 (m, 3H), 7.30 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.26-7.22 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 164.0, 154.2, 151.6, 150.7, 137.7, 129.8, 126.4, 125.8, 123.6, 121.7。
【実施例】
【0205】
[合成例2-2~2-11]
原料として、ニコチン酸の代わりに種々の原料を使用して合成例2-1と同様の手法により、以下の表2に示す化合物を、いずれも白色固体として得た。
【実施例】
【0206】
【表2】
JP2014122811A1_000042t.gif
【実施例】
【0207】
各化合物のスペクトルデータは以下のとおりであった。
化合物(b1b):チオフェン-2-カルボン酸フェニル
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.98 (dd, J = 4.0, 1.2 Hz, 1H), 7.66 (dd, J = 5.2, 1.2 Hz, 1H), 7.45-7.39 (m, 2H), 7.29-7.21 (m, 3H), 7.17 (dd, J = 5.2, 4.2 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 160.7, 150.7, 134.8, 133.6, 133.1, 129.6, 128.2, 126.1, 121.8.
化合物(b1c):チオフェン-3-カルボン酸フェニル
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.31 (dd, J = 2.8, 1.2 Hz, 1H), 7.67 (dd, J = 5.0, 1.4 Hz, 1H), 7.44-7.40 (m, 2H), 7.38 (dd, J = 5.0, 3.0 Hz, 1H), 7.29-7.25 (m, 1H), 7.21-7.19 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 161.2, 150.8, 134.2, 133.1, 129.6, 128.4, 126.5, 126.0, 121.8.
化合物(b1d):フラン-2-カルボン酸フェニル
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.68 (m, 1H), 7.45-7.38 (m, 3H), 7.29-7.21 (m, 3H), 6.60 (dd, J = 3.4, 1.8 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 157.1, 150.3, 147.3, 144.2, 129.7, 126.2, 121.7, 119.6, 112.3.
化合物(b1e):フラン-3-カルボン酸フェニル
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.19 (dd, J = 1.4, 0.6 Hz, 1H), 7.50 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 7.44-7.39 (m, 2H), 7.28-7.24 (m, 1H), 7.19-7.16 (m, 2H), 6.87 (dd, J = 2.0, 0.8 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 161.6, 150.6, 148.8, 144.2, 129.6, 126.1, 121.8, 119.0, 110.2; HRMS (DART) m/z calcd for C11H9O3[MH]+: 189.05517, found 189.05517.
化合物(b1f):イソニコチン酸フェニル
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.87 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 8.01 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 7.46 (t, J = 8.2 Hz, 2H), 7.33-7.22 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 163.9, 151.0, 150.6, 137.0, 129.8, 126.5, 123.4, 121.5; HRMS (DART) m/z calcd for C12H10NO2[MH]+: 200.07115, found 200.07108.
化合物(b1g):ピコリン酸フェニル
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.86-8.84 (m, 1H), 8.28 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.92 (td, J = 8.0, 2.0 Hz, 1H), 7.57-7.54 (m, 1H), 7.48-7.41 (m, 2H), 7.31-7.25 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 164.0, 151.0, 150.3, 147.7, 137.4, 129.7, 127.5, 126.3, 126.0, 121.8; HRMS (DART) m/z calcd for C12H10NO2[MH]+: 200.07115, found 200.07113.
化合物(b1h):ピラジン-2-カルボン酸フェニル
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.48 (s, 1H), 8.85 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.82 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.46 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.39-7.21 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 162.7, 150.6, 148.3, 146.9, 144.8, 143.1, 129.8, 126.6, 121.6; HRMS (DART) m/z calcd for C11H9N2O2[MH]+: 201.06640, found 201.06621.
化合物(b1i):2-フェニルキノリン-4-カルボン酸フェニル
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.86 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.29-8.24 (m, 3H), 7.80 (dd, J = 8.4, 6.8 Hz, 1H), 7.65 (dd, J = 8.6, 7.0 Hz, 1H), 7.56 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.50 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 7.36-7.32 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 164.9, 156.9, 150.7, 149.5, 138.8, 134.8, 130.6, 130.2, 130.0, 129.9, 129.1, 128.3, 127.6, 126.6, 125.4, 124.2, 121.8, 121.0; HRMS (DART) m/z calcd for C22H16NO2[MH]+: 326.11810, found 326.11815.
化合物(b1j):2-フェニルチアゾール-4-カルボン酸フェニル
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.35 (s, 1H), 8.06-8.03 (m, 2H), 7.48-7.41 (m, 5H), 7.30-7.25 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 169.3, 159.9, 150.7, 147.2, 132.8, 131.0, 129.6, 129.2, 128.8, 127.1, 126.2, 121.8; HRMS (DART) m/z calcd for C16H12NO2S [MH]+: 282.05887, found 282.05868.
化合物(b1k):ナフタレン-2-カルボン酸フェニル
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.81 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 8.21 (dd, J = 8.8, 1.6 Hz, 1H), 8.02 (dd, J = 8.0, 0.8 Hz, 1H), 7.98-7.91 (m, 2H), 7.67-7.56 (m, 2H), 7.50-7.44 (m, 2H), 7.33-7.27 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 165.5, 151.2, 136.0, 132.7, 132.1, 129.7, 129.6, 128.8, 128.5, 128.0, 127.0, 126.9, 126.1, 125.6, 121.9。
【実施例】
【0208】
化合物(B2)の合成
[合成例2-12:スチリルピバリン酸(b2a)の合成]
【実施例】
【0209】
【化40】
JP2014122811A1_000043t.gif
【実施例】
【0210】
フェニルアセトアルデヒド(1.81 g、15 mmol)のジクロロエタン溶液(30 mL)中にトリエチルアミン(Et3N)(3.6 mL、25 mmol、1.7当量)及び塩化ピバロイル(2.4 g、20 mmol、1.3当量)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。反応物を、飽和NH4Cl水溶液によってクエンチした後、CH2Cl2で3回抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥させ、減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(EtOAc)=20:1)で精製し、E体及びZ体混合物のスチリルピバリン酸(b2a)を黄色油として得た(3.04 g、quant、E/Z =1:1)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.84 (d, J = 13.0 Hz, 1H, (E)), 7.59 (dd, J = 8.7, 1.3 Hz, 2H, (Z)) 7.34-7.26 (m, 9H, (E and Z)), 6.41 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 5.71 (d, J = 7.3 Hz, 1H, (Z)), 1.34 (s, 9H, (Z)), 1.29(s, 9H, (E))。
【実施例】
【0211】
[合成例2-13:スチリルジカルバメート(b2b)の合成]
【実施例】
【0212】
【化41】
JP2014122811A1_000044t.gif
【実施例】
【0213】
フェニルアセトアルデヒド(1.81 g、15 mmol)のジクロロエタン溶液(30 mL)に、トリエチルアミン(Et3N)(3.6 mL、25 mmol、1.7当量)、N,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP:457 mg、3.7 mmol、25 mol%)及びN,N-ジメチルカルバモイルクロリド(2.14 g、20 mmol、1.3当量)を添加した。この混合物を80℃で一晩撹拌した。反応物を、飽和NH4Cl水溶液によってクエンチした後、CH2Cl2で3回抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥させ、減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(EtOAc)=5:1)で精製し、E体及びZ体混合物のスチリルジメチルカルバメート(b2b)を黄色油として得た(2.86 g、quant、E/Z =1:3)。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ 7.78 (d, J = 13.1 Hz, 1H (E)), 7.53 (d, J = 7.8 Hz, 6H (Z)), 7.34-7.15 (m, 17H, (E and Z)), 6.30 (d, J = 13.1 Hz, 1H, (E)), 5.61 (d, J = 7.3 Hz, 3H, (Z)), 3.07 (s, 9H, (Z)), 2.99 (s, 12H, (E and Z)), 2.97 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 153.6, 153.4, 137.9, 135.5, 134.7, 134.5, 128.63, 128.56, 128.3, 126.8, 126.7, 125.9, 112.8, 109.6, 36.7, 36.6, 36.2, 35.9; HRMS calcd for C11H14NO2[M+H]+: 192.1025, found: 192.1024。
【実施例】
【0214】
[合成例2-14:(E)スチリルピバリン酸(b2a)の合成]
【実施例】
【0215】
【化42】
JP2014122811A1_000045t.gif
【実施例】
【0216】
[式中、LiTMPはリチウムテトラメチルピペリジド;PivはCOt-Bu(t-Buはtert-ブチル基)である。]
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(678 mg、4.8 mmol、2.2当量)のTHF溶液(6.0 mL)に、0℃でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6 M、4.8 mmol、2.2当量)を添加した。この混合物を、-90℃でゆっくりとカニューレを介してCH2Br2(383 mg、2.2 mmol、1.1当量)のTHF溶液(6 mL)に移した。5分間攪拌した後、安息香酸エチル(300 mg、2.0 mmol)のTHF溶液(4.0 mL)を滴下し、さらに5分後に、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(10.0 mmol、5.0当量)を滴下した。混合物を室温まで温め、30分間攪拌した。次いで、1,3-シクロヘキサジエン(1.60 g、20.0 mmol、10当量)を加え、反応混合物を60分間還流した。反応混合物に0℃で塩化ピバロイル(3.62 g、30 mmol、15当量)を加えた。室温で5分間以上攪拌した後、飽和NaHCO3水溶液を添加した。混合物をエーテルで3回抽出した。有機相を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、(E)スチリルピバリン酸(b2a)を無色の油として得た(52 mg、13%、E/Z≧ 20/1)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.84 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 7.34-7.26 (m, 4H), 7.25-7.21 (m, 1H), 6.41 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 1.29 (s, 9H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 175.6, 136.7, 134.3, 128.7, 127.3, 126.2, 115.0, 38.8, 27.0; HRMS calcd for C13H17O2[M+H]+: 205.1229, found: 205.1230。
【実施例】
【0217】
上記と同様の手法により、例えば、
【実施例】
【0218】
【化43】
JP2014122811A1_000046t.gif
【実施例】
【0219】
等も合成することが可能である。
【実施例】
【0220】
化合物(B3)の合成
[合成例2-15:ケイ皮酸フェニル(b3a)の合成]
【実施例】
【0221】
【化44】
JP2014122811A1_000047t.gif
【実施例】
【0222】
[式中、Phはフェニル基;EDCは1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド;DMAPはN,N-ジメチルアミノピリジンである。]
ケイ皮酸(2.22 g、15 mmol)を100 mLの丸底フラスコに入れ、フェノール(1.55 g、16.5 mmol、1.1当量)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl:3.16 g、16.5 mmol、1.1当量)、N,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP:458 mg、565 mmol、0.25当量)及びCH2Cl2(30 mL)を加えた。9時間撹拌した後、反応混合物を飽和NaHCO3水溶液でクエンチし、CH2Cl2で3回抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をヘキサンからの再結晶により精製し、ケイ皮酸フェニル(b3a)を白色固体として得た(2.47 g、73 %)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.88 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 7.63-7.56 (m, 2H), 7.45-7.38 (m, 5H), 7.25 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 6.64 (d, J = 16.2 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 165.3, 150.7, 146.5, 134.1, 130.6, 129.4, 128.9, 128.2, 125.7, 121.6, 117.2; HRMS calcd for C15H13O2 [M+H]+: 225.0916, found: 225.0915。
【実施例】
【0223】
[合成例2-16~2-19]
原料として、ケイ皮酸の代わりに種々の原料を使用して合成例2-15と同様の手法により、以下の表3に示す化合物を得た。
【実施例】
【0224】
【表3】
JP2014122811A1_000048t.gif
【実施例】
【0225】
各化合物のスペクトルデータは以下のとおりであった。
化合物(b3b):(E)フェニル3-(4-メトキシフェニル)アクリレート
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.83 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.40 (t, J = 8.5, 7.6 Hz, 2H), 7.24 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.50 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 165.7, 161.7, 150.9, 146.2, 130.0, 129.4, 126.9, 125.6,
121.7, 114.6, 114.4, 55.4; HRMS calcd for C16H15O3 [M+H]+: 255.1021, found: 255.1022.
化合物(b3c):(E)フェニル3-(o-トリル)アクリレート
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.16 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.41 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 7.34-7.22 (m, 4H), 7.18 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.56 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 2.47 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 165.4, 150.8, 144.2, 137.9, 133.1, 130.9, 130.4, 129.4, 126.6, 126.4, 125.7, 121.6, 118.3, 19.8; HRMS calcd for C16H15O2[M+H]+: 239.1072, found: 239.1071.
化合物(b3d):(E)フェニルブト-2-エノエート
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.38 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 7.26-7.14 (m, 2H), 7.11 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.05 (dd, J = 15.8, 0.7 Hz, 1H), 1.97 (dd, J = 6.9, 0.7 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 164.8, 150.7, 146.9, 129.3, 125.6, 122.0, 121.6, 18.2; HRMS calcd for C10H11O2 [M+H]+: 163.0759, found: 163.0758.
化合物(b3e):(E)フェニルペント-2-エノエート
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.43-7.35 (m, 2H), 7.27-7.18 (m, 2H), 7.12 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.02 (dt, J = 15.8, 1.8 Hz, 1H), 2.38-2.26 (m, 2H), 1.13 (t, J = 7.3 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 165.1, 153.0, 150.8, 129.4, 125.6, 121.6, 119.7, 25.5, 12.1; HRMS calcd for C11H13O2 [M+H]+: 177.0916, found: 177.0913。
【実施例】
【0226】
[合成例2-20:フェニル(E)3-(チオフェン-2-イル)アクリレート(b3f)の合成]
【実施例】
【0227】
【化45】
JP2014122811A1_000049t.gif
【実施例】
【0228】
[式中、Phはフェニル基;EDCは1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド;DMAPはN,N-ジメチルアミノピリジンである。]
磁気攪拌棒を入れた100 mL丸底フラスコにチオフェン-2-カルバルデヒド(561 mg、5.0 mmol)、CH2Cl2(20 mL)、及びウィッティヒ試薬(1.92 g、5.5 mmol、1.1当量)を加えた。反応はTLCでモニターした。反応終了後、混合物を真空中で濃縮し、対応するエチルエステルを得た。このエステルは、さらに精製することなく使用した。
【実施例】
【0229】
このようにして得られたエチルエステルが入った100 mLの丸底フラスコに、THF(12 mL)、水(4 mL)、LiOH・H2O(629.4 mg、15 mmol、3.0当量)を加えた。室温で1時間撹拌した後、溶媒を減圧下に除去した。0℃で、この残留物のpHを1 M HClの添加により2に調節した。反応混合物をCH2Cl2で3回抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、次いで濾過した。ろ液を濃縮した後、対応するカルボン酸を得た。この生成物をさらに精製することなく使用した。
【実施例】
【0230】
このようにして得られたカルボン酸(635 mg、4.1 mmol)が入った100 mLの丸底フラスコに、フェノール(427 mg、4.5 mmol、1.1当量)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl:869 mg、4.5 mmol、1.1当量)、N,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP:126 mg、1.0 mmol、0.25当量)、及びCH2Cl2(10mL)を加えた。室温で9時間撹拌した後、反応混合物を飽和NaHCO3水溶液でクエンチし、CH2Cl2(3×30 mL)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(EtOAc)=5:1)により精製し、フェニル(E)3-(チオフェン-2-イル)アクリレート(b3f)を粘性の無色の油として得た(830.6 mg、3工程で72%)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.97 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.40 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.33 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.24 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.09 (dd, J = 5.5, 3.6 Hz, 2H), 6.43 (d, J = 15.8 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 165.2, 150.7, 139.3, 138.9, 131.6, 129.4, 129.1, 128.2, 125.7, 121.6, 115.9; HRMS calcd for C13H11O2S [M+H]+: 231.0480, found: 231.0477。
【実施例】
【0231】
[合成例2-21~2-22]
原料として、チオフェン-2-カルバルデヒドの代わりに種々の原料を使用して合成例2-20と同様の手法により、以下の表4に示す化合物をいずれも白色固体として得た。
【実施例】
【0232】
【表4】
JP2014122811A1_000050t.gif
【実施例】
【0233】
各化合物のスペクトルデータは以下のとおりであった。
化合物(b3g):(E)フェニル3-(3,4-ジメトキシフェニル)アクリレート
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.82 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 7.41 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.24 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.20-7.14 (m, 3H), 7.11 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.51 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 3.931 (s, 3H), 3.928 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 165.6, 151.4, 150.8, 149.2, 146.4, 129.4, 127.1, 125.6, 123.0, 121.6, 114.8, 111.0, 109.6, 55.9, 55.8; HRMS calcd for C17H17O4[M+H]+: 285.1127 , found: 285.1127.
化合物(b3h):(E)フェニル3-(フラン-3-イル)アクリレート
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.77 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.47 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.40 (t, J = 8.7, 7.5 Hz, 2H), 7.25 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.66 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 6.35 (d, J = 16.0 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 165.3, 150.7, 145.0, 144.6, 136.5, 129.4, 125.7, 122.5, 121.6, 117.0, 107.4; HRMS calcd for C13H11O3 [M+H]+: 215.0708, found: 215.0710。
【実施例】
【0234】
[合成例2-23:フェニル3,3-ジフェニルアクリレート(b3i)の合成]
【実施例】
【0235】
【化46】
JP2014122811A1_000051t.gif
【実施例】
【0236】
[式中、nBuLiはn-ブチルリチウムである。]
磁気攪拌棒を入れた100mLの丸底フラスコを乾燥し、アセトニトリル(615.8 mg、15 mmol、3.0当量)、及びTHF(10 mL)を添加した。この容器を-78℃に冷却し、1.6 M n-ブチルリチウム(nBuLi)のヘキサン溶液(9.38 mL、15 mmol、3.0当量)をゆっくりと添加した。1時間撹拌した後、ベンゾフェノン(911 mg、5.0 mmol)のTHF溶液(10 mL)を-78℃で加えた後、室温まで温めた。 90分間攪拌した後、反応混合物を飽和NH4Cl水溶液でクエンチした。水相を酢酸エチル(EtOAc)で3回抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。ろ液を濃縮後、白色固体SI-1を得た(1.11 g)。この固体をさらに精製することなく使用した。
【実施例】
【0237】
このようにして得られたSI-1の塩化メチレン溶液(10mL)にピリジン(0.48 mL、6.0 mmol、1.2当量)を加え、反応混合物を0℃に冷却した。SOCl2(0.40 mL、5.5 mmol、1.1当量)を10分かけて反応混合物に滴下し、3時間室温で攪拌した。反応完了後、氷冷した水(3 mL)及びCH2Cl2(10 mL)を添加した。有機層を希HCl、水、及び飽和NaHCO3で洗浄した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥した。ろ液を濃縮した後、所望の生成物SI-2を液体として得た。この液体は、さらに精製することなく使用した。
【実施例】
【0238】
このようにして得られたSI-2のTHF/H2O溶液(15 mL / 5 mL)に、KOH(2.80 g、10当量)を添加し、この容器を90℃に加熱した。2日間攪拌した後、減圧下にTHFを除去し、0℃で1 M HClを添加してこの残留物のpHを2に調節した。反応混合物をCH2Cl2で3回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。ろ液を濃縮し、対応するカルボン酸SI-3を得た(787 mg)。この生成物をさらに精製することなく使用した。
【実施例】
【0239】
このようにして得られたカルボン酸SI-3(787 mg、3.5 mmol)が入った100 mLの丸底フラスコに、フェノール(363.2 mg、3.86 mmol、1.1当量)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl:740 mg、3.86 mmol、1.1当量)、N,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP:107 mg、0.88 mmol、0.25当量)、及びCH2Cl2(10 mL)を添加した。12時間撹拌した後、この反応混合物を飽和NaHCO3水溶液でクエンチし、CH2Cl2で3回抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をヘキサンからの再結晶により精製し、フェニル3,3-ジフェニルアクリレート(b3i)を白色固体として得た(838.7 mg、4工程で56%)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.43-7.35 (m, 8H), 7.34-7.27 (m, 4H), 7.16 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 6.58 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 164.3, 158.7, 150.6, 140.6, 138.6, 129.8, 129.2, 128.5, 128.4, 128.0, 125.5, 121.5, 116.3; HRMS calcd for C21H17O2[M+H]+: 301.1229, found: 301.1221。
【実施例】
【0240】
ニッケル化合物の合成
[合成例3-1:Ni(dcype)(CO)触媒の合成]
アルゴン雰囲気のグローブボックス内に、Ni(CO)(PPh)(Phはフェニル基;1.92 g、3.0 mmol、1.0当量)及び1,2-ビスジシクロヘキシルホスフィノエタン(dcype;1.39 g、3.3 mmol、1.1当量)を反応槽に添加した。容器をグローブボックスから取り出し、THF(9 mL)を加えた。混合物を40℃で2時間攪拌した。混合物を室温まで冷却した後、混合物を濃縮し、残留物をTHF及びヘキサンを用いた再結晶化により精製し、Ni(dcype)(CO)触媒:
【実施例】
【0241】
【化47】
JP2014122811A1_000052t.gif
【実施例】
【0242】
を白色固体として得た(1.55 g、96 %)。
1H NMR (400 MHz, C6D6): δ 1.95 (br, 2H), 1.92 (br, 2H), 1.72-1.59 (m, 20H), 1.36-1.13 (m, 24H); 13C NMR (100 MHz, C6D6): δ 205.0, 35.8 (t, JPC = 8.2 Hz), 29.3, 28.5, 27.6, 27.53, 27.47, 27.41, 26.7, 23.2 (t, JPC = 19.7 Hz); 31P NMR (160 MHz, C6D6): δ 64.0; IR (KBr): 1979, 1922, 1912 cm-1; anal calcd for C28H50O2P2Ni: C 62.35, H 9.34, found C 62.47, H 8.97。
【実施例】
【0243】
[合成例3-2:Ni触媒の合成]
アルゴン雰囲気のグローブボックス内に、1,2-ビスジシクロペンチルホスフィノエタン・ジボラン(532 mg、1.35 mmol)、及びモルホリン(8.0 mL)を反応槽に添加した。その後、120℃で2時間攪拌し、1,2-ビスジシクロペンチルホスフィノエタン(Cp-Taxy)を得た。
【実施例】
【0244】
次に、この反応槽(1.1当量)にNi(CO)(PPh)(Phはフェニル基;591 mg、1.23 mmol、1.0当量)を添加した。容器をグローブボックスから取り出し、THF(20 mL)を加えた。混合物を室温で4時間攪拌した。混合物を濃縮し、残留物を冷アセトンによる再沈殿で精製し、所望のNi触媒:
【実施例】
【0245】
【化48】
JP2014122811A1_000053t.gif
【実施例】
【0246】
を白色固体として得た(334.2 mg、56 %)。
【実施例】
【0247】
[実施例1-1:2-(チオフェン-2-イル)ベンゾオキサゾールの合成]
【実施例】
【0248】
【化49】
JP2014122811A1_000054t.gif
【実施例】
【0249】
[Ni(cod)はビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(0);dcypeは1,2-ビスジシクロヘキシルホスフィノエタンである。]
J. Young Oリングタップを備えた20 mLの磁気攪拌子入りガラス容器にK3PO4(170.0 mg、0.80 mmol、2.0当量)を入れ、減圧下ヒートガンで乾燥させ、室温まで冷却した後、N2を充填した。この容器に合成例2-2で得たチオフェン-2-カルボン酸フェニル(b1b)(0.60 mmol、1.5当量)を添加し、アルゴン雰囲気のグローブボックス内に設置した。この反応槽にビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(0)(Ni(cod)2)(11.2 mg、0.04 mmol、10 mol%)、及び1,2-ビスジシクロヘキシルホスフィノエタン(dcype)(33.8 mg、0.08 mmol、20 mol%)を加えた。容器をグローブブックスから取り出し、N2を吹き込みながらベンゾオキサゾール(0.40 mmol)及び乾燥1,4-ジオキサン(1.5 mL)を添加した。容器をOリングタップで密閉し、8ウェル反応ブロック中で150℃で24時間攪拌しながら加熱した。反応混合物を室温まで冷却した後、混合物を酢酸エチル(EtOAc)を用いてシリカゲルパッドでろ過した。ろ液を濃縮し、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(EtOAc)=10:1)に供し、脱カルボニルカップリング生成物である2-(チオフェン-2-イル)ベンゾオキサゾールを白色固体として得た(77.3 mg、96 %)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.89 (dd, J = 3.8, 1.4 Hz, 1H), 7.76-7.70 (m, 1H), 7.56-7.50 (m, 2H), 7.36-7.29 (m, 2H), 7.16 (dd, J = 5.0, 3.8 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 159.1, 150.5, 142.1, 130.3, 130.0, 129.7, 128.3, 125.2, 124.8, 119.9, 110.5; HRMS (DART) m/z calcd for C11H8NOS [MH]+: 202.03266, found 202.03279。
【実施例】
【0250】
なお、反応時間を12時間に変更すると収率は76%であった。
【実施例】
【0251】
また、ニッケル触媒をNi(cod)ではなく合成例13で得たNi(dcype)(CO)触媒に変更しても、96%の収率で得られた。
【実施例】
【0252】
さらに、ニッケル触媒をNi(cod)ではなくNiClとし、亜鉛(Zn)(0.80 mmol、2.0当量)をさらに使用た場合も、75%の収率で得られた。
【実施例】
【0253】
[実施例1-2~1-10]
原料として、チオフェン-2-カルボン酸フェニル(b1b)の代わりに種々の原料を使用して実施例1-1と同様の手法により、以下の表5に示す化合物をいずれも白色固体として得た。
【実施例】
【0254】
【表5】
JP2014122811A1_000055t.gif
【実施例】
【0255】
なお、実施例1-2については、dcypeの代わりに合成例3-2で得たシクロペンチル基を有するNi触媒を使用したところ、さらに収率が向上した。
【実施例】
【0256】
実施例1-3については、反応時間を12時間に変更すると収率は73%であった。
【実施例】
【0257】
実施例1-5については、dcypeの代わりに様々な配位子を使用したところ、dcypeが最も高収率であり、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy)及びトリメチルホスフィン(PMe)が次に高収率であった。また、トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメトキシフェニル)ホスフィン、4,4’-ジメトキシ-2,2’-ビピリジン、1,4-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(dppb)、1,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン(dpppn)、1,6-ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン(dpphe)を用いた場合は低収率であるものの反応が進行した。
【実施例】
【0258】
実施例1-5については、塩基として、KPOの代わりに様々な配位子を使用したところ、KPOが最も高収率であり、CsCO、KCO、NaCO及びトリエチルアミン(NEt)が次に高収率であり、LiCO、酢酸カリウム(KOAc)及びジアザビシクロウンデセンがその次に高収率であった。
【実施例】
【0259】
実施例1-5については、溶媒として、1,4-ジオキサンの代わりに様々な溶媒を使用したところ、1,4-ジオキサンが最も高収率であり、トルエン、m-キシレン、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル及びジメチルスルホキシドが次に高収率であり、tert-ブチルアルコールがその次に高収率であった。N-メチルピロリドンを用いた場合は低収率であるものの反応が進行した。
【実施例】
【0260】
実施例1-5については、Ni(cod)触媒とdcype配位子との含有量(及び含有比率)を種々変更したところ、
Ni(cod)触媒:40 mol% dcype配位子:80 mol%(1:2)
が最も高収率であり、
Ni(cod)触媒:20 mol% dcype配位子:40 mol%(1:2)
が次に高収率であり、
Ni(cod)触媒:10 mol% dcype配位子:20 mol%(1:2)
がその次に高収率であり、
Ni(cod)触媒:10 mol% dcype配位子:10 mol%(1:1)
Ni(cod)触媒:10 mol% dcype配位子:30 mol%(1:3)
がさらにその次に高収率であった。
【実施例】
【0261】
実施例1-5については、反応温度を種々変更したところ、150℃、180℃、120℃の順に高収率であった。
【実施例】
【0262】
実施例1-5については、反応時間を24時間に変更しても収率は変わらず70%であった。
【実施例】
【0263】
各化合物のスペクトルデータは以下のとおりであった。
化合物(1b):2-(チオフェン-3-イル)ベンゾオキサゾール
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.19 (dd, J = 2.6, 1.0 Hz, 1H), 7.79 (dd, J = 5.0, 1.0 Hz, 1H), 7.77-7.71 (m, 1H), 7.58-7.50 (m, 1H), 7.48-7.42 (m, 1H), 7.38-7.32 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 159.8, 150.4, 142.0, 129.4, 128.2, 127.1, 126.7, 125.1, 124.7, 120.0, 110.6; HRMS (DART) m/z calcd for C11H8NOS [MH]+: 202.03266, found 202.03249.
化合物(1c):2-(フラン-2-イル)ベンゾオキサゾール
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.82-7.73 (m, 1H), 7.72-7.65 (m, 1H), 7.62-7.55 (m, 1H), 7.43-7.34 (m, 2H), 7.28 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.62 (dd, J = 3.6, 2.0 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 155.4, 150.2, 145.8, 142.7, 141.7, 125.4, 124.9, 120.2, 114.4, 112.4, 110.7; HRMS (DART) m/z calcd for C11H8NO2[MH]+: 186.05550, found 186.05563.
化合物(1d):2-(フラン-3-イル)ベンゾオキサゾール
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.22 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.74-7.68 (m, 1H), 7.56-7.48 (m, 2H), 7.35-7.28 (m, 2H), 7.03 (d, J = 1.6 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 158.4, 150.3, 144.5, 144.4, 141.9, 125.0, 124.6, 119.8, 115.5, 110.5, 109.0; HRMS (DART) m/z calcd for C11H8NO2[MH]+: 186.05550, found 186.05544.
化合物(1e):2-(ピリジン-3-イル)ベンゾオキサゾール
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.45 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.74 (dd, J = 5.0, 1.4 Hz 1H), 8.51-8.45 (m, 1H), 7.83-7.72 (m, 1H), 7.61-7.55 (m, 1H), 7.47 (dd, J = 8.2, 5.0 Hz, 1H), 7.40-7.34 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 160.8, 152.2, 150.9, 148.9, 141.9, 134.8, 125.8, 125.0, 123.8, 123.6, 120.4, 110.9; HRMS (DART) m/z calcd for C12H9N2O [MH]+: 197.07149, found 197.07148.
化合物(1f):2-(ピリジン-4-イル)ベンゾオキサゾール
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.81 (dd, J = 4.4, 1.6 Hz, 2H), 8.06 (dd, J = 4.6, 1.8 Hz, 2H), 7.87-7.78 (m, 1H), 7.65-7.58 (m, 1H), 7.48-7.38 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 160.6, 150.9, 150.8, 141.8, 134.3, 126.4, 125.2, 121.0, 120.7, 111.0; HRMS (DART) m/z calcd for C12H9N2O [MH]+: 197.07149, found 197.07132.
化合物(1g):2-(ピリジン-2-イル)ベンゾオキサゾール
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.82 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 8.36 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.95-7.80 (m, 2H), 7.67 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.60-7.35 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 161.5, 151.1, 150.4, 146.2, 141.9, 137.2, 126.1, 125.6, 125.0, 123.5, 120.7, 111.3; HRMS (DART) m/z calcd for C12H9N2O [MH]+: 197.07149, found 197.07148.
化合物(1h):2-(ピラジン-2-イル)ベンゾオキサゾール
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.58 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.82-8.68 (m, 2H), 7.86 (dd, J = 6.6, 2.2 Hz, 1H), 7.68 (dd, J = 7.0, 1.8 Hz, 1H), 7.48-7.38 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 159.4, 151.0, 146.2, 144.71, 144.65, 142.0, 141.6, 126.7, 125.3, 121.0, 111.3; HRMS (DART) m/z calcd for C11H8N3O [MH]+: 198.06674, found 198.06687.
化合物(1i):2-(2-フェニルキノリン-4-イル)ベンゾオキサゾール
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.44 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.28 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.94-7.92 (m, 1H), 7.82 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.74-7.70 (m, 2H), 7.58 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.53-7.44 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 161.0, 156.9, 150.4, 149.5, 142.2, 139.1, 131.9, 130.6, 130.2, 129.9, 129.1, 128.1, 127.7, 126.5, 126.3, 125.2, 123.7, 121.0, 119.6, 111.0; HRMS (DART) m/z calcd for C22H15N2O [MH]+: 323.11844, found 323.11834.

化合物(1j):2-(2-フェニルチアゾール-4-イル)ベンゾオキサゾール1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.22-8.21 (m, 1H), 8.11-8.09 (m, 2H), 7.84-7.82 (m, 1H), 7.64-7.62 (m, 1H), 7.48-7.47 (m, 3H), 7.40-7.37 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 170.0, 158.4, 150.6, 144.5, 141.9, 132.8, 130.9, 129.1, 127.2, 125.7, 125.0, 122.3, 120.6, 111.0; HRMS (DART) m/z calcd for C16H11N2OS [MH]+: 279.05921, found 279.05907。
【実施例】
【0264】
[実施例1-11~1-13]
原料として、ベンゾオキサゾールの代わりに種々の原料を使用して実施例1-5と同様の手法により、以下の表6に示す化合物をいずれも白色固体として得た。
【実施例】
【0265】
【表6】
JP2014122811A1_000056t.gif
【実施例】
【0266】
各化合物のスペクトルデータは以下のとおりであった。

化合物(1k):5-フェニル-2-(ピリジン-3-イル)オキサゾール1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.35 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.70 (dd, J = 5.0, 1.4 Hz, 1H), 8.40-8.32 (m, 1H), 7.78-7.70 (m, 2H), 7.51-7.35 (m, 5H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 158.9, 152.2, 151.1, 147.7, 133.5, 129.2, 129.0, 127.7, 124.5, 123.8, 123.8, 123.7; HRMS (DART) m/z calcd for C14H11N2O [MH]+: 223.08715, found 223.08715.
化合物(1l):5-フェニル-2-(ピリジン-3-イル)チアゾール
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.18 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.66-8.62 (m, 1H), 8.25-8.19 (m, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.61-7.56 (m, 2H), 7.44-7.31 (m, 4H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 163.5, 150.7, 147.6, 140.3, 139.5, 133.3, 130.9, 129.7, 129.2, 128.7, 126.8, 123.8; HRMS (DART) m/z calcd for C14H11N2S [MH]+: 239.06429, found 239.06437.
化合物(1m):3-(2-[2-13C]ベンゾオキサゾリル)ピリジン
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.49 (t, J = 1.8 Hz, 1H), 8.78 (dd, J = 4.8, 0.8 Hz, 1H), 8.55-8.49 (m, 1H), 7.88-7.84 (m, 1H), 7.65-7.59 (m, 1H), 7.48 (dd, J = 8.2, 5.0 Hz, 1H), 7.44-7.37 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 160.7, 152.1, 150.8 (JCC = 3.8 Hz), 148.9 (JCC = 2.8 Hz), 141.9 (JCC = 1.9 Hz), 134.8, 125.8, 125.0, 123.7 (JCC = 4.8 Hz), 123.4 (JCC = 52.2 Hz), 120.4 (JCC = 7.7 Hz), 110.8 (JCC = 3.9 Hz); HRMS (DART) m/z calcd for C1113CH9N2O [MH]+: 198.07484, found 198.07500。
【実施例】
【0267】
[実施例1-14]
上記実施例と同様に、
【実施例】
【0268】
【化50】
JP2014122811A1_000057t.gif
【実施例】
【0269】
[Rは置換基;Ni(cod)はビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(0);dcypeは1,2-ビスジシクロヘキシルホスフィノエタンである。]
の反応を行った。
【実施例】
【0270】
その結果、収率は、
R=フェニル基:82%
R=o-トリル基:76%
R=m-トリル基:76%
R=p-トリル基:68%
R=3,5-キシリル基:46%
R=2,4-キシリル基:25%
R=3,4,5-トリメチルフェニル基:57%
R=2-メトキシフェニル基:81%
R=3-メトキシフェニル基:91%
R=3,5-ジメトキシフェニル基:86%
R=4-フルオロフェニル基:96%
R=4-トリフルオロメチルフェニル基:35%
R=4-ホルミルフェニル基:6%
R=4-(メトキシカルボニル)フェニル基:39%
R=4-アセトアミドフェニル基:41%
であった。
【実施例】
【0271】
[実施例1-15:ムスコライドAの合成]
<第1工程:フェニルエステル8>
【実施例】
【0272】
【化51】
JP2014122811A1_000058t.gif
【実施例】
【0273】
100mLの丸底フラスコに、上記反応式のメチルエステル11(2.17 g、7.0 mmol)を入れ、そこにTHF(20mL)、及びLiOH・HO(590.0 mg、2.0当量)を添加した。室温で1時間撹拌した後、THFを真空下に除去した。0℃において、この残留物のpHを、1M HClを加えて2に調整した。次いで、反応混合物をCHCl(3×30 mL)中で抽出し、有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過した。この混合物を濃縮した後、オキサゾールカルボン酸12を得た。この生成物を精製することなく使用した。
【実施例】
【0274】
オキサゾールカルボン酸12が入った100mLの丸底フラスコに、フェノール(0.724 g、1.1当量)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl:1.48 g、1.1当量)、N、N-ジメチルアミノピリジン(DMAP:0.214 g、0.25当量)、及びCHCl(60 mL)を加えた。9時間攪拌した後、この反応混合物を飽和NaHCO水溶液でクエンチした。そしてCHCl(3×30 mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過した。減圧下で溶媒を蒸発させた後、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(EtOAc)=3:1~2:1)で精製し、フェニルエステル8(2.18 g、2工程合計で84 %)を無色の粘性オイルとして得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6, 373 K): δ 7.46 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.30 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 4.88 (dd, J = 7.6, 3.5 Hz, 1H), 3.52-3.41 (m, 2H), 2.64 (s, 3H), 2.37-2.26 (m, 1H), 2.10-1.97 (m, 2H), 1.96-1.88 (m, 1H), 1.35 (s, 9H); 13C NMR (150 MHz, DMSO-d6, 373 K): δ 162.6, 159.5, 156.3, 152.8, 149.8, 128.9, 126.0, 125.3, 121.1, 78.6, 53.7, 45.8, 30.9, 27.5, 22.8, 11.3; HRMS (DART) m/z calcd for C20H25N2O5[MH]+: 373.17635, found 373.17613. [α]D20 = -62 (c = 1.0, CHCl3)。
【実施例】
【0275】
<第2工程:5-メチルオキサゾールカルボン酸メチル7>
【実施例】
【0276】
【化52】
JP2014122811A1_000059t.gif
【実施例】
【0277】
メチル2-イソシアノ酢酸(2.41 g、25 mmol)のTHF溶液25mLにDBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-エン、4.24 g、1.1当量)を加えた。反応混合物を0℃まで冷却し、無水酢酸(2.81 g、1.1当量)の溶液を徐々に添加した。室温まで昇温し、反応混合物を攪拌した。反応の進行をTLCによりモニターした。反応終了後、反応混合物を真空中で濃縮した。この容器に、さらに、酢酸エチル(EtOAc)30 ml及び水20 mlを加えた。水層を酢酸エチル(EtOAc;20 mL×3)で抽出し、有機層をNaSOで処理した後、ろ過した。減圧下で溶媒を蒸発させた後、粗残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(EtOAc)=2:1)により精製し、目的物7を白色固体として得た(3.20 g、収率93 %)。
【実施例】
【0278】
<第3工程:メチルエステル9>
【実施例】
【0279】
【化53】
JP2014122811A1_000060t.gif
【実施例】
【0280】
J. Young Oリングタップを備えた20 mLの磁気攪拌子付きガラス容器を室温まで冷却した後、減圧下ヒートガンで乾燥させ、窒素を充填した。この容器に第1工程で得たフェニルエステル8(111.7 mg、0.30 mmol)のCHCl溶液を添加した。真空下で濃縮した後、第2工程で得たオキサゾール7(63.5 mg、1.5当量)を添加し、アルゴン雰囲気のグローブボックス内に設置した。グローブボックス中で、容器にNi(cod)(16.5 mg、0.06 mmol、20 mol%)、1,2-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(dcype ;50.7 mg、0.12 mmol、40 mol%)、及びKPO(127.3 mg、2.0当量)を添加した。グローブボックスから容器を取り出し、窒素気流下、1,4-ジオキサン(1.2 mL)を加えた。容器をOリングタップで密閉し、その後、攪拌しながら8ウェル反応ブロック中、165℃で2時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却した後、混合物を、酢酸エチル(EtOAc)を用いてシリカゲルパッドでろ過した。ろ液を濃縮し、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(EtOAc)=3:2)に供し、カップリング生成物であるメチルエステル9を無色粘性オイルとして得た(45.7 mg、39 %)。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6, 373 K): δ 4.86 (dd, J = 7.2, 3.0 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.53-3.40 (m, 2H), 2.64 (s, 3H), 2.61 (s, 3H), 2.35-2.26 (m, 1H), 2.08-1.97 (m, 2H), 1.96-1.88 (m, 1H), 1.32 (s, 9H); 13C NMR (150 MHz, DMSO-d6, 373 K): δ 163.3, 161.4, 155.0, 153.0, 152.7, 149.2, 127.3, 123.5, 78.5, 53.7, 50.8, 45.8, 30.9, 27.5, 22.8, 11.0, 10.5; HRMS (DART) m/z calcd for C19H25N3O6[MH]+: 392.18216, found 392.18213. [α]D21= -53 (c = 1.1, CHCl3)。
【実施例】
【0281】
<第4工程:ムスコライドA>
ムスコライドAは、Wipfによって開発された合成方法(Wipf, P.; Venkatraman, S. J. Org. Chem. 1996, 61, 6517-6522)に準じてメチルエステル9から合成した。ムスコライドAは無色粘性オイルとして得た。Rf = 0.42 (hexane/EtOAc = 1:1)。
1H NMR (600 MHz, d6-DMSO, 373 K): δ 5.43 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 4.89-4.84 (m, 1H), 4.78 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 3.45 (m, 2H), 2.63 (s, 3H), 2.61 (s, 3H), 2.35-2.26 (m, 1H), 2.08-1.96 (m, 2H), 1.95-1.88 (m, 1H), 1.77 (s, 3H), 1.75 (s, 3H), 1.32 (s, 9H); 13C NMR (150 MHz, d6-DMSO, 373 K): δ 162.3, 160.9, 155.0, 153.0, 152.7, 149.2, 138.0, 127.5, 123.6, 118.2, 78.5, 60.5, 53.7, 45.8, 31.0, 27.5, 24.7, 22.8, 17.3, 11.1, 10.6; 1H NMR (600 MHz, CDCl3, 333 K): δ 5.46 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 5.00-4.86 (br, 1H), 4.82 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 3.66-3.41 (br, 2H), 2.662 (s, 3H), 2.657 (s, 3H), 2.36-2.19 (br, 1H), 2.18-2.01 (m, 2H), 1.96-1.88 (m, 1H), 1.77 (s, 3H), 1.76 (s, 3H), 1.33 (s, 9H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3, 333 K): δ 164.0, 162.3, 155.5, 154.2, 150.0, 138.9, 128.8, 124.8, 118.8, 80.0, 61.8, 54.8, 46.6, 32.4, 28.3, 25.6, 23.9, 19.0, 17.1, 12.1, 11.7; HRMS (DART) m/z calcd for C23H31N3O6[MH]+: 446.22911, found 446.22896. [α]D21= -49 (c = 0.95, CHCl3)。
【実施例】
【0282】
[実施例2-1~2-13]
【実施例】
【0283】
【化54】
JP2014122811A1_000061t.gif
【実施例】
【0284】
[式中、RはCOt-Bu(t-Buはtert-ブチル基)、又はCON(CHである。]
種々の原料(種々の化合物(A)と化合物(B2))を用いて、カップリング反応を行った。共通の条件を以下に説明する。
【実施例】
【0285】
J. Young Oリングタップを備えた20mLのガラス製容器に磁気攪拌棒及びK3PO4(169.7 mg、0.80 mmol、2.0当量)を入れ、減圧下にヒートガンで乾燥させ、室温に冷却後、窒素ガスを充填した。この容器に表7及び8に示す化合物(B2)(0.60 mmol、E体の量換算で1.5当量)を添加し、アルゴン雰囲気のグローブボックス内に導入した。反応容器にビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(0)(Ni(cod)2)(11.2 mg、0.04 mmol、10 mol%)、1,2-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(dcype)(33.8 mg、0.08 mmol、20 mol%)を添加した。容器をグローブボックスから取り出し、N2気流下に表7及び8に示す化合物(A)(0.40 mmol)及び1,4-ジオキサン(1.5 mL)を添加した。容器をOリングタップで密封した後、8ウェル反応ブロック中で130~135℃で36時間加熱攪拌した。反応混合物を室温に冷却した後、混合物を酢酸エチル(EtOAc)を用いてシリカゲルパッドでろ過した。ろ液を濃縮し、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(PTLC)で精製し、表7に示す目的物(C-H/C-Oカップリング生成物)を得た。
【実施例】
【0286】
結果を表7及び8に示す。
【実施例】
【0287】
【表7】
JP2014122811A1_000062t.gif
【実施例】
【0288】
【表8】
JP2014122811A1_000063t.gif
【実施例】
【0289】
各化合物のスペクトルデータは以下のとおりであった。
化合物(2a):(E)2-(2-フェニルエテニル)-ベンゾオキサゾール(白色固体)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.81 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 7.75-7.69 (m, 1H), 7.61 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.56-7.50 (m, 1H), 7.46-7.38 (m, 3H), 7.36-7.31 (m, 2H), 7.09 (d, J = 16.5 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 162.8, 150.4, 142.2, 139.5, 135.1, 129.8, 129.0, 127.6, 125.2, 124.5, 119.9, 114.0, 110.3; HRMS calcd for C15H12NO [M+H]+: 222.0919, found: 222.0917.
化合物(2b):(E)5-メチル-2-スチリルベンゾオキサゾール(白色固体)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.77 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 7.50 (s, 1H), 7.46-7.35 (m, 4H), 7.15 (dd, J = 8.5, 1.6 Hz, 1H), 7.07 (d, J
= 16.7 Hz, 1H), 2.48 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 162.8, 148.6, 142.3, 139.0, 135.1, 134.3, 129.6, 128.9, 127.4, 126.3, 119.7, 114.0, 109.6, 21.4; HRMS calcd for C16H14NO [M+H]+: 236.1075, found: 236.1075.
化合物(2c):(E)5-メトキシ-2-(2-フェニルエテニル)ベンゾオキサゾール(黄色固体)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.76 (d, J = 16.5 Hz), 7.59 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.43-7.39 (m, 4H), 7.19 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.05 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 6.93 (dd, J = 8.9, 2.5 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ163.6, 157.3, 145.0, 143.0, 139.1, 135.2, 129.7, 128.9, 127.5, 114.0, 113.8, 110.4, 102.7, 55.9; HRMS calcd for C16H14NO2[M+H]+: 252.1025, found: 252.1024.
化合物(2d):(E)5-(tert-ブチル)-2-(2-フェニルエテニル)ベンゾオキサゾール(白色固体)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.77 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 7.46-7.39 (m, 5H), 7.07 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 1.39 (s, 9H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 162.9, 148.4, 148.0, 142.1, 138.9, 135.2, 129.6, 128.9, 127.4, 122.9, 116.3, 114.1, 109.4, 34.8, 31.7; HRMS calcd for C19H20NO [M+H]+: 278.1545, found: 278.1541.
化合物(2e):(E)5-メチル-2-スチリルオキサゾール-4-カルボキシレート(白色固体)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.53 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 7.41-7.34 (m, 3H), 6.89 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 3.93 (s, 3H), 2.68 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 162.7, 159.3, 156.0, 137.0, 135.1, 129.4, 128.9, 128.4, 127.2, 113.0, 51.9, 12.0; HRMS calcd for C14H14NO3[M+H]+: 244.0974, found: 244.0970.
化合物(2f):2-(3,4-ジヒドロナフタレン-2-イル)ベンゾオキサゾール(白色固体)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.38 (s, 1H), 7.23-7.13 (m, 4H), 3.93 (s, 3H), 2.93-2.91 (m, 2H), 2.89-2.82 (m, 2H), 2.68 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 162.7, 160.0, 156.1, 135.8, 129.6, 128.5, 127.5, 126.6, 51.8, 27.2, 22.7,
12.0; HRMS calcd for C16H16NO3 [M+H]+: 270.1130, found: 270.1133.
化合物(2g):2-(3,4-ジヒドロナフタレン-2-イル)-5-メチルオキサゾール-4-カルボキシレート(白色固体)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.38 (s, 1H), 7.23-7.13 (m, 4H), 3.93 (s, 3H), 2.93-2.91 (m, 2H), 2.89-2.82 (m, 2H), 2.68 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 162.7, 160.0, 156.1, 135.8, 129.6, 128.5, 127.5, 126.6, 51.8, 27.2, 22.7, 12.0; HRMS calcd for C16H16NO3[M+H]+: 270.1130, found: 270.1133。
【実施例】
【0290】
なお、実施例2-1において、表9に示す塩基を使用して、反応温度を130℃、反応時間を12時間とすること以外は同様に合成を行ったところ、以下の結果が得られた。
【実施例】
【0291】
【表9】
JP2014122811A1_000064t.gif
【実施例】
【0292】
[実施例2-14~2-31]
【実施例】
【0293】
【化55】
JP2014122811A1_000065t.gif
【実施例】
【0294】
[式中、Phはフェニル基である。]
種々の原料(種々の化合物(A)と化合物(B3))を用いて、カップリング反応を行った。共通の条件を以下に説明する。
【実施例】
【0295】
J. Young Oリングタップを備えた20mLのガラス製容器に磁気攪拌棒及びK3PO4(170.0 mg、0.80 mmol、2.0当量)を入れ、減圧下にヒートガンで乾燥させ、室温に冷却後、窒素ガスを充填した。この容器に表10~11に示す化合物(B3)(0.60 mmol、E体の量換算で1.5当量)を添加し、アルゴン雰囲気のグローブボックス内に導入した。反応容器にビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(0)(Ni(cod)2)(11.2 mg、0.04 mmol、10 mol%)、1,2-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(dcype)(33.8 mg、0.08 mmol、20 mol%)を添加した。容器をグローブボックスから取り出し、N2気流下に表10~11に示す化合物(A)(0.40 mmol)及び1,4-ジオキサン(1.5 mL)を添加した。容器をOリングタップで密封した後、8ウェル反応ブロック中で150℃で24時間加熱攪拌した。反応混合物を室温に冷却した後、混合物を酢酸エチル(EtOAc)を用いてシリカゲルパッドでろ過した。ろ液を濃縮し、残留物を分取薄層クロマトグラフィー(PTLC)で精製し、表9に示す目的物(C-Hカップリング生成物)を得た。
【実施例】
【0296】
結果を表10~11に示す。
【実施例】
【0297】
【表10】
JP2014122811A1_000066t.gif
【実施例】
【0298】
【表11】
JP2014122811A1_000067t.gif
【実施例】
【0299】
各化合物のスペクトルデータは以下のとおりであった。
化合物(2h):(E)5-フェニル-2-(2-フェニルエテニル)オキサゾール(白色固体)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.71 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.61-7.54 (m, 3H), 7.46-7.32 (m, 7H), 7.00 (d, J = 16.5 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 161.1, 150.9, 135.8, 135.6, 129.1, 128.91, 128.87, 128.4, 127.9, 127.2, 124.2, 123.7, 113.9; HRMS calcd for C17H14NO [M+H]+: 248.1075, found: 248.1074.
化合物(2i):(E)5-(4-メトキシフェニル)-2-(2-フェニルエテニル)オキサゾール(白色固体)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.64 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.60-7.48 (m, 3H), 7.40 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.37-7.32 (m, 1H), 7.29 (s, 1H), 6.99 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 3.86 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 160.5, 159.8, 151.0, 135.7, 135.2, 129.0, 128.9, 127.1, 125.8, 122.2, 120.8, 114.4, 114.0, 55.4; HRMS calcd for C18H16NO2[M+H]+: 278.1181, found: 278.1185.
化合物(2j):(E)5-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-(2-フェニルエテニル)オキサゾール(白色固体)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.56-7.51 (m, 3H), 7.39 (t, J = 7.9 Hz, 2H), 7.34-7.31 (m, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.21 (dd, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.00 (s, 2H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 160.6, 150.8, 148.2, 147.9, 135.6, 135.5, 129.1, 128.9, 127.1, 122.6, 122.1, 118.4, 113.9, 108.9, 104.8, 101.4; HRMS calcd
for C18H14NO3[M+H]+: 292.0974, found: 292.0972.
化合物(2k):(E)2-[2-(4-メトキシフェニル)エテニル]ベンゾオキサゾール(白色固体)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.75 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 7.71-7.68 (m, 1H), 7.54 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.52-7.50 (m, 1H), 7.34-7.30 (m, 2H), 6.95 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.93 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 3.84 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 163.2, 161.0, 150.4, 142.3, 139.1, 129.1, 127.9, 124.9, 124.4, 119.6, 114.4, 111.5, 110.2, 55.4; HRMS calcd for C16H14NO2[M+H]+: 252.1025, found: 252.1023.
化合物(2l):(E)2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル]ベンゾオキサゾール(白色固体)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.69 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 7.70-7.65 (m, 2H), 7.51-7.46 (m, 2H), 7.33-7.25 (m, 2H), 7.13 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.89 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 162.9, 150.5, 150.2, 149.1, 142.1, 139.1, 128.0, 124.8, 124.2, 121.7, 119.5, 111.5, 111.0, 110.0, 109.0, 55.8, 55.7; HRMS calcd for C17H16NO3 [M+H]+: 282.1130, found: 282.1131.
化合物(2m):(E)2-[2-(2-メチルフェニル)エテニル]ベンゾオキサゾール(茶色固体)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.05 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 7.76-7.70 (m, 1H), 7.65 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.57-7.50 (m, 1H), 7.37-7.20 (m, 5H), 7.00 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 2.51 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 162.9, 150.4, 142.2, 137.1, 137.0, 134.0, 130.8, 129.5, 126.4, 125.8, 125.2, 124.5, 119.8, 114.9, 110.3, 19.9; HRMS calcd for C16H14NO [M+H]+: 236.1075, found: 236.1070.
化合物(2n):(E)2-[2-(2-チエニル)エテニル]ベンゾオキサゾール(黄色固体)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.89 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 7.71-7.69 (m, 1H), 7.52-7.50 (m, 1H), 7.38 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.35-7.23 (m, 2H), 7.28 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 5.0, 3.6 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 16.2 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 162.5, 150.4, 142.2, 140.5, 132.0, 129.6, 128.1, 127.7, 125.1, 124.5, 119.8, 112.9, 110.2; HRMS calcd for C13H10NOS [M+H]+: 228.0483, found: 228.0484.
化合物(2o):(E)2-[2-(3-フリル)エテニル]ベンゾオキサゾール(黄色固体)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.71-7.64 (m, 3H), 7.52-7.48 (m, 1H), 7.47 (s, 1H), 7.34-7.30 (m, 2H), 6.78 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 6.69 (d, J = 1.8 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 162.7, 150.3, 144.4, 143.6, 142.1, 129.4, 125.0, 124.4, 123.3, 119.8, 113.7, 110.2, 107.2; HRMS calcd for C13H10NO2 [M+H]+: 212.0712, found: 212.0712.
化合物(2p):(E)2-(2,2-ジフェニル)エテニルベンゾオキサゾール(白色固体)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.64 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.42-7.16 (m, 13H), 7.04 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 162.3, 152.4, 150.1, 141.7, 141.3, 139.0 129.9, 129.2, 128.4, 128.3, 128.2, 128.0, 125.0, 124.3, 119.8, 113.1, 110.3; HRMS calcd for C21H16NO [M+H]+: 298.1232, found: 298.1231.
化合物(2q):(E)2-(プロプ-1-エン-1-イル)ベンゾオキサゾール(無色油)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.70-7.64 (m, 1H), 7.50-7.44 (m , 1H), 7.32-7.27 (m, 2H), 7.04 (dq, J = 16.0, 7.1 Hz, 1H), 6.46 (dq, J = 16.0, 1.8 Hz, 1H), 2.01 (dq, J = 7.1, 1.8 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 162.4, 150.2, 141.9, 139.1, 124.8, 124.2, 119.7, 118.2, 110.2, 18.7; HRMS calcd for C10H10NO [M+H]+: 160.0762, found: 160.0764.
化合物(2r):(E)2-(ブト-1-エン-1-イル)ベンゾオキサゾール(無色油)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.70-7.64 (m, 1H), 7.50-7.45 (m, 1H), 7.32-7.27 (m, 2H), 7.09 (dt, J = 16.3, 6.9 Hz, 1H), 6.44 (dt, J = 16.3, 1.6 Hz, 1H), 2.41-2.31 (m, 2H), 1.16 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 162.7, 150.2, 145.5, 141.9, 124.8, 124.3, 119.7, 115.9, 110.2, 26.0, 12.5; HRMS calcd for C11H12NO [M+H]+: 174.0919, found: 174.0917。
【実施例】
【0300】
実施例2-14において、表12に示す配位子を使用すること以外は同様に合成を行ったところ、以下の結果が得られた。
【実施例】
【0301】
【表12】
JP2014122811A1_000068t.gif
【実施例】
【0302】
また、実施例2-14において、合成例3-2で得た配位子を使用すること以外は同様に合成を行った場合には、dcypeの場合よりも高い収率が得られた。
【実施例】
【0303】
[実施例2-32:シホナゾールBの中間体の合成]
<第1工程:4-[(ベンジルオキシ)メチル]-5-メチルオキサゾールの合成>
【実施例】
【0304】
【化56】
JP2014122811A1_000069t.gif
【実施例】
【0305】
[式中、Meはメチル基;DBUは1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-エン;THFはテトラヒドロフラン;DIBAL-Hは水素化ジイソブチルアルミニウム;PMBはp-メトキシベンジル基である。]
50mLの丸底フラスコに磁気攪拌棒を入れ、イソシアノ酢酸メチル(2.82 g、28.4 mmol)及びTHF(30 mL)を加えた。この反応混合物に1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU:4.74 mL、31.3 mmol、1.1当量)を添加した。反応混合物を氷-塩混合物を用いて0℃まで冷却し、次いで無水酢酸(2.96 mL、31.2 mmol、1.1当量)を添加した。室温で19時間撹拌した後、反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(EtOAc)で6回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(EtOAc)= 2:1-1:1)で精製し、5-メチルオキサゾール-4-カルボキシレート(1E)を白色固体として得た(3.54 g、88%)。
【実施例】
【0306】
100 mLの二口丸底フラスコに磁気攪拌棒を入れ、5-メチルオキサゾール-4-カルボキシレート(1E:1.41 g、10 mmol)、及びCH2Cl2(20 mL)を添加した。反応混合物を氷-塩混合物を用いて0℃まで冷却し、次いで0.97 M 水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL-H)のヘキサン溶液(24 mL、23.3 mmol、2.3当量)をゆっくりと添加した。30分間攪拌した後、反応混合物をメタノール及びNa2SO4・10H2O(19 g、60 mmol、6.0当量)でクエンチし、酢酸エチル(EtOAc)で抽出した。この混合物を30分間攪拌した後、濾過し、酢酸エチル(EtOAc)で洗浄した。濾液を濃縮し、(5-メチルオキサゾール-4-イル)メタノールを得た(979 mg、87%)。この生成物をさらに精製することなく使用した。
【実施例】
【0307】
丸底フラスコに、テトラヒドロフラン(THF)(5 mL)、及びNaHの60%鉱油分散液(164 mg、4.1 mmol、1.5当量)を入れ、さらに得られた(5-メチルオキサゾール-4-イル)メタノール(309.6 mg、2.73 mmol)を添加した。1時間攪拌した後、p-メトキシベンジルクロリド(513.0 mg、3.3 mmol、1.2当量)及びNaI片を添加した。6時間攪拌した後、混合物を飽和NaHCO3水溶液でクエンチし、ジエチルエーテル(Et2O)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。ろ液を濃縮後、残留物をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(EtOAc)=4:1-3:1)で精製し、4-[(ベンジルオキシ)メチル]-5-メチルオキサゾール(1J)を黄色の液体として得た(469 mg、73%)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.73 (s, 1H), 7.28 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.88 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 4.53 (s, 2H), 4.40 (s, 2H), 3.81, (s, 3H), 2.31 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 159.2, 149.1, 146.8, 131.4, 130.1, 129.5, 113.8, 72.0, 63.0, 55.3, 10.1; HRMS calcd for C13H16NO3[M+H]+: 234.1130, found: 234.1126。
【実施例】
【0308】
<第2工程:(E)3,4-ジメトキシスチリルジメチルカルバメートの合成>
【実施例】
【0309】
【化57】
JP2014122811A1_000070t.gif
【実施例】
【0310】
[式中、Meはメチル基;Phはフェニル基;THFはテトラヒドロフラン;Etはエチル基;DMAPはN,N-ジメチルアミノピリジンである。]
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(15.4 g、45 mmol、1.5当量)のTHF溶液(90 mL)に、NaHの60%鉱油分散液(1.80 g、45 mmol、1.5当量)を添加した。この溶液を30分間撹拌した後、3,4-ジメトキシベンズアルデヒド(4.98 g、30 mmol)を加え、還流させた。TLCにより反応の進行を監視しながら、H2Oを添加することでクエンチした。その後、ジエチルエーテル(Et2O)で5回抽出し、有機相をMgSO4で乾燥し、濾過した。ろ液を濃縮した後、得られた粗生成物にエチルエーテル(Et2O)を添加した。その後、トリフェニルホスフィンオキシドを濾過により除去した後、得られた溶液を濃縮した。残留物を、シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(EtOAc)=5:1)により精製し、エノールエーテル(SI-4)(4.89 g、84%)を得た。
【実施例】
【0311】
このようにして得られたSI-4(4.89 g、25 mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(160 mL)に、1M HCl(80 mL)を添加し、3時間還流した。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液でクエンチした。減圧下にテトラヒドロフラン(THF)を除去した後、反応混合物をジエチルエーテル(Et2O)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。濾過後、溶液を減圧下に濃縮し、アルデヒド(SI-5)を黄色の油として得た(4.58 g)。この油をさらに精製することなく使用した。
【実施例】
【0312】
このようにして得られたSI-5(4.58 g、25 mmol)のジクロロエタン溶液(50 mL)に、トリエチルアミン(Et3N)(4.6 mL、32.5 mmol、1.3当量)、N,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP:触媒量)、及びN,N-ジメチルカルバモイルクロリド(3.0 mL、32.5 mmol、1.3当量)を添加し、この混合物を一晩還流した。混合物を、飽和NH4Cl水溶液でクエンチした後、CH2Cl2で3回抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーに供し、エノールカルバメート(2C)を白色固体として得た(4.47 g、2工程で71%、E/Z=4:25)。(E)異性体をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより単離した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.69 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 6.90-6.78 (m, 3H), 6.27 (d, J =13.0 Hz, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 3.02 (s, 3H), 2.99 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 153.8, 149.1, 148.3, 136.7, 127.6, 119.1, 112.8, 111.3, 108.3, 55.9, 55.8, 36.6, 36.0; HRMS calcd for C13H18NO4[M+H]+: 252.1236, found: 252.1233。
【実施例】
【0313】
<第3工程:5-メチルオキサゾール-4-カルボキシレート(1E)とエノールカルバメート(2C)とのニッケル触媒C-H/C-Oカップリング反応>
【実施例】
【0314】
【化58】
JP2014122811A1_000071t.gif
【実施例】
【0315】
[式中、Meはメチル基;Ni(cod)はビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(0);dcypeは1,2-ビスジシクロヘキシルホスフィノエタンである。]
J. Young Oリングタップを備えた20mLのチューブに磁気攪拌棒及びK3PO4(84.9 mg、0.40 mmol、2.0当量)を入れ、減圧下にヒートガンで乾燥させた。室温まで冷却し、窒素ガスを充填した後、エノールカルバメート(2C)(75.4 mg、0.30 mmol、1.5当量)、及び5-メチルオキサゾール-4-カルボキシレート(1E)(28.2 mg、0.20 mmol)を添加した。このチューブをアルゴン雰囲気のグローブボックス内に入れた。グローブボックス中において、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(0)(Ni(cod)2)(5.5 mg、0.02 mmol、10 mol%)、及び1,2-ビスジシクロヘキシルホスフィノエタン(dcype)(16.6 mg、0.04 mmol、20 mol%)を添加し、容器をグローブボックスから取り出した。そこに窒素気流下で1,4-ジオキサン(0.8 mL)を添加し、J. Young Oリングタップで密封した。135℃の油浴中でこの反応混合物を24時間加熱した後、室温まで冷却した。反応混合物を酢酸エチル(EtOAc)を用いてシリカゲルパッドでろ過し、濃縮した。残留物は、PTLC(ヘキサン/酢酸エチル(EtOAc)=1:1)に供し、(E)2-(3,4-ジメトキシスチリル)-5-メチルオキサゾール-4-カルボキシレート(5EC)を黄色固体として得た(42.8 mg、72%)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.47 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 8.2, 1.3 Hz, 1H), 7.04 (s, 1H), 6.88 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 4.00-3.85 (m, 9H), 2.67 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ162.8, 159.6, 155.8, 150.4, 149.2, 136.8, 128.3, 128.2, 121.2, 111.1, 111.0, 109.0, 55.9, 55.8, 51.9, 12.0; HRMS calcd for C16H18NO5[M+H]+: 304.1185, found: 304.1187。
【実施例】
【0316】
<第4工程:4-[(ベンジルオキシ)メチル]-5-メチルオキサゾール(1J)と(E)フェニル3-(3,4-ジメトキシフェニル)アクリレート(b3g)とのニッケル触媒C-Hカップリング反応>
【実施例】
【0317】
【化59】
JP2014122811A1_000072t.gif
【実施例】
【0318】
[式中、PMBはp-メトキシベンジル基;Meはメチル基;Ni(cod)はビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(0);dcypeは1,2-ビスジシクロヘキシルホスフィノエタンである。]
J. Young Oリングタップを備えた20mLのチューブに、磁気攪拌棒及びK3PO4(170.0 mg、0.80 mmol、2.0当量)を入れ、減圧下でヒートガンで乾燥させた。室温まで冷却し、窒素ガスを充填した後、(E)フェニル3-(3,4-ジメトキシフェニル)アクリレート(b3g)(170.6 mg、0.60 mmol、1.5当量)を入れた。このチューブをアルゴン雰囲気のグローブボックス内に入れた。グローブボックス中において、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(0)(Ni(cod)2)(11.2 mg、0.04 mmol、10 mol%)、及び1,2-ビスジシクロヘキシルホスフィノエタン(dcype)(33.4 mg、0.08 mmol、20 mol%)を添加し、容器をグローブボックスから取り出した。そこに窒素気流下で4-[(ベンジルオキシ)メチル]-5-メチルオキサゾール(1J)(93.2 mg、0.40 mmol)、及び1,4-ジオキサン(1.5 mL)を添加し、J. Young Oリングタップで密封した。170℃の油浴中でこの反応混合物を24時間加熱した後、室温まで冷却した。反応混合物を酢酸エチル(EtOAc)を用いてシリカゲルパッドでろ過し、濃縮した。残留物は、PTLC(ヘキサン/酢酸エチル(EtOAc)=2:1)に供し、(E)2-(3,4-ジメトキシスチリル)-4-(((4-メトキシベンジル)オキシ)メチル)-5-メチルオキサゾール(SI-6)を黄色粘性油として得た(74.8 mg、47%)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.37 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.06 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.05 (s, 1H), 6.91-6.84 (m, 3H), 6.75 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 4.55 (s, 2H), 4.39 (s, 2H), 3.91 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 2.33 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ159.8, 159.2, 149.9, 149.1, 146.0, 134.8, 133.1, 130.0, 129.5, 128.7, 120.9, 113.7, 112.0, 111.1, 108.8, 72.0, 63.2, 55.9, 55.7, 55.2, 10.3; HRMS calcd for C23H26NO5 [M+H]+: 396.1811, found: 396.1814。
【実施例】
【0319】
<第5工程:(E)2-(3,4-ジメトキシスチリル)-5-メチルオキサゾール-4-カルボアルデヒド(5Jd)の合成>
【実施例】
【0320】
【化60】
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【実施例】
【0321】
[式中、PMBはp-メトキシベンジル基;Meはメチル基;DDQはジクロロジシアノベンゾキノンである。]
反応チューブに磁気攪拌棒及び(E)2-(3,4-ジメトキシスチリル)-4-(((4-メトキシベンジル)オキシ)メチル)-5-メチルオキサゾール(SI-6)(22.9 mg、0.058 mmol)を入れ、さらに、ジクロロジシアノベンゾキノン(DDQ)(52.6 mg、0.23 mmol、4.0当量)、CH2Cl2(0.5 mL)、及びH2O(0.05 mL)を加えた。この混合物を、TLCによりモニタリングしながら2時間攪拌した。反応完了後、飽和NaHCO3水溶液を加え、CH2Cl2で3回抽出した。有機層を食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥し、濾過した。残留物を減圧下に濃縮し、PTLC(ヘキサン/酢酸エチル(EtOAc)=3:1)で精製し、(E)2-(3,4-ジメトキシフェニル)-5-メチルオキサゾール-4-カルボアルデヒド(5Jd)を白色固体として得た(6.5 mg、41%)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 9.98 (s, 1H), 7.49 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 7.11 (dd, J = 8.2, 2.0 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 2.68 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 185.4, 160.5, 155.9, 150.6, 149.3, 137.5, 135.9, 128.1, 121.5, 111.2, 110.7, 109.0, 56.0, 55.9, 11.8; HRMS calcd for C15H16NO4 [M+H]+: 274.1079, found: 274.1079。
【実施例】
【0322】
上記の第3工程で得られた(E)2-(3,4-ジメトキシスチリル)-5-メチルオキサゾール-4-カルボキシレート(5EC)を用いて、公知の方法(J. Linder, C.J. Moody, Chem. Commun. 2007, 1508.及びJ. Linder, A.J. Blake, C.J. Moody, Org. Biomol. Chem. 2008, 6, 3908.)により、生物活性分子であるシホナゾールB:
【実施例】
【0323】
【化61】
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【実施例】
【0324】
を合成することが可能である。
【実施例】
【0325】
また、同様に、第5工程で得られた(E)2-(3,4-ジメトキシスチリル)-5-メチルオキサゾール-4-カルボアルデヒド(5Jd)を用いて、公知の方法(J. Zhang, M.A. Ciufolini, Org. Lett. 2009, 11, 2389.)によっても、生物活性分子であるシホナゾールBを合成することが可能である。
【実施例】
【0326】
なお、(E)2-(3,4-ジメトキシスチリル)-5-メチルオキサゾール-4-カルボキシレート(5EC)及び(E)2-(3,4-ジメトキシスチリル)-5-メチルオキサゾール-4-カルボアルデヒド(5Jd)は公知の化合物であるが、従来の方法では合成に7工程必要とされており、肯定数を低減することができ、効率的にシホナゾールBを合成することが可能である。
【実施例】
【0327】
また、本発明の方法を応用することにより、他にも、
【実施例】
【0328】
【化62】
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【実施例】
【0329】
等の合成も期待できる。
【実施例】
【0330】
以上のとおり、種々の条件下でカップリング反応を進めることができた。上記で挙げた例はあくまでカップリング反応に成功した一例であり、例えば、
化合物(A)として、5-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソル-5-イル)オキサゾール、5-(4-メトキシフェニル)オキサゾール、5-メチルベンゾ[d]オキサゾール、5-tertブチルベンゾ[d]オキサゾール、メチル-6-メチルベンゾ[d]オキサゾール-5-カルボキシレート等
化合物(B)として(E)-ケイ皮酸フェニル、(E)-2-メチルケイ皮酸フェニル、(E)-4-メトキシケイ皮酸フェニル、(E)-4-トリフルオロメチルケイ皮酸フェニル、(E)-フェニル-3-(チオフェン-2-イル)アクリレート、(E)-フェニル-3-(チオフェン-3-イル)アクリレート、(2E,4E)-フェニル-5-フェニルペンタ-2,4-ジエノエート、(E)-フェニル-3-(3,4-ジメトキシフェニル)アクリレート、ナフタレン-2-イルカルバメート、ナフタレン-2-イルピバレート等
を使用した場合も同様にカップリング反応を進めることが可能であった(反応時間は48時間まで長くしても反応が進行した。また、触媒量を変更しても反応が進行した)。
【実施例】
【0331】
[試験例1:Ni(dcype)(CO)触媒のX線結晶構造]
合成例13で得たNi(dcype)(CO)触媒の結晶をミネラルオイルに浸し、グラスファイバー上に置き、ゴニオメーターであるリガク社製CCD単結晶自動X線構造解析装置「Saturn」(商品名)に移した。グラファイト単色光Mo Kα放射線(λ= 0.71070 Å)を用いた。結果を表13及び図1に示す。
【実施例】
【0332】
【表13】
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図面
【図1】
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