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明細書 :糖鎖化合物および糖鎖化合物の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成29年2月2日(2017.2.2)
発明の名称または考案の名称 糖鎖化合物および糖鎖化合物の製造方法
国際特許分類 C07H   5/06        (2006.01)
C07H   9/06        (2006.01)
C07H   7/033       (2006.01)
C08B  37/10        (2006.01)
A61L  15/16        (2006.01)
A61L  17/00        (2006.01)
FI C07H 5/06
C07H 9/06
C07H 7/033
C08B 37/10
A61L 15/01
A61L 17/00
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 77
出願番号 特願2015-502709 (P2015-502709)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第2項適用申請有り ・研究集会名 第54回天然有機化合物討論会 開催日 平成24年9月20日 ・刊行物名 「第54回天然有機化合物討論会講演要旨集」 発行日 平成24年9月1日 発行所 第54回天然有機化合物討論会事務局
国際出願番号 PCT/JP2013/073398
国際公開番号 WO2014/132468
国際出願日 平成25年8月30日(2013.8.30)
国際公開日 平成26年9月4日(2014.9.4)
優先権出願番号 2013041312
優先日 平成25年3月1日(2013.3.1)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LT , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US , UZ
発明者または考案者 【氏名】眞鍋 史乃
【氏名】石井 一之
【氏名】佐藤 寛子
出願人 【識別番号】503359821
【氏名又は名称】国立研究開発法人理化学研究所
【識別番号】504202472
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人情報・システム研究機構
個別代理人の代理人 【識別番号】110000338、【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
審査請求
テーマコード 4C057
4C081
4C090
Fターム 4C057BB03
4C057BB04
4C057CC03
4C057CC04
4C057EE03
4C081AA02
4C081AA12
4C081AC02
4C081CD062
4C081CE11
4C090AA02
4C090AA05
4C090BA68
要約 (a)または(b)に記載の糖鎖化合物であって、1,2-シス型の糖残基を含む、糖鎖化合物を提供する:
(a)式(I)または(I’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖、
(b)式(II)または(II’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖。
【化1】
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(式(I)および(II)中、波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記(a)または(b)に記載の糖鎖化合物であって、該糖鎖化合物は複数の糖残基を有し、1,2-シス型の糖残基を1以上含む、糖鎖化合物:
(a)下記式(I)または(I’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖、
(b)下記式(II)または(II’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖。
【化1】
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(式(I)および(I’)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表し、波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。式(I’)中、R24は、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。)
【化2】
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(式(II)および(II’)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表し、波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。式(II’)中、R24は、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。)
【請求項2】
オリゴ糖である、請求項1に記載の糖鎖化合物。
【請求項3】
糖残基の数は2~16である、請求項2に記載の糖鎖化合物。
【請求項4】
全ての糖残基が1,2-シス型である、請求項1~3の何れか1項に記載の糖鎖化合物。
【請求項5】
10%以上の糖残基が1,2-シス型である、請求項1~3の何れか1項に記載の糖鎖化合物。
【請求項6】
下記(c)または(d)に記載の糖鎖化合物であって、該糖鎖化合物は複数の糖残基を有し、1,2-シス型の糖残基を1以上含む、糖鎖化合物:
(c)下記式(III)または(III’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖、
(d)下記式(IV)または(IV’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。
【化3】
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(式(III)および(III’)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表し、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表し、Rは、-CHORまたは-COOR10を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表し、R10は、水素原子、メチル基、エチル基、ベンジル基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基またはtert-ブチル基を表し、波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。式(III’)中、R24は、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。)
【化4】
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(式(IV)および(IV’)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表し、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表し、Rは、-CHORまたは-COOR10を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表し、R10は、水素原子、メチル基、エチル基、ベンジル基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基またはtert-ブチル基を表し、波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。式(IV’)中、R24は、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。)
【請求項7】
下記(e)または(f)に記載の糖鎖化合物である、請求項6に記載の糖鎖化合物:
(e)下記式(IIIa)または(IIIa’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖、
(f)下記式(IVa)または(IVa’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。
【化5】
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(式(IIIa)および(IIIa’)におけるR~R、R~Rおよび波線は、上記式(III)および(III’)における定義と同じである。また、式(IIIa’)におけるR24は、上記式(III’)における定義と同じである。)
【化6】
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(式(IVa)および(IVa’)におけるR~R、R~Rおよび波線は、上記式(IV)および(IV’)における定義と同じである。また、式(IVa’)におけるR24は、上記式(IV’)における定義と同じである。)
【請求項8】
糖残基の数が4~16である、請求項6または7に記載の糖鎖化合物。
【請求項9】
下記(g)または(h)に記載の糖鎖化合物であって、該糖鎖化合物は複数の糖残基を有し、1,2-シス型の糖残基を1以上含む、糖鎖化合物:
(g)下記式(V)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖、
(h)下記式(VI)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖。
【化7】
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(式(V)中、R16は、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R23は、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
【化8】
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(式(VI)中、R17は、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R23は、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
【請求項10】
下記(i)または(j)に記載の糖鎖化合物であって、該糖鎖化合物は複数の糖残基を有し、1,2-シス型の糖残基を1以上含む、糖鎖化合物:
(i)下記式(VII)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖、
(j)下記式(VIII)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。
【化9】
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(式(VII)中、R16およびR18~R20は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R23は、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
【化10】
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(式(VIII)中、R17~R20は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R23は、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
【請求項11】
1,2-シス型の糖残基を含む糖鎖化合物の製造方法であって、
(i)下記(k)、(l)、(m)または(n)に記載の糖鎖化合物を準備する工程、
(k)下記式(Ib)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖、
(l)下記式(IIb)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖、
(m)下記式(IIIb)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖、
(n)下記式(IVb)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖、
【化11】
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(式(Ib)中、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基またはリン酸基を表し、R15およびR16は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
【化12】
JP2014132468A1_000084t.gif
(式(IIb)中、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基またはリン酸基を表し、R15およびR17は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
【化13】
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(式(IIIb)中、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基またはリン酸基を表し、R15、R16、R18およびR19は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R20は、-CHOR21または-COOR22を表し、R21は、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基、カルボキシフルオロアルキル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R22は、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基またはアシル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
【化14】
JP2014132468A1_000086t.gif
(式(IVb)中、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基またはリン酸基を表し、R15、R17、R18およびR19は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R20は、-CHOR21または-COOR22を表し、R21は、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、スルホ基、リン酸基、スルホ基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基、カルボキシフルオロアルキル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R22は、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基またはアシル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
(ii)上記(i)の工程で準備した上記糖鎖化合物にカルバメート基を導入する工程、および、
(iii)カルバメート基が導入された上記糖鎖化合物を、有機溶媒中、塩酸、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドもしくはトリフルオロ酢酸または弱酸性のルイス酸、と反応させる工程、
を含む、糖鎖化合物の製造方法。
【請求項12】
上記(ii)の工程で得られた上記糖鎖化合物のカルバメート基の窒素原子には、水素原子が結合しており、
上記(iii)の工程に先立って、該水素原子を、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基で置換することを含む、請求項11に記載の糖鎖化合物の製造方法。
【請求項13】
上記(iii)の工程を25℃以下で行う、請求項11または12に記載の糖鎖化合物の製造方法。
【請求項14】
上記(iii)の工程で得られる上記糖鎖化合物の保護基の脱保護を行う工程をさらに含む、請求項11~13の何れか1項に記載の糖鎖化合物の製造方法。
【請求項15】
上記(iii)の工程では、上記糖鎖化合物を、弱酸性のルイス酸である三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体と反応させる、請求項11~14の何れか1項に記載の糖鎖化合物の製造方法。
【請求項16】
上記(iii)の工程の反応に供される上記糖鎖化合物のカルバメート基の窒素原子に、アセチル基が結合している、請求項11~15の何れか1項に記載の糖鎖化合物の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノ糖を含むオリゴ糖または多糖である糖鎖化合物、および糖鎖化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アミノ糖を含む生物資源由来の糖鎖として、例えば、キチンおよびキトサン、ならびにヘパロサン、ヘパリンおよびヘパラン硫酸等が知られている。
【0003】
キチンおよびキトサンは、それぞれN-アセチルグルコサミンおよびグルコサミンがβ1,4-結合している分子量数千から数万の化合物であり、甲殻類の殻から得られる生物資源由来の糖鎖である。キチンおよびキトサンは、(i)枯渇の恐れがない、(ii)安全性が高い、および(iii)生物分解性である、などの特徴をもつことから、手術糸などの医療材料、食品および化粧品に応用されている。
【0004】
ヘパリンおよびヘパラン硫酸は、グルクロニル-、あるいはイズロニル-β-1→4-N-アセチルグルコサミン二糖ユニットの繰り返し構造を基本骨格とする多糖であり、この基本骨格に対してN-硫酸化、およびO-硫酸化などの多くの修飾がなされている。
【0005】
ヘパリンは、抗血液凝固剤として用いられており、一般的には、ブタ腸管から単離精製されたヘパリンが抗血液凝固剤として用いられている。また、使用されるヘパリンは、未分画ヘパリン、分画ヘパリン、低分子ヘパリンおよび超低分子ヘパリンなど様々である。中でも、低分子ヘパリンは、出血などの副作用が少ないといった利点がある。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】日本国公開特許公報「特開2004-18840号公報」
【特許文献2】国際公開第2011/028668号
【特許文献3】米国特許出願公開第2010/0036001号明細書
【特許文献4】国際公開第2009/014559号
【0007】

【非特許文献1】Shino Manabe, et al., “N-Benzyl-2,3-Oxazolidinone as a Glycosyl Donor for Selective α-Glycosylation and One-Pot Oligosaccharide Synthesis Involving 1,2-cis-Glycosylation” J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 10666-10667.
【非特許文献2】Hiroko Satoh, et al., “Low Barrier Pathway for Endo-cleavage Induced Anomerizationof Pyranosides with N-benzyl-2,3-trans Oxazolidinone” Eur. J. Org. Chem. 2009, 1127-1131.
【非特許文献3】Shino Manabe, et al., “Evidence for EndocyclicCleavage of Conformationally Restricted Glycopyranosides” Chem. Eur. J. 2009, 15, 6894-6901.
【非特許文献4】Shino Manabe, et al., “Significant Solvent Effect in Anomerization Reaction of Pyranosides” Tetrahedron Lett. 2009, 50, 4827-4829.
【非特許文献5】Shino Manabe, et al., “N-benzyl 2,3-trans CarbamatesBearing Glycosyl Donors for 1,2-cis Selective Glycosylation Reactions” Eur. J. Org. Chem. 2011, 497-516.
【非特許文献6】Hiroko Satoh, et al., “EndocyclicCleavage in Glycosides with 2,3-trans Cyclic Protecting Groups” J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 5610-5619.
【非特許文献7】Olsson, Johan D. M. et al., “Stereoselective Glycosylationsusing a 2-N-acyl-2N,3O-oxazolidinone protected GlcNAc donor.”J. Org. Chem. 2008, 73(18), 7181-7188.
【非特許文献8】Boysen, Mike, et al., “Ethyl 2-acetamido-4,6-di-O-benzyl-2,3-N,O-carbonyl-2-deoxy-1-thio-β-D-glycopyranoside as a versatile GlcNAc donor.” Chemical Communications (Cambridge, United Kingdom), 2005, (24), 3044-3046.
【非特許文献9】Crich, D., et al., “6-O-Benzyl- and 6-O-Silyl-N-acetyl-2-amino-2-N,3-O-carbonyl-2-deoxyglucosides: Effective Glycosyl Acceptors in the Glucosamine 4-OH Series. Effect of Anomeric Stereochemistry on the Removal of the Oxazolidinone Group.”J. Org. Chem. 2005, 70, 1291-1296.
【非特許文献10】Wei, P., et al., “Factors Affecting Stereocontrol during Glycosidation of 2,3-Oxazolidinone-Protected 1-Tolylthio-N-acetyl-d-glucosamine.” J. Org. Chem. 2005, 70, 4195-4198.
【非特許文献11】Geng, Y., et al., “Pre-activation protocol leading to highly stereoselectivity-controllable glycosylations of oxazolidinoneprotected glucosamines.”Chem. Commun. 2008, 597-599.
【非特許文献12】Barreteau, Helene, et al., “Production of intracellular heparosan and derived oligosaccharides by lyase expression in metabolically engineered E.coli K-12” Carbohydrate Research, 2012, 360, 19-24.
【非特許文献13】Chavaroche, Anais A. E., et al., “Synthesis of heparosan oligosaccharides by Pasteurella multocida PmHS2 single-action transferases”Applied Microbiology and Biotechnology, 2012, 95(5), 1199-1210.
【非特許文献14】Liu, Yanfeng, et al., “Effects of carbon sources and feeding strategies on heparosan production by Escherichia coli K5” Bioprocess and BiosystemsEngineering, 2012, 35(7), 1209-1218.
【非特許文献15】Zhang, Chunyu, et al., “Metabolic engineering of Escherichia coli BL21 for biosynthesis of heparosan, a bioengineered heparin precursor” Metabolic Engineering, 2012, 14(5), 521-527.
【非特許文献16】Chavaroche, Anais A. E., et al., “Production methods for heparosan, a precursor of heparin and heparan sulfate” Carbohydrate Polymers.
【非特許文献17】Otto, Nigel J., et al., “Structure/Function Analysis of Pasteurellamultocida HeparosanSynthases: Toward Defining Enzyme Specificity andEngineeringNovel Catalysts” Journal of Biological Chemistry, 2012, 287(10), 7203-7212.
【非特許文献18】Chen, Xiang'e, et al., “Effects of heparosanand heparin on the adhesion and biofilm formation of several bacteria in vitro” Carbohydrate Polymers, 2012, 88(4), 1288-1292.
【非特許文献19】Masuko, Sayaka, et al., “Ozonolysis of the double bond ofthe unsaturated uronateresidue in low-molecular-weight heparin and K5 heparosan” Carbohydrate Research, 2011, 346(13), 1962-1966.
【非特許文献20】Higashi, Kyohei, et al., “Controlled photochemical depolymerizationof K5 heparosan, a bioengineered heparin precursor” Carbohydrate Polymers, 2011, 86(3), 1365-1370.
【非特許文献21】Wang, Zhenyu, et al., “Control of the heparosanN-deacetylation leads to an improved bioengineered heparin” Applied Microbiology and Biotechnology, 2011, 91(1), 91-99.
【非特許文献22】Chavaroche, Anais A. E., et al., “Analysis of the Polymerization Initiation and Activity of Pasteurella multocida Heparosan Synthase PmHS2, and Enzyme with Glycosyltransferase and UDP-sugar Hydrolase Activity” Journal of Biological Chemistry, 2011, 286(3), 1777-1785.
【非特許文献23】Wang, Zhenyu, et al., “E. coli K5 fermentation and the preparation of heparosan, a bioengineered heparin precursor” Biotechnology and Bioengineering, 2010, 107(6), 964-973.
【非特許文献24】Ly, Mellisa, et al., “Analysis of E. coli K5 capsular polysaccharide heparosan” Analytical and Bioanalytical Chemistry, 2011, 399(2), 737-745.
【非特許文献25】Chavaroche, Anais A. E., et al., “In vitro synthesis of heparosan using recombinant Pasteurella multocidaheparosan synthase PmHS2”Applied Microbiology and Biotechnology, 2010, 85(6), 1881-1891.
【非特許文献26】Legoux, Richard, et al., “N-Acetyl-heparosan lyase of Escherichia coli K5: gene cloning and expression” Journal of Bacteriology, 1996, 178(24), 7260-7264.
【非特許文献27】Wang Zhenyu, et al., “Escherichia coli K5 heparosanfermentation and improvement by genetic engineering”Bioengineered bugs, 2011, 2(1), 63-67.
【非特許文献28】東恭平ら,「光分解法による低分子K5ヘパロサンの調製」,日本薬学会第132年会要旨集, 2012, 132(3), 183.
【非特許文献29】眞鍋史乃ら,「エンド開裂反応を利用した1,2-cisアミノグリコシドアノマー位立体制御と新規糖鎖合成」,第54回天然有機化合物討論会,予稿集,2012.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
グルコース1,4-β結合からなるセルロース、およびグルコース1,4-α結合からなるアミロースは、構成ユニットが同じグルコースであり、結合位置も同じ1,4-結合である。しかし、アノマー位の立体化学が互いに異なるために、高次立体構造が相違し、溶解性などの物理化学的性質が相違している。グルコサミンユニットまたはN-アセチルグルコサミンユニットから構成される糖鎖化合物において、セルロースに相当する1,4-β結合からなる糖鎖化合物であるキチンおよびキトサンが存在するが、アミロースに相当するグルコサミン1,4-α結合からなる糖鎖化合物およびN-アセチルグルコサミン1,4-α結合からなる糖鎖化合物は知られていない。
【0009】
グルコサミン1,4-α結合からなるオリゴ糖およびN-アセチルグルコサミン1,4-α結合からなるオリゴ糖(以下、両者をまとめて、1,4-α(N-アセチル)グルコサミンオリゴマーという)を取得する方法としては、1,4-α結合を生じさせるグリコシル化反応を繰り返して行う合成方法が考えられる。しかしながら、アセチルグルコサミンおよびN-アセチルグルコサミン等のアミノ糖に関して、完全なα-選択的グリコシル化反応が開発されていないため、1,4-α(N-アセチル)グルコサミンオリゴマーを合成することは困難であり、これまで合成に成功した例は報告されていない。
【0010】
また、一般的に用いられているヘパリンは、分子量および硫酸化の位置が相違している数多くの化合物の混合物である。そのため、ヘパリンを抗血液凝固剤として用いる場合、副作用の問題および投与後の管理の問題が指摘されている。また、近年、製剤中に過硫酸化されたコンドロイチン硫酸が混入していたことによって死者が発生するという事故が起こっている。そのため、厳密な管理が可能である化学合成品が求められている。これまでに、血液凝固系の凝固因子Xaにのみ作用するはじめての合成医薬品として、化学合成5糖であるフォンダパリヌクスが開発されているものの、今なお新たな化学合成品が求められている。
【0011】
ヘパリンは、イズロニル-、あるいはグルクロニル-β-1→4-N-アセチルグルコサミン二糖ユニットの繰り返し構造であるヘパロサンを前駆物質として生合成されていると考えられている。したがって、生合成過程にならって、ヘパロサンを出発原料として、種々の酵素反応を経ることによりヘパリンまたはヘパラン硫酸を合成することが可能になると考えられる。ヘパロサンは大腸菌K5株の細胞壁に見出されるため、化学的および酵素的に大腸菌細胞壁を分解することにより、ヘパロサンを得ることが可能である。そして、大腸菌細胞壁から得られたヘパロサンを低分子化させることにより、低分子量のヘパロサンを取得することができる。しかしながら低分子化処理により得られる化合物でも十分に小さな分子量ではなく、すなわち、オリゴ糖レベルの分子量ではない。また、オリゴ糖レベルのヘパロサンの合成に成功した例も報告されていない。
【0012】
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、これまでに合成の例がない、1,2-シス型のアミノ糖を含む新規なオリゴ糖または多糖を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る糖鎖化合物の第一の態様は、上記課題を解決するために、下記(a)または(b)に記載の糖鎖化合物であって、該糖鎖化合物は複数の糖残基を有し、1,2-シス型の糖残基を1以上含む、糖鎖化合物である。
(a)下記式(I)または(I’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖。
(b)下記式(II)または(II’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖。
【0014】
【化1】
JP2014132468A1_000003t.gif

【0015】
(式(I)および(I’)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アシル基、アリル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基、カルボキシフルオロアルキル基またはスルホ基を表し、波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。式(I’)中、R24は、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。)
【0016】
【化2】
JP2014132468A1_000004t.gif

【0017】
(式(II)および(II’)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アシル基、アリル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基、カルボキシフルオロアルキル基またはスルホ基を表し、波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。式(II’)中、R24は、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。)
本発明に係る糖鎖化合物の第二の態様は、上記課題を解決するために、下記(c)または(d)に記載の糖鎖化合物であって、該糖鎖化合物は複数の糖残基を有し、1,2-シス型の糖残基を1以上含む、糖鎖化合物である。
(c)下記式(III)または(III’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。
(d)下記式(IV)または(IV’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。
【0018】
【化3】
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【0019】
(式(III)および(III’)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表し、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表し、Rは、-CHORまたは-COOR10を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アシル基、アリル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、リン酸基、スルホ基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表し、R10は、水素原子、メチル基、エチル基、ベンジル基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基またはtert-ブチル基を表し、波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。式(III’)中、R24は、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。)
【0020】
【化4】
JP2014132468A1_000006t.gif

【0021】
(式(IV)および(IV’)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表し、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表し、Rは、-CHORまたは-COOR10を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、リン酸基、スルホ基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表し、R10は、水素原子、メチル基、エチル基、ベンジル基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基またはtert-ブチル基を表し、波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。式(IV’)中、R24は、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。)
本発明に係る糖鎖化合物の第三の態様は、上記課題を解決するために、下記(g)または(h)に記載の糖鎖化合物であって、該糖鎖化合物は複数の糖残基を有し、1,2-シス型の糖残基を1以上含む、糖鎖化合物である。
(g)下記式(V)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖。
(h)下記式(VI)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖。
【0022】
【化5】
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【0023】
(式(V)中、R16は、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R23は、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
【0024】
【化6】
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【0025】
(式(VI)中、R17は、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R23は、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
本発明に係る糖鎖化合物の第四の態様は、上記課題を解決するために、下記(i)または(j)に記載の糖鎖化合物であって、該糖鎖化合物は複数の糖残基を有し、1,2-シス型の糖残基を1以上含む、糖鎖化合物である。
(i)下記式(VII)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。(j)下記式(VIII)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。
【0026】
【化7】
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【0027】
(式(VII)中、R16およびR18~R20は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R23は、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
【0028】
【化8】
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【0029】
(式(VIII)中、R17~R20は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R23は、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
本発明に係る糖鎖化合物の製造方法は、上記課題を解決するために、1,2-シス型の糖残基を含む糖鎖化合物の製造方法であって、
(i)下記(k)、(l)、(m)または(n)に記載の糖鎖化合物を準備する工程、
(k)下記式(Ib)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖、
(l)下記式(IIb)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖、
(m)下記式(IIIb)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖、
(n)下記式(IVb)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖、
【0030】
【化9】
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【0031】
(式(Ib)中、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基またはリン酸基を表し、R15およびR16は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
【0032】
【化10】
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【0033】
(式(IIb)中、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基またはリン酸基を表し、R15およびR17は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
【0034】
【化11】
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【0035】
(式(IIIb)中、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基またはリン酸基を表し、R15、R16、R18およびR19は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R20は、-CHOR21または-COOR22を表し、R21は、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基、カルボキシフルオロアルキル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R22は、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基またはアシル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
【0036】
【化12】
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【0037】
(式(IV)中、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基またはリン酸基を表し、R15、R17、R18およびR19は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R20は、-CHOR21または-COOR22を表し、R21は、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、スルホ基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基、カルボキシフルオロアルキル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R22は、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基またはアシル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
(ii)上記(i)の工程で準備した上記糖鎖化合物にカルバメート基を導入する工程、および、
(iii)カルバメート基が導入された上記糖鎖化合物を、有機溶媒中、塩酸、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドもしくはトリフルオロ酢酸または弱酸性のルイス酸と反応させる工程、
を含む、糖鎖化合物の製造方法である。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、これまでに知られていない、N-アセチルグルコサミンもしくはその誘導体、またはグルコサミンもしくはその誘導体がα1,4-結合しているオリゴ糖または多糖を提供することができる。
【0039】
また、本発明によれば、これまでに知られていない、ヘパロサンのオリゴ糖を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
アミノ糖に関して完全な1,2-シス型選択的グリコシル化反応が開発されていないために、1,2-シス型のアミノ糖のオリゴ糖または多糖の製造方法はこれまで知られていないが、本発明者らが鋭意検討した結果、1,2-トランス型のアミノ糖からなる糖鎖を異性化させることで1,2-シス型のアミノ糖のオリゴ糖を製造することに成功し、本願発明を完成させるに至った。

【0041】
本発明に係る糖鎖化合物および糖鎖化合物の製造方法の一実施形態について、以下に説明する。

【0042】
〔1.糖鎖化合物〕
(第一の態様)
本発明に係る糖鎖化合物の第一の態様は、次の(a)または(b)に記載の糖鎖化合物であって、該糖鎖化合物は複数の糖残基を有し、1,2-シス型の糖残基を1以上含む、糖鎖化合物である。
(a)式(I)または(I’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖。
(b)式(II)または(II’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖。

【0043】
【化13】
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【0044】
式(I)および(I’)ならびに式(II)および(II’)において、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表している。

【0045】
アルキル基としては、炭素数1~20のアルキル基、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基およびペンチル基等を挙げることができる。また、
ハロアルキル基としては、上述のアルキル基において、少なくとも一つの水素原子がハロゲン原子に置換された基を挙げることができ、例えば、トリフルオロメチル基等が挙げられる。

【0046】
アリール基としては、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、ナフチル基、トリル基およびp-ニトロベンジル基等を挙げることができる。

【0047】
アシル基としては、アセチル基、スクシニル基、フタロイル基、ベンゾイル基、ピバロイル基およびトリフルオロアセチル基を挙げることができる。

【0048】
アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基およびトリクロロエトキシカルボニル基を挙げることができる。

【0049】
アリールオキシカルボニル基としては、ベンジルオキシカルボニル基を挙げることができる。

【0050】
また、RとRとが結合して窒素原子とともに環状構造を形成しているものであってもよい。

【0051】
中でもRおよびRとしては、それぞれ独立に、水素原子、アシル基、アルコキシカルボニル基およびアリールオキシカルボニル基が好ましく、それぞれ独立に、水素原子、アセチル基、トリフルオロアセチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基およびトリクロロエトキシカルボニル基がより好ましく、それぞれ独立に、水素原子およびアセチル基が特に好ましい。

【0052】
式(I)および(I’)ならびに式(II)および(II’)において、Rは、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表している。

【0053】
アルキル基としては、例えば、上記した炭素数1~20のアルキル基を挙げることができる。

【0054】
アシル基としては、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ピバロイル基、p-メトキシベンゾイル基、p-ニトロベンゾイル基およびベンゾイル基を挙げることができる。

【0055】
アリール基としては、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、ナフチル基、トリル基およびp-ニトロベンジル基等を挙げることができる。

【0056】
ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、グリセリル基等の炭素数1~10のヒドロキシアルキル基を挙げることができる。

【0057】
カルボキシアルキル基としては、カルボキシメチル基等のアルキル部分の炭素数が1~20のカルボキシアルキル基を挙げることができる。

【0058】
アルコキシカルボニル基としては、エチルオキシカルボニル基およびトリクロロエチルオキシカルボニル基等のアルキル部分の炭素数が1~20のアルコキシカルボニル基を挙げることができる。

【0059】
アルキルシリル基としては、tert-ブチルシリル基およびトリエチルシリル基等を挙げることができる。

【0060】
フルオロアルキル基、フルオロアシル基およびカルボキシフルオロアルキル基は、それぞれ、上記したアルキル基、アシル基およびカルボキシアルキル基において1以上の水素原子がフッ素原子で置換したものであり得る。

【0061】
中でもRは、水素原子、アシル基およびアリール基が好ましく、水素原子、アセチル基およびベンジル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。

【0062】
式(I)および(I’)において、Rは、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表している。いずれの基についてもRに例示した基と同じ基を例示することができる。中でもRは、水素原子、アシル基およびアリール基が好ましく、水素原子、アセチル基およびベンジル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。

【0063】
式(II)および(II’)において、Rは、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表している。いずれの基についてもRに例示した基と同じ基を例示することができる。中でもRは、水素原子、アシル基およびアリール基が好ましく、水素原子、アセチル基およびベンジル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。

【0064】
式(I’)および(II’)において、R24は、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基およびアリールオキシカルボニル基としては、RおよびRの説明において例示したものを挙げることができる。

【0065】
式(I)および(I’)ならびに式(II)および(II’)において、波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表している。すなわち、1位の炭素原子における結合に関して言えば、2位の炭素原子に結合している-NRとの関係で、1,2-シス型となる結合、または1,2-トランス型となる結合であることを表している。1,2-シス型となる結合は、式(I)に示される化合物に関していえば、α1,4-結合を生じさせる結合であり、式(II)に示される化合物に関していえば、α1,6-結合を生じさせる結合である。また、1,2-トランス型となる結合は、式(I)に示される化合物に関していえば、β1,4-結合を生じさせる結合であり、式(II)に示される化合物に関していえば、β1,6-結合を生じさせる結合である。同様に、4位の炭素原子における結合に関して言えば、2位の炭素原子に結合している-NRとの関係で、2,4-シス型となる結合、または2,4-トランス型となる結合であることを表している。換言すれば、2,4-シス型となる結合は、4位の結合に関し、グルコサミンと同様の立体配置を表しており、2,4-トランス型となる結合は、ガラクトサミンと同様の立体配置を表している。

【0066】
本態様における糖鎖化合物においては、1,2-シス型となっている糖残基が少なくとも1つ含まれていればよいが、糖鎖化合物中の10%以上の糖残基が1,2-シス型であることが好ましく、15%以上の糖残基が1,2-シス型であることがより好ましく、20%以上の糖残基が1,2-シス型であることがさらに好ましく、全ての糖残基が1,2-シス型であることが特に好ましい。

【0067】
本態様における糖鎖化合物は、オリゴ糖および多糖の何れであってもよい。本明細書においてオリゴ糖とは、単糖単位が2以上かつ16以下重合している重合糖を意味している。また、多糖とは、単糖単位が17以上重合している重合糖を意味している。

【0068】
本態様における糖鎖化合物がオリゴ糖である場合、糖残基の数は2以上16以下であることが好ましく、2以上10以下であることがより好ましく、2以上8以下であることが特に好ましい。

【0069】
一方、本態様における糖鎖化合物が多糖である場合、質量平均分子量が1,000以上30,000以下であることが好ましく、1,000以上10,000以下であることがより好ましく、1,000以上5,000以下であることが特に好ましい。

【0070】
本態様における糖鎖化合物の還元末端および非還元末端は、いずれも、それぞれ独立に、アセチル基;ベンジル基;p-メトキシフェニル基;アミノ基を含むアルキル基;およびアリル基;ならびに蛍光標識基等で修飾されていてもよい。あるいは、他の単糖が結合していてもよい。

【0071】
本発明に係る糖鎖化合物の第一の態様における糖鎖化合物のより好ましい形態は、下記式(IX)で示されるオリゴ糖(IX)である。

【0072】
【化14】
JP2014132468A1_000016t.gif

【0073】
式(IX)中、R~Rの定義は、式(I)におけるR~Rの定義と同じである。R11は、ヒドロキシ基、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、グルコサミン、グルクロン酸、イズロン酸またはアシル基を表し、R12は、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、グルコサミン、グルクロン酸、イズロン酸またはアシル基を表し、nは2~16の整数を表す。

【0074】
オリゴ糖(IX)の中でも、Rが水素原子、アシル基、アルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基、Rが水素原子、アセチル基またはトリフルオロアセチル基、ベンゾイル基またはアルキル基、Rが水素原子、アセチル基またはベンジル基、Rが水素原子、アセチル基またはベンジル基、nが2~16の整数であるオリゴ糖がさらに好ましく、Rが水素原子、Rが水素原子またはアセチル基、Rが水素原子、Rが水素原子、nが4~8の整数であるオリゴ糖が特に好ましい。

【0075】
本態様における糖鎖化合物は、後述する〔2.糖鎖化合物の製造方法〕において説明する製造方法により製造することができる。しかしながら本態様における糖鎖化合物の製造方法は当該製造方法に限定されるものではない。

【0076】
第一の態様に係る糖鎖化合物は、キチンおよびキトサンと同様に、(i)創傷被覆材、止血剤、手術用縫合糸および人工骨などの医用材料の原料、(ii)化粧品に抗菌性および保湿性を付与するための助剤の原料、(iii)衣類品、寝装品、家電製品およびベビー用品等の繊維製品における繊維原料、(iv)甘味料および増粘安定剤等の食品添加物または健康食品としての食品材料の原料、(v)植物病の予防剤、成長促進剤、土壌改良剤、飼料添加材および動物病治療剤等の農業用品材料の原料、(vi)廃水処理担体としての材料、(vii)ドラッグ・デリバリー・システムに使用可能な担体、ならびに(viii)液晶添加物など、種々の技術分野の材料原料として用いることができる。

【0077】
なお、本発明に係る糖鎖化合物の第一の態様は、次の(a’)および(b’)のように表現することもできる。
(a’)式(I)または(I’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖であって、1以上のα1,4-グリコシド結合を含む、多糖またはオリゴ糖。
(b’)式(II)または(II’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖であって、1以上のα1,6-グリコシド結合を含む、多糖またはオリゴ糖。

【0078】
(第二の態様)
本発明に係る糖鎖化合物の第二の態様は、次の(c)または(d)に記載の糖鎖化合物であって、該糖鎖化合物は複数の糖残基を有し、1,2-シス型の糖残基を1以上含む、糖鎖化合物である。
(c)式(III)または(III’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。
(d)式(IV)または(IV’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。

【0079】
【化15】
JP2014132468A1_000017t.gif

【0080】
式(III)および(III’)ならびに式(IV)および(IV’)における、R~Rおよび波線の定義は、上記式(I)および(II)におけるR~Rおよび波線の定義と同じである。また、式(III)および(III’)におけるRの定義ならびに式(IV)および(IV’)におけるRの定義は、それぞれ式(I)におけるRの定義および式(II)におけるRの定義と同じである。

【0081】
式(III)および(III’)ならびに式(IV)および(IV’)におけるRおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表している。

【0082】
アルキル基としては、例えば、上記した炭素数1~20のアルキル基を挙げることができる。

【0083】
アシル基としては、アセチル基、ベンゾイル基、p-メトキシベンゾイル基、p-ニトロベンゾイル基およびピバロイル基を挙げることができる。

【0084】
ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、グリセリル基等の炭素数1~20のヒドロキシアルキル基を挙げることができる。

【0085】
カルボキシアルキル基としては、カルボキシメチル基等のアルキル部分の炭素数が1~20のカルボキシアルキル基を挙げることができる。

【0086】
アルコキシカルボニル基としては、エチルオキシカルボニル基、トリクロロエチルオキシカルボニル基およびベンジルオキシカルボニル基等のアルコキシ部分の炭素数が1~20のアルコキシカルボニル基を挙げることができる。

【0087】
アルキルシリル基としては、tert-ブチルシリル基およびトリエチルシリル基等を挙げることができる。

【0088】
フルオロアルキル基、フルオロアシル基およびカルボキシフルオロアルキル基は、それぞれ、上記したアルキル基、アシル基およびカルボキシアルキル基において1以上の水素原子がフッ素原子で置換したものであり得る。

【0089】
中でもR、R、R、RおよびRとしては、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基およびリン酸基が好ましく、それぞれ独立に、水素原子およびアシル基がより好ましく、それぞれ独立に、水素原子およびアセチル基がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。

【0090】
式(III)および(III’)ならびに式(IV)および(IV’)におけるRは、-CHORまたは-COOR10を表している。

【0091】
ここで、Rは、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表している。

【0092】
アルキル基としては、例えば、上記した炭素数1~20のアルキル基を挙げることができる。

【0093】
アシル基としては、アセチル基、ベンゾイル基、p-メトキシベンゾイル基、p-ニトロベンゾイル基およびピバロイル基を挙げることができる。

【0094】
ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、グリセリル基等の炭素数1~20のヒドロキシアルキル基を挙げることができる。

【0095】
カルボキシアルキル基としては、カルボキシメチル基等のアルキル部分の炭素数が1~20のカルボキシアルキル基を挙げることができる。

【0096】
アルコキシカルボニル基としては、エチルオキシカルボニル基およびトリクロロエチルオキシカルボニル基等のアルキル部分の炭素数が1~20のアルコキシカルボニル基を挙げることができる。

【0097】
アルキルシリル基としては、tert-ブチルシリル基およびトリエチルシリル基等を挙げることができる。

【0098】
フルオロアルキル基、フルオロアシル基およびカルボキシフルオロアルキル基は、それぞれ、上記したアルキル基、アシル基およびカルボキシアルキル基において1以上の水素原子がフッ素原子で置換したものであり得る。

【0099】
中でもRとしては、水素原子、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基およびカルボキシフルオロアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。

【0100】
また、R10は、水素原子、メチル基、エチル基、ベンジル基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基またはtert-ブチル基を表している。中でもR10としては、水素原子、メチル基およびベンジル基が好ましく、水素原子がより好ましい。

【0101】
また、Rとしては、-COOR10が好ましい。

【0102】
式(III’)および式(IV’)において、R24は、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基およびアリールオキシカルボニル基としては、RおよびRの説明において例示したものを挙げることができる。

【0103】
式(III)および(III’)ならびに式(IV)および(IV’)において、波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表している。すなわち、式(III)および(IV)中、左側の糖(アミノ糖)の1位の炭素原子における結合に関して言えば、同じ糖の2位の炭素原子に結合している-NRとの関係で、1,2-シス型となる結合、または1,2-トランス型となる結合であることを表している。1,2-シス型となる結合は、式(III)に示される糖単位に関していえば、式(III)に示される糖単位中でα1,4-結合を生じさせる結合であり、式(IV)に示される糖単位に関していえば、式(IV)に示される糖単位中でα1,4-結合を生じさせる結合である。また、1,2-トランス型となる結合は、式(I)に示される糖単位に関していえば、式(III)に示される糖単位中でβ1,4-結合を生じさせる結合であり、式(IV)に示される化合物に関していえば、式(IV)に示される糖単位中でβ1,4-結合を生じさせる結合である。同様に、式(III)および(IV)中、左側の糖の4位の炭素原子における結合に関して言えば、2位の炭素原子に結合している-NRとの関係で、2,4-シス型となる結合、または2,4-トランス型となる結合であることを表している。換言すれば、2,4-シス型となる結合は、4位の結合に関して、グルコサミンと同様の立体配置を表しており、2,4-トランス型となる結合は、ガラクトサミンと同様の立体配置を表している。

【0104】
本態様における糖鎖化合物においては、1,2-シス型となっている糖残基が少なくとも1つ含まれていればよいが、糖鎖化合物に含まれる式(III)もしくは(III’)または式(IV)もしくは(IV’)で示される糖単位のうち、10%以上の糖単位が1,2-シス型を含む糖単位であることが好ましく、30%以上の糖単位が1,2-シス型を含む糖単位であることがより好ましく、全ての糖単位が1,2-シス型を含む糖単位であることが特に好ましい。換言すれば、式(III)もしくは(III’)または式(IV)もしくは(IV’)で示される糖単位のうち、10%以上の糖単位がα1,4-結合で構成された糖単位であることが好ましく、30%以上の糖単位がα1,4-結合で構成された糖単位であることがより好ましく、全ての糖単位がα1,4-結合で構成された糖単位であることが特に好ましい。

【0105】
本態様における糖鎖化合物の還元末端および非還元末端は、いずれも、それぞれ独立に、アセチル基;ベンジル基;p-メトキシフェニル基;アミノ基を含むアルキル基;アリル基;および蛍光標識基等で修飾されていてもよい。あるいは他の単糖が結合していてもよい。

【0106】
本発明に係る糖鎖化合物の第二の態様におけるより好ましい形態は、具体的には、次の(e)または(f)に記載の糖鎖化合物である。
(e)式(IIIa)または(IIIa’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。
(f)式(IVa)または(IVa’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。

【0107】
【化16】
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【0108】
式(IIIa)および(IIIa’)において、R~R、R~Rおよび波線は、上記式(III)における定義と同じである。同様に、式(IVa)および(IVa’)において、R~R、R~Rおよび波線は、上記式(IV)における定義と同じである。式(IIIa’)および式(IVa’)において、R24は、それぞれ式(III’)および式(IV’)におけるR24における定義と同じである。

【0109】
本態様におけるオリゴ糖は、糖残基の数が4以上16以下であるオリゴ糖であり、糖残基の数が4以上10以下であることがより好ましく、4以上8以下であることが特に好ましい。

【0110】
本発明に係る糖鎖化合物の第二の態様におけるさらに好ましい形態は、下記式(X)で示されるオリゴ糖(X)である。

【0111】
【化17】
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【0112】
式(X)において、R~RおよびR~Rの定義は、式(III)におけるR~RおよびR~Rの定義と同じである。R11およびR12の定義は、式(IX)におけるR11およびR12の定義と同じである。mは2~8の整数を表す。

【0113】
オリゴ糖(X)の中でも、RおよびRが、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基、R、R、RおよびRが、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基またはリン酸基、Rが-COOR10で表される基であって、R10が水素原子、メチル基またはベンジル基を表し、mが2~8の整数であるオリゴ糖がさらに好ましく、Rが水素原子、Rが水素原子またはアセチル基、Rが水素原子、Rが水素原子、Rが水素原子、Rが水素原子、Rが-COOHを表し、mが2~4の整数であるオリゴ糖が特に好ましい。

【0114】
本態様における糖鎖化合物は、後述する〔2.糖鎖化合物の製造方法〕において説明する製造方法により製造することができる。しかしながら本態様における糖鎖化合物の製造方法は当該製造方法に限定されるものではない。

【0115】
本態様に係る糖鎖化合物の酸素原子、低分子ヘパリンの合成の前駆体として利用することができる。したがって、本態様に係る糖鎖化合物を用いることにより、化学合成によって低分子ヘパリンを製造することができる。そのため、大腸菌由来のエンドトキシンなどの異物混入を防ぐことができ、品質に関して厳密な管理が可能となる。

【0116】
なお、本発明に係る糖鎖化合物の第二の態様は、次の(c’)および(d’)のように表現することもできる。
(c’)式(III)または(III’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖であって、1以上のα1,4-グリコシド結合を含む、オリゴ糖。
(d’)式(IV)または(IV’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖であって、1以上のα1,4-グリコシド結合を含む、オリゴ糖。

【0117】
〔2.糖鎖化合物の製造方法〕
本発明の糖鎖化合物の製造方法は、上述の第一の態様に係る糖鎖化合物または第二の態様に係る糖鎖化合物を好適に製造できる方法である。本製造方法は、(i)基質となる糖鎖化合物を準備する準備工程、(ii)準備した糖鎖化合物にカルバメート基を導入するカルバメート基導入工程、および(iii)カルバメート基が導入された糖鎖化合物を有機溶媒中、特定の酸と反応させる異性化工程を含んでいる。本製造方法は、これらの工程が含まれていればよく、糖鎖化合物に対する他の修飾を行う工程など、他の工程が含まれていてもよい。本実施の形態では、(iv)異性化工程の後に脱保護を行う脱保護工程も含めて、各工程の詳細について説明する。

【0118】
(1.準備工程)
準備工程は、次の(k)、(l)、(m)または(n)に記載の糖鎖化合物を準備する工程である。
(k)式(Ib)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖。
(l)式(IIb)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖。
(m)式(IIIb)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。
(n)式(IVb)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。

【0119】
【化18】
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【0120】
【化19】
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【0121】
式(Ib)、(IIb)、(IIIb)および(IVb)において、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基またはリン酸基を表している。中でもR13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子およびアシル基が好ましく、それぞれ独立に、水素原子およびアセチル基がより好ましい。

【0122】
式(Ib)、(IIb)、(IIIb)および(IVb)において、R15は、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表している。中でもR15は、水素原子およびアシル基が好ましく、水素原子およびアセチル基がより好ましい。

【0123】
式(Ib)および(IIIb)において、R16は、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表している。中でも、R16は、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリメチルシリル基およびtert-ブチルジフェニルシリル基が好ましく、アリル基、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、アセチル基、ベンゾイル基、ピバロイル基、スルホ基、リン酸基、メチルオキシカルボニル基、トリクロロエチルオキシカルボニル基、tert-ブチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、tert-ジメチルブチルシリル基およびtert-ブチルジフェニルシリル基がより好ましく、ベンジル基、アセチル基、ベンゾイル基、ピバロイル基およびtert-ブチルジフェニルシリル基がさらに好ましく、ベンジル基およびtert-ブチルジフェニルシリル基が特に好ましく、ベンジル基が最も好ましい。

【0124】
式(IIb)および(IVb)において、R17は、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表している。中でもR17は、水素原子、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリメチルシリル基およびtert-ブチルジフェニルシリル基が好ましく、水素原子、アリル基、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、アセチル基、ベンゾイル基、ピバロイル基、メチルオキシカルボニル基、トリクロロエチルオキシカルボニル基、tert-ブチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、tert-ジメチルブチルシリル基およびtert-ブチルジフェニルシリル基がより好ましく、水素原子およびアセチル基がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。

【0125】
式(IIIb)および(IVb)において、R18は、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表している。中でもR18は、水素原子、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリメチルシリル基およびtert-ブチルジフェニルシリル基が好ましく、水素原子、アリル基、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、アセチル基、ベンゾイル基、ピバロイル基、スルホ基、リン酸基、メチルオキシカルボニル基、トリクロロエチルオキシカルボニル基、tert-ブチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、tert-ジメチルブチルシリル基およびtert-ブチルジフェニルシリル基がより好ましく、水素原子およびアセチル基がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。

【0126】
式(IIIb)および(IVb)において、R19は、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表している。中でもR19は、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリメチルシリル基およびtert-ブチルジフェニルシリル基が好ましく、アリル基、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、ナフチル基、アセチル基、ベンゾイル基、ピバロイル基、スルホ基、リン酸基、メチルオキシカルボニル基、トリクロロエチルオキシカルボニル基、tert-ブチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、tert-ジメチルブチルシリル基およびtert-ブチルジフェニルシリル基がより好ましく、アリル基、ベンジル基、p-メトキシベンジル基およびナフチル基がさらに好ましく、アリル基およびベンジル基が特に好ましく、ベンジル基が最も好ましい。

【0127】
式(IIIb)および(IVb)において、R20は、-CHOR21または-COOR22を表している。

【0128】
ここで、R21は、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基、カルボキシフルオロアルキル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表している。中でもR21は、アリル基、アリール基、アシル基およびtert-ブチルジフェニルシリル基が好ましく、ベンジル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、p-メトキシベンジル基およびアリル基がより好ましく、ベンジル基およびp-メトキシベンジル基がさらに好ましく、ベンジル基が特に好ましい。

【0129】
また、R22は、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基またはアシル基を表している。中でもR22は、水素原子、アルキル基およびアリール基が好ましく、水素原子、メチル基およびベンジル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。なお、R20としては、-CHOR21がより好ましい。

【0130】
波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表している。

【0131】
糖鎖化合物が(k)または(l)に記載の化合物のうちのオリゴ糖である場合、糖残基の数は2以上16以下であることが好ましく、2以上10以下であることがより好ましく、2以上8以下であることが特に好ましい。

【0132】
糖鎖化合物が(k)または(l)に記載の化合物のうちの多糖である場合、質量平均分子量が1,000以上30,000以下であることが好ましく、1,000以上10,000以下であることがより好ましく、1,000以上5,000以下であることが特に好ましい。

【0133】
糖鎖化合物が(m)または(n)に記載のオリゴ糖である場合、糖残基の数は4以上16以下であることが好ましく、4以上10以下であることがより好ましく、4以上8以下であることが特に好ましい。

【0134】
これら糖鎖化合物の準備は、化学合成による調製、市販品の購入、他者からの提供、天然に存在するものの単離精製など、特に制限されるものではない。また、(k)、(l)、(m)または(n)に記載の糖鎖化合物の誘導体を取得し、この誘導体に対して修飾処理あるいは低分子化処理などを行うことにより、(k)、(l)、(m)または(n)に記載の糖鎖化合物を準備するものであってもよい。化学合成による調製によれば、異物の混入を防ぐことができる。

【0135】
(2.カルバメート基導入工程)
カルバメート基導入工程では、準備した糖鎖化合物にカルバメート基を導入する工程である。カルバメート基を導入する方法としては、例えば、準備した糖鎖化合物をトリホスゲンと反応させる手法が挙げられる。カルバメート基は、アミノ糖の2位の炭素に結合している-NR1314(R13,R14がヒドロキシ基)および3位の炭素に結合している-OR15(R15がヒドロキシ基)を利用して導入される。そのため、形成されるカルバメート基は、2,3-トランスカルバメート基となる。

【0136】
反応に用いられるトリホスゲンの量は、反応に供される糖鎖化合物が上記(k)または(l)に記載の糖鎖化合物の場合、糖鎖化合物に対して、例えば、0.4倍モル~100倍モルであり、好適には、0.4倍モル~20倍モルであり、より好適には、0.4倍モル~10倍モルである。一方、反応に供される糖鎖化合物が上記(m)または(n)に記載の糖鎖化合物の場合、糖鎖化合物に対して、例えば、0.7倍モル~50倍モルであり、好適には、0.7倍モル~10倍モルであり、より好適には、0.7倍モル~5倍モルである。トリホスゲンは、複数回に分けて添加してもよい。

【0137】
使用される溶媒としては、アセトニトリル、塩化メチレンおよびトルエン等の非プロトン性極性溶媒が用いられる。中でも、アセトニトリル、および塩化メチレンが好ましく、アセトニトリルが特に好ましい。アセトニトリルを用いる場合、塩化メチレン等の他の溶媒に比して、反応速度が速くなる。

【0138】
反応温度および反応時間は、用いられる溶媒および糖鎖化合物の種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、反応温度は、-40℃~40℃であり、好適には-30℃~0℃である。また、反応時間は、例えば、0.1時間~72時間であり、好適には0.1時間~12時間である。

【0139】
また、カルバメート基を導入する方法としては、他にも、糖鎖化合物をp-ニトロギ酸クロロエステルと反応させる手法が挙げられる。p-ニトロギ酸クロロエステルの場合、その使用量は、糖鎖化合物に対して、2倍モル~10倍モルである。このとき使用される溶媒としては、アセトニトリル、塩化メチレンまたはトルエンと水との2相系の溶媒を用いることができる。中でもアセトニトリル-水系でおこなうことが望ましい。

【0140】
カルバメート基導入工程を行うことにより、糖鎖化合物における、式(Ib)で示される糖単位、式(IIb)で示される糖単位、式(IIIb)で示される糖単位、および式(IVb)で示される糖単位は、具体的に、それぞれ、次の式(Vb)で示される糖単位、式(VIb)で示される糖単位、式(VIIb)で示される糖単位、および式(VIIIb)で示される糖単位に変換される。

【0141】
【化20】
JP2014132468A1_000022t.gif

【0142】
【化21】
JP2014132468A1_000023t.gif

【0143】
式(Vb)、(VIb)、(VIIb)および(VIIIb)において、R23は、水素原子、アセチル基、ベンジル基または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基を表す。

【0144】
ここで、糖鎖化合物のカルバメート基の窒素原子に水素原子が結合している場合、すなわちR23が水素原子である場合、次の異性化工程の反応を行う前に、この水素原子を、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基で置換することが好ましい。

【0145】
23を、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基とすることにより、次の異性化工程において、より効率良く1,2-トランス型から1,2-シス型への異性化を実現することができる。

【0146】
水素原子を、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基で置換する方法としては、公知の類似の反応に用いられている方法を用いることができる。

【0147】
例えば、水素原子をアセチル基に置換する方法としては、ピリジンの存在下、またはピリジンおよびN,N-ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP)の存在下で、糖鎖化合物を無水酢酸と反応させる方法が挙げられる。

【0148】
また、水素原子をメトキシカルボニル基に置換する方法としては、テトラヒドロフラン(THF)中、n-ブチルリチウムを糖鎖化合物に作用させ、クロロギ酸メチルを加えて合成する方法が挙げられる。

【0149】
また、水素原子をアリルオキシカルボニル基に置換する方法としては、THF中、n-ブチルリチウムを糖鎖化合物に作用させ、クロロギ酸アリルを加えて合成する方法が挙げられる。

【0150】
また、水素原子をベンジルオキシカルボニル基に置換する方法としては、THF中、n-ブチルリチウムを糖鎖化合物に作用させ、クロロギ酸ベンジルを加えて合成する方法が挙げられる。

【0151】
また、水素原子を2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基に置換する方法としては、THF中、n-ブチルリチウムを糖鎖化合物に作用させ、クロロギ酸2,2,2-トリクロロエチルを加えて合成する方法が挙げられる。

【0152】
(3.異性化工程)
異性化工程では、カルバメート基が導入された糖鎖化合物を、有機溶媒中、塩酸、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドもしくはトリフルオロ酢酸または弱酸性のルイス酸と反応させることにより、1,2-トランス型であったアミノ糖部分を1,2-シス型のアミノ糖部分に変換させる。なお、本明細書において、この変換のことを異性化という。

【0153】
本明細書において、弱酸性のルイス酸とは、非プロトン性環境下でピラノシドのエンド開裂反応を行う際に従来用いられているルイス酸である四塩化スズ(SnCl)およびジメチル臭化ホウ素(MeBBr)よりも酸性度の弱いルイス酸の意味である。このようなルイス酸としては、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(BF・OEt)、塩化鉄(III)、およびトリフルオロメタンスルホン酸銅(II)(Cu(OTf))が挙げられる。

【0154】
異性化反応に用いる酸としては、中でも、弱酸性のルイス酸が好ましく、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体が特に好ましい。

【0155】
異性化反応に用いる酸の量は、反応に供される糖鎖化合物に対して、0.1倍モル~10倍モルであることが好ましく、0.1倍モル~5倍モルであることがより好ましく、0.1倍モル~2倍モルであることが特に好ましい。

【0156】
反応に用いる有機溶媒としては、アセトニトリル、塩化メチレンおよびトルエン等の非プロトン性極性溶媒を挙げることができる。中でも、アセトニトリル、および塩化メチレンが好ましく、アセトニトリルが特に好ましい。

【0157】
反応温度は、25℃以下であることが好ましく、-40℃~20℃であることがより好ましく、-30℃~0℃であることが特に好ましい。

【0158】
反応時間は、用いられる溶媒および糖鎖化合物の種類、ならびに反応温度に応じて適宜設定することができる。例えば、0.1時間~72時間であり、好適には0.1時間~12時間である。

【0159】
異性化工程までの反応により、次の(g)、(h)、(i)または(j)に記載の糖鎖化合物であって、1,2-シス型の糖残基を含む、糖鎖化合物が得られる。
(g)下記式(V)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖。
(h)下記式(VI)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖。
(i)下記式(VII)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。
(j)下記式(VIII)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。

【0160】
【化22】
JP2014132468A1_000024t.gif

【0161】
【化23】
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【0162】
式(V)において、R16およびR23は、それぞれ上記式(Vb)におけるR16はおよびR23と同じである。また、式(VI)において、R17はおよびR23は、それぞれ上記式(VIb)におけるR17およびR23と同じである。また、式(VII)において、R16、R18、R19、R20およびR23は、それぞれ上記式(VIIb)におけるR16、R18、R19、R20およびR23と同じである。また、式(VIII)において、R17、R18、R19、R20およびR23は、それぞれ上記式(VIIIb)におけるR17、R18、R19、R20およびR23と同じである。式(V)~式(VIII)において、波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表している。

【0163】
とりわけ、糖鎖化合物がオリゴ糖である場合には、各条件を好適な条件に設定して反応を行うことにより、全てのアミノ糖部分において、1,2-シス型への異性化を行うことができる。

【0164】
上記(g)、(h)、(i)または(j)に記載の糖鎖化合物であって、1,2-シス型の糖残基を含む、糖鎖化合物は、本発明に係る糖鎖化合物の第一の態様および第二の態様の好適な中間体化合物である。そのため、上記(g)、(h)、(i)または(j)に記載の糖鎖化合物であって、1,2-シス型の糖残基を含む、糖鎖化合物もまた、本発明の範疇に含まれるものである。また、この中間体化合物における糖残基の数および1,2-シス型の糖残基の存在量の好ましい態様は、上述の糖鎖化合物の第一の態様および第二の態様における糖残基の数および1,2-シス型の糖残基の存在量の好ましい態様と同じである。

【0165】
なお、次の脱保護工程において効果的に脱保護を行うために、R16およびR20は、アセチル基またはベンジル基であることが特に好ましい。

【0166】
なお、α型(1,2-シス型)では1位(アノマー位)の1H-NMRのカップリング定数が2~3Hzであるのに対し、β型(1,2-トランス型)では8~10Hzであること、およびα型はβ型に比べて化学シフト値が低磁場に移動することから、これらを確認することによりα型への異性化を確認することができる。

【0167】
(4.脱保護工程)
脱保護工程では、異性化工程までの反応により得られた糖鎖化合物において、ヒドロキシ基およびアミノ基に施されていた保護の脱保護を行う。これにより、上述の第一の態様に係る糖鎖化合物のうち、式(I)においてR、RおよびRが水素原子、Rが水素原子またはアセチル基である糖鎖化合物、および式(II)においてR、RおよびRが水素原子、Rが水素原子またはアセチル基である糖鎖化合物、ならびに上述の第一の態様に係る糖鎖化合物のうち、式(III)においてR、R、R、R、R、R、およびR10が水素原子、Rが水素原子またはアセチル基である糖鎖化合物、および式(IV)においてR、R、R、R、R、R、およびR10が水素原子、Rが水素原子またはアセチル基である糖鎖化合物を得ることができる。

【0168】
脱保護は、類似の公知の反応に用いられる方法を使用することができる。例えば、水酸化ナトリウム-メタノール、あるいはナトリウムメトキシドを用いた加メタノール分解による方法、および水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、あるいは水酸化カリウムを用いた加水分解による方法などにより脱保護を行うことができる。

【0169】
脱保護工程の後、ヒドロキシ基および(N-アセチル)アミノ基への修飾を行ってもよい。当該修飾としては、ヒドロキシ基または(N-アセチル)アミノ基の水素原子を、アルキル基、ハロアルキル基、アシル基、アリル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、またはアルキルシリル基等へ置換することが挙げられる。

【0170】
水素原子におけるこれらの基への置換は、当業者であれば従来公知の類似の方法を参照して適宜条件設定を行い、実施することが可能である。

【0171】
(まとめ)
本発明に係る糖鎖化合物の第一の態様は、下記(a)または(b)に記載の糖鎖化合物であって、該糖鎖化合物は複数の糖残基を有し、1,2-シス型の糖残基を含む、糖鎖化合物である。
(a)下記式(I)または(I’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖。
(b)下記式(II)または(II’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖。

【0172】
【化24】
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【0173】
(式(I)および(I’)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アシル基、アリル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基、カルボキシフルオロアルキル基またはスルホ基を表し、波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。式(I’)中、R24は、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。)

【0174】
【化25】
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【0175】
(式(II)および(II’)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アシル基、アリル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基、カルボキシフルオロアルキル基またはスルホ基を表し、波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。式(II’)中、R24は、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。)
また、本発明に係る糖鎖化合物の第一の態様では、オリゴ糖であることが好ましい。

【0176】
また、本発明に係る糖鎖化合物の第一の態様において、糖残基の数は2~16であることが好ましい。

【0177】
また、本発明に係る糖鎖化合物の第一の態様において、全ての糖残基が1,2-シス型であることが好ましい。

【0178】
また、本発明に係る糖鎖化合物の第一の態様において、10%以上の糖残基が1,2-シス型であることが好ましい。

【0179】
本発明に係る糖鎖化合物の第二の態様は、下記(c)または(d)に記載の糖鎖化合物であって、該糖鎖化合物は複数の糖残基を有し、1,2-シス型の糖残基を1以上含む、糖鎖化合物である。
(c)下記式(III)または(III’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。
(d)下記式(IV)または(IV’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。

【0180】
【化26】
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【0181】
(式(III)および(III’)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表し、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表し、Rは、-CHORまたは-COOR10を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アシル基、アリル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、リン酸基、スルホ基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表し、R10は、水素原子、メチル基、エチル基、ベンジル基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基またはtert-ブチル基を表し、波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。式(III’)中、R24は、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。)

【0182】
【化27】
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【0183】
(式(IV)および(IV’)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表し、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表し、Rは、-CHORまたは-COOR10を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、リン酸基、スルホ基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基またはカルボキシフルオロアルキル基を表し、R10は、水素原子、メチル基、エチル基、ベンジル基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基またはtert-ブチル基を表し、波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。式(IV’)中、R24は、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。)
また、本発明に係る糖鎖化合物の第二の態様では、下記(e)または(f)に記載の糖鎖化合物であることが好ましい。
(e)下記式(IIIa)または(IIIa’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。
(f)下記式(IVa)または(IVa’)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。

【0184】
【化28】
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【0185】
(式(IIIa)および(IIIa’)におけるR~R、R~Rおよび波線は、上記式(III)および(III’)における定義と同じである。また、式(IIIa’)におけるR24は、上記式(III’)における定義と同じである。)

【0186】
【化29】
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【0187】
(式(IVa)および(IVa’)におけるR~R、R~Rおよび波線は、上記式(IV)および(IV’)における定義と同じである。また、式(IVa’)におけるR24は、上記式(IV’)における定義と同じである。)
また、本発明に係る糖鎖化合物の第二の態様では、糖残基の数が4~15であることが好ましい。

【0188】
本発明に係る糖鎖化合物の第三の態様は、下記(g)または(h)に記載の糖鎖化合物であって、該糖鎖化合物は複数の糖残基を有し、1,2-シス型の糖残基を1以上含む、糖鎖化合物である。
(g)下記式(V)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖。
(h)下記式(VI)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖。

【0189】
【化30】
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【0190】
(式(V)中、R16は、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R23は、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)

【0191】
【化31】
JP2014132468A1_000033t.gif

【0192】
(式(VI)中、R17は、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R23は、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
本発明に係る糖鎖化合物の第四の態様は、下記(i)または(j)に記載の糖鎖化合物であって、該糖鎖化合物は複数の糖残基を有し、1,2-シス型の糖残基を1以上含む、糖鎖化合物である。
(i)下記式(VII)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。(j)下記式(VIII)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖。

【0193】
【化32】
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【0194】
(式(VII)中、R16およびR18~R20は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R23は、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)

【0195】
【化33】
JP2014132468A1_000035t.gif

【0196】
(式(VIII)中、R17~R20は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R23は、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
本発明に係る糖鎖化合物の製造方法は、1,2-シス型の糖残基を含む糖鎖化合物の製造方法であって、
(i)下記(k)、(l)、(m)または(n)に記載の糖鎖化合物を準備する工程、
(k)下記式(Ib)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖、
(l)下記式(IIb)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されている多糖またはオリゴ糖、
(m)下記式(IIIb)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖、
(n)下記式(IVb)で示される糖単位が繰り返し結合して形成されているオリゴ糖、

【0197】
【化34】
JP2014132468A1_000036t.gif

【0198】
(式(Ib)中、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基またはリン酸基を表し、R15およびR16は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)

【0199】
【化35】
JP2014132468A1_000037t.gif

【0200】
(式(IIb)中、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基またはリン酸基を表し、R15およびR17は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)

【0201】
【化36】
JP2014132468A1_000038t.gif

【0202】
(式(IIIb)中、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基またはリン酸基を表し、R15、R16、R18およびR19は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R20は、-CHOR21または-COOR22を表し、R21は、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基、カルボキシフルオロアルキル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R22は、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基またはアシル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)

【0203】
【化37】
JP2014132468A1_000039t.gif

【0204】
(式(IVb)中、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基またはリン酸基を表し、R15、R17、R18およびR19は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、スルホ基、リン酸基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R20は、-CHOR21または-COOR22を表し、R21は、水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基、スルホ基、リン酸基、スルホ基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基、フルオロアシル基、カルボキシフルオロアルキル基、トリアルキルシリル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基を表し、R22は、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリル基、アリール基またはアシル基を表す。波線は、独立に、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。)
(ii)上記(i)の工程で準備した上記糖鎖化合物にカルバメート基を導入する工程、および、
(iii)カルバメート基が導入された上記糖鎖化合物を、有機溶媒中、塩酸、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドもしくはトリフルオロ酢酸または弱酸性のルイス酸と反応させる工程、
を含む、糖鎖化合物の製造方法である。

【0205】
また、本発明に係る糖鎖化合物の製造方法において、上記(ii)の工程で得られた上記糖鎖化合物のカルバメート基の窒素原子には、水素原子が結合しており、上記(iii)の工程に先立って、該水素原子を、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基で置換することを含むことが好ましい。

【0206】
また、本発明に係る糖鎖化合物の製造方法では、上記(iii)の工程を25℃以下で行うことが好ましい。

【0207】
また、本発明に係る糖鎖化合物の製造方法において、上記(iii)の工程で得られる上記糖鎖化合物の保護基の脱保護を行う工程をさらに含むことが好ましい。

【0208】
また、本発明に係る糖鎖化合物の製造方法において、上記(iii)の工程では、上記糖鎖化合物を、弱酸性のルイス酸である三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体と反応させることが好ましい。

【0209】
また、本発明に係る糖鎖化合物の製造方法において、上記(iii)の工程の反応に供される上記糖鎖化合物のカルバメート基の窒素原子に、アセチル基が結合していることが好ましい。

【0210】
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本願の優先権主張の基礎となる日本国特許出願「特願2013-041312」、および本明細書において言及されている全ての特許文献、および他の刊行物は、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0211】
実施例に示す化学式中、「NPhth」は、フタルイミドを表し、「MP」は、p-メトキシフェニルを表し、「Bn」は、ベンジルを表し、「Bz」は、ベンゾイルを表し、「Ac」は、アセチルを表し、「TBDPS」は、tert-ブチルジフェニルシリルを表し、「TBS」は、tert-ブチルジメチルシリルを表し、「SPh」はチオフェニルを表す。波線は、エクアトリアルまたはアキシアルの立体配置を示す結合を表す。また、式(1)で示される化合物を化合物(1)と称し、式(2)で示される化合物を化合物(2)と称する。式(3)以降の化合物も同様である。
【実施例】
【0212】
〔実施例1:1,4-α(N-アセチル)グルコサミンオリゴマーの合成1〕
(1-1:二糖の合成)
【実施例】
【0213】
【化38】
JP2014132468A1_000040t.gif
【実施例】
【0214】
化合物(1)(0.74g、1.27mmol)および化合物(2)(0.63g、1.16mmol)を塩化メチレン(15mL)に溶解した溶液に、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(21μL、0.174mmol)を、-60℃で添加した。12時間後、混合液中にトリエチルアミンを添加して、混合液を中和した。次いで、混合液をクロロホルムおよび飽和炭酸水素ナトリウム溶液にて希釈した。クロロホルムを用いて水層を抽出し、合わせた層をブラインにて洗浄した後、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濃縮した。粗製物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=7:3~1:1)を用いて精製し、化合物(3)を得た(1.03g、収率:92%)。
1H-NMR δ 7.82-7.79 (m, 4H), 7.71-7.58 (m, 4H), 7.42-7.10 (m, 8H), 6.76 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 6.63 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 5.82 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 5.76 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.71 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.58 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.47 (s, 1H), 4.39 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 4.28-4.16 (m, 4H), 4.10 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 3.71-3.69 (m, 3H), 3.67 (s, 3H), 3.58 (m, 2H), 1.95 (s, 3H), 1.85 (s, 3H); 13C-NMR δ 170.2, 169.7, 167.9, 155.5, 150.5, 137.9, 136.7, 134.3, 131.4, 129.2, 129.0, 128.2, 128.2, 128.2, 127.5, 127.4, 126.2, 126.2, 125.3, 123.6, 119.0, 114.3, 101.7, 98.4, 97.4, 79.0, 75.5, 74.4, 72.7, 72.1, 69.6, 68.6, 67.3, 66.1, 55.7, 55.5, 54.9, 21.4, 20.8, 20.5; HRMS calcd for [C53H48N2O16+Na]+991.2896, found 991.2908.
(1-2:四糖の合成)
【実施例】
【0215】
【化39】
JP2014132468A1_000041t.gif
【実施例】
【0216】
化合物(3)(0.64g、0.67mmol)を塩化メチレン(20mL)に溶解した溶液に、トリエチルシラン(1.2mL、7.51mmol)および三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.19mL、1.33mmol)を、4℃で添加した。2時間後、混合液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびクロロホルムにて希釈した。クロロホルムを用いて水層を抽出し、有機層をブラインにて洗浄した。抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=7:3~1:1)を用いて精製し、化合物(4)を得た(0.55g、収率:82%)。
1H-NMR δ 7.81 (m, 4H), 7.69 (m, 4H), 7.33-7.16 (m, 10H), 7.33-7.16 (m, 1H), 6.76 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.63 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 5.72 (t, J = 10.0 Hz, 1H), 5.69 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.57 (t, J = 10.8 Hz, 1H), 5.46 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.55 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.49 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.42-4.27 (m, 3H), 4.14-4.09 (m, 2H), 3.84-3.74 (m, 2H), 3.77-3.45 (m, 8H), 3.71 (s, 3H), 1.89 (s, 3H), 1.86 (s, 3H); 13C-NMR δ 171.0, 170.0, 155.5, 150.6, 138.1, 137.4, 134.2, 131.5, 128.5, 128.2, 127.9, 127.7, 127.4, 123.5, 118.9, 114.3, 97.4, 97.2, 74.5, 74.4, 73.6, 73.5, 73.2, 72.7, 71.6, 70.0, 67.5, 55.5, 54.9, 20.6; HRMS calcd for [C53H50N2O16+Na]+993.3053, found 993.3070.
【実施例】
【0217】
【化40】
JP2014132468A1_000042t.gif
【実施例】
【0218】
化合物(4)(0.30g、0.309mmol)をピリジン(3mL)に溶解し、ここに無水酢酸(1mL)を添加した。混合液を室温にて一晩攪拌した後、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=4:1)を用いて精製し、化合物(5)を得た(0.31g、収率:100%)。
1H-NMR δ 7.81 (m, 4H), 7.70-7.69 (m, 4H), 7.35-7.17 (m, 10H), 6.76 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 6.63 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 5.73 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 5.70 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.57 (t, J = 9.2 Hz, 1H), 5.47 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.55 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.49 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.42-4.27 (m, 3H), 4.14-4.09 (m, 2H), 3.81 (t, J = 9.2 Hz, 1H), 3.76 (dd, J = 10.0, 4.4 Hz, 1H), 3.69-3.66 (m, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.58 (m, 1H), 3.51-3.42 (m, 3H), 1.88 (s, 3H), 1.85 (s, 3H); 13C-NMR δ 171.0, 170.0, 155.5, 150.6, 138.1, 137.3, 134.2, 131.4, 128.5, 128.2, 127.9, 127.7, 127.4, 123.5, 118.9, 114.3, 97.3, 97.2, 74.5, 74.4, 73.6, 73.5, 73.2, 72.7, 71.6, 71.4, 70.0, 67.5, 55.5, 54.9, 54.9, 21.6, 20.6; HRMS calcdfor [C55H52N2O17+Na]+1035.3158, found 1035.3168.
【実施例】
【0219】
【化41】
JP2014132468A1_000043t.gif
【実施例】
【0220】
化合物(5)(1.19g、1.18mmol)をトルエン(14mL)に溶解した溶液に、アセトニトリル(18mL)、水(14mL)およびヘキサニトラトセリウム(IV)酸アンモニウム(3.2mL、3.66mmol)を、4℃で添加した。2時間後、混合液を水およびクロロホルムにて希釈した。水層と有機層とを分離させた後、クロロホルムを用いて水層を抽出し、合わせた層をブラインにて洗浄した。合わせた層を硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル)を用いて精製し、ヘミアセタールを得た。
【実施例】
【0221】
このヘミアセタールを塩化メチレン(10mL)に溶解し、ここに三フッ化N,N-ジエチルアミノ硫黄(0.23mL)を添加した。30分後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加して反応を停止させた。クロロホルムを用いて水層を抽出し、合わせた層をブラインにて洗浄した。濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル)を用いて精製し、化合物(6)を1.10g得た。
【実施例】
【0222】
【化42】
JP2014132468A1_000044t.gif
【実施例】
【0223】
化合物(6)(1.22g、1.34mmol)および化合物(4)(0.97g、1.00mmol)を塩化メチレン(20mL)に溶解した溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸ハフニウム(1.16g、1.50mmol)を-40℃で添加した。混合物を、-40℃で1時間攪拌した後、-20℃で1時間攪拌し、さらに、0℃で3時間攪拌した。次いで、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加して反応を停止させた。酢酸エチルにて希釈し、セライト濾過した。酢酸エチルにて水層を抽出した。合わせた有機層をブラインにて洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=7:3~1:1)を用いて残留物を精製し、4糖である化合物(7)を得た(1.54g、収率:83%)。
1H-NMR δ 7.88-7.85 (m, 4H), 7.78-7.72 (m, 8H), 7.67-7.65 (m, 4H), 7.33-7.18 (m, 17H), 7.15-7.12 (m, 2H), 7.12-7.10 (m, 2H), 6.90 (m, 1H), 6.74-7.64 (m, 2H), 6.61-6.60 (m, 2H), 5.66-5.61 (m, 3H), 5.46-5.43 (m, 2H), 5.33 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.23-5.13 (m, 3H), 4.50-4.32 (m, 10H), 4.14-3.98 (m, 7H), 3.65 (s, 3H), 3.56-3.46 (m, 4H), 3.40-3.32 (m, 4H), 3.26 (dd, J = 10.4, 8.4, Hz, 1H), 3.18 (dd, J = 10.4, 8.4 Hz, 1H), 3.00 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 2.74 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 1.83 (s, 3H), 1.78 (s, 3H), 1.78 (s, 3H), 1.77 (s, 3H), 1.63 (s, 3H); 13C-NMR δ 170.3, 170.2, 169.4, 168.1, 167.2, 155.4, 150.6, 138.2, 138.1, 137.9, 137.6, 134.3, 131.4, 129.0, 128.3, 128.2, 128.0, 127.9, 127.8, 127.7, 127.4, 127.3, 127.2, 127.1, 126.9, 125.3, 123.6, 123.5, 118.8, 114.3, 97.4, 96.5, 96.4, 95.9, 74.4, 73.9, 73.6, 73.4, 73.3, 72.8, 72.6, 72.5, 72.2, 72.2, 72.1, 70.9, 70.9, 70.7, 69.4, 55.5, 55.3, 55.2, 55.0, 54.8, 21.4, 20.6, 20.5, 20.4; [α] -3.2 (c 1.2, CHCl3); HRMS calcd for [C101H94N4O31+Na]+1181.5794, found 1881.5810.
(1-3:カルバメート基の導入)
【実施例】
【0224】
【化43】
JP2014132468A1_000045t.gif
【実施例】
【0225】
化合物(7)(2.00g、1.08mmol)を、ジメチルホルムアミド(10mL)およびエチレンジアミン(5mL)の混合溶液に溶解し、窒素雰囲気下で2日間、80℃で攪拌した。濃縮後、Sephadex LH-20(クロロホルム:メタノール=1:1)を用いて粗製物を精製し、化合物(8)を得た(1.28g、収率:100%)。
【実施例】
【0226】
【化44】
JP2014132468A1_000046t.gif
【実施例】
【0227】
化合物(8)(430.0mg、0.381mmol)および炭酸水素ナトリウム(640mg、7.62mmol)を、アセトニトリル(12mL)および水(3mL)の混合溶液に溶解し、ここにトリホスゲン(362.0mg、1.22mmol)を添加した。12時間後、トリホスゲン(180.0mg、0.61mmol)および炭酸水素ナトリウム(320.0mg、3.81mmol)をさらに添加した。混合液をクロロホルムおよびブラインにて希釈し、クロロホルムを用いて抽出した。合わせた層をブラインにて洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)を用いて残留物を精製し、化合物(9)を得た(303mg、収率:64%)。
1H-NMR δ7.31-7.24 (m, 20H), 6.97 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.80 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.21 (s, 1H), 6.10 (s, 1H), 5.91 (s, 1H), 5.82 (s, 1H), 5.00 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.69-4.43 (m, 11H), 4.21 (m, 2H), 4.20 (m, 2H), 3.98-3.96 (m, 4H), 3.78-3.60 (m, 12H), 3.76 (s, 3H), 3.53-3.45 (m, 4H), 3.31-3.30 (m, 3H), 3.14 (s, 1H),13C-NMR δ 159.2, 159.1, 154.9, 150.0, 138.8, 138.5, 138.4, 128.2, 128.2, 127.5, 118.1, 114.5, 100.2, 100.2, 98.9, 79.2, 78.8, 78.6, 77.1, 76.5, 74.4, 72.6, 72.2, 68.1, 66.7, 58.7, 58.5, 55.4, 55.4; [α] -24.5 (c 0.60, CHCl3).
【実施例】
【0228】
【化45】
JP2014132468A1_000047t.gif
【実施例】
【0229】
化合物(9)(39.0mg、0.0316mmol)およびN,N-ジメチル-4-アミノピリジン(1.1mg、0.0063mmol)をピリジン(0.1mL)に溶解し、ここに無水酢酸(0.1mL、1.06mmol)を添加した。混合液を、室温にて一晩攪拌した。濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=7:3)を用いて粗製物を精製し、化合物(10)を得た(31.9mg、収率:70%)。
1H-NMR δ 7.38-7.26 (m, 20H), 7.09 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.82 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 5.54 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 5.30-5.26 (m, 4H), 4.65-4.35 (m, 12H), 4.35-3.05 (m, 10H), 3.89-3.66 (m, 10H), 3.77 (s, 3H), 2.51 (s, 3H), 2.45 (s, 6H), 2.46 (s, 3H), 2.12 (s, 3H); 13C-NMR δ 170.6, 170.4, 170.3, 169.8, 155.4, 153.2, 153.1, 153.1, 150.9, 138.0, 137.9, 137.8, 137.5, 128.4, 127.9, 127.8, 118.5, 114.6, 99.3, 99.3, 97.8, 96.9, 79.4, 78.5, 78.4, 78.4, 75.9, 75.8, 75.7, 75.5, 75.1, 74.9, 74.8, 73.6, 73.3, 71.2, 71.0, 70.9, 70.9, 70.4, 60.5, 60.4, 60.0, 55.7, 24.5, 24.4, 24.4, 10.8; [α] - 110 (c 0.55, CHCl3).
(1-4:異性化反応)
【実施例】
【0230】
【化46】
JP2014132468A1_000048t.gif
【実施例】
【0231】
化合物(10)(60.0mg、0.0416mmol)をアセトニトリル(0.6mL)に溶解した溶液に、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(11μl、0.0832mmol)を0℃で添加した。混合液を、0℃で10時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加して反応を停止させた。クロロホルムを用いて水層を抽出し、合わせた層をブラインにて洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて残留物を精製し、化合物(11)を得た(38.2mg、収率:54%)。
1H-NMR δ7.31-7.21 (m, 20H), 6.94 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.78 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.17 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 6.02 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.00 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.99 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.37 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 4.79 (t, J = 12.0 Hz, 1H), 4.53-4.26 (m, 15H), 3.90-3.60 (m, 14H), 3.72 (s, 3H), 3.50 (t, J = 11.6 Hz, 1H), 3.35-3.34 (m, 2H), 2.48 (s, 6H), 2.47 (s, 3H), 2.47 (s, 3H), 1.99 (s, 3H); 13C-NMR δ 177.6, 171.5, 171.3, 171.1, 168.9, 155.8, 152.7, 152.5, 152.5, 152.5, 149.9, 137.7, 137.6, 137.4, 128.4, 128.4, 127.9, 127.8, 127.5, 127.4, 127.3, 118.7, 114.7, 95.8, 95.5, 95.5, 75.4, 75.2, 75.2, 74.6, 74.2, 73.9, 73.8, 73.5, 73.5, 73.0, 72.7, 72.1, 68.1, 67.8, 67.7, 67.6, 67.3, 59.9, 59.9, 59.8, 55.6, 23.7, 23.6, 20.6; HRMS calcd for [C73H78N4O27+Na]+1465.4746, found 1465.4747.
〔実施例2:1,4-α(N-アセチル)グルコサミンオリゴマーの合成2〕
化合物(10)の合成までは、実施例1と同様にして行った。
【実施例】
【0232】
(2-1:化合物(10)のアセチル化)
【実施例】
【0233】
【化47】
JP2014132468A1_000049t.gif
【実施例】
【0234】
化合物(10)(200mg,0.162mmol)と20%Pd(OH)/C(50mg)のエタノール(8mL)と酢酸(8mL)との懸濁液を、水素雰囲気下、2時間撹拌した。触媒をろ紙で濾過し、酢酸で洗浄した。反応液を濃縮した後、ペンタノールカルバメート化合物を得た(71.0mg,52%)。得られたペンタノールカルバメート化合物(35.3mg,0.0404mmol)にDMAP(1mg,0.008mmol)を加え、ここにピリジン(0.5mL)および無水酢酸(0.5 mL)を加えて、室温にて終夜撹拌した。反応液を濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物(43)を得た(39.7mg,78%)。
1H-NMR δ 7.08 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.83 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 5.64 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 5.31-5.28 (m, 3H), 5.14 (dd, J = 9.6, 3.2 Hz, 1H), 4.61-4.08 (m, 25H), 3.97 (dd, J = 12.8, 6.4 Hz, 1H), 3.90-3.83 (m, 2H), 3.77 (s, 3H), 2.52 (s, 12H), 2.14 (s, 3H), 2.12 (s, 12H); 13C-NMR δ 170.4, 170.4, 169.6, 155.4, 153.0, 152.7, 152.7, 152.6, 150.7, 118.2, 114.5, 98.9, 98.7, 98.2, 98.1, 78.3, 76.2, 76.1, 76.0, 75.9, 75.6, 74.6, 70.1, 64.5, 64.4, 64.3, 60.5, 55.7, 24.3, 21.0, 20.8.
(2-2:異性化反応)
【実施例】
【0235】
【化48】
JP2014132468A1_000050t.gif
【実施例】
【0236】
化合物(43)(39.0mg、0.320mmol)をアセトニトリル(0.3mL)に溶解した溶液に、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(9μL、0.0624mmol)を0℃で添加した。混合液を、0℃で3時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加して反応を停止させた。クロロホルムを用いて水層を抽出し、合わせた層をブラインにて洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて残留物を精製し、化合物(44)を得た(32.2mg、収率:83%)。
1H-NMR δ 6.96 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.82 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.17 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.00 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 5.98 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.97 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 5.32 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 4.79 (t, J = 9.2 Hz, 1H), 4.76-4.40 (m, 6H), 4.28-4.08 (m, 9H), 4.02-3.98 (m, 2H), 3.91-3.37 (m, 4H), 3.87-3.74 (m, 3H), 3.80 (s, 3H), 2.56 (s, 3H), 2.55 (s, 3H), 2.54 (s, 3H), 2.52 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.09 (s, 3H); 13C-NMR δ 171.9, 171.8, 171.8, 171.1, 170.5, 170.4, 170.3, 169.1, 156.0, 152.4, 152.3, 152.1, 149.7, 118.7, 114.7, 96.7, 96.6, 96.3, 95.4, 76.3, 75.9, 75.5, 75.0, 74.5, 74.4, 73.7, 71.9, 71.9, 71.3, 71.1, 67.7, 62.0, 61.8, 61.8, 61.4, 59.8, 59.8, 59.8, 59.7, 55.7, 23.7, 20.8, 20.7.
〔実施例3:ヘパロサンオリゴマーの合成〕
(3-1:二糖の合成)
【実施例】
【0237】
【化49】
JP2014132468A1_000051t.gif
【実施例】
【0238】
化合物(21)(1.00g、1.28mmol)、3-フェニルプロパノール(350μL、2.56mmol)、N-ヨードスクシンイミド(576mg、2.56mmol)およびモレキュラーシーブス(MS)4A(1.00g)を塩化メチレン(10mL)に攪拌懸濁させた溶液に、アルゴン雰囲気下、0℃でトリフルオロメタンスルホン酸(35μL)を添加した。混合液を、アルゴン雰囲気下、0℃で30分攪拌した後、チオ硫酸ナトリウムの10%水溶液を添加して反応を停止させ、セライトパッドを通して濾過した。次いで、クロロホルムを用いて濾液を抽出した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインにて元の層を洗浄した。抽出物は、硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、真空乾燥にて濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=97:3~95:5)を用いて精製し、化合物(22)を得た(854mg、収率:83%、無色油状)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.06-8.04 (m, 2H), 7.68-7.63 (m, 4H), 7.57-7.55 (m, 1H), 7.46-7.31 (m, 8H), 7.19-7.09 (m, 8H), 6.98-6.94 (m, 2H), 5.35 (dd, J = 9.6, 7.8 Hz, 1H), 5.26 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 4.63 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 4.56 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.51 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 3.91-3.85 (m, 2H), 3.73-3.68 (m, 2H), 3.65-3.60 (m, 2H), 3.55-3.51 (m, 1H), 3.48-3.39 (m, 1H), 2.59-2.46 (m, 2H), 1.89-1.78 (m, 2H), 1.03 (s, 9H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 165.6, 164.9, 141.5, 137.6, 135.6, 135.6, 133.2, 133.1, 129.7, 129.6, 128.4, 128.3, 128.3, 128.1, 128.0, 127.7, 127.6, 127.6, 125.6, 100.9, 80.1, 74.6, 73.8, 73.6, 71.3, 68.4, 62.6, 40.3, 31.8, 31.0, 26.6, 19.1; [α]20D +15.6 (c 0.68, CHCl3); HRMS calcd for [C47H51ClO7Si+Na]+829.2939, found 829.2932.
【実施例】
【0239】
【化50】
JP2014132468A1_000052t.gif
【実施例】
【0240】
化合物(22)(854mg、1.06mmol)をエタノール(20mL)およびピリジン(4mL)の混合溶液に溶解した攪拌溶液に、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(593mg、5.29mmol)を室温にて添加した。混合液を55℃で2.5時間攪拌した後、真空乾燥にて濃縮した。0.5M HClを用いて残留物を酸性化し、酢酸エチルを用いて抽出した。有機層をブラインにて洗浄し、抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、真空乾燥により濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:4~3:7)を用いて精製し、化合物(23)を得た(661mg、収率:86%、無色非晶質)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.07 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.72-7.70 (m, 4H), 7.58 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.47-7.36 (m, 8H), 7.28-7.10 (m, 8H), 6.94 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 5.28 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 4.77 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 4.73 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 4.52 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 3.96-3.81 (m, 4H), 3.71 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 3.29-3.44 (m, 1H), 3.41-3.37 (m, 1H), 2.84 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 2.57-2.44 (m, 2H), 1.87-1.72 (m, 2H), 1.31-1.26 (m, 1H), 1.07 (s, 9H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ165.2, 141.6, 138.0, 135.7, 135.6, 133.1, 133.0, 132.8, 130.0, 129.8, 129.8, 128.4, 128.4, 128.1, 128.0, 127.8, 127.7, 125.6, 101.0, 82.3, 74.8, 74.4, 73.5, 72.2, 68.3, 64.5, 31.8, 31.0, 26.8, 19.2; [α]20D+3.4 (c 0.64, CHCl3); HRMS calcd for [C45H50O7Si+Na]+753.3223, found 753.3220.
【実施例】
【0241】
【化51】
JP2014132468A1_000053t.gif
【実施例】
【0242】
化合物(23)(1.01g、1.38mmol)、化合物(24)(1.10g、2.07mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(532mg、2.07mmol)およびMS4A(2.00g)を塩化メチレン(10mL)に攪拌懸濁させた溶液に、アルゴン雰囲気下、-20℃でフェニルスルフェニルクロリド(240μL、2.07mmol)を添加した。混合液を、アルゴン雰囲気下、-20℃で30分攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加して反応を停止させた。室温で15分間攪拌した後、セライトパッドを通して濾過した。次いで、クロロホルムを用いて濾液を抽出した。有機層をブラインにて洗浄し、抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、真空乾燥により濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1~3:2)を用いて精製し、化合物(25)を得た(1.03g、収率:65%、無色非晶質)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.00-7.96 (m, 2H), 7.77-7.71 (m, 6H), 7.68-7.65 (m, 2H), 7.53 (m, 1H), 7.47-7.41 (m, 8H), 7.38-7.31 (m, 6H), 7.28-7.26 (m, 1H), 7.18-7.16 (m, 3H), 7.12-7.06 (m, 3H), 6.89-6.87 (m, 2H), 5.90 (t, J = 9.2 Hz, 1H), 5.73 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.43 (s, 1H), 5.18 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 4.86 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 4.72 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 4.44 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 4.33-4.26 (m, 3H), 3.76-3.54 (m, 8H), 3.16-3.11 (m, 2H), 2.48-2.36 (m, 2H), 1.89 (s, 3H), 1.78-1.64 (m, 2H), 1.07 (s, 9H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 170.1, 167.6, 165.1, 141.6, 138.4, 136.9, 136.2, 135.8, 134.4, 133.6, 133.0, 132.9, 131.2, 130.1, 129.8, 129.7, 129.6, 129.1, 128.3, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.7, 127.4, 127.4, 126.2, 125.6, 123.5, 101.6, 100.5, 96.8, 80.1, 79.4, 75.6, 74.2, 73.7, 73.2, 69.6, 68.6, 67.8, 66.0, 62.3, 56.1, 31.7, 30.9, 26.8, 20.6, 19.5; [α]20D+13.1 (c 0.91, CHCl3); HRMS calcd for [C68H69NO14Si+Na]+1174.4385, found 1174.4387.
(3-2:三糖の合成)
【実施例】
【0243】
【化52】
JP2014132468A1_000054t.gif
【実施例】
【0244】
化合物(25)(3.62g、3.14mmol)を塩化メチレン(30mL)に溶解した攪拌溶液に、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(890μL、6.28mmol)およびトリエチルシラン(6mL、37.7mmol)を、アルゴン雰囲気下、0℃で添加した。混合液を、アルゴン雰囲気下、0℃で3.5時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加して反応を停止させ、クロロホルムを用いて抽出した。有機層をブラインにて洗浄し、抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、真空乾燥により濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3~3:2)を用いて精製し、化合物(26)を得た(3.43g、収率:94%、無色非晶質)。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.96 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.77-7.72 (m, 6H), 7.69-7.64 (m, 2H), 7.56-7.52 (m, 1H), 7.45-7.40 (m, 5H), 7.36-7.26 (m, 15H), 7.19-7.15 (m, 4H), 7.09-7.06 (m, 6H), 6.89-6.87 (m, 2H), 5.77 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 5.66 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.18 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 4.84 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 4.69 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 4.48 (s, 2H), 4.41 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 4.31 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.24 (dd, J = 10.8, 8.4 Hz, 1H), 3.84-3.70 (m, 5H), 3.63-3.60 (m, 3H), 3.16-3.11 (m, 2H), 2.47 -2.42 (m, 2H), 1.92 (s, 3H), 1.79-1.71 (m, 1H), 1.68-1.63 (m, 1H), 1.04 (s, 9H), 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 170.8, 167.7, 165.2, 141.6, 138.4, 137.4, 136.1, 135.8, 134.2, 133.7, 132.9, 131.3, 130.1, 129.8, 129.6, 129.6, 128.5, 128.3, 128.3, 128.1, 128.1, 127.9, 127.7, 127.4, 127.2, 125.6, 123.5, 100.5, 96.4, 79.9, 75.6, 74.0, 73.7, 73.6, 73.2, 73.0, 72.5, 70.4, 67.8, 62.3, 55.3, 31.7, 30.9, 26.8, 20.7, 19.5; [α]20D+18.4 (c 0.87, CHCl3); HRMS calcd for [C68H71NO14Si+Na]+1176.4541, found 1176.4541.
【実施例】
【0245】
【化53】
JP2014132468A1_000055t.gif
【実施例】
【0246】
化合物(26)(309mg、0.268mmol)および化合物(27)(244mg)を塩化メチレン(1.9mL)に溶解した攪拌溶液に、塩化メチレンに溶解した三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(75μL/mL、0.1mL、0.0536mmol)を、アルゴン雰囲気下、-40℃で添加した。混合液を、アルゴン雰囲気下、-40℃で1.5時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加して反応を停止させ、クロロホルムを用いて抽出した。有機層をブラインにて洗浄し、抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、真空乾燥により濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1~1:1)を用いて精製し、化合物(28)を得た(349mg、収率:82%、無色非晶質)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.91 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.78 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.72-7.62 (m, 8H), 7.54-7.47 (m, 4H), 7.41-7.22 (m, 21 H), 7.13-7.05 (m, 11 H), 7.00-6.94 (m, 3H), 6.86 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 5.67 (dd, J = 10.4, 8.8 Hz, 1H), 5.55 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 5.54 (s, 1H), 5.16 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.13 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.85 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 4.76 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 4.68 (d, J = 12.4Hz, 1H), 4.67-4.63 (m, 2H), 4.51 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.39-4.31 (m, 2H), 4.28-4.21 (m, 3H), 4.07 (t, J = 10.0 Hz, 1H), 3.77-3.57 (m, 7H), 3.47 (dd, J = 11.6, 2.4 Hz, 1H), 3.36-3.24 (m, 3H), 3.13-3.07 (m, 2H), 2.43-2.37 (m, 2H), 1.86 (s, 3H), 1.73-1.61 (m, 2H), 0.83 (s, 9H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ169.7, 167.6, 165.2, 164.4, 141.6, 138.4, 138.1, 137.9, 137.1, 136.1, 135.6, 134.2, 134.0, 133.3, 133.2, 132.9, 131.4, 130.1, 129.8, 129.5, 129.4, 129.1, 128.5, 128.3, 128.3, 128.2, 128.2, 128.1, 127.9, 127.9, 127.8, 127.7, 127.5, 127.4, 127.1, 126.0, 125.
5, 123.6, 123.4, 101.3, 101.0, 100.5, 96.1, 81.7, 79.6, 77.7, 77.3, 75.6, 75.6, 74.5, 73.7, 73.5, 73.2, 73.1, 71.3, 68.7, 67.8, 66.6, 66.0, 62.3, 55.6, 31.7, 30.9, 26.5, 20.7, 19.3; [α]20D +36.6 (c 0.77, CHCl3); HRMS calcd for [C95H95NO20Si+Na]+1620.6115, found 1620.6125.
(3-3:四糖の合成)
【実施例】
【0247】
【化54】
JP2014132468A1_000056t.gif
【実施例】
【0248】
化合物(28)(3.90g、2.44mmol)を酢酸(72mL)に溶解した攪拌溶液に、60℃で水(18mL)を添加した。混合液を60℃で23時間攪拌した後、真空乾燥により濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=7:3 ~ クロロホルム:メタノール=97:3)を用いて精製し、化合物(29)を得た(2.81g、収率:76%、無色非晶質)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.92 (dd, J = 8.0, 1.2 Hz, 2H), 7.82 (dd, J = 8.0, 0.8 Hz, 2H), 7.69-7.62 (m, 8H), 7.54-7.49 (m, 2H), 7.41-7.13 (m, 22H), 7.09-7.05 (m, 3H), 7.00-6.94 (m, 3H), 6.85 (dd, J = 8.0, 2.0 Hz, 2H), 5.67 (dd, J = 10.8, 8.8 H, 1H), 5.54 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.15 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 5.12 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 4.86 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 4.70-4.63 (m, 3H), 4.55 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 4.51 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 4.37 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 4.31 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 4.28-4.23 (m, 2H), 4.09 (t, J = 9.2 Hz, 1H), 3.86 (dd, J = 12.0, 3.2 Hz, 1H), 3.73-25.57 (m, 6H), 3.51-3.47 (m, 2H), 3.42 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.38-3.28 (m, 2H), 3.13-3.07 (m, 2H), 2.44-2.44 (m, 3H), 1.86 (s, 3H), 1.73-1.63 (m, 4H), 0.82 (s, 9H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 170.1, 167.7, 165.2, 164.4, 141.6, 138.4, 138.1, 137.8, 136.1, 135.7, 134.3, 134.0, 133.3, 133.3, 132.9, 132.8, 131.4, 130.1, 129.8, 129.7, 129.5, 129.3, 128.5, 128.5, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 128.0, 127.9, 127.9, 127.8, 127.7, 127.4, 127.1, 125.5, 123.5, 100.5, 100.2, 96.1, 82.5, 79.7, 75.6, 75.2, 74.7, 74.4, 73.8, 73.6, 73.4, 73.3, 73.1, 71.4, 70.8, 67.8, 66.8, 62.8, 62.3, 55.7, 31.7, 30.9, 26.5, 20.6, 19.3; [α]20D+19.0 (c 0.88, CHCl3); HRMS calcd for [C88H91NO20Si+Na]+1532.5802, found 1532.5798.
【実施例】
【0249】
【化55】
JP2014132468A1_000057t.gif
【実施例】
【0250】
化合物(29)(450mg、0.298mmol)を塩化メチレン(3mL)に溶解した攪拌溶液に、2,6-ルチジン(100μL、0.894mmol)およびtert-ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸(140μL、0.596mmol)を0℃で添加した。混合液を0℃で10分間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム溶液を添加して反応を停止させ、クロロホルムを用いて抽出した。有機層をブラインにて洗浄し、抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、真空乾燥により濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)を用いて精製し、化合物(30)を得た(415mg、収率:86%、無色非晶質)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.91 (dd, J = 8.4, 1.2 Hz, 2H), 7.77 (dd, J = 8.4 0.8Hz, 2H), 7.71 (m, 8H), 7.54-7.47 (m, 2H), 7.40-7.21 (m, 15H), 7.15-7.04 (m, 10H), 6.99-6.93 (m, 3H), 6.85 (dd, J = 7.6, 2.0 Hz, 2H), 5.64 (dd, J = 10.8, 8.8 Hz, 1H), 5.54 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.14 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 5.07 (dd, J = 9.2, 8.0 Hz, 1H), 4.86 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 4.70 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.69 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.63 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 4.58 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.56 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.38 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 4.32 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 4.26-4.20 (m, 2H), 4.04 (t, J = 9.2 Hz, 1H), 3.93 (dd, J = 10.0, 4.4 Hz, 1H), 3.79-3.57 (m, 6H), 3.54-3.46 (m, 2H), 3.37 (m, 1H), 3.26-3.20 (m, 3H), 3.12-3.07 (m, 2H), 2.42-2.37 (m, 2H), 1.86 (s, 3H), 1.74-1.59 (m, 4H), 0.89 (s, 9H), 0.80 (s, 9H), 0.08 (s, 3H), 0.07 (s, 3H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 169.9, 167.6, 165.2, 164.4, 141.6, 138.4, 138.2, 138.2, 136.1, 135.6, 134.2, 133.9, 133.2, 133.0, 132.9, 132.8, 131.5, 131.4, 130.1, 129.8, 129.7, 129.5, 128.5, 128.3, 128.2, 128.1, 128.1, 128.0, 127.9, 127.8, 127.7, 127.5, 127.4, 127.1, 125.5, 123.6, 123.4, 100.5, 100.3, 96.1, 81.9, 79.6, 75.6, 75.1, 74.6, 74.1, 73.9, 73.7, 73.6, 73.5, 73.4, 73.1, 72.9, 71.0, 67.7, 66.7, 64.9, 62.3, 55.7, 31.7, 30.9, 26.5, 25.8, 20.7, 19.3, 18.2, -5.5, -5.6; [α]20D+20.6 (c 0.82, CHCl3); HRMS calcd for [C94H105NO20Si2+Na]+1646.6666, found 1646.6659.
【実施例】
【0251】
【化56】
JP2014132468A1_000058t.gif
【実施例】
【0252】
化合物(30)(1.23g、0.757mmol)および化合物(31)(752mg、1.14mmol)を塩化メチレン(10mL)に溶解した攪拌溶液に、アルゴン雰囲気下、-40℃で三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(20μL、0.151mmol)を添加した。混合
液を、アルゴン雰囲気下、-40℃で1時間攪拌した後、-20℃まで昇温させ、さらに1.5時間攪拌した。攪拌後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加して反応を停止させ、クロロホルムを用いて抽出した。有機層をブラインにて洗浄し、抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、真空乾燥により濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3~1:1)およびゲル濾過クロマトグラフィー(Bio-Beads SX-3、BIO-RAD社、トルエン:酢酸エチル=1:1)を用いて精製し、化合物(32)を得た(1.15g、収率:71%、無色非晶質)。また、未反応の化合物(30)を回収した(203mg、収率:17%、無色非晶質)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.90 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.86 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.80-7.60 (m, 9H), 7.52-7.49 (m, 2H), 7.40-7.02 (m, 35H), 7.00-6.90 (m, 3H), 6.85 (dd, J = 6.0, 2.0 Hz, 2H), 5.76 (dd, J = 10.8, 8.8, Hz, 1H), 5.62 (dd, J = 10.8, 8.8, Hz, 1H), 5.51 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.42 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.19 (t, J =9.6 Hz, 1H), 5.14 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 5.01 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 4.82 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.73 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.67 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.60 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.51 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.43 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.38-4.26 (m, 4H), 4.23 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.16 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 4.07 (dd, J = 10.8, 8.4 Hz, 1H), 3.97 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 3.83-3.53 (m, 10H), 3.46-3.31 (m, 4H), 3.24 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.10-3.04 (m, 3H), 2.45-2.30 (m, 2H), 1.83 (s, 3H), 1.73 (s, 3H), 1.50-1.80 (m, 2H), 0.84 (s, 18H), 0.00 (s, 3H), -0.09 (s, 3H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 170.2, 169.9, 167.6, 166.3, 165.2, 164.6, 141.6, 138.4, 138.2, 138.1, 137.5, 136.1, 135.7, 134.5, 133.4, 133.1, 132.9, 132.8, 130.1, 129.8, 129.7, 129.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9, 127.8, 127.7, 127.7, 127.5, 127.4, 127.3, 127.0, 125.5, 123.5, 100.5, 100.0, 96.5, 96.0, 80.1, 79.5, 76.3, 75.6, 75.3, 74.7, 74.4, 73.7, 73.6, 73.5, 73.4, 73.2, 73.1, 73.0, 72.4, 71.9, 71.4, 70.3, 68.8, 67.7, 62.3, 55.7, 55.3, 40.5, 31.7, 30.9, 26.6, 25.8, 20.6, 20.4, 19.3, 18.0, -5.3, -5.3; [α]20D+21.6 (c 0.55, CHCl3); HRMS calcd for [C119H127ClN2O28Si2+Na]+2145.7700, found 2145.7690.
(3-4:カルバメート基の導入)
【実施例】
【0253】
【化57】
JP2014132468A1_000059t.gif
【実施例】
【0254】
化合物(32)(2.73g、1.28mmol)を、40%メチルアミンのメタノール溶液(500mL)に溶解し、40℃で3日間攪拌した。次いで、混合液を真空乾燥により濃縮し、残留物を、ゲル濾過クロマトグラフィー(LH-20、GEヘルスケアバイオサイエンス社、クロロホルム:メタノール=1:1)を用いて精製し、化合物(33)を得た(1.72g、収率:90%、無色非晶質)。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.64-7.60 (m, 5H), 7.34-7.26 (m, 10H), 7.18-7.02 (m, 30H), 4.97 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 4.85 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 4.69 (dd, J = 12.0, 4.0 Hz, 1H), 4.57 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.43 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 4.42 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 4.39 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.26-4.08 (m, 7H), 3.97-3.59 (m, 7H), 3.56 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 3.43 (dd, J = 9.6, 2.0 Hz, 1H), 3.42-3.28 (m, 16Hz, 1H), 3.19-3.09 (m, 3H), 2.63-2.59 (m, 3H), 2.54 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 1.84 (m, 2H), 0.90 (s, 9H), 0.79 (s, 9H), 0.01 (s, 3H), 0.00 (s, 3H); 13C-NMR (100 MHz, CD3OD) δ 143.3, 140.7, 140.6, 140.1, 140.0, 137.2, 136.8, 135.1, 134.2, 130.8, 129.5, 129.4, 129.2, 129.2, 129.0, 129.0, 128.9, 128.8, 128.7, 128.6, 128.3, 128.2, 128.2, 126.8, 105.0, 104.3, 102.9, 102.8, 84.4, 83.8, 82.2, 77.8, 77.2, 76.8, 76.3, 76.1, 75.6, 75.5, 75.3, 75.0, 74.9, 74.8, 74.6, 74.5, 72.2, 70.9, 70.0, 69.8, 63.6, 62.9, 59.2, 58.9, 33.3, 32.7, 27.5, 26.6, 20.3, 19.2, -4.9, -5.0; [α]20D +2.6 (c 0.83, MeOH); HRMS calcd for [C83H110N2O19Si2+Na]+1517.7139, found 1517.7146.
【実施例】
【0255】
【化58】
JP2014132468A1_000060t.gif
【実施例】
【0256】
アセトニトリル(10mL)および水(2.5mL)の混合溶液に化合物(33)(540mg、0.3361mmol)を溶解した攪拌溶液に、炭酸水素ナトリウム(152mg、1.81mmol)およびトリホスゲン(85.7mg、0.289mmol)を0℃で添加した。混合液を0℃で2.5時間攪拌した後、ブラインを用いて希釈し、クロロホルムを用いて抽出した。有機層をブラインにて洗浄し、抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、真空乾燥により濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=97:3~95:5)を用いて精製し、化合物(34)を得た(536mg、収率:96%、無色非晶質)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.61-7.58 (m, 4H), 7.32-7.09 (m, 31H), 6.15 (bs, 1H), 5.18 (bs, 1H), 4.91-4.87 (m, 2H), 4.83 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.74-4.69 (m, 2H), 4.64 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 4.42 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 4.37 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 4.34 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.26 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.17 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.13 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.03-4.89 (m, 3H), 3.86-3.73 (m, 9H), 3.65-3.39 (m, 4H), 3.44-3.10 (m, 12H), 2.62-2.60 (m, 2H), 1.93-1.85 (m, 2H), 0.96 (s, 9H), 0.79 (s, 9H), 0.00 (s, 6H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 158.9, 158.9, 141.6, 138.9, 138.6, 137.6, 137.2, 135.9, 135.4, 133.2, 132.4, 130.0, 129.9, 128.5, 128.4, 128.0, 127.9, 127.9, 127.8, 127.7, 127.6, 125.9, 102.8, 102.4, 101.4, 100.8, 83.5, 82.4, 81.4, 81.0, 76.3, 75.6, 75.3, 75.1, 75.0, 74.6, 74.3, 74.0, 73.7, 73.5, 70.3, 70.1, 68.8, 62.1, 61.2, 60.2, 59.8, 32.3, 31.2, 26.8, 26.0, 19.3, 18.4, -4.9, -5.2; [α]20 D+3.5 (c 0.64, CHCl3); HRMS calcd for [C85H106N2O21Si2+Na]+1570.6754, found 1570.6754.
【実施例】
【0257】
【化59】
JP2014132468A1_000061t.gif
【実施例】
【0258】
化合物(34)(519mg、0.335mmol)をテトラヒドロフラン(1mL)に溶解した攪拌溶液に、0℃で酢酸(50μL、0.838mmol)およびフッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(1.0M THF溶液、0.84mL、0.84mmol)を添加した。混合液を室温で16時間攪拌した後、1M HClおよび酢酸を添加して反応を停止させた。次いで、ゲル濾過クロマトグラフィー(LH-20、GEヘルスケアバイオサイエンス社、クロロホルム:メタノール=1:1)およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=97:3~93:7)を用いて精製し、化合物(35)を得た(323mg、収率:81%、無色非晶質)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.24-7.06 (m, 25H), 6.93 (bs, 1H), 6.84 (bs, 1H), 4.83-4.69 (m, 5H), 4.44-4.32 (m, 4H), 4.14 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 3.95 (m, 2H), 3.84-3.31 (m, 21H), 3.22-3.16 (m, 5H), 2.58 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.87-1.79 (m, 2H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ159.8, 159.5, 141.5, 138.6, 138.4, 137.6, 137.5, 128.5, 128.4, 128.4, 128.1, 127.9, 127.8, 127.8, 127.7, 127.6, 125.9, 102.9, 102.7, 101.6, 101.2, 83.6, 83.4, 81.6, 80.6, 75.0, 74.8, 74.7, 74.5, 74.4, 74.1, 73.8, 73.6, 69.7, 69.4, 69.0, 68.3, 60.3, 60.1, 60.0, 32.0, 30.9; [α]20D -3.7 (c 0.40, CHCl3); HRMS calcdfor [C63H74N2O21+Na]+1217.4681, found 1217.4712.
【実施例】
【0259】
【化60】
JP2014132468A1_000062t.gif
【実施例】
【0260】
化合物(35)(307mg、0.257mmol)をピリジン(2mL)に溶解した攪拌溶液に、0℃で酢酸(2mL)およびN,N-ジメチル-4-アミノピリジン(9.4mg、0.0771mmol)を添加した。混合液を室温で15時間攪拌した後、真空乾燥により濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=7:3~2:3)を用いて精製し、化合物(36)を得た(323mg、収率:84%、黄白色非晶質)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.33-7.14 (m, 25H), 5.28 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 5.18 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 5.03-4.97 (m, 2H), 4.91 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 4.84 (d, J = 11.2H, 1H), 4.83 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 4.58 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 4.53-4.35 (m, 6H), 4.24 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.16-4.06 (m, 5H), 4.00 (m, 1H), 3.92-3.78 (m, 8H), 3.76-3.72 (m, 3H), 3.71-3.65 (m, 2H), 3.54 (dd, J = 10.4, 4.8 Hz, 1H), 3.48-3.36 (m, 3H), 2.67-2.56 (m, 2H), 2.44 (s, 6H), 2.08 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 1.94 (s, 3H), 1.90-1.80 (m, 2H), 1.77 (s, 3H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 171.1, 170.9, 170.6, 170.2, 169.8, 169.3, 169.3, 153.2, 153.0, 141.7, 138.5, 138.3, 137.8, 137.6, 128.5, 128.5, 128.4, 128.3, 127.9, 127.6, 127.6, 127.5, 127.4, 125.8, 100.6, 99.8, 99.7, 99.1, 81.3, 80.9, 78.4, 77.9, 76.5, 76.4, 75.6, 75.1, 74.2, 74.1, 73.4, 73.3, 73.1, 73.1, 73.0, 70.7, 70.1, 68.6, 63.3, 63.2, 61.6, 61.3, 31.9, 31.1, 24.5, 24.4, 21.0, 20.9, 20.7, 20.7; [α]20 D-28.0 (c 0.40, CHCl3); HRMS calcd for [C77H88N2O28+Na]+1512.5421, found 1512.5410.
(3-5:異性化反応)
【実施例】
【0261】
【化61】
JP2014132468A1_000063t.gif
【実施例】
【0262】
化合物(36)(180mg、0.121mmol)をアセトニトリル(1.2mL)に溶解した攪拌溶液に、アルゴン雰囲気下、-20℃で三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(34μL、0.242mmol)を添加した。混合液を、アルゴン雰囲気下、-20℃で10分間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加して反応を停止させ、クロロホルムを用いて抽出した。有機層をブラインにて洗浄し、抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、真空乾燥により濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:トルエン=3:7)を用いて精製し、化合物(37)を得た(165mg、収率:92%、無色非晶質)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.27-7.09 (m, 25H), 6.16 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.00 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.35 (t, J = 10.4 Hz, 1H), 5.00 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 3.97 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 4.75 (t, J = 12.0 Hz, 1H), 4.64 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 4.59-4.49 (m, 8H), 4.46-4.36 (m, 4H), 4.31 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.18-4.12 (m, 2H), 4.08 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 3.98 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 3.81-3.76 (m, 3H), 3.67-3.44 (m, 12H), 3.39-3.33 (m, 1H), 2.64-2.52 (m, 2H), 2.22 (s, 3H), 2.09 (s, 3H), 2.03 (s, 3H), 2.00 (s, 3H), 1.96 (s, 2H), 1.87 (s, 3H), 1.84-1.82 (m, 3H), 1.78 (s, 3H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 171.6, 171.3, 170.4, 170.4, 169.3, 169.2, 169.0, 152.7, 152.6, 141.6, 137.9, 137.9, 137.7, 137.4, 128.5, 128.4, 128.4, 128.3, 128.0, 127.8, 127.8, 127.7, 127.6, 127.3, 127.1, 125.8, 100.6, 99.8, 95.9, 95.2, 82.0, 81.7, 76.0, 75.1, 74.9, 74.3, 74.0, 74.0, 73.8, 73.6, 73.1, 73.0, 73.0, 73.0, 72.9, 72.2, 68.5, 68.3, 67.5, 67.2, 62.9, 62.2, 60.2, 60.0, 31.9, 31.1, 23.4, 23.3, 20.8, 20.7, 20.6; [α]20 D+72.9 (c 0.55, CHCl3); HRMS calcd for [C77H88N2O28+Na]+1512.5421, found 1512.5422.
(3-6:環状保護基からアセトアミド基への変換)
【実施例】
【0263】
【化62】
JP2014132468A1_000064t.gif
【実施例】
【0264】
化合物(37)(1.76g,1.18mmol)をアリルアルコール(20mL)に溶解し、LiOH・HO(1.98g,47.2mmol)を室温で加え、3.5時間撹拌した。反応液をそのままLH-20(セファデックス社、MeOH/CHCl:9/1)に通すことにより、LiOHを除去し、アリルカルバメートとアセトアミドとの混合物を得た。得られたアリルカルバメートとアセトアミドの混合物をピリジン(10mL)に溶解し、無水酢酸(10mL)を加えた。室温にて2時間撹拌した後、反応液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH:97/3)により精製した。酢酸パラジウム(II)(79.5mg,0.354mmol)を塩化メチレン(3mL)に溶解し、ここに、トリエチルアミン(150μL,1.06mmol)およびトリエチルシラン(1.7mL,10.6mmol)を添加し、アルゴン雰囲気下、室温にて15分撹拌した。その溶液に、精製したアリルカルバメートとアセトアミドとの混合物を塩化メチレン(9mL)に溶解したものを、加えた。反応液を11時間撹拌した後、50%酢酸水溶液(1.7mL)を加え、減圧下で濃縮し、高度真空下、乾燥した。残渣をピリジン(5mL)に溶解し、無水酢酸(5mL)を加え、室温で1.5時間反応させ、反応液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl/AcOEt:2/3~1/9)により精製し、ジアセトアミドを得た。得られたジアセトアミドをテトラヒドロフラン(6mL)とメタノール(6mL)との混合溶液に溶解し、フェノールフタレイン存在下、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液,40μL,0.0710mmol)を加え、終夜撹拌した。反応液にAmberlyst 15E を加えて、反応を停止した後、Amberlyst 15Eを濾過し、濃縮して、化合物(38)(833mg,62%,5steps)を得た(無色非晶質)。
1H-NMR (CD3OD) δ7.40-7.14 (m, 25H), 5.44 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 5.40 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.10 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 5.09 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 4.64-4.55 (m, 6H), 4.36 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.30 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.07-3.30 (m, 35H), 2.73 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 1.97-1.89 (m, 2H), 1.78 (s, 3H), 1.77 (s, 3H); 13C-NMR (CD3OD) δ 173.4, 173.3, 143.3, 139.7, 139.6, 139.4, 120.5, 129.5, 129.4, 129.4, 129.3, 129.0, 128.8, 128.7, 128.6, 126.8, 104.6, 104.5, 99.0, 98.5, 86.1, 85.8, 81.0, 76.7, 76.5, 76.2, 75.9, 75.4, 75.4, 75.5, 74.5, 74.1, 73.9, 73.9, 73.2, 72.5, 72.2, 71.3, 70.8, 70.0, 69.7, 62.2, 62.1, 55.0, 54.7, 33.1, 32.7, 22.6, 22.6; [
α]20 D +40.4 (c 0.80, MeOH).
(3-7:ウロン酸への変換)
【実施例】
【0265】
【化63】
JP2014132468A1_000065t.gif
【実施例】
【0266】
化合物(38)(20mg,0.0163mmol)と15%炭酸水素ナトリウム水溶液(50μL)とをアセトン(0.15mL)に溶解し、ここに、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシル(TEMPO)(0.5mg,0.0326mmol)およびトリクロロイソシアル酸(7.6mg,0.0326mmol)を4℃で添加した。添加後、反応液を室温にて2時間撹拌し、イソプロパノールにて反応を停止させた。LH-20(セファデックス社、CHCl/MeOH:1/1)およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH:4/1~1/1)により精製を行い、化合物(39)を得た。
1H-NMR (CD3OD) δ 7.38-7.13 (m, 25H), 5.49 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 5.44 (d, J = 3.2Hz, 1H), 5.03 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 5.08 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 4.68-4.50 (m, 8H), 4.31 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.27 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.08 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 3.99-3.46 (m, 24H), 2.71 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.01 (s, 3H), 1.93 (s, 3H), 1.90-1.87 (m, 2H).
〔実施例4:1,4-α(N-アセチル)グルコサミンポリマーの合成〕
【実施例】
【0267】
【化64】
JP2014132468A1_000066t.gif
【実施例】
【0268】
1.0gのキトサン(5~20mPa・s、東京化成工業社製)(化合物(43))を1-ブチル-メチルイミダゾリウムクロリド(10mL)に溶解し、ここにトリエチルアミン(1mL)を添加し、100℃で攪拌した。混合物を室温まで冷却した後、トリホスゲン(0.5g)を添加した。混合物を100℃で2日間攪拌し、混合物をメタノール中に懸濁した。遠心分離の後、残留物をメタノールおよびジエチルエーテルを用いて洗浄した。褐色の沈殿物(1.2g)を、1-ブチル-メチルイミダゾリウムクロリド(10mL)に溶解し、ここにピリジン(5mL)、無水酢酸(5mL)およびDMAP(100mg)を添加し、60℃で攪拌した。攪拌後、混合物をメタノール中に懸濁した。遠心分離により、化合物(44)(1.4g)を得た。得られた化合物(44)を塩化メチレン(30mL)中に懸濁し、次いで、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(1mL)を-20℃で添加した。混合物を5時間攪拌した後、ジエチルエーテル(30mL)およびトリエチルアミン(1mL)を添加した。遠心分離により、褐色固体の沈殿物(1.0g)を回収し、化合物(45)の粗体を得た。
【実施例】
【0269】
〔実施例5:カルバメート基窒素上の置換基の相違による、単糖における異性化反応の検討〕
【実施例】
【0270】
【化65】
JP2014132468A1_000067t.gif
【実施例】
【0271】
化合物(40)のカルバメート基窒素上の置換基Rを種々のものに設計し、1,2-トランス型から1,2-シス型への異性化反応の効率の検討を行った。異性化反応は、1,2-トランス型である化合物(40)を塩化メチレンに溶解した溶液に、化合物(40)に対して2倍モル量の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を-30℃で添加し、12時間攪拌させることにより行った。攪拌後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加して反応を停止させた。クロロホルムを用いて抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した後、残留物を精製した。得られた試料中の、1,2-トランス型である化合物(β1)(すなわち、異性化を起こさなかった化合物(40))の存在量、および化合物(40)の異性化により生じる1,2-シス型である化合物(α1)の存在量を測定し、異性化反応の効率を調べた。
【実施例】
【0272】
化合物(40)としては、カルバメート基窒素上の置換基Rが、アセチル基(Ac)、メトキシカルボニル基(COMe)、アリルオキシカルボニル基(COAll)、ベンジルオキシカルボニル基(COBn)、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基(COCHCCl)、ベンジル基(Bn)、p-メトキシベンジル基(PMB)、o-ニトロベンジル基、アセトニトリル基(CHCN)、または水素原子(H)である化合物を用いた。結果を表1に示す。
【実施例】
【0273】
【表1】
JP2014132468A1_000068t.gif
【実施例】
【0274】
表1に示されるように、カルバメート基窒素上の置換基Rが、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基または2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基である場合には、出発原料である化合物(β1)を生じさせずに完全に異性化することが示された。
【実施例】
【0275】
〔実施例6:カルバメート基窒素上の置換基の相違による、二糖における異性化反応の検討〕
【実施例】
【0276】
【化66】
JP2014132468A1_000069t.gif
【実施例】
【0277】
化合物(41)のカルバメート基窒素上の置換基Rを種々のものに設計し、アミノ糖部分における1,2-トランス型から1,2-シス型への異性化反応の効率の検討を行った。異性化反応は、化合物(40)の代わりに化合物(41)を用いた点を除き、実施例3と同様にして行った。最終的に得られた試料中の、1,2-トランス型である化合物(β2)(異性化を起こさなかった化合物(41))の存在量、および化合物(41)の異性化により生じる1,2-シス型である化合物(α2)の存在量を測定し、異性化反応の効率を調べた。
【実施例】
【0278】
化合物(41)としては、カルバメート基窒素上の置換基Rが、アセチル基、ベンジル基、または水素原子である化合物を用いた。結果を表2に示す。
【実施例】
【0279】
【表2】
JP2014132468A1_000070t.gif
【実施例】
【0280】
表2に示されるように、カルバメート基窒素上の置換基Rがアセチル基である場合には、二糖における異性化反応でも、出発原料である化合物(β2)を生じさせずに完全に異性化することが示された。
【実施例】
【0281】
〔実施例7:酸の使用量の相違による、単糖における異性化反応の検討〕
【実施例】
【0282】
【化67】
JP2014132468A1_000071t.gif
【実施例】
【0283】
異性化反応に使用する三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体の量を種々設定し、化合物(42)の、1,2-トランス型から1,2-シス型への異性化反応の効率の検討を行った。異性化反応は、化合物(40)の代わりに化合物(42)を用いた点、および添加する三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体の量を2倍モル量、1倍モル量、0.5倍モル量、または0.1倍モル量にした点を除き、実施例3と同様にして行った。なお、0.1倍量の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を使用した試験では、攪拌時間を72時間にした場合についても検討した。得られた試料中の、1,2-トランス型である化合物(β3)(すなわち、異性化を起こさなかった化合物(42))の存在量、および化合物(42)の異性化により生じる1,2-シス型である化合物(α3)の存在量を測定し、異性化反応の効率を調べた。結果を表3に示す。
【実施例】
【0284】
【表3】
JP2014132468A1_000072t.gif

【産業上の利用可能性】
【0285】
本発明は、製薬および医用材料分野、化粧品分野、衣料用品分野、食品分野、ならびに農業分野など様々な技術分野において利用することができる。