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明細書 :コレステロールアシル転移酵素アイソザイム2(ACAT2)阻害活性を有する新規医薬化合物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5946100号 (P5946100)
公開番号 特開2016-008191 (P2016-008191A)
登録日 平成28年6月10日(2016.6.10)
発行日 平成28年7月5日(2016.7.5)
公開日 平成28年1月18日(2016.1.18)
発明の名称または考案の名称 コレステロールアシル転移酵素アイソザイム2(ACAT2)阻害活性を有する新規医薬化合物
国際特許分類 C07D 493/04        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
A61K  31/4433      (2006.01)
A61K  31/366       (2006.01)
A61P   3/06        (2006.01)
A61P   9/10        (2006.01)
A61P   1/16        (2006.01)
A61P   3/04        (2006.01)
FI C07D 493/04 106A
C07D 493/04 CSP
A61P 43/00 111
A61K 31/4433
A61K 31/366
A61P 3/06
A61P 9/10 101
A61P 1/16
A61P 3/04
請求項の数または発明の数 10
全頁数 63
出願番号 特願2014-129126 (P2014-129126)
出願日 平成26年6月24日(2014.6.24)
審査請求日 平成28年1月26日(2016.1.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】598041566
【氏名又は名称】学校法人北里研究所
発明者または考案者 【氏名】供田 洋
【氏名】大多和 正樹
【氏名】大村 智
【氏名】長光 亨
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100091096、【弁理士】、【氏名又は名称】平木 祐輔
【識別番号】100118773、【弁理士】、【氏名又は名称】藤田 節
【識別番号】100180862、【弁理士】、【氏名又は名称】花井 秀俊
審査官 【審査官】谷尾 忍
参考文献・文献 特開2014-144922(JP,A)
特開平08-291164(JP,A)
米国特許第06916824(US,B1)
国際公開第2009/081957(WO,A1)
国際公開第2010/150739(WO,A1)
国際公開第2011/122468(WO,A1)
調査した分野 C07D 493/04
A61K 31/366
A61K 31/4433
CAplus/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
式(I):
【化1】
JP0005946100B2_000061t.gif
[式中、
R1は、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、又は置換若しくは非置換のヘテロアリールであり、
nは、0~5の整数であり、
R2は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のシクロアルキニル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のアリールアルキル、置換若しくは非置換のアリールアルケニル、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキル、置換若しくは非置換のアルコキシ、置換若しくは非置換のシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のアリールオキシ、置換若しくは非置換のアリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアリールアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のヘテロアリールオキシ、置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアシル、又は-NRN1RN2であり、但しnが2以上の場合、複数のR2は互いに同一又は異なっていてもよく、
RN1及びRN2は、互いに独立して、水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のシクロアルキニル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のアリールアルキル、置換若しくは非置換のアリールアルケニル、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキル、置換若しくは非置換のアルコキシ、置換若しくは非置換のシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のアリールオキシ、置換若しくは非置換のアリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアリールアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のヘテロアリールオキシ、置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキルオキシ、及び置換若しくは非置換のアシルからなる群より選択される1価基であり、
R3及びR4は、互いに独立して、水素、ヒドロキシル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換若しくは非置換のアリールカルボニルオキシ、又は置換若しくは非置換のアルコキシであるか、或いは、
R3及びR4は、一緒になって-O-CR7R8-O-を形成しており、
R5は、水素、ヒドロキシル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換若しくは非置換のアリールカルボニルオキシ、又は置換若しくは非置換のアルコキシであり、
R6は、-C(CH3)2-又は-CH2-であり、
R7及びR8は、互いに独立して、水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のシクロアルキニル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のアリールアルキル、置換若しくは非置換のアリールアルケニル、置換若しくは非置換のヘテロアリール、又は置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキルである。]
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
【請求項2】
R1が、置換若しくは非置換のアリール、又は置換若しくは非置換のヘテロアリールであり、
R2が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、又は置換若しくは非置換のアルキニルであり、
R7及びR8が、互いに独立して、水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、又は置換若しくは非置換のアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R2がシアノである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
nが1であり、且つR2が4-シアノである、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物を製造する方法であって、以下:
式(II):
【化2】
JP0005946100B2_000062t.gif
[式中、R3、R4、R5及びR6は、請求項1~4のいずれか1項に記載の定義と同義である。]で表される化合物をエポキシ化して、式(III):
【化3】
JP0005946100B2_000063t.gif
[式中、R3、R4、R5及びR6は、前記と同義である。]
で表される化合物を得る、エポキシ化工程;
前記エポキシ化工程で得られる式(III)で表される化合物にアルデヒド基を導入して、式(IV):
【化4】
JP0005946100B2_000064t.gif
[式中、
R3、R4、R5及びR6は、前記と同義であり、
RP1は、ヒドロキシルの保護基である。]
で表される化合物を得る、アルデヒド基導入工程;
前記アルデヒド基導入工程で得られる式(IV)で表される化合物を増炭及び環化して、式(V):
【化5】
JP0005946100B2_000065t.gif
[式中、
R3、R4、R5、R6及びRP1は、前記と同義であり、
RP2は、カルボン酸の保護基である。]
で表される化合物を得る、C環導入工程;
C環導入工程で得られる式(V)で表される化合物を環化して、式(VII):
【化6】
JP0005946100B2_000066t.gif
[式中、
R1は、請求項1~4のいずれか1項に記載の定義と同義であり、
R3、R4、R5、R6及びRP1は、前記と同義である。]
で表される化合物を得る、D環導入工程;
D環導入工程で得られる式(VII)で表される化合物と、式(VIII):
【化7】
JP0005946100B2_000067t.gif
[式中、
R2及びnは、請求項1~4のいずれか1項に記載の定義と同義であり、
RL2は、カルボン酸の活性化基である。]
で表される化合物とを反応させて、式(IX):
【化8】
JP0005946100B2_000068t.gif
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びnは、前記と同義である。]
で表される化合物を得る、ベンゾイル基導入工程;
ベンゾイル基導入工程で得られる式(IX)で表される化合物の10-位カルボニル基を還元して、式(I)で表される化合物を得る、還元工程;
を含む、前記方法。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分として含むACAT2阻害剤。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物を有効成分として含む医薬。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物と、1種以上の製薬上許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項9】
脂質異常症、動脈硬化症、脂肪肝及び肥満症からなる群より選択される1種以上の疾患若しくは症状の予防又は治療に使用するための、請求項7に記載の医薬。
【請求項10】
脂質異常症、動脈硬化症、脂肪肝及び肥満症からなる群より選択される1種以上の疾患若しくは症状の予防又は治療に使用するための、請求項8に記載の医薬組成物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、極めて高いコレステロールアシル転移酵素アイソザイム2(以下、「ACAT2」とも記載する)阻害活性を有する新規医薬化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
心筋梗塞又は脳卒中等の死に直結する疾患へと発展するリスクが高い動脈硬化症及び脂質異常症の日本における患者数は、自覚症状のない予備軍を含めて、3000万人に上ると言われている。日本において、動脈硬化性疾患ガイドラインが改訂された現在も、前記のような疾患の進行過程を経た死は、死因の上位を占めている。動脈硬化症及び脂質異常症は、日本だけでなく、欧米諸国においても重大な健康問題となっている。
【0003】
現在、動脈硬化症及び/又は脂質異常症の予防治療薬としては、ヒドロキシ-3-メチルグルタリル補酵素A(ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCo-A)(以下、「HMG-CoA」とも記載する)還元酵素を特異的に阻害する、スタチン系医薬品が主に用いられている。スタチン系医薬品は、2001年から8年連続して世界で最も多く販売されている医薬品であり、2008年度の売上高トップ30に2製品も入るほど、広く使用されている。
【0004】
しかし、現実には、スタチン系医薬品による治療では、治療を受けている患者の30~40%しか発症抑制効果が得られず、治療を受けている患者の半数では、心血管疾患等を抑制していないことが明らかとなってきた(非特許文献1)。動脈硬化症の予防治療薬であるスタチン系医薬品のようなHMG-CoA還元酵素阻害剤が、心血管疾患等を十分に抑制しない理由は、動脈硬化症の発症メカニズムが複雑であるためと考えられる。動脈硬化症は、遺伝的要因、糖尿病等の病歴、又は薬剤服用歴等のような様々な要因が関連して発症することが多いと考えられる。それ故、動脈硬化症及び/若しくは脂質異常症の予防又は治療には、個々の患者の病態に合わせた診断及び治療が必要となる。また、スタチン系医薬品とは作用機序が異なり、且つ冠状動脈における発症抑制及び/又は冠状動脈病変の退縮が期待できる、新しい作用機序を有する医薬品の開発が急務である。
【0005】
新しい作用機序を有する動脈硬化症及び/又は脂質異常症の予防治療薬の薬剤標的として、コレステロールアシル転移酵素(以下、「ACAT」とも記載する)が期待されている(非特許文献2)。ACATは、コレステロールにアシル基を導入する酵素である。これまでに、多数の合成ACAT阻害剤が開発されてきた。しかしながら、副作用の存在及び不十分な効果等の問題から、未だに臨床への実用化に結びついていない(非特許文献3)。
【0006】
近年、ACATには、生体内での機能及び局在部位が異なる2種のアイソザイムである、ACAT1及びACAT2が存在することが明らかとなった(非特許文献4)。ACAT1は、生体内の多くの細胞又は組織に広く分布し、特にマクロファージ又は平滑筋細胞に高発現している。また、ACAT1は、動脈壁においては、動脈硬化症の原因となるマクロファージ泡沫化を引き起こすことが知られている。これに対し、ACAT2は、小腸又は肝臓に特異的に発現している。ACAT2は、それぞれの組織において、食餌性コレステロールの吸収及び超低密度リポタンパク質の分泌に関与していると考えられている。
【0007】
前記の通り、ACAT1及びACAT2の生体内での機能の相違が明らかとなった。このため、ACATを薬剤標的とした創薬においては、ACAT1及びACAT2の選択性を明確にすることが重要となる。例えば、これまでに開発が中止された合成ACAT阻害剤は、ACAT1に対する選択的阻害活性(例えば、Wu-V-23及びK-604)、又はACAT1及びACAT2の両アイソザイムに対する阻害活性(例えば、アバシミベ及びパクチミベ)を有することが明らかとなった(非特許文献5)。これら合成ACAT阻害剤の開発は、いずれも副作用のために中止になっており、また、これまでのACAT1ノックアウトマウスは、副作用を示した(非特許文献6及び7)。これらの事実に対し、ACAT2ノックアウトマウスは、抗動脈硬化作用を示した(非特許文献8)。それ故、動脈硬化症及び/又は脂質異常症(高脂血症、脂肪肝及び肥満症等を含む)の予防治療薬として、ACATのアイソザイムであるACAT2に対する選択的阻害剤からの創薬が強く期待されている(非特許文献9)。
【0008】
ACAT2選択的阻害剤として、天然有機化合物であるピリピロペンA(非特許文献10)、及びピリピロペンAから半合成的手法によって得られたピリピロペンA誘導体群(特許文献1~3)が見出された。また、アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた肝ACAT2ノックアウトマウスの抗動脈硬化作用(非特許文献11)、ピリピロペンAを用いた動物実験での抗動脈硬化作用(非特許文献12)、及びピリピロペンAの全合成(非特許文献13)の結果も報告された。
【先行技術文献】
【0009】

【特許文献1】国際公開第2009/081957号
【特許文献2】国際公開第2010/150739号
【特許文献3】国際公開第2011/122468号
【0010】

【非特許文献1】Libbyら, J. Am. Coll. Cardiol., 第46巻, 1225-1228頁, 2005年
【非特許文献2】Roth, Drug Discovery Today, 第3巻, 19-25頁, 1998年
【非特許文献3】Meuweseら, Curr. Opin. Lipidol., 第17巻, 426-431頁, 2006年
【非特許文献4】Changら, Acta. Biochim. Biophys. Sin., 第38巻, 151-156頁, 2006年
【非特許文献5】Farese, Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol., 第26巻, 1684-1686頁、2006年
【非特許文献6】Yagyuら, J. Biol. Chem., 第275巻, 21324-21330頁, 2000年
【非特許文献7】Mccadら, J. Clin. Invest., 第105巻, 711-719頁, 2000年
【非特許文献8】Buhmanら, Nat. Med., 第6巻, 1341-1347頁, 2000年
【非特許文献9】Ohshiro & Tomoda, Future Med.Chem., 第3巻, 2039-2061頁, 2011年
【非特許文献10】Tomodaら, J. Antibiot., 第47巻, 148-153頁, 1994年
【非特許文献11】Bellら, Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol., 第27巻, 1396-1402頁, 2007年
【非特許文献12】Ohshiroら, Arterioscler. Thromb. Vasc.Biol., 第31巻, 1108-1115頁, 2011年
【非特許文献13】Odaniら, Tetrahedron, 第67巻, 8195-8203頁, 2011年
【非特許文献14】大多和正樹ら, 有機合成化学協会誌, 第71巻, 830-843頁, 2013年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
スタチン系の動脈硬化症の予防治療薬であるアトロバスタチンは、天然有機化合物であるコンパクチンに基づき、その化学構造を簡略化することによって開発された。コンパクチンに基づくアトロバスタチンの開発は、天然有機化合物をリード化合物として、非天然型の新規医薬化合物を得る、創薬研究の一例である。
【0012】
アトロバスタチンの開発と同様に、天然有機化合物であるピリピロペンAをリード化合物として、その化学構造を簡略化することによる、非天然型の新規医薬化合物の開発が望まれた。本発明者らは、ピリピロペンAの環構造を簡略化した化学構造を有する化合物の合成法を開発した(非特許文献14)。しかしながら、ピリピロペンAをリード化合物とする化学構造の簡略化は、その化学構造の複雑さから、非常に困難であった。また、天然物の化学構造を簡略化して新規医薬化合物を開発する場合、化学構造の簡略化に伴い、リード化合物である天然物とは異なる構造活性相関を示す可能性がある。結果として、ACAT2に対して高い選択的阻害活性を有する非天然型の新規医薬化合物は、これまでに開発されていなかった。
【0013】
それ故、本発明は、スタチン系医薬品とは異なる作用機序を有する、ACAT2に対する選択的阻害活性を有する非天然型の新規医薬化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、ピリピロペンA:
【化1】
JP0005946100B2_000002t.gif
のA環部分の環構造を簡略化した構造を有し、且つ7-位に置換又は非置換のベンゾイルオキシ基を有する新規化合物は、ピリピロペンAに匹敵するACAT2阻害活性を有することを見出した。また、前記新規化合物は、天然物であるピリピロペンAを原料とすることなく、合成的手段によって製造できることを見出した。本発明者らは、前記知見に基づき本発明を完成した。
【0015】
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) 式(I):
【化2】
JP0005946100B2_000003t.gif
[式中、
R1は、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、又は置換若しくは非置換のヘテロアリールであり、
nは、0~5の整数であり、
R2は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のシクロアルキニル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のアリールアルキル、置換若しくは非置換のアリールアルケニル、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキル、置換若しくは非置換のアルコキシ、置換若しくは非置換のシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のアリールオキシ、置換若しくは非置換のアリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアリールアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のヘテロアリールオキシ、置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアシル、又は-NRN1RN2であり、但しnが2以上の場合、複数のR2は互いに同一又は異なっていてもよく、
RN1及びRN2は、互いに独立して、水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のシクロアルキニル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のアリールアルキル、置換若しくは非置換のアリールアルケニル、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキル、置換若しくは非置換のアルコキシ、置換若しくは非置換のシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のアリールオキシ、置換若しくは非置換のアリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアリールアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のヘテロアリールオキシ、置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキルオキシ、及び置換若しくは非置換のアシルからなる群より選択される1価基であり、
R3及びR4は、互いに独立して、水素、ヒドロキシル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換若しくは非置換のアリールカルボニルオキシ、又は置換若しくは非置換のアルコキシであるか、或いは、
R3及びR4は、一緒になって-O-CR7R8-O-を形成しており、
R5は、水素、ヒドロキシル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換若しくは非置換のアリールカルボニルオキシ、又は置換若しくは非置換のアルコキシであり、
R6は、-C(CH3)2-又は-CH2-であり、
R7及びR8は、互いに独立して、水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のシクロアルキニル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のアリールアルキル、置換若しくは非置換のアリールアルケニル、置換若しくは非置換のヘテロアリール、又は置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキルである。]
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
【0016】
(2) R1が、置換若しくは非置換のアリール、又は置換若しくは非置換のヘテロアリールであり、
R2が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、又は置換若しくは非置換のアルキニルであり、
R7及びR8が、互いに独立して、水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、又は置換若しくは非置換のアリールである、前記(1)に記載の化合物。
【0017】
(3) R2がシアノである、前記(1)又は(2)に記載の化合物。
【0018】
(4) nが1であり、且つR2が4-シアノである、前記(1)~(3)のいずれかに記載の化合物。
【0019】
(5) 前記(1)~(4)のいずれかに記載の化合物を製造する方法であって、以下:
式(II):
【化3】
JP0005946100B2_000004t.gif
[式中、R3、R4、R5及びR6は、前記(1)~(4)のいずれかに記載の定義と同義である。]
で表される化合物をエポキシ化して、式(III):
【化4】
JP0005946100B2_000005t.gif
[式中、R3、R4、R5及びR6は、前記と同義である。]
で表される化合物を得る、エポキシ化工程;
前記エポキシ化工程で得られる式(III)で表される化合物にアルデヒド基を導入して、式(IV):
【化5】
JP0005946100B2_000006t.gif
[式中、
R3、R4、R5及びR6は、前記と同義であり、
RP1は、ヒドロキシルの保護基である。]
で表される化合物を得る、アルデヒド基導入工程;
前記アルデヒド基導入工程で得られる式(IV)で表される化合物を増炭及び環化して、式(V):
【化6】
JP0005946100B2_000007t.gif
[式中、
R3、R4、R5、R6及びRP1は、前記と同義であり、
RP2は、カルボン酸の保護基である。]
で表される化合物を得る、C環導入工程;
C環導入工程で得られる式(V)で表される化合物を環化して、式(VII):
【化7】
JP0005946100B2_000008t.gif
[式中、
R1は、前記(1)~(4)のいずれかに記載の定義と同義であり、
R3、R4、R5、R6及びRP1は、前記と同義である。]
で表される化合物を得る、D環導入工程;
D環導入工程で得られる式(VII)で表される化合物と、式(VIII):
【化8】
JP0005946100B2_000009t.gif
[式中、
R2及びnは、前記(1)~(4)のいずれかに記載の定義と同義であり、
RL2は、カルボン酸の活性化基である。]
で表される化合物とを反応させて、式(IX):
【化9】
JP0005946100B2_000010t.gif
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びnは、前記と同義である。]
で表される化合物を得る、ベンゾイル基導入工程;
ベンゾイル基導入工程で得られる式(IX)で表される化合物の10-位カルボニル基を還元して、式(I)で表される化合物を得る、還元工程;
を含む、前記方法。
【0020】
(6) 前記(1)~(4)のいずれかに記載の化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分として含むACAT2阻害剤。
【0021】
(7) 前記(1)~(4)のいずれかに記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物を有効成分として含む医薬。
【0022】
(8) 前記(1)~(4)のいずれかに記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物と、1種以上の製薬上許容される担体とを含む医薬組成物。
【0023】
(9) 脂質異常症、動脈硬化症、高血圧症、脂肪肝及び肥満症からなる群より選択される1種以上の疾患若しくは症状の予防又は治療に使用するための、前記(7)に記載の医薬。
【0024】
(10) 脂質異常症、動脈硬化症、高血圧症、脂肪肝及び肥満症からなる群より選択される1種以上の疾患若しくは症状の予防又は治療に使用するための、前記(8)に記載の医薬組成物。
【0025】
(11) 脂質異常症、動脈硬化症、高血圧症、脂肪肝及び肥満症からなる群より選択される1種以上の疾患若しくは症状の予防又は治療を必要とする対象に、有効量の前記(1)~(4)のいずれかに記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物を投与することを含む、前記疾患若しくは症状の予防又は治療方法。
【0026】
(12) 疾患若しくは症状の予防又は治療に使用するための、前記(1)~(4)のいずれかに記載の化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
【0027】
(13) 前記疾患又は症状が、脂質異常症、動脈硬化症、高血圧症、脂肪肝及び肥満症からなる群より選択される1種以上の疾患若しくは症状である、前記(12)に記載の化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
【0028】
(14) 脂質異常症、動脈硬化症、高血圧症、脂肪肝及び肥満症からなる群より選択される1種以上の疾患若しくは症状の予防又は治療に用いるための医薬の製造のための、前記(1)~(4)のいずれかに記載の化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物の使用。
【発明の効果】
【0029】
本発明により、スタチン系医薬品とは異なる作用機序を有する、ACAT2に対する選択的阻害活性を有する非天然型の新規医薬化合物を提供することが可能となる。
【0030】
前記以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。

【0032】
<1. 新規化合物>
本明細書において、「アルキル」は、特定の数の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。例えば、「C1~C5アルキル」は、少なくとも1個且つ多くても5個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。好適なアルキルは、限定するものではないが、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル及びn-ペンチル等の直鎖又は分枝鎖のC1~C5アルキルを挙げることができる。

【0033】
本明細書において、「アルケニル」は、前記アルキルの1個以上のC-C単結合が二重結合に置換された基を意味する。好適なアルケニルは、限定するものではないが、例えばビニル、1-プロペニル、アリル、1-メチルエテニル(イソプロペニル)、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル及び1-ペンテニル等の直鎖又は分枝鎖のC2~C5アルケニルを挙げることができる。

【0034】
本明細書において、「アルキニル」は、前記アルキルの1個以上のC-C単結合が三重結合に置換された基を意味する。好適なアルキニルは、限定するものではないが、例えばエチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル及び1-ペンチニル等の直鎖又は分枝鎖のC2~C5アルキニルを挙げることができる。

【0035】
本明細書において、「シクロアルキル」は、特定の数の炭素原子を含む、脂環式アルキルを意味する。例えば、「C3~C6シクロアルキル」は、少なくとも3個且つ多くても6個の炭素原子を含む、環式の炭化水素基を意味する。好適なシクロアルキルは、限定するものではないが、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のC3~C6シクロアルキルを挙げることができる。

【0036】
本明細書において、「シクロアルケニル」は、前記シクロアルキルの1個以上のC-C単結合が二重結合に置換された基を意味する。好適なシクロアルケニルは、限定するものではないが、例えばシクロブテニル、シクロペンテニル及びシクロヘキセニル等のC3~C6シクロアルケニルを挙げることができる。

【0037】
本明細書において、「シクロアルキニル」は、前記シクロアルキルの1個以上のC-C単結合が三重結合に置換された基を意味する。好適なシクロアルキニルは、限定するものではないが、例えばシクロブチニル、シクロペンチニル及びシクロヘキシニル等のC3~C6シクロアルキニルを挙げることができる。

【0038】
本明細書において、「ヘテロシクロアルキル」は、前記シクロアルキル、シクロアルケニル又はシクロアルキニルの1個以上の炭素原子が、それぞれ独立して窒素(N)、硫黄(S)及び酸素(O)から選択されるヘテロ原子に置換された基を意味する。この場合において、N又はSによる置換は、それぞれN-オキシド又はSのオキシド若しくはジオキシドによる置換を包含する。好適なヘテロシクロアルキルは、限定するものではないが、例えばピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル及びピペラジニル等の3~6員のヘテロシクロアルキルを挙げることができる。

【0039】
本明細書において、「アルコキシ」は、ヒドロキシルの水素原子が、前記アルキル、アルケニル又はアルキニルに置換された基を意味する。好適なアルコキシは、限定するものではないが、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ及びペントキシ等のC1~C5アルコキシを挙げることができる。

【0040】
本明細書において、「シクロアルコキシ」は、ヒドロキシルの水素原子が、前記シクロアルキル、シクロアルケニル又はシクロアルキニルに置換された基を意味する。好適なシクロアルコキシは、限定するものではないが、例えばシクロプロポキシ、シクロブトキシ及びシクロペントキシ等のC3~C6シクロアルコキシを挙げることができる。

【0041】
本明細書において、「ヘテロシクロアルコキシ」は、ヒドロキシルの水素原子が、前記ヘテロシクロアルキルに置換された基を意味する。

【0042】
本明細書において、「アリール」は、芳香環基を意味する。好適なアリールは、限定するものではないが、例えばフェニル、ビフェニル、ナフチル及びアントラセニル等のC6~C15アリールを挙げることができる。

【0043】
本明細書において、「アリールアルキル」は、前記アルキルの水素原子の1個が前記アリールに置換された基を意味する。好適なアリールアルキルは、限定するものではないが、例えばベンジル、1-フェネチル及び2-フェネチル等のC7~C16アリールアルキルを挙げることができる。

【0044】
本明細書において、「アリールアルケニル」は、前記アルケニルの水素原子の1個が前記アリールに置換された基を意味する。好適なアリールアルケニルは、限定するものではないが、例えばスチリル等のC8~C17アリールアルケニルを挙げることができる。

【0045】
本明細書において、「ヘテロアリール」は、前記アリールの1個以上の炭素原子が、それぞれ独立して窒素(N)、硫黄(S)及び酸素(O)から選択されるヘテロ原子に置換された基を意味する。この場合において、N又はSによる置換は、それぞれN-オキシド又はSのオキシド若しくはジオキシドによる置換を包含する。好適なヘテロアリールは、限定するものではないが、例えばフラニル、チエニル(チオフェンイル)、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル及びインドリル等の5~15員のヘテロアリールを挙げることができる。

【0046】
本明細書において、「ヘテロアリールアルキル」は、前記アルキルの水素原子の1個が前記ヘテロアリールに置換された基を意味する。好適なヘテロアリールアルキルは、限定するものではないが、例えばピリジルメチルを挙げることができる。

【0047】
本明細書において、「アリールオキシ」は、ヒドロキシルの水素原子が、前記アリールに置換された基を意味する。好適なアリールオキシは、限定するものではないが、例えばフェノキシ、ビフェニルオキシ、ナフチルオキシ及びアントリルオキシ(アントラセニルオキシ)等のC6~C15アリールオキシを挙げることができる。

【0048】
本明細書において、「アリールアルキルオキシ」は、ヒドロキシルの水素原子が、前記アリールアルキルに置換された基を意味する。好適なアリールアルキルオキシは、限定するものではないが、例えばベンジルオキシ、1-フェネチルオキシ及び2-フェネチルオキシ等のC7~C16アリールアルキルオキシを挙げることができる。

【0049】
本明細書において、「アリールアルケニルオキシ」は、ヒドロキシルの水素原子が、前記アリールアルケニルに置換された基を意味する。好適なアリールアルケニルオキシは、限定するものではないが、例えばスチリルオキシ等のC8~C17アリールアルケニルオキシを挙げることができる。

【0050】
本明細書において、「ヘテロアリールオキシ」は、ヒドロキシルの水素原子が、前記ヘテロアリールに置換された基を意味する。好適なヘテロアリールオキシは、限定するものではないが、例えばフラニルオキシ、チエニルオキシ(チオフェンイルオキシ)、ピロリルオキシ、イミダゾリルオキシ、ピラゾリルオキシ、トリアゾリルオキシ、テトラゾリルオキシ、チアゾリルオキシ、オキサゾリルオキシ、イソオキサゾリルオキシ、オキサジアゾリルオキシ、チアジアゾリルオキシ、イソチアゾリルオキシ、ピリジルオキシ、ピリダジニルオキシ、ピラジニルオキシ、ピリミジニルオキシ、キノリニルオキシ、イソキノリニルオキシ及びインドリルオキシ等の5~15員のヘテロアリールオキシを挙げることができる。

【0051】
本明細書において、「ヘテロアリールアルキルオキシ」は、ヒドロキシルの水素原子が、前記ヘテロアリールアルキルに置換された基を意味する。

【0052】
本明細書において、「アシル」は、前記で説明した基から選択される1価基とカルボニルとが連結した基を意味する。好適なアシルは、限定するものではないが、例えばホルミル、アセチル及びプロピオニル等のC1~C5脂肪族アシル、並びにベンゾイル等のC7~C16芳香族アシルを挙げることができる。

【0053】
前記で説明した基は、それぞれ独立して、非置換であるか、或いは1個若しくは複数の前記で説明した1価基によってさらに置換することもできる。

【0054】
本明細書において、「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)又はヨウ素(I)を意味する。

【0055】
本発明は、式(I):
【化10】
JP0005946100B2_000011t.gif
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物に関する。

【0056】
本発明者らは、高いACAT2選択的阻害活性を有する化合物として、式(I)で表される化合物を見出した。式(I)で表される化合物は、ピリピロペンAをリード化合物として、その化学構造を簡略化することによって設計された。式(I)で表される化合物は、ピリピロペンAのA環部分が省略された骨格構造を有する。このような簡略化された化学構造を有することにより、式(I)で表される化合物は、合成的手段によって、高純度且つ低コストで製造することができる。

【0057】
通常、天然物の化学構造を簡略化して新規医薬化合物を開発する場合、化学構造の簡略化に伴い、リード化合物である天然物とは異なる構造活性相関を示す可能性がある。本発明者らは、ピリピロペンAのA環部分が省略された骨格構造を有する化合物群において、ACAT2阻害活性に関する構造活性相関を調査した。その結果、本発明者らは、ピリピロペンAのA環部分が省略された骨格構造を有し、且つピリピロペンAのB環に対応する環上に置換又は非置換のベンゾイルオキシ基を有する式(I)で表される化合物は、同一の骨格構造を有するがピリピロペンAのB環に対応する環上に異なる基を有する化合物と比較して、顕著に高いACAT2阻害活性を示すことを見出した。このような構造的特徴を有することにより、本発明の式(I)で表される化合物は、ピリピロペンAと同等又はそれ以上の高いACAT2阻害活性を発現することができる。

【0058】
式(I)において、R1は、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、又は置換若しくは非置換のヘテロアリールであることが必要である。R1は、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルキル、置換若しくは非置換のC6~C15アリール、置換若しくは非置換の3~6員のヘテロシクロアルキル(該ヘテロシクロアルキルの1個以上の炭素原子は、窒素(N)、硫黄(S)及び酸素(O)から選択される1個以上のヘテロ原子に置換されていてもよい)、又は置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリール(該ヘテロアリールの1個以上の炭素原子は、窒素(N)、硫黄(S)及び酸素(O)から選択される1個以上のヘテロ原子に置換されていてもよい)であることが好ましく、置換若しくは非置換のアリール、又は置換若しくは非置換のヘテロアリールであることがより好ましく、置換若しくは非置換のC6~C15アリール、又は置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリール(該ヘテロアリールの1個以上の炭素原子は、窒素(N)、硫黄(S)及び酸素(O)から選択される1個以上のヘテロ原子に置換されていてもよい)であることがさらに好ましく、置換若しくは非置換のフェニル又はピリジルであることが特に好ましく、フェニル又はピリジン-3-イルであることがとりわけ好ましい。

【0059】
式(I)において、nは、0~5の整数であることが必要である。nは、0~3の整数であることが好ましく、1であることがより好ましい。

【0060】
式(I)において、R2は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のシクロアルキニル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のアリールアルキル、置換若しくは非置換のアリールアルケニル、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキル、置換若しくは非置換のアルコキシ、置換若しくは非置換のシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のアリールオキシ、置換若しくは非置換のアリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアリールアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のヘテロアリールオキシ、置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアシル、又は-NRN1RN2であることが必要である。但しnが2以上の場合、複数のR2は互いに同一又は異なっていてもよい。R2は、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素又はヨウ素)、シアノ、ニトロ、置換若しくは非置換のC1~C5アルキル、置換若しくは非置換のC2~C5アルケニル、置換若しくは非置換のC2~C5アルキニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルキル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルケニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルキニル、置換若しくは非置換の3~6員のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のC6~C15アリール、置換若しくは非置換のC7~C16アリールアルキル、置換若しくは非置換のC8~C17アリールアルケニル、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリール、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリールアルキル、置換若しくは非置換のC1~C5アルコキシ、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルコキシ、置換若しくは非置換の3~6員のヘテロシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のC6~C15アリールオキシ、置換若しくは非置換のC7~C16アリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のC8~C17アリールアルケニルオキシ、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリールオキシ、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアシル、又は-NRN1RN2であることが好ましく、ハロゲン、シアノ、ニトロ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、又は置換若しくは非置換のアルキニルであることがより好ましく、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素又はヨウ素)、シアノ、ニトロ、置換若しくは非置換のC1~C5アルキル、置換若しくは非置換のC2~C5アルケニル、又は置換若しくは非置換のC2~C5アルキニルであることがさらに好ましく、シアノであることが特に好ましく、4-シアノであることがとりわけ好ましい。

【0061】
式(I)において、nが1であり、且つR2が4-シアノであることが特に好ましい。この場合、式(I)で表される化合物は、特に高いACAT2阻害活性を有することができる。

【0062】
式(I)において、RN1及びRN2は、互いに独立して、水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のシクロアルキニル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のアリールアルキル、置換若しくは非置換のアリールアルケニル、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキル、置換若しくは非置換のアルコキシ、置換若しくは非置換のシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のアリールオキシ、置換若しくは非置換のアリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアリールアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のヘテロアリールオキシ、置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキルオキシ、及び置換若しくは非置換のアシルからなる群より選択される1価基であることが必要である。RN1及びRN2は、互いに独立して、水素、置換若しくは非置換のC1~C5アルキル、置換若しくは非置換のC2~C5アルケニル、置換若しくは非置換のC2~C5アルキニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルキル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルケニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルキニル、置換若しくは非置換の3~6員のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のC6~C15アリール、置換若しくは非置換のC7~C16アリールアルキル、置換若しくは非置換のC8~C17アリールアルケニル、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリール、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリールアルキル、置換若しくは非置換のC1~C5アルコキシ、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルコキシ、置換若しくは非置換の3~6員のヘテロシクロアルコキシ、置換若しくは非置換のC6~C15アリールオキシ、置換若しくは非置換のC7~C16アリールアルキルオキシ、置換若しくは非置換のC8~C17アリールアルケニルオキシ、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリールオキシ、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリールアルキルオキシ、及び置換若しくは非置換のアシルからなる群より選択される1価基であることが好ましく、水素、置換若しくは非置換のC1~C5アルキル、置換若しくは非置換のC2~C5アルケニル、置換若しくは非置換のC2~C5アルキニル、置換若しくは非置換のC6~C15アリール、及びアシルからなる群より選択される1価基であることがより好ましい。

【0063】
式(I)において、R3及びR4は、互いに独立して、水素、ヒドロキシル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換若しくは非置換のアリールカルボニルオキシ、又は置換若しくは非置換のアルコキシであるか、或いは、一緒になって-O-CR7R8-O-を形成することが必要である。R3及びR4は、互いに独立して、水素、ヒドロキシル、置換若しくは非置換のC1~C5アルキルカルボニルオキシ、置換若しくは非置換のC6~C15アリールカルボニルオキシ、又はC1~C5アルコキシであるか、或いは、一緒になって-O-CR7R8-O-を形成することが好ましく、水素、又は置換若しくは非置換のC1~C5アルキルカルボニルオキシであるか、或いは、一緒になって-O-CR7R8-O-を形成することがより好ましく、水素又はアセトキシであるか、或いは、一緒になって-O-CR7R8-O-を形成することがさらに好ましい。

【0064】
式(I)において、R5は、水素、ヒドロキシル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換若しくは非置換のアリールカルボニルオキシ、又は置換若しくは非置換のアルコキシであることが必要である。R5は、水素、ヒドロキシル、置換若しくは非置換のC1~C5アルキルカルボニルオキシ、置換若しくは非置換のC6~C15アリールカルボニルオキシ、又はC1~C5アルコキシであることが好ましく、水素であることがより好ましい。

【0065】
式(I)において、R6は、-C(CH3)2-又は-CH2-であることが必要である。

【0066】
式(I)において、R7及びR8は、互いに独立して、水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のシクロアルキニル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のアリールアルキル、置換若しくは非置換のアリールアルケニル、置換若しくは非置換のヘテロアリール、又は置換若しくは非置換のヘテロアリールアルキルであることが必要である。R7及びR8は、互いに独立して、水素、置換若しくは非置換のC1~C5アルキル、置換若しくは非置換のC2~C5アルケニル、置換若しくは非置換のC2~C5アルキニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルキル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルケニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルキニル、置換若しくは非置換の3~6員のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のC6~C15アリール、置換若しくは非置換のC7~C16アリールアルキル、置換若しくは非置換のC8~C17アリールアルケニル、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリール、置換若しくは非置換の5~15員のヘテロアリールアルキルであることが好ましく、水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、又は置換若しくは非置換のアリールであることがより好ましく、水素、置換若しくは非置換のC1~C5アルキル、置換若しくは非置換のC2~C5アルケニル、置換若しくは非置換のC2~C5アルキニル、又は置換若しくは非置換のC6~C15アリールであることがさらに好ましく、R7が水素であり、且つR8が、水素、又は置換若しくは非置換のC6~C15アリールであることが特に好ましく、R7が水素であり、且つR8が水素又は2-メチルフェニルであることがとりわけ好ましく、R7が水素であり、且つR8が2-メチルフェニルであることがとりわけ特に好ましい。

【0067】
式(I)において、前記基が置換されている場合、該置換基は、それぞれ独立して、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素又はヨウ素)、シアノ、ニトロ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のシクロアルキニル、置換若しくは非置換のアミノ、及び置換若しくは非置換のアルコキシからなる群より選択される1価基であることが好ましく、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素又はヨウ素)、シアノ、ニトロ、置換若しくは非置換のC1~C5アルキル、置換若しくは非置換のC2~C5アルケニル、置換若しくは非置換のC2~C5アルキニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルキル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルケニル、置換若しくは非置換のC3~C6シクロアルキニル、置換若しくは非置換のアミノ、及び置換若しくは非置換のC1~C5アルコキシからなる群より選択される1価基であることがより好ましく、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素又はヨウ素)、シアノ、ニトロ、非置換のC1~C5アルキル、非置換のC2~C5アルケニル、非置換のC2~C5アルキニル、非置換のC3~C6シクロアルキル、非置換のC3~C6シクロアルケニル、非置換のC3~C6シクロアルキニル、非置換のアミノ、及び非置換のC1~C5アルコキシからなる群より選択される1価基であることがさらに好ましい。

【0068】
特に好ましい式(I)で表される化合物は、R1が、フェニル又はピリジン-3-イルであり、nが1であり、R2が4-シアノであり、R3及びR4が、互いに独立して、水素又はアセトキシであるか、或いは、一緒になって-O-CR7R8-O-を形成し、R5が、水素であり、R6が、-C(CH3)2-又は-CH2-であり、R7が、水素であり、R8が、2-メチルフェニルである。

【0069】
とりわけ特に好ましい式(I)で表される化合物は、以下:
(5aS,6S,8S,9aS,10R)-10-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5a-メチル-1-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-6-イル 4-シアノベンゾエート ((10R)-8), (PT005);
(5aS,6S,8S,9aS,10S)-10-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5a-メチル-1-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-6-イル 4-シアノベンゾエート ((10S)-8), (PT006);
(5aS,6S,8S,9aS,10R)-10-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5a-メチル-1-オキソ-3-フェニル-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-6-イル 4-シアノベンゾエート(34), (PT007);
(5aS,6S,8S,9aS,10R)-10-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5a,9,9-トリメチル-1-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-6-イル 4-シアノベンゾエート(15), (PT009);
(5aS,6S,8S,9aS,10R)-10-ヒドロキシ-5a,9,9-トリメチル-1-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-8-(2-(o-トルイル)-1,3-ジオキサン-5-イル)-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-6-イル 4-シアノベンゾエート (PT017);及び
2-((5aS,6S,8S,9aS,10R)-6-((4-シアノベンゾイル)オキシ)-10-ヒドロキシ-5a,9,9-トリメチル-1-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b] クロメン-8-イル)プロパン-1,3-ジイル ジアセテート (PT022)
からなる群より選択される。

【0070】
本発明において、式(I)で表される化合物、及び以下において説明する式(II)~(IX)で表される化合物は、該化合物自体だけでなく、その塩も包含する。本発明の式(I)で表される化合物の塩としては、限定するものではないが、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸若しくはリン酸のような無機酸、又はギ酸、酢酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、イセチオン酸、p-トルエンスルホン酸若しくはナフタレンスルホン酸のような有機酸アニオンとの塩が好ましい。式(I)で表される化合物が前記の塩の形態である場合、ACAT2阻害活性を実質的に低下させることなく、該化合物を使用することができる。

【0071】
式(I)で表される化合物、及び以下において説明する式(II)~(IX)で表される化合物は、前記又は下記の化合物自体だけでなく、該化合物又はその塩の溶媒和物も包含する。前記化合物又はその塩と溶媒和物を形成し得る溶媒としては、限定するものではないが、例えば、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール若しくは2-プロパノール(イソプロピルアルコール)のような1~6の炭素原子数を有するアルコール)、高級アルコール(例えば、1-ヘプタノール若しくは1-オクタノールのような7以上の炭素原子数を有するアルコール)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸、エタノールアミン若しくは酢酸エチルのような有機溶媒、又は水が好ましい。式(I)で表される化合物又はその塩が前記の溶媒との溶媒和物の形態である場合、ACAT2阻害活性を実質的に低下させることなく、該化合物を使用することができる。

【0072】
式(I)で表される化合物、及び以下において説明する式(II)~(IX)で表される化合物は、前記又は下記の化合物自体だけでなく、その保護形態も包含する。本明細書において、「保護形態」は、1個又は複数の官能基(例えばヒドロキシル基又はカルボン酸基)に保護基が導入された形態を意味する。また、本明細書において、「保護基」は、望ましくない反応の進行を防止するために、特定の官能基に導入される基であって、特定の反応条件において定量的に除去され、且つそれ以外の反応条件においては実質的に安定、即ち反応不活性である基を意味する。前記化合物の保護形態を形成し得る保護基としては、限定するものではないが、例えば、ヒドロキシル基の保護基の場合、シリル(例えば、t-ブチルジメチルシリル(TBS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)若しくはtert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS))が、カルボン酸基の保護基の場合、アルキルエステル(例えばメチル、エチル若しくはイソプロピルエステル)、又はアリールアルキルエステル(例えばベンジルエステル)が、それぞれ好ましい。前記保護基による保護化及び脱保護化は、公知の反応条件に基づき実施することができる。式(I)で表される化合物が前記の保護基による保護形態である場合、ACAT2阻害活性を実質的に低下させることなく、該化合物を使用することができる。

【0073】
また、式(I)で表される化合物、及び以下において説明する式(II)~(IX)で表される化合物が1又は複数の立体中心(キラル中心)を有する場合、前記化合物は、該化合物の個々のエナンチオマー及びジアステレオマー、並びにラセミ体のようなそれらの混合物も包含する。

【0074】
前記特徴を有することにより、式(I)で表される化合物は、高いACAT2阻害活性を発現することができる。

【0075】
<2. 新規化合物の製造方法>
本発明者らは、ピリピロペンAの全合成(非特許文献9)を参照することにより、本発明の式(I)で表される化合物を、天然物であるピリピロペンAを原料とすることなく、単純な2-シクロヘキセノン骨格を有する化合物を出発原料として合成できることを見出した。それ故、本発明はまた、本発明の式(I)で表される化合物を製造する方法に関する。

【0076】
本発明の式(I)で表される化合物を製造する方法は、(a)エポキシ化工程;(b)アルデヒド基導入工程;(c)C環導入工程;(d)D環導入工程;(e)ベンゾイル基導入工程;及び(f)還元工程;を含むことが必要である。本発明において、「A環」、「B環」、「C環」及び「D環」は、本発明の式(I)~(IX)で表される化合物において、ピリピロペンAのA環、B環、C環及びD環に対応する環をそれぞれ意味する。以下、各工程について、詳細に説明する。

【0077】
[2-1. エポキシ化工程]
本発明の式(I)で表される化合物を製造する方法は、式(II):
【化11】
JP0005946100B2_000012t.gif
で表される化合物をエポキシ化して、式(III):
【化12】
JP0005946100B2_000013t.gif
で表される化合物を得る、エポキシ化工程を含む。

【0078】
前記式(II)及び(III)において、R3、R4、R5及びR6は、前記と同義である。

【0079】
本工程において使用される式(II)で表される化合物は、例えば、E. J. Sorensenら, J. Am. Chem. Soc., 第128巻, 7025-7035頁, 2006年、又はA. Srikrishnaら, Chem. Commun., 第11巻, 1369-1370頁, 1996年に記載の公知の方法を参照することにより、調製することができる。

【0080】
本工程は、例えば、式(II)で表される化合物とハロゲン化試薬とを反応させて、式(II)で表される化合物のハロヒドリン誘導体を形成させ、次いで、該ハロヒドリン誘導体と塩基とを反応させることにより、実施することができる。前記ハロゲン化試薬としては、限定するものではないが、例えば、N-ブロモスクシンイミドのようなN-ハロスクシンイミド、及びN-ブロモアセトアミドのようなN-ハロアセトアミドを挙げることができる。前記塩基としては、限定するものではないが、例えば、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムを挙げることができる。前記エポキシ化反応によって本工程を実施することにより、式(III)で表されるエポキシ化合物を得ることができる。

【0081】
[2-2. アルデヒド基導入工程]
本発明の式(I)で表される化合物を製造する方法は、エポキシ化工程で得られる式(III)で表される化合物にアルデヒド基を導入して、式(IV):
【化13】
JP0005946100B2_000014t.gif
で表される化合物を得る、アルデヒド基導入工程を含む。

【0082】
前記式(IV)において、R3、R4、R5及びR6は、前記と同義である。

【0083】
前記式(IV)において、RP1は、ヒドロキシルの保護基である。RP1は、t-ブチルジメチルシリル(TBS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)若しくはtert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)のようなシリルであることが好ましい。

【0084】
本工程は、例えば、式(III)で表される化合物とイリドとを反応させ、得られる中間体を水存在下で酸処理することにより、実施することができる。前記イリドは、Ph3PCH2OMeClであることが好ましい。前記イリドは、対応するホスホニウム塩と等量のカリウムt-ブトキシドとのテトラヒドロフラン溶液から、氷温下で使用時に調製することができる。前記酸としては、限定するものではないが、例えば、ギ酸、酢酸及び希塩酸を挙げることができる。前記反応により、式(IV)で表される化合物の脱保護形態を得ることができる。

【0085】
或いは、本工程は、例えば、式(III)で表される化合物と有機ケイ素リチウム化合物とを反応させ、得られる中間体を塩基で処理することにより、実施することができる。前記有機ケイ素リチウム化合物は、TMSCH2OMeLiであることが好ましい。前記有機ケイ素リチウム化合物は、対応するアルキルシラン及び等量のsec-ブチルリチウムのテトラヒドロフラン溶液から、低温(例えば-50~-10℃)で使用時に調製することができる。前記塩基は、カリウムt-ブトキシドであることが好ましい。前記反応により、式(IV)で表される化合物の脱保護形態を得ることができる。

【0086】
本工程において、次いで、式(IV)で表される化合物の脱保護形態と保護化試薬とを反応させることにより、式(IV)で表される化合物の3-位のヒドロキシル基を保護(-ORP1)することができる。保護化試薬としては、限定するものではないが、例えば、t-ブチルジメチルシリルクロリド(TBSCl)及びt-ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホナート(TBSOTf)を挙げることができる。前記反応により、式(IV)で表される化合物を得ることができる。

【0087】
[2-3. C環導入工程]
本発明の式(I)で表される化合物を製造する方法は、アルデヒド基導入工程で得られる式(IV)で表される化合物を増炭及び環化して、式(V):
【化14】
JP0005946100B2_000015t.gif
で表される化合物を得る、C環導入工程を含む。

【0088】
前記式(V)において、R3、R4、R5、R6及びRP1は、前記と同義である。

【0089】
前記式(V)において、RP2は、カルボン酸の保護基である。RP2は、メチル、エチル若しくはイソプロピルエステルのようなアルキルエステル、又はベンジルエステルのようなアリールアルキルエステルであることが好ましい。

【0090】
本工程において、式(IV)で表される化合物と酢酸エステル由来のエノレートとを反応させ、得られる中間体を酸化剤で処理することにより、増炭された中間体を得る。前記酢酸エステルは、酢酸エチル又は酢酸メチルであることが好ましい。前記酢酸エステル由来のエノレートは、前記酢酸エステルと小過剰量のリチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)とのテトラヒドフラン溶液から、調製することができる。前記酸化剤は、2-ヨードキシ安息香酸(IBX)又はデスマーチンペルヨージナン(DMP)であることが好ましい。次いで、増炭された中間体を、塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン又はジアザビシクロウンデセン(DBU))存在下で塩化アセチルと反応させ、得られる中間体を強塩基で処理することにより、C環を形成させて、式(V)で表される化合物を得ることができる。前記強塩基は、ジアザビシクロウンデセン(DBU)であることが好ましい。前記反応により、C環が導入された式(V)で表される化合物を得ることができる。

【0091】
或いは、本工程において、式(IV)で表される化合物と有機マグネシウム試薬(以下、「グリニャール試薬」とも記載する)とを反応させ、得られる中間体を酸化して、式(IV-i):
【化15】
JP0005946100B2_000016t.gif
で表される中間体を得る。前記式(IV-i)において、R3、R4、R5、R6及びRP1は、前記と同義である。次いで、式(IV-i)で表される中間体を環化反応させて、式(V)で表される化合物を得ることができる。前記有機マグネシウム試薬は、例えば、5-ハロ-2,2,6-トリメチル-4H-1,3-ジオキシン-4-オンとiPrMgClとから、使用時に調製することができる(P. Knochelら, Tetrahedron Lett., 第42巻, 6847-6850頁, 2001年)。前記酸化反応は、式(IV)で表される化合物と有機マグネシウム試薬との反応によって形成されるアルコールをカルボニルに変換する反応である。前記酸化反応は、例えば、デスマーチン試薬(例えば、デスマーチンペルヨージナン(DMP))又は2-ヨードキシ安息香酸(IBX)のような公知の酸化剤を用いて実施することが好ましい。前記環化反応は、例えば、式(IV-i)で表される中間体と、メタノールとを反応させてラクトン環を開環させた後、得られる開環中間体を強塩基で処理することにより、実施することができる。前記強塩基は、ジアザビシクロウンデセン(DBU)であることが好ましい。前記反応により、C環が導入された式(V)で表される化合物を得ることができる。

【0092】
[2-4. D環導入工程]
本発明の式(I)で表される化合物を製造する方法は、C環導入工程で得られる式(V)で表される化合物を環化して、式(VII):
【化16】
JP0005946100B2_000017t.gif
で表される化合物を得る、D環導入工程を含む。

【0093】
前記式(VII)において、R1、R3、R4、R5、R6及びRP1は、前記と同義である。

【0094】
本工程において、式(V)で表される化合物を、式(VI):
R1-CORL1 (VI)
で表される化合物と塩基存在下で反応させることにより、式(VII)で表される化合物を得ることができる。前記式(VI)において、R1は、前記と同義である。RL1は、カルボン酸の活性化基である。RL1は、ハロゲン(例えば、Cl、Br若しくはI)、又はベンゾトリアゾールであることが好ましい。前記塩基は、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)又はリチウムジイソプロピルアミド(LDA)であることが好ましい。前記反応により、R1及びD環が導入された式(VII)で表される化合物を得ることができる。

【0095】
[2-5. ベンゾイル基導入工程]
本発明の式(I)で表される化合物を製造する方法は、D環導入工程で得られる式(VII)で表される化合物と、式(VIII):
【化17】
JP0005946100B2_000018t.gif
で表される化合物とを反応させて、式(IX):
【化18】
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で表される化合物を得る、ベンゾイル基導入工程を含む。

【0096】
前記式(VIII)及び(IX)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びnは、前記と同義である。前記式(VIII)において、RL2は、カルボン酸の活性化基である。RL2は、ハロゲン(例えば、Cl、Br若しくはI)であることが好ましい。本工程において、式(VIII)で表される化合物は、前記式(VIII)で表される構造を有するカルボン酸の活性化形態として予め準備してもよく、或いは、対応するカルボン酸と、カルボン酸の縮合試薬(例えば、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCl)若しくはジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC))とを反応させることにより、使用時に反応系内で調製してもよい。前記反応により、ベンゾイル基が導入された式(IX)で表される化合物を得ることができる。

【0097】
[2-6. 還元工程]
本発明の式(I)で表される化合物を製造する方法は、ベンゾイル基導入工程で得られる式(IX)で表される化合物の10-位カルボニル基を還元して、式(I)で表される化合物を得る、還元工程を含む。

【0098】
本工程は、式(IX)で表される化合物と還元剤とを反応させることにより、実施することができる。前記還元剤は、水素化ホウ素ナトリウムであることが好ましい。前記反応により、式(I)で表される化合物を得ることができる。

【0099】
例えば、本発明の式(I)で表される化合物において、R1がピリジン-3-イルであり、nが1であり、R2が4-シアノであり、R3、R4及びR5が水素であり、R6が-CH2-である化合物8は、下記スキーム1にしたがって製造することができる。

【0100】
【化19】
JP0005946100B2_000020t.gif

【0101】
スキーム1において、出発化合物である式(II)で表される化合物に対応する化合物1は、例えば、E. J. Sorensenら, J. Am. Chem. Soc., 第128巻, 7025-7035頁, 2006年に記載の公知の方法を参照することにより、調製することができる。

【0102】
化合物1から化合物2への変換は、前記エポキシ化工程によって実施することができる。例えば、化合物1に対して、5当量のハロゲン化試薬(例えばN-ブロモスクシンイミド)及び3当量の1N過塩素酸の存在下、含水ジオキサン溶媒中で、氷温下4時間反応させた後、通常の後処理を行うことにより、対応するブロモヒドリン誘導体を得る。得られたブロモヒドリン誘導体に対して、1当量の塩基(例えばジアザビシクロウンデセン(DBU))の存在下、ジクロロメタン溶媒中で、室温下において10分間反応させた後、通常の後処理を行うことにより、式(III)で表される化合物に対応する化合物2を得ることができる。

【0103】
化合物2から化合物3への変換は、前記アルデヒド基導入工程によって実施することができる。例えば、化合物2に対して、公知の方法により得られる2.5当量のイリド(該イリドは、例えば、対応するホスホニウム塩及び等量のカリウムt-ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液から、氷温下調製される)の存在下、テトラヒドロフラン溶媒中で、室温下1.5時間反応させた後、含水酸(例えば含水ギ酸)を加えて、30分間反応させ、通常の後処理を行うことにより、対応するアルデヒドを得る。得られたアルデヒドに対して、3当量のt-ブチルジメチルシリルクロリド(TBSCl)、6当量の塩基(例えばイミダゾール)、及び触媒量の有機アミン(例えばジメチルアミノピリジン)の存在下、ジメチルホルムアミド溶媒中、50℃で1時間反応させた後、通常の後処理を行うことにより、式(IV)で表される化合物に対応する化合物3を得ることができる。

【0104】
化合物3から化合物6への変換は、前記C環導入工程によって実施することができる。本工程は、例えば、化合物4又は化合物5を経る方法により、実施することができる。

【0105】
化合物3から化合物4への変換は、以下の方法で行うことができる。例えば、化合物3に対し、公知の方法により得られる1.5当量の酢酸エステル由来のエノレート(該エノレートは、例えば、酢酸エチルと小過剰量のリチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)のテトラヒドフラン溶液から、-78℃で調製される)の存在下、テトラヒドロフラン溶媒中で、-78℃で5分間反応させ、通常の後処理を行うことにより、対応する中間体を得る。得られた中間体に対して、2.5当量の酸化剤(例えば2-ヨードキシ安息香酸(IBX))の存在下、ジメチルスルホキシド溶媒中、室温で1時間反応させた後、通常の後処理を行うことにより、増炭された中間体に対応する化合物4を得ることができる。

【0106】
化合物4から化合物6への変換は、以下の方法で行うことができる。例えば、化合物4に対して、1.3当量の塩化マグネシウム、2.7当量の塩基(例えばピリジン)及び1.3当量の塩化アセチルの存在下、ジクロロメタン溶媒中で、-30℃で5分間反応させた後、通常の後処理を行うことにより、対応する中間体を得る。得られた中間体に対して、1当量の強塩基(例えばジアザビシクロウンデセン(DBU))の存在下、トルエン溶媒中で、還流条件下において15分反応させた後、通常の後処理を行うことにより、式(V)で表される化合物に対応する化合物6を得ることができる。

【0107】
化合物3から化合物5への変換は、以下の方法で行うことができる。例えば、化合物3に対して、公知の方法により得られる2当量の対応する有機マグネシウム試薬の存在下、テトラヒドロフラン溶媒中で、室温で15分間反応させ、通常の後処理を行うことにより、対応する中間体を得る。得られた中間体に対して、1.5当量の酸化剤(例えばデスマーチンペルヨージナン(DMP))の存在下、ジクロロメタン溶媒中、0℃で30分間反応させた後、通常の後処理を行うことにより、式(IV-i)で表される化合物に対応する化合物5を得ることができる。

【0108】
化合物5から化合物6への変換は、以下の方法で行うことができる。即ち、化合物5に対して、メタノール・トルエン混合溶媒中で、80℃下5時間反応させた後、通常の後処理を行うことにより、ラクトン環を開環させて、対応する開環中間体を得る。得られた開環中間体に対して、1当量の強塩基(例えばジアザビシクロウンデセン(DBU))の存在下、トルエン溶媒中で、100℃で12時間反応させた後、通常の後処理を行うことにより、式(V)で表される化合物に対応する化合物6を得ることができる。

【0109】
化合物6から化合物7への変換は、前記D環導入工程によって実施することができる。例えば、化合物6に対して、5当量の塩基(例えばリチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS))の存在下、テトラヒドロフラン溶媒中で、室温下5時間反応させた後、2当量の式(VI)で表される化合物(例えばニコチン酸クロリド塩酸塩)を加え、室温下4時間反応させ、通常の後処理を行うことにより、式(VII)で表される化合物に対応する化合物7を得ることができる。

【0110】
化合物7から化合物8への変換は、前記ベンゾイル基導入工程及び還元工程によって実施することができる。例えば、化合物7に対して、2当量の塩化アセチルの存在下、メタノール溶媒中で、室温で2時間反応させた後、通常の後処理を行うことにより、対応する中間体を得る。得られた中間体に対し、1.5当量の式(VIII)で表される化合物に対応するカルボン酸(例えばp-シアノ安息香酸)、2当量の縮合試薬(例えば、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCl))、及び触媒量のジメチルアミノピリジンの存在下、ジクロロメタン溶媒中で、室温で2.5時間反応させることにより、式(VIII)で表される化合物を反応系内で調製して、前記中間体と反応させる。その後、通常の後処理を行うことにより、式(IX)で表される化合物に対応する中間体を得る。得られた式(IX)で表される化合物に対応する中間体に対して、1.2当量の還元剤(例えば水素化ホウ素ナトリウム)の存在下、メタノール溶媒中で、0℃で15分間反応させた後、通常の後処理を行うことにより、式(I)で表される化合物に対応する化合物8の(10R)体を得ることができる。また、この反応に、塩化セリウム7水和物を添加し、同様に後処理を行うことにより、式(I)で表される化合物に対応する化合物8の(10S)体を得ることができる。

【0111】
例えば、本発明の式(I)で表される化合物において、R1がピリジン-3-イルであり、nが1であり、R2が4-シアノであり、R3、R4及びR5が水素であり、R6が-C(CH3)2-である化合物15は、下記スキーム2にしたがって製造することができる。

【0112】
【化20】
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【0113】
スキーム2において、出発化合物である式(II)で表される化合物に対応する化合物9は、例えば、前記で例示した化合物1に対し、例えば、A. Srikrishnaら, Chem. Commun., 第11巻, 1369-1370頁, 1996年に記載の公知の方法を参照してメチル基を導入することにより、調製することができる。

【0114】
化合物9から化合物10への変換は、前記エポキシ化工程によって実施することができる。例えば、前記スキーム1に示す化合物1から化合物2への変換方法と同様の手法により行うことができる。或いは、化合物9に対して、3当量のハロゲン化試薬(例えばN-ブロモアセトアミド)及び3当量の酢酸銀の存在下、酢酸溶媒中、室温下4時間反応させた後、通常の後処理を行うことにより、対応するブロモヒドリン中間体を得る。得られた中間体に対して、3当量の塩基(例えば炭酸カリウム)の存在下、メタノール溶媒中、室温で30分間反応させた後、通常の後処理を行うことにより、式(III)で表される化合物に対応する化合物10を得ることができる。

【0115】
化合物10から化合物11への変換は、前記アルデヒド基導入工程によって実施することができる。例えば、化合物10に対し、公知の方法により得られる3当量の有機ケイ素リチウム化合物(該有機ケイ素リチウム化合物は、例えば、対応するアルキルシラン及び等量のsec-ブチルリチウムのテトラヒドロフラン溶液から、-23℃下で調製される)の存在下、テトラヒドロフラン溶媒中で、-60℃で40分間反応させ、次いで4当量の塩基(例えばカリウムt-ブトキシド)を1時間反応させた後、通常の後処理を行うことにより、対応するアルデヒドを得る。得られたアルデヒドに対して、3当量のt-ブチルジメチルシリルクロリド(TBSCl)、6当量の塩基(例えばイミダゾール)、及び触媒量の有機アミン(例えばジメチルアミノピリジン)の存在下、ジメチルホルムアミド溶媒中、50℃で1時間反応させた後、通常の後処理を行うことにより、式(IV)で表される化合物に対応する化合物11を得ることができる。

【0116】
化合物11から化合物12への変換、化合物12から化合物13への変換、化合物13から化合物14への変換、及び化合物14から化合物15への変換は、いずれも前記スキーム1に示すのと同様の方法により、実施することができる。

【0117】
前記で説明した方法により、天然物であるピリピロペンAを原料とすることなく、単純な2-シクロヘキセノン骨格を有する化合物を出発原料として、本発明の式(I)で表される化合物を製造することができる。それ故、本発明により、医薬の有効成分となり得る本発明の式(I)で表される化合物、又は該化合物から誘導される多様な化合物を、合成的手段によって、高純度且つ低コストで大量に提供することが可能となる。

【0118】
<3. 医薬用途>
本発明の式(I)で表される化合物は、ピリピロペンAと同等又はそれ以上のACAT2阻害活性を有する。それ故、本発明は、本発明の式(I)で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分として含むACAT2阻害剤に関する。また、本発明の式(I)で表される化合物を対象に投与した場合、ACAT2阻害活性を介して、該対象の有する特定の疾患若しくは症状を予防又は治療し得る。それ故、本発明はまた、本発明の式(I)で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分として含む医薬に関する。

【0119】
本発明の式(I)で表される化合物のACAT2阻害活性は、限定するものではないが、例えば、ヒト又は非ヒト哺乳動物(例えば、ブタ、イヌ、ウシ、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ニワトリ、ヒツジ、ネコ、サル、マントヒヒ若しくはチンパンジー等の温血動物)の小腸又は肝臓から調製したミクロソーム画分をACAT2酵素タンパク質の酵素源として、本発明の式(I)で表される化合物の存在下で該酵素源によるアシル基転移反応の進行を定量的に測定することにより、決定することができる。ACAT2酵素タンパク質の酵素源は、前記ヒト又は非ヒト哺乳動物のACAT2を高発現させた培養細胞から調製したミクロソーム画分であってもよい。アシル基転移反応の進行は、例えば、放射性同位元素等で標識した基質(オレオイルコエンザイムA)を用いて測定することができる。

【0120】
本発明の式(I)で表される化合物を医薬用途に適用する場合、式(I)で表される化合物は、該化合物自体だけでなく、該化合物の製薬上許容される塩、及びそれらの製薬上許容される溶媒和物も包含する。本発明の式(I)で表される化合物の製薬上許容される塩、及びそれらの製薬上許容される溶媒和物としては、限定するものではないが、例えば、前記で例示した塩又は溶媒和物が好ましい。式(I)で表される化合物が前記の塩又は溶媒和物の形態である場合、ACAT2阻害活性を実質的に低下させることなく、該化合物を所望の医薬用途に適用することができる。

【0121】
本発明の式(I)で表される化合物を医薬用途に適用する場合、該化合物を単独で使用してもよく、1種以上の製薬上許容される成分と組み合わせて使用してもよい。本発明の医薬は、所望の投与方法に応じて、当該技術分野で通常使用される様々な剤形に製剤されることができる。それ故、本発明の医薬はまた、本発明の式(I)で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物と、1種以上の製薬上許容される担体とを含む医薬組成物の形態で提供されることもできる。本発明の医薬組成物は、前記成分に加えて、製薬上許容される1種以上の媒体(例えば、滅菌水のような溶媒又は生理食塩水のような溶液)、賦形剤、結合剤、ビヒクル、溶解補助剤、防腐剤、安定剤、膨化剤、潤滑剤、界面活性剤、乳化剤、油性液(例えば、植物油)、懸濁剤、緩衝剤、無痛化剤、酸化防止剤、甘味剤及び香味剤等を含んでもよい。

【0122】
本発明の式(I)で表される化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物を有効成分として含む医薬の剤形は、特に限定されず、非経口投与に使用するための製剤であってもよく、経口投与に使用するための製剤であってもよい。また、本発明の医薬の剤形は、単位用量形態の製剤であってもよく、複数投与形態の製剤であってもよい。非経口投与に使用するための製剤としては、例えば、水若しくはそれ以外の製薬上許容される媒体との無菌性溶液又は懸濁液等の注射剤を挙げることができる。注射剤に混和することができる成分としては、限定するものではないが、例えば、生理食塩水、ブドウ糖若しくはその他の補助薬(例えば、D-ソルビトール、D-マンニトール、D-マンノース若しくは塩化ナトリウム)を含む等張液のようなビヒクル、アルコール(例えばエタノール若しくはベンジルアルコール)、ポリアルコール(例えばプロピレングリコール若しくはポリエチレングリコール)若しくはエステル(例えば安息香酸ベンジル)のような溶解補助剤、ポリソルベート80(商標)又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のような非イオン性界面活性剤、ゴマ油又は大豆油のような油性液、リン酸塩緩衝液又は酢酸ナトリウム緩衝液のような緩衝剤、塩化ベンザルコニウム又は塩酸プロカインのような無痛化剤、ヒト血清アルブミン又はポリエチレングリコールのような安定剤、保存剤、並びに酸化防止剤等を挙げることができる。調製された注射剤は、通常、適当なバイアル(例えばアンプル)に充填され、使用時まで適切な環境下で保存される。

【0123】
経口投与に使用するための製剤としては、例えば、錠剤、丸薬、散剤、カプセル剤、マイクロカプセル剤、エリキシル剤、液剤、シロップ剤、スラリー剤及び懸濁液等を挙げることができる。錠剤は、所望により、糖衣又は溶解性被膜を施した糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠又はフィルムコーティング錠の剤形として製剤してもよく、或いは二重錠又は多層錠の剤形として製剤してもよい。

【0124】
錠剤又はカプセル剤等に混和することができる成分としては、限定するものではないが、例えば、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、グルコース液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、コーンスターチ、トラガントガム又はアラビアゴムのような結合剤;結晶性セルロース、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、グルコース、尿素、澱粉、炭酸カルシウム、カオリン又はケイ酸のような賦形剤;乾燥澱粉、アルギン酸ナトリウム、寒天末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、澱粉又は乳糖のような崩壊剤;白糖、ステアリンカカオバター又は水素添加油のような崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩又はラウリル硫酸ナトリウムのような吸収促進剤;グリセリン又はデンプンのような保湿剤;澱粉、乳糖、カオリン、ベントナイト又はコロイド状ケイ酸のような吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩(例えばステアリン酸マグネシウム)、ホウ酸末又はポリエチレングリコールのような潤滑剤;ショ糖、乳糖又はサッカリンのような甘味剤;及びペパーミント、アカモノ油又はチェリーのような香味剤等を挙げることができる。製剤がカプセル剤の場合、さらに油脂のような液状担体を含有してもよい。

【0125】
本発明の式(I)で表される化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物を有効成分として含む医薬は、デポー製剤として製剤化することもできる。この場合、デポー製剤の剤形の本発明の医薬を、例えば皮下若しくは筋肉に埋め込み、又は筋肉注射により投与することができる。本発明の医薬をデポー製剤に適用することにより、本発明の式(I)で表される化合物のACAT2阻害活性を、長期間に亘って持続的に発現することができる。

【0126】
本発明の式(I)で表される化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物を有効成分として含む医薬は、医薬として有用な1種以上の他の薬剤と併用することもできる。本発明の式(I)で表される化合物と併用される他の薬剤としては、限定するものではないが、例えば、スタチン系医薬品(例えば、アトロバスタチン)を挙げることができる。この場合、本発明の医薬は、本発明の式(I)で表される化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物と、1種以上の前記他の薬剤とを含む併用医薬の形態となる。前記併用医薬は、本発明の式(I)で表される化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物と、1種以上の前記他の薬剤とを組み合わせてなる医薬組成物の形態であってもよく、本発明の式(I)で表される化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物を含む、1種以上の前記他の薬剤と併用される医薬組成物の形態であってもよい。本発明の医薬が前記のような併用医薬の形態である場合、本発明の式(I)で表される化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物と、1種以上の他の薬剤とを含む、単一製剤の形態で提供されてもよく、1種以上の他の薬剤とが別々に製剤化された複数の製剤を含む医薬組合せ又はキットの形態で提供されてもよい。医薬組合せ又はキットの形態の場合、それぞれの製剤を同時又は別々に(例えば連続的に)投与することができる。

【0127】
本発明の式(I)で表される化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物を有効成分として含む医薬は、ACAT2が関与する種々の疾患、症状及び/又は障害を、同様に予防又は治療することができる。前記疾患、症状及び/又は障害としては、限定するものではないが、例えば、脂質異常症、動脈硬化症、高血圧症、脂肪肝及び肥満症を挙げることができる。前記疾患、症状及び/又は障害は、脂質異常症、動脈硬化症、高血圧症、脂肪肝及び肥満症からなる群より選択される1種以上の疾患若又は症状であることが好ましい。前記疾患若しくは症状の予防又は治療を必要とする対象に本発明の医薬を投与することにより、前記疾患若しくは症状を予防又は治療することができる。

【0128】
本発明の式(I)で表される化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物を有効成分として含む医薬は、前記症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療を必要とする様々な対象に適用することができる。前記対象は、ヒト又は非ヒト哺乳動物(例えば、ブタ、イヌ、ウシ、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ニワトリ、ヒツジ、ネコ、サル、マントヒヒ若しくはチンパンジー等の温血動物)の被験体又は患者であることが好ましい。前記対象に本発明の医薬を投与することにより、該対象が有する種々の疾患、症状及び/又は障害を予防又は治療することができる。

【0129】
本明細書において、「予防」は、症状、疾患及び/又は障害の発生(発症又は発現)を実質的に防止することを意味する。また、本明細書において、「治療」は、発生(発症又は発現)した症状、疾患及び/又は障害を抑制(例えば進行の抑制)、軽快、修復及び/又は治癒することを意味する。

【0130】
本発明の式(I)で表される化合物は、前記で説明した症状、疾患及び/又は障害(例えば、脂質異常症、動脈硬化症、高血圧症、脂肪肝又は肥満症)を有する対象において、該症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療に使用することができる。それ故、本発明の医薬は、前記で説明した症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療に使用するための医薬であることが好ましく、脂質異常症、動脈硬化症、高血圧症、脂肪肝及び肥満症からなる群より選択される1種以上の疾患若しくは症状の予防又は治療に使用するための医薬であることがより好ましい。本発明の医薬をACAT2が関与する前記症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療に使用することにより、本発明の式(I)で表される化合物のACAT2阻害活性を介して、該症状、疾患及び/又は障害を予防又は治療することができる。

【0131】
本発明の式(I)で表される化合物は、前記で説明した症状、疾患及び/又は障害(例えば、脂質異常症、動脈硬化症、高血圧症、脂肪肝又は肥満症)を有する対象において、該症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療に使用することができる。それ故、本発明の一実施形態は、前記で説明した症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療を必要とする対象に、有効量の本発明の式(I)で表される化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物を投与することを含む、前記疾患若しくは症状の予防又は治療方法である。前記症状、疾患及び/又は障害は、脂質異常症、動脈硬化症、高血圧症、脂肪肝及び肥満症からなる群より選択される1種以上の疾患又は症状であることが好ましい。ACAT2が関与する前記症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療を必要とする対象に、本発明の式(I)で表される化合物を投与することにより、本発明の式(I)で表される化合物のACAT2阻害活性を介して、該症状、疾患及び/又は障害を予防又は治療することができる。

【0132】
本発明の他の一実施形態は、前記で説明した症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療に使用するための、本発明の式(I)で表される化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物である。本発明の別の実施形態は、前記で説明した症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療に用いるための医薬の製造のための、本発明の式(I)で表される化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物の使用である。前記症状、疾患及び/又は障害は、脂質異常症、動脈硬化症、高血圧症、脂肪肝及び肥満症からなる群より選択される1種以上の疾患又は症状であることが好ましい。本発明の医薬を、ACAT2が関与する前記症状、疾患及び/又は障害の予防又は治療に使用することにより、本発明の式(I)で表される化合物のACAT2阻害活性を介して、該症状、疾患及び/又は障害を予防又は治療することができる。

【0133】
本発明の式(I)で表される化合物若しくはその製薬上許容される塩、又はそれらの製薬上許容される溶媒和物を有効成分として含む医薬を、対象、特にヒト患者に投与する場合、正確な用量及び用法(例えば、投与量、投与回数及び/又は投与経路)は、対象の年齢、性別、予防又は治療されるべき症状、疾患及び/又は障害の正確な状態(例えば重症度)、並びに投与経路等の多くの要因を鑑みて、担当医が治療上有効な投与量、投与回数及び投与経路等を考慮して、最終的に決定すべきである。それ故、本発明の医薬において、有効成分である式(I)で表される化合物は、治療上有効な量及び回数で、対象に投与される。例えば、本発明の医薬をヒト患者に投与する場合、有効成分である式(I)で表される化合物の投与量は、通常は、1回投与あたり、0.001~100 mg/kg体重の範囲であり、典型的には、1回投与あたり、0.01~10 mg/kg体重の範囲であり、特に、1回投与あたり、0.1~10 mg/kg体重の範囲である。また、本発明の医薬の投与回数は、例えば、1日に1回又は複数回、或いは数日に1回とすることができる。また、本発明の医薬の投与経路は、特に限定されず、経口的に投与されてもよく、非経口的(例えば、直腸内、径粘膜、腸内、筋肉内、皮下、骨髄内、鞘内、直接心室内、静脈内、硝子体内、腹腔内、鼻腔内又は眼内)に単回若しくは複数回投与されてもよい。本発明の医薬を、前記の用量及び用法で使用することにより、本発明の式(I)で表される化合物のACAT2阻害活性を介して、ACAT2が関与する前記症状、疾患及び/又は障害を予防又は治療することができる。
【実施例】
【0134】
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0135】
<I. 新規化合物の調製>
[実施例1]
(5aS,6S,8S,9aS,10R)-10-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5a-メチル-1-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-6-イル・アセテート (10R)-29, (PT001)の製造
1) (1S,4R,6S)-4-イソプロピル-1-メチル-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン-2-オン(2)の合成
【化21】
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【実施例】
【0136】
(R)-(-)-カルボン (4.13 mL, 26.3 mmol) に、PtO2 (6.0 mg, 26.3μmol) を加え、水素雰囲気下14時間激しく撹拌した。その後セライトろ過を行い、ろ液を減圧下濃縮した。
【実施例】
【0137】
得られた化合物(1)の粗生成物の含水ジオキサン溶液 (10%, 220 mL) に、NBS (23.4 g, 132 mmol) と1N 過塩素酸 (78.9 mL, 78.9 mmol) とを加え、0℃で4時間撹拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応を止め、反応液をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、減圧下濃縮し、得られた粗物質をCH2Cl2 (88 mL) に溶解した後、DBU (3.90 mL, 26.3 mmol) を加え、室温で10分撹拌した。反応液をEtOAcで希釈し、有機層を水で3回洗浄した。得られた有機層をNa2SO4で乾燥後、減圧下濃縮した。得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル200 g, ヘキサン:EtOAc=80:1)で精製を行うことにより、無色油状物質として化合物(2) (2.44 g, 3段階, 55%) を得た。
【実施例】
【0138】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.43 (d, 1H, J=4.8 Hz, CH2C[H](O)), 2.56 (t, 1H, J=13.2 Hz, 1/2 COC[H2]), 2.11-2.03 (m, 2H, 1/2 COC[H2], 1/2 C[H2]CH(O)), 1.89-1.81 (m, 2H, 1/2 C[H2]CH(O), (CH3)2CHC[H]), 1.55-1.48 (m, 1H, (CH3)2C[H]CH), 1.39 (s, 3H, Me), 0.90 (d, 3H, J=6.8 Hz, (C[H3])2CHCH), 0.87 (d, 3H, J=6.8 Hz, (C[H3])2CHCH);
HRMS (EI) [M]+ 次式の計算値: C10H16O2168.1150, 実測値: 168.1148。
【実施例】
【0139】
なお、本明細書において、NMRの帰属データ中の「[H]」は、該帰属データに示す化学シフト値に対応する原子を意味する。
【実施例】
【0140】
2) (3S,5S)-3-ヒドロキシ-5-イソプロピル-2-メチルシクロヘキス-1-エンカルバルデヒド(27)の合成
【化22】
JP0005946100B2_000023t.gif
【実施例】
【0141】
窒素雰囲気下、MeOCH2PPh3Cl (2.44 g, 7.12 mmol) のTHF溶液 (5.0 mL) にtBuOK (799 mg, 7.12 mmol) を加え、0℃で1時間撹拌した後、化合物(2) (479 mg, 2.85 mmol) の THF (5.0 mL) 溶液を摘下し、室温下1.5時間撹拌し、さらにH2O (0.500 mL) とHCOOH (1.32 mL) を加え、室温で30分間撹拌した。K2CO3 飽和水溶液を加えて反応を止め、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮して、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル20 g, ヘキサン:EtOAc=3:1)で精製を行うことにより無色油状物質(27) (493 mg, 95%) を得た。
【実施例】
【0142】
[α]27D +960.1 (c 0.1, CHCl3);
IR (KBr) 3020, 2401, 1665, 1423, 1216, 756, 670, 472, 445, 405 cm-1;
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.13 (s, 1H, C[H]O), 4.29-4.24 (m, 1H, C(CH3)C[H](OH)CH2), 2.39 (d, 1H, J=16.6 Hz, 1/2 C[H2]CCHO), 2.22-2.21 (m, 3H, C[H3]CCH(OH)), 2.18-2.12 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OH), 1.76-1.67 (m, 1H, 1/2 C[H2]CCHO), 1.58-1.50 (m, 1H, (CH3)2C[H]CH), 1.40-1.30 (m, 1H, (CH3)2CHC[H]), 1.25-1.16 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OH)), 0.89 (d, 6H, J=6.8 Hz, (C[H3])2CHCH);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 192.6, 156.3, 134.5, 72.9, 38.3, 36.5, 32.5, 26.7, 19.9, 19.6, 13.2;
HRMS (EI) [M]+ 次式の計算値: C11H18O2182.1307, 実測値: 182.1311。
【実施例】
【0143】
3) (3S,5S)-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-5-イソプロピル-2-メチルシクロヘキス-1-エンカルバルデヒド(3)の合成
【化23】
JP0005946100B2_000024t.gif
【実施例】
【0144】
窒素雰囲気下、化合物(27) (460 mg, 2.54 mmol) のDMF溶液 (25 mL) に、イミダゾール (1.03 g, 15.1 mmol)、DMAP (N,N-ジメチル-4-アミノピリジン)(37.8 mg, 0.252 mmol) 及びTBSCl (1.14 g, 7.57 mmol) を加えて、50℃で1時間撹拌した。H2O を加えて反応を止め、EtOAc を加えて有機層を2N HClと水とで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮し、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル20 g, ヘキサン:EtOAc =40:1) で精製することにより、無色油状物質として化合物(3) (679 mg, 76%) を得た。
【実施例】
【0145】
[α]27D +53.5 (c 1.0, CHCl3);
IR (KBr) 3054, 2959, 2934, 1710, 1680, 1423, 1265, 839, 732, 707 cm-1;
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.15 (s, 1H, C[H]O), 4.27 (br s, 1H, CH2C[H](OTBS)), 2.41-2.35 (m, 1H, 1/2 C[H2]CCHO), 2.14 (s, 3H, C=C(C[H3])), 2.04-1.96 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OTBS), 1.78-1.68 (m, 1H, 1/2 C[H2]CCHO), 1.61-1.49 (m, 1H, (CH3)2C[H]CH), 1.33-1.24 (m, 1H, (CH3)2CHC[H]), 1.26 (dd, 1H, J=11.2, 10.0 Hz, 1/2 C[H2]CH(OTBS)), 0.92 (s, 9H, Si(CH3)2C(C[H3])3) 0.90 (dd, 6H, J=6.6, 1.8 Hz, (C[H3])2CHCH), 0.12 (d, 6H, J=4.2 Hz, Si(C[H3])2C(CH3)3);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 192.5, 157.2, 134.3, 73.7, 38.2, 36.7, 32.5, 26.4, 26.1, 20.0, 19.5, 18.4, 13.7, -3.6, -4.6;
HRMS (FAB, PEG400) [M+Na]+ 次式の計算値: C17H32NaO2Si 319.2069, 実測値: 319.2064。
【実施例】
【0146】
4) 3-((3S,5S)-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-5-イソプロピル-2-メチルシクロヘキス-1-エニル)-3-オキソプロパン酸エチル(4a)の合成
【化24】
JP0005946100B2_000025t.gif
【実施例】
【0147】
アルゴン雰囲気下-78℃で、酢酸エチル (300μL, 2.93 mmol) のTHF溶液 (10 mL) に、LHMDS (1.06M THF溶液, 2.96 mL, 3.14 mmol) を滴下し、30分間撹拌した後、化合物(3) (580 mg, 1.96 mmol)のTHF (10 mL)溶液を滴下し、5分間撹拌した。NH4Cl飽和水溶液を加えて反応を止め、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮した。
【実施例】
【0148】
得られた残渣のDMSO溶液 (20 mL) に、IBX (1.37 g, 4.90 mmol) を加え、室温下1時間撹拌した。Na2S2O3飽和水溶液を加えて反応を止め、EtOAcを加えて水で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮し、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル12.9 g, ヘキサン:EtOAc=80:1)で精製を行うことにより無色油状物質として化合物(4a) (622 mg, 2段階, 83%) を得た。
【実施例】
【0149】
[α]27D +134.9 (c 1.0, CHCl3);
IR (KBr) 3054, 2958, 2933, 2859, 1736, 1617, 1417, 1265, 1218, 1079, 1041, 836, 741 cm-1;
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.23-4.14 (m, 3H, CH2C[H](OTBS), CO2C[H2]CH3), 3.57 (s, 2H, J=3.6 Hz, COC[H2]CO2Et), 2.21-2.15 (m, 1H, 1/2 C[H2]CCOCH2CO2Et), 2.02-1.85 (m, 2H, 1/2 C[H2]CH(OTBS), 1/2 C[H2]COCH2CO2Et), 1.82 (s, 3H, C=C(C[H3])), 1.59-1.48 (m, 1H, (CH)2C[H]CH), 1.47-1.41 (m, 1H, (CH3) 2CHC[H]), 1.27 (t, 3H, J=7.2 Hz, CO2CH2C[H3]), 1.27-1.21 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OTBS)), 0.95-0.85 (m, 15H, Si(CH3) 2C(C[H3])3, (C[H3])2CHCH), 0.10 (s, 3H, Si(C[H3])2C(CH3)3), 0.08 (s, 3H, Si(C[H3])2C(CH3)3);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 175.7, 168.0, 139.6, 129.1, 91.3, 73.1, 61.6, 49.1, 39.0, 36.6, 32.4, 31.6, 30.6, 26.2, 19.5, 18.5, 17.2, 16.7, 14.6, -3.7, -4.5;
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C21H38NaO4Si 405.2437, 実測値: 405.2434。
【実施例】
【0150】
5) 8-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-6-イソプロピル-2,8a-ジメチル-4-オキソ-4a,5,6,7,8,8a-ヘキサヒドロン-4H-クロメン-3-カルボン酸・(4aR,6S,8S,8aS)-エチル (6a)の合成
【化25】
JP0005946100B2_000026t.gif
【実施例】
【0151】
窒素雰囲気下、 4a (69.9 mg, 180μmol) の CH2Cl2溶液 (2.0 mL) に MgCl2 (22.6 mg, 240μmol) と ピリジンe (38μL, 480μmol) を加え 0℃下 10 分間撹拌した後、塩化アセチル (17μL, 240μmol) を加え室温下 5 分間撹拌した。H2O を加えて反応を止め、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮した。
【実施例】
【0152】
得られた残渣の トルエン溶液 (2.0 mL) に窒素雰囲気下 DBU (22μL, 150μmol) を加え、還流条件下で15分間撹拌した。H2O を加えて反応を止め、EtOAcを加えて水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮して、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル1.02 g, ヘキサン:EtOAc=60:1)で精製を行うことにより黄色油状物質 6a (64.5 mg, 2段階, 83%) を8a位の3:1のジアステレオマー混合物として得た。
【実施例】
【0153】
[α]27D +27.1 (c 1.0, CHCl3);
IR (KBr) 3055, 2983, 2958, 2934, 1725, 1681, 1393, 1265, 1112, 835, 733, 706 cm-1;
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.23 (q, 2H, J=4.4 Hz, CO2C[H2]CH3), 3.83 (dd, 1H, J=11.2, 5.2 Hz, C[H]OTBS), 2.44 (dd, 1H, J=12.4, 4.0 Hz, CH2C[H]CO), 2.17 (s, 3H, C=CC[H3]), 2.07 (ddd, 1H, J=17.6, 9.2, 3.2 Hz, 1/2 COCHC[H2]), 1.74-1.66 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OTBS)), 1.52-1.44 (m, 1H, (CH3)2C[H]CH), 1.43-1.38 (m, 1H, (CH3)2CHC[H]), 1.28 (t, 3H, J=7.2 Hz, CO2CH2C[H3]), 1.16 (s, 3H, C(C[H3])CH(OTBS)), 1.13 (dd, 1H, J=12.4, 1.6 Hz, 1/2 C[H2]CH(OTBS)), 0.91 (dd, 1H, J=14.0, 1.6 Hz, 1/2 C[H2]CHCO), 0.90 (s, 9H, Si(CH3)2C(C[H3])3), 0.87 (d, 6H, J=3.6 Hz, (C[H3])2CHCH), 0.09 (s, 3H, 1/2 Si(C[H3])2C(CH3)3), 0.07 (s, 3H, 1/2 Si(C[H3])2C(CH3)3);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 189.7, 174.9, 165.9, 110.9, 87.2, 76.2, 60.9, 49.9, 40.5, 36.0, 32.2, 25.9, 24.0, 20.8, 20,1, 19.7, 18.3, 14.4, 10.2, -4.4;
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C23H40NaO5Si 447.2543, 実測値: 447.253
3。
【実施例】
【0154】
6) 5-((3S,5S)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-5-イソプロピル-2-メチルシクロヘキス-1-エンカルボニル)-2,2,6-トリメチル-4H-1,3-ジオキシン-4-オン(5)の合成
【化26】
JP0005946100B2_000027t.gif
【実施例】
【0155】
アルゴン雰囲気下-30℃で5-ヨード-2,2,6-トリメチル-4H-1,3-ジオキシン-4-オン (Tetrahedron Lett., 2001年, 第42巻, 6847-6850頁) (914 mg, 3.41 mmol) のTHF溶液 (13 mL) にiPrMgCl (2.0M THF溶液, 1.71 mL, 3.41 mmol) を滴下し、5分間撹拌した後、化合物(3) (505 mg, 1.71 mmol)のTHF溶液 (4.0 mL) を滴下し、-30℃で15分間撹拌した。NH4Cl 飽和水溶液を加えて反応を止め、CH2Cl2で抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮した。
【実施例】
【0156】
得られた残渣のCH2Cl2溶液 (10 mL) に、窒素雰囲気下0℃でDMP (1.08 g, 2.56 mmol) を加え、30分間撹拌した。Na2S2O3飽和水溶液とNaHCO3飽和水溶液とを加えて反応を止め、EtOAcを加えて有機層をNaHCO3飽和水溶液と水とで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮して、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル50 g, ヘキサン:EtOAc=20:1) で精製を行うことにより、無色油状物質として化合物(5) (508 mg, 2段階, 68%) を得た。
【実施例】
【0157】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.21 (bs, 1H, CH2C[H]OSi), 2.27 (s, 3H, C[H3]COC(CH3)2), 2.15-2.08 (m, 1H, 1/2 CHC[H2]CHOSi), 1.96-1.90 (m, 2H, 1/2 CHC[H2]COSi, 1/2 CHC[H2]C=CCH3), 1.70 (bs, 9H, C[H3]CCHOSi, C(O)OC(C[H3])2), 1.53-1.46 (m, 2H, C[H]CH(CH3)2, 1/2 CHC[H2]C=CCH3), 1.34-1.28 (m, 1H, CHC[H](CH3)2), 0.87 (bs, 15H, CHCH(C[H3])2, Si(CH3)2C(C[H3])3), 0.06 (s, 6H, Si(C[H3])2C(CH3)3);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 196.8, 175.4, 158.8, 138.5, 136.1, 109.8, 106.6, 73.0, 39.1, 36.7, 32.4, 31.3, 31.1, 26.2, 25.8, 25.7, 20.2, 19.9, 19.7, 18.5, 16.5, -3.7, -4.5;
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C24H40NaO5Si, 459.2543, 実測値: 459.2526。
【実施例】
【0158】
7) 8-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-6-イソプロピル-2,8a-ジメチル-4-オキソ-4a,5,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-4H-クロメン-3-カルボン酸・(4aR,6S,8S,8aS)-メチル(6b)の合成
【化27】
JP0005946100B2_000028t.gif
【実施例】
【0159】
化合物(5) (43.7 mg, 0.100 mmol) にトルエン (0.8 mL) とMeOH (0.2 mL) を加えて90℃で12時間撹拌した後、濃縮した。
【実施例】
【0160】
得られた残渣のトルエン溶液 (1.0 mL) にDBU (15.0μL, 0.100 mmol) を加えて、100℃で12時間撹拌した。反応液をEtOAcで希釈し、H2Oで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮して、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル5 g, ヘキサン:EtOAc=20:1) で精製を行うことにより無色油状物質として化合物(6b) (43.7 mg, 2段階, 80%) を、8a位の4:1ジアステレオマー混合物として得た。
【実施例】
【0161】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.87-3.82 (m, 1H, C[H]OTBS), 3.79 (s, 3H, CO2C[H3]), 2.47 (dd, 1H, J=16.0, 4.0 Hz, CH2C[H]CO), 2.22 (s, 3H, C=CC[H3]), 2.15-2.07 (m, 1H, 1/2 COCHC[H2]), 1.77-1.71 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OTBS)), 1.57-1.47 (m, 2H, (CH3)2C[H]CH, (CH3)2CHC[H])), 1.19 (s, 3H, C(C[H3])CH(OTBS)), 1.30-1.25 (m, 1H, 1/2 COCHC[H2]), 1.00-0.84 (m, 16H, 1/2 C[H2]CH(OTBS), Si(CH3)2C(C[H3])3, (C[H3])2CHCH), 0.11 (d, 6H, J=9.2 Hz, Si(C[H3])2C(CH3)3);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 189.4, 175.3, 166.0, 110.3, 87.5, 76.3, 69.0, 52.2, 50.1, 40.6, 36.1, 32.4, 25.4, 23.6, 20.6, 19.7, 19.4, 17.9, 9.8, -4.8, -5.3;
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C22H38NaO5Si, 433.2386, 実測値: 433.2403。
【実施例】
【0162】
8) (5aS,6S,8S,9aR)-6-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-8-イソプロピル-5a-メチル-3-(ピリジン-3-イル)-5a,6,7,8,9,9a-ヘキサヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-1,10-ジオン(7)の合成
【化28】
JP0005946100B2_000029t.gif
【実施例】
【0163】
アルゴン雰囲気下-78℃でLHMDS (1.06M THF溶液, 2.5 mL, 2.50 mmol) に化合物(6a) (212 mg, 500μmol) のTHF溶液 (2.5 mL) を滴下し、室温下5時間撹拌した後、-78℃で塩化ニコチノイル塩酸塩 (178 mg, 1.00 mmol) のTHF溶液(2.5 mL)を滴下し、室温下4時間撹拌した。AcOHを加えて反応を止め、EtOAcを加えて2N HClで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮して、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル51 g, ヘキサン:EtOAc=5:1)で精製を行うことにより、黄色固体物質として化合物(7) (159 mg, 66%) を、9a位の3:1のジアステレオマー混合物として得た。
【実施例】
【0164】
[α]27D +11.1 (c 1.0, CHCl3);
IR (KBr) 3055, 2982, 2307, 1758, 1429, 1265, 738 cm-1;
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.06 (d, 1H, J=2.4 Hz, Py), 8.75 (dd, 1H, J=4.8, 1.6 Hz, Py), 8.19 (dt, 1H, J=8.0, 2.0 Hz, Py), 7.46 (ddd, 1H, J=8.0, 4.8, 2.0 Hz, Py), 6.43 (s, 1H, PyC=C[H]), 3.97 (dd, 1H, J=11.2, 5.3 Hz, C[H](OTBS)), 2.63 (dd, 1H, J=12.0, 4.0 Hz, CH2C[H]CO), 2.20 (dd, 1H, J=14.0, 2.0 Hz, 1/2 C[H2]CHCO), 1.81 (dt, 1H, J=13.2, 2.4 Hz, 1/2 C[H2]CH(OTBS)), 1.56 (dd, 1H, J=12.4, 6.8 Hz, (CH3)2C[H]CH), 1.48-1.40 (m, 1H, (CH3)2CHC[H]), 1.30 (s, 3H, C(C[H3])CCH(OTBS)), 1.22-1.21 (m, 1H, 1/2 C[H2]CHOSi(CH3)2C(CH3)3), 1.11-1.05 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OTBS)), 0.96 (s, 9H, Si(CH3)2C(C[H3])3), 0.92 (dd, 6H, J=6.8, 2.4 Hz, (C[H3])2CHCH), 0.19 (s, 3H, 1/2 Si(C[H3])2C(CH3)3), 0.15 (s, 3H, 1/2 Si(C[H3])2C(CH3)3);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 188.0, 173.5, 162.7, 157.0, 152.8, 147.8, 134.1, 127.0, 134.1, 127.0, 124.1, 98.3, 89.9, 76.1, 51.6, 40.4, 36.0, 32.3, 30.0, 26.1, 24.3, 20.1, 19.0, 11.1, -4.1, -4.2;
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C27H37NNaO5Si 506.2339, 実測値: 506.23
45。
【実施例】
【0165】
9) (5aS,6S,8S,9aR)-6-(アセトキシ)-8-イソプロピル-5a-メチル-3-(フェニル)-5a,6,7,8,9,9a-ヘキサヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-1,10-ジオン ((9aR)-28)及び
(5aS,6S,8S,9aS)-6-(アセトキシ)-8-イソプロピル-5a-メチル-3-(フェニル)-5a,6,7,8,9,9a-ヘキサヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-1,10-ジオン ((9aS)-28)の合成
【化29】
JP0005946100B2_000030t.gif
【実施例】
【0166】
窒素雰囲気下、化合物(7) (221 mg, 463μmol) のMeOH (4.5 mL)溶液に、AcCl (65μL, 912μmol) のMeOH溶液 (4.5 mL) を滴下し、室温下2時間撹拌した後、濃縮した。
【実施例】
【0167】
得られた残渣のCH2Cl2溶液 (4.5 mL) に、DMAP (6.1 mg, 52.1μmol) と、Et3N (254μL, 1.82 mmol) とAc2O (86μL, 911μmol) とを加えて、窒素雰囲気下、室温で30分間撹拌した。H2Oを加えて反応を止め、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮して、得られた粗物質を分取TLC(ヘキサン:EtOAc=1:20)で精製を行うことにより、それぞれ黄色固体物質である化合物((9aR)-28) (99.0 mg, 2段階, 53%)及び化合物((9aS)-28) (24.5 mg, 2段階, 14%) を、別々に単一のジアステレオマーとして得た。
【実施例】
【0168】
化合物((9aR)-28)の同定データ
[α]27D +10.2 (c 1.0, CHCl3);
IR (KBr) 2930, 1757, 1628, 1536. 1431, 1262, 738 cm-1;
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.06 (dd, 1H, J=2.1, 0.6 Hz, Py), 8.74 (dd, 1H, J=4.8, 1.5 Hz, Py), 8.18 (ddd, 1H, J=8.4, 2.4, 1.8 Hz, Py), 7.44 (dd, 1H, J=8.1, 0.6 Hz, Py), 6.54 (s, 1H, PyC=C[H]), 5.26 (dd, 1H, J=11.7, 5.1 Hz, C[H](OAc)), 2.75 (dd, 1H, J=12.3, 3.6 Hz, CH2C[H]CO), 2.27 (ddd, 1H, J=14.4, 5.7, 3.9 Hz, 1/2 C[H2]CHCO), 2.19 (s, 3H, COCHC(C[H3])), 2.06-1.98 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OAc)), 1.64-1.53 (m, 1H, (CH3)2C[H]CH), 1.39 (s, 3H, CH(OAc)C(C[H3])), 1.40-1.29 (m, 1H, (CH3)2CHC[H]), 1.18-1.05 (m, 1H, 1/2 C[H2]CHCO), 0.87-0.81 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OAc)), 0.92 (d, 6H, J=6.3 Hz, (C[H3])2CHCH);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 187.0, 173.2, 170.5, 162.9, 156.9, 153.0, 147.9, 134.1, 126.9, 124.1, 100.5, 98.5, 87.4, 76.1, 51.6, 40.4, 32.3, 32.0, 24.5, 21.6, 20.2, 20.0, 12.0;
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C23H25NNaO6 434.1580, 実測値: 434.1565。
【実施例】
【0169】
化合物((9aS)-28)の同定データ
[α]27D +63.5 (c 1.0, CHCl3);
IR (KBr) 2930, 1757, 1628, 1536, 1431, 1262, 737 cm-1;
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.08-9.06 (m, 1H, Py), 8.75-8.72 (m, 1H, Py), 8.22 (dd, 1H, J=7.2, 1.5 Hz, Py), 7.65 (dd, 1H, J=6.9, 5.1 Hz, Py), 6.41 (s, 1H, PyC=C[H]), 5.38 (dd, 1H, J=11.7, 5.1 Hz, C[H](OAc)), 2.94 (dd, 1H, J=4.2, 3.0 Hz, CH2C[H]CO), 2.67 (dd, 1H, J=13.2, 2.1 Hz, 1/2 C[H2]CHCO), 2.09 (s, 3H, COCHC(C[H3])), 1.91-1.85 (m, 1H, 1/2 CH2C[H]CO), 1.67 (s, 3H, CH(OAc)C(C[H3])), 1.54-1.35 (m, 2H, (CH3)2C[H]CH, (CH3)2CHC[H]), 1.35-1.09 (m, 2H, 1/2 C[H2]CHCO, 1/2 C[H2]CH(OAc)), 0.90 (d, 6H, J=5.1 Hz, (C[H3])2CHCH);
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ 186.7, 173.6, 170.3, 162.8, 157.0, 152.4, 147.5, 134.6, 129.1, 124.3, 100.2, 98.7, 88.0, 70.0, 51.6, 37.7, 33.0, 32.4, 30.0, 25.7, 21.6, 21.4, 20.7;
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C23H25NNaO6 434.1588, 実測値: 434.1565。
【実施例】
【0170】
10) (5aS,6S,8S,9aS,10R)-10-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5a-メチル-1-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-6-イル・アセテート ((10R)-29), (PT001)の合成
【化30】
JP0005946100B2_000031t.gif
【実施例】
【0171】
窒素雰囲気下、化合物((9aR)-28) (10.1 mg, 24.6μmol) のMeOH溶液 (0.2 mL) に、NaBH4(8.1 mg, 29.5μmol)を加え、0℃下 15分間撹拌した。アセトン を加えて反応を止め、EtOAcを加えて水で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮して、得られた粗物質を分取TLC(ヘキサン:EtOAc=1:20)で精製を行うことにより、白色固体物質として、化合物((10R)-29) (PT001) (8.0 mg, 80%) を得た。
【実施例】
【0172】
[α]27D +17.8 (c 1.0, CHCl3);
IR (KBr) 3055, 2929, 2309, 1708, 1428, 1264, 897, 735 cm-1;
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.03 (d, 1H, J=4.8 Hz, Py), 8.70 (d, 1H, J=4.5 Hz, Py), 8.15 (d, 1H, J=5.1 Hz, Py), 7.44 (dd, 1H, J=4.8, 3.0 Hz, Py), 6.50 (s, 1H, PyC=C[H]), 5.02 (dd, 1H, J=11.7, 4.8 Hz, C[H](OAc)), 4.64 (d, 1H, J=4.2 Hz, CHC[H](OH)), 2.21 (s, 3H, OCHC(C[H3])), 2.01-1.95 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OAc)), 1.90-1.81 (m, 2H, 1/2 C[H2]CHCH(OH), CH2C[H]CH(OH)), 1.65-1.42 (m, 3H, 1/2 C[H2]CHCH(OH), (CH3)2C[H]CH, (CH3)2CHC[H]), 1.50 (s, 3H, CC(C[H3])O), 1.37-1.29 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OAc)), 0.95 (d, 3H, J=4.5 Hz, (C[H3])2CHCH), 0.93 (d, 3H, J=4.5 Hz, (C[H3])2CHCH);
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ 170.8, 164.4, 163.4, 157.7, 151.9, 147.2, 133.4, 103.6, 99.9, 83.0, 62.0, 43.7, 41.4, 32.6, 30.1, 27.8, 23.0, 21.7, 20.2, 20.1, 14.5, 13.0;
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C23H27NNaO6 436.1736, 実測値: 436.1723。
【実施例】
【0173】
[実施例2]
(5aS,6S,8S,9aS,10S)-10-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5a-メチル-1-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-6-イル・アセテート ((10S)-29), (PT002)の製造
【化31】
JP0005946100B2_000032t.gif
【実施例】
【0174】
窒素雰囲気下、実施例1で得られた化合物((9aR)-28) (10.0 mg, 24.6μmol) のMeOH 溶液 (0.2 mL) に、CeCl3・7H2O(11.0 mg, 29.5μmol)とNaBH4(1.1 mg, 29.5μmolとを加え、0℃下15分間撹拌した。アセトンを加えて反応を止め、EtOAcを加えて、水で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮して、得られた粗物質を分取TLC(ヘキサン:EtOAc=1:2)で精製を行うことにより、白色固体物質として化合物((10S)-29), (PT002) (7.3 mg, 74%) を得た。
【実施例】
【0175】
[α]27D +27.1 (c 1.0, CHCl3);
IR (KBr) 2928, 2859, 1715, 1261, 735 cm-1;
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.01 (d, 1H, J=2.0 Hz, Py), 8.69 (dd, 1H, J=4.8, 1.6 Hz, Py), 8.10 (ddd, 1H, J=8.0, 2.4, 1.6 Hz, Py), 7.40 (ddd, 1H, J=8.4, 5.2, 0.8 Hz, Py), 6.49 (s, 1H, PyC=C[H]), 5.06 (dd, 1H, J=12.0, 4.8 Hz, C[H](OAc)), 4.45 (d, 1H, J=10.0 Hz, CHC[H](OH)), 2.33-2.27 (m, 1H, 1/2 C[H2]CHCH(OH), 2.18 (s, 3H, C[H3]CO), 2.01-1.95 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OAc)), 1.86 (ddd, 1H, J=12.4, 10.0, 3.6 Hz, CH2C[H]CH(OH)), 1.59-1.43 (m, 2H, (CH3)2C[H]CH, (CH3)2CHC[H]), 1.28 (s, 3H, CC(C[H3])O), 1.37-1.20 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OAc)), 1.02-0.87 (m, 1H, 1/2 C[H2]CHCH(OH)), 0.93 (d, 3H, J=4.8 Hz, (C[H3])2CHCH), 0.91 (d, 3H, J=4.8 Hz, (C[H3])2CHCH);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 170.6, 164.0, 163.4, 157.6, 151.2, 146.8, 133.7, 121.0, 100.0, 83.9, 64.5, 63.6, 45.0, 40.9, 32.4, 30.0, 28.9, 23.0, 21.7, 20.2, 20.1, 14.5, 12.3;
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C23H27NNaO6 436.1736, 実測値: 436.1734。
【実施例】
【0176】
[実施例3]
(5aS,6S,8S,9aS,10R)-10-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5a-メチル-1-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-6-イル 4-シアノベンゾエート ((10R)-8), (PT005)の製造
【化32】
JP0005946100B2_000033t.gif
【実施例】
【0177】
実施例1で得られた化合物(7) (32.9 mg, 0.0681 mmol) のMeOH (800μL) 溶液に、0℃でAcCl (48μL, 0.0681 mmol) を加えて、1時間撹拌した後、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮した。窒素雰囲気下、室温で、得られた粗生成物のCH2Cl2 (0.800 mL) に、EDCI (23.5 mg, 0.122 mmol) とDMAP (1.0 mg, 0.0122 mmol) 及びp-シアノ安息香酸 (p-CNBzOH) (15.0 mg, 0.102 mmol) を加えて、室温で2.5時間撹拌した。水を加えて反応を止め、CH2Cl2で抽出した後、有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮した。得られた粗物質のMeOH (0.800 mL) 溶液に、0℃でNaBH4 (3.3 mg, 0.0868 mmol) を加えて、0℃で1時間撹拌した。アセトンを加えて反応を止め、EtOAcで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮して、得られた粗物質を分取TLC (EtOAc) で精製を行うことにより、白色固体物質として化合物((10R)-8) (PT005) (8.20 mg, 3段階, 24%) を得た。
【実施例】
【0178】
[α]27D +55.3 (c 0.1, CHCl3);
IR (KBr) 3442, 3020, 2400, 2360, 1635, 1215, 1105, 784, 753, 669, 603, 468, 445, 421, 406 cm-1;
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.11 (s, 1H, Py), 8.76 (s, 1H, Py), 8.52 (s, 1H, Py), 8.21 (d, 2H, J=8.4 Hz, Ph), 7.80 (d, 3H, J=8.4 Hz, Ph, Py), 6.54 (s, 1H, PyC=C[H]), 5.31 (dd, 1H, J=11.1, 5.1 Hz, C[H]OC(O)PhCN), 4.69 (d, 1H, J=4.2 Hz, C[H](OH)CH), 2.12 (d, 1H, J=5.1 Hz, 1/2 C[H2]CHCH(OH), 1.95 (m, 1H, 1/2 CHC[H2]CHOC(O)PhCN), 1.88 (s, 1H, C[H]CH(OH)), 1.72-1.54 (m, 1H, C[H](CH3)2), 1.51-1.49 (m, 1H, C[H]CH(CH3)2), 1.31-1.22 (m, 2H, 1/2 CHC[H2]CHOC(O)PhCN, 1/2 C[H2]CHCH(OH), 1.25 (s, 9H, (C[H3])2CHCH, C[H3]COC=C);
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ 164.3, 162.1, 134.0, 132.5, 130.4, 129.4, 118.0, 116.9, 105.7, 83.6, 77.9, 77.3, 61.4, 43.5, 41.3, 32.4, 32.1, 29.8, 29.7, 29.5, 22.8, 20.0, 19.9, 14.2, 13.2;
HRMS (ESI) [M+Na]+ 次式の計算値: C29H28N2NaO6523.1845, 実測値: 523.1843。
【実施例】
【0179】
[実施例4]
(5aS,6S,8S,9aS,10S)-10-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5a-メチル-1-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-6-イル 4-シアノベンゾエート ((10S)-8), (PT006)の製造
【化33】
JP0005946100B2_000034t.gif
【実施例】
【0180】
実施例1で得られた化合物(7) (65.1 mg, 0.135 mmol) のMeOH (1.3 mL) 溶液に、0℃でAcCl (0.048 mL, 0.673 mmol) を加えて、1時間撹拌した後、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮した。
【実施例】
【0181】
得られた粗物質のCH2Cl2溶液 (1.3 mL) に窒素雰囲気下、室温でEDCI (46.4 mg, 0.242 mmol) とDMAP (1.6 mg, 0.0135 mmol) 及びp-CNBzOH (29.7 mg, 0.202 mmol) を加えて、室温で2.5時間撹拌した。水を加えて反応を止め、CH2Cl2 で抽出した後、有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮した。得られた粗物質のMeOH (1.3mL) 溶液に、0℃で、NaBH4 (6.62 mg, 0.175 mmol) とCeCl3・7H2O (65.2 mg, 0.175 mmol) を加えて、0℃で1時間撹拌した。アセトンを加えて反応を止め、EtOAcで希釈した後、水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮し、得られた粗物質を分取TLC (EtOAc) で精製を行うことにより、白色固体物質として化合物((10R)-8) (PT006) (8.2 mg, 3段階, 12%) を得た。
【実施例】
【0182】
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.98 (bs, 1H, Py), 8.69 (bs, 1H, Py), 8.20 (d, 2H, J=8.4 Hz, Ph), 8.14 (dd, 1H, J=11.1 , 8.7 Hz, Py), 7.80 (d, 2H, J=8.4 Hz, Ph), 7.46 (dd, 1H, J=8.1, 5.1 Hz, Py), 6.44 (s, 1H, C[H]=CPy), 5.35 (dd, 1H, J=12.0, 5.0 Hz, C[H]OC(O)PhCN), 4.50 (d, 1H, J=9.6 Hz, C[H](OH)CHCH2), 2.37 (ddd, 1H, J=12.5, 3.5, 2.0 Hz, 1/2 C[H2]CHCH(OH), 2.15 (ddd, 1H, J=12.0, 10.0, 3.5, 1/2 CHC[H2]CHOC(O)PhCN), 1.67 (s, 1H, CH2C[H]CH(OH)), 1.63-1.53 (m, 1H, CHC[H](CH3)2), 1.46-1.37 (m, 1H, C[H]CH(CH3)2), 1.25-1.20 (m, 2H, 1/2 CHC[H2]CHOC(O)PhCN, 1/2 C[H2]CHCH(OH), 0.96-0.94 (m, 9H, (C[H3])2CHCH, C[H3]COC=C);
13C-NMR (150 MHz, CDCl3) δ 164.0, 163.4, 162.8, 156.9, 150.4, 145.7, 134.0, 132.3, 130.2, 127.5, 124.1, 117.8, 116.7, 103.1, 99.8, 83.6, 77.7, 63.1, 44.7, 40.6, 32.2, 29.7, 28.6, 19.8, 19.7, 12.3;
HRMS (ESI) [M+Na]+ 次式の計算値: C29H28N2NaO6523.1845, 実測値: 523.1847。
【実施例】
【0183】
[実施例5]
(5aS,6S,8S,9aS,10R)-10-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5a-メチル-1-オキソ-3-フェニル-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-6-イル・アセテート (10R)-33, (PT003)の製造
1) (5aS,6S,8S,9aR)-6-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-8-イソプロピル-5a-メチル-3-(フェニル)-5a,6,7,8,9,9a-ヘキサヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-1,10-ジオン (31)の合成
【化34】
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【実施例】
【0184】
アルゴン雰囲気下-78℃でLHMDS (1.06M THF溶液, 4.7 mL, 4.71 mmol) に、化合物(6a) (400 mg, 940μmol) とTMEDA (テトラメチルエチレンジアミン) (560μL, 3.76 mmol) のTHF溶液 (4.7 mL) を滴下し、室温下5時間撹拌した後、-78℃で前記化合物(30) (178 mg, 1.00 mmol) のTHF溶液(4.7 mL)を滴下し、室温下4時間撹拌した。AcOHを加えて反応を止め、EtOAcを加えて、2N HCl水溶液で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮して、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル51g, ヘキサン:EtOAc=5:1)で精製を行うことにより、黄色固体物質として化合物(31) (159 mg, 49%) を、9a位の3:1のジアステレオマー混合物として得た。
【実施例】
【0185】
[α]27D +10.2 (c 1.0, CHCl3);
IR (KBr) 3056, 2957, 1755, 1531, 1428, 1264, 739 cm-1;
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.85 (d, 2H, J=0.8 Hz, Ph), 7.54-7.46 (m, 3H, Ph), 6.38 (s, 1H, C=C[H](Ph)), 3.97 (dd, 1H, J=11.2, 5.2 Hz, C[H](OTBS)), 2.63 (dd, 1H, J=12.0, 3.6 Hz, CH2C[H]CO), 2.20 (dd, 1H, J=14.4, 2.0 Hz, 1/2 C[H2]CHCO), 1.83-1.78 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OTBS)), 1.56 (dd, 1H, J=12.4, 6.8 Hz, (CH3)2C[H]CH), 1.49-1.40 (m, 1H, (CH3)2CHC[H]), 1.29 (s, 3H, C(C[H3])CH(OTBS)), 1.22-1.21 (m, 1H, 1/2 C[H2]CHOSi(CH3)2C(CH3)3), 1.11-1.01 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OTBS)), 0.96 (s, 9H, Si(CH3)2C(C[H3])3), 0.92 (dd, 6H, J=6.8, 2.4 Hz, (C[H3])2CHCH), 0.20 (s, 3H, 1/2 Si(C[H3])2C(CH3)3), 0.15 (s, 3H, 1/2 Si(C[H3])2C(CH3)3);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 188.1, 173.9, 165.2, 157.6, 132.8, 129.5, 126.8, 100.0, 97.2, 89.5, 76.2, 51.6, 40.5, 36.0, 32.3, 30.0, 26.1, 24.4, 20.1, 18.5, 11.2, -4.1, -4.5;
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C28H38NaO5Si 505.2386, 実測値: 505.2367。
【実施例】
【0186】
2) (5aS,6S,8S,9aS,10R)-6,10-ジヒドロキシ-8-イソプロピル-5a-メチル-3-フェニル-6,7,8,9,9a,10-ヘキサヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-1(5aH)-オン ((9aS,10R)-32)、及び(5aS,6S,8S,9aS,10S)-6,10-ジヒドロキシ-8-イソプロピル-5a-メチル-3-フェニル-6,7,8,9,9a,10-ヘキサヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-1(5aH)-オン ((9aS,10S)-32)の合成
【化35】
JP0005946100B2_000036t.gif
【実施例】
【0187】
窒素雰囲気下、化合物(31) (24.0 mg, 49.8μmol) のMeOH溶液 (0.3 mL) に、AcCl (7μL, 100μmol) のMeOH溶液 (0.3 mL) を滴下し、室温下2時間撹拌した後、濃縮した。
【実施例】
【0188】
得られた残渣のMeOH溶液 (0.5 mL) に、NaBH4(2.2 mg, 60.0μmol)を加え、0℃下、15分間撹拌した。アセトンを加えて反応を止め、EtOAcを加えて水で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4 で乾燥後、濃縮して、得られた粗物質を分取TLC(ヘキサン:EtOAc=1:2)で精製を行うことにより、それぞれ白色固体物質として、化合物((9aS,10R)-32) (11.4 mg, 62%) と化合物((9aS,10S)-32 (2.4 mg, 13%))を別々に得た。
【実施例】
【0189】
化合物((9aS,10R)-32)の同定データ
[α]27D +27.0 (c 1.0, CHCl3);
IR (KBr) 3055, 2984, 2307, 1674, 1563, 1427, 1265, 745 cm-1;
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.81-7.79 (m, 2H, Ph), 7.48-7.44 (m, 3H, Ph), 6.48 (s, 1H, PhC=C[H]), 4.65 (d, 1H, J=4.0 Hz, CHC[H](OH)), 3.80 (dd, 1H, J=11.6, 4.8 Hz, CH2C[H](OH)), 2.00-1.95 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OH)), 1.83-1.76 (m, 2H, 1/2 C[H2]CHCH(OH), CH2C[H]CH(OH)), 1.62-1.52 (m, 3H , 1/2 C[H2]CHCH(OH), (CH3)2C[H]CH, (CH3)2CHC[H]), 1.44 (s, 3H, CC(C[H3])O), 1.34-1.21 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OH)), 0.96 (d, 3H, J=4.4 Hz, (C[H3])2CHCH), 0.93 (d, 3H, J=4.4 Hz, (C[H3])2CHCH);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 164.9, 163.8, 160.4, 131.4, 129.3, 126.0, 103.0, 98.6, 84.9, 76.4, 62.1, 43.4, 41.6, 34.3, 32.6, 30.4, 28.1, 23.0, 20.4, 20.2, 14.5, 12.0;
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C22H26NaO5 393.1678, 実測値: 393.1670。
【実施例】
【0190】
化合物((9aS,10S)-32)の同定データ
[α]27D +39.7 (c 1.0, CHCl3);
IR (KBr) 3054, 2369, 2342, 1693, 1265, 745 cm-1;
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.80-7.76 (m, 2H, Ph), 7.47-7.43 (m, 3H, Ph), 6.48 (s, 1H, PhC=C[H]), 4.46 (d, 1H, J=10.0 Hz, CHC[H](OH)), 3.85 (dd, 1H, J=11.6, 4.8 Hz, CH2C[H](OH)), 2.31-2.25 (m, 1H, 1/2 C[H2]CHCH(OH)), 2.00-1.95 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OH)), 1.78 (ddd, 1H, J=14.0, 10.0, 4.0 Hz, CH2C[H]CH(OH)), 1.59-1.52 (m, 1H, (C[H3])2C[H]CH)), 1.42-1.36 (m, 1H, (CH3)2CHC[H])), 1.29-1.19 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OH)), 1.23 (s, 3H, CC(C[H3])O), 1.01-0.95 (m, 1H, 1/2 C[H2]CHCH(OH)), 0.95 (d, 3H, J=3.6 Hz, (C[H3])2CHCH), 0.92 (d, 3H, J=3.6 Hz, (C[H3])2CHCH);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 164.6, 164.0, 163.9, 131.5, 129.3, 126.0, 102.5, 98.6, 86.0, 75.9, 63.8, 44.7, 41.0, 34.2, 32.6, 30.0, 29.3, 23.0, 20.3, 20.2, 11.3;
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C22H26NaO5 393.1678, 実測値: 393.1690。
【実施例】
【0191】
3) (5aS,6S,8S,9aS,10R)-10-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5a-メチル-1-オキソ-3-フェニル-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-6-イル・アセテート ((10R)-33), (PT003)の合成
【化36】
JP0005946100B2_000037t.gif
【実施例】
【0192】
化合物((9aS,10R)-32) (4.2 mg, 11.3μmol) のCH2Cl2溶液 (0.1 mL) に、DMAP (2.0 mg, 11.3μmol), EDCI (2.3 mg, 13.5μmol)、及びAcOH (1μL, 13.5μmol) を加えて、窒素雰囲気下0℃で1時間撹拌した。H2O を加えて反応を止め、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮して、得られた粗物質を分取TLC(ヘキサン:EtOAc=1:1)で精製を行うことにより、白色固体物質として化合物((10R)-33)、 (PT003) (1.9 mg, 36%) を得た。
【実施例】
【0193】
[α]27D +21.8 (c 0.1, CHCl3);
IR (KBr) 2927, 1736, 1689, 1636, 1571, 1424, 1381, 1258, 733 cm-1;
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.81-7.79 (m, 2H, Ph), 7.47-7.43 (m, 3H, Ph), 6.43 (s, 1H, PhC=C[H]), 5.02 (dd, 1H, J=11.7, 4.8 Hz, C[H](OAc)), 4.64 (d, 1H, J=4.5 Hz, CHC[H](OH)), 2.21 (s, 3H, OCHC(C[H3])), 2.01-1.95 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OAc)), 1.90-1.80 (m, 2H, 1/2 C[H2]CHCH(OH), CH2C[H]CH(OH)), 1.65-1.42 (m, 3H, 1/2 C[H2]CHCH(OH), (CH3)2C[H]CH, (CH3)2CHC[H]), 1.48 (s, 3H, CC(C[H3])O), 1.37-1.29 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OAc)), 0.95 (d, 3H, J=4.5 Hz, (C[H3])2CHCH), 0.93 (d, 3H, J=4.5 Hz, (C[H3])2CHCH);
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ 170.7, 164.5, 163.8, 160.3, 131.4, 129.3, 126.0, 102.8, 82.6, 62.1, 43.7, 41.5, 32.6, 32.5, 30.1, 27.8, 21.7, 20.2, 20.1, 13.0;
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C24H28NaO6 435.1784, 実測値: 435.1773。
【実施例】
【0194】
[実施例6]
(5aS,6S,8S,9aS,10S)-10-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5a-メチル-1-オキソ-3-フェニル-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-6-イル・アセテート ((10S)-33), (PT004)の製造
【化37】
JP0005946100B2_000038t.gif
【実施例】
【0195】
実施例5で得られた化合物((9aS,10S)-32) (12.1 mg, 32.7μmol) のCH2Cl2溶液 (0.3 mL) に、DMAP (3.7 mg, 3.27μmol)、Et3N (10μL, 71.9μmol)、及びAc2O (4μL, 3.59μmol) を加えて、窒素雰囲気下、-10℃で30分間撹拌した。H2Oを加えて反応を止め、CH2Cl2 で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮して、得られた粗物質を分取TLC(ヘキサン:EtOAc=1:20)で精製を行うことにより、白色固体物質として化合物((10S)-33), (PT004) (9.5 mg, 77%)を得た。
【実施例】
【0196】
[α]27D +37.5 (c 1.0, CHCl3);
IR (KBr) 2927, 1736, 1689, 1263, 740 cm-1;
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.81-7.77 (m, 2H, Ph), 7.47-7.26 (m, 3H, Ph), 6.42 (s, 1H, PhC=C[H]), 5.05 (dd, 1H, J =11.7, 4.8 Hz, C[H](OAc)), 4.45 (d, 1H, J=10.2 Hz, CHC[H](OH)), 2.34-2.23 (m, 1H, 1/2 C[H2]CHCH(OH), 2.18 (s, 3H, C[H3]CO2), 2.04-1.94 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OAc)), 1.86 (ddd, 1H, J=12.3, 10.2, 3.6 Hz, CH2C[H]CH(OH)), 1.59-1.43 (m, 2H, (CH3)2C[H]CH, (CH3)2CHC[H]), 1.33-1.27 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH(OAc)), 1.28 (s, 3H, CC(C[H3])O), 1.02-0.87 (m, 1H, 1/2 C[H2]CHCH(OH)), 0.93 (d, 3H, J=4.8 Hz, (C[H3])2CHCH), 0.91 (d, 3H, J=4.8 Hz, (C[H3])2CHCH);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 170.7, 164.2, 163.5, 160.3, 131.4, 129.3, 126.0, 102.8, 83.2, 76.3, 63.3, 44.7, 41.5, 32.6, 32.5, 32.2, 30.1, 27.8, 21.7, 20.2, 20.1, 12.0;
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C24H28NaO6 435.1784, 実測値: 435.1775。
【実施例】
【0197】
[実施例7]
(5aS,6S,8S,9aS,10R)-10-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5a-メチル-1-オキソ-3-フェニル-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-6-イル 4-シアノベンゾエート(34), (PT007)の製造
【化38】
JP0005946100B2_000039t.gif
【実施例】
【0198】
窒素雰囲気下、室温で、((9aS, 10S)-32) (17.0 mg, 0.046 mmol) のCH2Cl2溶液 (0.5 mL) にEDCI (14.2 mg, 0.074 mmol) と、DMAP (8.4 mg, 0.069 mmol) 及びp-CNBzOH (9.0 mg, 0.055 mmol) を加えて、室温で2.5時間撹拌した。MeOHを加えて反応を止め、CH2Cl2で抽出した後、有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮した。得られた粗物質を分取TLC(ヘキサン:EtOAc=3:1)で精製することにより、白色固体物質として化合物(34), (PT007) (12.8 mg, 56%) を得た。
【実施例】
【0199】
[α]27D +68.6 (c 1.0, CHCl3);
IR (KBr) 3436, 2958, 2230, 1723, 1637, 1575, 1415, 1269, 1209, 1100, 757, 472 cm-1;
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.24-8.21 (m, 1H, Ph), 8.16-8.13 (m, 1H, Ph), 7.83-7.80 (m, 2H, Ph), 7.78-7.73 (m, 3H, Ph, C(O)[Ph]CN), 7.46-7.40 (m, 2H, C(O)[Ph]CN), 6.39-6.34 (m, 1H, PhC=C[H]), 5.37-5.33 (m, 1H, C[H]OC(O)PhCN), 4.14-4.10 (m, 1H, CHC[H](OH)), 2.27-2.23 (m, 1H, 1/2 C[H2]CHCH(OH), 2.16-2.13 (m, 1H, 1/2 CHC[H2]CHOC(O)PhCN), 2.05 (s, 1H, C[H]CH(OH)), 1.71-1.74 (bs, 3H, C[H3]COC=C), 1.55-1.15 (m, 4H, C[H](CH3)2,C[H]CH(CH3)2, C[H2]CHCH(OH), 0.84 (m, 6H, (C[H3])2CHCH);
13C-NMR (150 MHz, CDCl3) δ 164.2, 163.5, 160.1, 131.1, 131.0, 129.0, 125.6, 102.1, 98.2, 85.6, 75.5, 65.7, 65.6, 63.4, 44.4, 40.7, 33.9, 32.2, 31.9, 29.7, 29.3, 29.0, 28.5, 25.8, 24.7, 22.7, 20.0, 19.8, 14.1, 10.9;
HRMS (ESI) [M+Na]+ 次式の計算値: C30H29NNaO6522.1893, 実測値: 522.1915。
【実施例】
【0200】
[実施例8]
(5aS,6S,8S,9aS,10R)-10-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5a,9,9-トリメチル-1-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-6-イル・アセテート(35), (PT008)の製造
1) (1S,4S,6S)-4-イソプロピル-1,3,3-トリメチル-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン-2-オン(10)の合成
【化39】
JP0005946100B2_000040t.gif
【実施例】
【0201】
(R)-(-)-カルボン (15.0 ml, 95.5 mmol) に、PtO2 (21.7 mg, 0.096 mmol) を加え、水素雰囲気下、室温で23時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、得られた粗物質は未精製のまま次の反応に用いた。
【実施例】
【0202】
アルゴン雰囲気下、i-Pr2NH (20.2 ml, 143 mmol) のTHF (280 ml) 溶液にn-BuLi (53.3 ml, 143 mmol) を加え、0℃で1時間撹拌した。その後、前記粗物質のTHF (20 ml) 溶液を加え、3時間撹拌した。MeI (20.8 ml, 334 mmol) を加え、12時間撹拌した。NH4Clで反応を停止させた後、EtOAcで希釈し、有機層を水で洗浄した後、Na2SO4を用いて乾燥した。濃縮後、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル460 g, 100:1 ヘキサン/EtOAc) で粗精製を行い、生成物を含む画分を濃縮して粗物質を得た。
【実施例】
【0203】
アルゴン雰囲気下、iPr2NH (33.7 ml, 239 mmol) のTHF (280 ml) 溶液に、n-BuLi (88.7 ml, 239 mmol) を加え、0℃で1時間撹拌した。その後、前記粗物質のTHF (20 ml) 溶液を加え、室温で6時間撹拌した後、MeI (20.8 ml, 334 mmol) 加え、更に12時間撹拌した。NH4Cl飽和水溶液で反応を停止させた後、EtOAcで希釈し、有機層を水で洗浄した後、Na2SO4 を用いて乾燥した。濃縮後、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル400 g, 100:1 ヘキサン/EtOAc) で粗精製を行い、生成物を含む画分を濃縮して粗物質を得た。
【実施例】
【0204】
得られた粗物質のAcOH溶液 (318 mL) に、NBA (26.3 g, 191 mmol) とAgOAc (31.9 g, 191 mmol) とを加え、室温下4時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、NaHCO3飽和水溶液を加えて、EtOAcで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮し、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル1120 g, ヘキサン:EtOAc=20:1)で粗精製を行い、生成物を含む画分を濃縮して粗物質を得た。
【実施例】
【0205】
得られた粗物質のMeOH溶液 (318 mL) に、K2CO3(39.6 g, 286 mmol) を加えて、室温下30分撹拌した。反応液をEtOAcで希釈した後、有機層をH2Oで洗浄し、Na2SO4で乾燥後、濃縮した。得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル1120 g, ヘキサン:EtOAc=50:1) で精製を行うことにより、黄色油状物質として化合物(10) (11.7 g, 5段階, 62%) を得た。
【実施例】
【0206】
[α]27D -102.7 (c 1.0, CHCl3);
IR (KBr) 2855, 2363, 2343, 1075, 857, 773, 466 cm-1;
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.42 (d, 1H, J=4.8 Hz, C[H](O)C), 2.15 (dd, 1H, J=15.6, 10.4 Hz, 1/2 C[H2]CH(O)C), 2.02 (ddd, 1H, J=15.6, 6.4, 4.8 Hz, 1/2 C[H2]CH(O)C), 1.96-1.89 (m, 1H, C[H](CH3)2), 1.58-1.53 (m, 1H, C[H]CH(CH3)2), 1.38 (s, 3H, C[H3]COCH), 1.16 (s, 3H, C[H3]CCH3), 1.12 (s, 3H, CH3CC[H3]), 0.93 (d, 3H, J=6.8 Hz, CH(C[H3])2), 0.87 (d, 3H, J=7.2 Hz, CH(C[H3])2);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 210.5, 63.3, 57.1, 49.9, 47.5, 27.6, 24.8, 24.4, 20.9, 20.8, 18.9, 16.7;
HRMS (EI) [M]+ 次式の計算値: C12H20O2196.1463, 実測値: 196.1451。
【実施例】
【0207】
2) 5-((3S,5S)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-5-イソプロピル-2,6,6-トリメチルシクロヘキス-1-エンカルボニル)-2,2,6-トリメチル-4H-1,3-ジオキシン-4-オン (12)の合成
【化40】
JP0005946100B2_000041t.gif
【実施例】
【0208】
アルゴン雰囲気下、TMSCH2OMe (0.738 mL, 4.73 mmol) のTHF溶液 (10 mL) に、-23℃で、s-BuLi (1.1M THF溶液, 4.46 mL, 4.73 mmol) を滴下し、室温下30分間撹拌した後、-78℃で化合物(10) (310 mg, 1.58 mmol)のTHF溶液 (5.8 mL) を滴下し、-60℃で40分間撹拌した。その後、t-BuOK (708 mg, 6.31 mmol) を加えて、室温まで徐々に昇温させ、室温で1時間撹拌した。NH4Cl飽和水溶液を加えて15分間撹拌して反応を止め、CH2Cl2 を加えて有機層を2N HCl溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥後、濃縮した。
【実施例】
【0209】
得られた残渣のDMF溶液 (16 mL) に、イミダゾール (430 mg, 6.31 mmol)、DMAP (19.3 mg, 0.158 mmol) 及びTBSCl (713 mg, 4.73 mmol) を加えて、窒素雰囲気下50℃で1時間撹拌した。H2Oを加えて反応を止め、EtOAcを加えて有機層を水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮し、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル51 g, ヘキサン:EtOAc=100:1) で粗精製を行い、生成物を含む画分を濃縮して粗物質を得た。
【実施例】
【0210】
アルゴン雰囲気下-30℃で、5-ヨード-2,2,6-トリメチル-4H-1,3-ジオキシン-4-オン (Tetrahedron Lett., 2001年, 第42巻, 6847-6850頁) (845 mg, 3.16 mmol) のTHF溶液 (10 mL) にiPrMgCl (2.0M THF溶液, 2.37 mL, 4.73 mmol) を滴下し、30分撹拌した後、前記で得た粗物質のTHF溶液 (5.8 mL) を滴下し、室温で15分間撹拌した。NH4Cl 飽和水溶液を加えて反応を止め、CH2Cl2で抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮した。
【実施例】
【0211】
窒素雰囲気下 0℃、上で得られた残渣のCH2Cl2溶液 (16 mL) に、DMP (1.00 g, 2.37 mmol) を加え、15分間撹拌した。Na2S2O3飽和水溶液とNaHCO3飽和水溶液とを加えて反応を止め、CH2Cl2を加えて有機層を抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮し、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル73 g, ヘキサン:EtOAc=10:1) で精製を行うことにより、黄色油状物質として化合物(12) (321 mg, 4段階,, 44%) を得た。
【実施例】
【0212】
[α]27D +27.7 (c 1.0, CHCl3);
IR (KBr) 3474, 2957, 2858, 1744, 1656, 1545, 1468, 1377, 1346, 1253, 1198, 1088, 1050, 867, 836 cm-1;
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 4.18-4.13 (m, 1H, C[H]OTBS), 2.45 (s, 3H, C[H3]COC(CH3)2), 1.98-1.89 (m, 1H, C[H](CH3)2), 1.79-1.71 (m, 1H, C[H]CH(CH3)2), 1.70 (s, 3H, C[H3]COC=O), 1.69 (s, 3H, C[H3]COC=O), 1.60-1.55 (m, 2H, C[H2]CHOTBS), 1.55 (s, 3H, C[H3]CCHOTBS), 1.13 (s, 3H, C[H3]C(CH3)C), 0.95 (s, 3H, C[H3]CH(CH3)CH), 0.93 (d, 3H, J=6.9 Hz, C[H3]CH(CH3)CH), 0.89 (s, 9H, (C[H3])3CSi), 0.84 (d, 3H, J=6.9 Hz, C[H3]CH(CH3)CH), 0.10 (s, 3H, 1/2 (C[H3])2Si), 0.07 (s, 3H, 1/2 (C[H3])2Si);
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ 197.6, 179.1, 158.2, 143.4, 132.4, 110.3, 105.8, 77.4, 72.6, 47.3, 39.5, 29.7, 26.0, 25.6, 25.3, 25.3, 25.2, 24.8, 24.6, 23.7, 21.8, 18.8, 18.3, 16.5, -3.8, -4.7;
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C26H44NaO5Si 487.2856, 実測値: 487.2841。
【実施例】
【0213】
3) (4aR,6S,8S,8aS)-メチル-8-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-6-イソプロピル-2,5,5,8a-テトラメチル-4-オキソ-4a,5,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-4H-クロメン-3-カルボン酸(13)の合成
【化41】
JP0005946100B2_000042t.gif
【実施例】
【0214】
化合物(12) (622 mg, 1.34 mmol) にトルエン (11 mL) とMeOH (2.7 mL) とを加えて、90℃で3時間撹拌した後、濃縮した。
【実施例】
【0215】
得られた残渣のトルエン溶液 (13 mL) に、DBU (0.200 mL, 1.34 mmol) を加え、100℃で4時間撹拌した。H2Oを加えて反応を止め、CH2Cl2で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮し、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル59 g, ヘキサン:EtOAc=25:1) で精製を行うことにより、黄色油状物質として化合物(13) (407 mg, 69%) を得た。
【実施例】
【0216】
[α]27D +19.9 (c 0.1, CHCl3);
IR (KBr) 2371, 2345, 1060, 773, 618, 476 cm-1;
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.82 (dd, 1H, J=11.6, 4.8 Hz, CHOTBS), 3.78 (s, 3H, C[H3]OC=O), 2.39 (s, 1H, C[H]C=O), 2.13 (s, 3H, C[H3]C=C), 2.02-1.97 (m, 1H, C[H](CH3)2), 1.52 (ddd, 1H, J=13.2, 4.8, 3.2 Hz, 1/2 C[H2]CHOTBS), 1.39-1.29 (m, 1H, 1/2 C[H2]CHOTBS), 1.31 (s, 3H, C[H3]CCHOTBS), 1.25 (s, 3H, C[H3]CCH3), 1.04-1.00 (m, 1H, C[H]CH(CH3)2), 1.03 (s, 3H, C[H3]CCH3), 0.90 (d, 3H, J=6.8 Hz, C[H3]CH(CH3)CH), 0.91 (s, 9H, (C[H3])3CSi), 0.79 (d, 3H, J=6.8 Hz, C[H3]CH(CH3)CH), 0.10 (s, 3H, 1/2 (C[H3])2Si), 0.10 (s, 3H, 1/2 (C[H3])2Si);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 189.3, 174.0, 166.6, 111.5, 87.9, 77.2, 58.9, 52.0, 51.3, 37.8, 29.4, 28.9, 25.9, 25.2, 24.6, 20.6, 19.0, 18.3, 16.9, 13.5, -4.4, -4.4;
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C24H42NaO5Si 461.2699, 実測値: 461.2697。
【実施例】
【0217】
4) (5aS,6S,8S,9aR)-6-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-8-イソプロピル-5a,9,9-トリメチル-3-(ピリジン-3-イル)-5a,6,7,8,9,9a-ヘキサヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-1,10-ジオン(14)の合成
【化42】
JP0005946100B2_000043t.gif
【実施例】
【0218】
アルゴン雰囲気下、LHMDS (1.06M THF溶液, 2.12 mL, 0.212 mmol) のTHF溶液 (1.0 mL) に、-78℃で化合物(13) (93.0 mg, 0.212 mmol) のTHF溶液 (1.2 mL) を滴下して、室温で4時間撹拌した。その後、-78℃で、塩化ニコチノイル塩酸塩 (113 mg, 0.637 mmol) を加え、0℃で15分間撹拌し、次いで室温で2時間撹拌した。AcOHを加えて反応を止めた後、シリカゲル(3 g) を加えて濃縮し、カラムクロマトグラフィー (シリカゲル7.8 g, ヘキサン:EtOAc=5:1) で精製を行うことにより、黄色油状物質として化合物(14) (52.0 mg, 48%) を得た。
【実施例】
【0219】
IR (KBr) 2965, 2361, 2343, 1262, 1075, 750, 669, 647, 483, 468, 428 cm-1;
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.04 (br s, 1H, Py), 8.75 (br s, 1H, Py), 8.17 (d, 1H, J=8.0 Hz, Py), 7.47-7.46 (m, 1H, Py), 6.38 (s, 1H, C[H]=C), 3.94 (dd, 1H, J=11.6, 4.8 Hz, C[H]OTBS), 2.54 (s, 1H, C[H]C=O), 2.08-1.99 (m, 1H, C[H](CH3)2), 1.62-1.56 (m, 2H, C[H2]CHOTBS), 1.30 (s, 3H, C[H3]CCHOTBS), 1.24 (s, 3H, C[H3]CCH3), 1.11 (s, 3H, C[H3]CCH3), 1.11-1.06 (m, 1H, C[H]CH(CH3)2), 0.95 (s, 9H, (C[H3])3CSi), 0.93 (d, 3H, J=7.2 Hz, C[H3]CH(CH3)CH), 0.80 (d, 3H, J=6.4 Hz, C[H3]CH(CH3)CH), 0.18 (s, 3H, 1/2 (C[H3])2Si), 0.15 (s, 3H, 1/2 (C[H3])2Si);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ 187.5, 172.4, 161.9, 157.1, 151.9, 146.9, 134.5, 100.9, 98.1, 90.8, 90.5, 77.4, 76.9, 60.4, 51.1, 38.2, 29.8, 29.4, 28.8, 25.9, 25.2, 24.6, 22.8, 18.9, 18.3, 16.8, 14.2, -4.2, -4.3;
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C29H41NNaO5 534.2652, 実測値: 534.2658。
【実施例】
【0220】
5) (5aS,6S,8S,9aS,10R)-10-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5a,9,9-トリメチル-1-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-6-イル・アセテート(35), (PT008)の合成
【化43】
JP0005946100B2_000044t.gif
【実施例】
【0221】
化合物(14) (20.0 mg, 0.0391 mmol) をMeOH (0.6 mL) とTHF (0.2 mL) との混合溶媒に溶解し、0℃でAcCl (0.028 mL, 0.391 mmol) を加えて、1時間撹拌した後、濃縮した。
【実施例】
【0222】
窒素雰囲気下、室温で、上で得られた残渣のCH2Cl2 溶液 (0.8 mL) にEt3N (0.038 mL, 0.274 mmol)、触媒量のDMAP、及びAc2O (0.013 mL, 0.137 mmol) を加えて、室温で1時間撹拌した。MeOHを加えて反応を止め、水を加えた溶液をCH2Cl2で抽出した後、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮した。
【実施例】
【0223】
得られた残渣をMeOH (0.6 mL) 及びTHF (0.2 mL) に溶解した溶液に、-78℃で、CeCl3・7H2O (18.9 mg, 0.0510 mmol) とNaBH4 (1.9 mg, 0.0510 mmol) とを加え、0℃で30分間撹拌した。アセトンを加えて反応を止め、水を加えた溶液をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮し、得られた粗物質を分取TLC(ヘキサン:EtOAc=1:2)で精製を行うことにより 白色固体物質として化合物(35) (PT008) (12.6 mg, 3段階, 73%) を得た。
【実施例】
【0224】
[α]27D +58.3 (c 1.0, CHCl3);
IR (KBr) 3433, 2361, 1638, 1241, 1041, 804, 669, 535, 418 cm-1;
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.03 (br s, 1H, Py), 8.70 (br s, 1H, Py), 8.13 (d, 1H, J=8.4 Hz, Py), 7.44 (bs, 1H, Py), 6.47 (s, 1H, C[H]=C), 5.05 (d, 1H, J=4.0 Hz, C[H](OH)CH), 5.00 (dd, 1H, J=12.0, 4.8 Hz, C[H]OAc), 2.82 (bs, 1H, [H]OCH), 2.18 (s, 3H, C[H3]C(O)OCH), 2.06-1.99 (m, 1H, C[H](CH3)2), 1.79 (ddd, 1H, J=13.2, 4.8, 3.2 Hz, 1/2 C[H2]CHOAc), 1.67 (s, 3H, C[H3]CCHOAc), 1.54 (m, 2H, C[H]CH(OH), C[H]CH(CH3)2), 1.32 (m, 1H, 1/2 C[H2]CHOAc), 1.28 (s, 3H, C[H3]C(CH3)CH), 1.23 (s, 3H, C[H3]C(CH3)CH), 0.96 (d, 3H, J=6.8 Hz, C[H3]CHCH3), 0.85 (d, 3H, J=6.8 Hz, C[H3]CHCH3);
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ 170.5, 161.7, 126.5, 105.0, 102.2, 84.3, 78.0, 77.4, 60.6, 53.0, 51.5, 39.8, 29.9, 27.8, 26.3, 25.6, 25.4, 21.6, 19.1, 19.1, 15.9, 15.8;
HRMS (ESI) [M+Na]+ 次式の計算値: C25H31NNaO6464.2049, 実測値: 464.2048。
【実施例】
【0225】
[実施例9]
(5aS,6S,8S,9aS,10R)-10-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5a,9,9-トリメチル-1-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-6-イル 4-シアノベンゾエート(15), (PT009)の製造
【化44】
JP0005946100B2_000045t.gif
【実施例】
【0226】
実施例8で得られた化合物(14) (40.0 mg, 0.078 mmol) をMeOH (0.6 mL) とTHF (0.2 mL) との混合溶媒に溶解し、0℃でAcCl (0.056 mL, 0.782 mmol) を加えて、1時間撹拌した後、濃縮した。
【実施例】
【0227】
窒素雰囲気下、室温で、得られた残渣のCH2Cl2溶液 (1.6 mL) に、EDCI (27.0 mg, 0.141 mmol)、触媒量のDMAP、及びp-CNBzOH (17.3 mg, 0.117 mmol) を加えて、室温で30分間撹拌した。H2Oを加えて反応を止め、CH2Cl2 を加えて有機層を1N HCl、NaHCO3飽和水溶液で洗浄した。得られた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮した。
【実施例】
【0228】
得られた残渣をMeOH (1.3 mL) とTHF (0.3 mL) の混合溶媒に溶解した溶液に、-78℃でCeCl3・7H2O (37.8 mg, 0.106 mmol) とNaBH4 (3.8 mg, 0.106 mmol) とを加え、0℃で 30分間撹拌した。アセトンを加えて反応を止め、水を加えた溶液をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮し、得られた粗物質を分取TLC(ヘキサン:EtOAc=1:2)で精製を行うことにより、白色固体物質として化合物(15) (PT009) (10.0 mg, 3段階, 24%) を得た。
【実施例】
【0229】
[α]27D +88.3 (c 0.1, CHCl3);
IR (KBr) 3433, 3020, 2360, 2341, 1637, 1216, 772, 669 cm-1;
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.99 (br s, 1H, Py), 8.68 (br s, 1H, Py), 8.23 (d, 2H, J=8.4 Hz, p-CN[Bz]), 8.14 (br s, 1H, Py), 7.80 (d, 2H, J=8.0 Hz, p-CN[Bz]), 7.45 (br s, 1H, Py), 6.41 (s, 1H, C[H]=C), 5.28 (dd, 1H, J=12.2, 5.0 Hz, C[H]Op-CNBz), 5.09 (d, 1H, J=3.6 Hz, C[H](OH)CH), 2.85 (br s, 1H, [H]OCH), 2.10-2.04 (m, 1H, C[H](CH3)2), 1.92 (ddd, 1H, J=13.0, 4.8, 3.2 Hz, 1/2 C[H2]CHOp-CNBz), 1.82 (s, 3H, C[H3]CCHOp-CNBz), 1.70 (m, 1H, C[H]CH(CH3)2), 1.62 (d, 1H, J=4.0 Hz, C[H]CH(OH)), 1.28 (s, 3H, C[H3]C(CH3)CH), 1.25 (m, 4H, C[H3]C(CH3)CH, C[H2]CHOp-CNBz), 0.98 (d, 3H, J=6.8 Hz, C[H3]CHCH3), 0.86 (d, 3H, J=6.4 Hz, C[H3]CHCH3);
HRMS (ESI,TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C31H32N2NaO6 551.2158, 実測値: 511.2171。
【実施例】
【0230】
[実施例10]
2-((5aS,6S,8S,9aS,10R)-6-アセトキシ-10-ヒドロキシ-5a,9,9-トリメチル-1-オキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-8-イル)プロパン-1,3-ジイル・ジアセテート(26), (PT010)の製造
1) (R)-5-(3-クロロプロプ-1-エン-2-イル)-2,6,6-トリメチルシクロヘキス-2-エンオン(17)の合成
【化45】
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【実施例】
【0231】
α,α-ジメチルカルボン(16) (1.71 g, 9.59 mmol) (Srikrishna, A.ら, Chem. Commun., 1996年, 第11巻, 1369-1370頁) のヘキサン (38 mL) 溶液に、シリカゲル (4.8 g) を加えた後、-30℃でt-BuOCl (1.19 mL, 10.5 mmol) を滴下し、室温で40分撹拌した。Na2S2O3飽和水溶液を加えて反応を止め、セライト濾過後、EtOAcを加えて、有機層を水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮し、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル36.8 g, ヘキサン:EtOAc=80:1) で精製を行うことにより、黄色油状物質として化合物(17) (1.76 g, 93%) を得た。
【実施例】
【0232】
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 6.61 (m, 1H, C[H]=CCH3), 5.37 (s, 1H, 1/2 C[H2]=C), 5.08 (s, 1H, 1/2 C[H2]=C), 4.04 (m, 2H, C[H2]Cl), 2.72 (t, 1H, J=7.2 Hz, C[H]C(CH3)2), 2.45 (m, 2H, C[H2]CH), 1.78 (m, 3H, C[H3]C=CH), 1.10 (s, 3H, C[H3]CCH3), 1.02 (s, 3H, C[H3]CCH3);
HRMS (EI) [M]+ 次式の計算値: C12H17ClO 212.0968, 実測値: 212.0976。
【実施例】
【0233】
2) (S)-5-(3-ヒドロキシプロプ-1-エン-2-イル)-2,6,6-トリメチルシクロヘキス-2-エンオン(36)の合成
【化46】
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【実施例】
【0234】
窒素雰囲気下、化合物(17) (1.53 g, 7.70 mmol) のDMSO/H2O溶液 (1:2, 12 mL) に、Cu2O (1.43 g, 10.0 mmol) とp-TsOH (1.46 g, 8.47 mmol) とを加えた後、室温で2時間撹拌した。1% H3PO4溶液とEtOAcとを加え 30分間撹拌して反応を止め、セライト濾過後にEtOAcで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮し、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル32.9 g, ヘキサン:EtOAc=5:1) で精製を行うことにより黄色油状物質として化合物(36) (1.28 g, 92%) を得た。
【実施例】
【0235】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.62 (m, 1H, C[H]=CCH3), 5.27 (s, 1H, 1/2 C[H2]=C), 5.00 (s, 1H, 1/2 C[H2]=C), 4.05 (m, 2H, C[H2]OH), 2.53 (m, 1H, C[H]C(CH3)2), 2.44 (m, 2H, C[H2]CH), 1.79 (m, 3H, C[H3]C=CH), 1.11 (s, 3H, C[H3]CCH3), 1.04 (s, 3H, C[H3]CCH3);
HRMS (EI) [M]+ 次式の計算値: C12H18O2194.1307, 実測値: 194.1306。
【実施例】
【0236】
3) (R)-5-((S)-2-(ヒドロキシメチル)オキシラン-2-イル)-2,6,6-トリメチルシクロヘキス-2-エンオン(37)の合成
【化47】
JP0005946100B2_000048t.gif
【実施例】
【0237】
窒素雰囲気下0℃にて、化合物(36) (2.00 g, 11.1 mmol) のCH2Cl2溶液 (111 mL) に、mCPBA (m-クロロ過安息香酸) (2.95 g, 11.1 mmol) を加え、室温下で2時間40分撹拌した。0℃下、Na2S2O3飽和水溶液を加えて反応を止め、NaHCO3飽和水溶液を加えて、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮し、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル43.0 g, ヘキサン:EtOAc=3:1) で精製を行うことにより、黄色油状物質として化合物(37) (2.16 g, 99%) をジアステレオマー混合物として得た。
【実施例】
【0238】
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 6.60 (m, 1H, C[H]=CCH3), 3.60 (m, 2H, C[H2]OH), 3.12 (d, 1H, J=4.5 Hz, 1/2 C[H2]OC), 2.70 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH), 2.66 (d, 1H, J=4.8 Hz, 1/2 C[H2]OC), 2.50 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH), 1.78 (s, 3H, C[H3]C=CH), 1.75 (t, 1H, J=5.1 Hz, C[H]C(CH3)2), 1.21 (s, 3H, C[H3]CCH3), 1.17 (s, 3H, C[H3]CCH3);
HRMS (EI) [M]+ 次式の計算値: C12H18O3210.1256, 実測値: 210.1253。
【実施例】
【0239】
4) (R)-5-((R)-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)オキシラン-2-イル)-2,6,6-トリメチルシクロヘキス-2-エンオン(18)の合成
【化48】
JP0005946100B2_000049t.gif
【実施例】
【0240】
窒素雰囲気下、化合物(37) (509 mg, 2.59 mmol) のCH2Cl2 溶液 (26 mL) に、イミダゾール (529 mg, 7.77 mmol) とTBSCl (586 mg, 3.89 mmol) とを加え、室温下30分間撹拌した。H2Oを加えて反応を止め、EtOAcを加えて、有機層を水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮して、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル10.9 g, ヘキサン:EtOAc=50:1) で精製を行うことにより、無色油状物質として化合物(18) (750 mg, 89%) をジアステレオマー混合物として得た。
【実施例】
【0241】
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 6.58 (t, 1H, J=2.4 Hz, C[H]=CCH3), 3.60 (m, 2H, C[H2]OTBS), 2.94 (d, 1H, J=5.4 Hz, 1/2 C[H2]OC), 2.61 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH), 2.61 (d, 1H, J=2.7 Hz, 1/2 C[H2]OC), 2.44 (m, 1H, 1/2 C[H2]CH), 1.93 (dd, 1H, J=5.1, 6.0 Hz, C[H]C(CH3)2), 1.76 (s, 3H, C[H3]C=CH), 1.21 (s, 3H, C[H3]CCH3), 1.19 (s, 3H, C[H3]CCH3), 0.86 (m, 9H, (C[H3])3CSi), 0.01 (m, 6H, (C[H3])2Si);
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C18H32NaO3Si 347.2018, 実測値: 347.2021。
【実施例】
【0242】
5) (S)-5-((S)-1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-3-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2,6,6-トリメチルシクロヘキス-2-エンオン(19)の合成
【化49】
JP0005946100B2_000050t.gif
【実施例】
【0243】
アルゴン雰囲気下、室温で、Cp2TiCl2 (1.26 g, 5.08 mmol) とMn (1.02 g, 18.5 mmol) とのTHF溶液 (20 mL) を15分間撹拌した後、化合物(18) (750 mg, 2.31 mmol) とH2O (1.66 mL, 92.4 mmol) とのTHF溶液(3.0 mL) 溶液を滴下し、12時間撹拌した。NaH2PO4溶液を加えて反応を止め、セライト濾過後、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮し、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル16.1 g, ヘキサン:EtOAc=10:1) で精製を行うことにより、無色油状物質として化合物(19) (382 mg, 51%) をジアステレオマー混合物として得るとともに、未反応の化合物(18) (276 mg, 37%) を回収した。
【実施例】
【0244】
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 6.61 (dd, 1H, J=1.2, 2.4 Hz, C[H]=CCH3), 3.71 (m, 2H, C[H2]OTBS), 3.71 (m, 2H, C[H2]OH), 2.31 (m, 2H, C[H2]CH=C), 2.03 (m, 1H, C[H]CH2OH), 1.82 (m, 1H, C[H]C(CH3)2), 1.75 (s, 3H, C[H3]C=CH) 1.20 (s, 3H, C[H3]CCH3), 1.07 (s, 3H, C[H3]CCH3), 0.89 (m, 9H, (C[H3])3CSi), 0.07 (m, 6H, (C[H3])2Si);
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C18H34NaO3Si 349.2175, 実測値: 349.2168。
【実施例】
【0245】
6) (S)-2,6,6-トリメチル-5-(2,2,3,3,9,9,10,10-オクタメチル-4,8-ジオキサ-3,9-ジシラウンデカン-6-イル)シクロヘキス-2-エンオン(20)の合成
【化50】
JP0005946100B2_000051t.gif
【実施例】
【0246】
窒素雰囲気下、化合物(19) (373 mg, 1.14 mmol) のCH2Cl2溶液 (11 mL) に、イミダゾール (233 mg, 3.43 mmol) とTBSCl (258 mg, 1.71 mmol) とを加え、室温下で30分間撹拌した。H2Oを加えて反応を止め、EtOAcを加えて有機層を水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮して、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル8.03 g, ヘキサン:EtOAc=200:1) で精製を行うことにより、無色油状物質として化合物(20) (498 mg, 99%) を得た。
【実施例】
【0247】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.59 (dd, 1H, J=0.9 , 1.8 Hz, C[H]=CCH3), 3.55 (m, 4H, 2 x C[H2]OTBS), 2.35 (m, 2H, C[H2]CH=C), 2.06 (m, 1H, C[H](CH2OTBS)2), 1.85 (m, 1H, C[H]C(CH3)2), 1.72 (s, 3H, C[H3]C=CH) 1.16 (s, 3H, C[H3]CCH3), 1.02 (s, 3H, C[H3]CCH3), 0.86 (m, 18H, 2 x (C[H3])3CSi), 0.01 (m, 12H, 2 x (C[H3])2Si);
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C24H48NaO3Si2 463.3040, 実測値: 463.3061。
【実施例】
【0248】
7) (1S,4S,6S)-1,3,3-トリメチル-4-(2,2,3,3,9,9,10,10-オクタメチル-4,8-ジオキサ-3,9-ジシラウンデカン-6-イル)-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン-2-オン(21)の合成
【化51】
JP0005946100B2_000052t.gif
【実施例】
【0249】
化合物(20) (498 mg, 1.13 mmol) のAcOH溶液 (11 mL) に、NBA (3-ニトロベンジルアルコール) (468 mg, 3.39 mmol) とAgOAc (566 mg, 3.39 mmol) とを加え、室温下2時間撹拌した。セライト濾過後、NaHCO3飽和水溶液を加えて反応を止め、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮し、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル10.7 g, ヘキサン:EtOAc=100:1)で粗精製を行い、生成物を含む画分を濃縮して粗物質を得た。
【実施例】
【0250】
得られた粗物質のMeOH溶液 (2.5 mL) に、K2CO3(309 mg, 2.23 mmol) を加えて、室温下で15分間撹拌した。H2Oを加えて反応を止め、EtOAcを加えて有機層を水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮し、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル9.05 g, ヘキサン:EtOAc=200:1) で精製を行うことにより、白色固体物質として化合物(21) (312 mg, 2段階, 60%) を得た。
【実施例】
【0251】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.60 (m, 4H, 2 x C[H2]OTBS), 3.38 (ddd, 1H, J=1.2, 1.5, 3.0 Hz, C[H](O)C), 2.17 (m, 2H, C[H2]CHO), 1.89 (m, 1H, C[H](CH2OTBS)2), 1.74 (m, 1H, C[H]C(CH3)2), 1.38 (s, 3H, C[H3]COCH) 1.17 (s, 3H, C[H3]CCH3), 1.11 (s, 3H, C[H3]CCH3), 0.88 (m, 18H, 2 x (C[H3])3CSi), 0.04 (m, 12H, 2 x (C[H3])2Si);
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C24H48NaO4Si2 479.2989, 実測値: 479.2967。
【実施例】
【0252】
8) 5-((3S,5S)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,6,6-トリメチル-5-(2,2,3,3,9,9,10,10-オクタメチル-4,8-ジオキサ-3,9-ジシラウンデカン-6-イル)シクロヘキス-1-エンカルボニル)-2,2,6-トリメチル-4H-1,3-ジオキシン-4-オン(23)の合成
【化52】
JP0005946100B2_000053t.gif
【実施例】
【0253】
アルゴン雰囲気下、TMSCH2OMe (0.102 mL, 0.657 mmol) のTHF溶液 (1.2 mL) に、-23℃下にてs-BuLi (1M THF溶液, 0.644 mL, 0.657 mmol) を滴下し,室温で30分間撹拌した。その後、この溶液に-78℃で化合物(21) (100 mg, 0.219 mmol) のTHF溶液 (1.0 mL) を滴下し、-60℃で20分間撹拌した。その後、t-BuOK (98.3 mg, 0.876 mmol) を加えて、室温まで徐々に昇温させ、室温で1時間撹拌した。NH4Cl飽和水溶液を加えて15分間撹拌することにより反応を止め、EtOAcを加えて、2N HCl溶液で洗浄し、有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮した。
【実施例】
【0254】
得られた残渣のDMF溶液 (2.2 mL) に、イミダゾール (59.9 mg, 0.880 mmol)、触媒量のDMAP、及びTBSCl (99.5 mg, 0.660 mmol) を加えて、窒素雰囲気下50℃で1時間撹拌した。H2Oを加えて反応を止め、EtOAcを加えて有機層を水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮し、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル2.22 g, ヘキサン:EtOAc=200:1) で粗精製を行い、生成物を含む画分を濃縮して、粗物質を得た。
【実施例】
【0255】
アルゴン雰囲気下-30℃で5-ヨード-2,2,6-トリメチル-4H-1,3-ジオキシン-4-オン (118 mg, 0.441 mmol) のTHF溶液 (0.7 mL) に、iPrMgCl (2.0M THF溶液, 0.221 mL, 0.441 mmol) を滴下し、1時間撹拌した後、この溶液に前記粗物質のTHF溶液 (0.7 mL) を滴下し、室温で15分間撹拌した。NH4Cl飽和水溶液を加えて反応を止め、EtOAcで抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮した。
【実施例】
【0256】
窒素雰囲気下0℃で、得られた残渣のCH2Cl2溶液 (1.5 mL) に、DMP (93.5 mg, 0.221 mmol) を加え、15分間撹拌した。Na2S2O3飽和水溶液とNaHCO3飽和水溶液とを加えて反応を止め、EtOAcを加えて、有機層をNaHCO3飽和水溶液で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮して、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル1.84 g, ヘキサン:EtOAc=30:1) で精製を行うことにより、黄色油状物質として化合物(23) (25.4 mg, 4段階, 16%) を得た。
【実施例】
【0257】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.12 (ddd, 1H, J=2.7, 6.0, 6.6 Hz, C[H]OTBS), 3.61 (m, 4H, 2 x C[H2]OTBS), 2.44 (s, 3H, C[H3]COC(CH3)2), 1.92 (m, 2H, C[H2]CHOTBS), 1.75 (m, 1H, C[H]C(CH3)2), 1.70 (s, 3H, C[H3]COC=O), 1.69 (s, 3H, C[H3]COC=O), 1.62 (m, 1H, C[H](CH2OTBS)2), 1.52 (d, 3H, J=9.2 Hz, C[H3]CCHOTBS) 1.15 (s, 3H, C[H3]C(CH3)C), 0.97 (s, 3H, C[H3]C(CH3)C), 0.89 (m, 27H, 3 x (C[H3])3CSi), 0.04 (m, 18H, 3 x (C[H3])2Si);
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C38H72NaO7Si3 747.4484, 実測値: 747.4481。
【実施例】
【0258】
9) (4aR,6S,8S,8aS)-メチル 8-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,5,5,8a-テトラメチル-6-(2,2,3,3,9,9,10,10-オクタメチル-4,8-ジオキサ-3,9-ジシラウンデカン-6-イル)-4-オキソ-4a,5,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-4H-クロメン-3-カルボキシレート(24)の合成
【化53】
JP0005946100B2_000054t.gif
【実施例】
【0259】
化合物(23) (70 mg, 0.097 mmol) をトルエン (0.8 mL) 及びMeOH (0.2 mL) 中の溶液を90℃で3時間15分間撹拌した後、濃縮した。
【実施例】
【0260】
得られた残渣のトルエン溶液 (1.0 mL) にDBU (0.015 mL, 0.097 mmol) を加えて、100℃で4時間撹拌した。H2Oを加えて反応を止め、EtOAcを加えて有機層を水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮して、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル1.46 g, ヘキサン:EtOAc=50:1) で精製を行うことにより、黄色油状物質として化合物(24) (29.8 mg, 44%) を得た。
【実施例】
【0261】
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.79 (ddd, 4H, J=4.5, 4.8, 6.6 Hz, 2 x C[H2]OTBS), 3.60 (m, 3H, C[H3]O), 3.45 (dd, 1H, J=8.4, 9.9 Hz, C[H]OTBS), 2.43 (s, 1H, C[H]C=O), 2.14 (s, 3H, C[H3]C=C), 1.82 (d, 1H, J=3.0 Hz, 1/2 C[H2]CHOTBS), 1.69 (m, 1H, C[H](CH2OTBS)2), 1.50 (d, 1H, J=13.5 Hz, 1/2 C[H2]CHOTBS), 1.37 (d, 1H, J=11.4 Hz, C[H]C(CH3)2), 1.32 (s, 3H, C[H3]CCHOTBS) 1.06 (s, 3H, C[H3]CCH3), 0.92 (s, 3H, C[H3]CCH3), 0.88 (m, 27H, 3 x (C[H3])3CSi), 0.04 (m, 18H, 3 x (C[H3])2Si);
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C36H70NaO7Si3 721.4327, 実測値: 721.4349。
【実施例】
【0262】
10) (5aS,6S,8S,9aR)-6-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-5a,9,9-トリメチル-8-(2,2,3,3,9,9,10,10-オクタメチル-4,8-ジオキサ-3,9-ジシラウンデカン-6-イル)-3-(ピリジン-2-イル)-5a,6,7,8,9,9a-ヘキサヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-1,10-ジオン(25)の合成
【実施例】
【0263】
【化54】
JP0005946100B2_000055t.gif
【実施例】
【0264】
アルゴン雰囲気下、LHMDS (1.0M THF溶液, 0.215 mL, 0.215 mmol) のTHF溶液 (0.2 mL) に,-78℃で化合物(24) (30.0 mg, 0.0429 mmol) のTHF溶液 (0.2 mL) を滴下し、室温下 4 時間撹拌した後、これに-78℃下で塩化ニコチノイル塩酸塩 (22.9 mg, 0.129 mmol) を加え、0℃で15分間撹拌し、さらに室温で2時間撹拌した。AcOHを加えて反応を止め、EtOAcを加えて、有機層を水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮して、得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー (シリカゲル0.645 g, ヘキサン:EtOAc=5:1) で精製して、黄色油状物質として化合物(25) (11.3 mg, 34%) を得た。
【実施例】
【0265】
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.05 (s, 1H, Py), 8.76 (s, 1H, Py), 8.22 (d, 1H, J=8.1 Hz, Py), 7.50 (m, 1H, Py), 6.39 (s, 1H, C[H]=C), 3.79 (ddd, 4H, J=5.1, 5.7, 8.7 Hz, 2 x C[H2]OTBS), 3.50 (m, 1H, C[H]OTBS), 2.60 (s, 1H, C[H]C=O), 1.84 (m, 1H, 1/2 C[H2]CHOTBS), 1.71 (m, 1H, C[H](CH2OTBS)2), 1.56 (m, 1H, 1/2 C[H2]CHOTBS), 1.42 (m, 1H, C[H]C(CH3)2), 1.44 (s, 3H, C[H3]CCHOTBS) 1.15 (s, 3H, C[H3]CCH3), 0.97 (s, 3H, C[H3]CCH3), 0.91 (m, 27H, 3 x (C[H3])3CSi), 0.04 (m, 18H, 3 x (C[H3])2Si);
HRMS (ESI, TFANa) [M+]+ 次式の計算値: C41H69NO7Si3772.4460, 実測値: 772.4446。
【実施例】
【0266】
11) 2-((5aS,6S,8S,9aS,10R)-6-アセトキシ-10-ヒドロキシ-5a,9,9-トリメチル-1-オキソ-3-(ピリジン-2-イル)-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-8-イル)プロパン-1,3-ジイル・ジアセテート(26), (PT010)の合成
【化55】
JP0005946100B2_000056t.gif
【実施例】
【0267】
化合物(25) (11.3 mg, 0.0146 mmol) のMeOH溶液 (0.5 mL) に、0℃でAcCl (0.0207 mL, 0.292 mmol) を加えて、1時間撹拌した後、濃縮した。
【実施例】
【0268】
窒素雰囲気下0℃で、得られた残渣のCH3CN 溶液 (0.5 mL) に、Et3N (0.033 mL, 0.234 mmol)、触媒量のDMAP、及びAc2O (0.011 mL, 0.117 mmol) を加えて、室温で15分間撹拌した。MeOHと水を加えて反応を止め、CH2Cl2で抽出した後、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮した。
【実施例】
【0269】
得られた残渣のMeOH溶液 (0.5 mL) に、0℃で、CeCl3・7H2O (21.8 mg, 0.0584 mmol) とNaBH4 (2.2 mg, 0.0584 mmol) とを加えて30分間撹拌した。アセトンを加えて反応を止め、水を加えた後、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥後、濃縮し、得られた粗物質を分取TLC(ヘキサン:EtOAc=1:2)で精製することにより 白色固体物質として化合物(26), (PT010) (4.2 mg, 3段階, 51%) を得た。
【実施例】
【0270】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.04 (s, 1H, Py), 8.71 (s, 1H, Py), 8.20 (m, 1H, Py), 7.50 (m, 1H, Py), 6.50 (d, 1H, J=4.8 Hz, C[H]=C), 5.05 (d, 1H, J=4.0 Hz, C[H]OH), 4.94 (m, 1H, C[H]OAc), 4.19 (m, 2H, C[H2]OAc), 3.97 (m, 2H, C[H2]OAc), 2.29 (m, 1H, C[H](CH2OAc)2), 2.16 (m, 3H, C[H3]C=O), 2.12 (m, 2H, C[H2]CHOAc), 2.08 (m, 1H, C[H]C(CH3)2), 2.08 (m, 6H, 2 x C[H3]C=O), 1.97 (m, 1H, C[H]CHOH), 1.58 (s, 3H, C[H3]CO) 1.34 (s, 3H, C[H3]CCH3), 1.25 (s, 3H, C[H3]CCH3);
HRMS (ESI, TFANa) [M+Na]+ 次式の計算値: C29H35NNaO10 580.2159, 実測値: 580.2137。
【実施例】
【0271】
[実施例11]
(5aS,6S,8S,9aS,10R)-10-ヒドロキシ-5a,9,9-トリメチル-1-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-8-(2-(o-トルイル)-1,3-ジオキサン-5-イル)-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b]クロメン-6-イル 4-シアノベンゾエート (PT017)の製造
【化56】
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【実施例】
【0272】
化合物25 (33.2 mg, 0.043 mmol) のMeOH (0.5 mL) 溶液に、0℃でAcCl (61μL, 0.860 mmol) を加えて1時間撹拌した後、濃縮した。窒素雰囲気下0℃で、得られた残渣のDMF (0.5 mL) 溶液に、o-トルアルデヒド (25 μL, 0.215 mmol) と触媒量のPPTSとを加えて、室温で2時間撹拌した。水を加えて反応を止め、EtOAcを加えて、有機層を水で洗浄した。その後、合わせた有機層を、Na2SO4で乾燥後濃縮した。窒素雰囲気下室温で、得られた残渣のDMF (0.5 mL) 溶液に、EDCI (6.9 mg, 0.0359 mmol) と触媒量のDMAP及びp-CNBzOH (4.4 mg, 0.0300 mmol) とを加えて、室温で14時間30分撹拌した。H2Oを加えて反応を止め、EtOAcを加えて、有機層を、0.1N HCl及びNaHCO3飽和水溶液で洗浄した。得られた有機層を、Na2SO4で乾燥後濃縮した。得られた残渣のMeOH (0.5 mL) 溶液に、0℃で、CeCl3・7H2O (9.7 mg, 0.0259 mmol) とNaBH4 (1.0 mg, 0.0259 mmol) を加えて、30分間撹拌した。アセトンを加えて反応を止め、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4で乾燥後濃縮した。得られた粗物質を、分取TLC (20:1 CH2Cl2/MeOH) で精製を行うことにより 白色固体物質 PT017 (7.0 mg, 4段階, 25%) を得た。
【実施例】
【0273】
[α]27D -105.6 (c 0.1, CHCl3); IR (KBr) 3448, 2360, 2341, 1643, 1277, 1086 cm-1; 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.97 (bs, 1H, Py), 8.67 (bs, 1H, Py), 8.19 (d, 2H, p-CN[Bz], J = 8.0 Hz), 8.06 (d, 1H, Py, J = 8.0 Hz), 7.80 (d, 2H, p-CN[Bz], J = 8.8 Hz), 7.38 (dd, 1H, Py, J = 4.8, 8.0 Hz ), 6.39 (s, 1H, C[H]=C), 5.21 (dd, 1H, C[H]Op-CNBz, J = 4.4, 11.2 Hz), 5.08 (d, 1H, C[H] (OH)CH, J = 4.0 Hz), 4.23-4.18 (m, 2H, C[H2]OAc), 4.02 (dd, 1H, 1/2 C[H2]OAc, J = 6.4, 11.2 Hz), 3.93 (dd, 1H, 1/2 C[H2]OAc, J = 10.0, 11.2 Hz), 2.98 (bs, 1H, OH), 2.35-2.31 (m, 1H, C[H](CH2OAc)), 2.15-2.10 (m, 1H, 1/2 C[H2]CHOp-CNBz), 2.10 (s, 3H, Ac), 2.06 (s, 3H, Ac), 1.82 (s, 3H, C[H3]CCHOp-CNBz), 1.77-1.65 (m, 3H, 1/2 C[H2]CHOp-CNBz, C[H]CH(OH), C[H]C(CH3)2) 1.39 (s, 3H, C[H3]CCH3), 1.27 (s, 3H, C[H3]CCH3);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ171.1, 171.0, 164.0, 163.8, 161.8, 157.4, 151.5, 146.7, 133.9, 133.1, 132.4, 130.2, 117.9, 116.8, 103.2, 99.1, 82.8, 78.9, 65.6, 62.4, 60.5, 52.5, 46.1, 39.1, 34.9, 27.1, 26.7, 20.9, 18.5, 15.9;
ESI-HRMS (TFA-Na) 次式の計算値: C35H36N2NaO10 666.2268 (M+Na), 実測値: 666.2293 (M+Na)。
【実施例】
【0274】
[実施例12]
2-((5aS,6S,8S,9aS,10R)-6-((4-シアノベンゾイル)オキシ)-10-ヒドロキシ-5a,9,9-トリメチル-1-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-1,5a,6,7,8,9,9a,10-オクタヒドロピラノ[4,3-b] クロメン-8-イル)プロパン-1,3-ジイル ジアセテート (PT022)の製造
【化57】
JP0005946100B2_000058t.gif
【実施例】
【0275】
化合物25 (56.8 mg, 0.0737 mmol) のMeOH (1.0 mL) 溶液に、0℃でAcCl (105 μL, 1.473 mmol) を加えて1時間撹拌した後、濃縮した。窒素雰囲気下0℃で、得られた残渣のDMF (2.0 mL) 溶液に、2,6-ルチジン (26 μL, 0.221 mmol) と(t-Bu)2Si(OTf)2 (30 μL, 0.0811 mmol) とを加えて、1時間撹拌した。MeOHを加えて反応を止め、EtOAcを加えて、有機層を水で洗浄した。その後、合わせた有機層を、Na2SO4で乾燥後濃縮した。窒素雰囲気下室温で、得られた残渣のCH2Cl2 (1.0 mL) 溶液に、EDCI (56.5 mg, 0.295 mmol) と触媒量のDMAP及びp-CNBzOH (32.5 mg, 0.221 mmol) とを加えて、室温で1時間撹拌した。MeOH を加えて反応を止め、EtOAcを加えて、有機層を、0.1N HCl及びNaHCO3 飽和水溶液で洗浄した。得られた有機層を、Na2SO4で乾燥後濃縮した。得られた残渣のTHF (1.0 mL) 溶液に、Et3N・3HF (12 μL, 0.0737 mmol) を加えて、1時間撹拌した後、濃縮した。得られた残物質を、分取TLC (10:1 CH2Cl2/MeOH) で粗精製を行うことにより、粗生成物を得た。窒素雰囲気下、室温で、得られた粗生成物のMeCN (1.0 mL) 溶液に、Et3N (82 μL, 0.590 mmol) と触媒量のDMAP及びAc2O (30 μL, 0.295 mmol) とを加えて、室温で0.5時間撹拌した。MeOH を加えて反応を止め、EtOAcを加えて、有機層を水で洗浄した。得られた有機層を、Na2SO4で乾燥後濃縮した。得られた残渣のMeOH (1.0 mL) 溶液に、0℃で、CeCl3・7H2O (54.9 mg, 0.147 mmol) とNaBH4 (5.6 mg, 0.147 mmol) とを加えて、15分間撹拌した。アセトンを加えて反応を止め、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4で乾燥後濃縮し。得られた粗物質を、分取TLC (1:2 ヘキサン/EtOAc) で精製を行うことにより 白色固体物質 PT022 (18.1 mg, 6段階, 38%) を得た。
【実施例】
【0276】
1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ9.08 (bs, 1H, Py), 8.69 (s, 1H, Py), 8.31 (d, 1H, Py, J = 8.0 Hz), 8.23 (d, 2H, p-CN[Bz], J = 8.0 Hz), 7.90 (d, 2H, p-CN[Bz], J = 8.8 Hz), 7.58 (bs, 1H, Py), 7.48 (dd, 1H, Ph, J = 1.6, 7.6 Hz), 7.19-7.08 (m, 3H, Ph), 6.77 (s, 1H, C[H]=C), 5.55 (s, 1H, PhC[H]OCH2), 5.22 (dd, 1H, C[H]Op-CNBz, J = 4.8, 12.0 Hz), 5.04 (d, 1H, C[H](OH)CH, J = 3.6 Hz), 4.27-4.23 (m, 1H, 1/2 C[H2]OCHPh), 4.00-3.96 (m, 1H, 1/2 C[H2]OCHPh), 3.81 (dd, 1H, 1/2 C[H2]OCHPh, J = 11.2, 18.8 Hz), 3.78 (dd, 1H, 1/2 C[H2]OCHPh, J = 11.2, 18.8 Hz), 2.42-2.32 (m, 1H, C[H]CH2OCHPh), 2.31 (s, 3H, C[H3]Ph), 2.12-2.06 (m, 1H, 1/2 C[H2]CHOp-CNBz), 1.86 (s, 3H, C[H3]CCHOp-CNBz), 1.80 (dd, 1H, 1/2 C[H2]CHOp-CNBz, J = 13.2, 25.6 Hz), 1.71 (d, 1H, C[H]CH(OH), J = 3.6 Hz), 1.40 (s, 3H, C[H3]CCH3), 1.32 (s, 3H, C[H3]CCH3), 1.27-1.22 (m, 1H, C[H]C(CH3)2);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ164.3, 163.6, 161.7, 135.9, 135.7, 133.9, 132.6, 130.5, 130.4, 129.0, 126.1, 125.7, 117.9, 117.0, 103.8, 100.0, 82.9, 79.0, 72.0, 70.7, 60.5, 52.6, 45.7, 39.4, 32.8, 32.0, 29.8, 29.7, 29.5, 27.3, 27.2, 22.8, 19.0, 18.8, 16.0, 14.2;
ESI-HRMS (TFA-Na) 次式の計算値: C39H39N2O8 663.2706 (MH), 実測値: 663.2713 (MH)。
【実施例】
【0277】
<II. 新規化合物の薬理試験>
〔試験例1:ACAT2阻害活性試験〕
前記の手順で製造された化合物について、下記の手順でACAT2阻害活性を調査した。
【実施例】
【0278】
[ACAT2酵素タンパク質の調製方法]
ACAT2酵素タンパク質の調製は、Uelmenらの方法(Uelmenら, J. Biol. Chem., 第270巻, 26192-26210頁, 1995年)を一部改変して行った。ACAT2酵素タンパク質の抽出源としては、マウス肝臓ミクロソーム由来の膜画分を用いた。マウス肝臓を、緩衝液A[50 mMトリス塩酸緩衝溶液(pH 7.8)、1 mMエチレンジアミン四酢酸及び1 mMフェニルメタンスルフォニルフルオリド]中で、ポッター型ホモジナイザー(Tokyo-RIKO社製)を用いてホモジナイズした。これを、12000×gで遠心し、その上清を、10000×gで超遠心した。得られた沈渣を、マウス肝臓ミクロソーム画分とした。この画分を、5 mg/mlのタンパク質濃度となるように緩衝液Aで調整して、ACAT2酵素タンパク質の酵素源を得た。
【実施例】
【0279】
[ACAT2阻害活性の測定方法]
ACAT2活性の測定は、下記の手順で行った。200μgタンパク質量の前記酵素源、200 mM牛血清アルブミン及び[1-14C]オレオイルコエンザイムA(最終濃度170μM, 0.09μCi)と、所定量の各実施例化合物又は比較例化合物を含む試料とを緩衝液Aに加えて、全量を200μlに調整して、反応溶液を得た。前記反応溶液を、37℃で5分間インキュベートした。前記試料の代わりに、10μlのメタノールを加えて調製した反応溶液を、コントロールの反応溶液とした。
【実施例】
【0280】
インキュベート後、反応溶液に、1.2 mlクロロホルム/メタノール(1:2)溶液を加えて反応を停止させた。反応停止後の反応溶液から、Blish & Dyer法(Blish & Dyer, Can. J. Biochem. Physiol., 第37巻, 911-917頁, 1959年)にしたがって、脂質を回収した。得られたクロロホルム層を乾固した。乾固したクロロホルム層を、薄層クロマトグラフィー(TLC)用プレート(シリカゲルプレート、厚さ0.5 mm、メルク社製)にスポットし、ヘキサン/ジエチルエーテル/酢酸(70:30:1, v/v)の溶媒で展開して分離した。次に、FLA 7000(富士フィルム社製)を用いて、TLCプレート上で分離された[14C]コレステリルオレートを定量した。各実施例化合物又は比較例化合物を含む試料の測定結果を、コントロールの測定結果と比較することにより、各実施例化合物又は比較例化合物のACAT2阻害率を以下の式に基づき算出した。なお、前記[14C]コレステリルオレートの定量においては、何もスポットしていないTLCプレート上の放射活性を、バックグラウンド値とした。
【化58】
JP0005946100B2_000059t.gif
【実施例】
【0281】
前記手順で算出した阻害率から、ACAT2活性を50%阻害する各実施例化合物又は比較例化合物の濃度(IC50)を決定した。結果を表1に示す。表中の記号の意味は、下記の通りである。
***:0.5μM≧阻害活性
** :10μM≧阻害活性>0.5μM
* :100μM≧阻害活性>10μM
阻害活性=ACAT2活性を50%阻害する濃度(IC50
【実施例】
【0282】
【表1】
JP0005946100B2_000060t.gif
【実施例】
【0283】
表1に示すように、実施例化合物は、いずれも高いACAT2阻害活性を示した。特に、本発明の式(I)で表される化合物に対応する実施例化合物PT005、PT006、PT009、PT017及びPT022は、ピリピロペンAと略同程度の非常に高いACAT2阻害活性を示した。前記結果から、天然物であるピリピロペンAを原料とすることなく、合成的手段によって、高いACAT2阻害活性を有する本発明の化合物を製造できることが明らかとなった。
【実施例】
【0284】
なお、本発明は、前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除及び/又は置換をすることが可能である。